Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
キトサンをアミノ反応性ポリマー表面と反応させることによる抗菌性物品の製造方法
説明

キトサンをアミノ反応性ポリマー表面と反応させることによる抗菌性物品の製造方法

本発明は、キトサン溶液を、アミノ反応性官能基を含有するポリマー表面と接触させる工程を含む抗菌性物品の製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
キトサン溶液を、アミノ反応性官能基を含有するポリマー表面と接触させる工程を含むポリマー物品を抗菌性にする方法。
【背景技術】
【0002】
本発明は、キトサン溶液を、重合されたままでアミノ反応性官能基を含有するポリマーの表面と接触させることを含む、ポリマー物品を抗菌性にするための方法に関する。
【0003】
細菌との人間接触を排除するまたは最小限にするための多くの材料の市場での存在によって明らかなように、環境で遭遇する細菌を最小限にするか殺すかのどちらかである材料および/または方法に対する要求は明らかに存在する。かかる材料は、食品調製または取扱いの分野で、およびバスルームのような個人衛生の分野で有用である。同様に、かかる抗菌性材料の用途は、耐性低下した人々が細菌に対して特に弱い病院および養護施設に存在する。
【0004】
キトサンはポリ−[1−4]−β−D−グルコサミンに対して一般に用いられる名称である。キトサンは、ポリ−[1−4]−β−N−アセチル−D−グルコサミンであるキチンから化学的に誘導され、ここでキチンは真菌類の細胞壁、昆虫および、特に、甲殻類の殻に由来する。このように、キトサンは広範に入手可能な材料から安価に誘導される。キトサンは、例えば、バイオポリマー・エンジニアリング社(ミネソタ州セントポール)(Biopolymer Engineering,Inc.(St.Paul,MN));バイオポリマー・テクノロジーズ社(マサチューセッツ州ウェストボロー)(Biopolymer Technologies,Inc.(Westborough,MA))、およびカルボマー社(CarboMer,Inc.)(マサチューセッツ州ウェストボロー)から商業物品として入手可能である。
【0005】
キトサンは、金属イオンがキトサンと錯体を形成するように金属塩溶液で処理することができる。キトサンおよびキトサン−金属化合物は、殺菌剤および抗真菌剤として抗菌活性を提供することが知られている(例えば、ジェー.ヴィ.エドワーズ(J.V.Edwards)およびティ.エル.ヴィゴ(T.L.Vigo)編、生物活性繊維およびポリマー(Bioactive Fibers and Polymers)中の、ティ.エル.ヴィゴ著、「抗菌性ポリマーおよび繊維:回顧および展望(Antimicrobial Polymers and Fibers:Retrospective and Prospective)」、ACSシンポジウムシリーズ(ACS Symposium Series)792、175−200ページ、米国化学会(American Chemical Society)、2001年を参照されたい)。メカニズムはまだよく理解されていないが、キトサンはまた抗ウィルス活性を与えることも知られている(例えば、チャーコフ、エス.エヌ.(Chirkov,S.N.)著、「応用生化学および微生物学(Applied Biochemistry and Microbiology)(Prikladnaya Biokhimiya i Mikrobiologiyaの翻訳)」、38(1)(2002)、1−8ページを参照されたい)。さらに、キトサンは抗臭性を与えることが知られており、例えば、国際公開第1999/061079(A1)号パンフレットを参照されたい。
【0006】
特開平05−269181号公報は、コンタクトレンズおよびコンタクトレンズ用容器のための抗菌性ポリマーの製造を開示している。該参考文献は、光学的に透明なコンタクトレンズ材料の表面と反応するキトサンについて説明している。ヒドロキシル官能性を持ったメタクリレート/カーボネートコポリマーが例示されている。一例では、キトサンは、コンタクトレンズ上へ先ずグラフトされたアクリル酸層上へのカルボジイミド水溶液でのグラフト重合によって表面に結合させられる。別の例では、N−メチルピロリドン中のキトサン溶液がコンタクトレンズに接触し、キトサンは架橋される。
【0007】
米国特許第5,618,622号明細書は、キトサンのような、反対電荷の高分子電解質でコートされた、その表面上にカチオンまたはアニオン官能基を有する炭化水素ポリマー繊維を含む表面改質繊維状濾過媒体を開示している。抗菌性については言及されていない。
【0008】
特開2001−342435号公報は、キトサンと、モノマー成分として不飽和カルボン酸を含むコポリマーおよび前記コポリマーを金属イオンで部分または完全中和することによって得られたアイオノマーから選択される合成樹脂のエマルジョンまたは水性ディスパージョンとの両方を含む抗菌性コーティング剤を開示している。キトサンは、100重量部の上記合成樹脂に対して約15〜70重量部の割合で混合される。表面はこのようにキトサンと合成ポリマーとの混合物である。キトサンの脱アセチル化の程度は40〜55%である。水中のその溶解度は、その分子量が低い、多分10,000未満であることを示唆する。この参考文献はまた、キトサンの酸性化溶液をフィルムまたはシート表面上へコートすることには触れずに教示している。
【0009】
同時係属中の米国特許出願公開第2003/0091612号明細書では、ポリオレフィン物品は、クロム酸と硫酸との水性混合部で処理され、脱イオン水で洗浄され、濃硝酸に浸漬され、そしてキトサン溶液での処理の前に脱イオン水で再洗浄されている。有効な抗菌性物品はこの方法で製造されるが、より簡単な、より経済的な方法が望ましい。
【0010】
それ故、抗菌性ポリマー材料およびその製造方法であって、キトサン溶液を、アミノ反応性官能基を含有するポリマー表面と接触させる工程を含む方法を提供することが本発明の目的である。かかる材料を含む物品もまた提供される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、重合されたままでアミノ反応性官能基を含有するポリマーとキトサン・コーティングとを含む抗菌性ポリマー材料であって、ポリマー材料の表面が少なくとも1000面積ppmのキトサン濃度を有するように、キトサンが前記官能基と反応しているポリマー材料を開示する。
【0012】
また、前記組成物を含む物品および前記物品の製造方法であって、
a)その表面がアミノ反応性官能基を本質的に含有するポリマーを含む物品を提供する工程と、
b)物品を、キトサンを含む溶液と接触させる工程と、
c)場合により、工程b)の物品を、金属塩を含有する溶液と接触させる工程と、
d)工程b)またはc)で生み出された物品を乾燥する工程と
の逐次工程を含む方法も開示される。
【0013】
図面は次の通り7つの図よりなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
「アミノ反応性基」は、本明細書で用いるところでは、NH2基との化学反応を容易に受ける化学官能基を意味する。例には、金属イオンのような正に帯電した化学種、酸無水物、カルボン酸、イソシアネート、エポキシド、酸塩化物、およびエノンが挙げられる。
【0015】
語句「重合されたままでアミノ反応性官能基を含有するポリマー」は、本明細書で用いるところでは、(共)重合されたままで、基材表面の追加の化学的または物理的変性または下塗(例えば、苛性アルカリ、酸、またはプラズマエッチングでの処理)の必要性なしに、キトサン剤のアミノ基が基材表面と反応して少なくとも1000ppmキトサンの表面濃度の安定なコーティングを形成するのに十分な量でアミノ反応性官能基を含有する表面を与えるホモポリマーおよびコポリマー(グラフトコポリマーを含む)を意味する。キトサンのかかる表面濃度は十分な抗菌効果のために望ましい。
【0016】
前記ホモポリマーおよび/または(共)重合体を含むポリマーブレンドは、キトサン剤のアミノ基が基材の表面と反応して少なくとも1000ppmキトサンの表面濃度の安定なコーティングを形成するという要件を該ブレンドが満たす限り、本発明で使用されてもよい。
【0017】
本発明に好適な一ポリマータイプには、米国特許第4,026,967号明細書に記載されているもののようなグラフトコポリマーが含まれるが、それらに限定されず、その特許では、グラフトモノマーには熱安定性の不飽和カルボン酸無水物および二酸無水物が含まれ、主鎖ポリマーは好ましくはエチレンのポリマーおよび、少なくとも1つのオレフィンと他のモノマーとのコポリマーを含む、エチレンとC3〜C8α−オレフィンとから誘導されたコポリマーである。本発明での使用に好適なグラフトモノマーの例には、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジ−n−ブチル、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、イタコン酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−酸無水物、およびナド酸無水物(3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物)が挙げられる。フマル酸、無水マレイン酸、およびメタクリル酸グリシジルが特に好ましいグラフトモノマーである。好適な主鎖ポリマーの例は、ポリプロピレン;ポリエチレン、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセン触媒ポリエチレン、非常に低密度のポリエチレン(VLDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、高性能ポリエチレン(HPPE);エチレンとプロピレンとのコポリマー;エチレンまたはプロピレンと、プロピレン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸、メタクリル酸および一酸化炭素から選択される少なくとも1つのモノマーとから誘導されたコポリマー;ならびにエチレンと、またはプロピレンと、またはエチレンおよび他のオレフィンと少なくとも6個の炭素原子の線状脂肪族非共役ジエン(1,4−ヘキサジエンのような)およびノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、ブタジエンなどのような共役のまたは非共役の他のジエンとのコポリマーのような、オレフィンとジオレフィンとのコポリマーである。他の好適な主鎖ポリマーは、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー社(デラウェア州ウィルミントン)(E.I.du Pont de Nemours & Co.,Inc.(Wilmington,Delaware))から入手可能なテフゼル(Tefzel)(登録商標)ETFEフルオロポリマー樹脂のような、エチレンとテトラフルオロエチレンとのコポリマーである。本発明での使用に好適な、商業的に入手可能なグラフトコポリマーの一例は、バイネル(Bynel)(登録商標)4033、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー社(デラウェア州ウィルミントン)から入手可能な無水マレイン酸グラフトHDPEである。
【0018】
本発明での使用に好適な別のタイプのポリマーは、オレフィンとアクリル酸および/またはメタクリル酸とのコポリマーである。エチレンが好ましいオレフィンである。商業的に入手可能な材料の例は、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー社(デラウェア州ウィルミントン)から入手可能なヌクレル(Nucrel)(登録商標)エチレン酸コポリマー樹脂である。
【0019】
本発明での使用に好適な他のポリマーはアイオノマーである。用語「アイオノマー」は、本明細書で用いるところでは、ポリマー鎖に結合した無機塩の基付きポリマーを意味する(ポリマー科学および技術百科辞典(Encyclopedia of Polymer Science and Technology)、第2版、エッチ.エフ.マーク(H.F.Mark)およびジェイ.アイ.クロシュウィッツ(J.I.Kroschwitz)編、第8巻、393−396ページ)。2つの典型的なアイオノマー構造が下に示される。
【0020】
【化1】

【0021】
式中、m対nの比は通常10〜100程度である、すなわち、典型的には繰り返し単位のたったの約1〜9%がイオン基を含有する。イオンMは典型的にはリチウム、ナトリウム、または亜鉛のような金属イオンであるが、他のカチオン、例えば、アンモニウムであることができる。典型的には、ポリマーの酸形が先ず製造され、次に所望の金属イオンを含有する塩基で所望の程度まで中和される。部分中和ポリ(エチレン−コ−メタクリル酸)および部分中和ポリ(エチレン−コ−アクリル酸)は、スルホン化ポリスチレンがそうであるように、アイオノマーの例である。商業化されたアイオノマーの幾つかの例は、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー社(デラウェア州ウィルミントン)から入手可能なサーリン(Surlyn)(登録商標)熱可塑性樹脂、同様にデュポン(DuPont)製のナフィオン(Nafion)(登録商標)過フッ素化スルホン酸膜、日本国の旭硝子株式会社によって開発されたフレミオン(Flemion)(登録商標)パーフルオロカルボキシレートアイオノマー、およびエクソン(Exxon)製のスルホン化エチレン−プロピレン・ターポリマーである。テキスタイル染色性を高めるために低レベルのスルホン化コモノマーと共に重合されたポリエステルおよびポリアミド(例えば、米国特許第5,559,205号明細書、同第5,607,765号明細書、および同第3,389,549号明細書を参照されたい)ならびに逆浸透膜および他の選択的分離膜で使用されるもののようなスルホン化芳香族ポリアミド(例えば、米国特許第3,567,632号明細書および同第4,595,708号明細書を参照されたい)もまた本発明のための好適な基材である。
【0022】
本発明での使用に好適なポリマーブレンドの例には、強化材が重合されたままでアミノ反応性基を含有するポリマーである、強化ポリエステルおよびポリアミドのような強化グレードの半結晶性熱可塑性樹脂が挙げられるが、それらに限定されない。
【0023】
本発明は、抗菌性ポリマー材料およびそれを含む物品に関する。本発明の方法によって製造された物品は、物品が一般に使用される時に微生物増殖が減少する抗菌性機能を示す。用語「抗菌性」は、本明細書で用いるところでは、当該技術で一般に公知であるように、殺菌性、抗真菌性、および抗ウィルス性を意味する。「抗微生物増殖が減少する」または「細菌増殖の減少」とは、下に記載される振盪フラスコ試験で測定されるように、および細菌増殖で3−対数減少の最低限の要件を示す抗菌性機能を測定するために一般に用いられるように24時間での細菌の99.9%殺菌が満たされたことを意味する。
【0024】
本発明の物品は、その上で反応した少なくとも1つのキトサンの層を有する。キトサンはポリ−[1−4]−β−D−グルコサミンに対して一般に用いられる名称である。キトサンは、ポリ−[1−4]−β−N−アセチル−D−グルコサミンであるキチンから化学的に誘導され、ここでキチンは真菌類の細胞壁、昆虫および、特に、甲殻類の殻に由来する。
【0025】
本発明の任意の第1工程として、物品の外面は、任意の方法または物品が含む具体的ポリマーについて当該技術で一般に公知の洗浄剤を用いてきれいにされる。例えば、ポリオレフィン物品の表面はC1〜C6アルコール、ジアルキルホルムアミドおよびアセトアミドで、または可塑剤を抽出することができる他の極性溶剤できれいにすることができる。きれいにされた物品の表面は次に、必要ならば、当該技術で一般に公知の方法によって、例えば、真空、自然風乾、オーブン乾燥、および空気強制乾燥によって乾燥されてもよい。
【0026】
任意の表面クリーニング工程の後、物品はキトサンで処理される。これは、物品をキトサン処理液に浸漬するまたはそれで濡らすことを含む。典型的には、この処理液は酢酸水溶液、好ましくは約0.5%〜約5%酢酸水溶液である。好ましい実施形態では、0.1〜3%キトサンおよび0.5%〜1.0%酢酸を含有する水溶液が調製される。より好ましい実施形態では、2%キトサンおよび0.75%酢酸を含有する水溶液が調製される。別の好ましい実施形態では、2%キトサンおよび1.5%酢酸水溶液が調製される。処理の時間は典型的には5〜30分である。処理の温度は決定的に重要であるわけではなく、典型的には室温〜90℃の範囲にある。
【0027】
キトサンでの処理の後、物品は、好ましくは脱イオン水で洗浄されてもよい。場合により、物品は次に当該技術で公知の方法によって乾燥されてもよい。かかる方法には、自然風乾、オーブン乾燥、および空気強制乾燥が含まれる。窒素のような不活性雰囲気が空気の代わりに提供されてもよい。好ましい実施形態では、物品は約40〜90℃で約12〜24時間オーブン乾燥される。
【0028】
本発明の方法によって製造された物品は抗菌性を示し、その上、臭気発生も抑制すると期待される。前記抗菌性は、場合により、金属塩での処理によってさらに高められてもよい。本発明に有用な金属塩には、例えば、硫酸亜鉛、硫酸銅、硝酸銀、もしくは他の水溶性亜鉛、銅、および銀塩またはこれらの混合物が含まれる。金属塩は典型的には、水中の該塩の希薄な(0.1%〜5%)溶液を物品上へ浸し塗りする、吹き付け塗りするまたはパジングすることによって塗布される。
【0029】
本発明のポリマー材料を含む物品はフィルム、膜、ラミネート、編布、織布、不織布、繊維、フィラメント、糸、ペレット、コーティング、またはフォームの形態にあっても、またはそれらを含んでもよい。物品は、射出成形、押出、ブロー成形、熱成形、溶液キャスティング、フィルムブローイング、編成、製織、または紡績の方法のような、しかしそれらに限定されない、当該技術で公知の任意の方法によって製造されてもよい。
【0030】
多くの物品が微生物増殖の減少から恩恵を受け、かつ、多種多様なポリマーが本発明に含まれるので、本発明の好ましい物品は多様な用途を提供する。下記は、特定の物品が一般に使用される最終用途で物品中または物品上で微生物増殖を減らすことが望ましい物品の例である。
【0031】
本発明の物品には、食品、パーソナルケア(健康および衛生)品目、および化粧品用パッケージングが含まれる。「パッケージング」とは、全体パッケージかパッケージの部品かのどちらかを意味する。パッケージング部品の例には、パッケージングフィルム、ライナー、吸収剤パッドパッケージング、収縮バッグ、収縮ラップ、トレー、トレー/容器アセンブリ、キャップ、接着テープ(adhesive)、蓋、およびアプリケーターが挙げられるが、それらに限定されない。本発明のかかる吸収剤パッド、収縮バッグ、収縮ラップ、およびトレーは、精肉、鶏肉、および魚を包装するために特に有用である。
【0032】
パッケージは、缶、ボックス、ボトル、ジャー、バッグ、化粧品パッケージ、または閉端チューブのような特定の用途に適切な任意の形態にあってもよい。パッケージングは、押出、共押出、熱成形、射出成形、積層、またはブロー成形によるような、当該技術で公知の任意の方法によって作られてもよい。
【0033】
パッケージングの幾つかの具体的な例には、処方および非処方カプセルおよび丸薬用のボトル、チップ、アプリケーター、およびキャップ;目、耳、鼻、喉、膣、尿道、直腸、皮膚、およびヘア接触向けの溶液、クリーム、ローション、粉おしろい、シャンプー、コンディショナー、消臭剤、制汗剤、および懸濁液;リップ製品パッケージング;ならびにキャップが挙げられるが、それらに限定されない。
【0034】
アプリケーターの例には、口紅、リップクリーム、グロス;マスカラ、アイライナー、シャドウ、打粉、入浴剤、ほお紅、ファンデーションおよびクリームのような、目化粧品用パッケージおよびアプリケーター、ならびにポンプ式計量分配装置およびその部品が挙げられる。これらのアプリケーターは、身体の様々な表面上へ物質を塗布するために使用され、細菌増殖の減少はかかる用途で有益であろう。
【0035】
本発明に含まれるパッケージング部品の他の形態には、ドリンクボトルネック、交換式キャップ、非交換式キャップ、および分配システム;食品および飲料配送システム;哺乳瓶乳首、およびキャップ;ならびにおしゃぶりが含まれる。液体、溶液または懸濁液が塗布されることを意図される場合、パッケージは、別個の滴を分配するための、または小滴の吹き付けのための形での塗布用に作られてもよい。本発明はまた、吸入器として作られた医薬品用途でも用途を見いだすであろう。
【0036】
抗菌性機能から恩恵を受ける、かつ、微生物増殖が消費者の特定の最終用途で減らされる食品取扱いおよび加工の分野で、パッケージング以外の最終用途の例は、一時的または永久的な食品調製表面;コンベアベルト・アセンブリおよびそれらの部品;混合、細砕、圧潰、圧延、ペレット化、および押出のための装置およびその部品;熱交換器およびそれらの部品;ドレインおよびそれらの部品;バケツ、タンク、パイプ、およびチュービングのような、しかしそれらに限定されない水を輸送するための装置;ならびに食品切断およびスライス化のための機械およびその部品のような、食品取扱いおよび加工装置の部品用コーティングである。かかる装置部品の表面が金属である場合、重合されたままでアミノ反応性基を含有するポリマーのコーティングを先ず金属表面に塗布することができよう。あるいはまた、かかるポリマーのフィルムをキトサンで処理し、次に装置表面にヒートシールすることができよう。一実施形態では、装置部品は、食品加工に使用される押出機のような、しかしそれに限定されない、単軸スクリューまたは二軸スクリュー押出機の要素である混合および/または搬送用スクリューであり、ポリマー・コーティングはアイオノマーを含む。
【0037】
本発明の物品はまた、水着、下着、靴部品(例えば、織もしくは不織靴ライナーまたはインサート)、保護スポーツパッド、子供服、または医療衣類(例えば、ガウン、マスク、手袋、スリッパ、ブーティ、もしくはヘッドカバーなど)のようなアパレル品でまたはアパレル品として使用することができる。かかる衣類は特に臭気発生の抑制から恩恵を受ける。
【0038】
本発明の物品はまた、包帯、接着テープ、ガーゼストリップ、ガーゼパッド、医療もしくは外科ドレープ、注射器ホルダー、カテーテル、縫合糸、IVチュービング、IVバッグ、ステント、ガイドワイヤ、人工器官、整形外科ピン、歯科材料、ペースメーカー、心臓弁、人工心臓、ひざおよびヒップ関節インプラント、骨セメント、代用血管、泌尿器カテーテル小孔ポート、整形外科固定具、ペースメーカー導線、除細動器導線、外耳道短絡、美容インプラント、ENT(耳、鼻、喉)インプラント、ステープル、移植可能ポンプ、ヘルニアパッチ、プレート、スクリュー、血液バッグ、外部血液ポンプ、流体投与システム、心肺機、透析装置、人工皮膚、心室支援装置、補聴器、および歯科インプラントのような、医療材料、装置、またはインプラント中でまたはそれらとして使用することができる。
【0039】
衛生分野では、本発明の物品には、おむつ、失禁パッド、パンティーライナー、生理用ナプキン、スポーツパッド、タンポンおよびそれらのアプリケーターのような個人衛生衣類、ならびに抗菌性ワイプ、おしりふき、個人クレンジングワイプ、化粧用ワイプ、おむつ、薬用ワイプまたはパッド(例えば、抗生物質、にきびを処置するための薬剤、痔疾を処置するための薬剤、かゆみ止め剤、抗炎症剤、または防腐剤を含有する薬用ワイプまたはパッド)のようなヘルスケア材料が含まれる。
【0040】
本発明の物品にはまた、哺乳瓶乳首、おしゃぶり、歯列矯正装置もしくはそのためのゴムバンド、義歯材料、コップ、ドリンキンググラス、歯ブラシ、または噛みおもちゃのような、口接触向けの品目も含まれる。
【0041】
本発明のポリマー材料を含むことによって恩恵を受ける追加の子供指向物品には、哺乳瓶、幼児向け絵本(baby book)、プラスチックはさみ、おもちゃ、おむつペール、およびクレンジングワイプを入れるための容器が含まれる。
【0042】
本発明の家庭用品には、電話および携帯電話;ファイバーフィル、寝具類、ベッドリネン、窓処理材、カーペット、フローリング部品、マットおよび敷物バッキングのようなフォームパジング、室内装飾品部品(フォームパジングを含む)、不織ドライヤーシート、洗濯用ソフトナー含有シーツ、自動車ワイプ、家庭クリーニングワイプ、カウンターワイプ、シャワーカーテン、シャワーカーテンライナー、タオル、洗面タオル、ダストクロス、モップ、テーブルクロス、壁、ならびにカウンター表面が含まれる。
【0043】
本発明はまた、選択的分離膜(例えば、パーベーパレーション、透析、逆浸透、限外濾過、および精密濾過膜)、ならびにアミノ反応性基付きポリマー、例えば、スルホン化芳香族ポリアミドを含む空気および水フィルターの表面上でのバイオフィルム増殖を減らすまたは防ぐのにも有用である。
【0044】
本発明はまた、ボートハルおよびその部品、ならびにボートモーターおよびその部品のような、しかしそれらに限定されないボート部品上に防汚表面を提供するのにも有用である。ボート部品の表面が重合されたままでアミノ反応性基付きポリマーを含まない場合、例えば、ボート部品が金属表面を有する場合、重合されたままでアミノ反応性基を含有するポリマーのコーティングを先ずボート部品の表面に塗布することができよう。あるいはまた、かかるポリマーのフィルムをキトサンで処理し、次にボート部品の表面にヒートシールすることができよう。
【0045】
流体、例えば、水、輸送および/または貯蔵で使用される装置もまた、本発明の抗菌性ポリマー材料から恩恵を受けることができる。例示的な装置には、パイプおよびタンクが含まれるが、それらに限定されない。パイプまたはタンクの内面、外面、または両面は、本発明の防汚表面を含むことができる。表面が重合されたままでアミノ反応性基付きポリマーを含まない場合、例えば、表面が金属表面を有する場合、重合されたままでアミノ反応性基を含有するポリマーのコーティングを先ず表面に塗布することができよう。あるいはまた、かかるポリマーのフィルムをキトサンで処理し、次に表面にヒートシールすることができよう。
【0046】
リストされた製品に抗菌性機能を与えるために、製品は、それが製造される前に、もしくは後に、または製品の製造中に本発明の方法に従ってキトサン剤で処理することができる。例えば、抗菌性シャワーカーテンの製造において、有効量のアミノ反応性ポリマーを含む表面を有する材料を本発明の方法に従って処理し、引き続き処理した材料からシャワーカーテンを作ることができる。あるいはまた、キトサン処理は、材料がシャワーカーテンにされた後に行われてもよい。材料の抗菌性は著しく変化しないであろうと考えられる。
【実施例】
【0047】
本発明は、すべての部および百分率が重量による、そして度が摂氏である、次の実施例でさらに明確にされる。これらの実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すが、例示のみの目的で示されることが理解されるべきである。上の説明およびこれらの実施例から、当業者は本発明の本質的な特性を解明することができ、かつ、その精神および範囲から逸脱することなく、本発明を様々な用法および条件に適応させるために変更および修正を行うことができる。
【0048】
材料および方法
本研究で使用するキトサンは、ノルウェー国のプリメックス・コーポレーション(Primex Corporation of Norway)から登録商標キトクリア(ChitoClear)(登録商標)で商業的に入手可能な材料であった。材料は購入したまま使用した。
【0049】
キトサンサンプルのN−脱アセチル化の程度がプロトンおよびカーボン13NMR分光分析法によって85%を超えていることを確認した。サンプルの分子量は約70,000〜約350,000の範囲であった。
【0050】
処理物品を、材料の抗菌性試験のための振盪フラスコ試験(Shake Flask Test for Antimicrobial Testing of Materials)により次の手順を用いて抗菌性について試験した。
1.細菌または酵母寒天プレート培養物からの単一の分離コロニーを滅菌フラスコ中15〜25mlのトリプチケースソイブロス(TSB)に接種されたい。振盪ありまたはなしで(具体的菌株の適切なエアレーションを選択されたい)25〜37℃(具体的微生物にとって最適増殖温度を使用されたい)で16〜24時間培養されたい。糸状菌については、寒天プレート上で胞子形成培養物を調製されたい。
2.一晩細菌または酵母培養物をpH6.0〜7.0の滅菌リン酸緩衝液(下を参照されたい)中へ希釈してml当たり約105コロニー形成単位(cfu/ml)を得られたい。必要とされるリン酸緩衝液の総容量は50ml×試験フラスコの数(対照を含む)であろう。糸状菌については、105胞子/mlの胞子懸濁液を調製されたい。胞子懸濁液は、滅菌生理食塩水またはリン酸緩衝液で水浸しにした寒天プレート培養物からの胞子を穏やかに再懸濁させることによって調製する。初期接種カウントを得るために、10-4および10-3の最終希釈物(リン酸緩衝液中で調製した)を正副2通りトリプチケースソイアガー(TSA)プレート上へ広げられたい。プレートを25〜37℃で一晩培養されたい。
3.50mlの接種したリン酸緩衝液を、0.5gの試験されるべき材料を含有する各滅菌試験フラスコ中へ移されたい。また、試験材料なしの接種したリン酸緩衝液および未接種リン酸緩衝液の対照フラスコも調製されたい。
4.すべてのフラスコをリスト−アクション振盪機上に置き、室温で激しく振盪しながら培養されたい。全フラスコから定期的にサンプリングし、適切な希釈物をTSAプレート上へ広げられたい。25〜37℃で16〜48時間培養し、コロニーをカウントされたい。
5.コロニーカウントをml当たりのコロニー形成単位(cfu/ml)の数として報告されたい。
6.Δt値を次の通り計算してもよい:Δt=C−B、式中、Δtは接触時間tについての活性定数であり、CはX時間の培養後の未処理対照材料のフラスコ中の微生物の密度の平均常用対数であり、BはX時間の培養後の処理材料のフラスコ中の微生物の密度の平均常用対数である。Δtは典型的には4、6、または24時間で計算し、ΔtXとして表してもよい。
【0051】
ストック・リン酸緩衝液
リン酸二水素カリウム:22.4g
リン酸水素二カリウム:56.0g
脱イオン水:1000mlにする容量
【0052】
リン酸緩衝液のpHをNaOHかHClかのどちらかでpH6.0〜7.0に調整し、濾過し、滅菌し、使用まで4℃で保管されたい。作業リン酸緩衝液は1mlのストック・リン酸緩衝液を800mlの滅菌脱イオン水に希釈することによって調製する。
【0053】
実施例1
キトサンおよびキトサン−銀処理無水マレイン酸グラフトポリエチレンビーズの製造および抗菌性評価
無水マレイン酸でグラフトされた低密度ポリエチレンビーズ(50g、メタロセン触媒VLDPE、2MI、0.5%無水マレイン酸グラフト)を、0.75%酢酸水溶液(200ml)中の2%キトサン(プリメックス・キトクリアTM111、分子量350,000)溶液と80℃で30分間加熱し、冷却し、濾過し、脱イオン水で洗浄した。それを次に80℃で16時間乾燥した(サンプル1B)。
【0054】
サンプル1B(2g)を2%硝酸銀水溶液(10ml)に浸漬し、30分間ゆっくり振盪した。ビーズを次に濾過し、脱イオン水で3回洗浄し、窒素下40℃で乾燥した(サンプル1C)。これらのビーズ(1Bおよび1C)を、未処理ポリマービーズ(サンプル1A)および、ポジティブコントロールとしてのキトサン処理ポリ(エチレンテレフタレート)布と比較して、大腸菌(E.Coli)ATCC25922(ここで、ATCCはアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションを意味する)、および大腸菌O157:H7に対するそれらの抗菌性について評価した。この布は、順次、93℃で30分間3%水酸化ナトリウム水溶液で処理し、酢酸で中和し、塩酸水溶液(pH1.0)で酸性にし、水で洗浄し、最後にキトサン溶液(キトサン(プリメックス・キトクリア)TM588、分子量約70,000)、1%酢酸水溶液中2%)で処理し、引き続き布を77℃で8時間乾燥した。
【0055】
1A、1B、および1Cのサンプルをまた、スチームで121℃で20分間加圧滅菌器で処理してそれらを滅菌した。滅菌したビーズを次に抗菌効果について評価した。結果を図1および2に示す。未処理ビーズは有効ではなく、キトサン処理したものは非常にわずかに有効であり、銀プラスキトサン処理したものが最も有効であった。抗菌効果は滅菌後にも残っていた。
【0056】
実施例2
抗菌性無水マレイン酸グラフト高密度ポリエチレンビーズの製造および抗菌性評価
無水マレイン酸でグラフトされた高密度ポリエチレンビーズ(50g、バイネル(登録商標)4033)を、0.75%酢酸水溶液(200ml)中の2%キトサン(プリメックス・キトクリア(登録商標)TM111、分子量350,000)溶液と80℃で30分間加熱し、冷却し、濾過し、脱イオン水で洗浄した。それを次に80℃で16時間乾燥した(サンプル2A)。
【0057】
サンプル2A(10g)を2%硝酸銀水溶液(50ml)に浸漬し、30分間ゆっくり振盪した。ビーズを次に濾過し、脱イオン水で3回洗浄し、窒素下40℃で乾燥した(サンプル2B)。サンプル2A,2B、および未処理ビーズ(2C)を、大腸菌O157:H7に対するそれらの抗菌性について評価した。125℃で加圧滅菌器で処理することによって滅菌した2A、2B、および2Cのビーズもまた抗菌活性について評価した。結果を図3に示す。銀/キトサン処理が最も有効であり、銀/キトサン処理ビーズの抗菌活性は滅菌後に保持されていた。
【0058】
実施例3
キトサン処理無水マレイン酸グラフトポリエチレンフィルムの製造および抗菌性評価
1重量%のレベルの無水マレイン酸で一側面上にグラフトされたポリエチレンフィルムを、1.5%酢酸水溶液中の2%キトサン(プリメックス・キトクリア(登録商標)TM588、分子量70,000)の溶液に30分間浸漬し、風乾し、次に窒素下に60℃で16時間硬化させた。フィルムの3試験片、サンプルA、B、およびCを、振盪フラスコ試験で大腸菌ATCC25922に対する抗菌効能について評価した。結果を図4に示す。
【0059】
実施例4
ヌクレル(登録商標)/キトサンおよびサーリン(登録商標)/キトサン・フィルムの製造ならびに抗菌性評価
ヌクレル(登録商標)0403エチレン−メタクリル酸コポリマー(4.0%の典型的なメタクリル酸含有率)、ヌクレル(登録商標)0903エチレン−メタクリル酸コポリマー(9.0%の典型的なメタクリル酸含有率)、サーリン(登録商標)1601パッケージング樹脂(ナトリウム・アイオノマー、米国材料試験協会(ASTM)D1238、条件190℃/2.16kgにより1.3dg/分の典型的なメルトフローインデックス)、およびサーリン(登録商標)1702パッケージング樹脂(亜鉛アイオノマー、ASTM D1238、条件190℃/2.16kgにより14.0dg/分の典型的なメルトフローインデックス)のそれぞれ2つのフィルムサンプル(A、B)を秤量し、1M塩酸水溶液に30分間浸漬し、水で洗浄し、次に2%キトサン溶液(0.5%酢酸水溶液中のプリメックス・キトクリア(登録商標)TM656)に一晩浸漬した。フィルムを取り出し、過剰のキトサンを垂れさせ、最後にフィルムを窒素雰囲気下60℃で48時間乾燥し、表1に示すように再秤量した。少ないゼロまたは負の増量は、実験上の不確実性および/または最初に水和していたサンプルのキトサン処理による脱水のためである。




【0060】
【表1】

【0061】
キトサン処理Bフィルムを、対照としての対応未処理フィルムと一緒に、上記のように大腸菌ATCC25922に対する抗菌性について試験した。結果を図5に示す。
【0062】
実施例5
ナフィオン(登録商標)−キトサン・フィルムの製造および抗菌性評価
ナフィオン(登録商標)117パーフルオロスルホン酸ポリマーフィルムの試験片(厚さが約183ミクロンで、10.91gの重さがある)を2%キトサン溶液(1.5%酢酸水溶液中のキトクリア(登録商標)、プリメックスTM588、分子量約70,000)に5分間浸漬した。風乾し、引き続き窒素下80℃で乾燥した。乾燥フィルムの重量は10.91gであった。正味増量の欠如はたぶん、最初に高度に水和していたナフィオン(登録商標)117フィルムのキトサン処理による脱水のためであった。これを、未処理ナフィオン(登録商標)117フィルムの対照フィルムと同じように、上記のように大腸菌ATCC25922に対する抗菌活性について評価した。結果を図6に示す。キトサン処理ナフィオン(登録商標)117フィルムは、2時間後に大腸菌ATCC25922個体群の2.6対数減少、4時間後に3.2対数減少、6時間後に4.0対数減少、そして8時間後に5.6対数減少を提供した。対照的に、未処理ナフィオン(登録商標)117フィルムは抗菌活性を実証しなかった。
【0063】
実施例6
抗菌性スルホン化ポリエステル糸の製造および抗菌性評価
すべての二酸を基準にして約1.75モル%のレベルでの5−スルホ−イソフタル酸のグリコレートのリチウム塩と共重合させたポリ(エチレンテレフタレート)から製造した糸を、水を含有するトレーと2%キトサン溶液(1.5%酢酸水溶液中のプリメックス・キトクリア(登録商標)TM588、分子量約70,000)を含有するトレーとを順次通過させた。過剰の溶液を取り除き、糸を200℃に加熱したローラーで乾燥した。巻き取った糸を次に80℃で2、3日間乾燥した。2つのサンプル(反復試験片)を採取し、抗菌活性評価にかけた。両方とも、図7に示すように、大腸菌ATCC25922に対して抗菌活性を実証した。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】キトサン処理された無水マレイン酸グラフト低密度ポリエチレンビーズの大腸菌ATCC25922に対する抗菌効果を示す線図である。
【図2】銀ドーピングありおよびなしの、キトサン処理された無水マレイン酸グラフト低密度ポリエチレンビーズの大腸菌O157:H7に対する抗菌効果を示す線図である。
【図3】銀ドーピングありおよびなしの、キトサン処理された無水マレイン酸グラフト高密度ポリエチレンビーズの大腸菌O157:H7に対する抗菌効果を示す線図である。
【図4】キトサン処理された無水マレイン酸グラフト低密度ポリエチレンフィルムの大腸菌ATCC25922に対する抗菌効果を示す線図である。
【図5】サーリン(登録商標)熱可塑性樹脂およびヌクレル(登録商標)エチレン酸コポリマーのキトサン処理されたフィルムの大腸菌ATCC25922に対する抗菌効果を示す線図である。
【図6】キトサン処理されたナフィオン(登録商標)117フィルムの大腸菌ATCC25922に対する抗菌効果を示す線図である。
【図7】キトサン処理されたスルホン化ポリエステル糸の大腸菌ATCC25922に対する抗菌効果を示す線図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)重合されたままでアミノ反応性官能基を含有するポリマーと、
b)キトサンが前記官能基と反応しているキトサン・コーティングと
を含むポリマー材料であって、前記ポリマー材料の表面が少なくとも1000面積ppmのキトサン濃度を有するポリマー材料。
【請求項2】
前記アミノ反応性官能基が金属イオン、アンモニウムイオン、酸無水物、カルボン酸、スルホン酸、イソシアネート、エポキシド、酸塩化物、エノン、又はそれらの組み合わせである、請求項1に記載のポリマー材料。
【請求項3】
前記ポリマーがホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、グラフトコポリマー、またはポリマーブレンドであり、その少なくとも1つのモノマーまたはコモノマーが、金属イオン、アンモニウムイオン、酸無水物、カルボン酸またはカーボネート、スルホン酸またはスルホネート、イソシアネート、エポキシド、酸塩化物、およびエノンよりなる群から選択される少なくとも1つの官能基を含有する、請求項1に記載のポリマー材料。
【請求項4】
前記ポリマーが熱的に安定な不飽和カルボン酸無水物または二無水物であるグラフトモノマーと、エチレンのホモポリマー、プロピレンのホモポリマー、エチレンおよび1つもしくはそれ以上のC3〜C8α−オレフィンから誘導されたコポリマー、またはプロピレンおよび1つもしくはそれ以上のC4〜C8α−オレフィンから誘導されたコポリマーである主鎖ポリマーとを含むグラフトコポリマーである、請求項1に記載のポリマー材料。
【請求項5】
前記グラフトモノマーがメタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジ−n−ブチル、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、イタコン酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−酸無水物、およびナド酸無水物(3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物)よりなる群から選択される、請求項4に記載のポリマー材料。
【請求項6】
前記主鎖ポリマーが
a)ポリプロピレン、
b)高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、メタロセン触媒ポリエチレン、非常に低密度のポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、および高性能ポリエチレンから選択されるポリエチレン、
c)エチレンとプロピレンとのコポリマー、
d)エチレンまたはプロピレンと、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸、メタクリル酸、および一酸化炭素から選択される少なくとも1つのモノマーとから誘導されたコポリマー、
e)オレフィンがエチレン、プロピレン、および他のオレフィンと一緒のエチレンから選択されるオレフィンとジオレフィンとのコポリマー、ならびに
f)エチレンとテトラフルオロエチレンとのコポリマー
よりなる群から選択される、請求項4に記載のポリマー材料。
【請求項7】
前記ジオレフィンが少なくとも6個の炭素原子の線状脂肪族非共役ジエン、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、およびブタジエンから選択される、請求項6に記載のポリマー材料。
【請求項8】
アイオノマーを含む、請求項1に記載のポリマー材料。
【請求項9】
前記アイオノマーがエチレン/アクリル酸コポリマーのもしくはエチレン/メタクリル酸コポリマーのアイオノマー、過フッ素化スルホネートもしくはカルボキシレートポリマー、スルホン化ポリスチレン、スルホン化エチレン−プロピレン・ターポリマー、スルホン化ポリエステル、またはスルホン化ポリアミドである、請求項8に記載のポリマー材料。
【請求項10】
前記ポリマーがエチレンとアクリル酸またはメタクリル酸とのコポリマーである、請求項1に記載のポリマー材料。
【請求項11】
金属塩、カルボキシル含有ポリマー、およびそれらの組み合わせから選択される1つもしくはそれ以上の化合物をさらに含む、請求項1に記載のポリマー材料。
【請求項12】
前記金属塩が水溶性亜鉛塩、水溶性銅塩、水溶性銀塩、およびそれらの混合物から選択される、請求項11に記載のポリマー材料。
【請求項13】
請求項1に記載のポリマー材料を含む物品。
【請求項14】
フィルム、膜、ラミネート、編布、織布、不織布、繊維、フィラメント、糸、ペレット、コーティング、またはフォームの形態にある、請求項13に記載の物品。
【請求項15】
ブローされた、溶液キャストされた、積層された、射出成形された、押し出された、ブロー成形された、熱成形された、編まれた、織られた、または紡績された、請求項13に記載の物品。
【請求項16】
パッケージ、パッケージング部品、食品もしくは飲料分配システム、哺乳瓶、幼児向け絵本、プラスチックはさみ、おもちゃ、おむつペール、クレンジングワイプ用容器、哺乳瓶乳首、おしゃぶり、歯列矯正装置もしくはその部品、義歯材料、コップ、ドリンキンググラス、歯ブラシ、噛みおもちゃ、タンポン、タンポンアプリケーター、個人クレンジングワイプ、おしりふき、化粧用ワイプ、個人衛生衣類、食品取扱いおよび加工装置、アパレル品、家庭用品、包帯、接着テープ、ガーゼストリップ、ガーゼパッド、医療もしくは外科ドレープ、医療装置もしくはインプラント、分離膜、空気もしくは水フィルター、ボート部品、または流体輸送もしくは貯蔵装置である、請求項13に記載の物品。
【請求項17】
前記パッケージがボトル、ボックス、ジャー、缶、バッグ、閉端チューブ、化粧品パッケージ、または吸入器である、請求項16に記載の物品。
【請求項18】
前記パッケージが化粧品、個人衛生材料、ヘルスケア材料、またはそれらの組み合わせを収容する、請求項17に記載の物品。
【請求項19】
前記化粧品、前記個人衛生材料または前記ヘルスケア材料が口紅、リップクリーム、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、打粉、入浴剤、ほお紅、ファンデーション、シャンプー、コンディショナー、消臭剤、制汗剤、ローション、クリーム、粉おしろい、液体、溶液、懸濁液、カプセルまたは丸薬である、請求項18に記載の物品。
【請求項20】
前記パッケージング部品がライナー、蓋、接着テープ、交換式または使い捨て容器キャップ、フィルム、収縮ラップ、収縮バッグ、トレー、トレー/容器アセンブリ、パッケージング用吸収剤パッド、アプリケーター、ドリンクボトルネック、食品分配システム、または飲料分配システムの形態にある、請求項16に記載の物品。
【請求項21】
請求項20に記載の収縮ラップ、収縮バッグ、トレー、パッケージング用吸収剤パッド、およびそれらの組み合わせを含む精肉、鶏肉、または魚用パッケージング。
【請求項22】
前記アプリケーターがポンプ式計量分配装置またはその部品、マスカラ棒、薬用パッドもしくはワイプ、化粧品ブラシ、点滴器、チップ、口紅アプリケーター、アイライナーアプリケーター、またはアイシャドウアプリケーターである、請求項16に記載の物品。
【請求項23】
前記薬用パッドもしくはワイプが抗生物質、にきびを処置するための薬剤、痔疾を処置するための薬剤、かゆみ止め剤、抗炎症剤、または防腐剤を含む、請求項22に記載の物品。
【請求項24】
前記パッケージが食品または飲料を収容する、請求項16に記載の物品。
【請求項25】
前記個人衛生衣類がおむつ、失禁衣類、パンティーライナー、生理用ナプキン、またはタンポンである、請求項16に記載の物品。
【請求項26】
前記食品取扱いおよび加工装置がコンベアベルト・アセンブリおよびその部品;一時的および永久的食品調製表面;混合、細砕、圧潰、圧延、ペレット化、および押出のための装置およびその部品;熱交換器およびそれらの部品;ドレインおよびそれらの部品;バケツ、タンク、パイプ、およびチュービング;ならびに食品切断およびスライス化のための機械およびそれらの部品から選択される、請求項16に記載の物品。
【請求項27】
押出のための前記装置が混合および/または搬送用スクリューを含み、かつ、ポリマー・コーティングがアイオノマーを含む、請求項26に記載の物品。
【請求項28】
前記アパレル品が水着、スポーツウェア、アクティブウェア、保護スポーツパッド、下着、靴部品、子供服、または医療衣類の形態にある、請求項16に記載の物品。
【請求項29】
前記靴部品が織または不織ライナーまたはインサートである、請求項28に記載の物品。
【請求項30】
前記医療衣類がガウン、マスク、手袋、スリッパ、ブーティ、またはヘッドカバーである、請求項28に記載の物品。
【請求項31】
前記家庭用品がファイバーフィル、寝具類、ベッドリネン、窓処理材、カーペットおよびフローリング部品、室内装飾品部品、シーツ、自動車ワイプ、不織ドライヤーシーツ、洗濯用ソフトナー含有シーツ、家庭クリーニングワイプ、カウンターワイプ、タオル、洗面タオル、ダストクロス、モップ、テーブルクロス、シャワーカーテン、電話および携帯電話、ならびに壁、カウンター、および床面よりなる群から選択される、請求項16に記載の物品。
【請求項32】
前記医療装置またはインプラントが注射器ホルダー、カテーテル、縫合糸、IV(点滴)チュービング、IVバッグ、ステント、ガイドワイヤ、人工器官、整形外科ピン、歯科材料、ペースメーカー、心臓弁、人工心臓、ひざおよびヒップ関節インプラント、骨セメント、代用血管、包帯、接着テープ、ガーゼストリップ、ガーゼパッド、泌尿器カテーテル小孔ポート、整形外科固定具、ペースメーカー導線、除細動器導線、外耳道短絡、美容インプラント、ENT(耳鼻咽喉科)インプラント、ステープル、移植可能ポンプ、ヘルニアパッチ、プレート、スクリュー、血液バッグ、外部血液ポンプ、流体投与システム、心肺機、透析装置、人工皮膚、心室支援装置、補聴器、および歯科インプラントよりなる群から選択される、請求項16に記載の物品。
【請求項33】
前記分離膜が逆浸透、透析、パーベーパレーション、限外濾過、または精密濾過膜である、請求項16に記載の物品。
【請求項34】
前記ボート部品がボートハル、ボートハルの部品、ボートモーターおよびボートモーターの部品よりなる群から選択される、請求項16に記載の物品。
【請求項35】
前記流体輸送または貯蔵装置がパイプまたはタンクである、請求項16に記載の物品。
【請求項36】
a)その表面が、重合されたままでアミノ反応性官能基を含有するポリマーを含む物品を提供する工程と、
b)物品を、キトサンを含む溶液と接触させる工程と、
c)場合により、工程b)の物品を、金属塩を含有する溶液と接触させる工程と、
d)工程b)またはc)で生み出された物品を乾燥する工程と
の逐次工程を含む、抗菌性物品の製造方法。
【請求項37】
工程b)のキトサンを含む前記溶液がまた0.5容量%〜5容量%の酢酸水溶液も含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
工程b)のキトサンを含む前記溶液が0.5容量%〜1.0容量%の酢酸水溶液および0.1容量%〜3容量%のキトサンを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
工程d)の前記金属塩が水溶性亜鉛塩、水溶性銅塩、水溶性銀塩、およびそれらの混合物よりなる群から選択される、請求項36に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2007−502893(P2007−502893A)
【公表日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524003(P2006−524003)
【出願日】平成16年8月18日(2004.8.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/026797
【国際公開番号】WO2005/019315
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】