説明

キャブとフロアフレームの締結構造

【課題】キャブとフロアフレームの取付面におけるボルト挿通孔の寸法精度を高めることなく、それら両者を容易に締結する。
【解決手段】側部プレート10と、この側部プレート10の上面に固着される強度部材13とに囲まれる内部空間に、ボルト27に対応する裏ナット32bを有する可動プレート32を配し、強度部材13の挿通孔33に挿通されたボルト27を裏ナット32bに螺着することにより可動プレート32を介してキャブの側下部窓枠20と強度部材13とを固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転室の上部を構成するキャブと、運転室の下部を構成するフロアフレームとを締結ボルトにより固定するキャブとフロアフレームの締結構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ブルドーザのような作業車両において、運転室は、車両前部の低床部分と、車両後部の高床部分とを縦板等の接続部を介して側面視でステップ状に繋いで形成したフロアフレームと、このフロアフレームの上面にボルト締結により固定されるキャブとよりなり、前記フロアフレームとその下方に配される車体フレームとの間に防振マウント装置が取り付けられることにより、車体フレームに対して弾性支持されるように構成されている(特許文献1参照)。
【0003】
ここで、キャブとフロアフレームとの締結構造としては、フロアフレームの上部内面に裏ナットを溶着するとともに、この裏ナットに対応してフロアフレームの上面にボルト挿通孔を形成し、キャブ側の部材に形成されたボルト挿通孔とフロアフレームに形成されたボルト挿通孔に締結ボルトを挿通して、この締結ボルトを前記裏ナットに螺着することで、キャブとフロアフレームとを固定するようにされている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−138512号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、キャブとフロアフレームとは多数個のボルトで締結され、しかもそれら両者の取付面が前述のように一平面ではなく段付きの平面であるため、板金加工時や溶接時の歪み等に起因して、キャブ側の部材に形成されたボルト挿通孔とフロアフレームに形成されたボルト挿通孔、言い換えれば裏ナットとの位置が合わなくなる場合がある。このため、キャブをフロアフレームに組み付ける際に両ボルト挿通孔の位置合わせ作業が極めて煩雑な作業となることから、従来は、これらボルト挿通孔の位置および寸法を高精度に仕上げることが要求されていた。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、キャブとフロアフレームの取付面におけるボルト挿通孔の位置および寸法精度を高めることなく、それら両者を容易に締結することのできるキャブとフロアフレームの締結構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、第1発明によるキャブとフロアフレームの締結構造は、
運転室の上部を構成するキャブと、運転室の下部を構成するフロアフレームとを締結ボルトにより固定するキャブとフロアフレームの締結構造において、
前記締結構造の少なくとも一部に、メインフレームと、このメインフレームの上面に固着され、前記メインフレームの上面との間で空間を形成する平面部を有するとともに、前記平面部に前記締結ボルト挿通用の挿通孔を有するサブフレームとを備え、前記空間に雌ねじ部を有する可動プレートを配し、前記挿通孔に挿通された締結ボルトを前記雌ねじ部に螺着することにより前記可動プレートを介して前記キャブと前記サブフレームとを固定することを特徴とするものである。
【0008】
また、第2発明によるキャブとフロアフレームの締結構造は、
運転室の上部を構成するキャブと、運転室の下部を構成するフロアフレームとを締結ボルトにより固定するキャブとフロアフレームの締結構造において、
前記締結構造の少なくとも一部に、前記締結ボルト挿通用の挿通孔を有するメインフレームと、このメインフレームの下面に固着され、前記メインフレームの下面との間で空間を形成する平面部を有するサブフレームとを備え、前記空間に雌ねじ部を有する可動プレートを配し、前記挿通孔に挿通された締結ボルトを前記雌ねじ部に螺着することにより前記可動プレートを介して前記キャブと前記サブフレームとを固定することを特徴とするものである。
【0009】
さらに、第3発明によるキャブとフロアフレームの締結構造は、
運転室の上部を構成するキャブと、運転室の下部を構成するフロアフレームとを締結ボルトにより固定するキャブとフロアフレームの締結構造において、
前記締結構造の少なくとも一部に、前記締結ボルト挿通用の挿通孔を有するメインフレームを備え、このメインフレームの下方に雌ねじ部を有する可動プレートを配するとともに、前記可動プレートの落下を規制するサブフレームを前記メインフレームに固着し、前記挿通孔に挿通された締結ボルトを前記雌ねじ部に螺着することにより前記可動プレートを介して前記キャブと前記メインフレームとを固定することを特徴とするものである。
【0010】
前記各発明において、前記メインフレームは、前記フロアフレームの後部に左右方向に配される後部プレートと、この後部プレートの左右各端部から前方へ向けてそれぞれ配される側部プレートとにより構成されるのが好ましい。
【0011】
また、前記可動プレートが少なくとも2個設けられるのが好ましい。
【0012】
さらに、前記各発明において、前記可動プレートに設けられる雌ねじ部が少なくとも2個設けられるのが好ましい。
【0013】
また、前記雌ねじ部は、前記可動プレートの裏面に固着される裏ナットであるのが良い。
【発明の効果】
【0014】
前記第1発明〜第3発明によれば、板金加工時や溶接時の歪み等に起因して、キャブ側の部材に形成されたボルト挿通孔とフロアフレームに形成されたボルト挿通孔との位置が多少ずれていたとしても、締結ボルトの位置に合わせて可動プレートを移動させて、その可動プレートの雌ねじ部の位置を締結ボルトの位置に合わせることができる。したがって、キャブをフロアフレームに組み付ける際の両ボルト挿通孔の位置合わせ作業が極めて容易となり、組み付け作業の簡素化が図れる。また、これに伴って、ボルト挿通孔の位置および寸法精度を低くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明によるキャブとフロアフレームの締結構造の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0016】
図1には、本発明の一実施形態に係る運転室の分解斜視図が示され、図2には、キャブとフロアフレームの組み付け状態での縦断面図が示されている。また、図3には、可動プレートの斜視図(a)およびその組み付け状態説明図(b)が、図4には、図2のA−A線断面図が、図5には、図2のB−B線断面図が、それぞれ示されている。本実施形態は、ブルドーザの運転室に適用された例を示すものである。
【0017】
本実施形態において、運転室1は、その運転室1の底部を覆うフロアフレーム2と、締結ボルトにより前記フロアフレーム2の上方に固定されるキャブ3とを備えて構成されている。
【0018】
前記フロアフレーム2は、前部に配される低床の足元フロアフレーム4と、この足元フロアフレーム4の後部に段上がり状に配される高床の運転席フロアフレーム5と、これら足元フロアフレーム4と運転席フロアフレーム5とを繋ぐ左右の連結フレーム6とを備えたプレート構成からなっている。なお、このフロアフレーム2は、足元フロアフレーム4の前部および運転席フロアフレーム5の後部がそれぞれ防振マウント装置(図示せず)を介して下方に配される作業車両の車体を形成する車体フレーム(図示せず)に弾性的に支持される。
【0019】
前記足元フロアフレーム4は、前部に左右方向に配される前部プレート部7と、この前部プレート部7の両端部からそれぞれ後方へ向けて配される側部プレート部8,8とが後方に向けて開口するように略C字形状に一体成形され、側部プレート部8,8の下面に厚肉の補強プレート9(図5参照)が溶着されて構成されている。前部プレート部7および側部プレート部8,8の上面が、それぞれ後述のキャブ3の前壁25および下部ドア枠23,23の下面位置に対応した取付面(下部取付面)を形成している。なお、前記側部プレート部8,8の後端部には、プレートと断面略U字状の強度部材とが溶着されてなる前記連結フレーム6,6が立設される。
【0020】
一方、前記運転席フロアフレーム5は、前記連結フレーム6のプレートに連設されて前後方向に配される側部プレート10,10と、これら側部プレート10,10の後端部を相互に連結するように左右方向に配される後部プレート11とが、前方へ向けて開口するように略反転C字状に組み合わされてなるメインフレームを有するとともに、このメインフレーム(側部プレート10、後部プレート11)の内縁部から垂下するように装着される運転席囲いプレート12を有している。ここで、前記側部プレート10、後部プレート11および運転席囲いプレート12は、運転室1の周囲に配される燃料タンク等の機器を覆うカバープレートとしての機能も有している。
【0021】
前記メインフレームとしての側部プレート10,10および後部プレート11の上面には、断面略逆U字状の強度部材13,13;14で構成されるサブフレームが溶着される(図4参照)。これによって運転席フロアフレーム5の箱型構造が不用意に変形しないように剛性を持たせた構造にされている。こうして、前記強度部材13,13;14の上面が、それぞれ後述のキャブ3の側下部窓枠20,20および後下部窓枠21の下面位置に対応した取付面(上部取付面)となる平面部を形成し、前記平面部と前記メインフレームとの間には空間が形成される。なお、前記サブフレームは、断面矩形のパイプ材としても良い。
【0022】
このようなフロアフレーム2に対して、前記キャブ3は、運転室1の前部左右に設けられる一対の前部支柱15,15と、運転室1の後部左右に設けられる一対の後部支柱16,16と、左側および右側における前部支柱15と後部支柱16との間に上下方向に設けられる中間支柱17,17と、これら前部支柱15,15、後部支柱16,16および中間支柱17,17の上端部に一体に設けられ運転室1全体を覆う六角形状の屋根部18とを備えている。ここで、前部支柱15,15は、上端部および下端部に対して中間部がやや前に出るようにその中間部で屈曲するように形成されている。
【0023】
左右の中間支柱17,17の上端部および中間部と、それに対向する後部支柱16,16の上端部および下端部とは、それぞれ前後方向に側上部窓枠19,19および側下部窓枠20,20にて接続され、左右の後部支柱16,16間の上端部および下端部同士は、それぞれ左右方向に後上部窓枠(図に表われていない)および後下部窓枠21にて接続されている。また、左右の前部支柱15,15の上端部および下端部と、それに対向する中間支柱17,17の上端部および下端部とは、それぞれ上部ドア枠22,22および下部ドア枠23,23にて接続されている。さらに、左右の前部支柱15,15間の上端部同士は左右方向に前上部窓枠24にて接続されるとともに、これら前部支柱15,15間の下部には左右方向に前壁25が設けられている。
【0024】
このように構成されているキャブ3とフロアフレーム2とは、下部取付面である足元フロアフレーム4の前部プレート部7および側部プレート部8,8の上面に、キャブ3の前壁25および下部ドア枠23,23の下面をそれぞれ接当させてボルト26(図5参照)により締結されるとともに、上部取付面である運転席フロアフレーム5の強度部材13,13;14の上面に、キャブ3の側下部窓枠20,20および後下部窓枠21の下面をそれぞれ接当させてボルト27(図4参照)により締結されることにより固定される。
【0025】
フロアフレーム2の下部取付面とキャブ3との締結部の構造について、図5を用いて説明する。側部プレート部8,8の下面に溶着された補強プレート9にはタップ孔28が設けられるとともに、このタップ孔28に対応する側部プレート8,8にはボルト挿通孔29が設けられる。一方、キャブ3の下部ドア枠23,23は、断面略逆U字状に形成されるとともに、締付工具挿入用の挿通孔30が設けられる。下部ドア枠23,23は、スペーサ31を介してボルト26をタップ孔28に螺合させて締付工具にて締め付けることにより足元フロアフレーム4に固定される。なお、前部プレート部7に対してはキャブ3の前壁25の下端部がボルト固定される。
【0026】
一方、フロアフレーム2の上部取付面とキャブ3との締結部においては、この上部取付面が前記下部取付面に対して段付き面であることから、板金加工時や溶接時の歪み等に起因して、キャブ3の側下部窓枠20,20および後下部窓枠21に形成されたボルト挿通孔と運転席フロアフレーム5の強度部材13,13;14に形成されたボルト挿通孔との位置が合わなくなる場合があることから、本実施形態では、図3に示されるような可動プレート32を用いて両者の締結が行われるようにされている。以下、この締結構造について説明する。なお、以下の説明では、運転席フロアフレーム5の右側の強度部材13とそれに対応するキャブ3の側下部窓枠20との締結構造を中心に説明するが、運転席フロアフレーム5の左側の強度部材13および後部の強度部材14と、それにそれぞれ対応する側下部窓枠20および後下部窓枠21との締結構造についても同様である。
【0027】
図3、図4に示されるように、前記強度部材13の上面の平面部13aには多数のボルト挿通孔33が設けられるとともに、このボルト挿通孔33に対応するように前記側下部窓枠20にもボルト挿通孔34が設けられ、これら両者のボルト挿通孔33,34を位置合わせしつつ、強度部材13の上面に側下部窓枠20の下面を接当させてそれらボルト挿通孔33,34にボルト27が挿通される。
【0028】
前記ボルト27による強度部材13と側下部窓枠20との締結を可能とするため、前記側部プレート(メインフレーム)10と前記強度部材(サブフレーム)13とに囲まれる内部空間に可動プレート32が配される。この可動プレート32は、強度部材13の長さよりもやや短い長さで、強度部材13の内側面間の間隔よりやや短い幅を有するプレート本体32aと、このプレート本体32aの裏面にボルト挿通孔33,34のピッチと同ピッチで固着された複数個(図3の例では7個)の裏ナット32bと、前記プレート本体32aの裏面の両端部寄りの位置にそれぞれ固着された落ち防止プレート32cとを備えるとともに、前記裏ナット32bの固着位置に対応してプレート本体32aにボルト挿通孔32dを有する構成とされている。ここで、前記落ち防止プレート32cの長さ(プレート本体32aの幅方向の長さ)は、プレート本体32aの幅よりもやや長く、強度部材13の内側面間の間隔よりやや短い長さにされ、またその落ち防止プレート32cの高さは、図4に示されるように強度部材13と側下部窓枠20との締結状態において、側部プレート10の上面からやや浮き上がる状態となるような高さにされている。このような落ち防止プレート32cが設けられていることによって、強度部材13と側下部窓枠20とを締結する際に、可動プレート32が側部プレート10上に落ちてボルト27が届かなくなるのを防止することができる。
【0029】
以上のような構成の可動プレート32は、キャブ3をフロアフレーム2に締結するに際して、予め側部プレート10と強度部材13とに囲まれる内部空間に挿入される。そして、側下部窓枠20を強度部材13に締結するには、可動プレート32を適宜移動させて強度部材13のボルト挿通孔33と可動プレート32のボルト挿通孔32dとを位置合わせし、側下部窓枠20のボルト挿通孔34および強度部材13のボルト挿通孔33に挿通したボルト27を可動プレート32のボルト挿通孔32dに挿通し、ボルト27を締め付けることによってそのボルト27の雄ねじ部を裏ナット32bの雌ねじ部に螺着させる。こうして、キャブ3側のボルト取付け位置に対して強度部材13のボルト挿通孔33が多少ずれていたとしても、可動プレート32をそのボルト取付け位置に合わせて追従させることができる。したがって、キャブ3側のボルト取付け部の寸法精度を低くすることができる。なお、可動プレートに雌ねじ部が2箇所以上設けてある場合には、1つのボルトを螺着させる場合に、他のボルト挿通孔より可動プレートを臨むことができ、容易に可動プレートの位置合わせを行うことができる。そのため、可動プレートに設ける雌ねじ部は2箇所以上あることが望ましい。
【0030】
本実施形態においては、側部プレート10と断面略逆U字状の強度部材13とに囲まれる内部空間に可動プレート32を挿入するようにしたものを説明したが、図6(a)に示されるように、強度部材13Aを断面略U字状に形成するとともに、この強度部材13Aを側部プレート10Aの裏面側に配し、この側部プレート10Aにボルト挿通孔35を設けて、このボルト挿通孔35に挿通されたボルト27を裏ナット32bに螺着することにより可動プレート32を介してキャブ3と側部プレート(メインフレーム)10Aとを固定するようにしても良い。なお、強度部材13Aは断面略矩形のパイプとしても良い。
【0031】
また、図6(b)に示されるように、側部プレート10Bを厚肉にして強度部材を廃するとともに、側部プレート10Bの裏面に断面鉤型のサブフレーム36を設け、このサブフレーム36にて可動プレート32Aの落下を規制するようにし、側部プレート10Bに設けたボルト挿通孔37に挿通されたボルト27を裏ナット32bに螺着することにより可動プレート32Aを介してキャブ3と側部プレート(メインフレーム)10Bとを固定するようにしても良い。尚、この例のように構成した場合には、可動プレート32に設けていた落ち防止プレート32cは不要となる。
【0032】
また、前記各実施形態では、可動プレート32,32Aの裏面に裏ナット32bを固着することにより雌ねじ部を形成したものを説明したが、この雌ねじ部は可動プレート32,32A自身にタップ孔を設けることにより形成しても良い。
【0033】
前記実施形態においては、フロアフレーム2の上部取付面とキャブ3との締結部に可動プレート32,32Aを用いた締結構造を採用したものを説明したが、フロアフレーム2の上部取付面を固定のボルト−ナットによる締結構造にし、フロアフレームの下部取付面を可動プレートを用いた締結構造にする実施形態も可能である。また、上部取付面の一部と下部取付面の一部を同締結構造としても良い。
【0034】
また、上述の説明では上部取付面における一対の側部プレート10,10および後部プレート11に対応して可動プレート32,32Aを設けるものについて説明したが、この可動プレート32,32Aは、側部プレートおよび後部プレートの3辺全てに設ける必要はなく、必要に応じて1辺のみであっても、あるいは2辺であっても良い。また、一つの辺の全長にわたって設けずに、その一部に同構造を用いることもできる。
【0035】
また、前記可動プレート32,32Aに取り付けられる裏ナット32bの個数は全てのボルト挿通孔33に対応させる必要はなく、少なくとも2個設けることで所望の効果を得ることができる。
【0036】
前記実施形態では、下部取付面および上部取付面からなる段付き構成のフロアフレームを有する車両に適用したものを説明したが、本発明は、フラットな構成のフロアフレームに対しても適用できるのは言うまでもない。
【0037】
前記実施形態では、ブルドーザの運転室に適用したものを説明したが、本発明は、他の建設機械および作業車両の運転室に対しても同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施形態に係る運転室の分解斜視図
【図2】キャブとフロアフレームの組み付け状態での縦断面図
【図3】可動プレートの斜視図(a)およびその組み付け状態説明図(b)
【図4】図2のA−A線断面図
【図5】図2のB−B線断面図
【図6】締結構造の他の実施形態を示す断面図
【符号の説明】
【0039】
1 運転室
2 フロアフレーム
3 キャブ
4 足元フロアフレーム
5 運転席フロアフレーム
10,10A,10B 側部プレート(メインフレーム)
11 後部プレート(メインフレーム)
13,14 強度部材(サブフレーム)
27 ボルト
32 可動プレート
32b 裏ナット
32c 落ち防止プレート
32d,33,34 ボルト挿通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転室の上部を構成するキャブと、運転室の下部を構成するフロアフレームとを締結ボルトにより固定するキャブとフロアフレームの締結構造において、
前記締結構造の少なくとも一部に、メインフレームと、このメインフレームの上面に固着され、前記メインフレームの上面との間で空間を形成する平面部を有するとともに、前記平面部に前記締結ボルト挿通用の挿通孔を有するサブフレームとを備え、前記空間に雌ねじ部を有する可動プレートを配することを特徴とするキャブとフロアフレームの締結構造。
【請求項2】
運転室の上部を構成するキャブと、運転室の下部を構成するフロアフレームとを締結ボルトにより固定するキャブとフロアフレームの締結構造において、
前記締結構造の少なくとも一部に、前記締結ボルト挿通用の挿通孔を有するメインフレームと、このメインフレームの下面に固着され、前記メインフレームの下面との間で空間を形成する平面部を有するサブフレームとを備え、前記空間に雌ねじ部を有する可動プレートを配することを特徴とするキャブとフロアフレームの締結構造。
【請求項3】
運転室の上部を構成するキャブと、運転室の下部を構成するフロアフレームとを締結ボルトにより固定するキャブとフロアフレームの締結構造において、
前記締結構造の少なくとも一部に、前記締結ボルト挿通用の挿通孔を有するメインフレームを備え、このメインフレームの下方に雌ねじ部を有する可動プレートを配するとともに、前記可動プレートの落下を規制するサブフレームを前記メインフレームに固着することを特徴とするキャブとフロアフレームの締結構造。
【請求項4】
前記メインフレームは、前記フロアフレームの後部に左右方向に配される後部プレートと、この後部プレートの左右各端部から前方へ向けてそれぞれ配される側部プレートとにより構成される請求項1〜3のいずれかに記載のキャブとフロアフレームの締結構造。
【請求項5】
前記可動プレートが少なくとも2個設けられる請求項1〜4のいずれかに記載のキャブとフロアフレームの締結構造。
【請求項6】
前記可動プレートに設けられる雌ねじ部が少なくとも2個設けられる請求項1〜5のいずれかに記載のキャブとフロアフレームの締結構造。
【請求項7】
前記雌ねじ部は、前記可動プレートの裏面に固着される裏ナットである請求項1〜6のいずれかに記載のキャブとフロアフレームの締結構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−170043(P2007−170043A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−369206(P2005−369206)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】