キャップの係止装置
【課題】 従来から、キャップを容器に微少回転角度間隔で係止するには、一方に微少間隔の多数の係合歯を設け、これに微少な係止歯を係合する必要があり、充分な係止力を得られないため係止が外れて確実に係止できない課題があり、且つ、精密な加工技術が要求され、プラスチックのブロー成形加工により容器の首部や肩部等に設けるには困難を伴う課題があった。
【解決手段】 キャップ10の容器20への回転装着時に一方に設けた円周状の係合歯1に他方に設けた係止歯2が弾性的に係合するキャップ係止装置において、3個一組の係止歯2が、中央の係止歯A1に対してその両側に位置する係止歯B1,C1が係合歯のゼロ倍を含む整数倍のピッチ間隔とほぼ3分の1又は3分の2のピッチ間隔になるように設定してなるキャップ係止装置。
【解決手段】 キャップ10の容器20への回転装着時に一方に設けた円周状の係合歯1に他方に設けた係止歯2が弾性的に係合するキャップ係止装置において、3個一組の係止歯2が、中央の係止歯A1に対してその両側に位置する係止歯B1,C1が係合歯のゼロ倍を含む整数倍のピッチ間隔とほぼ3分の1又は3分の2のピッチ間隔になるように設定してなるキャップ係止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップを容器に回転装着して係止するキャップ係止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、キャップを容器に回転装着して係止するキャップ係止装置は多々知られており、特に、キャップを小さい回転角度間隔で係止するためには、キャップ又は容器のいずれか一方に微少角度間隔の多数の係合歯を円周状に設け、これに他方に設けた微少な係止歯を係合するようにする必要があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
微少角度間隔の多数の係合歯を円周状に設け、これに他方に設けた微少な係止歯を係合する構成は、精密な加工技術が要求され、例えば、プラスチックのブロー成形加工により容器の首部や肩部等に設けることは多大な技術的、労力的且つ費用的な困難を伴う課題があり、更に、微少な係止歯や係合歯では充分な係止力を得られないため係止が外れて正確な位置に確実に係止できない課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そこで、本発明は、請求項1に記載のように、キャップの容器への回転装着時にキャップと容器とのいずれか一方に設けた係合歯に他方に設けた係止歯が弾性的に係合するようになしたキャップ係止装置において、3個一組の係止歯が、中央の係止歯に対してその両側に位置する係止歯が係合歯のゼロ倍を含む整数倍のピッチ間隔と3分の1のピッチ間隔になるように設定してなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0005】
また、本発明は、請求項2に記載のように、請求項1に記載のキャップ係止装置において、3個一組の係止歯が少なくとも互いに係合歯の1ピッチ間隔以上の整数倍のピッチ間隔と3分の1のピッチ間隔を隔てて設けてなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0006】
また、本発明は、請求項3に記載のように、請求項1又は2に記載のキャップ係止装置において、係止歯の3個一組を少なくとも係合歯の4ピッチ間隔を隔てて設定してなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0007】
また、本発明は、請求項4に記載のように、請求項1、2又は3に記載のキャップ係止装置において、係合歯を4の倍数の歯数に設定してなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0008】
また、本発明は、請求項5に記載のように、キャップの容器への回転装着時にキャップと容器とのいずれか一方に設けた円周状の係合歯に他方に設けた係止歯が弾性的に係合するようになしたキャップ係止装置において、3個一組の係止歯が、中央の係止歯に対してその両側に位置する係止歯が係合歯のゼロ倍を含む整数倍のピッチ間隔と3分の2のピッチ間隔になるように設定してなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、請求項6に記載のように、請求項5に記載のキャップ係止装置において、3個一組の係止歯が少なくとも互いに係合歯の1ピッチ間隔以上の整数倍のピッチ間隔と3分の2のピッチ間隔を隔てて設けてなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、請求項7に記載のように、請求項5又は6に記載のキャップ係止装置において、係止歯の3個一組を少なくとも係合歯の5ピッチ間隔を隔てて設定してなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0011】
また、本発明は、請求項8に記載のように、請求項1、2又は3に記載のキャップ係止装置において、係合歯を5の倍数の歯数に設定してなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0012】
また、本発明は、請求項9に記載のように、請求項1乃至8のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係止歯をほぼ等間隔に設定してなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0013】
また、本発明は、請求項10に記載のように、請求項1乃至8のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係止歯を全周に渡ってほぼ等間隔に設定してなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0014】
また、本発明は、請求項11に記載のように、請求項1乃至9のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係止歯を回転装着終端部で係合歯に相対する部分に限定して設けてなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0015】
また、本発明は、請求項12に記載のように、請求項1乃至11のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係合歯を全周に渡って設けてなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0016】
また、本発明は、請求項13に記載のように、請求項1乃至12のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係合歯を比較的に鋭角な歯山に、係止歯を比較的鈍角な歯山に成形してなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0017】
また、本発明は、請求項14に記載のように、請求項13に記載のキャップ係止装置において、係合歯をほぼ60度乃至ほぼ110度の歯山に成形してなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0018】
また、本発明は、請求項15に記載のように、請求項13又は14に記載のキャップ係止装置において、係合歯の歯形の角度を係止歯の歯形の角度の10度乃至40度小さくなるように成形してなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0019】
また、本発明は、請求項16に記載のように、請求項13、14又は15に記載のキャップ係止装置において、係合歯をほぼ90度の歯山に、係止歯をほぼ110度の歯山に成形してなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0020】
また、本発明は、請求項17に記載のように、請求項1乃至16のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係合歯を比較的に硬質なプラスチックで成形すると共に、係止歯を弾性変形容易な比較的軟質のプラスチックで成形してなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0021】
また、本発明は、請求項18に記載のように、請求項1乃至17のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係合歯をキャップに設けると共に係止歯を容器に設けてなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0022】
また、本発明は、請求項19に記載のように、請求項18に記載のキャップ係止装置において、係合歯をキャップスカート内側部に設けると共に係止歯を容器肩部に設けてなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0023】
また、本発明は、請求項20に記載のように、請求項18又は19に記載のキャップ係止装置において、係合歯をキャップに射出成形加工で一体に設けると共に係止歯を容器にブロー成形加工により一体に設けてなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0024】
また、本発明は、請求項21に記載のように、請求項20に記載のキャップ係止装置において、容器が肩部の上方に太首の多条ネジ部を有する回転装着部まで押出可能なブロー成形加工された押出チューブ容器からなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0025】
また、本発明は、請求項22に記載のように、請求項21に記載のキャップ係止装置において、押出チューブ容器が太首の多条ネジ部の上方に細首の開口部を具備すると共に、キャップが細首の開口部に嵌着する細首内キャップ部と多条ネジ部に螺合するネジスカート部とを具備するキャップ係止装置を提供するものである。
【0026】
また、本発明は、請求項23に記載のように、請求項22に記載のキャップ係止装置において、押出チューブ容器が細首の開口部と太首の多条ネジ部との間にキャップ装着時にキャップ天板部が開口部に圧着するように弾力性を持たせた蛇腹状部を設けてなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0027】
また、本発明は、請求項24に記載のように、請求項23に記載のキャップ係止装置において、細首内キャップ部に蛇腹状部に弾性的に嵌着する弾性嵌着スカート部を設けてなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0028】
また、本発明は、請求項25に記載のように、請求項24に記載のキャップ係止装置において、弾性嵌着スカート部に切欠部を設けて蛇腹状部に弾性的に嵌着するように構成してなるキャップ係止装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係るキャップ係止装置によれば、請求項1又は5に記載のように、キャップの容器への回転装着時にキャップと容器とのいずれか一方に設けた係合歯に他方に設けた係止歯が弾性的に係合するようになしたキャップ係止装置において、3個一組の係止歯が、中央の係止歯に対してその両側に位置する係止歯が、係合歯のゼロ倍を含む整数倍のピッチ間隔と、3分の1又は3分の2のピッチ間隔になるように設定してなる構成を有することにより、係止歯の3個中の1個が係合歯の隣り合う山と山の中間の谷の中央に係合している場合、他の2個の係止歯は、その両側において1個は中央係合歯に近づくように、他の1個は中央係合歯から遠ざかるように、均衡した押圧力で山の中腹の傾斜面に弾力的に当接するから、中央係合歯を含めて3個一組の係止歯は係合歯に固定的に係止し、キャップを停止状態に維持することとなる。
【0030】
一方、この状態から、例えば、係止歯側を一方に強制的に回転すると、ほぼ3分の1ピッチ回転したところで、係止歯の3個中の1個が係合歯の隣り合う山と山の中間の谷の中央に係合し、他の2個の係止歯は、その両側又は2個続いて、1個は山に近づいて新たな中央係合歯に近づくように、他の1個は山を越えたところで中央係合歯から遠ざかるように、均衡した押圧力で山の中腹の傾斜面に弾力的に当接するから、先と同様に、中央係合歯を含めて3個一組の係止歯は係合歯に固定的に係止し、キャップを係合歯の3分の1ピッチ間隔で停止状態にすることができる効果がある。
【0031】
このことから、3個一組の係止歯を係合歯のほぼ3分の1ピッチの微少間隔で係止することができるから、キャップを係合歯のピッチ間隔の3分の1の微少間隔で係止することができる効果があると共に、キャップ係止間隔に比して3倍の大きさのピッチ間隔の係合歯を設けることができ、強固で確実な係止関係を獲得することができる効果があり、更に、係止位置の直前において係合歯の山を係止歯が越えてから係止するから、そのときに係止完了を感知できるクリック感を生じる効果がある。
【0032】
また、本発明は、請求項2又は6に記載のように、請求項1又は5に記載のキャップ係止装置において、3個一組の係止歯が少なくとも互いに係合歯の整数倍のピッチ間隔と3分の1又は3分の2のピッチ間隔を隔てて設けてなる構成を有することにより、隣り合う係止歯の間隔を少なくとも係合歯の1ピッチ間隔以上の間隔で余裕を持って大きく設けることができる効果がある。
【0033】
また、本発明は、請求項3に記載のように、請求項1又は2に記載のキャップ係止装置において、係止歯の3個一組の複数セットを少なくとも係合歯の4ピッチ間隔を隔てて設定してなる構成を有することにより、係止歯の3個中の1個目が係合歯の隣り合う山と山の中間の谷の中央に係合している場合、次の2個目の係止歯を1ピッチ+3分の1ピッチ、次の3個目の係止歯を1ピッチ+3分の1ピッチ間隔をあけると、1個目から3個目までは2ピッチと3分の2ピッチになるから、他の2セット目の係止歯の3個中の1個目が1ピッチと3分の1ピッチ間隔の係合歯の隣り合う山と山の中間の谷の中央に係合させるとすれば、最初の1セット目の係止歯と2セット目の係止歯の間隔は4ピッチになり、従って、係止歯の3個一組の複数セットを少なくとも係合歯の4ピッチ間隔を隔てて設定して本発明に係る係止歯を設けることができる効果がある。
【0034】
また、本発明は、請求項4に記載のように、請求項1、2又は3に記載のキャップ係止装置において、係合歯を4の倍数の歯数に設定してなる構成を有することにより、3個一組の係止歯の必要とする係合歯の4ピッチ間隔は係合歯の4歯分であるから、係合歯の総数は4の倍数にすれば、複数セットの係止歯を設けることができる効果がある。
【0035】
また、本発明は、請求項7に記載のように、請求項5又は6に記載のキャップ係止装置において、係止歯の3個一組の複数セットを少なくとも係合歯の5ピッチ間隔を隔てて設定してなる構成を有することにより、係止歯の3個中の1個目が係合歯の隣り合う山と山の中間の谷の中央に係合している場合、次の2個目の係止歯を1ピッチ+3分の2ピッチ、次の3個目の係止歯を1ピッチ+3分の2ピッチ間隔をあけると、1個目から3個目までは3ピッチと3分の1ピッチになるから、他の2セット目の係止歯の3個中の1個目が1ピッチと3分の2ピッチ間隔の係合歯の隣り合う山と山の中間の谷の中央に係合させるとすれば、最初の1セット目の係止歯と2セット目の係止歯の間隔は5ピッチになり、従って、係止歯の3個一組の複数セットを少なくとも係合歯の5ピッチ間隔を隔てて設定して本発明に係る係止歯を設けることができる効果がある。
【0036】
また、本発明は、請求項8に記載のように、請求項5、6又は7に記載のキャップ係止装置において、係合歯を5の倍数の歯数に設定してなる構成を有することにより、3個一組の1ピッチと3分の2ピッチ間隔の係止歯の必要とする係合歯の5ピッチ間隔は係合歯の5歯分であるから、係合歯の総数は5の倍数にすれば、3個一組の1ピッチと3分の2ピッチ間隔の複数セットの係止歯を設けることができる効果がある。
【0037】
また、本発明は、請求項9に記載のように、請求項1乃至8のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係止歯をほぼ等間隔に設定してなる構成を有することにより、キャップを等間隔に設けた係止歯で係止個所を限定して係止することができる効果がある。
【0038】
また、本発明は、請求項10に記載のように、請求項1乃至8のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係止歯を全周に渡ってほぼ等間隔に設定してなる構成を有することにより、キャップを全周に渡って等間隔な係止歯で均等に係止することができる効果がある。
【0039】
また、本発明は、請求項11に記載のように、請求項1乃至9のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係合歯を回転装着終端部で係止歯に相対する部分に限定して設けてなる構成を有することにより、キャップの容器への回転装着終端部が一定な場合、その終端部付近にのみ限定して係合歯と係止歯を設けることによって、係合歯と係止歯の設定位置を特定場所に限定することができる効果がある。
【0040】
また、本発明は、請求項12に記載のように、請求項1乃至11のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係合歯を全周に渡って設けてなる構成を有することにより、キャップの回転終端部を自由に設定することができると共に、係止歯の設置位置にも自由度を持たせることができる。
【0041】
また、本発明は、請求項13に記載のように、請求項1乃至12のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係合歯を比較的に鋭角な歯山に、係止歯を比較的鈍角な歯山に成形してなる構成を有することにより、係合歯を歯数の多い連続した鋭角的な形態に設けることができると共に、係止歯を少数歯数で広い間隔で鈍角的に設けて、係止することができる効果がある。
【0042】
また、本発明は、請求項14に記載のように、請求項13に記載のキャップ係止装置において、係合歯をほぼ60度乃至ほぼ110度の歯山に成形してなる構成を有することにより、比較的に鋭角な係合歯の谷間に鈍角的な係止歯の歯山が嵌合することができる効果がある。
【0043】
また、本発明は、請求項15に記載のように、請求項13又は14に記載のキャップ係止装置において、係合歯の歯形の角度を、係止歯の歯形の角度のほぼ10度乃至ほぼ40度小さくなるように成形してなる構成を有することにより、鋭角的な係合歯の谷間に鈍角的な係止歯の歯山が嵌合することができる効果がある。
【0044】
また、本発明は、請求項16に記載のように、請求項13、14又は15に記載のキャップ係止装置において、係合歯をほぼ90度の歯山に、係止歯をほぼ110度の歯山に成形してなる構成を有することにより、鋭角的な係合歯の谷間に鈍角的な係止歯の歯山が嵌合することができる効果がある。
【0045】
また、本発明は、請求項17に記載のように、請求項1乃至16のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係合歯を比較的に硬質なプラスチックで成形すると共に、係止歯を弾性変形容易な比較的軟質のプラスチックで成形してなる構成を有することにより、歯と歯の間隔が狭い係合歯を比較的に硬質なプラスチックで精密に強固に成形することができると共に、比較的広い間隔で大きく作ることができる係止歯を弾性変形容易な比較的軟質のプラスチックで成形することができる効果がある。
【0046】
また、本発明は、請求項18に記載のように、請求項1乃至17のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係合歯をキャップに設けると共に係止歯を容器に設けてなる構成を有することにより、数の多い係合歯を個別加工が容易で硬質にすることが好ましいキャップに強固に設けることができると共に、数の少なくて済む係止歯を加工が難しい容器に設けることができる効果がある。
【0047】
また、本発明は、請求項19に記載のように、請求項18に記載のキャップ係止装置において、係合歯をキャップスカート内側部に設けると共に係止歯を容器肩部に設けてなる構成を有することにより、キャップスカート内側に設けた係合歯と容器肩部に設けた係止歯により、キャップ係止することができる効果がある。
【0048】
また、本発明は、請求項20に記載のように、請求項18又は19に記載のキャップ係止装置において、係合歯をキャップに射出成形加工で一体に設けると共に係止歯を容器にブロー成形加工により一体に設けてなる構成を有することにより、係合歯をキャップに射出成形加工で歯数の小さくて多い係合歯を精密に設けることができると共に、容器にブロー成形加工により歯数の少ない係止歯を広い間隔で弾性変形可能に設けることができる効果がある。
【0049】
また、本発明は、請求項21に記載のように、請求項20に記載のキャップ係止装置において、容器が肩部の上方に太首の多条ネジ部を有する回転装着部まで押出可能なブロー成形加工された押出チューブ容器からなる構成を有することにより、首太の多条ネジ部で強固な回転装着部を構成することができると共に、首部まで押出可能なブロー成形加工されたプラスチック製の押出チューブ容器を提供することができる効果がある。
【0050】
また、本発明は、請求項22に記載のように、請求項21に記載のキャップ係止装置において、押出チューブ容器が太首の多条ネジ部の上方に細首の開口部を具備すると共に、キャップが細首の開口部に嵌着する細首内キャップ部と多条ネジ部に螺合するネジスカート部とを具備する構成を有することにより、容器の太首の多条ネジ部とキャップネジスカート部により強固なキャップ装着効果が得られると共に、容器の細首の開口部を細首内キャップ部により、確実に覆うことができる効果がある。
【0051】
また、本発明は、請求項23に記載のように、請求項22に記載のキャップ係止装置において、押出チューブ容器が細首の開口部と太首の多条ネジ部との間にキャップ装着時にキャップ天板部が開口部に圧着するように弾力性を持たせた蛇腹状部を設けてなる構成を有することにより、蛇腹状部の弾性力によりキャップ天板部で容器開口部を圧着して閉鎖することができる効果がある。
【0052】
また、本発明は、請求項24に記載のように、請求項23に記載のキャップ係止装置において、細首内キャップ部に蛇腹状部に弾性的に嵌着する弾性嵌着スカート部を設けてなる構成を有することにより、蛇腹状部に弾性嵌着スカート部が強固に嵌着する効果があると共に、嵌着時にキャップ係止完了を感知させるクリック感を生じさせる効果がある。
【0053】
また、本発明は、請求項25に記載のように、請求項24に記載のキャップ係止装置において、弾性嵌着スカート部に切欠部を設けて蛇腹状部に弾性的に嵌着する構成を有することにより、キャップの嵌着をより確実にする効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
以下図示する実施例により本発明を説明する。
【実施例1】
【0055】
図11の実施例の本発明に係るキャップ係止装置は、キャップの容器への回転装着時にキャップと容器とのいずれか一方に設けた円周状の係合歯1に他方に設けた係止歯2が弾性的に係合するようになしたキャップ係止装置において、3個一組の係止歯A、B、Cが、互いに中央の係止歯Aに対してその両側に位置する係止歯B、Cが係合歯の1ピッチPに対してほぼ3分の1ピッチP間隔の係止間隔になるように設定してなる構成を有することにより、係止歯の3個中の1個Aが係合歯1の隣り合う山と山の中間の谷の中央T1に係合している場合、他の2個の係止歯B,Cは、両側において係合歯1が互いに中央係合歯Aから遠ざかるように、均衡して山の中腹の傾斜面T2,T3に弾力的に当接するから、中央係合歯を含めて3個一組の係止歯A,B,Cは係合歯1に固定的に係止し、キャップを停止状態に維持することとなる。
【0056】
この状態から、例えば、係止歯2側を右側に向かって強制的に回転すると、ほぼ3分の1ピッチ回転したところで、係止歯2の3個中の1個Bが係合歯1の隣り合う山と山の中間の谷の中央に係合し、他の2個中の係止歯Aはその右隣として係合歯1を係止歯Bから遠ざかるように係合し、更に右隣の係止歯Cは係止歯Aの作用を打ち消すように係合歯1を近づけるように係合して当接力が均衡することとなる。
また、図示の状態から係止歯2側を左側に向かって強制的に回転すると、ほぼ3分の1ピッチ回転したところで、係止歯の3個中の1個C1が係合歯1の隣り合う山と山の中間の谷の中央に係合し、他の2個の係止歯A1、B1は互いに係合歯1に加わる回転力を相殺して作用するから係合歯と係止歯は固定状態に維持されることとなる。
【実施例2】
【0057】
また、図12において、3個一組の係止歯A、B、Cが、互いに中央の係止歯Aに対してその両側に位置する係止歯B、Cが係合歯の1ピッチPに対してほぼ3分の2ピッチP間隔の係止間隔になるように設定してなる構成を有することにより、係止歯2の3個中の1個Aが係合歯1の隣り合う山と山の中間の谷の中央T1に係合している場合、他の2個の係止歯B,Cは、両側において係合歯1が互いに中央係合歯Aに近づくように、均衡して山の中腹の傾斜面T2,T3に弾力的に当接するから、中央係合歯を含めて3個一組の係止歯A,B,Cは係合歯1に固定的に係止し、キャップを停止状態に維持することとなる。
【0058】
この状態から、例えば、係止歯2側を右側に向かって強制的に回転すると、ほぼ3分の1ピッチ回転したところで、係止歯の3個中の1個Cが係合歯1の隣り合う山と山の中間の谷の中央に係合し、他の2個中の係止歯Aはその左隣として係合歯1を係止歯Cに近づくように係合し、更に左隣の係止歯Bは一山越えたところで係止歯Aの作用を打ち消すように係止歯Cから遠ざかるように係合歯1に係合することとなる。
また、係止歯2側を左側に向かって強制的に回転すると、ほぼ3分の1ピッチ回転したところで、係止歯の3個中の1個Bが係合歯1の隣り合う山と山の中間の谷の中央に係合し、他の2個の係止歯A、Cは互いに係合歯1に加わる回転力を相殺して作用するから係合歯と係止歯は固定状態に維持されることとなる。
【0059】
このように、実施例1及び実施例2に記載の本発明に係るキャップ係止装置は、キャップの容器への回転装着時にキャップと容器とのいずれか一方に設けた円周状の係合歯1に他方に設けた係止歯2が弾性的に係合するようになしたキャップ係止装置において、3個一組の係止歯A、B、Cが、互いに中央の係止歯Aに対してその両側に位置する係止歯B、Cが係合歯の1ピッチPに対してほぼ3分の1又は3分の2ピッチP間隔の係止間隔になるように設定してなる構成を有することにより、3個一組の係止歯を係合歯のほぼ3分の1ピッチの微少間隔で係止することができるから、キャップを係合歯のピッチ間隔の3分の1の微少間隔で係止することができる効果があると共に、キャップ係止間隔に比して3倍の大きさのピッチ間隔の係合歯を設けることができ、強固な係止関係を獲得することができる。
また、更に、係止位置の直前において係合歯2の山を3個中の1個の係止歯1が越えてから係合するから、その越えるときに係止完了を感知できるクリック感を生じる効果がある。
【実施例3】
【0060】
次に、図11の実施例において、3個一組の係止歯A、B、Cにおいて中央T1の係止歯Aに対して、いずれか一方又は両側の係止歯B、Cが係合歯2の1ピッチ以上のピッチ間隔Pの整数倍とほぼ3分の1ピッチ間隔の係止間隔になるように設定したとしても、図11の実施例と同様の原理で同様の係止関係を得ることができる。 図13に記載の実施例の場合、本発明に係るキャップ係止装置は、キャップの容器への回転装着時にキャップと容器とのいずれか一方に設けた円周状の係合歯1に他方に設けた係止歯2が弾性的に係合するようになしたキャップ係止装置において、3個一組の係止歯A1、B1、C1が互いに中央の係止歯A1に対してその両側に位置する係止歯B1、C1が係合歯の1ピッチ間隔Pとほぼ3分の1ピッチ間隔の係止間隔になるように設定してある。
【0061】
この場合、図11に記載の実施例の場合と同様に、係止歯の3個中の1個A1が係合歯1の隣り合う山と山の中間の谷の中央T1に係合している場合、他の2個の係止歯B1,C1は、両側において係合歯1が互いに中央係合歯A1から遠ざかるように、均衡して山の中腹の傾斜面T2,T3に弾力的に当接するから、中央係合歯を含めて3個一組の係止歯A1,B1,C1は係合歯1に固定的に係止し、キャップを停止状態に維持することとなる。
【0062】
また、この状態から、例えば、係止歯2側を右側に向かって強制的に回転すると、ほぼ3分の1ピッチ回転したところで、係止歯の3個中の1個B1が係合歯の隣り合う山と山の中間の谷の中央に係合し、他の2個中の係止歯A1はその右隣として係合歯1を係止歯B1から遠ざかるように係合し、更に右隣の係止歯C1は係止歯A1の作用を打ち消すように係合歯1に係合することとなる。
逆に、係止歯2側を左側に向かって強制的に回転すると、ほぼ3分の1ピッチ回転したところで、係止歯の3個中の1個C1が係合歯1の隣り合う山と山の中間の谷の中央に係合し、他の2個の係止歯A1、B1は互いに係合歯1に加わる回転力を相殺して作用するから係合歯と係止歯は固定状態に維持されることとなる。
【実施例4】
【0063】
次に、図12の実施例において、3個一組の係止歯A、B、Cにおいて中央T1の係止歯Aに対して、いずれか一方又は両側の係止歯B、Cが係合歯2の1ピッチ以上のピッチ間隔Pの整数倍とほぼ3分の2ピッチ間隔の係止間隔になるように設定したとしても、図12の実施例と同様の原理で同様の係止関係を得ることができる。
図14に記載の実施例の場合、本発明に係るキャップ係止装置は、キャップの容器への回転装着時にキャップと容器とのいずれか一方に設けた円周状の係合歯1に他方に設けた係止歯2が弾性的に係合するようになしたキャップ係止装置において、3個一組の係止歯A1、B1、C1が互いに中央の係止歯A1に対してその両側に位置する係止歯B1、C1が係合歯の1ピッチ以上のピッチ間隔Pとほぼ3分の2ピッチ間隔の係止間隔になるように設定してなる構成を有する。
【0064】
この場合、図12に記載の実施例の場合と同様に、係止歯の3個中の1個A1が係合歯1の隣り合う山と山の中間の谷の中央T1に係合している場合、他の2個の係止歯B1,C1は、両側において係合歯1が互いに中央係合歯A1に近づくように、均衡して山の中腹の傾斜面T2,T3に弾力的に当接するから、中央係合歯を含めて3個一組の係止歯A1,B1,C1は係合歯1に固定的に係止し、キャップを停止状態に維持することとなる。
【0065】
また、この図示の状態から、例えば、係止歯2側を左側に向かって強制的に回転すると、ほぼ3分の1ピッチ回転したところで、係止歯の3個中の1個B1が係合歯の隣り合う山と山の中間の谷の中央に係合し、他の2個中の係止歯A1はその右隣として係合歯1を係止歯B1に近づくように係合し、係止歯C1は一山越えたところで係止歯A1の作用を打ち消すように係合歯1を遠ざける方向に係合することとなり、逆に、この図示の状態から、係止歯2側を右側に向かって強制的に回転すると、ほぼ3分の1ピッチ回転したところで、係止歯の3個中の1個C1が係合歯1の隣り合う山と山の中間の谷の中央に係合し、他の2個の係止歯A1、B1は互いに係合歯1に加わる回転力を相殺して作用するから係合歯1と係止歯2は固定状態に維持されることとなる。
【0066】
このことから、図11又は図12の実施例において、3個一組の係止歯A、B、Cにおいて中央T1の係止歯Aに対して、いずれか一方又は両側の係止歯B、Cが係合歯2の1ピッチ以上のピッチ間隔Pの整数倍とほぼ3分の1又は3分の2のピッチ間隔の係止間隔になるように設定したとしても、図11又は図12の実施例と同様の原理で同様の係止関係を得ることができる。
のみならず、3個一組の係止歯A1,B1,C1が少なくとも互いに係合歯の1ピッチ間隔P以上を隔ててほぼ3分の1又は3分の2ピッチ間隔の係止間隔に設定し得るから、隣り合う係止歯A1,B1,C1の間隔を少なくとも係合歯1の1ピッチ間隔P以上の間隔で余裕を持って大きく設けることができる効果がある。
【0067】
また、本発明は、上記キャップ係止装置において、図13に記載の実施例の場合、3個一組の係止歯2のセットA1,B1,C1に対して、他の3個一組の係止歯2のセットA2,B2,C2を隣接して設ける場合、係合歯のA1とA2との間隔が、係止歯の3個中の1個目A1が係合歯の隣り合う山と山の中間の谷の中央T1に係合している場合、次の2個目C1の係止歯を1ピッチ+3分の1ピッチ、次の3個目の係止歯B2は、1個目A1から2ピッチと3分の2ピッチになるから、他の2セット目の係止歯の3個中の1個A1が1ピッチと3分の1ピッチ間隔の係合歯2の隣り合う山と山の中間の谷の中央T4に係合するから、最初の1セット目の係止歯A1と2セット目の係止歯A2のT1とT4の間隔は4ピッチになり、従って、係止歯1の3個一組の複数セットを少なくとも係合歯の4ピッチ間隔を隔てて設定すれば、本発明に係る係止歯を設けることができることとなる。
【0068】
また、この図13の実施例の場合は、前述の如く、3個一組の係止歯1で4ピッチ間隔の係合歯1を係止することができるから、係止歯の歯数を3の倍数3Sセットとすれば、それに対応する係合歯1の歯数は、1セットで係合歯の4歯分であるから4のS倍の歯数4S以上であれば良いこととなる。
従って、図13の実施例の場合、係合歯の総数を4の整数倍4Sにすれば、その倍数Sの複数セットの歯数3Sの係止歯を最大で設けることができる。
【0069】
また、本発明は、上記キャップ係止装置において、図14に記載の実施例の場合、3個一組の係止歯2のセットA1,B1,C1に対して、他の3個一組の係止歯2のセットA2,B2,C2を隣接して設ける場合、係合歯のA1とA2との間隔が、係止歯の3個中の1個目A1が係合歯の隣り合う山と山の中間の谷の中央T1に係合している場合、次の2個目C1の係止歯を1ピッチ+3分の2ピッチ、次の3個目の係止歯B2は、1個目A1から3ピッチと3分の1ピッチになるから、他の2セット目の係止歯の3個中の1個A2が1ピッチと3分の2ピッチ間隔の係合歯2の隣り合う山と山の中間の谷の中央T4に係合するから、最初の1セット目の係止歯A1と2セット目の係止歯A2のT1とT4の間隔は5ピッチになり、従って、係止歯1の3個一組の複数セットを少なくとも係合歯の5ピッチ間隔を隔てて設定すれば、図14の実施例に係る係止歯を設けることができることとなる。
【0070】
また、この図14の実施例の場合は、前述の如く、3個一組の係止歯2で5ピッチ間隔の係合歯1を係止することができるから、係止歯の歯数を3の倍数3Sセットとすれば、それに対応する係合歯1の歯数は、1セットで係合歯の5歯分であるから5のS倍の歯数5S以上であれば良いこととなる。
従って、図14の実施例の場合、係合歯の総数を5の整数倍5Sにすれば、その倍数Sの複数セットの歯数3Sの係止歯を最大で設けることができる。
【実施例5】
【0071】
図1に記載の実施例において、10はキャップで、そのスカート部11の内側に歯数48個の係合歯1が設けてある。従って、係合歯のピッチPは、P=360度/48=7.5度である。
これに対して、20はチューブ容器で、容器肩部21に3個一組の係止歯2が3セット、合計9個の係止歯2が等間隔に設けてある。従って、9個の係止歯1の個々の歯間隔は、40度である。
【0072】
図1の3個一組の係止歯C1、A1、B1は、3時の方向にある歯C1が係合歯の隣り合う山と山の中間の谷の中央に係合しており、それから40度隔てた係合歯A1は7.5度×5+2.5度の位置、即ち、5P+(1/3)Pの位置にあって、6個目の係合歯の右側を押圧する状態にあり、次の係止歯B1は、同様にそれから40度隔てた7.5度×5+2.5度の位置、即ち、5P+(1/3)Pの位置にあって、最初の係止歯C1から10P+(2/3)Pの75度+5度の11個目の係合歯の左側を押圧する状態にあり、3個一組の係止歯C1、A1、B1は、C1が係合歯に嵌合し、B1とC1とは互いに逆方向に押圧しあって、停止状態を維持している。
同様に、他の2セットの3個一組の係止歯C2、A2、B2及びC3,A3,B3は、C2,C3がそれぞれ係合歯に嵌合し、B2,B3とC2,C3とは互いに逆方向に押圧しあって、停止状態を維持している。
【0073】
この状態から、図1において、キャップ10が時針方向に(1/3)P、即ち、2.5度回転すると、3個一組、3セットの係止歯は、それぞれA1,A2,A3が係合歯に嵌合し、他のB1,B2,B3が送り方向、C1,C2,C3が戻し方向に押圧しあって係合し、停止状態を維持することとなる。
従って、チューブ容器20の係止歯2に対してキャップ10の係合歯1のピッチPは7.5度であるが、キャップ10は3分の1ピッチ、(1/3)Pの2.5度の間隔で、停止させることができる。
【実施例6】
【0074】
なお、図1に記載の実施例において、キャップ10のスカート部11の歯数48個の係合歯1に対して、チューブ容器20の係止歯1を、3個一組が中央の係止歯Aに対して、その両側の係止歯B,Cが、係合歯のピッチPの整数倍と、3分の2ピッチ間隔に設けてある場合でも、係合歯1のピッチP=360度/48=7.5度に対して3分の1ピッチの2.5度間隔でキャップ10を係止することができる。
【実施例7】
【0075】
また、例えば、キャップ10のスカート部11の歯数が5の12倍の60個の係合歯1に対して、チューブ容器20の係止歯1を、3個一組が中央の係止歯Aに対して、その両側の係止歯B,Cが、係合歯のピッチPの整数倍と、3分の2ピッチ間隔に設けてある場合では、係合歯1のピッチP=360度/60=6度に対して3分の1ピッチの2度間隔でキャップ10を係止することができる。
ここで、例えば、チューブ容器20の容器肩部21に3個一組の係止歯2が3セット、合計9個の係止歯2が等間隔に設けてあ場合には、9個の係止歯1の個々の歯間隔は、40度で、係止歯1の相互の間隔は、6ピッチ=36度と3分の2ピッチ=4度である。
【実施例8】
【0076】
図2乃至図4はキャップ10の一実施例を示し、比較的硬質なプラスチックの射出成形加工により一体に製作され、スカート部11の内側に、48個の係合歯1を設けてある。12は係止歯1の直上に設けたほぼ90度の回転で螺合可能な多条ネジであり、13は天板部、14は切欠部15によりクリック感を伴ってチューブ容器20の蛇腹状部24に弾性的に嵌着可能にした首部内キャップ部である。
【実施例9】
【0077】
また、図5乃至図7はチューブ容器20の一実施例を示し、比較的軟質なプラスチックのブロー成形加工により製作される押出チューブ容器で、容器肩部21に9個の係止歯2を等間隔に一体に設けてある。22は首太の首部に設けた多条ネジ部で、先のキャップ10の多条ネジ12と螺合するように設けてある。23は細首状の開口部で、開口部23と多条ネジ部22との間に、キャップ装着時に天板部13と当接して開口部23に圧着するように垂直方向に弾性変形可能な蛇腹状部24を設けてある。先のキャップ10の首部内キャップ部14は蛇腹状部24を含めて開口部23に嵌着するように設けてある。このチューブ容器20は内容物が見える透明なプラスチック素材で成形することが好ましく、多条ネジ部22を設けた太首部まで内容物を収容し、使用時には太首部まで押圧して内容物を絞り出すことができる。
図8は、キャップ10の係合歯1と容器20の係止歯2の係合状態を示す要部の概略拡大図である。
【実施例10】
【0078】
図9は係合歯1の歯形を示し、山のなす角度は90度に設定してあるが、ほぼ60度〜ほぼ110度の比較的に鋭角な歯山に成形することが可能である。
図10は係止歯2の歯形を示し、山のなす角度はほぼ110度に設定してあるが、係合歯1の鋭角な歯形の角度と、係止歯2の比較的に鈍角な歯形の角度の差がほぼ10度〜ほぼ40度になるように設定することができ、鋭角的な係合歯の谷間に鈍角的な係止歯の歯山が嵌合することができるように構成してある。
なお、容器の係止歯2が弾性変形して硬質のキャップの係合歯1に係合する場合、キャップの係合歯1はプラスチック製に限定されず、ガラス製、陶製、金属製等の硬質な素材製であっても、勿論実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の一実施例の概略説明図。
【図2】本発明の一実施例の要部の正面図。
【図3】その要部の底面図。
【図4】その要部の正面図中央縦断面図。
【図5】本発明の一実施例の他の要部の一部拡大正面図。
【図6】その要部の平面図。
【図7】その要部の全体を示す概略正面説明図。
【図8】本発明の一実施例の要部の一部拡大断面図。
【図9】本発明の一実施例の要部の一部拡大説明図。
【図10】本発明の一実施例の他の要部の一部拡大説明図。
【図11】本発明の一実施例の原理説明図。
【図12】本発明の他の実施例の原理説明図。
【図13】本発明の他の実施例の原理説明図。
【図14】本発明の他の実施例の原理説明図。
【符号の説明】
【0080】
1 係合歯
2 係止歯
10 キャップ
11 スカート部
12 多条ネジ部
13 天板部
14 キャップ内
15 切欠部
20 押出容器
21 容器肩部
22 多条ネジ部
23 開口部
24 蛇腹状部
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップを容器に回転装着して係止するキャップ係止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、キャップを容器に回転装着して係止するキャップ係止装置は多々知られており、特に、キャップを小さい回転角度間隔で係止するためには、キャップ又は容器のいずれか一方に微少角度間隔の多数の係合歯を円周状に設け、これに他方に設けた微少な係止歯を係合するようにする必要があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
微少角度間隔の多数の係合歯を円周状に設け、これに他方に設けた微少な係止歯を係合する構成は、精密な加工技術が要求され、例えば、プラスチックのブロー成形加工により容器の首部や肩部等に設けることは多大な技術的、労力的且つ費用的な困難を伴う課題があり、更に、微少な係止歯や係合歯では充分な係止力を得られないため係止が外れて正確な位置に確実に係止できない課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そこで、本発明は、請求項1に記載のように、キャップの容器への回転装着時にキャップと容器とのいずれか一方に設けた係合歯に他方に設けた係止歯が弾性的に係合するようになしたキャップ係止装置において、3個一組の係止歯が、中央の係止歯に対してその両側に位置する係止歯が係合歯のゼロ倍を含む整数倍のピッチ間隔と3分の1のピッチ間隔になるように設定してなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0005】
また、本発明は、請求項2に記載のように、請求項1に記載のキャップ係止装置において、3個一組の係止歯が少なくとも互いに係合歯の1ピッチ間隔以上の整数倍のピッチ間隔と3分の1のピッチ間隔を隔てて設けてなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0006】
また、本発明は、請求項3に記載のように、請求項1又は2に記載のキャップ係止装置において、係止歯の3個一組を少なくとも係合歯の4ピッチ間隔を隔てて設定してなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0007】
また、本発明は、請求項4に記載のように、請求項1、2又は3に記載のキャップ係止装置において、係合歯を4の倍数の歯数に設定してなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0008】
また、本発明は、請求項5に記載のように、キャップの容器への回転装着時にキャップと容器とのいずれか一方に設けた円周状の係合歯に他方に設けた係止歯が弾性的に係合するようになしたキャップ係止装置において、3個一組の係止歯が、中央の係止歯に対してその両側に位置する係止歯が係合歯のゼロ倍を含む整数倍のピッチ間隔と3分の2のピッチ間隔になるように設定してなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、請求項6に記載のように、請求項5に記載のキャップ係止装置において、3個一組の係止歯が少なくとも互いに係合歯の1ピッチ間隔以上の整数倍のピッチ間隔と3分の2のピッチ間隔を隔てて設けてなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、請求項7に記載のように、請求項5又は6に記載のキャップ係止装置において、係止歯の3個一組を少なくとも係合歯の5ピッチ間隔を隔てて設定してなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0011】
また、本発明は、請求項8に記載のように、請求項1、2又は3に記載のキャップ係止装置において、係合歯を5の倍数の歯数に設定してなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0012】
また、本発明は、請求項9に記載のように、請求項1乃至8のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係止歯をほぼ等間隔に設定してなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0013】
また、本発明は、請求項10に記載のように、請求項1乃至8のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係止歯を全周に渡ってほぼ等間隔に設定してなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0014】
また、本発明は、請求項11に記載のように、請求項1乃至9のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係止歯を回転装着終端部で係合歯に相対する部分に限定して設けてなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0015】
また、本発明は、請求項12に記載のように、請求項1乃至11のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係合歯を全周に渡って設けてなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0016】
また、本発明は、請求項13に記載のように、請求項1乃至12のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係合歯を比較的に鋭角な歯山に、係止歯を比較的鈍角な歯山に成形してなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0017】
また、本発明は、請求項14に記載のように、請求項13に記載のキャップ係止装置において、係合歯をほぼ60度乃至ほぼ110度の歯山に成形してなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0018】
また、本発明は、請求項15に記載のように、請求項13又は14に記載のキャップ係止装置において、係合歯の歯形の角度を係止歯の歯形の角度の10度乃至40度小さくなるように成形してなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0019】
また、本発明は、請求項16に記載のように、請求項13、14又は15に記載のキャップ係止装置において、係合歯をほぼ90度の歯山に、係止歯をほぼ110度の歯山に成形してなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0020】
また、本発明は、請求項17に記載のように、請求項1乃至16のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係合歯を比較的に硬質なプラスチックで成形すると共に、係止歯を弾性変形容易な比較的軟質のプラスチックで成形してなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0021】
また、本発明は、請求項18に記載のように、請求項1乃至17のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係合歯をキャップに設けると共に係止歯を容器に設けてなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0022】
また、本発明は、請求項19に記載のように、請求項18に記載のキャップ係止装置において、係合歯をキャップスカート内側部に設けると共に係止歯を容器肩部に設けてなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0023】
また、本発明は、請求項20に記載のように、請求項18又は19に記載のキャップ係止装置において、係合歯をキャップに射出成形加工で一体に設けると共に係止歯を容器にブロー成形加工により一体に設けてなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0024】
また、本発明は、請求項21に記載のように、請求項20に記載のキャップ係止装置において、容器が肩部の上方に太首の多条ネジ部を有する回転装着部まで押出可能なブロー成形加工された押出チューブ容器からなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0025】
また、本発明は、請求項22に記載のように、請求項21に記載のキャップ係止装置において、押出チューブ容器が太首の多条ネジ部の上方に細首の開口部を具備すると共に、キャップが細首の開口部に嵌着する細首内キャップ部と多条ネジ部に螺合するネジスカート部とを具備するキャップ係止装置を提供するものである。
【0026】
また、本発明は、請求項23に記載のように、請求項22に記載のキャップ係止装置において、押出チューブ容器が細首の開口部と太首の多条ネジ部との間にキャップ装着時にキャップ天板部が開口部に圧着するように弾力性を持たせた蛇腹状部を設けてなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0027】
また、本発明は、請求項24に記載のように、請求項23に記載のキャップ係止装置において、細首内キャップ部に蛇腹状部に弾性的に嵌着する弾性嵌着スカート部を設けてなるキャップ係止装置を提供するものである。
【0028】
また、本発明は、請求項25に記載のように、請求項24に記載のキャップ係止装置において、弾性嵌着スカート部に切欠部を設けて蛇腹状部に弾性的に嵌着するように構成してなるキャップ係止装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係るキャップ係止装置によれば、請求項1又は5に記載のように、キャップの容器への回転装着時にキャップと容器とのいずれか一方に設けた係合歯に他方に設けた係止歯が弾性的に係合するようになしたキャップ係止装置において、3個一組の係止歯が、中央の係止歯に対してその両側に位置する係止歯が、係合歯のゼロ倍を含む整数倍のピッチ間隔と、3分の1又は3分の2のピッチ間隔になるように設定してなる構成を有することにより、係止歯の3個中の1個が係合歯の隣り合う山と山の中間の谷の中央に係合している場合、他の2個の係止歯は、その両側において1個は中央係合歯に近づくように、他の1個は中央係合歯から遠ざかるように、均衡した押圧力で山の中腹の傾斜面に弾力的に当接するから、中央係合歯を含めて3個一組の係止歯は係合歯に固定的に係止し、キャップを停止状態に維持することとなる。
【0030】
一方、この状態から、例えば、係止歯側を一方に強制的に回転すると、ほぼ3分の1ピッチ回転したところで、係止歯の3個中の1個が係合歯の隣り合う山と山の中間の谷の中央に係合し、他の2個の係止歯は、その両側又は2個続いて、1個は山に近づいて新たな中央係合歯に近づくように、他の1個は山を越えたところで中央係合歯から遠ざかるように、均衡した押圧力で山の中腹の傾斜面に弾力的に当接するから、先と同様に、中央係合歯を含めて3個一組の係止歯は係合歯に固定的に係止し、キャップを係合歯の3分の1ピッチ間隔で停止状態にすることができる効果がある。
【0031】
このことから、3個一組の係止歯を係合歯のほぼ3分の1ピッチの微少間隔で係止することができるから、キャップを係合歯のピッチ間隔の3分の1の微少間隔で係止することができる効果があると共に、キャップ係止間隔に比して3倍の大きさのピッチ間隔の係合歯を設けることができ、強固で確実な係止関係を獲得することができる効果があり、更に、係止位置の直前において係合歯の山を係止歯が越えてから係止するから、そのときに係止完了を感知できるクリック感を生じる効果がある。
【0032】
また、本発明は、請求項2又は6に記載のように、請求項1又は5に記載のキャップ係止装置において、3個一組の係止歯が少なくとも互いに係合歯の整数倍のピッチ間隔と3分の1又は3分の2のピッチ間隔を隔てて設けてなる構成を有することにより、隣り合う係止歯の間隔を少なくとも係合歯の1ピッチ間隔以上の間隔で余裕を持って大きく設けることができる効果がある。
【0033】
また、本発明は、請求項3に記載のように、請求項1又は2に記載のキャップ係止装置において、係止歯の3個一組の複数セットを少なくとも係合歯の4ピッチ間隔を隔てて設定してなる構成を有することにより、係止歯の3個中の1個目が係合歯の隣り合う山と山の中間の谷の中央に係合している場合、次の2個目の係止歯を1ピッチ+3分の1ピッチ、次の3個目の係止歯を1ピッチ+3分の1ピッチ間隔をあけると、1個目から3個目までは2ピッチと3分の2ピッチになるから、他の2セット目の係止歯の3個中の1個目が1ピッチと3分の1ピッチ間隔の係合歯の隣り合う山と山の中間の谷の中央に係合させるとすれば、最初の1セット目の係止歯と2セット目の係止歯の間隔は4ピッチになり、従って、係止歯の3個一組の複数セットを少なくとも係合歯の4ピッチ間隔を隔てて設定して本発明に係る係止歯を設けることができる効果がある。
【0034】
また、本発明は、請求項4に記載のように、請求項1、2又は3に記載のキャップ係止装置において、係合歯を4の倍数の歯数に設定してなる構成を有することにより、3個一組の係止歯の必要とする係合歯の4ピッチ間隔は係合歯の4歯分であるから、係合歯の総数は4の倍数にすれば、複数セットの係止歯を設けることができる効果がある。
【0035】
また、本発明は、請求項7に記載のように、請求項5又は6に記載のキャップ係止装置において、係止歯の3個一組の複数セットを少なくとも係合歯の5ピッチ間隔を隔てて設定してなる構成を有することにより、係止歯の3個中の1個目が係合歯の隣り合う山と山の中間の谷の中央に係合している場合、次の2個目の係止歯を1ピッチ+3分の2ピッチ、次の3個目の係止歯を1ピッチ+3分の2ピッチ間隔をあけると、1個目から3個目までは3ピッチと3分の1ピッチになるから、他の2セット目の係止歯の3個中の1個目が1ピッチと3分の2ピッチ間隔の係合歯の隣り合う山と山の中間の谷の中央に係合させるとすれば、最初の1セット目の係止歯と2セット目の係止歯の間隔は5ピッチになり、従って、係止歯の3個一組の複数セットを少なくとも係合歯の5ピッチ間隔を隔てて設定して本発明に係る係止歯を設けることができる効果がある。
【0036】
また、本発明は、請求項8に記載のように、請求項5、6又は7に記載のキャップ係止装置において、係合歯を5の倍数の歯数に設定してなる構成を有することにより、3個一組の1ピッチと3分の2ピッチ間隔の係止歯の必要とする係合歯の5ピッチ間隔は係合歯の5歯分であるから、係合歯の総数は5の倍数にすれば、3個一組の1ピッチと3分の2ピッチ間隔の複数セットの係止歯を設けることができる効果がある。
【0037】
また、本発明は、請求項9に記載のように、請求項1乃至8のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係止歯をほぼ等間隔に設定してなる構成を有することにより、キャップを等間隔に設けた係止歯で係止個所を限定して係止することができる効果がある。
【0038】
また、本発明は、請求項10に記載のように、請求項1乃至8のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係止歯を全周に渡ってほぼ等間隔に設定してなる構成を有することにより、キャップを全周に渡って等間隔な係止歯で均等に係止することができる効果がある。
【0039】
また、本発明は、請求項11に記載のように、請求項1乃至9のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係合歯を回転装着終端部で係止歯に相対する部分に限定して設けてなる構成を有することにより、キャップの容器への回転装着終端部が一定な場合、その終端部付近にのみ限定して係合歯と係止歯を設けることによって、係合歯と係止歯の設定位置を特定場所に限定することができる効果がある。
【0040】
また、本発明は、請求項12に記載のように、請求項1乃至11のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係合歯を全周に渡って設けてなる構成を有することにより、キャップの回転終端部を自由に設定することができると共に、係止歯の設置位置にも自由度を持たせることができる。
【0041】
また、本発明は、請求項13に記載のように、請求項1乃至12のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係合歯を比較的に鋭角な歯山に、係止歯を比較的鈍角な歯山に成形してなる構成を有することにより、係合歯を歯数の多い連続した鋭角的な形態に設けることができると共に、係止歯を少数歯数で広い間隔で鈍角的に設けて、係止することができる効果がある。
【0042】
また、本発明は、請求項14に記載のように、請求項13に記載のキャップ係止装置において、係合歯をほぼ60度乃至ほぼ110度の歯山に成形してなる構成を有することにより、比較的に鋭角な係合歯の谷間に鈍角的な係止歯の歯山が嵌合することができる効果がある。
【0043】
また、本発明は、請求項15に記載のように、請求項13又は14に記載のキャップ係止装置において、係合歯の歯形の角度を、係止歯の歯形の角度のほぼ10度乃至ほぼ40度小さくなるように成形してなる構成を有することにより、鋭角的な係合歯の谷間に鈍角的な係止歯の歯山が嵌合することができる効果がある。
【0044】
また、本発明は、請求項16に記載のように、請求項13、14又は15に記載のキャップ係止装置において、係合歯をほぼ90度の歯山に、係止歯をほぼ110度の歯山に成形してなる構成を有することにより、鋭角的な係合歯の谷間に鈍角的な係止歯の歯山が嵌合することができる効果がある。
【0045】
また、本発明は、請求項17に記載のように、請求項1乃至16のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係合歯を比較的に硬質なプラスチックで成形すると共に、係止歯を弾性変形容易な比較的軟質のプラスチックで成形してなる構成を有することにより、歯と歯の間隔が狭い係合歯を比較的に硬質なプラスチックで精密に強固に成形することができると共に、比較的広い間隔で大きく作ることができる係止歯を弾性変形容易な比較的軟質のプラスチックで成形することができる効果がある。
【0046】
また、本発明は、請求項18に記載のように、請求項1乃至17のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係合歯をキャップに設けると共に係止歯を容器に設けてなる構成を有することにより、数の多い係合歯を個別加工が容易で硬質にすることが好ましいキャップに強固に設けることができると共に、数の少なくて済む係止歯を加工が難しい容器に設けることができる効果がある。
【0047】
また、本発明は、請求項19に記載のように、請求項18に記載のキャップ係止装置において、係合歯をキャップスカート内側部に設けると共に係止歯を容器肩部に設けてなる構成を有することにより、キャップスカート内側に設けた係合歯と容器肩部に設けた係止歯により、キャップ係止することができる効果がある。
【0048】
また、本発明は、請求項20に記載のように、請求項18又は19に記載のキャップ係止装置において、係合歯をキャップに射出成形加工で一体に設けると共に係止歯を容器にブロー成形加工により一体に設けてなる構成を有することにより、係合歯をキャップに射出成形加工で歯数の小さくて多い係合歯を精密に設けることができると共に、容器にブロー成形加工により歯数の少ない係止歯を広い間隔で弾性変形可能に設けることができる効果がある。
【0049】
また、本発明は、請求項21に記載のように、請求項20に記載のキャップ係止装置において、容器が肩部の上方に太首の多条ネジ部を有する回転装着部まで押出可能なブロー成形加工された押出チューブ容器からなる構成を有することにより、首太の多条ネジ部で強固な回転装着部を構成することができると共に、首部まで押出可能なブロー成形加工されたプラスチック製の押出チューブ容器を提供することができる効果がある。
【0050】
また、本発明は、請求項22に記載のように、請求項21に記載のキャップ係止装置において、押出チューブ容器が太首の多条ネジ部の上方に細首の開口部を具備すると共に、キャップが細首の開口部に嵌着する細首内キャップ部と多条ネジ部に螺合するネジスカート部とを具備する構成を有することにより、容器の太首の多条ネジ部とキャップネジスカート部により強固なキャップ装着効果が得られると共に、容器の細首の開口部を細首内キャップ部により、確実に覆うことができる効果がある。
【0051】
また、本発明は、請求項23に記載のように、請求項22に記載のキャップ係止装置において、押出チューブ容器が細首の開口部と太首の多条ネジ部との間にキャップ装着時にキャップ天板部が開口部に圧着するように弾力性を持たせた蛇腹状部を設けてなる構成を有することにより、蛇腹状部の弾性力によりキャップ天板部で容器開口部を圧着して閉鎖することができる効果がある。
【0052】
また、本発明は、請求項24に記載のように、請求項23に記載のキャップ係止装置において、細首内キャップ部に蛇腹状部に弾性的に嵌着する弾性嵌着スカート部を設けてなる構成を有することにより、蛇腹状部に弾性嵌着スカート部が強固に嵌着する効果があると共に、嵌着時にキャップ係止完了を感知させるクリック感を生じさせる効果がある。
【0053】
また、本発明は、請求項25に記載のように、請求項24に記載のキャップ係止装置において、弾性嵌着スカート部に切欠部を設けて蛇腹状部に弾性的に嵌着する構成を有することにより、キャップの嵌着をより確実にする効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
以下図示する実施例により本発明を説明する。
【実施例1】
【0055】
図11の実施例の本発明に係るキャップ係止装置は、キャップの容器への回転装着時にキャップと容器とのいずれか一方に設けた円周状の係合歯1に他方に設けた係止歯2が弾性的に係合するようになしたキャップ係止装置において、3個一組の係止歯A、B、Cが、互いに中央の係止歯Aに対してその両側に位置する係止歯B、Cが係合歯の1ピッチPに対してほぼ3分の1ピッチP間隔の係止間隔になるように設定してなる構成を有することにより、係止歯の3個中の1個Aが係合歯1の隣り合う山と山の中間の谷の中央T1に係合している場合、他の2個の係止歯B,Cは、両側において係合歯1が互いに中央係合歯Aから遠ざかるように、均衡して山の中腹の傾斜面T2,T3に弾力的に当接するから、中央係合歯を含めて3個一組の係止歯A,B,Cは係合歯1に固定的に係止し、キャップを停止状態に維持することとなる。
【0056】
この状態から、例えば、係止歯2側を右側に向かって強制的に回転すると、ほぼ3分の1ピッチ回転したところで、係止歯2の3個中の1個Bが係合歯1の隣り合う山と山の中間の谷の中央に係合し、他の2個中の係止歯Aはその右隣として係合歯1を係止歯Bから遠ざかるように係合し、更に右隣の係止歯Cは係止歯Aの作用を打ち消すように係合歯1を近づけるように係合して当接力が均衡することとなる。
また、図示の状態から係止歯2側を左側に向かって強制的に回転すると、ほぼ3分の1ピッチ回転したところで、係止歯の3個中の1個C1が係合歯1の隣り合う山と山の中間の谷の中央に係合し、他の2個の係止歯A1、B1は互いに係合歯1に加わる回転力を相殺して作用するから係合歯と係止歯は固定状態に維持されることとなる。
【実施例2】
【0057】
また、図12において、3個一組の係止歯A、B、Cが、互いに中央の係止歯Aに対してその両側に位置する係止歯B、Cが係合歯の1ピッチPに対してほぼ3分の2ピッチP間隔の係止間隔になるように設定してなる構成を有することにより、係止歯2の3個中の1個Aが係合歯1の隣り合う山と山の中間の谷の中央T1に係合している場合、他の2個の係止歯B,Cは、両側において係合歯1が互いに中央係合歯Aに近づくように、均衡して山の中腹の傾斜面T2,T3に弾力的に当接するから、中央係合歯を含めて3個一組の係止歯A,B,Cは係合歯1に固定的に係止し、キャップを停止状態に維持することとなる。
【0058】
この状態から、例えば、係止歯2側を右側に向かって強制的に回転すると、ほぼ3分の1ピッチ回転したところで、係止歯の3個中の1個Cが係合歯1の隣り合う山と山の中間の谷の中央に係合し、他の2個中の係止歯Aはその左隣として係合歯1を係止歯Cに近づくように係合し、更に左隣の係止歯Bは一山越えたところで係止歯Aの作用を打ち消すように係止歯Cから遠ざかるように係合歯1に係合することとなる。
また、係止歯2側を左側に向かって強制的に回転すると、ほぼ3分の1ピッチ回転したところで、係止歯の3個中の1個Bが係合歯1の隣り合う山と山の中間の谷の中央に係合し、他の2個の係止歯A、Cは互いに係合歯1に加わる回転力を相殺して作用するから係合歯と係止歯は固定状態に維持されることとなる。
【0059】
このように、実施例1及び実施例2に記載の本発明に係るキャップ係止装置は、キャップの容器への回転装着時にキャップと容器とのいずれか一方に設けた円周状の係合歯1に他方に設けた係止歯2が弾性的に係合するようになしたキャップ係止装置において、3個一組の係止歯A、B、Cが、互いに中央の係止歯Aに対してその両側に位置する係止歯B、Cが係合歯の1ピッチPに対してほぼ3分の1又は3分の2ピッチP間隔の係止間隔になるように設定してなる構成を有することにより、3個一組の係止歯を係合歯のほぼ3分の1ピッチの微少間隔で係止することができるから、キャップを係合歯のピッチ間隔の3分の1の微少間隔で係止することができる効果があると共に、キャップ係止間隔に比して3倍の大きさのピッチ間隔の係合歯を設けることができ、強固な係止関係を獲得することができる。
また、更に、係止位置の直前において係合歯2の山を3個中の1個の係止歯1が越えてから係合するから、その越えるときに係止完了を感知できるクリック感を生じる効果がある。
【実施例3】
【0060】
次に、図11の実施例において、3個一組の係止歯A、B、Cにおいて中央T1の係止歯Aに対して、いずれか一方又は両側の係止歯B、Cが係合歯2の1ピッチ以上のピッチ間隔Pの整数倍とほぼ3分の1ピッチ間隔の係止間隔になるように設定したとしても、図11の実施例と同様の原理で同様の係止関係を得ることができる。 図13に記載の実施例の場合、本発明に係るキャップ係止装置は、キャップの容器への回転装着時にキャップと容器とのいずれか一方に設けた円周状の係合歯1に他方に設けた係止歯2が弾性的に係合するようになしたキャップ係止装置において、3個一組の係止歯A1、B1、C1が互いに中央の係止歯A1に対してその両側に位置する係止歯B1、C1が係合歯の1ピッチ間隔Pとほぼ3分の1ピッチ間隔の係止間隔になるように設定してある。
【0061】
この場合、図11に記載の実施例の場合と同様に、係止歯の3個中の1個A1が係合歯1の隣り合う山と山の中間の谷の中央T1に係合している場合、他の2個の係止歯B1,C1は、両側において係合歯1が互いに中央係合歯A1から遠ざかるように、均衡して山の中腹の傾斜面T2,T3に弾力的に当接するから、中央係合歯を含めて3個一組の係止歯A1,B1,C1は係合歯1に固定的に係止し、キャップを停止状態に維持することとなる。
【0062】
また、この状態から、例えば、係止歯2側を右側に向かって強制的に回転すると、ほぼ3分の1ピッチ回転したところで、係止歯の3個中の1個B1が係合歯の隣り合う山と山の中間の谷の中央に係合し、他の2個中の係止歯A1はその右隣として係合歯1を係止歯B1から遠ざかるように係合し、更に右隣の係止歯C1は係止歯A1の作用を打ち消すように係合歯1に係合することとなる。
逆に、係止歯2側を左側に向かって強制的に回転すると、ほぼ3分の1ピッチ回転したところで、係止歯の3個中の1個C1が係合歯1の隣り合う山と山の中間の谷の中央に係合し、他の2個の係止歯A1、B1は互いに係合歯1に加わる回転力を相殺して作用するから係合歯と係止歯は固定状態に維持されることとなる。
【実施例4】
【0063】
次に、図12の実施例において、3個一組の係止歯A、B、Cにおいて中央T1の係止歯Aに対して、いずれか一方又は両側の係止歯B、Cが係合歯2の1ピッチ以上のピッチ間隔Pの整数倍とほぼ3分の2ピッチ間隔の係止間隔になるように設定したとしても、図12の実施例と同様の原理で同様の係止関係を得ることができる。
図14に記載の実施例の場合、本発明に係るキャップ係止装置は、キャップの容器への回転装着時にキャップと容器とのいずれか一方に設けた円周状の係合歯1に他方に設けた係止歯2が弾性的に係合するようになしたキャップ係止装置において、3個一組の係止歯A1、B1、C1が互いに中央の係止歯A1に対してその両側に位置する係止歯B1、C1が係合歯の1ピッチ以上のピッチ間隔Pとほぼ3分の2ピッチ間隔の係止間隔になるように設定してなる構成を有する。
【0064】
この場合、図12に記載の実施例の場合と同様に、係止歯の3個中の1個A1が係合歯1の隣り合う山と山の中間の谷の中央T1に係合している場合、他の2個の係止歯B1,C1は、両側において係合歯1が互いに中央係合歯A1に近づくように、均衡して山の中腹の傾斜面T2,T3に弾力的に当接するから、中央係合歯を含めて3個一組の係止歯A1,B1,C1は係合歯1に固定的に係止し、キャップを停止状態に維持することとなる。
【0065】
また、この図示の状態から、例えば、係止歯2側を左側に向かって強制的に回転すると、ほぼ3分の1ピッチ回転したところで、係止歯の3個中の1個B1が係合歯の隣り合う山と山の中間の谷の中央に係合し、他の2個中の係止歯A1はその右隣として係合歯1を係止歯B1に近づくように係合し、係止歯C1は一山越えたところで係止歯A1の作用を打ち消すように係合歯1を遠ざける方向に係合することとなり、逆に、この図示の状態から、係止歯2側を右側に向かって強制的に回転すると、ほぼ3分の1ピッチ回転したところで、係止歯の3個中の1個C1が係合歯1の隣り合う山と山の中間の谷の中央に係合し、他の2個の係止歯A1、B1は互いに係合歯1に加わる回転力を相殺して作用するから係合歯1と係止歯2は固定状態に維持されることとなる。
【0066】
このことから、図11又は図12の実施例において、3個一組の係止歯A、B、Cにおいて中央T1の係止歯Aに対して、いずれか一方又は両側の係止歯B、Cが係合歯2の1ピッチ以上のピッチ間隔Pの整数倍とほぼ3分の1又は3分の2のピッチ間隔の係止間隔になるように設定したとしても、図11又は図12の実施例と同様の原理で同様の係止関係を得ることができる。
のみならず、3個一組の係止歯A1,B1,C1が少なくとも互いに係合歯の1ピッチ間隔P以上を隔ててほぼ3分の1又は3分の2ピッチ間隔の係止間隔に設定し得るから、隣り合う係止歯A1,B1,C1の間隔を少なくとも係合歯1の1ピッチ間隔P以上の間隔で余裕を持って大きく設けることができる効果がある。
【0067】
また、本発明は、上記キャップ係止装置において、図13に記載の実施例の場合、3個一組の係止歯2のセットA1,B1,C1に対して、他の3個一組の係止歯2のセットA2,B2,C2を隣接して設ける場合、係合歯のA1とA2との間隔が、係止歯の3個中の1個目A1が係合歯の隣り合う山と山の中間の谷の中央T1に係合している場合、次の2個目C1の係止歯を1ピッチ+3分の1ピッチ、次の3個目の係止歯B2は、1個目A1から2ピッチと3分の2ピッチになるから、他の2セット目の係止歯の3個中の1個A1が1ピッチと3分の1ピッチ間隔の係合歯2の隣り合う山と山の中間の谷の中央T4に係合するから、最初の1セット目の係止歯A1と2セット目の係止歯A2のT1とT4の間隔は4ピッチになり、従って、係止歯1の3個一組の複数セットを少なくとも係合歯の4ピッチ間隔を隔てて設定すれば、本発明に係る係止歯を設けることができることとなる。
【0068】
また、この図13の実施例の場合は、前述の如く、3個一組の係止歯1で4ピッチ間隔の係合歯1を係止することができるから、係止歯の歯数を3の倍数3Sセットとすれば、それに対応する係合歯1の歯数は、1セットで係合歯の4歯分であるから4のS倍の歯数4S以上であれば良いこととなる。
従って、図13の実施例の場合、係合歯の総数を4の整数倍4Sにすれば、その倍数Sの複数セットの歯数3Sの係止歯を最大で設けることができる。
【0069】
また、本発明は、上記キャップ係止装置において、図14に記載の実施例の場合、3個一組の係止歯2のセットA1,B1,C1に対して、他の3個一組の係止歯2のセットA2,B2,C2を隣接して設ける場合、係合歯のA1とA2との間隔が、係止歯の3個中の1個目A1が係合歯の隣り合う山と山の中間の谷の中央T1に係合している場合、次の2個目C1の係止歯を1ピッチ+3分の2ピッチ、次の3個目の係止歯B2は、1個目A1から3ピッチと3分の1ピッチになるから、他の2セット目の係止歯の3個中の1個A2が1ピッチと3分の2ピッチ間隔の係合歯2の隣り合う山と山の中間の谷の中央T4に係合するから、最初の1セット目の係止歯A1と2セット目の係止歯A2のT1とT4の間隔は5ピッチになり、従って、係止歯1の3個一組の複数セットを少なくとも係合歯の5ピッチ間隔を隔てて設定すれば、図14の実施例に係る係止歯を設けることができることとなる。
【0070】
また、この図14の実施例の場合は、前述の如く、3個一組の係止歯2で5ピッチ間隔の係合歯1を係止することができるから、係止歯の歯数を3の倍数3Sセットとすれば、それに対応する係合歯1の歯数は、1セットで係合歯の5歯分であるから5のS倍の歯数5S以上であれば良いこととなる。
従って、図14の実施例の場合、係合歯の総数を5の整数倍5Sにすれば、その倍数Sの複数セットの歯数3Sの係止歯を最大で設けることができる。
【実施例5】
【0071】
図1に記載の実施例において、10はキャップで、そのスカート部11の内側に歯数48個の係合歯1が設けてある。従って、係合歯のピッチPは、P=360度/48=7.5度である。
これに対して、20はチューブ容器で、容器肩部21に3個一組の係止歯2が3セット、合計9個の係止歯2が等間隔に設けてある。従って、9個の係止歯1の個々の歯間隔は、40度である。
【0072】
図1の3個一組の係止歯C1、A1、B1は、3時の方向にある歯C1が係合歯の隣り合う山と山の中間の谷の中央に係合しており、それから40度隔てた係合歯A1は7.5度×5+2.5度の位置、即ち、5P+(1/3)Pの位置にあって、6個目の係合歯の右側を押圧する状態にあり、次の係止歯B1は、同様にそれから40度隔てた7.5度×5+2.5度の位置、即ち、5P+(1/3)Pの位置にあって、最初の係止歯C1から10P+(2/3)Pの75度+5度の11個目の係合歯の左側を押圧する状態にあり、3個一組の係止歯C1、A1、B1は、C1が係合歯に嵌合し、B1とC1とは互いに逆方向に押圧しあって、停止状態を維持している。
同様に、他の2セットの3個一組の係止歯C2、A2、B2及びC3,A3,B3は、C2,C3がそれぞれ係合歯に嵌合し、B2,B3とC2,C3とは互いに逆方向に押圧しあって、停止状態を維持している。
【0073】
この状態から、図1において、キャップ10が時針方向に(1/3)P、即ち、2.5度回転すると、3個一組、3セットの係止歯は、それぞれA1,A2,A3が係合歯に嵌合し、他のB1,B2,B3が送り方向、C1,C2,C3が戻し方向に押圧しあって係合し、停止状態を維持することとなる。
従って、チューブ容器20の係止歯2に対してキャップ10の係合歯1のピッチPは7.5度であるが、キャップ10は3分の1ピッチ、(1/3)Pの2.5度の間隔で、停止させることができる。
【実施例6】
【0074】
なお、図1に記載の実施例において、キャップ10のスカート部11の歯数48個の係合歯1に対して、チューブ容器20の係止歯1を、3個一組が中央の係止歯Aに対して、その両側の係止歯B,Cが、係合歯のピッチPの整数倍と、3分の2ピッチ間隔に設けてある場合でも、係合歯1のピッチP=360度/48=7.5度に対して3分の1ピッチの2.5度間隔でキャップ10を係止することができる。
【実施例7】
【0075】
また、例えば、キャップ10のスカート部11の歯数が5の12倍の60個の係合歯1に対して、チューブ容器20の係止歯1を、3個一組が中央の係止歯Aに対して、その両側の係止歯B,Cが、係合歯のピッチPの整数倍と、3分の2ピッチ間隔に設けてある場合では、係合歯1のピッチP=360度/60=6度に対して3分の1ピッチの2度間隔でキャップ10を係止することができる。
ここで、例えば、チューブ容器20の容器肩部21に3個一組の係止歯2が3セット、合計9個の係止歯2が等間隔に設けてあ場合には、9個の係止歯1の個々の歯間隔は、40度で、係止歯1の相互の間隔は、6ピッチ=36度と3分の2ピッチ=4度である。
【実施例8】
【0076】
図2乃至図4はキャップ10の一実施例を示し、比較的硬質なプラスチックの射出成形加工により一体に製作され、スカート部11の内側に、48個の係合歯1を設けてある。12は係止歯1の直上に設けたほぼ90度の回転で螺合可能な多条ネジであり、13は天板部、14は切欠部15によりクリック感を伴ってチューブ容器20の蛇腹状部24に弾性的に嵌着可能にした首部内キャップ部である。
【実施例9】
【0077】
また、図5乃至図7はチューブ容器20の一実施例を示し、比較的軟質なプラスチックのブロー成形加工により製作される押出チューブ容器で、容器肩部21に9個の係止歯2を等間隔に一体に設けてある。22は首太の首部に設けた多条ネジ部で、先のキャップ10の多条ネジ12と螺合するように設けてある。23は細首状の開口部で、開口部23と多条ネジ部22との間に、キャップ装着時に天板部13と当接して開口部23に圧着するように垂直方向に弾性変形可能な蛇腹状部24を設けてある。先のキャップ10の首部内キャップ部14は蛇腹状部24を含めて開口部23に嵌着するように設けてある。このチューブ容器20は内容物が見える透明なプラスチック素材で成形することが好ましく、多条ネジ部22を設けた太首部まで内容物を収容し、使用時には太首部まで押圧して内容物を絞り出すことができる。
図8は、キャップ10の係合歯1と容器20の係止歯2の係合状態を示す要部の概略拡大図である。
【実施例10】
【0078】
図9は係合歯1の歯形を示し、山のなす角度は90度に設定してあるが、ほぼ60度〜ほぼ110度の比較的に鋭角な歯山に成形することが可能である。
図10は係止歯2の歯形を示し、山のなす角度はほぼ110度に設定してあるが、係合歯1の鋭角な歯形の角度と、係止歯2の比較的に鈍角な歯形の角度の差がほぼ10度〜ほぼ40度になるように設定することができ、鋭角的な係合歯の谷間に鈍角的な係止歯の歯山が嵌合することができるように構成してある。
なお、容器の係止歯2が弾性変形して硬質のキャップの係合歯1に係合する場合、キャップの係合歯1はプラスチック製に限定されず、ガラス製、陶製、金属製等の硬質な素材製であっても、勿論実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の一実施例の概略説明図。
【図2】本発明の一実施例の要部の正面図。
【図3】その要部の底面図。
【図4】その要部の正面図中央縦断面図。
【図5】本発明の一実施例の他の要部の一部拡大正面図。
【図6】その要部の平面図。
【図7】その要部の全体を示す概略正面説明図。
【図8】本発明の一実施例の要部の一部拡大断面図。
【図9】本発明の一実施例の要部の一部拡大説明図。
【図10】本発明の一実施例の他の要部の一部拡大説明図。
【図11】本発明の一実施例の原理説明図。
【図12】本発明の他の実施例の原理説明図。
【図13】本発明の他の実施例の原理説明図。
【図14】本発明の他の実施例の原理説明図。
【符号の説明】
【0080】
1 係合歯
2 係止歯
10 キャップ
11 スカート部
12 多条ネジ部
13 天板部
14 キャップ内
15 切欠部
20 押出容器
21 容器肩部
22 多条ネジ部
23 開口部
24 蛇腹状部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャップの容器への回転装着時にキャップと容器とのいずれか一方に設けた係合歯に他方に設けた係止歯が弾性的に係合するようになしたキャップ係止装置において、3個一組の係止歯が、中央の係止歯に対してその両側に位置する係止歯が係合歯のゼロ倍を含む整数倍のピッチ間隔と3分の1のピッチ間隔になるように設定してなるキャップ係止装置。
【請求項2】
請求項1に記載のキャップ係止装置において、3個一組の係止歯が少なくとも互いに係合歯の1ピッチ間隔以上の整数倍のピッチ間隔と3分の1のピッチ間隔を隔てて設けてなるキャップ係止装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のキャップ係止装置において、係止歯の3個一組を少なくとも係合歯の4ピッチ間隔を隔てて設定してなるキャップ係止装置。
【請求項4】
請求項1、2又は3に記載のキャップ係止装置において、係合歯を4の倍数の歯数に設定してなるキャップ係止装置。
【請求項5】
キャップの容器への回転装着時にキャップと容器とのいずれか一方に設けた円周状の係合歯に他方に設けた係止歯が弾性的に係合するようになしたキャップ係止装置において、3個一組の係止歯が、中央の係止歯に対してその両側に位置する係止歯が係合歯のゼロ倍を含む整数倍のピッチ間隔と3分の2のピッチ間隔になるように設定してなるキャップ係止装置。
【請求項6】
請求項5に記載のキャップ係止装置において、3個一組の係止歯が少なくとも互いに係合歯の1ピッチ間隔以上の整数倍のピッチ間隔と3分の2のピッチ間隔を隔てて設けてなるキャップ係止装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のキャップ係止装置において、係止歯の3個一組を少なくとも係合歯の5ピッチ間隔を隔てて設定してなるキャップ係止装置。
【請求項8】
請求項1、2又は3に記載のキャップ係止装置において、係合歯を5の倍数の歯数に設定してなるキャップ係止装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係止歯をほぼ等間隔に設定してなるキャップ係止装置。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係止歯を全周に渡ってほぼ等間隔に設定してなるキャップ係止装置。
【請求項11】
請求項1乃至9のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係止歯を回転装着終端部で係合歯に相対する部分に限定して設けてなるキャップ係止装置。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係合歯を全周に渡って設けてなるキャップ係止装置。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係合歯を比較的に鋭角な歯山に、係止歯を比較的鈍角な歯山に成形してなるキャップ係止装置。
【請求項14】
請求項13に記載のキャップ係止装置において、係合歯をほぼ60度乃至ほぼ110度の歯山に成形してなるキャップ係止装置。
【請求項15】
請求項13又は14に記載のキャップ係止装置において、係合歯の歯形の角度を係止歯の歯形の角度の10度乃至40度小さくなるように成形してなるキャップ係止装置。
【請求項16】
請求項13、14又は15に記載のキャップ係止装置において、係合歯をほぼ90度の歯山に、係止歯をほぼ110度の歯山に成形してなるキャップ係止装置。
【請求項17】
請求項1乃至16のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係合歯を比較的に硬質なプラスチックで成形すると共に、係止歯を弾性変形容易な比較的軟質のプラスチックで成形してなるキャップ係止装置。
【請求項18】
請求項1乃至17のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係合歯をキャップに設けると共に係止歯を容器に設けてなるキャップ係止装置。
【請求項19】
請求項18に記載のキャップ係止装置において、係合歯をキャップスカート内側部に設けると共に係止歯を容器肩部に設けてなるキャップ係止装置。
【請求項20】
請求項18又は19に記載のキャップ係止装置において、係合歯をキャップに射出成形加工で一体に設けると共に係止歯を容器にブロー成形加工により一体に設けてなるキャップ係止装置。
【請求項21】
請求項20に記載のキャップ係止装置において、容器が肩部の上方に太首の多条ネジ部を有する回転装着部まで押出可能なブロー成形加工された押出チューブ容器からなるキャップ係止装置。
【請求項22】
請求項21に記載のキャップ係止装置において、押出チューブ容器が太首の多条ネジ部の上方に細首の開口部を具備すると共に、キャップが細首の開口部に嵌着する細首内キャップ部と多条ネジ部に螺合するネジスカート部とを具備するキャップ係止装置。
【請求項23】
請求項22に記載のキャップ係止装置において、押出チューブ容器が細首の開口部と太首の多条ネジ部との間にキャップ装着時にキャップ天板部が開口部に圧着するように弾力性を持たせた蛇腹状部を設けてなるキャップ係止装置。
【請求項24】
請求項23に記載のキャップ係止装置において、細首内キャップ部に蛇腹状部に弾性的に嵌着する弾性嵌着スカート部を設けてなるキャップ係止装置。
【請求項25】
請求項24に記載のキャップ係止装置において、弾性嵌着スカート部に切欠部を設けて蛇腹状部に弾性的に嵌着するように構成してなるキャップ係止装置。
【請求項1】
キャップの容器への回転装着時にキャップと容器とのいずれか一方に設けた係合歯に他方に設けた係止歯が弾性的に係合するようになしたキャップ係止装置において、3個一組の係止歯が、中央の係止歯に対してその両側に位置する係止歯が係合歯のゼロ倍を含む整数倍のピッチ間隔と3分の1のピッチ間隔になるように設定してなるキャップ係止装置。
【請求項2】
請求項1に記載のキャップ係止装置において、3個一組の係止歯が少なくとも互いに係合歯の1ピッチ間隔以上の整数倍のピッチ間隔と3分の1のピッチ間隔を隔てて設けてなるキャップ係止装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のキャップ係止装置において、係止歯の3個一組を少なくとも係合歯の4ピッチ間隔を隔てて設定してなるキャップ係止装置。
【請求項4】
請求項1、2又は3に記載のキャップ係止装置において、係合歯を4の倍数の歯数に設定してなるキャップ係止装置。
【請求項5】
キャップの容器への回転装着時にキャップと容器とのいずれか一方に設けた円周状の係合歯に他方に設けた係止歯が弾性的に係合するようになしたキャップ係止装置において、3個一組の係止歯が、中央の係止歯に対してその両側に位置する係止歯が係合歯のゼロ倍を含む整数倍のピッチ間隔と3分の2のピッチ間隔になるように設定してなるキャップ係止装置。
【請求項6】
請求項5に記載のキャップ係止装置において、3個一組の係止歯が少なくとも互いに係合歯の1ピッチ間隔以上の整数倍のピッチ間隔と3分の2のピッチ間隔を隔てて設けてなるキャップ係止装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のキャップ係止装置において、係止歯の3個一組を少なくとも係合歯の5ピッチ間隔を隔てて設定してなるキャップ係止装置。
【請求項8】
請求項1、2又は3に記載のキャップ係止装置において、係合歯を5の倍数の歯数に設定してなるキャップ係止装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係止歯をほぼ等間隔に設定してなるキャップ係止装置。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係止歯を全周に渡ってほぼ等間隔に設定してなるキャップ係止装置。
【請求項11】
請求項1乃至9のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係止歯を回転装着終端部で係合歯に相対する部分に限定して設けてなるキャップ係止装置。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係合歯を全周に渡って設けてなるキャップ係止装置。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係合歯を比較的に鋭角な歯山に、係止歯を比較的鈍角な歯山に成形してなるキャップ係止装置。
【請求項14】
請求項13に記載のキャップ係止装置において、係合歯をほぼ60度乃至ほぼ110度の歯山に成形してなるキャップ係止装置。
【請求項15】
請求項13又は14に記載のキャップ係止装置において、係合歯の歯形の角度を係止歯の歯形の角度の10度乃至40度小さくなるように成形してなるキャップ係止装置。
【請求項16】
請求項13、14又は15に記載のキャップ係止装置において、係合歯をほぼ90度の歯山に、係止歯をほぼ110度の歯山に成形してなるキャップ係止装置。
【請求項17】
請求項1乃至16のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係合歯を比較的に硬質なプラスチックで成形すると共に、係止歯を弾性変形容易な比較的軟質のプラスチックで成形してなるキャップ係止装置。
【請求項18】
請求項1乃至17のいずれかに記載のキャップ係止装置において、係合歯をキャップに設けると共に係止歯を容器に設けてなるキャップ係止装置。
【請求項19】
請求項18に記載のキャップ係止装置において、係合歯をキャップスカート内側部に設けると共に係止歯を容器肩部に設けてなるキャップ係止装置。
【請求項20】
請求項18又は19に記載のキャップ係止装置において、係合歯をキャップに射出成形加工で一体に設けると共に係止歯を容器にブロー成形加工により一体に設けてなるキャップ係止装置。
【請求項21】
請求項20に記載のキャップ係止装置において、容器が肩部の上方に太首の多条ネジ部を有する回転装着部まで押出可能なブロー成形加工された押出チューブ容器からなるキャップ係止装置。
【請求項22】
請求項21に記載のキャップ係止装置において、押出チューブ容器が太首の多条ネジ部の上方に細首の開口部を具備すると共に、キャップが細首の開口部に嵌着する細首内キャップ部と多条ネジ部に螺合するネジスカート部とを具備するキャップ係止装置。
【請求項23】
請求項22に記載のキャップ係止装置において、押出チューブ容器が細首の開口部と太首の多条ネジ部との間にキャップ装着時にキャップ天板部が開口部に圧着するように弾力性を持たせた蛇腹状部を設けてなるキャップ係止装置。
【請求項24】
請求項23に記載のキャップ係止装置において、細首内キャップ部に蛇腹状部に弾性的に嵌着する弾性嵌着スカート部を設けてなるキャップ係止装置。
【請求項25】
請求項24に記載のキャップ係止装置において、弾性嵌着スカート部に切欠部を設けて蛇腹状部に弾性的に嵌着するように構成してなるキャップ係止装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−227278(P2009−227278A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−187419(P2006−187419)
【出願日】平成18年7月7日(2006.7.7)
【出願人】(000116297)ヱスビー食品株式会社 (40)
【出願人】(000234627)シロウマサイエンス株式会社 (40)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月7日(2006.7.7)
【出願人】(000116297)ヱスビー食品株式会社 (40)
【出願人】(000234627)シロウマサイエンス株式会社 (40)
【Fターム(参考)】
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