説明

キャビン内冷却用コンデンサを有するコンバイン

【課題】キャビン内冷却用コンデンサを有するコンバインに関する。
【解決手段】本発明のキャビン内冷房用コンデンサを有するコンバインは、キャビン内にキャビン内部を冷房するための冷房装置を具備したコンバインにおいて、少なくとも冷房装置の一部を構成するコンデンサと冷却用ファンとレシーバとによりコンデンサユニットを構成すると共に、キャビンの背面に側方から吸気すべく構成した外気流通空間を形成し、しかも、コンデンサユニットは、外気流通空間と連通状態としキャビン後側方へ開閉自在となるように配設したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャビン内を冷却するための冷房装置を構成するコンデンサを具備したコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンバインは、キャビン内を冷却するための冷房装置を具備している。かかる冷房装置を構成する一部材としてのコンデンサは、通常キャビンの後側壁に取付けられてコンデンサに付設した冷却用ファンにより外気を取込んでコンデンサの冷媒を冷却して熱交換した温風はキャビン外方に排出するように構成されている。
【0003】
例えば、特許文献1ではキャビンのフレームとなる枠体を中空にして、この中空枠体を介してファン吸引力により外気をコンデンサ部分に取込んで、コンデンサを冷却し、キャビン後壁外方に温風を排出するように構成している。
【0004】
また、特許文献2では、キャビン内の運転席後方に隔壁にて仕切ったコンデンサ収容空間を形成し、キャビン外部から同空間内を介して外気を取込んでコンデンサの冷却を行いキャビン後側壁から排風するように構成している。
【0005】
また、特許文献3では、キャビン内の後部に外気吸入室を形成し、外気吸入室の側壁に外気吸入口を形成して外気を取込み、外気吸入室内のコンデンサを冷却するように構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3691632号公報
【特許文献2】特開2004−284380号公報
【特許文献3】特許第3863994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、かかる各方式構成のコンデンサの配置構造においては、例えばコンデンサの点検のために、キャビン室内よりコンデンサ部分の仕切り板を開放して、コンデンサを露出させ点検するものであり、キャビンの内部構造に手を加える必要があり、特に、特許文献2のようにコンデンサ収容空間や外気吸入室を隔壁にて仕切って、同空間を介して外気流通を行うように構成したものにあっては、その分、キャビン内の空間を狭くすることになり、キャビン内の居住性が低下すると共に、コンデンサのメンテ構造が複雑となり、費用的に不利となる欠点があった。
更には、上記の多くの特許文献に示されたような構造にあっては、外気の吸気口に目詰まり等の使用時の不測の障害が発生した場合は、コンデンサの外向き部分に配設した冷却ファンの吸気作動により、キャビン内やコンデンサ収容空間内や外気吸入室内が負圧となり、微塵がドアなどの小さな隙間から侵入して、キャビン内等の空間に塵が蔓延し、オペレータの健康上の問題や外気流通性が低下して冷房効率が上がらない等の多大の支障を生起するおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、上記課題を解決するために、請求項1に記載のキャビン内冷房用コンデンサを有するコンバインは、キャビン内にキャビン内部を冷房するための冷房装置を具備したコンバインにおいて、少なくとも冷房装置の一部を構成するコンデンサと冷却用ファンとレシーバとによりコンデンサユニットを構成すると共に、キャビンの背面に側方から吸気すべく構成した外気流通空間を形成し、しかも、コンデンサユニットは、外気流通空間と連通状態としキャビン後側壁へ開閉自在となるように配設したことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のコンバインにおいて、外気流通空間は、キャビン内後部に仕切り壁を介して形成すると共に、コンデンサユニットは、キャビン側方から吸気すべく構成した外気流通空間に面するように配設したことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のコンバインにおいて、キャビン内後部を仕切る仕切り壁を内部方向に向って略凸状湾曲に形成し、外気流通空間を可及的に広く形成可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、キャビン内にキャビン内部を冷房するための冷房装置を具備したコンバインにおいて、少なくとも冷房装置の一部を構成するコンデンサと冷却用ファンとレシーバとによりコンデンサユニットを構成すると共に、キャビンの背面に側方から吸気すべく構成した外気流通空間を形成し、しかも、コンデンサユニットは、外気流通空間と連通状態としキャビン後側壁へ開閉自在となるように配設した。したがって、コンデンサ及びそれに関連する部材のメンテナンスをする際は、コンデンサユニットを外方に開放して外部からメンテナンスを行うことができ、特にキャビンの背面のコンデンサ用窓部を開窓して点検を行う場合は、コンデンサユニットが外方へ大きく開放されているため広い空間を利用して点検作業が行える効果があり、側方から吸気すべく構成した外気流通空間に空気流通障害が生起しても同空間の負圧がキャビン内に及ばず微細な塵芥が扉の隙間から侵入する弊害を防止することができる効果がある。
【0012】
請求項2の発明によれば、外気流通空間は、キャビン内後部に仕切り壁を介して形成すると共に、コンデンサユニットは、キャビン側方から吸気すべく構成した外気流通空間に面するように配設したので、キャビン内の室内空間とコンデンサユニットが面する外気流通空間とを完全に隔離することができ、冷却用ファンを駆動した際に外気流通空間の負圧がキャビン内の室内空間に及ぶことがなくなり、キャビンの扉の隙間から微細な塵芥が侵入することがなくなる効果がある。
【0013】
請求項3の発明によれば、キャビン内後部を仕切る仕切り壁を内部方向に向って略凸状湾曲に形成したので、側方から吸気する外気の流通経路を広く形成することができるため、外気流通効率を向上して、コンデンサの冷却効率を上げ、冷房装置の機能を向上することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】コンバインの全体左側面図である。
【図2】コンバインの全体右側面図である。
【図3】キャビンの側面図である。
【図4】キャビンの背面図である。
【図5】キャビンの斜視図である。
【図6】コンデンサユニットの斜視図である。
【図7】キャビンの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
本発明に係るキャビン内冷房用コンデンサを有するコンバインは、キャビン内にキャビン内部を冷房するための冷房装置を具備したコンバインにおいて、少なくとも冷房装置の一部を構成するコンデンサと冷却用ファンとレシーバとによりコンデンサユニットを構成すると共に、キャビンの背面に側方から吸気すべく構成した外気流通空間を形成し、しかも、コンデンサユニットは、外気流通空間と連通状態としキャビン後側壁へ開閉自在となるように配設している。
【0017】
さらに、外気流通空間は、キャビン内後部に仕切り壁を介して形成すると共に、コンデンサユニットは、キャビン側方から吸気すべく構成した外気流通空間に面するように配設している。
【0018】
しかも、キャビン内後部を仕切る仕切り壁を内部方向に向って略凸状湾曲に形成し、外気流通空間を可及的に広く形成可能としている。
【0019】
以下に、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。図1はコンバインの全体左側面図、図2はコンバインの全体右側面図、図3はキャビンの側面図、図4はキャビンの背面図、図5はキャビンの斜視図、図6はコンデンサユニットの斜視図、図7はキャビンの断面図である。
【0020】
本発明に係るコンバインAは、図1及び図2に示すように、左右一対のクローラ式の走行部1,1上に機体フレーム2を設け、同機体フレーム2の左側前端部に刈取フレーム3を介して刈取部4と搬送部5とを昇降自在に取り付け、同機体フレーム2上の左側前部に穀稈移送部6と脱穀部7と選別部8を配設すると共に、後部に排藁処理部9を配設する一方、機体フレーム2上の右側前部にキャビン10を配設すると共に、右側中途部に穀粒貯留部11を配設している。12は穀粒般出用のオーガである。
【0021】
このようにして、刈取部4により穀稈を刈り取り、刈り取った穀稈を搬送部5により後上方の穀稈移送部6まで搬送して、同穀稈移送部6に穀稈を受け渡し、同穀稈移送部6により穀稈の株元を挟扼すると共に穂先を脱穀部7内に挿入した状態で後方へ移送させるようにしている。
【0022】
この際、穀稈の穂先は脱穀部7により脱穀されると共に、脱穀された穀粒は選別部8により選別されて、精粒のみが穀粒貯留部11に搬送されて貯留され、必要に応じてオーガ12を介して搬出されるようにしている。
【0023】
また、脱穀された穀稈は排藁として排藁処理部9に搬送され、同排藁処理部9にて細断・排出処理されるようにしている。
【0024】
そして、キャビン10は、図7に示すように、略四角形箱型に形成して内部に運転部19を設けており、同運転部19は、床部20の前部にステアリングコラム21を立設し、同ステアリングコラム21の上端部にステアリングハンドル22を取り付け、同ステアリングハンドル22の後方位置に運転席23を配置している。
【0025】
しかも、運転部19には、運転席23の前方から左側方にかけてサイド操作コラム24を配設している。
【0026】
さらには、図3に示すように、キャビン10の天井部28には冷暖房装置29を配設して、同天井部28に設けた吹き出し口30から冷風ないしは温風を吹き出させて、キャビン10内を冷房ないしは暖房することができるようにしている。31はフロントガラス、32は左側開閉窓、33は乗降用開閉扉である。
【0027】
すなわち、冷暖房装置29は、キャビン10の天井部28の導風ダクト(図示しない)内にエバポレータ(図示しない)を配設し、同エバポレータとコンデンサ41、レシーバ51等よりなるコンデンサユニットUとの間に、冷媒供給流路を形成する冷媒供給ホース52と冷媒戻し流路を形成する冷媒戻しホース53とを介設し、同冷媒戻しホース53の中途部にコンプレッサ(図示しない)を設けると共に、冷媒供給ホース52の中途部にコンデンサユニットUの一部となる冷媒濾過・乾燥用のレシーバ51を設けて構成している。
【0028】
そして、エバポレータより生起される冷気を導風ダクトより吹き出し口30へ圧送するようにしている。
【0029】
コンデンサユニットUは、キャビン10の後側壁40に外方に向けて開閉自在に枢着したユニット保持板70に取り付けられている。
【0030】
すなわち、キャビン10の後側壁40には、矩形状の取付窓40a(図6参照)を形成し、同取付窓40aの下方に同ユニット保持板70の下端縁を枢着し、ユニット保持板70により取付窓40aを開閉自在とするように構成している。
【0031】
なお、71は、ユニット保持板70の下端部と取付窓40aの下方に位置するキャビン10の後側壁40とを枢着する枢支部、72は、取付窓40aをユニット保持板70で閉じた場合に、キャビン10の後側壁40にユニット保持板70を固定するための固定具であり、ユニット保持板70の上部左右端部及び上部中央部に設けている。73は、後側壁40に設けた固定具72の受け孔である。
【0032】
すなわち、ユニット保持板70は、外側面から固定具72としてのボルトでキャビン10の後側壁40に螺着することにより取付窓40aを閉蓋してキャビン10の後側壁40に取り付けられるように構成している。
【0033】
また、ユニット保持板70の中央には、外気流通窓70aを形成しており、この外気流通窓70aにコンデンサユニットUが配設されており、後述する冷却用ファン42によりキャビン10横側方から外気を吸入して外気流通窓70aを介して流入する外気をコンデンサユニットUと接触させて熱交換を行うものである。
【0034】
コンデンサユニットUは、ユニット保持板70の外方に配設した冷却用ファン42と、同冷却用ファン42の内側に配設したコンデンサ41と、ユニット保持板70の外気流通窓70aの横側方の外側面に設けたレシーバ51とより構成されている。
【0035】
冷却用ファン42は、ユニット保持板70中央の外気流通窓70aを塞ぐように配設されており、キャビン10側方から吸入した空気aをコンデンサ41に当てながら熱交換してキャビン10の後側壁40外方に排出するように機能する。
【0036】
コンデンサ41は、ジグザグ状の冷媒流通パイプよりなり、冷却用ファン42の上手側(内側)に同冷却用ファン42と対峙するように重ねてユニット保持板70に配設される。コンデンサ41に連通した冷媒供給ホース52と冷媒戻しホース53には、それぞれレシーバ51とコンプレッサにそれぞれ連通されている。74は、コンデンサ41をユニット保持板70に取り付けるためのブラケットである。
【0037】
このように構成されたコンデンサユニットUは、ユニット保持板70と一体となりキャビン10の後側壁40に形成した取付窓40aに開閉自在に取り付けられる。すなわち、ユニット保持板70によりキャビン10の後側壁40に形成した取付窓40aを閉塞した状態においては、通常のコンデンサユニットUの冷却機能状態となっている。他方、コンデンサ41の掃除等のメンテナンスの作業時においては、固定具72を解除してユニット保持板70を下方の枢支部71,71を中心に外方に開放し、保持受片74にて水平に保持された状態とする。
【0038】
かかる状態では、冷却用ファン42の内側に配設したコンデンサ41は、水平状態のユニット保持板70の内側面上において平面的に視認可能な状態となり、キャビン10の後方やキャビン10の横側方から容易にメンテナンスができる状態となる。
【0039】
また、キャビン10内の後部には、キャビン10の側方から外気を流通する外気流通空間Sが形成されており、コンデンサ41は外気流通空間Sに露出した状態としている。すなわち、キャビン10内の運転席23後方には、仕切り壁46を形成することにより、仕切り壁46と後側壁40との間に一定の外気流通空間Sを形成している。
【0040】
しかも、キャビン10の右側後部壁体47には、外気取入口44,44を開口しており、外気取入口44には、網体(図示しない)を張設している。外気取入口44は、外気流通空間Sと連通状態としており、冷却用ファン42の吸引力によって外気を外気取入口44から外気流通空間Sに取り込みコンデンサ41を通過させながらコンデンサ41の外気冷却作用を果しつつ熱交換された空気をキャビン10後方に排出する。45は、キャビン10内の室内空間Rに外気を取り入れるための室内用外気取入口である。
【0041】
仕切り壁46の右側端は、やや前方へ傾斜してキャビン10の乗車口の右側隔壁体48bに連設することにより、仕切り壁46の端縁を傾斜状に配設してキャビン10内の室内空間Rを広く取りつつも外気取入口44も可及的に広く形成して外気を可及的に多く取り入れるようにしている。他方、仕切り壁46の左側端は、サイド操作コラム24の後部の左側隔壁体48aに連設している。
【0042】
このようにキャビン10内の後方を仕切り壁46で区画することにより、キャビン10内の室内空間RとコンデンサユニットUが面する外気流通空間Sとを完全に隔離することができ、冷却用ファン42を駆動した際に外気流通空間Sの負圧がキャビン10内の室内空間Rに及ぶことがなくなり、キャビン10の扉33の隙間から微細な塵芥が侵入することがなくなる。
【0043】
なお、キャビン10内後部を仕切る仕切り壁46は、図7に示すようにキャビン10の内部方向に向って略凸状湾曲に形成している。このように構成することによりキャビン10の側方から吸気する外気の流通経路を広く形成することができ、外気流通効率を向上して、コンデンサ41の冷却効率を上げ、冷房装置の機能を向上することができる効果がある。
【0044】
また、レシーバ51の排出口に接続した冷媒供給ホース52の接続部52a及びコンデンサ41の供給口に接続した冷媒戻しホース53の接続部53aは、屈曲自在となる素材で構成している。すなわち、このように冷媒供給ホース52の接続部52a及び冷媒戻しホース53の接続部53aを屈曲自在としたために、コンデンサユニットUを枢支部71,71を中心に開放した際に、従来のようにコンデンサ41やレシーバ51等と冷媒供給ホース52や冷媒戻しホース53等との接続を一旦解除する必要がなくなる。
【0045】
従って、同コンデンサユニットUを枢支部71,71を支点に開蓋することによりユニット保持板70の内側部が大きく広げられてコンデンサ41を清掃したり、コンデンサ41や冷媒供給ホース52や冷媒戻しホース53等のメンテナンスの点検をしたりする作業を素早く行なうことができる効果がある。
【0046】
また、暖房部は、熱交換器(図示しない)を具備しており、同熱交換器と前記穀粒貯留部11の前下部に配置したエンジン13との間に温水供給ホース(図示しない)と温水戻しホース(図示しない)とを介設している。
【0047】
冷媒供給ホース52と冷媒戻しホース53は、キャビン10の左側後部に沿わせると共に天井部28へ向けて伸延させて配設し、各先端部を冷暖房装置29に接続している。54は、キャビン10の左側後部に設けたカバー部である。
【0048】
このように冷媒供給ホース52と冷媒戻しホース53をキャビン10の左側後部に沿わせる構成とすることで、従来のように外気流通空間S内に冷媒供給ホース52や冷媒戻しホース53を配設するのに比べて、組立て時の作業が行い易くなると共にメンテナンス等の点検作業が行い易くなる効果がある。
【0049】
以上のように本件発明の実施例においては、ユニット保持板70の外側面にレシーバ51と冷却用ファン42を取り付けた構造とすることにより、外気流通空間S内において、ユニット保持板70内側面に配設したコンデンサ41の厚みを収容可能な幅空間だけあれば済み、運転席23の直後方の同外気流通空間Sの幅を可及的に小さく形成でき、キャビン10内の室内空間Rを大きく確保することができる。
【0050】
従って、キャビン10内の運転席23に着座して各種操作を行うオペレータに圧迫感を与えることがなく、キャビン10内の居住性を快適なものにして、作業能率の向上を図ることができる。
【0051】
また、ユニット保持板70の内側面にはコンデンサユニットU中のレシーバ51を除いたコンデンサ41のみを突設させた構造とすることにより、従来のようにユニット保持板70の内側面にコンデンサ41とレシーバ51を突設させた構造と比べて、外気流通空間Sを流れる空気の乱れを軽減して、コンデンサ41をさらに効率よく冷却することができると共に塵の付着する箇所が減りメンテナンスを飛躍的に短時間で完了できる効果がある。
【0052】
なお、キャビン10の天井部28は、3組のユニットを組合せて構成されており、いわゆる、凹状のインナールーフに備品装着ケースを装着し、外装としての逆凹状のアウタールーフで覆って構成されている。インナールーフの前部には、備品装着ケース内に冷暖房装置29を配設しており、冷暖房装置29から排出されるドレイン水をドレインホースによりキャビン10外へ排出している。ドレインホースは、冷暖房装置29を挟んで前後2箇所に配設している。後方のドレインホースはインナールーフの左側面に沿って左側後部に配設し、さらに同左側後部から左側後部側壁に沿って配設している。そして、ドレイン水を貯留した後に、上述したコンデンサ41を冷却する冷却水として利用したり、フロントガラスを洗浄するウォッシャ液や洗浄水として利用したり、あるいは、一旦濾過したドレイン水をキャビン10内の加湿用に利用するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0053】
A コンバイン
S 外気流通空間
U コンデンサユニット
1 走行部
2 機体フレーム
3 刈取フレーム
4 刈取部
5 搬送部
6 穀稈移送部
7 脱穀部
8 選別部
10 キャビン
29 冷暖房装置
41 コンデンサ
42 冷却用ファン
51 レシーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビン内にキャビン内部を冷房するための冷房装置を具備したコンバインにおいて、
少なくとも冷房装置の一部を構成するコンデンサと冷却用ファンとレシーバとによりコンデンサユニットを構成すると共に、キャビンの背面に側方から吸気すべく構成した外気流通空間を形成し、
しかも、コンデンサユニットは、外気流通空間と連通状態としキャビン後側壁へ開閉自在となるように配設したことを特徴とするキャビン内冷房用コンデンサを有するコンバイン。
【請求項2】
外気流通空間は、キャビン内後部に仕切り壁を介して形成すると共に、コンデンサユニットは、キャビン側方から吸気すべく構成した外気流通空間に面するように配設したことを特徴とする請求項1に記載のキャビン内冷房用コンデンサを有するコンバイン。
【請求項3】
キャビン内後部を仕切る仕切り壁を内部方向に向って略凸状湾曲に形成し、外気流通空間を可及的に広く形成可能としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のキャビン内冷房用コンデンサを有するコンバイン。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−41498(P2011−41498A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−191034(P2009−191034)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】