キャスターの制動機構
【課題】トータルロック機構を採用し易くし、車輪の旋回と回転を同時に規制したり、その旋回と回転の規制を同時に解除することができるキャスターの制動機構を提供する。
【解決手段】移動物品の底部2の四隅に取り付けられ、その底部2の両側において前後のキャスターCのロックシュー3の操作部3aにキックバネ4の反発力が作用するようにして、前記操作部3aを操作杆5の端部に連繋させたものとし、前記両側の操作杆5の中央部を前記移動物品の底部2に軸支して揺動自在とし、何れか一側又は両側の操作杆5にカムレバー6を連結したものとし、前記カムレバー6の操作によって、前記操作杆5を揺動させて、前記キャスターCのロックシュー3を昇降動させ、ロックシュー3の下周端が、前記キャスターCの車輪10の接地面から離れた状態になったり、前記キャスターCの車輪10の接地面に摩擦力を以て接触した状態になるようにした。
【解決手段】移動物品の底部2の四隅に取り付けられ、その底部2の両側において前後のキャスターCのロックシュー3の操作部3aにキックバネ4の反発力が作用するようにして、前記操作部3aを操作杆5の端部に連繋させたものとし、前記両側の操作杆5の中央部を前記移動物品の底部2に軸支して揺動自在とし、何れか一側又は両側の操作杆5にカムレバー6を連結したものとし、前記カムレバー6の操作によって、前記操作杆5を揺動させて、前記キャスターCのロックシュー3を昇降動させ、ロックシュー3の下周端が、前記キャスターCの車輪10の接地面から離れた状態になったり、前記キャスターCの車輪10の接地面に摩擦力を以て接触した状態になるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、サイドテーブル、運搬台車、キャビネット、テレビ台、その他ボックス等に取り付けられたキャスターの制動機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のキャスターは、例えば図13に示したように、運搬台車Tの底部に取り付けられ、運搬台車Tのハンドル部Hに設けた操作レバーLの操作により、車輪31の旋回を規制したり解除することができるようにしたものが存在する。このキャスターは、図14、15に示したように、支軸32の軸心に貫通させた操作ワイヤー33の上端を、運搬台車Tのハンドル部Hに設けた操作レバーLに連結し、前記操作ワイヤー33の下端を、支軸32に旋回自在に取り付けた車輪用フレーム34に揺動自在に取り付けた係止部材35の一端35aに連結し、この係止部材35の他端35bをねじりコイルバネ36の付勢力を得て、前記支軸32下部の固定板37に設けた係止溝37aに係止させた状態にしたものとしている(特許文献1)。
【0003】
このように構成した従来のキャスターは、前記操作レバーLを操作しない状態(図13の実線の状態)では、図14に示したように、車輪用フレーム34に取り付けた係止部材35の他端35bが、ねじりコイルバネ36の付勢力を得て、支軸32下部の固定板37に設けた係止溝37aに係止した状態となっているので、車輪用フレーム34と固定板37は係着した状態となり、車輪用フレーム34が旋回しなくなり、その結果、車輪用フレーム34に取り付けられた車輪31も旋回が規制されたロック状態となるようにしている。
【0004】
さらに、従来のキャスターは、前記操作レバーLを操作(図13の仮想線の状態)すると、図15に示したように、操作ワイヤー33が上に引かれ、係止部材35の一端35aがねじりコイルバネ36の付勢力に反して引き上げられるので、係止部材35の他端35bが引き下げられる。すると、この係止部材35の他端35bと、支軸32下部の固定板37に設けた係止溝37aとの係止状態が解除され、車輪用フレーム34と固定板37は自由な状態となり、車輪用フレーム34が旋回自在となり、その結果、車輪用フレーム34に取り付けられた車輪31も旋回規制が解除されたアンロック状態となるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−54209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のキャスターでは、運搬台車の底部には通常、その前後に二個所ずつの合計四個所に取り付けるようにしているが、そのうちの一個所に取り付けた車輪31の旋回を規制するようにしているため、前二個所に取り付けた二個のキャスターの車輪31を同時に、後二個所に取り付けた二個のキャスターの車輪31を同時に、または前後二個所ずつに取り付けた四個のキャスターの車輪31を同時に、それらの旋回を規制するというトータルロック機構を採用し難く、汎用性に乏しいという問題点を有していた。
【0007】
さらに、上記従来のキャスターに取り付けられた旋回規制機構は、車輪31の旋回を規制したり、その旋回規制を解除することができるが、この動作と同時に、車輪31の回転を規制したり、その回転規制を解除することができず、機能性に劣るという問題点を有していた。
【0008】
また、上記従来のキャスターに取り付けられた旋回規制機構は、車輪用フレーム34内にねじりコイルバネ36を組み込んでいるので、キャスターの全高が高くなり、運搬台車の底部に取り付けると、運搬台車の全高も高くなり、その運搬台車が不安定になるという問題点を有していた。
【0009】
そこで、この発明は、上記従来の問題点を解決することをその課題としており、トータルロック機構を採用し易くし、車輪の旋回と回転を同時に規制したり、その旋回と回転の規制を同時に解除することができ、しかもサイドテーブル、運搬台車、キャビネット等の移動物品の底部に取り付けても、その移動物品の全高が高くなることのないキャスターの制動機構を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、この発明のキャスターの制動機構は、移動物品1の底部2の四隅にそれぞれ取り付けられ、その底部2の両側においてそれぞれ前後のキャスターCのロックシュー3の操作部3aにそれぞれキックバネ4の反発力が作用するようにして、前記操作部3aを操作杆5の端部に連繋させたものとし、前記両側の操作杆5のそれぞれ中央部を前記移動物品1の底部2にそれぞれ軸支して揺動自在とし、何れか一側又は両側の操作杆5にカムレバー6を連結したものとし、前記カムレバー6の操作によって、前記操作杆5を揺動させて、前記キャスターCのロックシュー3を昇降動させ、ロックシュー3の下周端3bが、前記キャスターCの車輪10の接地面10aから離れた状態になったり、前記キャスターCの車輪10の接地面10aに摩擦力を以て接触した状態になるようにしている。
【0011】
そして、この発明のキャスターの制動機構は、移動物品1の底部2の四隅にそれぞれ取り付けられ、その底部2の両側においてそれぞれ前後のキャスターCのロックシュー3の操作部3aにそれぞれキックバネ4の反発力が作用するようにして、前記操作部3aを操作杆5の端部に連繋させたものとし、前記両側の操作杆5のそれぞれ中央部を前記移動物品1の底部2にそれぞれ軸支して揺動自在とし、何れか一側の操作杆5にカムレバー6を連結したものとし、前記軸支部からそれぞれ一方に距離をおいて力点となる個所間に、引き線7を掛け渡したものとし、前記カムレバー6の操作によって、前記両側の操作杆5をそれぞれ揺動させて、前記キャスターCのロックシュー3を昇降動させ、ロックシュー3の下周端3bが、前記キャスターCの車輪10の接地面10aから離れた状態になったり、前記キャスターCの車輪10の接地面10aに摩擦力を以て接触した状態になるようにしている。
【0012】
さらに、この発明のキャスターの制動機構において、前記キャスターCは、移動物品1の底部2に固着される取付プレート11の下方に円筒状としたロックシューガイド12を固定し、このロックシューガイド12の外周に設けたネジ溝12aに、円筒状とした前記ロックシュー3の内周に設けたネジ溝3cを螺合させ、このロックシュー3を回動させことにより昇降動させるようにし、前記取付プレート11の下方に本体フレーム13を旋回自在に取り付け、さらに前記本体フレーム13に前記車輪10を回転自在に取り付けたものとしている。
【0013】
また、この発明のキャスターの制動機構において、前記ロックシューガイド12内に本体フレーム13の頭部13aが入り込むようにしている。
【発明の効果】
【0014】
この発明のキャスターの制動機構は、以上に述べたように構成されているので、トータルロック機構を採用し易くなると共に、サイドテーブル、運搬台車、キャビネット等の移動物品の安定的なロック状態を得ることができる。
【0015】
さらに、この発明のキャスターの制動機構は、車輪の旋回と回転を同時に規制したり、その旋回と回転の規制を同時に解除することができるものとなり、操作性や機能性に優れたものとなる。
【0016】
また、この発明のキャスターの制動機構は、サイドテーブル、運搬台車、キャビネット等の移動物品の底部に取り付けても、これら移動物品の全高が高くならず、重心が低くなり安定したものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の制動機構を用いたキャスターを取り付けたサイドテーブルの斜視図である。
【図2】図1に示すサイドテーブルのキャスターを取り付けた部分の側面図である。
【図3】図1に示すサイドテーブルのキャスターがアンロック状態のときの底面図である。
【図4】図1に示すサイドテーブルのキャスターがロック状態のときの底面図である。
【図5】図3中の円A1 で囲んだ部分の拡大図である。
【図6】図3中の円B1 で囲んだ部分の拡大図である。
【図7】図4中の円A2 で囲んだ部分の拡大図である。
【図8】図4中の円B2 で囲んだ部分の拡大図である。
【図9】この発明の制動機構によりアンロック状態にあるキャスターの半断面図である。
【図10】この発明の制動機構によりロック状態にあるキャスターの半断面図である。
【図11】この発明の制動機構に用いるキャスターの分解斜視図である。
【図12】図11に示すキャスターのロックシューガイドの側面図である。
【図13】従来のキャスターを運搬台車の底部に取り付けた状態を示す側面図である。
【図14】図13に示す従来のキャスターに取り付けられた旋回規制機構によるキャスターのロック状態を示す断面図である。
【図15】図13に示す従来のキャスターに取り付けられた旋回規制機構によるキャスターのアンロック状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明のキャスターの制動機構の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
この発明のキャスターの制動機構は、サイドテーブル、運搬台車、キャビネット等の移動物品1の底部2に取り付けられるキャスターCに用いられる。
【0020】
図示したこの発明のキャスターの制動機構は、移動物品1をサイドテーブルとした場合の実施形態を示しており、その底部2の四隅にそれぞれ取り付けられ、その底部2の両側においてそれぞれ前後のキャスターCのロックシュー3の操作部3aにそれぞれキックバネ4の反発力が作用するようにして、前記操作部3aを操作杆5の端部に遊びをもたせて連繋させたものとしている。
【0021】
前記キックバネ4は、ねじりコイルバネなどとしており、一端を前記ロックシュー3の操作部3aに軸支し、他端を前記移動物品1の底部2に固着している。
【0022】
前記両側の操作杆5は、それぞれ中央部を前記移動物品1の底部2にそれぞれ軸支して揺動自在とし、何れか一側又は両側の操作杆5にカムレバー6を連結したものとし、前記軸支部からそれぞれ一方に距離をおいて力点となる個所間に、ワイヤーなどの引き線7を掛け渡したものとしている。なお、前記個所間には、引き線7を掛け渡したものとしないこともできるが、この場合、前記四隅に取り付けたキャスターCの車輪10をすべて制動するには、前記両側の操作杆5にそれぞれカムレバー6を連結したものとし、それぞれのカムレバー6を操作する必要がある。
【0023】
さらに、前記両側の操作杆5は、それぞれ両端に開口5aを形成したものとし、前記ロックシュー3の操作部3aに軸支したキックバネ4の軸支部が、前記開口5aに入り込み、この開口5aに前記操作部3aを遊びをもたせて連繋したものとしている。
【0024】
前記カムレバー6は、レバー6aとカム6bを一定の角度をもたせて、それぞれの基端どうしを連結すると共に、それぞれの基端を前記移動物品1の底部2に軸支したものとし、レバー6aの回動端を前記移動物品1の底部2の外方に突出させたものとしている。
【0025】
前記カムレバー6のカム6bは、その回動端にボールベアリング8を取り付け、このボールベアリング8がカムレバー6の操作によって、操作杆5の長さ方向に形成した案内孔5bに沿って移動することによって、操作杆4を揺動させるようにしている。
【0026】
そして、前記カムレバー6の操作によって、前記両側の操作杆5をそれぞれ揺動させて、前記キャスターCのロックシュー3を回動させことにより昇降動させ、図3、6、9に示したように、ロックシュー3の下周端3bが、前記キャスターCの車輪10の接地面10aから離れた状態になったり、図4、8、10に示したように、前記キックバネ4の反発力を受けて、前記キャスターCの車輪10の接地面10aに摩擦力を以て接触した状態になるようにしている。
【0027】
前記キャスターCは、移動物品1の底部2に固着される取付プレート11の下方に円筒状としたロックシューガイド12を固定し、このロックシューガイド12の外周に設けたネジ溝12aに、円筒状とした前記ロックシュー3の内周に設けたネジ溝3cを螺合させたものとしている。
【0028】
さらに、前記キャスターCは、前記取付プレート11の下方に、前記ロックシューガイド12内に本体フレーム13の頭部13aが入り込むようにして、この本体フレーム13を旋回自在に取り付けたものとし、前記本体フレーム13の足部13bに前記車輪10を回転自在に取り付けたものとしている。
【0029】
前記取付プレート11は、略円形状としており、外方に120°間隔又は180°間隔で突出させた張出部11aにそれぞれネジ孔14を設け、その内方に120°間隔でそれぞれ止孔15を設け、前記ネジ孔14にはそれぞれネジ16を差し込んで、移動物品1の底部2にネジ止めして固着したものとしている。
【0030】
前記ロックシューガイド12は、アルミ合金などの軽金属や硬質の合成樹脂などからなり、平坦な円筒状としており、上面の三個所に120°間隔で凸部17を設け、これら凸部17を前記取付プレート11の止孔15にそれぞれ嵌合することにより、この取付プレート11に固定したものとしている。
【0031】
前記ロックシュー3は、アルミ合金などの軽金属や硬質の合成樹脂などからなり、平坦な円筒状としており、外周部には前記操作部3aが設けられており、この操作部3aには前記キックバネ4の一端が軸支されている。さらに、前記ロックシュー3の下周端3bは、前記車輪10の接地面10aに摩擦力を以て接触し易いように、凹凸形状にしたり、軟質の合成樹脂やゴムなどを一体または別体として設けたものとすることができる。
【0032】
前記操作杆5は、長尺の金属板や金属棒などからなるものとしており、ロックシュー3を上昇させる場合には、前記キックバネ4の反発力に逆らうようにし、ロックシュー3を下降させる場合には、前記キックバネ4の反発力を受けるようにして、前記ロックシュー3を30〜90°の回動角で回動操作するようにしている。
【0033】
前記本体フレーム13は、ボールベアリング18を介して前記取付プレート11の下方に旋回自在に取り付けられており、足部13bの下端には支軸孔19が設けられ、この支軸孔19に貫通した車軸20に前記車輪10を軸支している。そして、この本体フレーム13を一方向に傾斜させたものにすることにより、車輪10が一方向のみ回転する構造(ワンウエイクラッチ)としている。
【0034】
以上のように構成したこの発明のキャスターの制動機構は、図3に示したように、カムレバー6を操作しない状態では、図9に示したように、ロックシュー3の下周端3bが、車輪10の接地面10aから離れた状態になっており、キャスターCの車輪10は旋回および回転が規制されていないアンロック状態になっている。
【0035】
そこで、前記カムレバー6を図3に示した状態から図4に示した状態に操作すると、ロックシュー3が回動し、下降する。すなわち、前記カムレバー6を操作すると、カム6bの回動端に取り付けたボールベアリング8が操作杆5の案内孔5bに沿って移動し、このカムレバー6側の操作杆5が揺動し、この操作杆5の揺動によって引き線7が引かれ、前記カムレバー6の他側の操作杆5も同時に揺動し、これら操作杆5の揺動によって、移動物品1の底部2の四隅のキャスターCのロックシュー3が同時に回動し、それぞれのロックシュー3が下降して、図10に示した状態となり、前記キックバネ4の反発力を受けて、それぞれのロックシュー3の下周端3bが、それぞれの車輪10の接地面10aに摩擦力を以て接触した状態になり、前記四隅のキャスターCの車輪10は同時に旋回および回転が規制されたロック状態となる。なお、この場合、前記四隅のキャスターCのロックシュー3は、それぞれのキックバネ4の反発力を受けているので、それぞれのキャスターCの車輪10において、安定した制動力を得ることができる。
【0036】
なお、前記両側の操作杆5間に引き線7を掛け渡したものとしていない場合には、前記カムレバー6を操作すると、このカムレバー6側の操作杆5だけが揺動し、前記移動物品1の底部2の二隅のキャスターCのロックシュー3が同時に回動し、それぞれのロックシュー3が下降して、前記キックバネ4の反発力を受けて、それぞれのロックシュー3の下周端3bが、それぞれの車輪10の接地面10aに摩擦力を以て接触した状態になり、前記二隅のキャスターCの車輪10は同時に旋回および回転が規制されたロック状態となる。
【0037】
さらに、図4、10に示した状態から、操作杆5を元の状態に戻すと、ロックシュー3が元の状態に回動し、上昇して、再び図3、9に示した状態となり、ロックシュー3の下周端3bが、車輪10の接地面10aから離れた状態になり、キャスターCの車輪10は旋回および回転が規制されていないアンロック状態となる。
【0038】
以上に述べたように、この発明のキャスターの制動機構は、簡単な操作で、移動物品1の底部2の四隅又は二隅に取り付けたキャスターCの車輪10を同時にロック状態やアンロック状態にすることができるので、トータルロック機構を採用し易くなると共に、安定的なロック状態を得ることができるものとなる。
【0039】
さらに、この発明のキャスターの制動機構は、車輪10の旋回と回転を同時に規制したり、その旋回と回転の規制を同時に解除することができるものとなり、操作性や機能性に優れたものとなる。
【0040】
また、この発明のキャスターの制動機構は、ロックシューガイド12内に本体フレーム13の頭部13aが入り込むようにしており、しかも本体フレーム13内にキックバネ4を収容していないので、キャスターCの全高が低くなり、移動物品1の底部2に取り付けても、移動物品1の全高が高くならず、その移動物品1の重心が低くなり安定したものとなる。
【符号の説明】
【0041】
1 移動物品
2 底部
3 ロックシュー
3a 操作部
3b 下周端
3c ネジ溝
4 キックバネ
5 操作杆
6 カムレバー
7 引き線
10 車輪
10a 接地面
11 取付プレート
12 ロックシューガイド
12a ネジ溝
13 本体フレーム
13a 頭部
C キャスター
【技術分野】
【0001】
この発明は、サイドテーブル、運搬台車、キャビネット、テレビ台、その他ボックス等に取り付けられたキャスターの制動機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のキャスターは、例えば図13に示したように、運搬台車Tの底部に取り付けられ、運搬台車Tのハンドル部Hに設けた操作レバーLの操作により、車輪31の旋回を規制したり解除することができるようにしたものが存在する。このキャスターは、図14、15に示したように、支軸32の軸心に貫通させた操作ワイヤー33の上端を、運搬台車Tのハンドル部Hに設けた操作レバーLに連結し、前記操作ワイヤー33の下端を、支軸32に旋回自在に取り付けた車輪用フレーム34に揺動自在に取り付けた係止部材35の一端35aに連結し、この係止部材35の他端35bをねじりコイルバネ36の付勢力を得て、前記支軸32下部の固定板37に設けた係止溝37aに係止させた状態にしたものとしている(特許文献1)。
【0003】
このように構成した従来のキャスターは、前記操作レバーLを操作しない状態(図13の実線の状態)では、図14に示したように、車輪用フレーム34に取り付けた係止部材35の他端35bが、ねじりコイルバネ36の付勢力を得て、支軸32下部の固定板37に設けた係止溝37aに係止した状態となっているので、車輪用フレーム34と固定板37は係着した状態となり、車輪用フレーム34が旋回しなくなり、その結果、車輪用フレーム34に取り付けられた車輪31も旋回が規制されたロック状態となるようにしている。
【0004】
さらに、従来のキャスターは、前記操作レバーLを操作(図13の仮想線の状態)すると、図15に示したように、操作ワイヤー33が上に引かれ、係止部材35の一端35aがねじりコイルバネ36の付勢力に反して引き上げられるので、係止部材35の他端35bが引き下げられる。すると、この係止部材35の他端35bと、支軸32下部の固定板37に設けた係止溝37aとの係止状態が解除され、車輪用フレーム34と固定板37は自由な状態となり、車輪用フレーム34が旋回自在となり、その結果、車輪用フレーム34に取り付けられた車輪31も旋回規制が解除されたアンロック状態となるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−54209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のキャスターでは、運搬台車の底部には通常、その前後に二個所ずつの合計四個所に取り付けるようにしているが、そのうちの一個所に取り付けた車輪31の旋回を規制するようにしているため、前二個所に取り付けた二個のキャスターの車輪31を同時に、後二個所に取り付けた二個のキャスターの車輪31を同時に、または前後二個所ずつに取り付けた四個のキャスターの車輪31を同時に、それらの旋回を規制するというトータルロック機構を採用し難く、汎用性に乏しいという問題点を有していた。
【0007】
さらに、上記従来のキャスターに取り付けられた旋回規制機構は、車輪31の旋回を規制したり、その旋回規制を解除することができるが、この動作と同時に、車輪31の回転を規制したり、その回転規制を解除することができず、機能性に劣るという問題点を有していた。
【0008】
また、上記従来のキャスターに取り付けられた旋回規制機構は、車輪用フレーム34内にねじりコイルバネ36を組み込んでいるので、キャスターの全高が高くなり、運搬台車の底部に取り付けると、運搬台車の全高も高くなり、その運搬台車が不安定になるという問題点を有していた。
【0009】
そこで、この発明は、上記従来の問題点を解決することをその課題としており、トータルロック機構を採用し易くし、車輪の旋回と回転を同時に規制したり、その旋回と回転の規制を同時に解除することができ、しかもサイドテーブル、運搬台車、キャビネット等の移動物品の底部に取り付けても、その移動物品の全高が高くなることのないキャスターの制動機構を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで、この発明のキャスターの制動機構は、移動物品1の底部2の四隅にそれぞれ取り付けられ、その底部2の両側においてそれぞれ前後のキャスターCのロックシュー3の操作部3aにそれぞれキックバネ4の反発力が作用するようにして、前記操作部3aを操作杆5の端部に連繋させたものとし、前記両側の操作杆5のそれぞれ中央部を前記移動物品1の底部2にそれぞれ軸支して揺動自在とし、何れか一側又は両側の操作杆5にカムレバー6を連結したものとし、前記カムレバー6の操作によって、前記操作杆5を揺動させて、前記キャスターCのロックシュー3を昇降動させ、ロックシュー3の下周端3bが、前記キャスターCの車輪10の接地面10aから離れた状態になったり、前記キャスターCの車輪10の接地面10aに摩擦力を以て接触した状態になるようにしている。
【0011】
そして、この発明のキャスターの制動機構は、移動物品1の底部2の四隅にそれぞれ取り付けられ、その底部2の両側においてそれぞれ前後のキャスターCのロックシュー3の操作部3aにそれぞれキックバネ4の反発力が作用するようにして、前記操作部3aを操作杆5の端部に連繋させたものとし、前記両側の操作杆5のそれぞれ中央部を前記移動物品1の底部2にそれぞれ軸支して揺動自在とし、何れか一側の操作杆5にカムレバー6を連結したものとし、前記軸支部からそれぞれ一方に距離をおいて力点となる個所間に、引き線7を掛け渡したものとし、前記カムレバー6の操作によって、前記両側の操作杆5をそれぞれ揺動させて、前記キャスターCのロックシュー3を昇降動させ、ロックシュー3の下周端3bが、前記キャスターCの車輪10の接地面10aから離れた状態になったり、前記キャスターCの車輪10の接地面10aに摩擦力を以て接触した状態になるようにしている。
【0012】
さらに、この発明のキャスターの制動機構において、前記キャスターCは、移動物品1の底部2に固着される取付プレート11の下方に円筒状としたロックシューガイド12を固定し、このロックシューガイド12の外周に設けたネジ溝12aに、円筒状とした前記ロックシュー3の内周に設けたネジ溝3cを螺合させ、このロックシュー3を回動させことにより昇降動させるようにし、前記取付プレート11の下方に本体フレーム13を旋回自在に取り付け、さらに前記本体フレーム13に前記車輪10を回転自在に取り付けたものとしている。
【0013】
また、この発明のキャスターの制動機構において、前記ロックシューガイド12内に本体フレーム13の頭部13aが入り込むようにしている。
【発明の効果】
【0014】
この発明のキャスターの制動機構は、以上に述べたように構成されているので、トータルロック機構を採用し易くなると共に、サイドテーブル、運搬台車、キャビネット等の移動物品の安定的なロック状態を得ることができる。
【0015】
さらに、この発明のキャスターの制動機構は、車輪の旋回と回転を同時に規制したり、その旋回と回転の規制を同時に解除することができるものとなり、操作性や機能性に優れたものとなる。
【0016】
また、この発明のキャスターの制動機構は、サイドテーブル、運搬台車、キャビネット等の移動物品の底部に取り付けても、これら移動物品の全高が高くならず、重心が低くなり安定したものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の制動機構を用いたキャスターを取り付けたサイドテーブルの斜視図である。
【図2】図1に示すサイドテーブルのキャスターを取り付けた部分の側面図である。
【図3】図1に示すサイドテーブルのキャスターがアンロック状態のときの底面図である。
【図4】図1に示すサイドテーブルのキャスターがロック状態のときの底面図である。
【図5】図3中の円A1 で囲んだ部分の拡大図である。
【図6】図3中の円B1 で囲んだ部分の拡大図である。
【図7】図4中の円A2 で囲んだ部分の拡大図である。
【図8】図4中の円B2 で囲んだ部分の拡大図である。
【図9】この発明の制動機構によりアンロック状態にあるキャスターの半断面図である。
【図10】この発明の制動機構によりロック状態にあるキャスターの半断面図である。
【図11】この発明の制動機構に用いるキャスターの分解斜視図である。
【図12】図11に示すキャスターのロックシューガイドの側面図である。
【図13】従来のキャスターを運搬台車の底部に取り付けた状態を示す側面図である。
【図14】図13に示す従来のキャスターに取り付けられた旋回規制機構によるキャスターのロック状態を示す断面図である。
【図15】図13に示す従来のキャスターに取り付けられた旋回規制機構によるキャスターのアンロック状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明のキャスターの制動機構の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
この発明のキャスターの制動機構は、サイドテーブル、運搬台車、キャビネット等の移動物品1の底部2に取り付けられるキャスターCに用いられる。
【0020】
図示したこの発明のキャスターの制動機構は、移動物品1をサイドテーブルとした場合の実施形態を示しており、その底部2の四隅にそれぞれ取り付けられ、その底部2の両側においてそれぞれ前後のキャスターCのロックシュー3の操作部3aにそれぞれキックバネ4の反発力が作用するようにして、前記操作部3aを操作杆5の端部に遊びをもたせて連繋させたものとしている。
【0021】
前記キックバネ4は、ねじりコイルバネなどとしており、一端を前記ロックシュー3の操作部3aに軸支し、他端を前記移動物品1の底部2に固着している。
【0022】
前記両側の操作杆5は、それぞれ中央部を前記移動物品1の底部2にそれぞれ軸支して揺動自在とし、何れか一側又は両側の操作杆5にカムレバー6を連結したものとし、前記軸支部からそれぞれ一方に距離をおいて力点となる個所間に、ワイヤーなどの引き線7を掛け渡したものとしている。なお、前記個所間には、引き線7を掛け渡したものとしないこともできるが、この場合、前記四隅に取り付けたキャスターCの車輪10をすべて制動するには、前記両側の操作杆5にそれぞれカムレバー6を連結したものとし、それぞれのカムレバー6を操作する必要がある。
【0023】
さらに、前記両側の操作杆5は、それぞれ両端に開口5aを形成したものとし、前記ロックシュー3の操作部3aに軸支したキックバネ4の軸支部が、前記開口5aに入り込み、この開口5aに前記操作部3aを遊びをもたせて連繋したものとしている。
【0024】
前記カムレバー6は、レバー6aとカム6bを一定の角度をもたせて、それぞれの基端どうしを連結すると共に、それぞれの基端を前記移動物品1の底部2に軸支したものとし、レバー6aの回動端を前記移動物品1の底部2の外方に突出させたものとしている。
【0025】
前記カムレバー6のカム6bは、その回動端にボールベアリング8を取り付け、このボールベアリング8がカムレバー6の操作によって、操作杆5の長さ方向に形成した案内孔5bに沿って移動することによって、操作杆4を揺動させるようにしている。
【0026】
そして、前記カムレバー6の操作によって、前記両側の操作杆5をそれぞれ揺動させて、前記キャスターCのロックシュー3を回動させことにより昇降動させ、図3、6、9に示したように、ロックシュー3の下周端3bが、前記キャスターCの車輪10の接地面10aから離れた状態になったり、図4、8、10に示したように、前記キックバネ4の反発力を受けて、前記キャスターCの車輪10の接地面10aに摩擦力を以て接触した状態になるようにしている。
【0027】
前記キャスターCは、移動物品1の底部2に固着される取付プレート11の下方に円筒状としたロックシューガイド12を固定し、このロックシューガイド12の外周に設けたネジ溝12aに、円筒状とした前記ロックシュー3の内周に設けたネジ溝3cを螺合させたものとしている。
【0028】
さらに、前記キャスターCは、前記取付プレート11の下方に、前記ロックシューガイド12内に本体フレーム13の頭部13aが入り込むようにして、この本体フレーム13を旋回自在に取り付けたものとし、前記本体フレーム13の足部13bに前記車輪10を回転自在に取り付けたものとしている。
【0029】
前記取付プレート11は、略円形状としており、外方に120°間隔又は180°間隔で突出させた張出部11aにそれぞれネジ孔14を設け、その内方に120°間隔でそれぞれ止孔15を設け、前記ネジ孔14にはそれぞれネジ16を差し込んで、移動物品1の底部2にネジ止めして固着したものとしている。
【0030】
前記ロックシューガイド12は、アルミ合金などの軽金属や硬質の合成樹脂などからなり、平坦な円筒状としており、上面の三個所に120°間隔で凸部17を設け、これら凸部17を前記取付プレート11の止孔15にそれぞれ嵌合することにより、この取付プレート11に固定したものとしている。
【0031】
前記ロックシュー3は、アルミ合金などの軽金属や硬質の合成樹脂などからなり、平坦な円筒状としており、外周部には前記操作部3aが設けられており、この操作部3aには前記キックバネ4の一端が軸支されている。さらに、前記ロックシュー3の下周端3bは、前記車輪10の接地面10aに摩擦力を以て接触し易いように、凹凸形状にしたり、軟質の合成樹脂やゴムなどを一体または別体として設けたものとすることができる。
【0032】
前記操作杆5は、長尺の金属板や金属棒などからなるものとしており、ロックシュー3を上昇させる場合には、前記キックバネ4の反発力に逆らうようにし、ロックシュー3を下降させる場合には、前記キックバネ4の反発力を受けるようにして、前記ロックシュー3を30〜90°の回動角で回動操作するようにしている。
【0033】
前記本体フレーム13は、ボールベアリング18を介して前記取付プレート11の下方に旋回自在に取り付けられており、足部13bの下端には支軸孔19が設けられ、この支軸孔19に貫通した車軸20に前記車輪10を軸支している。そして、この本体フレーム13を一方向に傾斜させたものにすることにより、車輪10が一方向のみ回転する構造(ワンウエイクラッチ)としている。
【0034】
以上のように構成したこの発明のキャスターの制動機構は、図3に示したように、カムレバー6を操作しない状態では、図9に示したように、ロックシュー3の下周端3bが、車輪10の接地面10aから離れた状態になっており、キャスターCの車輪10は旋回および回転が規制されていないアンロック状態になっている。
【0035】
そこで、前記カムレバー6を図3に示した状態から図4に示した状態に操作すると、ロックシュー3が回動し、下降する。すなわち、前記カムレバー6を操作すると、カム6bの回動端に取り付けたボールベアリング8が操作杆5の案内孔5bに沿って移動し、このカムレバー6側の操作杆5が揺動し、この操作杆5の揺動によって引き線7が引かれ、前記カムレバー6の他側の操作杆5も同時に揺動し、これら操作杆5の揺動によって、移動物品1の底部2の四隅のキャスターCのロックシュー3が同時に回動し、それぞれのロックシュー3が下降して、図10に示した状態となり、前記キックバネ4の反発力を受けて、それぞれのロックシュー3の下周端3bが、それぞれの車輪10の接地面10aに摩擦力を以て接触した状態になり、前記四隅のキャスターCの車輪10は同時に旋回および回転が規制されたロック状態となる。なお、この場合、前記四隅のキャスターCのロックシュー3は、それぞれのキックバネ4の反発力を受けているので、それぞれのキャスターCの車輪10において、安定した制動力を得ることができる。
【0036】
なお、前記両側の操作杆5間に引き線7を掛け渡したものとしていない場合には、前記カムレバー6を操作すると、このカムレバー6側の操作杆5だけが揺動し、前記移動物品1の底部2の二隅のキャスターCのロックシュー3が同時に回動し、それぞれのロックシュー3が下降して、前記キックバネ4の反発力を受けて、それぞれのロックシュー3の下周端3bが、それぞれの車輪10の接地面10aに摩擦力を以て接触した状態になり、前記二隅のキャスターCの車輪10は同時に旋回および回転が規制されたロック状態となる。
【0037】
さらに、図4、10に示した状態から、操作杆5を元の状態に戻すと、ロックシュー3が元の状態に回動し、上昇して、再び図3、9に示した状態となり、ロックシュー3の下周端3bが、車輪10の接地面10aから離れた状態になり、キャスターCの車輪10は旋回および回転が規制されていないアンロック状態となる。
【0038】
以上に述べたように、この発明のキャスターの制動機構は、簡単な操作で、移動物品1の底部2の四隅又は二隅に取り付けたキャスターCの車輪10を同時にロック状態やアンロック状態にすることができるので、トータルロック機構を採用し易くなると共に、安定的なロック状態を得ることができるものとなる。
【0039】
さらに、この発明のキャスターの制動機構は、車輪10の旋回と回転を同時に規制したり、その旋回と回転の規制を同時に解除することができるものとなり、操作性や機能性に優れたものとなる。
【0040】
また、この発明のキャスターの制動機構は、ロックシューガイド12内に本体フレーム13の頭部13aが入り込むようにしており、しかも本体フレーム13内にキックバネ4を収容していないので、キャスターCの全高が低くなり、移動物品1の底部2に取り付けても、移動物品1の全高が高くならず、その移動物品1の重心が低くなり安定したものとなる。
【符号の説明】
【0041】
1 移動物品
2 底部
3 ロックシュー
3a 操作部
3b 下周端
3c ネジ溝
4 キックバネ
5 操作杆
6 カムレバー
7 引き線
10 車輪
10a 接地面
11 取付プレート
12 ロックシューガイド
12a ネジ溝
13 本体フレーム
13a 頭部
C キャスター
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動物品(1)の底部(2)の四隅にそれぞれ取り付けられ、その底部(2)の両側においてそれぞれ前後のキャスター(C)のロックシュー(3)の操作部(3a)にそれぞれキックバネ(4)の反発力が作用するようにして、前記操作部(3a)を操作杆(5)の端部に連繋させたものとし、前記両側の操作杆(5)のそれぞれ中央部を前記移動物品(1)の底部(2)にそれぞれ軸支して揺動自在とし、何れか一側又は両側の操作杆(5)にカムレバー(6)を連結したものとし、前記カムレバー(6)の操作によって、前記操作杆(5)を揺動させて、前記キャスター(C)のロックシュー(3)を昇降動させ、ロックシュー(3)の下周端(3b)が、前記キャスター(C)の車輪(10)の接地面(10a)から離れた状態になったり、前記キャスター(C)の車輪(10)の接地面(10a)に摩擦力を以て接触した状態になるようにしたことを特徴とするキャスターの制動機構。
【請求項2】
移動物品(1)の底部(2)の四隅にそれぞれ取り付けられ、その底部(2)の両側においてそれぞれ前後のキャスター(C)のロックシュー(3)の操作部(3a)にそれぞれキックバネ(4)の反発力が作用するようにして、前記操作部(3a)を操作杆(5)の端部に連繋させたものとし、前記両側の操作杆(5)のそれぞれ中央部を前記移動物品(1)の底部(2)にそれぞれ軸支して揺動自在とし、何れか一側の操作杆(5)にカムレバー(6)を連結したものとし、前記軸支部からそれぞれ一方に距離をおいて力点となる個所間に、引き線(7)を掛け渡したものとし、前記カムレバー(6)の操作によって、前記両側の操作杆(5)をそれぞれ揺動させて、前記キャスター(C)のロックシュー(3)を昇降動させ、ロックシュー(3)の下周端(3b)が、前記キャスター(C)の車輪(10)の接地面(10a)から離れた状態になったり、前記キャスター(C)の車輪(10)の接地面(10a)に摩擦力を以て接触した状態になるようにしたことを特徴とするキャスターの制動機構。
【請求項3】
前記キャスター(C)は、移動物品(1)の底部(2)に固着される取付プレート(11)の下方に円筒状としたロックシューガイド(12)を固定し、このロックシューガイド(12)の外周に設けたネジ溝(12a)に、円筒状とした前記ロックシュー(3)の内周に設けたネジ溝(3c)を螺合させ、このロックシュー(3)を回動させことにより昇降動させるようにし、前記取付プレート(11)の下方に本体フレーム(13)を旋回自在に取り付け、さらに前記本体フレーム(13)に前記車輪(10)を回転自在に取り付けたものとしたことを特徴とする請求項1又は2記載のキャスターの制動機構。
【請求項4】
前記ロックシューガイド(12)内に本体フレーム(13)の頭部(13a)が入り込むようにしたことを特徴とする請求項3記載のキャスターの制動機構。
【請求項1】
移動物品(1)の底部(2)の四隅にそれぞれ取り付けられ、その底部(2)の両側においてそれぞれ前後のキャスター(C)のロックシュー(3)の操作部(3a)にそれぞれキックバネ(4)の反発力が作用するようにして、前記操作部(3a)を操作杆(5)の端部に連繋させたものとし、前記両側の操作杆(5)のそれぞれ中央部を前記移動物品(1)の底部(2)にそれぞれ軸支して揺動自在とし、何れか一側又は両側の操作杆(5)にカムレバー(6)を連結したものとし、前記カムレバー(6)の操作によって、前記操作杆(5)を揺動させて、前記キャスター(C)のロックシュー(3)を昇降動させ、ロックシュー(3)の下周端(3b)が、前記キャスター(C)の車輪(10)の接地面(10a)から離れた状態になったり、前記キャスター(C)の車輪(10)の接地面(10a)に摩擦力を以て接触した状態になるようにしたことを特徴とするキャスターの制動機構。
【請求項2】
移動物品(1)の底部(2)の四隅にそれぞれ取り付けられ、その底部(2)の両側においてそれぞれ前後のキャスター(C)のロックシュー(3)の操作部(3a)にそれぞれキックバネ(4)の反発力が作用するようにして、前記操作部(3a)を操作杆(5)の端部に連繋させたものとし、前記両側の操作杆(5)のそれぞれ中央部を前記移動物品(1)の底部(2)にそれぞれ軸支して揺動自在とし、何れか一側の操作杆(5)にカムレバー(6)を連結したものとし、前記軸支部からそれぞれ一方に距離をおいて力点となる個所間に、引き線(7)を掛け渡したものとし、前記カムレバー(6)の操作によって、前記両側の操作杆(5)をそれぞれ揺動させて、前記キャスター(C)のロックシュー(3)を昇降動させ、ロックシュー(3)の下周端(3b)が、前記キャスター(C)の車輪(10)の接地面(10a)から離れた状態になったり、前記キャスター(C)の車輪(10)の接地面(10a)に摩擦力を以て接触した状態になるようにしたことを特徴とするキャスターの制動機構。
【請求項3】
前記キャスター(C)は、移動物品(1)の底部(2)に固着される取付プレート(11)の下方に円筒状としたロックシューガイド(12)を固定し、このロックシューガイド(12)の外周に設けたネジ溝(12a)に、円筒状とした前記ロックシュー(3)の内周に設けたネジ溝(3c)を螺合させ、このロックシュー(3)を回動させことにより昇降動させるようにし、前記取付プレート(11)の下方に本体フレーム(13)を旋回自在に取り付け、さらに前記本体フレーム(13)に前記車輪(10)を回転自在に取り付けたものとしたことを特徴とする請求項1又は2記載のキャスターの制動機構。
【請求項4】
前記ロックシューガイド(12)内に本体フレーム(13)の頭部(13a)が入り込むようにしたことを特徴とする請求項3記載のキャスターの制動機構。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−100011(P2013−100011A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244649(P2011−244649)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000111731)ハンマーキャスター株式会社 (17)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000111731)ハンマーキャスター株式会社 (17)
【Fターム(参考)】
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