説明

キャップ

【目的】 シュリンクパック等の特殊包装をしなくても内容物の未使用を表現出来る合成樹脂製のキャップを提案する。
【構成】 キャップ本体周壁7外周前部下端に突設した指掛け用突起11の外周及び周壁7下端縁外周に突設した多数の棒状破断片12を介して内面を連結させるとともに、指掛け用突起11の押し上げが不能に本体2周囲を囲繞させた帯状体3を設けて構成した。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はキャップに関し、詳しくは未使用を表示するバージンシール機能を有する合成樹脂製のキャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
【考案が解決しようとする課題】 容器体口頚部に嵌着して口頚部上端開口を閉塞する簡易なキャップとして、例えば容器体口頚部外周に嵌合する周壁上端縁より口頚部上端開口を閉塞する頂壁を延設してなるもの、或いは容器体口頚部内面に嵌合させた嵌合筒部を頂壁裏面より垂設してなるもの等がある。これ等キャップは内容物の未使用を表現するために、キャップ全体を被覆して、或いはキャップを含む容器全体を被覆して、合成樹脂フィルムによりシュリンクパックをすることが行われている。しかしながら、シュリンクパックは原料コストもかかり、またそのための設備も必要となる。
【0003】
本考案は、この様な特殊包装をしなくても内容物の未使用を表現出来、しかも容器体からの離脱を容易に行える優れた合成樹脂製のキャップを提案することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本考案キャップは上記課題を解決するため、外周上端に係止突条4を周設し、且つ、該突条4下方所定位置にフランジ5を周設してなる容器体口頚部6に嵌着するキャップであって、上記フランジ5上方の口頚部6外周に嵌合させた周壁7上端縁より口頚部6上端開口を閉塞する頂壁8を延設するとともに、周壁7内面下端部に周設した係止突条9を上記係止突条4に弾性的に乗り越え係合させて抜け出し不能に係止させたキャップ本体2と、上記キャップ本体周壁7外周前部下端に突設した指掛け用突起11の外周及び周壁7下端縁外周に突設した多数の棒状破断片12を介して内面を連結させるとともに、上記指掛け用突起11の押し上げが不能にキャップ本体2周囲を囲繞させた帯状体3とから構成した。
【0005】
【作用】
図1或いは図5の状態では帯状体3が邪魔になって指掛け用突起11の押し上げが不可能であり、無理矢理押上ようとすれば棒状破断片12が破断してしまう。従って、破断片12を破断して帯状体3を取り除いてからでないと指掛け用突起11の押し上げは不可能であり、ひいてはキャップ本体2の口頚部6からの取外しが不可能である。
【0006】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。
【0007】
図1〜図4は本考案の一実施例を示し、図中1はキャップを示す。該キャップ1は射出成形等の方法で形成された合成樹脂の一体成形品であり、キャップ本体2及び帯状体3とから構成している。また、該キャップ1は、外周上端に係止突条4を周設し且つ該突条4下方所定位置にフランジ5を周設してなる口頚部6を有する容器体1に嵌着させて使用する。
【0008】
キャップ本体2は、上記フランジ5上方の容器体口頚部6外周に嵌合させた周壁7上端縁より口頚部6上端開口を閉塞する頂壁8を延設してなる下端面開口の円筒状をなし、周壁7内面下端縁に周設した係止突条4を口頚部6外周の係止突条4下面に弾性的に乗り越え係合させて抜け出し不能に嵌合させている。また、頂壁8裏面周縁部より周壁7と所定間隔をあけて垂設したシール筒部10外面を容器体口頚部6内面に液密に嵌合させている。更に、周壁7外面前部下端縁には平面視円弧板状の指掛け用突起11を突設しており、該突起11は上記フランジ5と略同じか若干突出させて構成している。
【0009】
帯状体3は、本体周壁7外周下端縁及び指掛け用突起11外周に突設した多数の棒状破断片12を介して内面下端縁を一体に連結した帯状をなし、上記指掛け用突起11前面左端に端を発し、突起11側面から周壁7外面に沿って延び、突起11左端基端部に至る部分を囲繞している。そして、この帯状体3を、各破断片12を切断して取り除くことにより露出した指掛け用突起11前端部を押し上げて本体2を口頚部6から外す如く構成している。また、基端部上辺を上方へ突出させた突出部3aを設けて帯状体3の破断を容易に構成している。
【0010】
図5〜図8は本考案の他の実施例を示すもので、本実施例では、帯状体3の上端縁部を、本体周壁7外周下端縁及び指掛け用突起11外周に多数の棒状破断片12を介して一体に連結している。また、この帯状体3は、本体周壁7外周部分では周壁7下端縁に棒状破断片12を介して内側縁を連結させた水平壁部3b外周縁より上記フランジ5外周に垂下する垂下壁部3cを延設して構成し、また、指掛け用突起11前面部分で、該突起11前面に上端縁を棒状破断片12を介して連結するとともに、フランジ5外周に垂下する垂下壁部3cより構成し、更に前部所定位置に縦切り溝13を設けて構成し、帯状体3を取り除かない限り指掛け用突起11の押し上げが不可能に構成している。
【0011】
【考案の効果】
以上説明した如く本考案キャップは、キャップ本体周壁7外周前部下端に突設した指掛け用突起11の外周及び周壁7下端縁外周に突設した多数の棒状破断片12を介して内面を連結させるとともに、指掛け用突起11の押し上げが不能にキャップ本体2周囲を囲繞させた帯状体3を設けて構成したので、従来の様にシュリンクパックを用いないで内容物の未使用を表現出来、また、合成樹脂の一体成形により形成することが出来るため安価に製造出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の一実施例を示す縦断面図である。
【図2】 同実施例の平面図である。
【図3】 同実施例の斜視図である。
【図4】 同実施例の帯状体を一部破断分離した状態の斜視図である。
【図5】 本考案の他の実施例を示す縦断面図である。
【図6】 同実施例の平面図である。
【図7】 同実施例の斜視図である。
【図8】 同実施例の帯状体を分離した状態の斜視図である。
【符号の説明】
2…キャップ本体,3…帯状体,4…係止突条,5…フランジ,6…口頚部,7…周壁,8…頂壁,9…係止突条,11…指掛け用突起,12…棒状破断片

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 外周上端に係止突条4を周設し、且つ、該突条4下方所定位置にフランジ5を周設してなる容器体口頚部6に嵌着するキャップであって、上記フランジ5上方の口頚部6外周に嵌合させた周壁7上端縁より口頚部6上端開口を閉塞する頂壁8を延設するとともに、周壁7内面下端部に周設した係止突条9を上記係止突条4に弾性的に乗り越え係合させて抜け出し不能に係止させたキャップ本体2と、上記キャップ本体周壁7外周前部下端に突設した指掛け用突起11の外周及び周壁7下端縁外周に突設した多数の棒状破断片12を介して内面を連結させるとともに、上記指掛け用突起11の押し上げが不能にキャップ本体2周囲を囲繞させた帯状体3とからなることを特徴とする合成樹脂製のキャップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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