説明

キノコ由来の組成物

【課題】美肌効果に関与する美白作用、チロシナーゼ活性阻害作用、フリーラジカル消去作用、抗炎症作用、保湿作用に優れた皮膚外用剤、食品、または組成物を提供する。
【解決手段】キシメジ科、タコウキン科、マンネンタケ科、ベニタケ科、ニンギョウタケモドキ科、ヒラタケ科、フウセンタケ科、ハラタケ科、ヒトヨタケ科、タバコウロコタケ科の特定のキノコの子実体の抽出液、又はホコリタケ科、キシメジ科、タコウキン科、マンネンタケ科、ベニタケ科、ニンギョウタケモドキ科、ヒラタケ科、フウセンタケ科、ハラタケ科、ヒトヨタケ科、タバコウロコタケ科の特定のキノコの子実体、培養菌糸体の培養液又は抽出液をキノコ組成物として皮膚外用剤の1種又は2種以上配合することで、美白作用、チロシナーゼ活性阻害作用、フリーラジカル消去作用、抗炎症作用、保湿作用に優れた美肌効果を有する皮膚外用剤又は食品を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キノコ由来の組成物に関する。より具体的には、本発明はキノコの子実体の抽出液又はキノコの培養菌糸体の培養液又はキノコの培養菌糸体の抽出液に関するものである。より詳しくはキシメジ科のムラサキシメジ(Lepista nuda (Bull.:Fr)Cooke)、ムキタケ(Panellus serotinus (Pers.:Fr.) Kuhn.)、タコウキン科のホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk.ex Cooke) Yasuda)、ツリガネタケ(Fomes fomentarius (L.:Fr.) Kickx)、マンネンタケ科のコフキサルノコシカケ(Elfvingia applanata (Pers.) Karst.)、マゴジャクシ(Ganodermaneo−japonicum Imaz.)、ベニタケ科のカワリハツ(Russula cyanoxantha (Schaeff.) Fr.)、ニンギョウタケモドキ科のニンギョウタケ(Albatrellus confluens (A.et S.:Fr.) Kotl.et Pouz.)、ヒラタケ科のヒラタケ(Pleurotus ostreatus (Jacq.:Fr.) Kummer)、フウセンタケ科のショウゲンジ(Rozites caperata (Pers.:Fr.) Karst.)、ハラタケ科のカラカサタケ(Macrolepiota procera (Scop.:Fr.) Sing.)、ヒトヨタケ科のムジナタケ(Psathyrella velutina (Pers.) Sing.)、タバコウロコタケ科のヤケコゲタケ(Inonotus hispidus (Bull.:Fr.) Karst.)の子実体の抽出液、又はホコリタケ科のホコリタケ(Lycoperdon perlatum Pers.:Pers.)、キシメジ科のツキヨタケ(Lampteromyces japonicus (Kawam.)Sing.)、ムラサキシメジ(Lepista nuda (Bull.:Fr)Cooke)、ナラタケ(Armillariella mellea (Vahl.:Fr.) Karst.)、ムキタケ(Panellus serotinus (Pers.:Fr.) Kuhn.)、タコウキン科のホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk.ex Cooke) Yasuda)、オオオシロイタケ(Tyromyces albellus (Peck) Bond.et Sing.)、ヒラフスベ(Laetiporus versisporus (Lloyd) Imaz.)、アラゲカワラタケ(Coriolus hirsutus (Wulf.:Fr.) Quel.)、ツリガネタケ(Fomes fomentarius (L.:Fr.) Kickx)、マンネンタケ科のコフキサルノコシカケ(Elfvingia applanata (Pers.) Karst.)、マゴジャクシ(Ganoderma neo−japonicum Imaz.)、ベニタケ科のカワリハツ(Russula cyanoxantha (Schaeff.) Fr.)、ニンギョウタケモドキ科のニンギョウタケ(Albatrellus confluens (A.et S.:Fr.)KOtl.et Pouz.)、ヒラタケ科のヒラタケ(Pleurotus ostreatus (Jacq.:Fr.) Kummer)、フウセンタケ科のショウゲンジ(Rozites caperata (Pers.:Fr.) Karst.)、ハラタケ科のカラカサタケ(Macrolepiota procera (Scop.:Fr.) Sing.)、ヒトヨタケ科のムジナタケ(Psathyrella velutina (Pers.) Sing.)、タバコウロコタケ科のヤケコゲタケ(Inonotus hispidus (Bull.:Fr.) Karst.)の培養菌糸体の培養液又は培養菌糸体の抽出液の美白作用、チロシナーゼ阻害作用、フリーラジカル消去作用、抗炎症作用、保湿作用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
キノコの菌糸体は自然界の様々な有機物を栄養源として生育する。この菌糸体は、温度などの環境が揃うと繁殖のために集合し、大型の子実体を作る。古くから人は経験的に野生のキノコの子実体から食品として有効なものを選択してきた。シイタケやマッシュルームなど一部のキノコの子実体は人工的に培養された上で食品として広く利用されている。しかし、日本国内だけで野生のキノコは1000種以上が自生しているが、そのほとんどは産業上利用されていない。
【0003】
一方、キノコは生育中に様々な生理活性物質を生産する。その成分はキノコの種類だけでなく、菌糸体と子実体との成長段階においても異なることが多い。キノコの生理活性機能に注目し、キノコに皮膚外用剤や機能性食品の素材として有効な成分を求める事は、新規の商品開発において有効な手段である。しかし、キノコが食品以外に産業上利用されている例は少ない。キノコの産業上の利用の例は、特開昭61−260006に開示されているシロキクラゲ目又はキクラゲ目の子実体のスクラブ剤としての利用、特開昭63−126812に開示されているケロウジの子実体の抽出物の美白化粧料への利用、特開平2−49710に開示されているニンギョウタケ、ショウゲンジ、ウスムラサキハツ、ウスムラサキホウキタケの子実体の抽出物を配合した美白作用及び抗酸化作用を特徴とする化粧料としての利用、特開平9−227333に開示されているイグチ科のアメリカウラベニイロガワリ,アシベニイグチ,イロガワリ,ウツロイイロガワリ,アカコウジ,ヤマドリタケモドキ,ドクヤマドリ,ニセアシベニイグチ,コガネヤマドリ,コウジタケ,キノボリイグチ,シロヌメリイグチ,ヌメリツバイグチ,ハナイグチ,ヌメリイグチ,アカヤマドリ,キンチャアマイグチ,ヤマイグチ,アケボノアワタケ,ホオベニシロアシイグチ,ニガイグチ,コショウイグチ,ウツロイイグチ,オオキノボリイグチ,ヌメリコウジタケ,ハンノキイグチ,アミハナイグチ,キヒダタケ,ヒダハタケ,クリカワヤシャイグチ,クロアザアワタケの子実体の抽出物の美白化粧料又は保湿化粧料としての利用、特開平14−322044に開示されているエノキタケ又はブナシメジの子実体の抽出物の美白剤としての利用等が知られている。しかし、これらの従来技術は、特定のキノコの子実体からの抽出物である。一方、キノコの子実体を人工的に栽培する手法は、そのキノコの種類に応じた培養方法を開発しなければならず、困難である。
【0004】
特許第3432940号の請求項には、ヌメリツバタケ、マツオオジ、フチドリツエタケ、ムラサキシメジおよびナラタケからなる群より選択されたシメジ科の担子菌、シロナメツムタケ、チャナメツムタケおよびヌメリスギタケからなる群より選択されたモエギタケ科の担子菌、シロマイタケ、チャカイガラタケおよびヒトクチタケからなる群より選択されたサルノコシカケ科の担子菌、ならびにブナハリタケ、カバノアナタケ、ショウロ、ヌメリコウジタケおよびオオヒラタケからなる群より選択される担子菌の培養液又は菌体の抽出液群のメラニン生成抑制成分の1種又は2種以上を配合することを特徴とする皮膚外用剤が開示されているものの、その種類は限定されている。
【0005】
一方、キノコの子実体と、人工的培養物との間では、その発現産物が異なることが周知である。また、上記特許第3432940号は、菌糸体について言及しているが、上記の従来技術においては、もっぱら子実体からの抽出物を用いることを記載しており、また、種菌を接種し培養した菌糸体が所望の成分の取得のために適切でないことも開示されている。従って、キノコの培養物から皮膚外用剤、美白剤、チロシナーゼ阻害剤、フリーラジカル消去剤、抗炎症剤、および保湿剤として利用可能な抽出物を抽出する方法の確立が望まれている。
【0006】
また、キノコ由来の有効成分を野生のキノコの子実体にのみ求めた場合、その素材となる子実体は、自然の環境でほぼ似た場所で毎年発生する事が多いため、比較的容易に採取できる。さらに子実体までの培養法を確立すれば、素材となる子実体を安定に供給することも可能である。しかし、子実体の生産する成分が、菌糸体が生産する成分と異なり、菌糸体が生産する成分がより強力な生理作用を示す場合、これらを見落としてしまう可能性がある。又、子実体までの培養が困難な場合、その供給は野生の子実体に頼るしかなく、著しく不安定であり、産業上望ましくない。
【0007】
逆に、キノコ由来の有効成分を野生のキノコの培養菌糸体にのみ求めた場合、その素材となる培養菌糸体は、屋内において比較的容易に培養でき、市場の需要に応じて生産量を自由に調節することも出来る。しかし、培養菌糸体の生産する成分が、子実体が生産する成分と異なり、子実体が生産する成分がより強力な生理作用を示す場合、これらを見落としてしまう可能性がある。又、子実体が天然に多量に生育しており、供給面で全く不安のない場合、経済的に菌糸体を培養した方が不利になる。
【0008】
従って、キノコの子実体の人工的培養が困難であるという現状を鑑みても、皮膚外用剤、美白剤、チロシナーゼ阻害剤、フリーラジカル消去剤、抗炎症剤、および保湿剤を抽出するために適切なキノコの新たな候補のキノコの培養液菌糸体および子実体からを多数種類見出すことは、キノコ由来の組成物の工業的利用にとって非常に有用である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開昭61−260006
【特許文献2】特開昭63−126812
【特許文献3】特開平2−49710
【特許文献4】特許第3432940号
【特許文献5】特開平9−227333
【特許文献6】特開平14−322044
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】衣川堅次郎、小川眞編 「きのこハンドブック」 朝倉書店 2000年
【非特許文献2】菅原龍幸編 「キノコの科学」 朝倉書店 1997年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、美肌という観点から、美白作用、フリーラジカル消去作用、抗炎症作用、保湿作用を示す成分を野生のキノコに求め、野生のキノコ由来の成分を配合した美肌効果に優れた皮膚外用剤及び食品を提供することを目的とする。
【0012】
より具体的には、キノコの培養菌糸体から上記作用を有する成分の取得が可能なキノコを見出し、上記作用を有する成分を得ることが本発明の目的である。また、従来、上記成分の供給源として知られていなかったキノコの子実体を上記作用を有する成分の抽出可能な候補として見出し、上記作用を有する成分を得ることが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、従来、美白作用、チロシナーゼ阻害作用、フリーラジカル消去作用、抗炎症作用、保湿作用に優れた成分を含むことが予想されていなかったキノコが、これら成分を含むことを予想外に見出し、本発明を完成した。
【0014】
したがって、本発明は、以下を提供する。
1. キシメジ科のムラサキシメジ(Lepista nuda (Bull.:Fr)Cooke)、ムキタケ(Panellus serotinus (Pers.:Fr.) Kuhn.)、タコウキン科のホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk.ex Cooke) Yasuda)、ツリガネタケ(Fomes fomentarius (L.:Fr.) Kickx)、マンネンタケ科のコフキサルノコシカケ(Elfvingia applanata (Pers.) Karst.)、マゴジャクシ(Ganoderma neo−japonicum Imaz.)、ベニタケ科のカワリハツ(Russula cyanoxantha (Schaeff.) Fr.)、ヒラタケ科のヒラタケ(Pleurotus ostreatus (Jacq.:Fr.) Kummer)、ハラタケ科のカラカサタケ(Macrolepiota procera (Scop.:Fr.) Sing.)、ヒトヨタケ科のムジナタケ(Psathyrella velutina (Pers.) Sing.)、およびタバコウロコタケ科のヤケコゲタケ(Inonotus hispidus (Bull.:Fr.) Karst.)の子実体の抽出液、ならびに
ホコリタケ科のホコリタケ(Lycoperdon perlatum Pers.:Pers.)、キシメジ科のツキヨタケ(Lampteromyces japonicus (Kawam.)Sing.)、ムキタケ(Panellus serotinus (Pers.:Fr.) Kuhn.)、タコウキン科のホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk.ex Cooke) Yasuda)、オオオシロイタケ(Tyromyces albellus (Peck) Bond.et Sing.)、ヒラフスベ(Laetiporus versisporus (Lloyd) Imaz.)、アラゲカワラタケ(Coriolus hirsutus (Wulf.:Fr.) Quel.)、ツリガネタケ(Fomes fomentarius (L.:Fr.) Kickx)、マンネンタケ科のマゴジャクシ(Ganoderma neo−japonicum Imaz.)、ベニタケ科のカワリハツ(Russula cyanoxantha (Schaeff.) Fr.)、ニンギョウタケモドキ科のニンギョウタケ(Albatrellus confluens (A.et S.:Fr.)KOtl.et Pouz.)、ヒラタケ科のヒラタケ(Pleurotus ostreatus (Jacq.:Fr.) Kummer)、フウセンタケ科のショウゲンジ(Rozites caperata (Pers.:Fr.) Karst.)、ハラタケ科のカラカサタケ(Macrolepiota procera (Scop.:Fr.) Sing.)、ヒトヨタケ科のムジナタケ(Psathyrella velutina (Pers.) Sing.)、およびタバコウロコタケ科のヤケコゲタケ(Inonotus hispidus (Bull.:Fr.) Karst.)の培養菌糸体の培養液又は培養菌糸体の抽出液からなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
2. 粉末、固体または液体である、項目1に記載の皮膚外用剤。
3. 皮膚外用剤を調製する方法であって、以下
1)子実体の抽出液を得るための候補としての、キシメジ科のムラサキシメジ(Lepista nuda (Bull.:Fr)Cooke)、ムキタケ(Panellus serotinus (Pers.:Fr.) Kuhn.)、タコウキン科のホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk.ex Cooke) Yasuda)、ツリガネタケ(Fomes fomentarius (L.:Fr.) Kickx)、マンネンタケ科のコフキサルノコシカケ(Elfvingia applanata (Pers.) Karst.)、マゴジャクシ(Ganoderma neo−japonicum Imaz.)、ベニタケ科のカワリハツ(Russula cyanoxantha (Schaeff.) Fr.)、ヒラタケ科のヒラタケ(Pleurotus ostreatus (Jacq.:Fr.) Kummer)、ハラタケ科のカラカサタケ(Macrolepiota procera (Scop.:Fr.) Sing.)、ヒトヨタケ科のムジナタケ(Psathyrella velutina (Pers.) Sing.)、およびタバコウロコタケ科のヤケコゲタケ(Inonotus hispidus (Bull.:Fr.) Karst.)、ならびに
培養菌糸体の培養液又は培養菌糸体の抽出液を得るための候補としての、ホコリタケ科のホコリタケ(Lycoperdon perlatum Pers.:Pers.)、キシメジ科のツキヨタケ(Lampteromyces japonicus (Kawam.)Sing.)、ムキタケ(Panellus serotinus (Pers.:Fr.) Kuhn.)、タコウキン科のホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk.ex Cooke) Yasuda)、オオオシロイタケ(Tyromyces albellus (Peck) Bond.et Sing.)、ヒラフスベ(Laetiporus versisporus (Lloyd) Imaz.)、アラゲカワラタケ(Coriolus hirsutus (Wulf.:Fr.) Quel.)、ツリガネタケ(Fomes fomentarius (L.:Fr.) Kickx)、マンネンタケ科のマゴジャクシ(Ganoderma neo−japonicum Imaz.)、ベニタケ科のカワリハツ(Russula cyanoxantha (Schaeff.) Fr.)、ニンギョウタケモドキ科のニンギョウタケ(Albatrellus confluens (A.et S.:Fr.)KOtl.et Pouz.)、ヒラタケ科のヒラタケ(Pleurotus ostreatus (Jacq.:Fr.) Kummer)、フウセンタケ科のショウゲンジ(Rozites caperata (Pers.:Fr.) Karst.)、ハラタケ科のカラカサタケ(Macrolepiota procera (Scop.:Fr.) Sing.)、ヒトヨタケ科のムジナタケ(Psathyrella velutina (Pers.) Sing.)、およびタバコウロコタケ科のヤケコゲタケ(Inonotus hispidus (Bull.:Fr.)からなる群から選択されるキノコから、1種又は2種以上のキノコを選択する工程、および
2)前記選択されたキノコから、子実体の抽出液、培養菌糸体の培養液又は培養菌糸体の抽出液を得る工程、
を包含する、方法。
4. 前記抽出が、メタノール、エタノール、ヘキサン、ベンゼン、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロホルム、ジエチルエーテル、1、3−ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、および水からなる群から選択される溶媒を用いて行われる、項目3に記載の方法。
5. キシメジ科のムラサキシメジ(Lepista nuda (Bull.:Fr)Cooke)、ムキタケ(Panellus serotinus (Pers.:Fr.) Kuhn.)、タコウキン科のホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk.ex Cooke) Yasuda)、ツリガネタケ(Fomes fomentarius (L.:Fr.) Kickx)、マンネンタケ科のコフキサルノコシカケ(Elfvingia applanata (Pers.) Karst.)、マゴジャクシ(Ganoderma neo−japonicum Imaz.)、ベニタケ科のカワリハツ(Russula cyanoxantha (Schaeff.) Fr.)、ヒラタケ科のヒラタケ(Pleurotus ostreatus (Jacq.:Fr.) Kummer)、ハラタケ科のカラカサタケ(Macrolepiota procera (Scop.:Fr.) Sing.)、ヒトヨタケ科のムジナタケ(Psathyrella velutina (Pers.) Sing.)、およびタバコウロコタケ科のヤケコゲタケ(Inonotus hispidus (Bull.:Fr.) Karst.)の子実体の抽出液、ならびに
ホコリタケ科のホコリタケ(Lycoperdon perlatum Pers.:Pers.)、キシメジ科のツキヨタケ(Lampteromyces japonicus (Kawam.)Sing.)、ムキタケ(Panellus serotinus (Pers.:Fr.) Kuhn.)、タコウキン科のホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk.ex Cooke) Yasuda)、オオオシロイタケ(Tyromyces albellus (Peck) Bond.et Sing.)、ヒラフスベ(Laetiporus versisporus (Lloyd) Imaz.)、アラゲカワラタケ(Coriolus hirsutus (Wulf.:Fr.) Quel.)、ツリガネタケ(Fomes fomentarius (L.:Fr.) Kickx)、マンネンタケ科のマゴジャクシ(Ganoderma neo−japonicum Imaz.)、ベニタケ科のカワリハツ(Russula cyanoxantha (Schaeff.) Fr.)、ニンギョウタケモドキ科のニンギョウタケ(Albatrellus confluens (A.et S.:Fr.)KOtl.et Pouz.)、ヒラタケ科のヒラタケ(Pleurotus ostreatus (Jacq.:Fr.) Kummer)、ハラタケ科のカラカサタケ(Macrolepiota procera (Scop.:Fr.) Sing.)、およびタバコウロコタケ科のヤケコゲタケ(Inonotus hispidus (Bull.:Fr.) Karst.)の培養菌糸体の培養液、ならびに
ホコリタケ科のホコリタケ(Lycoperdon perlatum Pers.:Pers.)、キシメジ科のツキヨタケ(Lampteromyces japonicus (Kawam.)Sing.)、ムキタケ(Panellus serotinus (Pers.:Fr.) Kuhn.)、タコウキン科のオオオシロイタケ(Tyromyces albellus (Peck) Bond.et Sing.)、アラゲカワラタケ(Coriolus hirsutus (Wulf.:Fr.) Quel.)、ツリガネタケ(Fomes fomentarius (L.:Fr.) Kickx)、マンネンタケ科のマゴジャクシ(Ganoderma neo−japonicum Imaz.)、ベニタケ科のカワリハツ(Russula cyanoxantha (Schaeff.) Fr.)、ニンギョウタケモドキ科のニンギョウタケ(Albatrellus confluens (A.et S.:Fr.)KOtl.et Pouz.)、ヒラタケ科のヒラタケ(Pleurotus ostreatus (Jacq.:Fr.) Kummer)、フウセンタケ科のショウゲンジ(Rozites caperata (Pers.:Fr.) Karst.)、ハラタケ科のカラカサタケ(Macrolepiota procera (Scop.:Fr.) Sing.)、ヒトヨタケ科のムジナタケ(Psathyrella velutina (Pers.) Sing.)、およびタバコウロコタケ科のヤケコゲタケ(Inonotus hispidus (Bull.:Fr.) Karst.)の培養菌糸体の抽出液からなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする美白剤。
6. 粉末、固体または液体である、項目5に記載の美白剤。
7. 美白剤を調製する方法であって、以下
1)子実体の抽出液を得るための候補としての、キシメジ科のムラサキシメジ(Lepista nuda (Bull.:Fr)Cooke)、ムキタケ(Panellus serotinus (Pers.:Fr.) Kuhn.)、タコウキン科のホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk.ex Cooke) Yasuda)、ツリガネタケ(Fomes fomentarius (L.:Fr.) Kickx)、マンネンタケ科のコフキサルノコシカケ(Elfvingia applanata (Pers.) Karst.)、マゴジャクシ(Ganoderma neo−japonicum Imaz.)、ベニタケ科のカワリハツ(Russula cyanoxantha (Schaeff.) Fr.)、ヒラタケ科のヒラタケ(Pleurotus ostreatus (Jacq.:Fr.) Kummer)、ハラタケ科のカラカサタケ(Macrolepiota procera (Scop.:Fr.) Sing.)、ヒトヨタケ科のムジナタケ(Psathyrella velutina (Pers.) Sing.)、およびタバコウロコタケ科のヤケコゲタケ(Inonotus hispidus (Bull.:Fr.) Karst.)ならびに
培養菌糸体の培養液を得るための候補としての、ホコリタケ科のホコリタケ(Lycoperdon perlatum Pers.:Pers.)、キシメジ科のツキヨタケ(Lampteromyces japonicus (Kawam.)Sing.)、ムキタケ(Panellus serotinus (Pers.:Fr.) Kuhn.)、タコウキン科のホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk.ex Cooke) Yasuda)、オオオシロイタケ(Tyromyces albellus (Peck) Bond.et Sing.)、ヒラフスベ(Laetiporus versisporus (Lloyd) Imaz.)、アラゲカワラタケ(Coriolus hirsutus (Wulf.:Fr.) Quel.)、ツリガネタケ(Fomes fomentarius (L.:Fr.) Kickx)、マンネンタケ科のマゴジャクシ(Ganoderma neo−japonicum Imaz.)、ベニタケ科のカワリハツ(Russula cyanoxantha (Schaeff.) Fr.)、ニンギョウタケモドキ科のニンギョウタケ(Albatrellus confluens (A.et S.:Fr.)KOtl.et Pouz.)、ヒラタケ科のヒラタケ(Pleurotus ostreatus (Jacq.:Fr.) Kummer)、ハラタケ科のカラカサタケ(Macrolepiota procera (Scop.:Fr.) Sing.)、およびタバコウロコタケ科のヤケコゲタケ(Inonotus hispidus (Bull.:Fr.) Karst.)、ならびに
培養菌糸体の抽出液を得るための候補としての、ホコリタケ科のホコリタケ(Lycoperdon perlatum Pers.:Pers.)、キシメジ科のツキヨタケ(Lampteromyces japonicus (Kawam.)Sing.)、ムキタケ(Panellus serotinus (Pers.:Fr.) Kuhn.)、タコウキン科のオオオシロイタケ(Tyromyces albellus (Peck) Bond.et Sing.)、アラゲカワラタケ(Coriolus hirsutus (Wulf.:Fr.) Quel.)、ツリガネタケ(Fomes fomentarius (L.:Fr.) Kickx)、マンネンタケ科のマゴジャクシ(Ganoderma neo−japonicum Imaz.)、ベニタケ科のカワリハツ(Russula cyanoxantha (Schaeff.) Fr.)、ニンギョウタケモドキ科のニンギョウタケ(Albatrellus confluens (A.et S.:Fr.)KOtl.et Pouz.)、ヒラタケ科のヒラタケ(Pleurotus ostreatus (Jacq.:Fr.) Kummer)、フウセンタケ科のショウゲンジ(Rozites caperata (Pers.:Fr.) Karst.)、ハラタケ科のカラカサタケ(Macrolepiota procera (Scop.:Fr.) Sing.)、ヒトヨタケ科のムジナタケ(Psathyrella velutina (Pers.) Sing.)、およびタバコウロコタケ科のヤケコゲタケ(Inonotus hispidus (Bull.:Fr.) Karst.)からなる群から選択されるキノコから、1種又は2種以上のキノコを選択する工程、および
2)前記選択されたキノコから、子実体の抽出液、培養菌糸体の培養液又は培養菌糸体の抽出液を得る工程、
を包含する、方法。
8. 前記抽出が、メタノール、エタノール、ヘキサン、ベンゼン、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロホルム、ジエチルエーテル、1、3−ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、および水からなる群から選択される溶媒を用いて行われる、項目7に記載の方法。
9. キシメジ科のムラサキシメジ(Lepista nuda (Bull.:Fr)Cooke)、ムキタケ(Panellus serotinus (Pers.:Fr.) Kuhn.)、タコウキン科のホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk.ex Cooke) Yasuda)、ツリガネタケ(Fomes fomentarius (L.:Fr.) Kickx)、マンネンタケ科のコフキサルノコシカケ(Elfvingia applanata (Pers.) Karst.)、マゴジャクシ(Ganoderma neo−japonicum Imaz.)、ベニタケ科のカワリハツ(Russula cyanoxantha (Schaeff.) Fr.)、ヒラタケ科のヒラタケ(Pleurotus ostreatus (Jacq.:Fr.) Kummer)、ハラタケ科のカラカサタケ(Macrolepiota procera (Scop.:Fr.) Sing.)、ヒトヨタケ科のムジナタケ(Psathyrella velutina (Pers.) Sing.)、およびタバコウロコタケ科のヤケコゲタケ(Inonotus hispidus (Bull.:Fr.) Karst.)の子実体の抽出液、ならびに
ホコリタケ科のホコリタケ(Lycoperdon perlatum Pers.:Pers.)、キシメジ科のツキヨタケ(Lampteromyces japonicus (Kawam.)Sing.)、ムキタケ(Panellus serotinus (Pers.:Fr.) Kuhn.)、タコウキン科のホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk.ex Cooke) Yasuda)、オオオシロイタケ(Tyromyces albellus (Peck) Bond.et Sing.)、ヒラフスベ(Laetiporus versisporus (Lloyd) Imaz.)、アラゲカワラタケ(Coriolus hirsutus (Wulf.:Fr.) Quel.)、ツリガネタケ(Fomes fomentarius (L.:Fr.) Kickx)、マンネンタケ科のマゴジャクシ(Ganoderma neo−japonicum Imaz.)、ベニタケ科のカワリハツ(Russula cyanoxantha (Schaeff.) Fr.)、ニンギョウタケモドキ科のニンギョウタケ(Albatrellus confluens (A.et S.:Fr.)KOtl.et Pouz.)、ヒラタケ科のヒラタケ(Pleurotus ostreatus (Jacq.:Fr.) Kummer)、ハラタケ科のカラカサタケ(Macrolepiota procera (Scop.:Fr.) Sing.)、およびタバコウロコタケ科のヤケコゲタケ(Inonotus hispidus (Bull.:Fr.) Karst.)の培養菌糸体の培養液、ならびに
ホコリタケ科のホコリタケ(Lycoperdon perlatum Pers.:Pers.)、キシメジ科のツキヨタケ(Lampteromyces japonicus (Kawam.)Sing.)、ムキタケ(Panellus serotinus (Pers.:Fr.) Kuhn.)、タコウキン科のオオオシロイタケ(Tyromyces albellus (Peck) Bond.et Sing.)、アラゲカワラタケ(Coriolus hirsutus (Wulf.:Fr.) Quel.)、ツリガネタケ(Fomes fomentarius (L.:Fr.) Kickx)、マンネンタケ科のマゴジャクシ(Ganoderma neo−japonicum Imaz.)、ベニタケ科のカワリハツ(Russula cyanoxantha (Schaeff.) Fr.)、ニンギョウタケモドキ科のニンギョウタケ(Albatrellus confluens (A.et S.:Fr.)KOtl.et Pouz.)、ヒラタケ科のヒラタケ(Pleurotus ostreatus (Jacq.:Fr.) Kummer)、フウセンタケ科のショウゲンジ(Rozites caperata (Pers.:Fr.) Karst.)、ハラタケ科のカラカサタケ(Macrolepiota procera (Scop.:Fr.) Sing.)、ヒトヨタケ科のムジナタケ(Psathyrella velutina (Pers.) Sing.)、およびタバコウロコタケ科のヤケコゲタケ(Inonotus hispidus (Bull.:Fr.) Karst.)の培養菌糸体の抽出液からなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする、チロシナーゼ活性を阻害するための組成物。
10. キシメジ科のムラサキシメジ(Lepista nuda (Bull.:Fr)Cooke)、ムキタケ(Panellus serotinus (Pers.:Fr.) Kuhn.)、タコウキン科のホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk.ex Cooke) Yasuda)、ツリガネタケ(Fomes fomentarius (L.:Fr.) Kickx)、マンネンタケ科のコフキサルノコシカケ(Elfvingia applanata (Pers.) Karst.)、マゴジャクシ(Ganoderma neo−japonicum Imaz)、ベニタケ科のカワリハツ(Russula cyanoxantha (Schaeff.) Fr.)、ヒラタケ科のヒラタケ(Pleurotus ostreatus (Jacq.:Fr.) Kummer)、ハラタケ科のカラカサタケ(Macrolepiota procera (Scop.:Fr.) Sing.)、ヒトヨタケ科のムジナタケ(Psathyrella velutina (Pers.) Sing.)、およびタバコウロコタケ科のヤケコゲタケ(Inonotus hispidus (Bull.:Fr.) Karst.)の子実体の抽出液、ならびに
ホコリタケ科のホコリタケ(Lycoperdon perlatum Pers.:Pers.)、キシメジ科のツキヨタケ(Lampteromyces japonicus (Kawam.)Sing.)、ムラサキシメジ(Lepista nuda (Bull.:Fr)Cooke)、ナラタケ(Armillariella mellea (Vahl.:Fr.) Karst.)、ムキタケ(Panellus serotinus (Pers.:Fr.) Kuhn.)、タコウキン科のホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk.ex Cooke) Yasuda)、オオオシロイタケ(Tyromyces albellus (Peck) Bond.et Sing.)、ヒラフスベ(Laetiporus versisporus (Lloyd) Imaz.)、アラゲカワラタケ(Coriolus hirsutus (Wulf.:Fr.) Quel.)、ツリガネタケ(Fomes fomentarius (L.:Fr.) Kickx)、マンネンタケ科のコフキサルノコシカケ(Elfvingia applanata (Pers.) Karst.)、マゴジャクシ(Ganoderma neo−japonicum Imaz.)、ベニタケ科のカワリハツ(Russula cyanoxantha (Schaeff.) Fr.)、ニンギョウタケモドキ科のニンギョウタケ(Albatrellus confluens (A.et S.:Fr.)KOtl.et Pouz.)、ヒラタケ科のヒラタケ(Pleurotus ostreatus (Jacq.:Fr.) Kummer)、フウセンタケ科のショウゲンジ(Rozites caperata (Pers.:Fr.) Karst.)、ハラタケ科のカラカサタケ(Macrolepiota procera (Scop.:Fr.) Sing.)、ヒトヨタケ科のムジナタケ(Psathyrella velutina (Pers.) Sing.)、およびタバコウロコタケ科のヤケコゲタケ(Inonotus hispidus (Bull.:Fr.) Karst.)の培養菌糸体の培養液又は培養菌糸体の抽出液からなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とするフリーラジカル消去剤。
11. 粉末、固体または液体である、項目10に記載のフリーラジカル消去剤。
12. フリーラジカル消去剤を調製するための方法であって、以下
1)子実体の抽出液を得るための候補としての、キシメジ科のムラサキシメジ(Lepista nuda (Bull.:Fr)Cooke)、ムキタケ(Panellus serotinus (Pers.:Fr.) Kuhn.)、タコウキン科のホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk.ex Cooke) Yasuda)、ツリガネタケ(Fomes fomentarius (L.:Fr.) Kickx)、マンネンタケ科のコフキサルノコシカケ(Elfvingia applanata (Pers.) Karst.)、マゴジャクシ(Ganoderma neo−japonicum Imaz)、ベニタケ科のカワリハツ(Russula cyanoxantha (Schaeff.) Fr.)、ヒラタケ科のヒラタケ(Pleurotus ostreatus (Jacq.:Fr.) Kummer)、ハラタケ科のカラカサタケ(Macrolepiota procera (Scop.:Fr.) Sing.)、ヒトヨタケ科のムジナタケ(Psathyrella velutina (Pers.) Sing.)、およびタバコウロコタケ科のヤケコゲタケ(Inonotus hispidus (Bull.:Fr.) Karst.)ならびに
培養菌糸体の培養液又は培養菌糸体の抽出液を得るための候補としての、ホコリタケ科のホコリタケ(Lycoperdon perlatum Pers.:Pers.)、キシメジ科のツキヨタケ(Lampteromyces japonicus (Kawam.)Sing.)、ムラサキシメジ(Lepista nuda (Bull.:Fr)Cooke)、ナラタケ(Armillariella mellea (Vahl.:Fr.) Karst.)、ムキタケ(Panellus serotinus (Pers.:Fr.) Kuhn.)、タコウキン科のホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk. ex Cooke) Yasuda)、オオオシロイタケ(Tyromyces albellus (Peck) Bond.et Sing.)、ヒラフスベ(Laetiporus versisporus (Lloyd) Imaz.)、アラゲカワラタケ(Coriolus hirsutus (Wulf.:Fr.) Quel.)、ツリガネタケ(Fomes fomentarius (L.:Fr.) Kickx)、マンネンタケ科のコフキサルノコシカケ(Elfvingia applanata (Pers.) Karst.)、マゴジャクシ(Ganoderma neo−japonicum Imaz.)、ベニタケ科のカワリハツ(Russula cyanoxantha (Schaeff.) Fr.)、ニンギョウタケモドキ科のニンギョウタケ(Albatrellus confluens (A.et S.:Fr.)KOtl.et Pouz.)、ヒラタケ科のヒラタケ(Pleurotus ostreatus (Jacq.:Fr.) Kummer)、フウセンタケ科のショウゲンジ(Rozites caperata (Pers.:Fr.) Karst.)、ハラタケ科のカラカサタケ(Macrolepiota procera (Scop.:Fr.) Sing.)、ヒトヨタケ科のムジナタケ(Psathyrella velutina (Pers.) Sing.)、およびタバコウロコタケ科のヤケコゲタケ(Inonotus hispidus (Bull.:Fr.) Karst.)からなる群から選択されるキノコから、1種又は2種以上のキノコを選択する工程、および
2)前記選択されたキノコから、子実体の抽出液、培養菌糸体の培養液又は培養菌糸体の抽出液を得る工程、
を包含する、方法。
13. 前記抽出が、メタノール、エタノール、ヘキサン、ベンゼン、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロホルム、ジエチルエーテル、1、3−ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、および水からなる群から選択される溶媒を用いて行われる、項目12に記載の方法。
14. キシメジ科のムラサキシメジ(Lepista nuda (Bull.:Fr)Cooke)、タコウキン科のホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk.ex Cooke) Yasuda)、ツリガネタケ(Fomes fomentarius (L.:Fr.) Kickx)、マンネンタケ科のマゴジャクシ(Ganoderma neo−japonicum Imaz.)、ベニタケ科のカワリハツ(Russula cyanoxantha (Schaeff.) Fr.)、ニンギョウタケモドキ科のニンギョウタケ(Albatrellus confluens (A.et S.:Fr.) Kotl.et Pouz.)、ヒラタケ科のヒラタケ(Pleurotus ostreatus (Jacq.:Fr.) Kummer)、フウセンタケ科のショウゲンジ(Rozites caperata (Pers.:Fr.) Karst.)、ハラタケ科のカラカサタケ(Macrolepiota procera (Scop.:Fr.) Sing.)、ヒトヨタケ科のムジナタケ(Psathyrella velutina (Pers.) Sing.)、およびタバコウロコタケ科のヤケコゲタケ(Inonotus hispidus (Bull.:Fr.) Karst.)の子実体の抽出液、ならびに
キシメジ科のツキヨタケ(Lampteromyces japonicus (Kawam.)Sing.)、ムキタケ(Panellus serotinus (Pers.:Fr.) Kuhn.)、タコウキン科のホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk.ex Cooke) Yasuda)、オオオシロイタケ(Tyromyces albellus (Peck) Bond.et Sing.)、ヒラフスベ(Laetiporus versisporus (Lloyd) Imaz.)、アラゲカワラタケ(Coriolus hirsutus (Wulf.:Fr.) Quel.)、ツリガネタケ(Fomes fomentarius (L.:Fr.) Kickx)、マンネンタケ科のマゴジャクシ(Ganoderma neo−japonicum Imaz.)、ベニタケ科のカワリハツ(Russula cyanoxantha (Schaeff.) Fr.)、ニンギョウタケモドキ科のニンギョウタケ(Albatrellus confluens (A.et S.:Fr.)KOtl.et Pouz.)、フウセンタケ科のショウゲンジ(Rozites caperata (Pers.:Fr.) Karst.)、ハラタケ科のカラカサタケ(Macrolepiota procera (Scop.:Fr.) Sing.)、ヒトヨタケ科のムジナタケ(Psathyrella velutina (Pers.) Sing.)、およびタバコウロコタケ科のヤケコゲタケ(Inonotus hispidus (Bull.:Fr.) Karst.)の培養菌糸体の培養液、ならびに
ホコリタケ科のホコリタケ(Lycoperdon perlatum Pers.:Pers.)、キシメジ科のツキヨタケ(Lampteromyces japonicus (Kawam.)Sing.)、ムラサキシメジ(Lepista nuda (Bull.:Fr)Cooke)、ナラタケ(Armillariella mellea (Vahl.:Fr.) Karst.)、ムキタケ(Panellus serotinus (Pers.:Fr.) Kuhn.)、タコウキン科のホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk.ex Cooke) Yasuda)、オオオシロイタケ(Tyromyces albellus (Peck) Bond.et Sing.)、ヒラフスベ(Laetiporus versisporus (Lloyd) Imaz.)、アラゲカワラタケ(Coriolus hirsutus (Wulf.:Fr.) Quel.)、ツリガネタケ(Fomes fomentarius (L.:Fr.) Kickx)、マンネンタケ科のコフキサルノコシカケ(Elfvingia applanata (Pers.) Karst.)、マゴジャクシ(Ganoderma neo−japonicum Imaz.)、ベニタケ科のカワリハツ(Russula cyanoxantha (Schaeff.) Fr.)、ニンギョウタケモドキ科のニンギョウタケ(Albatrellus confluens (A.et S.:Fr.)KOtl.et Pouz.)、ヒラタケ科のヒラタケ(Pleurotus ostreatus (Jacq.:Fr.) Kummer)、フウセンタケ科のショウゲンジ(Rozites caperata (Pers.:Fr.) Karst.)、ハラタケ科のカラカサタケ(Macrolepiota procera (Scop.:Fr.) Sing.)、ヒトヨタケ科のムジナタケ(Psathyrella velutina (Pers.) Sing.)、およびタバコウロコタケ科のヤケコゲタケ(Inonotus hispidus (Bull.:Fr.) Karst.)の培養菌糸体の抽出液からなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする、抗炎症剤。
15. 粉末、固体または液体である、項目14に記載の抗炎症剤。
16. 抗炎症剤を調製するための方法であって、以下
1)子実体の抽出液を得るための候補としての、キシメジ科のムラサキシメジ(Lepista nuda (Bull.:Fr)Cooke)、タコウキン科のホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk.ex Cooke) Yasuda)、ツリガネタケ(Fomes fomentarius (L.:Fr.) Kickx)、マンネンタケ科のマゴジャクシ(Ganoderma neo−japonicum Imaz.)、ベニタケ科のカワリハツ(Russula cyanoxantha (Schaeff.) Fr.)、ニンギョウタケモドキ科のニンギョウタケ(Albatrellus confluens (A.et S.:Fr.) Kotl.et Pouz.)、ヒラタケ科のヒラタケ(Pleurotus ostreatus (Jacq.:Fr.) Kummer)、フウセンタケ科のショウゲンジ(Rozites caperata (Pers.:Fr.) Karst.)、ハラタケ科のカラカサタケ(Macrolepiota procera (Scop.:Fr.) Sing.)、ヒトヨタケ科のムジナタケ(Psathyrella velutina (Pers.) Sing.)、およびタバコウロコタケ科のヤケコゲタケ(Inonotus hispidus (Bull.:Fr.) Karst.)ならびに
培養菌糸体の培養液を得るための候補としての、キシメジ科のツキヨタケ(Lampteromyces japonicus (Kawam.)Sing.)、ムキタケ(Panellus serotinus (Pers.:Fr.) Kuhn.)、タコウキン科のホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk.ex Cooke) Yasuda)、オオオシロイタケ(Tyromyces albellus (Peck) Bond.et Sing.)、ヒラフスベ(Laetiporus versisporus (Lloyd) Imaz.)、アラゲカワラタケ(Coriolus hirsutus (Wulf.:Fr.) Quel.)、ツリガネタケ(Fomes fomentarius (L.:Fr.) Kickx)、マンネンタケ科のマゴジャクシ(Ganoderma neo−japonicum Imaz.)、ベニタケ科のカワリハツ(Russula cyanoxantha (Schaeff.) Fr.)、ニンギョウタケモドキ科のニンギョウタケ(Albatrellus confluens (A.et S.:Fr.)KOtl.et Pouz.)、フウセンタケ科のショウゲンジ(Rozites caperata (Pers.:Fr.) Karst.)、ハラタケ科のカラカサタケ(Macrolepiota procera (Scop.:Fr.) Sing.)、ヒトヨタケ科のムジナタケ(Psathyrella velutina (Pers.) Sing.)、タバコウロコタケ科のヤケコゲタケ(Inonotus hispidus (Bull.:Fr.) Karst.)ならびに
培養菌糸体の抽出液を得るための候補としての、の培養菌糸体の培養液、又はホコリタケ科のホコリタケ(Lycoperdon perlatum Pers.:Pers.)、キシメジ科のツキヨタケ(Lampteromyces japonicus (Kawam.)Sing.)、ムラサキシメジ(Lepista nuda (Bull.:Fr)Cooke)、ナラタケ(Armillariella mellea (Vahl.:Fr.) Karst.)、ムキタケ(Panellus serotinus (Pers.:Fr.) Kuhn.)、タコウキン科のホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk.ex Cooke) Yasuda)、オオオシロイタケ(Tyromyces albellus (Peck) Bond.et Sing.)、ヒラフスベ(Laetiporus versisporus (Lloyd) Imaz.)、アラゲカワラタケ(Coriolus hirsutus (Wulf.:Fr.) Quel.)、ツリガネタケ(Fomes fomentarius (L.:Fr.) Kickx)、マンネンタケ科のコフキサルノコシカケ(Elfvingia applanata (Pers.) Karst.)、マゴジャクシ(Ganoderma neo−japonicum Imaz.)、ベニタケ科のカワリハツ(Russula cyanoxantha (Schaeff.) Fr.)、ニンギョウタケモドキ科のニンギョウタケ(Albatrellus confluens (A.et S.:Fr.)KOtl.et Pouz.)、ヒラタケ科のヒラタケ(Pleurotus ostreatus (Jacq.:Fr.) Kummer)、フウセンタケ科のショウゲンジ(Rozites caperata (Pers.:Fr.) Karst.)、ハラタケ科のカラカサタケ(Macrolepiota procera (Scop.:Fr.) Sing.)、ヒトヨタケ科のムジナタケ(Psathyrella velutina (Pers.) Sing.)、およびタバコウロコタケ科のヤケコゲタケ(Inonotus hispidus (Bull.:Fr.) Karst.)からなる群から選択されるキノコから、1種又は2種以上のキノコを選択する工程、および
2)前記選択されたキノコから、子実体の抽出液、培養菌糸体の培養液又は培養菌糸体の抽出液を得る工程、
を包含する、方法。
17. 前記抽出が、メタノール、エタノール、ヘキサン、ベンゼン、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロホルム、ジエチルエーテル、1、3−ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、および水からなる群から選択される溶媒を用いて行われる、項目16に記載の方法。
18. キシメジ科のムラサキシメジ(Lepista nuda (Bull.:Fr)Cooke)、ムキタケ(Panellus serotinus (Pers.:Fr.) Kuhn.)、タコウキン科のホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk.ex Cooke) Yasuda)、ツリガネタケ(Fomes fomentarius (L.:Fr.) Kickx)、マンネンタケ科のコフキサルノコシカケ(Elfvingia applanata (Pers.) Karst.)、マゴジャクシ(Ganoderma neo−japonicum Imaz.)、ベニタケ科のカワリハツ(Russula cyanoxantha (Schaeff.) Fr.)、ニンギョウタケモドキ科のニンギョウタケ(Albatrellus confluens (A.et S.:Fr.) Kotl.et Pouz.)、ヒラタケ科のヒラタケ(Pleurotus ostreatus (Jacq.:Fr.) Kummer)、フウセンタケ科のショウゲンジ(Rozites caperata (Pers.:Fr.) Karst.)、ハラタケ科のカラカサタケ(Macrolepiota procera (Scop.:Fr.) Sing.)、ヒトヨタケ科のムジナタケ(Psathyrella velutina (Pers.) Sing.)、およびタバコウロコタケ科のヤケコゲタケ(Inonotus hispidus (Bull.:Fr.) Karst.)の子実体の抽出液、ならびに
ホコリタケ科のホコリタケ(Lycoperdon perlatum Pers.:Pers.)、キシメジ科のツキヨタケ(Lampteromyces japonicus (Kawam.)Sing.)、ムキタケ(Panellus serotinus (Pers.:Fr.) Kuhn.)、タコウキン科のホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk. ex Cooke) Yasuda)、オオオシロイタケ(Tyromyces albellus (Peck) Bond.et Sing.)、ヒラフスベ(Laetiporus versisporus (Lloyd) Imaz.)、アラゲカワラタケ(Coriolus hirsutus (Wulf.:Fr.) Quel.)、ツリガネタケ(Fomes fomentarius (L.:Fr.) Kickx)、マンネンタケ科のマゴジャクシ(Ganoderma neo−japonicum Imaz.)、ベニタケ科のカワリハツ(Russula cyanoxantha (Schaeff.) Fr.)、ニンギョウタケモドキ科のニンギョウタケ(Albatrellus confluens (A.et S.:Fr.)KOtl.et Pouz.)、ヒラタケ科のヒラタケ(Pleurotus ostreatus (Jacq.:Fr.) Kummer)、フウセンタケ科のショウゲンジ(Rozites caperata (Pers.:Fr.) Karst.)、ハラタケ科のカラカサタケ(Macrolepiota procera (Scop.:Fr.) Sing.)、ヒトヨタケ科のムジナタケ(Psathyrella velutina (Pers.) Sing.)、およびタバコウロコタケ科のヤケコゲタケ(Inonotus hispidus (Bull.:Fr.) Karst.)の培養菌糸体の培養液又は培養菌糸体の抽出液からなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする、保湿剤。
19. 粉末、固体または液体である、項目18に記載の保湿剤。
20. 保湿剤を調製するための方法であって、以下
1)子実体の抽出液を得るための候補としての、キシメジ科のムラサキシメジ(Lepista nuda (Bull.:Fr)Cooke)、ムキタケ(Panellus serotinus (Pers.:Fr.) Kuhn.)、タコウキン科のホウロク
タケ(Daedalea dickinsii (Berk. ex Cooke) Y
asuda)、ツリガネタケ(Fomes fomentarius (L.:Fr.)
Kickx)、マンネンタケ科のコフキサルノコシカケ(Elfvingia applanata (Pers.) Karst.)、マゴジャクシ(Ganoderma neo−japonicum Imaz.)、ベニタケ科のカワリハツ(Russula
cyanoxantha (Schaeff.) Fr.)、ニンギョウタケモドキ科のニンギョウタケ(Albatrellus confluens (A.et S.:Fr.) Kotl.et Pouz.)、ヒラタケ科のヒラタケ(Pleurotu
s ostreatus (Jacq.:Fr.) Kummer)、フウセンタケ科のショウゲンジ(Rozites caperata (Pers.:Fr.) Karst.)、ハラタケ科のカラカサタケ(Macrolepiota procera (Scop.:Fr.) Sing.)、ヒトヨタケ科のムジナタケ(Psathyrella velutina (Pers.) Sing.)、およびタバコウロコタケ科のヤケコゲタケ(Inonotus hispidus (Bull.:Fr.) Karst.)ならびに
培養菌糸体の培養液又は培養菌糸体の抽出液を得るための候補としての、ホコリタケ科のホコリタケ(Lycoperdon perlatum Pers.:Pers.)、キシメジ科のツキヨタケ(Lampteromyces japonicus (Kawam.)Sing.)、ムキタケ(Panellus serotinus (Pers.:Fr.) Kuhn.)、タコウキン科のホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk.ex Cooke) Yasuda)、オオオシロイタケ(Tyromyces albellus (Peck) Bond.et Sing.)、ヒラフスベ(Laetiporus versisporus (Lloyd) Imaz.)、アラゲカワラタケ(Coriolus hirsutus (Wulf.:Fr.) Quel.)、ツリガネタケ(Fomes fomentarius (L.:Fr.) Kickx)、マンネンタケ科のマゴジャクシ(Ganoderma neo−japonicum Imaz.)、ベニタケ科のカワリハツ(Russula cyanoxantha (Schaeff.) Fr.)、ニンギョウタケモドキ科のニンギョウタケ(Albatrellus confluens (A.et S.:Fr.)KOtl.et Pouz.)、ヒラタケ科のヒラタケ(Pleurotus ostreatus (Jacq.:Fr.) Kummer)、フウセンタケ科のショウゲンジ(Rozites caperata (Pers.:Fr.) Karst.)、ハラタケ科のカラカサタケ(Macrolepiota procera (Scop.:Fr.) Sing.)、ヒトヨタケ科のムジナタケ(Psathyrella velutina (Pers.) Sing.)、およびタバコウロコタケ科のヤケコゲタケ(Inonotus hispidus (Bull.:Fr.) Karst.)からなる群から選択されるキノコから、1種又は2種以上のキノコを選択する工程、および
2)前記選択されたキノコから、子実体の抽出液、培養菌糸体の培養液又は培養菌糸体の抽出液を得る工程、
を包含する、方法。
21. 前記抽出が、メタノール、エタノール、ヘキサン、ベンゼン、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロホルム、ジエチルエーテル、1、3−ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、および水からなる群から選択される溶媒を用いて行われる、項目20に記載の方法。
【0015】
本発明では、野生で採取したキノコの子実体の抽出液と共に、野生で採取したキノコの子実体から誘導した培養菌糸体の培養液と抽出液について、有効成分を含む素材を選択した。その結果、キシメジ科のムラサキシメジ、ムキタケ、タコウキン科のホウロクタケ、ツリガネタ、マンネンタケ科のコフキサルノコシカケ、マゴジャクシ、ベニタケ科のカワリハツ、ニンギョウタケモドキ科のニンギョウタケ、ヒラタケ科のヒラタケ、フウセンタケ科のショウゲンジ、ハラタケ科のカラカサタケ、ヒトヨタケ科のムジナタケ、タバコウロコタケ科のヤケコゲタケの子実体の抽出液、又はホコリタケ科のホコリタケ、キシメジ科のツキヨタケ、ムラサキシメジ、ナラタケ、ムキタケ、タコウキン科のホウロクタケ、オオオシロイタケ、ヒラフスベ、アラゲカワラタケ、ツリガネタケ、マンネンタケ科のコフキサルノコシカケ、マゴジャクシ、ベニタケ科のカワリハツ、ニンギョウタケモドキ科のニンギョウタケ、ヒラタケ科のヒラタケ、フウセンタケ科のショウゲンジ、ハラタケ科のカラカサタケ、ヒトヨタケ科のムジナタケ、タバコウロコタケ科のヤケコゲタケの培養菌糸体の培養液又は培養菌糸体の抽出液にチロシナーゼ活性を阻害作用又は、フリーラジカル消去作用又は、抗炎症作用又は、保湿作用を見出した。このチロシナーゼ活性は、メラニンの前駆体の合成に必要な活性であるため、チロシナーゼ活性を阻害する作用により、メラニン合成が阻害され、その結果、美白作用がもたらされる。また、フリーラジカル消去作用は、皮膚の老化を防ぐので、皮膚のシワやタルミなどの改善に有効である。
【0016】
すなわち、前述のキノコから選択される子実体又は培養菌糸体の培養液又は培養菌糸体の抽出液又はこれらの濃縮液又は希釈液の1種または2種以上を皮膚外用剤及び食品に配合することで、美肌効果に関与するチロシナーゼ活性阻害作用、美白作用、フリーラジカル消去作用、抗炎症作用、保湿作用に優れた皮膚外用剤及び、チロシナーゼ活性阻害剤、美白剤、フリーラジカル消去剤、抗炎症剤、保湿剤を提供することが出来る。
【発明の効果】
【0017】
美白作用、チロシナーゼ活性阻害作用、フリーラジカル消去作用、抗炎症作用、保湿作用に優れたキシメジ科のキノコ(例えば、ムラサキシメジ、ムキタケ)、タコウキン科のキノコ(例えば、ホウロクタケ、ツリガネタ)、マンネンタケ科のキノコ(例えば、コフキサルノコシカケ、マゴジャクシ)、ベニタケ科のキノコ(例えば、カワリハツ)、ニンギョウタケモドキ科のキノコ(例えば、ニンギョウタケ)、ヒラタケ科のキノコ(例えば、ヒラタケ)、フウセンタケ科のキノコ(例えば、ショウゲンジ)、ハラタケ科のキノコ(例えば、カラカサタケ)、ヒトヨタケ科のキノコ(例えば、ムジナタケ)、タバコウロコタケ科のキノコ(例えば、ヤケコゲタケ)の子実体の抽出液、又はホコリタケ科のキノコ(例えば、ホコリタケ)、キシメジ科のキノコ(例えば、ツキヨタケ、ムラサキシメジ、ナラタケ、ムキタケ)、タコウキン科のキノコ(例えば、ホウロクタケ、オオオシロイタケ、ヒラフスベ、アラゲカワラタケ、ツリガネタケ)、マンネンタケ科のキノコ(例えば、コフキサルノコシカケ、マゴジャクシ)、ベニタケ科のキノコ(例えば、カワリハツ)、ニンギョウタケモドキ科のキノコ(例えば、ニンギョウタケ)、ヒラタケ科のキノコ(例えば、ヒラタケ)、フウセンタケ科のキノコ(例えば、ショウゲンジ)、ハラタケ科のキノコ(例えば、カラカサタケ)、ヒトヨタケ科のキノコ(例えば、ムジナタケ)、タバコウロコタケ科のキノコ(例えば、ヤケコゲタケ)の培養菌糸体の培養液又は培養菌糸体の抽出液又はこれらの濃縮液又は希釈液を1種又は2種以上、皮膚外用剤又は食品に配合することで、美肌効果に優れた皮膚外用剤、又は美白剤、チロシナーゼ活性阻害剤、フリーラジカル消去剤、抗炎症剤、保湿剤を提供することが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。従って、単数形の冠詞(例えば、英語の場合は「a」、「an」、「the」など)は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
【0019】
(用語の定義)
本明細書において使用される用語「子実体」とは、菌類において胞子を生じる生殖体であって、用語「担胞子体」と互換可能に使用され得る。子嚢菌類および担子菌類では、それぞれ、子嚢果・担子器果のように、菌糸組織からなる種々の形のものをいう。
【0020】
本明細書において使用される用語「菌糸体」は、用語「菌糸」と互換可能に使用され、糸状菌類の栄養体を構成する基本構造であり、多細胞のものと、多核体のものがある。菌糸は、胞子の発芽管から発達し、先端成長によって伸長する。
【0021】
本発明に用いるホコリタケ科のホコリタケ、キシメジ科のツキヨタケ、ムラサキシメジ、ナラタケ、ムキタケ、タコウキン科のホウロクタケ、オオオシロイタケ、ヒラフスベ、アラゲカワラタケ、ツリガネタケ、マンネンタケ科のコフキサルノコシカケ、マゴジャクシ、ベニタケ科のカワリハツ、ニンギョウタケモドキ科のニンギョウタケ、ヒラタケ科のヒラタケ、フウセンタケ科のショウゲンジ、ハラタケ科のカラカサタケ、ヒトヨタケ科のムジナタケ、タバコウロコタケ科のヤケコゲタケの子実体は日本国内だけでなく、世界各地に自生している子実体の他、人工的に栽培された子実体のいずれでも良い。またこれらのキノコと近縁の種であれば、同様に用いることが出来る。
【0022】
培養菌糸体に用いる菌糸体は前述の子実体から、無菌的に培地上で培養し、菌糸体に誘導したものを用いることが出来る。
【0023】
菌糸体の培養に用いる培地は、ポテトデキストロース寒天培地、ポテトスクロース寒天培地、ペプトンデキストロース寒天培地、等の寒天培地の他、寒天を除いたポテトデキストロース培地、ポテトスクロース培地、ペプトンデキストロース培地、等の液体培地の他、菌類の培養に使用出来る培地であれば、いずれであっても良いが、子実体から菌糸体に誘導するときやその菌糸体を保存する時には、寒天培地を使用し、本発明に使用する菌糸体の培養液や抽出液を得る時には、液体培地を使用する方が操作上、簡便である。菌糸体の培養条件などは特に限定されないが、寒天培地上で培養した菌糸体を液体培地上に植え継いだ後、20〜30℃で10〜40日間培養したものを用いることが望ましい。
【0024】
上記の培地は、当業者に周知である。具体的には、以下の組成が用いられるが、本発明において使用される培地の組成は、以下の組成に限定されることはない。
【0025】
(ポテトデキストロース寒天培地の組成)
ジャガイモ煎汁:1000ml
グルコース:20g
粉末寒天:15g
(ポテトスクロース寒天培地の組成)
ジャガイモ煎汁:1000ml
スクロース:20g
粉末寒天:15g
(ペプトンデキストロース寒天培地の組成)
ポリペプトン:5g
グルコース:20g
酵母エキス:2g
硫酸マグネシウム七水和物:0.5g
リン酸二水素カリウム:1g
粉末寒天:20g
純水:1000m1
(ポテトデキストロース培地の組成)
ジャガイモ煎汁:1000m1
グルコース:20g
(ポテトスクロース培地の組成)
ジャガイモ煎汁:1000ml
スクロース:20g
(ペプトンデキストロース培地の組成)
ポリペプトン:5g
グルコース:20g
酵母エキス:2g
硫酸マグネシウム七水和物:0.5g
リン酸二水素カリウム:1g
純水:1000ml
子実体を上記組成の培地中で培養すると、子実体から菌糸体が誘導され、その後、3〜6ヵ月毎に継代培養することにより、菌糸体が保存される。
【0026】
培養菌糸体の培養液は、ろ過して得られる培養液をそのまま或いは、必要に応じて濃縮または希釈し、本発明に用いることが出来る。ろ過の方法は周知であり、例えば、ろ紙を用いることができる。また、10〜0.45μm(例えば、10μm、5μm、1μm、0.45μm)のポアサイズのメンブレンフィルターを用いることもできる。濃縮方法としては、例えば、有機溶媒を用いて調製された抽出液を減圧下に放置することにより揮発させる、減圧濃縮法を用いることができる。また、濃縮方法としては、限外ろ過を用いる方法も用いることができる。
【0027】
本発明に使用するキノコの子実体又は培養菌糸体の抽出に用いる溶媒は、特に限定されない。例えば、メタノール、エタノール、ヘキサン、ベンゼン、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロホルム、ジエチルエーテル、1、3−ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール等の有機溶媒や水等の溶媒を1種または2種以上を混合して使用することが出来る。好ましい溶媒は、エタノール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、またはプロピレングリコールのような有機溶媒、あるいは水である。抽出時間や抽出温度、抽出方法等の条件は、特に限定されない。溶媒の残留性や経済性、作業効率を考慮すると、子実体又は培養液と分離した培養菌糸体をそのまま或いは乾燥した後、そのまま或いは粉砕し、子実体又は培養菌糸体の湿重量の1〜10倍量のエタノール又は、1、3−ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールを使用し、室温で1〜10日抽出するか、子実体又は培養菌糸体の湿重量の1〜10倍量の水を使用し80〜100℃で1〜10時間抽出した後、ろ過して得られる抽出液を用いることが好ましい。抽出液はそのまま或いは、必要に応じて濃縮または希釈し、本発明に用いることが出来る。
【0028】
本発明のキノコ組成物は皮膚外用剤の他、食品にも使用することが出来る。皮膚外用剤及び食品の形状は特に問わない。例えば、液状、ゲル状、クリーム状、顆粒状、固体などの形態で使用できる。本発明のキノコ組成物を皮膚外用剤として使用する場合、化粧水、クリーム、ゲル、軟膏、乳液、美容液、パック、洗顔料、クレンジング剤、ヘアケア剤、石鹸、浴用剤、シャンプー、リンス、リップスティック、口紅、ファンデーション、等の化粧料や医薬部外品、医薬品に配合することができる。
【0029】
(処方)
キノコの子実体の抽出液又は培養菌糸体の培養液又は培養菌糸体の抽出液の使用量は、皮膚外溶剤又は食品全体に対して、溶媒もしくは水分を留去した濃縮物として0.00001〜100重量%、好ましくは0.002〜20重量%配合するのが適当である。抽出物を濃縮することなく用いる場合、一般的には、0.002重量%未満では十分な効果が望めない。また、一般には、20重量%を超えて配合しても効果の増強がなく不経済である。使用するキノコの種類、子実体の抽出液、培養菌糸体の抽出液若しくは培養液は、適宜、期待する効果に応じて1種若しくは2種以上選択して配合するのが適当である。
【0030】
本発明を配合した皮膚外用剤は、油脂類、ロウ類、炭化水素類、シリコーン類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、増粘剤、粉末等の化粧料の基材の他、医薬部外品及び医薬品の有効成分、pH調整剤、防腐剤、色素、香料、酸化防止剤、天然物由来エキス等も必要に応じて配合することが出来る。
【0031】
本発明の抽出物はまた、薬学的に受容可能なキャリア型(例えば、滅菌キャリア)と組み合せて処方され得る。本発明の抽出物を、個々の個体、投与方法、投与計画および当業者に公知の他の因子を考慮に入れ、医療実施基準(GMP=good medical practice)を遵守する方式で処方および投薬する。従って、本明細書において目的とする「有効量」は、このような考慮を行って決定される。
【0032】
治療剤を、経口的、直腸内、非経口的、槽内(intracistemally)、膣内、腹腔内、局所的(粉剤、軟膏、ゲル、点滴剤、または経皮パッチによるなど)、口内あるいは経口または鼻腔スプレーとして投与し得る。「薬学的に受容可能なキャリア」とは、非毒性の固体、半固体または液体の充填剤、希釈剤、被包材または任意の型の処方補助剤をいう。本明細書で用いる用語「非経口的」とは、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下および関節内の注射および注入を含む投与の様式をいう。
【0033】
本発明の治療剤はまた、徐放性システムにより適切に投与される。徐放性治療剤の適切な例は、経口的、直腸内、非経口的、槽内(intracistemally)、膣内、腹腔内、局所的(粉剤、軟膏、ゲル、点滴剤、または経皮パッチによるなど)、口内あるいは経口または鼻腔スプレーとして投与され得る。「薬学的に受容可能なキャリア」とは、非毒性の固体、半固体または液体の充填剤、希釈剤、被包材または任意の型の処方補助剤をいう。本明細書で用いる用語「非経口的」とは、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下および関節内の注射および注入を含む投与の様式をいう。徐放性治療剤の適切な例は、適切なポリマー物質(例えば、成形品(例えば、フィルムまたはマイクロカプセル)の形態の半透過性ポリマーマトリックス)、適切な疎水性物質(例えば、許容品質油中のエマルジョンとして)またはイオン交換樹脂、および貧可溶性誘導体(例えば、貧可溶性塩)を包含する。
【0034】
徐放性マトリックスとしては、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号、EP58,481)、L−グルタミン酸およびγ−エチル−L−グルタメートのコポリマー(Sidmanら、Biopolymers 22:547−556(1983))、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(Langerら、J.Biomed.Mater.Res.15: 167−277(1981)、およびLanger,Chem.Tech.12:98−105(1982))、エチレンビニルアセテート(Langerら、同書)またはポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸(EP133,988)が挙げられる。
【0035】
徐放性治療剤はまた、リポソームに包括された本発明の治療剤を包含する(一般に、Langer,Science 249:1527−1533(1990);Treatら,Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer,Lopez−Berestein and Fidler(編),Liss,New York,317−327頁および353−365(1989)を参照のこと)。治療剤を含有するリポソームは、それ自体が公知である方法により調製され得る:DE3,218,121;Epsteinら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:3688−3692(1985);Hwangら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4030−4034(1980);EP52,322;EP36,676;EP88,046;EP143,949;EP142,641;日本国特許出 願第83−118008号;米国特許第4,485,045号および同第4,544,545号ならびにEP第102,324号。通常、リポソームは、小さな(約200〜800Å)ユニラメラ型であり、そこでは、脂質含有量は、約30モル%コレステロールよりも多く、選択された割合が、最適治療剤のために調整される。
【0036】
他の制御放出系は、Langer(Science 249:1527−1533(1990))による総説において議論される。
【0037】
非経口投与のために、1つの実施態様において、一般に、治療剤は、それを所望の程度の純度で、薬学的に受容可能なキャリア、すなわち用いる投薬量および濃度でレシピエントに対して毒性がなく、かつ処方物の他の成分と適合するものと、単位投薬量の注射可能な形態(溶液、懸濁液または乳濁液)で混合することにより処方される。例えば、この処方物は、好ましくは、酸化、および治療剤に対して有害であることが知られている他の化合物を含まない。
【0038】
一般に、治療剤を液体キャリアまたは微細分割固体キャリアあるいはその両方と均一および緊密に接触させて処方物を調製する。次に、必要であれば、生成物を所望の処方物に成形する。好ましくは、キャリアは、非経口的キャリア、より好ましくはレシピエントの血液と等張である溶液である。このようなキャリアビヒクルの例としては、水、生理食塩水、リンゲル溶液およびデキストロース溶液が挙げられる。不揮発性油およびオレイン酸エチルのような非水性ビヒクルもまた、リポソームと同様に本明細書において有用である。
【0039】
キャリアは、等張性および化学安定性を高める物質のような微量の添加剤を適切に含有する。このような物質は、用いる投薬量および濃度でレシピエントに対して毒性がなく、このような物質としては、リン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酢酸および他の有機酸またはその塩類のような緩衝剤;アスコルビン酸のような抗酸化剤;低分子量(約10残基より少ない)ポリペプチド(例えば、ポリアルギニンまたはトリペプチド);血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリンのようなタンパク質;ポリビニルピロリドンのような親水性ポリマー;グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸またはアルギニンのようなアミノ酸;セルロースまたはその誘導体、ブドウ糖、マンノースまたはデキストリンを含む、単糖類、二糖類、および他の炭水化物;EDTAのようなキレート剤;マンニトールまたはソルビトールのような糖アルコール;ナトリウムのような対イオン;および/またはポリソルベート、ポロキサマーもしくはPEGのような非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0040】
治療剤は、代表的には約0.1mg/ml〜100mg/ml、好ましくは1〜10mg/mlの濃度で、約3〜8のpHで、このようなビヒクル中に処方される。前記の特定の賦形剤、キャリアまたは安定化剤を使用することにより、塩が形成されることが理解される。
【0041】
治療的投与に用いられるべき任意の薬剤は、有効成分としてのウイルス以外の生物・ウイルスを含まない状態、すなわち、無菌状態であり得る。滅菌濾過膜(例えば0.2ミクロンメンブレン)で濾過することにより無菌状態は容易に達成される。一般に、治療剤は、滅菌アクセスポートを有する容器、例えば、皮下用注射針で穿刺可能なストッパー付の静脈内用溶液バッグまたはバイアルに配置される。
【0042】
治療剤は、通常、単位用量または複数用量容器、例えば、密封アンプルまたはバイアルに、水溶液または再構成するための凍結乾燥処方物として貯蔵される。凍結乾燥処方物の例として、10mlのバイアルに、滅菌濾過した1%(w/v)治療剤水溶液5mlを充填し、そして得られる混合物を凍結乾燥する。凍結乾燥した治療剤を、注射用静菌水を用いて再構成して注入溶液を調製する。
【0043】
本発明はまた、本発明の治療剤の1つ以上の成分を満たした一つ以上の容器を備える薬学的パックまたはキットを提供する。医薬品または生物学的製品の製造、使用または販売を規制する政府機関が定めた形式の通知が、このような容器に付属し得、この通知は、ヒトへの投与に対する製造、使用または販売に関する政府機関による承認を表す。さらに、治療剤を他の治療用化合物と組み合わせて使用し得る。
【0044】
本発明の治療剤は、単独または他の治療剤と組合わせて投与され得る。本発明の治療剤と組合わせて投与され得る治療剤としては、化学療法剤、抗生物質、ステロイドおよび非ステロイドの抗炎症剤、従来の免疫治療剤、他のサイトカインおよび/または増殖因子が挙げられるが、これらに限定されない。組合わせは、例えば、混合物として同時に;同時にまたは並行してだが別々に;あるいは経時的のいずれかで投与され得る。これは、組み合わされた薬剤が、治療用混合物として共に投与されるという提示、およびまた、組み合わされた薬剤が、別々にしかし同時に、例えば、同じ個体に別々の静脈ラインを通じて投与される手順を含む。「組み合わせて」の投与は、一番目、続いて二番目に与えられる化合物または薬剤のうち1つの別々の投与をさらに含む。
【0045】
特定の実施態様において、本発明の治療剤は、抗レトロウイルス薬剤、ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター、非ヌクレオシド逆転写酵素インヒビター、および/またはプロテーアーゼインヒビターとの組み合わせで投与される。
【0046】
さらなる実施態様において、本発明の治療剤は、抗生物質と組合わせて投与される。使用され得る抗生物質としては、アミノグリコシド系抗生物質、ポリエン系抗生物質、ペニシリン系抗生物質、セフェム系抗生物質、ペプチド系抗生物質、マクロライド系抗生物質、テトラサイクリン系抗生物質が挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
さらなる実施態様において、本発明の治療剤は、単独または抗炎症剤と組合わせて投与される。本発明の治療剤とともに投与され得る抗炎症剤としては、グルココルチコイドおよび非ステロイド抗炎症剤、アミノアリールカルボン酸誘導体、アリール酢酸誘導体、アリール酪酸誘導体、アリールカルボン酸、アリールプロピオン酸誘導体、ピラゾール、ピラゾロン、サリチル酸誘導体、チアジンカルボキサミド、e−アセトアミドカプロン酸、S−アデノシルメチオニン、3−アミノ−4−ヒドロキシ酪酸、アミキセトリン(amixetrine)、ベンダザック、ベンジドアミン、ブコローム、ジフェンピラミド、ジタゾール、エモル ファゾン、グアイアズレン、ナブメトン、ニメスリド、オルゴテイン、オキサセプロール、パラニリン、ペリゾキサル、ピフオキシム、プロキアゾン、プロキサゾール、およびテニダップが挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
さらなる実施形態において、本発明の治療剤は、他の治療レジメまたは予防レジメ(例えば、放射線治療)と組合わせて投与される。
【0049】
以下に実施例等により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0050】
(実施例1:キノコ子実体からの抽出物の調製)
日本国内において自生する野生のキシメジ科のムラサキシメジ、ムキタケ、タコウキン科のホウロクタケ、ツリガネタ、マンネンタケ科のコフキサルノコシカケ、マゴジャクシ、ベニタケ科のカワリハツ、ニンギョウタケモドキ科のニンギョウタケ、ヒラタケ科のヒラタケ、フウセンタケ科のショウゲンジ、ハラタケ科のカラカサタケ、ヒトヨタケ科のムジナタケ、タバコウロコタケ科のヤケコゲタケの子実体を採取し、その生重量の5倍量のエタノールに2日間浸漬した。2日後、エタノール抽出液と残渣をろ紙を用いてろ別した。得られたエタノール抽出液を減圧濃縮することで完全に溶媒を除き、子実体のエタノール抽出液の濃縮物を得た。
【0051】
(実施例2:子実体より誘導された菌糸体の液体培養物からの培養液の調製)
日本国内において自生する野生のホコリタケ科のホコリタケ、キシメジ科のツキヨタケ、ムラサキシメジ、ナラタケ、ムキタケ、タコウキン科のホウロクタケ、オオオシロイタケ、ヒラフスベ、アラゲカワラタケ、ツリガネタケ、マンネンタケ科のコフキサルノコシカケ、マゴジャクシ、ベニタケ科のカワリハツ、ニンギョウタケモドキ科のニンギョウタケ、ヒラタケ科のヒラタケ、フウセンタケ科のショウゲンジ、ハラタケ科のカラカサタケ、ヒトヨタケ科のムジナタケ、タバコウロコタケ科のヤケコゲタケの子実体から内部の組織を無菌的に切り出した。この組織をポテトデキストロース寒天培地又は、ポテトスクロース寒天培地、ペプトンデキストロース寒天培地に移し、25℃で20日間培養した。20日後成長した菌糸体を新しい寒天培地に継代培養した。この操作を2度繰り返し、得られた菌糸体をポテトデキストロース液体培地又は、ポテトスクロース液体培地、ペプトンデキストロース液体培地に移植し、40日間、静地培養した。40日後、培養液と菌糸体をろ紙を用いてろ別した。得られた培養液を減圧濃縮することで完全に水を除き、培養菌糸体の培養液の濃縮物を得た。
【0052】
(実施例3:子実体より誘導された菌糸体の液体培養物からの抽出物の調製)
日本国内において自生する野生のホコリタケ科のホコリタケ、キシメジ科のツキヨタケ、ムラサキシメジ、ナラタケ、ムキタケ、タコウキン科のホウロクタケ、オオオシロイタケ、ヒラフスベ、アラゲカワラタケ、ツリガネタケ、マンネンタケ科のコフキサルノコシカケ、マゴジャクシ、ベニタケ科のカワリハツ、ニンギョウタケモドキ科のニンギョウタケ、ヒラタケ科のヒラタケ、フウセンタケ科のショウゲンジ、ハラタケ科のカラカサタケ、ヒトヨタケ科のムジナタケ、タバコウロコタケ科のヤケコゲタケの子実体から内部の組織を無菌的に切り出した。この組織をポテトデキストロース寒天培地又は、ポテトスクロース寒天培地、ペプトンデキストロース寒天培地に移し、25℃で20日間培養した。20日後成長した菌糸体を寒天培地に継代培養した。この操作を2度繰り返し、得られた菌糸体をポテトデキストロース液体培地又は、ポテトスクロース液体培地、ペプトンデキストロース液体培地に移植し、40日間、静地培養した。40日後、培養液と菌糸体をろ紙を用いてろ別した。得られた菌糸体を生重量の5倍量のエタノールに室温で2日間浸漬した。2日後、菌子体のエタノール抽出液と残渣をろ紙を用いてろ別した。得られたエタノール抽出液を減圧濃縮することで完全に溶媒を除き、培養菌糸体のエタノール抽出液の濃縮物を得た。
【0053】
(実施例4:キノコ抽出物を含む化粧用クリーム処方物の調製)
化粧用クリームを以下の成分と製法を用いて処方した:
・(A)ステアリン酸 8.0(重量%)、
・(B)ステアリルアルコール 4.0(重量%)、
・(C)ステアリン酸ブチル 6.0(重量%)、
・(D)モノステアリン酸グリセリン 2.0(重量%)、
・(E)プロピレングリコール 5.0(重量%)、
・(F)水酸化カリウム 0.4(重量%)、
・(G)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.1〜0.5(重量%)、
・(H)香料 0.001〜0.1(重量%)、
・(I)酸化防止剤(ジブチルヒドロキシトルエン) 0.05〜0.15(重量%)、・(J)エタノール 5.0(重量%)
・(K)ホウロクタケの実施例3の濃縮物 0.15(重量%)、
・(L)アラゲカワラタケの実施例3の濃縮物 ・0.1(重量%)、
・(M)上記の残部として、精製水を添加した。
(製法)
1.上記(A)〜(D)、(E)〜(I)、および(M)の一部を別々に加熱調製し、80℃で混合し、ホモミキサーで攪拌し、その後、50℃まで冷却した。
2.(M)の一部に(J)を添加し、(K)および(L)を溶解した。
3.上記1の溶液と2の溶液を混合し、30℃まで冷却した。
【0054】
(実施例5:キノコ抽出物を含む乳液処方物の調製)
乳液を以下の成分と製法を用いて処方した:
・(A)ステアリン酸 2.0(重量%)、
・(B)セチルアルコール 1.5(重量%)、
・(C)ワセリン 4.0(重量%)、
・(D)スクワラン 5.0(重量%)、
・(E)グリセロールトリ−2−エチルヘキサン酸エステル 2.0(重量%)、
・(F)ソルビタンモノオレイン酸エステル 2.0(重量%)、
・(G)グリセリン 9.0(重量%)、
・(H)水酸化カリウム 0.1(重量%)、
・(I)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.1〜0.5(重量%)、
・(J)香料 0.001〜0.1(重量%)、
・(K)酸化防止剤(ジブチルヒドロキシトルエン) 0.05〜0.15(重量%)、・(L)エタノール 5.0(重量%)
・(M)アラゲカワラタケの実施例3の濃縮物 0.1(重量%)、
・(N)ホウロクタケの実施例3の濃縮物 0.1(重量%)、
・(O)上記の残部として、精製水を添加した。
(製法)
1.(A)〜(F)、(G)〜(K)、および(O)の一部を別々に加熱調製し、80℃で混合し、ホモミキサーで攪拌し、その後、50℃まで冷却した。
2.(O)の一部に(L)を添加し、(M)および(N)を溶解した。
3.上記1の溶液と2の溶液を混合し、30℃まで冷却した。
【0055】
(実施例6:キノコ抽出物を含む化粧水の調製)
化粧水を以下の成分と製法を用いて処方した:
・(A)POE(20)オレイルアルコールエーテル 0.5(重量%)、
・(B)グリセリン 10(重量%)、
・(C)メチルセルロース 0.2(重量%)、
・(D)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.1〜0.5(重量%)、
・(E)香料 0.001〜0.1(重量%)、
・(F)酸化防止剤(ジブチルヒドロキシトルエン) 0.05〜0.15(重量%)、
・(G)エタノール 5.0(重量%)
・(H)ムラサキシメジの実施例1の濃縮物 0.3(重量%)、
・(I)上記の残部として、精製水を添加した。
(製法)
上記(A)〜(I)までを均一に溶解した。
【0056】
(実施例7:キノコ抽出物を含むパック剤の調製)
パック剤を以下の成分と製法を用いて処方した:
・(A)グリセリン 12(重量%)、
・(B)モンモリロナイト 10.0(重量%)、
・(C)酸化チタン 8.0(重量%)、
・(D)カオリン 10.0(重量%)、
・(E)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.1〜0.5(重量%)、
・(F)香料 0.001〜0.1(重量%)、
・(G)酸化防止剤(ジブチルヒドロキシトルエン) 0.05〜0.15(重量%)、・(H)エタノール 5.0(重量%)
・(I)ホウロクタケの実施例2の濃縮物 0.5(重量%)、
・(J)オオオシロイタケの実施例3の濃縮物 0.5(重量%)、
・(K)上記の残部として、精製水を添加した。
(製法)
上記(A)〜(K)を均一に溶解した。
【0057】
(実施例8:チロシナーゼ阻害試験)
本発明のキノコ由来の組成物について、美白作用を調べるため、実施例1、実施例2、実施例3の濃縮物について、チロシナーゼ活性阻害率を調べた。それぞれの濃縮物について1mg/mlの試料濃度で、以下の試験方法を用いて、チロシナーゼ阻害試験を実施した。
【0058】
(試験方法)
1.リン酸緩衝液(pH6.8)にチロシナーゼ 40U/ml、L−チロシン 1mM、ジメチルスルホキシドに溶解した実施例1、実施例2、実施例3の濃縮物 2.5mg/mlを溶解した。
2.37℃で60分間インキュベートした。
3.475nmの吸光度値を次式に代入して、チロシナーゼ活性阻害率を算出した。
チロシナーゼ活性阻害率=100×{(A−B)−(C−D)}/(A−B)
この式において、A:コントロールの反応60分後の吸光度値、
B:試料の代わコントロールの反応前の吸光度値、
C:試料の反応60分後の吸光度値、
D:試料の反応前の吸光度値、である。
【0059】
表1、表2、表3に、チロシナーゼ活性阻害を示した実施例1、2、3の濃縮物を示す。
【0060】
【表1】

【0061】
【表2】

【0062】
【表3】

表1および3に示すキノコの子実体、培養液、培養物抽出物はいずれもコントロールよりも高いチロシナーゼ阻害活性を示した。
【0063】
表1に示すように、実施例1の子実体抽出物を用いた場合、コフキサルノコシカケ、およびムジナタケが、従来チロシナーゼ阻害活性が子実体抽出物中に見出されている実施例1のニンギョウタケ、およびショウゲンジの子実体抽出物よりも高いチロシナーゼ阻害活性を示した。また、ムラサキシメジ、ムキタケ、ヒラタケ、カラカサタケ、およびヤケコゲタケは、ニンギョウタケの子実体抽出物よりも高いチロシナーゼ阻害活性を示した。
【0064】
表2に示すように、実施例2の液体培養物からの培養液を用いた場合、ツリガネタケ、およびマゴジャクシが、従来チロシナーゼ阻害活性が子実体抽出物中に見出されている実施例1のニンギョウタケ、およびショウゲンジの子実体抽出物よりも高いチロシナーゼ阻害活性を示した。また、ムキタケ、ホウロクタケ、ヒラタケ、およびヤケコゲタケの培養液は、ニンギョウタケの子実体抽出物よりも高いチロシナーゼ阻害活性を示した。
【0065】
表3に示すように、実施例3の菌糸体の液体培養物からの抽出物を用いた場合、ムキタケ、アラゲカワラタケ、ツリガネタケ、マゴジャクシ、カワリハツ、およびニンギョウタケが従来チロシナーゼ阻害活性が子実体抽出物中に見出されている実施例1のニンギョウタケ、およびショウゲンジの子実体抽出物よりも高いチロシナーゼ阻害活性を示した。また、オオオシロイタケ、ヒラタケ、およびヤケコゲタケの培養物抽出物は、ニンギョウタケの子実体抽出物よりも高いチロシナーゼ阻害活性を示した。
【0066】
(実施例9:フリーラジカル消去作用阻害試験)
1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル(以下DPPHと略記する。)ラジカル消去率測定試験を以下のように行った。
【0067】
フリーラジカル消去作用を調べるため、実施例1、実施例2、実施例3の濃縮物について、DPPHラジカル消去率を調べた。それぞれの濃縮物について、200μg/ml、100μg/ml、20μg/mlの各試料濃度でDPPHラジカル消去試験を実施した。方法(1)DPPHをエタノールに溶解し0.1mmolに調整した。(2)50%エタノール水溶液に溶解した試料をトリス塩酸緩衝液(pH7.4)に溶解した。(3)(1)、(2)の溶液を1対1で混合し20分間、25℃、暗所で反応させた。(4)517nmの吸光度を次式に代入して、DPPHラジカル消去率を算出した。
【0068】
DPPHラジカル消去率=100×(A−B)/(C―D) A:試料の反応後の吸光度値、B:試料を添加しDPPHの変わりにエタノールを添加した時の吸光度、C:コントロールの反応後の吸光度、D:コントロールのDPPHの変わりにエタノールを添加した時の吸光度。
【0069】
表4、表5、表6に、DPPHラジカル消去率を示した実施例1、2、3の濃縮物を示す。
【0070】
【表4】

【0071】
【表5】

【0072】
【表6】

表4〜6に示すように、実施例1、実施例2、実施例3の濃縮物はいずれもコントロールよりも高いDPPHラジカル消去率を示した。
【0073】
表4に示すように、実施例1の子実体抽出物においては、ムラサキシメジ、ムキタケ、ホウロクタケ、ツリガネタケ、コフキサルノコシカケ、マゴジャクシ、ヒラタケ、カラカサタケ、ムジナタケ、ヤケコゲタケが、抗酸化作用を子実体抽出物中に有することが公知である実施例1のニンギョウタケおよびショウゲンジの抽出物よりも高いDPPHラジカル消去率を示した。また、カワリハツ由来の濃縮物は、ニンギョウタケの子実体抽出物よりも高いDPPHラジカル消去率を示した。
【0074】
表5に示すように、実施例2の液体培養物からの培養液を用いた場合、ムラサキシメジ、ナラタケ、ムキタケ、ホウロクタケ、オオオシロイタケ、ヒラフスベ、アラゲカワラタケ、ツリガネタケ、マゴジャクシ、ヒラタケ、およびヤケコゲタケは、抗酸化作用を子実体抽出物中に有することが公知である実施例1のニンギョウタケおよびショウゲンジの抽出物よりも高いDPPHラジカル消去率を示した。また、オオオシロイタケ、コフキサルノコシカケ、ニンギョウタケ、およびカラカサタケの培養液は、ニンギョウタケの子実体抽出物よりも高いDPPHラジカル消去率を示した。
【0075】
表6に示すように、実施例3の菌糸体の液体培養物からの抽出物を用いた場合、ツキヨタケ、ムラサキシメジ、ムキタケ、ホウロクタケ、ヒラフスベ、アラゲカワラタケ、ツリガネタケ、マゴジャクシ、ニンギョウタケ、ヒラタケ、およびヤケコゲタケは、抗酸化作用を子実体抽出物中に有することが公知である実施例1のニンギョウタケおよびショウゲンジの抽出物よりも高いDPPHラジカル消去率を示した。また、ホコリタケ、ナラタケ、コフキサルノコシカケ、ショウゲンジ、およびムジナタケは、ニンギョウタケの子実体抽出物よりも高いDPPHラジカル消去率を示した。
【0076】
(実施例10:炎症抑制試験)
実施例1、実施例2、実施例3の濃縮物について、マウス耳を用い、炎症抑制試験を実施した。炎症抑制試験は、マウスの片耳にそれぞれの濃縮物を2mgにすることで実施した。方法(1)マウス(CD1系)の片耳に、試料2mgをメタノール溶液として塗布した。(2)30分後、マウスの両耳に起炎剤として12−オルト−テトラデカノイルホルボール−13−アセテート(以下TPAと略記する)0.5μgをアセトン溶液として塗布した。(3)7時間後、マウスの両耳から直径6〜7mmの円板を打ち抜き、その重量を次式に代入して、炎症抑制率を算出した。
【0077】
炎症抑制率=100×(A−B)/(A−C) A:TPA溶液のみを塗布した耳の重量、B:TPA溶液と試料を塗布した耳の重量、C:元の耳の重量(0.5μgのTPA溶液を塗布することで重量が2.41倍に増加するとして算出した。)
この炎症抑制効果は、細胞増殖性の炎症抑制を示すものである。従って、本実施例において確認される炎症抑制効果は、IgE産生抑制によってもたらされる免疫抑制による炎症抑制とは、異なる効果である。
【0078】
表7、表8、表9に、炎症抑制作用を示した実施例1、2、3の濃縮物を示す。
【0079】
【表7】

【0080】
【表8】

【0081】
【表9】

表7に示されるように、実施例1の濃縮物はムラサキシメジ、ホウロクタケ、ツリガネタ、マゴジャクシ、カワリハツ、ニンギョウタケ、ヒラタケ、ショウゲンジ、カラカサタケ、ムジナタケ、ヤケコゲタケの濃縮物がコントロールよりも高い炎症抑制率を示した。表8に示されるように、実施例2の濃縮物はツキヨタケ、ムキタケ、ホウロクタケ、オオオシロイタケ、ヒラフスベ、アラゲカワラタケ、ツリガネタケ、マゴジャクシ、カワリハツ、ニンギョウタケ、ショウゲンジ、カラカサタケ、ムジナタケ、ヤケコゲタケの濃縮物がコントロールよりも高い炎症抑制率を示した。表9に示されるように、実施例3の濃縮物はいずれもコントロールよりも高い炎症抑制率を示した。
【0082】
(実施例11:保水率測定試験)
実施例1、実施例2、実施例3の濃縮物について、保湿作用を調べるため、肌の保水率測定試験を実施した。方法(1)ヒトの前腕部2cm×2cmに、試料を1mg/mlの50%エタノール水溶液として40μl塗布した。(2)室温で5分後、10分後、15分後の保水率を保水計(インテグラル社製、SKIN DIGNOSTIC SD27)で測定した。(3)試料の保水率を50%エタノールのみを塗布したコントロールと比較し、その相対値を表に示した。
【0083】
表10、表11、表12に、炎症抑制作用を示した実施例1、2、3の濃縮物を示す。
【0084】
【表10】

【0085】
【表11】

【0086】
【表12】

表10〜12に示すように、実施例1、実施例2、実施例3の濃縮物は肌に塗布することで、いずれもコントロールよりも高い保水率を示した。
【0087】
(実施例12:モニタリングテスト)
実施例4のクリームについてモニタリングテストを実施した。方法(1)20〜50才の男女モニター16名(女11名、男5名)に、2ヶ月間、朝と夜2回、顔面への使用を依頼した。(2)2ヵ月後、次の評価基準に従ってアンケート結果を集計し、処方例1の抽出液、培養液無添加のコントロールのクリームと比較した。
【0088】
[美白作用の評価基準]A シミや日焼け後の黒化などの色素沈着の改善に有効。B シミや日焼け後の黒化などの色素沈着の改善にやや有効。C シミや日焼け後の黒化などの色素沈着の改善に無効。
【0089】
[フリーラジカル消去作用の評価基準]A シワやタルミなどの肌の老化の改善に有効。B シワやタルミなどの肌の老化の改善にやや有効。C シワやタルミなどの肌の老化の改善に無効。
【0090】
[抗炎症作用の評価基準]A 肌荒れ、炎症の改善に有効。B 肌荒れ、炎症の改善にやや有効。C 肌荒れ、炎症の改善に無効。
【0091】
[保湿作用の評価基準]A 潤い改善に有効。B 潤い改善にやや有効。C 潤い改善に無効。
【0092】
表13に処方例1とコントロールのモニタリングテストの結果を示す。
【0093】
【表13】

モニタリングテストより、処方例1のクリームはコントロールのクリームと比較して美白作用、フリーラジカル消去作用、抗炎症抑制作用、保湿作用について良好な結果が得られた。
【0094】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明のキノコの子実体、培養液、および培養菌糸体を用いて、皮膚外用剤、美白剤、フリーラジカル消去剤、抗炎症剤、および保湿剤を簡便に調製することが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タコウキン科のホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk.ex Cooke) Yasuda)の子実体の抽出液、ならびに
タコウキン科のホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk.
ex Cooke) Yasuda)、および、マゴジャクシ(Ganoderma
neo−japonicum Imaz.)の培養菌糸体の抽出液からなる群から選択される1種又は2種以上を含有することを特徴とする、抗炎症剤。
【請求項2】
粉末、固体または液体である、請求項に記載の抗炎症剤。
【請求項3】
抗炎症剤を調製するための方法であって、以下
1)子実体の抽出液を得るための候補としての、タコウキン科のホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk.ex Cooke) Yasuda)ならびに
培養菌糸体の抽出液を得るための候補としての、タコウキン科のホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk. ex Cooke) Yasuda)
、および、マゴジャクシ(Ganoderma neo−japonicum Imaz.)からなる群から選択されるキノコから、1種又は2種以上のキノコを選択する工程、および
2)前記選択されたキノコから、子実体の抽出液、又は培養菌糸体の抽出液を得る工程、を包含する、方法。
【請求項4】
前記抽出が、メタノール、エタノール、ヘキサン、ベンゼン、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロホルム、ジエチルエーテル、1、3−ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、および水からなる群から選択される溶媒を用いて行われる、請求項に記載の方法。

【公開番号】特開2010−163459(P2010−163459A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91798(P2010−91798)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【分割の表示】特願2004−52518(P2004−52518)の分割
【原出願日】平成16年2月26日(2004.2.26)
【出願人】(300029569)ゲオール化学株式会社 (12)
【Fターム(参考)】