キャップ付き容器におけるキャップの閉蓋案内装置。
【課題】 閉蓋状態でキャップ内面の中足部が容器本体側の偏心位置の取り出し口に対し内嵌して気密性を確保するキャップ付き容器において、閉蓋操作時に面倒な位置決めのための操作を不要にして単純な閉蓋操作により自動的に閉蓋状態まで位置決めして誘導し得る閉蓋案内装置を提供する。
【解決手段】 キャップ3側に周方向に4等分した各位置に中足部33と縦凸条51を設ける。容器本体2側に山型誘導路61と、凹溝状の縦誘導路62からなる誘導手段6を周方向に4つ形成する。キャップを被せると、縦凸条の先端が山型誘導路611,612のいずかれに当接して周方向に縦誘導路位置まで回転誘導され、次いで、縦誘導路に入って落ち込むことにより中足部が取り出し口4に内嵌して閉蓋状態に至る。
【解決手段】 キャップ3側に周方向に4等分した各位置に中足部33と縦凸条51を設ける。容器本体2側に山型誘導路61と、凹溝状の縦誘導路62からなる誘導手段6を周方向に4つ形成する。キャップを被せると、縦凸条の先端が山型誘導路611,612のいずかれに当接して周方向に縦誘導路位置まで回転誘導され、次いで、縦誘導路に入って落ち込むことにより中足部が取り出し口4に内嵌して閉蓋状態に至る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器本体側の偏心位置に配置された取り出し口に対し、キャップ側の嵌合足部を嵌合させた状態で閉蓋されるキャップ付き容器において、キャップの閉蓋操作時に、嵌合足部を取り出し口に嵌合する位置まで自動的に案内誘導して位置決めさせるための閉蓋案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、取り出し口が容器本体側の偏心位置に配置されたキャップ付き容器として、被収容物を所定量毎に取り出し得るように構成された定量取り出し容器又は振り出し容器といわれるものが知られている(例えば特許文献1参照)。このものでは、取り出し口が偏心位置に形成されているため、その偏心位置の取り出し口だけを開閉するためのキャップを容器本体側と一体形成したり、あるいは、取り出し口を含む上端面の全体を開閉するためのキャップを同じく容器本体側と一体形成したりしている。ここで、取り出し口の閉止はキャップにより取り出し口の上面を覆うことにより実現され、キャップの一部を合成樹脂成形により容器本体側と一体成形してヒンジとすることにより、そのヒンジを支点にしてキャップを跳ね上げて開蓋させ得るようにしている。
【0003】
又、取り出し口の上面を単に覆うだけではなくて、その取り出し口に対し中足部を内嵌させ得るようにしたものも提案されている(例えば特許文献2参照)。このものでは、キャップ内面から中足部を突出させる一方、取り出し口が偏心位置にあるため、キャップを上記の特許文献1のものと同様に容器本体側と一体形成し押し込み・跳ね上げにより開閉可能にして中足部と取り出し口との位置決めを不要としている。
【0004】
【特許文献1】特開平5−278766号公報
【特許文献2】特開2001−63745号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記の如き跳ね上げによる開蓋形式のキャップでは、容器を上下逆転して取り出し口から被収容物を取り出す際にも、跳ね上げられた状態ではあるがキャップが取り出し口周辺に付随しているため、そのキャップに被収容物がかかったり付着したりして取り出し作業に支障を及ぼすおそれがある。このため、キャップを容器本体側とは別個に形成した完全分離タイプのもの、すなわち、容器本体に対し回転ねじ込み式により開閉可能にして開蓋時には容器本体側と完全分離される通常タイプのものにすることが考えられる。
【0006】
しかしながら、取り出し口が偏心位置に形成されているため、その完全分離タイプのキャップに中足部をたとえ形成したとしても、閉蓋操作において回転ねじ込みしながら中足部を上記偏心位置の取り出し口に内嵌させることは実質的に不可能となる。これにより、完全分離タイプのキャップを採用すると、中足部による気密性確保のための手段は採用し得ないことになる。その一方、取り出し口が偏心位置に形成されるような上記の定量取り出し容器等は、取り出しされる被収容物として粉状又は顆粒状等の被収容物を対象とするのが通常であるため、非使用時つまり閉蓋時には取り出し口の気密性をある程度以上に確保する必要がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、完全分離タイプのキャップを用いて、偏心位置に設けられた取り出し口に対する嵌合足部の嵌合による気密性確保を得る上で、面倒な位置決めのための操作を不要にして単純な閉蓋操作により自動的に閉蓋状態にすることができるようにした、キャップ付き容器におけるキャップの閉蓋案内装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明では、中心軸方向一側の端面に取り出し口が上記中心軸に対し偏心位置において開口するように配設された容器本体と、上記取り出し口に対し上記中心軸方向から嵌合して気密性を保持するための嵌合足部を内面に備え上記容器本体の中心軸方向一側の端面を覆った閉蓋状態では上記嵌合足部が取り出し口に対し嵌合した状態にされるキャップとを備えたキャップ付き容器に設けられるキャップの閉蓋案内装置であって、上記キャップの閉蓋操作の際にその嵌合足部が上記偏心位置の取り出し口に嵌合した閉蓋状態に至るように上記キャップを案内誘導して位置決めする構成とする。具体的には、上記閉蓋状態において上記中心軸を中心とする径方向に相対向することになる上記キャップの内周面と、上記容器本体の外周面との内の一方の周面に対し上記径方向に突出するように設けられた被誘導凸部と、他方の周面に対し上記径方向であって上記被誘導凸部に相対向する側に突出するように設けられ上記被誘導凸部が上記中心軸方向から当接するとその被誘導凸部の移動を案内誘導することにより上記嵌合足部が取り出し口に対し嵌合するように上記キャップを移動案内して位置決めする誘導手段とを備えるものとする。そして、上記誘導手段として、上記径方向に段状に張り出した誘導路であって、上記中心軸方向からのキャップに対する閉操作力を受けて上記被誘導凸部を周方向へ滑動により案内誘導することにより上記嵌合足部が取り出し口に対し上記中心軸方向に相対向する嵌合回転位置までキャップを上記中心軸回りに回転案内する山型誘導路と、上記被誘導凸部を上記中心軸方向他側に向けて案内誘導することにより上記嵌合回転位置の嵌合足部が取り出し口に嵌合するようそのキャップを上記中心軸方向他側に向けて閉蓋状態まで移動案内する縦誘導路とを備えたものとする(請求項1)。
【0009】
この発明の場合、容器本体の中心軸方向一側の端面に対しキャップを中心軸方向から近付けていくと、被誘導凸部が誘導手段に山型誘導路のいずれかに当接することになる。この当接により被誘導凸部が周方向に滑動するように移動方向が変換され、この滑動に伴いキャップは中心軸回りに回転して上記の嵌合回転位置まで回転案内される。この嵌合回転位置まで回転されると、次に、縦誘導路によって被誘導凸部が中心軸方向他側に向けて案内誘導され、この案内誘導に伴いキャップはその嵌合足部が取り出し口に対し嵌合するまで移動案内されることになる。これにより、偏心位置に配置された取り出し口に対し嵌合足部が嵌合した状態でキャップが閉蓋状態になる。そして、このような閉蓋状態にするために、特別な位置決め操作を行うことなく、キャップを容器本体に被せるだけの単純な閉蓋操作をするだけで、誘導手段による被誘導凸部の案内誘導によってキャップの周方向の回転位置決めのための回転案内と、嵌合足部の嵌合のための中心軸方向の移動案内とが自動的に行われて閉蓋状態にし得ることになり、極めて便宜なものとなる。そして、嵌合足部の取り出し口に対する嵌合により閉蓋状態での気密性を確実に維持し得ることになる。
【0010】
かかる発明における山型誘導路として、上記中心軸方向一側の頂点と、この頂点を挟んで周方向両側に延び上記中心軸方向他側に向けて傾斜する傾斜面からなる一対の傾斜路とを備えるものとし、上記縦誘導路として、上記傾斜路の末端側から屈曲して上記被誘導凸部の移動方向を上記中心軸方向に規制するよう凹溝状に形成することができる(請求項2)。このようにすることにより、上記発明の山型誘導路の構成を具体化してその機能を確実に実現させ得ることになる。すなわち、被誘導凸部が山型誘導路の任意の周方向位置に当接した後、その被誘導凸部を傾斜路に沿って滑動させてキャップを回転誘導し、その末端位置まで回転誘導されると上記の嵌合回転位置に到達し、この後は凹溝状の縦誘導路に被誘導凸部が入り込むことにより嵌合足部が取り出し口に嵌合される閉蓋状態にまでキャップの移動案内が行われることになる。
【0011】
又、上記発明における誘導手段として山型誘導路を少なくとも2つ備えたものとし、周方向に隣接する両山型誘導路の末端同士の間に上記縦誘導路が形成されているように構成することができる(請求項3)。このようにすることにより、同じ中心軸方向間隔であれば1つの山型誘導路により被誘導凸部を周方向に回転誘導する場合よりもスムーズに案内誘導することが可能になる上に、山型誘導路の数が多いほど、被誘導凸部が初めに当接した位置から嵌合回転位置までの周方向への必要なキャップの回転移動量が少なくなり、より迅速かつより簡易に閉蓋操作を行い得るようになる。しかも、周方向に隣接する山型誘導路間に凹溝状の縦誘導路の形成を容易に行い得ることになる。このように山型誘導路を少なくとも2つ備えるようにする場合には、上記嵌合足部として上記山型誘導路の数と同数だけ備え、上記中心軸を中心とする周囲を上記数と同数に等分割した周方向各位置に上記嵌合足部を配設し、かつ、上記数の嵌合足部を、上記中心軸を中心とし上記取り出し口が配置されている偏心位置を通る特定円弧と同径の円弧上に配設するようにすることができる(請求項4)。このようにすることにより、上記の請求項3による作用をより確実に得られることになる。この場合、被誘導凸部も上記山型誘導路の数と同数だけ備え、上記中心軸を中心とする周囲を上記数と同数に等分割した周方向各位置に配設した上記嵌合足部と同じ周方向各位置に配設するようにしてもよい。すなわち、被誘導凸部としては少なくとも1つあればよいが、山型誘導路と同数だけ備え上記の配置とすることにより、その同数の各被誘導凸部がそれぞれ山型誘導路に当接して案内誘導されることになり、回転誘導の際の回転安定性を向上させ得ることになる。
【0012】
さらに、以上の発明において、上記のキャップの内周面及び容器本体の外周面の双方に閉蓋操作の際に互いに係合することになる係合凸部をそれぞれ形成するようにすることができる。そして、両係合凸部として、上記被誘導凸部が山型誘導路により嵌合回転位置まで誘導された状態でキャップ側係合凸部が容器本体側係合凸部に係合することにより、キャップの容器本体の中心軸方向他側への移動を一旦停止させる一方、キャップに対する上記中心軸方向他側への押圧力を受けて上記キャップ側係合凸部が容器本体側係合凸部を乗り越えて閉蓋状態に至るように形成位置と形状とを設定するようにする(請求項5)。このようにすることにより、被誘導凸部が任意の回転位置から山型誘導路に当接し、回転案内されて嵌合回転位置に至れば、上記の両係合凸部の互いの係合によりキャップの移動が一旦停止されることになる。次いで、僅かな押圧力でキャップを押圧すれば、嵌合足部が取り出し口に嵌合して閉蓋状態に至ることになる。このように周方向に対する回転案内と、中心軸方向他側に向けての移動案内との変換点(境目)で、上記の係合と閉操作の進行のための押圧力の付与とによる節度感をユーザに付与することが可能になり、ユーザは確信をもって閉蓋操作を完遂させることが可能になる。
【発明の効果】
【0013】
以上、説明したように、請求項1〜請求項5のいずれかのキャップ付き容器におけるキャップの閉蓋案内装置によれば、完全分離型のキャップを用いて、偏心位置に配置された容器本体側の取り出し口に嵌合足部が嵌合した状態で閉蓋状態にさせる上で、特別な位置決め操作を行うことなく、キャップを容器本体に被せるだけの単純な閉蓋操作をするだけで、誘導手段による被誘導凸部の案内誘導によってキャップの周方向の回転位置決めのための回転案内と、嵌合足部の嵌合のための中心軸方向の移動案内とが自動的に行われて閉蓋状態にすることができる。これにより、閉蓋状態での取り出し口における気密性を確実に維持・向上させることを容易に実現させることができるようになる。
【0014】
請求項2によれば、一対の傾斜路を備えた山型誘導路と、凹溝状の縦誘導路とによって、上記発明をより具体化してその効果を確実に実現させることができるようになる。
【0015】
又、請求項3によれば、山型誘導路による周方向への被誘導凸部の回転誘導をよりスムーズに行うことができる上に、山型誘導路の数を多くするほど、嵌合回転位置に至るまでに必要な周方向へのキャップの回転移動量を少なくすることができ、閉蓋操作をより迅速かつより簡易に行うことができるようになる。しかも、周方向に隣接する山型誘導路間に凹溝状の縦誘導路の形成を容易に行うことができるようになる。そして、請求項4によれば、このような効果をより確実に得ることができるようになる。
【0016】
さらに、請求項5によれば、キャップの案内誘導の過程の途中、すなわち、周方向に対する回転案内と、中心軸方向他側に向けての移動案内との境目において、両係合凸部の互いの係合と乗り上げに伴う節度感をユーザに付与することができ、ユーザに対し確信をもって閉蓋操作を完遂させることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1〜図4は、本発明のキャップの閉蓋案内装置を適用した実施形態に係るキャップ付き容器の例として定量取り出し容器1を示している。図1は外観を、図2は図1のA−A線において切断した拡大状態を、図3は斜め上から見た分解状態を、図4は斜め下から見た分解状態を、それぞれ示す。この定量取り出し容器1は、容器本体2と、この容器本体2とは切り離されて完全分離型の独立したキャップ3とからなる。そして、そのキャップ3は天板部31の外周囲から周壁32が延び内面から嵌合足部としての中足部33,33,…が突出したものであり、キャップ3を閉蓋させると容器本体2側の取り出し口4に対しキャップ3側の中足部33が内嵌した状態となって気密性が保持されるようになっている。この定量取り出し容器1はその中心軸Xが上下方向に延びる円柱形状の外観を有し、容器本体2は収容容器部21と、計量部22と、容器トップ23と、底キャップ24とから構成されている。以上のキャップ3を含む各構成要素は合成樹脂により形成されている。以下、各構成要素について詳細に説明する。なお、以下の説明では中心軸X方向(中心軸Xが延びる方向)のことを単に上下方向といい、あるいは、中心軸X方向の一側のことを上側、他側のことを下側ということもある。
【0019】
上記収容容器部21は底面が開口し頂面が頂壁211により閉止された円筒状容器であり、底面の開口212がねじ込み式の上記底キャップ24により開閉可能に閉蓋されている。この底キャップ24は開蓋させることにより収容容器部21内に被収容物(例えば粉状,顆粒状又は粒状の薬剤)を収容・充填し、その後、閉蓋して密閉するようになっている。上記頂壁211には図示省略の連通孔が貫通形成され、この連通孔を通して計量部22の図示省略の計量室に対し被収容物が落とし込まれて定量の被収容物が計量されるようになっている。かかる計量のメカニズムについては後述する。
【0020】
上記計量部22は容器トップ23内に内蔵され、容器トップ23は上記収容容器部21に対し計量部22を内蔵した状態で中心軸X回りに回転可能に結合されている。上記容器トップ23は、上記の頂壁211及び計量部22を覆って閉止する天板部231と、この天板部231の外周囲から垂下されて計量部22の外周位置に配置されることになる外周カバー壁232と、上記天板部231の外周側位置から上方に突出する周壁233とを備えている。上記天板部231の上面が容器本体2の中心軸X方向一側の端面を構成する。
【0021】
上記天板部231には上下方向に貫通し上側に開口する取り出し口4が形成されている。この取り出し口4は、天板部231から上方に突出させた先端筒41の内部空間により構成され、その中心位置が上記計量部22の後述の計量桝と同様に中心軸Xを中心とする特定円弧R(図5(a)参照)上に位置するように、中心軸Xに対し偏心位置に配置・設定されている。又、上記外周カバー壁232は収容容器部21と共に容器本体2の外周面を構成し、その下端側の内周面が収容容器部21の外周面に対し外嵌されて上記の如く中心軸X回りに回転可能に結合されている。かかる結合としては、図示を省略するが、例えば凹状周溝と、この周溝に係合する凸条との組み合わせによる係合手段等が採用されている。
【0022】
ここで、計量部22による計量機構はおおよそ次のようになっている。例えば、最も単純な計量機構としては、上記頂壁211の連通孔を上記の特定円弧上に配置する一方、上記取り出し口4に連通する計量桝を計量部22に形成し、容器トップ23を計量部22と共に中心軸X回りに回転させることにより計量桝を上記連通孔と合致させて連通させたり、非連通にして計量桝の下面を頂壁211により閉止させたりというように、連通位置と閉止位置とに回転位置を相互に切換えられるようにしたものである。キャップ3で閉蓋させた定量取り出し容器1を正立状態(キャップ3が上になった図1及び図2に示す状態)から上下逆転させて倒立状態(キャップ3が下になった状態)にして、容器トップ23を回転させて上記の連通位置にすると、被収容物が連通孔を通して計量桝内に落ち込むことになる。次いで、容器トップ23を上記の閉止位置に回転変換させると、計量桝内に被収容物が充填された状態で収容容器部21内と仕切られ、計量桝の内容積分の被収容物が収容容器部21内と分離されることになる。そして、キャップ3を開蓋すれば、上記計量桝と連通している取り出し口4から計量桝内の被収容物、つまり定量の被収容物が外部に取り出されることになるのである。このように、定量取り出しを行うために、取り出し口4が特定円弧上の偏心位置に配置される必要がある。
【0023】
そして、上記周壁233の外周面234が容器本体2の上端側外周面を構成し、この周壁233の外周面234(以下、「容器側外周面234」という)と、上記キャップ3の周壁32の内周面321(以下、「キャップ側内周面321」という)とに対し本発明の閉蓋案内装置が配設されている。すなわち、閉蓋案内装置は被誘導凸部5と、この被誘導凸部5を誘導・案内する誘導手段6とを備え、上記被誘導凸部5を容器側外周面234(容器本体2の側)と、キャップ側内周面321(キャップ3の側)との内の一方に形成し、他方に誘導手段6を形成したものである。この閉蓋案内装置は、偏心位置に設けられた取り出し口4の上端開口42に対し中足部33が内嵌した状態での閉蓋状態にするために、特別な位置決め作業を行うことなく、キャップ3を中心軸Xに対しどのような回転位置からでも容器トップ23の上から単に被せるだけで上記の如き閉蓋状態を実現させ得るものである。
【0024】
本実施形態では、キャップ側内周面321に対し被誘導凸部5を、容器側外周面234に対し誘導手段6を、それぞれ形成している。これにより、キャップ3の天板部31の下面(内面)を容器トップ23の天板部231の上面に対し上下方向に相対向させて被せるだけで、まず、上記被誘導凸部5が誘導手段6により案内・誘導されて、中足部33が取り出し口4と上下方向に相対向することになる嵌合回転位置までキャップ3を中心軸X回りに回転誘導して導き、次に、上記被誘導凸部5が同様に誘導手段6により下方に向けて案内・誘導されて、中足部33が取り出し口4に対し内嵌するようにキャップ3を容器トップ23側に落とし込むようになっている。
【0025】
具体的に説明すると、キャップ3の天板部31の下面(内下面)から4つの中足部33,33,…(図5(b)参照)を垂下させて突出形成する一方、キャップ側内周面321に上記被誘導凸部5として4本の縦凸条51,51,…を形成する。4つの中足部33,33,…は上述の計量部22の計量桝や取り出し口4と同様に中心軸Xを中心とする特定円弧R上であって特定円弧Rを均等に4分割した各位置に中心が位置するように配置され、縦凸条51,51,…は各中足部33の外周側位置に、つまり周方向を均等に4分割した中足部33,33,…と同様の周方向各位置に位置するように配置されている。他方、容器トップ23の容器側外周面234には誘導手段6として4つの山型のガイド段部61,61,…(図3,図4,図5(a)参照)が形成され、かかるガイド段部61,61,…が上記各縦凸条51を移動案内及び誘導するようになっている。
【0026】
上記各ガイド段部61は図6(a)にも示すように中央位置に最も高い頂点611が形成され、この頂点611を挟んで周方向両側に延び下側に向けて徐々に低くなる傾斜路612,612が形成され、最後に周方向に相隣接する2つのガイド段部61,61間に上記縦凸条51が下方に向けて落とし込まれることになる縦誘導路62が凹溝状に形成されている。なお、図6(a)は図5(a)に示す取り出し口4の周方向設置位置(嵌合位置T)を中心軸Xに対する周方向の0°として一周する間(0°〜360°)を展開状態にして示したものである。そして、図5(a)に示すように上記の縦誘導路62が取り出し口4の外周側位置に設定され、他の3つの縦誘導路62,62,…がそれぞれ中心軸Xを中心にした内角90°毎の円周上位置に配置設定されている。
【0027】
又、各ガイド段部61の外周面には係合凸部63が形成される一方、キャップ側内周面321には係合凸部322が形成されている。各係合凸部63は、周壁233の上下高さ(中心軸X方向幅)の所定レベル位置であって、後述の如く、各縦凸条51の下端が各斜面路612から縦誘導路62に移行する屈曲位置に到達したときにキャップ側内周面321の係合凸部322と当接して干渉により一時停止することになる位置に位置設定されている。
【0028】
ここで、キャップ側内周面321の内径は、容器側外周面234の外径に対し各ガイド段部61の外周側への膨出幅(段を形成するために外周側に突出させた幅)の2倍分の寸法を加えた合計寸法にほぼ相当する寸法、すなわち、上記合計寸法に僅かな余裕代を加えた寸法に設定されている。又、各縦凸条51の突出寸法は、キャップ側内周面321の内径から容器側外周面234の外径を差し引いた差分寸法の1/2の寸法にほぼ相当する寸法、すなわち、その寸法から容器側外周面234との干渉を避けるための僅かな寸法を減じた寸法に設定されている。そして、各ガイド段部61を構成する各傾斜路612の膨出幅は上記各縦凸条51が確実に接触して滑動又は摺動により案内・誘導される程度に設定されている。この膨出幅が縦誘導路62の凹溝の深さに相当し、縦凸条51が縦誘導路62に嵌り込めばその縦凸条51の周方向への移動を阻止して下側(中心軸X方向の外周カバー壁232側)へのみ移動させる凹溝の深さを構成するものとなる。又、上記の縦誘導路62の上下高さ(中心軸X方向寸法)は中足部33の取り出し口4に対し内嵌する嵌合深さ分に相当する寸法を少なくとも有するように設定され、望ましくは後述の二つの係合凸部322,63が当止して一旦停止される位置において、上記の嵌合深さ分に対し中足部33と先端筒41とが干渉し合わないように余裕代を加えた中心軸X方向寸法を残すようにすればよい。
【0029】
次に、以上の縦凸条51,51,…と、ガイド段部61,61,…とによるキャップ3の閉蓋誘導について、図7を参照しつつ説明する。図7の一番上側に示すようにユーザが容器本体2の容器トップ23に対しその上からキャップ3を下に被せると、キャップ3の縦凸条51,51,…が容器トップ23側のガイド段部61,61,…の周方向のいずれかの部位に突き当たることになる(同図のステージS1〜ステージS2参照)。図7の上から2番目のステージS2及びこのステージ2に対応する図8では各縦凸条51の下端がガイド段部61の傾斜路612に突き当たった場合を図示している。各縦凸条51の下端が傾斜路612に突き当たって当接すると、その各縦凸条51が重力等の作用により傾斜路612に沿って滑動して縦誘導路62側に容易に移動し、これに伴いキャップ3は中心軸X回りに上記の当接した位置から嵌合回転位置Tまで回転変位(図8に一点鎖線の矢印で示す方向に回転変位)することになる。従って、傾斜路612は合成樹脂成形時に滑らかな表面になるように成形することが望ましい。そして、各縦凸条51が縦誘導路62の上側入口に位置する嵌合回転位置Tまでキャップ3が回転変位すると、4つの内のいずれか1つの中足部33が取り出し口4の上端開口42の上側位置であって取り出し口4と同軸位置に位置することになる(ステージS3及びステージ3に対応する状態を示す図9(a)参照)。この回転変位後の状態では、キャップ側内周面321の係合凸部322が容器側外周面234の係合凸部63に接触することにより、キャップ3は、上記の各縦凸条51が縦誘導路62の上側入口に位置した状態、すなわち、1つの中足部33が取り出し口4の上端開口42の上側位置であって取り出し口4と同軸位置に位置した状態で一旦停止される。
【0030】
そして、この状態からユーザがキャップ3を上から下側に僅かに押し込むと、上記のキャップ3側の係合凸部322が容器側外周面234の係合凸部63を乗り越えて、各縦凸条51が縦誘導路62に対し上から下に入り込み、キャップ3の周壁32の下端が容器トップ23の天板部231に当接するまで各縦凸条51が縦誘導路62に誘導されて落ち込むことになる。これにより、上記中足部33が取り出し口4の上端開口42から入って取り出し口4に内嵌し、キャップ3は容器トップ23の上端面を覆って完全に閉蓋した状態になる(ステージS4及びステージ4に対応する状態を示す図9(b)参照)。この状態では、容器側外周面234の係合凸部63を乗り越えたキャップ側内周面321の係合凸部322が、その乗り越えた係合凸部63によって係止され、これにより、キャップ3の開側(上側)への移動が規制されてキャップ3が閉蓋状態に維持されることになる。以上で、キャップ3の閉蓋操作時において、特別な位置決め操作を行うことなく、偏心位置の取り出し口4に対しキャップ3側の中足部33が自動的に内嵌された状態に閉蓋させることができる。
【0031】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記実施形態ではキャップ3側の中足部33と縦凸条51との組み合わせ数として4つ、又、これに対応させてガイド段部61と縦誘導路62との組み合わせ数として4つを設定した場合であって、内1つの縦誘導路62が取り出し口4の外周側に位置するように配置した場合を図示・説明したが、これに限らず、上記の組み合わせ数としては少なくとも1つあればよく、又、縦誘導路62の周方向位置設定を上記以外にしてもよい。要するに、縦凸条51が縦誘導路62に入り込んだときに中足部33が取り出し口4に内嵌するように中心軸Xに対する互いの周方向位置を関係付けておけばよいのである。ただ、ガイド段部61による縦凸条51(あるいはキャップ3)の回転誘導のスムーズさの観点からはガイド段部61の傾斜路612の傾斜が強い程好ましく、そのためには上記の組み合わせ数としては2つ又は3つ以上を設定するのが好ましい。例えば、図6(b)には容器側外周面234の周囲に3つのガイド段部61′,61′,…を形成した例を示すが、容器側外周面234の高さ(周壁233の高さ;上下方向寸法;中心軸X方向寸法)が同じであれば各傾斜路612′の傾斜が図6(a)の組み合わせ数が4つの場合よりも緩くなり、回転誘導のスムーズさにおいては若干劣ることになるおそれがある一方、組み合わせ数が2つの場合よりも傾斜は強くなり、その分スムーズさにおいて良好になる。さらに、上記の実施形態の場合とは逆に、縦凸条51などの被誘導対象の凸部5を容器側外周面234の側に、ガイド段部61,61,…、61′,61′,…等の誘導手段6をキャップ側内周面321の側に、それぞれ形成するようにしてもよい。
【0032】
上記実施形態では、容器本体2として計量部22を内蔵した容器トップ23を収容容器部21の上に結合し、底キャップ24で収容容器部21の口部212を閉止したものを示したが、これに限らず、その一端面に取り出し口4が中心軸Xに対し偏心位置に設けられた容器本体であれば、一体物でも組み付け式の物でもいずれにも本発明を適用することができる。
【0033】
上記実施形態では、先端筒41を天板部231から突出させその先端筒41の内空間により取り出し口4を構成しているが、これに限らず、先端筒41を省略して図10(a)に例示するように貫通孔43により取り出し口4を構成し、この貫通孔43に対しキャップ3の閉蓋状態で中足部33が内嵌するようにしてもよい。又、取り出し口と、これに嵌合される嵌合足部との組み合わせとしては、上記実施形態の如く先端筒41の内孔により取り出し口4を構成したり、貫通孔43により取り出し口を構成したりした場合には、これらの取り出し口4に嵌合足部としての中足部33を内嵌させるようにしてもよいし、あるいは、上記の先端筒41の内孔により取り出し口4を構成した場合には、嵌合足部として外足部をキャップ3側に突出形成し、かかる外足部を先端筒41の上から外嵌させることにより取り出し口4の上端開口42から先端筒41の外周面にかけて覆うようにしてもよい。このように取り出し口4に対し中足部を「内嵌」させる場合のみならず、外足部を「外嵌」させることによっても気密性を確保し得る。なお、外足部は上記の先端筒41の外径に相当する内径を有する無端筒をキャップ内面から突出形成させたものである。さらに、図10(b)に示す如く先端筒41′が突出する天板部231′の周囲から下方の外周面に誘導手段6を形成するようにしてもよく、あるいは、図10(c)に示す如く山型誘導路61aとして径方向に張り出させたリブにより傾斜路612aや縦誘導路62の溝壁613a,613aを形成するようにしてもよい。
【0034】
上記実施形態では中心軸Xが上下方向に配置され、取り出し口が中心軸X方向に向けて開口する場合を示したが、これに限らず、中心軸Xが横向きで取り出し口が横向きに開口し、キャップが横向きの方向から閉蓋される場合にも本発明は適用される。又、上記実施形態では、容器本体2の上端面に取り出し口4があり、この上端面に対し閉蓋するキャップ3を示したが、これに限らず、容器本体の側面に取り出し口が設けられてこの側面に対しキャップを閉蓋する場合にも本発明が適用される他、キャップによる閉蓋対象である取り出し口が底面に設けられている場合にも本発明が適用されることはいうまでもない。
【0035】
上記実施形態では、山型の誘導路(ガイド段部)61として頂点611を挟んで両側に傾斜路612,612が対称に延びるものを示したが、これに限らず、例えば図11に例示するように頂点611bを挟んで一側の傾斜路612bが長く延び、他側の傾斜路612cがほんの僅かに存在するものであってもよい。この図例の場合、同じ形状の山型誘導路61bを周方向に並べているが、例えば、縦方向誘導路62を挟んで周方向両側の山型誘導路が対称配置になるように配置してもよい。なお、頂点が尖っており一見すると他側に傾斜路がないように見えるものであっても、拡大して見ると被誘導凸部を誘導し得る程度の傾斜路が存在すれば、本発明の山型誘導路に該当する。さらに、本発明における山型誘導路の「頂点」とは、刃先のように尖った切っ先である必要もないし、あるいは、平坦な山頂である必要もない。要するに中心軸X方向に相対向して当接することになるキャップ側の被誘導凸部5がキャップ3の閉蓋操作時に作用する自重又はこれに加えて重力に基づき山型誘導路の周方向いずれかの傾斜路に振り分けられて滑動するようになる程度の、いわゆる分水嶺としての機能さえ果たせばよく、「頂点」としての厳密な形状の如何は問わない。
【0036】
上記実施形態では取り出し口4として1つだけ備えたキャップ付き容器を対象にして説明したが、これに限らず、2以上の複数の取り出し口を備えたキャップ付き容器に本発明を適用することができる。すなわち、中心軸方向一側の端面に2以上の複数の取り出し口が上記中心軸に対し偏心位置、つまり中心軸を中心とする特定円弧Rに沿って周方向に互いに離れた各周方向位置(偏心位置)において開口するように配設された容器本体と、上記2以上の取り出し口と対応する数の嵌合足部(中足部)であって上記2以上の取り出し口に対し上記中心軸方向から嵌合して気密性を保持するための嵌合足部を内面の各位置であって上記取り出し口と対応する周方向の各位置に備え上記容器本体の中心軸方向一側の端面を覆った閉蓋状態では上記嵌合足部が対応する取り出し口に対し嵌合した状態にされるキャップとを備えたキャップ付き容器に設けられ、上記キャップの閉蓋操作の際にその嵌合足部が上記偏心位置の取り出し口に嵌合した閉蓋状態に至るように上記キャップを案内誘導して位置決めするキャップの閉蓋案内装置である。例えば、中心軸方向一側の端面(例えば天板部231)に2つ、3つ、4つ、5つ又は6つ等の複数の取り出し口が周方向に等間隔の各位置に開口するように形成された、粉チーズ容器や各種ふりかけ容器等に対し、本発明のキャップの閉蓋案内装置を適用してもよい。この場合においても、キャップを中心軸方向に引くことにより容易に開蓋状態にすることができる一方、閉蓋操作も単に中心軸方向から被せるだけで回転誘導と、中心軸方向への落とし込み誘導との案内誘導により複数の取り出し口に対しそれぞれ嵌合足部が嵌合した閉蓋状態にすることができる。これにより、取り出し口が複数形成されていても、容易な操作で嵌合足部(中足部)の嵌合(内嵌)による気密性確保を図ることができるようになる。
【0037】
さらに、上記実施形態では被誘導凸部5として縦凸条51を示したが、これに限らず、上記の被誘導凸部5としては単なる突起であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施形態の定量取り出し装置付き容器を示す外観斜視図である。
【図2】図1のA−A線で切った場合の拡大断面状態で示す斜視図である。
【図3】図1の定量取り出し装置付き容器の構成要素を分解して斜め上から見た斜視図である。
【図4】図1の定量取り出し装置付き容器の構成要素を分解して斜め下から見た斜視図である。
【図5】図5(a)は容器本体(容器トップ)を上からみた平面図であり、図5(b)はキャップを内面側からみた平面図である。
【図6】図6(a)は固定キャップの周壁とこれに形成されたガイド段部との周方向全体を展開した図であり、図6(b)は周方向に3つのガイド段部を形成した場合の図6(a)相当図である。
【図7】容器本体に対するキャップの閉蓋作業時の状況をS1〜S4のステージ毎に示す一部切欠断面説明図である。
【図8】図7のステージ2の段階における状態についてキャップを平面方向に切断した断面状態で示す図5対応図である。
【図9】図9(a)は図7のステージ3の状態を示す部分拡大断面図であり、図9(b)は図7のステージ4の状態を示す部分拡大断面図である。
【図10】図10(a)は他の形態を示す部分斜視図であり、図10(b)は別の形態を示す部分斜視図であり、図10(c)はさらに別の形態を示す部分斜視図である。
【図11】誘導手段について図6とは異なる他の形態を展開状態で示した説明図である。
【符号の説明】
【0039】
2 容器本体
3 キャップ
4 取り出し口
5 被誘導凸部
6 誘導手段
33 中足部(嵌合足部)
42 取り出し口の上端開口
51 縦凸条(被誘導凸部)
61,61′ ガイド段部(山型誘導路)
62 縦誘導路
234 容器側外周面(他方の周面)
321 キャップ側内周面(一方の周面)
611 頂点
612,612′傾斜路
T 嵌合回転位置
X 中心軸
R 特定円弧
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器本体側の偏心位置に配置された取り出し口に対し、キャップ側の嵌合足部を嵌合させた状態で閉蓋されるキャップ付き容器において、キャップの閉蓋操作時に、嵌合足部を取り出し口に嵌合する位置まで自動的に案内誘導して位置決めさせるための閉蓋案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、取り出し口が容器本体側の偏心位置に配置されたキャップ付き容器として、被収容物を所定量毎に取り出し得るように構成された定量取り出し容器又は振り出し容器といわれるものが知られている(例えば特許文献1参照)。このものでは、取り出し口が偏心位置に形成されているため、その偏心位置の取り出し口だけを開閉するためのキャップを容器本体側と一体形成したり、あるいは、取り出し口を含む上端面の全体を開閉するためのキャップを同じく容器本体側と一体形成したりしている。ここで、取り出し口の閉止はキャップにより取り出し口の上面を覆うことにより実現され、キャップの一部を合成樹脂成形により容器本体側と一体成形してヒンジとすることにより、そのヒンジを支点にしてキャップを跳ね上げて開蓋させ得るようにしている。
【0003】
又、取り出し口の上面を単に覆うだけではなくて、その取り出し口に対し中足部を内嵌させ得るようにしたものも提案されている(例えば特許文献2参照)。このものでは、キャップ内面から中足部を突出させる一方、取り出し口が偏心位置にあるため、キャップを上記の特許文献1のものと同様に容器本体側と一体形成し押し込み・跳ね上げにより開閉可能にして中足部と取り出し口との位置決めを不要としている。
【0004】
【特許文献1】特開平5−278766号公報
【特許文献2】特開2001−63745号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記の如き跳ね上げによる開蓋形式のキャップでは、容器を上下逆転して取り出し口から被収容物を取り出す際にも、跳ね上げられた状態ではあるがキャップが取り出し口周辺に付随しているため、そのキャップに被収容物がかかったり付着したりして取り出し作業に支障を及ぼすおそれがある。このため、キャップを容器本体側とは別個に形成した完全分離タイプのもの、すなわち、容器本体に対し回転ねじ込み式により開閉可能にして開蓋時には容器本体側と完全分離される通常タイプのものにすることが考えられる。
【0006】
しかしながら、取り出し口が偏心位置に形成されているため、その完全分離タイプのキャップに中足部をたとえ形成したとしても、閉蓋操作において回転ねじ込みしながら中足部を上記偏心位置の取り出し口に内嵌させることは実質的に不可能となる。これにより、完全分離タイプのキャップを採用すると、中足部による気密性確保のための手段は採用し得ないことになる。その一方、取り出し口が偏心位置に形成されるような上記の定量取り出し容器等は、取り出しされる被収容物として粉状又は顆粒状等の被収容物を対象とするのが通常であるため、非使用時つまり閉蓋時には取り出し口の気密性をある程度以上に確保する必要がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、完全分離タイプのキャップを用いて、偏心位置に設けられた取り出し口に対する嵌合足部の嵌合による気密性確保を得る上で、面倒な位置決めのための操作を不要にして単純な閉蓋操作により自動的に閉蓋状態にすることができるようにした、キャップ付き容器におけるキャップの閉蓋案内装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明では、中心軸方向一側の端面に取り出し口が上記中心軸に対し偏心位置において開口するように配設された容器本体と、上記取り出し口に対し上記中心軸方向から嵌合して気密性を保持するための嵌合足部を内面に備え上記容器本体の中心軸方向一側の端面を覆った閉蓋状態では上記嵌合足部が取り出し口に対し嵌合した状態にされるキャップとを備えたキャップ付き容器に設けられるキャップの閉蓋案内装置であって、上記キャップの閉蓋操作の際にその嵌合足部が上記偏心位置の取り出し口に嵌合した閉蓋状態に至るように上記キャップを案内誘導して位置決めする構成とする。具体的には、上記閉蓋状態において上記中心軸を中心とする径方向に相対向することになる上記キャップの内周面と、上記容器本体の外周面との内の一方の周面に対し上記径方向に突出するように設けられた被誘導凸部と、他方の周面に対し上記径方向であって上記被誘導凸部に相対向する側に突出するように設けられ上記被誘導凸部が上記中心軸方向から当接するとその被誘導凸部の移動を案内誘導することにより上記嵌合足部が取り出し口に対し嵌合するように上記キャップを移動案内して位置決めする誘導手段とを備えるものとする。そして、上記誘導手段として、上記径方向に段状に張り出した誘導路であって、上記中心軸方向からのキャップに対する閉操作力を受けて上記被誘導凸部を周方向へ滑動により案内誘導することにより上記嵌合足部が取り出し口に対し上記中心軸方向に相対向する嵌合回転位置までキャップを上記中心軸回りに回転案内する山型誘導路と、上記被誘導凸部を上記中心軸方向他側に向けて案内誘導することにより上記嵌合回転位置の嵌合足部が取り出し口に嵌合するようそのキャップを上記中心軸方向他側に向けて閉蓋状態まで移動案内する縦誘導路とを備えたものとする(請求項1)。
【0009】
この発明の場合、容器本体の中心軸方向一側の端面に対しキャップを中心軸方向から近付けていくと、被誘導凸部が誘導手段に山型誘導路のいずれかに当接することになる。この当接により被誘導凸部が周方向に滑動するように移動方向が変換され、この滑動に伴いキャップは中心軸回りに回転して上記の嵌合回転位置まで回転案内される。この嵌合回転位置まで回転されると、次に、縦誘導路によって被誘導凸部が中心軸方向他側に向けて案内誘導され、この案内誘導に伴いキャップはその嵌合足部が取り出し口に対し嵌合するまで移動案内されることになる。これにより、偏心位置に配置された取り出し口に対し嵌合足部が嵌合した状態でキャップが閉蓋状態になる。そして、このような閉蓋状態にするために、特別な位置決め操作を行うことなく、キャップを容器本体に被せるだけの単純な閉蓋操作をするだけで、誘導手段による被誘導凸部の案内誘導によってキャップの周方向の回転位置決めのための回転案内と、嵌合足部の嵌合のための中心軸方向の移動案内とが自動的に行われて閉蓋状態にし得ることになり、極めて便宜なものとなる。そして、嵌合足部の取り出し口に対する嵌合により閉蓋状態での気密性を確実に維持し得ることになる。
【0010】
かかる発明における山型誘導路として、上記中心軸方向一側の頂点と、この頂点を挟んで周方向両側に延び上記中心軸方向他側に向けて傾斜する傾斜面からなる一対の傾斜路とを備えるものとし、上記縦誘導路として、上記傾斜路の末端側から屈曲して上記被誘導凸部の移動方向を上記中心軸方向に規制するよう凹溝状に形成することができる(請求項2)。このようにすることにより、上記発明の山型誘導路の構成を具体化してその機能を確実に実現させ得ることになる。すなわち、被誘導凸部が山型誘導路の任意の周方向位置に当接した後、その被誘導凸部を傾斜路に沿って滑動させてキャップを回転誘導し、その末端位置まで回転誘導されると上記の嵌合回転位置に到達し、この後は凹溝状の縦誘導路に被誘導凸部が入り込むことにより嵌合足部が取り出し口に嵌合される閉蓋状態にまでキャップの移動案内が行われることになる。
【0011】
又、上記発明における誘導手段として山型誘導路を少なくとも2つ備えたものとし、周方向に隣接する両山型誘導路の末端同士の間に上記縦誘導路が形成されているように構成することができる(請求項3)。このようにすることにより、同じ中心軸方向間隔であれば1つの山型誘導路により被誘導凸部を周方向に回転誘導する場合よりもスムーズに案内誘導することが可能になる上に、山型誘導路の数が多いほど、被誘導凸部が初めに当接した位置から嵌合回転位置までの周方向への必要なキャップの回転移動量が少なくなり、より迅速かつより簡易に閉蓋操作を行い得るようになる。しかも、周方向に隣接する山型誘導路間に凹溝状の縦誘導路の形成を容易に行い得ることになる。このように山型誘導路を少なくとも2つ備えるようにする場合には、上記嵌合足部として上記山型誘導路の数と同数だけ備え、上記中心軸を中心とする周囲を上記数と同数に等分割した周方向各位置に上記嵌合足部を配設し、かつ、上記数の嵌合足部を、上記中心軸を中心とし上記取り出し口が配置されている偏心位置を通る特定円弧と同径の円弧上に配設するようにすることができる(請求項4)。このようにすることにより、上記の請求項3による作用をより確実に得られることになる。この場合、被誘導凸部も上記山型誘導路の数と同数だけ備え、上記中心軸を中心とする周囲を上記数と同数に等分割した周方向各位置に配設した上記嵌合足部と同じ周方向各位置に配設するようにしてもよい。すなわち、被誘導凸部としては少なくとも1つあればよいが、山型誘導路と同数だけ備え上記の配置とすることにより、その同数の各被誘導凸部がそれぞれ山型誘導路に当接して案内誘導されることになり、回転誘導の際の回転安定性を向上させ得ることになる。
【0012】
さらに、以上の発明において、上記のキャップの内周面及び容器本体の外周面の双方に閉蓋操作の際に互いに係合することになる係合凸部をそれぞれ形成するようにすることができる。そして、両係合凸部として、上記被誘導凸部が山型誘導路により嵌合回転位置まで誘導された状態でキャップ側係合凸部が容器本体側係合凸部に係合することにより、キャップの容器本体の中心軸方向他側への移動を一旦停止させる一方、キャップに対する上記中心軸方向他側への押圧力を受けて上記キャップ側係合凸部が容器本体側係合凸部を乗り越えて閉蓋状態に至るように形成位置と形状とを設定するようにする(請求項5)。このようにすることにより、被誘導凸部が任意の回転位置から山型誘導路に当接し、回転案内されて嵌合回転位置に至れば、上記の両係合凸部の互いの係合によりキャップの移動が一旦停止されることになる。次いで、僅かな押圧力でキャップを押圧すれば、嵌合足部が取り出し口に嵌合して閉蓋状態に至ることになる。このように周方向に対する回転案内と、中心軸方向他側に向けての移動案内との変換点(境目)で、上記の係合と閉操作の進行のための押圧力の付与とによる節度感をユーザに付与することが可能になり、ユーザは確信をもって閉蓋操作を完遂させることが可能になる。
【発明の効果】
【0013】
以上、説明したように、請求項1〜請求項5のいずれかのキャップ付き容器におけるキャップの閉蓋案内装置によれば、完全分離型のキャップを用いて、偏心位置に配置された容器本体側の取り出し口に嵌合足部が嵌合した状態で閉蓋状態にさせる上で、特別な位置決め操作を行うことなく、キャップを容器本体に被せるだけの単純な閉蓋操作をするだけで、誘導手段による被誘導凸部の案内誘導によってキャップの周方向の回転位置決めのための回転案内と、嵌合足部の嵌合のための中心軸方向の移動案内とが自動的に行われて閉蓋状態にすることができる。これにより、閉蓋状態での取り出し口における気密性を確実に維持・向上させることを容易に実現させることができるようになる。
【0014】
請求項2によれば、一対の傾斜路を備えた山型誘導路と、凹溝状の縦誘導路とによって、上記発明をより具体化してその効果を確実に実現させることができるようになる。
【0015】
又、請求項3によれば、山型誘導路による周方向への被誘導凸部の回転誘導をよりスムーズに行うことができる上に、山型誘導路の数を多くするほど、嵌合回転位置に至るまでに必要な周方向へのキャップの回転移動量を少なくすることができ、閉蓋操作をより迅速かつより簡易に行うことができるようになる。しかも、周方向に隣接する山型誘導路間に凹溝状の縦誘導路の形成を容易に行うことができるようになる。そして、請求項4によれば、このような効果をより確実に得ることができるようになる。
【0016】
さらに、請求項5によれば、キャップの案内誘導の過程の途中、すなわち、周方向に対する回転案内と、中心軸方向他側に向けての移動案内との境目において、両係合凸部の互いの係合と乗り上げに伴う節度感をユーザに付与することができ、ユーザに対し確信をもって閉蓋操作を完遂させることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1〜図4は、本発明のキャップの閉蓋案内装置を適用した実施形態に係るキャップ付き容器の例として定量取り出し容器1を示している。図1は外観を、図2は図1のA−A線において切断した拡大状態を、図3は斜め上から見た分解状態を、図4は斜め下から見た分解状態を、それぞれ示す。この定量取り出し容器1は、容器本体2と、この容器本体2とは切り離されて完全分離型の独立したキャップ3とからなる。そして、そのキャップ3は天板部31の外周囲から周壁32が延び内面から嵌合足部としての中足部33,33,…が突出したものであり、キャップ3を閉蓋させると容器本体2側の取り出し口4に対しキャップ3側の中足部33が内嵌した状態となって気密性が保持されるようになっている。この定量取り出し容器1はその中心軸Xが上下方向に延びる円柱形状の外観を有し、容器本体2は収容容器部21と、計量部22と、容器トップ23と、底キャップ24とから構成されている。以上のキャップ3を含む各構成要素は合成樹脂により形成されている。以下、各構成要素について詳細に説明する。なお、以下の説明では中心軸X方向(中心軸Xが延びる方向)のことを単に上下方向といい、あるいは、中心軸X方向の一側のことを上側、他側のことを下側ということもある。
【0019】
上記収容容器部21は底面が開口し頂面が頂壁211により閉止された円筒状容器であり、底面の開口212がねじ込み式の上記底キャップ24により開閉可能に閉蓋されている。この底キャップ24は開蓋させることにより収容容器部21内に被収容物(例えば粉状,顆粒状又は粒状の薬剤)を収容・充填し、その後、閉蓋して密閉するようになっている。上記頂壁211には図示省略の連通孔が貫通形成され、この連通孔を通して計量部22の図示省略の計量室に対し被収容物が落とし込まれて定量の被収容物が計量されるようになっている。かかる計量のメカニズムについては後述する。
【0020】
上記計量部22は容器トップ23内に内蔵され、容器トップ23は上記収容容器部21に対し計量部22を内蔵した状態で中心軸X回りに回転可能に結合されている。上記容器トップ23は、上記の頂壁211及び計量部22を覆って閉止する天板部231と、この天板部231の外周囲から垂下されて計量部22の外周位置に配置されることになる外周カバー壁232と、上記天板部231の外周側位置から上方に突出する周壁233とを備えている。上記天板部231の上面が容器本体2の中心軸X方向一側の端面を構成する。
【0021】
上記天板部231には上下方向に貫通し上側に開口する取り出し口4が形成されている。この取り出し口4は、天板部231から上方に突出させた先端筒41の内部空間により構成され、その中心位置が上記計量部22の後述の計量桝と同様に中心軸Xを中心とする特定円弧R(図5(a)参照)上に位置するように、中心軸Xに対し偏心位置に配置・設定されている。又、上記外周カバー壁232は収容容器部21と共に容器本体2の外周面を構成し、その下端側の内周面が収容容器部21の外周面に対し外嵌されて上記の如く中心軸X回りに回転可能に結合されている。かかる結合としては、図示を省略するが、例えば凹状周溝と、この周溝に係合する凸条との組み合わせによる係合手段等が採用されている。
【0022】
ここで、計量部22による計量機構はおおよそ次のようになっている。例えば、最も単純な計量機構としては、上記頂壁211の連通孔を上記の特定円弧上に配置する一方、上記取り出し口4に連通する計量桝を計量部22に形成し、容器トップ23を計量部22と共に中心軸X回りに回転させることにより計量桝を上記連通孔と合致させて連通させたり、非連通にして計量桝の下面を頂壁211により閉止させたりというように、連通位置と閉止位置とに回転位置を相互に切換えられるようにしたものである。キャップ3で閉蓋させた定量取り出し容器1を正立状態(キャップ3が上になった図1及び図2に示す状態)から上下逆転させて倒立状態(キャップ3が下になった状態)にして、容器トップ23を回転させて上記の連通位置にすると、被収容物が連通孔を通して計量桝内に落ち込むことになる。次いで、容器トップ23を上記の閉止位置に回転変換させると、計量桝内に被収容物が充填された状態で収容容器部21内と仕切られ、計量桝の内容積分の被収容物が収容容器部21内と分離されることになる。そして、キャップ3を開蓋すれば、上記計量桝と連通している取り出し口4から計量桝内の被収容物、つまり定量の被収容物が外部に取り出されることになるのである。このように、定量取り出しを行うために、取り出し口4が特定円弧上の偏心位置に配置される必要がある。
【0023】
そして、上記周壁233の外周面234が容器本体2の上端側外周面を構成し、この周壁233の外周面234(以下、「容器側外周面234」という)と、上記キャップ3の周壁32の内周面321(以下、「キャップ側内周面321」という)とに対し本発明の閉蓋案内装置が配設されている。すなわち、閉蓋案内装置は被誘導凸部5と、この被誘導凸部5を誘導・案内する誘導手段6とを備え、上記被誘導凸部5を容器側外周面234(容器本体2の側)と、キャップ側内周面321(キャップ3の側)との内の一方に形成し、他方に誘導手段6を形成したものである。この閉蓋案内装置は、偏心位置に設けられた取り出し口4の上端開口42に対し中足部33が内嵌した状態での閉蓋状態にするために、特別な位置決め作業を行うことなく、キャップ3を中心軸Xに対しどのような回転位置からでも容器トップ23の上から単に被せるだけで上記の如き閉蓋状態を実現させ得るものである。
【0024】
本実施形態では、キャップ側内周面321に対し被誘導凸部5を、容器側外周面234に対し誘導手段6を、それぞれ形成している。これにより、キャップ3の天板部31の下面(内面)を容器トップ23の天板部231の上面に対し上下方向に相対向させて被せるだけで、まず、上記被誘導凸部5が誘導手段6により案内・誘導されて、中足部33が取り出し口4と上下方向に相対向することになる嵌合回転位置までキャップ3を中心軸X回りに回転誘導して導き、次に、上記被誘導凸部5が同様に誘導手段6により下方に向けて案内・誘導されて、中足部33が取り出し口4に対し内嵌するようにキャップ3を容器トップ23側に落とし込むようになっている。
【0025】
具体的に説明すると、キャップ3の天板部31の下面(内下面)から4つの中足部33,33,…(図5(b)参照)を垂下させて突出形成する一方、キャップ側内周面321に上記被誘導凸部5として4本の縦凸条51,51,…を形成する。4つの中足部33,33,…は上述の計量部22の計量桝や取り出し口4と同様に中心軸Xを中心とする特定円弧R上であって特定円弧Rを均等に4分割した各位置に中心が位置するように配置され、縦凸条51,51,…は各中足部33の外周側位置に、つまり周方向を均等に4分割した中足部33,33,…と同様の周方向各位置に位置するように配置されている。他方、容器トップ23の容器側外周面234には誘導手段6として4つの山型のガイド段部61,61,…(図3,図4,図5(a)参照)が形成され、かかるガイド段部61,61,…が上記各縦凸条51を移動案内及び誘導するようになっている。
【0026】
上記各ガイド段部61は図6(a)にも示すように中央位置に最も高い頂点611が形成され、この頂点611を挟んで周方向両側に延び下側に向けて徐々に低くなる傾斜路612,612が形成され、最後に周方向に相隣接する2つのガイド段部61,61間に上記縦凸条51が下方に向けて落とし込まれることになる縦誘導路62が凹溝状に形成されている。なお、図6(a)は図5(a)に示す取り出し口4の周方向設置位置(嵌合位置T)を中心軸Xに対する周方向の0°として一周する間(0°〜360°)を展開状態にして示したものである。そして、図5(a)に示すように上記の縦誘導路62が取り出し口4の外周側位置に設定され、他の3つの縦誘導路62,62,…がそれぞれ中心軸Xを中心にした内角90°毎の円周上位置に配置設定されている。
【0027】
又、各ガイド段部61の外周面には係合凸部63が形成される一方、キャップ側内周面321には係合凸部322が形成されている。各係合凸部63は、周壁233の上下高さ(中心軸X方向幅)の所定レベル位置であって、後述の如く、各縦凸条51の下端が各斜面路612から縦誘導路62に移行する屈曲位置に到達したときにキャップ側内周面321の係合凸部322と当接して干渉により一時停止することになる位置に位置設定されている。
【0028】
ここで、キャップ側内周面321の内径は、容器側外周面234の外径に対し各ガイド段部61の外周側への膨出幅(段を形成するために外周側に突出させた幅)の2倍分の寸法を加えた合計寸法にほぼ相当する寸法、すなわち、上記合計寸法に僅かな余裕代を加えた寸法に設定されている。又、各縦凸条51の突出寸法は、キャップ側内周面321の内径から容器側外周面234の外径を差し引いた差分寸法の1/2の寸法にほぼ相当する寸法、すなわち、その寸法から容器側外周面234との干渉を避けるための僅かな寸法を減じた寸法に設定されている。そして、各ガイド段部61を構成する各傾斜路612の膨出幅は上記各縦凸条51が確実に接触して滑動又は摺動により案内・誘導される程度に設定されている。この膨出幅が縦誘導路62の凹溝の深さに相当し、縦凸条51が縦誘導路62に嵌り込めばその縦凸条51の周方向への移動を阻止して下側(中心軸X方向の外周カバー壁232側)へのみ移動させる凹溝の深さを構成するものとなる。又、上記の縦誘導路62の上下高さ(中心軸X方向寸法)は中足部33の取り出し口4に対し内嵌する嵌合深さ分に相当する寸法を少なくとも有するように設定され、望ましくは後述の二つの係合凸部322,63が当止して一旦停止される位置において、上記の嵌合深さ分に対し中足部33と先端筒41とが干渉し合わないように余裕代を加えた中心軸X方向寸法を残すようにすればよい。
【0029】
次に、以上の縦凸条51,51,…と、ガイド段部61,61,…とによるキャップ3の閉蓋誘導について、図7を参照しつつ説明する。図7の一番上側に示すようにユーザが容器本体2の容器トップ23に対しその上からキャップ3を下に被せると、キャップ3の縦凸条51,51,…が容器トップ23側のガイド段部61,61,…の周方向のいずれかの部位に突き当たることになる(同図のステージS1〜ステージS2参照)。図7の上から2番目のステージS2及びこのステージ2に対応する図8では各縦凸条51の下端がガイド段部61の傾斜路612に突き当たった場合を図示している。各縦凸条51の下端が傾斜路612に突き当たって当接すると、その各縦凸条51が重力等の作用により傾斜路612に沿って滑動して縦誘導路62側に容易に移動し、これに伴いキャップ3は中心軸X回りに上記の当接した位置から嵌合回転位置Tまで回転変位(図8に一点鎖線の矢印で示す方向に回転変位)することになる。従って、傾斜路612は合成樹脂成形時に滑らかな表面になるように成形することが望ましい。そして、各縦凸条51が縦誘導路62の上側入口に位置する嵌合回転位置Tまでキャップ3が回転変位すると、4つの内のいずれか1つの中足部33が取り出し口4の上端開口42の上側位置であって取り出し口4と同軸位置に位置することになる(ステージS3及びステージ3に対応する状態を示す図9(a)参照)。この回転変位後の状態では、キャップ側内周面321の係合凸部322が容器側外周面234の係合凸部63に接触することにより、キャップ3は、上記の各縦凸条51が縦誘導路62の上側入口に位置した状態、すなわち、1つの中足部33が取り出し口4の上端開口42の上側位置であって取り出し口4と同軸位置に位置した状態で一旦停止される。
【0030】
そして、この状態からユーザがキャップ3を上から下側に僅かに押し込むと、上記のキャップ3側の係合凸部322が容器側外周面234の係合凸部63を乗り越えて、各縦凸条51が縦誘導路62に対し上から下に入り込み、キャップ3の周壁32の下端が容器トップ23の天板部231に当接するまで各縦凸条51が縦誘導路62に誘導されて落ち込むことになる。これにより、上記中足部33が取り出し口4の上端開口42から入って取り出し口4に内嵌し、キャップ3は容器トップ23の上端面を覆って完全に閉蓋した状態になる(ステージS4及びステージ4に対応する状態を示す図9(b)参照)。この状態では、容器側外周面234の係合凸部63を乗り越えたキャップ側内周面321の係合凸部322が、その乗り越えた係合凸部63によって係止され、これにより、キャップ3の開側(上側)への移動が規制されてキャップ3が閉蓋状態に維持されることになる。以上で、キャップ3の閉蓋操作時において、特別な位置決め操作を行うことなく、偏心位置の取り出し口4に対しキャップ3側の中足部33が自動的に内嵌された状態に閉蓋させることができる。
【0031】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記実施形態ではキャップ3側の中足部33と縦凸条51との組み合わせ数として4つ、又、これに対応させてガイド段部61と縦誘導路62との組み合わせ数として4つを設定した場合であって、内1つの縦誘導路62が取り出し口4の外周側に位置するように配置した場合を図示・説明したが、これに限らず、上記の組み合わせ数としては少なくとも1つあればよく、又、縦誘導路62の周方向位置設定を上記以外にしてもよい。要するに、縦凸条51が縦誘導路62に入り込んだときに中足部33が取り出し口4に内嵌するように中心軸Xに対する互いの周方向位置を関係付けておけばよいのである。ただ、ガイド段部61による縦凸条51(あるいはキャップ3)の回転誘導のスムーズさの観点からはガイド段部61の傾斜路612の傾斜が強い程好ましく、そのためには上記の組み合わせ数としては2つ又は3つ以上を設定するのが好ましい。例えば、図6(b)には容器側外周面234の周囲に3つのガイド段部61′,61′,…を形成した例を示すが、容器側外周面234の高さ(周壁233の高さ;上下方向寸法;中心軸X方向寸法)が同じであれば各傾斜路612′の傾斜が図6(a)の組み合わせ数が4つの場合よりも緩くなり、回転誘導のスムーズさにおいては若干劣ることになるおそれがある一方、組み合わせ数が2つの場合よりも傾斜は強くなり、その分スムーズさにおいて良好になる。さらに、上記の実施形態の場合とは逆に、縦凸条51などの被誘導対象の凸部5を容器側外周面234の側に、ガイド段部61,61,…、61′,61′,…等の誘導手段6をキャップ側内周面321の側に、それぞれ形成するようにしてもよい。
【0032】
上記実施形態では、容器本体2として計量部22を内蔵した容器トップ23を収容容器部21の上に結合し、底キャップ24で収容容器部21の口部212を閉止したものを示したが、これに限らず、その一端面に取り出し口4が中心軸Xに対し偏心位置に設けられた容器本体であれば、一体物でも組み付け式の物でもいずれにも本発明を適用することができる。
【0033】
上記実施形態では、先端筒41を天板部231から突出させその先端筒41の内空間により取り出し口4を構成しているが、これに限らず、先端筒41を省略して図10(a)に例示するように貫通孔43により取り出し口4を構成し、この貫通孔43に対しキャップ3の閉蓋状態で中足部33が内嵌するようにしてもよい。又、取り出し口と、これに嵌合される嵌合足部との組み合わせとしては、上記実施形態の如く先端筒41の内孔により取り出し口4を構成したり、貫通孔43により取り出し口を構成したりした場合には、これらの取り出し口4に嵌合足部としての中足部33を内嵌させるようにしてもよいし、あるいは、上記の先端筒41の内孔により取り出し口4を構成した場合には、嵌合足部として外足部をキャップ3側に突出形成し、かかる外足部を先端筒41の上から外嵌させることにより取り出し口4の上端開口42から先端筒41の外周面にかけて覆うようにしてもよい。このように取り出し口4に対し中足部を「内嵌」させる場合のみならず、外足部を「外嵌」させることによっても気密性を確保し得る。なお、外足部は上記の先端筒41の外径に相当する内径を有する無端筒をキャップ内面から突出形成させたものである。さらに、図10(b)に示す如く先端筒41′が突出する天板部231′の周囲から下方の外周面に誘導手段6を形成するようにしてもよく、あるいは、図10(c)に示す如く山型誘導路61aとして径方向に張り出させたリブにより傾斜路612aや縦誘導路62の溝壁613a,613aを形成するようにしてもよい。
【0034】
上記実施形態では中心軸Xが上下方向に配置され、取り出し口が中心軸X方向に向けて開口する場合を示したが、これに限らず、中心軸Xが横向きで取り出し口が横向きに開口し、キャップが横向きの方向から閉蓋される場合にも本発明は適用される。又、上記実施形態では、容器本体2の上端面に取り出し口4があり、この上端面に対し閉蓋するキャップ3を示したが、これに限らず、容器本体の側面に取り出し口が設けられてこの側面に対しキャップを閉蓋する場合にも本発明が適用される他、キャップによる閉蓋対象である取り出し口が底面に設けられている場合にも本発明が適用されることはいうまでもない。
【0035】
上記実施形態では、山型の誘導路(ガイド段部)61として頂点611を挟んで両側に傾斜路612,612が対称に延びるものを示したが、これに限らず、例えば図11に例示するように頂点611bを挟んで一側の傾斜路612bが長く延び、他側の傾斜路612cがほんの僅かに存在するものであってもよい。この図例の場合、同じ形状の山型誘導路61bを周方向に並べているが、例えば、縦方向誘導路62を挟んで周方向両側の山型誘導路が対称配置になるように配置してもよい。なお、頂点が尖っており一見すると他側に傾斜路がないように見えるものであっても、拡大して見ると被誘導凸部を誘導し得る程度の傾斜路が存在すれば、本発明の山型誘導路に該当する。さらに、本発明における山型誘導路の「頂点」とは、刃先のように尖った切っ先である必要もないし、あるいは、平坦な山頂である必要もない。要するに中心軸X方向に相対向して当接することになるキャップ側の被誘導凸部5がキャップ3の閉蓋操作時に作用する自重又はこれに加えて重力に基づき山型誘導路の周方向いずれかの傾斜路に振り分けられて滑動するようになる程度の、いわゆる分水嶺としての機能さえ果たせばよく、「頂点」としての厳密な形状の如何は問わない。
【0036】
上記実施形態では取り出し口4として1つだけ備えたキャップ付き容器を対象にして説明したが、これに限らず、2以上の複数の取り出し口を備えたキャップ付き容器に本発明を適用することができる。すなわち、中心軸方向一側の端面に2以上の複数の取り出し口が上記中心軸に対し偏心位置、つまり中心軸を中心とする特定円弧Rに沿って周方向に互いに離れた各周方向位置(偏心位置)において開口するように配設された容器本体と、上記2以上の取り出し口と対応する数の嵌合足部(中足部)であって上記2以上の取り出し口に対し上記中心軸方向から嵌合して気密性を保持するための嵌合足部を内面の各位置であって上記取り出し口と対応する周方向の各位置に備え上記容器本体の中心軸方向一側の端面を覆った閉蓋状態では上記嵌合足部が対応する取り出し口に対し嵌合した状態にされるキャップとを備えたキャップ付き容器に設けられ、上記キャップの閉蓋操作の際にその嵌合足部が上記偏心位置の取り出し口に嵌合した閉蓋状態に至るように上記キャップを案内誘導して位置決めするキャップの閉蓋案内装置である。例えば、中心軸方向一側の端面(例えば天板部231)に2つ、3つ、4つ、5つ又は6つ等の複数の取り出し口が周方向に等間隔の各位置に開口するように形成された、粉チーズ容器や各種ふりかけ容器等に対し、本発明のキャップの閉蓋案内装置を適用してもよい。この場合においても、キャップを中心軸方向に引くことにより容易に開蓋状態にすることができる一方、閉蓋操作も単に中心軸方向から被せるだけで回転誘導と、中心軸方向への落とし込み誘導との案内誘導により複数の取り出し口に対しそれぞれ嵌合足部が嵌合した閉蓋状態にすることができる。これにより、取り出し口が複数形成されていても、容易な操作で嵌合足部(中足部)の嵌合(内嵌)による気密性確保を図ることができるようになる。
【0037】
さらに、上記実施形態では被誘導凸部5として縦凸条51を示したが、これに限らず、上記の被誘導凸部5としては単なる突起であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施形態の定量取り出し装置付き容器を示す外観斜視図である。
【図2】図1のA−A線で切った場合の拡大断面状態で示す斜視図である。
【図3】図1の定量取り出し装置付き容器の構成要素を分解して斜め上から見た斜視図である。
【図4】図1の定量取り出し装置付き容器の構成要素を分解して斜め下から見た斜視図である。
【図5】図5(a)は容器本体(容器トップ)を上からみた平面図であり、図5(b)はキャップを内面側からみた平面図である。
【図6】図6(a)は固定キャップの周壁とこれに形成されたガイド段部との周方向全体を展開した図であり、図6(b)は周方向に3つのガイド段部を形成した場合の図6(a)相当図である。
【図7】容器本体に対するキャップの閉蓋作業時の状況をS1〜S4のステージ毎に示す一部切欠断面説明図である。
【図8】図7のステージ2の段階における状態についてキャップを平面方向に切断した断面状態で示す図5対応図である。
【図9】図9(a)は図7のステージ3の状態を示す部分拡大断面図であり、図9(b)は図7のステージ4の状態を示す部分拡大断面図である。
【図10】図10(a)は他の形態を示す部分斜視図であり、図10(b)は別の形態を示す部分斜視図であり、図10(c)はさらに別の形態を示す部分斜視図である。
【図11】誘導手段について図6とは異なる他の形態を展開状態で示した説明図である。
【符号の説明】
【0039】
2 容器本体
3 キャップ
4 取り出し口
5 被誘導凸部
6 誘導手段
33 中足部(嵌合足部)
42 取り出し口の上端開口
51 縦凸条(被誘導凸部)
61,61′ ガイド段部(山型誘導路)
62 縦誘導路
234 容器側外周面(他方の周面)
321 キャップ側内周面(一方の周面)
611 頂点
612,612′傾斜路
T 嵌合回転位置
X 中心軸
R 特定円弧
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸方向一側の端面に取り出し口が上記中心軸に対し偏心位置において開口するように配設された容器本体と、上記取り出し口に対し上記中心軸方向から嵌合して気密性を保持するための嵌合足部を内面に備え上記容器本体の中心軸方向一側の端面を覆った閉蓋状態では上記嵌合足部が取り出し口に対し嵌合した状態にされるキャップとを備えたキャップ付き容器に設けられ、上記キャップの閉蓋操作の際にその嵌合足部が上記偏心位置の取り出し口に嵌合した閉蓋状態に至るように上記キャップを案内誘導して位置決めするキャップの閉蓋案内装置であって、
上記閉蓋状態において上記中心軸を中心とする径方向に相対向することになる上記キャップの内周面と上記容器本体の外周面との内の一方の周面に対し上記径方向に突出するように設けられた被誘導凸部と、他方の周面に対し上記径方向であって上記被誘導凸部に相対向する側に突出するように設けられ上記被誘導凸部が上記中心軸方向から当接するとその被誘導凸部の移動を案内誘導することにより上記嵌合足部が取り出し口に対し嵌合するように上記キャップを移動案内して位置決めする誘導手段とを備え、
上記誘導手段は、上記径方向に段状に張り出した誘導路であって、上記中心軸方向からのキャップに対する閉操作力を受けて上記被誘導凸部を周方向へ滑動により案内誘導することにより上記嵌合足部が取り出し口に対し上記中心軸方向に相対向する嵌合回転位置までキャップを上記中心軸回りに回転案内する山型誘導路と、上記被誘導凸部を上記中心軸方向他側に案内誘導することにより上記嵌合回転位置の嵌合足部が取り出し口に嵌合するようそのキャップを上記中心軸方向他側に向けて閉蓋状態まで移動案内する縦誘導路とを備えている
ことを特徴とするキャップ付き容器におけるキャップの閉蓋案内装置。
【請求項2】
請求項1に記載のキャップ付き容器におけるキャップの閉蓋案内装置であって、
上記山型誘導路は、上記中心軸方向一側の頂点と、この頂点を挟んで周方向両側に延び上記中心軸方向他側に向けて傾斜する傾斜面からなる一対の傾斜路とを備え、
上記縦誘導路は、上記傾斜路の末端側から屈曲して上記被誘導凸部の移動方向を上記中心軸方向に規制するよう凹溝状に形成されている、キャップ付き容器におけるキャップの閉蓋案内装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のキャップ付き容器におけるキャップの閉蓋案内装置であって、
上記誘導手段は山型誘導路を少なくとも2つ備え、周方向に隣接する両山型誘導路の末端同士の間に上記縦誘導路が形成されている、キャップ付き容器におけるキャップの閉蓋案内装置。
【請求項4】
請求項3に記載のキャップ付き容器におけるキャップの閉蓋案内装置であって、
上記嵌合足部として上記山型誘導路の数と同数だけ備え、上記中心軸を中心とする周囲を上記数と同数に等分割した周方向各位置に上記嵌合足部が配設され、かつ、上記数の嵌合足部は上記中心軸を中心とし上記取り出し口が配置されている偏心位置を通る特定円弧と同径の円弧上に配設されている、キャップ付き容器におけるキャップの閉蓋案内装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載のキャップ付き容器におけるキャップの閉蓋案内装置であって、
上記のキャップの内周面及び容器本体の外周面の双方に閉蓋操作の際に互いに係合することになる係合凸部がそれぞれ形成され、
両係合凸部は、上記被誘導凸部が山型誘導路により嵌合回転位置まで誘導された状態でキャップ側係合凸部が容器本体側係合凸部に係合することにより、キャップの容器本体の中心軸方向他側への移動を一旦停止させる一方、キャップに対する上記中心軸方向他側への押圧力を受けて上記キャップ側係合凸部が容器本体側係合凸部を乗り越えて閉蓋状態に至るように形成位置と形状とが設定されている、キャップ付き容器におけるキャップの閉蓋案内装置。
【請求項1】
中心軸方向一側の端面に取り出し口が上記中心軸に対し偏心位置において開口するように配設された容器本体と、上記取り出し口に対し上記中心軸方向から嵌合して気密性を保持するための嵌合足部を内面に備え上記容器本体の中心軸方向一側の端面を覆った閉蓋状態では上記嵌合足部が取り出し口に対し嵌合した状態にされるキャップとを備えたキャップ付き容器に設けられ、上記キャップの閉蓋操作の際にその嵌合足部が上記偏心位置の取り出し口に嵌合した閉蓋状態に至るように上記キャップを案内誘導して位置決めするキャップの閉蓋案内装置であって、
上記閉蓋状態において上記中心軸を中心とする径方向に相対向することになる上記キャップの内周面と上記容器本体の外周面との内の一方の周面に対し上記径方向に突出するように設けられた被誘導凸部と、他方の周面に対し上記径方向であって上記被誘導凸部に相対向する側に突出するように設けられ上記被誘導凸部が上記中心軸方向から当接するとその被誘導凸部の移動を案内誘導することにより上記嵌合足部が取り出し口に対し嵌合するように上記キャップを移動案内して位置決めする誘導手段とを備え、
上記誘導手段は、上記径方向に段状に張り出した誘導路であって、上記中心軸方向からのキャップに対する閉操作力を受けて上記被誘導凸部を周方向へ滑動により案内誘導することにより上記嵌合足部が取り出し口に対し上記中心軸方向に相対向する嵌合回転位置までキャップを上記中心軸回りに回転案内する山型誘導路と、上記被誘導凸部を上記中心軸方向他側に案内誘導することにより上記嵌合回転位置の嵌合足部が取り出し口に嵌合するようそのキャップを上記中心軸方向他側に向けて閉蓋状態まで移動案内する縦誘導路とを備えている
ことを特徴とするキャップ付き容器におけるキャップの閉蓋案内装置。
【請求項2】
請求項1に記載のキャップ付き容器におけるキャップの閉蓋案内装置であって、
上記山型誘導路は、上記中心軸方向一側の頂点と、この頂点を挟んで周方向両側に延び上記中心軸方向他側に向けて傾斜する傾斜面からなる一対の傾斜路とを備え、
上記縦誘導路は、上記傾斜路の末端側から屈曲して上記被誘導凸部の移動方向を上記中心軸方向に規制するよう凹溝状に形成されている、キャップ付き容器におけるキャップの閉蓋案内装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のキャップ付き容器におけるキャップの閉蓋案内装置であって、
上記誘導手段は山型誘導路を少なくとも2つ備え、周方向に隣接する両山型誘導路の末端同士の間に上記縦誘導路が形成されている、キャップ付き容器におけるキャップの閉蓋案内装置。
【請求項4】
請求項3に記載のキャップ付き容器におけるキャップの閉蓋案内装置であって、
上記嵌合足部として上記山型誘導路の数と同数だけ備え、上記中心軸を中心とする周囲を上記数と同数に等分割した周方向各位置に上記嵌合足部が配設され、かつ、上記数の嵌合足部は上記中心軸を中心とし上記取り出し口が配置されている偏心位置を通る特定円弧と同径の円弧上に配設されている、キャップ付き容器におけるキャップの閉蓋案内装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載のキャップ付き容器におけるキャップの閉蓋案内装置であって、
上記のキャップの内周面及び容器本体の外周面の双方に閉蓋操作の際に互いに係合することになる係合凸部がそれぞれ形成され、
両係合凸部は、上記被誘導凸部が山型誘導路により嵌合回転位置まで誘導された状態でキャップ側係合凸部が容器本体側係合凸部に係合することにより、キャップの容器本体の中心軸方向他側への移動を一旦停止させる一方、キャップに対する上記中心軸方向他側への押圧力を受けて上記キャップ側係合凸部が容器本体側係合凸部を乗り越えて閉蓋状態に至るように形成位置と形状とが設定されている、キャップ付き容器におけるキャップの閉蓋案内装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−18977(P2008−18977A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−192893(P2006−192893)
【出願日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(000206185)大成化工株式会社 (83)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(000206185)大成化工株式会社 (83)
【Fターム(参考)】
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