説明

キャディバッグ

【課題】 大型のヘッドを有するゴルフクラブを含むゴルフセットを収容する場合であっても、本体を太くすることなく全てのゴルフクラブを安定した状態で収容し、しかも全てのゴルフクラブの出し入れがし易いキャディバッグ1を提供する。
【解決手段】 筒状に形成されたバッグ本体2と、バッグ本体2の上端開口部に取り付けられるフード3とを備えているキャディバッグ1であって、フード3には、ゴルフクラブの大型のヘッド部の一部を収容するための収容部5が、外部に突出するように設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフクラブを収容するキャディバッグに関する。特に、大形のヘッドを備えたパターを含むゴルフクラブセットを好適に収容できるキャディバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のゴルフクラブで構成されるクラブセットを収容するためのキャディバッグが知られている。最も一般的なキャディバッグは、円筒状の本体と、その上端に着脱可能に取り付けられる開口部を有するフードとを備えている。キャディバッグの寸法は、そこに収容するゴルフクラブの寸法に基づいて定められている。例えば、キャディバッグの全長は、最も長いゴルフクラブである1番ウッドを好適に収容できるように定められている。円筒状の本体の長さは、最も短いゴルフクラブであるパターのシャフトの長さに基づいて定められている。又、本体の口枠の周長は、収容するゴルフクラブの本数によって規定されており、例えば14本のゴルフクラブを収容するためのキャディバッグの口枠の周長は、男性用では66センチメートル〜73センチメートルであり、女性用では62センチメートル〜65センチメートルのものが広く流通している。
【0003】
一方で、近年のゴルフクラブの技術革新により、ヘッドが従来よりも大型化されたゴルフクラブが紹介されている。特にヘッドのソール面積が従来と比較して非常に広い大型パターは、従来のパターと比較すると非常にパットを打ちやすいために、広く流通し始めている。
【0004】
大型パター13を含むゴルフクラブセットを収容した従来のキャディバッグ21の上面図を図8に示す。大型パター13を従来のキャディバッグ21に収容すると、ヘッドが嵩張るために、他のゴルフクラブの出し入れを行いにくくなるという問題があった。特に大型パター13は、最も短いゴルフクラブであるために、他の全てのゴルフクラブと干渉し、従来よりも収容できるゴルフクラブの本数が少なくなるといった問題があった。又、大型パター13のヘッドと他のゴルフクラブが接触して、全てのゴルフクラブが傷つきやすくなるという問題があった。更に、フード22を本体に取り付けにくくなったり、フード22の開口部のスライドファスナーを閉じにくくなるといった問題があった。
【0005】
これらの問題を解消するために、キャディバッグの本体の径を太くするという対策が試みられた。しかし、本体を太くすると、本体の内部では、ゴルフクラブの周囲の空間が広くなってしまうために、収容されたゴルフクラブが動きやすく、不安定になるという問題が発生した。また、本体を太くすることによって、キャディバッグ全体が大型化して重くなるために、輸送が不便になったり、ゴルフカートに積み込みにくくなるといった問題が発生した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、大型のヘッドを有するゴルフクラブを含むゴルフセットを収容する場合であっても、本体を太くすることなく全てのゴルフクラブを安定した状態で収容して、輸送時の衝撃等からゴルフクラブを保護し、しかも全てのゴルフクラブの出し入れを行い易いキャディバッグを提供することを課題としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、筒状に形成されて上端に開口部を有するバッグ本体と、バッグ本体の上端開口部とほぼ同径であって当該上端開口部に取り付けられるフードとを備えているキャディバッグに関するものであって、このフードに、ゴルフクラブのヘッド部の一部を収容するための収容部が、外部に突出するように設けられていることを特徴とする。
【0008】
本発明のキャディバッグは、外側に突出しているフードの収容部を備えている。この収容部に、ゴルフクラブの大型のヘッドの一部を収容することで、大型のヘッドは安定して保持される。収容部にヘッドが収容されたゴルフクラブは、フード内で他のゴルフクラブにほとんど干渉しなくなるため、他のゴルフクラブを収容するための空間が確保されると共に、他のゴルフクラブの出し入れを行い易くなり、他のゴルフクラブを傷つける恐れが未然に防止されている。
【0009】
請求項2の発明は、フードが柔軟な素材によって構成されており、収容部が硬質な素材によって構成されていることを特徴とする。
【0010】
収容部はフードの外側に突き出しているために、キャディバッグの他の部分よりも外力や衝撃を受け易い。しかし、収容部が硬質な素材で構成されていることによって、他からの衝撃を受けた場合であっても、収容部の中のゴルフクラブは、安全に保持される。一方でフードは柔軟な素材によって構成されており、他からの衝撃を受けた場合に緩衝材として機能する。この結果、本発明のキャディバッグに収容されたゴルフクラブは、収容部にヘッドが収容されたゴルフクラブも、その他のゴルフクラブも安全に保持される。
【0011】
請求項3の発明の収容部は、フードの下部であって、フードをバッグ本体に取り付けた場合にバッグ本体の上端開口部に近接する位置に設けられている。また収容部は、大型パターのヘッド部の一部を収容するために、大型パターのヘッド部の形状に特に適合した形状を備えていることを特徴とする。
【0012】
大型パターは、ゴルフクラブセットの中で最も全長が短いために、キャディバッグに収容すると、バッグ本体の上端開口部の近傍にヘッドが位置することになる。又、大型パターのヘッドは、他のシャフトの短いゴルフクラブのヘッドよりも、特段に大きく形成されている。本発明の収容部は、大型パターを収容するために適した位置に設けられており、大型パターの形状に適合していることによって、大型パターのヘッド部を好適に収容する。大型パターのヘッドが収容部に収容されることにより、他の全てのクラブはフード内に充分な空間を確保されて好適に収容される。
【0013】
請求項4の発明の収容部は、収容部の断面形状が菱形であって、収容部の底部を構成する菱形の一辺が水平面に対して傾斜するように、フードに配置されていることを特徴とする。
【0014】
本発明の収容部が菱形でしかも底辺が水平面に対して傾斜するように配置されていることにより、収容部に収容されるゴルフクラブのヘッドは、収容部の底部の菱形の一辺にヘッドの上面が沿うように収容されるか、若しくは菱形の隣り合う2辺又は向かい合う2辺によって支持されるように収容されることとなり、非常に安定して保持される。
【0015】
請求項5の発明は、キャディバッグのバッグ本体が、特に大型パターを挿入して収納するための収納区画を備えている。また、本発明の収容部は、フードの下部であって、フードを前記バッグ本体に取り付けた場合に、大型パターの収納区画の外側周縁部に近接する位置に設けられていることを特徴とする。
【0016】
本発明のキャディバッグは大型パターの収納区画を備えており、この収納区画の上方にフードの収容部が配置される。本発明のキャディバッグは、大型パターを収容する場合に、シャフトを収納区画に他のゴルフクラブと分けて収容し、ヘッドを収容部に保持することができるため、一層安定した状態で大型パターを収容し、出し入れを行い易くすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、ヘッドの大型化したゴルフクラブを含むゴルフセットを安定して収容して保護することができ、しかも収容したゴルフクラブの出し入れを非常に行い易く、尚且つフードの開閉も行いやすいキャディバッグが提供される。
【0018】
本発明により、大型パターを含むゴルフクラブセットを収容する場合であっても、キャディバッグ本体の径を太くしたり、フードの径を全体的に太くすることなく、ゴルフクラブセットの全てのゴルフクラブを好適に収容することが可能なキャディバッグが提供される。更に本発明によって、大型パターを収容した場合でも、大型パターのヘッドと他のゴルフクラブの接触が低減されて、収容したゴルフクラブに傷をつける恐れの少ないキャディバッグが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に発明を実施するための最良の形態を列記する。ここで記載された形態は例示であり、特許請求の範囲に記載の技術には、以下の形態を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0020】
キャディバッグのフードは、バッグ本体の表皮と同一の柔軟な素材で構成される。その素材には、PVC(塩化ビニル樹脂)から成る合成皮革、PU(ポリウレタン)から成る合成皮革、一般にナイロン(登録商標)と称されるポリアミド生地、ポリエステル生地、若しくは天然皮革等が使用される。
【0021】
収容部は、ポリウレタン等から成る比較的硬質の樹脂、若しくは金属を成型して形成される。収容部が金属で形成された場合には、その内表面に、柔軟な素材が張り合わさており、柔軟な素材が緩衝材となってゴルフクラブが保護される。金属製の収容部は、張り合わされた柔軟な素材がフードに縫合されることで固定される。
【0022】
収容部は、周縁部がほぼ菱形となっている。収容部の奥行きは、収容部にヘッドを収容するゴルフクラブがバッグ本体の口枠に沿って配置されたときに、バッグ本体の外側にヘッドの突出する量とほぼ同等となるように成型されている。
【0023】
収容部は、フードをバッグ本体に装着した状態で、バッグ本体の内側底面から収容部の最も下部までの距離が、ヘッドを収容するゴルフクラブのシャフトの長さとほぼ一致する位置にフードに固定されている。又、収容部の固定角度は、収容部の底部を構成する菱形の一辺が、収容するゴルフクラブのライ角とほぼ一致する角度で傾斜するように規定されている。
【0024】
バッグ本体の正面側には、パター収納区画が形成されている。パター収納区画の外周部の高さは、他のバッグ本体の高さよりも低くなっており、シャフトの短いパターも好適に収容される。
【実施例】
【0025】
以下、本発明を、大型パターを含むゴルフクラブセットを収容するキャディバッグに適用した実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0026】
図1は本実施例のキャディバッグ1の斜視図であり、図2は本実施例のキャディバッグ1の正面図である。キャディバッグ1は、バッグ本体2と、フード3とから構成されており、バッグ本体2の正面に、取っ手4が取り付けられている。
【0027】
バッグ本体2は、底部が閉じられて上部が開口した筒状の形状を備えている。この筒状の形状は、硬質の樹脂を成型することで形成されている。バッグ本体2は、外側から衝撃を受けた場合でも変形しにくい強度を備えている。この硬質の樹脂の枠体に、柔軟なPVC合成皮革が表皮として張り合わされて、バッグ本体2が構成されている。バッグ本体2の外側には、ボール等の小物類や、取り外したフード3を収容可能なポケット6が、表皮と同一の素材によって複数設けられている。
【0028】
フード3はバッグ本体2の表皮と同一の柔軟なPVC合成皮革で形成されており、スライドファスナー12で開閉することができる。フード3は、全体的にはバッグ本体2とほぼ同径の筒状に形成されているが、上部ではシャフトの長いゴルフクラブのヘッド部分を収容しやすいよう、やや径が大きくなっている。フード3は、スナップ7によって、バッグ本体2の所定の位置に、着脱自在に取り付けることができる。
【0029】
ポリウレタン樹脂を成型加工することで形成された硬質の収容部5が、外部に突出するようにフード3に縫いつけられて固定され、フード3と一体化している。図3に、フード3の内側から収容部5を見た図を示す。収容部5は、約1ミリメートルから約5ミリメートルの充分な厚みがあるために、通常の輸送時に加わる程度の衝撃が外部から加わった場合でも変形しにくい強度を備えている。収容部5に特に大きな衝撃が加わった場合には、収容部5は弾性変形あるいは塑性変形することでフード3への固定部にかかる衝撃を低減しており、フード3と収容部5の縫いつけ部が破れないようになっている。
【0030】
収容部5がフード3に固定されている位置について、以下に説明する。本実施例の収容部5は、大型パターのヘッドを収容するために適した位置に配置されている。
【0031】
キャディバッグ1の口枠付近の横断面図を図4に示す。バッグ本体2の内部は、口枠よりも低い位置に、ゴルフクラブセットを複数の区画に分けて収納するための複数の仕切り8,9が設けられている。特に、バッグ本体2の内部の最前列は、仕切り9によって他の領域から独立したパター収容部10が設けられている。
【0032】
尚、本実施例におけるバッグ本体2の底部から口枠までの高さは、収容するクラブの長さに対応して変化している。パター収容部10の外周部11を構成する部分の口枠は、収容される大型パターのシャフトの長さに対応して、外周部の他の部分よりも若干低くなっている。このため、パター収容部10に収納された大型パターは、バッグ本体2の底面にグリップが届いた状態で安定して保持される。又、バッグ本体2の口枠の他の部分の高さは、外周部11よりも高くなっており、より長いゴルフクラブが安定して保持される。
【0033】
収容部5は、フード3の下部であって、フード3をバッグ本体2に取り付けた場合に、パター収容部10の外周部11の上端に近接する位置に設けられている。ここで、収容部5の下端部の位置は、収容する大型パターの最も短いものを基準に定められている。即ち、収容部5の位置は、フード3をバッグ本体2に装着した状態で、バッグ本体2の内側底面から収容部5の下端部までの距離が、最も短い大型パターのシャフトの長さとほぼ一致するように決定されている。
【0034】
ここで、本実施例のキャディバッグ1のパター収容部10に収容される大型パターが、どの程度口枠の外に突出するかを検討した結果を図5に示し、大型パターの突出量に基づいて、本実施例における収容部5の突出量と形状とが最適化されていることを説明する。図5には、現在最も市場に広く流通している代表的な3種類の大型パターをパター収容部10に収容し、収容する方向と、外周部11から突出する量との関係を比較検討した結果を示している。
【0035】
図5の「正位置」とは、大型パターのシャフトをパター収容部10の外周部11に接触するように配置した上で、ヘッドをキャディバッグ1の口枠の半径方向に沿って外向きに向けた位置のことを指す(図7の大型パター13の状態)。横向きとは、同様のシャフトの配置を行って、大型パターのヘッドをキャディバッグ1の口枠の円周方向に沿うように向けた位置のことをいう。逆位置とは、同様のシャフトの配置を行って、大型パターのヘッドをキャディバッグ1の後面に向けた位置のことをいい、これは、図8に示した従来のキャディバッグ21に、大型パターを通常収容する場合の位置に相当する。ここで、図5に示される突出量は、それぞれの位置における大型パターの外周部11から突出した最大量を示している。
【0036】
計測の結果、大型パターAの突出量は、最大でも5センチメートルであった。大型パターBは突出量が正位置の場合に5センチメートルであり、大型パターCは、横向きの場合に突出量が4センチメートルであった。このように、この3種類の代表的な大型パターは正位置又は横向きのいずれかの状態で収容した場合、突出量が5センチメートル以下となることが明らかとなった。このことから、収容部3の突出量を約5センチメートルとすることで、代表的な大型パターを正位置乃至横向きの好ましい状態で収容できることが明らかとなった。
【0037】
一方、収容部5の突出量の検討を重ねることにより、突出量は5センチメートル以上であってもよいが、余り多い場合には収容部5の中で大型パターの周囲に空間ができて不安定となる恐れがあることが判明した。また、突出量が多くなるにつれて、輸送中に外からの衝撃を受けやすくなるために好ましくないことも明らかとなった。又、仮に、他の大型パターであって、正位置又は横向きのいずれの方向で収容しても突出量が5センチメートルを超える大型パターを収容した場合であっても、パター収容部10の中で大型パターが若干移動することにより、そのヘッドを突出量5センチメートルの収容部3が安定して収容することは可能であり、又収容部5があることで、従来よりも特段に大型パターの収容が容易になることが明らかであった。
【0038】
このような大型パターの突出量に関する種々の検討結果から、収容部3の形状は、正位置にある大型パターのヘッドを収容する他、横向きの大型パターのヘッドも安定して収容できる形状が好ましいことが明らかとなり、本実施例の収容部5の形状が決定されるに到った。本実施例の収容部5の成型時の形状について、図6を参照しつつ説明する。図6は、収容部5の四面図である。収容部5は、フード3に固定される部分の断面がほぼ菱形となっており、頂点51と頂点52を結ぶ対角線の長さは約16センチメートルであって、頂点53と頂点54を結ぶ対角線の長さは約9センチメートルである。固定される部分には、周囲にフード3に縫いつけて固定するための縫いしろ57が、一定の幅で設けられている。収容部5のうち、頂点53と頂点54を結ぶ対角線、及び辺55と辺56で囲まれた領域は、外側に約5センチメートルの均一な高さで突出している。突出量は、頂点53と頂点54を結ぶ対角線の位置からなだらかに減少し、頂点52においては、突出量はほぼ0となっている。
【0039】
収容部5は、頂点51が下端部となり、辺55が下側となるように、フード3に固定されている。このときの収容部5は、バッグ本体の軸に対する辺55の角度が、収容する大型パターの一般的なライ角とほぼ一致するように傾きをもって固定されている。
【0040】
収容部5がフード3にこのような角度で固定されていることにより、パター収容部10に収容された横向きの大型パターは、収容部5の辺55にヘッドの上辺が沿うことができ、収容部5に安定して収容される。又、パター収容部10に収容された正位置の大型パターは、辺55に対してやや角度をなしながら、ヘッドの側面が辺56に突き当たることにより、収容部5に安定して収容される。いずれの場合も、収容部5の奥行きは、大型パターの突出量以上が確保されているため、バッグ本体2の外周部11から外側に突き出した大型パターのヘッドは、収容部5に好適に収容される。
【0041】
収容部5の内部は、菱形の収納空間となっており、上下方向で一定の幅が確保されるために、突出量の検証を行った3種類の大型パターA,B,Cのヘッドを収容した場合には、大型パターのソールから辺58までの領域に余裕があり、空間が生じている。検証を行った大型パターA,B,Cよりもシャフトの長い大型パターや、ヘッドの上下方向の厚みのある大型パターを収容部5に収容する場合であっても、このような上側の余裕となっている空間にこれらのパターのヘッドを好適に収容することができ、検証を行った大型パターと同様に安定した収納が可能である。更に、大型パターA,B,Cよりもヘッドに横方向の幅のある大型パターを収容する場合には、そのヘッドを収容部5の辺55に対してより大きく角度をつけた斜めの状態で収容することが可能であり、同様に好適に収容することができる。
【0042】
収容部5の頂点52の周囲の突出量がほぼ0となっていることにより、収容部5の上部はなめらかにフード3と接続する形状となっている。正位置又は横向きの大型パターのヘッドの突出量は、通常、収容部5の、頂点53と頂点54を結ぶ対角線、及び辺55と辺56で囲まれた領域に収容される部分で最大となっており、収容部5が頂点52の近傍で突出量の少ないコンパクトな形状となっていても、大型パターのヘッドを収容するために充分な空間が確保されている。
【0043】
本実施例におけるキャディバッグ1に大型パターを含むゴルフクラブセットを収容した状態の断面図を図7に示す。大型パター13は、パター収容部10に収容されて、その大型のヘッドは収容部5によって外側に突出した状態で安定して保持される。大型パター13が他のアイアンクラブ14やウッドクラブ15と干渉しないために、キャディバッグ1の本体部2を大型化することなく充分に全てのゴルフクラブを収納できる。又、収容した全てのゴルフクラブの出し入れが非常に行い易く、フード3のスライドファスナー12の開閉も行い易い。
【0044】
本実施例のキャディバッグ1には、大型パター13が、ヘッドを正面あるいは側面を向けた状態で、断面形状が菱形の収容部5に安定して収容される。このため、運搬中の大型パターと他のゴルフクラブの接触が低減されており、収容したゴルフクラブに傷をつける恐れが非常に少ない。
【0045】
本実施例におけるキャディバッグ1は、収容部5が硬質な素材で形成されており、フード3が柔軟な素材で形成されているために、フード3が緩衝材として機能することができ、収容部とフードの両方を硬質な素材で構成した場合よりも、収容部5が破損しにくく、且つ収容したゴルフクラブも安全に保持される。
【0046】
以上、実施例において本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。たとえば、実施例においては、収容部を菱形に構成した例を示したが、収容部を楕円形に構成し、その突出量も自由に変更することができる。又、収容部の配置は、収容するクラブの種類に応じて、収容部の取付位置や取付角度を適宜変更することが可能である。バッグ本体の口枠の形状や仕切りの位置は、収容するクラブの種類に応じて、自由に選択することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】実施例のキャディバッグ1の斜視図である。
【図2】実施例のキャディバッグ1の正面図である。
【図3】実施例のフード3の内側から収容部5を見た図である。
【図4】実施例のキャディバッグ1の口枠付近の横断面図である。
【図5】キャディバッグ1のパター収容部10に収容される大型パターの、口枠の外への突出量の測定結果の一覧である。
【図6】本実施例の収容部5の成型時の形状を示す4面図である。
【図7】本実施例にキャディバッグ1に大型パターを含むゴルフクラブセットを収容した状態の横断面図である。
【図8】大型パターを含むゴルフクラブセットを収容した従来のキャディバッグの上面図である。
【符号の説明】
【0048】
1,21 キャディバッグ
2 バッグ本体
3,22 フード
4 取っ手
5 収容部
6 ポケット
7 スナップ
8,9 仕切り
10 パター収容部
11 パター収容部の外周部
12 スライドファスナー
13 大型パター
14 アイアンクラブ
15 ウッドクラブ
51,52,53,54 頂点
55,56,58,59 辺
57 縫いしろ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状に形成されて上端に開口部を有するバッグ本体と、当該バッグ本体の上端開口部とほぼ同径であって当該上端開口部に取り付けられるフードとを備えているキャディバッグであって、
前記フードには、ゴルフクラブのヘッド部の一部を収容するための収容部が、外部に突出するように設けられていることを特徴とするキャディバッグ。
【請求項2】
フードが柔軟な素材によって構成されており、収容部が硬質な素材によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載のキャディバッグ。
【請求項3】
収容部は、フードの下部であって、フードをバッグ本体に取り付けた場合にバッグ本体の上端開口部に近接する位置に設けられており、
収容部は、大型パターのヘッド部の一部を収容するために、大型パターのヘッド部の形状に特に適合した形状を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のキャディバッグ。
【請求項4】
収容部の断面形状が菱形であって、収容部の底部を構成する菱形の一辺が水平面に対して傾斜するように、フードに配置されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のキャディバッグ。
【請求項5】
バッグ本体が、特に大型パターを挿入して収納するための収納区画を備えており、
収容部は、フードの下部であって、フードを前記バッグ本体に取り付けた場合に、大型パターの収納区画の外側周縁部に近接する位置に設けられていることを特徴とする請求項3又は4に記載のキャディバッグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−252672(P2007−252672A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−81821(P2006−81821)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(303011275)株式会社ジャパーナ (43)