説明

キャップ装着方法及び装置

【課題】容器内の泡を除去するとともに、容器内から溢れ出た泡および飛び跳ねた液体により汚染された容器の口部側面を確実に洗浄して、かつ、容器の口部のヘッドスペースを減少させて、キャップを装着する。
【解決手段】キャッパ5内でキャップを装着するまでの容器1の搬送区間で、容器1の胴部をスクィーズして容器1内の液面を上昇させ、かつ、容器1の口部を洗浄液でジェット洗浄して、容器1内の液面が上昇した状態で容器1の口部にキャップを装着するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PETボトル等の弾力性を有する容器に液体を充填して、容器の口部にキャップを装着するキャップ装着方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、炭酸飲料や果汁飲料等の液体を弾力性のある容器に充填して容器の口部にキャップを装着する場合には、液体を容器に充填する際或いは充填後に容器を搬送する際に、容器内の液体の発泡または飛び跳ね等で汚染された容器の口部を洗浄してから容器をキャッパに送り込んでいた。また、容器に充填された液体が容器の口部天面と液面との間のヘッドスペースに存在する空気によって酸化され、液体の品質が損なわれやすいために、容器の胴部をスクィーズして容器内の液面を上昇させ、ヘッドスペース内の空気を減少させて容器の口部にキャップを装着していた(特許文献1、2、3および4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−145462号公報(図2)
【特許文献2】特公平6−98997号公報(図1)
【特許文献3】特開2004−276941号公報(図1)
【特許文献4】特開2003−312782号公報(図1、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1によれば、キャップ装着方法及び装置は、液体を充填された弾力性を有する容器が充填機からキャッパまで搬送ターレット(スターホイール)で搬送される間に泡除去およびネック(容器の口部側面)洗浄をして、その後キャッパで容器の口部にキャップを装着するとしている。
しかしながら、前記特許文献1のキャップ装着方法及び装置では、搬送ターレットで泡除去およびネック洗浄をした後、キャッパ内で、キャップを装着するまでの間の容器搬送において、搬送の際の振動で再び容器内の液体の発泡、飛び跳ねが生じることがあり、泡除去、ネック洗浄が不十分であるという問題が考えられる。
【0005】
また、前記特許文献2によれば、キャップ装着方法及び装置は、充填機で容器に液体を充填中または充填後の移送中にキャップ受け口(容器の口部側面)に洗浄水を注いで、キャップ受け口に付着した液体を除去するとしている。
しかしながら、前記特許文献2のキャップ装着方法及び装置では、キャップ受け口の洗浄を経た後直ちにキャップを装着するのが良いとしているが、具体的な方法および装置が開示されていない。
【0006】
また、前記特許文献3によれば、キャップ装着方法及び装置は、キャッピング装置内のターレットでボトルを搬送する際、ボトルと同期して回転するスクィーズポートでボトル胴部をスクィーズしながら搬送してキャッピングポートでスクィーズを終了させるとしている。
しかしながら、前記特許文献3のキャップ装着方法及び装置では、キャッピング装置内で搬送されるボトルから搬送時の振動等により発泡、液体の飛び跳ねが生じることがあるが、その点への配慮がなされていない。
【0007】
さらに、前記特許文献4によれば、キャップ装着方法及び装置は、樹脂製ボトル内の液面を上昇するように調整する際、クランパユニットの押圧部材で樹脂製ボトルの胴部をスクィーズするとしている。
しかしながら、前記特許文献4のキャップ装着方法及び装置では、キャッピングヘッド毎にクランパユニットを設けているので、コスト高となり、より安価なスクィーズ装置の提供が望まれている。
【0008】
本発明は、液体を充填された弾力性を有する容器がキャップを装着される際、キャッパ内でキャップを装着するまでの間の容器搬送中に、容器の胴部のスクィーズにより容器内の液面を上昇させ、容器内の泡を除去するとともに、容器内から溢れ出た泡および飛び跳ねた液体により汚染された容器の口部側面を確実に洗浄して、かつ、容器の口部のヘッドスペースを減少させて、キャップを装着するようにすること、および、容器の胴部のスクィーズ区間を長くして前記液面の上昇を緩やかにし、容器内の液体の発泡、飛び跳ねを極力抑えるようにすること、しかもスクィーズ装置を安価に提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題に対し、本発明は以下の手段により解決を図る。
(1)第1の手段のキャップ装着方法は、充填機で液体を充填された弾力性を有する容器の口部にキャップを装着するキャップ装着方法において、キャッパ内でキャップを装着するまでの前記容器の搬送区間で、前記容器の胴部をスクィーズして前記容器内の液面を上昇させ、かつ、前記容器の口部を洗浄液でジェット洗浄して、前記容器内の液面が上昇した状態で前記容器の口部にキャップを装着するようにしたことを特徴とする。
(2)第2の手段のキャップ装着方法は、前記第1の手段のキャップ装着方法において、前記充填機から前記キャッパへの前記容器の搬送経路上で、前記容器の胴部をスクィーズして前記容器内の液面を上昇させ、かつ、前記キャッパ内で前記容器の口部を洗浄液でジェット洗浄するようにして、前記キャッパ前および前記キャッパ内の2工程で前記容器の胴部のスクィーズおよび前記容器の口部のジェット洗浄をするようにしたことを特徴とする。
(3)第3の手段のキャップ装着方法は、前記第2の手段のキャップ装着方法において、前記充填機から前記キャッパへの前記容器の搬送経路上での前記容器の胴部のスクィーズと、前記キャッパ内での前記容器の胴部のスクィーズを連続した2工程で行うようにしたことを特徴とする。
(4)第4の手段のキャップ装着方法は、前記第2の手段のキャップ装着方法において、前記充填機から前記キャッパへの前記容器の搬送経路上での前記容器の胴部のスクィーズと、前記キャッパ内での前記容器の胴部のスクィーズとの間に、前記容器の胴部のスクィーズを一旦解除する区間を設けるようにしたことを特徴とする。
(5)第5の手段のキャップ装着方法は、前記第1または第2の手段のキャップ装着方法において、前記スクィーズ区間を長くして、前記容器内の液面の上昇速度を緩やかにし、前記容器の胴部をスクィーズしながらの搬送経路上で前記容器の口部からの液体の飛び跳ねを少なくするようにしたことを特徴とする。
(6)第6の手段のキャップ装着装置は、充填機で液体を充填された弾力性を有する容器の口部にキャッパでキャップを装着するキャップ装着装置において、前記容器が前記充填機から搬送されて該キャッパ内に取り込まれてから、キャップを装着される位置まで該キャッパのスターホイールにより搬送される区間に、前記容器の胴部を前記スターホイールのポケットとともにスクィーズする固定のスクィーズガイドを設け、かつ、前記容器の口部を洗浄液でジェット洗浄する容器口洗浄用ノズルを設けるように構成したことを特徴とする。
(7)第7の手段のキャップ装着装置は、前記第6の手段のキャップ装着装置において、前記充填機から前記キャッパへのスターホイールによる前記容器の搬送経路上に、前記容器の胴部を前記スターホイールのポケットとともにスクィーズする固定のスクィーズガイドを設け、かつ、前記容器の口部をジェット洗浄する容器口洗浄用ノズルを設けて、前記キャッパ前および前記キャッパ内の2工程に亘ってスクィーズガイドおよび容器口洗浄用ノズルを設けるように構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1および請求項6に係わる本発明は、充填機で液体を充填された弾力性を有する容器の口部にキャップを装着する方法および装置において、キャッパ内でキャップを装着するまでの前記容器の搬送区間で、前記容器の胴部をスクィーズして前記容器内の液面を上昇させ、かつ、前記容器の口部を洗浄液でジェット洗浄して、前記容器内の液面が上昇した状態で前記容器の口部にキャップを装着するようにしたことにより、キャップが装着される直前まで、容器内から溢れ出た泡を除去するとともに、前記容器の口部のキャップ装着部の洗浄を確実なものにしてから、ヘッドスペースを減少させた状態でキャップを装着することができるようになり、充填製品を衛生的で、高品質に提供でき、また、スクィーズ装置を安価に提供できるという効果を有する。
請求項2および請求項7に係わる本発明は、請求項1および請求項6に記載するキャップ装着方法及び装置において、前記キャッパ前および前記キャッパ内の2工程で前記容器の胴部のスクィーズおよび前記容器の口部のジェット洗浄をするようにしたことにより、前記容器の胴部のスクィーズ区間が長くなって容器内の液面の上昇が緩やかになり、スクィーズ区間での容器内からの泡の発生並びに溢れ、液体の飛び跳ねを減少させて、前記容器の口部側面の汚れを減少させるとともに、さらに、前記容器内から溢れ出た泡の除去および前記容器の口部のジェット洗浄を長い時間をかけて行うことができて、前記容器の口部が汚染しにくく、例え汚染されたとしても洗浄を確実なものとし、充填製品を衛生的に提供できるという効果を有する。
請求項3に係わる本発明は、請求項2に記載するキャップ装着方法において、前記充填機から前記キャッパへの前記容器の搬送経路上での前記容器の胴部のスクィーズと、前記キャッパ内の搬送経路上での前記容器の胴部のスクィーズを連続した2工程で行うようにしたことにより、前記容器の胴部のスクィーズ区間が長くなって容器内の液面の上昇が緩やかになり、スクィーズ区間での容器内からの泡の発生並びに溢れ、液体の飛び跳ねを減少させて、前記容器の口部側面の汚染を減少させることができるという効果を有する。
請求項4に係わる本発明は、請求項2に記載するキャップ装着方法において、前記充填機から前記キャッパへの前記容器の搬送経路上での前記容器の胴部のスクィーズと、前記キャッパ内の搬送経路上での前記容器の胴部のスクィーズとの間に、前記容器の胴部のスクィーズを一旦解除する区間を設けて、容器内の泡立ちを一旦安定化させ、安定化した状態で、前記容器を前記キャッパ内の搬送経路上で再び胴部のスクィーズにより容器内の液面を上昇させ、前記容器の口部をキャップ装着直前まで無菌水のジェット噴射で洗浄できるようにしたことにより、前記容器内から溢れ出た泡の除去および前記容器の口部の洗浄が安定した状態で確実に行えて、充填製品を衛生的に提供できるという効果を有する。
請求項5に係わる本発明は、請求項1または請求項2に記載するキャップ装着方法において、前記スクィーズ区間を長くして、前記容器内の液面の上昇速度を緩やかにしたことにより、前記容器の搬送経路上で前記容器内の泡の発生並びに溢れ、および、前記容器の口部からの液体の飛び跳ねを減少させて、前記容器の口部側面の汚染を減少させることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係わるキャップ装着装置の概略平面図である。
【図2】図1の断面A−A図である。
【図3】図1の断面B−B図である。
【図4】第2の実施の形態のキャップ装着装置の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0013】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を図1、図2および図3に基づいて説明する。
図1は、本発明に係わるキャップ装着装置の概略平面図である。
図2は、図1の断面A−A図である。
図3は、図1の断面B−B図である。
【0014】
図において、弾力性を有する容器1は、矢印20の方向に回転する充填機2で液体を充填された後、充填機2と同期して矢印30の方向に回転駆動される転送スターホイール装置3によってキャッパ5に搬送され、転送スターホイール装置3と同期して矢印50の方向に回転駆動されるキャッパ5によって図示しないキャップを口部に装着および固定された後、キャッパ5と同期して矢印70の方向に回転駆動される転送スターホイール装置7に受け渡されて、後工程へと搬送されていく。
【0015】
転送スターホイール装置3は、図示しない駆動装置によって回転駆動される軸31に取り付けられたスターホイール円板32に間座35を介した2個のスターホイール34が取り付けられていて、容器1の胴部がスターホイール34に円周等分で設けられたポケット34aに係合するようになっている。
また、スターホイール円板32には容器1の首部1aをグリップするグリッパ33が円周等分で、かつ、前記ポケット34aと関連した位置に取り付けられていて、容器1がグリッパ33並びにスターホイール34によって搬送されるようになっている。
【0016】
転送スターホイール装置3には、容器1を挟んでスターホイール34の外部側に、スクィーズガイド36が図示しないフレームに固定して取り付けられており、容器1の胴部がスターホイール34のポケット34aと該スクィーズガイド36によってスクィーズされて、容器1内の液面が上昇されるようになっている。
なお、容器1の胴部がスクィーズガイド36と係合し始めてから徐々にスクィーズ量が増加して、スクィーズガイド36の終端部でスクィーズ量が最大(1例として4mm)になるように、スクィーズガイド36の形状および取り付け位置が設定されている。この設定により、容器1内の液面は緩やかに上昇するようになっている。
また、スクィーズガイド36は、容器1の胴部が滑らかに搬送されるように、フッ素樹脂等のコーティングが施されている。
【0017】
スターホイール34の外部側および内部側には、容器1の口部に向かって矢印43および矢印46の方向に無菌水(洗浄液)をジェット噴射する容器口洗浄用ノズル41および容器口洗浄用ノズル44が、それぞれ配管42および配管45に取り付けられており、配管42および配管45はそれぞれ図示しないフレームに取り付けられている。また、配管42および配管45には図示しない無菌水供給ポンプから配管42aおよび配管45aを介して高圧の無菌水が供給されるようになっている。ここで、図示を省略しているが、容器口洗浄用ノズル41と配管42の接続部および容器口洗浄用ノズル44と配管45の接続部には、ノズルの向きを調整できるノズル方向調整用ジョイントが設けられている。
なお、図1においては、容器口洗浄用ノズル41および容器口洗浄用ノズル44をそれぞれ6個および5個配置した場合を示しているが、その個数はこれに限定するものではない。また、無菌水をジェット噴射する向きは、矢印43および矢印46のように水平に限定するものではなく、容器1の口部の斜め上方から口部に向けてジェット噴射するとしてもよい。
【0018】
キャッパ5は、図示しない駆動装置によって回転駆動される軸51に取り付けられたスターホイール円板52に間座55を介した2個のスターホイール54が取り付けられていて、容器1の胴部がスターホイール54に円周等分で設けられたポケット54aに係合するようになっている。
また、スターホイール円板52には容器1の首部1aをグリップするグリッパ53が円周等分で、かつ、前記ポケット54aと関連した位置に取り付けられていて、容器1がグリッパ53並びにスターホイール54によって搬送されるようになっている。
なお、キャッパ5には、図示しないキャッピングヘッドがスターホイール54のポケット54aに対応して設けられていて、位置Pで容器1の口部にキャップを装着するようになっているが、詳細な説明は省略する。
【0019】
キャッパ5には、容器1を転送スターホイール装置3から取り込む前後の位置からキャップ装着の位置Pの近辺まで、容器1を挟んでスターホイール54の外部側に、スクィーズガイド56が図示しないフレームに固定して取り付けられており、容器1の胴部がスターホイール54のポケット54aと該スクィーズガイド56によってスクィーズされて、容器1内の液面が上昇されるようになっている。ここで、スクィーズガイド56は前記スクィーズガイド36と容器1を挟んで相対する位置でスクィーズが一部重なるように配置されている。
なお、容器1の胴部がスクィーズガイド56と係合し始める際は、前工程の転送スターホイール装置3のスクィーズガイド36の終端部とほぼ同様のスクィーズ量とし、キャップが装着されるまでの間スクィーズ量が徐々に増加してキャップ装着の位置Pでスクィーズ量が最大(1例として8mm)になるようにスクィーズガイド56の形状および取り付け位置が設定されているが、該スクィーズ量の設定はこれに限るものではない。
また、スクィーズガイド56は、容器1の胴部が滑らかに搬送されるように、フッ素樹脂等のコーティングが施されている。
【0020】
スターホイール54の外部側および内部側には、容器1の口部に向かって矢印63および矢印66の方向に無菌水(洗浄液)をジェット噴射する容器口洗浄用ノズル61および容器口洗浄用ノズル64が、それぞれ配管62および配管65に取り付けられており、配管62および配管65はそれぞれ図示しないフレームに取り付けられている。また、配管62および配管65には図示しない無菌水供給ポンプから配管62aおよび配管65aを介して高圧の無菌水が供給されるようになっている。ここで、図示を省略しているが、容器口洗浄用ノズル61と配管62の接続部および容器口洗浄用ノズル64と配管65の接続部には、ノズルの向きを調整できるノズル方向調整用ジョイントが設けられている。
なお、図1においては、容器口洗浄用ノズル61および容器口洗浄用ノズル64をそれぞれ3個および5個配置した場合を示しているが、その個数はこれに限定するものではない。また、無菌水をジェット噴射する向きは、矢印63および矢印66のように水平に限定するものではなく、容器1の口部の斜め上方から口部に向けてジェット噴射するとしてもよい。
【0021】
上記説明では、スターホイール34およびスターホイール54をそれぞれ2個設けた場合を示したが、その個数は2個に限定するものではない。また、スクィーズガイド36およびスクィーズガイド56をそれぞれ1個設けた場合を示したが、その個数は1個に限定するものではない。
【0022】
次に、本実施の形態に係わるキャップ装着方法および装置の作用を説明する。
充填機2で液体を充填された弾力性を有する容器1が転送スターホイール装置3のスターホイール34で搬送される間、および、キャッパ5のスターホイール54で搬送される間に、振動等により容器1内の液体が飛び跳ねて、飛び跳ねた液体が容器1の口部の外側面に付着することがある。また、容器1内の液体が発泡性のものである場合、容器1がスターホイール34で搬送される間、および、スターホイール54で搬送される間に、振動等により容器1内で泡立って、泡が容器1の口部の上部から溢れ、溢れ出た泡は滴り落ちて容器1の口部の外側面に付着することがある。
容器1の口部の外側面に付着した泡、液体は放置しておくと、かび発生等の問題が生じるので、キャップ装着前には確実に除去しておくことが要求される。
なお、容器1内の泡は、容器1の胴部をスクィーズして容器1内の液面を上昇させることにより容器1の口部から溢れ出させて、除去することが効果的である。
【0023】
容器1がスターホイール34で搬送されて位置Gに到達すると、容器1の胴部がスクィーズガイド36と係合を始め、さらにスターホイール34で搬送されていくと胴部のスクィーズ量が徐々に増加して、容器1の胴部が図2に示す二点鎖線の状態から実線の状態のようにスクィーズされて、スクィーズガイド36の終端部でスクィーズ量が所定量となる。それに伴い、容器1内の液面が徐々に上昇して所定高さとなって、容器1内の液面上の泡は強制的に押し出され、容器口洗浄用ノズル41および容器口洗浄用ノズル44からの無菌水のジェット噴射によって、容器1の口部から溢れ出た泡、および、容器1の口部の外側面に付着した泡、液体が吹き飛ばされて洗浄される。
なお、容器1の口部をジェット噴射した後の洗浄水は、図示しないドレンパンにより受けられて機外へドレンされる。(以下同様であり、重複する説明は省略する。)
【0024】
容器1が転送スターホイール装置3からキャッパ5に乗り移る際には、容器1の胴部は、スターホイール34のポケット34aからスターホイール54のポケット54aへ取り込まれるとともに、スクィーズガイド36およびスクィーズガイド56の両方にスクィーズされる。
容器1がキャッパ5に乗り移った後は、容器1の胴部はスターホイール54とスクィーズガイド56によって図3に示す実線の状態のようにスクィーズされて、容器1の胴部のスクィーズ量は漸増してキャップ装着の位置Pで所定量となる。
それに伴い、容器1内の液面が徐々に上昇して、容器1内の液面上の泡は強制的に押し出され、容器口洗浄用ノズル61および容器口洗浄用ノズル64からの無菌水のジェット噴射によって、容器1の口部から出溢れ出た泡、および容器1の口部の外側面に付着した泡、液体が吹き飛ばされて洗浄される。
なお、上記スターホイール54とスクィーズガイド56による容器1の胴部のスクィーズによって、容器1内の口部天面と液面との間のヘッドスペースは減少して、ヘッドスペース内の空気が減少した状態でキャップが装着される。
【0025】
上記説明のように、本発明では、転送スターホイール装置3内での容器1の胴部のスクィーズおよび容器1の口部の洗浄を行った後、キャッパ5内でキャップが装着されるまでの区間で、容器1の胴部をスクィーズし、容器1の口部を無菌水のジェット噴射で洗浄するので、前記容器1内から溢れ出た泡の除去および前記容器1の口部のキャップ装着部の洗浄を確実な状態にして、しかもヘッドスペースを減少させた状態でキャップを装着するので、充填製品を衛生的に、かつ、高品質にすることができる。
また、容器1内の液面上昇を、転送スターホイール装置3内からキャッパ5内のキャップ装着の位置Pまで、順次緩やかに行うので、容器1の胴部を急激にスクィーズした場合に過度に生じる容器1内の泡立ちおよび容器1内の液体の飛び跳ねを極めて少なくして、容器1の口部側面の汚染を少なくでき、汚染が少ない状態で容器1の口部の洗浄をするので、洗浄度を高度なものにできて、充填製品を衛生的にすることができる。
さらに、スクィーズ装置がキャッパ5のキャッピングヘッド毎に設けられる構造ではないので、スクィーズ装置を安価に提供できる。
なお、上記説明では、容器1に充填される液体が発泡性のものである場合について説明してきたが、発泡性がない液体の場合でも、容器1内の液体が搬送中に飛び跳ねて容器の口部に付着することがあるので、上記の作用、効果が同様であることはもちろんである。
【0026】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を図4によって説明する。
図4は、第2の実施の形態のキャップ装着装置の概略平面図である。
なお、図2および図3において、( )表示してある記号は第2の実施の形態の場合を示している。
【0027】
図4において、第1の実施の形態と同じ構造のものは同じ記号を記してあり、重複する説明は省略する。スクィーズガイド360とスクィーズガイド560はそれぞれ転送スターホイール装置3とキャッパ5に設けられており、容器1の搬送経路で両者が重なり合うことはなく、両者の間にスクィーズが一旦解除される区間が設けられている。
また、配管420および配管450、並びに、配管620および配管650もそれぞれ転送スターホイール装置3とキャッパ5に設けられており、容器口洗浄用ノズル41および容器口洗浄用ノズル44、並びに、容器口洗浄用ノズル61および容器口洗浄用ノズル64が、それぞれ配管420および配管450、並びに、配管620および配管650に取り付けられている。
配管420a、配管450a、配管620a、配管650aはそれぞれ図示しない無菌水供給ポンプから配管420、配管450、配管620、配管650へ高圧の無菌水を供給するようになっている。
【0028】
次いで、第2の実施の形態に係わるキャップ装着方法および装置の作用を説明する。
容器1がスターホイール34で搬送されて位置Hに到達すると、容器1の胴部がスクィーズガイド360と係合を始め、さらにスターホイール34で搬送されていくと胴部のスクィーズ量が徐々に増加して、容器1の胴部が図2に示す二点鎖線の状態から実線の状態のようにスクィーズされて、スクィーズガイド360の終端部でスクィーズ量が所定量となる。それに伴い、容器1内の液面が徐々に上昇して所定高さとなって、容器1内の液面上の泡は強制的に押し出され、容器口洗浄用ノズル41および容器口洗浄用ノズル44からの無菌水のジェット噴射によって、容器1の口部から溢れ出た泡、および容器1の口部の外側面に付着した泡、液体が吹き飛ばされて洗浄される。
【0029】
容器1が転送スターホイール装置3からキャッパ5に乗り移る際には、容器1の胴部はスクィーズガイド360の終端部から外れて、容器1の胴部のスクィーズは一旦解除となる。これに伴い、容器1内の液面は一旦下降する。
容器1がキャッパ5に乗り移った後は、容器1の胴部はスターホイール54とスクィーズガイド560によって再びスクィーズされるようになり、容器1の胴部のスクィーズ量は再び漸増して、容器1の胴部が図3に示す二点鎖線の状態から実線の状態のようにスクィーズされて、キャップ装着の位置Pでスクィーズ量が所定量となる。
それに伴い、容器1内の液面は再び徐々に上昇して、容器1内の液面上の泡は強制的に押し出され、容器口洗浄用ノズル61および容器口洗浄用ノズル64からの無菌水のジェット噴射によって、容器1の口部から溢れ出た泡、および容器1の口部の外側面に付着した泡、液体が吹き飛ばされて洗浄される。
【0030】
第2の実施の形態では、容器1内の液面は、転送スターホイール装置3でのスクィーズにより液面が上昇した後、転送スターホイール装置3からキャッパ5に乗り移り時にスクィーズ解除により下降するので、容器1内の泡立ちが安定化する。
容器1内の泡立ちが安定化した状態で、容器1をキャッパ5内で再びスクィーズにより容器1内の液面を上昇させるので、キャップ装着の位置Pでキャップをする直前まで容器口洗浄用ノズル61および容器口洗浄用ノズル64からの無菌水のジェット噴射によって、容器1内から溢れ出た泡の除去および容器1の口部の外側面の洗浄を安定して確実に行うことができる。
【符号の説明】
【0031】
1 (弾力性を有する)容器
2 充填機
3 転送スターホイール装置
5 キャッパ
7 転送スターホイール装置
32 スターホイール円板
33 グリッパ
34 スターホイール
34a ポケット
36 スクィーズガイド
41 容器口洗浄用ノズル
42 配管
44 容器口洗浄用ノズル
45 配管
52 スターホイール円板
53 グリッパ
54 スターホイール
54a ポケット
56 スクィーズガイド
61 容器口洗浄用ノズル
62 配管
64 容器口洗浄用ノズル
65 配管
360 スクィーズガイド
560 スクィーズガイド
420 配管
450 配管
620 配管
650 配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填機で液体を充填された弾力性を有する容器の口部にキャップを装着するキャップ装着方法において、
キャッパ内でキャップを装着するまでの前記容器の搬送区間で、前記容器の胴部をスクィーズして前記容器内の液面を上昇させ、かつ、前記容器の口部を洗浄液でジェット洗浄して、前記容器内の液面が上昇した状態で前記容器の口部にキャップを装着するようにしたことを特徴とするキャップ装着方法。
【請求項2】
請求項1に記載するキャップ装着方法において、
前記充填機から前記キャッパへの前記容器の搬送経路上で、前記容器の胴部をスクィーズして前記容器内の液面を上昇させ、かつ、前記キャッパ内で前記容器の口部を洗浄液でジェット洗浄するようにして、前記キャッパ前および前記キャッパ内の2工程で前記容器の胴部のスクィーズおよび前記容器の口部のジェット洗浄をするようにしたことを特徴とするキャップ装着方法。
【請求項3】
請求項2に記載するキャップ装着方法において、
前記充填機から前記キャッパへの前記容器の搬送経路上での前記容器の胴部のスクィーズと、前記キャッパ内での前記容器の胴部のスクィーズを連続した2工程で行うようにしたことを特徴とするキャップ装着方法。
【請求項4】
請求項2に記載するキャップ装着方法において、
前記充填機から前記キャッパへの前記容器の搬送経路上での前記容器の胴部のスクィーズと、前記キャッパ内での前記容器の胴部のスクィーズとの間に、前記容器の胴部のスクィーズを一旦解除する区間を設けるようにしたことを特徴とするキャップ装着方法。
【請求項5】
請求項1または2に記載するキャップ装着方法において、
前記スクィーズ区間を長くして、前記容器内の液面の上昇速度を緩やかにし、前記容器の胴部をスクィーズしながらの搬送経路上で前記容器の口部からの液体の飛び跳ねを少なくするようにしたことを特徴とするキャップ装着方法。
【請求項6】
充填機で液体を充填された弾力性を有する容器の口部にキャッパでキャップを装着するキャップ装着装置において、
前記容器が前記充填機から搬送されて該キャッパ内に取り込まれてから、キャップを装着される位置まで該キャッパのスターホイールにより搬送される区間に、前記容器の胴部を前記スターホイールのポケットとともにスクィーズする固定のスクィーズガイドを設け、かつ、前記容器の口部を洗浄液でジェット洗浄する容器口洗浄用ノズルを設けるように構成したことを特徴とするキャップ装着装置。
【請求項7】
請求項6に記載するキャップ装着装置において、
前記充填機から前記キャッパへのスターホイールによる前記容器の搬送経路上に、前記容器の胴部を前記スターホイールのポケットとともにスクィーズする固定のスクィーズガイドを設け、かつ、前記容器の口部をジェット洗浄する容器口洗浄用ノズルを設けて、前記キャッパ前および前記キャッパ内の2工程に亘ってスクィーズガイドおよび容器口洗浄用ノズルを設けるように構成したことを特徴とするキャップ装着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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