説明

キャニスタ

【課題】連通路を通してU字状に折り返された流れの整流効果を高め、特に主室側に流れ込む脱離空気の流量や流速のばらつきを解消する。
【解決手段】隔壁5で仕切られた主室6側の吸着材層15と副室7側の吸着材層18は、キャニスタ1の底部として機能するカバープレート4と多孔板状のグリッド19,21との間の空間を連通路8として相互に連通している。カバープレート4のうち脱離空気等の流動方向において隔壁5の前後にまたがる位置に凹陥部23を形成する。この凹陥部23と隔壁5とのなす通路寸法D1が、連通路8の他の部位においてグリッド19,21とカバープレート4とのなす通路寸法D2とほぼ同じとなるように設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の燃料タンクから蒸発した燃料を吸着して、その燃料をエンジン稼働時に燃焼させる蒸発燃料処理装置として用いられるキャニスタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のように、ガソリンを燃料とする自動車では、燃料タンク内の蒸発燃料が大気に放出されることを抑制するために蒸発燃料処理装置としてキャニスタが用いられている。このキャニスタは、停車時等に燃料タンクから発生する蒸発燃料を吸着材である活性炭に吸着させ、エンジン稼働時にキャニスタを通して吸気を行うことにより、大気ポートから導入した大気によってキャニスタ内をパージし、吸着した蒸発燃料を脱離させてエンジン内で燃焼させる仕組みとなっている。このパージによる蒸発燃料の脱離によって活性炭の性能が復活して蒸発燃料を良好に且つ繰り返し吸着することが可能となる。
【0003】
このようなキャニスタとしては大きく分けて一室タイプのものと二室(複室)タイプのものがあり、後者の二室タイプのものでは、例えば特許文献1に記載のように、キャニスタのケーシング内を仕切板(隔壁)にて主室と副室の二室に隔離形成し、それぞれの室に活性炭等の吸着材を充填して吸着材層を形成するとともに、ケーシングの底部側に実質的に主室と副室とを連通する連通路として機能することになる拡散室を形成し、この拡散室を通して主室と副室との間で行われる蒸発燃料および大気の流動が実質的に略U字状のものとなるように形成してある。
【0004】
そして、特に上記特許文献1に記載のものでは、拡散室の両側隅部にキャニスタの中央部底面に対して傾斜する傾斜部を設けて、同キャニスタ内での偏流を抑制するようにしてある。
【特許文献1】特開平8−189427号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、キャニスタの底部のうち仕切板から最も遠い拡散室の両側隅部が傾斜面となっている一方、仕切板に近い中央部分が平坦な底面となっているため、上記傾斜面による案内効果のために仕切板から遠い部分では大きなU字状流れが生成されることになるものの、仕切板に近い部分では傾斜面による案内効果が緩慢となるため、キャニスタ全体としてのいわゆるU字状流れは、仕切板から遠い部分でのU字状流れに大きく依存し、仕切板から遠い部分にある吸着材に比べて、仕切板に近い部分にある吸着材を有効に活用することができない可能性がある。
【0006】
例えば蒸発燃料の脱離のために副室側から主室側へと流れることになる空気(大気)は、主室内を満遍なく且つ均一の流速で流れることが理想であるにもかかわらず、U字状に折り返された後の指向性の高い流れが仕切板から遠い部分に偏る傾向となるため、その流量および流速ともに仕切板から遠い部分に集中しやすく、相対的に仕切板から近い部分では緩慢となることから、主室内全体としてみれば偏流や淀み、さらには主室内各部での流量や流速にばらつきが発生し、結果として蒸発燃料の脱離効率の低下が余儀なくされているとともに、蒸発燃料の残存率が相対的に高くなることで吸着能力の低下を招いている。
【0007】
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、連通路を通してU字状に折り返される流れの安定化を図り、特に主室側に流れ込む脱離空気の流れの指向性および主室全体への拡散性を良くすることで上記のような不具合を解消したキャニスタの構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ケーシングの内部を隔壁により主室と副室とに隔離形成し、これらの主室および副室には蒸発燃料の吸着のための吸着材を充填してそれぞれに吸着材層を形成するとともに、主室には蒸発燃料の導入側となるチャージポートと大気導入によって脱離した燃料の導出側となるパージポートを、副室には大気導入用の大気ポートをそれぞれに設け、さらに主室および副室側の吸着材層とケーシングの底部との間に上記主室と副室とを連通する連通路を形成し、この連通路を通して主室と副室との間で行われる蒸発燃料および大気の流動が略U字状のものとなるように形成してなるいわゆる二室タイプのキャニスタを前提としている。
【0009】
その上で、上記ケーシングの底部のうち蒸発燃料および大気の流動方向において隔壁の前後にまたがる位置に凹陥部を形成し、この凹陥部と隔壁の端部とのなす通路寸法が、連通路の他の部位において吸着材層とケーシングの底部とのなす通路寸法とほぼ同等のものとなるように設定したものである。
【0010】
この場合において、キャニスタ本来の機能を十二分の発揮させるためには、請求項2に記載のように、上記凹陥部と隔壁の端部とのなす通路断面積を大気ポートの有効断面積よりも大きく設定してあることが望ましい。
【0011】
また、上記凹陥部による案内効果をより期待する上では、請求項3に記載のように、その凹陥部は、主室側から当該凹陥部の最深部に向かって漸次深さが大きくなる傾斜面を有しているとともに、当該凹陥部の最深部側から副室側に向かって漸次深さが小さくなる傾斜面を有していることが望ましい。
【0012】
同様の理由から、請求項4,5に記載のように、上記凹陥部は、ケーシングの底部のうち当該凹陥部以外の一般部よりも深くなるように形成してあること、および上記凹陥部には、蒸発燃料および大気の流動方向に沿って整流用のリブを形成してあることが望ましい。
【0013】
したがって、本発明では、例えば副室側から主室側への脱離空気(パージ空気)の流れに着目した場合、あたかも連通路を拡大するような凹陥部があることによって、流通抵抗の低減と流速の抑制効果が期待できるようになる。その上、脱離空気は連通路の一部である凹陥部を通過することより、隔壁に近い部分では主室側の吸着材層を指向するようにU字状に折り返されるも、凹陥部以外の部分であって且つ隔壁から比較的遠い部分ではケーシングの底部に沿って主室側の広い範囲にわたり拡散することが可能となる。これらの相乗効果のために、主室側の吸着材層の端面には脱離空気が満遍なく且つほぼ均一に流れ込むことになるので、その主室側の吸着材層内での流れがきわめて安定化するようになる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、凹陥部があることによって流通抵抗の低減と流速の抑制効果が期待できことはもちろんのこと、主室側の吸着材層内での流れがきわめて安定化し、偏流や淀みさらには流量や流速のばらつきを解消できるので、主室側の吸着材層全体を有効に活用して蒸発燃料の脱離効率の向上を図ることができるとともに、蒸発燃料の残存率が相対的に低くなることで吸着能力の向上も期待できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1〜3は本発明に係るいわゆる二室タイプのキャニスタのより具体的な第1の実施の形態を示す図である。
【0016】
図1に示すように、キャニスタ1のケーシング2はそのケーシング本体3およびケーシング2の底部として機能するカバープレート4共に例えばポリアミド樹脂等の樹脂材料にて形成されていて、内部中央に設けられた隔壁5により二室に仕切られていることにより、主室6と副室7とが隔離形成されている。なお、カバープレート4はケーシング本体3に対して事後的に溶着等の手段により接合・一体化される。
【0017】
また、図2から明らかなように、主室6および副室7共に大きさの異なる角筒状のものであって、後述するように蒸発燃料および脱離空気の通流方向においては両者が直列関係となるようにそれらの主室6と副室7とが底部側の連通路8を介して相互に連通している。
【0018】
主室6側の一端には、図示外の燃料タンクからの蒸発燃料を導入するためのチャージポート9が開口形成されているとともに、後述する大気導入によって吸着材層15,18から離脱した燃料をエンジンの吸気系側に戻すためのパージポート10がチャージポート9と隣接するように開口形成されている。他方、副室7側の一端には大気を導入するための大気ポート11が開口形成されている。
【0019】
主室6には不織布等の通気性材料からなるシート状の複数のフィルター12,13を介して活性炭等の粒状の吸着材14がフルに且つ満遍なく充填されていて、これをもって両端面にフィルター12,13が介在した吸着材層15を形成している。他方、副室7には同じく複数のフィルター16,17を介して同じく活性炭等の粒状の吸着材14がフルに且つ満遍なく充填されていて、それによって両端面にフィルター16,17が介在した吸着材層18を形成している。
【0020】
副室7側では、通気性を有しながらも剛性のある例えば樹脂製の多孔板状のグリッド19を下側のフィルター17と重ねて配置してあり、そのフィルター17がグリッド19にてバックアップされているとともに、グリッド19とそれに対向するカバープレート4側の内側底壁面との間には圧縮コイルスプリング(円すいコイルばね)20を介装してあり、これによって吸着材層18を形成している吸着材14全体を適度な弾性力で弾性付勢して当該吸着材14全体を圧締保持している。
【0021】
このような構造は、主室6側についても全く同様であって、通気性を有しながらも剛性のある通気性支持部材として機能する多孔板状のグリッドを符号21で、グリッド21とそれに対向するカバープレート4側の内側底壁面との間に介装された圧縮コイルスプリング(円すいコイルばね)を符号22でそれぞれ示している。
【0022】
このように、主室6側および副室7側共に吸着材層15,18の両側にフィルター12,13または16,17とグリッド21または19とがあることによって、チャージポート9やパージポート10側さらには大気ポート11側、あるいは連通路8側への吸着材14の漏れ出しが未然に防止されているとともに、吸着材層15,18を形成している吸着材14に圧縮コイルスプリング22または20の力が加わることでケーシング2内での吸着材14の無用な移動あるいはいわゆる踊り現象が阻止されている。
【0023】
なお、グリッド19,21は、図1の正規装着状態では各々の孔19aおよび21aの軸線が主室6および副室7内での流れの方向(主室6および副室7の軸線方向)を指向するように設定してある。故に、グリッド19,21に形成された各孔19a,21aは、その直径に対して長さの方が大きいことが望ましい。
【0024】
ここで、図1から明らかなように、隔壁5の下端はグリッド19,21よりも下方に突出していて、主室6および副室7側の各グリッド19,21はケーシング2と隔壁5とにより案内支持されているとともに、各グリッド19,21とカバープレート4との間に連通路8として機能することになる空間が形成されている。同時に、その連通路8として機能することになる空間に各圧縮コイルスプリング20,22が配設されていて、各圧縮コイルスプリング20,22はカバープレート4の平坦な一般部4aを着座面として上記グリッド19,21を弾性付勢している。
【0025】
なお、上記隔壁5の下端は後述する凹陥部23側に向かって突出することで連通路8に臨んでいるために滑らかな円筒面5aとなっている。
【0026】
ケーシング2の底部として機能することになるカバープレート4の中央部、より具体的には、隔壁5の下端と正対する位置を含みつつ主室6と副室7との間での脱離空気等の流通方向において隔壁5の前後にまたがる位置には、そのカバープレート4の平坦な一般部4aよりも一段低い断面略逆台形状の凹陥部23を反連通路8側に向けて膨出形成してある。この凹陥部23は主室6側から当該凹陥部23の最深部に向かって漸次深さが大きくなる傾斜面23aを含んでいるとともに、当該凹陥部23の最深部側から副室7側に向かって漸次深さが小さくなる傾斜面23bを含んでいる。
【0027】
そして、この凹陥部23は連通路8の一部として機能するものであるために、その四隅の内隅部および外隅部は隔壁5の下端の円筒面5aと同様に滑らかな円筒面として形成してあるとともに、図3に示すように、この凹陥部23と隔壁5の下端とのなす通路寸法D1が、連通路8の他の部位においてグリッド19,21とカバープレート4の一般部4aとのなす通路寸法D2とほぼ等しくなるように設定してある。同時に、上記凹陥部23と隔壁5の下端とのなす部分の通路断面積を大気ポート11の有効断面積よりも大きく設定してある。
【0028】
なお、図3では、図1の吸着材14をもって形成された主室6側の吸着材層15および副室7側の吸着材層18のほか、圧縮コイルスプリング22を図示省略してある。
【0029】
したがって、このように構成されたキャニスタ1によれば、車両の停車時においては図示外の燃料タンクから発生する蒸発燃料がチャージポート9からケーシング2内に導入されて、主室6側の吸着材層15を形成している吸着材14のほか、副室7側の吸着材層18を形成している吸着材14に吸着される。
【0030】
より具体的には、主室6側の吸着材層15で吸着しきれなかった蒸発燃料はその吸着材層15の下方のグリッド21を通過し、さらに連通路8を通過した上で副室7側の吸着材層18を通過し、実質的に連通路8にてU字状に流れの向きを変えることで副室7側の吸着材層18に流入して、その吸着材層18を形成している吸着材14に吸着される。
【0031】
この場合において、先に述べたように凹陥部23と隔壁5の下端の円筒面5aとのなす通路寸法D1が、連通路8の他の部位においてグリッド19,21とカバープレート4の一般部4aとのなす通路寸法D2とほぼ等しくなるように設定してあり、同時に、上記凹陥部23と隔壁5の下端の円筒面5aとのなす部分の通路断面積を大気ポート11の有効断面積よりも大きく設定してあるため、凹陥部23の存在が当該凹陥部23を通過する蒸発燃料の流通抵抗となることもなければ、その流速が高められることもない。
【0032】
その一方、エンジン稼働時には当該キャニスタ1を通して吸気を行うことにより大気ポート11から空気(大気)が導入され、その導入された空気はケーシング2内を通過してパージポート10からエンジン側に吸入される。この導入空気の流れにより副室7側の吸着材層18を形成している吸着材14のほか、主室6側の吸着材層15を形成している吸着材14がいわゆるパージされ、吸着材14に吸着されている蒸発燃料が脱離して導入空気とともにエンジン側に吸気されて燃焼処理される。そして、このパージによる蒸発燃料の脱離によって吸着材14の性能が復活することになる。なお、これらの蒸発燃料の吸着および脱離のメカニズムは従来のものと基本的に同様である。
【0033】
ここで、大気ポート11から副室7側の吸着材層18に導入された脱離のための空気は、その副室7側の吸着材層18の下側のグリッド19を通過した上で凹陥部23を含む連通路8を通過して主室6側に入り、さらにグリッド21を通過することで、上記と同様にU字状に流れの向きを変えることで主室6側の吸着材層15に流入することになる。
【0034】
この場合において、先に述べたように通路寸法D1と通路寸法D2との関係をD1≒D2の関係に設定してあるとともに、上記通路寸法D1に相当する部分の通路断面積を大気ポート11の有効断面積よりも大きく設定してあるため、凹陥部23の存在が当該凹陥部23を通過する脱離空気の流通抵抗となることもなければ、その流速が高められることもない。
【0035】
また、隔壁5の下端の円筒面5aは副室7側のグリッド19よりも下方に突出しているため、その副室7側のグリッド19を通過した脱離空気の全てが隔壁5の下端の円筒面5aと凹陥部23との間の空間を通過することになる。そして、図3に矢印Pで示す流線のように、脱離空気が隔壁5の下端の円筒面5aを超えるとその流れがU字状に折り返されて、隔壁5の下端の円筒面5aのほか凹陥部23の傾斜面23aの案内効果のために、主室6側のグリッド21の方向に向かう斜め上向きの流れに変更される。同時に、凹陥部23の先では平坦な一般部4aとなっているため、凹陥部23を通過した脱離空気の一部はカバープレート4のうち平坦な一般部4aやグリッド21に沿ってその一般部4aと平行な方向にも拡散されることになる。
【0036】
なお、図3において向きを度外視した場合の流線Pのかたちは、副室7側でもほぼ同様のものとなることは容易に推測できる。
【0037】
これにより、隔壁5の下端の円筒面5aや凹陥部23の傾斜面23aによる上向きの案内効果と、カバープレート4の一般部4aやグリッド21による横方向の案内効果との相乗効果のために、主室6側の吸着材層15にはそのグリッド21側から脱離空気が満遍なく且つほぼ均一に平均的に流れ込むことになる。これは、吸着材層15の下側の端面の全面においてほぼ均等に脱離空気が流入することを意味し、主室6側の吸着材層15内での流れがきわめて安定化するようになる。
【0038】
その結果、主室6側の吸着材層15での脱離空気の流れに偏流や淀みあるいは流量や流速のばらつきが発生することがなく、どの位置においても流れがほぼ一定したものとなり、その吸着材層15のほぼ全域において蒸発燃料の脱離が満遍なく行われるようになる。加えて、図3に符号Q1,Q2で示すような隅部にとかくできやすいいわゆる乱流域を最小限に抑える上でも有利となる。
【0039】
本発明者が実験を行ったところでは、図1のように凹陥部23を設けた場合には、脱離空気の流れが安定化するために、凹陥部23を設けない場合に比べてパージ流量を約10%程度低減することが確認できた。
【0040】
図4,5は本発明に係るキャニスタの第2の実施の形態を示す図で、図1の第1の実施の形態と共通する部分には同一符号を付してある。なお、図5は図4のA−A線に沿う拡大断面図を示している。
【0041】
この第2の実施の形態では、図1と図4,5を比較すると明らかなように、凹陥部23の中に脱離空気等の流動方向に沿って複数の整流用のリブ24を突設したものである。
【0042】
また、カバープレート4のうち凹陥部23を除いた平坦な一般部4aには、同心円上に位置することになる複数の拡散用のリブ25のほか、それらの外側に位置することになる複数の拡散用のリブ26をそれぞれ放射状に突設してある。なお、カバープレート4の平坦な一般部4aは、先にも述べたように圧縮コイルスプリング20,22の着座面としても機能することから、同心円上に位置することになる複数の拡散用のリブ25の外側にそれぞれ圧縮コイルスプリング20または22が嵌挿されることになる。
【0043】
この第2の実施の形態によれば、凹陥部23に複数の整流用のリブ24があることによって、凹陥部23を含む連通路8を蒸発燃料や脱離空気が通流する際の整流効果が発揮され、流れの安定化を図る上で一段と有利となるとともに、複数の整流用のリブ24による凹陥部23の補強効果も期待できる。加えて、カバープレート4の平坦な一般部4aに拡散用のリブ25,26があることによって、当該一般部4aでの蒸発燃料や脱離空気の拡散効果が一段と助長されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係るキャニスタの第1の実施の形態を示す断面説明図。
【図2】図1の下面図。
【図3】図1の要部を拡大した機能説明図。
【図4】本発明に係るキャニスタの第2の実施の形態を示す断面説明図。
【図5】図4のA−A線に沿う拡大断面図。
【符号の説明】
【0045】
1…キャニスタ
2…ケーシング
3…ケーシング本体
4…カバープレート(ケーシングの底部)
5…隔壁
6…主室
7…副室
8…連通路
9…チャージポート
10…パージポート
11…大気ポート
14…吸着材
15…主室側の吸着材層
18…副室側の吸着材層
19…グリッド(通気性支持部材)
21…グリッド(通気性支持部材)
23…凹陥部
23a…傾斜面
23b…傾斜面
24…整流用のリブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングの内部を隔壁により主室と副室とに隔離形成し、
これらの主室および副室には蒸発燃料の吸着のための吸着材を充填してそれぞれに吸着材層を形成するとともに、
主室には蒸発燃料の導入側となるチャージポートと大気導入によって脱離した燃料の導出側となるパージポートを、副室には大気導入用の大気ポートをそれぞれに設け、
さらに主室および副室側の吸着材層とケーシングの底部との間に上記主室と副室とを連通する連通路を形成し、
この連通路を通して主室と副室との間で行われる蒸発燃料および大気の流動が略U字状のものとなるように形成してなるキャニスタであって、
上記ケーシングの底部のうち蒸発燃料および大気の流動方向において隔壁の前後にまたがる位置に凹陥部を形成し、
この凹陥部と隔壁の端部とのなす通路寸法が、連通路の他の部位において吸着材層とケーシングの底部とのなす通路寸法とほぼ同等のものとなるように設定してあることを特徴とするキャニスタ。
【請求項2】
上記凹陥部と隔壁の端部とのなす通路断面積を大気ポートの有効断面積よりも大きく設定してあることを特徴とする請求項1に記載のキャニスタ。
【請求項3】
上記凹陥部は、主室側から当該凹陥部の最深部に向かって漸次深さが大きくなる傾斜面を有しているとともに、当該凹陥部の最深部側から副室側に向かって漸次深さが小さくなる傾斜面を有していることを特徴とする請求項2に記載のキャニスタ。
【請求項4】
上記凹陥部は、ケーシングの底部のうち当該凹陥部以外の一般部よりも深くなるように形成してあることを特徴とする請求項3に記載のキャニスタ。
【請求項5】
上記凹陥部には、蒸発燃料および大気の流動方向に沿って整流用のリブを形成してあることを特徴とする請求項4に記載のキャニスタ。
【請求項6】
上記主室および副室側の各吸着材層における連通路側の端面よりも連通路側に隔壁の端部が突出していることを特徴とする請求項4または5に記載のキャニスタ。
【請求項7】
上記主室および副室側の各吸着材層における連通路側の端面にはそれらの吸着材を支える通気性支持部材を個別に介装し、
これらの通気性支持部材とケーシングの底部との間に連通路を形成してあるとともに、
上記通気性支持部材よりも連通路側に隔壁の端部が突出していることを特徴とする請求項6に記載のキャニスタ。
【請求項8】
上記ケーシングの底部のうち凹陥部以外の一般部が平坦面となっていて、
各吸着材層を形成している吸着材を弾性付勢する弾性体を、上記平坦な一般部を着座面として通気性支持部材との間に介装してあることを特徴とする請求項7に記載のキャニスタ。
【請求項9】
上記ケーシングの底部のうち凹陥部以外の一般部には拡散用のリブを放射状に形成してあることを特徴とする請求項8に記載のキャニスタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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