キャスターのロック操作装置
【課題】動作確認機構を備えたものにしなくても、キャスターがロック状態になっているのか、アンロック状態になっているのかの確認を行い易くしたキャスターのロック操作装置を提供する。
【解決手段】相互に近接させた一対のステップS1 、S2 のそれぞれのステップ部2、3を同一高さに配置し、これらの一方のステップ部2を踏み込み操作して下がった位置にすることにより、キャスターCがロック状態となるようにし、前記他方のステップ部3を踏み込み操作して、下がった位置にした一方のステップ部2を他方のステップ部3と同一高さに戻すことにより、キャスターCがアンロック状態となるようにした。
【解決手段】相互に近接させた一対のステップS1 、S2 のそれぞれのステップ部2、3を同一高さに配置し、これらの一方のステップ部2を踏み込み操作して下がった位置にすることにより、キャスターCがロック状態となるようにし、前記他方のステップ部3を踏み込み操作して、下がった位置にした一方のステップ部2を他方のステップ部3と同一高さに戻すことにより、キャスターCがアンロック状態となるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどで使用される台車に取り付けられているキャスターや、病院、介護施設などで使用される移動式ベッドに取り付けられているキャスターなどをロック状態にしておくのに適したキャスターのロック操作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のキャスターのロック操作装置としては、移動式ベッドに取り付けられているキャスターなどをロック状態にしておくようにしたものが存在する。このロック装置は、例えば図11に示したように、ベッド21のベースフレーム22に取り付けられたキャスターCに実施したものとしており、前記キャスターCを一括的にロック操作、アンロック操作を可能とした連動ロック操作機構23を備えている。この連動ロック操作機構23は、前記ベッド21のベースフレーム22の両端に設けられたキャスターC間に掛け渡された操作バーBの中央個所にセンターステップScと、両端側にサイドステップSsとを配設したものとしている(特許文献1)。
【0003】
さらに、この種のキャスターのロック操作装置としては、例えば図12に示したように、ステップSの踏み込み操作によりキャスターCのロック操作機構Rの操作バーBと連動して回動するようにしたカム軸Xに固着させたカム(図示せず)に、キャスターCがロック状態にあるという表示とアンロック状態にあるという表示とを付した動作確認機構Mを備えたものが存在する。この動作確認機構Mは、ステップSの踏み込み操作を行っていない場合には、前記アンロック状態にあるという表示がカムケース33の窓口33aから露出するようにし、ステップSの踏み込み操作を行った場合には、前記ロック状態にあるという表示がカムケース33の窓口33aから露出するようにしている(特許文献2)。
【0004】
そして、これらのキャスターのロック操作装置では、前記センターステップScまたはサイドステップSsか、前記ステップSを足先で踏んで押し下げたり、これらステップSc、Ss、Sに足先を引っ掛けて押し上げたりして、キャスターをロック状態にしたり、アンロック状態にしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−172903号公報
【特許文献2】特開2005−254842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記図11に示した従来のキャスターのロック操作装置では、キャスターCをロック状態にする場合には、センターステップScまたはサイドステップSsを上側から足先で踏めばよいが、これらセンターステップScまたはサイドステップSsの角度が変わるだけであるので、果してキャスターCがロック状態になっているのか、アンロック状態になっているのかの確認が非常にし辛いという課題を有していた。
【0007】
そのため、上記図12に示した従来のキャスターのロック操作装置では、キャスターCがロック状態にある場合、キャスターCがアンロック状態にある場合の何れにおいても、その確認を動作確認機構Mによってできるようにしたが、この動作確認機構Mを備えたものにするには製造コストが高くなるという課題を有していた。
【0008】
そこで、この発明は、上記従来の問題点を解決することをその課題としており、動作確認機構を備えたものにしなくても、キャスターがロック状態になっているのか、アンロック状態になっているのかの確認を行い易くしたキャスターのロック操作装置を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、この発明のキャスターのロック操作装置は、相互に近接させた一対のステップS1 、S2 のそれぞれのステップ部2、3を同一高さに配置し、これらの一方のステップ部2を踏み込み操作して下がった位置にすることにより、キャスターCがロック状態となるようにし、前記他方のステップ部3を踏み込み操作して、下がった位置にした一方のステップ部2を他方のステップ部3と同一高さに戻すことにより、キャスターCがアンロック状態となるようにしている。
【0010】
そして、この発明のキャスターのロック操作装置は、前記ステップS1 、S2 を、操作バーBの中央に設け、この操作バーBの両端部にそれぞれカム4を設けたものとし、前記ステップ部2、3の交互の踏み込み操作により前記カム4が上下方に回動して、前記キャスターCのロックピン5を昇降動させることにより、キャスターCをロック状態にしたり、アンロック状態にするようにしている。
【0011】
さらに、この発明のキャスターのロック操作装置は、前記ステップS1 、S2 は、基体1に固着された支持体8に回動可能に支持されており、一方のステップS1 は、略直線状に形成されており、その基端部を操作バーBに固着され、その回動端側を前記ステップ部2としており、他方のステップS2 は、略クランク状に形成されており、下方曲部9を支持体8に軸支し、上方曲部10から回動端側を前記ステップ部3とし、前記操作バーBには、コイルバネ11が巻装されており、一端が前記ステップS1 の基端側に係止され、他端が前記ステップS2 の基端側を押圧するようして、前記ステップS1 、S2 どうしが反発し合うようにしている。
【0012】
また、この発明のキャスターのロック操作装置は、前記ステップS1 の中間部に噛み合いギヤ14の一方14aを設け、前記ステップS2 の下方曲部9と上方曲部10との間に噛み合いギヤ14の他方14bを設け、前記ステップS1 、S2 のそれぞれのステップ部2、3の交互の踏み込み操作により、これら噛み合いギヤ14の一方14aと他方14bどうしが、噛み合ったり、噛み合いがずれて外れたりするようにしている。
【発明の効果】
【0013】
この発明のキャスターのロック操作装置は、以上に述べたように構成されているので、動作確認機構を備えたものにしなくても、キャスターがロック状態になっているのか、アンロック状態になっているのかの確認が行い易いものとなった。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明のキャスターのロック操作装置を用いた台車の斜視図である。
【図2】図1に示す台車を底面側から見た状態を示す斜視図である。
【図3】この発明のキャスターのロック操作装置の正面図である。
【図4】この発明のキャスターのロック操作装置のステップの正面図である。
【図5】この発明のキャスターのロック操作装置を作動させ、台車のキャスターをロック状態にしている状態の正面図である。
【図6】図5に示す台車のキャスターの一部断面側面図である。
【図7】この発明のキャスターのロック操作装置を作動させずに、台車のキャスターをアンロック状態にしている状態の正面図である。
【図8】図7に示す台車のキャスターの一部断面側面図である。
【図9】この発明のキャスターのロック操作装置がアンロック状態にあるときのステップの状態を示す側面図である。
【図10】この発明のキャスターのロック操作装置がロック状態にあるときのステップの状態を示す側面図である。
【図11】従来のキャスターのロック操作装置の一例を用いたベッドを示す斜視図である。
【図12】従来のキャスターのロック操作装置の他の例を用いたベッド等のベースフレームを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明のキャスターのロック操作装置の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1〜3は、この発明のロック操作装置を、台車Tなどの基体1の四隅に取り付けられたキャスターCの前方または後方の二輪に実施した形態を示している。
【0017】
この発明のロック操作装置は、相互に近接させた一対のステップS1 、S2 のそれぞれのステップ部2、3を同一高さに配置したものとしている。そして、これらの一方のステップ部2を踏み込み操作して下がった位置にすることにより、キャスターCがロック状態となるようにしている。さらに、前記他方のステップ部3を踏み込み操作して、下がった位置にした一方のステップ部2を他方のステップ部3と同一高さに戻すことにより、キャスターCがアンロック状態となるようにしている。
【0018】
すなわち、この発明のロック操作装置は、相互に近接させた一対のステップS1 、S2 を、操作バーBの中央に設け、この操作バーBの両端部にそれぞれカム4を設けたものとしている。このカム4は、それぞれ前記一対のステップS1 、S2 のそれぞれのステップ部2、3の交互の踏み込み操作により上下方に回動して、前記キャスターCのロックピン5を昇降動させることにより、キャスターCをロック状態にしたり、アンロック状態にするようにしている。例えば、図示したように、前記キャスターCは、ロックピン5の昇降動によって、このロックピン5の下端が直接、キャスターCのタイヤ6に接触したり、そのタイヤ6から離れることにより、キャスターCをロック状態にしたり、アンロック状態にするようにしている。なお、前記キャスターCのロックピン5は、カム4が下方に回動したときに、このカム4に頭部5aが押圧され下降するが、カム4が上方に回動したときは、ロックピン5に設けた反発バネ7によって頭部5aが押し返され上昇するようにしている。
【0019】
前記ステップS1 、S2 は、前記基体1に固着された支持体8に回動可能に支持されている。一方のステップS1 は、略直線状に形成されており、その基端部を操作バーBに固着され、その回動端側を前記ステップ部2としている。他方のステップS2 は、略クランク状に形成されており、下方曲部9を支持体8に軸支し、上方曲部10から回動端側を前記ステップ部3としている。そして、前記ステップS1 のステップ部2とステップS2 のステップ部3は、前記したように同一高さに配置するようにしている。
【0020】
さらに、前記操作バーBには、コイルバネ11が巻装されており、一端が前記ステップS1 の基端側に設けた係止爪12に係止され、他端が前記ステップS2 の基端側に設けた押圧凹部13を押圧するようにしている。
【0021】
また、前記ステップS1 の中間部には、噛み合いギヤ14の一方14aを設け、前記ステップS2 の下方曲部9と上方曲部10との間には、噛み合いギヤ14の他方14bを設けたものとしている。そして、前記ステップS1 、S2 のそれぞれのステップ部2、3の交互の踏み込み操作により、これら噛み合いギヤ14の一方14aと他方14bどうしが、噛み合ったり、噛み合いがずれて外れたりするようにしている。
【0022】
すなわち、前記ステップS1 のステップ部2の踏み込み操作により、噛み合いギヤ14の一方14aと他方14bとが噛み合って、キャスターCがロック状態となる位置に操作バーBのカム4を回動させるようにしている。また、前記ステップS2 のステップ部3の踏み込み操作により、噛み合いギヤ14一方14aと他方14bとの噛み合いがずれて外れ、キャスターCがアンロック状態となる位置に操作バーBのカム4を回動させるようにしている。なお、噛み合いギヤ14の一方14aと他方14bとの噛み合いがずれて外れると、ステップS1 のステップ部2とステップS2 のステップ部3はコイルバネ11の反発力によって共に元の位置に戻され、両ステップ部2、3は同一高さに配置するようになる。
【0023】
したがって、この発明のロック操作装置は、前記ステップS1 のステップ部2が踏み込み状態にあるときは、キャスターCがロック状態になっており、前記ステップS1 のステップ部2とステップS2 のステップ部3とが同一高さに配置しているときは、キャスターCがアンロック状態になっているので、キャスターCがロック状態になっているか、アンロック状態になっているかの確認が行い易くなる。
【符号の説明】
【0024】
1 基体
2 ステップ部
3 ステップ部
4 カム
5 ロックピン
8 支持体
9 下方曲部
11 コイルバネ
10 上方曲部
14 噛み合いギヤ
14a 一方
14b 他方
B 操作バー
C キャスター
S1 ステップ
S2 ステップ
【技術分野】
【0001】
この発明は、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどで使用される台車に取り付けられているキャスターや、病院、介護施設などで使用される移動式ベッドに取り付けられているキャスターなどをロック状態にしておくのに適したキャスターのロック操作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のキャスターのロック操作装置としては、移動式ベッドに取り付けられているキャスターなどをロック状態にしておくようにしたものが存在する。このロック装置は、例えば図11に示したように、ベッド21のベースフレーム22に取り付けられたキャスターCに実施したものとしており、前記キャスターCを一括的にロック操作、アンロック操作を可能とした連動ロック操作機構23を備えている。この連動ロック操作機構23は、前記ベッド21のベースフレーム22の両端に設けられたキャスターC間に掛け渡された操作バーBの中央個所にセンターステップScと、両端側にサイドステップSsとを配設したものとしている(特許文献1)。
【0003】
さらに、この種のキャスターのロック操作装置としては、例えば図12に示したように、ステップSの踏み込み操作によりキャスターCのロック操作機構Rの操作バーBと連動して回動するようにしたカム軸Xに固着させたカム(図示せず)に、キャスターCがロック状態にあるという表示とアンロック状態にあるという表示とを付した動作確認機構Mを備えたものが存在する。この動作確認機構Mは、ステップSの踏み込み操作を行っていない場合には、前記アンロック状態にあるという表示がカムケース33の窓口33aから露出するようにし、ステップSの踏み込み操作を行った場合には、前記ロック状態にあるという表示がカムケース33の窓口33aから露出するようにしている(特許文献2)。
【0004】
そして、これらのキャスターのロック操作装置では、前記センターステップScまたはサイドステップSsか、前記ステップSを足先で踏んで押し下げたり、これらステップSc、Ss、Sに足先を引っ掛けて押し上げたりして、キャスターをロック状態にしたり、アンロック状態にしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−172903号公報
【特許文献2】特開2005−254842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記図11に示した従来のキャスターのロック操作装置では、キャスターCをロック状態にする場合には、センターステップScまたはサイドステップSsを上側から足先で踏めばよいが、これらセンターステップScまたはサイドステップSsの角度が変わるだけであるので、果してキャスターCがロック状態になっているのか、アンロック状態になっているのかの確認が非常にし辛いという課題を有していた。
【0007】
そのため、上記図12に示した従来のキャスターのロック操作装置では、キャスターCがロック状態にある場合、キャスターCがアンロック状態にある場合の何れにおいても、その確認を動作確認機構Mによってできるようにしたが、この動作確認機構Mを備えたものにするには製造コストが高くなるという課題を有していた。
【0008】
そこで、この発明は、上記従来の問題点を解決することをその課題としており、動作確認機構を備えたものにしなくても、キャスターがロック状態になっているのか、アンロック状態になっているのかの確認を行い易くしたキャスターのロック操作装置を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、この発明のキャスターのロック操作装置は、相互に近接させた一対のステップS1 、S2 のそれぞれのステップ部2、3を同一高さに配置し、これらの一方のステップ部2を踏み込み操作して下がった位置にすることにより、キャスターCがロック状態となるようにし、前記他方のステップ部3を踏み込み操作して、下がった位置にした一方のステップ部2を他方のステップ部3と同一高さに戻すことにより、キャスターCがアンロック状態となるようにしている。
【0010】
そして、この発明のキャスターのロック操作装置は、前記ステップS1 、S2 を、操作バーBの中央に設け、この操作バーBの両端部にそれぞれカム4を設けたものとし、前記ステップ部2、3の交互の踏み込み操作により前記カム4が上下方に回動して、前記キャスターCのロックピン5を昇降動させることにより、キャスターCをロック状態にしたり、アンロック状態にするようにしている。
【0011】
さらに、この発明のキャスターのロック操作装置は、前記ステップS1 、S2 は、基体1に固着された支持体8に回動可能に支持されており、一方のステップS1 は、略直線状に形成されており、その基端部を操作バーBに固着され、その回動端側を前記ステップ部2としており、他方のステップS2 は、略クランク状に形成されており、下方曲部9を支持体8に軸支し、上方曲部10から回動端側を前記ステップ部3とし、前記操作バーBには、コイルバネ11が巻装されており、一端が前記ステップS1 の基端側に係止され、他端が前記ステップS2 の基端側を押圧するようして、前記ステップS1 、S2 どうしが反発し合うようにしている。
【0012】
また、この発明のキャスターのロック操作装置は、前記ステップS1 の中間部に噛み合いギヤ14の一方14aを設け、前記ステップS2 の下方曲部9と上方曲部10との間に噛み合いギヤ14の他方14bを設け、前記ステップS1 、S2 のそれぞれのステップ部2、3の交互の踏み込み操作により、これら噛み合いギヤ14の一方14aと他方14bどうしが、噛み合ったり、噛み合いがずれて外れたりするようにしている。
【発明の効果】
【0013】
この発明のキャスターのロック操作装置は、以上に述べたように構成されているので、動作確認機構を備えたものにしなくても、キャスターがロック状態になっているのか、アンロック状態になっているのかの確認が行い易いものとなった。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明のキャスターのロック操作装置を用いた台車の斜視図である。
【図2】図1に示す台車を底面側から見た状態を示す斜視図である。
【図3】この発明のキャスターのロック操作装置の正面図である。
【図4】この発明のキャスターのロック操作装置のステップの正面図である。
【図5】この発明のキャスターのロック操作装置を作動させ、台車のキャスターをロック状態にしている状態の正面図である。
【図6】図5に示す台車のキャスターの一部断面側面図である。
【図7】この発明のキャスターのロック操作装置を作動させずに、台車のキャスターをアンロック状態にしている状態の正面図である。
【図8】図7に示す台車のキャスターの一部断面側面図である。
【図9】この発明のキャスターのロック操作装置がアンロック状態にあるときのステップの状態を示す側面図である。
【図10】この発明のキャスターのロック操作装置がロック状態にあるときのステップの状態を示す側面図である。
【図11】従来のキャスターのロック操作装置の一例を用いたベッドを示す斜視図である。
【図12】従来のキャスターのロック操作装置の他の例を用いたベッド等のベースフレームを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明のキャスターのロック操作装置の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1〜3は、この発明のロック操作装置を、台車Tなどの基体1の四隅に取り付けられたキャスターCの前方または後方の二輪に実施した形態を示している。
【0017】
この発明のロック操作装置は、相互に近接させた一対のステップS1 、S2 のそれぞれのステップ部2、3を同一高さに配置したものとしている。そして、これらの一方のステップ部2を踏み込み操作して下がった位置にすることにより、キャスターCがロック状態となるようにしている。さらに、前記他方のステップ部3を踏み込み操作して、下がった位置にした一方のステップ部2を他方のステップ部3と同一高さに戻すことにより、キャスターCがアンロック状態となるようにしている。
【0018】
すなわち、この発明のロック操作装置は、相互に近接させた一対のステップS1 、S2 を、操作バーBの中央に設け、この操作バーBの両端部にそれぞれカム4を設けたものとしている。このカム4は、それぞれ前記一対のステップS1 、S2 のそれぞれのステップ部2、3の交互の踏み込み操作により上下方に回動して、前記キャスターCのロックピン5を昇降動させることにより、キャスターCをロック状態にしたり、アンロック状態にするようにしている。例えば、図示したように、前記キャスターCは、ロックピン5の昇降動によって、このロックピン5の下端が直接、キャスターCのタイヤ6に接触したり、そのタイヤ6から離れることにより、キャスターCをロック状態にしたり、アンロック状態にするようにしている。なお、前記キャスターCのロックピン5は、カム4が下方に回動したときに、このカム4に頭部5aが押圧され下降するが、カム4が上方に回動したときは、ロックピン5に設けた反発バネ7によって頭部5aが押し返され上昇するようにしている。
【0019】
前記ステップS1 、S2 は、前記基体1に固着された支持体8に回動可能に支持されている。一方のステップS1 は、略直線状に形成されており、その基端部を操作バーBに固着され、その回動端側を前記ステップ部2としている。他方のステップS2 は、略クランク状に形成されており、下方曲部9を支持体8に軸支し、上方曲部10から回動端側を前記ステップ部3としている。そして、前記ステップS1 のステップ部2とステップS2 のステップ部3は、前記したように同一高さに配置するようにしている。
【0020】
さらに、前記操作バーBには、コイルバネ11が巻装されており、一端が前記ステップS1 の基端側に設けた係止爪12に係止され、他端が前記ステップS2 の基端側に設けた押圧凹部13を押圧するようにしている。
【0021】
また、前記ステップS1 の中間部には、噛み合いギヤ14の一方14aを設け、前記ステップS2 の下方曲部9と上方曲部10との間には、噛み合いギヤ14の他方14bを設けたものとしている。そして、前記ステップS1 、S2 のそれぞれのステップ部2、3の交互の踏み込み操作により、これら噛み合いギヤ14の一方14aと他方14bどうしが、噛み合ったり、噛み合いがずれて外れたりするようにしている。
【0022】
すなわち、前記ステップS1 のステップ部2の踏み込み操作により、噛み合いギヤ14の一方14aと他方14bとが噛み合って、キャスターCがロック状態となる位置に操作バーBのカム4を回動させるようにしている。また、前記ステップS2 のステップ部3の踏み込み操作により、噛み合いギヤ14一方14aと他方14bとの噛み合いがずれて外れ、キャスターCがアンロック状態となる位置に操作バーBのカム4を回動させるようにしている。なお、噛み合いギヤ14の一方14aと他方14bとの噛み合いがずれて外れると、ステップS1 のステップ部2とステップS2 のステップ部3はコイルバネ11の反発力によって共に元の位置に戻され、両ステップ部2、3は同一高さに配置するようになる。
【0023】
したがって、この発明のロック操作装置は、前記ステップS1 のステップ部2が踏み込み状態にあるときは、キャスターCがロック状態になっており、前記ステップS1 のステップ部2とステップS2 のステップ部3とが同一高さに配置しているときは、キャスターCがアンロック状態になっているので、キャスターCがロック状態になっているか、アンロック状態になっているかの確認が行い易くなる。
【符号の説明】
【0024】
1 基体
2 ステップ部
3 ステップ部
4 カム
5 ロックピン
8 支持体
9 下方曲部
11 コイルバネ
10 上方曲部
14 噛み合いギヤ
14a 一方
14b 他方
B 操作バー
C キャスター
S1 ステップ
S2 ステップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に近接させた一対のステップ(S1 、S2 )のそれぞれのステップ部(2、3)を同一高さに配置し、これらの一方のステップ部(2)を踏み込み操作して下がった位置にすることにより、キャスター(C)がロック状態となるようにし、前記他方のステップ部(3)を踏み込み操作して、下がった位置にした一方のステップ部(2)を他方のステップ部(3)と同一高さに戻すことにより、キャスター(C)がアンロック状態となるようにしたことを特徴とするキャスターのロック操作装置。
【請求項2】
前記ステップ(S1 、S2 )を、操作バー(B)の中央に設け、この操作バー(B)の両端部にそれぞれカム(4)を設けたものとし、前記ステップ部(2、3)の交互の踏み込み操作により前記カム(4)が上下方に回動して、前記キャスター(C)のロックピン(5)を昇降動させることにより、キャスター(C)をロック状態にしたり、アンロック状態にするようにしたことを特徴とする請求項1記載のキャスターのロック操作装置。
【請求項3】
前記ステップ(S1 、S2 )は、基体(1)に固着された支持体(8)に回動可能に支持されており、一方のステップ(S1 )は、略直線状に形成されており、その基端部を操作バー(B)に固着され、その回動端側を前記ステップ部(2)としており、他方のステップ(S2 )は、略クランク状に形成されており、下方曲部(9)を支持体(8)に軸支し、上方曲部(10)から回動端側を前記ステップ部(3)とし、前記操作バー(B)には、コイルバネ(11)が巻装されており、一端が前記ステップ(S1 )の基端側に係止され、他端が前記ステップ(S2 )の基端側を押圧するようして、前記ステップ(S1 、S2 )どうしが反発し合うようにしたことを特徴とする請求項1または2記載のキャスターのロック操作装置。
【請求項4】
前記ステップ(S1 )の中間部に噛み合いギヤ(14)の一方(14a)を設け、前記ステップ(S2 )の下方曲部(9)と上方曲部(10)との間に噛み合いギヤ(14)の他方(14b)を設け、前記ステップ(S1 、S2 )のそれぞれのステップ部(2、3)の交互の踏み込み操作により、これら噛み合いギヤ(14)の一方(14a)と他方(14b)どうしが、噛み合ったり、噛み合いがずれて外れたりするようにしたことを特徴とする請求項3記載のキャスターのロック操作装置。
【請求項1】
相互に近接させた一対のステップ(S1 、S2 )のそれぞれのステップ部(2、3)を同一高さに配置し、これらの一方のステップ部(2)を踏み込み操作して下がった位置にすることにより、キャスター(C)がロック状態となるようにし、前記他方のステップ部(3)を踏み込み操作して、下がった位置にした一方のステップ部(2)を他方のステップ部(3)と同一高さに戻すことにより、キャスター(C)がアンロック状態となるようにしたことを特徴とするキャスターのロック操作装置。
【請求項2】
前記ステップ(S1 、S2 )を、操作バー(B)の中央に設け、この操作バー(B)の両端部にそれぞれカム(4)を設けたものとし、前記ステップ部(2、3)の交互の踏み込み操作により前記カム(4)が上下方に回動して、前記キャスター(C)のロックピン(5)を昇降動させることにより、キャスター(C)をロック状態にしたり、アンロック状態にするようにしたことを特徴とする請求項1記載のキャスターのロック操作装置。
【請求項3】
前記ステップ(S1 、S2 )は、基体(1)に固着された支持体(8)に回動可能に支持されており、一方のステップ(S1 )は、略直線状に形成されており、その基端部を操作バー(B)に固着され、その回動端側を前記ステップ部(2)としており、他方のステップ(S2 )は、略クランク状に形成されており、下方曲部(9)を支持体(8)に軸支し、上方曲部(10)から回動端側を前記ステップ部(3)とし、前記操作バー(B)には、コイルバネ(11)が巻装されており、一端が前記ステップ(S1 )の基端側に係止され、他端が前記ステップ(S2 )の基端側を押圧するようして、前記ステップ(S1 、S2 )どうしが反発し合うようにしたことを特徴とする請求項1または2記載のキャスターのロック操作装置。
【請求項4】
前記ステップ(S1 )の中間部に噛み合いギヤ(14)の一方(14a)を設け、前記ステップ(S2 )の下方曲部(9)と上方曲部(10)との間に噛み合いギヤ(14)の他方(14b)を設け、前記ステップ(S1 、S2 )のそれぞれのステップ部(2、3)の交互の踏み込み操作により、これら噛み合いギヤ(14)の一方(14a)と他方(14b)どうしが、噛み合ったり、噛み合いがずれて外れたりするようにしたことを特徴とする請求項3記載のキャスターのロック操作装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−101562(P2012−101562A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248844(P2010−248844)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(000111731)ハンマーキャスター株式会社 (17)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(000111731)ハンマーキャスター株式会社 (17)
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