説明

キナーゼの阻害剤としてのヘテロ二環式カルボキサミド

本発明は、式(I)
【化1】


の新規有機化合物および動物または人体の処置におけるそれらの使用、式Iの化合物を含む医薬組成物、ならびにタンパク質キナーゼ依存性疾患、とりわけ増殖性疾患、例えばとりわけ腫瘍疾患の処置用医薬組成物の製造のための式Iの化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式Iの環の両方で置換されている二環式ヘテロシクリル化合物、および動物または人体の処置におけるそれらの使用、式Iの化合物を含む医薬組成物、ならびにタンパク質キナーゼ依存性疾患、とりわけ増殖性疾患、例えばとりわけ腫瘍疾患の処置用医薬組成物の製造のための式Iの化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
タンパク質キナーゼ(PK)は、細胞性タンパク質の特定のセリン、スレオニンまたはチロシン残基のリン酸化を触媒する酵素である。これらの基質タンパク質の翻訳後修飾は、細胞増殖、活性化および/または分化を制御する分子スイッチとして作用する。異常または過剰な野生型または変異型PK活性は、良性および悪性増殖性障害を含む多くの疾患状態において観察される。多くの場合、PK阻害剤の使用によって増殖性障害のような疾患を処置することが可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
タンパク質キナーゼの多さ、ならびに増殖性および他のPK関連疾患の多さに鑑みて、PK阻害剤として、したがってこれらのPK関連疾患の処置において有用である化合物を提供することが、なおも必要である。
【0004】
本発明において、式Iの化合物が多くのタンパク質キナーゼの阻害を示すことを見出した。下により詳細に説明する式Iの化合物は、とりわけ、下記タンパク質キナーゼ:EphB4、c−Abl、Bcr−Abl、c−Kit、Rafキナーゼ、例えばとりわけB−Raf、トランスフェクション間再配列(RET)プロト−発がん遺伝子、血小板由来増殖性因子受容体(PDGF−R)、Lck、Hckおよび最もとりわけ血管内皮増殖性因子(VEGF−R)、例えばとりわけVEGF−R2の1種以上の阻害を示す。式Iの化合物はさらにまた、前記キナーゼの変異体を阻害する。これらの活性に鑑みて、式Iの化合物は、とりわけかかるタイプのキナーゼ、とりわけ記載のものの異常または過剰な活性に関連する疾患の処置のために使用することができる。構造的に関連する化合物は、WO2006/059234に記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はとりわけ、式I
【化1】

〔式中、
は、H;ハロ;−C−C−O−R;−NRであり;
は、置換されたアリールであり;
は、H、低級アルキルまたはフェニル低級アルキルであり;
およびRは独立して、H;置換もしくは非置換低級アルキル;低級アルコキシカルボニルおよびアミノから成る群から選択され;
A、BおよびXは独立して、C(R)またはNから選択されるが、1個以下のA、BおよびXがNであり;
は、H、ハロおよび置換もしくは非置換低級アルキルから成る群から選択され;
は、水素または低級アルキルであり;
は置換基であり;
nは0、1、2または3であり;
YはOであり;
ZはCであり;
Wは存在せず;
Kは、NまたはCであり、そして
【0006】
a) KがCであるとき、
波線(
【化2】

)で示される結合は二重結合であり、
Qは、
O−N
S−N
O−CHおよび
S−CH
(各々の場合、左側のOまたはS原子は式Iで示される結合によってKと結合しており、右側のNまたは(CHの)炭素原子はCと、式Iの破線(-----)によって示される結合を介して結合しており、前記破線で示される結合はCとの二重結合である)から選択され;
そして実線(
【化3】


で示される結合は単結合であるか;または
b) KがNであるとき、波線で示される結合は単結合であり、
QはN=CH
(ここで、左側のN原子は式Iで示される結合によってKと結合しており、右側の(CHの)炭素原子はCと、式Iの破線によって示される結合を介して結合しており、前記破線で示される結合はCとの単結合である)であり;
そして実線で示される結合は二重結合である〕
の化合物、もしくはその互変異性体、および/または(好ましくは薬学的に許容される)その塩に関する。
【0007】
本発明はまた、キナーゼ依存性および/または増殖性疾患の処置方法であって、式Iの化合物を温血動物、とりわけヒトに投与することを含んで成る方法、ならびにとりわけキナーゼ依存性疾患または障害を処置するための式Iの化合物の使用に関する。本発明はまた、とりわけキナーゼ依存性疾患または障害を処置するための、式Iの化合物を含む医薬組成物、式Iの化合物の製造方法、ならびにそれらの製造のための新規出発物質および中間体に関する。本発明はまた、キナーゼ依存性疾患の処置用医薬組成物の製造における式Iの化合物の使用に関する。
【0008】
本明細書において使用される一般的な用語は、好ましくは、本開示の範囲内において、特に記載がない限り下記意味を有する(好ましい態様は、1個以上全部までの一般的な表現または記号を、本明細書において与えられるより具体的またはより好ましい定義(複数も可)で置換されて定義され得る):
【0009】
「低級」なる用語は、7個以下、とりわけ4個以下の炭素原子を有する基であって、分枝鎖または直鎖状である基と定義される。低級アルキルは、例えばn−ペンチル、n−ヘキシルまたはn−ヘプチル、または好ましくはC−C−アルキル、とりわけメチル、エチル、n−プロピル、sec−プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルである。
【0010】
「C−C−」なる用語は、上記「低級」の定義の通りであるが、「C−」の場合には炭素原子が存在しない(すなわち、Cと結合している基は残りの分子と直接結合している)。
【0011】
置換低級アルキルまたは置換低級アルキル基は、独立して例えばハロ、モルホリニル−低級アルキル、ピペラジニル−低級アルキル、低級アルキルピペラジニル−低級アルキル、C−C−シクロアルキルピペラジニル、ピペリジニル−低級アルキル、N−低級アルキルピペリジニル−低級アルキル、ピペリジニリデン−低級アルキルまたはN−低級アルキルピペリジニリデン−低級アルキル、例えば1−メチルピペリジン−4−イリデンメチル、9−低級アルキル3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル−メチル、アミノ、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、N−低級アルカノイルアミノ、N,N−ジ−低級アルカノイルアミノ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、低級アルカノイルオキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−低級アルキルカルバモイル、N,N−ジ−低級アルキルカルバモイル、アミジノ、グアニジノ、ウレイド、メルカプト、低級アルキルチオ、ハロ、または置換もしくは非置換ヘテロシクリルから選択される1個以上、好ましくは1個の置換基で置換されている低級アルキル基/部分である。
【0012】
モノ−またはジ−置換アミノ(=N−モノ−またはN,N−ジ−置換アミノ)(また、モノ−またはジ置換アミノカルボニルあるいは他の該当基における)は、互いに独立して、例えば置換およびとりわけ非置換低級アルキルから選択される1または2個の基で置換されているアミノである。
【0013】
ハロ(ゲン)は、好ましくはヨード、ブロモ、クロロまたはフルオロ、とりわけフルオロ、クロロまたはブロモである。
【0014】
置換C−C−シクロアルキルは、とりわけシクロプロピルまたはシクロヘキシルであり、そして好ましくは、置換アリールについて記載の通りに置換されている。非置換C−C−シクロアルキルは、置換基を含まない対応する基である。
【0015】
置換アリールは、好ましくは4〜8個の炭素原子を有する芳香族性基、とりわけフェニルであり、ここで当該基は、例えば置換もしくは非置換低級アルキル、例えばハロ−低級アルキル、モルホリニル−低級アルキル、ピペラジニル−低級アルキル、低級アルキルピペラジニル−低級アルキル、C−C−シクロアルキルピペラジニル、ピペリジニル−低級アルキル、N−低級アルキルピペリジニル−低級アルキル、ピペリジニリデン−低級アルキルまたはN−低級アルキルピペリジニリデン−低級アルキル、例えば1−メチルピペリジン−4−イリデンメチル;9−(低級アルキル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル−メチル;C−C−シクロアルキル;低級アルコキシフェニル;ハロ−フェニル、(低級アルコキシフェニル)−フェニル;アミノ、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、N−低級アルカノイルアミノ、N,N−ジ−低級アルカノイルアミノ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、フェノキシ、ピペリジニルオキシ、N−低級アルキルピペリジニル−オキシ、ハロ、ハロ−低級アルコキシ、低級アルカノイル、低級アルカノイルオキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−低級アルキルカルバモイル、N,N−ジ−低級アルキルカルバモイル、アミジノ、グアニジノ、ウレイド、メルカプト、低級アルキルチオ、ハロ、または置換もしくは非置換ヘテロシクリル、とりわけモルホリニル、ピペラジニル、低級アルキルピペラジニル、ピペリジニル、N−低級アルキルピペリジニル、ピロリジニル、N−モノ−もしくはN,N−ジ−(低級アルキル)アミノ−ピロリジニルのような1個以上、好ましくは1または2個の基で置換されている。非置換アリールは、定義の通りであるが、置換基を含まない対応するアリールである。
【0016】
置換もしくは非置換ヘテロシクリルは、4〜10個の環員および好ましくは窒素、酸素および硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を有する、好ましくは飽和、部分飽和または不飽和モノ−もしくは二環式または二環基、例えばピロリジニル、2H−ピラゾリル、ピリジル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニルまたは3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノン−3−イルメチルであり、当該基は、非置換であるか、または独立して例えば非置換であるかまたは置換もしくは非置換ヘテロシクリル以外の置換基を有する置換低級アルキル、C−C−シクロプロピル、とりわけシクロプロピル、ハロ−フェニル、(低級アルコキシフェニル)−フェニルまたは低級アルコキシフェニル、アミノ、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、N−低級アルカノイルアミノ、N,N−ジ−低級アルカノイルアミノ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルカノイル、低級アルカノイルオキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−低級アルキルカルバモイル、N,N−ジ−低級アルキルカルバモイル、アミジノ、グアニジノ、ウレイド、メルカプト、低級アルキルチオまたはハロのような基から選択される、1個以上、好ましくは1または2個で置換されている。
【0017】
低級アルキルカルボニルにおいて、低級アルキル基が所望により置換されているとき、存在する置換基は、好ましくは置換低級アルキルについて与えられたものから選択される1個以上である。C−C−アルカノイル、例えばアセチルが好ましい。
【0018】
低級アルコキシカルボニルにおいて、低級アルキル基が所望により置換されているとき、存在する置換基は、好ましくは置換低級アルキルについて与えられたものから選択される1個以上である。低級アルコキシカルボニル、例えばメトキシカルボニル、イソブトキシカルボニルまたはtert−ブトキシカルボニルが好ましい。
【0019】
低級アルキルスルホニル(=低級アルキルS(=O))−)において、低級アルキル基が所望により置換されているとき、存在する置換基は、好ましくは置換低級アルキルについて与えられたものから選択される1個以上である。低級アルキルスルホニル、例えばメタンスルホニルが好ましい。
【0020】
置換もしくは非置換アリールスルホニルにおいて、置換もしくは非置換アリールは好ましくは上記定義のとおりである。
【0021】
N−モノ−もしくはN,N−ジ−(置換アミノ)−カルボニル(=N−モノ−もしくはN,N−ジ−置換カルバモイル)、N−モノ−もしくはN,N−ジ−置換アミノは、好ましくは上記定義のとおりである。N−低級アルキルアミノカルボニル、例えばメチルカルバモイルが好ましい。
【0022】
低級アルコキシにおいて、低級アルキル基が所望により置換されているとき、存在する置換基は、好ましくは置換低級アルキルについて与えられたものから選択される1個以上である。低級アルコキシ、例えばメトキシが好ましい。
【0023】
は好ましくはHである。
【0024】
Yは好ましくはO、S、S(=O)、S(=O)またはCH、最も好ましくはOである。
【0025】
Zは好ましくはCである。
【0026】
Wは好ましくは、存在しない(すなわち、Rは式IのNHと直接結合している)。
【0027】
は、好ましくはハロ、とりわけクロロ、アミノ、低級アルキルアミノ、例えばメチルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、例えばメトキシ−、イソブトキシまたはtert−ブトキシ−カルボニルアミノ、C−C−アルカノイルアミノ、例えばアセチルアミノ、ヒドラジン、N−(N−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキルアミノ)−アルキル−アミノ、例えばN−[2−(N,N−ジメチルアミノ)−エチル]−アミノまたはN−[3−(N,N−ジメチルアミノ)−プロピル]−アミノ、ヒドロキシル、低級アルコキシ、例えばメトキシ、ヒドロキシメチルまたは低級アルコキシメチル、例えばメトキシメチルである。
【0028】
は、好ましくはシクロヘキシル、フェニル、2H−ピラゾリルまたはピリジル、とりわけフェニルであり、当該基は独立して、低級アルキル、例えばメチル、エチル、イソプロピルまたはtert−ブチル;ハロ−低級アルキル、例えばとりわけトリフルオロメチルまたはジフルオロエチル;シクロプロピル;低級アルコキシフェニル、例えば4−メトキシフェニル;ハロ−フェニル、例えば4−フルオロフェニル;(低級アルコキシフェニル)−フェニル、例えば4−(4−メトキシフェニル)フェニル;低級アルコキシ、とりわけメトキシ;フェノキシ;ピペリジニル−オキシ、例えばピペリジン−4−イルオキシ;N−低級アルキルピペリジニル−オキシ、例えば1−メチルピペリジン−4−イルオキシ;ハロ;ハロ−低級アルコキシ、例えばトリフルオロメトキシ;モルホリニル、例えばとりわけモルホリン−4−イル;モルホリニル−低級アルキル、例えばとりわけモルホリン−4−イルメチル;ピペラジニル−低級アルキル;低級アルキルピペラジニル−低級アルキル、例えばとりわけ4−メチルピペラジン−1−イルメチル;ピペリジニル−低級アルキル、例えばピペリジン−4−イルメチル;N−低級アルキルピペリジニル−低級アルキル;例えば1−メチルピペリジン−4−イルメチル;ピロリジニル、N−モノ−もしくはN,N−ジ−(低級アルキル)アミノ−ピロリジニル;例えば3−(N,N−ジメチルアミノ)−ピロリジン−1−イル;ピペリジニリデン−低級アルキル、例えばピペリジン−4−イリデンメチル;およびN−低級アルキルピペリジニリデン−低級アルキル、例えば1−メチルピペリジン−4−イリデンメチルから成る群から選択される1個以上、とりわけ1または2個の置換基で置換されている。
【0029】
は、とりわけ好ましくは、F、Cl、CF、OCF、CHF、CFCH、メチル、エチル、プロピル、tert−ブチル、フェノキシ、ハロゲン、メチルピペラジニルメチル、メトキシ、シクロプロピル、メチルピペリジニルメチルおよび4−メチルイミダゾル−1−イルから成る群から選択される1または2個の置換基で置換されているフェニルである。
【0030】
AおよびBの一方がNであり、他方とXがそれぞれCHである式Iの化合物が好ましい。
【0031】
好ましい態様において、本発明は、
が、H;クロロ;CHOH、CHOCHフェニル、NH、NHNH、NHCHまたはNHCOOCHであり;
が、ハロC1−7アルキル、トリフルオロメトキシ、C1−7アルキル、フェノキシ、ハロゲン、C1−7アルキルピペラジニルC1−7アルキル、C1−7アルキル、C1−7アルコキシ、C−C−シクロアルキル、C1−7アルキルピペリジニルC1−7アルキルおよびC1−7アルキルイミダゾリルから成る群から選択される1または2個の置換基によって置換されているフェニルであり;
A、BおよびXが独立して、C(R)またはNから選択されるが、1個以下のA、BおよびXがNであり;
が水素であり;
が水素であり;
が置換基であり;
nが0であり;
YがOであり;
ZがCであり;
Wが存在せず;
Kが、NまたはCであり、そして
a) KがCであるとき、
波線(
【化4】

)で示される結合は二重結合であり、
Qが、
O−N
S−N
O−CHおよび
S−CH
(各々の場合、左側のOまたはS原子は式Iで示される結合によってKと結合しており、右側のNまたは(CHの)炭素原子はCと、式Iの破線(-----)によって示される結合を介して結合しており、前記破線で示される結合はCとの二重結合である)から選択され;
そして実線(
【化5】


で示される結合は単結合であるか;または
b) KがNであるとき、波線で示される結合は単結合であり、
QはN=CH
(ここで、左側のN原子は式Iで示される結合によってKと結合しており、右側の(CHの)炭素原子はCと、式Iの破線によって示される結合を介して結合しており、前記破線で示される結合はCとの単結合である)であり;
そして実線で示される結合は二重結合である、
式Iの化合物、もしくはその互変異性体、および/または(好ましくは薬学的に許容される)その塩に関する。
【0032】
好ましい態様において、本発明は、式IA
【化6】

〔式中、X、A、B、RおよびRは上記定義の通りである〕
の化合物、その互変異性体および/またはその塩に関する。
【0033】
好ましい態様において、本発明は、式IB
【化7】

〔式中、X、A、B、RおよびRは上記定義の通りである〕
の化合物、その互変異性体および/またはその塩に関する。
【0034】
好ましい態様において、本発明は、式IC
【化8】

〔式中、X、A、B、RおよびRは上記定義の通りである〕
の化合物、その互変異性体および/またはその塩に関する。
【0035】
好ましい態様において、本発明は、式ID
【化9】

〔式中、X、A、B、RおよびRは上記定義の通りである〕
の化合物、その互変異性体および/またはその塩に関する。
【0036】
好ましい態様において、本発明は、式IE
【化10】

〔式中、X、A、B、Y、W、RおよびRは上記定義の通りである〕
の化合物、その互変異性体および/またはその塩に関する。
【0037】
好ましい態様において、本発明は、下記群から選択される化合物に関する:
6−(2−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(2−ヒドラジノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(2−メチルアミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
{4−[3−(3−トリフルオロメチル−フェニルカルバモイル)−ベンゾ[d]イソキサゾール−6−イルオキシ]−ピリミジン−2−イル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
その互変異性体および/またはその薬学的に許容される塩。
【0038】
好ましい態様において、本発明は、下記群から選択される化合物に関する:
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−カルボン酸(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
(4−{3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニルカルバモイル]−ベンゾ[d]イソチアゾール−6−イルオキシ}−ピリミジン−2−イル)−カルバミン酸メチルエステル、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−カルボン酸[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニル]−アミド、
その互変異性体および/またはその薬学的に許容される塩。
【0039】
好ましい態様において、本発明は、下記群から選択される化合物に関する:
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3−シクロプロピル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3−イソプロピル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3,4−ジメチル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3,5−ジメトキシ−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(4−メチル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3−tert−ブチル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3−フェノキシ−フェニル)−アミド、および
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニル]−アミド、
【0040】
(4−{3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニルカルバモイル]−ベンゾフラン−6−イルオキシ}−ピリミジン−2−イル)−カルバミン酸メチルエステル
6−(6−ベンジルオキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(6−ベンジルオキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3−tert−ブチル−フェニル)−アミド、
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3−tert−ブチル−フェニル)−アミド、
6−(6−ベンジルオキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミド、
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミド、
6−(6−ベンジルオキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3−シクロプロピル)−アミド、
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3−シクロプロピル)−アミド、
6−(6−ベンジルオキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸[3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フェニル]−アミド、
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸[3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フェニル]−アミド、
6−(6−ベンジルオキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸[4−(1−メチル−ピペリジン−4−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニル]−アミド、
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸[4−(1−メチル−ピペリジン−4−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニル]−アミド、
6−(6−ベンジルオキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸[3−(4−メチル−イミダゾル−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−アミド、
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸[3−(4−メチル−イミダゾル−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−アミド、
その互変異性体および/またはその薬学的に許容される塩。
【0041】
好ましい態様において、本発明は、下記群から選択される化合物に関する:
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−シクロプロピル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−イソプロピル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(4−tert−ブチル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3,4−ジメチル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3,5−ジメトキシ−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(4−メチル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−tert−ブチル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−フェノキシ−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニル]−アミド、
【0042】
(4−{3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニルカルバモイル]−ベンゾ[b]チオフェン−6−イルオキシ}−ピリミジン−2−イル)−カルバミン酸メチルエステル;
および
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸(3−tert−ブチル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニル]−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸(3−シクロプロピル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸(3,5−ジメトキシ−フェニル)−アミド、
6−(2−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−tert−ブチル−フェニル)−アミド、
6−(2−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(2−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミド、
6−(2−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−シクロプロピル−フェニル)−アミド、
6−(2−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−イソプロピル−フェニル)−アミド、
【0043】
6−(2−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸[3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フェニル]−アミド、
6−(2−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(4−メチル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(2−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(4−tert−ブチル−フェニル)−アミド、
6−(2−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸[4−(1−メチル−ピペリジン−4−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニル]−アミド、
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミド、
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−シクロプロピル−フェニル)−アミド、
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−tert−ブチル−フェニル)−アミド、
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(4−tert−ブチル−フェニル)−アミド、
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸[4−メチル−3−トリフルオロメチル−フェニル]−アミド、
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸[4−(1−メチル−ピペリジン−4−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニル]−アミド、
その互変異性体および/またはその薬学的に許容される塩。
【0044】
本発明はまた、式I
【化11】

〔式中、
は、H;ハロ;低級アルキル;シアノ;−C−C−O−R;−C−C−NR;または−C(=O)−Rであり;
は、置換C−C−シクロアルキル;置換アリール;または置換ヘテロシクリルであり;
は、H、置換もしくは非置換低級アルキルまたは置換もしくは非置換低級アルキルカルボニルであり;
およびRは、独立して、H;置換もしくは非置換低級アルキル;低級アルキル基が所望により置換されている低級アルキルカルボニル;低級アルキル基が所望により置換されている低級アルコキシカルボニル、低級アルキル基が所望により置換されている低級アルキルスルホニル、置換もしくは非置換アリールスルホニル、およびN−モノ−もしくはN,N−ジ−(置換アミノ)−カルボニルから成る群から選択されるか;または一方が置換もしくは非置換アミノであり、他方がRおよびRについて記載の他の基の1個であり;
は、H;OH;置換もしくは非置換低級アルキル;低級アルキル基が所望により置換されている低級アルコキシ;または非置換、モノ−もしくはジ−置換アミノであり;
A、BおよびXは、独立して、C(R)またはNから選択されるが、A、BおよびXの1個以下はNであり;
は、H、ハロおよび置換もしくは非置換低級アルキルから成る群から選択され;
は、水素または低級アルキルであり;
は置換基であり;
nは、0、1、2または3、好ましくは0であり;
Yは、O、S、S(O)、S(O)、CH、CH−CH、CH=CHまたはC≡Cであり;
ZはNまたはCHであり;
Wは存在しないかまたは、低級アルキレン、とりわけCH、CH−CHまたはCH−CH−CHであり;
KはNまたはCであり、そして
【0045】
a) KがCであるとき、
波線(
【化12】

)で示される結合は二重結合であり、
Qは、
O−N
S−N
O−CHおよび
S−CH
(各々の場合、左側のOまたはS原子は式Iで示される結合によってKと結合しており、右側のNまたは(CHの)炭素原子はCと、式Iの破線(-----)によって示される結合を介して結合しており、前記破線で示される結合はCとの二重結合である)から選択され;
そして実線(
【化13】


で示される結合は単結合であるか;または
b) KがNであるとき、波線で示される結合は単結合であり、
QはN=CH
(ここで、左側のN原子は式Iで示される結合によってKと結合しており、右側の(CHの)炭素原子はCと、式Iの破線によって示される結合を介して結合しており、前記破線で示される結合はCとの単結合である)であり;
そして実線で示される結合は二重結合である〕
の化合物、その互変異性体および/またはその塩に関する。
【0046】
本発明はまた、式IAA
【化14】

〔式中、X、A、B、Y、W、R、R、R、Rおよびnは上記定義のとおりである〕
の化合物、その互変異性体および/またはその塩に関する。
【0047】
本発明はまた、式IBB
【化15】

〔式中、X、A、B、Y、W、R、R、R、Rおよびnは上記定義のとおりである〕
の化合物、その互変異性体および/またはその塩に関する。
【0048】
本発明はまた、式ICC
【化16】

〔式中、X、A、B、Y、W、R、R、Rおよびnは上記定義のとおりである〕
の化合物、その互変異性体および/またはその塩に関する。
【0049】
本発明はまた、式IDD
【化17】

〔式中、X、A、B、Y、W、R、R、Rおよびnは上記定義のとおりである〕
の化合物、その互変異性体および/またはその塩に関する。
【0050】
本発明はまた、式IEE
【化18】

〔式中、X、A、B、Y、W、RおよびRは上記定義のとおりである〕
の化合物、その互変異性体および/またはその塩に関する。
【0051】
本発明はまた、
が、ハロ、低級アルキル、シアノ、アミノ、低級アルキルアミノ、低級アルカノイルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルスルホニルアミノ、N−モノ−もしくはN,N−ジ−(低級アルキル)アミノカルボニル−アミノ、ヒドラジノ、N−モノ−もしくはN,N−ジ−(低級アルキル)−ヒドラジノ、アミノ−低級アルキルアミノ、N−(モノ−もしくはジ−低級アルキル)アミノ−低級アルキルアミノ、ヒドロキシ−低級アルキルまたは低級アルコキシ低級アルキルであり、
が、独立して低級アルキル、ハロ−低級アルキル、モルホリニル−低級アルキル、ピペラジニル−低級アルキル、低級アルキルピペラジニル−低級アルキル、C−C−シクロアルキルピペラジニル、ピペリジニル−低級アルキル、N−低級アルキルピペリジニル−低級アルキル、ピペリジニリデン−低級アルキルまたはN−低級アルキルピペリジニリデン−低級アルキル、例えば1−メチルピペリジン−4−イリデンメチルから選択される1または2個の置換基で置換されたフェニル;9−(低級アルキル)−3,9−ジアザ−ビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル−メチル;C−C−シクロアルキル;低級アルコキシフェニル;ハロ−フェニル、(低級アルコキシフェニル)−フェニル;アミノ、N−低級アルキルアミノ、N,N−ジ−低級アルキルアミノ、N−低級アルカノイルアミノ、N,N−ジ−低級アルカノイルアミノ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、フェノキシ、ピペリジニルオキシ、N−低級アルキルピペリジニル−オキシ、ハロ、ハロ−低級アルコキシ、低級アルカノイル、低級アルカノイルオキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N−低級アルキルカルバモイル、N,N−ジ−低級アルキルカルバモイル、アミジノ、グアニジノ、ウレイド、メルカプト、低級アルキルチオ、ハロ、またはモルホリニル、ピペラジニル、低級アルキルピペラジニル、ピペリジニル、N−低級アルキルピペリジニル、ピロリジニル、N−モノ−もしくはN,N−ジ−(低級アルキル)アミノ−ピロリジニルから成る群から選択される置換もしくは非置換ヘテロシクリルであるか;
またはRが、非置換であるかまたは、低級アルキルおよびハロ−フェニル、(低級アルコキシフェニル)−フェニルまたは低級アルコキシフェニルで置換された2H−ピラゾリルであり;
Aが、CHまたはNであり、そしてBがCHまたはNであるが、AおよびBの1個以下がNであり;
Yが、O、S、S(O)、S(O)、CH、CH−CH、CH=CHまたはC≡C、好ましくはOまたはSであり;
が、水素または低級アルキル、好ましくは水素である、
式Iの化合物またはその互変異性体および/またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0052】
複数形を化合物、塩、医薬組成物、疾患等に用いるとき、これは1個の化合物、塩等についても意味することを意図している。
【0053】
遊離形の式Iの化合物と、例えば式Iの化合物、互変異性体または互変異性体混合物、およびそれらの塩の精製または同定における中間体として用いることができる塩を含むそれらの塩形の密接な関係に鑑みて、これらの化合物についてのあらゆる本明細書の記載は、適当かつ便宜であるとき、そして特に記載が無い限り、これらの化合物の対応する互変異性体、これらの化合物の互変異性体混合物、これらの化合物のN−オキシド、またはこれらのいずれかの塩についても言及しているものと理解される。互変異性体は、例えばアミノまたはヒドロキシが、二重結合によって隣接する原子と結合している炭素原子と結合しているとき(例えばケト−エノールまたはイミン−エナミン互変異性)に存在し得る。
【0054】
所望により存在する式Iの化合物の不斉炭素原子は、(R)、(S)または(R,S)立体配置で、好ましくは(R)または(S)立体配置で存在し得る。二重結合または環での置換基は、シス−(=Z−)またはトランス(=E−)形態で存在し得る。化合物はしたがって、異性体の混合物として、または好ましくは純粋な異性体として存在し得る。
【0055】
塩は、好ましくは式Iの化合物の薬学的に許容される塩である。
【0056】
塩形成基は、塩基性または酸性を有する基またはラジカルである。少なくとも1個の塩基性基または少なくとも1個の塩基性ラジカル、例えばアミノ、ペプチド結合を形成しない2級アミノ基またはピリジルラジカルを有する化合物は、例えば無機酸、例えば塩酸、硫酸もしくはリン酸と、または適当な有機カルボン酸もしくはスルホン酸、例えば脂肪族モノ−もしくはジ−カルボン酸、例えばトリフルオロ酢酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、ヒドロキシマレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸もしくはオキサル酸、またはアミノ酸、例えばアルギニンまたはリシン、芳香族性カルボン酸、例えば安息香酸、2−フェノキシ−安息香酸、2−アセトキシ−安息香酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、芳香族性−脂肪族カルボン酸、例えばマンデル酸もしくは桂皮酸、ヘテロ芳香族性カルボン酸、例えばニコチン酸もしくはイソニコチン酸、脂肪族スルホン酸、例えばメタン−、エタン−もしくは2−ヒドロキシエタンスルホン酸、または芳香族性スルホン酸、例えばベンゼン−、p−トルエン−もしくはナフタレン−2−スルホン酸と、酸付加塩を形成し得る。様々な塩基性基が存在するとき、モノ−もしくはポリ−酸付加塩を形成することができる。
【0057】
酸性基、カルボキシ基またはフェノールヒドロキシ基を有する化合物は、金属塩またはアンモニウム塩、例えばアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩またはカルシウム塩、またはアンモニアもしくは適当な有機アミン、例えば3級モノアミン、例えばトリエチルアミンもしくはトリ−(2−ヒドロキシエチル)−アミンとのアンモニウム塩、またはヘテロ環式塩基、例えばN−エチル−ピペリジンまたはN,N’−ジメチルピペラジンとの塩を形成し得る。塩の混合物が可能である。
【0058】
酸性基および塩基性基のいずれもを有する化合物は、分子内塩を形成し得る。
単離または精製のために、ならびに中間体としてさらに用いる化合物の場合、薬学的に許容されない塩、例えばピクリン酸塩を用いることも可能である。薬学的に許容される、非毒性の塩のみが治療目的で使用することができ、したがってそれらの塩が好ましい。
【0059】
「処置」または「治療」なる用語は、当該疾患、とりわけ下記疾患の予防的または好ましくは治療的(これらに限定されないが、軽減、治癒、症状緩和、症状減少、キナーゼ調節および/またはキナーゼ阻害を含む)処置を意味する。
【0060】
上記または下記「使用」なる用語が記載されているとき(動詞または名詞として)(式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の使用に関係する)、適当かつ便宜であるとき、特に記載が無い限り、これは本発明の下記態様のいずれか1個以上をそれぞれ含む:タンパク質キナーゼ依存性疾患の処置における使用、タンパク質キナーゼ依存性疾患の処置用医薬組成物の製造のための使用、タンパク質キナーゼ依存性疾患の処置における1種以上の式Iの化合物の使用方法、タンパク質キナーゼ依存性疾患の処置のための1種以上の式Iの化合物を含む医薬組成物の使用、およびタンパク質キナーゼ依存性疾患の処置において使用するための1種以上の式Iの化合物。とりわけ、処置される疾患およびしたがって式Iの化合物の「使用」のために好ましい疾患は、本明細書に記載のタンパク質キナーゼ依存性(「依存性」は、「単なる依存」だけでなく「支持」も意味する)疾患、とりわけ本明細書に記載の増殖性疾患、よりとりわけ、これらのいずれか1種以上、またはc−Abl、Bcr−Abl、c−Kit、Rafキナーゼ、例えばとりわけB−Raf、トランスフェクション間再配列(RET)がん原遺伝子遺伝子、血小板由来増殖性因子受容体(PDGF−R)、Lck、Hckおよび最もとりわけ血管内皮増殖性因子(VEGF−R)、例えばとりわけVEGF−R2の1種以上、またはこれらのいずれか1種以上の変異体に依存する他の疾患から選択され、したがって式Iの化合物は、(とりわけ異常に高い発現、構造的活性化および/または変異キナーゼの場合)前記キナーゼまたはそれらが関与する経路の1種以上の活性に依存するキナーゼ依存性疾患、とりわけ本明細書に記載のキナーゼの1種以上に依存する疾患の処置に使用することができる。
【発明の効果】
【0061】
式Iの化合物は、有用な薬理学的特性を有し、そしてキナーゼ依存性疾患の処置において例えば増殖性疾患の処置用薬剤として有用である。
【0062】
式Iの化合物のc−Ablタンパク質チロシンキナーゼ活性阻害剤としての効果を、下記のとおりに示すことができる:
インビトロ酵素アッセイを、96ウェルプレートで、Geissler et al.のCancer Res. 1992; 52:4492-4498に記載のフィルター結合アッセイの通りに、下記変更を加えて行う。c−AblのHisタグ化キナーゼドメインをクローン化し、バキュロウイルス/Sf9系で、Bhat et al.のJ.Biol.Chem. 1997; 272:16170-16175に記載の通りに発現させる。37kDのタンパク質(c−Ablキナーゼ)を、コバルト金属キレートカラムで、次にアニオン交換カラムで2工程方法で精製して、1−2mg/LのSf9細胞を得る(Bhat et al.、上記文献)。クーマシーブルー染色後SDS−PAGEで測定すると、c−Ablキナーゼの純度は>90%である。アッセイは、(全体積30μL):c−Ablキナーゼ(50ng)、20mM Tris・HCl、pH7.5、10mM MgCl、10μM NaVO、1mM DTTおよび0.06μCi/アッセイ[γ33P]−ATP(5μM ATP)を含み、1% DMSOの存在下で30μg/ml ポリ−Ala,Glu,Lys,Tyr−6:2:5:1(Poly−AEKY、Sigma P1152)を用いる。反応を、10μLの250mM EDTAを加えて停止させ、そして30μLの反応混合物を予めMeOHに5分間浸漬し、水で洗浄し、0.5% HPOに5分間浸漬し、真空源を取り外した真空マニフォールドに乗せたImmobilon−PVDF膜(Millipore, Bedford, MA, USA)に移す。全サンプルをスポットした後、真空を接続し、各ウェルを200μL 0.5% HPOで濯ぐ。膜を取り外し、シェーカー上で0.5% HPO(4回)およびエタノールで1回洗浄する。膜を周囲温度で乾燥し、Packard TopCount96ウェルフレームに乗せ、そして10μL/ウェルのMicroscint TM(Packard)を加えた後、測定する。この試験系を用いると、式Iの化合物は、0.001〜100μM、通常0.05〜5μMの範囲の阻害のIC50値を示す。
【0063】
Bcr−Abl阻害を、捕捉ELISAによって下記のとおり測定することができる:p210 Bcr−Abl発現ベクターpGDp210Bcr/Abl (32D−bcr/abl)でトランスフェクトしたマウス脊髄前駆細胞系32Dcl3を、J Griffin(Bazzoni et al., J. Clin Invest. 98, 521-8 (1996); Zhao et al., Blood 90, 4687-9 (1997))から得る。細胞は構造的に活性なablキナーゼで融合bcr−ablタンパク質を発現し、増殖因子とは独立して増殖する。細胞をRPMI 1640(AMIMED;カタログ番号1-41F01)、10%胎児ウシ血清、2mMグルタミン(Gibco)(「完全培地」)中に展開し、凍結培地(95% 胎児ウシ血清、5% ジメチルスルホキシド(SIGMA, D-2650)中、バイアルあたり2×10細胞のアリコートを凍結して製造する。解凍後、細胞を最大10〜12代実験のために用いる。抗体抗−abl SH3ドメイン(Upstate Biotechnologyから、カタログ番号06-466)をELISAに用いる。bcr−ablリン酸化の検出のために、ZYMED(カタログ番号03-7722)のアルカリホスファターゼ(PY10(AP))で標識化した、抗ホスホチロシン抗体Ab PY20を用いる。比較および対照化合物、メタンスルホン酸塩(モノメシレート)形態の(N−{5−[4−(4−メチル−ピペラジノ−メチル)−ベンゾイルアミド]−2−メチルフェニル}−4−(3−ピリジル)−2−ピリミジン−アミン(STI571)(Gleevec(登録商標)またはGlivec(登録商標)、Novartisとして市販されている)を用いる。10mMの原液をDMSOで製造し、−20℃で貯蔵する。細胞アッセイのために、原液を完全培地で2段階で(1:100と1:10)希釈して、出発濃度10μMを得て、その後完全培地で連続3倍希釈を行う。この方法を用いると溶解度の問題に遭遇しない。式Iの試験化合物を同様に処理する。アッセイのために、50μl中200’000個の32D−bcr/abl細胞をウェルあたり、96ウェル丸底組織培養プレートに播種する。ウェルあたり試験化合物の連続3倍希釈50μlを、3連で細胞に加える。試験化合物の最終濃度は、例えば5μM以下〜0.01μMである。未処理細胞を対照として使用する。化合物を細胞と共に90分間、37℃、5% COでインキュベートし、その後組織培養プレートを1300rpmで遠心分離し(Beckman GPR遠心分離器)、ペレット細胞を除去しないように注意しながら注意深く吸引して上清を除去する。細胞ペレットを、150μlの溶解バッファー(50mM Tris/HCl、pH7.4、150mM 塩化ナトリウム、5mM EDTA、1mM EGTA、1% NP−40(非イオン性界面活性剤、Roche Diagnostics GmbH, Mannheim, Germany)、2mM オルト−バナデートナトリウム、1mM フェニルメチルスルホニルフルオライド、50μg/ml アプロチニンおよび80μg/ml ロイペプチン)を加えて溶解させ、ELISAに速やかに用いるか、または使用するまで−20℃で貯蔵する。
【0064】
抗−abl SH3ドメイン抗体を、ウェルあたり50μlのPBS中200ngで、黒色ELISAプレート(Packard HTRF-96黒色プレート;6005207)に一晩4℃でコーティングする。0.05% ツイーン20(PBST)および0.5% TopBlock(Juro, カタログ番号TB 232010)を含む200μl/ウェルのPBSで3回洗浄した後、残りのタンパク質結合部位を200μl/ウェルのPBST、3% TopBlockで4時間、室温でブロックし、その後未処理または試験化合物処理細胞(ウェルあたり20μgの全タンパク質)の溶解液50μlと、3−4時間、4℃でインキュベーションする。3回洗浄後、ブロッキングバッファーで0.5μg/mlに希釈した50μl/ウェルのPY20(AP)(Zymed)を加え、一晩(4℃)インキュベートする。全インキュベーション工程について、プレートをプレートシーラー(Costar, カタログ番号3095)で被覆する。最終的にプレートを、さらに3回洗浄バッファーで、そして1回脱イオン水で洗浄し、その後Emerald IIを含む90μl/ウェルのAP基質CPDStar RTUを加える。Packard Top Seal(商標)−Aプレートシーラー(カタログ番号6005185)でシールしたプレートを、45分間室温暗所でインキュベートし、Packard Top Count Microplate Scintillation Counter(Top Count)で1秒あたりの数(CPS)を測定して蛍光を定量する。最終最適化版のELISAのために、96ウェル組織培養プレート中で処理および溶解させた50μl細胞増殖溶解物を、直接これらのプレートから、Upstateの50ng/ウェルのウサギポリクローナル抗−abl−SH3ドメインAB 06−466でプレコーティングしたELISAプレートに移す。抗ホスホチロシンAB PY20(AP)の濃度を0.2μg/mlに減少させることができる。上記の通り洗浄し、ブロッキング、蛍光基質とインキュベーションする。定量を下記の通りに行う:未処理32D−bcr/abl細胞の溶解物で得られたELISA読み出し(CPS)と、アッセイバックグラウンド(細胞溶解物を含まない全成分)の読み出しの差を計算し、これらの細胞に存在する構造的にリン酸化されたbcr−ablタンパク質を100%とする。bcr−ablキナーゼ活性における化合物の活性は、bcr−ablリン酸化の減少率として表現される。IC50の値を、用量応答曲線から画像内挿または外挿で決定する。式Iの化合物は、ここで、10nM〜20μMの範囲のIC50値を示す。
【0065】
式Iの化合物のc−kitおよびPDGF−Rチロシンキナーゼ活性の阻害剤としての効果を、下記の通りに示すことができる:
BaF3−Tel−PDGFRベータおよびBaF3−KitD816Vは、BaF3マウスproB−細胞リンパ腫細胞誘導体[BaF3細胞系はGerman Collection of Microorganisms and Cell Cultures(DSMZ), Braunschweig, Germanyから入手可能である]であり、これはTel融合活性化PDGFβ−R野生型(Golub T.R. et al., Cell 77(2): 307-316, 1994)またはD816V変異活性化c−kitでそれぞれ安定に変換することによってIL−3非依存性とされている。細胞を、2% L−グルタミン(Animed # 5-10K50-H)および10% 胎児ウシ血清(FCS、Animed # 2-01F16-I)を補ったRPMI−1640(Animed # 1-14F01-I)中で培養する。野生型、未トランスフェクトBaF3細胞を、10U/ml IL−3(マウスインターロイキン−3、Roche # 1380745)を加えた上記培地で維持する。細胞を新鮮な培地で、96ウェルプレートに播種した50μlのアリコートあたり最終密度3×10細胞に希釈する(ウェルあたり1.5×10細胞)。50μlの2×化合物溶液を加える。内部対照として、キナーゼ阻害剤PKC412を共通して用いる。DMSO(最終濃度0.1%)で処理した対照細胞を、増殖対照(100%増殖とする)として用いる。さらに、プレートブランク値を、100μlの培地を含み、細胞を腹生井ウェルで共通して測定する。IC50測定を、10μMで出発する8つの試験化合物3倍連続希釈に基づいて行う。細胞を48時間37℃、5% COでインキュベーションした後、細胞生存に対する阻害剤の効果を、基本的に前出の通り(O’Brien J. et al., Eur. J. Biochem. 267: 5421-5426, 2000)、レザズリンナトリウム塩染料減少アッセイ(AlamarBlueアッセイとして商業的に知られている)によって評価する。10μlのAlamarBlueをウェルあたり加え、プレートを6時間、37℃、5% COでインキュベートする。その後、Gemini 96ウェルプレートリーダー(Molecular Devices)を用いて、下記設定で蛍光を測定する:励起544nm、放出590nm。得られた生データをExcelファイル形式に出力する。データ分析のために、プレートブランク値を全てのデータポイントから引く。AlamarBlue読み出しによる化合物の抗増殖性効果を対照細胞の値の割合を100%として計算した。IC50値を、XLfitソフトウェアプログラムを用いて決定する。式Iの化合物は、c−KitおよびPDGFβ−Rについて、0.001〜20μM、とりわけ0.001〜0.1μMの範囲のIC50を示す。
【0066】
ヒト配列の活性Rafキナーゼ、例えば活性B−Rafタンパク質を、昆虫細胞からバキュロウイルス発現系を用いて精製する。Raf阻害を、IκB−αでコーティングし、Superblockでブロックした96ウェルマイクロプレート中で試験する。IκB−αのSerine 36でのリン酸化を、ホスホ−IκB−α特異的抗体(Cell Signaling #9246)、抗マウスIgGアルカリホスファターゼ結合2次抗体(Pierce # 31320)、およびアルカリホスファターゼ基質、ATTOPHOS(Promega, #S101)を用いて検出する。
【0067】
RETキナーゼ阻害を下記の通りに測定する:
クローニングおよび発現:バキュロウイルスドナーベクターpFB−GSTX3を用いて、ヒトRET−Men2Aの細胞質キナーゼドメインのアミノ酸領域658−1072(Swiss prot No. Q9BTB0)(これは、RETの野生型キナーゼドメイン(wtRET)およびRET−Men2Bに対応し、活性化ループM918Tの活性化変異によってwtRETとは異なる)を発現する組換えバキュロウイルスを製造する。wtRETの細胞質ドメインのコーディング配列を、PCRによってcDNAライブラリーから特異的プライマーを用いて増幅する。RET−Men2Bを、M918T変異をもたらす部位指定変異導入によって製造する。増幅したDNAフラグメントおよびpFB−GSTX3ベクターを、SalIおよびKpnIで消化してライゲーションに適合するように製造する。これらのDNAフラグメントのライゲーションによって、バキュロウイルスドナープラスミドpFB−GX3−RET−Men2AおよびpFB−GX3−RET−Men2Bをそれぞれ得る。
【0068】
ウイルス製造:キナーゼドメインを含むバキュロウイルスドナープラスミドを、DH10Bac細胞系(GIBCO)にトランスフェクトし、トランスフェクトした細胞を選択的寒天プレートに播種する。(バクテリアによって担持される)融合配列がウイルスゲノムに挿入されていないコロニーは青である。1個の白色コロニーを取り出し、ウイルス性DNA(bacmid)をバクテリアから、標準的なプラスミド精製方法によって単離する。Sf9細胞またはSf21細胞(American Type Culture Collection)を25cmフラスコ中で、ウイルス性DNAで、Cellfectin試薬を用いてトランスフェクトする。
【0069】
Sf9細胞のタンパク質発現:トランスフェクト細胞培養物およびウイルス含有培地をトランスフェクト脂肪培養物から回収し、感染のために用いて、その力価を上昇させる。2ラウンドの感染の後に得られたウイルス含有培地を、大規模タンパク質発現に使用する。大規模タンパク質発現のために、100cm丸組織培養プレートに5×10細胞/プレートを播種し、ウイルス含有培地(約5MOI)1mlで感作した。100cmの10−20細胞ペレットを、50mlの氷冷溶解バッファー(25mM Tris−HCl、pH7.5、2mM EDTA、1% NP−40、1mM DTT、1mM PMSF)に再懸濁する。細胞を氷上で15分間撹拌し、5,000rpmsで20分間遠心分離する。
【0070】
GSTタグ化タンパク質の精製:遠心分離した細胞溶解物を2ml グルタチオン−セファロースカラム(Pharmacia)にロードし、10mlの25mM Tris−HCl、pH7.5、2mM EDTA、1mM DTT、200mM NaClで3×洗浄する。GSTタグ化タンパク質を25mM Tris−HCl、pH7.5、10mM還元グルタチオン、100mM NaCl、1mM DTT、10% グリセロールの10回適用(各1ml)によって溶出し、−70℃で保存する。
【0071】
酵素活性の測定:精製GST−wtRETまたはGST−RET−Men2Bタンパク質でのチロシンタンパク質キナーゼアッセイを、15ngのGST−wtRETまたはGST−RET−Men2Bタンパク質、20mM Tris−HCl、pH7.5、1mM MnCl、10mM MgCl、1mM DTT、3μg/ml ポリ(Glu,Tyr)4:1、1% DMSO、2.0μM ATP(γ−[33P]−ATP 0.1μCi)を含む最終体積30μLで行う。活性を、[γ33P]ATPからポリ(Glu,Tyr)4:1への33Pの取り込みを測定することによって、阻害剤の存在下または非存在下で、アッセイする。アッセイを、96ウェルプレートで、周囲温度で15分間、上記条件下で行い、20μLの125mM EDTAを加えて終了させる。その後、40μLの反応混合物を、予め5分間MeOHで浸漬し、水で濯ぎ、5分間0.5% HPOで浸漬し、真空源を取り外した真空マニフォールドに乗せたImmobilon−PVDF膜(Millipore)に移す。全サンプルをスポットした後、真空を接続し、各ウェルを200μL 0.5% HPOで濯ぐ。膜を取り外し、シェーカー上で1.0% HPO(4回)およびエタノールで1回洗浄する。膜を周囲温度で乾燥し、Packard TopCount96ウェルフレームに乗せ、そして10μL/ウェルのMicroscint TM(Packard)を加えた後、測定する。IC50値は、2連で4濃度(通常、0.01、0.1、1および10μM)の各化合物の阻害率の直線回帰分析によって計算する。タンパク質キナーゼ活性の1単位を、37℃で[γ33P]ATPから基質タンパク質に移った1nmoleの33P/分/タンパク質のmgとして定義する。式Iの化合物は、0.005〜20μM、とりわけ0.01〜1μMの範囲のIC50値を示す。
【0072】
VEGF−R1阻害を、下記の通り示すことができる:試験を、Flt−1 VEGF−受容体チロシンキナーゼを用いて行う。詳細な方法は下記の通りである:20mM Tris・HCl pH7.5、3mM マンガンジクライド(MnCl)、3mM マグネシウムクロライド(MgCl)および3μg/ml ポリ(Glu,Tyr)4:1(Sigma, Buchs, Switzerland)、8μM [33P]−ATP(0.2μCi/バッチ)、1% ジメチルスルホキシド、および0〜50μMの試験化合物の、30μlのキナーゼ溶液(Flt−1のキナーゼドメイン、Shibuya et al., Oncogene 5, 519-24 [1990]、特異的活性によって、阻害剤なしのサンプルで1分あたり4000−6000カウント[cps]を達成するために)を、共に10分間室温でインキュベートする。10μl 0.25M エチレンジアミンテトラアセテート(EDTA) pH7を加えて反応を終了させる。複数チャンネルディスペンサー(LAB SYSTEMS, USA)を用いて、アリコート20μlを、Milliporeマイクロタイターフィルターマニフォールドに取り込み、真空に接続したPVDF(=ポリビニルジフルオライド)Immobilon P膜(Millipore, USA)にアプライする。液体の完全な除去後、膜を4回、0.5% リン酸(HPO)を含むバッチで連続的に洗浄し、振盪しながら10分間インキュベートし、Hewlett Packard TopCount Manifoldに乗せ、そして10μl Microscint(登録商標)(β−シンチレーションカウンター液; Packard USA)を加えた後、放射活性を測定する。IC50値を、3濃度(通常、0.01、0.1、および1μM)の各化合物の阻害率の直線回帰分析によって決定する。式Iの化合物によって見出され得るIC50値は、0.001〜100μM、とりわけ0.01〜20μMの範囲である。
【0073】
上記試験と同様に、本発明の化合物のVEGF−R2チロシンキナーゼ阻害剤としての効果を、VEGF受容体チロシンキナーゼKDRを用いて試験することができる。この試験において、Flt−1キナーゼドメインの代わりに、KDRキナーゼドメインを用いる(Parast et al., Biochemistry 37 (47), 16788-801 (1998))。この試験を行うときに上記試験と異なる点は、ポリ(Glu,Tyr)4:1(8μg/ml)、MnCl(1mM)およびMgCl(10mM)の濃度のみである。この例における式Iの化合物は、0.001μM〜20μM、好ましい化合物はとりわけ1nM〜500nMの範囲のIC50値を有する。
【0074】
VEGF誘導性受容体自己リン酸化の阻害を、細胞で、例えばヒトVEGF−R2(KDR)を恒久的に発現する、6ウェル細胞培養プレート中完全培養培地(10%胎児ウシ血清=FCSを含む)に播種し37℃、5% COで約80%コンフルエンシーを示すまでインキュベートしたトランスフェクトCHO細胞で、インビトロ実験で行うことができる。試験する化合物を培養培地(FCSを含まない、0.1%ウシ血清アルブミンを含む)で希釈し、細胞に加える。(対照は、試験化合物を含まない培地を含む)。37℃で2時間インキュベーションした後、組換えVEGFを加え;最終VEGF濃度は20ng/mlである。さらに5分間、37℃でインキュベーションした後、細胞を氷冷PBS(リン酸緩衝化食塩水)で2回洗浄し、速やかにウェルあたり100μlの溶解バッファーに溶解させる。溶解物を遠心分離して細胞核を除去し、市販のタンパク質アッセイ(BIORAD)を用いて上清のタンパク質濃度を測定する。溶解物を速やかに使用するか、または所望により、−20℃で貯蔵することができる。
【0075】
サンドイッチELISAを行い、VEGF−R2リン酸化を測定する:モノクローナル抗体VEGF−R2(例えばMab 1495.12.14;H. Towbin, Novartisが製造、または同等のモノクローナル抗体)を黒色ELISAプレート(PackardのOptiPlate(商標)HTRF-96)に固定する。プレートを洗浄し、残りの遊離タンパク質結合部位を、ツイーン20(登録商標)(ポリオキシエチレン(10)ソルビタンモノラウレート、ICI/Uniquema)(PBST)を含むリン酸緩衝化食塩水中3% TopBlock(登録商標)(Juro、カタログ番号TB232010)で飽和させる。細胞溶解物(ウェルあたりタンパク質20μg)をこれらのプレート中で一晩、4℃で、アルカリホスファターゼと結合した抗ホスホチロシン抗体(PY20:ZymedのAP)と共にインキュベートする。(プレートを再び洗浄しそして)抗ホスホチロシン抗体の捕捉ホスホチロシン受容体との結合を、蛍光AP基質(CDP−Star、使用準備済み、Emerald IIを含む; Applied Biosystems)を用いて示す。蛍光をPackard Top Count Microplate Scintillation Counterで測定する。陽性対照(VEGFで刺激)のシグナルと、陰性対照(VEGFで刺激せず)のものとの差は、VEGF−誘導性VEGF−R2リン酸化(=100%)に対応する。試験物質の活性を、VEGF−誘導性VEGF−R2リン酸化の阻害率として計算し、サイダ磯谷の半分を誘導する物質の濃度をIC50(50%阻害の阻害用量)と定義する。ここで式Iの化合物は、0.001〜20μM、好ましい化合物はとりわけ0.001〜0.5μMの範囲のIC50を示す。
【0076】
強力なVEGF受容体阻害剤としての式Iの化合物の特性に基づき、式Iの化合物は、とりわけ脱制御血管形成に関連する疾患、とりわけ眼の新血管形成によって引き起こされる疾患、とりわけ網膜症、例えば糖尿病性網膜症または加齢性黄斑変性、乾癬、フォン・ヒッペル・リンダウ病、血管芽細胞腫、血管腫、メサンギウム細胞増殖性障害、例えば慢性もしくは急性腎臓疾患、例えば糖尿病性ネフロパシー、悪性腎硬化症、血栓性微小血管症候群または移植片拒絶、またはとりわけ炎症性腎疾患、例えば糸球体腎炎、とりわけメサンギウム増殖性糸球体腎炎、溶血性尿毒症、糖尿病性ネフロパシー、高血圧性腎硬化症、アテローム、動脈再狭窄、自己免疫性疾患、急性炎症、例えばリウマチ性関節炎、繊維性障害(例えば肝硬変)、糖尿病、子宮内膜症、慢性喘息、動脈または移植後アテローム性動脈硬化症、神経変性障害、例えば多発性硬化症、およびとりわけ腫瘍性疾患、例えばがん(とりわけ固形腫瘍、または白血病)、例えばとりわけ乳がん、アデノカルシノーマ、結直腸がん、肺がん(とりわけ非小細胞性肺がん)、腎臓がん、肝臓がん、膵臓がん、卵巣がんまたは前立腺がん、ならびに骨肉腫、とりわけ多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、AML(急性骨髄性白血病)、AMM(原発性骨髄線維症)、中皮腫、神経膠腫およびグリア芽腫の処置に適している。式Iの化合物はまた、とりわけ腫瘍の転移性拡大および微小転移巣の増殖を予防するのに適している。式Iの化合物は、それらのキナーゼとしての活性のため、移植に関連する処置においても有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0077】
本明細書に記載の式Iの化合物の好ましい群について、上記一般的な定義から置換基の定義を合理的に、例えば1個以上全部までの一般的な定義を、より具体的な定義で、またはとりわけ好ましいとして特徴付けられている定義に置き換えて用いることができる。
【0078】
式Iの化合物を、他の化合物について原理は当業者に既知であるが本発明の化合物の製造に適用するとき新規である方法と同様に製造し、そしてとりわけ、下記「実施例」に記載の通りに、または同様の方法によって製造する。
【0079】
例えば、式Iの化合物を、a)YがOであり、そして他の基が式Iの化合物について定義のとおりである化合物の製造のために、式II
【化19】

〔式中、K、Q、Z、W、R、R、R、n、波線で示される結合、破線で示される結合および実線で示される結合は式Iで与えられる意味を有している〕
のヒドロキシル化合物を、式III
【化20】

〔式中、R、X、AおよびBは式Iの化合物で定義の通りであり、Halはハロ、とりわけクロロまたはブロモであり、そしてRaはXが窒素でない(したがって、C−Raを形成する)ときにのみ存在しており、水素またはハロ、とりわけクロロまたはブロモである〕
のハロ化合物と反応させ、そしてRaがハロであるとき貴金属触媒の存在下で水素に水素で還元する工程;
または
【0080】
b)式IV
【化21】

〔式中、X、A、B、R、R、R、n、K、Q、Y、Z、波線で示される結合、破線で示される結合および実線で示される結合は式Iで定義の通りである〕
のカルボン酸またはその反応性誘導体を、式V
【化22】

〔式中、WおよびRは式Iの化合物で定義の通りである〕
のアミノ化合物と反応させる工程;
および、所望により、式Iの化合物を式Iの異なる化合物に変換する工程、得られた式Iの化合物の塩を遊離化合物または異なる塩に変換する工程、得られた遊離形の化合物をその塩に変換する工程、および/または得られた式Iの化合物の異性体の混合物を個々の異性体に分離する工程;
によって製造することができる。
【0081】
a)の反応は、好ましくは適当な溶媒および塩基の存在下で、例えばN−メチルピロリジン中で、リン酸アルカリ金属、例えばリン酸カリウムの存在下で、例えば0℃から対応する反応混合物の還流温度までの温度で行う。
【0082】
Raが水素であるときハロRaの水素への還元は、その後、例えば好ましくは担体、例えば炭上の貴金属触媒、例えばパラジウムまたはプラチナの存在下で、適当な溶媒、例えば水、テトロヒドロフランまたはその混合物、および3級窒素塩基、例えばトリ−低級アルキルアミン、例えばトリエチルアミン中で、例えば0℃から対応する反応混合物の還流温度までの温度で行う。
【0083】
b)のアミド結合形成は、好ましくは式IVのカルボン酸の反応性誘導体が低級アルキルエステル(カルボキシ基の代わりにCO−O−低級アルキルを有する)であるとき、例えばLewis酸、とりわけトリ−低級アルキルアルミニウム、例えばトリメチルアルミニウムを式Vのアミンに、例えば適当な溶媒、例えばトルエン中で、例えば0〜30℃で最初に加え、その後式IVの低級アルキルエステルを所望により他の溶媒、例えばテトラヒドロフラン中で、例えば30〜120℃に加熱して加えて;または、反応性誘導体がカルボン酸ハロゲニド(式IVのカルボキシ基の代わりに、Halがハロ、好ましくはクロロまたはブロモであるCO−Hal基を有する;例えば式IVの遊離カルボン酸を塩化オキサリルと、適当な溶媒、例えば塩化メチレン中で、例えば0〜50℃で反応させて得ることができる)であるとき、適当な溶媒、例えば塩化メチレン中で、例えば0〜50℃で;またはインサイチュで式IVのカルボン酸の反応性誘導体を、通常の縮合剤、例えばHBTU、HAT等を用いて形成させて;
Lewis酸介在N−アシル化によって行う。
【0084】
式IAの化合物を異なる式Iの化合物に変換することができる。
例えば、Rがアミノまたは−C−C−NHである式Iの化合物をアルキル化またはアシル化してRが−C−NR(式中、少なくとも1個のRおよびRは置換もしくは非置換低級アルキルである)である式Iの化合物を(例えば適当な置換もしくは非置換低級アルキルハロゲニドまたは−トルエンスルフェートと反応させて;または対応するアシルハロゲニド、例えば低級アルキルクロロホルミエート(chloroformiate)と、適当な溶媒および/または3級窒素塩基、例えばピリジンの存在下で、例えば0〜50℃の範囲の温度でアシル化させて)得ることができる。
【0085】
同様の反応によって、Rが−C−C−Rであり、Rが置換もしくは非置換低級アルキルまたは置換もしくは非置換アルキルカルボニルである式Iの化合物を、対応する置換もしくは非置換アルキルハロゲニドまたはアルキルカルボニル−ハロゲニドとそれぞれアルキル化またはアシル化させることによって得ることができる。
【0086】
がハロ、例えばクロロまたはブロモである式Iの化合物を、式H−NRのアミンと、例えば適当な溶媒、例えばテトラヒドロフランの存在下で、例えば0〜50℃で反応させて、RがNRである対応する式Iの化合物に変換することができる。
【0087】
がシアノである式Iの化合物(Rがハロである対応する式Iの化合物を適当な溶媒、例えばDMSOおよび/または水、1,4−ジアゾビシクロ[2,2,2]オクタンおよびアルカリ金属シアニド、例えばKCNの存在下で反応させて、例えば10〜70℃で反応させて得ることができる)を、例えばRが−C−NR(RおよびRは上記定義の通りである)である対応する化合物に、第1に式IのR=−CH−NH化合物に、例えば適当な溶媒、例えばTHF、および水性NH(例えば25%)の存在下で、水素化触媒、例えばRaney−Nickelの存在下で水素化して変換し、そして次にアミノ化合物をアシル化またはアルキル化させて水素以外の対応するRおよび/またはR基を(例えば式R−Halおよび/またはR−Hal(RおよびRは式Iで定義の通りであり、Halはハロゲン、例えばクロロまたはブロモである)の化合物を用いて)導入して変換することができる。
【0088】
ハロRを−C(=O)−OH基に、例えば対応する式Iのハロ化合物を3級窒素塩基、例えばトリエチルアミン、触媒、例えばPdCl[P(C、およびRが置換もしくは非置換、例えばエタノールである低級アルコキシである式RHのアルコールの存在下で、そしてCO−雰囲気下で高温(例えば100〜140barでオートクレーブ中で)で対応するR=C(=O)−R化合物に反応させて変換することができる。これは例えば、Rがヒドロキシである対応する化合物に、加水分解によって、例えば塩基、例えばリチウムヒドロキシドの存在下で、水および/または適当な有機溶媒、例えばテトロヒドロフラン中で、変換することができる。所望により、置換もしくは非置換アミノを得られるR=COOH化合物に、Rが非置換、モノ−もしくはジ−置換アミノである対応するアミンR−Hで、例えばカルボキシR化合物、3級窒素塩基、例えばトリエチルアミン、4−ジメチルアミノ−ピリジン、適当な溶媒、例えばジメチルホルムアミドおよび縮合剤、例えばプロピルホスホン酸無水物を用いて、導入することができる。
【0089】
がメチルである式Iの化合物を、Rが−CH−OR(Rは式Iの化合物について定義の通りであり、とりわけ低級アルキルである)である式Iの化合物に、最初にそれをRの代わりにハロ−CH−、例えばブロモメチルが存在する式I*の化合物に、例えばメチル化合物をN−ブロモスクシンイミドおよびα,α−アゾビシソブチロニトリルと、適当な溶媒、例えばクロロホルム中で、高温、例えば80℃で、強い光の存在下で反応させて変換し、次に式I*の化合物のブロモメチルを、式R−O−Met(Metはアルカリ金属、例えばNaである)のアルコール化合物と、対応するアルコール R−OHの存在下で反応させて、Rが−CH−ORである対応する式Iの化合物に変換して、変換することができる。
【0090】
少なくとも1個の塩形成基を有する式Iの化合物の塩を、自体公知の方法で製造することができる。例えば、塩基性基(例えば塩基性窒素)を有する式Iの化合物の酸付加塩を、常套の方法、例えば式Iの化合物を酸または適当なアニオン交換試薬で処理して得ることができる。酸性基を有する式Iの化合物の塩を、金属化合物、例えば適当な有機カルボン酸のアルカリ金属塩、例えば2−エチルヘキサン酸のナトリウム塩で、有機アルカリ金属またはアルカリ土類金属化合物で、例えば対応するヒドロキシド、カルボネート、または水素カルボネート、例えばナトリウムまたは水酸化カリウム、カルボネートまたは水素カルボネートで、対応するカルシウム化合物で、またはアンモニアもしくは適当な有機アミンで、化学量論的量またはわずかに過剰の塩形成試薬を好ましくは使用して、化合物を処理することによって形成させることができる。酸および塩基塩形成基、例えば遊離カルボキシ基と遊離アミノ基を含む式Iの化合物の分子内塩を、例えば塩、例えば酸付加塩を等電点に、例えば弱塩基での中和によって、またはイオン交換試薬での処理によって形成させることができる。
【0091】
式Iの化合物の塩(=本発明の化合物)を、常套の方法で、遊離化合物に変換することができ;金属またはアンモニウム塩を、例えば適当な酸で処理して、および酸付加塩を、例えば適当な塩基性薬剤で処理して、異なる塩に変換することができる。何れの場合にも、適当なイオン交換試薬を用いることができる。
【0092】
式Iの化合物の立体異性体混合物、例えばジアステレオマーの混合物を、それ自体公知の方法で、適当な分割方法で、それらの対応する異性体に分割することができる。例えばジアステレオマー混合物を、分画結晶化、クロマトグラフィー、溶媒分離および同様の方法で、それらの個々のジアステレオマーに分割することができる。この分割は、出発化合物の段階で、または式Iの化合物自体で行うことができる。エナンチオマーをジアステレオマー塩の形成によって、例えばエナンチオマー−純粋なキラル酸と形成する塩によって、またはクロマトグラフィー方法によって、例えばHPLCによって、キラルリガンドを有するクロマトグラフィー基質を用いて、分割することができる。化合物の立体異性体の、それらのラセミ混合物からの分割に適用可能な技術のより詳細な説明は、Jean Jacques, Andre Collet, Samuel H. Wilen, “Enantiomers, Racemates and Resolutions”, John Wiley And Sons, Inc., 1981に見出すことができる。
【0093】
本発明の化合物のプロドラッグ誘導体を、当業者に既知の方法で製造することができる(例えば、さらに詳しくは、 Saulnier et al., (1994), Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, Vol. 4, p. 1985参照)。例えば、適当なプロドラッグを、本発明の非誘導化化合物を適当なカルバミル化剤(例えば、1,1−アシルオキシアルキルカルバノクロリデート、パラ−ニトロフェニルカルボネート等)と反応させることで製造することができる。
【0094】
本発明の化合物の保護誘導体を、当業者に既知の方法で製造することができる。保護基の作成とそれらの除去について適用可能な技術の詳細な説明は、T. W. Greene, “Protecting Groups in Organic Chemistry”, 3rd edition, John Wiley and Sons, Inc., 1999に見出すことができる。対応する保護基を、適当な段階で、式Iの化合物の製造の任意の段階で導入、使用および除去することができる。
【0095】
本発明の化合物を、溶媒和物(例えば水和物)として、簡便に製造、または本発明の方法において形成することができる。本発明の化合物の水和物を、水性/有機溶媒混合物から、有機溶媒、例えばジオキシン、テトラヒドロフランまたはメタノールを用いて再結晶化することによって簡便に製造することができる。
【0096】
中間体および最終生成物を標準的な方法、例えばクロマトグラフ法、分配法、(再)結晶化等を用いて後処理および/または精製することができる。
【0097】
とりわけ式II、III、IVおよびIVの、出発物質および中間体(各々の場合、その塩も含む)を、実施例または対照例に記載の方法と同様に、当業者に既知の方法と同様に製造することができ、および/またはそれらは商業的に入手可能である。
【0098】
出発物質を、例えば好ましくは、下記のとおりに製造することができる:
出発物質および中間体のR、R、R、R、R、R、R、R、R、A、B、X、Y、Z、W、K、Q、n、波線によって示される結合、破線によって示される結合および/または実線によって示される結合において、これらの記号は好ましくは、特に記載が無い限り、式Iの化合物について与えられた意味を有する。
【0099】
式Iの化合物の製造において用いられる出発物質は、既知であるか、既知の方法によって製造することができるか、または商業的に入手可能である。とりわけ、式Iの化合物の製造において出発物質として用いるアニリンを、WO 03/099771、WO 05/051366に記載の通りに、またはそれと同様に製造することができ、商業的に入手可能であるか、または既知の方法によって製造することができる。出発物質および適当な製造方法はまた、同時継続特許出願PCT/IB2005/004030(2006年6月8日、WO2006/059234として公開、これを本明細書において、とりわけかかる物質および製造方法について、出典明示により本明細書の一部とする)から、ならびに当該出願の対照例から推定することができる。
【0100】
式IIの化合物の1つの態様である式IIC
【化23】

の化合物(例えばYがOである上記式ICの化合物の製造に適している)を、例えば1,3−6−ヒドロキシ−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸エチルエステル(例えばJ. Am. Chem. Soc. 97(1974), 7305によって入手可能である)を対応するベンジルオキシ化合物と、下記実施例1、工程1.1に示すとおりに反応させて得ることができる。6−ベンジルオキシ−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸エチルエステルを、実施例1、工程1.2の方法で、またはそれと同様に、上記定義の式Vのアミノ化合物と反応させ、その後6−ベンジル保護基を触媒的水素化によって、例えば実施例1、工程1.3に記載のとおりに除去することができる。かくして式IICの化合物を入手する。
【0101】
これと同様に、式IIの化合物の1つの態様である式IID
【化24】

の化合物(例えばYがOである上記式IDの化合物の製造に適している)を、例えば6−メトキシ−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−カルボン酸(実施例6、工程6.1参照)から、上記式Vの化合物と工程20.6に記載の反応によって、またはそれと同様に、対応するアミドに反応させ、その後6−メトキシ基のメチルを、工程6.2に記載の通りにまたはそれと同様に、塩化メチレン中BBrで切断して対応する式IIDの化合物を得ることによって得ることができる。
【0102】
式IIA
【化25】

の化合物(例えばYがOである上記式IAの化合物の製造に適している、式IIの化合物の1つの態様である)を、例えば6−ヒドロキシ−ベンゾフラン−3−カルボン酸メチルエステル(実施例9、工程9.4参照)から、式Vの化合物と、実施例9に記載のものと同様の反応条件で上記の通り反応させて、式IIAの対応する化合物を得ることによって製造することができる。
【0103】
式IIB
【化26】

の化合物(例えばYがOである上記式IBの化合物の製造に適している、式IIの化合物の1つの態様である)を、例えば6−ヒドロキシ−ベンゾチオフェン−3−カルボン酸メチルエステル(実施例12、工程12.3参照)から、式Vの化合物と、実施例26.4および所望により26.5に記載の通り、またはそれと同様の反応条件で上記の通り反応させて、式IIBの対応する化合物を得ることによって製造することができる。
【0104】
式IIIの化合物は、商業的に入手可能であるか、当業者に既知の方法によって製造することができるか、および/または当該技術分野において既知である。
【0105】
式IVの化合物またはその反応性カルボン酸誘導体を、例えば下記の通り、製造することができる:
式VI
【化27】

〔式中、記号K、QおよびZ、ならびに波線、破線および実線の結合は、式Iの化合物について与えられている意味を有し、そしてAlkは低級アルキルである〕
の化合物を、例えば実施例に記載の通りに製造することができる。例えば、いくつかの代表的な式VIの出発物質を、下記の通り製造することができる:式ICの化合物の出発物質としての1,3−6−ヒドロキシ−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸エチルエステル(式VIの化合物の1つの態様)を、例えばJ. Am. Chem. Soc. 97(1974), 7305の通りに得ることができ;式IDの化合物の出発物質としての6−ヒドロキシ−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−カルボン酸低級アルキルエステルを、6−メトキシ−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−カルボン酸(実施例6、工程6.1参照)から、標準的な方法による低級アルカノールとのエステル化、および得られた生成物の6−メトキシ基を実施例6、工程6.2に記載の条件と同様に変換して、得ることができ;式VIの化合物のさらなる態様としての6−ヒドロキシ−ベンゾフラン−3−カルボン酸メチルエステル(実施例9、工程9.4参照)を式IAの化合物のための出発物質として用いることができる。式VIの化合物のさらなる態様としての6−ヒドロキシ−ベンゾチオフェン−3−カルボン酸メチルエステル(実施例12、工程12.3参照)を、式IBの化合物のための出発物質として使用することができる。6−ヒドロキシピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸メチルエステル(実施例15、工程15.6参照)を、例えば除去により、式IEの化合物のための出発物質として使用することができる。Rおよび1個以上の置換基R(n=1、2または3)が存在する対応する式VIの化合物を、対応する出発物質および試薬を用いて同様の方法で製造することができる。式VIのエステルを上記方法b)の方法に直接用いるか、または遊離カルボン酸に変換することができる。
【0106】
置換基R(n=1、2または3)および/またはRが存在する対応する式IIA、IIB、IIC、IIDおよびIIEの化合物を、式IIA〜IIEのものと同様に製造することができる。
【0107】
対応する式IVの化合物を製造するために、式VIの化合物を上記定義の式IIIの化合物と、上記方法a)に定義の反応条件で反応させることができる(式IIIの化合物での式IIの化合物に代えて、式VIの化合物の反応)。
【0108】
記載の通りに得ることができる式IVのOHが代わりにSHである化合物を、Oを含む出発物質の代わりに適当なSを含むものを用いて、例えば実施例12、工程12.1に記載の通りに得ることができる。式IIの(または式Iの、その場合さらなる変換反応である)化合物におけるY=Sを、S(=O)(スルフィニル)またはS(=O)(スルホニル)に、例えば対照例59(Hで)または対照例60(酢酸の存在下でKMnOで)に記載の通りに酸化させることができる。それらを、YがそれぞれS、SOまたはSOである式Iの化合物の製造のための別の方法において使用することができる。
【0109】
式Vのアミノ化合物は、当業者に既知であるかまたは、実施例および/または対照例に記載のとおりに製造することができる。
【0110】
一般的な方法条件
下記を、一般的に本明細書に記載の全ての方法に適用するが、本明細書に具体的に記載の反応条件が好ましい:
本明細書に記載のあらゆる反応において、適当または望まれるとき、具体的に記載されていなくとも、ある反応に酸化することを意図しない官能基を保護するために保護基を用いることができ、そしてそれらは適当または所望の段階で導入および/または除去することができる。したがって、保護基の使用を含む反応は、保護および/または脱保護の具体的な記載が存在しない反応が本明細書に記載されているとき、常に可能なものとして含まれる。
【0111】
この開示の範囲内において、とりわけ望まれる式IAの最終生成物の構造ではない容易に除去し得る基のみが、文脈でそうでないことが示されない限り、「保護基」を意味する。かかる保護基による官能基の保護、保護基それ自体、およびそれらの除去に適当な反応は、例えば標準的参考書、例えばJ. F. W. McOmie, “Protective Groups in Organic Chemistry”, Plenum Press, London and New York 1973、T. W. Greene and P. G. M. Wuts, “Protective Groups in Organic Synthesis”, Third edition, Wiley, New York 1999、“The Peptides”; Volume 3 (editors: E. Gross and J. Meienhofer), Academic Press, London and New York 1981、“Methoden der organischen Chemie” (Methods of Organic Chemistry), Houben Weyl, 4th edition, Volume 15/I, Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974、H.-D. Jakubke and H. Jeschkeit, “Aminosaeuren, Peptide, Proteine” (Amino acids, Peptides, Proteins), Verlag Chemie, Weinheim, Deerfield Beach, and Basel 1982、およびJochen Lehmann, “Chemie der Kohlenhydrate: Monosaccharide und Derivate” (Chemistry of Carbohydrates: Monosaccharides and Derivatives), Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974に記載されている。保護基の特徴は、それらが容易に(すなわち、望ましくない2次的反応の発生なしに)、例えば加溶媒分解、還元、光分解または生理的条件下で(例えば酵素的切断によって)、除去可能であることである。
【0112】
全ての上記工程を、自体公知の反応条件、好ましくは具体的に記載のもので、溶媒または希釈剤なし、または通常、存在下で(好ましくは溶媒または希釈剤は使用する試薬に不活性でありそれらを溶解する)、触媒、縮合剤または中和剤、例えばイオン交換剤、例えばH形態の例えばカチオン交換剤なしまたは存在下で、反応および/または反応物の性質に依存して、低温、常温または高温で、例えば約−100℃〜約190℃、好ましくは約−80℃〜約150℃、例えば−80〜−60℃、室温、−20〜40℃または還流温度で、大気圧下で、または加圧下が適当であるとき、密閉容器内で、および/または不活性雰囲気下で、例えばアルゴンまたは窒素雰囲気下で行うことができる。
【0113】
任意の具体的な反応に適当である溶媒は、具体的に記載のもの、または例えば水、エステル、例えば低級アルキル低級アルカノエート、例えば酢酸エチル、エーテル、例えば脂肪族エーテル、例えばジエチルエーテル、または環状エーテル、例えばテトラヒドロフランまたはジオキサン、液体芳香族性炭化水素、例えばベンゼンまたはトルエン、アルコール、例えばメタノール、エタノールまたは1−もしくは2−プロパノール、ニトリル、例えばアセトニトリル、ハロゲン化炭化水素、例えば塩化メチレンまたはクロロホルム、酸アミド、例えばジメチルホルムアミドまたはジメチルアセトアミド、塩基、例えばヘテロ環式窒素塩基、例えばピリジンまたはN−メチルピロリジン−2−オン、カルボン酸無水物、例えば低級アルカン酸無水物、例えば無水酢酸、環状、直鎖状または分枝鎖状炭化水素、例えばシクロヘキサン、ヘキサンまたはイソペンタン、あるいはこれらの混合物、例えば水溶液から、方法の記載に他の記載が無い限り、選択される。かかる溶媒混合物はまた、後処理、例えばクロマトグラフィーまたは分配において使用することができる。
【0114】
本発明はまた、方法の任意の段階で中間体として得られる化合物を出発物質として使用し、そして残りの工程を行う方法、または出発物質を反応条件下で形成するかまたは誘導体の形態、例えば保護形もしくは塩形で用いる方法の形態に関し、あるいは本発明の方法によって得られる化合物を反応条件下で製造し、さらにインサイチュで処理する方法の形にも関する。本発明の方法において、これらの出発物質が好ましく使用され、好ましいと記載されている式IAの化合物を得る。本発明はまた、新規中間体および/または出発物質に関する。実施例に記載のものと同一または類似の反応条件および新規中間体がとりわけ好ましい。
【0115】
薬学的方法、製造等
本発明はまた、式Iの化合物を含む医薬組成物、治療的(本発明のより広い局面において予防的)処置におけるそれらの使用、またはキナーゼ依存性疾患、とりわけ上記の好ましい疾患の処置法、前記使用のための化合物、およびとりわけ前記使用のための、医薬組成物およびそれらの製造に関する。
【0116】
本発明はまた、インビボで式Iの化合物それ自体に変換される式Iの化合物のプロドラッグに関する。したがって、式Iの化合物についてのあらゆる記載は、適当かつ便宜であるとき、対応する式Iの化合物のプロドラッグも言及しているものと理解される。
【0117】
本発明の薬学的に許容される化合物は、例えば、有効量の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を有効成分として、1種以上の無機または有機、固体または液体の薬学的に許容される担体(担体物質)と共にまたは混合物で含む、医薬組成物中に存在するか、またはその製造のために使用することができる。
【0118】
本発明はまた、温血動物、とりわけヒト(または温血動物、とりわけヒトに由来する細胞または細胞系、例えばリンパ球)に投与するのに適した、タンパク質キナーゼ活性の阻害に応答する疾患の処置(本発明のより広い局面において、予防(=に対する予防)を含む)のための医薬組成物であって、好ましくは前記阻害に有効量の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を、少なくとも1種の薬学的に許容される担体と共に含む組成物に関する。
【0119】
本発明の医薬組成物は、温血動物(とりわけヒト)に、経腸、例えば経鼻、直腸もしくは経口、または非経腸、例えば筋肉内もしくは静脈内投与のためのものであり、有効量の薬理学的有効成分を単独で、または顕著な量の薬学的に許容される担体と共に含む。有効成分の投与量は、温血動物の種、体重、年齢および個体の状態、個体の薬物動力学データ、処置する疾患および投与形態に依存する。
【0120】
本発明はまた、タンパク質キナーゼの阻害に応答する疾患および/または増殖性疾患の処置方法であって、(上記疾患に対して)予防的またはとりわけ治療上有効量の本発明の式Iの化合物、またはその互変異性体またはその薬学的に許容される塩を、上記疾患のいずれかを有する、かかる処置を必要とする温血動物、例えばヒトに投与することを含んで成る方法に関する。
【0121】
温血動物、例えば体重約70kgのヒトに投与する式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の投与量は、好ましくは約3mg〜約10g、より好ましくは約10mg〜約1.5g、最も好ましくは約100mg〜約1000mg/ヒト/日であり、好ましくは例えば同じサイズであり得る1〜3回の投与に分割される。通常、子供には成人投与量の半分を投与する。
【0122】
医薬組成物は、約1%〜約95%、好ましくは約20%〜約90%の有効成分を含む。本発明の医薬組成物は例えば、単位投与形態、例えばアンプル、バイアル、座薬、糖衣錠、錠剤またはカプセル剤の形態であり得る。
【0123】
本発明の医薬組成物を、自体公知の方法で、例えば常套の溶解、凍結乾燥、混合、造粒または調剤方法によって製造することができる。
【0124】
式Iの化合物を、他の抗増殖性薬剤との組合せにおいて有利に用いることもできる。かかる抗増殖性薬剤には、これらに限定されないが、アロマターゼ阻害剤;抗エストロゲン剤;トポイソメラーゼI阻害剤;トポイソメラーゼII阻害剤;微小管活性化剤;アルキル化剤;ヒストンデアセチラーゼ阻害剤;細胞分化プロセスを誘導する化合物;シクロオキシゲナーゼ阻害剤;MMP阻害剤;mTOR阻害剤;抗新生物性代謝拮抗剤;プラチナ化合物;タンパク質または脂質キナーゼ活性を標的とする/減少させる化合物、およびさらなる抗血管形成化合物;タンパク質もしくは脂質ホスファターゼの活性を標的とする、減少させるまたは阻害する化合物;ゴナドレリンアゴニスト;抗アンドロゲン剤;メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤;ビスホスホネート;生物学的応答調節剤;抗増殖性抗体;ヘパラナーゼ阻害剤;Ras発がん遺伝子アイソフォームの阻害剤;テロメラーゼ阻害剤;プロテアソーム阻害剤;血液学的悪性疾患の処置に用いる薬剤;Flt−3の活性を標的とする、減少させるまたは阻害する化合物;Hsp90阻害剤;テモゾロミド(TEMODAL(登録商標));およびロイコボリンが含まれる。
【0125】
「アロマターゼ阻害剤」なる用語は、本明細書において使用するとき、エストロゲン生産、すなわち基質アンドロステネジオンおよびテストステロンのエストロンおよびエストラジオールへのそれぞれの変換を阻害する化合物に関する。当該用語には、これらに限定されないが、ステロイド、とりわけアタメスタン、エキセメスタンおよびフォルメスタン、およびとりわけ非ステロイド、とりわけアミノグルテチミド、ログレチミド、ピリドグルテチミド、トリロスタン、テストラクトン、ケトコナゾール、ボロゾール、ファドロゾール、アナストロゾールおよびレトロゾールが含まれる。エキセメスタンは、例えばAROMASINの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。フォルメスタンは、例えばLENTARONの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。ファドロゾールは、例えばAFEMAの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。アナストロゾールは、例えばARIMIDEXの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。レトロゾールは、例えばFEMARAまたはFEMARの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。アミノグルテチミドは、例えばORIMETENの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。アロマターゼ阻害剤である化学療法薬剤を含む本発明の組合せ剤は、ホルモン応答陽性腫瘍、例えば乳がんの処置にとりわけ使用される。
【0126】
「抗エストロゲン剤」なる用語は、本明細書において使用するときエストロゲンの効果とエストロゲン受容体レベルで拮抗する化合物を意味する。かかる用語には、これらに限定されないが、タモキシフェン、フルベストラント、ラロキシフェンおよびラロキシフェンヒドロクロライドが含まれる。タモキシフェンは、例えばNOLVADEXの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。ラロキシフェンヒドロクロライドは、例えばEVISTAの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。フルベストラントは、US 4,659,516に記載の通りに製剤することができるか、またはそれは例えば、FASLODEXの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。抗エストロゲン剤である化学療法薬剤を含む本発明の組合せ剤は、エストロゲン受容体陽性腫瘍、例えば乳がんの処置にとりわけ使用できる。
【0127】
「抗アンドロゲン剤」なる用語は、本明細書において使用するとき、男性ホルモンの生物学的効果を阻害することができるあらゆる物質に関し、そしてこれらに限定されないが、ビカルタミド(CASODEX)、例えばUS 4,636,505に記載の通りに製剤することができるビカルタミド(CASODEX)が含まれる。
【0128】
「ゴナドレリンアゴニスト」なる用語には、本明細書において使用するとき、これらに限定されないが、アバレリクス、ゴセレリンおよびゴセレリンアセテートを含む。ゴセレリンはUS 4,100,274に開示されており、そして例えば、ZOLADEXの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。アバレリクスは、例えばUS 5,843,901に記載の通りに製剤することができる。
【0129】
「トポイソメラーゼI阻害剤」なる用語には、本明細書において使用するとき、これらに限定されないが、トポテカン、ギマテカン、イリノテカン、カンプトテシン(camptothecian)およびそのアナログ、9−ニトロカンプトテシンおよび巨大分子カンプトテシン結合体PNU−166148(WO99/17804の化合物A1)が含まれる。イリノテカンは、例えばCAMPTOSARの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。トポテカンは、例えばHYCAMTINの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。
【0130】
「トポイソメラーゼII阻害剤」なる用語には、本明細書において使用するとき、これらに限定されないが、アントラサイクリン、例えばドキソルビシン(リポソーム製剤、例えばCAELYXを含む)、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシンおよびネモルビシン、アントラキノンミトキサントロンおよびロソキサントロン、およびポドフィロトキシンエトポシドおよびテニポシドが含まれる。エトポシドは、例えばETOPOPHOSの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。テニポシドは、例えばVM 26−BRISTOLの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。ドキソルビシンは、例えばADRIBLASTINまたはADRIAMYCINの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。エピルビシンは、例えばFARMORUBICINの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。イダルビシンは、例えばZAVEDOSの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。ミトキサントロンは、例えばNOVANTRONの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。
【0131】
「微小管活性化剤」なる用語は、微小管安定化剤、微小管脱安定化剤、および微小管重合阻害剤に関し、これらに限定されないが、タキサン、例えばパクリタキセルおよびドセタキセル、ビンカアルカノイド、例えばビンブラスチン、とりわけ硫酸ビンブラスチン、ビンクリスチン、とりわけ硫酸ビンクリスチン、およびビノレルビン、ディスコデルモリド、コヒチンおよびエポチロン、およびその誘導体、例えばエポチロンBまたはDもしくはその誘導体を含む。パクリタキセルは、例えばTAXOLの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。ドセタキセルは、例えばTAXOTEREの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。硫酸ビンブラスチンは、例えばVINBLASTIN R.P.の商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。硫酸ビンクリスチンは、例えばFARMISTINの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。ディスコデルモリドは、例えばUS 5,010,099に記載の通りに入手することができる。エポチロン誘導体には、WO 98/10121、US 6,194,181、WO 98/25929、WO 98/08849、WO 99/43653、WO 98/22461およびWO 00/31247に記載のものも含まれる。エポチロンAおよび/またはBがとりわけ好ましい。
【0132】
「アルキル化剤」なる用語は、本明細書において使用するとき、これらに限定されないが、シクロホスファミド、イフォスファミド、メルファランまたはニトロソウレア(BCNUまたはGliadel)を含む。シクロホスファミドは、例えばCYCLOSTINの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。イフォスファミドは、例えばHOLOXANの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。
【0133】
「ヒストンデアセチラーゼ阻害剤」または「HDAC阻害剤」なる用語は、ヒストンデアセチラーゼを阻害し、そして抗増殖性活性を有する化合物に関する。これには、WO 02/22577に記載の化合物、とりわけN−ヒドロキシ−3−[4−[[(2−ヒドロキシエチル)[2−(1H−インドール−3−イル)エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミド、N−ヒドロキシ−3−[4−[[[2−(2−メチル−1H−インドール−3−イル)−エチル]−アミノ]メチル]フェニル]−2E−2−プロペンアミドおよびその薬学的に許容される塩が含まれる。それはさらに、とりわけSuberoylanilideヒドロキサム酸(SAHA)を含む。
【0134】
「抗新生物代謝拮抗剤」なる用語には、これらに限定されないが、5−フルオロウラシル(5−FU);カペシタビン;ゲムシタビン;DNA脱メチル化剤、例えば5−アザシチジンおよびデシタビン;メトトレキサート;エダトレキサート;および葉酸アンタゴニスト、例えばペメテトレキシドが含まれる。カペシタビンは、例えばXELODAの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。ゲムシタビンは、例えばGEMZARの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。例えばHERCEPTINの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができるモノクローナル抗体、トラスツズマブも含まれる。
【0135】
「プラチナ化合物」なる用語は、本明細書において使用するとき、これらに限定されないが、カルボプラチン、シスプラチン、シスプラチナムおよびオキサリプラチンを含む。カルボプラチンは、例えばCARBOPLATの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。オキサリプラチンは、例えばELOXATINの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。
【0136】
「タンパク質または脂質キナーゼ活性を標的とする/減少させる化合物、およびさらなる抗血管形成化合物」なる用語は、本明細書において使用するとき、これらに限定されないが:タンパク質チロシンキナーゼおよび/またはセリンおよび/もしくはスレオニンキナーゼ阻害剤、あるいは脂質キナーゼ阻害剤、例えば下記のものを含む:
a)繊維芽増殖因子受容体(FGF−R)の活性を標的とする、減少させるまたは阻害する化合物;
b)インシュリン様増殖因子受容体(IGF−IR)の活性を標的とする、減少させるまたは阻害する化合物、とりわけIGF−IRを阻害する化合物、例えばWO 02/092599に記載の化合物;
c)Trk受容体チロシンキナーゼファミリーの活性を標的とする、減少させるまたは阻害する化合物;
d)Axl受容体チロシンキナーゼファミリーの活性を標的とする、減少させるまたは阻害する化合物;
e)c−Met受容体の活性を標的とする、減少させるまたは阻害する化合物;
f)タンパク質キナーゼC(PKC)のメンバーおよびセリン/スレオニンキナーゼのRafファミリー、MEK、SRC、JAK、FAK、PDKおよびRas/MAPKファミリーのメンバー、またはPI(3)キナーゼファミリー、またはPI(3)−キナーゼ関連キナーゼファミリー、および/または悪しくリン依存性キナーゼファミリー(CDK)のメンバーの活性を標的とする、減少させるまたは阻害する化合物、およびとりわけUS 5,093,330に記載のスタウロスポリン誘導体、例えばミドスタウリン;さらなる化合物の例には、例えばUCN−01、サフィンゴール、BAY 43−9006、Bryostatin 1、Perifosine;Ilmofosine;RO 318220およびRO 320432;GO 6976;Isis 3521;LY333531/LY379196;イソキノリン化合物、例えばWO 00/09495に記載のもの;FTI;PD184352またはQAN697(P13K阻害剤)が含まれる;
【0137】
g)タンパク質−チロシンキナーゼの活性を標的とする、減少させるまたは阻害する化合物、例えばイマチニブメシレート(GLIVEC/GLEEVEC)またはチルホスチン。チルホスチンは好ましくは低分子量(Mr<1500)化合物またはその薬学的に許容される塩、とりわけベンジリデンマロノニトリルクラスまたはS−アリールベンゼンマロノニトリル(malonirile)から選択される化合物、または二基質キノリンクラスの化合物、よりとりわけTyrphostin A23/RG−50810;AG 99;Tyrphostin AG 213;Tyrphostin AG 1748;Tyrphostin AG 490;Tyrphostin B44;Tyrphostin B44(+)エナンチオマー;Tyrphostin AG 555;AG 494;Tyrphostin AG 556、AG957およびアダホスチン(4−{[(2,5−ジヒドロキシフェニル)メチル]アミノ}−安息香酸アダマンチルエステル;NSC 680410、アダホスチン)から成る群から選択されるいずれかの化合物である;
h)受容体チロシンキナーゼの上皮増殖因子ファミリー(ホモまたはヘテロダイマーとして、EGF−R、ErbB2、ErbB3、ErbB4)の活性を標的とする、減少させるまたは阻害する化合物、例えば上皮増殖因子受容体ファミリーの活性を標的とする、減少させるまたは阻害する化合物は、とりわけEGF受容体チロシンキナーゼファミリーのメンバー、例えばEGF受容体、ErbB2、ErbB3およびErbB4を阻害する、またはEGFもしくはEGF関連リガンドと結合する化合物、タンパク質または抗体であり、そしてとりわけ、WO 97/02266、例えば実施例39の化合物、またはEP 0 564 409、WO 99/03854、EP 0520722、EP 0 566 226、EP 0 787 722、EP 0 837 063、US 5,747,498、WO 98/10767、WO 97/30034、WO 97/49688、WO 97/38983および、とりわけWO 96/30347(例えばCP 358774として知られている化合物)、WO 96/33980 (例えば化合物ZD 1839)およびWO 95/03283 (例えば化合物ZM105180)に、一般的かつ具体的に記載の化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体;例えばトラスツズマブ(HERCEPTIN)、セツキシマブ、Iressa、エルロチニブ(Tarceva(商標))、CI−1033、EKB−569、GW−2016、E1.1、E2.4、E2.5、E6.2、E6.4、E2.11、E6.3もしくはE7.6.3、およびWO 03/013541に記載の7H−ピロロ−[2,3−d]ピリミジン誘導体。
【0138】
さらなる抗血管形成化合物には、それらの活性について他の機構を有する、例えばタンパク質または脂質キナーゼ阻害とは無関係な化合物、例えばサリドマイド(THALOMID)およびTNP−470が含まれる。
【0139】
タンパク質または脂質ホスファターゼを標的とする、減少させるまたは阻害する化合物は、例えばホスファターゼ1、ホスファターゼ2A、PTENまたはCDC25の阻害剤、例えばオカダ酸またはその誘導体である。
【0140】
細胞分化プロセスを誘導する化合物は、例えばレチン酸、α−、γ−もしくはδ−トコフェロール、またはα−、γ−もしくはδ−トコトリエノールである。
【0141】
「シクロオキシゲナーゼ阻害剤」なる用語は、本明細書において使用するとき、これらに限定されないが、例えばCox−2阻害剤、5−アルキル置換2−アリールアミノフェニル酢酸および誘導体、例えばセレコキシブ(CELEBREX)、ロフェコキシブ(VIOXX)、エトリコキシブ、バルデコキシブまたは5−アルキル−2−アリールアミノフェニル酢酸、例えば5−メチル−2−(2’−クロロ−6’−フルオロアニリノ)フェニル酢酸、ルミラコキシブを含む。
【0142】
「mTOR阻害剤」なる用語は、ラパマイシンの哺乳類標的(mTOR)を阻害し、抗増殖性活性を有する化合物、例えばシロリムス(Rapamune(登録商標))、エベロリムス(Certican(商標))、CCI−779およびABT578に関する。
【0143】
「ビスホスホネート」なる用語は、本明細書において使用するとき、これらに限定されないが、エトリドン酸、クロドロン酸、チルドロン酸、パミドロン酸、アレンドロン酸、イバンドロン酸、リセドロン酸およびゾレドロン酸を含む。「エトリドン酸」は、例えばDIDRONELの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。「クロドロン酸」は、例えばBONEFOSの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。「チルドロン酸」は、例えばSKELIDの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。「パミドロン酸」は、例えばAREDIA(商標)の商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。「アレンドロン酸」は、例えばFOSAMAXの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。「イバンドロン酸」は、例えばBONDRANATの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。「リセドロン酸」は、例えばACTONELの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。「ゾレドロン酸」は、例えばZOMETAの商標名で、例えば市販されている形態で、投与することができる。
【0144】
「ヘパラナーゼ阻害剤」なる用語は、本明細書において使用するとき、ヘパリンサルフェート分解を標的とする、減少させるまたは阻害する化合物に関する。当該用語には、これらに限定されないが、PI 88が含まれる。
【0145】
「生物学的応答調節剤」なる用語は、本明細書において使用するとき、リンフォカインまたはインターフェロン、例えばインターフェロンγを意味する。
【0146】
「Ras発がん遺伝子アイソフォーム(例えばH−Ras、K−RasまたはN−Ras)の阻害剤」は、本明細書において使用するとき、Rasの発がん遺伝子活性を標的とする、減少させるまたは阻害する化合物、例えば「ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤」、例えばL−744832、DK8G557またはR115777(Zarnestra)を意味する。
【0147】
「テロメラーゼ阻害剤」なる用語は、本明細書において使用するとき、テロメラーゼの活性を標的とする、減少させるまたは阻害する化合物を意味する。テロメラーゼの活性を標的とする、減少させるまたは阻害する化合物は、とりわけテロメラーゼ受容体を阻害する化合物、例えばテロメスタチンである。
【0148】
「メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤」なる用語は、本明細書において使用するとき、メチオニンアミノペプチダーゼの活性を標的とする、減少させるまたは阻害する化合物を意味する。メチオニンアミノペプチダーゼの活性を標的とする、減少させるまたは阻害する化合物は、例えばベンガミドまたはその誘導体である。
【0149】
「プロテアソーム阻害剤」なる用語は、本明細書において使用するとき、プロテアソームの活性を標的とする、減少させるまたは阻害する化合物を意味する。プロテアソームの活性を標的とする、減少させるまたは阻害する化合物には、例えばPS−341およびMLN 341が含まれる。
【0150】
「マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤」または(「MMP阻害剤」)なる用語は、本明細書において使用するとき、これらに限定されないが、コラーゲンペプチド模倣物および非ペプチド模倣物阻害剤、テトラサイクリン誘導体、例えばヒドロキサメートペプチド模倣物阻害剤バチマスタットおよびその経口的に生物利用なアナログ、マリマスタット(BB−2516)、プリノマスタット(AG3340)、メタスタット(NSC 683551)BMS−279251、BAY 12−9566、TAA211、MMI270BまたはAAJ996を含む。
【0151】
「血液学的悪性疾患の処置に用いる薬剤」なる用語は、本明細書において使用するとき、これらに限定されないが、FMS様チロシンキナーゼ阻害剤、例えばFlt−3の活性を標的とする、減少させるまたは阻害する化合物;インターフェロン、1−b−D−アラビノフランシルシトシン(ara−c)およびビスルファン;ならびにALK阻害剤、例えば未分化リンパ腫キナーゼを標的とする、減少させるまたは阻害する化合物を含む。
【0152】
「Flt−3の活性を標的とする、減少させるまたは阻害する化合物」なる用語は、とりわけFlt−3を阻害する化合物、タンパク質または抗体、例えばPKC412、ミドスタウリン、スタウロスポリン誘導体、SU11248およびMLN518である。
【0153】
「HSP90阻害剤」なる用語は、本明細書において使用するとき、これらに限定されないが、HSP90の内因性ATPアーゼ活性を標的とする、減少させるまたは阻害する化合物;HSP90クライアントタンパク質を、ユビキチンプロテアソーム経路を介して分解する、標的とする、減少させるまたは阻害する化合物を含む。HSP90の内因性ATPアーゼを標的とする、減少させるまたは阻害する化合物は、HSP90のATPアーゼを阻害する化合物、タンパク質または抗体、例えば17−アリルアミノ、17−デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)、ゲルダナマイシン誘導体;他のゲルダナマイシン関連化合物;ラジシコールおよびHDAC阻害剤である。
【0154】
「抗増殖性抗体」なる用語は、本明細書において使用するとき、これらに限定されないが、トラスツズマブ(Herceptin(商標))、Trastuzumab−DM1、ベバシズマブ(Avastin(商標))、リツキシマブ(Rituxan(登録商標))、PRO64553(抗−CD40)および2C4抗体を含む。抗体は、例えば無傷のモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2種の無傷抗体から形成される複数特異性抗体、および所望の生物学的活性を示す抗体フラグメントを意味する。
【0155】
急性骨髄性白血病(AML)の処置のために、式Iの化合物を標準的な白血病治療と組み合わせて、とりわけAMLの処置に用いられる治療と組み合わせて、使用することができる。とりわけ、式Iの化合物を例えば、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤および/またはAMLの処置に有用な他の薬剤、例えばDaunorubicin、Adriamycin、Ara−C、VP−16、Teniposide、Mitoxantrone、Idarubicin、CarboplatinumおよびPKC412との組合せで投与することができる。
【0156】
コード番号、一般名または商品名で同定される活性薬剤の構造は、標準的概説書「The Merck Index」の現行版、またはデータベース、、例えばPatents International(例えばIMS World Publications)から得ることができる。
【0157】
式Iの化合物との組合せにおいて用いることができる上記化合物は、文献、例えば上記文献に記載のとおりに製造および投与することができる。
【0158】
式Iの化合物を、既知の治療法、例えばホルモンの投与またはとりわけ放射線と組み合わせて有利に用いることもできる。
【0159】
式Iの化合物は、とりわけ放射線療法に感受性が乏しい腫瘍の処置のために、とりわけ放射線増感剤として用いることができる。
【0160】
「組合せ剤」は、1個の単位投与形態における固定された組合せ剤、または式Iの化合物と組合せパートナーを独立して同時に、または別個に、とりわけ組合せパートナーが共同的、例えば相乗効果を示すことができる時間間隔で、またはそのいずれかの組合せで、投与することができる組合せ投与のためのパーツのキットを意味する。
【0161】
好ましい式Iの化合物(本発明の医薬組成物、方法および使用のためにも好ましい)、その互変異性体および/または塩を、従属クレームから推測することができ、これを参照により本明細書の一部とする。
【0162】
本発明は、とりわけ、実施例に記載の式Iの化合物、その互変異性体および/またはその薬学的に許容される塩に関する。
【0163】
下記実施例を、本発明を説明するために、その範囲を限定することなく、提供する。
【実施例】
【0164】
実施例
温度は摂氏度で測定している。特に記載が無い限り、反応は室温で、N雰囲気下で行う。
各物質が動いた距離と溶離剤が動いた距離の比を示すR値を、薄層クロマトグラフィーで、それぞれ記載の溶媒系を用いて、シリカゲル薄層プレート(Merck, Darmstadt, Germany)で決定する。
【0165】
【表1】

【表2】

【0166】
HPLC条件
直線グラジエント20−100%CHCN(0.1% TFA)とHO(0.1% TFA)で13分+100% CHCN(0.1% TFA)で5分;215nmで検出、流速1ml/min、25または30℃。カラム:Nucleosil 120-3 C18(125×3.0mm)。
【0167】
遊離体として用いるアニリン:
【化28】

殆どの個々のアニリンは、商業的に入手可能であるか、またはWO 03/099771、WO 05/051366もしくはWO 05/063720に記載されているか、あるいはそれらに例示の誘導体と同様に製造することができる。
【0168】
実施例1:6−(2−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
【化29】

294mg(0.91mMol)6−ヒドロキシ−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド(工程1.3)、149mg(1.00mMol)2,4−ジクロロピリミジンおよび426mg(2.0mMol)KPOの5ml NMP混合物を、20h、rtで撹拌する。反応混合物をCHClおよび5% クエン酸水溶液で希釈し、水相を分離し、CHClで抽出する。有機層を水および塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮する。カラムクロマトグラフィー(SiO;CHCl→CHCl/EtOAc 99:1)によって表題化合物を得る:MS:[M+1]=435;TLC(CHCl/EtOAc 49:1):R=0.66。
【0169】
出発物質を下記の通りに製造する:
工程1.1:6−ベンジルオキシ−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸エチルエステル
0.98g(4.73mMol)6−ヒドロキシ−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸エチルエステル[製造方法は:J. Am. Chem. Soc. 97 (1974), 7305参照]の100ml アセトン溶液に、545μl(4.73mMol)ベンジルクロライド、3.08g(9.46mMol)CsCOおよび10mg NaIを加える。混合物を2h、rtで、そして5h、56℃で撹拌する。反応混合物をEtOAcおよび水で希釈し、水相を分離し、EtOAcで抽出する。有機層を水および塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、10g SiOを加えた後に濃縮する。得られた粉末をクロマトグラフィーカラム(SiO)の先端に乗せ、表題化合物をヘキサン/EtOAc 9:1→8:2→7:3で溶出した:MS:[M+1]=298;TLC(ヘキサン/EtOAc 3:1):R=0.54。
【0170】
工程1.2:6−ベンジルオキシ−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
乾燥容器中で、99μl(0.79mMol)3−トリフルオロメチル−アニリンを14ml トルエンに溶解させ、10℃に冷却する。1.2mlのMeAl(トルエン中2M;2.4mMol)をシリンジで加える。rtで1hの後、236mg(0.79mMol)6−ベンジルオキシ−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸エチルエステルの3ml THF溶液を加え、反応混合物を25min、油槽中で110℃で撹拌する。溶液を氷で冷却し、30mlのsat. NHClで加水分解する。15min撹拌後、EtOAcおよびCeliteを加える。混合物をCeliteで濾過し、固体をEtOAcおよび水で洗浄し、水相を濾液から分離し、EtOAcで抽出する。有機層を水および塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)濃縮する。EtOAc/ヘキサンから結晶化させて表題化合物を得る:MS:[M−1]=411;TLC(ヘキサン/EtOAc 3:1):R=0.51。
【0171】
工程1.3:6−ヒドロキシ−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
202mg(0.49mMol)6−ベンジルオキシ−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドの6ml THF溶液を、70mg Pd/C(10%、Engelhard 4505)の存在下で水素化し、濾過し、濾液を濃縮し、ヘキサンから粉砕して表題化合物を得る:MS:[M−1]=321;TLC(ヘキサン/EtOAc 1:1):R=0.51。
【0172】
別の方法:
工程1.1:6−トリイソプロピルシラニルオキシ−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸エチルエステル
0.80g(3.86mMol)6−ヒドロキシ−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸エチルエステル[製造方法:J. Am. Chem. Soc. 97 (1974), 7305参照]の8ml DMF溶液に、1.16g(17mMol)イミダゾルおよび2.15ml クロロトリイソプロピルシラン(95%;9.7mMol)を加える。50min後、混合物を氷水に注ぎ、EtOAcで2回抽出する。有機相を10% クエン酸溶液、水(2回)および塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮する。カラムクロマトグラフィー(SiO;ヘキサン/EtOAc 29:1)によって表題化合物を得る:MS:[M+1]=364;TLC(ヘキサン/EtOAc 9:1):R=0.5。
【0173】
工程1.2:6−トリイソプロピルシラニルオキシ−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
乾燥容器中で、207μl(1.66mMol)3−トリフルオロメチル−アニリンを28ml トルエンに溶解させ、10℃に冷却する。2.5ml MeAl(トルエン中2M;5.0mMol)をシリンジで加える。rtで1h後、602mg(1.66mMol)6−トリイソプロピルシラニルオキシ−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸エチルエステルの6ml THF溶液を加え、反応混合物を30min、油槽中で110℃で撹拌する。溶液を氷で冷却し、70mlのsat. NHClで加水分解する。15min撹拌後、EtOAcおよびCeliteを加える。混合物をCeliteで濾過し、固体をEtOAcおよび水で洗浄し、水相を濾液から分離し、EtOAcで抽出する。有機層を水および塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)濃縮し、表題化合物を油状物として得る:MS:[M−1]=477;TLC(ヘキサン/EtOAc 19:1):R=0.30。
【0174】
工程1.3:6−ヒドロキシ−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
1MのBuNFのTHF溶液5.5mlを、1.045g(2.18mMol)6−トリイソプロピルシラニルオキシ−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドの25ml THF溶液に加える。55min後、溶液を真空下で濃縮し、残渣を水およびEtOAc中に再溶解させ、水層を分離し、EtOAcで2回抽出する。有機層を水および塩水で2回洗浄し、乾燥させ(NaSO)濃縮する。ヘキサン中で粉砕して表題化合物を得る。
【0175】
実施例2:6−(2−ヒドラジノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
【化30】

25mg(0.058mMol)6−(2−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドを2ml THFに溶解させる。9.2μl(0.19mMol)ヒドラジン水和物を3回で、24hにわたって加えて表題化合物を得る:MS:[M+1]=431;HPLC:tRet=12.9。
【0176】
実施例3:6−(2−メチルアミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
【化31】

50mg(0.115mMol)6−(2−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドを5ml THFに溶解させ、250μl メチルアミン(THF中2M;0.50mMol)を加え、溶液を密封管中で20h撹拌する。混合物を水およびEtOAcで希釈し、水層を分離し、EtOAcで抽出する。有機層を水および塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮する。クロマトグラフィー(逆相;Gilson)によって表題化合物を得る:MS:[M+1]=430;HPLC:tRet=14.0。
【0177】
実施例4:6−(ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
【化32】

乾燥容器中で、46μl(0.35mMol)4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−アニリンを6ml トルエンに溶解させ、10℃に冷却する。550μl MeAl(トルエン中2M;1.1mMol)をシリンジで加える。rtで1h後、101mg (0.35mMol)6−(ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸エチルエステルの1.25ml THF溶液を加え、反応混合物を25min、油槽中で110℃で撹拌する。工程1.2に記載のとおりに後処理して、表題化合物を得る:MS:[M−1]=419;Anal.:C,H,N,F。
【0178】
出発物質を下記の通りに製造する:
工程4.1:6−(2−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸エチルエステル
2.7g(18.1mMol)2,4−ジクロロピリミジン、4.12g(19.9mMol)6−ヒドロキシ−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸エチルエステル[製造方法:J. Am. Chem. Soc. 97 (1974), 7305参照]および8.45g(39.8mMol)KPOの90ml NMP溶液を、22h、rtで撹拌する。混合物を0.5lのCHClおよび0.9lの5%クエン酸溶液で希釈する。有機相を分離し、水および塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮する。カラムクロマトグラフィー(SiO;CHCl)によって表題化合物を得る:MS:[M+1]=320;TLC(CHCl/EtOAc 49:1):R=0.42。
【0179】
工程4.2:6−(ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸エチルエステル
3ml DMF中の300mg(0.938mMol)6−(2−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸エチルエステルおよび262μl(1.88mMol)EtNを、120mg Pd/C(10%;Engelhard 4505)の存在下で水素添加する。触媒を濾取し、濾液を濃縮し、残渣をEtOAcおよび水に再溶解させ、水層を分離し、EtOAcで抽出する。有機層を水および塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮する。クロマトグラフィー(コンビフラッシュ;ヘキサン/EtOAc 9:1→4:1)によって表題化合物を得る:MS:[M+1]=286;TLC(ヘキサン/EtOAc 1:1):R=0.30。
【0180】
実施例5:{4−[3−(3−トリフルオロメチル−フェニルカルバモイル)−ベンゾ[d]イソキサゾール−6−イルオキシ]−ピリミジン−2−イル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル Aおよび6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド B
【化33】

38μl(0.30mMol)3−トリフルオロメチル−アニリンを6ml トルエンに溶解させ、10℃に冷却する。0.46ml MeAl(トルエン中2M;0.92mMol)をシリンジで加える。rtで1h後、121mg(0.30mMol)6−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸エチルエステルの3ml THF溶液を加え、反応混合物を20min、油槽中で110℃で撹拌する。工程1.2に記載の通り後処理し、クロマトグラフィー(コンビフラッシュ;ヘキサン/EtOAc 19:1→1:1)および逆相クロマトグラフィーによって、およびを得る。:MS:[M−1]=514;:MS:[M+1]=416。
【0181】
出発物質を下記の通りに製造する:
工程5.1:6−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸エチルエステル
1.4g(4.3mMol)6−(2−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸エチルエステル(工程4.1)の32ml ジオキサン溶液を、蒸発によって繰り返し脱気し、Nでフラッシュする。2.1g(6.44mMol)CsCO、77mg(0.13mMol)4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン、39.3mg(0.0429mMol)トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)および603mg(5.15mMol)カルバミン酸tert−ブチルエステルを連続して加える。110℃で4.5h撹拌後、混合物をrtで冷却し、さらに77mg 4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン、39.7mg トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、603mg カルバミン酸tert−ブチルエステルおよび2.1g CsCOを加え、撹拌を5h継続する。冷却した混合物をEtOAcおよび水に注ぎ、水層を分離し、EtOAcで抽出する。有機層を水および塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、8g SiOと共に濃縮する。得られた粉末をクロマトグラフィーカラム(SiO;CHCl)の先端に乗せ、表題化合物をCHCl→CHCl/EtOAc 4:1で溶出する:MS:[M+1]=401;HPLC:tRet=15.4。
【0182】
実施例6:6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−カルボン酸(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
【化34】

10ml THF中の51mg(0.11mMol)6−(2−アミノ−6−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−カルボン酸(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド(工程6.3)および46μl (0.33mMol)EtNを、2部の0.1g Pd/C(10%; Engelhard 4505)の存在下で36h水素添加し、濾過し、濾液を濃縮し、クロマトグラフィー(コンビフラッシュ;CHCl/ヘキサン 2:3→CHCl→CHCl/エーテル 7:3)によって表題化合物を得る:m.p.:237−239℃;MS:[M+1]=450。
【0183】
出発物質を下記の通りに製造する:
工程6.1:6−メトキシ−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−カルボン酸(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
209mg(1.00mMol)6−メトキシ−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−カルボン酸(製造方法は:WO 2004/029050、Procedure N参照)、269mg(1.5mMol)4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−アニリンおよび1.4ml(10mMol)EtNを5mlの乾燥DMFに溶解させ、氷槽中で冷却する。1.17ml(DMF中50%;2.0mMol)プロピルホスホン酸無水物溶液を加える。混合物をrtで15h撹拌し、さらに0.58mlのプロピルホスホン酸無水物を加える。2h後、反応混合物を水およびEtOAcに注ぎ、水相を分離し、EtOAcで2回抽出する。有機層を水および塩水で2回洗浄し、乾燥させ(NaSO)、部分的に濃縮する。ヘキサン添加によって表題化合物が沈殿する:m.p.:157℃;MS:[M+1]=371。
【0184】
工程6.2:6−ヒドロキシ−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−カルボン酸(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
252mg(0.68mMol)6−メトキシ−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−カルボン酸(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドの15ml CHCl懸濁液を、氷槽中で冷却し、1MのBBrのCHCl溶液20mlを加える。懸濁液を3日間45℃で撹拌し、得られた溶液を冷却し、水およびEtOAcに注ぎ、水層を分離し、EtOAcで2回抽出する。有機層を水およびsat. NaHCOで2回洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮する。クロマトグラフィー(コンビフラッシュ;アセトン/ヘキサン 1:95→2:3)で表題化合物を得る:MS:[M−1]=355;TLC(ヘキサン/アセトン 2:1):R=0.46。
【0185】
工程6.3:6−(2−アミノ−6−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−カルボン酸(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
72mg(0.44mMol)2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン、143mg(0.40mMol)6−ヒドロキシ−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−カルボン酸(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドおよび280mg(1.32mMol)KPOの2ml NMP混合物を、6h、70℃で撹拌する。混合物をEtOAcおよび水で希釈し、水層を分離し、EtOAcで2回抽出する。有機相を水および塩水で2回洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮する。クロマトグラフィー(コンビフラッシュ;CHCl→CHCl/EtOH 9:1)で表題化合物を得る:MS:[M−1]=482/484;TLC(CHCl):R=0.12。
【0186】
実施例7:6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−カルボン酸[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニル]−アミド
【化35】

296mg(0.513mMol)6−(2−アミノ−6−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−カルボン酸[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニル]−アミドおよび1.44ml(10.3mMol)EtNの25ml THF溶液を、298mg Pd/C 10%の存在下で水素添加する。反応を完了貸せるために、触媒を濾取し、さらに298mg Pd/C 10%を加え、水素添加を継続する。混合物路Celiteで濾過し、濾液をNaHCO溶液およびEtOAcで希釈し、水層を分離し、EtOAcで2回抽出する。有機相を水および塩水で2回洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮する。クロマトグラフィー(コンビフラッシュ;CHCl/MeOH/concNHaq 95:4:1→90:10:1)で表題化合物を得る:m.p.:215−217℃;MS:[M+1]=544。
【0187】
出発物質を下記の通りに製造する:
工程7.1:6−メトキシ−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−カルボン酸[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニル]−アミド
2.0g(9.57mMol)6−メトキシ−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−カルボン酸、3.9g(14.3mMol)4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−アニリン、13.3ml(95.7mMol)EtNおよび11.17ml(DMF中50%;19.1mMol)プロピルホスホン酸無水物の100ml 乾燥DMF溶液から、工程6.1と同様にして製造する:m.p.:156℃;MS:[M+1]=465。
【0188】
工程7.2:6−ヒドロキシ−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−カルボン酸[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニル]−アミド
1.923g(4.14mMol)6−メトキシ−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−カルボン酸[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニル]−アミドの1MのBBrのCHCl溶液120mlを、16h、45℃で撹拌する。溶液を水およびEtOAcに注ぎ、水層をNaCOで中和し、分離し、EtOAcで2回分離する。有機層を水および塩水で2回洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮する。逆相クロマトグラフィー(Gilson系)で表題化合物を得る:MS:[M−1]=451;HPLC:tRet=11.6。
【0189】
工程7.3:6−(2−アミノ−6−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−カルボン酸[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニル]−アミド
45ml NMP中の401mg(2.45mMol)2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン、785mg(1.74mMol)6−ヒドロキシ−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−カルボン酸[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニル]−アミドおよび1.5g(7.1mMol)KPOから、工程6.3に記載の通りに製造する:MS:[M+1]=578/580;HPLC:tRet=14.9。
【0190】
実施例8:(4−{3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニルカルバモイル]−ベンゾ[d]イソチアゾール−6−イルオキシ}−ピリミジン−2−イル)−カルバミン酸メチルエステル
【化36】

6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−カルボン酸[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニル]−アミド(Ex.7)、およびCHClおよびピリジン中メチルクロロホルミエートからEx.11と同様に製造することができる。
【0191】
実施例9:6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
【化37】

乾燥容器中で、108mg(0.60mMol)4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−アニリンを10ml トルエンに溶解させ、10℃に冷却する。900μl MeAl(トルエン中2M;1.8mMol)をシリンジで加える。rtで1h後、171mg (0.599mMol)6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸メチルエステル(工程9.6)の5ml THF懸濁液を加え、反応混合物を40min、油槽中で110℃で撹拌する。溶液を氷で冷却し、20mlのsat. NHClで加水分解する。10min撹拌後、混合物をCeliteで濾過し、固体を大規模にEtOAcおよび水で洗浄し、水相を濾液から分離し、EtOAcで抽出する。有機層を水および塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮する。カラムクロマトグラフィー(SiO; EtOAc)およびEtOAc/ヘキサン 1:1から再結晶化して、表題化合物を得る:MS:[M+1]=433;TLC(ヘキサン/EtOAc 1:9):R=0.22。
【0192】
出発物質を下記の通りに製造する:
工程9.1:6−トリイソプロピルシラニルオキシ−ベンゾフラン−3−オン
9.8g(65.3mMol)6−ヒドロキシ−2H−ベンゾフラン−3−オンの80ml DMF溶液に、10.6g(157mMol)イミダゾールおよび16.6ml(78.3mMol)クロロ−トリイソプロピルシランを滴下する。1h後、混合物を300ml EtOAcおよび300ml 水に注ぎ、水相を分離し、100ml EtOAcで3回抽出する。有機層を10% クエン酸溶液、塩水で4回洗浄し、乾燥させる(NaSO)。木炭を加える。濾過し、濃縮し、乾燥させて(10mbar、65−85℃)、油状の表題化合物を得る:MS:[M+1]=307;TLC(ヘキサン/EtOAc 2:1):R=0.61。
【0193】
工程9.2:トリフルオロ−メタンスルホン酸6−トリイソプロピルシラニルオキシ−ベンゾフラン−3−イルエステル
22.9g(74.7mMol)6−トリイソプロピルシラニルオキシ−ベンゾフラン−3−オンの300ml CHCl氷冷溶液に、19.1ml(164mMol)2,6−ルチジンを加え、その後17.6ml(82.2mMol)トリフルオロメタンスルホン酸無水物を滴下する。10min後、混合物を15℃まで20min温め、真空でロータリーエバポレーターで濃縮する。残渣をCHClに溶解させ、100g SiOと共に再び濃縮する。得られた粉末を速やかに、クロマトグラフィーカラム(ヘキサン/EtOAc 99:1)の先端に乗せ、表題化合物をヘキサン/EtOAc 99:1で、油状物として溶出させる:MS:[M+1]=439;TLC(ヘキサン/EtOAc 19:1):R=0.51。
【0194】
工程9.3:6−トリイソプロピルシラニルオキシ−ベンゾフラン−3−カルボン酸メチルエステル
256mg(1.14mMol)Pd(OAc)および517mg(1.25mMol)1,3−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−プロパンの96ml DMFおよび72ml MeOH混合物を、Ar雰囲気下でオートクレーブ中で30min撹拌する。10g(22.8mMol)トリフルオロ−メタンスルホン酸6−トリイソプロピルシラニルオキシ−ベンゾフラン−3−イルエステルおよび7ml(50mMol)EtNを溶液に加える。オートクレーブを密封し、8barのCO雰囲気を適用し、混合物を70℃に5h加熱する。rtに冷却後、混合物をCeliteで濾過し、固体をMeOHで洗浄し、濾液を真空で濃縮する。残渣を400ml EtOAcに再溶解させ、4部の水および塩水で洗浄する。有機相を乾燥させる(NaSO)。木炭を加え、混合物を濾過し、濾液を濃縮する。カラムクロマトグラフィー(SiO;CHCl)で、表題化合物を油状物として得る:MS:[M+1]=349;TLC(ヘキサン/EtOAc 19:1):R=0.33。
【0195】
工程9.4:6−ヒドロキシ−ベンゾフラン−3−カルボン酸メチルエステル
17.9g(51.4mMol)6−トリイソプロピルシラニルオキシ−ベンゾフラン−3−カルボン酸メチルエステルを、200ml DMFに溶解させる。34g(108mMol)テトラブチルアンモニウムフルオライド3水和物を加える。30min後、混合物を400ml EtOAcおよび600ml 水に注ぎ、水相を分離し、EtOAcで3回抽出する。有機層を水、塩水で4回洗浄し、乾燥させる(NaSO)。木炭を加え、混合物を濾過する。濾液を部分的に濃縮して、結晶状の表題化合物を得て、これを濾取し、エーテルおよびヘキサンで洗浄する:m.p.:200−201℃。さらに生成物を、280g SiOを加え、濃縮し、クロマトグラフィーカラム(SiO;ヘキサン/EtOAc 3:1)に適用し、ヘキサン/EtOAc 3:1で溶出させて濾液から単離することができる。
【0196】
工程9.5:6−(2−アミノ−6−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸メチルエステル
6.20g(32.3mMol)6−ヒドロキシ−ベンゾフラン−3−カルボン酸メチルエステル、8.5g(51.8mMol)2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジンおよび14.2g(67mMol)KPOの250ml NMP混合物を、3.5h、60℃で撹拌する。混合物を1l EtOAcおよび1l 水に注ぎ、水層を分離し、EtOAcで3回抽出する。有機相を水および塩水で洗浄し、乾燥させる(NaSO)。木炭を加え、混合物を濾過し、濾液を濃縮する。エーテルから粉砕して表題化合物を得る:m.p.:213−214℃。さらに生成物を、工程9.4に記載の通り、カラムクロマトグラフィー(SiO;ヘキサン/EtOAc 2:1)によって、濾液から得ることができる。
【0197】
工程9.6:6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸メチルエステル
9.2g(28.8mMol)6−(2−アミノ−6−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸メチルエステルおよび23.4ml(0.29Mol)ピリジンの1l THF溶液を、3.9g Pd/C 10%の存在下で5h水素添加する。混合物をCeliteパッドおよび木炭で濾過し、固体をTHFおよびMeOHで大規模に洗浄し、濾液を濃縮する。残渣を400ml EtOAcおよび200ml 水と撹拌する。懸濁液を濾過し、水およびEtOAcで洗浄して、表題化合物を得る:m.p.:194−196℃;MS:[M+1]=286。水層を濾液から分離し、EtOAcで3回抽出し、有機相を水および塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮する。エーテルおよびEtOAcから粉砕して、さらに表題化合物を得る。
【0198】
実施例10:下記誘導体をEx.9と同様に得る。
【化38】

【表3】

【表4】

1)EtOAc/ヘキサン 9:1;2)EtOAc;3)CHCl/MeOH/concNHaq.90:10:1
【0199】
実施例11:(4−{3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニルカルバモイル]−ベンゾフラン−6−イルオキシ}−ピリミジン−2−イル)−カルバミン酸メチルエステル
【化39】

124mg(1.31mMol)メチルクロロホルミエートの1ml CHCl溶液を、289mg(0.55mMol)6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニル]−アミド(Ex.10j)の2.3ml CHClおよび2.3ml ピリジン溶液に加える。30min後、混合物を真空で濃縮し、残渣をEtOAcおよび希釈NaHCO溶液に再溶解させ、水相を分離し、EtOAcで2回抽出する。有機層を水および塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、木炭で処理し、濃縮する。EtOAcおよびエーテルで粉砕して、表題化合物を得る:m.p.:222−223℃;Anal.(+0.3HO):C,H,N,F,O;IR:1743cm−1(カルバメート)、1682cm−1 (アミド)、1537cm−1(アミド)。
【0200】
実施例12:6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
【化40】

乾燥容器中で、66mg(0.41mMol)3−トリフルオロメチル−アニリンを7mlの脱気したトルエンに溶解させ、10℃に冷却する。650μl MeAl(トルエン中2M;1.3mMol)をシリンジで加える。rtで45min後、100mg(0.317mMol)6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸エチルエステル(工程12.5)の2.5ml THF溶液を加え、反応混合物を40min、油槽中で110℃で撹拌する。溶液を氷槽中で冷却し、15ml sat. NHClで加水分解する。10min撹拌後、混合物をCeliteで濾過し、固体をEtOAcおよび水で大規模に洗浄し、水相を濾液から分離し、EtOAcで抽出する。有機層を水および塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮する。カラムクロマトグラフィー(SiO;EtOAc/ヘキサン 9:1)およびCHCl/ヘキサンからの結晶化で、表題化合物を得る:MS:[M+1]=431;TLC(EtOAc/ヘキサン 9:1):R=0.24。
【0201】
出発物質を下記の通りに製造する:
工程12.1:3−メトキシ−フェニルスルファニル)−2−オキソ−プロピオン酸エチルエステル
28g(0.20Mol)3−メトキシチオフェノールを115ml ピリジンに溶解させ、5℃に冷却する。25ml(0.20Mol)エチルブロモピルベートを40min間滴下し、黄色懸濁液を30min、5−8℃で撹拌し、250mlの4N HClを加える(pH=6)。300ml エーテルで希釈した後、水層を分離し、4N HClでpH=4に酸性化し、150ml エーテルで3回抽出する。有機相を3部の1N HCl、水および塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮する。この粗生成物をそのまま工程12.2で使用する。
【0202】
工程12.2:6−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸エチルエステル
306g ポリリン酸(Riedel-de-Haen 04101)を70℃に加熱する。250ml クロロベンゼン、次に50.5g(0.2Mol)の粗3−(3−メトキシ−フェニルスルファニル)−2−オキソ−プロピオン酸エチルエステルの280ml クロロベンゼン溶液を加える。混合物を112℃に4h加熱する。得られた2相熱混合物から、黄褐色上部層を吸い取る。黒色底部相を3部の250ml 沸騰トルエンで抽出する。上部層および3回トルエン抽出物を合併し、真空で濃縮する(→粗1)。黒色底部相由来の残渣を、7l 水中で加水分解する。2部のCHClで抽出して、さらに物質を得る(→粗2)。両バッチ(粗1および2)を合併し、CHCl、水およびsat. NaHCOで希釈する。水相を分離し、CHClで2回抽出し、有機層を水および塩水で2回洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮する。カラムクロマトグラフィー(SiO;ヘキサン/CHCl 9:1→7:3→1:1)およびヘキサンから−20℃で結晶化して、表題化合物を得る:m.p.:68−69℃;TLC(ヘキサン/アセトン 4:1):R=0.47。
【0203】
工程12.3:6−ヒドロキシ−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸エチルエステル
4.72g(20mMol)6−メトキシ−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸エチルエステルの200ml CHCl溶液に、−10℃で、1MのBBrのCHCl溶液40mlをシリンジで12min間加える。溶液を3.5h、−10〜0℃で撹拌し、600ml EtOAcで希釈し、sat. NaHCOおよび氷の混合物450mlに注ぐ。5min後、水層を分離し、120ml EtOAcで3回抽出する。有機相を水および塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、SiOを加えた後濃縮する。得られた粉末をSiOカラムの先端に乗せ、表題化合物をヘキサン/EtOAc 4:1で溶出させる:m.p.:128−129℃;TLC(ヘキサン/EtOAc 4:1):R=0.18。
【0204】
工程12.4:6−(2−アミノ−6−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸エチルエステル
2.563g(11.5mMol)6−ヒドロキシ−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸エチルエステル、3.06g(18.5mMol)2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジンおよび5.15g(23mMol)KPOの87ml NMP混合物を、1.5h、60℃で撹拌する。混合物をEtOAcおよび水に注ぎ、水層を分離し、EtOAcで3回抽出する。有機相を水および塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮する。エーテル中で粉砕し、濾過して表題化合物を得る:m.p.:178−179℃;TLC(ヘキサン/EtOAc 2:1):R=0.27。さらに生成物を、濾液からカラムクロマトグラフィー(SiO;ヘキサン/EtOAc 3:1)で得ることができる。
【0205】
工程12.5:6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸エチルエステル
3.70g(10.6mMol)6−(2−アミノ−6−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸エチルエステルの300ml THFおよび8.68ml(108mMol)ピリジン溶液を、3.0g Pd/C(10%;23hで3部で加える)の存在下で水素添加する。混合物を濾過し、固体をMeOHで大規模に洗浄する。濾過ケーキは生成物をなおも含んでおり、したがってEtOAcおよび水中で撹拌する。分離したEtOAc層を水で2回洗浄し、濾液に加え、濃縮する。残渣を300ml EtOAcおよび50ml MeOHに再溶解させる。水を加え、水層を分離し、EtOAcで4回抽出する。有機層を水および塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、21g SiOと共に濃縮する。得られた粉末をSiOカラムの先端に乗せ、表題化合物をEtOAc/ヘキサン 9:1で溶出させる:m.p.:144−145℃;TLC(EtOAc/ヘキサン 9:1):R=0.27。
【0206】
実施例13:下記誘導体をEx.12と同様に得る。
【化41】

【表5】

【表6】

1)EtOAc/ヘキサン 9:1;2)EtOAc;3)CHCl/MeOH/conc.NHaq. 90:10:1
【0207】
実施例14:(4−{3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニルカルバモイル]−ベンゾ[b]チオフェン−6−イルオキシ}−ピリミジン−2−イル)−カルバミン酸メチルエステル
【化42】

6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニル]−アミド(Ex.13k)およびメチルクロロホルミエートから、CHClおよびピリジン中でEx.11と同様に製造する:m.p.:205−206℃;Anal.(+0.3HO):C,H,N,S,F,O。
【0208】
実施例15:6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
【化43】

27mg(0.064mMol)6−(2−アミノ−6−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドを、2ml THFに溶解させ、Pd−C(Engelhardt 4045)で2h、rtで水素添加に供する。反応混合物を濾過で後処理し、濃縮して表題化合物を白色固体として得る:m.p.:102−104℃;MS:[M+1]=415。
【0209】
出発物質を下記の通りに製造する:
工程15.1:3−ベンジルオキシ−ピリジン
9.5g(10mMol)3−ヒドロキシ−ピリジンおよび9.45ml(10mMol)ベンジルクロライドを50ml CHClに、rtで溶解させる。0.5g Adogen 464(登録商標)(Aldrich 63393-96-4)を加え、その後50ml NaOH水溶液(40%wt)を滴下する。得られた黄色溶液を一晩撹拌し、白色沈殿を形成させる。不溶物を濾取し、濾液をCHClおよびHOで希釈する。相を分離し、水相を繰り返しCHClで抽出する。合併した有機層を乾燥させ、濃縮し、残渣の粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、CHCl/MeOH 95:5)で精製して、表題化合物を黄色油状物として得る:MS:[M+1]=186;1H MNR (CDCl3): δ ppm 8.42 (s, 1H), 8.26 (s, 1H), 7.55-7.38 (m, 5H), 7.30-7.19 (m, 2H), 5.17 (s, 2H)。
【0210】
工程15.2:エチル−O−メシチレンスルホニルアセトヒドロキサメート
文献の方法の通りに製造する(Tet. Lett. 1972, 40 , 4133-4135)。15g(68.6mMol)メシチレン−2−スルホニルクロライドおよび10.5ml(75.5mMol)トリエチルアミンを80ml DMFに溶解させる。溶液を0℃に、氷槽中で冷却し、7.1g(68.6mMol)エチル−N−ヒドロキシアセチミデートを少しづつ加える。反応混合物を3h、rtで撹拌し、濃縮する。残渣を第1に、エーテルで洗浄し、次にEtOAc/HOでの水性後処理に供する。合併した有機抽出物を乾燥させ、濃縮して表題化合物を黄色油状物として得る:MS:[M+1]=286;1H MNR (CDCl3): δ ppm 7.00 (s, 2H), 3.98 (q, 2H), 2.64 (s, 6H), 2.39 (s, 3H), 2.05 (s, 3H), 1.21 (t, 3H)。
【0211】
工程15.3:O−メシチレンスルホニルアセトヒドロキシルアミン
文献の方法の通りに製造する(Tet. Lett. 1972,40 ,4133-4135)。7.85g(28.1mMol)エチル−O−メシチレンスルホニルアセトヒドロキサメートを、50ml 過塩素酸(60%、Fluka 77232)に加え、rtで1h撹拌する。反応物を減圧下で濃縮して、表題化合物を白色粉末として得る:MS:[M+1]=217;1H MNR (CDCl3): δ ppm 7.02 (s, 2H), 6.61 (bs, 2H, NH2), 2.62 (s, 6H), 2.39 (s, 3H)。
【0212】
工程15.4:2,4,6−トリメチル−ベンゼンスルホネート−1−アミノ−3−ベンジルオキシ−ピリジニウム
8.75g(40.6mMol)O−メシチレンスルホニルアセトヒドロキシルアミンおよび4.2g(22.7mMol)3−ベンジルオキシ−ピリジンを70ml CHClに溶解させ、rtで2h撹拌する。反応混合物をエーテルで希釈して生成物を沈殿させ、これを濾過で単離し、エーテルで洗浄し、乾燥させて表題化合物を白色粉末として得る:1H MNR (CDCl3): δ ppm 9.01 (s, 1H), 8.76 (d, 1H), 7.58 (dd, 1H), 7.41 (d, 1H), 7.40-7.38 (m, 5 H), 6.84 (s, 2H), 5.18 (s, 2H), 2.74 (s, 6H), 2.22 (s, 3H)。
【0213】
工程15.5:6−ベンジルオキシピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸メチルエステル
3.2g(8mMol)2,4,6−トリメチル−ベンゼンスルホネート−1−アミノ−3−ベンジルオキシ−ピリジニウムを15ml CHClに溶解し、0℃に冷却する。1.6g(12mMol)KCO(puriss>99%、Fluka 60109)および1.3ml(16mMol)メチルプロピオレートを加え、混合物をrtで18h撹拌する。これを濾過で後処理し、濾液を減圧下で濃縮する。残余粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;120g カラム、ヘキサン/EtOAc、グラジエント0−30% EtOAc)で精製して、表題化合物を黄色固体として得る:MS:[M+1]=283;1H MNR (CDCl3): δ ppm 8.39 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 8.02 (d, 1H), 7.59-7.39 (m, 5H), 7.25 (d, 1H), 5.16 (s, 2H), 3.97 (s, 3H)。
【0214】
工程15.6:6−ヒドロキシピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸メチルエステル
101mgの工程15.5の生成物(0.36mMol)を5ml HOAcに溶解させ、0.31ml HBr(HOAc中5.7M溶液)でrtで処理する。反応混合物を1h、119℃で撹拌する。これをrtに再び冷却し、EtOAcおよびHOで希釈し、有機層を分離する。水相をEtOAcで繰り返し抽出し、合併した有機抽出物を乾燥させ、濃縮して表題化合物をオフホワイト色固体として得る:MS:[M+1]=193;1H MNR (CD3OD): δ ppm 8.24(s, 1H), 8.19 (s, 1H), 7.99 (d, 1H), 7.24 (d, 1H), 3.84 (s, 3H)。
【0215】
工程15.7:6−(2−アミノ−6−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸メチルエステル
58.9mgの工程15.6の生成物(0.31mMol)を、8ml NMPに溶解させ、268mg(1.2mMol)KPOおよび75mg(0.46mMol)2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジンでrtで処理する。反応混合物を70℃に温め、rtで20h撹拌する。これをEtOAcの添加で後処理し、HOで洗浄する。有機層を乾燥させ、濃縮して粗生成物を得て、これをEtOAcから再結晶化して精製し、表題化合物を白色粉末として得る:MS:[M+1]=320;1H MNR (DMSO-d6): δ ppm 9.18 (s, 1H), 8.43 (s, 1H), 8.09 (d, 1H), 7.60 (d, 1H), 7.21 (bs, 2H, NH2), 6.42 (s, 1H), 3.82 (s, 3H)。
【0216】
工程15.8:6−(2−アミノ−6−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
10.5μl(0.084mMol)3−トリフルオロメチルアニリンを2ml トルエンに溶解させ、5℃に冷却する。126μl MeAl(トルエン中2M溶液;0.25mMol)、その後27mg(0.084mMol)6−(2−アミノ−6−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸メチルエステルの1ml THF溶液をゆっくりとシリンジで加える。反応物をrtで1h撹拌し、11℃に30min加熱する。反応物をEtOAc/HOでの水性後処理に供する。有機層を合併し、乾燥させ、濃縮して粗生成物を得て、これをさらにフラッシュクロマトグラフィー(SiO、4g カラム、CHCl/MeOH;グラジエント0−10% MeOH)で精製して、表題化合物を白色固体として得る:m.p.:219−221℃;MS:[M+1]=449。
【0217】
実施例16:下記誘導体を、Ex.15と同様にして得る。
【化44】

【表7】

【0218】
実施例17:6−(2−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−tert−ブチル−フェニル)−アミド
【化45】

乾燥容器中で、82mg(0.55mMol)3−tert−ブチル−アニリンを8ml トルエンに溶解させ、氷槽中で冷却する。825μl MeAl(トルエン中2M;1.65mMol)をシリンジで加える。rtで1と1/4h後、107mg(0.25mMol)6−(2−ヘキサnoylオキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸エチルエステル(工程17.5)の1ml THF溶液を加え、当該溶液を1h、110℃の油槽中で撹拌する。溶液を氷槽中で冷却し、16mlのsat. NHCl溶液で加水分解する。15min撹拌後、混合物をEtOAcおよび水で希釈し、水相を分離し、EtOAcで2回抽出する。有機層を水および塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)濃縮する。クロマトグラフィー(コンビフラッシュ;ヘキサン/EtOAc 9:1→1:1→EtOAc)で表題化合物を得る:Anal.(+0.3HO):C,H,N,S;MS:[M+1]=434;TLC(ヘキサン/EtOAc 1:2):R=0.31;1H MNR (DMSO-d6): δ ppm 10.32 (s, HN), 8.67 (d, 1H), 8.58 (s, 1H), 8.46 (d, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.76 (s, 1H), 7.68 (d, 1H), 7.35 (d, 1H), 7.28 (t, 1H), 7.15 (d, 1H), 6.98 (d, 1H), 5.18 (sb, HO), 4.41 (s, CH2), 1.31 (s, 9H)。
【0219】
出発物質を下記の通りに製造する:
工程17.1:4−メトキシ−ピリミジン−2−カルボン酸エチルエステル
10g(69.2mMol)2−クロロ−4−methyオキシ−ピリミジン、19.6ml(0.14Mol)EtNおよび2.42g(3.45mMol)PdCl(PhP)の100ml EtOH混合物を、オートクレーブ中で100℃で、COガスの=100bar雰囲気で15h加熱する。rtに冷却後、混合物を濾過し、濾液を濃縮させる。残渣をEtOAcおよび水に溶解させ、水相を分離し、EtOAcで2回抽出する。有機層を水および塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮する。クロマトグラフィー[コンビフラッシュ;(ヘキサン/CHCl 1:1)/EtOAc 9:1→1:1]で表題化合物を得る:MS:[M+1]=183;TLC(ヘキサン/EtOAc 1:1):R=0.28。
【0220】
工程17.2:ヘキサン酸4−メトキシ−ピリミジン−2−イルメチルエステル
3.7g(20.3mMol)4−メトキシ−ピリミジン−2−カルボン酸エチルエステルの37ml tert−ブタノール溶液に、2.3g(61mMol)NaBHを加える。混合物を60℃で5h撹拌し、rtに冷却する。アセトン 5mlでクエンチした15min後、混合物を20mlのsat. NaHCO溶液および0.4l EtOAcに注ぎ、20min撹拌する。無機相を分離し、EtOAcで2回抽出する。有機層を塩水と水の1:1混合物で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮して(4−メトキシ−ピリミジン−2−イル)−メタノールを得る(MS:[M+1]=141)。
粗(4−メトキシ−ピリミジン−2−イル)−メタノールを30ml CHClおよび10ml ピリジンに溶解させる。8.7g(40.6mMol)のカプロン酸無水物および20mg DMAPを加え、溶液をrtで4h撹拌する。5ml イソプロパノールの添加後、撹拌を15min継続する。反応混合物を水およびEtOAcで希釈し、水相を分離し、EtOAcで2回抽出する。有機層を水および塩水で2回洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮する。カラムクロマトグラフィー(SiO;ヘキサン/EtOAc 3:1→2:1)で表題化合物を得る:MS:[M+1]=239;TLC(ヘキサン/EtOAc 2:1):R=0.38。
【0221】
工程17.3:ヘキサン酸4−ヒドロキシ−ピリミジン−2−イルメチルエステル
3.1g(13.0mMol)ヘキサン酸4−メトキシ−ピリミジン−2−イルメチルエステルおよび5.85g(39mMol)NaIをアセトニトリル中0.1M水溶液130ml(13mMol)に60℃で溶解させる。4.95ml(39mMol)MeSiClをシリンジで加え、得られた懸濁液を60℃で7h撹拌し、rtに再び冷却する。15ml MeOHを滴下する。さらに10分間撹拌した後、赤色懸濁液を真空で濃縮する。残渣を300ml EtOAcおよび100ml sat. NaHCO溶液に再溶解させ、水層を分離し、300ml EtOAcで2回抽出する。有機相を0.5MのNa溶液50mlおよび塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮する。CHClおよびヘキサンから結晶化して、表題化合物を得る:m.p.:78℃;MS:[M+1]=225。
【0222】
工程17.4:ヘキサン酸4−クロロ−ピリミジン−2−イルメチルエステル
300mg(1.33mMol)ヘキサン酸4−ヒドロキシ−ピリミジン−2−イルメチルエステル、487mg(2.94mMol)EtNClおよび373μl(2.94mMol)N,N−ジメチルアニリンの15ml アセトニトリル溶液に、1.22ml(13.3mMol)POClを加える。rtで24h撹拌後、溶液を真空で濃縮する。残渣をEtOAcおよびsat. NaHCOに再溶解させ、水層を分離し、EtOAcで2回抽出する。有機相を乾燥させ(NaSO)、濃縮する。クロマトグラフィー(コンビフラッシュ;ヘキサン/エーテル 199:1→9:1→3:2)で表題化合物を油状物として得る:MS:[M+1]=243/245;TLC(CHCl):R=0.26。
【0223】
工程17.5:6−(2−ヘキサノイルオキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸エチルエステル
324mg(1.33mMol)ヘキサン酸4−クロロ−ピリミジン−2−イルメチルエステル、313mg(1.41mMol)6−ヒドロキシ−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸エチルエステル(工程12.3)および312mg(1.47mMol)KPOの5ml NMP懸濁液を、60℃で45h撹拌する。反応混合物を水およびEtOAcに溶解させ、水相を分離し、EtOAcで2回抽出する。有機層を水および塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮する。クロマトグラフィー(コンビフラッシュ;CHCl/エーテル 59:1→9:1)およびヘキサンから結晶化して、表題化合物を得る:m.p.:51℃;MS:[M+1]=429;TLC(CHCl/エーテル 19:1):R=0.28。
【0224】
実施例18:下記誘導体を、Ex.17と同様に得る。
【化46】

【表8】

1)EtOAc/ヘキサン 2:1;2)EtOAc/ヘキサン 7:3;3)CHCl/MeOH/conc.NHaq. 80:20:1
【0225】
実施例19:6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
【化47】

乾燥容器中で、120μl(0.93mMol)(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル)−アニリンを15.5ml トルエンに溶解させ、氷槽中で冷却する。930μl MeAl(トルエン中2M;1.86mMol)をシリンジで加える。rtで1h後、200mg(0.467mMol)6−(4−ヘキサノイルオキシメチル−ピリミジン−6−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸エチルエステル(工程19.6)の4.6ml THF溶液を加え、当該溶液を110℃の油槽中で1h撹拌する。溶液を氷槽中で冷却し、20mlのsat. NHCl溶液および10ml 水で加水分解する。10min撹拌後、混合物をEtOAcおよび水で希釈し、水相をEtOAcで2回抽出する。有機層を水および塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮する。クロマトグラフィー(SiO;ヘキサン/EtOAc 3:1)およびヘキサンから結晶化で、表題化合物を得る:m.p.:138−140℃;MS:[M+1]=464;1H MNR (DMSO-d6): δ ppm 10.72 (s, HN), 8.66 (s, 1H), 8.64 (s, 1H), 8.48 (d, 1H), 8.27 (m, 1H), 8.09 (m, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.56 (t, 1H), 7.36 (d, 1H), 7.07 (s, 1H), 5.68 (t, HO), 4.55 (d, CH2)。
【0226】
出発物質を下記の通りに製造する:
工程19.1:イソプロピルホルムイミデートヒドロクロライド
34.8ml(300mMol)ベンゾイルクロライドの250ml エーテル溶液を、10−20℃に冷却する。23ml(301mMol)イソプロパノールおよび11.9ml(301mMol)ホルムアミド溶液を、45min滴下する。得られた懸濁液をさらに2h撹拌し、濾過する。残渣をエーテルで洗浄して、表題化合物を得る:1H MNR (DMSO-d6): δ ppm 11.55 (sb, 2H), 8.72 (s, 1H), 5.03 (sept, 1H), 1.33 (d, 6H)。
【0227】
工程19.2:N−tert−ブチルジメチルシリルイソプロピルホルムイミデート
8.2g(66.4mMol)イソプロピルホルムイミデートヒドロクロライドの80ml CHCl懸濁液を−40℃に冷却する。20.3ml(146mMol)EtNを5min、−40℃で、その後15.2ml(66.1mMol)tert−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートの40ml CHCl溶液を10minで滴下する。−40℃で15min撹拌後、100ml ヘキサンを白色懸濁液に加える。rtに温め、濾過し、ヘキサンで洗浄し、濾液を濃縮して粗生成物を得る。エーテルに再溶解させ、濾過し、濃縮して表題化合物を得る:1H MNR (DMSO-d6): δ ppm 7.67 (s, 1H), 4.98 (sept, 1H), 1.15 (d, 6H), 0.82 (s, 9H), 0.02 (s, 6H)。
【0228】
工程19.3:6−ヒドロキシ−ピリミジン−4−カルボン酸エチルエステル[L. Ghosez et al., Tetrahedron 55 (1999), 3387]
2.80g(13.9mMol)N−tert−ブチルジメチルシリルイソプロピルホルムイミデートを、8ml トルエンに溶解させ、10℃に冷却する。2.32ml(16.7mMol)EtN、その後989μl(13.9mMol)アセチルクロライドの3ml トルエン溶液をシリンジで加える。得られた懸濁液をrtで2h撹拌後、30ml ヘキサンを加える。濾過し、濾液を濃縮してメタンイミド酸、N−[1−[[(1,1−ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]エテニル]−,1−メチルエチルエステルを得る(MS: [M+1]=244)。
この中間体を15ml トルエンに再溶解させ、3.27ml(33.4mMol)ニトリロ酢酸エチルエステルを加える。混合物を83℃で3h加熱する。30ml MeOHを加えた後、溶液を75℃で3h撹拌し、rtに冷却し、真空で濃縮する。50ml エーテルから結晶化して表題化合物を得る:m.p.:193−194℃;MS:[M+1]=169;Anal.: C,H,N,O。
【0229】
工程19.4:ヘキサン酸6−ヒドロキシ−ピリミジン−4−イルメチルエステル
1.7g(10.1mMol)6−ヒドロキシ−ピリミジン−4−カルボン酸エチルエステルの30ml tert−ブタノール懸濁液に、1.2g(31mMol)NaBHを加える。混合物を60℃で20h撹拌し、rtに冷却する。45ml アセトンを加える。15min撹拌後、混合物を真空で濃縮する。残渣をトルエンで希釈し、再び濃縮して、(6−ヒドロキシ−ピリミジン−4−イル)−メタノールを得る(MS:[M−1]=125)。
粗(6−ヒドロキシ−ピリミジン−4−イル)−メタノールを60ml CHClおよび20ml ピリジンで希釈する。9.3ml(40mMol)カプロン酸無水物および49mg DMAPを加え、懸濁液をrtで1h撹拌する。反応混合物を水およびEtOAcで希釈し、水相を分離し、EtOAcで2回抽出する。有機層を水および塩水で3回洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮する。カラムクロマトグラフィー(SiO;CHCl/EtOH 19:1)によって、CHCl/ヘキサンから結晶化した後、表題化合物を得る:m.p.:133−134℃;MS:[M+1]=225。
【0230】
工程19.5:ヘキサン酸6−クロロ−ピリミジン−4−イルメチルエステル
915mg(4.08mMol)ヘキサン酸6−ヒドロキシ−ピリミジン−4−イルメチルエステル、1.48g(8.98mMol)EtNClおよび698μl(5.44mMol)N,N−ジメチルアニリンの30ml アセトニトリル溶液に、3.73ml(40.8mMol)POClを加える。60℃で1h撹拌した後、冷却溶液を真空で濃縮する。残渣をEtOAcおよび水に再溶解させ、水層を分離し、EtOAcで2回抽出する。有機相を水、sat. NaHCOおよび塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮して表題化合物を油状物として得る:MS:[M+1]=243/245;TLC(CHCl):R=0.20。
【0231】
工程19.6:6−(4−ヘキサノイルオキシメチル−ピリミジン−6−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸エチルエステル
984mg(4.05mMol)ヘキサン酸6−クロロ−ピリミジン−4−イルメチルエステル、751mg(3.38mMol)6−ヒドロキシ−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸エチルエステル(工程12.3)および1.43g(6.76mMol)KPOの20ml NMP懸濁液を、60℃で1.5h撹拌する。反応混合物を水およびEtOAcに溶解させ、水相を分離し、EtOAcで2回抽出する。有機層を水および塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮する。クロマトグラフィー(SiO;ヘキサン/EtOAc 4:1→1:1)で表題化合物を得る:MS:[M+1]=429;TLC(ヘキサン/EtOAc 4:1):R=0.14。
【0232】
実施例20:下記誘導体を、Ex.19と同様にして得る。
【化48】

【表9】

1)トルエン/アセトン 4:1;2)EtOAc/ヘキサン 3:1;3)CHCl/MeOH/conc.NHaq. 80:20:1
【0233】
実施例21:6−(6−ベンジルオキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
【化49】

乾燥容器中で、55μl(0.44mMol)3−トリフルオロメチル−アニリンを6ml トルエンに溶解させ、氷槽中で冷却する。0.66ml MeAl(トルエン中2M;1.32mMol)をシリンジで加える。rtで1h後、156mg(0.40mMol)6−(6−ベンジルオキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸メチルエステルの2ml THF溶液を加え、黄色溶液を110℃の油槽中で1と1/4h撹拌する。溶液を氷槽中で冷却し、15mlのsat. NHCl溶液で加水分解する。15min撹拌後、混合物をEtOAcおよび水で希釈し、水相を分離し、EtOAcで2回抽出する。有機層を水および塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮する。クロマトグラフィー(コンビフラッシュ;ヘキサン/EtOAc 4:1→EtOAc)で表題化合物を得る:MS:[M+1]=520;TLC(ヘキサン/EtOAc 2:1):R=0.17。
【0234】
出発物質を下記の通りに製造する:
工程21.1:6−(6−ベンジルオキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸メチルエステル
415mg(3.0mMol)KCOおよび249mg(1.5mMol)KIを、192mg(1.00mMol)6−ヒドロキシ−ベンゾフラン−3−カルボン酸メチルエステル(工程9.4)および258mg(1.1mMol)4−ベンジルオキシメチル−6−クロロ−ピリミジン(商業的に入手可能;[CAS: 914802-11-2])の1.6mlNMP溶液に加える。この混合物を100℃で4h撹拌し、rtに冷却し、水およびEtOAcで希釈する。水相を分離し、EtOAcで2回抽出する。有機層をNa希釈溶液および塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮する。クロマトグラフィー(コンビフラッシュ;ヘキサン/EtOAc 19:1→1:1)およびヘキサンから結晶化して、表題化合物を得る:m.p.:85−86℃;MS:[M+1]=391;TLC(ヘキサン/EtOAc 2:1):R=0.38。
【0235】
実施例22:6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
【化50】

133mg(0.256mMol)6−(6−ベンジルオキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドの13.3ml CHCl溶液を氷槽中で冷却する。3.3ml HCSOHを加え、撹拌をrtで2.5h継続する。溶液を激しく撹拌した70g 氷と70ml sat. NaCO溶液の混合物に注ぐ。5min後、混合物をEtOAcで3回抽出する。有機層を水および塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮する。クロマトグラフィー(コンビフラッシュ;EtOAc/ヘキサン 1:19→1:1→EtOAc)で表題化合物を得る:m.p.:181−182℃;MS:[M+1]=430;Anal.:C,H,N,F;
1H MNR (DMSO-d6): δ ppm 10.56 (s, HN), 8.85 (s, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 8.15 (d, 1H), 8.01 (d, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.63 (t, 1H), 7.47 (d, 1H), 7.27 (d, 1H), 7.06 (s, 1H), 5.67 (sb, HO), 4.55 (s, CH2)。
【0236】
実施例23:下記誘導体を、Ex.21およびEx.22と同様にして得る。
【化51】

【表10】

1)EtOAc/ヘキサン 2:1;2)CHCl/MeOH 9:1;*)WO 06/135619に記載の通りに製造したアニリン
【0237】
実施例24:乾燥充填カプセル剤
各々有効成分として上記実施例に記載の式Iの化合物0.25gを含む5000カプセルを、下記の通りに製造する:
【表11】

【0238】
製造方法:記載の物質を粉砕し、0.6mm メッシュサイズの篩にかける。混合物0.33g部をゼラチンカプセルに、カプセル充填機を用いて導入する。
【0239】
実施例25:軟カプセル剤
各々有効成分として上記実施例に記載の式Iの化合物0.05gを含む5000個の軟ゼラチンカプセルを、下記の通りに製造する:
【表12】

【0240】
製造方法:有効成分を粉砕し、PEG400(約380〜約420のMを有するポリエチレングリコール、Fluka, Switzerland)およびツイーン(登録商標)80(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、Atlas Chem. Ind. Inc., USA、Fluka, Switzerlandから供給)に懸濁し、湿潤粉砕機で粉砕して約1〜3μmの粒子サイズに粉砕する。0.43g部の混合物を軟ゼラチンカプセルに、カプセル充填機を用いて導入する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明は、式I
【化1】

〔式中、
は、H;ハロ;−C−C−O−R;−NRであり;
は、置換されたアリールであり;
は、H、低級アルキルまたはフェニル低級アルキルであり;
およびRは独立して、H;置換もしくは非置換低級アルキル;低級アルコキシカルボニルおよびアミノから成る群から選択され;
A、BおよびXは独立して、C(R)またはNから選択されるが、1個以下のA、BおよびXがNであり;
は、H、ハロおよび置換もしくは非置換低級アルキルから成る群から選択され;
は、水素または低級アルキルであり;
は置換基であり;
nは0、1、2または3であり;
YはOであり;
ZはCであり;
Wは存在せず;
Kは、NまたはCであり、そして
a) KがCであるとき、
波線(
【化2】

)で示される結合は二重結合であり、
Qは、
O−N
S−N
O−CHおよび
S−CH
(各々の場合、左側のOまたはS原子は式Iで示される結合によってKと結合しており、右側のNまたは(CHの)炭素原子はCと、式Iの破線(-----)によって示される結合を介して結合しており、前記破線で示される結合はCとの二重結合である)から選択され;
そして実線(
【化3】


で示される結合は単結合であるか;または
b) KがNであるとき、波線で示される結合は単結合であり、
QはN=CH
(ここで、左側のN原子は式Iで示される結合によってKと結合しており、右側の(CHの)炭素原子はCと、式Iの破線によって示される結合を介して結合しており、前記破線で示される結合はCとの単結合である)であり;
そして実線で示される結合は二重結合である〕
の化合物、もしくはその互変異性体、および/または(好ましくは薬学的に許容される)その塩に関する。
【請求項2】
式IA
【化4】

〔式中、X、A、B、RおよびRは請求項1で定義の通りである〕
を有する、請求項1に記載の式Iの化合物、その互変異性体および/またはその塩。
【請求項3】
式IB
【化5】

〔式中、X、A、B、RおよびRは請求項1で定義の通りである〕
の化合物、その互変異性体および/またはその塩。
【請求項4】
式IC
【化6】

〔式中、X、A、B、RおよびRは請求項1で定義の通りである〕
の化合物、その互変異性体および/またはその塩。
【請求項5】
式ID
【化7】

〔式中、X、A、B、RおよびRは請求項1で定義の通りである〕
の化合物、その互変異性体および/またはその塩。
【請求項6】
式IE
【化8】

〔式中、X、A、B、Y、W、RおよびRは請求項1で定義の通りである〕
の化合物、その互変異性体および/またはその塩。
【請求項7】
が、H;クロロ;CHOH、CHOCHフェニル、NH、NHNH、NHCHまたはNHCOOCHであり;
が、ハロC1−7アルキル、トリフルオロメトキシ、C1−7アルキル、フェノキシ、ハロゲン、C1−7アルキルピペラジニルC1−7アルキル、C1−7アルキル、C1−7アルコキシ、C−C−シクロアルキル、C1−7アルキルピペリジニルC1−7アルキルおよびC1−7アルキルイミダゾリルから成る群から選択される1または2個の置換基によって置換されているフェニルであり;
A、BおよびXが独立して、C(R)またはNから選択されるが、1個以下のA、BおよびXがNであり;
が水素であり;
が水素であり;
が置換基であり;
nが0であり;
YがOであり;
ZがCであり;
Wが存在せず;
Kが、NまたはCであり、そして
a) KがCであるとき、
波線(
【化9】

)で示される結合は二重結合であり、
Qが、
O−N
S−N
O−CHおよび
S−CH
(各々の場合、左側のOまたはS原子は式Iで示される結合によってKと結合しており、右側のNまたは(CHの)炭素原子はCと、式Iの破線(-----)によって示される結合を介して結合しており、前記破線で示される結合はCとの二重結合である)から選択され;
そして実線(
【化10】


で示される結合は単結合であるか;または
b) KがNであるとき、波線で示される結合は単結合であり、
QはN=CH
(ここで、左側のN原子は式Iで示される結合によってKと結合しており、右側の(CHの)炭素原子はCと、式Iの破線によって示される結合を介して結合しており、前記破線で示される結合はCとの単結合である)であり;
そして実線で示される結合は二重結合である、
請求項1に記載の式Iの化合物、もしくはその互変異性体、および/または(好ましくは薬学的に許容される)その塩。
【請求項8】
6−(2−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(2−ヒドラジノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(2−メチルアミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
{4−[3−(3−トリフルオロメチル−フェニルカルバモイル)−ベンゾ[d]イソキサゾール−6−イルオキシ]−ピリミジン−2−イル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソキサゾール−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
から成る群から選択される、請求項1に記載の式Iの化合物、その互変異性体および/またはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−カルボン酸(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
(4−{3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニルカルバモイル]−ベンゾ[d]イソチアゾール−6−イルオキシ}−ピリミジン−2−イル)−カルバミン酸メチルエステル、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[d]イソチアゾール−3−カルボン酸[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニル]−アミド、
から成る群から選択される、請求項1に記載の式Iの化合物、その互変異性体および/またはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3−シクロプロピル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3−イソプロピル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3,4−ジメチル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3,5−ジメトキシ−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(4−メチル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3−tert−ブチル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3−フェノキシ−フェニル)−アミド、および
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニル]−アミド、
(4−{3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニルカルバモイル]−ベンゾフラン−6−イルオキシ}−ピリミジン−2−イル)−カルバミン酸メチルエステル
6−(6−ベンジルオキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(6−ベンジルオキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3−tert−ブチル−フェニル)−アミド、
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3−tert−ブチル−フェニル)−アミド、
6−(6−ベンジルオキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミド、
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミド、
6−(6−ベンジルオキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3−シクロプロピル)−アミド、
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸(3−シクロプロピル)−アミド、
6−(6−ベンジルオキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸[3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フェニル]−アミド、
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸[3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フェニル]−アミド、
6−(6−ベンジルオキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸[4−(1−メチル−ピペリジン−4−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニル]−アミド、
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸[4−(1−メチル−ピペリジン−4−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニル]−アミド、
6−(6−ベンジルオキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸[3−(4−メチル−イミダゾル−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−アミド、
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾフラン−3−カルボン酸[3−(4−メチル−イミダゾル−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−アミド、
から成る群から選択される、請求項1に記載の式Iの化合物、その互変異性体および/またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−シクロプロピル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−イソプロピル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(4−tert−ブチル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3,4−ジメチル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3,5−ジメトキシ−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(4−メチル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−tert−ブチル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−フェノキシ−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニル]−アミド、
(4−{3−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニルカルバモイル]−ベンゾ[b]チオフェン−6−イルオキシ}−ピリミジン−2−イル)−カルバミン酸メチルエステル;
および
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸(3−tert−ブチル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニル]−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸(3−シクロプロピル−フェニル)−アミド、
6−(2−アミノ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−カルボン酸(3,5−ジメトキシ−フェニル)−アミド、
6−(2−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−tert−ブチル−フェニル)−アミド、
6−(2−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(2−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミド、
6−(2−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−シクロプロピル−フェニル)−アミド、
6−(2−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−イソプロピル−フェニル)−アミド、
6−(2−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸[3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−フェニル]−アミド、
6−(2−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(4−メチル−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(2−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(4−tert−ブチル−フェニル)−アミド、
6−(2−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸[4−(1−メチル−ピペリジン−4−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニル]−アミド、
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−トリフルオロメトキシ−フェニル)−アミド、
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−シクロプロピル−フェニル)−アミド、
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(3−tert−ブチル−フェニル)−アミド、
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸(4−tert−ブチル−フェニル)−アミド、
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸[4−メチル−3−トリフルオロメチル−フェニル]−アミド、
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ベンゾ[b]チオフェン−3−カルボン酸[4−(1−メチル−ピペリジン−4−イルメチル)−3−トリフルオロメチル−フェニル]−アミド、
から成る群から選択される、請求項1に記載の式Iの化合物、その互変異性体および/またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の式Iの化合物、その互変異性体および/または塩と、少なくとも1種の薬学的に許容される担体物質を含む医薬組成物。
【請求項13】
動物または人体の処置に使用するための、とりわけタンパク質チロシンキナーゼ、とりわけVEGF−Rに依存する疾患の処置に用いるための、請求項1〜11のいずれかに記載の式Iの化合物、その互変異性体および/または薬学的に許容される塩。
【請求項14】
タンパク質キナーゼ、とりわけタンパク質チロシンキナーゼ、よりとりわけVEGF−R受容体依存性疾患の処置用医薬組成物の製造のための、請求項1〜11のいずれかに記載の式Iの化合物、その互変異性体および/または薬学的塩の使用。
【請求項15】
請求項1〜11のいずれかに記載の式Iの化合物の製造方法であって、
a)YがOであり、そして他の基が式Iの化合物について定義のとおりである化合物の製造のために、式II
【化11】

〔式中、K、Q、Z、W、R、R、R、n、波線で示される結合、破線で示される結合および実線で示される結合は式Iで与えられる意味を有している〕
のヒドロキシル化合物を、式III
【化12】

〔式中、R、X、AおよびBは式Iの化合物で定義の通りであり、Halはハロ、とりわけクロロまたはブロモであり、そしてRaはXが窒素でない(したがって、C−Raを形成する)ときにのみ存在しており、水素またはハロ、とりわけクロロまたはブロモである〕
のハロ化合物と反応させ、そしてRaがハロであるとき貴金属触媒の存在下で水素に水素で還元する工程;
または
b)式IV
【化13】

〔式中、X、A、B、R、R、R、n、K、Q、Y、Z、波線で示される結合、破線で示される結合および実線で示される結合は式Iで定義の通りである〕
のカルボン酸またはその反応性誘導体を、式V
【化14】

〔式中、WおよびRは式Iの化合物で定義の通りである〕
のアミノ化合物と反応させる工程;
および、所望により、式Iの化合物を式Iの異なる化合物に変換する工程、得られた式Iの化合物の塩を遊離化合物または異なる塩に変換する工程、得られた遊離形の化合物をその塩に変換する工程、および/または得られた式Iの化合物の異性体の混合物を個々の異性体に分離する工程;
を含んで成る、方法。

【公表番号】特表2009−532333(P2009−532333A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557764(P2008−557764)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【国際出願番号】PCT/EP2007/052217
【国際公開番号】WO2008/009487
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】