説明

キャッシュクラウド構造を用いたキャッシュシステムおよびキャッシングサービス提供方法

【課題】キャッシュクラウド構造を用いたキャッシュシステムおよびキャッシングサービス提供方法が開示される。
【解決手段】キャッシュシステムは、それぞれが独立的に駆動され、統合クラウド管理サーバで管理する複数の仮想レイヤのうち所定の仮想レイヤにそれぞれ登録される複数のキャッシュサーバと、登録されたキャッシュサーバに関する情報を所定の仮想レイヤに接続された少なくとも1つのクライアントに送信する統合クラウド管理サーバとを備える。このとき、送信された情報を用いて、少なくとも1つのクライアントでサーバリストが生成または更新され、サーバリストを用いて登録された所定のキャッシュサーバと少なくとも1つのクライアントとが接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、キャッシュクラウド構造を用いたキャッシュシステムおよびキャッシングサービス提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術に係るキャッシングソリューション(caching solution)では、各クライアントが必要とする全てのキャッシュサーバに接続された構造を有する。このとき、キャッシュサーバに問題が発生すると、クライアントが直接問題を把握して独立的にキャッシュサーバリストを用いてハッシング(hashing)しなければならない。ここで、クライアントはキャッシングソリューションを用いるシステムを意味し、例えば、一般的なウェブシステムではウェブサーバやウェブアプリケーションサーバ(web application server:WAS)を意味する。
【0003】
すなわち、キャッシュサーバの問題をキャッシングソリューションを用いるクライアントが直接解決しなければならないため、全体のクライアントに追加的な機能を追加するクライアント中心のフォールトトレランス(fault−tolerance)が必須である。また、各クライアントが独立的にキャッシュサーバリストをメンテナンスする場合、分散ハッシュテーブルで整合性の問題が発生する。例えば、同じキーに対するハッシュが異なるキャッシュサーバにマッチングされる恐れが存在するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2001−106061号公報
【0005】
したがって、より安全でかつ効率的なキャッシュ技術の導入の要求が高まる傾向である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、クライアントとキャッシュサーバとをプロキシサーバなしで直接接続することで性能および拡張性を向上させることのできるキャッシングシステムおよびキャッシングサービス提供方法を提供する。
【0007】
本発明の他の目的は、プライベートクラウドとパブリッククラウドとが区分されることなく統合クラウド管理サーバの運用のみで全てのキャッシュサーバを制御することのできるキャッシングシステムおよびキャッシングサービス提供方法を提供する。
【0008】
本発明の更なる目的は、クライアントから自己のサービスコードを用いて必要なキャッシュサーバに接続することのできるキャッシングシステムおよびキャッシングサービス提供方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
それぞれが独立的に駆動され、統合クラウド管理サーバで管理される複数の仮想レイヤのうち、所定の仮想レイヤにそれぞれ登録される複数のキャッシュサーバと、登録されたキャッシュサーバに関する情報を所定の仮想レイヤに接続された少なくとも1つのクライアントに送信する統合クラウド管理サーバとを備え、送信された情報を用いて少なくとも1つのクライアントでサーバリストが生成または更新され、サーバリストを用いて登録された所定のキャッシュサーバと少なくとも1つのクライアントとが接続されるキャッシュシステムが提供される。
【0010】
一実施形態によると、統合クラウド管理サーバは、登録されたキャッシュサーバが削除またはダウンされたとき、少なくとも1つのクライアントに削除またはダウンされたキャッシュサーバに関する情報をさらに送信してもよく、少なくとも1つのクライアントは、削除またはダウンされたキャッシュサーバに関する情報を用いてサーバリストを更新してもよい。
【0011】
他の実施形態によると、統合クラウド管理サーバは、登録されたキャッシュサーバに関する情報および削除またはダウンされたキャッシュサーバに関する情報のうち、少なくとも1つを含むメッセージを全順序および因果的順序に応じて少なくとも1つのクライアントに送信してもよい。
【0012】
また、他の実施形態によると、少なくとも1つのクライアントは、登録されたキャッシュサーバに関する情報および削除またはダウンされたキャッシュサーバに関する情報のうち、少なくとも1つを用いてキーのハッシュ値を変更してもよい。
【0013】
複数の仮想レイヤを管理する仮想レイヤ管理部と、複数の仮想レイヤのうち所定の仮想レイヤにキャッシュサーバが登録される場合、登録されたキャッシュサーバに関する情報を所定の仮想レイヤに接続された少なくとも1つのクライアントに送信する情報送信部とを備え、送信された情報を用いて少なくとも1つのクライアントでサーバリストが生成され、サーバリストを用いて少なくとも1つのクライアントが所定の仮想レイヤに登録されたキャッシュサーバに接続される統合クラウド管理サーバが提供される。
【0014】
統合クラウド管理サーバで管理される仮想レイヤに登録されたキャッシュサーバに関する情報を統合クラウド管理サーバを介して受信する情報受信部と、登録されたキャッシュサーバに関する情報を用いてサーバリストを生成または更新するサーバリスト管理部と、サーバリストを用いて仮想レイヤに登録されたキャッシュサーバと通信する通信部とを備えるクライアントシステムが提供される。
【0015】
サーバリストを介してアクセスする少なくとも1つのクライアントと通信する通信部を備え、統合クラウド管理サーバで管理される複数の仮想レイヤのうち所定の仮想レイヤに登録され、統合クラウド管理サーバで登録に関連する情報が所定おの仮想レイヤに接続された少なくとも1つのクライアントに送信され、少なくとも1つのクライアントで登録に関連する情報を用いてサーバリストが生成または更新されるキャッシュサーバが提供される。
【0016】
統合クラウド管理サーバにおいて、それぞれが独立的に駆動される複数のキャッシュサーバを複数の仮想レイヤのうち所定の仮想レイヤに登録し、登録されたキャッシュサーバに関する情報を所定の仮想レイヤに接続された少なくとも1つのクライアントに送信することを含み、送信された情報を用いて少なくとも1つのクライアントでサーバリストが生成または更新され、サーバリストを用いて登録された所定のキャッシュサーバと少なくとも1つのクライアントとが接続されるキャッシングサービス提供方法が提供される。
【0017】
複数の仮想レイヤを管理し、複数の仮想レイヤのうち所定の仮想レイヤにキャッシュサーバが登録される場合、登録されたキャッシュサーバに関する情報を所定の仮想レイヤに接続された少なくとも1つのクライアントに送信することを含み、送信された情報を用いて少なくとも1つのクライアントでサーバリストが生成され、サーバリストを用いて少なくとも1つのクライアントが所定の仮想レイヤに登録されたキャッシュサーバに接続されるキャッシングサービス提供方法が提供される。
【0018】
統合クラウド管理サーバで管理される仮想レイヤに登録されたキャッシュサーバに関する情報を統合クラウド管理サーバを介して受信し、登録されたキャッシュサーバに関する情報を用いてサーバリストを生成または更新し、サーバリストを用いて仮想レイヤに登録されたキャッシュサーバと通信することを含むキャッシングサービス提供方法が提供される。
【0019】
サーバリストを介してアクセスする少なくとも1つのクライアントと通信することを含み、統合クラウド管理サーバで管理される複数の仮想レイヤのうち所定の仮想レイヤに登録され、統合クラウド管理サーバで登録に関連する情報が所定の仮想レイヤに接続された少なくとも1つのクライアントに送信され、少なくとも1つのクライアントで登録に関連する情報を用いてサーバリストが生成または更新されるキャッシングサービス提供方法が提供される。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、クライアントとキャッシュサーバとをプロキシサーバなしで直接接続することで性能および拡張性を向上させることができる。
【0021】
本発明によると、プライベートクラウドとパブリッククラウドとが区分されることなく統合クラウド管理サーバの運用のみで全てのキャッシュサーバを制御することができる。
【0022】
本発明によると、クライアントから自己のサービスコードを用いて必要なキャッシュサーバに接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係るキャッシュシステムの全般的な構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る統合クラウド管理サーバの内部構成を説明するためのブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るクライアントシステムの内部構成を説明するためのブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るキャッシュサーバの内部構成を説明するためのブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るキャッシングサービス提供方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳説する。
【0025】
本発明の実施形態に係るキャッシュシステムは、キャッシュ機能を高速かつ安全に提供するためのサービスであり、基本的にキャッシュクラウドコンピュータの形態で構成されてもよい。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態に係るキャッシュシステムの全般的な構成を示す図である。本実施形態に係るキャッシュシステム100は、図1に示すように複数のクライアント110、複数の仮想レイヤ120、複数のキャッシュサーバ130、および統合クラウド管理サーバ140を含む。
【0027】
このとき、図1における複数のクライアント110は第1クライアントから第3クライアントの3個のクライアントを、複数の仮想レイヤ120は第1仮想レイヤから第4仮想レイヤの4個の仮想レイヤを、複数のキャッシュサーバ130は第1キャッシュサーバから第4キャッシュサーバの4個のキャッシュサーバをそれぞれ含むものと示しているが、このような構成要素の数は発明を説明するための一例に過ぎず、図1に示す個数に限定されることはない。すなわち、必要に応じてこのような構成要素の数は変更され得る。また、複数のキャッシュサーバ130は、第3仮想レイヤに登録されたキャッシュサーバの例を示すもので、他の仮想レイヤにも必要な数のキャッシュサーバが登録されてもよい。それだけではなく、複数のクライアント110と複数の仮想レイヤ120との間には全て矢印が連結されているが、これは複数のクライアント110それぞれが複数の仮想レイヤ120のうち所望するいずれの仮想レイヤにも接続され得ることを意味し、必ず全てのクライアントと全ての仮想レイヤとが互いに接続されることを意味するものではない。
【0028】
まず、複数のクライアント110のそれぞれは、ウェブサーバやアプリケーションサーバなどのようにキャッシングサービスが提供されるクライアントシステムを意味する。このような複数のクライアント110は、複数の仮想レイヤ120のうち、所定の仮想レイヤに登録されたキャッシュサーバのリストのサーバリストを生成および管理する。例えば、第3仮想レイヤに接続されたクライアントは複数のキャッシュサーバ130、すなわち、第1キャッシュサーバから第4キャッシュサーバに関する情報を第3仮想レイヤおよび統合クラウド管理サーバ140を介して取得してもよく、このような情報を用いてサーバリストを生成または更新してもよい。このような複数の仮想レイヤ120は統合クラウド管理サーバ140で管理され、統合クラウド管理サーバ140は所定の仮想レイヤに接続されたクライアントとして登録されたキャッシュサーバに関する情報を送信してもよい。したがって、複数のクライアント110は統合クラウド管理サーバ140を介して受信した情報を用いてサーバリストを生成および管理してもよい。
【0029】
このとき、複数のクライアント110のそれぞれは、自己が管理するサーバリストを用いて所定の仮想レイヤに登録された少なくとも1つのキャッシュサーバを介してキャッシングサービスが提供されてもよい。この場合、本発明の実施形態に係るキャッシュシステム100に含まれるキャッシュサーバとクライアントとは、プロキシサーバなしで直接接続されることで、性能および拡張性を向上させることができる。
【0030】
キャッシュシステム100に含まれるキャッシュサーバは独立的に駆動されてもよく、この場合、自動で自己が属する仮想レイヤに自動的に登録されてもよい。言い換えれば、統合クラウド管理サーバ140はキャッシュサーバが駆動されると、駆動されたキャッシュサーバを所定の仮想レイヤに登録してもよい。一例として、図1では、統合クラウド管理サーバ140が第3仮想レイヤに第1キャッシュサーバから第4キャッシュサーバを登録した場合を示している。このとき、キャッシュサーバは、プロキシサーバなしで独立的に駆動されて各仮想レイヤを介して通信するため、キャッシュサーバ間のネットワークトラフィックがないことからネットワークの性能が向上される。
【0031】
また、上述したように、統合クラウド管理サーバ140は、複数のクライアント110のうち、所定の仮想レイヤに接続されたクライアントと登録されたキャッシュサーバとに関する情報を送信してもよい。これに加えて、統合クラウド管理サーバ140は、登録されたキャッシュサーバが削除またはダウンされる場合、削除またはダウンされたキャッシュサーバに関する情報を所定の仮想レイヤに接続されたクライアントに送信してもよい。
【0032】
複数のクライアント110は、上述したように受信された登録、削除、またはダウンされたキャッシュサーバに関する情報を用いてサーバリストを生成または更新するだけではなく、このような情報を用いてキーのハッシュ値も変更してもよい。このとき、統合クラウド管理サーバ140は、登録、削除、またはダウンされたキャッシュサーバに関する情報を含むメッセージを送信するとき、分散協力サービス(distributed coordination service)を用いて全順序(total order)および因果的順序(causal order)を守ることで、キーハッシュの整合性を一致させることができる。例えば、複数のクライアント110のそれぞれは、所定の仮想レイヤに登録されたキャッシュサーバのサーバリストにイベントを登録してサーバリストが更新される場合、自動でイベントメッセージを受信して変更されたサーバリストを再確認してハッシュ値を変更してもよい。
【0033】
また、1つの仮想レイヤは、提供されるサービスのうち1つのサービスに対応してもよい。すなわち、1つの仮想レイヤに登録されたキャッシュサーバは、1つのサービスのキャッシングサービスを提供するために用いられてもよい。このような仮想レイヤは、統合クラウド管理サーバ140に含まれて管理されてもよく、一実施形態において、仮想レイヤは仮想サービスプロキシノード(virtual service proxy node)として仮想プラクシの役割を行なってもよい。すなわち、統合クラウド管理サーバ140はこのような仮想プラクシの役割を行うことのできる仮想レイヤを含んで必要な全てのキャッシュサーバの管理を担当するため、クラウドとパブリッククラウドとの区分なしに統合クラウド管理サーバ140の運用だけで必要な全てのキャッシュサーバを制御することができる。また、キャッシュサーバおよびクライアントは、統合クラウド管理サーバ140を介してプロキシサーバなしで直接接続されるため、性能および拡張性を向上させることができる。それだけではなく、このような統合クラウド管理サーバ140は複数運用されてもよい。例えば、1つの統合クラウド管理サーバ140に障害が発生した場合、他の統合クラウド管理サーバ140によって自動的に障害が復旧され得る。
【0034】
これに加えて、仮想レイヤの探知と故障探知(failure detection)、障害克服(fail−over)のために用いられる構成要素を最大限にオープンソースのソフトウェアを用いて開発および処理することによって全体的な構造を簡素化することができる。
【0035】
図2は、本発明の一実施形態に係る統合クラウド管理サーバの内部構成を説明するためのブロック図である。本実施形態に係る統合クラウド管理サーバ200は、図1を参照して説明した統合クラウド管理サーバ140に対応してもよい。このような統合クラウド管理サーバ200は、図2に示すように仮想レイヤ管理部210および情報送信部220を備えてもよい。
【0036】
仮想レイヤ管理部210は複数の仮想レイヤを管理する。このような仮想レイヤは複数のキャッシュサーバを分類するためのものとして、1つの仮想レイヤを介して1つのサービスのキャッシングサービスが提供されてもよい。例えば、1つのクライアントが用いるキャッシュサーバが1つの仮想レイヤを介して登録され、クライアントのサービスのためのキャッシングサービスを提供するために用いられてもよい。
【0037】
ここで、複数の仮想レイヤは図1を参照して説明した複数の仮想レイヤ120に対応してもよく、キャッシュサーバは、図1を参照して説明した複数のキャッシュサーバ130に対応してもよい。
【0038】
情報送信部220は、複数の仮想レイヤのうち所定の仮想レイヤにキャッシュサーバが登録される場合、登録されたキャッシュサーバに関する情報を所定の仮想レイヤに接続された少なくとも1つのクライアントに送信する。ここで、少なくとも1つのクライアントは、図1を参照して説明した複数のクライアント110のうち1つのクライアントに対応してもよい。この場合、情報送信部220は登録されたキャッシュサーバが削除またはダウンされたとき、削除またはダウンされたキャッシュサーバに関する情報を少なくとも1つのクライアントにさらに送信してもよい。
【0039】
すなわち、統合クラウド管理サーバ200は、少なくとも1つの仮想レイヤにキャッシュサーバが登録/削除されたり、登録されたキャッシュサーバがダウンされた場合、このようなキャッシュサーバの登録、削除、またはダウンに関連する最小の情報を用いてキャッシュサーバの状況を把握することができる。また、統合クラウド管理サーバ200は受信した情報をクライアントに送信することによって、クライアントが自己のサーバリストを生成または更新するようにしてもよい。この場合、統合クラウド管理サーバ200は、登録されたキャッシュサーバに関する情報、削除、またはダウンされたキャッシュサーバに関する情報のうち、少なくとも1つを含むメッセージを全順序および因果的順序に応じて少なくとも1つのクライアントに送信してもよい。
【0040】
このとき、登録されたキャッシュサーバに関する情報および削除またはダウンされたキャッシュサーバに関する情報のうち、少なくとも1つを用いて少なくとも1つのクライアントでキーのハッシュ値を変更してもよい。上述したように、統合クラウド管理サーバ200の一連の過程は統合クラウド管理サーバ200の運用だけで全てのキャッシュサーバを制御し、キーハッシュの整合性を一致させるために行われる。
【0041】
図3は、本発明の一実施形態に係るクライアントシステムの内部構成を説明するためのブロック図である。本実施形態に係るクライアントシステム300は、図1を参照して説明した複数のクライアント110のうち1つのクライアントに対応してもよい。このようなクライアントシステム300は、図3に示すように情報受信部310、サーバリスト管理部320、および通信部330を備える。
【0042】
情報受信部310は、統合クラウド管理サーバで管理されている仮想レイヤに登録されたキャッシュサーバに関する情報を統合クラウド管理サーバを介して受信する。また、情報受信部310は、登録されたキャッシュサーバが削除またはダウンされた場合、削除またはダウンされたキャッシュサーバに関する情報を統合クラウド管理サーバを介してさらに受信してもよい。ここで、統合クラウド管理サーバおよび仮想レイヤは、図1を参照して説明した統合クラウド管理サーバ140および複数の仮想レイヤ120のうち1つの仮想レイヤそれぞれに対応してもよい。キャッシュサーバは、図1を参照して説明した複数のキャッシュサーバ130のうち1つのキャッシュサーバに対応してもよい。
【0043】
このような登録されたキャッシュサーバに関する情報および削除またはダウンされたキャッシュサーバに関する情報のうち、少なくとも1つを含むメッセージを全順序および因果的順序に応じて統合クラウド管理サーバから送信されてもよい。
【0044】
サーバリスト管理部320は、登録されたキャッシュサーバに関する情報を用いてサーバリストを生成または更新する。このとき、サービスリスト管理部320は、情報受信部310でさらに受信した、削除またはダウンされたキャッシュサーバに関する情報を用いてサーバリストを更新してもよい。また、サーバリスト管理部320は、登録されたキャッシュサーバに関する情報および削除またはダウンされたキャッシュサーバに関する情報のうち、少なくとも1つを用いてキーのハッシュ値を変更してもよい。
【0045】
通信部330は、サーバリストを用いて仮想レイヤに登録されたキャッシュサーバと通信する。すなわち、クライアントシステム300はサーバリストを自ら管理し、サーバリストを用いてプロキシサーバなしでキャッシュサーバと直接接続して通信することによって、性能および拡張性を向上させることができる。
【0046】
図4は、本発明の一実施形態に係るキャッシュサーバの内部構成を説明するためのブロック図である。本実施形態に係るキャッシュサーバ400は、図1を参照して説明した複数のキャッシュサーバ130のうち1つのキャッシュサーバに対応してもよい。このようなキャッシュサーバ400は、図4に示すように通信部410を備えてもよい。図4は、このようなキャッシュサーバ400のみならず、統合クラウド管理サーバ420およびクライアント430をさらに示している。ここで、統合クラウド管理サーバ420およびクライアント430は、図1を参照して説明した統合クラウド管理サーバ140および複数のクライアント110のうち1つのクライアントにそれぞれ対応してもよい。
【0047】
通信部410は、サーバリストを介してアクセスする少なくとも1つのクライアント430と通信する。すなわち、統合クラウド管理サーバ420が管理する複数の仮想レイヤのうち、所定の仮想レイヤにキャッシュサーバ400が登録されると、登録に関連する情報が統合クラウド管理サーバ420を介して所定の仮想レイヤに接続された少なくとも1つのクライアント430に送信される。このとき、少なくとも1つのクライアント430で登録に関連する情報を用いてサーバリストが生成または更新される。少なくとも1つのクライアント430は、このような生成または更新されたサーバリストを用いてキャッシュサーバ400にアクセスしてもよく、この場合、通信部410がこのような少なくとも1つのクライアント410と通信することで、クライアント430にキャッシングサービスを提供してもよい。
【0048】
この場合にも、キャッシュサーバ400が削除またはダウンされた場合、削除またはダウンに関連する情報が統合クラウド管理サーバ420を介して所定の仮想レイヤに接続された少なくとも1つのクライアント430にさらに送信されてもよく、少なくとも1つのクライアント430で削除またはダウンに関連する情報を用いてサーバリストを更新してもよい。
【0049】
図5は、本発明の一実施形態に係るキャッシングサービス提供方法を示すフローチャートである。本実施形態に係るキャッシングサービス提供方法は、図5に示すように、キャッシュシステムを構成する3つの構成要素、すなわち、クライアント510、統合クラウド管理サーバ520、およびキャッシュサーバ530によって行われてもよい。このような構成要素は、図2から図5を参照して説明した構成要素、すなわち、クライアントシステム300、統合クラウド管理サーバ200、およびキャッシュサーバ400それぞれに対応してもよい。各構成要素によって行われる本発明の他の実施形態に係るキャッシングサービス提供方法は、各構成要素で行われるステップのみを含んでもよい。
【0050】
ステップS541において、統合クラウド管理サーバ520は複数の仮想レイヤを管理する。このような仮想レイヤは複数のキャッシュサーバを分類するためのものとして、1つの仮想レイヤを介して1つのサービスのキャッシングサービスが提供されてもよい。例えば、クライアント510が用いるキャッシュサーバは1つの仮想レイヤを介して登録され、クライアント510のサービスのためのキャッシングサービスを提供するために用いられてもよい。
【0051】
ステップS542において、統合クラウド管理サーバ520は複数の仮想レイヤのうち所定の仮想レイヤにキャッシュサーバ530が登録される場合、登録されたキャッシュサーバ530に関する情報を所定の仮想レイヤに接続されたクライアント510に送信する。この場合、統合クラウド管理サーバ520は、登録されたキャッシュサーバ530が削除またはダウンされた場合、削除またはダウンされたキャッシュサーバに関する情報をクライアント510にさらに送信してもよい。
【0052】
ステップS543において、クライアント510は、統合クラウド管理サーバ520で管理される仮想レイヤに登録されたキャッシュサーバ530に関する情報を統合クラウド管理サーバ520を介して受信する。また、クライアント510は、登録されたキャッシュサーバ530が削除またはダウンされた場合、削除またはダウンされたキャッシュサーバに関する情報を統合クラウド管理サーバ520を介してさらに受信してもよい。
【0053】
ステップS544において、クライアント510は、登録されたキャッシュサーバ530に関する情報を用いてサーバリストを生成または更新する。このとき、クライアント510は、ステップS543でさらに受信した削除またはダウンされたキャッシュサーバに関する情報を用いてサーバリストを更新してもよい。また、クライアント510は、ステップS544で登録されたキャッシュサーバに関する情報および削除またはダウンされたキャッシュサーバに関する情報のうち、少なくとも1つを用いてキーのハッシュ値を変更することができる。
【0054】
ステップS545において、クライアント510は、サーバリストを用いて仮想レイヤに登録されたキャッシュサーバ530と通信する。この場合、ステップS546において、キャッシュサーバ530はサーバリストを介してアクセスするクライアント510と通信する。
【0055】
すなわち、クライアント510はサーバリストを自ら管理し、サーバリストを用いてプロキシサーバなしでキャッシュサーバ530と直接接続されて通信することによって性能および拡張性を向上させることができ、統合クラウド管理サーバ520の運用だけで全てのキャッシュサーバを制御することができ、クライアントがキーハッシュの整合性を一致させることができる。
【0056】
図5で省略された内容は図1から図4を参照してもよい。
【0057】
このように、本発明の実施形態によると、クライアントおよびキャッシュサーバをプロキシサーバなしで直接接続することによって性能および拡張性を向上させることができる。また、プライベートクラウドとパブリッククラウドとが区分されることなく統合クラウド管理サーバの運用だけで全てのキャッシュサーバを制御することができ、クライアントから自己のサービスコードを用いて必要なキャッシュサーバに接続することができる。
【0058】
本発明の実施形態に係る方法は、多様なコンピュータ手段を介して様々な処理を実行することができるプログラム命令の形態で実現され、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読取可能な媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などのうちの1つまたはその組み合わせを含んでもよい。媒体に記録されるプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計されて構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知のものであり、使用可能なものであってもよい。コンピュータ読取可能な記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD−ROM、DVDのような光記録媒体、光ディスクのような光磁気媒体、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれてもよい。プログラム命令の例としては、コンパイラによって生成されるような機械語コード(machine code)だけでなく、インタプリタなどを用いてコンピュータによって実行され得る高級言語コード(higher level code)を含む。上述したハードウェア装置は、本発明の動作を行うために1つ以上のソフトウェアのレイヤで動作するように構成されてもよい。
【0059】
上述したように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、本発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば、このような実施形態から多様な修正及び変形が可能である。
【0060】
したがって、本発明の範囲は、開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲だけではなく特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるものである。
【符号の説明】
【0061】
100 キャッシュシステム
110 複数のクライアント
120 複数の仮想レイヤ
130 複数のキャッシュサーバ
140 統合クラウド管理サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが独立的に駆動され、統合クラウド管理サーバで管理される複数の仮想レイヤのうち、所定の仮想レイヤにそれぞれ登録される複数のキャッシュサーバと、
前記登録されたキャッシュサーバに関する情報を前記所定の仮想レイヤに接続された少なくとも1つのクライアントに送信する前記統合クラウド管理サーバと、
を備え、
前記送信された情報を用いて前記少なくとも1つのクライアントでサーバリストが生成または更新され、前記サーバリストを用いて前記登録された所定のキャッシュサーバと前記少なくとも1つのクライアントとが接続されることを特徴とするキャッシュシステム。
【請求項2】
前記統合クラウド管理サーバは、
前記登録されたキャッシュサーバが削除またはダウンされたとき、前記少なくとも1つのクライアントに前記削除またはダウンされたキャッシュサーバに関する情報をさらに送信し、
前記少なくとも1つのクライアントは、前記削除またはダウンされたキャッシュサーバに関する情報を用いて前記サーバリストを更新することを特徴とする請求項1に記載のキャッシュシステム。
【請求項3】
前記統合クラウド管理サーバは、前記登録されたキャッシュサーバに関する情報および前記削除またはダウンされたキャッシュサーバに関する情報のうち、少なくとも1つを含むメッセージを全順序および因果的順序に応じて前記少なくとも1つのクライアントに送信することを特徴とする請求項2に記載のキャッシュシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのクライアントは、前記登録されたキャッシュサーバに関する情報および前記削除またはダウンされたキャッシュサーバに関する情報のうち、少なくとも1つを用いてキーのハッシュ値を変更することを特徴とする請求項2または請求項3に記載のキャッシュシステム。
【請求項5】
複数の仮想レイヤを管理する仮想レイヤ管理部と、
前記複数の仮想レイヤのうち所定の仮想レイヤにキャッシュサーバが登録される場合、前記登録されたキャッシュサーバに関する情報を前記所定の仮想レイヤに接続された少なくとも1つのクライアントに送信する情報送信部と、
を備え、
前記送信された情報を用いて前記少なくとも1つのクライアントでサーバリストが生成され、前記サーバリストを用いて前記少なくとも1つのクライアントが前記所定の仮想レイヤに登録されたキャッシュサーバに接続されることを特徴とする統合クラウド管理サーバ。
【請求項6】
前記情報送信部は、前記登録されたキャッシュサーバが削除またはダウンされたとき、前記削除またはダウンされたキャッシュサーバに関する情報を前記少なくとも1つのクライアントにさらに送信することを特徴とする請求項5に記載の統合クラウド管理サーバ。
【請求項7】
前記少なくとも1つのクライアントで前記削除またはダウンされたキャッシュサーバに関連する情報を用いて前記サーバリストを更新することを特徴とする請求項6に記載の統合クラウド管理サーバ。
【請求項8】
前記情報送信部は、前記登録されたキャッシュサーバに関する情報および前記削除またはダウンされたキャッシュサーバに関する情報のうち、少なくとも1つを含むメッセージを全順序および因果的順序に応じて前記少なくとも1つのクライアントに送信することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の統合クラウド管理サーバ。
【請求項9】
前記登録されたキャッシュサーバに関する情報および前記削除またはダウンされたキャッシュサーバに関する情報のうち、少なくとも1つを用いて前記少なくとも1つのクライアントでキーのハッシュ値が変更されることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の統合クラウド管理サーバ。
【請求項10】
統合クラウド管理サーバで管理される仮想レイヤに登録されたキャッシュサーバに関する情報を前記統合クラウド管理サーバを介して受信する情報受信部と、
前記登録されたキャッシュサーバに関する情報を用いてサーバリストを生成または更新するサーバリスト管理部と、
前記サーバリストを用いて前記仮想レイヤに登録されたキャッシュサーバと通信する通信部と、
を備えることを特徴とするクライアントシステム。
【請求項11】
前記情報受信部は、前記登録されたキャッシュサーバが削除またはダウンされた場合、前記削除またはダウンされたキャッシュサーバに関する情報を前記統合クラウド管理サーバを介してさらに受信し、
前記サーバリスト管理部は、前記削除またはダウンされたキャッシュサーバに関する情報を用いて前記サーバリストを更新することを特徴とする請求項10に記載のクライアントシステム。
【請求項12】
サーバリストを介してアクセスする少なくとも1つのクライアントと通信する通信部を備え、
統合クラウド管理サーバで管理される複数の仮想レイヤのうち所定の仮想レイヤに登録され、
前記統合クラウド管理サーバで前記登録に関連する情報が前記所定の仮想レイヤに接続された前記少なくとも1つのクライアントに送信され、
前記少なくとも1つのクライアントで前記登録に関連する情報を用いて前記サーバリストが生成または更新されることを特徴するキャッシュサーバ。
【請求項13】
前記キャッシュサーバが削除またはダウンされた場合、前記削除またはダウンに関連する情報が前記統合クラウド管理サーバから前記少なくとも1つのクライアントにさらに送信され、
前記少なくとも1つのクライアントで前記削除またはダウンに関連する情報を用いて前記サーバリストが更新されることを特徴とする請求項12に記載のキャッシュサーバ。
【請求項14】
統合クラウド管理サーバにおいて、それぞれが独立的に駆動される複数のキャッシュサーバを複数の仮想レイヤのうち所定の仮想レイヤに登録し、
前記登録されたキャッシュサーバに関する情報を前記所定の仮想レイヤに接続された少なくとも1つのクライアントに送信すること、
を含み、
前記送信された情報を用いて前記少なくとも1つのクライアントでサーバリストが生成または更新され、前記サーバリストを用いて前記登録された所定のキャッシュサーバと前記少なくとも1つのクライアントとが接続されることを特徴とするキャッシングサービス提供方法。
【請求項15】
複数の仮想レイヤを管理し、
前記複数の仮想レイヤのうち所定の仮想レイヤにキャッシュサーバが登録される場合、前記登録されたキャッシュサーバに関する情報を前記所定の仮想レイヤに接続された少なくとも1つのクライアントに送信すること、
を含み、
前記送信された情報を用いて前記少なくとも1つのクライアントでサーバリストが生成され、前記サーバリストを用いて前記少なくとも1つのクライアントが前記所定の仮想レイヤに登録されたキャッシュサーバに接続されることを特徴とするキャッシングサービス提供方法。
【請求項16】
統合クラウド管理サーバで管理される仮想レイヤに登録されたキャッシュサーバに関する情報を前記統合クラウド管理サーバを介して受信し、
前記登録されたキャッシュサーバに関する情報を用いてサーバリストを生成または更新し、
前記サーバリストを用いて前記仮想レイヤに登録されたキャッシュサーバと通信すること、
を含むことを特徴とするキャッシングサービス提供方法。
【請求項17】
サーバリストを介してアクセスする少なくとも1つのクライアントと通信し、
統合クラウド管理サーバで管理される複数の仮想レイヤのうち所定の仮想レイヤに登録され、
前記統合クラウド管理サーバで前記登録に関連する情報が前記所定の仮想レイヤに接続された前記少なくとも1つのクライアントに送信され、
前記少なくとも1つのクライアントで前記登録に関連する情報を用いて前記サーバリストが生成または更新されることを特徴とするキャッシングサービス提供方法。
【請求項18】
請求項14から請求項17のいずれか1項の方法を行うプログラムを記録したコンピュータで読み出し可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−155717(P2012−155717A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−8736(P2012−8736)
【出願日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【出願人】(505205812)エヌエイチエヌ コーポレーション (408)
【Fターム(参考)】