キャップシール包装体
【課題】 本発明は、不正開封したことが外見上で判別でき、一方、正規開封時には開封用横ミシン目に沿って綺麗に切断できるキャップシール包装体を提供する。
【解決手段】 本発明のキャップシール包装体1は、キャップの下端部と胴部の下端部の間に凹み部を有するキャップ付き容器2と、キャップ及び容器本体に熱収縮装着されたキャップシール3であって、一対の開封用縦ミシン目4L,4R、容器2の周方向全体に周設された開封用横ミシン目5、及び、開封用横ミシン目5と略平行に延びる補助ミシン目6Lがそれぞれ形成されたキャップシール3と、を備え、補助ミシン目6Lが開封用横ミシン目5の上方に形成されており、キャップシール3は、開封用横ミシン目5が胴部の上端部又は胴部の上端部よりも下方に位置していると共に、補助ミシン目6Lがキャップの下端部から上方に3mm離れた部分以下に位置して、熱収縮装着されている。
【解決手段】 本発明のキャップシール包装体1は、キャップの下端部と胴部の下端部の間に凹み部を有するキャップ付き容器2と、キャップ及び容器本体に熱収縮装着されたキャップシール3であって、一対の開封用縦ミシン目4L,4R、容器2の周方向全体に周設された開封用横ミシン目5、及び、開封用横ミシン目5と略平行に延びる補助ミシン目6Lがそれぞれ形成されたキャップシール3と、を備え、補助ミシン目6Lが開封用横ミシン目5の上方に形成されており、キャップシール3は、開封用横ミシン目5が胴部の上端部又は胴部の上端部よりも下方に位置していると共に、補助ミシン目6Lがキャップの下端部から上方に3mm離れた部分以下に位置して、熱収縮装着されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップ付き容器にキャップシールが装着されたキャップシール包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
調味料、飲料、食品、医薬品、化粧品などが収納されたキャップ付き容器に、キャップシールを装着することが広く行われている。例えば、調味料を入れたキャップ付き容器を保護するため、キャップを含んでキャップシールが装着されている。
一般に、キャップシールは、熱収縮性の筒状フィルムからなる。さらに、キャップシールを開封するため、前記筒状フィルムには、容器の縦方向に延びる一対の開封用縦ミシン目と、前記開封用縦ミシン目の下端部に連設され且つ容器の周方向に延びる開封用横ミシン目と、が形成されている。
かかるキャップシールが容器に装着されたキャップシール包装体は、一対の開封用縦ミシン目間の上縁を指で摘み、開封用横ミシン目に至るまで、開封用縦ミシン目に沿って縦方向に帯状に切り取った後、更に、開封用横ミシン目に沿って切り取ることによって、キャップシールの上半分を除去して綺麗に開封できる(以下、この手順で開封することを、「正規開封」という場合がある)。
【0003】
しかしながら、キャップシールは、開封用横ミシン目が容器の周方向に周設されているので、装着されたキャップシールの外側からキャップを持って勢いよく回転させると、開封用横ミシン目に沿ってキャップシールが切り取られる(以下、開封用縦ミシン目を利用せず、キャップシールの外側からキャップを持って回転させて開封用横ミシン目に沿って切り取ることを「不正開封」という場合がある)。切断後、元の位置にキャップを戻せば、非常に注視しなければ、切断の有無を確認できない。そして、このような行為をする悪意者も見受けられる。
【0004】
かかる問題点に鑑みて、特許文献1には、全周第1破断線に連設され且つ上方向に傾斜した一対の傾斜第2破断線と、一対の傾斜第2破断線の上端部同士を結ぶ周第2破断線と、が形成された開封識別容器が開示されている。
この開封識別容器は、キャップを持ってこれを回転させたとき、全周第1破断線に沿って切断されず、傾斜第2破断線から周第2破断線へと切れていくため、不正開封されたことを外見上で判別できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−62703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載のキャップシールを、キャップの下端部と容器胴部の上端部の間に凹み部を有する容器に装着した場合、前記凹み部に対応する部分に、傾斜第2破断線が位置する。熱収縮装着されたキャップシールは、容器の凹み部に対応する部分において内側に縮径するため、この部分に傾斜第2破断線が位置していると、キャップシールを正規開封する際に、傾斜第2破断線に沿って切れていく虞がある。よって、上記特許文献1の開封識別容器は、凹み部を有する容器に適用した場合、正規開封時に全周第1破断線に沿ってキャップシールを切断できず、綺麗に開封できない虞がある。
【0007】
さらに、特許文献1のキャップシールは、上方に傾斜した傾斜第2破断線を有するので、このキャップシールを熱収縮装着したとき、大きな穴を生じるという問題もある。
具体的には、キャップシールは、熱収縮時に周方向に大きく引っ張られる。このため、キャップシールの周方向に対して傾斜する線状の貫通孔部が形成されていると、この貫通孔部の周辺が左右に引っ張られて略紡錘状の穴を生じる。特に、凹み部を有する容器に、上記特許文献1に記載のキャップシールを装着した場合、前記凹み部に対応する部分に位置する傾斜第2破断線の貫通孔部が大きな穴となり、更には、隣接する貫通孔部同士が繋がってより大きな穴を生じる。
このような穴がキャップシールに生じると、商品の外観を損ねるだけでなく、その穴から粉塵などが入り込むので、衛生的にも好ましくない。
【0008】
本発明は、上記傾斜破断線が形成されていなくても、不正開封したことが外見上で判別でき、一方、正規開封時には開封用横ミシン目に沿って綺麗に切断できるキャップシール包装体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のキャップシール包装体は、キャップの下端部と胴部の上端部の間に凹み部を有するキャップ付き容器と、前記キャップ及び胴部に熱収縮装着されたキャップシールであって、前記容器の縦方向に延びる一対の開封用縦ミシン目、前記開封用縦ミシン目の下端部に連設され且つ容器の周方向に周設された開封用横ミシン目、及び、前記開封用横ミシン目と略平行に延びる補助ミシン目がそれぞれ形成されたキャップシールと、を備え、前記補助ミシン目が前記開封用横ミシン目の上方に形成されており、前記キャップシールは、前記開封用横ミシン目が前記胴部の上端部又は前記胴部の上端部よりも下方に位置していると共に、前記補助ミシン目が前記キャップの下端部から上方に3mm離れた部分又はこの部分よりも下方に位置するように、熱収縮装着されている。
【0010】
上記本発明のキャップシール包装体は、一対の開封用縦ミシン目間の上縁を指で摘み、開封用横ミシン目に至るまで開封用縦ミシン目に沿って帯状に切り取った後、更に、開封用横ミシン目に沿って切り取ることによって、キャップシールの上半分を除去できる(綺麗に正規開封できる)。
本発明のキャップシール包装体は、開封用横ミシン目に連なって傾斜破断線が形成されていないので、正規開封時に、開封用横ミシン目に沿ってキャップシールを綺麗に切り取ることができる。
また、本発明のキャップシール包装体は、開封用横ミシン目の上方に形成された補助ミシン目が、前記キャップの下端部から上方に3mm離れた部分又はこの部分よりも下方に位置しているので、不正開封時には、キャップの回転によって生じる引裂き力が補助ミシン目に作用し、前記補助ミシン目に沿ってキャップシールが切断される。従って、不正開封の有無を外見上で判別できる。
なお、本発明のキャップシールには、開封用横ミシン目に連なって傾斜破断線が形成されていないので、確実に正規開封できると共に、装着されたキャップシールに大きな穴が生じ難い。
【0011】
本発明の好ましいキャップシール包装体は、前記補助ミシン目が前記キャップの下端部と胴部の上端部の間に位置している。なお、前記補助ミシン目が前記キャップの下端部と胴部の上端部の間に位置しているとは、補助ミシン目が、キャップの下端部に一致して位置している場合、胴部の上端部に一致して位置している場合、及び、キャップの下端部から胴部の上端部の間に存在する凹み部に位置している場合を含む意味である。
補助ミシン目が前記キャップの下端部と胴部の上端部の間に位置していることにより、不正開封時に、補助ミシン目に沿ってキャップシールがより確実に切断される。
【0012】
本発明の好ましいキャップシール包装体は、前記開封用横ミシン目が複数条形成されている。
開封用横ミシン目が複数条形成されていることにより、正規開封時に、切取線が開封用横ミシン目から脱線し難く、開封用横ミシン目に沿ってキャップシールを確実に切り取ることができる。
【0013】
本発明の好ましいキャップシール包装体は、前記補助ミシン目の延長線上に、前記開封用縦ミシン目の貫通孔部が交差している。
補助ミシン目の延長線上に開封用縦ミシン目の貫通孔部が交差していることにより、不正開封時に、開封用縦ミシン目の貫通孔部に加わった引裂き力が補助ミシン目に作用し易くなり、補助ミシン目に沿ってキャップシールが確実に切断される。
【発明の効果】
【0014】
本発明のキャップシール包装体は、不正開封したことが外見上で判別できる。また、キャップシールを正規開封する際には、開封用横ミシン目に沿って綺麗に切断できる。
また、本発明のキャップシール包装体は、大きな穴がキャップシールに生じ難く、外観上も好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】1つの実施形態に係るキャップシール包装体の正面図。ただし、容器を二点鎖線で示す。
【図2】図1の一部拡大図。
【図3】図1のIII−III線断面図。
【図4】1つの実施形態に係るキャップ付き容器の正面図。
【図5】1つの実施形態に係るキャップシールの正面図。
【図6】同左側面図。
【図7】本発明のキャップシール包装体を不正開封したときの状態を示す参考正面図。ただし、容器を二点鎖線で示す。
【図8】各実施例及び各比較例でそれぞれ使用したキャップ付き容器の寸法を表した参考正面図。
【図9】実施例1及び比較例1で作製した基本形キャップシール(1)の左側面図。
【図10】実施例2及び比較例2で作製した基本形キャップシール(2)の左側面図。
【図11】実施例3及び比較例3で作製した基本形キャップシール(3)の左側面図。
【図12】比較例4で作製した基本形キャップシール(4)の左側面図。
【図13】実施例4で作製した基本形キャップシール(5)の左側面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1〜図3において、本発明のキャップシール包装体1は、キャップ付き容器2と、この容器2に熱収縮装着されたキャップシール3と、を備える。
【0017】
(容器)
キャップ付き容器2は、図4に示すように、収納物を入れる胴部211を有する容器本体21と、容器本体21の注出口を塞ぎ且つ容器本体21の上方に装着されたキャップ22と、を備え、キャップ22の下端部22aと容器の胴部211の上端部211aの間に、凹み部23を有する。前記キャップ22は、容器本体21の軸芯を中心として、容器本体21の周方向の一方及び他方に回転させることができる。
容器本体21は、自立可能な胴部211と、胴部211の上方に一体的に形成され且つ上端に注出口が形成された首部212と、を有する。胴部211は、例えば、円筒状に形成されており、首部212は、胴部211よりも少し小径の円筒状に形成されている。従って、胴部211の上端部211aと首部212の下端部の間には(胴部211と首部212の境界には)、首部212の径に応じた深さの段部が生じている。また、胴部211の上端部211aよりも少し下方には、僅かに径外方向に突出したフランジ部213が周設されている。また、首部212の外周面には、雄ネジ部(図3参照)が形成されている。
【0018】
キャップ22は、前記注出口を塞ぐ天板221と、前記天板221の周端から下方に延設された円筒状の周壁部222と、を有する。前記周壁部222の内周面には、首部212の雄ネジ部に螺合する雌ネジ部(図3参照)が形成されている。
キャップ22を容器本体21の首部212に最後まで装着した状態において、キャップ22の下端部22aと胴部211の上端部211aの間には、内側に凹んだ凹み部23が周方向に存在している。
【0019】
この凹み部23の縦長さA(キャップ22を首部212に最後まで装着した状態における、キャップ22の下端部22aから胴部211の上端部211aまでの縦間隔)は、キャップ22の周壁部222の縦長さに応じて適宜設定されるが、例えば、2mm〜10mmであり、好ましくは2mm〜5mmである。
凹み部23の深さBは、首部212の径に応じて適宜設定されるが、例えば、2mm〜10mmであり、好ましくは3mm〜7mmである。凹み部23の深さBが余りに浅いと、実質的に凹んだ部分とは言えず、一方、深さBが余りに深いと、正規開封時に開封用縦ミシン目4に沿って切れ難くなるおそれがある。
【0020】
キャップ22の周壁部222の外径と胴部211の外径(フランジ部213を除く)は、略同じであることが好ましい。
キャップ22を、容器本体21の周方向の一方に回転させることにより、キャップ22は徐々に上方に移動しながら首部212から外れて開栓する(この周方向の一方を「開栓回転方向」という)。キャップ22を周方向の他方(前記一方と反対回り)に回転させることによって、キャップ22は首部212に装着される。
【0021】
なお、上記例示した容器2は、キャップ22を外すことによって、注出口から収納物を取り出す形式であるが、容器は、この形式に限られず、キャップ自体を外さずにキャップに設けられた開閉蓋(例えば、ヒンジ付き開閉蓋など)を開けることによって、注出口から収納物を取り出す形式でもよい。
また、上記例示した容器2のキャップ22は、ネジ作用によって容器本体21に装着されるネジキャップであるが、本発明の容器のキャップはこれに限られず、容器本体21の首部212の上方から下方へ押し込んで嵌着できるキャップ(凹凸嵌合によって装着されるキャップ)でもよい。かかる凹凸嵌合によって装着されるキャップは、ネジ作用で着脱するものではないが、容器本体21の軸芯を中心として、容器本体21の周方向の一方及び他方に回転させることができる。
【0022】
また、上記例示した容器2は、胴部211にフランジ部213が突設されているが、これに限定されず、フランジ部を有しない容器に本発明を適用してもよい。フランジ部を有しない容器としては、例えば、胴部の縦方向中途部から胴部の上端部にかけて、胴部の径が略等しい容器が挙げられる。もっとも、上記フランジ部213が形成されている容器2に、キャップシール3を熱収縮装着したとき、フランジ部213の凸状に沿ってキャップシール3が密着する。このため、熱収縮装着されたキャップシール3が、容器2の上方又は下方に抜けることによって、容器2から不用意に外れることを防止できる。
【0023】
容器2に収納される収納物は特に限定されず、例えば、コショウなどの調味料、飲料、食品、医薬品、化粧品などが挙げられる。
【0024】
(キャップシール)
本発明のキャップシール3は、熱収縮性の筒状フィルムと、筒状フィルムの縦方向に形成された一対の開封用縦ミシン目4と、開封用縦ミシン目4の下端部に連設され且つ筒状フィルムの周方向に周設された開封用横ミシン目5と、開封用横ミシン目5の上方において開封用横ミシン目5と略平行に形成された補助ミシン目6と、を有する。前記補助ミシン目6は、例えば、開封用横ミシン目5から1mm以上7mm以下の範囲内に形成されており、補助ミシン目6の両端部は、開封用縦ミシン目4及び開封用横ミシン目5のいずれにも連設されていないことが好ましい。
【0025】
容器2に装着する前のキャップシール3を、図5及び図6に示す。装着する前のキャップシール3は、扁平状に折り畳まれている。
キャップシール3は、筒状フィルムを有する。筒状フィルムは、熱収縮性フィルムの両側端部を重ね合わせて筒状にし、この重ね合わせ部分が溶剤又は接着剤などを用いて接着されている。
【0026】
筒状フィルムの形成に用いる熱収縮性フィルムとしては、特に限定されず、例えば、ポリスチレンなどのスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、環状オレフィンなどのオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂からから選ばれる1種単独、又は2種以上の混合物などを含むフィルムを用いることができる。また、熱収縮性フィルムとして、熱収縮性を有する2種以上のフィルムが積層された積層フィルムや、金属蒸着層などの非熱収縮層が熱収縮性を有するフィルムに積層された積層フィルムを用いることもできる。フィルムは公知の製法で製膜し延伸処理することにより熱収縮性を付与できる。
熱収縮性フィルムの厚みは、特に限定されないが、例えば20〜80μm、更に、20〜60μm程度のものを用いることができる。
上記筒状フィルムを有するキャップシール3は、所定温度(例えば80〜200℃)で、容器2に密着する程の熱収縮率を有して、少なくとも周方向に熱収縮する。
【0027】
筒状フィルムの面内には、縦方向に延びる一対の開封用縦ミシン目4L,4Rと、前記開封用縦ミシン目4L,4Rの下端部に連設され且つ筒状フィルムの周方向に周設された開封用横ミシン目5と、前記開封用横ミシン目5の上方において開封用横ミシン目5と略平行に延びる補助ミシン目6と、がそれぞれ形成されている。
以下、補助ミシン目のうち、特に左側の補助ミシン目を意図するときには「左補助ミシン目6L」と、特に右側の補助ミシン目を意図するときには「右補助ミシン目6R」と記す。
【0028】
ここで、本明細書において、「ミシン目」とは、ミシン針の縫い跡の如くフィルムの表裏面に貫通する貫通孔部が一方向に断続的に形成された、貫通孔部の集合を意味する。かかるミシン目は、隣接する貫通孔部の間に、非貫通部(貫通処理のなされていないフィルム部分)が存在する。1つの貫通孔部の正面視形状は、細長い直線状、針穴状(円形孔又は楕円形孔)などが挙げられる。ミシン目に沿ってフィルムが切れ易くなることから、貫通孔部の形状は、細長い直線状が好ましい。
【0029】
また、「開封用縦ミシン目の下端部に開封用横ミシン目が連設されている」とは、貫通孔部及び非貫通部が一連に集合した線からなる縦ミシン目と、貫通孔部及び非貫通部が一連に集合した線からなる横ミシン目が、実質的に交差していることを意味する。かかる連設の具体例としては、縦ミシン目の下端部の貫通孔部が横ミシン目の貫通孔部にT字状又は十字状に交わっている場合;縦ミシン目の下端部の貫通孔部が横ミシン目の貫通孔部の近傍に位置する場合;縦ミシン目の貫通孔部が横ミシン目の非貫通部(横ミシン目の隣接する2つの貫通孔部の間)に交差している又は横ミシン目の非貫通部の近傍に位置する場合;縦ミシン目の非貫通部が横ミシン目の貫通孔部に交差している又は横ミシン目の貫通孔部の近傍に位置する場合;などが挙げられる。
【0030】
キャップシール3について具体的に説明すると、筒状フィルムの上端には、摘み片部31が延設されている。この摘み片部31の両基部を始点として、縦方向に平行に延びる左右一対の開封用縦ミシン目4L,4Rが筒状フィルムの上縁から中途部にまで形成されている。左開封用縦ミシン目4Lと右開封用縦ミシン目4Rの間隔(横間隔)は特に限定されないが、通常、5mm〜30mm程度である。
開封用縦ミシン目4L,4Rの各貫通孔部の長さ(縦長さ)は、0.5mm〜1mmが好ましく、0.6mm〜0.8mmがより好ましい。開封用縦ミシン目4L,4Rの各非貫通部の長さ(縦長さ)は、0.5mm〜1mmが好ましく、0.6mm〜0.8mmがより好ましい。開封用縦ミシン目4L,4Rの貫通孔部の長さと非貫通部の長さの比は、0.8:1〜1:0.8が好ましく、0.9:1〜1:0.9がより好ましい。
【0031】
左開封用縦ミシン目4Lと右開封用縦ミシン目4Rは、それぞれ1条のミシン目又は2条以上のミシン目でもよいが、図示したように、それぞれ2条のミシン目(第1縦ミシン目41及び第2縦ミシン目42)から構成されていることが好ましい。この第1縦ミシン目41と第2縦ミシン目42は、周方向に近接して平行に形成される。第1縦ミシン目41と第2縦ミシン目42の間隔(横間隔)は、通常、0.5mm〜1.5mm程度である。開封用縦ミシン目4L,4Rが、それぞれ2条のミシン目から構成されている場合、正規開封したときに、一対の開封用縦ミシン目4L,4Rの間の領域が途中で分断せず、この領域を開封用横ミシン目5まで確実に切り取ることができる。
【0032】
第1縦ミシン目41及び第2縦ミシン目42の各貫通孔部の長さ(縦長さ)及び各非貫通部の長さ(縦長さ)並びに両者の比は、上記開封用縦ミシン目4L,4Rで例示した数値と同様である。
第1縦ミシン目41の貫通孔部と第2縦ミシン目42の貫通孔部は、交互に配置されていることが好ましい。すなわち、図示したように、第1縦ミシン目41の貫通孔部の横方向に、第2縦ミシン目42の非貫通部が位置し、第1縦ミシン目41の非貫通部の横方向に、第2縦ミシン目42の貫通孔部が位置するように、第1縦ミシン目41と第2縦ミシン目42が形成されていることが好ましい。
【0033】
開封用横ミシン目5は、前記一対の開封用縦ミシン目4L,4Rの下端部に連設されている。開封用横ミシン目5は、筒状フィルムの周方向全体に周設されている。
開封用横ミシン目5の貫通孔部の長さ(横長さ)は、0.5mm〜1mmが好ましく、0.6mm〜0.8mmがより好ましい。開封用横ミシン目5の非貫通部の長さ(横長さ)は、0.5mm〜1mmが好ましく、0.6mm〜0.8mmがより好ましい。開封用横ミシン目5の貫通孔部の長さと非貫通部の長さの比は、0.8:1〜1:0.8が好ましく、0.9:1〜1:0.9がより好ましい。
【0034】
開封用横ミシン目5は、1条のミシン目又は2条以上のミシン目でもよいが、図示したように、2条のミシン目(第1横ミシン目51及び第2横ミシン目52)から構成されていることが好ましい。第1横ミシン目51と第2横ミシン目52は、上下に近接して平行に形成されている。第1横ミシン目51と第2横ミシン目52の間隔(縦間隔)は、通常、0.5mm〜1.5mm程度である。開封用横ミシン目5が、2条のミシン目から構成されている場合、正規開封したときに、一対の開封用縦ミシン目4L,4Rに沿った切取線が、開封用横ミシン目5を越えることを防止できる。つまり、正規開封時に生じる縦方向の切取線が、開封用縦ミシン目4L,4Rと開封用横ミシン目5の連設部分を越えて、開封用横ミシン目5の下方側にまで達することを防止できる。
【0035】
第1横ミシン目51及び第2横ミシン目52の各貫通孔部の長さ(横長さ)及び各非貫通部の長さ(横長さ)並びに両者の比は、上記開封用横ミシン目5で例示した数値と同様である。
第1横ミシン目51の貫通孔部と第2横ミシン目52の貫通孔部は、交互に配置されていることが好ましい。すなわち、第1横ミシン目51の貫通孔部の縦方向に、第2横ミシン目52の非貫通部が位置し、第1横ミシン目51の非貫通部の縦方向に、第2横ミシン目52の貫通孔部が位置するように、第1横ミシン目51と第2横ミシン目52は形成されていることが好ましい。
【0036】
補助ミシン目6は、前記開封用横ミシン目5の上方において開封用横ミシン目5と略平行に形成されている。「略平行」とは、厳密に平行、又は実質的に平行を意味する。実質的に平行は、例えば、補助ミシン目と開封用横ミシン目の成す角が0度を超え10度以下、好ましくは前記角が0度を超え5度以下を含む。
前記補助ミシン目6は、開封用縦ミシン目4L,4Rを挟んで、左右一対形成されていることが好ましい。もっとも、補助ミシン目6は、開栓回転方向と反対側のみに形成されていてもよいし、開栓回転方向のみに形成されていてもよい。
本実施形態のキャップ付き容器2の場合には、開栓回転方向が容器の上から見て反時計回りなので、例えば、左補助ミシン目6Lのみが形成されていてもよい。
【0037】
補助ミシン目6は、開封用横ミシン目5よりも破断し易いミシン目であることが好ましい。例えば、補助ミシン目6の各貫通孔部を開封用横ミシン目5の貫通孔部よりも長く且つ補助ミシン目6の各非貫通部を開封用横ミシン目5の非貫通部よりも短く形成することにより、破断し易い補助ミシン目6を構成できる。
補助ミシン目6は、1条のミシン目又は上下に近接して平行に形成された2条以上のミシン目でもよいが、上記開封用横ミシン目5と同様に、補助ミシン目6は、上下に近接して平行に形成された2条のミシン目から構成されていてもよい。補助ミシン目6が、上下に近接した平行な2条のミシン目から構成されている場合、両ミシン目の間隔(縦間隔)は、好ましくは、0.5mm〜1.0mmである。
【0038】
補助ミシン目6の各貫通孔部の長さ(横長さ)は、0.7mm〜1.5mmが好ましく、0.8mm〜1.2mmがより好ましい。補助ミシン目6の各非貫通部の長さ(横長さ)は、0.3mm〜0.7mmが好ましい。補助ミシン目6の貫通孔部の長さと非貫通部の長さの比は、1.5:0.3〜1:0.3が好ましく、1.2:0.4〜1:0.4がより好ましい。
【0039】
補助ミシン目6と開封用横ミシン目5の間隔(縦間隔)は、後述するように、キャップシール3を容器2に装着した際に、開封用横ミシン目5及び補助ミシン目6が容器2の所定位置に配置されるように設計される。補助ミシン目6と開封用横ミシン目5の間隔(縦間隔)は、例えば、容器2の凹み部23の縦長さなどに応じて適宜設計される。例えば、容器2の凹み部23の縦長さが、2mm〜5mmの場合には、補助ミシン目6と開封用横ミシン目5の間隔(縦間隔)は、1mm〜7mmが好ましい(補助ミシン目が、開封用横ミシン目から上方に1mm以上7mm以下の範囲内に形成されている)。ただし、開封用横ミシン目5が複数条形成されている場合には、前記補助ミシン目6と開封用横ミシン目5の間隔(縦間隔)は、最も上側の横ミシン目を基準とする。
【0040】
左右補助ミシン目6L,6Rの両端部は、開封用縦ミシン目4L,4R及び開封用横ミシン目5のいずれにも連設されていない。左補助ミシン目6Lの左端部及び右補助ミシン目6Rの右端部は、開封用縦ミシン目4L,4Rから十分に離れており、且つ、この左端部及び右端部も繋がっていない。また、左補助ミシン目6Lの右端部及び右補助ミシン目6Rの左端部は、開封用縦ミシン目4L,4Rの比較的近くに形成されている。左補助ミシン目6Lの右端部と左開封用縦ミシン目4Lとの間隔(横間隔)及び右補助ミシン目6Rの左端部と右開封用縦ミシン目4Rとの間隔(横間隔)は、特に限定されないが、それぞれ3mm〜7mmが好ましい。前記間隔が余りに短いと、正規開封したときに、開封用縦ミシン目4L,4Rの途中から左右補助ミシン目6L,6Rへと切れていく虞がある。前記間隔が余りに長いと、不正開封されたときに、補助ミシン目6に沿って切れない虞がある。
【0041】
なお、左補助ミシン目6Lの左端部と右補助ミシン目6Rの右端部の間は、図示例では、十分に離れているが、左補助ミシン目6Lの左端部と右補助ミシン目6Rの右端部の間は狭くてもよい。例えば、左補助ミシン目6Lの左端部と右補助ミシン目6Rの右端部は、実質的に連設されていてもよい(繋がっていてもよい)。
【0042】
補助ミシン目6の延長線上に開封用縦ミシン目4L,4Rの貫通孔部が交差するように、補助ミシン目6及び開封用縦ミシン目4L,4Rが形成されていることが好ましい。なお、上記のように、開封用縦ミシン目4L,4Rが、横方向に貫通孔部が交互に配置された2条のミシン目(第1及び第2縦ミシン目41,42)で構成されている場合、第1縦ミシン目41又は第2縦ミシン目42の何れか一方の貫通孔部は、左右補助ミシン目6L,6Rの延長線上に交差し得る。
補助ミシン目6の延長線上に開封用縦ミシン目4L,4Rの貫通孔部が交差していることにより、不正開封時に、開封用縦ミシン目4L,4Rの貫通孔部に加わった引裂き力が左補助ミシン目6Lに作用し易くなり、左補助ミシン目6Lに沿ってキャップシール3が確実に切断される。
【0043】
なお、本発明のキャップシール3には、周方向に延びるミシン目として、上記のように開封用横ミシン目5と補助ミシン目6が形成されているが、これに加えて、周方向に略平行に延びる、他のミシン目が形成されていてもよい。なお、「周方向に略平行」とは、厳密に平行、又は実質的に平行を意味する。実質的に平行とは、他のミシン目が周方向に対して成す角が0度を超え10度以下、好ましくは0度を超え5度以下を含む。
【0044】
(キャップシール包装体について)
本発明のキャップシール包装体1は、図1〜図3に示すように、キャップ22付き容器2のキャップ22及び胴部211に、キャップシール3が熱収縮装着されている。
具体的には、キャップシール3は、キャップ22の周壁部222と胴部211に跨って熱収縮装着されている。キャップシール3は、図1に示すように、容器2の胴部211の略全体に装着されていてもよいし、図示しないが、胴部211の略上半分に装着されていてもよい。装着されたキャップシール3の上端部は、熱収縮時にキャップ22の天板221側に折れ曲がり、該天板221の上面周端部に係止されている。
【0045】
装着されたキャップシール3は、キャップ22の天板221の上面周端部、キャップ22の周壁部222の外面、及び胴部211の外面に沿って密着している。一方、キャップシール3のうち容器2の凹み部23に対応する部分は、凹み部23との間に空隙を有した状態で、凹み部23側に縮径している。
すなわち、装着されたキャップシール3は、キャップ22の下端部22aに対応する部分及び胴部211の上端部211aに対応する部分をそれぞれ上下の変曲起点91,92として徐々に内側へ曲がり、凹み部23側に縮径した縮径部7を有する。
【0046】
上下変曲起点91,92の間の縮径部7は、最小径部分71を有する。前記「最小径部分」とは、径が徐々に小さくなっている縮径部の最も径が小さい部分を意味する。この最小径部分71は、通常、上下変曲起点91,92の中間(上下変曲起点91,92間の縦方向中間点)に生じるが、凹み部23の深さや凹み部23の形状によっては、縮径部7の最小径部分71は、上下変曲起点91,92の中間よりも上下何れかに寄った位置に生じる場合もある。
【0047】
キャップシール3は、その開封用横ミシン目5が胴部211の上端部211aに位置するように、或いは、開封用横ミシン目5が胴部211の上端部211aよりも下方に位置するように、熱収縮装着されている。本実施形態の容器2は、胴部211にフランジ部213が形成されているので、例えば、このフランジ部213の突出頂部に開封用横ミシン目5が位置するように、キャップシール3が装着されていてもよい(図2参照)。
同時に、キャップシール3は、その補助ミシン目6がキャップ22の下端部22aから上方に3mm離れた部分に位置するように、又は、補助ミシン目6がキャップ22の下端部22aから上方に3mm離れた部分よりも下方に位置するように、熱収縮装着されている。換言すると、開封用横ミシン目5よりも上方に形成された補助ミシン目6は、上変曲起点91から上方に3mm離れた部分以下の範囲内に位置している。補助ミシン目6が前記範囲に位置していることにより、不正開封時に、前記補助ミシン目6に沿ってキャップシール3が切断される。
【0048】
前記熱収縮装着されたキャップシール3において、その開封用横ミシン目5の位置は上記の範囲であれば特に限定されないが、開封用横ミシン目5の位置が胴部211の上端部211aから余りに離れ過ぎていると、不正開封時にキャップ22の回転による引裂き力が補助ミシン目6に作用しないおそれがある。このため、開封用横ミシン目5が胴部211の上端部211aと該上端部211aから下方に7mm離れた部分との間に位置するように、キャップシール3は熱収縮装着されていることが好ましい。さらに、開封用横ミシン目5は胴部211の上端部211aと該上端部211aから下方に6mm離れた部分との間に位置していることがより好ましく、開封用横ミシン目5は胴部211の上端部211aと該上端部211aから下方に4mm離れた部分との間に位置していることが特に好ましい。
【0049】
また、前記熱収縮装着されたキャップシール3において、その補助ミシン目6の位置は前記範囲であれば特に限定されない。好ましくは、補助ミシン目6が、胴部211の上端部211aとキャップ22の下端部22aの間に位置するように(補助ミシン目6が、胴部211の上端部211aに一致して位置している場合、キャップ22の下端部22aに一致して位置している場合、胴部211の上端部211aよりも上方で且つキャップ22の下端部22aよりも下方の範囲内(凹み部23)に位置している場合を含む)、キャップシール3が熱収縮装着される。換言すると、補助ミシン目6は、キャップシール3の下変曲起点92と上変曲起点91との間の範囲内に位置することが好ましい。補助ミシン目6がキャップ22の下端部22aと胴部211の上端部211aの間に位置していることにより、不正開封時に、キャップシール3が補助ミシン目6に沿ってより確実に切断される。
【0050】
特に、補助ミシン目6が、胴部211の上端部211aよりも上方で且つキャップ22の下端部22aよりも下方の範囲内(凹み部23)に位置していることがより好ましい。かかる範囲内に補助ミシン目6が位置していることにより、補助ミシン目6はキャップシール3の縮径部7に従って容器2の凹み部23側へ入り込む。キャップシール3の縮径部7は、内側に曲がった部分であり、且つ凹み部23の外面に密着しておらずに容器2から浮いている。このため、補助ミシン目6の存在が外見上目立ち難くなるため、包装体1の商品価値を高めることができる。さらに、補助ミシン目6が凹み部23側へ入り込む(補助ミシン目6が縮径部7に位置している)と、キャップシール3の外面を手で持ったときに、補助ミシン目6に手が重ならない。このため、不正開封時に、補助ミシン目6に沿って確実に切れていく。さらに、補助ミシン目6が、最小径部分71と上変曲起点91との間に位置していると、正面又は上方から包装体1を見たときに、補助ミシン目6の存在が外見上目立たないので、特に好ましい。
【0051】
上記キャップシール包装体1は、摘み片部31を摘んで開封用縦ミシン目4L,4Rに沿ってキャップシール3の一部分を開封用横ミシン目5に至るまで帯状に切り取る。その後、開封用横ミシン目5に沿って周方向に切り取ることにより、キャップシール3の上半分が取り除かれ、キャップシール3を開封することができる。一対の開封用縦ミシン目4L,4R及び開封用横ミシン目5は、それぞれ2条のミシン目から構成されているので、正規開封時に、開封用縦ミシン目4L,4R及び開封用横ミシン目5に沿って確実に切断できる。
【0052】
一方、上記キャップシール包装体1を不正開封したときには、図7に示すように、左補助ミシン目6Lに沿ってキャップシール3が切断され、不定形の切断片8が生じる。
具体的には、開封用縦ミシン目4L,4Rに沿って切り取らず、キャップシール3の外面からキャップ22を持って開栓回転方向に回すと、キャップ22が上方に移動する。キャップ22の回転及び上方移動に伴い、キャップシール3の上方側には、周方向への引裂き力及び縦方向への引裂き力が加わる。前記周方向への引裂き力によって、左開封用縦ミシン目4Lと左補助ミシン目6Lの端部の間が切れ、一方、前記縦方向への引裂き力によって、左補助ミシン目6Lの非貫通部が上下に分断される。このため、不正開封時に、左補助ミシン目6Lに沿ってキャップシール3が切断される。特に、補助ミシン目6が胴部211の上端部211aよりも上方の部分とキャップ22の下端部22aよりも下方の部分との間に位置している場合には、前記縦方向への引裂き力によって、補助ミシン目6の非貫通部が上下に分断され易い。
【0053】
上記本発明のキャップシール包装体1によれば、キャップシール3を正規開封する際には、開封用横ミシン目5に沿って綺麗に切断でき、一方、不正開封されたときには、それを外見上で判別できる。
また、キャップシール3には、従来のように、開封用横ミシン目5に連なって傾斜破断線が形成されていないので、装着されたキャップシール3に大きな穴が生じない。従って、外見上美麗なキャップシール包装体1を提供できる。
【実施例】
【0054】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をさらに説明する。ただし、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
【0055】
[実施例及び比較例で使用した容器]
図4に示す形状の市販のキャップ付き容器を使用した。その容器の詳細は、下記の通りである(図8に、容器の各寸法を明示している)。
容器本体:ガラス製で、全体(胴部及び首部)が円筒状。
キャップ:プラスチック製の円筒状で、容器本体の首部にネジ螺合するネジキャップ。
キャップの上面から下端部までの長さ(キャップの周壁部の縦長さ):約24mm。
胴部の上端部から下面までの長さ(胴部の縦長さ):約66mm。
最後までキャップを装着した状態でのキャップの下端部と胴部の上端部の縦長さ(凹み部の縦長さ):約4mm。
凹み部の深さ:約4mm。
胴部及びキャップの直径:約30.5mm。
フランジ部の突出高さ:約0.25mm。
フランジ部の突出頂部の位置:胴部の上端部から下方に約1.5mm離れた部分。
【0056】
[実施例1−1〜1−3及び比較例1−1、1−2で使用したキャップシール]
厚み40μmのポリエチレンテレフタレート製熱収縮フィルム(東洋紡績(株)製、商品名「S7042」)を、筒状に貼り合わせ、図9に示す筒状フィルムを作製した。図9に、この筒状フィルムの各寸法(大きさ及び各ミシン目の形成位置など)を示している。
この筒状フィルムを扁平状に折り畳んだ状態で、ミシン刃を用いて、筒状フィルムの一面から他面へ貫通するように、開封用縦ミシン目4(第1縦ミシン目41及び第2縦ミシン目42)、開封用横ミシン目5(第1横ミシン目51及び第2横ミシン目52)、補助ミシン目6をそれぞれ刻設した(図9参照)。
なお、筒状フィルムを折り畳んだ状態でミシン目を刻設すると、図5に示すような、線対称の位置に左右一対の開封用縦ミシン目及び補助ミシン目が形成され、且つ筒状フィルムの周方向全体に開封用横ミシン目が形成される。
【0057】
ミシン目の刻設は、第1縦ミシン目41及び第2縦ミシン目42の各貫通孔部の縦長さを、それぞれ0.7mmとし、第1縦ミシン目41及び第2縦ミシン目42の各非貫通部の縦長さを、それぞれ0.7mmとし、第1縦ミシン目41の貫通孔部と第2縦ミシン目42の貫通孔部が交互に配置されるようにした。
また、第1横ミシン目51及び第2横ミシン目52の各貫通孔部の横長さを、それぞれ0.7mmとし、第1横ミシン目51及び第2横ミシン目52の各非貫通部の横長さを、それぞれ0.7mmとし、第1横ミシン目51の貫通孔部と第2横ミシン目52の貫通孔部が交互に配置されるようにした。
また、補助ミシン目6の貫通孔部の横長さを、1mmとし、補助ミシン目6の非貫通部の横長さを、0.5mmとした。
この筒状フィルムを「基本形キャップシール(1)」という。
【0058】
[実施例2−1〜2−4及び比較例2で使用したキャップシール]
第1横ミシン目51の形成位置を、図10に示すような位置に変えたこと以外は、上記基本形キャップシール(1)と同様にして、筒状フィルムを作製した。
この筒状フィルムを「基本形キャップシール(2)」という。
【0059】
[実施例3−1〜3−3及び比較例3で使用したキャップシール]
第1横ミシン目51の形成位置を、図11に示すような位置に変えたこと以外は、上記基本形キャップシール(1)と同様にして、筒状フィルムを作製した。
この筒状フィルムを「基本形キャップシール(3)」という。
【0060】
[比較例4で使用したキャップシール]
第1横ミシン目51の形成位置を、図12に示すような位置に変えたこと以外は、上記基本形キャップシール(1)と同様にして、筒状フィルムを作製した。
この筒状フィルムを「基本形キャップシール(4)」という。
【0061】
[実施例4−1及び4−2で使用したキャップシール]
第1横ミシン目51の形成位置を、図13に示すような位置に変えたこと以外は、上記基本形キャップシール(1)と同様にして、筒状フィルムを作製した。
この筒状フィルムを「基本形キャップシール(5)」という。
【0062】
[実施例1−1]
基本形キャップシール(1)の補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔(図9の符号H1)を2mmに設定したこと以外は、基本形キャップシール(1)と同様にして、実施例1に係るキャップシールを10枚作製した。
【0063】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部に一致するように位置決めして、このキャップシールに約100℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。装着されたキャップシールは、凹み部に対応する部分において縮径部が形成されており、補助ミシン目がこの縮径部の最小径部分に位置していた。
得られたキャップシール包装体について、キャップシールの外側からキャップを持って開栓回転方向に勢いよく回したところ、キャップシールが補助ミシン目に沿って切断された。
残る9枚のキャップシールを同様にして容器に装着し、開栓したところ、いずれもキャップシールが補助ミシン目に沿って切断された。
【0064】
[実施例1−2]
補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔H1を、4mmに変更したこと以外は、実施例1−1と同様にして、10枚のキャップシールを作製した。
【0065】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部に一致するように位置決めして、このキャップシールに約100℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、補助ミシン目がキャップの下端部に位置していた。
実施例1−2のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、10個のサンプルのいずれも、キャップシールが補助ミシン目に沿って切断された。
【0066】
[実施例1−3]
補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔H1を、6mmに変更したこと以外は、実施例1−1と同様にして、10枚のキャップシールを作製した。
【0067】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部に一致するように位置決めして、このキャップシールに約100℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、補助ミシン目がキャップの下端部から上方に約2mm離れた部分に位置していた。
実施例1−3のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、10個のサンプルのうち7個のサンプルが、補助ミシン目に沿って切断され、残る3個のサンプルが第1横ミシン目に沿って切断された。
【0068】
[比較例1−1]
補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔H1を、8mmに変更したこと以外は、実施例1−1と同様にして、10枚のキャップシールを作製した。
【0069】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部に一致するように位置決めして、このキャップシールに約100℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、補助ミシン目がキャップの下端部から上方に約4mm離れた部分に位置していた。
比較例1−1のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、10個のサンプルの全てが補助ミシン目において切断されず、第1横ミシン目全体に沿って綺麗に切断された。
【0070】
[比較例1−2]
補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔H1を、10mmに変更したこと以外は、実施例1−1と同様にして、10枚のキャップシールを作製した。
【0071】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部に一致するように位置決めして、このキャップシールに約100℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、補助ミシン目がキャップの下端部から上方に約4mm離れた部分に位置していた。
比較例1−2のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、10個のサンプルの全てが補助ミシン目において切断されず、第1横ミシン目全体に沿って綺麗に切断された。
【0072】
なお、第1横ミシン目全体に沿って切断された、比較例1−1及び1−2のキャップシール包装体について、そのキャップを元に戻したが、外見上、不正開封の有無を外見上判別し難くかった。
上記実施例1−1などから、複数のサンプル間において結果が相違しないことから、実施例2−1以降については、サンプル数を3個とした。
【0073】
[実施例2−1]
基本形キャップシール(2)の補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔(図10の符号H2)を1mmに設定したこと以外は、基本形キャップシール(2)と同様にして、実施例2−1に係るキャップシールを3枚作製した。
【0074】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部から下方に2mm離れた部分に一致するように位置決めして、このキャップシールに約100℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、補助ミシン目が胴部の上端部から下方に約1mm離れた部分に位置していた。
実施例2−1のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、3個のサンプルのいずれも、キャップシールが補助ミシン目に沿って切断された。
【0075】
[実施例2−2]
補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔H2を、3mmに変更したこと以外は、実施例2−1と同様にして、3枚のキャップシールを作製した。
【0076】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部から下方に2mm離れた部分に一致するように位置決めして、このキャップシールに約100℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、補助ミシン目が縮径部の最小径部分と胴部の上端部の間に位置していた。
実施例2−2のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、3個のサンプルのいずれも、キャップシールが補助ミシン目に沿って切断された。
【0077】
[実施例2−3]
補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔H2を、5mmに変更したこと以外は、実施例2−1と同様にして、3枚のキャップシールを作製した。
【0078】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部から下方に2mm離れた部分に一致するように位置決めして、このキャップシールに約100℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、補助ミシン目がキャップの下端部と縮径部の最小径部分の間に位置していた。
実施例2−3のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、3個のサンプルのいずれも、キャップシールが補助ミシン目に沿って切断された。
【0079】
[実施例2−4]
補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔H2を、8mmに変更したこと以外は、実施例2−1と同様にして、3枚のキャップシールを作製した。
【0080】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部から下方に2mm離れた部分に一致するように位置決めして、このキャップシールに約100℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、補助ミシン目がキャップの下端部から上方に約2mm離れた部分に位置していた。
実施例2−4のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、3個のサンプルのうち2個のサンプルが、補助ミシン目に沿って切断され、残る1個のサンプルが第1横ミシン目に沿って切断された。
【0081】
[比較例2]
補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔H2を、10mmに変更したこと以外は、実施例2−1と同様にして、3枚のキャップシールを作製した。
【0082】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部から下方に2mm離れた部分に一致するように位置決めして、このキャップシールに約100℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、補助ミシン目がキャップの下端部から上方に約4mm離れた部分に位置していた。
比較例2のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、3個のサンプルの全てが補助ミシン目において切断されず、第1横ミシン目全体に沿って綺麗に切断された。
【0083】
なお、第1横ミシン目全体に沿って切断された、比較例2のキャップシール包装体について、そのキャップを元に戻したが、外見上、不正開封の有無を外見上判別し難くかった。
【0084】
[実施例3−1]
基本形キャップシール(3)の補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔(図11の符号H3)を1mmに設定したこと以外は、基本形キャップシール(3)と同様にして、実施例3−1に係るキャップシールを3枚作製した。
【0085】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部から下方に5mm離れた部分に一致するように位置決めして、このキャップシールに約100℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、補助ミシン目が胴部の上端部から下方に約4mm離れた部分に位置していた。
実施例3−1のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、3個のサンプルのうち2個のサンプルが、補助ミシン目に沿って切断され、残る1個のサンプルが第1横ミシン目に沿って切断された。
【0086】
[実施例3−2]
補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔H3を、8mmに変更したこと以外は、実施例3−1と同様にして、3枚のキャップシールを作製した。
【0087】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部から下方に5mm離れた部分に一致するように位置決めして、このキャップシールに約100℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、補助ミシン目がキャップの下端部と縮径部の最小径部分の間に位置していた。
実施例3−2のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、3個のサンプルのいずれも、キャップシールが補助ミシン目に沿って切断された。
【0088】
[実施例3−3]
補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔H3を、11mmに変更したこと以外は、実施例3−1と同様にして、3枚のキャップシールを作製した。
【0089】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部から下方に5mm離れた部分に一致するように位置決めして、このキャップシールに約100℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、補助ミシン目がキャップの下端部から上方に2mm離れた部分に位置していた。
実施例3−3のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、3個のサンプルのうち2個のサンプルが、補助ミシン目に沿って切断され、残る1個のサンプルが第1横ミシン目に沿って切断された。
【0090】
[比較例3]
補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔H1を、13mmに変更したこと以外は、実施例1−1と同様にして、3枚のキャップシールを作製した。
【0091】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部から下方に5mm離れた部分に一致するように位置決めして、このキャップシールに約100℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、補助ミシン目がキャップの下端部から上方に4mm離れた部分に位置していた。
比較例3のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、3個のサンプルの全てが補助ミシン目において切断されず、第1横ミシン目全体に沿って綺麗に切断された。
【0092】
[比較例4]
基本形キャップシール(4)の補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔(図12の符号H4)を3mmに設定したこと以外は、基本形キャップシール(4)と同様にして、比較例4に係るキャップシールを3枚作製した。
【0093】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部から上方に3mm離れた部分に一致するように位置決めして、このキャップシールに約100℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、第1横ミシン目がキャップの下端部と縮径部の最小径部分の間に位置していた。
比較例4のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、3個のサンプルの全てが補助ミシン目において切断されず、第1横ミシン目全体に沿って綺麗に切断された。
【0094】
上記実施例1〜3及び比較例1〜4の各キャップシール包装体について、装着されたキャップシールの第1横ミシン目及び補助ミシン目の位置を、下記一覧表に示す。
なお、表1〜表3において、補助ミシンは、補助ミシン目を表し、横ミシンは、第1横ミシン目を表す。
【0095】
【表1】
【0096】
【表2】
【0097】
【表3】
【0098】
補助ミシン目がキャップの下端部から上方に2mm離れた部分に位置するように、キャップシールが熱収縮装着された包装体(実施例1−3、2−4及び3−3)は、約66〜70%の割合で補助ミシン目に沿って切断された。一方、補助ミシン目がキャップの下端部から上方に4mm離れた部分に位置するように、キャップシールが熱収縮装着された包装体(比較例1−1、2及び3)は、補助ミシン目に沿って切断されず、開封用横ミシン目に沿って切断された。これらの結果から、補助ミシン目がキャップの下端部から上方に3mm離れた部分以下に位置するように、キャップシールが熱収縮装着されることにより、不正開封防止効果のある包装体を得ることができる。
【0099】
なお、比較例1−2の結果から、補助ミシン目がキャップの下端部から上方に4mm離れた部分を越えて位置している包装体は、開封用横ミシン目に沿って切断される。
また、比較例4の結果から、横ミシン目が胴部の上端部を越えてその上方に位置している包装体は、開封用横ミシン目に沿って切断される。
【0100】
上記実施例1〜3を行った後、ミシン目の貫通孔部の大きさによる効果の差を確認するため、下記実施例4を行った。ただし、上記実施例1〜3の結果から、補助ミシン目及び横ミシン目の良好な形成位置(不正開封防止効果をもたらす位置)を確認できたので、下記実施例4では、補助ミシン目及び横ミシン目の形成位置が実施例1−1及び実施例1−2に近似したキャップシールを作製した。なお、実施例4では、発明の実施上、現実的に行われる機械的製造工程でも問題がないことを確認するため、実際のラベラー(ラベル装着装置)を用いて、多数枚のキャップシールを連続的に作製し、容器の胴部に連続的に装着していった。
【0101】
[実施例4−1]
基本形キャップシール(5)の補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔(図13の符号H5)を4mmに設定したこと、及び、補助ミシン目の貫通孔部の横長さを0.7mmとし且つ補助ミシン目の非貫通部の横長さを0.7mmとしたこと以外は、基本形キャップシール(1)と同様にして、実施例4−1に係るキャップシールを147枚作製した。
【0102】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部から下方に1mm離れた部分に一致するように位置決めして、このキャップシールに約220℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、補助ミシン目がキャップの下端部と縮径部の最小径部分の間に位置していた。
実施例4−1のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、147個のサンプルのうち118個のサンプルが、補助ミシン目に沿って切断され、残る29個のサンプルが第1横ミシン目に沿って切断された。
【0103】
[実施例4−2]
基本形キャップシール(5)の補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔(図13の符号H5)を4mmに設定したこと以外は、基本形キャップシール(1)と同様にして、実施例4−2に係るキャップシールを92枚作製した。
【0104】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部から下方に1mm離れた部分に一致するように位置決めして、このキャップシールに約220℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、補助ミシン目がキャップの下端部と縮径部の最小径部分の間に位置していた。
実施例4−2のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、92個のサンプルのうち91個のサンプルが、補助ミシン目に沿って切断され、残る1個のサンプルが第1横ミシン目に沿って切断された。
なお、表4において、補助ミシンは、補助ミシン目を表し、横ミシンは、第1横ミシン目を表す。
【0105】
【表4】
【0106】
実施例4−1及び4−2の結果から、補助ミシン目の貫通孔部は非貫通部よりも長いことが好ましいことが判る。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明のキャップシール包装体は、調味料などの収納容器として利用できる。
【符号の説明】
【0108】
1…キャップシール包装体、2…キャップ付き容器、3…キャップシール、4L,4R…開封用縦ミシン目、5…開封用横ミシン目、51…第1横ミシン目、52…第2横ミシン目、6…補助ミシン目、6L…左補助ミシン目、6R…右補助ミシン目、7…縮径部、71…縮径部の最小径部分、91…変曲起点
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップ付き容器にキャップシールが装着されたキャップシール包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
調味料、飲料、食品、医薬品、化粧品などが収納されたキャップ付き容器に、キャップシールを装着することが広く行われている。例えば、調味料を入れたキャップ付き容器を保護するため、キャップを含んでキャップシールが装着されている。
一般に、キャップシールは、熱収縮性の筒状フィルムからなる。さらに、キャップシールを開封するため、前記筒状フィルムには、容器の縦方向に延びる一対の開封用縦ミシン目と、前記開封用縦ミシン目の下端部に連設され且つ容器の周方向に延びる開封用横ミシン目と、が形成されている。
かかるキャップシールが容器に装着されたキャップシール包装体は、一対の開封用縦ミシン目間の上縁を指で摘み、開封用横ミシン目に至るまで、開封用縦ミシン目に沿って縦方向に帯状に切り取った後、更に、開封用横ミシン目に沿って切り取ることによって、キャップシールの上半分を除去して綺麗に開封できる(以下、この手順で開封することを、「正規開封」という場合がある)。
【0003】
しかしながら、キャップシールは、開封用横ミシン目が容器の周方向に周設されているので、装着されたキャップシールの外側からキャップを持って勢いよく回転させると、開封用横ミシン目に沿ってキャップシールが切り取られる(以下、開封用縦ミシン目を利用せず、キャップシールの外側からキャップを持って回転させて開封用横ミシン目に沿って切り取ることを「不正開封」という場合がある)。切断後、元の位置にキャップを戻せば、非常に注視しなければ、切断の有無を確認できない。そして、このような行為をする悪意者も見受けられる。
【0004】
かかる問題点に鑑みて、特許文献1には、全周第1破断線に連設され且つ上方向に傾斜した一対の傾斜第2破断線と、一対の傾斜第2破断線の上端部同士を結ぶ周第2破断線と、が形成された開封識別容器が開示されている。
この開封識別容器は、キャップを持ってこれを回転させたとき、全周第1破断線に沿って切断されず、傾斜第2破断線から周第2破断線へと切れていくため、不正開封されたことを外見上で判別できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−62703号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載のキャップシールを、キャップの下端部と容器胴部の上端部の間に凹み部を有する容器に装着した場合、前記凹み部に対応する部分に、傾斜第2破断線が位置する。熱収縮装着されたキャップシールは、容器の凹み部に対応する部分において内側に縮径するため、この部分に傾斜第2破断線が位置していると、キャップシールを正規開封する際に、傾斜第2破断線に沿って切れていく虞がある。よって、上記特許文献1の開封識別容器は、凹み部を有する容器に適用した場合、正規開封時に全周第1破断線に沿ってキャップシールを切断できず、綺麗に開封できない虞がある。
【0007】
さらに、特許文献1のキャップシールは、上方に傾斜した傾斜第2破断線を有するので、このキャップシールを熱収縮装着したとき、大きな穴を生じるという問題もある。
具体的には、キャップシールは、熱収縮時に周方向に大きく引っ張られる。このため、キャップシールの周方向に対して傾斜する線状の貫通孔部が形成されていると、この貫通孔部の周辺が左右に引っ張られて略紡錘状の穴を生じる。特に、凹み部を有する容器に、上記特許文献1に記載のキャップシールを装着した場合、前記凹み部に対応する部分に位置する傾斜第2破断線の貫通孔部が大きな穴となり、更には、隣接する貫通孔部同士が繋がってより大きな穴を生じる。
このような穴がキャップシールに生じると、商品の外観を損ねるだけでなく、その穴から粉塵などが入り込むので、衛生的にも好ましくない。
【0008】
本発明は、上記傾斜破断線が形成されていなくても、不正開封したことが外見上で判別でき、一方、正規開封時には開封用横ミシン目に沿って綺麗に切断できるキャップシール包装体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のキャップシール包装体は、キャップの下端部と胴部の上端部の間に凹み部を有するキャップ付き容器と、前記キャップ及び胴部に熱収縮装着されたキャップシールであって、前記容器の縦方向に延びる一対の開封用縦ミシン目、前記開封用縦ミシン目の下端部に連設され且つ容器の周方向に周設された開封用横ミシン目、及び、前記開封用横ミシン目と略平行に延びる補助ミシン目がそれぞれ形成されたキャップシールと、を備え、前記補助ミシン目が前記開封用横ミシン目の上方に形成されており、前記キャップシールは、前記開封用横ミシン目が前記胴部の上端部又は前記胴部の上端部よりも下方に位置していると共に、前記補助ミシン目が前記キャップの下端部から上方に3mm離れた部分又はこの部分よりも下方に位置するように、熱収縮装着されている。
【0010】
上記本発明のキャップシール包装体は、一対の開封用縦ミシン目間の上縁を指で摘み、開封用横ミシン目に至るまで開封用縦ミシン目に沿って帯状に切り取った後、更に、開封用横ミシン目に沿って切り取ることによって、キャップシールの上半分を除去できる(綺麗に正規開封できる)。
本発明のキャップシール包装体は、開封用横ミシン目に連なって傾斜破断線が形成されていないので、正規開封時に、開封用横ミシン目に沿ってキャップシールを綺麗に切り取ることができる。
また、本発明のキャップシール包装体は、開封用横ミシン目の上方に形成された補助ミシン目が、前記キャップの下端部から上方に3mm離れた部分又はこの部分よりも下方に位置しているので、不正開封時には、キャップの回転によって生じる引裂き力が補助ミシン目に作用し、前記補助ミシン目に沿ってキャップシールが切断される。従って、不正開封の有無を外見上で判別できる。
なお、本発明のキャップシールには、開封用横ミシン目に連なって傾斜破断線が形成されていないので、確実に正規開封できると共に、装着されたキャップシールに大きな穴が生じ難い。
【0011】
本発明の好ましいキャップシール包装体は、前記補助ミシン目が前記キャップの下端部と胴部の上端部の間に位置している。なお、前記補助ミシン目が前記キャップの下端部と胴部の上端部の間に位置しているとは、補助ミシン目が、キャップの下端部に一致して位置している場合、胴部の上端部に一致して位置している場合、及び、キャップの下端部から胴部の上端部の間に存在する凹み部に位置している場合を含む意味である。
補助ミシン目が前記キャップの下端部と胴部の上端部の間に位置していることにより、不正開封時に、補助ミシン目に沿ってキャップシールがより確実に切断される。
【0012】
本発明の好ましいキャップシール包装体は、前記開封用横ミシン目が複数条形成されている。
開封用横ミシン目が複数条形成されていることにより、正規開封時に、切取線が開封用横ミシン目から脱線し難く、開封用横ミシン目に沿ってキャップシールを確実に切り取ることができる。
【0013】
本発明の好ましいキャップシール包装体は、前記補助ミシン目の延長線上に、前記開封用縦ミシン目の貫通孔部が交差している。
補助ミシン目の延長線上に開封用縦ミシン目の貫通孔部が交差していることにより、不正開封時に、開封用縦ミシン目の貫通孔部に加わった引裂き力が補助ミシン目に作用し易くなり、補助ミシン目に沿ってキャップシールが確実に切断される。
【発明の効果】
【0014】
本発明のキャップシール包装体は、不正開封したことが外見上で判別できる。また、キャップシールを正規開封する際には、開封用横ミシン目に沿って綺麗に切断できる。
また、本発明のキャップシール包装体は、大きな穴がキャップシールに生じ難く、外観上も好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】1つの実施形態に係るキャップシール包装体の正面図。ただし、容器を二点鎖線で示す。
【図2】図1の一部拡大図。
【図3】図1のIII−III線断面図。
【図4】1つの実施形態に係るキャップ付き容器の正面図。
【図5】1つの実施形態に係るキャップシールの正面図。
【図6】同左側面図。
【図7】本発明のキャップシール包装体を不正開封したときの状態を示す参考正面図。ただし、容器を二点鎖線で示す。
【図8】各実施例及び各比較例でそれぞれ使用したキャップ付き容器の寸法を表した参考正面図。
【図9】実施例1及び比較例1で作製した基本形キャップシール(1)の左側面図。
【図10】実施例2及び比較例2で作製した基本形キャップシール(2)の左側面図。
【図11】実施例3及び比較例3で作製した基本形キャップシール(3)の左側面図。
【図12】比較例4で作製した基本形キャップシール(4)の左側面図。
【図13】実施例4で作製した基本形キャップシール(5)の左側面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1〜図3において、本発明のキャップシール包装体1は、キャップ付き容器2と、この容器2に熱収縮装着されたキャップシール3と、を備える。
【0017】
(容器)
キャップ付き容器2は、図4に示すように、収納物を入れる胴部211を有する容器本体21と、容器本体21の注出口を塞ぎ且つ容器本体21の上方に装着されたキャップ22と、を備え、キャップ22の下端部22aと容器の胴部211の上端部211aの間に、凹み部23を有する。前記キャップ22は、容器本体21の軸芯を中心として、容器本体21の周方向の一方及び他方に回転させることができる。
容器本体21は、自立可能な胴部211と、胴部211の上方に一体的に形成され且つ上端に注出口が形成された首部212と、を有する。胴部211は、例えば、円筒状に形成されており、首部212は、胴部211よりも少し小径の円筒状に形成されている。従って、胴部211の上端部211aと首部212の下端部の間には(胴部211と首部212の境界には)、首部212の径に応じた深さの段部が生じている。また、胴部211の上端部211aよりも少し下方には、僅かに径外方向に突出したフランジ部213が周設されている。また、首部212の外周面には、雄ネジ部(図3参照)が形成されている。
【0018】
キャップ22は、前記注出口を塞ぐ天板221と、前記天板221の周端から下方に延設された円筒状の周壁部222と、を有する。前記周壁部222の内周面には、首部212の雄ネジ部に螺合する雌ネジ部(図3参照)が形成されている。
キャップ22を容器本体21の首部212に最後まで装着した状態において、キャップ22の下端部22aと胴部211の上端部211aの間には、内側に凹んだ凹み部23が周方向に存在している。
【0019】
この凹み部23の縦長さA(キャップ22を首部212に最後まで装着した状態における、キャップ22の下端部22aから胴部211の上端部211aまでの縦間隔)は、キャップ22の周壁部222の縦長さに応じて適宜設定されるが、例えば、2mm〜10mmであり、好ましくは2mm〜5mmである。
凹み部23の深さBは、首部212の径に応じて適宜設定されるが、例えば、2mm〜10mmであり、好ましくは3mm〜7mmである。凹み部23の深さBが余りに浅いと、実質的に凹んだ部分とは言えず、一方、深さBが余りに深いと、正規開封時に開封用縦ミシン目4に沿って切れ難くなるおそれがある。
【0020】
キャップ22の周壁部222の外径と胴部211の外径(フランジ部213を除く)は、略同じであることが好ましい。
キャップ22を、容器本体21の周方向の一方に回転させることにより、キャップ22は徐々に上方に移動しながら首部212から外れて開栓する(この周方向の一方を「開栓回転方向」という)。キャップ22を周方向の他方(前記一方と反対回り)に回転させることによって、キャップ22は首部212に装着される。
【0021】
なお、上記例示した容器2は、キャップ22を外すことによって、注出口から収納物を取り出す形式であるが、容器は、この形式に限られず、キャップ自体を外さずにキャップに設けられた開閉蓋(例えば、ヒンジ付き開閉蓋など)を開けることによって、注出口から収納物を取り出す形式でもよい。
また、上記例示した容器2のキャップ22は、ネジ作用によって容器本体21に装着されるネジキャップであるが、本発明の容器のキャップはこれに限られず、容器本体21の首部212の上方から下方へ押し込んで嵌着できるキャップ(凹凸嵌合によって装着されるキャップ)でもよい。かかる凹凸嵌合によって装着されるキャップは、ネジ作用で着脱するものではないが、容器本体21の軸芯を中心として、容器本体21の周方向の一方及び他方に回転させることができる。
【0022】
また、上記例示した容器2は、胴部211にフランジ部213が突設されているが、これに限定されず、フランジ部を有しない容器に本発明を適用してもよい。フランジ部を有しない容器としては、例えば、胴部の縦方向中途部から胴部の上端部にかけて、胴部の径が略等しい容器が挙げられる。もっとも、上記フランジ部213が形成されている容器2に、キャップシール3を熱収縮装着したとき、フランジ部213の凸状に沿ってキャップシール3が密着する。このため、熱収縮装着されたキャップシール3が、容器2の上方又は下方に抜けることによって、容器2から不用意に外れることを防止できる。
【0023】
容器2に収納される収納物は特に限定されず、例えば、コショウなどの調味料、飲料、食品、医薬品、化粧品などが挙げられる。
【0024】
(キャップシール)
本発明のキャップシール3は、熱収縮性の筒状フィルムと、筒状フィルムの縦方向に形成された一対の開封用縦ミシン目4と、開封用縦ミシン目4の下端部に連設され且つ筒状フィルムの周方向に周設された開封用横ミシン目5と、開封用横ミシン目5の上方において開封用横ミシン目5と略平行に形成された補助ミシン目6と、を有する。前記補助ミシン目6は、例えば、開封用横ミシン目5から1mm以上7mm以下の範囲内に形成されており、補助ミシン目6の両端部は、開封用縦ミシン目4及び開封用横ミシン目5のいずれにも連設されていないことが好ましい。
【0025】
容器2に装着する前のキャップシール3を、図5及び図6に示す。装着する前のキャップシール3は、扁平状に折り畳まれている。
キャップシール3は、筒状フィルムを有する。筒状フィルムは、熱収縮性フィルムの両側端部を重ね合わせて筒状にし、この重ね合わせ部分が溶剤又は接着剤などを用いて接着されている。
【0026】
筒状フィルムの形成に用いる熱収縮性フィルムとしては、特に限定されず、例えば、ポリスチレンなどのスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、環状オレフィンなどのオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂からから選ばれる1種単独、又は2種以上の混合物などを含むフィルムを用いることができる。また、熱収縮性フィルムとして、熱収縮性を有する2種以上のフィルムが積層された積層フィルムや、金属蒸着層などの非熱収縮層が熱収縮性を有するフィルムに積層された積層フィルムを用いることもできる。フィルムは公知の製法で製膜し延伸処理することにより熱収縮性を付与できる。
熱収縮性フィルムの厚みは、特に限定されないが、例えば20〜80μm、更に、20〜60μm程度のものを用いることができる。
上記筒状フィルムを有するキャップシール3は、所定温度(例えば80〜200℃)で、容器2に密着する程の熱収縮率を有して、少なくとも周方向に熱収縮する。
【0027】
筒状フィルムの面内には、縦方向に延びる一対の開封用縦ミシン目4L,4Rと、前記開封用縦ミシン目4L,4Rの下端部に連設され且つ筒状フィルムの周方向に周設された開封用横ミシン目5と、前記開封用横ミシン目5の上方において開封用横ミシン目5と略平行に延びる補助ミシン目6と、がそれぞれ形成されている。
以下、補助ミシン目のうち、特に左側の補助ミシン目を意図するときには「左補助ミシン目6L」と、特に右側の補助ミシン目を意図するときには「右補助ミシン目6R」と記す。
【0028】
ここで、本明細書において、「ミシン目」とは、ミシン針の縫い跡の如くフィルムの表裏面に貫通する貫通孔部が一方向に断続的に形成された、貫通孔部の集合を意味する。かかるミシン目は、隣接する貫通孔部の間に、非貫通部(貫通処理のなされていないフィルム部分)が存在する。1つの貫通孔部の正面視形状は、細長い直線状、針穴状(円形孔又は楕円形孔)などが挙げられる。ミシン目に沿ってフィルムが切れ易くなることから、貫通孔部の形状は、細長い直線状が好ましい。
【0029】
また、「開封用縦ミシン目の下端部に開封用横ミシン目が連設されている」とは、貫通孔部及び非貫通部が一連に集合した線からなる縦ミシン目と、貫通孔部及び非貫通部が一連に集合した線からなる横ミシン目が、実質的に交差していることを意味する。かかる連設の具体例としては、縦ミシン目の下端部の貫通孔部が横ミシン目の貫通孔部にT字状又は十字状に交わっている場合;縦ミシン目の下端部の貫通孔部が横ミシン目の貫通孔部の近傍に位置する場合;縦ミシン目の貫通孔部が横ミシン目の非貫通部(横ミシン目の隣接する2つの貫通孔部の間)に交差している又は横ミシン目の非貫通部の近傍に位置する場合;縦ミシン目の非貫通部が横ミシン目の貫通孔部に交差している又は横ミシン目の貫通孔部の近傍に位置する場合;などが挙げられる。
【0030】
キャップシール3について具体的に説明すると、筒状フィルムの上端には、摘み片部31が延設されている。この摘み片部31の両基部を始点として、縦方向に平行に延びる左右一対の開封用縦ミシン目4L,4Rが筒状フィルムの上縁から中途部にまで形成されている。左開封用縦ミシン目4Lと右開封用縦ミシン目4Rの間隔(横間隔)は特に限定されないが、通常、5mm〜30mm程度である。
開封用縦ミシン目4L,4Rの各貫通孔部の長さ(縦長さ)は、0.5mm〜1mmが好ましく、0.6mm〜0.8mmがより好ましい。開封用縦ミシン目4L,4Rの各非貫通部の長さ(縦長さ)は、0.5mm〜1mmが好ましく、0.6mm〜0.8mmがより好ましい。開封用縦ミシン目4L,4Rの貫通孔部の長さと非貫通部の長さの比は、0.8:1〜1:0.8が好ましく、0.9:1〜1:0.9がより好ましい。
【0031】
左開封用縦ミシン目4Lと右開封用縦ミシン目4Rは、それぞれ1条のミシン目又は2条以上のミシン目でもよいが、図示したように、それぞれ2条のミシン目(第1縦ミシン目41及び第2縦ミシン目42)から構成されていることが好ましい。この第1縦ミシン目41と第2縦ミシン目42は、周方向に近接して平行に形成される。第1縦ミシン目41と第2縦ミシン目42の間隔(横間隔)は、通常、0.5mm〜1.5mm程度である。開封用縦ミシン目4L,4Rが、それぞれ2条のミシン目から構成されている場合、正規開封したときに、一対の開封用縦ミシン目4L,4Rの間の領域が途中で分断せず、この領域を開封用横ミシン目5まで確実に切り取ることができる。
【0032】
第1縦ミシン目41及び第2縦ミシン目42の各貫通孔部の長さ(縦長さ)及び各非貫通部の長さ(縦長さ)並びに両者の比は、上記開封用縦ミシン目4L,4Rで例示した数値と同様である。
第1縦ミシン目41の貫通孔部と第2縦ミシン目42の貫通孔部は、交互に配置されていることが好ましい。すなわち、図示したように、第1縦ミシン目41の貫通孔部の横方向に、第2縦ミシン目42の非貫通部が位置し、第1縦ミシン目41の非貫通部の横方向に、第2縦ミシン目42の貫通孔部が位置するように、第1縦ミシン目41と第2縦ミシン目42が形成されていることが好ましい。
【0033】
開封用横ミシン目5は、前記一対の開封用縦ミシン目4L,4Rの下端部に連設されている。開封用横ミシン目5は、筒状フィルムの周方向全体に周設されている。
開封用横ミシン目5の貫通孔部の長さ(横長さ)は、0.5mm〜1mmが好ましく、0.6mm〜0.8mmがより好ましい。開封用横ミシン目5の非貫通部の長さ(横長さ)は、0.5mm〜1mmが好ましく、0.6mm〜0.8mmがより好ましい。開封用横ミシン目5の貫通孔部の長さと非貫通部の長さの比は、0.8:1〜1:0.8が好ましく、0.9:1〜1:0.9がより好ましい。
【0034】
開封用横ミシン目5は、1条のミシン目又は2条以上のミシン目でもよいが、図示したように、2条のミシン目(第1横ミシン目51及び第2横ミシン目52)から構成されていることが好ましい。第1横ミシン目51と第2横ミシン目52は、上下に近接して平行に形成されている。第1横ミシン目51と第2横ミシン目52の間隔(縦間隔)は、通常、0.5mm〜1.5mm程度である。開封用横ミシン目5が、2条のミシン目から構成されている場合、正規開封したときに、一対の開封用縦ミシン目4L,4Rに沿った切取線が、開封用横ミシン目5を越えることを防止できる。つまり、正規開封時に生じる縦方向の切取線が、開封用縦ミシン目4L,4Rと開封用横ミシン目5の連設部分を越えて、開封用横ミシン目5の下方側にまで達することを防止できる。
【0035】
第1横ミシン目51及び第2横ミシン目52の各貫通孔部の長さ(横長さ)及び各非貫通部の長さ(横長さ)並びに両者の比は、上記開封用横ミシン目5で例示した数値と同様である。
第1横ミシン目51の貫通孔部と第2横ミシン目52の貫通孔部は、交互に配置されていることが好ましい。すなわち、第1横ミシン目51の貫通孔部の縦方向に、第2横ミシン目52の非貫通部が位置し、第1横ミシン目51の非貫通部の縦方向に、第2横ミシン目52の貫通孔部が位置するように、第1横ミシン目51と第2横ミシン目52は形成されていることが好ましい。
【0036】
補助ミシン目6は、前記開封用横ミシン目5の上方において開封用横ミシン目5と略平行に形成されている。「略平行」とは、厳密に平行、又は実質的に平行を意味する。実質的に平行は、例えば、補助ミシン目と開封用横ミシン目の成す角が0度を超え10度以下、好ましくは前記角が0度を超え5度以下を含む。
前記補助ミシン目6は、開封用縦ミシン目4L,4Rを挟んで、左右一対形成されていることが好ましい。もっとも、補助ミシン目6は、開栓回転方向と反対側のみに形成されていてもよいし、開栓回転方向のみに形成されていてもよい。
本実施形態のキャップ付き容器2の場合には、開栓回転方向が容器の上から見て反時計回りなので、例えば、左補助ミシン目6Lのみが形成されていてもよい。
【0037】
補助ミシン目6は、開封用横ミシン目5よりも破断し易いミシン目であることが好ましい。例えば、補助ミシン目6の各貫通孔部を開封用横ミシン目5の貫通孔部よりも長く且つ補助ミシン目6の各非貫通部を開封用横ミシン目5の非貫通部よりも短く形成することにより、破断し易い補助ミシン目6を構成できる。
補助ミシン目6は、1条のミシン目又は上下に近接して平行に形成された2条以上のミシン目でもよいが、上記開封用横ミシン目5と同様に、補助ミシン目6は、上下に近接して平行に形成された2条のミシン目から構成されていてもよい。補助ミシン目6が、上下に近接した平行な2条のミシン目から構成されている場合、両ミシン目の間隔(縦間隔)は、好ましくは、0.5mm〜1.0mmである。
【0038】
補助ミシン目6の各貫通孔部の長さ(横長さ)は、0.7mm〜1.5mmが好ましく、0.8mm〜1.2mmがより好ましい。補助ミシン目6の各非貫通部の長さ(横長さ)は、0.3mm〜0.7mmが好ましい。補助ミシン目6の貫通孔部の長さと非貫通部の長さの比は、1.5:0.3〜1:0.3が好ましく、1.2:0.4〜1:0.4がより好ましい。
【0039】
補助ミシン目6と開封用横ミシン目5の間隔(縦間隔)は、後述するように、キャップシール3を容器2に装着した際に、開封用横ミシン目5及び補助ミシン目6が容器2の所定位置に配置されるように設計される。補助ミシン目6と開封用横ミシン目5の間隔(縦間隔)は、例えば、容器2の凹み部23の縦長さなどに応じて適宜設計される。例えば、容器2の凹み部23の縦長さが、2mm〜5mmの場合には、補助ミシン目6と開封用横ミシン目5の間隔(縦間隔)は、1mm〜7mmが好ましい(補助ミシン目が、開封用横ミシン目から上方に1mm以上7mm以下の範囲内に形成されている)。ただし、開封用横ミシン目5が複数条形成されている場合には、前記補助ミシン目6と開封用横ミシン目5の間隔(縦間隔)は、最も上側の横ミシン目を基準とする。
【0040】
左右補助ミシン目6L,6Rの両端部は、開封用縦ミシン目4L,4R及び開封用横ミシン目5のいずれにも連設されていない。左補助ミシン目6Lの左端部及び右補助ミシン目6Rの右端部は、開封用縦ミシン目4L,4Rから十分に離れており、且つ、この左端部及び右端部も繋がっていない。また、左補助ミシン目6Lの右端部及び右補助ミシン目6Rの左端部は、開封用縦ミシン目4L,4Rの比較的近くに形成されている。左補助ミシン目6Lの右端部と左開封用縦ミシン目4Lとの間隔(横間隔)及び右補助ミシン目6Rの左端部と右開封用縦ミシン目4Rとの間隔(横間隔)は、特に限定されないが、それぞれ3mm〜7mmが好ましい。前記間隔が余りに短いと、正規開封したときに、開封用縦ミシン目4L,4Rの途中から左右補助ミシン目6L,6Rへと切れていく虞がある。前記間隔が余りに長いと、不正開封されたときに、補助ミシン目6に沿って切れない虞がある。
【0041】
なお、左補助ミシン目6Lの左端部と右補助ミシン目6Rの右端部の間は、図示例では、十分に離れているが、左補助ミシン目6Lの左端部と右補助ミシン目6Rの右端部の間は狭くてもよい。例えば、左補助ミシン目6Lの左端部と右補助ミシン目6Rの右端部は、実質的に連設されていてもよい(繋がっていてもよい)。
【0042】
補助ミシン目6の延長線上に開封用縦ミシン目4L,4Rの貫通孔部が交差するように、補助ミシン目6及び開封用縦ミシン目4L,4Rが形成されていることが好ましい。なお、上記のように、開封用縦ミシン目4L,4Rが、横方向に貫通孔部が交互に配置された2条のミシン目(第1及び第2縦ミシン目41,42)で構成されている場合、第1縦ミシン目41又は第2縦ミシン目42の何れか一方の貫通孔部は、左右補助ミシン目6L,6Rの延長線上に交差し得る。
補助ミシン目6の延長線上に開封用縦ミシン目4L,4Rの貫通孔部が交差していることにより、不正開封時に、開封用縦ミシン目4L,4Rの貫通孔部に加わった引裂き力が左補助ミシン目6Lに作用し易くなり、左補助ミシン目6Lに沿ってキャップシール3が確実に切断される。
【0043】
なお、本発明のキャップシール3には、周方向に延びるミシン目として、上記のように開封用横ミシン目5と補助ミシン目6が形成されているが、これに加えて、周方向に略平行に延びる、他のミシン目が形成されていてもよい。なお、「周方向に略平行」とは、厳密に平行、又は実質的に平行を意味する。実質的に平行とは、他のミシン目が周方向に対して成す角が0度を超え10度以下、好ましくは0度を超え5度以下を含む。
【0044】
(キャップシール包装体について)
本発明のキャップシール包装体1は、図1〜図3に示すように、キャップ22付き容器2のキャップ22及び胴部211に、キャップシール3が熱収縮装着されている。
具体的には、キャップシール3は、キャップ22の周壁部222と胴部211に跨って熱収縮装着されている。キャップシール3は、図1に示すように、容器2の胴部211の略全体に装着されていてもよいし、図示しないが、胴部211の略上半分に装着されていてもよい。装着されたキャップシール3の上端部は、熱収縮時にキャップ22の天板221側に折れ曲がり、該天板221の上面周端部に係止されている。
【0045】
装着されたキャップシール3は、キャップ22の天板221の上面周端部、キャップ22の周壁部222の外面、及び胴部211の外面に沿って密着している。一方、キャップシール3のうち容器2の凹み部23に対応する部分は、凹み部23との間に空隙を有した状態で、凹み部23側に縮径している。
すなわち、装着されたキャップシール3は、キャップ22の下端部22aに対応する部分及び胴部211の上端部211aに対応する部分をそれぞれ上下の変曲起点91,92として徐々に内側へ曲がり、凹み部23側に縮径した縮径部7を有する。
【0046】
上下変曲起点91,92の間の縮径部7は、最小径部分71を有する。前記「最小径部分」とは、径が徐々に小さくなっている縮径部の最も径が小さい部分を意味する。この最小径部分71は、通常、上下変曲起点91,92の中間(上下変曲起点91,92間の縦方向中間点)に生じるが、凹み部23の深さや凹み部23の形状によっては、縮径部7の最小径部分71は、上下変曲起点91,92の中間よりも上下何れかに寄った位置に生じる場合もある。
【0047】
キャップシール3は、その開封用横ミシン目5が胴部211の上端部211aに位置するように、或いは、開封用横ミシン目5が胴部211の上端部211aよりも下方に位置するように、熱収縮装着されている。本実施形態の容器2は、胴部211にフランジ部213が形成されているので、例えば、このフランジ部213の突出頂部に開封用横ミシン目5が位置するように、キャップシール3が装着されていてもよい(図2参照)。
同時に、キャップシール3は、その補助ミシン目6がキャップ22の下端部22aから上方に3mm離れた部分に位置するように、又は、補助ミシン目6がキャップ22の下端部22aから上方に3mm離れた部分よりも下方に位置するように、熱収縮装着されている。換言すると、開封用横ミシン目5よりも上方に形成された補助ミシン目6は、上変曲起点91から上方に3mm離れた部分以下の範囲内に位置している。補助ミシン目6が前記範囲に位置していることにより、不正開封時に、前記補助ミシン目6に沿ってキャップシール3が切断される。
【0048】
前記熱収縮装着されたキャップシール3において、その開封用横ミシン目5の位置は上記の範囲であれば特に限定されないが、開封用横ミシン目5の位置が胴部211の上端部211aから余りに離れ過ぎていると、不正開封時にキャップ22の回転による引裂き力が補助ミシン目6に作用しないおそれがある。このため、開封用横ミシン目5が胴部211の上端部211aと該上端部211aから下方に7mm離れた部分との間に位置するように、キャップシール3は熱収縮装着されていることが好ましい。さらに、開封用横ミシン目5は胴部211の上端部211aと該上端部211aから下方に6mm離れた部分との間に位置していることがより好ましく、開封用横ミシン目5は胴部211の上端部211aと該上端部211aから下方に4mm離れた部分との間に位置していることが特に好ましい。
【0049】
また、前記熱収縮装着されたキャップシール3において、その補助ミシン目6の位置は前記範囲であれば特に限定されない。好ましくは、補助ミシン目6が、胴部211の上端部211aとキャップ22の下端部22aの間に位置するように(補助ミシン目6が、胴部211の上端部211aに一致して位置している場合、キャップ22の下端部22aに一致して位置している場合、胴部211の上端部211aよりも上方で且つキャップ22の下端部22aよりも下方の範囲内(凹み部23)に位置している場合を含む)、キャップシール3が熱収縮装着される。換言すると、補助ミシン目6は、キャップシール3の下変曲起点92と上変曲起点91との間の範囲内に位置することが好ましい。補助ミシン目6がキャップ22の下端部22aと胴部211の上端部211aの間に位置していることにより、不正開封時に、キャップシール3が補助ミシン目6に沿ってより確実に切断される。
【0050】
特に、補助ミシン目6が、胴部211の上端部211aよりも上方で且つキャップ22の下端部22aよりも下方の範囲内(凹み部23)に位置していることがより好ましい。かかる範囲内に補助ミシン目6が位置していることにより、補助ミシン目6はキャップシール3の縮径部7に従って容器2の凹み部23側へ入り込む。キャップシール3の縮径部7は、内側に曲がった部分であり、且つ凹み部23の外面に密着しておらずに容器2から浮いている。このため、補助ミシン目6の存在が外見上目立ち難くなるため、包装体1の商品価値を高めることができる。さらに、補助ミシン目6が凹み部23側へ入り込む(補助ミシン目6が縮径部7に位置している)と、キャップシール3の外面を手で持ったときに、補助ミシン目6に手が重ならない。このため、不正開封時に、補助ミシン目6に沿って確実に切れていく。さらに、補助ミシン目6が、最小径部分71と上変曲起点91との間に位置していると、正面又は上方から包装体1を見たときに、補助ミシン目6の存在が外見上目立たないので、特に好ましい。
【0051】
上記キャップシール包装体1は、摘み片部31を摘んで開封用縦ミシン目4L,4Rに沿ってキャップシール3の一部分を開封用横ミシン目5に至るまで帯状に切り取る。その後、開封用横ミシン目5に沿って周方向に切り取ることにより、キャップシール3の上半分が取り除かれ、キャップシール3を開封することができる。一対の開封用縦ミシン目4L,4R及び開封用横ミシン目5は、それぞれ2条のミシン目から構成されているので、正規開封時に、開封用縦ミシン目4L,4R及び開封用横ミシン目5に沿って確実に切断できる。
【0052】
一方、上記キャップシール包装体1を不正開封したときには、図7に示すように、左補助ミシン目6Lに沿ってキャップシール3が切断され、不定形の切断片8が生じる。
具体的には、開封用縦ミシン目4L,4Rに沿って切り取らず、キャップシール3の外面からキャップ22を持って開栓回転方向に回すと、キャップ22が上方に移動する。キャップ22の回転及び上方移動に伴い、キャップシール3の上方側には、周方向への引裂き力及び縦方向への引裂き力が加わる。前記周方向への引裂き力によって、左開封用縦ミシン目4Lと左補助ミシン目6Lの端部の間が切れ、一方、前記縦方向への引裂き力によって、左補助ミシン目6Lの非貫通部が上下に分断される。このため、不正開封時に、左補助ミシン目6Lに沿ってキャップシール3が切断される。特に、補助ミシン目6が胴部211の上端部211aよりも上方の部分とキャップ22の下端部22aよりも下方の部分との間に位置している場合には、前記縦方向への引裂き力によって、補助ミシン目6の非貫通部が上下に分断され易い。
【0053】
上記本発明のキャップシール包装体1によれば、キャップシール3を正規開封する際には、開封用横ミシン目5に沿って綺麗に切断でき、一方、不正開封されたときには、それを外見上で判別できる。
また、キャップシール3には、従来のように、開封用横ミシン目5に連なって傾斜破断線が形成されていないので、装着されたキャップシール3に大きな穴が生じない。従って、外見上美麗なキャップシール包装体1を提供できる。
【実施例】
【0054】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をさらに説明する。ただし、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
【0055】
[実施例及び比較例で使用した容器]
図4に示す形状の市販のキャップ付き容器を使用した。その容器の詳細は、下記の通りである(図8に、容器の各寸法を明示している)。
容器本体:ガラス製で、全体(胴部及び首部)が円筒状。
キャップ:プラスチック製の円筒状で、容器本体の首部にネジ螺合するネジキャップ。
キャップの上面から下端部までの長さ(キャップの周壁部の縦長さ):約24mm。
胴部の上端部から下面までの長さ(胴部の縦長さ):約66mm。
最後までキャップを装着した状態でのキャップの下端部と胴部の上端部の縦長さ(凹み部の縦長さ):約4mm。
凹み部の深さ:約4mm。
胴部及びキャップの直径:約30.5mm。
フランジ部の突出高さ:約0.25mm。
フランジ部の突出頂部の位置:胴部の上端部から下方に約1.5mm離れた部分。
【0056】
[実施例1−1〜1−3及び比較例1−1、1−2で使用したキャップシール]
厚み40μmのポリエチレンテレフタレート製熱収縮フィルム(東洋紡績(株)製、商品名「S7042」)を、筒状に貼り合わせ、図9に示す筒状フィルムを作製した。図9に、この筒状フィルムの各寸法(大きさ及び各ミシン目の形成位置など)を示している。
この筒状フィルムを扁平状に折り畳んだ状態で、ミシン刃を用いて、筒状フィルムの一面から他面へ貫通するように、開封用縦ミシン目4(第1縦ミシン目41及び第2縦ミシン目42)、開封用横ミシン目5(第1横ミシン目51及び第2横ミシン目52)、補助ミシン目6をそれぞれ刻設した(図9参照)。
なお、筒状フィルムを折り畳んだ状態でミシン目を刻設すると、図5に示すような、線対称の位置に左右一対の開封用縦ミシン目及び補助ミシン目が形成され、且つ筒状フィルムの周方向全体に開封用横ミシン目が形成される。
【0057】
ミシン目の刻設は、第1縦ミシン目41及び第2縦ミシン目42の各貫通孔部の縦長さを、それぞれ0.7mmとし、第1縦ミシン目41及び第2縦ミシン目42の各非貫通部の縦長さを、それぞれ0.7mmとし、第1縦ミシン目41の貫通孔部と第2縦ミシン目42の貫通孔部が交互に配置されるようにした。
また、第1横ミシン目51及び第2横ミシン目52の各貫通孔部の横長さを、それぞれ0.7mmとし、第1横ミシン目51及び第2横ミシン目52の各非貫通部の横長さを、それぞれ0.7mmとし、第1横ミシン目51の貫通孔部と第2横ミシン目52の貫通孔部が交互に配置されるようにした。
また、補助ミシン目6の貫通孔部の横長さを、1mmとし、補助ミシン目6の非貫通部の横長さを、0.5mmとした。
この筒状フィルムを「基本形キャップシール(1)」という。
【0058】
[実施例2−1〜2−4及び比較例2で使用したキャップシール]
第1横ミシン目51の形成位置を、図10に示すような位置に変えたこと以外は、上記基本形キャップシール(1)と同様にして、筒状フィルムを作製した。
この筒状フィルムを「基本形キャップシール(2)」という。
【0059】
[実施例3−1〜3−3及び比較例3で使用したキャップシール]
第1横ミシン目51の形成位置を、図11に示すような位置に変えたこと以外は、上記基本形キャップシール(1)と同様にして、筒状フィルムを作製した。
この筒状フィルムを「基本形キャップシール(3)」という。
【0060】
[比較例4で使用したキャップシール]
第1横ミシン目51の形成位置を、図12に示すような位置に変えたこと以外は、上記基本形キャップシール(1)と同様にして、筒状フィルムを作製した。
この筒状フィルムを「基本形キャップシール(4)」という。
【0061】
[実施例4−1及び4−2で使用したキャップシール]
第1横ミシン目51の形成位置を、図13に示すような位置に変えたこと以外は、上記基本形キャップシール(1)と同様にして、筒状フィルムを作製した。
この筒状フィルムを「基本形キャップシール(5)」という。
【0062】
[実施例1−1]
基本形キャップシール(1)の補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔(図9の符号H1)を2mmに設定したこと以外は、基本形キャップシール(1)と同様にして、実施例1に係るキャップシールを10枚作製した。
【0063】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部に一致するように位置決めして、このキャップシールに約100℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。装着されたキャップシールは、凹み部に対応する部分において縮径部が形成されており、補助ミシン目がこの縮径部の最小径部分に位置していた。
得られたキャップシール包装体について、キャップシールの外側からキャップを持って開栓回転方向に勢いよく回したところ、キャップシールが補助ミシン目に沿って切断された。
残る9枚のキャップシールを同様にして容器に装着し、開栓したところ、いずれもキャップシールが補助ミシン目に沿って切断された。
【0064】
[実施例1−2]
補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔H1を、4mmに変更したこと以外は、実施例1−1と同様にして、10枚のキャップシールを作製した。
【0065】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部に一致するように位置決めして、このキャップシールに約100℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、補助ミシン目がキャップの下端部に位置していた。
実施例1−2のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、10個のサンプルのいずれも、キャップシールが補助ミシン目に沿って切断された。
【0066】
[実施例1−3]
補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔H1を、6mmに変更したこと以外は、実施例1−1と同様にして、10枚のキャップシールを作製した。
【0067】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部に一致するように位置決めして、このキャップシールに約100℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、補助ミシン目がキャップの下端部から上方に約2mm離れた部分に位置していた。
実施例1−3のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、10個のサンプルのうち7個のサンプルが、補助ミシン目に沿って切断され、残る3個のサンプルが第1横ミシン目に沿って切断された。
【0068】
[比較例1−1]
補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔H1を、8mmに変更したこと以外は、実施例1−1と同様にして、10枚のキャップシールを作製した。
【0069】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部に一致するように位置決めして、このキャップシールに約100℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、補助ミシン目がキャップの下端部から上方に約4mm離れた部分に位置していた。
比較例1−1のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、10個のサンプルの全てが補助ミシン目において切断されず、第1横ミシン目全体に沿って綺麗に切断された。
【0070】
[比較例1−2]
補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔H1を、10mmに変更したこと以外は、実施例1−1と同様にして、10枚のキャップシールを作製した。
【0071】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部に一致するように位置決めして、このキャップシールに約100℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、補助ミシン目がキャップの下端部から上方に約4mm離れた部分に位置していた。
比較例1−2のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、10個のサンプルの全てが補助ミシン目において切断されず、第1横ミシン目全体に沿って綺麗に切断された。
【0072】
なお、第1横ミシン目全体に沿って切断された、比較例1−1及び1−2のキャップシール包装体について、そのキャップを元に戻したが、外見上、不正開封の有無を外見上判別し難くかった。
上記実施例1−1などから、複数のサンプル間において結果が相違しないことから、実施例2−1以降については、サンプル数を3個とした。
【0073】
[実施例2−1]
基本形キャップシール(2)の補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔(図10の符号H2)を1mmに設定したこと以外は、基本形キャップシール(2)と同様にして、実施例2−1に係るキャップシールを3枚作製した。
【0074】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部から下方に2mm離れた部分に一致するように位置決めして、このキャップシールに約100℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、補助ミシン目が胴部の上端部から下方に約1mm離れた部分に位置していた。
実施例2−1のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、3個のサンプルのいずれも、キャップシールが補助ミシン目に沿って切断された。
【0075】
[実施例2−2]
補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔H2を、3mmに変更したこと以外は、実施例2−1と同様にして、3枚のキャップシールを作製した。
【0076】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部から下方に2mm離れた部分に一致するように位置決めして、このキャップシールに約100℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、補助ミシン目が縮径部の最小径部分と胴部の上端部の間に位置していた。
実施例2−2のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、3個のサンプルのいずれも、キャップシールが補助ミシン目に沿って切断された。
【0077】
[実施例2−3]
補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔H2を、5mmに変更したこと以外は、実施例2−1と同様にして、3枚のキャップシールを作製した。
【0078】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部から下方に2mm離れた部分に一致するように位置決めして、このキャップシールに約100℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、補助ミシン目がキャップの下端部と縮径部の最小径部分の間に位置していた。
実施例2−3のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、3個のサンプルのいずれも、キャップシールが補助ミシン目に沿って切断された。
【0079】
[実施例2−4]
補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔H2を、8mmに変更したこと以外は、実施例2−1と同様にして、3枚のキャップシールを作製した。
【0080】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部から下方に2mm離れた部分に一致するように位置決めして、このキャップシールに約100℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、補助ミシン目がキャップの下端部から上方に約2mm離れた部分に位置していた。
実施例2−4のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、3個のサンプルのうち2個のサンプルが、補助ミシン目に沿って切断され、残る1個のサンプルが第1横ミシン目に沿って切断された。
【0081】
[比較例2]
補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔H2を、10mmに変更したこと以外は、実施例2−1と同様にして、3枚のキャップシールを作製した。
【0082】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部から下方に2mm離れた部分に一致するように位置決めして、このキャップシールに約100℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、補助ミシン目がキャップの下端部から上方に約4mm離れた部分に位置していた。
比較例2のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、3個のサンプルの全てが補助ミシン目において切断されず、第1横ミシン目全体に沿って綺麗に切断された。
【0083】
なお、第1横ミシン目全体に沿って切断された、比較例2のキャップシール包装体について、そのキャップを元に戻したが、外見上、不正開封の有無を外見上判別し難くかった。
【0084】
[実施例3−1]
基本形キャップシール(3)の補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔(図11の符号H3)を1mmに設定したこと以外は、基本形キャップシール(3)と同様にして、実施例3−1に係るキャップシールを3枚作製した。
【0085】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部から下方に5mm離れた部分に一致するように位置決めして、このキャップシールに約100℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、補助ミシン目が胴部の上端部から下方に約4mm離れた部分に位置していた。
実施例3−1のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、3個のサンプルのうち2個のサンプルが、補助ミシン目に沿って切断され、残る1個のサンプルが第1横ミシン目に沿って切断された。
【0086】
[実施例3−2]
補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔H3を、8mmに変更したこと以外は、実施例3−1と同様にして、3枚のキャップシールを作製した。
【0087】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部から下方に5mm離れた部分に一致するように位置決めして、このキャップシールに約100℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、補助ミシン目がキャップの下端部と縮径部の最小径部分の間に位置していた。
実施例3−2のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、3個のサンプルのいずれも、キャップシールが補助ミシン目に沿って切断された。
【0088】
[実施例3−3]
補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔H3を、11mmに変更したこと以外は、実施例3−1と同様にして、3枚のキャップシールを作製した。
【0089】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部から下方に5mm離れた部分に一致するように位置決めして、このキャップシールに約100℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、補助ミシン目がキャップの下端部から上方に2mm離れた部分に位置していた。
実施例3−3のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、3個のサンプルのうち2個のサンプルが、補助ミシン目に沿って切断され、残る1個のサンプルが第1横ミシン目に沿って切断された。
【0090】
[比較例3]
補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔H1を、13mmに変更したこと以外は、実施例1−1と同様にして、3枚のキャップシールを作製した。
【0091】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部から下方に5mm離れた部分に一致するように位置決めして、このキャップシールに約100℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、補助ミシン目がキャップの下端部から上方に4mm離れた部分に位置していた。
比較例3のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、3個のサンプルの全てが補助ミシン目において切断されず、第1横ミシン目全体に沿って綺麗に切断された。
【0092】
[比較例4]
基本形キャップシール(4)の補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔(図12の符号H4)を3mmに設定したこと以外は、基本形キャップシール(4)と同様にして、比較例4に係るキャップシールを3枚作製した。
【0093】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部から上方に3mm離れた部分に一致するように位置決めして、このキャップシールに約100℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、第1横ミシン目がキャップの下端部と縮径部の最小径部分の間に位置していた。
比較例4のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、3個のサンプルの全てが補助ミシン目において切断されず、第1横ミシン目全体に沿って綺麗に切断された。
【0094】
上記実施例1〜3及び比較例1〜4の各キャップシール包装体について、装着されたキャップシールの第1横ミシン目及び補助ミシン目の位置を、下記一覧表に示す。
なお、表1〜表3において、補助ミシンは、補助ミシン目を表し、横ミシンは、第1横ミシン目を表す。
【0095】
【表1】
【0096】
【表2】
【0097】
【表3】
【0098】
補助ミシン目がキャップの下端部から上方に2mm離れた部分に位置するように、キャップシールが熱収縮装着された包装体(実施例1−3、2−4及び3−3)は、約66〜70%の割合で補助ミシン目に沿って切断された。一方、補助ミシン目がキャップの下端部から上方に4mm離れた部分に位置するように、キャップシールが熱収縮装着された包装体(比較例1−1、2及び3)は、補助ミシン目に沿って切断されず、開封用横ミシン目に沿って切断された。これらの結果から、補助ミシン目がキャップの下端部から上方に3mm離れた部分以下に位置するように、キャップシールが熱収縮装着されることにより、不正開封防止効果のある包装体を得ることができる。
【0099】
なお、比較例1−2の結果から、補助ミシン目がキャップの下端部から上方に4mm離れた部分を越えて位置している包装体は、開封用横ミシン目に沿って切断される。
また、比較例4の結果から、横ミシン目が胴部の上端部を越えてその上方に位置している包装体は、開封用横ミシン目に沿って切断される。
【0100】
上記実施例1〜3を行った後、ミシン目の貫通孔部の大きさによる効果の差を確認するため、下記実施例4を行った。ただし、上記実施例1〜3の結果から、補助ミシン目及び横ミシン目の良好な形成位置(不正開封防止効果をもたらす位置)を確認できたので、下記実施例4では、補助ミシン目及び横ミシン目の形成位置が実施例1−1及び実施例1−2に近似したキャップシールを作製した。なお、実施例4では、発明の実施上、現実的に行われる機械的製造工程でも問題がないことを確認するため、実際のラベラー(ラベル装着装置)を用いて、多数枚のキャップシールを連続的に作製し、容器の胴部に連続的に装着していった。
【0101】
[実施例4−1]
基本形キャップシール(5)の補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔(図13の符号H5)を4mmに設定したこと、及び、補助ミシン目の貫通孔部の横長さを0.7mmとし且つ補助ミシン目の非貫通部の横長さを0.7mmとしたこと以外は、基本形キャップシール(1)と同様にして、実施例4−1に係るキャップシールを147枚作製した。
【0102】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部から下方に1mm離れた部分に一致するように位置決めして、このキャップシールに約220℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、補助ミシン目がキャップの下端部と縮径部の最小径部分の間に位置していた。
実施例4−1のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、147個のサンプルのうち118個のサンプルが、補助ミシン目に沿って切断され、残る29個のサンプルが第1横ミシン目に沿って切断された。
【0103】
[実施例4−2]
基本形キャップシール(5)の補助ミシン目と第1横ミシン目の間の縦間隔(図13の符号H5)を4mmに設定したこと以外は、基本形キャップシール(1)と同様にして、実施例4−2に係るキャップシールを92枚作製した。
【0104】
このキャップシールを、その第1横ミシン目が上記容器の胴部の上端部から下方に1mm離れた部分に一致するように位置決めして、このキャップシールに約220℃の熱風を吹き付けることによりキャップシールを加熱して容器に熱収縮装着させた。
得られたキャップシール包装体は、補助ミシン目がキャップの下端部と縮径部の最小径部分の間に位置していた。
実施例4−2のキャップシール包装体について、実施例1−1と同様にして開栓したところ、92個のサンプルのうち91個のサンプルが、補助ミシン目に沿って切断され、残る1個のサンプルが第1横ミシン目に沿って切断された。
なお、表4において、補助ミシンは、補助ミシン目を表し、横ミシンは、第1横ミシン目を表す。
【0105】
【表4】
【0106】
実施例4−1及び4−2の結果から、補助ミシン目の貫通孔部は非貫通部よりも長いことが好ましいことが判る。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明のキャップシール包装体は、調味料などの収納容器として利用できる。
【符号の説明】
【0108】
1…キャップシール包装体、2…キャップ付き容器、3…キャップシール、4L,4R…開封用縦ミシン目、5…開封用横ミシン目、51…第1横ミシン目、52…第2横ミシン目、6…補助ミシン目、6L…左補助ミシン目、6R…右補助ミシン目、7…縮径部、71…縮径部の最小径部分、91…変曲起点
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャップの下端部と胴部の上端部の間に凹み部を有するキャップ付き容器と、
前記キャップ及び胴部に熱収縮装着されたキャップシールであって、前記容器の縦方向に延びる一対の開封用縦ミシン目、前記開封用縦ミシン目の下端部に連設され且つ容器の周方向に周設された開封用横ミシン目、及び、前記開封用横ミシン目と略平行に延びる補助ミシン目がそれぞれ形成されたキャップシールと、を備え、
前記補助ミシン目が前記開封用横ミシン目の上方に形成されており、
前記キャップシールは、前記開封用横ミシン目が前記胴部の上端部又は前記胴部の上端部よりも下方に位置していると共に、前記補助ミシン目が前記キャップの下端部から上方に3mm離れた部分又はこの部分よりも下方に位置して、熱収縮装着されていることを特徴とするキャップシール包装体。
【請求項2】
前記補助ミシン目が前記キャップの下端部と胴部の上端部の間に位置している請求項1に記載のキャップシール包装体。
【請求項3】
前記開封用横ミシン目が複数条形成されている請求項1又は2に記載のキャップシール包装体。
【請求項4】
前記補助ミシン目の延長線上に、前記開封用縦ミシン目の貫通孔部が交差している請求項1〜3のいずれかに記載のキャップシール包装体。
【請求項1】
キャップの下端部と胴部の上端部の間に凹み部を有するキャップ付き容器と、
前記キャップ及び胴部に熱収縮装着されたキャップシールであって、前記容器の縦方向に延びる一対の開封用縦ミシン目、前記開封用縦ミシン目の下端部に連設され且つ容器の周方向に周設された開封用横ミシン目、及び、前記開封用横ミシン目と略平行に延びる補助ミシン目がそれぞれ形成されたキャップシールと、を備え、
前記補助ミシン目が前記開封用横ミシン目の上方に形成されており、
前記キャップシールは、前記開封用横ミシン目が前記胴部の上端部又は前記胴部の上端部よりも下方に位置していると共に、前記補助ミシン目が前記キャップの下端部から上方に3mm離れた部分又はこの部分よりも下方に位置して、熱収縮装着されていることを特徴とするキャップシール包装体。
【請求項2】
前記補助ミシン目が前記キャップの下端部と胴部の上端部の間に位置している請求項1に記載のキャップシール包装体。
【請求項3】
前記開封用横ミシン目が複数条形成されている請求項1又は2に記載のキャップシール包装体。
【請求項4】
前記補助ミシン目の延長線上に、前記開封用縦ミシン目の貫通孔部が交差している請求項1〜3のいずれかに記載のキャップシール包装体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−57247(P2011−57247A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−207621(P2009−207621)
【出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【出願人】(000116297)ヱスビー食品株式会社 (40)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月9日(2009.9.9)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【出願人】(000116297)ヱスビー食品株式会社 (40)
【Fターム(参考)】
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