説明

キャビティ充填材の改良

キャビティ、例えば自動車用ピラー及びレール内のキャビティ内にフォームを提供する積層構造体(1)が提供され、この積層構造体は、中央区分(2)及び2つの端区分(3,4)を備えた金属箔を有し、中央区分は、発泡可能な材料を支持し、端区分は、キャビティ形成部材(7,14)のフランジ(8,9,15,16)に固定可能である。発泡後にフォームを収容するキャビティも又、提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡済みインサートの提供、特に車両、例えば自動車、トラック、バス、鉄道車両及び航空機のキャビティ内への発泡済みインサートの提供に関する。本発明は、特に、封止、阻流(baffling)及び防音に適した高い膨張度を備えるフォームの提供に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の理由で車両のキャビティ内に発泡済みのインサートを提供することが知られている。フォームは、車両、例えば自動車のレール又はピラー内に軽量補強材を提供することができる。この場合、フォームは、比較的低い膨張度を備えた硬質フォームである傾向がある。架橋エポキシ系フォームは、このような硬質フォームの例である。フォームは又、防音、防振又は封止を提供するよう使用可能であり、この場合、軟質の高い膨張度のフォーム、例えば熱可塑性材料を主成分とするフォームを採用する場合がある。フォームの膨張度は、100%〜4000%以上にわたる場合があり、本発明は、特に、2000%以上の膨張度を備えたフォームに関する。
【0003】
また、発泡性の又は発泡可能な材料を非発泡状態で車両キャビティ内に設ける場合のあることが知られていると共に採用されており、発泡可能な材料(以下、「発泡性材料」とも言う)は、発泡性材料を収容したキャビティがキャビティの処理中、例えば、車両組立てプロセスにおいて受ける条件下で発泡性材料が発泡するようなものであるのが良い。特定の一技術は、耐食性被膜焼付けオーブン(イーコートオーブン(e-coat oven)と呼ばれる場合がある)又は塗料焼付けオーブン内で採用される条件下で発泡する発泡性調合物を用いることである。また、発泡性材料を剛性であるのが良く且つフォームが硬質構造用材料である場合に追加の補強材を提供することができるキャリヤ上に設けるのが良いことが知られており、キャリヤは又、軟質のフォーム、例えば、防音又は防振に用いられる軟質フォームを支持するよう使用される場合がある。
【0004】
発泡性材料をキャビティ内に配置する種々の手段が提案された。欧州特許出願公開第1790554(A)号明細書に記載されているように、例えば、締結具が発泡性材料上に設けられ又は発泡性材料のキャリヤの一部として設けられる場合があり、穴がキャビティの壁に設けられる場合があり、締結具は、発泡性材料を定位置に固定するようこの穴を通過することができる。他の提案としては、発泡性材料をこの材料の支持体上に付形してこれが発泡性材料を摩擦により定位置に保持するようキャビティの内壁に当接する突起を備えるようにすることが挙げられる。しかしながら、これには、発泡性材料をキャビティの壁の近くに位置させる必要があり、又、あらゆる方向における発泡性材料の高い膨張度を得ることができない。追加の提案例としては、磁性材料を発泡性材料内に設けてこの磁性材料がキャビティの金属壁に固定できるようにすることが挙げられる。これにも又、発泡性材料が或る特定の領域でキャビティの壁と接触関係をなし、発泡性材料が一様に膨張することができないという欠点がある。さらに、キャビティが発泡性材料の取り付け後に耐食性被膜(イーコート)が施されるべき車両フレーム、座席フレーム又は背部の一部である場合、発泡性材料と接触状態にあるキャビティの表面を被覆することができない場合がある。また、発泡性材料のストリップを接着剤によってキャビティの1つ又は2つ以上の表面にくっつけることが提案された。この場合も又、発泡性材料が金属にくっついている領域において効果的な耐食性コーティング作業を実施することができない。
【0005】
これらの技術と関連した追加の問題は、考慮対象の特定のキャビティに所望の寸法形状の発泡性材料を作るのに複雑な成形技術が必要であるということにある。したがって、様々なキャビティに高い膨張度のフォーム、特に、防音をもたらす膨張度の高いフォームを充填するために用いることができる標準型又は類似のコンポーネントを製作する簡単な技術を提供することが要望されている。さらに、取り付け手段を提供する追加の技術が必要である。というのは、これがクリップをキャビティ内の金属壁に設けられた穴に通すことにより達成される場合、穴が必要であることにより、腐食及び発錆が生じるための場所が提供される場合があるからである。
【0006】
車両製造に当たり、キャビティは、2つの“U”又は“C”形のコンポーネント、通常、金属コンポーネントを重ね合わせ、通常、“U”又は“C”形部分の側部のところに設けられたフランジを互いに溶接することによりコンポーネントを互いに固定することによって形成される場合が多い。このようなキャビティは、車両フレーム、例えば車両フレームのピラー及びレール内の種々の場所に形成される。車両組立てプロセスでは、おそらくはキャリヤに取り付けられた発泡性材料から成るコンポーネントは、金属コンポーネントの1つへの取り付けによって所望の場所に提供され、キャビティは、第2の金属コンポーネントを、発泡性材料を収容した第1の金属コンポーネントに固定することにより完成する。次に、キャビティには、発泡性材料を発泡させる条件が与えられる。通常、発泡性材料は、発泡を生じさせるよう熱により活性化され、このような発泡性材料は、これが車両組み立ての際、例えば、塗料焼付けオーブン又は耐食性被膜を焼き付けるために用いられるオーブン内において受ける温度で発泡するよう調合されている。米国特許第6,003,274号明細書は、キャビティ内への発泡性コンポーネントの取り付けのための部分ウェブをキャビティ内に設けるのが良いことを示唆している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1790554(A)号明細書
【特許文献2】米国特許第6,003,274号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
これら方法は全て、多段及び多コンポーネント組み立て技術を必要とし、これらプロセスの中には、キャビティ形成部材の改造を必要とするものがある。さらに、これら技術は、特に不定形状のキャビティ内に膨張度の高いフォームを作る際に一様な発泡を得るのには役立たない。したがって、キャビティ内にフォームを作るための簡単な方法が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明は、少なくとも一部が発泡性材料を支持している中央部分及び2つの端部分を備えた金属箔を有する積層構造体を提供する。
【0010】
本発明は、更に、2つのキャビティ構成コンポーネントによって構成されたキャビティであって、2つのキャビティ構成コンポーネントは、積層構造体を収容したキャビティの近くに位置したフランジによって互いに固定され、積層構造体は、中央部分及び2つの端部分を備えた金属箔を有し、中央部分の少なくとも一部は、発泡可能な材料を支持し、端部分の少なくとも一方は、キャビティの各側でフランジ相互間に固定されていることを特徴とするキャビティを提供する。
【0011】
本発明は、更に、2つのキャビティ構成コンポーネントによって構成されたキャビティであって、2つのキャビティ構成コンポーネントは、積層構造体を収容したキャビティの近くに位置したフランジによって互いに固定され、積層構造体は、中央部分及び2つの端部分を備えた金属箔を有し、中央部分の少なくとも一部は、発泡済みの材料を支持し、端部分の少なくとも一方は、キャビティのフランジ相互間に固定されていることを特徴とするキャビティを提供する。
【0012】
したがって、本発明は、発泡性材料をキャビティ内に提供する簡単且つ確実な技術の実施を可能にすると共により標準的且つ単純化された製造プロセスを利用できるようにするインサートを提供する。本発明は又、フォーム構造体をキャビティ内に提供するよう発泡性材料の発泡に関する。車両内のキャビティ、例えば、レール及びピラー内又は車両座席、フレーム又は背部内のキャビティは、2つの適当な形をしたキャビティ構成部材を互いに結合することにより形成される場合が多く、これらキャビティ構成部材は、これらが金属、例えば鋼で作られている場合に溶接により互いに結合されるのが良く、変形例として、これらキャビティ構成部材は、接着剤、例えば構造用接着剤によって互いに結合されても良い。キャビティ構成部材の少なくとも一方は、代表的には、U字形又はC字形であり、このようなキャビティ構成部材は、この形状の末端のところにフランジを備え、これらフランジは、平べったい又はこれ又U又はC字形部材であっても良い別のキャビティ構成部材に結合可能な領域を提供し、その結果、1つ又は複数のU又はC字形は、キャビティを構成するようになっており、フランジは、2つのキャビティ構成部材を互いに結合することができる領域を提供する。
【0013】
本発明は、別の実施形態において、キャビティ内にフォームを提供する方法であって、フランジを備えた第1のキャビティ形成部材を用意するステップと、少なくとも一部が発泡性材料を支持している中央部分及び2つの端部分を備えた金属箔を有する積層構造体の少なくとも一方の端部分を第1のキャビティ形成部材のフランジに固定するステップと、フランジを備えた第2のキャビティ形成部材を用意するステップと、第2のキャビティ形成部材のフランジを積層構造体の端部分に固定して第1及び第2のキャビティ形成部材のフランジが積層構造体の少なくとも一方の端部を固定するようにするステップと、発泡性材料が発泡するようにするステップとを有することを特徴とする方法を提供する。
【0014】
キャビティ形成部材は、金属、例えば鋼やアルミニウムからの金属型打ち品であるのが良い。
【0015】
積層構造体は、箔の端部をキャビティ形成部材のフランジ相互間に固定できるよう設計されている。これら端部は、任意適当な手段により固定でき、溶接及び/又は構造用接着剤の使用が好ましい。端部を第1及び第2のキャビティ形成部材のフランジに順次固定しても良く又は単一の結合作業で固定しても良い。
【0016】
箔は、任意適当な金属のものであって良く、例えば、アルミニウム又は鋼箔、例えばシムストック(shimstock)のものである。箔の最適厚さは、その構成材料、箔の所要の長さ、キャビティの寸法及びこれが支持することが必要とされる発泡性材料の量で決まる。しかしながら、本出願人は、0.005mm〜1.5mmの厚さ、より好ましくは0.075mm〜1mmの厚さの箔が特に有用であることを発見した。箔の使用により、キャビティ内への発泡性材料が固定され、キャビティ内への取り付け及び/又は発泡作業の助長のための構造体の取り扱い性能が向上する。
【0017】
発泡性材料は、フォームが作られるべきキャビティの形状に応じて箔の中央部分の一方の側部又は両方の側部に取り付けられるのが良い。発泡性材料は、箔の中央部分の一方の表面又は両方の表面の全て又は一部を覆うのが良く、好ましい実施形態では、発泡性材料の層がアルミニウム箔の両面に被着される。好都合には、発泡性材料をこれが発泡する温度よりも低い温度で箔上に成形し、積層品を所要サイズに切断することにより積層構造体を得ることができる。例えば、発泡性材料は、移動中の箔の周りに成形され又は押し出される。変形例として、発泡性材料を好都合にはリールから得られた移動中の箔の一方の面又は両方の面上に押し出しても良く、次に、発泡性材料は、凝固するようになり、このようにして作られた積層品は、積層構造体の所要の寸法形状を生じさせるよう切断される。また、積層品は、積層品生産ライン中に適当なプレスを設けることによって付形されても良い。
【0018】
積層構造体は、これが用いられるべきキャビティの形状に従って任意適当な形状のものであって良い。この形状は又、必要とされるキャビティの領域内にフォームを提供するよう自由に設定できる。例えば、積層構造体は、任意所望の形状に曲げられるよう型打ちされ又は違ったやり方で衝撃が加えられるのが良く、このようにして、本発明は、不定形状のキャビティ内にフォームを生じさせるのに適したインサートを提供する簡単な方法を提供する。
【0019】
キャビティ収容構造体が提供されると共に箔/発泡性積層材料の被着が組み立てライン上で達成される本発明の別の実施形態では、積層構造体は、これを取り扱ってロボットによって被着させることができる手段を備えるのが良い。このような方法では、第1のキャビティ形成材料を積層構造体の端部分が第1のキャビティ形成部材のフランジ上に布設され、端部分をフランジに溶接することができるステーションまで送り出すのが良い。変形例として、両方のキャビティ形成部材を積層構造体の端部分がこれらキャビティ形成部材相互間に位置した状態で組み立て、組立体を単一の溶接作業で固定しても良い。任意形状のものであって良い第2のキャビティ形成部材も又、フランジを備え、例えば、第2のキャビティ形成部材は、平べったいものであって良く、或いは、次に、合致する像をそのフランジにより積層部材の端部分上に取り付け、次に、好ましくは積層部材の両方の端部への溶接によって固定し、それによりキャビティ内の所望の位置に設けられた積層構造体を収容するキャビティを提供することができる。次に、積層構造体を収容したキャビティ構造体が次の組み立て及び処理のために進むのが良く、発泡性材料は、これが次の処理中、例えば、耐食性及び/又は塗料層の焼付け中に用いられる熱への暴露によって発泡するよう調合されるのが良く、これら耐食性及び/又は塗料層は、発泡済みインサートを収容した物品の製造及び組み立て中に被着される。
【0020】
発泡性材料は、フォームがキャビティに与えることが必要な特性に従って選択される。本発明は、フォームが封止及び/又は消音を提供することが必要とされる場合に特に有用であり、この場合、高い膨張度、代表的には100%〜3000%、好ましくは400%〜2500%の膨張度の発泡性材料を用いて軟質フォームを生じさせるのが良い。変形例として、フォームは、車両内の振動及び/又は硬さを減少させるのに必要な場合があると共に/或いはフォームは、耐破砕性を提供するのに必要な場合がある。フォームが補強効果を提供すべき場合、フォームは、膨張度が比較的低い、代表的には、30%〜200%の発泡性材料から得られる硬質フォームであるのが良く、このようなフォームは又、これが発泡する温度とほぼ同じ温度で架橋する材料であっても良い。架橋可能なエポキシ樹脂系調合物を用いても良い。好ましい発泡性材料は、これらが発泡する温度よりも低い温度で熱可塑性である調合物であり、従って、発泡温度よりも低い温度で積層構造体の発泡性材料を提供するよう押し出され又は射出成形されるのが良い。発泡を生じさせるための加熱時、この材料は、硬質補強フォームが必要な場合にこの材料が架橋するよう調合されるのが良い。発泡性材料は、好ましくは、箔への発泡性材料の付着を助けると共にキャビティの壁へのフォームの付着を助ける粘着剤、例えば石油樹脂又はロジンエステルを含む。
【0021】
本発明は、発泡性材料が防音及び/又は封止を提供することが必要とされる場合に自動車キャビティ内での消音をもたらすのに特に有用であり、発泡性材料は、例えば200%〜3000%の膨張度を有するのが良い。発泡性材料は、架橋なしの軟質フォームであっても良い。
【0022】
自動車用音響バッフルの好ましい製造では、発泡性材料は、例えば、膨張度の高い軟質フォームを代表的には、例えばエチレン不飽和エステルコポリマー、典型的にはエチレンビニルアセテートコポリマー及び/又はエチレンアクリレートコポリマーのようなポリマーから生じさせるようなものである。この実施形態では、特に好ましい材料は、オレフィン族ポリマーを主成分とする吸音フォーム、特にエチレン系ポリマーである。例えば、発泡性材料は、C3〜C8アルファ‐オレフィンコモノマーを含むのが良いエチレンコポリマー又はターポリマーを主成分とするのが良い。特に好ましいポリマーの例としては、エチレンビニルアセテートコポリマー、エチレンアクリレートコポリマー、EPDM又はこれらの混合物が挙げられる。市販の好ましいフォーム調合物の他の例としては、エル・アンド・エル・プロダクツ・ヨーロッパ(L & L Products, Europe)社から例えばL‐2704、L‐2806、L‐2811、L‐2820、L‐2821、L‐1066、L‐2105、L‐2106、L‐2115、L‐2308、L‐2411、L‐2412、L‐2663、L‐2664、L‐2700、L‐2703、L‐4161、L‐4200、L‐4300、L‐4315、L‐4316、L7102、L7107、L7220という名称で市販されているポリマー系材料が挙げられる。これら材料は、本発明において用いられる積層構造体を形成するよう押し出しにより箔、例えばアルミニウム箔、鋼箔又はプラスチック箔の状態に容易に積層可能である。
【0023】
多くの他の適当な材料が当該技術分野において知られており、これらも又防音及び/又は防振のためのフォームを製造するのに使用できる。このようなフォームの1つとしては、適当な成分(典型的には、発泡剤及び硬化剤)と化合した場合で熱を加えると又は特定の周囲条件が生じた際に確実且つ予測可能な仕方で膨張して硬化する連続気泡ポリマー基層材料、例えばエチレン系ポリマーが挙げられる。熱活性化材料に関する化学的観点からは、吸音フォームは、通常、最初に、硬化前に流動性熱可塑性材料として処理される。吸音フォームは、好ましくは、硬化時に架橋し、それによりこの材料の耐流動性が高くなり又はこの材料が最終形状の変化を一段と生じにくくなる。
【0024】
防音及び/又は防振材料を構成する好ましい物質を開示したが、このような材料を他の物質(例えば、構造用フォームとして当該技術分野において知られているフォーム)で形成することができる。ただし、選択した物質が熱活性化され又は周囲条件(例えば、水分、圧力、時間等)によって違ったやり方で活性され、選択した用途に適した条件下で予測可能に且つ確実な仕方で硬化することを条件とする。
【0025】
このような他の考えられる材料としては、ポリオレフィン材料、コポリマー及びターポリマー、フェノール/フォルムアルデヒド材料、フェノキシ材料及びポリウレタンが挙げられる。米国特許第5,266,133号明細書、同第5,766,719号明細書、同第5,755,486号明細書、同第5,575,526号明細書、同第5,932,680号明細書及び国際公開第00/27920号パンフレットは、適当な材料を記載している。一般に、結果として生じるフォームの所望の特性としては、ガラス転移温度が低いこと及び耐食性が良好であることが挙げられる。このように、このような物質は、一般に、自動車製造業者により用いられる材料系の妨げにはならない。さらに、このような材料は、車両の製造の際、例えばイーコート下塗り、クリーニング、脱脂及び他の塗装プロセスの際に典型的に直面する処理条件に耐える。
【0026】
一般に、適当な膨張可能なフォームは、約100〜1000パーセントを超える膨張範囲を有する。吸音フォームの膨張レベルは、1500〜2000パーセント以上という高いレベルである場合がある。
【0027】
別の実施形態では、消音材料は、包み込み又は部分的包み込み形態で提供される場合があり、例えば、膨張可能な発泡性材料は、接着剤セル内に包み込まれる。さらに、消音材料は、例えば米国特許第6,030,701号明細書に開示された溶融流れ可能な材料、を含む場合がある。
【0028】
1種類又は2種類以上の硬化剤が本発明で用いられる発泡性材料中に含まれるのが良い。オプションとして、硬化剤促進剤も又含まれるのが良い。用いられる硬化剤及び硬化剤用促進剤の量は、所望の構造の種類、発泡済み材料の所望の特性、発泡性材料の所望の膨張量及び所望の膨張速度に応じて大幅に異なっていても良い。
【0029】
発泡性材料中に存在する硬化剤又は硬化剤用促進剤に関する例示の範囲は、約0.001重量%〜約7重量%である。
【0030】
好ましくは、硬化剤は、発泡性材料がポリマー、フェノキシエポキシ樹脂又はこれら両方及び存在する場合のある任意のエポキシ樹脂の架橋によって硬化するのを助ける。また、硬化剤は、発泡済み材料を熱硬化させるのを助けることが好ましい。硬化剤の有用な等級は、脂肪族又は芳香族アミン又はこれらのそれぞれのアダクト、アミドアミン、ポリアミド、脂環式アミン、無水物、ポリカルボン酸ポリエステル、イソシアネート、フェノール系樹脂(例えば、フェノール又はクレゾールノバラック樹脂、コポリマー、例えばフェノールターペンコポリマー、ポリビニルフェノールコポリマー又はビスフェノール‐Aホルムアルデヒドコポリマー、ビスヒドロキシルフェニルアルカン等)又はこれらの混合物から選択された材料である。特に好ましい硬化剤としては、改質及び非改質ポリアミン又はポリアミド、例えばトリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、シアノグワニジン、ジシアンジアミド等が挙げられる。硬化剤用促進剤が用いられる場合、このような材料の例としては、改質又は非改質ウレア、例えばメチレンジフェニルビスウレア、イミダゾール又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0031】
発泡済み材料の所要の機能に応じて、発泡済み材料は、1種類又は2種類以上の追加のポリマー又はコポリマーを含むのが良く、このようなポリマー又はコポリマーとしては、多種多様なポリマー、例えば熱可塑性樹脂、エラストマー、プラストマー及びこれらの組み合わせが挙げられる。例えば、発泡性材料中に適当に混ぜ込まれるポリマーとしては、ハロゲン化ポリマー、ポリカーボネート、ポリケトン、ポリウレタン、ポリエステル及びシラン、スルホン、アリル、オレフィン、スチレン、アクリレート、メタクリレート、エポキシ、シリコーン、フェノール樹脂、ゴム、ポリフェニレンオキシド、ターフタレート、アセテート(例えば、EVA)、アクリレート、メタクリレート(例えば、エチレンメチルアクリレートポリマー)又はこれらの混合物が挙げられるが、これらには限定されない。他の可能性のあるポリマー材料は、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン)ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチレンイミン)、ポリエステル、ポリウレタン、ポリシロキサン、ポリエーテル、ポリフォスファジン、ポリアミド、ポリイミド、ポリイソグチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ(ビニルクロリド)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニリデンクロリド)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイソプレン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリレートであるのが良く又はこれらを含むのが良いが、これらには限定されない。
【0032】
これらポリマーは、用いられた場合、材料の僅かな部分又はこれよりも相当多くの部分を構成する場合がある。1種類又は2種類以上の追加のポリマーは、用いられた場合、好ましくは、発泡性材料の約0.1重量%〜約50重量%、より好ましくは約1重量%〜約20重量%、更により好ましくは約2重量%〜約10重量%から成る。
【0033】
適当な硬質材料の例としては、発泡性エポキシ系樹脂が挙げられ、このような材料の例は、仏国ストラスブルグ所在のエル・アンド・エル・ヨーロッパ(L & L Europe)から入手できる製品L0507、L5207、L5214、L5234、L5235、L5236、L5244、L‐8050及びL‐8150である。製品は、これが発泡する温度よりも低い温度、代表的には80℃〜90℃で且つ所要の発泡速度及びフォーム密度に従って付形することができるよう選択されるべきである。さらに、このような製品が自動車用フレーム又は座席製造に用いられる場合、このような製品は、イーコートプロセスの際に被着される耐食性被膜を乾燥させて硬化させるために用いられるオーブン内で、受ける温度、代表的には、120℃〜180℃、より代表的には130℃〜150℃の温度で膨張することが好ましい。活性化に先立って、発泡性材料は、好ましくは、乾燥状態であって触ってみてべとべとしていない。というのは、これにより、輸送及び取り扱いが容易になると共に汚染が阻止されるからである。
【0034】
エポキシ樹脂は、本明細書において、少なくとも1種類のエポキシ官能基を含む従来型二量体、オリゴマー又はポリマーエポキシ材料の任意のものを意味するよう用いられている。さらに、エポキシ樹脂という用語は、1種類のエポキシ樹脂又は多種類のエポキシ樹脂の組み合わせを意味するために用いられている場合がある。ポリマー系材料は、開環反応により重合可能な1つ又は2つ以上のオキシラン環を有するエポキシ含有材料であるのが良い。好ましい実施形態では、発泡性材料は、約2重量%〜75重量%のエポキシ樹脂、より好ましくは約4重量%〜60重量%のエポキシ樹脂、更により好ましくは約25重量%〜50重量%のエポキシ樹脂を含む。当然のことながら、エポキシ樹脂の量は、活性化材料の意図した用途に応じてこれよりも高くても良く低くても良い。
【0035】
エポキシは、脂肪族、脂環式、芳香族等であるのが良い。エポキシは、固体(例えば、ペレット、チャンク、小片等)又は液体(例えば、エポキシ樹脂)として供給可能であり、ただし、接着剤調合物の加工性を促進するうえで液体樹脂が好ましい。本明細書で用いられる樹脂は、別段の指定がなければ、これが23℃で固体である場合には固体樹脂であり、これが23℃で液体である場合には液体樹脂である。エポキシとしては、エチレンコポリマー又はターポリマーが挙げられる。
【0036】
エポキシ樹脂を発泡性材料に追加してこの材料の付着性、流動性又はこれら両方を増大させるのが良い。例示のエポキシ樹脂の1つは、フェノール樹脂であり、これは、ノボラック型又は他形式の樹脂であるのが良い。他の好ましい樹脂含有材料としては、ビスフェノール‐Aエピクロロヒドリンエーテルポリマー又はブタジエン若しくは別のポリマー添加剤で改質されるのが良いビスフェノール‐Aエポキシ樹脂又はビスフェノール‐F‐型エポキシ樹脂が挙げられる。さらに、数種類の互いに異なるエポキシ樹脂の種々の混合物を同様に用いることができる。適当なエポキシ樹脂の例は、ハンツマン(Huntsman)社から供給されるAralditeGY282、GY281及びGY285で市販されている。
【0037】
或る特定の実施形態では、発泡性材料中に1種類又は2種類以上の熱可塑性ポリエーテル及び/又は熱可塑性エポキシ樹脂を含むことが望ましい場合がある。1種類又は2種類以上の熱可塑性ポリエーテルは、含まれる場合、好ましくは、発泡性材料の約1重量%〜約90重量%、より好ましくは約3重量%〜約60重量%、より好ましくは約4重量%〜約25重量%を占める。しかしながら、他の材料の場合と同様、これよりも多い又はこれよりも少ない熱可塑性ポリエーテルを発泡性材料の意図した使用に応じて使用できる。
【0038】
熱可塑性ポリエーテルは、代表的には、ペンダントヒドロキシル部分を含む。熱可塑性ポリエーテルは、これらの主鎖中に芳香族エーテル/アミン繰り返し単位を更に含むのが良い。本発明の熱可塑性ポリエーテルは、好ましくは、10分当たり約5〜約100、より好ましくは約25〜約75、更により好ましくは約40〜約60グラムのメルトインデックスを有し、約190℃の温度で重さが2.16kgである。当然のことながら、熱可塑性ポリエーテルは、これらの意図した用途に応じてこれよりも大きい又は小さいメルトインデックスを有することができる。好ましい熱可塑性ポリエーテルとしては、ポリエーテルアミン、ポリ(アミノエーテル)、モノエタノールアミン及びジグリシジルエーテルのコポリマー、これらの組み合わせ等が挙げられるが、これらには限定されない。好ましくは、熱可塑性ポリエーテルは、平均官能価が2以下のアミン(例えば、二官能価アミン)をグリシジルエーテル(例えば、ジグリシジルエーテル)と反応させることにより生成される。本明細書で用いられる二官能価アミンという用語は、平均2つの反応基(例えば、反応性水素)を備えたアミンを意味している。
【0039】
一実施形態によれば、熱可塑性ポリエーテルは、第1アミン、ビス(第2)ジアミン、環状ジアミン、これらの組み合わせ等(例えばモノエタノールアミン)をジグリシジルエーテルと反応させることにより又はアミンをエポキシ官能化ポリ(アルキレンオキシド)と反応させてポリ(アミノエーテル)を生じさせることにより生成される。別の実施形態によれば、熱可塑性ポリエーテルは、二官能価アミンをジグリシジルエーテル又はジエポキシ官能化ポリ(アルキレンオキシド)と、アミン成分がエポキシ成分と反応するようにしてアミン結合、エーテル結合及びペンダントヒドロキシル成分を有するポリマー主鎖を生じさせるのに十分な条件下で反応させることにより調製される。オプションとして、ポリマーを一官能価求核試薬で処理するのが良く、この求核試薬は、第1アミン又は第2アミンであっても良く、そうでなくても良い。
【0040】
加うるに、1つの反応基(例えば、1つの反応性水素)を備えたアミン(例えば、環状アミン)を熱可塑性ポリエーテルの形成のために使用しても良いことが想定される。有利には、このようなアミンは、形成された熱可塑性エーテルの分子量を制御するのを助けることができる。
【0041】
好ましい熱可塑性ポリエーテルの例及びこれらの形成方法は、米国特許第5,275,853号明細書、同第5,464,924号明細書及び同第5,962,093号明細書に開示されている。有利には、熱可塑性ポリエーテルは、発泡性材料に本明細書で更に説明するように多種多様な用途にとって種々の望ましい特性、例えば望ましい物理的及び化学的性質を与えることができる。
【0042】
必要条件ではないが、調合物は、1種類又は2種類以上のエチレンポリマー又はコポリマー、例えばエチレンアクリレート、コポリマー及びエチレンアセテートコポリマーを含むのが良い。エチレンメタクリレート及びエチレンビニルアセテートは、2つの好ましいエチレンコポリマーである。
【0043】
また、1つ又は2つ以上の反応基、例えばグリシジルメタクリレート又は無水マレイン酸で改質された反応性ポリエチレン樹脂を含むことが望ましい場合がある。このようなポリエチレン樹脂の例は、商標LOTADER (登録商標)(例えば、LOTADER AX 8900)で販売されていると共にアーケマ・グループ(Arkema Group)社から市販されている。
【0044】
1種類又は2種類以上の発泡剤は、所望に応じて発泡済み材料の連続気泡及び/又は独立気泡構造を形成する不活性ガスを生じさせることによって材料が発泡性であるようにするために使用できる。
【0045】
発泡剤は、1つ又は2つ以上の窒素含有基、例えばアミド、アミン等を含むのが良い。適当な発泡剤の例としては、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾジカルボンアミド、イニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4i‐オキシ‐ビス‐(ベンゼンスルフォニルヒロダジド)、トリヒドラジノトリアジン及びN,Ni‐ジメチル‐N,Ni‐ジニトロソテレフタルアミドが挙げられる。発泡剤用の促進剤も又提供されるのが良い。種々の促進剤は、発泡剤が不活性ガスを生じさせる速度を増大させるために使用されるのが良い。1つの好ましい発泡剤用促進剤は、金属塩、例えば酸化物、例えば酸化亜鉛である。他の好ましい促進剤としては、改質及び非改質チアゾール又はイミダゾールが挙げられる。使用されるべき発泡剤及び発泡剤用促進剤の量は、所望の気泡構造の種類、所望の膨張量、所望の膨張速度等に応じて極めて様々であって良い。活性化可能材料中の発泡剤及び発泡剤用促進剤の量に関する例示の範囲は、約0.001重量%〜約5重量%である。
【0046】
発泡性材料は、1種類又は2種類以上の充填剤を更に含むのが良く、このような充填剤としては、粒状物質(例えば、粉末)、ビード、微小球、例えばジーラン・インダストリーズ(Zeelan Industries)社から入手できるZeosphereが挙げられるが、これらには限定されない。好ましくは、充填剤は、一般に活性化可能材料中に存在する他の成分と反応を起こさない材料を含む。充填剤は、一般に、比較的小さい重量でスペースを占めるために存在する場合があるが、充填剤は又、例えば強度及び耐衝撃性を与えることができるということが想定される。
【0047】
充填材の例としては、シリカ、珪藻土、ガラス、粘土(例えば、ナノクレーを含む)、タルク、顔料、着色剤、ガラスビード又は泡、ガラス、炭素又はセラミックセラミック繊維、ナイロン又はポリアミド繊維(例えば、ケブラー(Kevlar))、酸化防止剤等が挙げられる。このような充填材、特に粘土は、発泡性材料の流れ中、それ自体均し状態にあるのを助長可能である。充填材として使用できる粘土としては、か焼(calcinate)できるカオリナイト、イライト、クロリテム(chloritem)、スメシタイト(smecitite)又はセピオライト(sepiolite)群に由来する粘土が挙げられる。適当な充填材の例としては、タルク、バーミキュライト、パイロフィライト、ソーコナイト(sauconite)、サポナイト、ノントロナイト、モントモリロナイト、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらには限定されない。粘土は、微量の他の成分、例えばカーボネート、長石、マイカ及び石英を更に含むのが良い。充填材は、アンモニウム塩化物、例えばジメチルアンモニウムクロリド及びジメチルベンジルアンモニウムクロリドを更に含むのが良い。二酸化チタンも又使用可能である。
【0048】
好ましい一実施形態では、1種類又は2種類以上の鉱物又は石系の充填材、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム等を充填材として使用することができる。別の好ましい実施形態では、珪酸塩鉱物、例えばマイカを充填材として使用することができる。
【0049】
膨張可能材料中の充填材は、用いられる場合、発泡性材料の10重量%〜90重量%以上であるのが良いが、より典型的には、発泡性材料の約20重量%〜55重量%以上である。幾つかの実施形態によれば、発泡性材料は、約0重量%〜約3重量%、より好ましくは約1重量%よりも僅かに少ない粘土又はこれに類似した充填材を含むのが良い。粉末状(例えば、平均粒径が約0.01〜約50ミクロン、より好ましくは約1〜25ミクロン)鉱物系充填材は、約5重量%〜約70重量%、より好ましくは約10重量%〜約50重量%を占めるのが良い。
【0050】
他の添加剤、作用剤又は性能改質剤も又所望に応じて発泡性材料に含まれるのが良く、このような物質としては、耐UV性剤、難燃剤、耐衝撃性改良剤、熱安定化剤、着色剤、処理助剤、潤滑剤、補強材(例えば、細断又は連続ガラス、セラミック、アラミド又は炭素繊維、粒子等)が挙げられるが、これらには限定されない。液体ポリスルフィドは、環境への暴露、例えば湿度及び塩水への暴露性を向上させるために使用されるのが良い。
【0051】
好ましい実施形態では、発泡性材料は、付着性促進材料、例えば石油樹脂又は合成若しくは天然に産出するロジンエステル粘着材を含む。これら材料の使用により、箔に対する発泡性材料の付着性を向上させることができると共にキャビティの壁に対する発泡済み材料の付着性も又向上させることができる。0.5重量%〜10重量%のこのような付着性促進材料を含むことが好ましい。
【0052】
発泡性材料に適した成分を特定する際、材料が適当な時点で又は温度で発泡するよう材料を調合することが重要な場合がある。例えば、或る用途では、材料が室温で又は製造環境中の周囲温度で反応性を示すことが望ましくない。より一般的に言えば、材料は、高い処理温度で流動して発泡する。一例として、自動車組み立て工場で遭遇する温度は、特に発泡性材料を他の成分と一緒に例えば塗装準備ステップ中に高い温度で又は高い印加エネルギーレベルで処理する場合に適当であると言える。加うるに、発泡性材料は、汚れや埃のピックアップを減少させると共に貯蔵及び輸送を容易にするよう周囲温度で触れてみてべとついていないことが好ましい。
【0053】
箔上で用いられる発泡性材料の量は、フォームが提供されるべきキャビティのサイズ及び所望の膨張度で定められる。しかしながら、大抵の車両に関し、厚さ1.5mm〜10mmの発泡性材料の層を有する積層構造体は、特に消音及び/又は防振フォームの製造に適していることが判明した。
【0054】
別の実施形態では、本発明は、自動車又は他の輸送システム、例えばトラック、バス、機動車両及び航空機の車体フレーム及び座席内のキャビティの構造的補強のために利用できる。この場合、発泡性材料は、一般に、硬質補強熱硬化性層、例えば発泡性エポキシ樹脂又はブロックトポリウレタンであるのが良い発泡性ポリウレタンである。この場合、発泡性材料は、2つの主な機能に役立ち、この発泡性材料は、箔と中空部分の内部との間の空間を横切って膨張し、中空部分の内壁の何割か又は全てに結合する。したがって、活性化により、発泡性材料は、膨張し、この発泡性材料が膨張して箔と中空構造体との間の隙間を満たすことができ、この発泡性材料は、この中空構造体を補強し、そしてこのような中空構造体の選択された内面に結合するよう設計されている。したがって、発泡性材料は、所望の温度で膨張すると共に補強材料を車両構造体内にしっかりと結合するのに十分なほど接着性でなければならない。この実施形態では、発泡性材料は、いったん発泡すると、これが提供される全体的補強効果を弱めるのに寄与しないほど十分強固であるべきである。本発明を添付の図面を参照して説明するが、これに限定されるわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の積層構造体の平面図である。
【図2】図1の積層構造体のA‐A線矢視断面図である。
【図3】本発明の積層構造体の側面図である。
【図4】キャビティ形成部材の1つを備えた図3の積層構造体を示す図である。
【図5】第2のキャビティ形成部材を備えた図4の構造体を示す図である。
【図6】図5の構造体を示す図であり、キャビティ形成部材と積層構造体が互いに固定された状態を示す図である。
【図7】例えば図2に示された積層構造体の製造方法を示す図である。
【図8】図7に示された方法の成形部分の作業を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1は、中央部分(2)及び2つの端部分(3),(4)を備えた細長い積層部材(1)を示している。中央部分(2)は、発泡性材料(5)で覆われており、この中央部分は、積層部材の形状の改造を可能にする変形箇所(6)を更に備えている。
【0057】
残りの図において、同一の参照符号は、同一の特徴を示すために用いられている。図2は、図1のA‐A線矢視断面図であり、箔(4)を示しており、図3は、図1に示された積層構造体に類似していて、これが用いられるキャビティに適合するよう形作られた積層構造体を示している。
【0058】
図4は、各端部にフランジ(8),(9)を備えた第1のキャビティ構成部材(7)と組み立てられた図3の構造体を示す図である。積層構造体の端部を第1のキャビティ構成部材のフランジに固定するための対をなす溶接ヘッド(10),(11),(12),(13)が示されている。図5は、積層構造体の端部分の他方の側に溶接可能なフランジ(15),(16)を備えた第2のキャビティ形成部材(14)と一緒に図4の組立体を示している。図6は、溶接が完了した状態の積層構造体を収容しているキャビティ構造体を示している。
【0059】
図7は、例えば図3に示された積層構造体を提供する連続方法の略図である。図7は、金属箔(17)が箔のリール(18)から取り出されていて、モールド(19)を通っている状態を示しており、発泡性材料(5)がモールド(19)内で、箔の要素の中央部分周りに順次成形されている。次に、発泡性材料で被覆された箔は、プレス(20)に至り、ここで、箔は、所望の形態に付形される。次に、付形された構造体は、切断装置(21)に至り、ここで、個々の積層構造体が移動中の被覆箔から作られる。
【0060】
図8は、発泡性材料を図7のモールド(19)内の箔にどのように被着させるかを示している。図8aは、B‐B線矢視断面図であり、箔がモールド内に進んでいる状態を示し、図8bは、箔の周りに成形された発泡性材料を示し、図8cは、積層構造体をモールドからどのように取り出すことができるかを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのキャビティ構成コンポーネントによって構成されたキャビティであって、前記2つのキャビティ構成コンポーネントは、積層構造体を収容した前記キャビティの近くに位置したフランジによって互いに固定され、前記積層構造体は、中央部分及び2つの端部分を備えた金属箔を有し、前記中央部分の少なくとも一部は、発泡可能な材料を支持し、前記端部分の少なくとも一方は、前記キャビティの各側で前記フランジ相互間に固定されている、
ことを特徴とするキャビティ。
【請求項2】
2つのキャビティ構成コンポーネントによって構成されたキャビティであって、前記2つのキャビティ構成コンポーネントは、積層構造体を収容した前記キャビティの近くに位置したフランジによって互いに固定され、前記積層構造体は、中央部分及び2つの端部分を備えた金属箔を有し、前記中央部分の少なくとも一部は、発泡済みの材料を支持し、前記端部分の少なくとも一方は、前記キャビティの前記フランジ相互間に固定されている、
ことを特徴とするキャビティ。
【請求項3】
車両内に形成された請求項1又は2記載のキャビティ。
【請求項4】
レール、ピラー又は座席フレーム内に見受けられる請求項3記載のキャビティ。
【請求項5】
前記キャビティ形成部材は、金属型打ち品である、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載のキャビティ。
【請求項6】
前記中央部分は、前記金属箔の両側に発泡済みの又は発泡可能な材料を支持している、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のキャビティ。
【請求項7】
前記端部分は両方とも、前記キャビティの各側で前記フランジ相互間に固定されている、
請求項1ないし6のいずれか1項に記載のキャビティ。
【請求項8】
前記箔は、鋼箔である、
請求項1ないし7のいずれか1項に記載のキャビティ。
【請求項9】
前記発泡済み又は発泡可能材料は、前記箔の前記中央部分の一方の側部又は両方の側部に取り付けられている、
請求項1ないし8のいずれか1項に記載のキャビティ。
【請求項10】
前記フォームは、封止及び/又は消音をもたらす、
請求項2ないし9のいずれか1項に記載のキャビティ。
【請求項11】
前記フォームは、軽量補強材を提供する、
請求項2ないし9のいずれか1項に記載のキャビティ。
【請求項12】
前記フォームは、100%〜3000%の膨張度を有する、
請求項2ないし11のいずれか1項に記載のキャビティ。
【請求項13】
キャビティ内にフォームを提供する方法であって、フランジを備えた第1のキャビティ形成部材を用意するステップと、少なくとも一部が発泡性材料を支持している中央部分及び2つの端部分を備えた金属箔を有する積層構造体の少なくとも一方の端部分を前記第1のキャビティ形成部材の前記フランジに固定するステップと、フランジを備えた第2のキャビティ形成部材を用意するステップと、前記第2のキャビティ形成部材の前記フランジを前記積層構造体の前記端部分に固定して前記第1及び前記第2のキャビティ形成部材の前記フランジが前記積層構造体の少なくとも一方の端部を固定するようにするステップと、前記発泡性材料が発泡するようにするステップとを有する、
ことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記箔の端部は、溶接及び/又は構造用接着剤の使用によって前記キャビティ形成部材の前記フランジ相互間に固定される、
請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記端部は、前記第1及び前記第2のキャビティ形成部材の前記フランジに順次固定され、又は単一の結合作業で固定可能である、
請求項13又は14記載の方法。
【請求項16】
積層構造体を製作する連続方法であって、発泡性材料を該発泡性材料の発泡温度よりも低い温度で箔上に成形するステップと、前記積層構造体を所要のサイズに合わせて切断するステップと、前記ステップを繰り返し実施するステップとを有する、
ことを特徴とする方法。
【請求項17】
前記発泡性材料は、移動中の箔の周りに成形され又は押し出される、
請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記積層構造体は、切断前に前記所要の形状にプレス加工される、
請求項16又は17記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−504460(P2013−504460A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529147(P2012−529147)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【国際出願番号】PCT/EP2010/005614
【国際公開番号】WO2011/032677
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(508036075)ゼフィロス インコーポレイテッド (19)
【Fターム(参考)】