説明

キャニスタの取付構造

【課題】車体への取付作業性の改善を図ったキャニスタの取付構造を提供する。
【解決手段】キャニスタのうち車体にねじ止めされる取付基部11に、取付ボルト4が挿通する第1貫通孔13と、その第1貫通孔13に隣接する第2貫通孔14と、をそれぞれ形成するとともに、第1貫通孔13と第2貫通孔14とをそれら両貫通孔13,14よりも幅狭な第1スリット16をもって連通させる。車体の衝突時に、取付ボルト4が第1スリット16を拡開させつつ第2貫通孔14へ進入することで、活性炭が充填されたキャニスタ本体5の破損を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャニスタを車体に装着するための取付構造に関し、特に車体の衝突時にキャニスタの内部に収容された蒸発燃料吸着剤の飛散を防止するキャニスタの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ガソリンを燃料とする自動車には、一般に、燃料タンク内で発生した蒸発燃料を吸着保持するキャニスタが装着されており、車体のうち外部からの衝撃荷重によって積極的に圧壊する変形領域にこのキャニスタを配置することがある。このような場合、車体の衝突時に変形領域が潰れ変形することでキャニスタが破損し、そのキャニスタの内部に収容された蒸発燃料吸着剤がキャニスタの外部に飛散する虞があるため、これを防止すべく例えば特許文献1に記載のキャニスタの取付構造が提案されている。
【0003】
特許文献1に記載のキャニスタの取付構造では、車体のうち上記変形領域であるリアオーバーハング部にキャニスタが設置されており、リアオーバーハング部の圧壊時に車体との結合を積極的に切り離す後部吊り下げ部材によってキャニスタの後部を車体に固定する一方、金属板をコ字状に折り曲げ成形した前部吊り下げ部材によってキャニスタの前部を車体に固定している。そして、後面衝突によってリアオーバーハング部が圧壊したときに、後部吊り下げ部材によってキャニスタの後部を車体から脱落させるとともに、前部吊り下げ部材を展開させつつキャニスタを後下がりに傾斜させ、後面衝突時の荷重がキャニスタに入力されないようにしている。
【特許文献1】特開2001−248502号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、キャニスタと車体との間に前部吊り下げ部材および後部吊り下げ部材をそれぞれ介装しているため、部品点数が増加してその取付作業が煩雑となり、好ましくない。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、車体の衝突時におけるキャニスタの破損を防止しつつも、車体への取付作業性の改善を図ったキャニスタの取付構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、キャニスタの取付基部を車体側の支持部に重合させ、その取付基部を挿通する取付ボルトをもって当該取付基部を支持部にねじ止めしたキャニスタの取付構造において、上記取付基部は、上記取付ボルトが挿通する第1貫通孔と、その第1貫通孔に隣接して形成された第2貫通孔と、を有しているとともに、上記第1貫通孔と第2貫通孔とがそれら両貫通孔よりも幅狭なスリットをもって連通していて、上記取付ボルトが上記スリットを拡開させつつ第2貫通孔へ進入することで、上記取付ボルトと取付基部とが相対的にスライド可能になっていることを特徴としている。
【0007】
この請求項1に記載の発明では、平常時には、上記取付ボルトが上記スリットを通過することなくキャニスタの適正な固定状態が維持される一方、車体の衝突時などに上記取付ボルトを介してキャニスタに異常な外力が作用した場合、上記取付ボルトが上記スリットを拡開させて上記第2貫通孔に進入し、上記取付ボルトと取付基部が相対的にスライドすることで、蒸発燃料吸着剤を収容したキャニスタ本体に入力される外力が少なくとも緩和される。
【0008】
具体的には請求項2に記載の発明のように、キャニスタのうち蒸発燃料吸着剤を収容する偏平状のキャニスタ本体に、上記取付基部をキャニスタ本体の外側に張り出すように複数突設し、それら各取付基部をそれぞれ支持部にねじ止めすることにより、キャニスタを車体側の支持部に吊下支持するとよい。
【0009】
また、好ましくは請求項3に記載の発明のように、上記第1貫通孔には、上記取付ボルトに外挿された筒状のスペーサが挿入されていて、そのスペーサによって上記取付ボルトの頭部と車体との間に形成される間隙に上記取付基部を保持しているとともに、上記取付ボルトがスペーサとともに第2貫通孔に進入可能になっていると、上記取付ボルトの締結力を主としてスペーサが負担するようになるため、車体の衝突によって異常な外力が作用したときに上記取付ボルトが取付基部に対して円滑にスライドできるようになる。
【0010】
さらに、請求項4に記載の発明のように、上記第2貫通孔へ上記取付ボルトが進入したときに、その取付ボルトの頭部と第2貫通孔の外周縁部との引っ掛かりをもってキャニスタの脱落を阻止するようになっていると、車体の衝突時に上記キャニスタ本体へ入力される外力を緩和しつつ、車体の衝突後にもキャニスタを車体に保持することができる。
【0011】
具体的には請求項5に記載の発明のように、上記第1貫通孔と第2貫通孔の境界となる係止爪が上記スリットの両側にそれぞれ形成されていると、上記係止爪が取付ボルトに押圧されて第2貫通孔側へ撓むことで上記スリットが拡開するようになる。この場合には、上記係止爪の形状を必要に応じて設定することで、取付ボルトを第1貫通孔に保持する保持力が調整できる。
【0012】
さらに具体的には、車体のうち外部からの衝撃荷重によって圧壊する変形領域に上記キャニスタが配置されているとともに、上記第1貫通孔および第2貫通孔が上記変形領域の圧壊方向に並んで形成されていると、上記変形領域の圧壊時に上記取付ボルトが第2貫通孔へ進入し、上記キャニスタ本体の破損を防止できるようになる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、上記取付基部を車体側の支持部にねじ止めした簡単な構造により、車体の衝突時に上記キャニスタ本体に入力される外力を少なくとも緩和してその破損を防止できるようになるため、キャニスタの取付作業性が飛躍的に向上する。
【0014】
また、請求項3に記載の発明によれば、車体の衝突時に、上記取付ボルトが取付基部に対して円滑にスライドするようになるため、上記キャニスタ本体に入力される外力をより有効に緩和できるようになる。
【0015】
さらに、請求項4に記載の発明によれば、車体の衝突後にもキャニスタが車体に保持されるようになるから、車体からの脱落による上記キャニスタ本体の破損をも防止できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は本発明のより具体的な実施の形態として車体に装着されたキャニスタを示す図であって、図2は下方側から見たキャニスタを単体で示す図である。なお、図1以下の図面において、矢印Fは車体前方を示している。
【0017】
図1に示すキャニスタ1は、車体後部に配置されており、当該キャニスタ1の前方側に設けられた第1クロスメンバ2と、当該キャニスタ1の後方側に設けられた第2クロスメンバ3と、に取付ボルト4をもってそれぞれねじ止めされている。言い換えると、キャニスタ1は、両クロスメンバ2,3を支持部として車体に吊下支持されている。なお、車体のうちキャニスタ1を配置する部分にクロスメンバが存在しない場合には、支持部として機能するブラケットを車体側に設け、そのブラケットにキャニスタ1をねじ止めするようにしてもよい。また、車体のサイドメンバに近接してキャニスタ1を配置し、そのサイドメンバを支持部としてキャニスタ1をねじ止めすることも可能である。
【0018】
両クロスメンバ2,3は図示外の左右のリアサイドメンバ間に跨って配置されており、第1クロスメンバ2の前方側には図示外の燃料タンクが配置されている。そして、車体後部のうち第1クロスメンバ2よりも前方側の領域が、図示外の燃料タンクを保護すべく難変形領域として高剛性に構成されている一方、車体後部のうち第1クロスメンバ2よりも後方側の領域が、後面衝突時にその衝撃を吸収すべく積極的に圧壊するクラッシャブルゾーン(変形領域)として構成されている。
【0019】
このキャニスタ1のキャニスタ本体5は、図1のほか図2に示すように、蒸発燃料吸着剤である図示外の活性炭が収容されたケース6と、そのケース6の開口を閉塞するキャップ7と、を有している。なお、ケース6およびキャップ7はそれぞれ合成樹脂材料をもって形成されており、例えば溶着によって互いに固着されている。
【0020】
ケース6は、それぞれ有底角筒状をなす第1収容部6aおよび第2収容部6bを有しており、それら両収容部6a,6b内にそれぞれ活性炭が充填されている。また、両収容部6a,6bは補強用のリブ6cによって互いに連結され、ケース6は全体として略偏平直方体形状を呈している。
【0021】
第1収容部6aの底部には、図示外の燃料タンクに接続されるチャージポート8と、図示外のエンジンの吸気通路に接続されるパージポート9と、がそれぞれ設けられている一方、第2収容部6bの底部には、大気開放される大気ポート10が設けられている。第1収容部6aと第2収容部6bとはキャップ7内に形成された接続通路をもって連通しており、その接続通路をもって折り返す略U字状の通路がキャニスタ本体5の内部に形成されている。
【0022】
そして、周知のように、停車時等に図示外の燃料タンクで発生する蒸発燃料をチャージポート8からキャニスタ本体5の内部に導入し、その蒸発燃料を両収容部6a,6b内の活性炭に吸着保持する一方で、エンジン稼働時に、大気ポート10から導入した大気をもって活性炭に吸着した蒸発燃料を脱離させ、その蒸発燃料をパージポート9を通じて図示外のエンジンの吸気通路に供給することになる。
【0023】
他方、キャニスタ本体5のうち車体前方側の側面には車幅方向の二箇所にそれぞれ取付基部11が突設されているとともに、キャニスタ本体5のうち車体後方側の側面には車幅方向の二箇所にそれぞれ取付基部11が突設されている。言い換えれば、キャニスタ1のうち上述したクラッシャブルゾーンの圧壊方向両側にそれぞれ取付基部11を設けてある。各取付基部11は、合成樹脂材料をもってケース6と一体に成形されており、平面視略矩形の平板状を呈している。なお、各取付基部11の形状は、両クロスメンバ2,3とキャニスタ本体5との位置関係に応じて適宜設定すればよく、各取付基部11を例えばL字状やコ字状のものにしてもよい。また、本実施の形態では、キャニスタ本体5のうち車体前後方向両側の側面に各取付基部11をそれぞれ突設しているが、各取付基部11を必要に応じてキャニスタ本体5の他の面から突設することも可能である。
【0024】
各取付基部11には取付ボルト4を挿入するための取付孔12が貫通形成されており、車体前方側の取付基部11が第1クロスメンバ2の底面2aに、車体後方側の取付基部11が第2クロスメンバ3の底面3aにそれぞれ重合している。そして、それら各取付基部11の取付孔12を挿通する取付ボルト4が両クロスメンバ2,3のねじ孔2b,3bにそれぞれねじ込まれている。
【0025】
詳しくは、各取付基部11の取付孔12は、車体の後面衝突時にキャニスタ本体5の破損を防止すべく変形だるま穴形状に形成されている。なお、車体前方側の取付基部11の取付孔12と車体後方側の取付基部11の取付孔12は、その基本形状を同一として車体前後方向で対称に形成されており、各取付基部11の両クロスメンバ2,3に対する取付構造は基本的に同一であるため、図3では代表例として車体後方側の取付基部11に形成された取付孔12の詳細を示し、図4では代表例として車体後方側の取付基部11の第2クロスメンバ3に対する取付構造を示している。
【0026】
図3,4に示すように、取付孔12は、平面視略円形状の第1貫通孔13と、その第1貫通孔13のケース6側、すなわち上述したクラッシャブルゾーンの圧壊方向内側に隣接して形成された第2貫通孔14と、を有している。そして、第1貫通孔13には、円筒状のスペーサたる金属製のカラー15が挿入されているとともに、そのカラー15内を取付ボルト4の軸部4aが挿通している。なお、カラー15の外径は第1貫通孔13の外径と略同径に設定されている。
【0027】
取付ボルト4はフランジ部4c付きの頭部4bを有しており、その頭部4bのフランジ部4cと第2クロスメンバ3の底面2aとの間にカラー15をもって形成された間隙に取付基部11が保持されている。つまり、取付ボルト4による締結力をカラー15が負担することで、その締結力によって合成樹脂製の取付基部11がクリープ変形することを防止している。なお、図4では、取付ボルト4のフランジ部4cと取付基部11との間および第2クロスメンバ3の底面3aと取付基部11との間の隙間を誇張して描いているが、実際には、取付ボルト4の締め付け時にそれらの隙間が略ゼロとなるようにカラー15の長さを設定することが、キャニスタ1のがたつきを防止する上で好ましい。
【0028】
一方、第1貫通孔13は、その外周のうち第2貫通孔14側の一部が両貫通孔13,14よりも幅狭な第1スリット16をもってすり割られており、その第1スリット16を介して両貫通孔13,14が連通している。また、第1貫通孔13の外周のうち反第2貫通孔14側の一部は、第1スリット16よりもさらに幅狭な第2スリット17によってすり割られている。
【0029】
他方、第2貫通孔14は、上記クラッシャブルゾーンの圧壊方向に向かって延びる変形長孔形状を呈していて、第1スリット16を挟んで左右両側にそれぞれ所定幅の係止爪18を残しつつ第1貫通孔13の外周に沿って延びる左右の溝部19を有している。
【0030】
すなわち、両溝部19と第1貫通孔13との間に、第1貫通孔13と第2貫通孔14の境界となる両係止爪18をその先端同士が互いに離間するように形成し、それら両係止爪18間に形成される第1スリット16によって第1貫通孔13と第2貫通孔14とを連通させることで、取付ボルト4がカラー15とともに第2貫通孔14へ進入可能になっている。なお、第2貫通孔14の外形は、取付ボルト4の頭部4bが抜け出ることのできない形状に設定されている。
【0031】
より詳しくは、両係止爪18の幅寸法bおよび第1スリット16の幅寸法aの大小により、カラー15を第1貫通孔13に保持する保持力を調整し、その保持力を超える力が加わったときにカラー15が第2貫通孔14へ進入するようにしてある。なお、上述したように取付ボルト4の締結力をカラー15によって負担するようにしているため、その締結力が上記保持力に影響することはない。また、カラー15と取付基部11との相対変位許容量は、第2貫通孔14の長さ寸法cの大小によって設定してある。
【0032】
以上のように構成した本実施の形態の作用を図5を参照して説明すると、図5の(a)に示すように、平常時においては、両係止爪18によってカラー15が第1貫通孔13内に保持されているため、平常走行時の振動によってカラー15が第1貫通孔13から離脱するようなことはなく、適正な固定状態が維持される。
【0033】
一方、車体の後面衝突時には、車体後部から加わる衝撃荷重によって図示外のリアサイドメンバが座屈し、車体後部のクラッシャブルゾーンが圧壊する。これにより、両クロスメンバ2,3間の間隔が狭まることになる。
【0034】
すると、第1クロスメンバ2のねじ孔2bと第2クロスメンバ3のねじ孔3bとの間の距離が、車体前方側の取付基部11の第1貫通孔13と車体後方側の取付基部11の第1貫通孔13との間の距離よりも短くなるため、図5の(b)に示すように、カラー15が取付孔12内をスライドして第2貫通孔14に進入する。
【0035】
つまり、両係止爪18が上記保持力を超える力でカラー15に押圧されることにより、それら両係止爪18がそれぞれ溝部19側に撓んで第1スリット16を拡開し、カラー15は拡開した第1スリット16を通って第2貫通孔14に進入することになる。そして、このようにカラー15と取付基部11とが相対変位することにより、キャニスタ本体5に入力される外力が著しく緩和される。
【0036】
さらに、このように取付ボルト4が第2貫通孔14に進入すると、その取付ボルト4のフランジ部4cが第2貫通孔14の外周縁部に引っ掛かり、キャニスタ1は車体に吊下げられた状態で保持されることになる。なお、両係止爪18が溝部19側へ撓んだ際に、場合によっては両係止爪18が折損することもありうるが、この場合であっても取付ボルト4のフランジ部4cは第2貫通孔14の外周縁部に引っ掛かり、キャニスタ1の脱落が防止されることになる。
【0037】
また、このような取付ボルト4の挙動は、車体前方側の取付基部11を挿通する取付ボルト4についても同様である。
【0038】
したがって、本実施の形態によれば、キャニスタ本体5の前後両側にそれぞれ設けた各取付基部11を両クロスメンバ2,3にそれぞれねじ止めした簡易な構造により、後面衝突時におけるキャニスタ1の破損を防止できるようになるため、部品点数およびその取付作業工数を削減してキャニスタ1の取付作業性を飛躍的に向上させることができるとともに、コスト的に有利になるメリットがある。
【0039】
また、取付ボルト4の締結力が当該取付ボルト4を第1貫通孔13に保持する保持力に影響しないようになっているため、各取付ボルト4の締結力を厳密に管理する必要がなく、キャニスタ1の取付作業がさらに容易になる。その上、車体の衝突時に、取付ボルト4が当該取付ボルト4の締結力に阻害されずに取付基部11に対して円滑にスライドするようになり、キャニスタ本体5に入力される外力をより有効に緩和できるようになる。
【0040】
さらに、両溝部19と第1貫通孔13との間に、第1貫通孔13と第2貫通孔14の境界となる係止爪18をそれぞれ形成しているため、両係止爪18の幅寸法bおよび第1スリット16の幅寸法aの大小により、取付ボルト4を第1貫通孔13に保持する保持力を容易に調整可能となるメリットがある。
【0041】
なお、本実施の形態では、第2貫通孔14の長さ寸法cを比較的小さく設定しているが、クラッシャブルゾーンの圧壊時において、第2クロスメンバ3が第1クロスメンバ2側へ変位する変位量が比較的大きい場合には、図6に示す変形例のように、取付孔20のうち第2貫通孔21の長さ寸法cを比較的長く設定するとよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態としてキャニスタの取付構造を示す側面図。
【図2】下方側から見たキャニスタを単体で示す図。
【図3】図2に示すキャニスタの要部拡大図。
【図4】図1に示すキャニスタの取付構造の要部拡大図。
【図5】後面衝突時における取付孔内の取付ボルトの挙動を示す図。
【図6】図3に示す取付孔の変形例を示す図。
【符号の説明】
【0043】
1…キャニスタ
2…第1クロスメンバ(支持部)
3…第2クロスメンバ(支持部)
4…取付ボルト
4b…取付ボルトの頭部
11…取付基部
13…第1貫通孔
14…第2貫通孔
15…カラー(スペーサ)
16…第1スリット
18…係止爪
20…取付孔
21…第2貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャニスタの取付基部を車体側の支持部に重合させ、その取付基部を挿通する取付ボルトをもって当該取付基部を支持部にねじ止めしたキャニスタの取付構造において、
上記取付基部は、上記取付ボルトが挿通する第1貫通孔と、その第1貫通孔に隣接して形成された第2貫通孔と、を有しているとともに、上記第1貫通孔と第2貫通孔とがそれら両貫通孔よりも幅狭なスリットをもって連通していて、
上記取付ボルトが上記スリットを拡開させつつ第2貫通孔へ進入することで、上記取付ボルトと取付基部とが相対的にスライド可能になっていることを特徴とするキャニスタの取付構造。
【請求項2】
キャニスタのうち蒸発燃料吸着剤を収容する偏平状のキャニスタ本体に、上記取付基部がそのキャニスタ本体の外側に張り出すように複数突設されていて、
それら各取付基部をそれぞれ支持部にねじ止めすることにより、キャニスタが車体側の支持部に吊下支持されていることを特徴とする請求項1に記載のキャニスタの取付構造。
【請求項3】
上記第1貫通孔には、上記取付ボルトに外挿された筒状のスペーサが挿入されていて、そのスペーサによって上記取付ボルトの頭部と車体との間に形成される間隙に上記取付基部を保持しているとともに、上記取付ボルトがスペーサとともに第2貫通孔に進入可能になっていることを特徴とする請求項1または2に記載のキャニスタの取付構造。
【請求項4】
上記第2貫通孔へ上記取付ボルトが進入したときに、その取付ボルトの頭部と第2貫通孔の外周縁部との引っ掛かりをもってキャニスタの脱落を阻止するようになっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のキャニスタの取付構造。
【請求項5】
上記第1貫通孔と第2貫通孔の境界となる係止爪が上記スリットの両側にそれぞれ形成されていて、
上記係止爪が取付ボルトに押圧されて第2貫通孔側へ撓むことで上記スリットが拡開するようになっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のキャニスタの取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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