説明

キャップおよびその位置決め方法

【課題】 容器に着脱するねじ部や嵌着部を有する円筒状の着脱リング部の上方に、横断面形状が真円状でない非円筒状部を備えた有底筒状のキャップであって、印刷等において高精度に位置決めすることができるキャップおよびその位置決め方法を提供する。
【解決手段】 このキャップ10では、位置決め用リブ19を内側段差部16に設けることで、対応する形状の位置決め部材の軸方向への挿入によってガイド面20により位置を微調整して位置決めすることができ、高精度に位置決めすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はキャップおよびその位置決め方法に関し、容器に着脱するねじ部や嵌着部を有する真円筒状の着脱筒部の上方に横断面形状が真円状でない非円筒状部を備えた有底筒状のキャップを印刷等のため高精度に位置決めできるようにしたものであり、特に楕円側面等に印字、スタンプ、印刷、装飾等を施す場合に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂等で作られたボトル等の容器に用いられるキャップには、文字や絵柄等を印刷等によって表示する場合が多い。
このようなキャップに印刷等によって表示を施す場合には、特に、キャップが有底筒状から成り、前記キャップを着脱するために摘む部分の横断面形状を回し易さや意匠上の点から、真円状の円筒状でなく楕円筒状や多角形筒状等の非円筒状部とした場合に、前記キャップの外面の所定位置に印刷を施すため、印刷装置等の印字ヘッドに対向させてキャップを位置決めし、固定する必要がある。
【0003】
例えば、特許文献1に開示された筒状キャップでは、図7に示すように、筒状キャップCが筒状側面部1と、上面部2と、上面部2内面の中央部に形成された位置決め部3と、筒状側面部1の中間高さ位置の外周に連続して所定間隔をおいて設けた外周部4と、外周部4の内面に形成された図示しないねじ部と、筒状側面部1と外周部4との間に設けた内周リング部とで構成され、位置決め部3は、突起状または凹陥状とされ、横断面形状が真円でなく、例えば同図(b)に示すように、円弧状部3aと直線状部3bとで構成されている。
【0004】
そして、印刷する際は、被印刷体支持手段であるキャップ受部6の上面に位置決め部3に対応する凹陥状または突起状の支持部7を設けておき、印刷される筒状キャップCを、キャップ受部6に被せるようにして、筒状キャップC内にキャップ受部6を差し入れ、位置決め部3と支持部7とを嵌合して、キャップCを位置決め支持し、上方より下降動作させた押え部8でキャップ上面を押えて固定する。
続いて、所定位置に位置決め固定された筒状キャップCに対して印刷装置の印字ヘッドにより筒状側面部に印刷することで、表示9が施される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−219261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1に開示された筒状キャップでは、筒状キャップCの上面部の内側の位置決め部3とキャップ受部6の支持部7を嵌合することで、確実に所定位置に位置決めできるものの、筒状キャップCに印刷等を行う場合には、キャップ受部6にキャップを被せ、キャップを動かして位置決め部3と支持部7を互いに同一方向として嵌合する必要がある。
このため、固定状態のキャップ受部6に対して作業者がキャップを被せる場合には、被せた後キャップを回転して位置決め部3と支持部7を互いに同一方向として嵌合する工程が必要となり、簡単に位置決めすることができないという問題がある。
さらに、生産ライン等で位置決めを自動化する場合に、キャップの位置決め部3の方向を、高精度に検出して所定方向に位置決めしてキャップ受部6に被せたり、キャップをキャップ受部に被せた後、回転して位置決め部3と支持部7を互いに同一方向として嵌合する工程と、嵌合状態を確認する工程とが必要になる等、簡単に位置決め固定状態とすることができないという問題がある。
また、前述したように、キャップを摘む部分の横断面形状が真円の円筒状でなく、回し易さや意匠上の必要から楕円筒状や多角形筒状等とした場合に、キャップへの印刷等を所定位置に施すためには、一層、且つ、確実に高精度の位置決めを行う必要がある。
【0007】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、容器に着脱するねじ部や嵌着部を有する円筒状の着脱リング部の上方に、横断面形状が真円状でない非円筒状部を備えた有底筒状のキャップであって、印刷等において高精度に位置決めすることができるキャップおよびその位置決め方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明の請求項1に記載のキャップは、容器の注出口部に着脱リング部を介して取り外し可能な有底筒状のキャップであって、前記着脱リング部の上方に、外面の所定位置に部分的に外面リブを有し、横断面形状が真円状でない非円筒状部を設けると共に、前記非円筒状部の下方に真円状の円筒状部を設けてキャップの内面に内側段差部を形成し、前記内側段差部に位置決め用リブを設けたことを特徴とするものである。
【0009】
本発明の請求項2に記載のキャップは、請求項1記載の構成に加え、前記非円筒状部が有底であることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の請求項3に記載のキャップは、請求項1記載の構成に加え、前記非円筒状部上方に横断面形状が真円状の有底円筒状部を設けたことを特徴とするものである。
【0011】
本発明の請求項4に記載のキャップは、請求項3記載の構成に加え、
前記有底円筒状部の外面の所定位置に、部分的に外面リブを形成したことを特徴とするものである。
【0012】
本発明の請求項4に記載のキャップは、請求項1乃至4の何れかに記載の構成に加え、前記位置決め用リブに、位置を微調整するガイド部を設けたことを特徴とするものである。
【0013】
本発明の請求項6に記載のキャップは、請求項5記載の構成に加え、
前記ガイド部を、キャップの軸方向動作、または回転動作によって微調整可能に形成したことを特徴とするものである。
【0014】
本発明の請求項7に記載のキャップの位置決め方法は、前記請求項1〜6のいずれかに記載のキャップの位置決め方法であって、前記キャップを回転させるとともに、前記外面リブを非接触で検出して仮位置決めし、さらに、前記キャップの天面を回動可能に押え、前記位置決め用リブと係合し得る位置決め部材を当該キャップ内に挿入し、または挿入・回転し、位置を微調整して本位置決めするようにしたことを特徴とするものである。
【0015】
本発明の請求項8に記載のキャップの位置決め方法は、前記請求項1〜6のいずれかに記載のキャップの位置決め方法であって、前記キャップを回転させるとともに、前記外面リブを非接触で検出して仮位置決めし、次いで、仮位置決めされたキャップの前記外面リブに当接する接触プレートで2次仮位置決めを行い、さらに、前記キャップの天面を回動可能に押え、前記位置決め用リブと係合し得る位置決め部材を当該キャップ内に挿入し、または挿入・回転し、位置を微調整して本位置決めするようにしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明のキャップによれば、ボトル等の合成樹脂容器に用いられるキャップにおいて、キャップの外面の文字や絵柄等の印字、スタンプ、印刷、装飾等の表示が、確実に所定位置に施されたキャップとすることができる。
また、本発明のキャップの位置決め方法によれば、キャップの外面の所定位置に、文字や絵柄等の印字、スタンプ、印刷、装飾等を行う祭に、前記キャップの外面の所定位置と、印字ヘッド、印刷装置等を高精度に対向させて位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明のキャップの一実施形態にかかる部分断面図、平面図、底面図および部分拡大断面図である。
【図2】本発明のキャップの他の一実施形態にかかる部分断面図、平面図、底面図および部分拡大断面図である。
【図3】本発明のキャップのそれぞれ他の一実施形態にかかる部分拡大断面図および部分拡大断面図と底面図である。
【図4】本発明のキャップの位置決め方法の一実施形態にかかる工程説明図である。
【図5】本発明のキャップの位置決め方法の他の一実施形態にかかる工程説明図である。
【図6】本発明のキャップの位置決め方法のさらに他の一実施形態にかかる工程説明図である。
【図7】従来のキャップおよびその位置決め方法の概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づき詳細に説明する。
本発明のキャップ10は、容器の注出口部に着脱される有底筒状のキャップであり、例えば液体洗剤の容器の注出口部に設けて施蓋と計量を兼用する計量キャップとして用いられるものである。
【0019】
このキャップ10は、図1に示すように、容器の注出口部に着脱する円筒状の着脱リング部11を備え、この着脱リング部11の内周面にねじ部12が形成されるとともに、着脱リング部11と容器の注出口部の肉厚に対応する間隔をあけて、同心上にシールリング部13が下方に形成されている。
また、このキャップ10は、計量筒部14が着脱リング部11の上方に横断面形状が真円状でない、例えば楕円状で、上面部15を有する有底非円筒状部14aと、前記有底非円筒状部14aの下方に横断面形状が真円状の円筒状部14bが、いずれも前記着脱リング部11と同心に一体的に設けられた構成とされている。
【0020】
すなわち、このキャップ10では、計量筒部14の上面部15で塞がれた横断面形状が真円状でない有底非円筒状部14aと、横断面形状が真円状の円筒状部14bとの構成により、図に示すように計量筒部14の内面の前記有底非円筒状部14aと、その下方に形成された円筒状部14bの境界部に段差部16が形成される。
そして、このキャップ10は、計量筒部14の横断面形状が楕円状の有底非円筒状部14aを、着脱リング部11の上方に形成することで、キャップ10を回し易くできる。
【0021】
また、キャップ10の着脱リング部11の外周には、全周にわたってすべり止め用の凸条17が上下方向に形成され、容器にねじ部12を介して着脱する場合に開け閉めがし易くなるようにしてある。
さらに、外周リング部11の上方に形成した計量筒部14の有底非筒状部14aの外面には、部分的に外面リブ18が形成され、横断面形状が楕円状の有底非円筒状部14aの両側の最大長径部を中心として、周方向の所定位置に部分的に凸条のリブを上下方向に形成してある。そして、この外面リブ18を、外面の所定位置に部分的に設けることで、後述するキャップ10の位置決めする場合の検出用として利用する。
【0022】
また、このキャップ10では、計量キャップとして使用するため容量を示す表示を計量筒部14の外面に印刷するため、前記キャップ10を高精度に位置決めして、前記計量筒部14の楕円状の有底非円筒状部14aの外面リブ18が形成されていない部分、及びその延長部分の円筒状部14bの外面と、印字ヘッドとの位置決めのため、前記計量筒部14の内面に形成された内側段差部16に、凸状の位置決め用リブ19が一体に形成してある。
【0023】
図1に示すように、この位置決め用リブ19は2つの略直角三角形状のリブから成り、計量筒部14の楕円状の有底非円筒状部14aの両側の最短径部を中心に内側段差部16にそれぞれ形成され、楕円壁面に沿う斜面同士を対向させ、且つ、下方に向かって広がるように形成され、それぞれの斜面が位置を微調整するガイド面20とされる。
そして、後述するように、位置決め部材をキャップ10の計量筒部14内に挿入し、位置決め用リブ19と嵌合させると共にガイド面20で微調整して、キャップ10の位置決めを行う。
【0024】
なお、キャップ10の内側段差部16に設ける位置決め用リブ19としては、図2(a)に示すように、略二等辺三角形状の凸状のリブから成り、計量筒部14の楕円状の有底非円筒状部14aの両側の最短径部を中心に段差部16に形成され、楕円壁面に沿う2つの斜面を下方に向けて形成し、両側の斜面をガイド面20としたものであっても良い。
【0025】
また、キャップ10の段差部16に設ける位置決め用リブ19としては、図2(b)に示すように、横断面形状がくさび状の凸状のリブから成り、計量筒部14の楕円状の有底非円筒状部14aの両側の最短径部を中心に段差部16に形成され、楕円壁面に沿うリブの厚みが右回転方向に向けて薄肉となるよう形成し、くさび状のリブの内面をガイド面20としたものであっても良い。
【0026】
さらに、本発明のキャップの他の一実施形態として、図3に示すように、キャップ30の計量筒部14を、着脱リング部11の上方に横断面形状が真円状でない非円筒状部14aを形成し、その上方に横断面形状が真円状の上面部15を有する有底円筒状部14c、下方に円筒状部14bを一体的に形成して構成することもできる。
そして、キャップ30においては、キャップ30の計量筒部14の横断面形状が真円状の有底円筒状部14cの外面に、部分的に所定位置に外面リブ31を設け、一方、横断面形状が楕円状の非円筒状部14a外面に、楕円の最長径部と最短径部との間の4箇所に、即ち、凸条の外面リブ18を上下方向に横断面形状が楕円状の筒状部14a筒側面の外側に部分的に所定位置に設け、それぞれキャップ30の位置決め検出用として利用する。
【0027】
さらに、このキャップ30では、計量筒部14の横断面形状が真円状でない非円筒状部14aと、横断面形状が真円状の円筒状部14bとの構成により、図に示すように計量筒部14の内面の前記非円筒状部14aと円筒状部14bの境界部に段差部16が形成され、前記図1及び図2に示したキャップ10と同様に、この段差部16に凸状の位置決め用リブ19が形成される。
【0028】
そして、このキャップ30においても、前述したキャップ10と同様に、計量筒部14の横断面形状が真円状でない楕円状の非円筒状部14aを着脱リング部11の上方に形成することで、キャップ30を回し易くできる。
【0029】
尚、本発明のキャップにおいては、真円状でない非円筒状部の横断面形状は楕円状に限らず、また、前記非筒状部、円筒状部の外面に部分的に形成される外面リブ、キャップの内面に形成される位置決め用リブを形成する位置は、前述した実施形態に限定されるものではない。
また、本発明のキャップは、ねじ部で容器の注出口部に着脱する場合に限らず、嵌合部を設けて着脱するようにしたものであっても良い。
【0030】
次に、本発明のキャップの位置決め方法の一実施形態について、図4に基づいて説明する。
尚、本実施形態では、キャップの形状は図3、キャップ10の位置決め用リブ19の形状は図1に示す形状を採用している。
【0031】
まず、環状のキャップ支持台41上にキャップ30の着脱外周リング部11を載置し、キャップ30の上面部15を回転ヘッド42で押え、前記キャップ30が軸心を中心に回転できるようにセットする。そして、このキャップ30の横断面形状が楕円状の筒状部14aの外面リブ18を非接触式の変位センサ43で検出し、この変位センサ43の検出信号に基づき、外面リブ18が所定の位置となるように回転ヘッド42でキャップ30を回転して仮位置決めする(図4(a)参照)。
【0032】
次いで、仮位置決めしたキャップ30は、前述した接触プレート44を外面リブ34接触させて行う機械的な位置決めの2次仮位置決めを省略し、仮位置決めでほぼ所定位置に位置決めした後、本位置決めを行う。
すなわち、図4(b)に示すように、環状のキャップ支持台41の中心孔の下方に、上下方向に移動可能な位置決め部材45を配置して上方に移動させてキャップ30内に挿入すると、前記位置決め部材45の凹状の係合部46と、キャップ30の計量筒部14の横断面形状が楕円状の筒状部14a内面に形成された凸状の位置決め用リブ19とが接触する。
【0033】
さらに、位置決め部材45を所定位置まで挿入して、前記位置決め用リブ19のガイド面20でキャップ30の位置を微調整して本位置決め状態とする。
そして、前記位置決め部材45は、キャップ10の外面の所定位置への印刷等による表示49を施すための印字ヘッド48の押し付け圧力を受ける受け部材と兼用され、本位置決め状態では、キャップ10の計量筒部14の円筒状部14b内面に密着する。
従って、このように、所定位置に印刷等を行うための高精度な位置決めを簡単、かつ確実に行うことができる。
【0034】
次に、本発明のキャップ10の位置決め方法の他の一実施形態について、図5に基づき具体的に説明する。
まず、環状のキャップ支持台41上にキャップ10の着脱外周リング部11を載置し、キャップ10の上面部15を回転ヘッド42で押え、前記キャップ10が軸心を中心に回転できるようにセットする。そして、このキャップ10の外面リブ18を非接触式の変位センサ43で検出し、この変位センサ43の検出信号に基づき、外面リブ18が所定の位置となるように回転ヘッド42でキャップ10を回転して仮位置決めする(図5(a)参照)。
尚、本実施形態では、キャップ及び前記キャップ10の位置決め用リブ19の形状はいずれも図1に示す形状を採用している。
【0035】
次いで、仮位置決めしたキャップ10の外面リブ18と接触する突起を備えた接触プレート44を適宜手段で下降させて前記外面リブ18に接触させ、回転ヘッド42を回転して外面リブ18を接触プレート44の突起に当接するようにして機械的に2次仮位置決めを行い、ほぼ所定の位置に位置決めする(図5(b)参照)。
【0036】
さらに最後に、高精度にキャップ10を位置決めするため、環状のキャップ支持台41の中心孔の下方に、上下方向に移動可能な位置決め部材45が配置され、この位置決め部材45には、キャップ10の位置決め用リブ19と対応した形状の係合部46が形成されている。そして、前述した2次仮位置決め後、位置決め部材45を上方に移動させてキャップ10内に挿入すると、前記位置決め部材45凹状の係合部46傾斜面と、キャップ10の計量筒部14の横断面形状が楕円状の有底非円筒状部14aの内面に形成された凸状の位置決め用リブ19のガイド面20とが接触する。さらに、位置決め部材45を所定位置まで挿入することにより、上記位置決め用リブ19のガイド面20でキャップ10の位置を微調整して本位置決め状態とする(図5(c)参照)。
従って、このように、所定位置に印刷等を行うための高精度な位置決めを簡単、かつ、より一層、確実に行うことができる。
【0037】
次に、本発明のキャップ30の位置決め方法のさらに他の一実施形態について、図6により説明する。
尚、本実施形態では、キャップの形状は図3、キャップ10の位置決め用リブ19の形状は図2(b)に示す形状を採用している。
【0038】
キャップ30の位置決めは、まず、環状のキャップ支持台41上にキャップ10の着脱外周リング部11を載置し、キャップ10の上面部15を回転ヘッド42で押え、前記キャップ10が軸心を中心に回転できるようにセットする。そして、このキャップ10の横断面形状が楕円状の非円筒状部14aの外面リブ18を非接触式の変位センサ43で検出し、この変位センサ43の検出信号に基づき、外面リブ18が所定の位置となるように回転ヘッド42でキャップ10を回転して仮位置決めする(図6(a)参照)。
【0039】
次いで、仮位置決めしたキャップ10の有底円筒状部14cの外面リブ31と接触する突起を備えた接触プレート44を適宜手段で下降させて前記外面リブ31に接触させ、回転ヘッド42を回転して外面リブ18を接触プレート44の突起に当接するようにして機械的に2次仮位置決めを行い、ほぼ所定の位置に位置決めする(図6(b)参照)。
【0040】
さらに最後に、高精度にキャップ10を位置決めするため、環状のキャップ支持台41の中心孔の下方に、上下方向に移動可能な位置決め部材45が配置され、この位置決め部材45には、キャップ10の位置決め用リブ19と対応した形状の係合部46が形成されている。そして、前述した2次仮位置決め後、位置決め部材45を上方に移動させてキャップ10内に挿入すると、前記位置決め部材45凹状の係合部46と、キャップ10の計量筒部14の横断面形状が楕円状の非円筒状部14a内面に形成された凸状の位置決め用リブ19とが接触する。さらに、位置決め部材45を所定位置まで挿入することにより、キャップ10の位置を微調整して本位置決め状態とする(図6(c)参照)。
従って、このように、所定位置に印刷等を行うための高精度な位置決めを簡単、かつ、より一層、確実に行うことができる。
【符号の説明】
【0041】
10 キャップ
11 着脱リング部
12 ねじ部
13 シールリング部
14 計量筒部
15 上面部
16 内側段差部
17 凸条
18 外面リブ
19 位置決め用リブ
20 ガイド面
21 位置決め用リブ
22 ガイド面
23 位置決め用リブ
24 ガイド面
30 キャップ
34 外面リブ
41 キャップ支持台
42 回転ヘッド
43 変位センサ
44 接触プレート
45 位置決め部材
46 係合部
47 係合部
48 印字ヘッド
49 表示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の注出口部に着脱リング部を介して取り外し可能な有底筒状のキャップであって、
前記着脱リング部の上方に、外面の所定位置に部分的に外面リブを有し、横断面形状が真円状でない非円筒状部を設けると共に、前記非円筒状部の下方に真円状の円筒状部を設けてキャップの内面に内側段差部を形成し、
前記内側段差部に位置決め用リブを設けたことを特徴とするキャップ。
【請求項2】
前記非円筒状部が有底であることを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
【請求項3】
前記非円筒状部上方に横断面形状が真円状の有底円筒状部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
【請求項4】
前記有底円筒状部の外面の所定位置に、部分的に外面リブを形成したことを特徴とする請求項3に記載のキャップ。
【請求項5】
前記位置決め用リブに、位置を微調整するガイド部を設けたことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のキャップ。
【請求項6】
前記ガイド部を、キャップの軸方向動作、または回転動作によって微調整可能に形成したことを特徴とする請求項5記載のキャップ。
【請求項7】
前記請求項1〜6のいずれかに記載のキャップの位置決め方法であって、
前記キャップを回転させるとともに、前記外面リブを非接触で検出して仮位置決めし、
さらに、前記キャップの天面を回動可能に押え、前記位置決め用リブと係合し得る位置決め部材を当該キャップ内に挿入し、または挿入・回転し、位置を微調整して本位置決めするようにしたことを特徴とするキャップの位置決め方法。
【請求項8】
前記請求項1〜6のいずれかに記載のキャップの位置決め方法であって、
前記キャップを回転させるとともに、前記外面リブを非接触で検出して仮位置決めし、
次いで、仮位置決めされたキャップの前記外面リブに当接する接触プレートで2次仮位置決めを行い、
さらに、前記キャップの天面を回動可能に押え、前記位置決め用リブと係合し得る位置決め部材を当該キャップ内に挿入し、または挿入・回転し、位置を微調整して本位置決めするようにしたことを特徴とするキャップの位置決め方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−81966(P2012−81966A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227319(P2010−227319)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(000003768)東洋製罐株式会社 (1,150)
【Fターム(参考)】