キャディーバッグ
【課題】 衝撃がキャディーバッグの上方向、又は横方向から加わったとしても衝撃を吸収できるようにすることによって姿勢を安定的に保持できるようにしたキャディーバッグを提供する。
【解決手段】 上側からゴルフクラブが出し入れされるキャディーバッグ本体2の底部にボトム本体3を設け、該ボトム本体3の側面から側方へ突出する脚を設けたキャディーバッグ1であって、
前記脚6はエラストマーで形成され、前記脚6の先端側は前記ボトム本体3から分離していることを特徴とするキャディーバッグである。
【解決手段】 上側からゴルフクラブが出し入れされるキャディーバッグ本体2の底部にボトム本体3を設け、該ボトム本体3の側面から側方へ突出する脚を設けたキャディーバッグ1であって、
前記脚6はエラストマーで形成され、前記脚6の先端側は前記ボトム本体3から分離していることを特徴とするキャディーバッグである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はキャディーバッグに係り、特に、キャディーバッグの転倒防止に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
ゴルファーが、把持していたキャディーバッグを地面に置いた際、その際の反動によって、図20に示すように、キャディーバッグ100が前後に揺れ易く、揺れが過大になった際にはキャディーバッグ100が転倒する場合がある。又、キャディーバッグは傾斜した地面や凹凸のある地面に置かれた場合に、傾いて転倒し易いという問題もあった。
【0003】
特許文献1には、キャディーバッグに不用意に加わった外力を吸収できるようにした発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−289587号公報
【0005】
特許文献1に記載の発明は、キャディーバッグのボトム体が、上層、中層、下層の3層構造になり、中層は上層及び下層よりも軟質の素材で形成することで、外力を吸収するようにした発明である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の発明は、キャディーバッグに真上から加わった外力を吸収できるとしても、キャディーバッグの前後方向又は横方向の揺れを吸収して減衰させることは構造上、困難である。
【0007】
このため、特許文献1は、前述のように、ゴルファーが、把持していたキャディーバッグを地面においた際の揺れを吸収して減衰させることは困難であるため、キャディーバッグが転倒し易いという従来の問題を解決できるものではなかった。
【0008】
本発明は前記背景技術の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、キャディーバッグに真上から加わる外力を効率よく吸収し、更に、前後方向、横方向の揺れを効率よく吸収して減衰させることによって、姿勢を安定的に保持できるようにしたキャディーバッグを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、上側からゴルフクラブが出し入れされるキャディーバッグ本体の底部にボトム本体を設け、該ボトム本体の側面から側方へ突出する脚を設けたキャディーバッグであって、
前記脚はエラストマーで形成され、前記脚の先端側は前記ボトム本体から分離していることを特徴とするものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、脚が基部と脚部とから構成されて、基部がボトム本体の側面に取り付けられていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記脚は、基部と脚部とからV字状又はU字状に形成され、該脚は逆V字状、又は逆U字状になるように基部が前記ボトム本体の側面に取り付けられたことを特徴とするものである。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の発明において、前記ボトム本体と脚は二材成形で一体化されていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の発明において、前記ボトム本体の底面には、該底面から下方へ突出する補助脚を設け、該補助脚の下方への突出長さは前記脚の下方への突出長さよりも短い長さであることを特徴とするものである。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の発明において、前記脚は、前記ボトム本体の周方向に並設され且つ前記ボトム本体の側方へ突出する二つの第1脚を有し、該各第1脚の突出方向の長さは、周方向の一側から他側へ向けて徐々に短くなる形態に形成されると共に、これら二つの第1脚は、その前記一側同士が互いに隣同士になるように配置されたことを特徴とするものである。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、キャディーバッグ本体の底部に設けられたボトム本体の側面から側方へ突出し、且つエラストマーで形成されていると共にその先端側が該ボトム本体から分離している第2脚を備え、該第2脚の突出方向の長さは、周方向の一側から他側へ向けて同一であることを特徴とするものである。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記二つの第1脚の間に前記第2脚を設け、これら第1脚と第2脚の突出方向の先端は互いに同一線上に位置していることを特徴とするものである。
【0017】
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の発明において、前記脚は、その突出方向の長さが、周方向の一側から他側へ向けて同一である形態の脚で構成されると共に該脚はボトム本体の周方向へ向けて三つ並設し、中央の脚の突出方向を基準としてこれら三つの脚の当該突出方向の先端は互いに同一直線上に位置していることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の発明によれば、脚がエラストマーで形成されて、脚が軟質であるために、キャディーバッグに加わった外力は、軟質の脚が変形しながら吸収して減衰することができるためにキャディーバッグの転倒が防止される。又、脚がボトム本体の側面から外方へ突出するように設けられた構造である上に、脚の先端がボトム本体から分離しているために、構造上、脚が外力によって自由に撓むことができる。その結果、脚が自由に撓むことで外力を吸収して外力を効率よく減衰させることができるために、キャディーバッグの転倒を防止でき、キャディーバッグの姿勢を安定的に保持することができる。更に、前述のように、脚は、その先端がボトム本体から分離し、且つ、軟質のエラストマーで成形されているために、脚は外力の作用する部分が部分的に徐々に撓むように変形しながら外力を吸収して減衰させることができる。このように、脚は、加わった外力によって撓むように変形しながら外力を吸収して減衰させることができるために、ゴルファーがキャディーバッグを地面に置いた際の反動による外力を吸収して減衰させることによって、キャディーバッグを安定した姿勢に保持することができる。又、キャディーバッグを傾斜した地面や凹凸のある地面に置いた際のキャディーバッグの傾きを脚が変形しながら受け止めることによって、キャディーバッグを安定した姿勢に復帰させて保持することができる。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の効果を奏することができる上に、脚が基部と脚部とから構成されて、基部がボトム本体の側部に取り付けられる構成であるために、脚がボトム本体の側部に強固に取り付けられる。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の効果を奏することができる上に、脚が基部と脚部とから略V字状、又は略U字状に形成されて、基部がボトム本体の側部に取り付けられる。このために、脚は、基部自体の長さに亘って、ボトム本体に強固に取り付けられる。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の何れか1項に記載の効果を奏することができる上に、ボトム本体と脚とを二材成形する際、脚の基部の一部がボトム本体に融着することによって、ボトム本体と脚とを強固に一体化させることができる。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至3の何れか1項に記載の効果を奏することができる上に、キャディーバッグに加わった外力は脚と補助脚とによって受け止めることができる。このように、外力が脚と補助脚とに分散するために、当該外力が長時間に亘ってキャディーバッグに加わった場合でも、脚自体に加わる外力の大きさが減少することで、脚は塑性することなく、脚としての機能を維持することができる。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の効果を奏することができる上に、互いに隣同士に設けられた二つの第1脚の突出角部がボトム本体の外方へ突出することで、キャディーバッグに加わった外力を受け止めて減衰させることができるために、キャディーバッグの姿勢を安定的に保持することができる。
【0024】
請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載の効果を奏することができる上に、キャディーバッグに加わった外力は、第2脚によっても受け止めることができる。
【0025】
請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載の効果を奏することができる上に、キャディーバッグに加わった外力は、第1脚と第2脚とによって受け止めることができる。
【0026】
請求項9に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の効果を奏することができる上に、キャディーバッグに加わった外力は、三つ並んだ脚によって受け止めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、キャディーバッグの正面図である。
【図2】図2は、ボトムの側断面図である。
【図3】図3は、作用を説明する、ボトムの側断面図である。
【図4】図4は、比較例の作用を説明する、ボトムの側面図である。
【図5】図5は、第1実施形態の変形例を示す、ボトムの底面図である。
【図6】図6は、ボトムの斜視図である。(第2実施形態)
【図7】図7は、ボトムの平面図である。(第2実施形態)
【図8】図8は、第2実施形態の作用を説明する図である。
【図9】図9は、第2実施形態の作用を説明する図である。
【図10】図10は、ボトム本体の斜視図である。
【図11】図11は、ボトムの斜視図である。(第3実施形態)
【図12】図12は、ボトムの平面図である。(第3実施形態)
【図13】図13は脚の角度を示す図である。
【図14】図14は脚の厚さを示す図である。
【図15】図15は、実験結果の図表を示す。
【図16】図16は、実験結果の図表を示す。
【図17】図17は、図12の変形例を示す。
【図18】図18は、ボトムの斜視図である。(第4実施形態)
【図19】図19は、ボトムの平面図である。(第4実施形態)
【図20】図20は背景技術のキャディーバッグを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1乃至図3は第1実施形態を示す。図1に示すように、この第1実施形態に係るキャディーバッグ1は、上側からゴルフクラブが出し入れされるキャディーバッグ本体2と該キャディーバッグ本体2の底部に設けられたボトム本体3を備えている。
【0029】
図2に示すように、前記ボトム本体3は、底部4と、該底部4の周縁から上方へ向けて延設された側部5とから構成されている。該底部4はボトム本体3の底としての機能を有するものであって、その形態は限定されないが、例えば、円盤状に形成されることができる。又、側部5は前記底部4から上方へ向けて延設されるものであれば、その形態は限定されないが、例えば、円筒状に形成されることができる。
【0030】
図2に示すように、前記ボトム本体3の側部5の高さ方向の途中からは脚6が設けられている。該脚6は、エラストマーで成形されている。エラストマーには、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーがある。特に、前記ウレタン系熱可塑性エラストマーは、温度変化に対応することができ、常に安定して高い曲げ弾性を維持できるという利点を有し、又、前記ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは流動性が良く成形し易いという利点を有しているために、本実施形態の脚を成形する素材としては最適である。
【0031】
該脚6は、前記ボトム本体3の側部5から径方向の外方へ突出するものであって、且つ、斜め下方へ向けて突出するようにボトム本体3の側部5に設けられ、該脚6は前記ボトム本体3の底部4よりも下方へ達して、その先端側は接地部7となっている。
【0032】
前述のように、脚6は、ボトム本体3の側部5から外方へ突出するように設けられるものであって、例えば、図2に示すように、基部8と脚部9とから略V字状又は略U字状に形成され、略逆V字状、又は略逆U字状になるように前記基部8が前記ボトム本体3の側部5に取り付けられるようにして設けられることができる。ここで、基部8の長さと脚部9の長さとが互いに異なっている形態の場合にも略V字又は略U字状を成す形態であるとする。前記脚部9は、下面が凹面で、上面が凸面となるように湾曲した形態に形成されることができる。
【0033】
次ぎに、作用について説明する。図2において、先ず、キャディーバッグ1に対する外力F1が真上から加わる場合について説明する。外力F1が小さい場合には、脚6がエラストマーで成形されているために、図中、一点鎖線で示すように、脚6が撓むように変形しながら外力F1を吸収すると共に、該脚の復元力によって、キャディーバッグ1の姿勢が元の姿勢に復帰することができるために、キャディーバッグの姿勢が安定的に保持される。
【0034】
次ぎに、キャディーバッグ1の真上から、図3に示すように、大きな外力F2がキャディーバッグ1に加わった場合には、脚6が同図3中、一点鎖線で示すように、撓むと共にボトム本体3の底部4が地面Gに接地することによって、ボトム本体3の底部4と脚6とで外力F2を受け止めてキャディーバッグ1の転倒が防止されてキャディーバッグ1の姿勢が安定的に保持される。
【0035】
又、図2に示すように、前後方向、又は横方向から外力F3がキャディーバッグ1に加わったとする。ここで、キャディーバッグ1のハンドルX(図1に示す)側を前部とし、その反対側を後部とし、ハンドルX(図1に示す)側とその反対側とを結ぶ直線に直交する方向を横方向とする。
【0036】
そして、前述のように、前後方向、又は横方向から外力F3がキャディーバッグ1に加わってキャディーィバッグ1が傾いた場合には、当該外力F3の加わる側とは反対側の脚6が撓みながら当該外力F3を吸収すると共に、脚6の復元力によってキャディーバッグ1が元の姿勢に戻されることでキャディーバッグ1の転倒が防止される。
【0037】
又、図2に示すように、脚6が撓むことで、脚部9の接地部7と、ボトム本体3の側面との間の距離Nが広がって、キャディーバッグ1の底が実質的に広がることになるために、キャディーバッグ1が転倒し難くなる。換言すれば、キャディーバッグ1の転倒制限角度が大きくなる。ここで、転倒制限角度とは、キャディーバッグ1が転倒する時のキャディーバッグ1の最大の傾きをいう。
【0038】
更に、脚6がエラストマーで成形されて軟質であって、脚6が荷重を受けた際に撓みながら荷重を吸収して荷重を減衰させるようにして受け止めた後に、脚6の復元力によってキャディーバッグ1は反対側へゆっくりと押し戻されるようにして元の直立した姿勢に復帰できるものであって、キャディーバッグ1は脚6で跳ね返るようにして元の姿勢に復帰するのではない。このように、キャディーバッグ1が横方向からの外力を受けた際に、脚6はキャディーバッグ1を反対側へ跳ね返らせないために、キャディーバッグ1は揺れを反復させることなく、元の姿勢にスムーズに復帰して静止することができる。
【0039】
又、キャディーバッグ1内に多数のゴルフクラブが収納された状態で長時間が経過するように、長時間に亘ってキャディーバッグ1に大きな荷重が加わり続ける場合には、図3に示すように、脚6が撓むと共にボトム本体3の底部4が地面Gに接地するために、脚6の限界状態まで脚6を変形させるような大きな荷重が脚に加わり続けることがない。このように、脚6のみに大きな荷重が加わり続けることがないために、脚6が塑性することなく脚6としての機能を維持し続けることができる。
【0040】
即ち、仮に、図4に示すように、脚100がボトム本体3の底部に設けられている場合には、キャディーバッグ1に加わる荷重は脚100のみが受け止める構造になるために、脚100の限界以上の荷重がキャディーバッグ1に加わり続けた場合には、脚100は塑性し易くなる。しかし、前述のように、本実施形態の場合には、脚6がボトム本体3の側部5に設けられているために、脚6が一定以上変形した場合には、ボトム本体3の底部4が地面Gに接地することになって、脚6の限界状態まで脚6を変形させるような大きな荷重が脚6に加わることがなく、脚6は塑性しない。
【0041】
又、図5に示すように、ボトム本体3の底部4の裏面に下方へ向けて突出するように補助脚Hを設けることも可能である。図5はボトム本体3の底面図である。当該補助脚Hは、前記脚6の下方への突出長さよりも短く形成されるものであって、前記脚6の下方への突出長さよりも、約1ミリメートル程度短く形成されることが好ましい。同図5に示すように、前記補助脚Hと脚6とはボトム本体3の周方向に沿って交互に設けることが好ましい。
【0042】
図6及び図7は、第2実施形態を示す。この第2実施形態の特徴は、ボトム本体3の側部5に二つの第1脚10と三つの第2脚11とを設けた点にある。
【0043】
第1脚10は、前記ボトム本体3の側部5の高さ方向の途中から外方へ突出するように設けられている。該第1脚10は、エラストマーで成形されている。該第1脚10は、外方への突出であって、且つ、斜め下方へ向けて突出するようにボトム本体3の側部5に設けられ、該第1脚10の先端側は接地部12となっている。該第1脚10は、図7に示すように、上方から観た場合、ボトム本体3の側部5から側方へ向けて放射状に突出するように設けられることができる。
【0044】
前述のように、第1脚10は、ボトム本体3の側部5から外方へ突出するように設けられるものであって、例えば、図2に示すように、第1脚10は、基部8と脚部9とから断面が略V字状又は略U字状に形成され、断面が略逆V字状、又は略逆U字状になるように前記基部8が前記ボトム本体3の側部5に取り付けられるようにして設けられることができる。ここで、基部8の長さと脚部9の長さとが互いに僅かに異なっている場合にも略V字又は略U字状であるとする。第1脚10の以上の点については、第1実施形態の脚6と同様である。
【0045】
図7に示すように、前記第1脚10は、外方への突出長さが、突出角部13から周方向の他側へ向けて徐々に短くなる形態であって後退角部14の突出長さが最も短くなり、且つ、二つの第1脚10はその突出角部13同士が互いに隣同士になる形態に配置されている。ここで、二つの第1脚10の突出角部13同士は、前記ボトム本体3の中心の同一円心上に位置して該ボトム本体3の中心から同一の距離に位置し、又、二つの第1脚10の前記後退角部14同士は前記ボトム本体3の中心の同一円心上に位置して、該ボトム本体3の中心から同一の距離に位置している。
【0046】
又、前記第2脚11は、前記ボトム本体3の側部5の高さ方向の途中から外方へ突出するように設けられている。該第2脚11は、エラストマーで成形されている。該第2脚11は、側方への突出であって、且つ、斜め下方へ向けて突出するようにボトム本体3の側部5に設けられ、該第2脚11の先端側は接地部15となっている。該第2脚11は、図7に示すように、上方から観た場合、ボトム本体3の側部5から外方へ向けて放射状に突出するように設けることができる。
【0047】
前述のように、第2脚11は、ボトム本体3の側部5から側方へ突出するように設けられるものであって、例えば、図2に示すように、第2脚11は、基部8と脚部9とから断面が略V字状又は略U字状に形成され、該第2脚11は、断面が略逆V字状、又は略逆U字状になるように前記基部8が前記ボトム本体3の側部5に取り付けられるようにして設けられることができる。ここで、基部8の長さと脚部9の長さとが互いに僅かに異なっている場合にも略V字又は略U字状であるとする。第2脚11の以上の点については、第1実施形態の脚6と同様である。
【0048】
第2脚11の先端は、周方向の一側から他側へ向けて同一の突出長さであって、当該先端は、ボトム本体3の中心の同一円心上に位置している。
【0049】
次ぎに作用について説明する。この第2実施形態の第1脚10と第2脚11は、第1実施形態の脚6と同等な構成を含んでいるために、キャディーバッグ1に加わった外力を吸収してキャディーバッグ1の姿勢を安定的に保持できる点については第1実施形態と同様である上に、更に、以下の作用効果を奏する。
【0050】
キャディーバッグ1に図7中矢示方向の外力F4が加わったとする。当該外力F4が加わったために、キャディーバッグ1が同方向へ傾こうとしたとする。しかし、この場合、右側の第1脚10によってキャディーバッグ1を図中矢示方向へ押し返そうとする反力F5が発生し、更に、左側の第1脚10が当該反力F5に対して反対方向に押し返す反力F6が発生する。これら反力F5、F6同士は互いに反対方向であるために、互いに打ち消し合うことで、二つの第1脚10の突出角部13同士を結ぶ直線Lに直交する方向の分力F7のみが残る。更に、ボトム本体3の中心から当該直線Lまでの距離が、ボトム本体3の中心からボトム本体3の周縁までの長さ以上に広がっているために、キャディーバッグ1は前記分力F7によって前記直線Lと直交する方向への転倒も防止される。このように、キャディーバッグ1に外力F4が加わってもキャディーバッグ1が横方向にぐらつくことがなく、キャディーバッグ1の姿勢が安定する。
【0051】
尚、前記二つの第1脚10は、キャディーバッグ1の前部に設けられているハンドルX(図1に示す)に対面する位置、つまり、ボトム本体3の後部に設けることで、特に以下の作用効果を奏することができる。
【0052】
ゴルフプレーヤが手で所持していたキャディーバッグ1を地面に置いたとする。この場合、キャディーバッグ1は地面に置かれた際の反動で、後方へ傾き易い。しかし、前述のように、二つの第1脚10がボトム本体3の後部側に設けられている場合には、前述のように、二つの第1脚10の突出角部13が後方へ突出した形態であるために、当該突出角部13によって、キャディーバッグ1が地面に置かれた際の反動を受け止めることができて、キャディーバッグ1は転倒することなく、キャディーバッグ1の姿勢が安定する。
【0053】
又、この第2実施形態においては、第1脚10の後退角部14の突出長さが短いために、当該第1脚10が横方向へ大きく張り出すことがなく、従って、第1脚10の存在がゴルフプレーヤの邪魔になる虞が少ない。
【0054】
更に、図8に示すように、キャディーバッグ1のボトム本体3の一側が接地し、他側が持ち上がった状態が、図9に示すように、矢示方向(周方向)へ回転するように、外力F9が加わったとする。この場合、図9中、矢示方向へ向けて、接地する位置の脚が移動して行く。つまり、例えば、最初に、図9中、第2脚11(A)のみが接地し、他の脚が浮き上がるように、ボトム本体3が傾き、次ぎに、図9中、第2脚11(B)のみが接地し、他の脚が浮き上がるように、ボトム本体3が傾く状態が図9中、矢示方向へ向けて続いたとする。このような場合、図9に示すように、二つの第1脚10(A)、10(B)が接地する瞬間が到来する。この瞬間においては、右側の第1脚10(A)の突出角部13がボトム本体3の当該回転を止めるように押し戻そうとする反力F10を発生させる。一方、左側の第1脚10(B)が、当該押し戻そうとする反力F10に反する力F11、即ち、当該回転を続けようとする力を発生させる。このため、ボトム本体3は僅かの時間、右側の第1脚10(A)が接地し、左側の第1脚10(B)が浮き上がる状態と、右側の第1脚10(A)が浮き上がり、左側の第1脚10(B)が接地する状態とが交互に繰り返されて、ボトム本体3が揺れるが、その後、ボトム本体3の当該回転が減衰してキャディーバッグ1が安定した状態に静止することができる。
【0055】
次ぎに、前記ボトム本体3に脚10、11を設ける製造方法について説明する。ボトム本体3と脚10、11とは二材成形によって一体化されるように製造されることができる。二材成形する場合には、図10に示すように、ボトム本体3の側部5に複数個の孔20を形成する。そして、当該ボトム本体3を型内に設置した後、型とボトム本体3との間の隙間にエラスマーを流し込む。すると、エラストマーによって脚10、11が成形され、又、エラストマーが、ボトム本体3の孔20から該ボトム本体3の内側へ流れ込んでボトム本体3の底部の上面の一部に広がって固まる。このようにして、図6に示すように、ボトム本体3と脚10、11とが一体化されるようにして製造される。前述のように、エラストマーが、ボトム本体3の孔20から該ボトム本体3の内側へ流れ込んでボトム本体3の底部の上面の一部に広がって固まることによって、脚6がボトム本体3から容易に脱落することがない。又、高温のエラストマーがボトム本体3に接する際、脚6がボトム本体3に融着するようにして、脚6とボトム本体3が一体化するために、脚6はボトム本体3に強固に取り付けられることになる。
【0056】
尚、以上の説明では、複数個の第2脚11を備えた場合について説明したが、第2脚11の何れか又は全ての第2脚11を第1脚10と同様な形態にすることも可能である。
【0057】
図11及び図12は第3実施形態を示す。この第3実施形態は第2実施形態の変形であって、第2実施形態で説明した、二つの第1脚10の間に第2脚11を設けた点に第3実施形態の特徴がある。第2実施形態において説明したように、二つの第1脚10の突出角部13同士の間において、二つの第1脚10の突出角部13同士を結ぶ直線Lに交差する方向の外力F4を受けた場合、該直線Lに直交する方向のみの力F7が残る。そして、この第3実施形態においては、二つの第1脚10と一つの第2脚11によって、当該力を受け止めることができるために、キャディーバッグ1が当該直線Lに直交する方向へ転倒する現象を一層、防止することができて、キャディーバッグ1の姿勢が一層、安定する。
【0058】
図12は第1脚10、第2脚11の寸法を示す。例えば、第1脚10の幅W1は60ミリメートルで、後側の第2脚11(A)の幅W2は70ミリメートルで、前側の第2脚11(B)の幅W3は80ミリメートルで成形されることができる。
【0059】
又、図13は第2脚11の基部8と脚部9との間の角度θを示す。当該角度θは例えば、29.74度に成形することができる。
【0060】
又、図14は第1脚10と第2脚11の厚みTを示す。例えば、第1脚10と第2脚11の厚みTは、約7.5ミリメートルに成形することができる。
【0061】
図15及び16は、第3実施形態のキャディーバッグ1に振り子を衝突させる実験をした際の結果を示す。図15はキャディーバッグ1に振り子を衝突させることによる外力の方向と、振り子の振り上げ角度を変えながら振り子をキャディーバッグ1に衝突させてキャディーバッグ1を振動させてから振動が停止するまでの時間について、脚10,11をエラストマーで形成した場合と、ポリプロピレンで形成した場合とで比較した場合を示す。尚、同図中のA、B、C、Dは図12に示される。又、前記ポリプロピレンは脚6の撓みを得ることのできない材料である。このために、本実施形態で用いられる脚6の撓みを得ることのできるエラストマーの効果を明確にするために、本実験において、エラストマーとポリプロピレンとを対比した実験をした。
【0062】
同図15に示す結果から判断して、脚10,11をエラストマーで形成した場合の方が、キャディーバッグ1はゆっくりと初期の姿勢に復帰する。このため、本実施形態のように、脚10,11をエラストマーで形成した場合においては、キャディーバッグ1が外力を受けて転倒しそうになってから、実際に転倒するまでの時間を長く確保できるため、この時間内にゴルフプレーヤはキャディーバッグ1を手で支えてキャディーバッグ1の転倒を防止することができる。
【0063】
図16は、振り子をキャディーバッグ1のハンドルX側(図中、Aで示す)に衝突させてAからハンドルX側(図中、Aで示す)の反対側(図中、Cで示す)へ向けて外力をキャディーバッグに加えた際における振り子の初期の振り上げ角度と振り子をキャディーバッグ1に衝突させた際のキャディーバッグ1の状態を示す。同図16に示す結果から判断して、この実施形態のように、脚10,11をエラストマーで形成した場合の方が、キャディーバッグ1が倒れ難いことが実証された。そして、特に、振り子の初期の振り上げ角度が55度の場合、位置C側の脚で一旦受け止めているために、本実施形態のように、脚10,11をエラストマーで形成した場合の方が外力に対する吸収効果の大きいことが実証された。
【0064】
図17は第3実施形態の変形例であって、第2実施形態で説明したように、二つの第1脚10と一つの第2脚11との組み合わせをボトム本体3の前部側、即ち、ハンドルX(図1に示す)側にも設けた場合を示す。このように形成した場合、第3実施形態で説明したように、ゴルフプレーヤがキャディーバッグ1を地面に置いた際の反動をキャディーバッグ1が受けた場合に、当該反動はボトム本体3の前部と後部に設けられている二組の二つの第1脚10と一つの第2脚11との組み合わせによって受け止めることができる。
【0065】
図18,図19は第4実施形態を示す。この第4実施形態の特徴は、第2脚11を直線Lに沿って三つ並設した点にある。該第2脚11が前記第3実施形態の第2脚11と同様な構成のため、第2脚11の構成については説明を省略する。ここで、図19に示す中央の第2脚11の突出方向Pを基準としてこれら三つの第2脚11の当該突出方向Pの先端は互いに同一直線L上に位置している。中央の第2脚11の突出長さよりも両側の第2脚11の突出長さの方が長く形成されることで、両側の第2脚11の先端同士を結ぶ直線L上に、中央の第2脚11の先端が位置するように構成されている。この第4実施形態の第2脚が請求項9の脚に該当する。この第4実施形態においても以上の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 キャディーバッグ
2 キャディーバッグ本体
3 ボトム本体
4 底部
5 側部
6 脚
【技術分野】
【0001】
本発明はキャディーバッグに係り、特に、キャディーバッグの転倒防止に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
ゴルファーが、把持していたキャディーバッグを地面に置いた際、その際の反動によって、図20に示すように、キャディーバッグ100が前後に揺れ易く、揺れが過大になった際にはキャディーバッグ100が転倒する場合がある。又、キャディーバッグは傾斜した地面や凹凸のある地面に置かれた場合に、傾いて転倒し易いという問題もあった。
【0003】
特許文献1には、キャディーバッグに不用意に加わった外力を吸収できるようにした発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−289587号公報
【0005】
特許文献1に記載の発明は、キャディーバッグのボトム体が、上層、中層、下層の3層構造になり、中層は上層及び下層よりも軟質の素材で形成することで、外力を吸収するようにした発明である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の発明は、キャディーバッグに真上から加わった外力を吸収できるとしても、キャディーバッグの前後方向又は横方向の揺れを吸収して減衰させることは構造上、困難である。
【0007】
このため、特許文献1は、前述のように、ゴルファーが、把持していたキャディーバッグを地面においた際の揺れを吸収して減衰させることは困難であるため、キャディーバッグが転倒し易いという従来の問題を解決できるものではなかった。
【0008】
本発明は前記背景技術の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、キャディーバッグに真上から加わる外力を効率よく吸収し、更に、前後方向、横方向の揺れを効率よく吸収して減衰させることによって、姿勢を安定的に保持できるようにしたキャディーバッグを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、上側からゴルフクラブが出し入れされるキャディーバッグ本体の底部にボトム本体を設け、該ボトム本体の側面から側方へ突出する脚を設けたキャディーバッグであって、
前記脚はエラストマーで形成され、前記脚の先端側は前記ボトム本体から分離していることを特徴とするものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、脚が基部と脚部とから構成されて、基部がボトム本体の側面に取り付けられていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記脚は、基部と脚部とからV字状又はU字状に形成され、該脚は逆V字状、又は逆U字状になるように基部が前記ボトム本体の側面に取り付けられたことを特徴とするものである。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の発明において、前記ボトム本体と脚は二材成形で一体化されていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の発明において、前記ボトム本体の底面には、該底面から下方へ突出する補助脚を設け、該補助脚の下方への突出長さは前記脚の下方への突出長さよりも短い長さであることを特徴とするものである。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の発明において、前記脚は、前記ボトム本体の周方向に並設され且つ前記ボトム本体の側方へ突出する二つの第1脚を有し、該各第1脚の突出方向の長さは、周方向の一側から他側へ向けて徐々に短くなる形態に形成されると共に、これら二つの第1脚は、その前記一側同士が互いに隣同士になるように配置されたことを特徴とするものである。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、キャディーバッグ本体の底部に設けられたボトム本体の側面から側方へ突出し、且つエラストマーで形成されていると共にその先端側が該ボトム本体から分離している第2脚を備え、該第2脚の突出方向の長さは、周方向の一側から他側へ向けて同一であることを特徴とするものである。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記二つの第1脚の間に前記第2脚を設け、これら第1脚と第2脚の突出方向の先端は互いに同一線上に位置していることを特徴とするものである。
【0017】
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の発明において、前記脚は、その突出方向の長さが、周方向の一側から他側へ向けて同一である形態の脚で構成されると共に該脚はボトム本体の周方向へ向けて三つ並設し、中央の脚の突出方向を基準としてこれら三つの脚の当該突出方向の先端は互いに同一直線上に位置していることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の発明によれば、脚がエラストマーで形成されて、脚が軟質であるために、キャディーバッグに加わった外力は、軟質の脚が変形しながら吸収して減衰することができるためにキャディーバッグの転倒が防止される。又、脚がボトム本体の側面から外方へ突出するように設けられた構造である上に、脚の先端がボトム本体から分離しているために、構造上、脚が外力によって自由に撓むことができる。その結果、脚が自由に撓むことで外力を吸収して外力を効率よく減衰させることができるために、キャディーバッグの転倒を防止でき、キャディーバッグの姿勢を安定的に保持することができる。更に、前述のように、脚は、その先端がボトム本体から分離し、且つ、軟質のエラストマーで成形されているために、脚は外力の作用する部分が部分的に徐々に撓むように変形しながら外力を吸収して減衰させることができる。このように、脚は、加わった外力によって撓むように変形しながら外力を吸収して減衰させることができるために、ゴルファーがキャディーバッグを地面に置いた際の反動による外力を吸収して減衰させることによって、キャディーバッグを安定した姿勢に保持することができる。又、キャディーバッグを傾斜した地面や凹凸のある地面に置いた際のキャディーバッグの傾きを脚が変形しながら受け止めることによって、キャディーバッグを安定した姿勢に復帰させて保持することができる。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の効果を奏することができる上に、脚が基部と脚部とから構成されて、基部がボトム本体の側部に取り付けられる構成であるために、脚がボトム本体の側部に強固に取り付けられる。
【0020】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の効果を奏することができる上に、脚が基部と脚部とから略V字状、又は略U字状に形成されて、基部がボトム本体の側部に取り付けられる。このために、脚は、基部自体の長さに亘って、ボトム本体に強固に取り付けられる。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の何れか1項に記載の効果を奏することができる上に、ボトム本体と脚とを二材成形する際、脚の基部の一部がボトム本体に融着することによって、ボトム本体と脚とを強固に一体化させることができる。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至3の何れか1項に記載の効果を奏することができる上に、キャディーバッグに加わった外力は脚と補助脚とによって受け止めることができる。このように、外力が脚と補助脚とに分散するために、当該外力が長時間に亘ってキャディーバッグに加わった場合でも、脚自体に加わる外力の大きさが減少することで、脚は塑性することなく、脚としての機能を維持することができる。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の効果を奏することができる上に、互いに隣同士に設けられた二つの第1脚の突出角部がボトム本体の外方へ突出することで、キャディーバッグに加わった外力を受け止めて減衰させることができるために、キャディーバッグの姿勢を安定的に保持することができる。
【0024】
請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載の効果を奏することができる上に、キャディーバッグに加わった外力は、第2脚によっても受け止めることができる。
【0025】
請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載の効果を奏することができる上に、キャディーバッグに加わった外力は、第1脚と第2脚とによって受け止めることができる。
【0026】
請求項9に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の効果を奏することができる上に、キャディーバッグに加わった外力は、三つ並んだ脚によって受け止めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、キャディーバッグの正面図である。
【図2】図2は、ボトムの側断面図である。
【図3】図3は、作用を説明する、ボトムの側断面図である。
【図4】図4は、比較例の作用を説明する、ボトムの側面図である。
【図5】図5は、第1実施形態の変形例を示す、ボトムの底面図である。
【図6】図6は、ボトムの斜視図である。(第2実施形態)
【図7】図7は、ボトムの平面図である。(第2実施形態)
【図8】図8は、第2実施形態の作用を説明する図である。
【図9】図9は、第2実施形態の作用を説明する図である。
【図10】図10は、ボトム本体の斜視図である。
【図11】図11は、ボトムの斜視図である。(第3実施形態)
【図12】図12は、ボトムの平面図である。(第3実施形態)
【図13】図13は脚の角度を示す図である。
【図14】図14は脚の厚さを示す図である。
【図15】図15は、実験結果の図表を示す。
【図16】図16は、実験結果の図表を示す。
【図17】図17は、図12の変形例を示す。
【図18】図18は、ボトムの斜視図である。(第4実施形態)
【図19】図19は、ボトムの平面図である。(第4実施形態)
【図20】図20は背景技術のキャディーバッグを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1乃至図3は第1実施形態を示す。図1に示すように、この第1実施形態に係るキャディーバッグ1は、上側からゴルフクラブが出し入れされるキャディーバッグ本体2と該キャディーバッグ本体2の底部に設けられたボトム本体3を備えている。
【0029】
図2に示すように、前記ボトム本体3は、底部4と、該底部4の周縁から上方へ向けて延設された側部5とから構成されている。該底部4はボトム本体3の底としての機能を有するものであって、その形態は限定されないが、例えば、円盤状に形成されることができる。又、側部5は前記底部4から上方へ向けて延設されるものであれば、その形態は限定されないが、例えば、円筒状に形成されることができる。
【0030】
図2に示すように、前記ボトム本体3の側部5の高さ方向の途中からは脚6が設けられている。該脚6は、エラストマーで成形されている。エラストマーには、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーがある。特に、前記ウレタン系熱可塑性エラストマーは、温度変化に対応することができ、常に安定して高い曲げ弾性を維持できるという利点を有し、又、前記ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは流動性が良く成形し易いという利点を有しているために、本実施形態の脚を成形する素材としては最適である。
【0031】
該脚6は、前記ボトム本体3の側部5から径方向の外方へ突出するものであって、且つ、斜め下方へ向けて突出するようにボトム本体3の側部5に設けられ、該脚6は前記ボトム本体3の底部4よりも下方へ達して、その先端側は接地部7となっている。
【0032】
前述のように、脚6は、ボトム本体3の側部5から外方へ突出するように設けられるものであって、例えば、図2に示すように、基部8と脚部9とから略V字状又は略U字状に形成され、略逆V字状、又は略逆U字状になるように前記基部8が前記ボトム本体3の側部5に取り付けられるようにして設けられることができる。ここで、基部8の長さと脚部9の長さとが互いに異なっている形態の場合にも略V字又は略U字状を成す形態であるとする。前記脚部9は、下面が凹面で、上面が凸面となるように湾曲した形態に形成されることができる。
【0033】
次ぎに、作用について説明する。図2において、先ず、キャディーバッグ1に対する外力F1が真上から加わる場合について説明する。外力F1が小さい場合には、脚6がエラストマーで成形されているために、図中、一点鎖線で示すように、脚6が撓むように変形しながら外力F1を吸収すると共に、該脚の復元力によって、キャディーバッグ1の姿勢が元の姿勢に復帰することができるために、キャディーバッグの姿勢が安定的に保持される。
【0034】
次ぎに、キャディーバッグ1の真上から、図3に示すように、大きな外力F2がキャディーバッグ1に加わった場合には、脚6が同図3中、一点鎖線で示すように、撓むと共にボトム本体3の底部4が地面Gに接地することによって、ボトム本体3の底部4と脚6とで外力F2を受け止めてキャディーバッグ1の転倒が防止されてキャディーバッグ1の姿勢が安定的に保持される。
【0035】
又、図2に示すように、前後方向、又は横方向から外力F3がキャディーバッグ1に加わったとする。ここで、キャディーバッグ1のハンドルX(図1に示す)側を前部とし、その反対側を後部とし、ハンドルX(図1に示す)側とその反対側とを結ぶ直線に直交する方向を横方向とする。
【0036】
そして、前述のように、前後方向、又は横方向から外力F3がキャディーバッグ1に加わってキャディーィバッグ1が傾いた場合には、当該外力F3の加わる側とは反対側の脚6が撓みながら当該外力F3を吸収すると共に、脚6の復元力によってキャディーバッグ1が元の姿勢に戻されることでキャディーバッグ1の転倒が防止される。
【0037】
又、図2に示すように、脚6が撓むことで、脚部9の接地部7と、ボトム本体3の側面との間の距離Nが広がって、キャディーバッグ1の底が実質的に広がることになるために、キャディーバッグ1が転倒し難くなる。換言すれば、キャディーバッグ1の転倒制限角度が大きくなる。ここで、転倒制限角度とは、キャディーバッグ1が転倒する時のキャディーバッグ1の最大の傾きをいう。
【0038】
更に、脚6がエラストマーで成形されて軟質であって、脚6が荷重を受けた際に撓みながら荷重を吸収して荷重を減衰させるようにして受け止めた後に、脚6の復元力によってキャディーバッグ1は反対側へゆっくりと押し戻されるようにして元の直立した姿勢に復帰できるものであって、キャディーバッグ1は脚6で跳ね返るようにして元の姿勢に復帰するのではない。このように、キャディーバッグ1が横方向からの外力を受けた際に、脚6はキャディーバッグ1を反対側へ跳ね返らせないために、キャディーバッグ1は揺れを反復させることなく、元の姿勢にスムーズに復帰して静止することができる。
【0039】
又、キャディーバッグ1内に多数のゴルフクラブが収納された状態で長時間が経過するように、長時間に亘ってキャディーバッグ1に大きな荷重が加わり続ける場合には、図3に示すように、脚6が撓むと共にボトム本体3の底部4が地面Gに接地するために、脚6の限界状態まで脚6を変形させるような大きな荷重が脚に加わり続けることがない。このように、脚6のみに大きな荷重が加わり続けることがないために、脚6が塑性することなく脚6としての機能を維持し続けることができる。
【0040】
即ち、仮に、図4に示すように、脚100がボトム本体3の底部に設けられている場合には、キャディーバッグ1に加わる荷重は脚100のみが受け止める構造になるために、脚100の限界以上の荷重がキャディーバッグ1に加わり続けた場合には、脚100は塑性し易くなる。しかし、前述のように、本実施形態の場合には、脚6がボトム本体3の側部5に設けられているために、脚6が一定以上変形した場合には、ボトム本体3の底部4が地面Gに接地することになって、脚6の限界状態まで脚6を変形させるような大きな荷重が脚6に加わることがなく、脚6は塑性しない。
【0041】
又、図5に示すように、ボトム本体3の底部4の裏面に下方へ向けて突出するように補助脚Hを設けることも可能である。図5はボトム本体3の底面図である。当該補助脚Hは、前記脚6の下方への突出長さよりも短く形成されるものであって、前記脚6の下方への突出長さよりも、約1ミリメートル程度短く形成されることが好ましい。同図5に示すように、前記補助脚Hと脚6とはボトム本体3の周方向に沿って交互に設けることが好ましい。
【0042】
図6及び図7は、第2実施形態を示す。この第2実施形態の特徴は、ボトム本体3の側部5に二つの第1脚10と三つの第2脚11とを設けた点にある。
【0043】
第1脚10は、前記ボトム本体3の側部5の高さ方向の途中から外方へ突出するように設けられている。該第1脚10は、エラストマーで成形されている。該第1脚10は、外方への突出であって、且つ、斜め下方へ向けて突出するようにボトム本体3の側部5に設けられ、該第1脚10の先端側は接地部12となっている。該第1脚10は、図7に示すように、上方から観た場合、ボトム本体3の側部5から側方へ向けて放射状に突出するように設けられることができる。
【0044】
前述のように、第1脚10は、ボトム本体3の側部5から外方へ突出するように設けられるものであって、例えば、図2に示すように、第1脚10は、基部8と脚部9とから断面が略V字状又は略U字状に形成され、断面が略逆V字状、又は略逆U字状になるように前記基部8が前記ボトム本体3の側部5に取り付けられるようにして設けられることができる。ここで、基部8の長さと脚部9の長さとが互いに僅かに異なっている場合にも略V字又は略U字状であるとする。第1脚10の以上の点については、第1実施形態の脚6と同様である。
【0045】
図7に示すように、前記第1脚10は、外方への突出長さが、突出角部13から周方向の他側へ向けて徐々に短くなる形態であって後退角部14の突出長さが最も短くなり、且つ、二つの第1脚10はその突出角部13同士が互いに隣同士になる形態に配置されている。ここで、二つの第1脚10の突出角部13同士は、前記ボトム本体3の中心の同一円心上に位置して該ボトム本体3の中心から同一の距離に位置し、又、二つの第1脚10の前記後退角部14同士は前記ボトム本体3の中心の同一円心上に位置して、該ボトム本体3の中心から同一の距離に位置している。
【0046】
又、前記第2脚11は、前記ボトム本体3の側部5の高さ方向の途中から外方へ突出するように設けられている。該第2脚11は、エラストマーで成形されている。該第2脚11は、側方への突出であって、且つ、斜め下方へ向けて突出するようにボトム本体3の側部5に設けられ、該第2脚11の先端側は接地部15となっている。該第2脚11は、図7に示すように、上方から観た場合、ボトム本体3の側部5から外方へ向けて放射状に突出するように設けることができる。
【0047】
前述のように、第2脚11は、ボトム本体3の側部5から側方へ突出するように設けられるものであって、例えば、図2に示すように、第2脚11は、基部8と脚部9とから断面が略V字状又は略U字状に形成され、該第2脚11は、断面が略逆V字状、又は略逆U字状になるように前記基部8が前記ボトム本体3の側部5に取り付けられるようにして設けられることができる。ここで、基部8の長さと脚部9の長さとが互いに僅かに異なっている場合にも略V字又は略U字状であるとする。第2脚11の以上の点については、第1実施形態の脚6と同様である。
【0048】
第2脚11の先端は、周方向の一側から他側へ向けて同一の突出長さであって、当該先端は、ボトム本体3の中心の同一円心上に位置している。
【0049】
次ぎに作用について説明する。この第2実施形態の第1脚10と第2脚11は、第1実施形態の脚6と同等な構成を含んでいるために、キャディーバッグ1に加わった外力を吸収してキャディーバッグ1の姿勢を安定的に保持できる点については第1実施形態と同様である上に、更に、以下の作用効果を奏する。
【0050】
キャディーバッグ1に図7中矢示方向の外力F4が加わったとする。当該外力F4が加わったために、キャディーバッグ1が同方向へ傾こうとしたとする。しかし、この場合、右側の第1脚10によってキャディーバッグ1を図中矢示方向へ押し返そうとする反力F5が発生し、更に、左側の第1脚10が当該反力F5に対して反対方向に押し返す反力F6が発生する。これら反力F5、F6同士は互いに反対方向であるために、互いに打ち消し合うことで、二つの第1脚10の突出角部13同士を結ぶ直線Lに直交する方向の分力F7のみが残る。更に、ボトム本体3の中心から当該直線Lまでの距離が、ボトム本体3の中心からボトム本体3の周縁までの長さ以上に広がっているために、キャディーバッグ1は前記分力F7によって前記直線Lと直交する方向への転倒も防止される。このように、キャディーバッグ1に外力F4が加わってもキャディーバッグ1が横方向にぐらつくことがなく、キャディーバッグ1の姿勢が安定する。
【0051】
尚、前記二つの第1脚10は、キャディーバッグ1の前部に設けられているハンドルX(図1に示す)に対面する位置、つまり、ボトム本体3の後部に設けることで、特に以下の作用効果を奏することができる。
【0052】
ゴルフプレーヤが手で所持していたキャディーバッグ1を地面に置いたとする。この場合、キャディーバッグ1は地面に置かれた際の反動で、後方へ傾き易い。しかし、前述のように、二つの第1脚10がボトム本体3の後部側に設けられている場合には、前述のように、二つの第1脚10の突出角部13が後方へ突出した形態であるために、当該突出角部13によって、キャディーバッグ1が地面に置かれた際の反動を受け止めることができて、キャディーバッグ1は転倒することなく、キャディーバッグ1の姿勢が安定する。
【0053】
又、この第2実施形態においては、第1脚10の後退角部14の突出長さが短いために、当該第1脚10が横方向へ大きく張り出すことがなく、従って、第1脚10の存在がゴルフプレーヤの邪魔になる虞が少ない。
【0054】
更に、図8に示すように、キャディーバッグ1のボトム本体3の一側が接地し、他側が持ち上がった状態が、図9に示すように、矢示方向(周方向)へ回転するように、外力F9が加わったとする。この場合、図9中、矢示方向へ向けて、接地する位置の脚が移動して行く。つまり、例えば、最初に、図9中、第2脚11(A)のみが接地し、他の脚が浮き上がるように、ボトム本体3が傾き、次ぎに、図9中、第2脚11(B)のみが接地し、他の脚が浮き上がるように、ボトム本体3が傾く状態が図9中、矢示方向へ向けて続いたとする。このような場合、図9に示すように、二つの第1脚10(A)、10(B)が接地する瞬間が到来する。この瞬間においては、右側の第1脚10(A)の突出角部13がボトム本体3の当該回転を止めるように押し戻そうとする反力F10を発生させる。一方、左側の第1脚10(B)が、当該押し戻そうとする反力F10に反する力F11、即ち、当該回転を続けようとする力を発生させる。このため、ボトム本体3は僅かの時間、右側の第1脚10(A)が接地し、左側の第1脚10(B)が浮き上がる状態と、右側の第1脚10(A)が浮き上がり、左側の第1脚10(B)が接地する状態とが交互に繰り返されて、ボトム本体3が揺れるが、その後、ボトム本体3の当該回転が減衰してキャディーバッグ1が安定した状態に静止することができる。
【0055】
次ぎに、前記ボトム本体3に脚10、11を設ける製造方法について説明する。ボトム本体3と脚10、11とは二材成形によって一体化されるように製造されることができる。二材成形する場合には、図10に示すように、ボトム本体3の側部5に複数個の孔20を形成する。そして、当該ボトム本体3を型内に設置した後、型とボトム本体3との間の隙間にエラスマーを流し込む。すると、エラストマーによって脚10、11が成形され、又、エラストマーが、ボトム本体3の孔20から該ボトム本体3の内側へ流れ込んでボトム本体3の底部の上面の一部に広がって固まる。このようにして、図6に示すように、ボトム本体3と脚10、11とが一体化されるようにして製造される。前述のように、エラストマーが、ボトム本体3の孔20から該ボトム本体3の内側へ流れ込んでボトム本体3の底部の上面の一部に広がって固まることによって、脚6がボトム本体3から容易に脱落することがない。又、高温のエラストマーがボトム本体3に接する際、脚6がボトム本体3に融着するようにして、脚6とボトム本体3が一体化するために、脚6はボトム本体3に強固に取り付けられることになる。
【0056】
尚、以上の説明では、複数個の第2脚11を備えた場合について説明したが、第2脚11の何れか又は全ての第2脚11を第1脚10と同様な形態にすることも可能である。
【0057】
図11及び図12は第3実施形態を示す。この第3実施形態は第2実施形態の変形であって、第2実施形態で説明した、二つの第1脚10の間に第2脚11を設けた点に第3実施形態の特徴がある。第2実施形態において説明したように、二つの第1脚10の突出角部13同士の間において、二つの第1脚10の突出角部13同士を結ぶ直線Lに交差する方向の外力F4を受けた場合、該直線Lに直交する方向のみの力F7が残る。そして、この第3実施形態においては、二つの第1脚10と一つの第2脚11によって、当該力を受け止めることができるために、キャディーバッグ1が当該直線Lに直交する方向へ転倒する現象を一層、防止することができて、キャディーバッグ1の姿勢が一層、安定する。
【0058】
図12は第1脚10、第2脚11の寸法を示す。例えば、第1脚10の幅W1は60ミリメートルで、後側の第2脚11(A)の幅W2は70ミリメートルで、前側の第2脚11(B)の幅W3は80ミリメートルで成形されることができる。
【0059】
又、図13は第2脚11の基部8と脚部9との間の角度θを示す。当該角度θは例えば、29.74度に成形することができる。
【0060】
又、図14は第1脚10と第2脚11の厚みTを示す。例えば、第1脚10と第2脚11の厚みTは、約7.5ミリメートルに成形することができる。
【0061】
図15及び16は、第3実施形態のキャディーバッグ1に振り子を衝突させる実験をした際の結果を示す。図15はキャディーバッグ1に振り子を衝突させることによる外力の方向と、振り子の振り上げ角度を変えながら振り子をキャディーバッグ1に衝突させてキャディーバッグ1を振動させてから振動が停止するまでの時間について、脚10,11をエラストマーで形成した場合と、ポリプロピレンで形成した場合とで比較した場合を示す。尚、同図中のA、B、C、Dは図12に示される。又、前記ポリプロピレンは脚6の撓みを得ることのできない材料である。このために、本実施形態で用いられる脚6の撓みを得ることのできるエラストマーの効果を明確にするために、本実験において、エラストマーとポリプロピレンとを対比した実験をした。
【0062】
同図15に示す結果から判断して、脚10,11をエラストマーで形成した場合の方が、キャディーバッグ1はゆっくりと初期の姿勢に復帰する。このため、本実施形態のように、脚10,11をエラストマーで形成した場合においては、キャディーバッグ1が外力を受けて転倒しそうになってから、実際に転倒するまでの時間を長く確保できるため、この時間内にゴルフプレーヤはキャディーバッグ1を手で支えてキャディーバッグ1の転倒を防止することができる。
【0063】
図16は、振り子をキャディーバッグ1のハンドルX側(図中、Aで示す)に衝突させてAからハンドルX側(図中、Aで示す)の反対側(図中、Cで示す)へ向けて外力をキャディーバッグに加えた際における振り子の初期の振り上げ角度と振り子をキャディーバッグ1に衝突させた際のキャディーバッグ1の状態を示す。同図16に示す結果から判断して、この実施形態のように、脚10,11をエラストマーで形成した場合の方が、キャディーバッグ1が倒れ難いことが実証された。そして、特に、振り子の初期の振り上げ角度が55度の場合、位置C側の脚で一旦受け止めているために、本実施形態のように、脚10,11をエラストマーで形成した場合の方が外力に対する吸収効果の大きいことが実証された。
【0064】
図17は第3実施形態の変形例であって、第2実施形態で説明したように、二つの第1脚10と一つの第2脚11との組み合わせをボトム本体3の前部側、即ち、ハンドルX(図1に示す)側にも設けた場合を示す。このように形成した場合、第3実施形態で説明したように、ゴルフプレーヤがキャディーバッグ1を地面に置いた際の反動をキャディーバッグ1が受けた場合に、当該反動はボトム本体3の前部と後部に設けられている二組の二つの第1脚10と一つの第2脚11との組み合わせによって受け止めることができる。
【0065】
図18,図19は第4実施形態を示す。この第4実施形態の特徴は、第2脚11を直線Lに沿って三つ並設した点にある。該第2脚11が前記第3実施形態の第2脚11と同様な構成のため、第2脚11の構成については説明を省略する。ここで、図19に示す中央の第2脚11の突出方向Pを基準としてこれら三つの第2脚11の当該突出方向Pの先端は互いに同一直線L上に位置している。中央の第2脚11の突出長さよりも両側の第2脚11の突出長さの方が長く形成されることで、両側の第2脚11の先端同士を結ぶ直線L上に、中央の第2脚11の先端が位置するように構成されている。この第4実施形態の第2脚が請求項9の脚に該当する。この第4実施形態においても以上の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 キャディーバッグ
2 キャディーバッグ本体
3 ボトム本体
4 底部
5 側部
6 脚
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側からゴルフクラブが出し入れされるキャディーバッグ本体の底部にボトム本体を設け、該ボトム本体の側面から側方へ突出する脚を設けたキャディーバッグであって、
前記脚はエラストマーで形成され、前記脚の先端側は前記ボトム本体から分離していることを特徴とするキャディーバッグ。
【請求項2】
前記脚は、基部と脚部とから構成され、基部が前記ボトム本体の側面に取り付けられたことを特徴とする請求項1に記載のキャディーバッグ。
【請求項3】
前記脚は、基部と脚部とからV字状又はU字状に形成され、該脚は逆V字状又は逆U字状になるように基部が前記ボトム本体の側面に取り付けられたことを特徴とする請求項1に記載のキャディーバッグ。
【請求項4】
前記ボトム本体と脚は二材成形で一体化されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のキャディーバッグ。
【請求項5】
前記ボトム本体の底面には、該底面から下方へ突出する補助脚を設け、該補助脚の下方への突出長さは前記脚の下方への突出長さよりも短い長さであることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のキャディーバッグ。
【請求項6】
前記脚は、前記ボトム本体の周方向に並設され且つ前記ボトム本体の側方へ突出する二つの第1脚を有し、該各第1脚の突出方向の長さは、周方向の一側から他側へ向けて徐々に短くなる形態に形成されると共に、これら二つの第1脚は、その前記一側同士が互いに隣同士になるように配置されたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項にキャディーバッグ。
【請求項7】
キャディーバッグ本体の底部に設けられたボトム本体の側面から側方へ突出し、且つエラストマーで形成されていると共にその先端側が該ボトム本体から分離している第2脚を備え、該第2脚の突出方向の長さは、周方向の一側から他側へ向けて同一であることを特徴とする請求項6に記載のキャディーバッグ。
【請求項8】
前記二つの第1脚の間に前記第2脚を設け、第2脚の突出方向の先端が、二つの突出角部同士を結ぶ直線上に存在することを特徴とする請求項7に記載のキャディーバッグ。
【請求項9】
前記脚は、その突出方向の長さが、周方向の一側から他側へ向けて同一である形態の脚で構成されると共に該脚はボトム本体の周方向へ向けて三つ並設し、中央の脚の突出方向を基準としてこれら三つの脚の当該突出方向における先端は互いに同一直線上に位置していることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のキャディーバッグ。
【請求項1】
上側からゴルフクラブが出し入れされるキャディーバッグ本体の底部にボトム本体を設け、該ボトム本体の側面から側方へ突出する脚を設けたキャディーバッグであって、
前記脚はエラストマーで形成され、前記脚の先端側は前記ボトム本体から分離していることを特徴とするキャディーバッグ。
【請求項2】
前記脚は、基部と脚部とから構成され、基部が前記ボトム本体の側面に取り付けられたことを特徴とする請求項1に記載のキャディーバッグ。
【請求項3】
前記脚は、基部と脚部とからV字状又はU字状に形成され、該脚は逆V字状又は逆U字状になるように基部が前記ボトム本体の側面に取り付けられたことを特徴とする請求項1に記載のキャディーバッグ。
【請求項4】
前記ボトム本体と脚は二材成形で一体化されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のキャディーバッグ。
【請求項5】
前記ボトム本体の底面には、該底面から下方へ突出する補助脚を設け、該補助脚の下方への突出長さは前記脚の下方への突出長さよりも短い長さであることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のキャディーバッグ。
【請求項6】
前記脚は、前記ボトム本体の周方向に並設され且つ前記ボトム本体の側方へ突出する二つの第1脚を有し、該各第1脚の突出方向の長さは、周方向の一側から他側へ向けて徐々に短くなる形態に形成されると共に、これら二つの第1脚は、その前記一側同士が互いに隣同士になるように配置されたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項にキャディーバッグ。
【請求項7】
キャディーバッグ本体の底部に設けられたボトム本体の側面から側方へ突出し、且つエラストマーで形成されていると共にその先端側が該ボトム本体から分離している第2脚を備え、該第2脚の突出方向の長さは、周方向の一側から他側へ向けて同一であることを特徴とする請求項6に記載のキャディーバッグ。
【請求項8】
前記二つの第1脚の間に前記第2脚を設け、第2脚の突出方向の先端が、二つの突出角部同士を結ぶ直線上に存在することを特徴とする請求項7に記載のキャディーバッグ。
【請求項9】
前記脚は、その突出方向の長さが、周方向の一側から他側へ向けて同一である形態の脚で構成されると共に該脚はボトム本体の周方向へ向けて三つ並設し、中央の脚の突出方向を基準としてこれら三つの脚の当該突出方向における先端は互いに同一直線上に位置していることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のキャディーバッグ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2010−246825(P2010−246825A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−101772(P2009−101772)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【出願人】(303011275)株式会社ジャパーナ (43)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【出願人】(303011275)株式会社ジャパーナ (43)
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