説明

キャップ及びキャップ付容器

【課題】 弾性体が復元した際において、蓋体とキャップ本体との離間距離を大きくできるにも関わらず、蓋体がキャップ本体に取り付けられた際において、キャップの容積が大きくなることを抑制できるといった、フレキシブルな設計を行なえるキャップ及びキャップ付容器を提供する。
【解決手段】 キャップ本体10及び蓋体20を連結する弾性体30と、キャップ本体10及び蓋体20を連結する連結体40とを備え、弾性体30は、蓋体20がキャップ本体10から離反する過程の少なくとも一部にて、弾性変形した状態から復元することで、キャップ本体10から蓋体20を離反させ、連結体40は、第1のヒンジ機構41を介して、キャップ本体10に接続されると共に、第1のヒンジ機構41の軸心と平行な軸心を有する第2のヒンジ機構42を介して、蓋体20に接続されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップ本体及び蓋体を連結する弾性体により、キャップ本体から蓋体を離反可能に構成されるキャップに関し、また、当該キャップを備えるキャップ付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キャップ本体と、キャップ本体に着脱される蓋体とを備えるキャップとして、キャップ本体及び蓋体を連結する弾性体により、キャップ本体から蓋体を離反可能に構成されるキャップが知られている(例えば、特許文献1)。斯かるキャップにおいては、キャップ本体及び蓋体は、径方向に突出する突出片を備え、各突出片同士は、ヒンジ機構を介して接続されている。
【0003】
そして、蓋体がキャップ本体に取り付けられた際においては、弾性体が弾性変形する一方、蓋体がキャップ本体から取り外された際においては、弾性体が復元することにより、蓋体は、ヒンジ機構により回動し、キャップ本体から離反する。これにより、蓋体がキャップ本体から離れた位置で保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭63−175047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記キャップにおいては、例えば、弾性体が復元した際に、蓋体とキャップ本体との離間距離を大きくするためには、それに応じて、キャップ本体及び蓋体に設けられる突出片の突出量を大きく設計する必要がある。これにより、蓋体とキャップ本体との離間距離を大きくするためには、必然的に、蓋体がキャップ本体に取り付けられた際に、突出片が大きく突出して、キャップの容積が大きくなるといった設計上の制約が生じる。
【0006】
よって、本発明は、斯かる事情に鑑み、弾性体が復元した際に、蓋体とキャップ本体との離間距離を大きくできるにも関わらず、蓋体がキャップ本体に取り付けられた際に、キャップの容積が大きくなることを抑制できるといった、フレキシブルな設計を行なえるキャップ及びキャップ付容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るキャップは、容器に固定され、容器の内容物を注出するための注出口を有するキャップ本体と、注出口を開閉すべく、キャップ本体に着脱される蓋体と、キャップ本体及び蓋体を連結する弾性体とを備え、弾性体は、蓋体がキャップ本体から離反する過程の少なくとも一部にて、弾性変形した状態から復元することで、キャップ本体から蓋体を離反させるキャップにおいて、キャップ本体及び蓋体を連結する連結体を備え、連結体は、第1のヒンジ機構を介して、キャップ本体に接続されると共に、第1のヒンジ機構の軸心と平行な軸心を有する第2のヒンジ機構を介して、蓋体に接続されることを特徴とする。
【0008】
本発明に係るキャップによれば、キャップ本体及び蓋体を連結する連結体が第1のヒンジ機構を介してキャップ本体に接続されるため、連結体が第1のヒンジ機構により回動すると、連結体及び蓋体が一体的になってキャップ本体と接離する。また、連結体が第1のヒンジ機構の軸心と平行な軸心を有する第2のヒンジ機構を介して蓋体に接続されるため、蓋体が第2のヒンジ機構により回動すると、蓋体がキャップ本体と接離する。したがって、例えば、蓋体がキャップ本体に取り付けられた際に、連結体がキャップ本体に接近した状態となるように、設計することもできる。
【0009】
また、本発明に係るキャップにおいては、弾性体及び連結体は、キャップ本体に接続される各端部がヒンジ機構の軸心方向と直交する方向において離間して配置され、弾性体は、蓋体がキャップ本体から取り外されて離反されるのに伴って、弾性変形すると共に、所定量以上弾性変形した際に復元することで、キャップ本体から蓋体を離反させてもよい。
【0010】
斯かる構成のキャップによれば、キャップ本体に接続される各端部がヒンジ機構の軸心方向と直交する方向において離間するように、弾性体及び連結体が配置されている。これにより、蓋体がキャップ本体から取り外されて離反されるのに伴って、弾性体が弾性変形し、そして、弾性体が所定量以上弾性変形すると、弾性体が弾性力により復元して蓋体を付勢するため、キャップ本体から蓋体を離反させることができる。
【0011】
しかも、弾性体及び連結体におけるキャップ本体に接続される各端部がヒンジ機構の軸心方向と直交する方向において離間していることで、弾性体が復元した状態において、蓋体が第1のヒンジ機構により回動するのを規制できる。これにより、弾性体及び連結体が均衡した位置で蓋体を保持できる。
【0012】
また、本発明に係るキャップにおいては、弾性体は、蓋体がキャップ本体に取り付けられた際に弾性変形するのを抑制すべく、各ヒンジ機構の軸心と平行な軸心を有する第3のヒンジ機構を介して、キャップ本体に接続されると共に、第3のヒンジ機構の軸心と平行な軸心を有する第4のヒンジ機構を介して、蓋体に接続されてもよい。
【0013】
斯かる構成のキャップによれば、弾性体は、各ヒンジ機構の軸心と平行な軸心を有する第3のヒンジ機構を介して、キャップ本体に接続されていると共に、第3のヒンジ機構の軸心と平行な軸心を有する第4のヒンジ機構を介して、蓋体に接続されている。これにより、蓋体がキャップ本体に取り付けられた際に、蓋体が弾性変形するのを抑制できる。
【0014】
また、本発明に係るキャップにおいては、弾性体及び連結体は、蓋体に接続される各端部がヒンジ機構の軸心方向と直交する方向において離間して配置されてもよい。
【0015】
斯かる構成のキャップによれば、蓋体に接続される各端部がヒンジ機構の軸心方向と直交する方向において離間するように、弾性体及び連結体が配置されている。これにより、弾性体が復元した状態において、蓋体が第2のヒンジ機構により回動するのを規制できる。したがって、弾性体及び連結体が均衡した位置で蓋体を保持できる。
【0016】
また、本発明に係るキャップにおいては、蓋体が弾性体及び連結体により所定位置で保持されるべく、蓋体が第2のヒンジ機構により回動して連結体に所定以上接近するのを抑制する回動抑制手段を備えてもよい。
【0017】
ここで、弾性体の両端部及び連結体の両端部がそれぞれヒンジ機構の軸心方向と直交する方向において離間しているキャップにおいては、弾性体及び連結体が均衡した位置で蓋体を保持できるが、斯かる弾性体及び連結体が均衡する位置は、複数存在する。しかしながら、斯かる構成のキャップによれば、蓋体が第2のヒンジ機構により回動して連結体に所定以上接近しようとすると、回動抑制手段が当該回動を抑制するため、弾性体及び連結体が複数の均衡する位置のうち、所定位置で蓋体を保持できる。
【0018】
また、本発明に係るキャップ付容器は、内容物を収容する容器と、容器に固定されるキャップとを備えるキャップ付容器において、キャップは、容器の内容物を注出するための注出口を有するキャップ本体と、注出口を開閉すべく、キャップ本体に着脱される蓋体と、キャップ本体及び蓋体を連結する弾性体と、キャップ本体及び蓋体を連結する連結体とを備え、弾性体は、蓋体がキャップ本体から離反する過程の少なくとも一部にて、弾性変形した状態から復元することで、キャップ本体から蓋体を離反させ、連結体は、第1のヒンジ機構を介して、キャップ本体に接続されると共に、第1のヒンジ機構の軸心と平行な軸心を有する第2のヒンジ機構を介して、蓋体に接続されることを特徴とする。
【0019】
本発明に係るキャップ付容器によれば、キャップ本体及び蓋体を連結する連結体が第1のヒンジ機構を介してキャップ本体に接続されるため、連結体が第1のヒンジ機構により回動すると、連結体及び蓋体が一体的になってキャップ本体と接離する。また、連結体が第1のヒンジ機構の軸心と平行な軸心を有する第2のヒンジ機構を介して蓋体に接続されるため、蓋体が第2のヒンジ機構により回動すると、蓋体がキャップ本体と接離する。したがって、例えば、蓋体がキャップ本体に取り付けられた際に、連結体がキャップ本体に接近した状態となるように、設計することもできる。
【発明の効果】
【0020】
以上の如く、本発明に係るキャップ及びキャップ付容器によれば、弾性体が復元した際に、蓋体とキャップ本体との離間距離を大きくできるにも関わらず、蓋体がキャップ本体に取り付けられた際に、キャップの容積が大きくなることを抑制できるといった、フレキシブルな設計を行なえるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係るキャップ付容器の蓋体が閉じられた状態の図であって、(a)は全体正面図、(b)は全体右側面図、(c)はA−A線における要部断面図を示す。
【図2】同実施形態に係るキャップ付容器の全体図であって、(a)は蓋体が閉じられた状態の平面図、(b)は蓋体が開かれた状態の平面図を示す。
【図3】同実施形態に係るキャップ付容器の要部図であって、(a)は蓋体が閉じられた状態の正面図、(b)は蓋体が開かれた状態の平面図を示す。
【図4】同実施形態に係るキャップ付容器における作用を説明する要部図であって、(a)〜(d)はそれぞれ正面図を示す。
【図5】同実施形態に係るキャップ付容器における作用を説明する図であって、(a)は要部正面図、(b)は各ヒンジ機構の軸心位置相関図を示す。
【図6】同実施形態に係るキャップ付容器における作用を説明する図であって、(a)は各ヒンジ機構の軸心位置相関図、(b)及び(c)はそれぞれ要部正面図を示す。
【図7】同実施形態に係るキャップ付容器における作用を説明する図であって、(a)は各ヒンジ機構の軸心位置相関図、(b)及び(c)はそれぞれ要部正面図を示す。
【図8】本発明の他の実施形態に係るキャップ付容器の全体図であって、(a)は蓋体が閉じられた状態の正面図、(b)は蓋体が閉じられた状態の右側面図、(c)は蓋体が閉じられた状態の平面図、(d)は蓋体が開かれた状態の平面図を示す。
【図9】同実施形態に係るキャップ付容器における作用を説明する要部図であって、(a)〜(d)はそれぞれ正面図を示す。
【図10】本発明のさらに他の実施形態に係るキャップにおける作用を説明する全体図であって、(a)は正面図、(b)はB−B線における断面図、(c)は正面図、(d)はC−C線における断面図を示す。
【図11】同実施形態に係るキャップにおける作用を説明する全体図であって、(a)〜(c)はそれぞれ正面図、(d)は(c)の状態の平面図を示す。
【図12】本発明のさらに他の実施形態に係るキャップの全体図であって、(a)は蓋体が閉じられた状態の平面図、(b)は蓋体が開かれた状態の平面図、(c)はD−D線における断面図、(d)はE−E線における断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係るキャップ及びキャップ付容器における第1の実施形態について、図1〜図7を参酌して説明する。
【0023】
本実施形態に係るキャップ付容器は、図1に示すように、内容物(固体や液体等)を収容する容器9と、容器9の端部に配設される開口部91に固定されるキャップ1とを備える。なお、本実施形態においては、容器9及びキャップ1が樹脂(例えばプラスチック)で一体成形されており、容器9からキャップ1を取り外しできない構造となっている。
【0024】
キャップ1は、図1〜図3に示すように、容器9の開口部91に連結されるキャップ本体10と、キャップ本体10に着脱される蓋体20と、キャップ本体10及び蓋体20を連結する一対の弾性体30,30とを備える。さらに、キャップ1は、各弾性体30とは別に、キャップ本体10及び蓋体20を連結する連結体40をさらに備える。
【0025】
なお、連結体40は、第1ヒンジ機構41を介して、キャップ本体10に接続されると共に、第1ヒンジ機構41の軸心と平行な軸心を有する第2ヒンジ機構42を介して、蓋体20に接続される。そして、キャップ1は、蓋体20が第2ヒンジ機構42により回動して連結体40に所定以上接近するのを抑制する第1及び第2回動抑制手段50,51を備える。
【0026】
キャップ本体10は、円筒状に形成される周壁部11と、周壁部11の軸心方向の一端側に配置され、容器9の内容物を注出するための注出口12と、周壁部11の外周部から径方向外方に突出し、弾性体30,30及び連結体40がそれぞれ接続される接続片13,13,13とを備える。なお、キャップ本体10は、周壁部11の他端側で容器9の開口部91と連結されている。
【0027】
また、キャップ本体10は、蓋体20が離反する際に、連結体40を係止する係止部14を備える。そして、係止部14は、周壁部11の外周部から径方向外方に突出する一対の係止片14a,14aを備える。なお、一対の係止片14a,14aは、周壁部11の軸心方向に沿って板状に延設され、互いに対峙するように配置されている。
【0028】
蓋体20は、一端側が閉塞された筒状(半球状)に形成される蓋本体部21を備え、キャップ本体10に着脱されることにより、蓋本体部21で注出口12を開閉するように構成されている。そして、蓋体20は、注出口12に当接することで注出口12を封止する封止部22を備える。
【0029】
また、蓋体20は、蓋本体部21から径方向外方に突出し、弾性体30,30及び連結体40がそれぞれ接続されている接続片23,23,23を備える。さらに、蓋体20は、キャップ本体1から取り外される際に、例えば指で操作(掛止)される鍔部24を備える。
【0030】
封止部22は、蓋本体部21の他端側から円筒状に突出している。そして、蓋本体部21が注出口12を閉塞する状態で、蓋体20がキャップ本体10に固定されるべく、封止部22は、注出口12に外側から嵌合される。これにより、封止部22は、蓋体20がキャップ本体10に取り付けられた際に、注出口12と密着することにより、注出口12を封止する。
【0031】
各弾性体30は、帯状で且つ板状に形成される。また、各弾性体30は、幅寸法が連結体40の幅寸法よりも小さくなるように形成されていると共に、長さ寸法が連結体40の長さ寸法よりも長くなるように形成されている。そして、一対の弾性体30,30は、連結体40を挟むようにして配置されると共に、それぞれの長手方向が平行となるように配置されている。
【0032】
さらに、各弾性体30は、第1及び第2ヒンジ機構41,42の軸心と平行な軸心を有する第3ヒンジ機構31を介して、キャップ本体10に接続されると共に、第1〜第3ヒンジ機構41,42,31の各軸心と平行な軸心を有する第4ヒンジ機構32を介して、蓋体20に接続されている。これにより、蓋体20がキャップ本体10に取り付けられた際に、各弾性体30が弾性変形するのを抑制できる。
【0033】
本実施形態においては、各弾性体30は、蓋体20がキャップ本体10に取り付けられた際に、弾性変形しない形状(長さ)に設定されている。また、各第3及び第4ヒンジ機構31,32は、弾性体30の各端部の厚みを薄くすることにより、それぞれ形成されている。なお、一対の第3ヒンジ機構31,31の軸心同士は、軸心と直交する方向において一致して配置されていると共に、一対の第4ヒンジ機構32,32の軸心同士も、軸心と直交する方向において一致して配置されている。
【0034】
連結体40は、帯板状で且つ直線状に形成される連結本体部43と、キャップ本体10の係止部14に係止される被係止部44とを備える。そして、連結体40は、剛性を有し、蓋体20がキャップ本体10に対して接離する際に、直線状である形状を維持する、即ち、変形しない。なお、第1及び第2ヒンジ機構41,42は、連結体40の各端部の厚みを薄くすることにより、それぞれ形成されている。
【0035】
被係止部44は、連結本体部43から板状に突出する一対の被係止片44a,44aを備える。そして、一対の被係止片44a,44aは、互いに対峙するように配置されると共に、蓋体20がキャップ本体10に取り付けられた際に、一対の係止片14a,14aに外側から嵌合される。
【0036】
ところで、各弾性体30及び連結体40は、キャップ本体10に接続される各端部がヒンジ機構31,41の軸心方向と直交する方向において離間して配置される。具体的には、各弾性体30は、連結体40に対して、キャップ本体10(周壁部11)の軸心方向においては他端側(下方側)で、且つキャップ本体10(周壁部11)の径方向においてはキャップ本体10の軸心寄りで、キャップ本体10に接続されている。
【0037】
換言すると、各第3ヒンジ機構31の軸心は、第1ヒンジ機構41の軸心に対して、周壁部11の軸心方向においては注出口12から離れるように、且つ周壁部11の径方向においては周壁部11の軸心に近くなるように、配置されている。これにより、各弾性体30は、蓋体20がキャップ本体10から取り外されて離反されるのに伴って、弾性変形し、その後、所定量以上弾性変形した際に弾性力により復元することで、キャップ本体10から蓋体20を離反させる。
【0038】
また、各弾性体30及び連結体40は、蓋体20に接続される各端部がヒンジ機構32,42の軸心方向と直交する方向において離間して配置される。具体的には、各弾性体30は、連結体40に対して、蓋体20(蓋本体部21)の軸心方向においては一端側で、且つ蓋体20(蓋本体部21)の径方向においては蓋体20の軸心寄りで、蓋体20に接続されている。
【0039】
換言すると、各第4ヒンジ機構32の軸心は、第2ヒンジ機構42の軸心に対して、蓋本体部21の軸心方向においては蓋体20がキャップ本体10に取り付けられた際にキャップ本体10から離れるように、且つ蓋本体部21の径方向においては蓋本体部21の軸心に近くなるように、配置されている。これにより、各弾性体30は、蓋体20がキャップ本体10から取り外されて離反されるのに伴って、伸びるように弾性変形し、その後、直線状となるように弾性変形した際に弾性力により湾曲状に復元する。
【0040】
第1回動抑制手段50は、第2ヒンジ機構42を介在して、蓋体20及び連結体40から外方に突出する一対の突出部501,502を備える。そして、一方の突出部501は、蓋体20の接続片23の端部から板状に突出していると共に、他方の突出部502は、連結体40の連結本体部43の端部から板状に突出している。また、第2回動抑制手段51は、蓋体20から内方に突出する突出部511を備える。そして、突出部511は、蓋体20の接続片23の端部から突条に突出している。
【0041】
本実施形態に係るキャップ1及びキャップ付容器の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係るキャップ1及びキャップ付容器の作用について図4を参酌して説明する。
【0042】
まず、図4(a)に示すように、蓋体20がキャップ本体10に取り付けられている状態においては、各弾性体30が湾曲状である。このとき、各弾性体30は、第3及び第4ヒンジ機構31,32の存在により、弾性変形していない。そして、連結体40は、第1及び第2ヒンジ機構41,42の存在により、周壁部11に沿って配置されている。
【0043】
そして、図4(b)に示すように、蓋体20がキャップ本体10から取り外されると、弾性体30が伸びるように弾性変形する。このとき、被係止部44が係止部14に係止されているため、蓋体20は、第2ヒンジ機構42により回動する一方、連結体40は、第1ヒンジ機構41により回動することなく、周壁部11に沿って配置された状態を維持している。
【0044】
さらに、蓋体20がキャップ本体10から離反されると、第1回動抑制手段50の一対の突出部501,502同士が当接するため、蓋体20が第2ヒンジ機構42により回動して連結体40に外方側で接近するのを抑制される。そして、斯かる状態から、係止部14が被係止部44を係止する力に抗して、蓋体20がキャップ本体10からさらに離反されると、係止部14が被係止部44を係止する状態を解除できる。
【0045】
すると、図4(c)に示すように、連結体40が第1ヒンジ機構41により回動し、それに伴って、弾性体30がさらに伸びるように弾性変形する。そして、弾性体30が直線状となるまで弾性変形すると、弾性体30が弾性力により復元する。これにより、弾性体30が蓋体20を付勢するため、蓋体20がキャップ本体10から離反される。
【0046】
このとき、蓋体20、各弾性体30及び連結体40が一体的になって、キャップ本体10から離反する。具体的には、蓋体20及び連結体40は、第1ヒンジ機構41により回動し、各弾性体30は、復元(変形)しつつ、第3ヒンジ機構31により回動している。そして、図4(d)に示すように、各弾性体30が湾曲状に復元すると、各弾性体30及び連結体40は、キャップ本体10から離反した均衡した位置で蓋体20を保持する。
【0047】
以上より、本実施形態に係るキャップ1及びキャップ付容器によれば、キャップ本体10及び蓋体20を連結する連結体40が第1ヒンジ機構41を介してキャップ本体10に接続されるため、連結体40が第1ヒンジ機構41により回動すると、連結体40及び蓋体20が一体的になってキャップ本体10と接離する。また、連結体40が第2ヒンジ機構42を介して蓋体20に接続されるため、蓋体20が第2ヒンジ機構42により回動すると、蓋体20がキャップ本体10と接離する。
【0048】
したがって、蓋体20がキャップ本体10に取り付けられた際に、連結体40がキャップ本体10に接近し且つ周壁部11に沿って配置されている。これにより、各弾性体30が復元した際に、蓋体20とキャップ本体10との離間距離を大きくできるにも関わらず、蓋体20がキャップ本体10に取り付けられた際に、キャップ1の容積が大きくなることを抑制できる。
【0049】
また、本実施形態に係るキャップ1及びキャップ付容器によれば、各弾性体30及び連結体40におけるキャップ本体10に接続される端部が、各ヒンジ機構31,41の軸心方向と直交する方向において離間している。これにより、蓋体20がキャップ本体10から取り外されて離反されるのに伴って、弾性体30が弾性変形し、そして、弾性体30が直線状となるまで弾性変形すると、弾性体30が弾性力により湾曲状に復元して蓋体20を付勢するため、キャップ本体10から蓋体20を離反させることができる。
【0050】
また、本実施形態に係るキャップ1及びキャップ付容器によれば、各弾性体30及び連結体40におけるキャップ本体10に接続される端部が、各ヒンジ機構31,41の軸心方向と直交する方向において離間しているため、各弾性体30が復元した状態において、蓋体20が第1ヒンジ機構41により回動するのを規制できる。これにより、各弾性体30及び連結体40が均衡した位置で蓋体20を保持できる。
【0051】
また、本実施形態に係るキャップ1及びキャップ付容器によれば、各弾性体30の一方の端部が第3ヒンジ機構31を介してキャップ本体10に接続されていると共に、各弾性体30の他方の端部が第3ヒンジ機構31の軸心と平行な軸心を有する第4ヒンジ機構32を介して蓋体20に接続されている。これにより、蓋体20がキャップ本体10に取り付けられた際に、各弾性体30が弾性変形するのを抑制している。したがって、蓋体20がキャップ本体10に取り付けられた状態が長時間継続したとしても、弾性体30が塑性変形するのを防止できる。
【0052】
また、本実施形態に係るキャップ1及びキャップ付容器によれば、各弾性体30及び連結体40における蓋体20に接続される各端部が、各ヒンジ機構32,42の軸心方向と直交する方向において離間している。これにより、各弾性体30が復元した状態において、蓋体20が第2ヒンジ機構42により回動するのを規制できる。したがって、各弾性体30及び連結体40が均衡した位置で蓋体20を保持できる。
【0053】
ところで、弾性体30の両端部及び連結体40の両端部、即ち、四つのヒンジ機構31,32,41,42の軸心がそれぞれ軸心方向と直交する方向においてそれぞれ離間しているキャップにおいては、弾性体30及び連結体40が均衡した位置で蓋体20を保持できる一方、斯かる均衡する位置が複数存在している。以下、図5を参酌して詳細を説明する。
【0054】
図5において、3点鎖線Sは、第1ヒンジ機構41の軸心Oを中心に、連結体40が回動した際に、第2ヒンジ機構42の軸心Pが通過する軌跡を示している。また、2点鎖線Tは、第3ヒンジ機構31の軸心Qを中心に、弾性体30が弾性変形することなく回動した際に、第4ヒンジ機構32の軸心Rが通過する軌跡を示している。
【0055】
さらに、1点鎖線Uは、第2ヒンジ機構42の軸心Pを中心に、蓋体20が回動する際に、第4ヒンジ機構32の軸心Rが通過する軌跡を示している。そして、連結体40が第1ヒンジ機構41により回動し、第2ヒンジ機構42の軸心Pが所定位置に位置している場合において、弾性体30及び連結体40が均衡するのは、第2ヒンジ機構42の軸心Pが所定位置に位置している際の1点鎖線Uと、2点鎖線Tとの交差する位置に、第4ヒンジ機構32の軸心Rが位置している場合である。
【0056】
したがって、蓋体20がキャップ本体10に取り付けられている状態(第2ヒンジ機構42の軸心位置P1,第4ヒンジ機構32の軸心位置R1)も、蓋体20がキャップ本体10から離反して弾性体30及び連結体40に保持されている状態(第2ヒンジ機構42の軸心位置P2,第4ヒンジ機構32の軸心位置R2)も、弾性体30及び連結体40が均衡している状態である。
【0057】
そこで、本実施形態に係るキャップ1及びキャップ付容器によれば、連結体40の被係止部44がキャップ本体10の係止部14に係止されている。これにより、まず、蓋体20が第2ヒンジ機構42により回動し、一旦、第1回動抑制手段50の一対の突出部501,502同士が当接した後で、連結体40が第1ヒンジ機構41により回動し始める。したがって、連結体40が第1ヒンジ機構41により回動してキャップ本体10から離反する際には、蓋体20及び連結体40が内方側で十分に離反した状態である(図4(c)参照)。
【0058】
斯かる状態から、弾性体30が弾性力により復元して蓋体20をキャップ本体10から離反させると、図6(b)に示すように、蓋体20がキャップ本体10から離間した位置(第2ヒンジ機構42の軸心位置P2,第4ヒンジ機構32の軸心位置R2)で、弾性体30及び連結体40が均衡して蓋体20を保持することになる。したがって、容器9から内容物を注出する際に、蓋体20が邪魔するのを防止できる。
【0059】
それに対して、斯かる係止部14及び被係止部44が存在しない場合には、蓋体20が連結体40と内方側で十分に離反していない状態で、連結体40が第1ヒンジ機構41により回動してキャップ本体10から離反することになるため、図6(c)に示すように、蓋体20がキャップ本体10に接近した位置(第2ヒンジ機構42の軸心位置P2,第4ヒンジ機構32の軸心位置R2’)で、弾性体30及び連結体40が均衡して蓋体20を保持することになる。したがって、容器9から内容物を注出する際に、蓋体20が邪魔することになる。
【0060】
また、本実施形態に係るキャップ1及びキャップ付容器によれば、蓋体20が第2ヒンジ機構42により回動して連結体40に所定以上接近しようとすると、第1及び第2回動抑制手段50,51が当該回動を抑制する。これにより、弾性体30及び連結体40が均衡する位置を複数存在している場合でも、蓋体20を所定位置で保持することができる。
【0061】
具体的には、図7(a)に示すように、第2ヒンジ機構42の軸心Pの位置が、軸心位置P1(蓋体20がキャップ本体10に取り付けられている状態)と、軸心位置P2(蓋体20が所定位置で保持されている状態)との間にある例えば軸心位置P3である場合においては、弾性体30及び連結体40が均衡しようとしても、図7(b)に示すように、第2回動抑制手段51の突出部511が連結体40と当接したり、図7(c)に示すように、第1回動抑制手段50の突出部501,502同士が当接したりする。
【0062】
したがって、斯かる軸心位置P3では、各回動抑制手段50,51により、弾性体30が弾性変形する状態となるため、弾性体30及び連結体40が均衡できない。これにより、弾性体30及び連結体40が均衡する位置を複数存在している場合でも、蓋体20を所定位置で保持することができる。
【0063】
なお、本発明に係るキャップ及びキャップ付容器は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。また、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0064】
例えば、上記実施形態に係るキャップ1及びキャップ付容器においては、蓋体20がキャップ本体10から離反されるのに伴って、弾性体30が伸びるように弾性変形する場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、図8及び図9に示すように、蓋体20がキャップ本体10から離反されるのに伴って、弾性体301が縮むように弾性変形する場合でもよい。
【0065】
図8及び図9に示すキャップは、第3ヒンジ機構301aを介してキャップ本体10に接続され且つ第4ヒンジ機構301bを介して蓋体20に接続される弾性体301と、第1ヒンジ機構401aを介してキャップ本体10に接続され且つ第2ヒンジ機構401bを介して蓋体20に接続される一対の連結体401,401とを備える。さらに、キャップは、蓋体20が第2ヒンジ機構401bにより回動して連結体401に所定以上接近するのを抑制すべく、一対の突出部501a,501bを有する回動抑制手段501を備える。
【0066】
弾性体301及び各連結体401は、キャップ本体10に接続される各端部が各ヒンジ機構301a,401aの軸心方向と直交する方向において離間して配置される。具体的には、各連結体401は、弾性体301に対して、キャップ本体10の軸心方向においては他端側(下方側)で、且つキャップ本体10の径方向においてはキャップ本体10の軸心寄りで、キャップ本体10に接続されている。
【0067】
そして、弾性体301及び各連結体401は、蓋体20に接続される各端部がヒンジ機構301b,401bの軸心方向と直交する方向において離間して配置される。具体的には、各連結体401は、弾性体301に対して、蓋体20の軸心方向においては一端側で、且つ蓋体20の径方向においては蓋体20の軸心寄りで、蓋体20に接続されている。斯かるキャップの作用について、図9を参酌して、以下に説明する。
【0068】
まず、図9(a)に示すように、蓋体20がキャップ本体10に取り付けられている状態においては、弾性体301が湾曲状である。このとき、弾性体301は、第3及び第4ヒンジ機構301a,301bの存在により、弾性変形していない。次に、図9(b)に示すように、蓋体20がキャップ本体10から取り外されると、弾性体301が縮むように弾性変形し、そして、各連結体401が第1ヒンジ機構401aにより回動されることで、蓋体20がキャップ本体10から離反される。
【0069】
すると、蓋体20がキャップ本体10から離反されるのに伴って、図9(c)に示すように、弾性体301がさらに縮むように弾性変形する。その後、弾性体301が所定量以上弾性変形すると、弾性体301が弾性力により復元する(伸びるように変形する)ことで蓋体20を付勢するため、蓋体20がキャップ本体10から離反する。そして、図9(d)に示すように、弾性体301が復元すると、弾性体301及び各連結体401は、キャップ本体10から離反した均衡した位置で蓋体20を保持する。
【0070】
また、上記実施形態に係るキャップ1及びキャップ付容器においては、弾性体30及び連結体40は、蓋体20に接続される各端部がヒンジ機構32,42の軸心方向と直交する方向において離間して配置される場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、図10及び図11に示すように、弾性体730及び連結体740は、蓋体720に接続される各端部がヒンジ機構732,742の軸心方向と直交する方向において一致して配置される場合でもよい。
【0071】
図10及び図11に示すキャップは、第3ヒンジ機構731を介してキャップ本体710に接続され且つ第4ヒンジ機構732を介して蓋体720に接続される一対の弾性体730,730と、第1ヒンジ機構741を介してキャップ本体710に接続され且つ第2ヒンジ機構742を介して蓋体720に接続される連結体740とを備える。さらに、キャップは、蓋体720が第2ヒンジ機構742により回動して連結体740に所定以上接近するのを抑制すべく、一対の突出部751,752を有する回動抑制手段750を備える。
【0072】
各弾性体730及び連結体740は、キャップ本体710に接続される各端部が各ヒンジ機構731,741の軸心方向と直交する方向において離間して配置される。具体的には、各弾性体730は、連結体740に対して、キャップ本体710の軸心方向においては他端側(下方側)で、且つキャップ本体710の径方向においてはキャップ本体710の軸心寄りで、キャップ本体710に接続されている。斯かるキャップの作用について、図10及び図11を参酌して、以下に説明する。
【0073】
まず、図10(a)及び(b)に示すように、蓋体720がキャップ本体710に取り付けられている状態においては、弾性体730が湾曲状である。このとき、各弾性体730は、第3及び第4ヒンジ機構731,732の存在により、弾性変形していない。そして、図10(c)及び(d)に示すように、蓋体720がキャップ本体710から取り外され、蓋体720が第2及び第4ヒンジ機構742,732により回動し、キャップ本体710から離反される。
【0074】
このとき、図11(a)に示すように、蓋体720が第2及び第4ヒンジ機構742,732により回動するが、回動抑制手段750の一対の突起部751,752同士が当接するまで、各弾性体730は、弾性変形していない。そして、一対の突起部751,752同士が当接すると、蓋体720及び連結体740が第1ヒンジ機構741により回動される。すると、蓋体720がキャップ本体710から離反されるのに伴って、各弾性体730が伸びるように弾性変形する。
【0075】
さらに、図11(b)に示すように、各弾性体730が直線状となるまで伸びるように弾性変形すると、各弾性体730が弾性力により復元する(縮むように変形する)ことで蓋体720を付勢するため、蓋体720がキャップ本体710から離反する。そして、図11(c)及び(d)に示すように、各弾性体730が復元すると、各弾性体730及び連結体740は、キャップ本体710から離反した均衡した位置で蓋体720を保持する。
【0076】
また、上記実施形態に係るキャップ1及びキャップ付容器においては、一対の弾性体30が一つの連結体40を挟むように配置される場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、弾性体が一つ又は三つ以上設けられる場合でもよく、また、連結体が二つ以上設けられる場合でもよい。
【0077】
また、上記実施形態に係るキャップ1及びキャップ付容器においては、弾性体30の幅寸法が連結体40の幅寸法より小さい場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、弾性体の幅寸法が連結体の幅寸法より大きい場合でもよく、また、弾性体の幅寸法が連結体の幅寸法と同じである場合でもよい。
【0078】
また、上記実施形態に係るキャップ1及びキャップ付容器においては、注出口12が円筒状の周壁部11の一方側の開口端部である場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、図10〜図11及び図12に示すように、注出口712a,812aは、周壁部711,811の一端部から突出する注出部712,812の先端部に配置される場合でもよい。
【0079】
なお、図10〜図11及び図12に示すキャップにおいては、蓋体720,820がキャップ本体710,810に取り付けられることで、注出部712,812が蓋本体部721,821に収容されると共に、注出口712a,812aが封止部722,822に封止される。
【0080】
また、上記実施形態に係るキャップ1及びキャップ付容器においては、蓋体20がキャップ本体10から取り外される際には、蓋体20の鍔部24が操作される場合を説明したが、斯かる場合に限られない。
【0081】
例えば、図10及び図11に示すように、蓋体720がキャップ本体710に固定されるべく、キャップ本体710の係合部715が蓋体720の被係合部725を係合している状態から、キャップ本体710の操作部716,716が押圧されることにより、キャップ本体710と蓋体720とを相対的に変位させ、係合部715と被係合部725との係合を解除する状態へ切り替え可能に構成される場合でもよい。斯かるキャップの作用について、図10を参酌して、以下に説明する。
【0082】
具体的には、図10(a)及び(b)に示すように、係合部715が被係合部725を係合する状態において、キャップ本体710の周壁部711に連結される一対の操作部716,716を径方向の内方に押圧すると、各操作部716が弾性変形する。これにより、各操作部716に設けられる凸状且つテーパー状の案内部717,717が、蓋体720に設けられる凸状且つテーパー状の被案内部726,726をそれぞれ案内する。
【0083】
すると、図10(c)及び(d)に示すように、蓋体720がキャップ本体710に対して相対的に上方へ変位する。これにより、被係合部725が係合部715に対して相対的に変位するため、係合部715と被係合部725との係合を解除する状態に切り替えられる。なお、操作部716,716が二つ設けられる場合に限られず、操作部716が一つ設けられる場合でも勿論よい。
【0084】
また、上記実施形態に係るキャップ1及びキャップ付容器においては、弾性体30は、直線状に弾性変形すると共に、弾性力により湾曲状(一つの凹状又は凸状を有する曲線状、即ち、円弧状)に復元する場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、弾性体は、複数の凹凸を有する波状の曲線状に弾性変形すると共に、弾性力により直線状に復元する場合でもよく、また、図12に示すように、弾性体830は、直線状に弾性変形すると共に、弾性力により、複数の凹凸を有する波状の曲線状に復元する場合でもよい。
【0085】
また、上記実施形態に係るキャップ1及びキャップ付容器においては、第1回動抑制手段50は、蓋体20から突出する突出部501と、連結体40から突出する突出部502とを備え、また、第2回動抑制手段51は、蓋体20から突出する突出部511を備える場合を説明したが、斯かる場合に限られない。
【0086】
例えば、図12に示すように、回転抑制手段850は、弾性体830から突出する突出部851を備える場合でもよい。斯かる構成によれば、突出部851が蓋体820に当接することで、蓋体820が第2ヒンジ機構842により回動して連結体840に所定以上接近するのを抑制できる。さらに、ヒンジ機構が樹脂製の弾性体30や連結体40の各端部の厚みを薄くすることで形成されることにより、例えば、各ヒンジ機構が弾性力を備え、各ヒンジ機構自身が弾性力により回動抑制手段の機能を有する場合でもよい。
【0087】
また、上記実施形態に係るキャップ1及びキャップ付容器においては、各弾性体30は、蓋体20がキャップ本体10に取り付けられた際に、弾性変形しない場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、図12(a)及び(c)に示すように、弾性体830は、蓋体820がキャップ本体810に取り付けられた際に、回動抑制手段850の突出部851と当接することにより、塑性変形しない程度に、僅かに弾性変形する場合でもよい。
【0088】
また、上記実施形態に係るキャップ1及びキャップ付容器においては、連結体40が直線状に形成される場合を説明したが、斯かる場合に限られず、例えば、連結体が曲線状に形成される場合や、湾曲状に形成される場合でもよい。要するに、連結体は、各ヒンジ機構により回動したり、蓋体がキャップ本体に着脱されたりしても、変形しないように剛性を有して形成されていればよい。
【0089】
また、上記実施形態に係るキャップ1及びキャップ付容器においては、各ヒンジ機構31,32,41,42は、弾性体30や連結体40の端部の厚みを薄くすることにより形成される場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、各ヒンジ機構は、ヒンジ部材(蝶番)を採用される場合でもよい。
【0090】
また、上記実施形態に係るキャップ付容器においては、キャップ1が樹脂(プラスチック)で形成される場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、キャップは、全体的に金属で形成される場合でもよく、複数の材質を組み合わせて形成される場合でもよい。特に、弾性体は、弾性変形した際に大きな弾性力(復元力)を有し且つ弾性変形した際に塑性変形しにくい材質(例えば液晶プラスチック等)で形成されるのが好ましい。
【0091】
また、上記実施形態に係るキャップ付容器においては、容器9が樹脂(プラスチック)で形成される場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、容器は、ガラスや金属(アルミやスチール)で形成される場合でもよい。
【0092】
また、上記実施形態に係るキャップ付容器においては、キャップ1が容器9と一体成形される場合を説明したが、斯かる場合に限られない。例えば、キャップが容器に着脱可能である場合(例えば図10〜図11及び図12に示すように、キャップ本体710,810の周壁部711,811の内周部に螺子部が設けられ、容器の端部に設けられる螺子部と螺合する場合)でもよく、また、キャップが容器に一度固定された後では、キャップが容器から取り外せない場合でもよい。
【符号の説明】
【0093】
1…キャップ、9…容器、10…キャップ本体、20…蓋体、30…弾性体、40…連結体、12…注出口、31…第3(の)ヒンジ機構、32…第4(の)ヒンジ機構、41…第1(の)ヒンジ機構、42…第2(の)ヒンジ機構、50…(第1)回動抑制手段、51…(第2)回動抑制手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に固定され、容器の内容物を注出するための注出口を有するキャップ本体と、注出口を開閉すべく、キャップ本体に着脱される蓋体と、キャップ本体及び蓋体を連結する弾性体とを備え、
弾性体は、蓋体がキャップ本体から離反する過程の少なくとも一部にて、弾性変形した状態から復元することで、キャップ本体から蓋体を離反させるキャップにおいて、
キャップ本体及び蓋体を連結する連結体を備え、連結体は、第1のヒンジ機構を介して、キャップ本体に接続されると共に、第1のヒンジ機構の軸心と平行な軸心を有する第2のヒンジ機構を介して、蓋体に接続されることを特徴とするキャップ。
【請求項2】
弾性体及び連結体は、キャップ本体に接続される各端部がヒンジ機構の軸心方向と直交する方向において離間して配置され、
弾性体は、蓋体がキャップ本体から取り外されて離反されるのに伴って、弾性変形すると共に、所定量以上弾性変形した際に復元することで、キャップ本体から蓋体を離反させる請求項1に記載のキャップ。
【請求項3】
弾性体は、蓋体がキャップ本体に取り付けられた際に弾性変形するのを抑制すべく、各ヒンジ機構の軸心と平行な軸心を有する第3のヒンジ機構を介して、キャップ本体に接続されると共に、第3のヒンジ機構の軸心と平行な軸心を有する第4のヒンジ機構を介して、蓋体に接続される請求項2に記載のキャップ。
【請求項4】
弾性体及び連結体は、蓋体に接続される各端部がヒンジ機構の軸心方向と直交する方向において離間して配置される請求項3に記載のキャップ。
【請求項5】
蓋体が弾性体及び連結体により所定位置で保持されるべく、蓋体が第2のヒンジ機構により回動して連結体に所定以上接近するのを抑制する回動抑制手段を備える請求項4に記載のキャップ。
【請求項6】
内容物を収容する容器と、容器に固定されるキャップとを備えるキャップ付容器において、
キャップは、容器の内容物を注出するための注出口を有するキャップ本体と、注出口を開閉すべく、キャップ本体に着脱される蓋体と、キャップ本体及び蓋体を連結する弾性体と、キャップ本体及び蓋体を連結する連結体とを備え、
弾性体は、蓋体がキャップ本体から離反する過程の少なくとも一部にて、弾性変形した状態から復元することで、キャップ本体から蓋体を離反させ、
連結体は、第1のヒンジ機構を介して、キャップ本体に接続されると共に、第1のヒンジ機構の軸心と平行な軸心を有する第2のヒンジ機構を介して、蓋体に接続されることを特徴とするキャップ付容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−178398(P2011−178398A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−41346(P2010−41346)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000206185)大成化工株式会社 (83)
【Fターム(参考)】