説明

キャビン

【課題】前上方に対する視認性がより向上したキャビンを提供すること。
【解決手段】後側上部に空調ユニット7が設けられる、作業車両のキャビン10であって、前方に設けられた前方透明窓100と、両側方に、それぞれ設けられた側方透明窓101、102とを備え、前方透明窓100は、その上端100sの位置が、それぞれの側方透明窓101、102の前側の上端101p、102pの位置よりも高くなるように形成されている、キャビンである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両のキャビンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トラクタ等の作業車両では、空調ユニットがキャビンの前方の天井部分に配置されていた。しかしながら、このような構成では、作業車両にフロントローダを連結装備して作業する時等には、上昇させたバケット位置が困難になるため、作業効率が悪くなっていた。
【0003】
そのため、作業車両の前上方に対する視界を良好にするために、空調ユニットをキャビンの後部上方に配置する構造が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−308032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の構成でも、前上方に対する視認性は不十分であった。
【0006】
本発明は、上記従来のキャビンの課題を考慮し、前上方に対する視認性の向上したキャビンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の本発明は、
後側上部に空調ユニットが設けられる、作業車両のキャビンであって、
前方に設けられた前方透明窓と、
両側方に、それぞれ設けられた側方透明窓とを備え、
前記前方透明窓は、その上端の位置が、それぞれの前記側方透明窓の前側の上端の位置よりも高くなるように形成されている、キャビンである。
【0008】
これにより、前上方に対する視認性をより向上させることが出来る。
【0009】
第2の本発明は、
後方に設けられた後方透明窓と、
前記前方透明窓とそれぞれの前記側方透明窓の間に設けられ、前記前方透明窓及び前記側方透明窓を支持する2本の前縦フレームと、
前記後方透明窓とそれぞれの前記側方透明窓の間に設けられ、前記後方透明窓及び前記側方透明窓を支持する2本の後縦フレームと、
それぞれの前記側方透明窓の上端と天井部の間に設けられ、前記前縦フレームと前記後縦フレームの間を連結する2本の前後フレームと、
前記前方透明窓の上端と天井部の間に設けられ、2本の前縦フレームの間を連結する前横フレームとを備え、
前記前横フレームは、前記前後フレームよりも高くなるように配置されている、第1の本発明のキャビンである。
【0010】
これにより、簡易な構成で前上方に対する視認性をより向上させることが出来る。
【0011】
第3の本発明は、
前記天井部の両側方側のそれぞれに、後方から前方に向かって設けられた、前記空調ユニットからの空気をキャビン室内に案内する2本の空調ダクトと、
前記空調ユニットを操作するための操作パネルユニットと、
オーディオユニットとを備え、
それぞれの前記空調ダクトは、その前部に内側に向かって屈曲する屈曲部を有し、
前記屈曲部におけるダクト径は、その前後の部分のダクト径より狭くなっており、
一方の前記空調ダクトの前記屈曲部の内側に隣接する空間に前記操作パネルユニットが設けられ、
他方の前記空調ダクトの前記屈曲部の内側に隣接する空間に前記オーディオユニットが設けられている、第2の本発明のキャビンである。
【0012】
これにより、オーディオユニットと操作パネルユニットを左右両側に配置しやすくなり、作業者の前方視界を妨げ難くすることが出来る。
【0013】
第4の本発明は、
2本の前記前後フレーム間に設けられたステーと、
前記ステーの中央より、一方の側面よりに設けられ、前記操作パネルユニットが固定された第1取り付け部と、
前記ステーの中央より、他方の側面よりに設けられ、前記オーディオユニットが固定された第2取り付け部と、
前記第1取り付け部又は前記操作パネルユニットの下側に設けられた第1ヒンジ部と、
前記第2取り付け部又は前記オーディオユニットの下側に設けられた第2ヒンジ部と、
前記第1ヒンジ部及び前記第2ヒンジ部に取り付けられたサンバイザーとを備えた、第3の本発明のキャビンである。
【0014】
これにより、運転者の日よけを行い易く、又サンバイザーを操作し易くすることが出来る。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、前上方に対する視認性の向上したキャビンを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明にかかる実施の形態1におけるトラクタの全体を示す右側面構成図
【図2】本発明にかかる実施の形態1におけるトラクタのキャビンの斜視構成図
【図3】本発明にかかる実施の形態1におけるトラクタのキャビン周辺部のフレーム部分を示す斜視構成図
【図4】本発明にかかる実施の形態1におけるトラクタのキャビン周辺部のフレーム部分を示す斜視構成図
【図5】本発明にかかる実施の形態1におけるトラクタのキャビン周辺部の平面構成図
【図6】(a)本発明にかかる実施の形態1におけるトラクタの空調ユニットの平面構成図、 (b)本発明にかかる実施の形態1におけるトラクタの空調ユニットの正面構成図、 (c)本発明にかかる実施の形態1におけるトラクタの空調ユニットの背面構成図、 (d)本発明にかかる実施の形態1におけるトラクタの空調ユニットの右側面構成図
【図7】本発明にかかる実施の形態1におけるトラクタのキャビン内部を説明するための斜視構成図
【図8】本発明にかかる実施の形態1におけるトラクタのキャビン周辺部の側面構成図
【図9】(a)本発明にかかる実施の形態1におけるトラクタのキャビン周辺部のフレーム部分を示す斜視構成図、(b)本発明にかかる実施の形態1における第2取り付け部の側面構成図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の作業車両の一例であるトラクタについて説明する。
【0018】
(実施の形態1)
以下に、本発明にかかる実施の形態1におけるトラクタについて説明する。
【0019】
図1は、本実施の形態1のトラクタの全体を示す右側面構成図である。本実施の形態1のトラクタ1は、左右の側面の前側に設けられた前輪2と、左右の側面の後側に設けられた後輪3とを備えている。本実施の形態1のトラクタ1の前部分はボンネット4によって覆われており、その内側にはエンジン5が搭載されている。このエンジン5の動力を前輪2、後輪3、連結される作業機などに伝達するためのミッションケース6が設けられており、ミッションケース6の上方であって、ボンネット4の後側には、座席等を覆うようにキャビン10が設けられている。又、キャビン10の後側上部には、キャビン10の室内を空調するための空調ユニット7(後述)が収納されている空調ユニット収納部8が設けられている。
【0020】
次に、キャビン10の構成について説明する。
【0021】
図2は、キャビン10を示す斜視構成図である。図2に示すように、キャビン10は、前後左右に透明窓が設けられており、前方に設けられた前方透明窓100と、右側方に設けられた右側方透明窓101と、左側方に設けられた左側方透明窓102と、後方に設けられた後方透明窓103とを備えている。また、キャビン10の上方には、天井部104が設けられている。尚、本発明の側方透明窓の一例は、本実施の形態の右側方透明窓101、左側方透明窓102に対応する。
【0022】
図3及び図4は、キャビン10の周辺部のフレーム部分のみを示した斜視構成図であり、図3は右斜め前方から視た図であり、図4は右後上方から視た図である。
【0023】
図2、図3及び図4に示すように、キャビン10は、前方透明窓100と右側方透明窓101の間に設けられ、前方透明窓100と右側方透明窓101を支持する右側前縦フレーム105と、前方透明窓100と左側方透明窓102の間に設けられ、前方透明窓100と左側方透明窓102を支持する左側前縦フレーム106と、後方透明窓103と右側方透明窓101の間に設けられ、後方透明窓103と右側方透明窓101を支持する右側後縦フレーム107と、後方透明窓103と左側方透明窓102の間に設けられ、後方透明窓103と左側方透明窓102を支持する左側後縦フレーム108とを備えている。更に、前方透明窓100の上端100sと天井部104の間に設けられており、右側前縦フレーム105と左側前縦フレーム106とを連結する前横フレーム109と、右側方透明窓101の上端101sと天井部104の間に設けられており、右側前縦フレーム105と右側後縦フレーム107とを連結する右側前後フレーム110と、左側方透明窓102の上端102sと天井部104の間に設けられており、左側前縦フレーム106と左側後縦フレーム108とを連結する左側前後フレーム111が設けられている。
【0024】
ここで、図3に示すように、前横フレーム109は、右側前後フレーム110及び左側前後フレーム111よりも位置が高くなるように配置されている。詳しく説明すると、前横フレーム109の下端109aが、右側前後フレーム110の下端110a及び左側前後フレーム111の下端111aよりも高い位置に設けられている。
【0025】
又、図3に示すように右側前後フレーム110及び右側後縦フレーム107の連結部分と、左側前後フレーム111及び左側後縦フレーム108の連結部分の間には、後横フレーム112が設けられている。この後横フレーム112は、図3及び図4に示すように、上側後横フレーム112aと、下側後横フレーム112bを有している。そして、上側後横フレーム112aは、右側前後フレーム110と左側前後フレーム111の間を連結し、下側後横フレーム112bは、右側後縦フレーム107と左側後縦フレーム108の間を連結している。
【0026】
尚、右側方透明窓101は、図2〜図4に示すように、前部101aと後部101bに分けられており、この前部101aと後部101bの間には、前部101aと後部101bを支持するために右側中間縦フレーム113が設けられている。この右側中間縦フレーム113は、右側前後フレーム110と連結されている。又、左側方透明窓102も、前部102aと後部102bに分けられており、前部102aと後部102bの間には、前部102aと後部102bを支持するために左側中間縦フレーム114が設けられている。この左側中間縦フレーム114は左側前後フレーム111と連結されている。これら前部101a、102aの少なくとも一方が、運転者が乗降するドアを構成する。
【0027】
尚、上記右側前縦フレーム105の下端、右側中間縦フレーム113の下端、右側後縦フレーム107の下端、左側後縦フレーム108の下端、左側中間縦フレーム114の下端、及び左側前縦フレーム106の下端の間は、それぞれフレームによって連結されている。又、キャビン10の左右後側には、後輪3が配置されるため、右側面前縦フレーム105の下端、右側中間縦フレーム113の下端、右側後縦フレーム107の下端のそれぞれ繋ぐフレームは、後輪3を覆うように形成されている。左側前縦フレーム106の下端、左側中間縦フレーム114の下端、及び左側後縦フレーム108の下端のそれぞれを繋ぐフレームも同様に後輪3を覆うように形成されている。
【0028】
尚、本発明の2本の縦フレームの一例は、本実施の形態の右側前縦フレーム105と左側前縦フレーム106に対応する。本発明の2本の後縦フレームの一例は、本実施の形態の右側後縦フレーム107と左側後縦フレーム108に対応する。本発明の2本の前後フレームの一例は、本実施の形態の右側前後フレーム110と左側前後フレーム111に対応する。
【0029】
次に空調ユニット収納部8及び空調ユニット7について説明する。
【0030】
図5は、キャビン10及び空調ユニット収納部8の内側の構造を示すための平面構成図である。図1に示すように天井部104はキャビン10と空調ユニット収納部8を覆っており、図5は、天井部104を取り外した状態の図である。図5に示すように、キャビン10内には、作業者が座るための座席120が設けられており、空調ユニット収納部8には、空調ユニット7が設けられている。尚、図示していないが、キャビン10内には、トラクタを動かすための操作パネル、ハンドルなどが設けられている。
【0031】
図1及び図5に示すように、空調ユニット収納部8は、天井部104の一部と、空調ユニット下カバー81によって形成されている。この空調ユニット下カバー81は、図4に示すように、その前側の右側方の端部分81a、及び左側方の端部分81bにおいて、右側後縦フレーム107と左側後縦フレーム108に固定されている。更に、下側後横フレーム112bには、後方に向かって突出するように2つの支持部材115a、115bが設けられており、空調ユニット下カバー81は、支持部材115a、115bに溶接によって固定されている。更に、空調ユニット下カバー81は、その前側の端部81sで下側後横フレーム112bと溶接されて固定されている。
【0032】
一方、上側後横フレーム112aには、後方に向かって突出するように2つのブラケット116a、116bが設けられており、この2つのブラケット116a、116bの上側に、空調ユニット7が設置され、ネジ等によって固定される。
【0033】
図6(a)は空調ユニット7の平面構成図であり、図6(b)は空調ユニット7の正面構成図であり、図6(c)は空調ユニット7の背面構成図であり、図6(d)は空調ユニット7の右側面構成図である。
【0034】
空調ユニット7には、外気を取り込み、室内に供給するためのブロアを動作させるブロアモータ、冷媒熱交換器、ヒータコアなどが設けられている。又、熱交換された外気を室内に送り込む吹き出し口70が設けられている。
【0035】
この空調ユニット7によって調整された空気をキャビン10の室内に送り込む空調ダクト130a、130bが吹き出し口70と繋がって設けられている。
【0036】
次に、空調ダクト130a、130bの構成について説明する。
【0037】
図7は、キャビン10の内部を後下方から視た構成図である。又、図8は、キャビン10の右側面構成図であり、説明のために右側前後フレーム110及び空調ダクト130aが省略されている。
【0038】
空調ダクト130bは、図8に示すようにキャビン10の天井部104に沿い、且つ図5に示すようにキャビン10の左側面に沿って後方から前方に向かって配置されている。そして、図5に示すように、空調ダクト130bには、キャビン10の前面側において右側面側に曲がるように屈曲部131bが形成されている。そして、図5、7、8に示すようにキャビン10の室内に空気を送り込むための3つの送風口132b、133b、134bが空調ダクト130bの下面に形成されている。尚、図5では、送風口132b、133b、134bは点線で示されており、図8では、送風口132b、133bは点線で示されている。送風口132b、133bは、空調ダクト130bの、前後方向に形成されている部分に設けられており、送風口134bは空調ダクト130bの先端部分、すなわち、右側面側に曲がった先端部分に設けられている。尚、上記屈曲部131aにおけるダクト径は、その前後におけるダクト径よりも狭くなっている。このようにダクト径を狭くする構成とすることにより、先端部分に形成されている送風口134aからの空気の噴出圧力を保つことが出来る。
【0039】
一方、空調ダクト130aは、キャビン10の天井部104及び右側面に沿って後方から前方に向かって配置されている。そして、図5に示すように、空調ダクト130aには、キャビン10の前面側において左側面側に曲がるように屈曲部131aが設けられている。そして、キャビン10の室内に空気を送り込むための3つの送風口132a、133a、134aが空調ダクト130aの下面に形成されている。尚、図5では、送風口132b、133b、134bは点線で示されている。送風口132a、133aは、空調ダクト130aの、前後方向に形成されている部分に設けられており、送風口134aは、空調ダクト130aの先端部分、すなわち、左側面側に曲がった先端部分に設けられている。尚、上記屈曲部131aにおけるダクト径は、その前後におけるダクト径よりも狭くなっている。このようにダクト径を狭くする構成とすることにより、先端部分に形成されている送風口134aからの空気の噴出圧力を保つことが出来る。
【0040】
このように、空調ダクト130aと空調ダクト130bは、左右対称になるように配置されている。
【0041】
又、図5及び図7に示すように、上記空調ダクト130aの屈曲部131aに隣接した内側の空間には、オーディオユニット121が設けられている。一方、上記空調ダクト130bの屈曲部131bに隣接した内側の空間には、空調ユニット7を操作するための操作パネルユニット122が設けられている。
【0042】
これらオーディオユニット121及び操作パネルユニット122の固定について以下に説明する。
【0043】
図9(a)は、キャビン10の周辺部のフレーム部分のみを示した斜視構成図であり、右前上方から視た図である。図9(a)に示すように、右側前後フレーム110から左側前後フレーム111に渡ってステー123が配置されており、ステー123には、操作パネルユニット122を取り付けるための第1取り付け部124と、オーディオユニット121を取り付けるための第2取り付け部125が設けられている。そして、図7に示すように、第1取り付け部124に操作パネルユニット122が取り付けられ、第2取り付け部125にオーディオユニット121が取り付けられている。
【0044】
そして、図7に示すように、操作パネルユニット122の下面に第1ヒンジ部126が設けられている。一方、第2取り付け部125は、図9(b)に示すように側面視L字形状の部材であり、オーディオユニット121が矢印方向に嵌め込まれる開口部125bを有している。そして、図5に示すように、第2取り付け部125の下面125aに第2ヒンジ部127が取り付けられている。
【0045】
これら第1ヒンジ部126及び第2ヒンジ部127にサンバイザー128が取り付けられており、サンバイザー128は、第1ヒンジ部126、第2ヒンジ部127によって回動可能に構成されている。図8では、サンバイザー128が上方に回動された状態が示されている。尚、ステー123は、例えば、図3〜図5では省略されている。
【0046】
以上のように、本実施の形態1のトラクタでは、空調ユニット7をキャビン10の後側上方に設置するとともに、前横フレーム109の下端109aが、右側前後フレーム110の下端110a及び左側前後フレーム111の下端111aよりも高い位置に設定されていることによって、前上方に対する視認性を向上させることが出来る。
【0047】
又、ダクト径が狭くなることによって生じるスペース(屈曲部131a、131bの内側隣接空間)にオーディオユニット121と操作パネルユニット122を配置することによって、これらの器具の配置による視認性の悪化を防ぎ、スペースの有効利用を図ることが出来る。
【0048】
尚、上記実施の形態では、前上方の視認性を向上させるために、前横フレーム109の下端109aが、右側前後フレーム110の下端110a及び左側前後フレーム111の下端111aよりも高い位置に設けられていると説明したが、要するに、前方透明窓100の上端100sが、右側方透明窓101の前側の上端の位置101pと、左側方透明窓102の前側の上端の位置102pよりも高くなっておりさえすればよい。すなわち、例えば前横フレーム109、右側前後フレーム110、及び左側前後フレーム111等が設けられていない場合であっても、前方透明窓100の上端が、右側方透明窓101及び左側方透明窓102の上端の位置よりも高くなっておりさえすれば、前上方の視認性を向上することが出来る。図2において、前方透明窓100の上端が100sで示されており、右側方透明窓101の前側の上端の位置が、101pで示されており、左側方透明窓102の前側の上端の位置が、102pで示されている。
【0049】
又、上記実施の形態では、右側前後フレーム110及び左側前後フレーム111は、実質上水平に配置されているが、前側もしくは後側が高くなるように形成されていてもよい。
【0050】
又、上記実施の形態では、第1ヒンジ部126が操作パネルユニット122の下面に取り付けられていたが、第1取り付け部124が、第2取り付け部125のように操作パネルユニット122の下面を覆うように形成されており、第1取り付け部124の下面に第1ヒンジ部126が取り付けられていても良い。このような構成の第1取り付け部1240が、図9(a)に仮想線(二点鎖線)で示されている。
【0051】
又、上記実施の形態では、第2ヒンジ部127は、第2取り付け部125の下面に取り付けられていたが、オーディオユニット121の下面に直接取り付けられていても良い。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明のキャビンは、前上方に対する視認性を向上させることが可能な効果を有し、作業車両等のキャビンとして有用である。
【符号の説明】
【0053】
1 トラクタ
2 前輪
3 後輪
4 ボンネット
5 エンジン
6 ミッションケース
7 空調ユニット
8 空調ユニット収納部
10 キャビン
70 吹き出し口
81 空調ユニット収納部下カバー
100 前方透明窓
101 右側方透明窓
102 左側方透明窓
103 後方透明窓
104 天井部
105 右側前縦フレーム
106 左側前縦フレーム
107 右側後縦フレーム
108 左側後縦フレーム
109 前横フレーム
110 右側前後フレーム
111 左側前後フレーム
112 後横フレーム
113 右側中間縦フレーム
114 左側中間縦フレーム
115a、115b 支持部材
116a、116b ブラケット
120 座席
121 オーディオユニット
122 操作パネルユニット
123 ステー
124 第1取り付け部
125 第2取り付け部
126 第1ヒンジ部
127 第2ヒンジ部
128 サンバイザー
130a、130b 空調ダクト
131a、131b 屈曲部
132a、132b、133a、133b、134a、134b 送風口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
後側上部に空調ユニットが設けられる、作業車両のキャビンであって、
前方に設けられた前方透明窓と、
両側方に、それぞれ設けられた側方透明窓とを備え、
前記前方透明窓は、その上端の位置が、それぞれの前記側方透明窓の前側の上端の位置よりも高くなるように形成されている、キャビン。
【請求項2】
後方に設けられた後方透明窓と、
前記前方透明窓とそれぞれの前記側方透明窓の間に設けられ、前記前方透明窓及び前記側方透明窓を支持する2本の前縦フレームと、
前記後方透明窓とそれぞれの前記側方透明窓の間に設けられ、前記後方透明窓及び前記側方透明窓を支持する2本の後縦フレームと、
それぞれの前記側方透明窓の上端と天井部の間に設けられ、前記前縦フレームと前記後縦フレームの間を連結する2本の前後フレームと、
前記前方透明窓の上端と天井部の間に設けられ、2本の前縦フレームの間を連結する前横フレームとを備え、
前記前横フレームは、前記前後フレームよりも高くなるように配置されている、請求項1記載のキャビン。
【請求項3】
前記天井部の両側方側のそれぞれに、後方から前方に向かって設けられた、前記空調ユニットからの空気をキャビン室内に案内する2本の空調ダクトと、
前記空調ユニットを操作するための操作パネルユニットと、
オーディオユニットとを備え、
それぞれの前記空調ダクトは、その前部に内側に向かって屈曲する屈曲部を有し、
前記屈曲部におけるダクト径は、その前後の部分のダクト径より狭くなっており、
一方の前記空調ダクトの前記屈曲部の内側に隣接する空間に前記操作パネルユニットが設けられ、
他方の前記空調ダクトの前記屈曲部の内側に隣接する空間に前記オーディオユニットが設けられている、請求項2記載のキャビン。
【請求項4】
2本の前記前後フレーム間に設けられたステーと、
前記ステーの中央より、一方の側面よりに設けられ、前記操作パネルユニットが固定された第1取り付け部と、
前記ステーの中央より、他方の側面よりに設けられ、前記オーディオユニットが固定された第2取り付け部と、
前記第1取り付け部又は前記操作パネルユニットの下側に設けられた第1ヒンジ部と、
前記第2取り付け部又は前記オーディオユニットの下側に設けられた第2ヒンジ部と、
前記第1ヒンジ部及び前記第2ヒンジ部に取り付けられたサンバイザーとを備えた、請求項3記載のキャビン。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−176683(P2012−176683A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−40489(P2011−40489)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】