キャップ抜け止め構造及び散水ノズル
【課題】キャップ体が本体部から脱嵌しないように確実に抜け止めする画期的な技術。
【解決手段】嵌合凹部3に嵌入するキャップ体2の挿通孔5に螺子杆4の頭部4aが係止する頭部係止部6を設け、この嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2の挿通孔5に螺子杆4を挿通し螺子杆4の周面の螺子部9を本体部1内の螺子杆挿通部7内面の螺合部8に螺合してキャップ体2を嵌合凹部3に押さえ込み状態に止着嵌合固定する構成とし、キャップ体2の軸芯方向を前記止着嵌合固定時の軸芯方向に対して傾ける又は横方に位置ズレさせることで嵌合凹部3への嵌入・脱嵌を許容し且つこの軸芯方向の傾き又は横方の位置ズレを解除することで前記嵌入・脱嵌が阻止される脱嵌許容手段Tを備え、嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2の挿通孔5に挿通した螺子杆4によりキャップ体2の軸芯方向の傾動又は横方位置ズレが阻止され前記嵌入・脱嵌が阻止される構成とする。
【解決手段】嵌合凹部3に嵌入するキャップ体2の挿通孔5に螺子杆4の頭部4aが係止する頭部係止部6を設け、この嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2の挿通孔5に螺子杆4を挿通し螺子杆4の周面の螺子部9を本体部1内の螺子杆挿通部7内面の螺合部8に螺合してキャップ体2を嵌合凹部3に押さえ込み状態に止着嵌合固定する構成とし、キャップ体2の軸芯方向を前記止着嵌合固定時の軸芯方向に対して傾ける又は横方に位置ズレさせることで嵌合凹部3への嵌入・脱嵌を許容し且つこの軸芯方向の傾き又は横方の位置ズレを解除することで前記嵌入・脱嵌が阻止される脱嵌許容手段Tを備え、嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2の挿通孔5に挿通した螺子杆4によりキャップ体2の軸芯方向の傾動又は横方位置ズレが阻止され前記嵌入・脱嵌が阻止される構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、散水ノズルのノズルキャップなどのキャップ体を抜け止めするキャップ抜け止め構造、及びこれを備えた散水ノズルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
地面に埋設し消雪を行う散水ノズルとしては、例えば、本出願人の先願である特開2005−199273号公報に開示されているように、ノズル本体部の上部開口部に、キャップ体を嵌入し得る嵌合凹部を設け、このキャップ体にはノズル本体部の通水路と連通して水の噴出方向及び噴出角度を規定する散水路と、散水量を調整する水量調整弁筒が挿通される挿通孔とを形成し、この挿通孔には前記水量調整弁筒の頭部が係止する段状の頭部係止部を設け、この水量調整弁筒の下端部周面には、前記ノズル本体部内に形成した弁筒挿通部(螺子杆挿通部)の内面に形成した螺合部と螺合する螺子部を設け、前記ノズル本体部の上部開口部の嵌合凹部に嵌入したキャップ体の挿通孔に挿通した水量調整弁の螺子部を前記螺合部と螺合することでこの水量調整弁筒の頭部により前記キャップ体を前記嵌合凹部に押さえ込み状態に止着嵌合固定するように構成し、このキャップ体の挿通孔に挿通した水量調整弁筒の頭部は前記挿通孔内に取り付けた止め輪によりこの挿通孔内に上方抜け止め状態とし、前記水量調整弁筒に設けた弁構造により開閉される弁口の開閉調整によって散水量を調節しつつ、前記キャップ体の散水路から外方へ散水できるように構成したものがある。
【0003】
ところで、この種の散水ノズルは、一般に、ノズル本体部は路面下に埋設され、このノズル本体部の上部開口部の嵌合凹部に嵌入して止着嵌合固定した前記キャップ体は路面に略面一に露出配設される構成である為、この路面に露出するキャップ体が、キャップ体の上を通過する車のタイヤとの摩擦や通過時の振動などにより徐々に回動し、これに伴って、このキャップ体を抑え込み状態に止着嵌合固定する水量調整弁筒が緩み方向に回動すると、キャップ体が浮き上がってしまい、最終的には水量調整弁筒の螺子部とノズル本体部の螺合部との螺合が解除されノズル本体部からキャップ体が不意に脱嵌してしまうという問題を有する。
【0004】
そこで、このキャップ体が回動し水量調整弁筒が緩むことを阻止すべく、例えばキャップ体の下部に突起を設けると共に、この突起が当接するリブを前記ノズル本体部内に複数設け、このキャップ体の下部の突起がリブに回り止め係止されることでこのキャップ体をノズル本体部に対して回り止めし得るように構成したものが従来からある(例えば前述の特開2005−199273号公報も同様の技術思想によるものである。)。これは、前記の回り止め構造によってキャップ体の回動を阻止でき、それだけ水量調整弁筒が緩むことを良好に抑止できるものの、キャップ体には、このキャップ体の下部の突起がノズル本体部に設けたリブとリブとの間の間隙(遊び)内を移動可能な所定範囲内において多少のガタ付きが可能であるため、キャップ体のガタ付きによって万が一水量調整弁筒が徐々に緩み方向に回動してしまうと、結局、水量調整弁筒の緩みによりキャップ体がノズル本体部から大きく浮き上がってしまったり、ノズル本体部から脱嵌してしまったりする上記問題が生ずる。
【0005】
また、前述のようにキャップ体が大きく浮き上がった状態で、このキャップ体上に車などが通過すると、このキャップ体の挿通孔に挿通した水量調整弁筒に大きな付加がかかり、これによって水量調整弁筒が曲がったり周面の螺子部のネジ山が変形するなどの破損が生ずるといった問題も有する。
【0006】
また、更にこの種の散水ノズルは、例えばノズル本体部内の目詰まりの原因となるゴミを除去するノズル清掃作業時時においては、水量調整弁筒を大きく緩め操作してキャップ体をノズル本体部から浮き上がらせ、ノズル本体部内のゴミ(砂利など)を流し出す作業を実施するが、この際、水量調整弁筒を緩ませ過ぎてこの水量調整弁筒の螺子部とノズル本体部の螺合部との螺合が解除されると、水圧によってキャップ体がノズル本体部から勢い良く上方に飛び出す危険が有るため、このノズル清掃作業時において水量調整弁筒を緩める作業は十分に注意しながら行わなければならず、この点、作業性が悪く厄介であった。
【0007】
尚、例えば溶接などでこのノズル本体部とキャップ体,水量調整弁筒とを固着し一体化してしまえば、ノズル本体部からキャップ体が不意に脱嵌してしまう上記の問題は生じないが、しかしこれではノズル清掃時やメンテナンスの際にキャップ体や水量調整弁筒を脱着できず実用性に乏しく良好な解決策とは決して言えない。しかしながら、ノズル本体部からキャップ体や水量調整弁筒を組み外し(脱嵌)できる着脱式の構造ではどうしても上述したようなキャップ体の脱嵌(抜け外れ)の問題が生じ、これが、この種の散水ノズルにおける重要な課題となっているのが現状である。
【0008】
【特許文献1】特開2005−199273号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みて完成したものであって、散水ノズルの使用時に、この散水ノズルのキャップ体がノズル本体部(本体部)から不意に脱嵌してしまうことを確実に阻止でき、また、ノズル清掃作業時に水量調整弁筒(螺子杆)の緩め過ぎによるキャップ体の脱嵌も確実に阻止でき、また逆にメンテナンスなどでノズル本体部からキャップ体や水量調整弁筒を取り外したい場合には、それも簡単に為し得るなど、極めて実用性及び作業性に秀れた画期的な散水ノズルを実現する画期的なキャップ抜け止め構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0011】
本体部1の上部開口部1aに、キャップ体2を嵌入する嵌合凹部3を設け、このキャップ体2には螺子杆4を挿通する挿通孔5を設け、この挿通孔5には前記螺子杆4の頭部4aが当接係止する頭部係止部6を設け、前記螺子杆4は、前記本体部1内に設けた螺子杆挿通部7に挿通配設すると共に、この螺子杆4の周面には前記螺子杆挿通部7の内面に形成した螺合部8に螺合する螺子部9を形成した構成とし、前記本体部1の上部開口部1aの嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2の挿通孔5に螺子杆4を挿通してこの螺子杆4の周面の螺子部9を前記螺合部8に螺合することで前記キャップ体2を前記嵌合凹部3に押さえ込み状態に止着嵌合固定し得るように構成すると共に、前記キャップ体2の挿通孔5に挿通した螺子杆4の軸芯方向をこのキャップ体2の軸芯方向とすると、このキャップ体2を前記嵌合凹部3に止着嵌合固定した際のキャップ体2の軸芯方向に対してこのキャップ体2の軸芯方向を傾ける若しくは横方に位置ズレさせることで前記嵌合凹部3に対してキャップ体2の嵌入・脱嵌を許容し、且つこのキャップ体2を前記嵌合凹部3に止着嵌合固定した際の軸芯方向に戻すことでこのキャップ体2の嵌入・脱嵌が阻止される脱嵌許容手段Tを備えた構成とし、前記嵌合凹部3内に嵌入したキャップ体2の挿通孔5に螺子杆4を挿通した状態では、この螺子杆4が螺子杆挿通部7に挿通配設されていることで、前記キャップ体2の軸芯方向を前記脱嵌許容手段Tに嵌入・脱嵌が許容されるように傾ける若しくは横方に位置ズレさせることが阻止されてこのキャップ体2が前記脱嵌許容手段Tにより嵌合凹部3に対して脱嵌阻止状態となるように構成したことを特徴とするキャップ抜け止め構造に係るものである。
【0012】
また、前記脱嵌許容手段Tは、前記キャップ体2を前記嵌合凹部3に止着嵌合固定した際の軸芯方向と一致した軸芯方向のまま上下動させた際には前記嵌合凹部3とキャップ体2とが引っ掛り当接してこのキャップ体2の前記嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が阻止され、且つ、このキャップ体2の軸芯方向を前記嵌合凹部3に止着嵌合固定した際の軸芯方向に対して傾ける若しくは横方に位置ズレさせた状態で上下動させた際には前記嵌合凹部3aとキャップ体2とが引っ掛り当接することなくこのキャップ体2の前記嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が許容されるように前記キャップ体2若しくは嵌合凹部3の形状を形成して構成したことを特徴とする請求項1記載のキャップ抜け止め構造に係るものである。
【0013】
また、前記キャップ体2の側面に外方突出状態に,若しくは前記嵌合凹部3の内面に内方突出状態に突出部10を形成し、この突出部10が通過し得る切欠部11を有するフランジ部12を前記嵌合凹部3の内面に内方突出状態に,若しくは前記キャップ体2の側面に外方突出状態に形成し、前記突出部10と前記フランジ部12の切欠部11とを位置合わせして前記キャップ体2に形成した突出部10若しくはフランジ部12の切欠部11が傾斜下端側若しくは傾斜上端側となる傾斜方向にキャップ体2を傾動してキャップ体2の軸芯方向を所定の傾斜姿勢とすることで前記突出部10が前記フランジ部12の切欠部11を通過でき前記キャップ体2の前記嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が許容され、且つこのキャップ体2の軸芯方向を嵌合凹部3に止着嵌合固定する際の軸芯方向に戻すことで前記突出部10が前記フランジ部12の切欠部11を通過できずフランジ部12と引っ掛かり当接して前記キャップ体2の前記嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が阻止されるように前記突出部10及びフランジ部12を形成して前記脱嵌許容手段Tを構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のキャップ抜け止め構造に係るものである。
【0014】
また、前記キャップ体2の側面に外方突出状態に,若しくは前記嵌合凹部3の内面に内方突出状態に突出部10を形成し、この突出部10が通過し得る切欠部11を有するフランジ部12を前記嵌合凹部3の内面に内方突出状態に,若しくは前記キャップ体2の側面に外方突出状態に形成し、前記突出部10と前記フランジ部12の切欠部11とを位置合わせしてこの突出部10を切欠部11に通過させることでキャップ体2の前記嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が許容され、且つこの嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2を、このキャップ体2の挿通孔5に螺子杆4を挿通して前記螺子杆挿通部7に螺子杆4を挿通配設し得る軸芯位置に移動させることで、前記突出部10とフランジ部12との位置が横方に位置ズレして前記キャップ体2を嵌合凹部3に嵌入・脱嵌する際に突出部10とフランジ部12とが引っ掛り当接してこのキャップ体2の前記嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が阻止されるように前記突出部10及びフランジ部12を形成して前記脱嵌許容手段Tを構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のキャップ抜け止め構造に係るものである。
【0015】
また、前記嵌合凹部3内に嵌入したキャップ体2をこの嵌合凹部3に対して相対回動自在に構成して、前記突出部10と前記フランジ部12の切欠部11とを位置合わせしてこの切欠部11に突出部10を通過させて前記キャップ体2を嵌合凹部3内に嵌入した後、この嵌合凹部3に対して前記キャップ体2を相対回動させることで前記突出部10と前記切欠部11とを位置ズレ回動自在に構成したことを特徴とする請求項3,4のいずれか1項に記載のキャップ抜け止め構造に係るものである。
【0016】
また、前記キャップ体2の挿通孔5は、この挿通孔5に挿通した前記螺子杆4の頭部4aをこの挿通孔5内に着脱自在に抜け止め止着する螺子杆止着手段Pを備えた構成としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のキャップ抜け止め構造に係るものである。
【0017】
また、前記螺子杆止着手段Pは、前記挿通孔5の内面部にしてこの挿通孔5に挿通した螺子杆4の頭部4aより上方位置に周設した周溝部15内に止め輪16を嵌め込み配設し、この止め輪16により前記螺子杆4の頭部4aをキャップ体の挿通孔5内に上方抜け止め状態に設ける構成としたことを特徴とする請求項6記載のキャップ抜け止め構造に係るものである。
【0018】
また、請求項1〜7のいずれか1項に記載のキャップ抜け止め構造を備え、ノズル本体部1の上部開口部1aに設けた嵌合凹部3に、前記ノズル本体部1内の通水路と連通する散水路14を有するキャップ体2の軸芯方向を、前記嵌合凹部3に止着嵌合固定した際のキャップ体2の軸芯方向に対して前記脱嵌許容手段Tに嵌入・脱嵌を許容されるように傾ける若しくは横方に位置ズレさせることで嵌入・脱嵌自在に前記嵌合凹部3に嵌入し、この嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2の挿通孔5に挿通した前記螺子杆4としての水量調整弁筒4の周面の螺子部9を、前記ノズル本体部1内の螺子杆挿通部7の内面に形成した螺合部8に螺合することで、前記キャップ体2を前記嵌合凹部3に押さえ込み状態に止着嵌合固定し得るように構成すると共に、この嵌合凹部3内に嵌入したキャップ体2の挿通孔5に前記水量調整弁筒4を挿通した状態では、この水量調整弁筒4が螺子杆挿通部7に挿通配設されていることで前記キャップ体2の軸芯方向を前記脱嵌許容手段Tに嵌入・脱嵌が許容されるように傾ける若しくは横方に位置ズレさせることが阻止されてこのキャップ体2が前記脱嵌許容手段Tにより嵌合凹部3に対して脱嵌阻止状態となるように構成したことを特徴とする散水ノズルに係るものである。
【0019】
また、前記ノズル本体部1内の通水路にして前記嵌合凹部3の下方に設ける整流路17,若しくはこの整流路17と前記嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2の散水路14とを連通する連通路18に、前記嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2の下部側が配設されるように前記キャップ体2の形状を形成すると共に、前記キャップ体2を前記嵌合凹部3に止着嵌合固定した際のキャップ体2の軸芯方向と一致する軸芯方向でこのキャップ体2を上下動することでこのキャップ体2の下端側と、前記嵌合凹部3の下端部にして前記整流路17若しくは連通路18の上端部とが引っ掛り当接してこのキャップ体2の前記嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が阻止されるようにノズル本体部1内の整流路17若しくは連通路18の形状を設定して前記脱嵌許容手段Tを構成したことを特徴とする請求項8記載の散水ノズルに係るものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明は上述のように構成したから、本体部の上部開口部の嵌合凹部に嵌入したキャップ体を、螺子杆の螺子部と本体部内の螺合部との螺合により、押さえ込み状態にこの嵌合凹部に止着嵌合固定できる。
【0021】
また、この嵌合凹部に嵌入したキャップ体の挿通孔に螺子杆が挿通され、この螺子杆が本体部内の螺子杆挿通部に挿通配設されている限り、前記キャップ体の軸芯方向を、このキャップ体を嵌合凹部に止着嵌合固定した際のキャップ体の軸芯方向(以下、固定時の軸芯方向と呼ぶ)に対して傾けたり横方に位置ズレさせたりできない(脱嵌許容手段に嵌入・脱嵌が許容されるように傾けたり横方に位置ズレさせたりが阻止される。)。
【0022】
よって、本発明は、螺子杆の螺子部と本体部内の螺子杆挿通部の内面の螺合部との螺合により、キャップ体を本体部の嵌合凹部に着脱自在に止着嵌合固定できることは勿論、このように螺子杆が螺子杆挿通部内に挿通配設されている以上、キャップ体が固定時の軸芯方向に対して傾いたり横方に位置ズレたりすることができず、これにより、キャップ体は脱嵌許容手段に嵌入・脱嵌が阻止され嵌合凹部から決して脱嵌できず、よって抜け止め信頼性に極めて秀れた画期的なキャップ抜け止め構造を実現できる。
【0023】
従って、例えば本発明を、散水ノズルのノズル本体部とキャップ体との抜け止め構造として採用すれば、ノズル本体部内の清掃やメンテナンス時などにノズル本体部とキャップ体,螺子杆を組み外し(脱嵌)できる着脱自在な構造でありながら、散水ノズルの使用時やノズル性掃除などにおいてキャップ体が不意に脱嵌することを確実に阻止できる極めて実用性及び作業性に秀れた散水ノズルを実現し得るなど、画期的で極めて実用性に秀れたキャップ抜け止め構造である。
【0024】
また、請求項2〜4記載の発明においては、簡易な構成で容易に本発明を実現でき、キャップ体を固定時の軸芯方向と一致させた際にはキャップ体が嵌合凹部と引っ掛かり当接してこの嵌合凹部に対して嵌入・脱嵌できず、一方、キャップ体を前記固定時の軸芯方向に対して傾けたり横方に位置ズレさせたりした際にはキャップ体が嵌合凹部と引っ掛かり当接することなく嵌合凹部に対して嵌入・脱嵌できる、即ち、キャップ体の軸芯方向を固定時の軸芯方向に対して所定の傾き状態、若しくは所定の横方位置ズレ状態とした場合にのみ嵌合凹部への嵌入・脱嵌が許容され且つこの軸芯方向の傾きや横方の位置ズレを解除し前記固定時の軸芯方向に戻した場合にはこの嵌入・脱嵌が決して許容されない(阻止される)上述の脱嵌許容手段の脱嵌許容・阻止構造を簡易にして確実に実現でき、一層実用性に秀れたキャップ抜け止め構造となる。
【0025】
また、請求項5記載の発明においては、突出部とフランジ部の切欠部との位置を合わせてこの切欠部に突出部を通過させてキャップ体を嵌合凹部に嵌入した後に、キャップ体を回動して前記突出部と切欠部の位置をズラしてしまうので、一層確実にキャップ体の抜け止めが達成される。
【0026】
また、請求項6,7記載の発明においては、螺子杆止着手段によりキャップ体と螺子杆とが例えば止め輪などにより抜け止め止着されるため、キャップ体から螺子杆が抜け外れ、本体部からこの螺子杆だけが抜け外れてしまうといったことが無く、キャップ体と螺子杆とは一体に上下動する。
【0027】
従って、キャップ体が脱嵌許容手段により嵌合凹部からの脱嵌が阻止され、所定位置(例えばキャップ体と嵌合凹部との脱嵌阻止当接位置)より上方に上動できない以上、螺子杆も、所定の位置より緩む(上動する)ことができず、それ以上の緩みが阻止されることとなる。従って螺子杆の緩みが有る程度の位置で停止(阻止)されるので、この螺子杆の緩みによるキャップ体の浮上(嵌合凹部からの浮上)も有る程度で停止(阻止)され、また、当然このキャップ体が嵌合凹部から脱嵌することも確実に阻止される(キャップ体に螺子杆が挿通されている以上、キャップ体が本体部の嵌合凹部から脱嵌できない為)など、キャップ体の抜け止めや螺子杆の緩み阻止機能などを発揮し一層抜け止め信頼性及び実用性に秀れたキャップ抜け止め構造となる。
【0028】
また、請求項8,9記載の発明においては、前述した請求項1〜7の発明と同様の作用効果を発揮する極めて実用性及び作業性に秀れた画期的な散水ノズルとなる。
【0029】
特に、請求項9記載の発明においては、この種の一般的な散水ノズルの構造上必須である整流路17若しくは連通路18を利用して上記の抜け止め構造を実現する構成としているので、それだけ生産が容易で量産性・コスト性に秀れるなど、この点においても一層実用性に秀れた商品価値の高い散水ノズルとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0031】
本発明は、本体部1の上部開口部1aに設けた嵌合凹部3にキャップ体2を抜け止め状態に止着嵌合固定するものである。
【0032】
本発明においては、キャップ体2の挿通孔5に挿通した螺子杆4の軸芯方向をこのキャップ体2の軸芯方向とすると、このキャップ体2を前記嵌合凹部3に嵌入し止着嵌合固定した際の軸芯方向(以下、固定時の軸芯方向と呼ぶ)に対してキャップ体2の軸芯方向を傾ける若しくは横方に位置ズレさせることでこの嵌合凹部3内に対してキャップ体2の嵌入・脱嵌を許容し、且つキャップ体2の軸芯方向の前記傾きや横方の位置ズレを解除して前記固定時の軸芯方向に戻すことでこのキャップ体2の嵌入・脱嵌が阻止される脱嵌許容手段Tを備えている。
【0033】
従って、本発明の本体部1の嵌合凹部3にキャップ体2を止着嵌合固定する場合には、先ず、キャップ体2の軸芯方向を前記脱嵌許容手段Tに嵌入・脱嵌が許容されるように傾ける若しくは横方に位置ズレさせた状態として嵌合凹部3にキャップ体2を嵌入し、その上でこのキャップ体2を固定時の軸芯方向と一致するように戻してこのキャップ体2の挿通孔5に螺子杆4を挿通する。
【0034】
この挿通孔5には、前記螺子杆4の頭部4aが当接係止する頭部係止部6を設けており、従って、この螺子杆4を本体部1内に設けた螺子杆挿通部7に挿通配設すると共に、この螺子杆4の周面に形成した螺子部9を前記螺子杆挿通部7の内面に形成した螺合部8に螺合することで、螺子杆4の頭部4aによってキャップ体2の頭部係止部6を当接係止し、ひいては、キャップ体2を前記本体部1の嵌合凹部3に押さえ込み状態に止着嵌合固定できることとなる。
【0035】
また、本発明は、前述した通り脱嵌許容手段Tを備えている。そして、嵌合凹部3内に嵌入したキャップ体2の挿通孔5に螺子杆4を挿通した状態では、この螺子杆4が螺子杆挿通部7に挿通配設されていることで前記キャップ体2が前記脱嵌許容手段Tに嵌入・脱嵌を許容されるような所定量だけ軸芯方向を傾けたり横方に位置ズレさせたりすることが阻止される構成である。つまり、嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2の挿通孔5に螺子杆4を挿通して前記本体部1内の螺子杆挿通部7に挿通配設されている以上、この嵌合凹部3から脱嵌できる(脱嵌許容手段Tに嵌入・脱嵌を許容される)だけの軸芯方向の傾斜や軸芯方向の横方位置ズレをキャップ体2に与えられず、よってキャップ体2は前記脱嵌許容手段Tにより嵌合凹部3に対して脱嵌阻止状態(抜け止め状態)となる。
【0036】
尚、この脱嵌許容手段Tとしては、例えば後述する実施例のように、前記キャップ体2を固定時の軸芯方向と一致した軸芯方向のまま上下動させた際には前記嵌合凹部3とキャップ体2とが引っ掛り当接してこのキャップ体2の前記嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が阻止され、且つ、このキャップ体2の軸芯方向を固定時の軸芯方向に対して傾ける若しくは横方に位置ズレさせた状態で上下動させた際には前記嵌合凹部3aとキャップ体2とが引っ掛り当接することなくこのキャップ体2の前記嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が許容されるように前記キャップ体2若しくは嵌合凹部3の形状を形成して構成する。
【0037】
更に具体的には、例えば後述する実施例1,2のように、前記キャップ体2の側面に外方突出状態に,若しくは前記嵌合凹部3の内面に内方突出状態に突出部10を形成し、この突出部10が通過し得る切欠部11を有するフランジ部12を前記嵌合凹部3の内面に内方突出状態に,若しくは前記キャップ体2の側面に外方突出状態に形成し、前記突出部10と前記フランジ部12の切欠部11とを位置合わせして前記キャップ体2に形成した突出部10若しくはフランジ部12の切欠部11が傾斜下端側若しくは傾斜上端側となる傾斜方向にキャップ体2を傾動してキャップ体2の軸芯方向を所定の傾斜姿勢とすることで前記突出部10が前記フランジ部12の切欠部11を通過でき前記キャップ体2の前記嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が許容され、且つこのキャップ体2の軸芯方向を嵌合凹部3に止着嵌合固定する際の軸芯方向に戻すことで前記突出部10が前記フランジ部12の切欠部11を通過できずフランジ部12と引っ掛かり当接して前記キャップ体2の前記嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が阻止されるように前記突出部10及びフランジ部12を形成して前記脱嵌許容手段Tを構成する。
【0038】
即ち、例えば図3に図示したように、嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2を固定時の軸芯方向のまま上動させて突出部10を切欠部11に通過させようとしても、突出部10とフランジ部12とが当接して、この当接位置より上方にキャップ体2が上動できない(即ち、これ以上嵌合凹部3に対して浮上できず、嵌合凹部3に対して脱嵌阻止状態となる)が、しかし、図2に図示したようにキャップ体2に設けた突出部10若しくは切欠部11(図2においては突出部10)が傾斜上端側若しくは傾斜下端側(図2においては傾斜上端側)となる傾斜方向にキャップ体2の軸芯方向を傾けさせることで、突出部10を切欠部11に通過させることができ、ひいては、嵌合凹部3からキャップ体2を脱嵌(嵌入)できることとなる。
【0039】
また或いは、後述する実施例3のように、前記キャップ体2の側面に外方突出状態に,若しくは前記嵌合凹部3の内面に内方突出状態に突出部10を形成し、この突出部10が通過し得る切欠部11を有するフランジ部12を前記嵌合凹部3の内面に内方突出状態に,若しくは前記キャップ体2の側面に外方突出状態に形成し、前記突出部10と前記フランジ部12の切欠部11とを位置合わせしてこの突出部10を切欠部11に通過させることでキャップ体2の前記嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が許容され、且つこの嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2を、このキャップ体2の挿通孔5に螺子杆4を挿通して前記螺子杆挿通部7に螺子杆4を挿通配設し得る軸芯位置に移動させることで、前記突出部10とフランジ部12との位置が横方に位置ズレして前記キャップ体2を嵌合凹部3に嵌入・脱嵌する際に突出部10とフランジ部12とが引っ掛り当接してこのキャップ体2の前記嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が阻止されるように前記突出部10及びフランジ部12を形成して前記脱嵌許容手段Tを構成する。
【0040】
即ち、例えば図14に図示したように、嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2を固定時の軸芯方向のまま上動させようとしてもこのキャップ体2に例えば二箇所に突出状態に設けた突出部10のうちの一方(図14中,左側の突出部10)が嵌合凹部3に突出状態に設けたフランジ部12と引っ掛り当接してこの当接位置より上方にキャップ体2が上動できず、しかし、図13に図示したように、キャップ体2を固定時の軸芯方向から横方に位置ズレさせることで、キャップ体2に設けた一方の突出部10(図13中,右側の突出部10)が切欠部11を通過し、もう一方の突出部10(図13中,左側の突出部10)もフランジ部12に引っ掛かり当接することがなく、よって、嵌合凹部3からキャップ体2を脱嵌(嵌入)できることとなるように構成する。
【0041】
例えば前述したような脱嵌許容手段Tの構成とすることで、キャップ体2を固定時の軸芯方向としたり、或いはその固定時の軸芯方向に対してキャップ体2の軸芯方向を傾けたり横方に位置ズレさせたりすることによりキャップ体2の嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が許容若しくは阻止される脱嵌許容手段Tの構造を簡易にして確実に実現可能となる。
【0042】
以上、本発明は、本体部1の嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2の挿通孔5に螺子杆4が挿通され、この螺子杆4が本体部1内の螺子杆挿通部7に挿通されている限り、前記キャップ体2の軸芯方向を脱嵌許容手段Tによる嵌入・脱嵌が許容されるような所定量だけ傾けたり横方に位置ズレさせたりすることができず、これにより嵌合凹部3からの脱嵌が阻止されるために、この嵌合凹部3から大きく浮き上がったり、最終的には嵌合凹部3から脱嵌したりするキャップの抜け外れの問題を確実に阻止でき、この嵌合凹部3内にキャップ体2を確実に抜け止め状態に保持できることとなる。また、逆に、この螺子杆4をキャップ体2の挿通孔5から取り外すと共にこのキャップ体2の軸芯方向を所定量だけ傾けたり横方に位置ズレさせれば、嵌合凹部3からキャップ体2を脱嵌することも簡易に可能でキャップ体2を脱嵌してのメンテナンス作業なども良好に行えることとなる。
【0043】
また、例えば後述する実施例のように、前記キャップ体2の挿通孔5は、この挿通孔5に挿通した前記螺子杆4の頭部4aを(例えば止め輪16などを取り付けることで)この挿通孔5内に着脱自在に抜け止め止着する螺子杆止着手段Pを備えた構成とした場合には、キャップ体2と螺子杆4とが一体に上下動することとなる。即ち、この螺子杆止着手段Pにより螺子杆4がキャップ体2の挿通孔5に抜け止め止着されている以上、前記本体部1の螺合部8と螺合しているこの螺子杆4が、何らかの影響で緩み螺動して螺合が解除されてこの螺子杆4だけがキャップ体2から抜け外れて本体部1から取り外れてしまうといったことが無く、つまりは前記螺子杆止着手段Pの抜け止め止着を解除しない限りキャップ体2から螺子杆4が抜け出ることは無くキャップ体2が本体部1から脱嵌してしまうことも決して無い。
【0044】
また、キャップ体2が前記脱嵌許容手段Tにより嵌合凹部3に対して脱着阻止され、所定の脱嵌阻止位置より上方に上動できない以上、螺子杆4の緩みによる上動螺動も所定範囲に制限されることとなる。つまり螺子杆4が大きく緩み螺動してキャップ体2が嵌合凹部3から大きく浮上状態となることも阻止されることとなる。
【0045】
よって、この本発明を例えば散水ノズルのノズル本体部1とキャップ体2との抜け止め構造として採用した場合、即ち、後述する実施例のように、ノズル本体部1の上部開口部1aに設けた嵌合凹部3に、前記ノズル本体部1内の通水路と連通する散水路14を有するキャップ体2の軸芯方向を、前記嵌合凹部3に止着嵌合固定した際のキャップ体2の軸芯方向に対して前記脱嵌許容手段Tに嵌入・脱嵌を許容されるように傾ける若しくは横方に位置ズレさせることで嵌入・脱嵌自在に前記嵌合凹部3に嵌入し、この嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2の挿通孔5に挿通した前記螺子杆4としての水量調整弁筒4の周面の螺子部9を、前記ノズル本体部1内の螺子杆挿通部7の内面に形成した螺合部8に螺合することで、前記キャップ体2を前記嵌合凹部3に押さえ込み状態に止着嵌合固定し得るように構成した散水ノズルの前記キャップ体2の抜け止め構造に本発明を適用することとし、この嵌合凹部3内に嵌入したキャップ体2の挿通孔5に前記水量調整弁筒4を挿通した状態では、この水量調整弁筒4が螺子杆挿通部7に挿通配設されていることで前記キャップ体2の軸芯方向を前記脱嵌許容手段Tに嵌入・脱嵌が許容されるように傾ける若しくは横方に位置ズレさせることが阻止されてこのキャップ体2が前記脱嵌許容手段Tにより嵌合凹部3に対して脱嵌阻止状態となるように構成した場合には、キャップ体2から水量調整弁筒4を取り外さない限り、キャップ体2が決してノズル本体部1の嵌合凹部3から抜け出ることは無く、また逆にこのキャップ体2から水量調整弁筒4を外してキャップ体2の軸芯方向を傾ける若しくは横方に位置ズレさせれば前記嵌合凹部3からキャップ体2を脱嵌することも簡易に可能となる。
【0046】
よって、本発明は、例えば散水ノズルの使用中にキャップ体2が不意にノズル本体部1から脱嵌してしまう問題が生じ得ず、ノズル清掃時(水量調整弁筒4を緩み螺動操作してキャップ体2をノズル本体部1の嵌合凹部3から浮上させてノズル本体部1内のゴミを流し出す作業時)にも、水量調整弁筒4の緩め過ぎにより水量調整弁筒4の螺子部9とノズル本体部1の螺合部8との螺合が解除されキャップ体2が不意に脱嵌し水圧により勢い良く上方に飛び出すといった心配は一切無く安全且つ作業性良くこのノズル清掃作業が行え、更に、メンテナンスなどでノズル本体部1(本体部1)からキャップ体2や水量調整弁筒4(螺子杆4)を脱嵌したい場合にはそれも簡易に行えるなど、極めて実用性及び作業性に秀れた散水ノズルを実現可能とする画期的なキャップ抜け止め構造となる。
【実施例1】
【0047】
本発明の具体的な実施例1について図面に基づいて説明する。
【0048】
本実施例は、本体部1の上部開口部1aに、キャップ体2を嵌入する嵌合凹部3を設け、このキャップ体2には螺子杆4を挿通する挿通孔5を設け、この挿通孔5には前記螺子杆4の頭部4aが当接係止する頭部係止部6を設け、前記螺子杆4は、前記本体部1内に設けた螺子杆挿通部7に挿通配設すると共に、この螺子杆4の周面には前記螺子杆挿通部7の内面に形成した螺合部8に螺合する螺子部9を形成した構成とし、前記本体部1の上部開口部1aの嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2の挿通孔5に螺子杆4を挿通してこの螺子杆4の周面の螺子部9を前記螺合部8に螺合することで前記キャップ体2を前記嵌合凹部3に押さえ込み状態に止着嵌合固定し得るように構成すると共に、このキャップ体2の挿通孔5に挿通した螺子杆4の軸芯方向をこのキャップ体2の軸芯方向とすると、このキャップ体2を前記嵌合凹部3に止着嵌合固定した際のキャップ体2の軸芯方向(以下、固定時の軸芯方向)に対してこのキャップ体2の軸芯方向を傾ける若しくは横方に位置ズレさせることで前記嵌合凹部3に対してキャップ体2の嵌入・脱嵌を許容し、且つこのキャップ体2を固定時の軸芯方向に戻すことでこのキャップ体2の嵌入・脱嵌が阻止される脱嵌許容手段Tを備え、前記嵌合凹部3内に嵌入したキャップ体2の挿通孔5に螺子杆4を挿通した状態では、この螺子杆4が螺子杆挿通部7に挿通配設されていることで、前記キャップ体2の軸芯方向を前記脱嵌許容手段Tに嵌入・脱嵌が許容されるように傾けることが阻止されてこのキャップ体2が前記脱嵌許容手段Tにより嵌合凹部3に対して脱嵌阻止状態となるように構成したキャップ抜け止め構造である。
【0049】
また、本実施例は、このキャップ抜け止め構造を散水ノズルに適用した場合を例にして説明するが、本実施例の特性を発揮する構成であればその適用範囲は多岐にわたるものである。
【0050】
即ち、本実施例においては、ノズル本体部1の上部開口部1aに設けた嵌合凹部3に、前記ノズル本体部1内の通水路と連通する散水路14を有するキャップ体2を、前記脱嵌許容手段Tに嵌入・脱嵌を許容される所定の傾斜姿勢(軸芯方向を傾斜状態)に傾動することで嵌入・脱嵌自在に嵌入し、ノズル本体部1の上部開口部1aの嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2の挿通孔5に挿通した前記螺子杆4としての水量調整弁筒4の周面の螺子部9を、前記ノズル本体部1内の螺子杆挿通部7の内面に形成した螺合部8に螺合することで、前記キャップ体2を前記嵌合凹部3に押さえ込み状態に止着嵌合固定し得るように構成した散水ノズルの抜け止め構造として適用した場合を例に説明する。
【0051】
本実施例のノズル本体部1は、図1に図示したように、上部開口部1aに嵌合凹部3を有するラッパ管状に形成したものであり、路面に埋設された供給管から立設された枝管の上端部に被嵌連設する枝管被嵌部19を下部にして上流側に設けたものである。尚、図中,符号19aは液漏れ阻止用の樹脂製カバー体19aである。
【0052】
また、このノズル本体部1内にして前記枝管被嵌部19の上方は、内壁を肉厚に設けることで内径を縮径して、図4に図示したように水量調整弁筒4(螺子杆4)の下部側を挿通配設する螺子杆挿通部7を設けている。また、この螺子杆挿通部7の一部には、水量調整弁筒4の周面に形成した前記螺子部9を螺合する螺合部8(ネジ山)を形成した構成である。
【0053】
更に、このノズル本体部1の螺子杆挿通部7の上方には、後述する水量調整弁筒4の弁口22を介して水量調整弁筒4内の通水路と連通する整流路17が形成され、更にこの整流路17の上部に回り止めフランジ部20を設けると共にこの回り止めフランジ部20を介して上部にして下流側は、前記整流路17と、このノズル本体部1の上部開口部1a若しくは嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2の散水路14とを連通する連通路18として構成している。尚、前記の回り止めフランジ部20は、図1に図示したように、フランジ上面に上方突出状態にリブ20aを所定の間隔を介して複数突設しており、後述のキャップ体2の下部の回り止め突部13がこのリブ20a間に介存配設されるものである。
【0054】
また、このノズル本体部1のこの連通路18は、図2〜図4に図示したように、前記嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2の下部側が配設されるので、このキャップ体2を前記脱嵌許容手段Tに嵌入・脱嵌を許容される所定の傾動姿勢に傾動する際、このキャップ体2の下部側がこの連通路18に当接して前記傾動が阻止されることがないように(連通路18の内面が前記キャップ体2の傾動の邪魔とならないように)、十分に広い空間部を有する形状に設定している。尚、本実施例では、ノズル本体部1内の前記回り止めフランジ部20を介して上流側にして下部を整流路17,下流側にして上部を連通路18として分けているが、図示したこの連通路18も前記整流路17と同様に整流作用を発揮するものであり、この整流路17と連通路18とをもって整流路17と定義しても良い。
【0055】
このノズル本体部1の連通路18の上部には嵌合凹部3を設けており、この嵌合凹部3は、図1に図示したように、ノズル本体部1内にフランジ状にして内方突出状態に設けられており、キャップ体2の側周面のテーパ状部と略合致する上方ほど拡径するテーパ状の内周面を有した形状である。
【0056】
ここで、本実施例においては、脱嵌許容手段Tとして、前記キャップ体2を所定の傾斜姿勢とした際には、この嵌合凹部3とキャップ体2とが引っ掛り当接することなくこの嵌合凹部3に対してキャップ体2を嵌入・脱嵌でき、且つ、この傾斜姿勢を解除して前記固定姿勢とした際には、この嵌合凹部3aとキャップ体2とが引っ掛り当接してこの嵌合凹部3に対してキャップ体2の嵌入・脱嵌が阻止されるように前記キャップ体2及び嵌合凹部3の形状を形成することで前記脱嵌許容手段Tを構成している。
【0057】
更に具体的には、前記キャップ体2の側面に外方突出状態に,若しくは前記嵌合凹部3の内面に内方突出状態に突出部10を形成し、この突出部10が通過し得る切欠部11を有するフランジ部12を前記嵌合凹部3の内面に内方突出状態に,若しくは前記キャップ体2の側面に外方突出状態に形成し、前記突出部10と前記フランジ部12の切欠部11とを位置合わせし、キャップ体2に形成した突出部10若しくはフランジ部12の切欠部11が傾斜下端側若しくは傾斜上端側となる傾斜方向にキャップ体2を傾動して所定の傾斜姿勢とし、図4に図示したようなキャップ体2の前記固定時の軸芯方向に対して、図2に図示したように傾けた軸芯方向とすることで、前記突出部10が前記フランジ部12の切欠部11を通過でき前記キャップ体2が前記嵌合凹部3に対して嵌入・脱嵌でき、且つこの傾斜姿勢を解除して前記固定姿勢とすることで前記突出部10が前記フランジ部12の切欠部11を通過できずにフランジ部12と引っ掛かり当接して前記キャップ体2が前記嵌合凹部3に対して嵌入・脱嵌できないように構成するものであって、図示した本実施例(実施例1)においては、キャップ体2の側面に外方突出状態に突出部10を設け、ノズル本体部1の嵌合凹部3自体を前記脱嵌許容手段Tのフランジ部12とし、この嵌合凹部3にしてフランジ部12の内方突出状態の内周面の一部(周縁)には、図1及び図5に図示したように、内方突出端側から基端側に向けて切欠部11を形成した構成である。
【0058】
このノズル本体部1の嵌合凹部3に嵌入するキャップ体2は、図1に図示したように、側周面(外周面)の上部側に、嵌合凹部3のテーパ状の内周面と略合致するテーパ状の部位を有する形状である。また、このキャップ体2の側周面には、図5に図示したように、一定の間隔を介して凹溝を形成して散水路14を構成している。即ち、このキャップ体2を嵌合凹部3に止着嵌合固定した際には、この凹溝状の散水路14と前記嵌合凹部3の内周面との間の隙間を通水して散水が為される構成で、また、ノズル本体部1の清掃時など、このキャップ体2を嵌合凹部3に対して浮上状態とした場合には、このキャップ体2の側周面と嵌合凹部3の内周面との隙を通水できるように構成したものである。
【0059】
また、この嵌合凹部3に対してキャップ体2が浮いた場合に、キャップ体2がガタつくことでこのキャップ体2の挿通孔5に挿通した水量調整弁筒4への過度の負担が加わることを抑制すべく、図3及び図4に図示したように、このキャップ体2の側周面のテーパ状の部位より下方には、径が一定のストレート状の部位を上下に長範囲に形成し、このストレート状の部位と前記嵌合凹部3の内周面(径の最も小さい部位)とのクリアランスを小さく設定することで、このキャップ体2と嵌合凹部3とのガタつきを小さく抑制できるように構成している。の周面部と前記嵌合凹部3の内周面とが当接しキャップ体2のガタつきをなるべく小さく制限できるようにしている(キャップの遊びを抑えた構成である)。
【0060】
また、図5に図示したように、このキャップ体2の側周面の前記ストレート状の部位より下部は段部を介して縮径した形状としており、この下端部の縮径した部位に、上記脱嵌許容手段Tの突状部10を設けている(図示した本実施例においては、この側周面にして下端部に、互いに対向する側方(外方)に向けて突出状態に二つの突出部10を設けている。)。
【0061】
また、このキャップ体2の下部には、下方突出状態に回り止め突部13を下方に突設し、図4に図示したように、このキャップ体2を嵌合凹部3に嵌入し密接させた状態とすると、この回り止め凸部13がノズル本体部1の回り止めフランジ部20のフランジ上面に形成した複数のリブ20a間の間隙に没入するように構成している。
【0062】
従って、このキャップ体2をノズル本体部1の嵌合凹部3内に止着嵌合固定した際、このキャップ体2の下部の回り止め突部13と前記リブ20aとが当接することでこのキャップ体2のノズル本体部1に対する回動が規制される(回動可能範囲が、リブ20a間の間隙の範囲のみに限定される)構成である。
【0063】
また、このキャップ体2の中央部には挿通孔5を設けており、この挿通孔5の内面には段部を形成し、水量調整弁筒4の頭部4aがこの段部に当接係止するように構成してこの挿通孔5に頭部係止部6を設けた構成とする。また、この挿通孔5の頭部係止部6に水量調整弁筒4を当接係止した状態でこの挿通孔5の内面と水量調整弁筒4とが略合致する孔径状としている。
【0064】
また、本実施例においては、この挿通孔5に挿通した前記水量調整弁筒4の頭部4aをこの挿通孔5内に着脱自在に抜け止め止着する螺子杆止着手段Pを備えた構成としている。
【0065】
具体的には、図4及び図5に図示したように前記挿通孔5の内面部にしてこの挿通孔5に挿通した水量調整弁筒4の頭部4aより上方位置に周溝部15を周設しており、この挿通孔5に水量調整弁筒4を挿通した上で、前記周溝部15に図4及び図5に図示したような止め輪16(Cリング)を嵌め込み配設する(止め輪16をかしめて前記周溝部15に嵌め込む)ことで、この止め輪16により前記水量調整弁筒4の頭部4aをキャップ体2の挿通孔5内に上方抜け止め状態にする。
【0066】
従って、前記止め輪16により前記水量調整弁筒4が前記キャップ体2の挿通孔5内に抜け止めされキャップ体2と水量調整弁筒4とが一体となり、また、この止め輪16を前記挿通孔5の周溝部15から取り外せばキャップ体2と挿通孔5とを脱着できる構成である。
【0067】
このキャップ体2の挿通孔5に挿通する水量調整弁筒4は、図3〜図5に図示したように、前記挿通孔5に略合致する円筒状に構成しており、頭部4aが前記挿通孔5の段状の頭部係止部6に当接係止し得るように段部を形成して頭部4a(上部)が径大となるように構成しており、また、下端側には、ノズル本体部1の螺子杆挿通部7の内面の螺合部8に螺合する螺子部9を形成したものである。
【0068】
また、弁構造を備え、この弁構造により開閉される弁口22の開閉調整によって散水量を調整し得るものである。この水量調整弁筒4の弁構造としては様々な構造があり、図示した本実施例においては、外側弁口22aを側周面に有する外筒体23内に、内側弁口22bを側周面に有する内筒体24を相対回動自在に嵌入配設し、図5に図示したように内筒体24の天部に設けた工具挿入溝24aに螺動操作工具(マイナスドライバなど)を挿入して外筒体23に対して内筒体24を相対回動せしめることで外筒体23の外側弁口22aと内筒体24の内側弁口22bとの重合量を調整することで弁口22の開閉及び開口量を調整する二重筒構造を採用したものであるが、このような弁構造は、既存の散水ノズルの水量調整弁筒4として一般的な構造であり、その詳細な説明は本発明の要旨と直接関係しないので省略する。
【0069】
尚、この水量調整弁筒4の下部側の螺子部9の上側には樹脂製のOリング25を被嵌し、図4に図示したように、この水量調整弁筒4をノズル本体部1の螺子杆挿通部7に挿通配設した際にこのOリング25が前記螺子杆挿通部7の上部内面(螺合部8の上側の内面)に止水状態に弾圧当接するように構成している。また、頭部4aにも樹脂製のOリング26を被嵌し、図4に図示したように、この水量調整弁筒4をキャップ体2の挿通孔5に挿通した際にこのOリング26が前記挿通孔5の内面に止水状態に弾圧当接するように構成している。尚、図中,符号27は、前記内筒体24の天部に着脱自在に嵌着してこの天部の工具挿入溝24aをカバーする天部カバー体27である。
【0070】
以上のように構成した本実施例のノズル本体部1とキャップ体2と水量調整弁筒4との組み付け手順を説明する。
【0071】
先ず、図1に図示したように、水量調整弁筒4を挿通孔5に挿通していない状態でキャップ体2をノズル本体部1の嵌合凹部3に嵌入する。
【0072】
この際、脱嵌許容手段Tによりキャップ体2の嵌合凹部3に対する嵌入が許容されるように所定の傾斜姿勢に傾動してキャップ体2の固定時の軸芯方向に対して、図2に図示したように傾いた軸芯方向とすることで嵌入作業を行う(この際、キャップ体2の挿通孔5に水量調整弁筒4が挿通配設されていると、この水量調整弁筒4が邪魔でキャップ体2を傾けた状態に嵌入できない。)。
【0073】
即ち、キャップ体2に設けた一対の突出部10のうちの一の突出部10(切欠部11に通過させるための突出部10であり、図1,図2及び図3中、右側の突出部10)と、前記嵌合凹部3のフランジ部12(本実施例では嵌合凹部3自体がフランジ部12である。)に形成した切欠部11と位置合わせして、図2に図示したように、キャップ体2の一方の突出部10(切欠部11に通過させるための、図2中、右側の突出部10)が傾斜上端側となるような傾斜姿勢にして、他方の突出部10を設けた傾斜下端側を嵌合凹部3内に挿入する。
【0074】
次いで、図3に図示したように、キャップ体2の前記一方の突出部10を前記切欠部11に通過させることで、このキャップ体2を嵌合凹部3に嵌入できることとなる。
【0075】
次いで、図4に図示したように、このように嵌合凹部3内に嵌入したキャップ体2の挿通孔5に水量調整弁筒4を挿通し、この水量調整弁筒4の下部をノズル本体部1内の螺子杆挿通部7に挿通配設し、この水量調整弁筒4の螺子部9を螺子杆挿通部7の螺合部8に螺合することでキャップ体2を前記嵌合凹部3に押さえ込み状態に止着嵌合固定し、更にキャップ体2の挿通孔5の内面の周溝部15に止め輪16を嵌め込み配設してキャップ体2と水量調整弁筒4とを抜け止め止着して、このノズル本体部1にキャップ体2と嵌合凹部3とを組み付けできることとなる。
【0076】
ところで、このようにキャップ体2を嵌合凹部3に止着嵌合固定する際、キャップ体2の下部は前記連通路18内に配設される。このキャップ体2をこの固定姿勢のまま、水量調整弁筒4を緩め回動して嵌合凹部3に対して浮上状態となるように上動すると、このキャップ体2の下部側の突出部10と、このキャップ体2の下部側の突出部10が配設される連通路18の上端部にして嵌合凹部3の下端部(即ち、フランジ部12の下面)とが引っ掛り当接することとなり、よって、図3に図示したようにキャップ体2の下部側の突出部10と前記連通路18の状端部にして嵌合凹部3の下端部とが引っ掛り当接する位置より上方にはキャップ体2が上動できず、よって、キャップ体2を嵌合凹部3から少しだけ浮き上がらせることは良好にでき、且つ、それ以上極端に大きく浮き上がってしまうことは確実に阻止でき、また同時に、水量調整弁筒4の緩め回動もこのキャップ体2の上動限界位置で停止されることとなり、それ以上緩め回動できない(つまり、それ以上水量調整弁筒4が緩まない)こととなる。
【0077】
一方、キャップ体2を嵌合凹部3から脱嵌したい場合、このキャップ体2の嵌合凹部5の周溝部15から止め輪16を取り外せば、水量調整弁筒4を際限なく緩め回動でき、最終的にはノズル本体部1及びキャップ体2からこの水量調整弁筒4を抜き出せる。こうして水量調整弁筒4を取り出せば、この水量調整弁筒4が邪魔になることなくキャップ体2を良好に傾動させ所定の傾斜姿勢とすることができ、よって、図2及び図3に図示したように、キャップ体2を傾動させつつ、このキャップ体2の一方の突出部10(切欠部11に通過せしめる突出部10)を、ノズル本体部1の連通路18の上端部にして嵌合凹部3の下端部(即ち、フランジ部12の下面)と引っ掛り当接することなく前記切欠部11に通過させ、このようにしてキャップ体2を嵌合凹部3から脱嵌できることとなる。
【0078】
尚、本実施例においては、嵌合凹部3内に嵌入したキャップ体2を嵌合凹部3に密接させると、図4に図示したようにキャップ体2の下部の回り止め突部13がノズル本体部1の回り止めフランジ部20の複数のリブ20a間の隙間に没入して回り止めされるが、しかし、図3に図示したように嵌合凹部3内に嵌入したキャップ体2をこの嵌合凹部3に浮上状態とした際には、キャップ体2の回り止め突部13と前記リブ20aとが当接せず、このキャップ体2を嵌合凹部3に対して相対回動自在に構成している。よって、図3に図示したキャップ体2の浮上状態で、嵌合凹部3に対して相対回動させることで、前述のように位置合わせした突出部10と切欠部11の位置をずらしてから、図4に図示したように水量調整弁筒4でキャップ体2を嵌合凹部3に止着嵌合固定することで、一層堅固なキャップ体2の抜け止めを達成することも可能である(キャップ体2を嵌合凹部3から脱嵌するには位置ズレ状態にあるキャップ体2の突出部10と前記切欠部11とを再度位置合わせしなければならなくなり一層堅固な抜け止め構造となる。)。
【0079】
上述のように構成した本実施例は、ノズル本体部1の嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2から、上記止め輪16を取り外して水量調整弁筒4を取り外さない限りこのキャップ体2や水量調整弁筒4がノズル本体部1から抜け出ることを確実に阻止できる。
【0080】
また逆に、止め輪16を取り外して水量調整弁筒4をキャップ体2から取り外してこのキャップ体2を傾斜姿勢とすれば、このキャップ体2をノズル本体部1から脱嵌することも簡易に達成できる。
【0081】
よって、本実施例は、例えば散水ノズルの使用中にキャップ体2が例えばこの散水ノズルの上部を通過する車の摩擦や振動などの外部の影響によって水量調整弁筒4が徐々に緩み、不意にノズル本体部1から脱嵌してしまったり、キャップ体2が極端に大きく浮き上がってしまい、車が乗り上げた際の加重でキャップ体2や水量調整弁筒4の破損を生ずるといった問題は決して生じ得ず、また、ノズル清掃時(水量調整弁筒4を緩み螺動操作してキャップ体2をノズル本体部1の嵌合凹部3から浮上させてノズル本体部1内のゴミを流し出す作業時)にも、水量調整弁筒4の緩め過ぎにより水量調整弁筒4の螺子部9とノズル本体部1の螺合部8との螺合が解除されキャップ体2が不意に脱嵌し水圧により勢い良く上方に飛び出すといった心配は一切無く安全且つ作業性良くこのノズル清掃作業が行え、更に、メンテナンスなどでノズル本体部1からキャップ体2や水量調整弁筒4を脱嵌したい場合にはそれも簡易に行えるなど、極めて実用性及び作業性に秀れた画期的な抜け止め構造を備えた散水ノズルとなる。
【実施例2】
【0082】
本発明の具体的な実施例2について図面に基づいて説明する。
【0083】
本実施例は、実施例1に係るキャップ抜け止め構造の別例であり、具体的には、前述した実施例1とは異なり、脱嵌許容手段Tの突出部10をキャップ体2ではなく嵌合凹部3に設け、フランジ部12及び切欠部11を嵌合凹部3ではなくキャップ体2に設ける構成としたものである。
【0084】
詳述すると、図12に図示したように、キャップ体2の側周面のテーパ状の部位の下部のストレート状の部位に凹欠溝部28を複数形成することで、このキャップ体2の下部に側方(外方)に突出するフランジ部12を有すると共にこのフランジ部12の一部を内方に向けて切欠する切欠部11を有する凹欠溝部28を前記キャップ体2の側周面に複数形成(本実施例においては4つ形成)した構成とする。一方、嵌合凹部3の下端部にしてノズル本体部1の整流路17(実施例2では、連通路18は設けず整流路17のみとする)の上端部の所定位置に、内方に向けて突出状態に突出部10を設けた構成としている。
【0085】
以上のように構成した本実施例は、図6に図示したように、水量調整弁筒4を挿通孔5に挿通していない状態でキャップ体2をノズル本体部1の嵌合凹部3に嵌入する。
【0086】
この際、脱嵌許容手段Tによりキャップ体2の嵌合凹部3に対する嵌入が許容されるように所定の傾斜姿勢に傾動して前記固定時の軸芯方向に対して傾いた軸芯方向としたうえで嵌入作業を行う。具体的には、キャップ体2に形成した複数の凹欠溝部28のうちの何れか一つの凹欠溝部28のフランジ部12の切欠部11と、前記嵌合凹部3に形成した突出部10とを位置合わせして、図7に図示したように、キャップ体2の切欠部11が傾斜下端側となるような傾斜姿勢にしてこのキャップ体2の切欠部11に嵌合凹部3の突出部10を通過させつつこのキャップ体2の傾斜下端側を嵌合凹部3内に挿入し、次いで、図8に図示したように反対側(傾斜上端側)もこの嵌合凹部3内に挿入することでこのキャップ体2を嵌合凹部3に嵌入できることとなる。
【0087】
従って、図9に図示したように嵌合凹部3にキャップ体2を密接して、前述の実施例1と同様に、キャップ体2の挿通孔5に水量調整弁筒4を挿通してこの水量調整弁筒4の螺子部9とノズル本体部1内の螺子杆挿通部7の螺合部8とを螺合することでキャップ体2を嵌合凹部3に押さえ込み状態に止着嵌合固定できる。
【0088】
また、このキャップ体2をこの固定姿勢のまま、水量調整弁筒4を緩め回動して嵌合凹部3に対して浮上状態となるように上動すると、このキャップ体2の下部のフランジ部12と、嵌合凹部3の下端部にして整流路17の上端部に形成された突出部10とが引っ掛り当接することとなる。つまり、図7に図示したように、キャップ体2を所定の傾斜姿勢としなければこのキャップ体2が嵌合凹部3に対して嵌入・脱嵌することは脱嵌許容手段Tにより確実に阻止されることとなる。
【0089】
尚、本実施例では、キャップ体2に形成した凹欠溝部28の上部には回り止め凹部29が形成されており、図9に図示したように、嵌合凹部3内に嵌入したキャップ体2を嵌合凹部3に密接させると、嵌合凹部3の突出部10がこのキャップ体2の凹欠溝部28の回り止め凹部29に没入し、これにより嵌合凹部3とキャップ体2とが回り止めされるように構成している。
【0090】
従って、図10に図示したように、キャップ体2の凹欠溝部28のフランジ部12の切欠部11と、嵌合凹部3の突出部10を位置合わせしてこの嵌合凹部3にキャップ体2を嵌入した後、図11に図示したように、嵌合凹部3とキャップ体2とを相対回動して前記切欠部11と突出部10との位置をズラした上でこのキャップ体2を下動して嵌合凹部3に密接させると共にキャップ体2の回り止め凹部29に嵌合凹部3の突出部10を没入させることで、前記突出部10と切欠部11とを位置ズレ状態にしてキャップ体2を回り止め状態に嵌合凹部3に止着嵌合固定することもできる。
【0091】
その余は実施例1と同様である。
【実施例3】
【0092】
本発明の具体的な実施例3について図面に基づいて説明する。
【0093】
本実施例は、実施例1に係るキャップ抜け止め構造の別例であり、具体的には、前記脱嵌許容手段Tを、前記キャップ体2を前記嵌合凹部3に止着嵌合固定した際の軸芯方向に対してこのキャップ体2の軸芯方向を傾けるのではなく、図13及び図14に図示したように、軸芯方向を横方に位置ズレさせることにより前期嵌合凹部3に対するキャップ体2の嵌入・脱嵌を許容し、この軸芯方向の横方位置ズレを前記固定時の軸芯方向位置へと戻すことによりこの嵌入・脱嵌が阻止されるように構成したタイプの別例である。
【0094】
具体的には、前記キャップ体2の側面に外方突出状態に,若しくは前記嵌合凹部3の内面に内方突出状態に突出部10を形成し、この突出部10が通過し得る切欠部11を有するフランジ部12を前記嵌合凹部3の内面に内方突出状態に,若しくは前記キャップ体2の側面に外方突出状態に形成し、前記突出部10と前記フランジ部12の切欠部11とを位置合わせしてこの突出部10を切欠部11に通過させることでキャップ体2の前記嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が許容され、且つこの嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2を、このキャップ体2の挿通孔5に螺子杆4を挿通して前記螺子杆挿通部7に螺子杆4を挿通配設し得る軸芯位置に移動させることで、前記突出部10とフランジ部12との位置が横方に位置ズレして前記キャップ体2を嵌合凹部3に嵌入・脱嵌する際に突出部10とフランジ部12とが引っ掛り当接してこのキャップ体2の前記嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が阻止されるように前記突出部10及びフランジ部12を形成して前記脱嵌許容手段Tを構成したものである。
【0095】
詳述すると、キャップ体2の側面に突出部10を複数突出形成する。図示した本実施例においては、キャップ体2の側面にして互いに相反する二箇所に突出部10を突出形成する。
【0096】
嵌合凹部3の下端側には、内方突出状態にフランジ部12を形成し、このフランジ部12の一部に前記一対の突出部10のうちのいずれかが通過し得る切欠部11を形成する。
【0097】
図13に図示したように、前記キャップ体2を固定時の軸芯方向から横方にやや位置ズレした状態では、前記嵌合凹部3のフランジ部12にこのキャップ体2のいずれの突出部10も引っ掛かり当接することなく(一方(図13中,右側の突出部10)は前記フランジ部12の切欠部11を通過して)嵌合凹部3に対するキャップ体2の嵌入・脱嵌が許容されるように構成し、一方、図14に図示したように、前記キャップ体2の軸芯方向の横方の位置ズレを戻して固定時の軸芯方向と一致する位置にキャップ体2を配することで、このキャップ体2の一対の突出部10のうちの一方の突出部10(図14中,左側の突出部10)が前記嵌合凹部3のフランジ部12に引っ掛かり当接することとなる。
【0098】
よって、このキャップ体2の挿通孔5に前記水量調整弁筒4を止め輪16によって抜け止め状態に挿通し、この水量調整弁筒4が前記ノズル本体部1内の螺子杆挿通部7に挿通配設されている状態では、前記キャップ体2が、図13に図示したように横方に位置ズレですることは水量調整弁筒4によって阻止され、よって、図14に図示したキャップ体2の突出部10と嵌合凹部3のフランジ部12との当接高さ位置より上方にキャップ体2が上動することが阻止され、水量調整弁筒4の所定量以上の緩み回動が阻止され、キャップ体2の不意の抜け外れも阻止されることとなるなど、上記実施例1の脱嵌許容手段Tと同様の抜け止め機能を発揮することとなる。
【0099】
その余は、実施例1と同様である。
【0100】
尚、本発明は、実施例1,2,3に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】実施例1に係るキャップ抜け止め構造の説明正断面図である。
【図2】実施例1に係るキャップ抜け止め構造の説明正断面図である。
【図3】実施例1に係るキャップ抜け止め構造の説明正断面図である。
【図4】実施例1に係るキャップ抜け止め構造の説明正断面図である。
【図5】実施例1に係るキャップ抜け止め構造の説明分解斜視図である。
【図6】実施例2に係るキャップ抜け止め構造の説明正断面図である。
【図7】実施例2に係るキャップ抜け止め構造の説明正断面図である。
【図8】実施例2に係るキャップ抜け止め構造の説明正断面図である。
【図9】実施例2に係るキャップ抜け止め構造の説明正断面図である。
【図10】実施例2に係るキャップ抜け止め構造の説明平面図である。
【図11】実施例2に係るキャップ抜け止め構造の説明平面図である。
【図12】実施例2に係るキャップ抜け止め構造の説明分解斜視図である。
【図13】実施例3に係るキャップ抜け止め構造の説明正断面図である。
【図14】実施例3に係るキャップ抜け止め構造の説明正断面図である。
【符号の説明】
【0102】
1 本体部,ノズル本体部
1a 上部開口部
2 キャップ体
3 嵌合凹部
4 螺子杆,水量調整弁筒
4a 頭部
5 挿通孔
6 頭部係止部
7 螺子杆挿通部
8 螺合部
9 螺子部
10 突出部
11 切欠部
12 フランジ部
14 散水路
15 周溝部
16 止め輪
17 整流路
18 連通路
P 螺子杆止着手段
T 脱嵌許容手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、散水ノズルのノズルキャップなどのキャップ体を抜け止めするキャップ抜け止め構造、及びこれを備えた散水ノズルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
地面に埋設し消雪を行う散水ノズルとしては、例えば、本出願人の先願である特開2005−199273号公報に開示されているように、ノズル本体部の上部開口部に、キャップ体を嵌入し得る嵌合凹部を設け、このキャップ体にはノズル本体部の通水路と連通して水の噴出方向及び噴出角度を規定する散水路と、散水量を調整する水量調整弁筒が挿通される挿通孔とを形成し、この挿通孔には前記水量調整弁筒の頭部が係止する段状の頭部係止部を設け、この水量調整弁筒の下端部周面には、前記ノズル本体部内に形成した弁筒挿通部(螺子杆挿通部)の内面に形成した螺合部と螺合する螺子部を設け、前記ノズル本体部の上部開口部の嵌合凹部に嵌入したキャップ体の挿通孔に挿通した水量調整弁の螺子部を前記螺合部と螺合することでこの水量調整弁筒の頭部により前記キャップ体を前記嵌合凹部に押さえ込み状態に止着嵌合固定するように構成し、このキャップ体の挿通孔に挿通した水量調整弁筒の頭部は前記挿通孔内に取り付けた止め輪によりこの挿通孔内に上方抜け止め状態とし、前記水量調整弁筒に設けた弁構造により開閉される弁口の開閉調整によって散水量を調節しつつ、前記キャップ体の散水路から外方へ散水できるように構成したものがある。
【0003】
ところで、この種の散水ノズルは、一般に、ノズル本体部は路面下に埋設され、このノズル本体部の上部開口部の嵌合凹部に嵌入して止着嵌合固定した前記キャップ体は路面に略面一に露出配設される構成である為、この路面に露出するキャップ体が、キャップ体の上を通過する車のタイヤとの摩擦や通過時の振動などにより徐々に回動し、これに伴って、このキャップ体を抑え込み状態に止着嵌合固定する水量調整弁筒が緩み方向に回動すると、キャップ体が浮き上がってしまい、最終的には水量調整弁筒の螺子部とノズル本体部の螺合部との螺合が解除されノズル本体部からキャップ体が不意に脱嵌してしまうという問題を有する。
【0004】
そこで、このキャップ体が回動し水量調整弁筒が緩むことを阻止すべく、例えばキャップ体の下部に突起を設けると共に、この突起が当接するリブを前記ノズル本体部内に複数設け、このキャップ体の下部の突起がリブに回り止め係止されることでこのキャップ体をノズル本体部に対して回り止めし得るように構成したものが従来からある(例えば前述の特開2005−199273号公報も同様の技術思想によるものである。)。これは、前記の回り止め構造によってキャップ体の回動を阻止でき、それだけ水量調整弁筒が緩むことを良好に抑止できるものの、キャップ体には、このキャップ体の下部の突起がノズル本体部に設けたリブとリブとの間の間隙(遊び)内を移動可能な所定範囲内において多少のガタ付きが可能であるため、キャップ体のガタ付きによって万が一水量調整弁筒が徐々に緩み方向に回動してしまうと、結局、水量調整弁筒の緩みによりキャップ体がノズル本体部から大きく浮き上がってしまったり、ノズル本体部から脱嵌してしまったりする上記問題が生ずる。
【0005】
また、前述のようにキャップ体が大きく浮き上がった状態で、このキャップ体上に車などが通過すると、このキャップ体の挿通孔に挿通した水量調整弁筒に大きな付加がかかり、これによって水量調整弁筒が曲がったり周面の螺子部のネジ山が変形するなどの破損が生ずるといった問題も有する。
【0006】
また、更にこの種の散水ノズルは、例えばノズル本体部内の目詰まりの原因となるゴミを除去するノズル清掃作業時時においては、水量調整弁筒を大きく緩め操作してキャップ体をノズル本体部から浮き上がらせ、ノズル本体部内のゴミ(砂利など)を流し出す作業を実施するが、この際、水量調整弁筒を緩ませ過ぎてこの水量調整弁筒の螺子部とノズル本体部の螺合部との螺合が解除されると、水圧によってキャップ体がノズル本体部から勢い良く上方に飛び出す危険が有るため、このノズル清掃作業時において水量調整弁筒を緩める作業は十分に注意しながら行わなければならず、この点、作業性が悪く厄介であった。
【0007】
尚、例えば溶接などでこのノズル本体部とキャップ体,水量調整弁筒とを固着し一体化してしまえば、ノズル本体部からキャップ体が不意に脱嵌してしまう上記の問題は生じないが、しかしこれではノズル清掃時やメンテナンスの際にキャップ体や水量調整弁筒を脱着できず実用性に乏しく良好な解決策とは決して言えない。しかしながら、ノズル本体部からキャップ体や水量調整弁筒を組み外し(脱嵌)できる着脱式の構造ではどうしても上述したようなキャップ体の脱嵌(抜け外れ)の問題が生じ、これが、この種の散水ノズルにおける重要な課題となっているのが現状である。
【0008】
【特許文献1】特開2005−199273号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みて完成したものであって、散水ノズルの使用時に、この散水ノズルのキャップ体がノズル本体部(本体部)から不意に脱嵌してしまうことを確実に阻止でき、また、ノズル清掃作業時に水量調整弁筒(螺子杆)の緩め過ぎによるキャップ体の脱嵌も確実に阻止でき、また逆にメンテナンスなどでノズル本体部からキャップ体や水量調整弁筒を取り外したい場合には、それも簡単に為し得るなど、極めて実用性及び作業性に秀れた画期的な散水ノズルを実現する画期的なキャップ抜け止め構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0011】
本体部1の上部開口部1aに、キャップ体2を嵌入する嵌合凹部3を設け、このキャップ体2には螺子杆4を挿通する挿通孔5を設け、この挿通孔5には前記螺子杆4の頭部4aが当接係止する頭部係止部6を設け、前記螺子杆4は、前記本体部1内に設けた螺子杆挿通部7に挿通配設すると共に、この螺子杆4の周面には前記螺子杆挿通部7の内面に形成した螺合部8に螺合する螺子部9を形成した構成とし、前記本体部1の上部開口部1aの嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2の挿通孔5に螺子杆4を挿通してこの螺子杆4の周面の螺子部9を前記螺合部8に螺合することで前記キャップ体2を前記嵌合凹部3に押さえ込み状態に止着嵌合固定し得るように構成すると共に、前記キャップ体2の挿通孔5に挿通した螺子杆4の軸芯方向をこのキャップ体2の軸芯方向とすると、このキャップ体2を前記嵌合凹部3に止着嵌合固定した際のキャップ体2の軸芯方向に対してこのキャップ体2の軸芯方向を傾ける若しくは横方に位置ズレさせることで前記嵌合凹部3に対してキャップ体2の嵌入・脱嵌を許容し、且つこのキャップ体2を前記嵌合凹部3に止着嵌合固定した際の軸芯方向に戻すことでこのキャップ体2の嵌入・脱嵌が阻止される脱嵌許容手段Tを備えた構成とし、前記嵌合凹部3内に嵌入したキャップ体2の挿通孔5に螺子杆4を挿通した状態では、この螺子杆4が螺子杆挿通部7に挿通配設されていることで、前記キャップ体2の軸芯方向を前記脱嵌許容手段Tに嵌入・脱嵌が許容されるように傾ける若しくは横方に位置ズレさせることが阻止されてこのキャップ体2が前記脱嵌許容手段Tにより嵌合凹部3に対して脱嵌阻止状態となるように構成したことを特徴とするキャップ抜け止め構造に係るものである。
【0012】
また、前記脱嵌許容手段Tは、前記キャップ体2を前記嵌合凹部3に止着嵌合固定した際の軸芯方向と一致した軸芯方向のまま上下動させた際には前記嵌合凹部3とキャップ体2とが引っ掛り当接してこのキャップ体2の前記嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が阻止され、且つ、このキャップ体2の軸芯方向を前記嵌合凹部3に止着嵌合固定した際の軸芯方向に対して傾ける若しくは横方に位置ズレさせた状態で上下動させた際には前記嵌合凹部3aとキャップ体2とが引っ掛り当接することなくこのキャップ体2の前記嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が許容されるように前記キャップ体2若しくは嵌合凹部3の形状を形成して構成したことを特徴とする請求項1記載のキャップ抜け止め構造に係るものである。
【0013】
また、前記キャップ体2の側面に外方突出状態に,若しくは前記嵌合凹部3の内面に内方突出状態に突出部10を形成し、この突出部10が通過し得る切欠部11を有するフランジ部12を前記嵌合凹部3の内面に内方突出状態に,若しくは前記キャップ体2の側面に外方突出状態に形成し、前記突出部10と前記フランジ部12の切欠部11とを位置合わせして前記キャップ体2に形成した突出部10若しくはフランジ部12の切欠部11が傾斜下端側若しくは傾斜上端側となる傾斜方向にキャップ体2を傾動してキャップ体2の軸芯方向を所定の傾斜姿勢とすることで前記突出部10が前記フランジ部12の切欠部11を通過でき前記キャップ体2の前記嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が許容され、且つこのキャップ体2の軸芯方向を嵌合凹部3に止着嵌合固定する際の軸芯方向に戻すことで前記突出部10が前記フランジ部12の切欠部11を通過できずフランジ部12と引っ掛かり当接して前記キャップ体2の前記嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が阻止されるように前記突出部10及びフランジ部12を形成して前記脱嵌許容手段Tを構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のキャップ抜け止め構造に係るものである。
【0014】
また、前記キャップ体2の側面に外方突出状態に,若しくは前記嵌合凹部3の内面に内方突出状態に突出部10を形成し、この突出部10が通過し得る切欠部11を有するフランジ部12を前記嵌合凹部3の内面に内方突出状態に,若しくは前記キャップ体2の側面に外方突出状態に形成し、前記突出部10と前記フランジ部12の切欠部11とを位置合わせしてこの突出部10を切欠部11に通過させることでキャップ体2の前記嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が許容され、且つこの嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2を、このキャップ体2の挿通孔5に螺子杆4を挿通して前記螺子杆挿通部7に螺子杆4を挿通配設し得る軸芯位置に移動させることで、前記突出部10とフランジ部12との位置が横方に位置ズレして前記キャップ体2を嵌合凹部3に嵌入・脱嵌する際に突出部10とフランジ部12とが引っ掛り当接してこのキャップ体2の前記嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が阻止されるように前記突出部10及びフランジ部12を形成して前記脱嵌許容手段Tを構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のキャップ抜け止め構造に係るものである。
【0015】
また、前記嵌合凹部3内に嵌入したキャップ体2をこの嵌合凹部3に対して相対回動自在に構成して、前記突出部10と前記フランジ部12の切欠部11とを位置合わせしてこの切欠部11に突出部10を通過させて前記キャップ体2を嵌合凹部3内に嵌入した後、この嵌合凹部3に対して前記キャップ体2を相対回動させることで前記突出部10と前記切欠部11とを位置ズレ回動自在に構成したことを特徴とする請求項3,4のいずれか1項に記載のキャップ抜け止め構造に係るものである。
【0016】
また、前記キャップ体2の挿通孔5は、この挿通孔5に挿通した前記螺子杆4の頭部4aをこの挿通孔5内に着脱自在に抜け止め止着する螺子杆止着手段Pを備えた構成としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のキャップ抜け止め構造に係るものである。
【0017】
また、前記螺子杆止着手段Pは、前記挿通孔5の内面部にしてこの挿通孔5に挿通した螺子杆4の頭部4aより上方位置に周設した周溝部15内に止め輪16を嵌め込み配設し、この止め輪16により前記螺子杆4の頭部4aをキャップ体の挿通孔5内に上方抜け止め状態に設ける構成としたことを特徴とする請求項6記載のキャップ抜け止め構造に係るものである。
【0018】
また、請求項1〜7のいずれか1項に記載のキャップ抜け止め構造を備え、ノズル本体部1の上部開口部1aに設けた嵌合凹部3に、前記ノズル本体部1内の通水路と連通する散水路14を有するキャップ体2の軸芯方向を、前記嵌合凹部3に止着嵌合固定した際のキャップ体2の軸芯方向に対して前記脱嵌許容手段Tに嵌入・脱嵌を許容されるように傾ける若しくは横方に位置ズレさせることで嵌入・脱嵌自在に前記嵌合凹部3に嵌入し、この嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2の挿通孔5に挿通した前記螺子杆4としての水量調整弁筒4の周面の螺子部9を、前記ノズル本体部1内の螺子杆挿通部7の内面に形成した螺合部8に螺合することで、前記キャップ体2を前記嵌合凹部3に押さえ込み状態に止着嵌合固定し得るように構成すると共に、この嵌合凹部3内に嵌入したキャップ体2の挿通孔5に前記水量調整弁筒4を挿通した状態では、この水量調整弁筒4が螺子杆挿通部7に挿通配設されていることで前記キャップ体2の軸芯方向を前記脱嵌許容手段Tに嵌入・脱嵌が許容されるように傾ける若しくは横方に位置ズレさせることが阻止されてこのキャップ体2が前記脱嵌許容手段Tにより嵌合凹部3に対して脱嵌阻止状態となるように構成したことを特徴とする散水ノズルに係るものである。
【0019】
また、前記ノズル本体部1内の通水路にして前記嵌合凹部3の下方に設ける整流路17,若しくはこの整流路17と前記嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2の散水路14とを連通する連通路18に、前記嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2の下部側が配設されるように前記キャップ体2の形状を形成すると共に、前記キャップ体2を前記嵌合凹部3に止着嵌合固定した際のキャップ体2の軸芯方向と一致する軸芯方向でこのキャップ体2を上下動することでこのキャップ体2の下端側と、前記嵌合凹部3の下端部にして前記整流路17若しくは連通路18の上端部とが引っ掛り当接してこのキャップ体2の前記嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が阻止されるようにノズル本体部1内の整流路17若しくは連通路18の形状を設定して前記脱嵌許容手段Tを構成したことを特徴とする請求項8記載の散水ノズルに係るものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明は上述のように構成したから、本体部の上部開口部の嵌合凹部に嵌入したキャップ体を、螺子杆の螺子部と本体部内の螺合部との螺合により、押さえ込み状態にこの嵌合凹部に止着嵌合固定できる。
【0021】
また、この嵌合凹部に嵌入したキャップ体の挿通孔に螺子杆が挿通され、この螺子杆が本体部内の螺子杆挿通部に挿通配設されている限り、前記キャップ体の軸芯方向を、このキャップ体を嵌合凹部に止着嵌合固定した際のキャップ体の軸芯方向(以下、固定時の軸芯方向と呼ぶ)に対して傾けたり横方に位置ズレさせたりできない(脱嵌許容手段に嵌入・脱嵌が許容されるように傾けたり横方に位置ズレさせたりが阻止される。)。
【0022】
よって、本発明は、螺子杆の螺子部と本体部内の螺子杆挿通部の内面の螺合部との螺合により、キャップ体を本体部の嵌合凹部に着脱自在に止着嵌合固定できることは勿論、このように螺子杆が螺子杆挿通部内に挿通配設されている以上、キャップ体が固定時の軸芯方向に対して傾いたり横方に位置ズレたりすることができず、これにより、キャップ体は脱嵌許容手段に嵌入・脱嵌が阻止され嵌合凹部から決して脱嵌できず、よって抜け止め信頼性に極めて秀れた画期的なキャップ抜け止め構造を実現できる。
【0023】
従って、例えば本発明を、散水ノズルのノズル本体部とキャップ体との抜け止め構造として採用すれば、ノズル本体部内の清掃やメンテナンス時などにノズル本体部とキャップ体,螺子杆を組み外し(脱嵌)できる着脱自在な構造でありながら、散水ノズルの使用時やノズル性掃除などにおいてキャップ体が不意に脱嵌することを確実に阻止できる極めて実用性及び作業性に秀れた散水ノズルを実現し得るなど、画期的で極めて実用性に秀れたキャップ抜け止め構造である。
【0024】
また、請求項2〜4記載の発明においては、簡易な構成で容易に本発明を実現でき、キャップ体を固定時の軸芯方向と一致させた際にはキャップ体が嵌合凹部と引っ掛かり当接してこの嵌合凹部に対して嵌入・脱嵌できず、一方、キャップ体を前記固定時の軸芯方向に対して傾けたり横方に位置ズレさせたりした際にはキャップ体が嵌合凹部と引っ掛かり当接することなく嵌合凹部に対して嵌入・脱嵌できる、即ち、キャップ体の軸芯方向を固定時の軸芯方向に対して所定の傾き状態、若しくは所定の横方位置ズレ状態とした場合にのみ嵌合凹部への嵌入・脱嵌が許容され且つこの軸芯方向の傾きや横方の位置ズレを解除し前記固定時の軸芯方向に戻した場合にはこの嵌入・脱嵌が決して許容されない(阻止される)上述の脱嵌許容手段の脱嵌許容・阻止構造を簡易にして確実に実現でき、一層実用性に秀れたキャップ抜け止め構造となる。
【0025】
また、請求項5記載の発明においては、突出部とフランジ部の切欠部との位置を合わせてこの切欠部に突出部を通過させてキャップ体を嵌合凹部に嵌入した後に、キャップ体を回動して前記突出部と切欠部の位置をズラしてしまうので、一層確実にキャップ体の抜け止めが達成される。
【0026】
また、請求項6,7記載の発明においては、螺子杆止着手段によりキャップ体と螺子杆とが例えば止め輪などにより抜け止め止着されるため、キャップ体から螺子杆が抜け外れ、本体部からこの螺子杆だけが抜け外れてしまうといったことが無く、キャップ体と螺子杆とは一体に上下動する。
【0027】
従って、キャップ体が脱嵌許容手段により嵌合凹部からの脱嵌が阻止され、所定位置(例えばキャップ体と嵌合凹部との脱嵌阻止当接位置)より上方に上動できない以上、螺子杆も、所定の位置より緩む(上動する)ことができず、それ以上の緩みが阻止されることとなる。従って螺子杆の緩みが有る程度の位置で停止(阻止)されるので、この螺子杆の緩みによるキャップ体の浮上(嵌合凹部からの浮上)も有る程度で停止(阻止)され、また、当然このキャップ体が嵌合凹部から脱嵌することも確実に阻止される(キャップ体に螺子杆が挿通されている以上、キャップ体が本体部の嵌合凹部から脱嵌できない為)など、キャップ体の抜け止めや螺子杆の緩み阻止機能などを発揮し一層抜け止め信頼性及び実用性に秀れたキャップ抜け止め構造となる。
【0028】
また、請求項8,9記載の発明においては、前述した請求項1〜7の発明と同様の作用効果を発揮する極めて実用性及び作業性に秀れた画期的な散水ノズルとなる。
【0029】
特に、請求項9記載の発明においては、この種の一般的な散水ノズルの構造上必須である整流路17若しくは連通路18を利用して上記の抜け止め構造を実現する構成としているので、それだけ生産が容易で量産性・コスト性に秀れるなど、この点においても一層実用性に秀れた商品価値の高い散水ノズルとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0031】
本発明は、本体部1の上部開口部1aに設けた嵌合凹部3にキャップ体2を抜け止め状態に止着嵌合固定するものである。
【0032】
本発明においては、キャップ体2の挿通孔5に挿通した螺子杆4の軸芯方向をこのキャップ体2の軸芯方向とすると、このキャップ体2を前記嵌合凹部3に嵌入し止着嵌合固定した際の軸芯方向(以下、固定時の軸芯方向と呼ぶ)に対してキャップ体2の軸芯方向を傾ける若しくは横方に位置ズレさせることでこの嵌合凹部3内に対してキャップ体2の嵌入・脱嵌を許容し、且つキャップ体2の軸芯方向の前記傾きや横方の位置ズレを解除して前記固定時の軸芯方向に戻すことでこのキャップ体2の嵌入・脱嵌が阻止される脱嵌許容手段Tを備えている。
【0033】
従って、本発明の本体部1の嵌合凹部3にキャップ体2を止着嵌合固定する場合には、先ず、キャップ体2の軸芯方向を前記脱嵌許容手段Tに嵌入・脱嵌が許容されるように傾ける若しくは横方に位置ズレさせた状態として嵌合凹部3にキャップ体2を嵌入し、その上でこのキャップ体2を固定時の軸芯方向と一致するように戻してこのキャップ体2の挿通孔5に螺子杆4を挿通する。
【0034】
この挿通孔5には、前記螺子杆4の頭部4aが当接係止する頭部係止部6を設けており、従って、この螺子杆4を本体部1内に設けた螺子杆挿通部7に挿通配設すると共に、この螺子杆4の周面に形成した螺子部9を前記螺子杆挿通部7の内面に形成した螺合部8に螺合することで、螺子杆4の頭部4aによってキャップ体2の頭部係止部6を当接係止し、ひいては、キャップ体2を前記本体部1の嵌合凹部3に押さえ込み状態に止着嵌合固定できることとなる。
【0035】
また、本発明は、前述した通り脱嵌許容手段Tを備えている。そして、嵌合凹部3内に嵌入したキャップ体2の挿通孔5に螺子杆4を挿通した状態では、この螺子杆4が螺子杆挿通部7に挿通配設されていることで前記キャップ体2が前記脱嵌許容手段Tに嵌入・脱嵌を許容されるような所定量だけ軸芯方向を傾けたり横方に位置ズレさせたりすることが阻止される構成である。つまり、嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2の挿通孔5に螺子杆4を挿通して前記本体部1内の螺子杆挿通部7に挿通配設されている以上、この嵌合凹部3から脱嵌できる(脱嵌許容手段Tに嵌入・脱嵌を許容される)だけの軸芯方向の傾斜や軸芯方向の横方位置ズレをキャップ体2に与えられず、よってキャップ体2は前記脱嵌許容手段Tにより嵌合凹部3に対して脱嵌阻止状態(抜け止め状態)となる。
【0036】
尚、この脱嵌許容手段Tとしては、例えば後述する実施例のように、前記キャップ体2を固定時の軸芯方向と一致した軸芯方向のまま上下動させた際には前記嵌合凹部3とキャップ体2とが引っ掛り当接してこのキャップ体2の前記嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が阻止され、且つ、このキャップ体2の軸芯方向を固定時の軸芯方向に対して傾ける若しくは横方に位置ズレさせた状態で上下動させた際には前記嵌合凹部3aとキャップ体2とが引っ掛り当接することなくこのキャップ体2の前記嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が許容されるように前記キャップ体2若しくは嵌合凹部3の形状を形成して構成する。
【0037】
更に具体的には、例えば後述する実施例1,2のように、前記キャップ体2の側面に外方突出状態に,若しくは前記嵌合凹部3の内面に内方突出状態に突出部10を形成し、この突出部10が通過し得る切欠部11を有するフランジ部12を前記嵌合凹部3の内面に内方突出状態に,若しくは前記キャップ体2の側面に外方突出状態に形成し、前記突出部10と前記フランジ部12の切欠部11とを位置合わせして前記キャップ体2に形成した突出部10若しくはフランジ部12の切欠部11が傾斜下端側若しくは傾斜上端側となる傾斜方向にキャップ体2を傾動してキャップ体2の軸芯方向を所定の傾斜姿勢とすることで前記突出部10が前記フランジ部12の切欠部11を通過でき前記キャップ体2の前記嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が許容され、且つこのキャップ体2の軸芯方向を嵌合凹部3に止着嵌合固定する際の軸芯方向に戻すことで前記突出部10が前記フランジ部12の切欠部11を通過できずフランジ部12と引っ掛かり当接して前記キャップ体2の前記嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が阻止されるように前記突出部10及びフランジ部12を形成して前記脱嵌許容手段Tを構成する。
【0038】
即ち、例えば図3に図示したように、嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2を固定時の軸芯方向のまま上動させて突出部10を切欠部11に通過させようとしても、突出部10とフランジ部12とが当接して、この当接位置より上方にキャップ体2が上動できない(即ち、これ以上嵌合凹部3に対して浮上できず、嵌合凹部3に対して脱嵌阻止状態となる)が、しかし、図2に図示したようにキャップ体2に設けた突出部10若しくは切欠部11(図2においては突出部10)が傾斜上端側若しくは傾斜下端側(図2においては傾斜上端側)となる傾斜方向にキャップ体2の軸芯方向を傾けさせることで、突出部10を切欠部11に通過させることができ、ひいては、嵌合凹部3からキャップ体2を脱嵌(嵌入)できることとなる。
【0039】
また或いは、後述する実施例3のように、前記キャップ体2の側面に外方突出状態に,若しくは前記嵌合凹部3の内面に内方突出状態に突出部10を形成し、この突出部10が通過し得る切欠部11を有するフランジ部12を前記嵌合凹部3の内面に内方突出状態に,若しくは前記キャップ体2の側面に外方突出状態に形成し、前記突出部10と前記フランジ部12の切欠部11とを位置合わせしてこの突出部10を切欠部11に通過させることでキャップ体2の前記嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が許容され、且つこの嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2を、このキャップ体2の挿通孔5に螺子杆4を挿通して前記螺子杆挿通部7に螺子杆4を挿通配設し得る軸芯位置に移動させることで、前記突出部10とフランジ部12との位置が横方に位置ズレして前記キャップ体2を嵌合凹部3に嵌入・脱嵌する際に突出部10とフランジ部12とが引っ掛り当接してこのキャップ体2の前記嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が阻止されるように前記突出部10及びフランジ部12を形成して前記脱嵌許容手段Tを構成する。
【0040】
即ち、例えば図14に図示したように、嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2を固定時の軸芯方向のまま上動させようとしてもこのキャップ体2に例えば二箇所に突出状態に設けた突出部10のうちの一方(図14中,左側の突出部10)が嵌合凹部3に突出状態に設けたフランジ部12と引っ掛り当接してこの当接位置より上方にキャップ体2が上動できず、しかし、図13に図示したように、キャップ体2を固定時の軸芯方向から横方に位置ズレさせることで、キャップ体2に設けた一方の突出部10(図13中,右側の突出部10)が切欠部11を通過し、もう一方の突出部10(図13中,左側の突出部10)もフランジ部12に引っ掛かり当接することがなく、よって、嵌合凹部3からキャップ体2を脱嵌(嵌入)できることとなるように構成する。
【0041】
例えば前述したような脱嵌許容手段Tの構成とすることで、キャップ体2を固定時の軸芯方向としたり、或いはその固定時の軸芯方向に対してキャップ体2の軸芯方向を傾けたり横方に位置ズレさせたりすることによりキャップ体2の嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が許容若しくは阻止される脱嵌許容手段Tの構造を簡易にして確実に実現可能となる。
【0042】
以上、本発明は、本体部1の嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2の挿通孔5に螺子杆4が挿通され、この螺子杆4が本体部1内の螺子杆挿通部7に挿通されている限り、前記キャップ体2の軸芯方向を脱嵌許容手段Tによる嵌入・脱嵌が許容されるような所定量だけ傾けたり横方に位置ズレさせたりすることができず、これにより嵌合凹部3からの脱嵌が阻止されるために、この嵌合凹部3から大きく浮き上がったり、最終的には嵌合凹部3から脱嵌したりするキャップの抜け外れの問題を確実に阻止でき、この嵌合凹部3内にキャップ体2を確実に抜け止め状態に保持できることとなる。また、逆に、この螺子杆4をキャップ体2の挿通孔5から取り外すと共にこのキャップ体2の軸芯方向を所定量だけ傾けたり横方に位置ズレさせれば、嵌合凹部3からキャップ体2を脱嵌することも簡易に可能でキャップ体2を脱嵌してのメンテナンス作業なども良好に行えることとなる。
【0043】
また、例えば後述する実施例のように、前記キャップ体2の挿通孔5は、この挿通孔5に挿通した前記螺子杆4の頭部4aを(例えば止め輪16などを取り付けることで)この挿通孔5内に着脱自在に抜け止め止着する螺子杆止着手段Pを備えた構成とした場合には、キャップ体2と螺子杆4とが一体に上下動することとなる。即ち、この螺子杆止着手段Pにより螺子杆4がキャップ体2の挿通孔5に抜け止め止着されている以上、前記本体部1の螺合部8と螺合しているこの螺子杆4が、何らかの影響で緩み螺動して螺合が解除されてこの螺子杆4だけがキャップ体2から抜け外れて本体部1から取り外れてしまうといったことが無く、つまりは前記螺子杆止着手段Pの抜け止め止着を解除しない限りキャップ体2から螺子杆4が抜け出ることは無くキャップ体2が本体部1から脱嵌してしまうことも決して無い。
【0044】
また、キャップ体2が前記脱嵌許容手段Tにより嵌合凹部3に対して脱着阻止され、所定の脱嵌阻止位置より上方に上動できない以上、螺子杆4の緩みによる上動螺動も所定範囲に制限されることとなる。つまり螺子杆4が大きく緩み螺動してキャップ体2が嵌合凹部3から大きく浮上状態となることも阻止されることとなる。
【0045】
よって、この本発明を例えば散水ノズルのノズル本体部1とキャップ体2との抜け止め構造として採用した場合、即ち、後述する実施例のように、ノズル本体部1の上部開口部1aに設けた嵌合凹部3に、前記ノズル本体部1内の通水路と連通する散水路14を有するキャップ体2の軸芯方向を、前記嵌合凹部3に止着嵌合固定した際のキャップ体2の軸芯方向に対して前記脱嵌許容手段Tに嵌入・脱嵌を許容されるように傾ける若しくは横方に位置ズレさせることで嵌入・脱嵌自在に前記嵌合凹部3に嵌入し、この嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2の挿通孔5に挿通した前記螺子杆4としての水量調整弁筒4の周面の螺子部9を、前記ノズル本体部1内の螺子杆挿通部7の内面に形成した螺合部8に螺合することで、前記キャップ体2を前記嵌合凹部3に押さえ込み状態に止着嵌合固定し得るように構成した散水ノズルの前記キャップ体2の抜け止め構造に本発明を適用することとし、この嵌合凹部3内に嵌入したキャップ体2の挿通孔5に前記水量調整弁筒4を挿通した状態では、この水量調整弁筒4が螺子杆挿通部7に挿通配設されていることで前記キャップ体2の軸芯方向を前記脱嵌許容手段Tに嵌入・脱嵌が許容されるように傾ける若しくは横方に位置ズレさせることが阻止されてこのキャップ体2が前記脱嵌許容手段Tにより嵌合凹部3に対して脱嵌阻止状態となるように構成した場合には、キャップ体2から水量調整弁筒4を取り外さない限り、キャップ体2が決してノズル本体部1の嵌合凹部3から抜け出ることは無く、また逆にこのキャップ体2から水量調整弁筒4を外してキャップ体2の軸芯方向を傾ける若しくは横方に位置ズレさせれば前記嵌合凹部3からキャップ体2を脱嵌することも簡易に可能となる。
【0046】
よって、本発明は、例えば散水ノズルの使用中にキャップ体2が不意にノズル本体部1から脱嵌してしまう問題が生じ得ず、ノズル清掃時(水量調整弁筒4を緩み螺動操作してキャップ体2をノズル本体部1の嵌合凹部3から浮上させてノズル本体部1内のゴミを流し出す作業時)にも、水量調整弁筒4の緩め過ぎにより水量調整弁筒4の螺子部9とノズル本体部1の螺合部8との螺合が解除されキャップ体2が不意に脱嵌し水圧により勢い良く上方に飛び出すといった心配は一切無く安全且つ作業性良くこのノズル清掃作業が行え、更に、メンテナンスなどでノズル本体部1(本体部1)からキャップ体2や水量調整弁筒4(螺子杆4)を脱嵌したい場合にはそれも簡易に行えるなど、極めて実用性及び作業性に秀れた散水ノズルを実現可能とする画期的なキャップ抜け止め構造となる。
【実施例1】
【0047】
本発明の具体的な実施例1について図面に基づいて説明する。
【0048】
本実施例は、本体部1の上部開口部1aに、キャップ体2を嵌入する嵌合凹部3を設け、このキャップ体2には螺子杆4を挿通する挿通孔5を設け、この挿通孔5には前記螺子杆4の頭部4aが当接係止する頭部係止部6を設け、前記螺子杆4は、前記本体部1内に設けた螺子杆挿通部7に挿通配設すると共に、この螺子杆4の周面には前記螺子杆挿通部7の内面に形成した螺合部8に螺合する螺子部9を形成した構成とし、前記本体部1の上部開口部1aの嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2の挿通孔5に螺子杆4を挿通してこの螺子杆4の周面の螺子部9を前記螺合部8に螺合することで前記キャップ体2を前記嵌合凹部3に押さえ込み状態に止着嵌合固定し得るように構成すると共に、このキャップ体2の挿通孔5に挿通した螺子杆4の軸芯方向をこのキャップ体2の軸芯方向とすると、このキャップ体2を前記嵌合凹部3に止着嵌合固定した際のキャップ体2の軸芯方向(以下、固定時の軸芯方向)に対してこのキャップ体2の軸芯方向を傾ける若しくは横方に位置ズレさせることで前記嵌合凹部3に対してキャップ体2の嵌入・脱嵌を許容し、且つこのキャップ体2を固定時の軸芯方向に戻すことでこのキャップ体2の嵌入・脱嵌が阻止される脱嵌許容手段Tを備え、前記嵌合凹部3内に嵌入したキャップ体2の挿通孔5に螺子杆4を挿通した状態では、この螺子杆4が螺子杆挿通部7に挿通配設されていることで、前記キャップ体2の軸芯方向を前記脱嵌許容手段Tに嵌入・脱嵌が許容されるように傾けることが阻止されてこのキャップ体2が前記脱嵌許容手段Tにより嵌合凹部3に対して脱嵌阻止状態となるように構成したキャップ抜け止め構造である。
【0049】
また、本実施例は、このキャップ抜け止め構造を散水ノズルに適用した場合を例にして説明するが、本実施例の特性を発揮する構成であればその適用範囲は多岐にわたるものである。
【0050】
即ち、本実施例においては、ノズル本体部1の上部開口部1aに設けた嵌合凹部3に、前記ノズル本体部1内の通水路と連通する散水路14を有するキャップ体2を、前記脱嵌許容手段Tに嵌入・脱嵌を許容される所定の傾斜姿勢(軸芯方向を傾斜状態)に傾動することで嵌入・脱嵌自在に嵌入し、ノズル本体部1の上部開口部1aの嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2の挿通孔5に挿通した前記螺子杆4としての水量調整弁筒4の周面の螺子部9を、前記ノズル本体部1内の螺子杆挿通部7の内面に形成した螺合部8に螺合することで、前記キャップ体2を前記嵌合凹部3に押さえ込み状態に止着嵌合固定し得るように構成した散水ノズルの抜け止め構造として適用した場合を例に説明する。
【0051】
本実施例のノズル本体部1は、図1に図示したように、上部開口部1aに嵌合凹部3を有するラッパ管状に形成したものであり、路面に埋設された供給管から立設された枝管の上端部に被嵌連設する枝管被嵌部19を下部にして上流側に設けたものである。尚、図中,符号19aは液漏れ阻止用の樹脂製カバー体19aである。
【0052】
また、このノズル本体部1内にして前記枝管被嵌部19の上方は、内壁を肉厚に設けることで内径を縮径して、図4に図示したように水量調整弁筒4(螺子杆4)の下部側を挿通配設する螺子杆挿通部7を設けている。また、この螺子杆挿通部7の一部には、水量調整弁筒4の周面に形成した前記螺子部9を螺合する螺合部8(ネジ山)を形成した構成である。
【0053】
更に、このノズル本体部1の螺子杆挿通部7の上方には、後述する水量調整弁筒4の弁口22を介して水量調整弁筒4内の通水路と連通する整流路17が形成され、更にこの整流路17の上部に回り止めフランジ部20を設けると共にこの回り止めフランジ部20を介して上部にして下流側は、前記整流路17と、このノズル本体部1の上部開口部1a若しくは嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2の散水路14とを連通する連通路18として構成している。尚、前記の回り止めフランジ部20は、図1に図示したように、フランジ上面に上方突出状態にリブ20aを所定の間隔を介して複数突設しており、後述のキャップ体2の下部の回り止め突部13がこのリブ20a間に介存配設されるものである。
【0054】
また、このノズル本体部1のこの連通路18は、図2〜図4に図示したように、前記嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2の下部側が配設されるので、このキャップ体2を前記脱嵌許容手段Tに嵌入・脱嵌を許容される所定の傾動姿勢に傾動する際、このキャップ体2の下部側がこの連通路18に当接して前記傾動が阻止されることがないように(連通路18の内面が前記キャップ体2の傾動の邪魔とならないように)、十分に広い空間部を有する形状に設定している。尚、本実施例では、ノズル本体部1内の前記回り止めフランジ部20を介して上流側にして下部を整流路17,下流側にして上部を連通路18として分けているが、図示したこの連通路18も前記整流路17と同様に整流作用を発揮するものであり、この整流路17と連通路18とをもって整流路17と定義しても良い。
【0055】
このノズル本体部1の連通路18の上部には嵌合凹部3を設けており、この嵌合凹部3は、図1に図示したように、ノズル本体部1内にフランジ状にして内方突出状態に設けられており、キャップ体2の側周面のテーパ状部と略合致する上方ほど拡径するテーパ状の内周面を有した形状である。
【0056】
ここで、本実施例においては、脱嵌許容手段Tとして、前記キャップ体2を所定の傾斜姿勢とした際には、この嵌合凹部3とキャップ体2とが引っ掛り当接することなくこの嵌合凹部3に対してキャップ体2を嵌入・脱嵌でき、且つ、この傾斜姿勢を解除して前記固定姿勢とした際には、この嵌合凹部3aとキャップ体2とが引っ掛り当接してこの嵌合凹部3に対してキャップ体2の嵌入・脱嵌が阻止されるように前記キャップ体2及び嵌合凹部3の形状を形成することで前記脱嵌許容手段Tを構成している。
【0057】
更に具体的には、前記キャップ体2の側面に外方突出状態に,若しくは前記嵌合凹部3の内面に内方突出状態に突出部10を形成し、この突出部10が通過し得る切欠部11を有するフランジ部12を前記嵌合凹部3の内面に内方突出状態に,若しくは前記キャップ体2の側面に外方突出状態に形成し、前記突出部10と前記フランジ部12の切欠部11とを位置合わせし、キャップ体2に形成した突出部10若しくはフランジ部12の切欠部11が傾斜下端側若しくは傾斜上端側となる傾斜方向にキャップ体2を傾動して所定の傾斜姿勢とし、図4に図示したようなキャップ体2の前記固定時の軸芯方向に対して、図2に図示したように傾けた軸芯方向とすることで、前記突出部10が前記フランジ部12の切欠部11を通過でき前記キャップ体2が前記嵌合凹部3に対して嵌入・脱嵌でき、且つこの傾斜姿勢を解除して前記固定姿勢とすることで前記突出部10が前記フランジ部12の切欠部11を通過できずにフランジ部12と引っ掛かり当接して前記キャップ体2が前記嵌合凹部3に対して嵌入・脱嵌できないように構成するものであって、図示した本実施例(実施例1)においては、キャップ体2の側面に外方突出状態に突出部10を設け、ノズル本体部1の嵌合凹部3自体を前記脱嵌許容手段Tのフランジ部12とし、この嵌合凹部3にしてフランジ部12の内方突出状態の内周面の一部(周縁)には、図1及び図5に図示したように、内方突出端側から基端側に向けて切欠部11を形成した構成である。
【0058】
このノズル本体部1の嵌合凹部3に嵌入するキャップ体2は、図1に図示したように、側周面(外周面)の上部側に、嵌合凹部3のテーパ状の内周面と略合致するテーパ状の部位を有する形状である。また、このキャップ体2の側周面には、図5に図示したように、一定の間隔を介して凹溝を形成して散水路14を構成している。即ち、このキャップ体2を嵌合凹部3に止着嵌合固定した際には、この凹溝状の散水路14と前記嵌合凹部3の内周面との間の隙間を通水して散水が為される構成で、また、ノズル本体部1の清掃時など、このキャップ体2を嵌合凹部3に対して浮上状態とした場合には、このキャップ体2の側周面と嵌合凹部3の内周面との隙を通水できるように構成したものである。
【0059】
また、この嵌合凹部3に対してキャップ体2が浮いた場合に、キャップ体2がガタつくことでこのキャップ体2の挿通孔5に挿通した水量調整弁筒4への過度の負担が加わることを抑制すべく、図3及び図4に図示したように、このキャップ体2の側周面のテーパ状の部位より下方には、径が一定のストレート状の部位を上下に長範囲に形成し、このストレート状の部位と前記嵌合凹部3の内周面(径の最も小さい部位)とのクリアランスを小さく設定することで、このキャップ体2と嵌合凹部3とのガタつきを小さく抑制できるように構成している。の周面部と前記嵌合凹部3の内周面とが当接しキャップ体2のガタつきをなるべく小さく制限できるようにしている(キャップの遊びを抑えた構成である)。
【0060】
また、図5に図示したように、このキャップ体2の側周面の前記ストレート状の部位より下部は段部を介して縮径した形状としており、この下端部の縮径した部位に、上記脱嵌許容手段Tの突状部10を設けている(図示した本実施例においては、この側周面にして下端部に、互いに対向する側方(外方)に向けて突出状態に二つの突出部10を設けている。)。
【0061】
また、このキャップ体2の下部には、下方突出状態に回り止め突部13を下方に突設し、図4に図示したように、このキャップ体2を嵌合凹部3に嵌入し密接させた状態とすると、この回り止め凸部13がノズル本体部1の回り止めフランジ部20のフランジ上面に形成した複数のリブ20a間の間隙に没入するように構成している。
【0062】
従って、このキャップ体2をノズル本体部1の嵌合凹部3内に止着嵌合固定した際、このキャップ体2の下部の回り止め突部13と前記リブ20aとが当接することでこのキャップ体2のノズル本体部1に対する回動が規制される(回動可能範囲が、リブ20a間の間隙の範囲のみに限定される)構成である。
【0063】
また、このキャップ体2の中央部には挿通孔5を設けており、この挿通孔5の内面には段部を形成し、水量調整弁筒4の頭部4aがこの段部に当接係止するように構成してこの挿通孔5に頭部係止部6を設けた構成とする。また、この挿通孔5の頭部係止部6に水量調整弁筒4を当接係止した状態でこの挿通孔5の内面と水量調整弁筒4とが略合致する孔径状としている。
【0064】
また、本実施例においては、この挿通孔5に挿通した前記水量調整弁筒4の頭部4aをこの挿通孔5内に着脱自在に抜け止め止着する螺子杆止着手段Pを備えた構成としている。
【0065】
具体的には、図4及び図5に図示したように前記挿通孔5の内面部にしてこの挿通孔5に挿通した水量調整弁筒4の頭部4aより上方位置に周溝部15を周設しており、この挿通孔5に水量調整弁筒4を挿通した上で、前記周溝部15に図4及び図5に図示したような止め輪16(Cリング)を嵌め込み配設する(止め輪16をかしめて前記周溝部15に嵌め込む)ことで、この止め輪16により前記水量調整弁筒4の頭部4aをキャップ体2の挿通孔5内に上方抜け止め状態にする。
【0066】
従って、前記止め輪16により前記水量調整弁筒4が前記キャップ体2の挿通孔5内に抜け止めされキャップ体2と水量調整弁筒4とが一体となり、また、この止め輪16を前記挿通孔5の周溝部15から取り外せばキャップ体2と挿通孔5とを脱着できる構成である。
【0067】
このキャップ体2の挿通孔5に挿通する水量調整弁筒4は、図3〜図5に図示したように、前記挿通孔5に略合致する円筒状に構成しており、頭部4aが前記挿通孔5の段状の頭部係止部6に当接係止し得るように段部を形成して頭部4a(上部)が径大となるように構成しており、また、下端側には、ノズル本体部1の螺子杆挿通部7の内面の螺合部8に螺合する螺子部9を形成したものである。
【0068】
また、弁構造を備え、この弁構造により開閉される弁口22の開閉調整によって散水量を調整し得るものである。この水量調整弁筒4の弁構造としては様々な構造があり、図示した本実施例においては、外側弁口22aを側周面に有する外筒体23内に、内側弁口22bを側周面に有する内筒体24を相対回動自在に嵌入配設し、図5に図示したように内筒体24の天部に設けた工具挿入溝24aに螺動操作工具(マイナスドライバなど)を挿入して外筒体23に対して内筒体24を相対回動せしめることで外筒体23の外側弁口22aと内筒体24の内側弁口22bとの重合量を調整することで弁口22の開閉及び開口量を調整する二重筒構造を採用したものであるが、このような弁構造は、既存の散水ノズルの水量調整弁筒4として一般的な構造であり、その詳細な説明は本発明の要旨と直接関係しないので省略する。
【0069】
尚、この水量調整弁筒4の下部側の螺子部9の上側には樹脂製のOリング25を被嵌し、図4に図示したように、この水量調整弁筒4をノズル本体部1の螺子杆挿通部7に挿通配設した際にこのOリング25が前記螺子杆挿通部7の上部内面(螺合部8の上側の内面)に止水状態に弾圧当接するように構成している。また、頭部4aにも樹脂製のOリング26を被嵌し、図4に図示したように、この水量調整弁筒4をキャップ体2の挿通孔5に挿通した際にこのOリング26が前記挿通孔5の内面に止水状態に弾圧当接するように構成している。尚、図中,符号27は、前記内筒体24の天部に着脱自在に嵌着してこの天部の工具挿入溝24aをカバーする天部カバー体27である。
【0070】
以上のように構成した本実施例のノズル本体部1とキャップ体2と水量調整弁筒4との組み付け手順を説明する。
【0071】
先ず、図1に図示したように、水量調整弁筒4を挿通孔5に挿通していない状態でキャップ体2をノズル本体部1の嵌合凹部3に嵌入する。
【0072】
この際、脱嵌許容手段Tによりキャップ体2の嵌合凹部3に対する嵌入が許容されるように所定の傾斜姿勢に傾動してキャップ体2の固定時の軸芯方向に対して、図2に図示したように傾いた軸芯方向とすることで嵌入作業を行う(この際、キャップ体2の挿通孔5に水量調整弁筒4が挿通配設されていると、この水量調整弁筒4が邪魔でキャップ体2を傾けた状態に嵌入できない。)。
【0073】
即ち、キャップ体2に設けた一対の突出部10のうちの一の突出部10(切欠部11に通過させるための突出部10であり、図1,図2及び図3中、右側の突出部10)と、前記嵌合凹部3のフランジ部12(本実施例では嵌合凹部3自体がフランジ部12である。)に形成した切欠部11と位置合わせして、図2に図示したように、キャップ体2の一方の突出部10(切欠部11に通過させるための、図2中、右側の突出部10)が傾斜上端側となるような傾斜姿勢にして、他方の突出部10を設けた傾斜下端側を嵌合凹部3内に挿入する。
【0074】
次いで、図3に図示したように、キャップ体2の前記一方の突出部10を前記切欠部11に通過させることで、このキャップ体2を嵌合凹部3に嵌入できることとなる。
【0075】
次いで、図4に図示したように、このように嵌合凹部3内に嵌入したキャップ体2の挿通孔5に水量調整弁筒4を挿通し、この水量調整弁筒4の下部をノズル本体部1内の螺子杆挿通部7に挿通配設し、この水量調整弁筒4の螺子部9を螺子杆挿通部7の螺合部8に螺合することでキャップ体2を前記嵌合凹部3に押さえ込み状態に止着嵌合固定し、更にキャップ体2の挿通孔5の内面の周溝部15に止め輪16を嵌め込み配設してキャップ体2と水量調整弁筒4とを抜け止め止着して、このノズル本体部1にキャップ体2と嵌合凹部3とを組み付けできることとなる。
【0076】
ところで、このようにキャップ体2を嵌合凹部3に止着嵌合固定する際、キャップ体2の下部は前記連通路18内に配設される。このキャップ体2をこの固定姿勢のまま、水量調整弁筒4を緩め回動して嵌合凹部3に対して浮上状態となるように上動すると、このキャップ体2の下部側の突出部10と、このキャップ体2の下部側の突出部10が配設される連通路18の上端部にして嵌合凹部3の下端部(即ち、フランジ部12の下面)とが引っ掛り当接することとなり、よって、図3に図示したようにキャップ体2の下部側の突出部10と前記連通路18の状端部にして嵌合凹部3の下端部とが引っ掛り当接する位置より上方にはキャップ体2が上動できず、よって、キャップ体2を嵌合凹部3から少しだけ浮き上がらせることは良好にでき、且つ、それ以上極端に大きく浮き上がってしまうことは確実に阻止でき、また同時に、水量調整弁筒4の緩め回動もこのキャップ体2の上動限界位置で停止されることとなり、それ以上緩め回動できない(つまり、それ以上水量調整弁筒4が緩まない)こととなる。
【0077】
一方、キャップ体2を嵌合凹部3から脱嵌したい場合、このキャップ体2の嵌合凹部5の周溝部15から止め輪16を取り外せば、水量調整弁筒4を際限なく緩め回動でき、最終的にはノズル本体部1及びキャップ体2からこの水量調整弁筒4を抜き出せる。こうして水量調整弁筒4を取り出せば、この水量調整弁筒4が邪魔になることなくキャップ体2を良好に傾動させ所定の傾斜姿勢とすることができ、よって、図2及び図3に図示したように、キャップ体2を傾動させつつ、このキャップ体2の一方の突出部10(切欠部11に通過せしめる突出部10)を、ノズル本体部1の連通路18の上端部にして嵌合凹部3の下端部(即ち、フランジ部12の下面)と引っ掛り当接することなく前記切欠部11に通過させ、このようにしてキャップ体2を嵌合凹部3から脱嵌できることとなる。
【0078】
尚、本実施例においては、嵌合凹部3内に嵌入したキャップ体2を嵌合凹部3に密接させると、図4に図示したようにキャップ体2の下部の回り止め突部13がノズル本体部1の回り止めフランジ部20の複数のリブ20a間の隙間に没入して回り止めされるが、しかし、図3に図示したように嵌合凹部3内に嵌入したキャップ体2をこの嵌合凹部3に浮上状態とした際には、キャップ体2の回り止め突部13と前記リブ20aとが当接せず、このキャップ体2を嵌合凹部3に対して相対回動自在に構成している。よって、図3に図示したキャップ体2の浮上状態で、嵌合凹部3に対して相対回動させることで、前述のように位置合わせした突出部10と切欠部11の位置をずらしてから、図4に図示したように水量調整弁筒4でキャップ体2を嵌合凹部3に止着嵌合固定することで、一層堅固なキャップ体2の抜け止めを達成することも可能である(キャップ体2を嵌合凹部3から脱嵌するには位置ズレ状態にあるキャップ体2の突出部10と前記切欠部11とを再度位置合わせしなければならなくなり一層堅固な抜け止め構造となる。)。
【0079】
上述のように構成した本実施例は、ノズル本体部1の嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2から、上記止め輪16を取り外して水量調整弁筒4を取り外さない限りこのキャップ体2や水量調整弁筒4がノズル本体部1から抜け出ることを確実に阻止できる。
【0080】
また逆に、止め輪16を取り外して水量調整弁筒4をキャップ体2から取り外してこのキャップ体2を傾斜姿勢とすれば、このキャップ体2をノズル本体部1から脱嵌することも簡易に達成できる。
【0081】
よって、本実施例は、例えば散水ノズルの使用中にキャップ体2が例えばこの散水ノズルの上部を通過する車の摩擦や振動などの外部の影響によって水量調整弁筒4が徐々に緩み、不意にノズル本体部1から脱嵌してしまったり、キャップ体2が極端に大きく浮き上がってしまい、車が乗り上げた際の加重でキャップ体2や水量調整弁筒4の破損を生ずるといった問題は決して生じ得ず、また、ノズル清掃時(水量調整弁筒4を緩み螺動操作してキャップ体2をノズル本体部1の嵌合凹部3から浮上させてノズル本体部1内のゴミを流し出す作業時)にも、水量調整弁筒4の緩め過ぎにより水量調整弁筒4の螺子部9とノズル本体部1の螺合部8との螺合が解除されキャップ体2が不意に脱嵌し水圧により勢い良く上方に飛び出すといった心配は一切無く安全且つ作業性良くこのノズル清掃作業が行え、更に、メンテナンスなどでノズル本体部1からキャップ体2や水量調整弁筒4を脱嵌したい場合にはそれも簡易に行えるなど、極めて実用性及び作業性に秀れた画期的な抜け止め構造を備えた散水ノズルとなる。
【実施例2】
【0082】
本発明の具体的な実施例2について図面に基づいて説明する。
【0083】
本実施例は、実施例1に係るキャップ抜け止め構造の別例であり、具体的には、前述した実施例1とは異なり、脱嵌許容手段Tの突出部10をキャップ体2ではなく嵌合凹部3に設け、フランジ部12及び切欠部11を嵌合凹部3ではなくキャップ体2に設ける構成としたものである。
【0084】
詳述すると、図12に図示したように、キャップ体2の側周面のテーパ状の部位の下部のストレート状の部位に凹欠溝部28を複数形成することで、このキャップ体2の下部に側方(外方)に突出するフランジ部12を有すると共にこのフランジ部12の一部を内方に向けて切欠する切欠部11を有する凹欠溝部28を前記キャップ体2の側周面に複数形成(本実施例においては4つ形成)した構成とする。一方、嵌合凹部3の下端部にしてノズル本体部1の整流路17(実施例2では、連通路18は設けず整流路17のみとする)の上端部の所定位置に、内方に向けて突出状態に突出部10を設けた構成としている。
【0085】
以上のように構成した本実施例は、図6に図示したように、水量調整弁筒4を挿通孔5に挿通していない状態でキャップ体2をノズル本体部1の嵌合凹部3に嵌入する。
【0086】
この際、脱嵌許容手段Tによりキャップ体2の嵌合凹部3に対する嵌入が許容されるように所定の傾斜姿勢に傾動して前記固定時の軸芯方向に対して傾いた軸芯方向としたうえで嵌入作業を行う。具体的には、キャップ体2に形成した複数の凹欠溝部28のうちの何れか一つの凹欠溝部28のフランジ部12の切欠部11と、前記嵌合凹部3に形成した突出部10とを位置合わせして、図7に図示したように、キャップ体2の切欠部11が傾斜下端側となるような傾斜姿勢にしてこのキャップ体2の切欠部11に嵌合凹部3の突出部10を通過させつつこのキャップ体2の傾斜下端側を嵌合凹部3内に挿入し、次いで、図8に図示したように反対側(傾斜上端側)もこの嵌合凹部3内に挿入することでこのキャップ体2を嵌合凹部3に嵌入できることとなる。
【0087】
従って、図9に図示したように嵌合凹部3にキャップ体2を密接して、前述の実施例1と同様に、キャップ体2の挿通孔5に水量調整弁筒4を挿通してこの水量調整弁筒4の螺子部9とノズル本体部1内の螺子杆挿通部7の螺合部8とを螺合することでキャップ体2を嵌合凹部3に押さえ込み状態に止着嵌合固定できる。
【0088】
また、このキャップ体2をこの固定姿勢のまま、水量調整弁筒4を緩め回動して嵌合凹部3に対して浮上状態となるように上動すると、このキャップ体2の下部のフランジ部12と、嵌合凹部3の下端部にして整流路17の上端部に形成された突出部10とが引っ掛り当接することとなる。つまり、図7に図示したように、キャップ体2を所定の傾斜姿勢としなければこのキャップ体2が嵌合凹部3に対して嵌入・脱嵌することは脱嵌許容手段Tにより確実に阻止されることとなる。
【0089】
尚、本実施例では、キャップ体2に形成した凹欠溝部28の上部には回り止め凹部29が形成されており、図9に図示したように、嵌合凹部3内に嵌入したキャップ体2を嵌合凹部3に密接させると、嵌合凹部3の突出部10がこのキャップ体2の凹欠溝部28の回り止め凹部29に没入し、これにより嵌合凹部3とキャップ体2とが回り止めされるように構成している。
【0090】
従って、図10に図示したように、キャップ体2の凹欠溝部28のフランジ部12の切欠部11と、嵌合凹部3の突出部10を位置合わせしてこの嵌合凹部3にキャップ体2を嵌入した後、図11に図示したように、嵌合凹部3とキャップ体2とを相対回動して前記切欠部11と突出部10との位置をズラした上でこのキャップ体2を下動して嵌合凹部3に密接させると共にキャップ体2の回り止め凹部29に嵌合凹部3の突出部10を没入させることで、前記突出部10と切欠部11とを位置ズレ状態にしてキャップ体2を回り止め状態に嵌合凹部3に止着嵌合固定することもできる。
【0091】
その余は実施例1と同様である。
【実施例3】
【0092】
本発明の具体的な実施例3について図面に基づいて説明する。
【0093】
本実施例は、実施例1に係るキャップ抜け止め構造の別例であり、具体的には、前記脱嵌許容手段Tを、前記キャップ体2を前記嵌合凹部3に止着嵌合固定した際の軸芯方向に対してこのキャップ体2の軸芯方向を傾けるのではなく、図13及び図14に図示したように、軸芯方向を横方に位置ズレさせることにより前期嵌合凹部3に対するキャップ体2の嵌入・脱嵌を許容し、この軸芯方向の横方位置ズレを前記固定時の軸芯方向位置へと戻すことによりこの嵌入・脱嵌が阻止されるように構成したタイプの別例である。
【0094】
具体的には、前記キャップ体2の側面に外方突出状態に,若しくは前記嵌合凹部3の内面に内方突出状態に突出部10を形成し、この突出部10が通過し得る切欠部11を有するフランジ部12を前記嵌合凹部3の内面に内方突出状態に,若しくは前記キャップ体2の側面に外方突出状態に形成し、前記突出部10と前記フランジ部12の切欠部11とを位置合わせしてこの突出部10を切欠部11に通過させることでキャップ体2の前記嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が許容され、且つこの嵌合凹部3に嵌入したキャップ体2を、このキャップ体2の挿通孔5に螺子杆4を挿通して前記螺子杆挿通部7に螺子杆4を挿通配設し得る軸芯位置に移動させることで、前記突出部10とフランジ部12との位置が横方に位置ズレして前記キャップ体2を嵌合凹部3に嵌入・脱嵌する際に突出部10とフランジ部12とが引っ掛り当接してこのキャップ体2の前記嵌合凹部3に対する嵌入・脱嵌が阻止されるように前記突出部10及びフランジ部12を形成して前記脱嵌許容手段Tを構成したものである。
【0095】
詳述すると、キャップ体2の側面に突出部10を複数突出形成する。図示した本実施例においては、キャップ体2の側面にして互いに相反する二箇所に突出部10を突出形成する。
【0096】
嵌合凹部3の下端側には、内方突出状態にフランジ部12を形成し、このフランジ部12の一部に前記一対の突出部10のうちのいずれかが通過し得る切欠部11を形成する。
【0097】
図13に図示したように、前記キャップ体2を固定時の軸芯方向から横方にやや位置ズレした状態では、前記嵌合凹部3のフランジ部12にこのキャップ体2のいずれの突出部10も引っ掛かり当接することなく(一方(図13中,右側の突出部10)は前記フランジ部12の切欠部11を通過して)嵌合凹部3に対するキャップ体2の嵌入・脱嵌が許容されるように構成し、一方、図14に図示したように、前記キャップ体2の軸芯方向の横方の位置ズレを戻して固定時の軸芯方向と一致する位置にキャップ体2を配することで、このキャップ体2の一対の突出部10のうちの一方の突出部10(図14中,左側の突出部10)が前記嵌合凹部3のフランジ部12に引っ掛かり当接することとなる。
【0098】
よって、このキャップ体2の挿通孔5に前記水量調整弁筒4を止め輪16によって抜け止め状態に挿通し、この水量調整弁筒4が前記ノズル本体部1内の螺子杆挿通部7に挿通配設されている状態では、前記キャップ体2が、図13に図示したように横方に位置ズレですることは水量調整弁筒4によって阻止され、よって、図14に図示したキャップ体2の突出部10と嵌合凹部3のフランジ部12との当接高さ位置より上方にキャップ体2が上動することが阻止され、水量調整弁筒4の所定量以上の緩み回動が阻止され、キャップ体2の不意の抜け外れも阻止されることとなるなど、上記実施例1の脱嵌許容手段Tと同様の抜け止め機能を発揮することとなる。
【0099】
その余は、実施例1と同様である。
【0100】
尚、本発明は、実施例1,2,3に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】実施例1に係るキャップ抜け止め構造の説明正断面図である。
【図2】実施例1に係るキャップ抜け止め構造の説明正断面図である。
【図3】実施例1に係るキャップ抜け止め構造の説明正断面図である。
【図4】実施例1に係るキャップ抜け止め構造の説明正断面図である。
【図5】実施例1に係るキャップ抜け止め構造の説明分解斜視図である。
【図6】実施例2に係るキャップ抜け止め構造の説明正断面図である。
【図7】実施例2に係るキャップ抜け止め構造の説明正断面図である。
【図8】実施例2に係るキャップ抜け止め構造の説明正断面図である。
【図9】実施例2に係るキャップ抜け止め構造の説明正断面図である。
【図10】実施例2に係るキャップ抜け止め構造の説明平面図である。
【図11】実施例2に係るキャップ抜け止め構造の説明平面図である。
【図12】実施例2に係るキャップ抜け止め構造の説明分解斜視図である。
【図13】実施例3に係るキャップ抜け止め構造の説明正断面図である。
【図14】実施例3に係るキャップ抜け止め構造の説明正断面図である。
【符号の説明】
【0102】
1 本体部,ノズル本体部
1a 上部開口部
2 キャップ体
3 嵌合凹部
4 螺子杆,水量調整弁筒
4a 頭部
5 挿通孔
6 頭部係止部
7 螺子杆挿通部
8 螺合部
9 螺子部
10 突出部
11 切欠部
12 フランジ部
14 散水路
15 周溝部
16 止め輪
17 整流路
18 連通路
P 螺子杆止着手段
T 脱嵌許容手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部の上部開口部に、キャップ体を嵌入する嵌合凹部を設け、このキャップ体には螺子杆を挿通する挿通孔を設け、この挿通孔には前記螺子杆の頭部が当接係止する頭部係止部を設け、前記螺子杆は、前記本体部内に設けた螺子杆挿通部に挿通配設すると共に、この螺子杆の周面には前記螺子杆挿通部の内面に形成した螺合部に螺合する螺子部を形成した構成とし、前記本体部の上部開口部の嵌合凹部に嵌入したキャップ体の挿通孔に螺子杆を挿通してこの螺子杆の周面の螺子部を前記螺合部に螺合することで前記キャップ体を前記嵌合凹部に押さえ込み状態に止着嵌合固定し得るように構成すると共に、前記キャップ体の挿通孔に挿通した螺子杆の軸芯方向をこのキャップ体の軸芯方向とすると、このキャップ体を前記嵌合凹部に止着嵌合固定した際のキャップ体の軸芯方向に対してこのキャップ体の軸芯方向を傾ける若しくは横方に位置ズレさせることで前記嵌合凹部に対してキャップ体の嵌入・脱嵌を許容し、且つこのキャップ体を前記嵌合凹部に止着嵌合固定した際の軸芯方向に戻すことでこのキャップ体の嵌入・脱嵌が阻止される脱嵌許容手段を備えた構成とし、前記嵌合凹部内に嵌入したキャップ体の挿通孔に螺子杆を挿通した状態では、この螺子杆が螺子杆挿通部に挿通配設されていることで、前記キャップ体の軸芯方向を前記脱嵌許容手段に嵌入・脱嵌が許容されるように傾ける若しくは横方に位置ズレさせることが阻止されてこのキャップ体が前記脱嵌許容手段により嵌合凹部に対して脱嵌阻止状態となるように構成したことを特徴とするキャップ抜け止め構造。
【請求項2】
前記脱嵌許容手段は、前記キャップ体を前記嵌合凹部に止着嵌合固定した際の軸芯方向と一致した軸芯方向のまま上下動させた際には前記嵌合凹部とキャップ体とが引っ掛り当接してこのキャップ体の前記嵌合凹部に対する嵌入・脱嵌が阻止され、且つ、このキャップ体の軸芯方向を前記嵌合凹部に止着嵌合固定した際の軸芯方向に対して傾ける若しくは横方に位置ズレさせた状態で上下動させた際には前記嵌合凹部とキャップ体とが引っ掛り当接することなくこのキャップ体の前記嵌合凹部に対する嵌入・脱嵌が許容されるように前記キャップ体若しくは嵌合凹部の形状を形成して構成したことを特徴とする請求項1記載のキャップ抜け止め構造。
【請求項3】
前記キャップ体の側面に外方突出状態に,若しくは前記嵌合凹部の内面に内方突出状態に突出部を形成し、この突出部が通過し得る切欠部を有するフランジ部を前記嵌合凹部の内面に内方突出状態に,若しくは前記キャップ体の側面に外方突出状態に形成し、前記突出部と前記フランジ部の切欠部とを位置合わせして前記キャップ体に形成した突出部若しくはフランジ部の切欠部が傾斜下端側若しくは傾斜上端側となる傾斜方向にキャップ体を傾動してキャップ体の軸芯方向を所定の傾斜姿勢とすることで前記突出部が前記フランジ部の切欠部を通過でき前記キャップ体の前記嵌合凹部に対する嵌入・脱嵌が許容され、且つこのキャップ体の軸芯方向を嵌合凹部に止着嵌合固定する際の軸芯方向に戻すことで前記突出部が前記フランジ部の切欠部を通過できずフランジ部と引っ掛かり当接して前記キャップ体の前記嵌合凹部に対する嵌入・脱嵌が阻止されるように前記突出部及びフランジ部を形成して前記脱嵌許容手段を構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のキャップ抜け止め構造。
【請求項4】
前記キャップ体の側面に外方突出状態に,若しくは前記嵌合凹部の内面に内方突出状態に突出部を形成し、この突出部が通過し得る切欠部を有するフランジ部を前記嵌合凹部の内面に内方突出状態に,若しくは前記キャップ体の側面に外方突出状態に形成し、前記突出部と前記フランジ部の切欠部とを位置合わせしてこの突出部を切欠部に通過させることでキャップ体の前記嵌合凹部に対する嵌入・脱嵌が許容され、且つこの嵌合凹部に嵌入したキャップ体を、このキャップ体の挿通孔に螺子杆を挿通して前記螺子杆挿通部に螺子杆を挿通配設し得る軸芯位置に移動させることで、前記突出部とフランジ部との位置が横方に位置ズレして前記キャップ体を嵌合凹部に嵌入・脱嵌する際に突出部とフランジ部とが引っ掛り当接してこのキャップ体の前記嵌合凹部に対する嵌入・脱嵌が阻止されるように前記突出部及びフランジ部を形成して前記脱嵌許容手段を構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のキャップ抜け止め構造。
【請求項5】
前記嵌合凹部内に嵌入したキャップ体をこの嵌合凹部に対して相対回動自在に構成して、前記突出部と前記フランジ部の切欠部とを位置合わせしてこの切欠部に突出部を通過させて前記キャップ体を嵌合凹部内に嵌入した後、この嵌合凹部に対して前記キャップ体を相対回動させることで前記突出部と前記切欠部とを位置ズレ回動自在に構成したことを特徴とする請求項3,4のいずれか1項に記載のキャップ抜け止め構造。
【請求項6】
前記キャップ体の挿通孔は、この挿通孔に挿通した前記螺子杆の頭部をこの挿通孔内に着脱自在に抜け止め止着する螺子杆止着手段を備えた構成としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のキャップ抜け止め構造。
【請求項7】
前記螺子杆止着手段は、前記挿通孔の内面部にしてこの挿通孔に挿通した螺子杆の頭部より上方位置に周設した周溝部内に止め輪を嵌め込み配設し、この止め輪により前記螺子杆の頭部をキャップ体の挿通孔内に上方抜け止め状態に設ける構成としたことを特徴とする請求項6記載のキャップ抜け止め構造。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のキャップ抜け止め構造を備え、ノズル本体部の上部開口部に設けた嵌合凹部に、前記ノズル本体部内の通水路と連通する散水路を有するキャップ体の軸芯方向を、前記嵌合凹部に止着嵌合固定した際のキャップ体の軸芯方向に対して前記脱嵌許容手段に嵌入・脱嵌を許容されるように傾ける若しくは横方に位置ズレさせることで嵌入・脱嵌自在に前記嵌合凹部に嵌入し、この嵌合凹部に嵌入したキャップ体の挿通孔に挿通した前記螺子杆としての水量調整弁筒の周面の螺子部を、前記ノズル本体部内の螺子杆挿通部の内面に形成した螺合部に螺合することで、前記キャップ体を前記嵌合凹部に押さえ込み状態に止着嵌合固定し得るように構成すると共に、この嵌合凹部内に嵌入したキャップ体の挿通孔に前記水量調整弁筒を挿通した状態では、この水量調整弁筒が螺子杆挿通部に挿通配設されていることで前記キャップ体の軸芯方向を前記脱嵌許容手段に嵌入・脱嵌が許容されるように傾ける若しくは横方に位置ズレさせることが阻止されてこのキャップ体が前記脱嵌許容手段により嵌合凹部に対して脱嵌阻止状態となるように構成したことを特徴とする散水ノズル。
【請求項9】
前記ノズル本体部内の通水路にして前記嵌合凹部の下方に設ける整流路,若しくはこの整流路と前記嵌合凹部に嵌入したキャップ体の散水路とを連通する連通路に、前記嵌合凹部に嵌入したキャップ体の下部側が配設されるように前記キャップ体の形状を形成すると共に、前記キャップ体を前記嵌合凹部に止着嵌合固定した際のキャップ体の軸芯方向と一致する軸芯方向でこのキャップ体を上下動することでこのキャップ体の下端側と、前記嵌合凹部の下端部にして前記整流路若しくは連通路の上端部とが引っ掛り当接してこのキャップ体の前記嵌合凹部に対する嵌入・脱嵌が阻止されるようにノズル本体部内の整流路若しくは連通路の形状を設定して前記脱嵌許容手段を構成したことを特徴とする請求項8記載の散水ノズル。
【請求項1】
本体部の上部開口部に、キャップ体を嵌入する嵌合凹部を設け、このキャップ体には螺子杆を挿通する挿通孔を設け、この挿通孔には前記螺子杆の頭部が当接係止する頭部係止部を設け、前記螺子杆は、前記本体部内に設けた螺子杆挿通部に挿通配設すると共に、この螺子杆の周面には前記螺子杆挿通部の内面に形成した螺合部に螺合する螺子部を形成した構成とし、前記本体部の上部開口部の嵌合凹部に嵌入したキャップ体の挿通孔に螺子杆を挿通してこの螺子杆の周面の螺子部を前記螺合部に螺合することで前記キャップ体を前記嵌合凹部に押さえ込み状態に止着嵌合固定し得るように構成すると共に、前記キャップ体の挿通孔に挿通した螺子杆の軸芯方向をこのキャップ体の軸芯方向とすると、このキャップ体を前記嵌合凹部に止着嵌合固定した際のキャップ体の軸芯方向に対してこのキャップ体の軸芯方向を傾ける若しくは横方に位置ズレさせることで前記嵌合凹部に対してキャップ体の嵌入・脱嵌を許容し、且つこのキャップ体を前記嵌合凹部に止着嵌合固定した際の軸芯方向に戻すことでこのキャップ体の嵌入・脱嵌が阻止される脱嵌許容手段を備えた構成とし、前記嵌合凹部内に嵌入したキャップ体の挿通孔に螺子杆を挿通した状態では、この螺子杆が螺子杆挿通部に挿通配設されていることで、前記キャップ体の軸芯方向を前記脱嵌許容手段に嵌入・脱嵌が許容されるように傾ける若しくは横方に位置ズレさせることが阻止されてこのキャップ体が前記脱嵌許容手段により嵌合凹部に対して脱嵌阻止状態となるように構成したことを特徴とするキャップ抜け止め構造。
【請求項2】
前記脱嵌許容手段は、前記キャップ体を前記嵌合凹部に止着嵌合固定した際の軸芯方向と一致した軸芯方向のまま上下動させた際には前記嵌合凹部とキャップ体とが引っ掛り当接してこのキャップ体の前記嵌合凹部に対する嵌入・脱嵌が阻止され、且つ、このキャップ体の軸芯方向を前記嵌合凹部に止着嵌合固定した際の軸芯方向に対して傾ける若しくは横方に位置ズレさせた状態で上下動させた際には前記嵌合凹部とキャップ体とが引っ掛り当接することなくこのキャップ体の前記嵌合凹部に対する嵌入・脱嵌が許容されるように前記キャップ体若しくは嵌合凹部の形状を形成して構成したことを特徴とする請求項1記載のキャップ抜け止め構造。
【請求項3】
前記キャップ体の側面に外方突出状態に,若しくは前記嵌合凹部の内面に内方突出状態に突出部を形成し、この突出部が通過し得る切欠部を有するフランジ部を前記嵌合凹部の内面に内方突出状態に,若しくは前記キャップ体の側面に外方突出状態に形成し、前記突出部と前記フランジ部の切欠部とを位置合わせして前記キャップ体に形成した突出部若しくはフランジ部の切欠部が傾斜下端側若しくは傾斜上端側となる傾斜方向にキャップ体を傾動してキャップ体の軸芯方向を所定の傾斜姿勢とすることで前記突出部が前記フランジ部の切欠部を通過でき前記キャップ体の前記嵌合凹部に対する嵌入・脱嵌が許容され、且つこのキャップ体の軸芯方向を嵌合凹部に止着嵌合固定する際の軸芯方向に戻すことで前記突出部が前記フランジ部の切欠部を通過できずフランジ部と引っ掛かり当接して前記キャップ体の前記嵌合凹部に対する嵌入・脱嵌が阻止されるように前記突出部及びフランジ部を形成して前記脱嵌許容手段を構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のキャップ抜け止め構造。
【請求項4】
前記キャップ体の側面に外方突出状態に,若しくは前記嵌合凹部の内面に内方突出状態に突出部を形成し、この突出部が通過し得る切欠部を有するフランジ部を前記嵌合凹部の内面に内方突出状態に,若しくは前記キャップ体の側面に外方突出状態に形成し、前記突出部と前記フランジ部の切欠部とを位置合わせしてこの突出部を切欠部に通過させることでキャップ体の前記嵌合凹部に対する嵌入・脱嵌が許容され、且つこの嵌合凹部に嵌入したキャップ体を、このキャップ体の挿通孔に螺子杆を挿通して前記螺子杆挿通部に螺子杆を挿通配設し得る軸芯位置に移動させることで、前記突出部とフランジ部との位置が横方に位置ズレして前記キャップ体を嵌合凹部に嵌入・脱嵌する際に突出部とフランジ部とが引っ掛り当接してこのキャップ体の前記嵌合凹部に対する嵌入・脱嵌が阻止されるように前記突出部及びフランジ部を形成して前記脱嵌許容手段を構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のキャップ抜け止め構造。
【請求項5】
前記嵌合凹部内に嵌入したキャップ体をこの嵌合凹部に対して相対回動自在に構成して、前記突出部と前記フランジ部の切欠部とを位置合わせしてこの切欠部に突出部を通過させて前記キャップ体を嵌合凹部内に嵌入した後、この嵌合凹部に対して前記キャップ体を相対回動させることで前記突出部と前記切欠部とを位置ズレ回動自在に構成したことを特徴とする請求項3,4のいずれか1項に記載のキャップ抜け止め構造。
【請求項6】
前記キャップ体の挿通孔は、この挿通孔に挿通した前記螺子杆の頭部をこの挿通孔内に着脱自在に抜け止め止着する螺子杆止着手段を備えた構成としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のキャップ抜け止め構造。
【請求項7】
前記螺子杆止着手段は、前記挿通孔の内面部にしてこの挿通孔に挿通した螺子杆の頭部より上方位置に周設した周溝部内に止め輪を嵌め込み配設し、この止め輪により前記螺子杆の頭部をキャップ体の挿通孔内に上方抜け止め状態に設ける構成としたことを特徴とする請求項6記載のキャップ抜け止め構造。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のキャップ抜け止め構造を備え、ノズル本体部の上部開口部に設けた嵌合凹部に、前記ノズル本体部内の通水路と連通する散水路を有するキャップ体の軸芯方向を、前記嵌合凹部に止着嵌合固定した際のキャップ体の軸芯方向に対して前記脱嵌許容手段に嵌入・脱嵌を許容されるように傾ける若しくは横方に位置ズレさせることで嵌入・脱嵌自在に前記嵌合凹部に嵌入し、この嵌合凹部に嵌入したキャップ体の挿通孔に挿通した前記螺子杆としての水量調整弁筒の周面の螺子部を、前記ノズル本体部内の螺子杆挿通部の内面に形成した螺合部に螺合することで、前記キャップ体を前記嵌合凹部に押さえ込み状態に止着嵌合固定し得るように構成すると共に、この嵌合凹部内に嵌入したキャップ体の挿通孔に前記水量調整弁筒を挿通した状態では、この水量調整弁筒が螺子杆挿通部に挿通配設されていることで前記キャップ体の軸芯方向を前記脱嵌許容手段に嵌入・脱嵌が許容されるように傾ける若しくは横方に位置ズレさせることが阻止されてこのキャップ体が前記脱嵌許容手段により嵌合凹部に対して脱嵌阻止状態となるように構成したことを特徴とする散水ノズル。
【請求項9】
前記ノズル本体部内の通水路にして前記嵌合凹部の下方に設ける整流路,若しくはこの整流路と前記嵌合凹部に嵌入したキャップ体の散水路とを連通する連通路に、前記嵌合凹部に嵌入したキャップ体の下部側が配設されるように前記キャップ体の形状を形成すると共に、前記キャップ体を前記嵌合凹部に止着嵌合固定した際のキャップ体の軸芯方向と一致する軸芯方向でこのキャップ体を上下動することでこのキャップ体の下端側と、前記嵌合凹部の下端部にして前記整流路若しくは連通路の上端部とが引っ掛り当接してこのキャップ体の前記嵌合凹部に対する嵌入・脱嵌が阻止されるようにノズル本体部内の整流路若しくは連通路の形状を設定して前記脱嵌許容手段を構成したことを特徴とする請求項8記載の散水ノズル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−73598(P2008−73598A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−254626(P2006−254626)
【出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【出願人】(503231055)株式会社アサノトレード (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【出願人】(503231055)株式会社アサノトレード (8)
【Fターム(参考)】
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