説明

キャブを備えた建設機械

【課題】キャブの変位を規制するための規制部材を、ボルトによりキャブ底部に固定されるストッパを用いて構成するにあたり、ボルト締結作業を容易に行なえるようにする。
【解決手段】ボルト18の下方に位置する旋回フレーム6の左側縁部に、ソケットレンチ19を旋回フレーム6の下方側から挿入してボルト18の締結作業を行なうための切欠き部6aを形成すると共に、該切欠き部6aを、ソケット19aを少なくとも90度回転させるレンチ19bの揺動を許容するべく、旋回フレーム6の左側端ほど拡開した扇形状に形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば油圧ショベル等のキャブを備えた建設機械の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建設機械のなかには、例えば油圧ショベルのように、下部走行体に旋回自在に支持される上部旋回体を具備すると共に、該上部旋回体の基台となる旋回フレームに、オペレータの運転室となるキャブを搭載したものがある。この様な建設機械において、キャブは、機体からキャブに伝わる振動や騒音を低減するべく、防振マウントを介して旋回フレームに支持されるのが一般的であるが、さらに、万一機体が転倒したような場合に前記防振マウントが破損してキャブが旋回フレームから外れてしまうことを防止するため、防振マウントの近傍に、該防振マウントの延び方向に対してキャブに所定の変位が生じたときにその変位を規制する規制部材を設けた技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このものでは、規制部材は、キャブの底部に固定されたストッパ部材と、防振マウントが取付けられた支持フレーム(後支持枠)に設けられたストッパ受部(受板)とを用いて構成されると共に、ストッパ部材は、前記ストッパ受部に形成された貫通孔よりも大径で、且つストッパ受部よりも下方に位置するストッパと、該ストッパをキャブに固定するべくストッパの下方側から挿入され前記貫通孔を貫通してキャブ底部に締結されるボルトとを具備している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−189089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記特許文献1のような規制部材を設ける場合、ストッパは、前述したように、ストッパの下方側から挿入されてキャブ底部に締結されるボルトによってキャブ底部に固定されることになるが、この場合のボルトの締結は、ソケットレンチ等のボルト締結具を用いて行なわれる。このため、ボルトの下方には、該ボルトにボルト締結具を係合してボルト締結作業を行なうためのスペースが必要となる。
一方、油圧ショベル等の建設機械の旋回フレームのなかには、一枚の平板によって旋回フレームの略全形が形成される平板状構造のものがある。この様な平板状の旋回フレームは、主に、小旋回型油圧ショベルのような小型の機種に採用されているが、該平板状の旋回フレームが用いられている建設機械に、前記特許文献1のような規制部材を設けようとした場合、ストッパは、旋回フレームの上面部とストッパ受部との中間部に位置することになり、このため、ストッパを固定するためのボルトと旋回フレーム上面部との間に、ボルト締結具を挿入してボルト締結作業を行うためのスペースが必要になる。しかるに、特に小型の機種にあっては、前記スペースを確保することが難しく、しかも、前記特許文献1のように、防振マウントが取付けられた支持フレームにストッパ受部を設けたものにおいては、規制部材の周辺部にスペースの余裕がないため、更にボルト締結作業を行なうためのスペースの確保が難しいという問題があり、ここに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、上部旋回体の基台となる平板状の旋回フレームに、防振マウントを介してキャブを支持してなる建設機械において、キャブが旋回フレームに対して離間する方向に予め設定される許容範囲を越えて変位することを規制するための規制部材を、キャブの底部左側に固定されるストッパ部材と、旋回フレームの上面部左側に固定されるストッパ受部とを用いて構成するにあたり、ストッパ受部は、キャブの左側を支持する防振マウントを取付支持するべく旋回フレームの上面部に固定されるマウント支持フレームに設けられると共に、ストッパ部材は、前記ストッパ受部に形成される貫通孔よりも大径で、且つ、旋回フレームの上面部とストッパ受部との中間部に位置するストッパと、該ストッパをキャブに固定するべくストッパの下方側から挿入され前記ストッパ受部の貫通孔を貫通してキャブの底部に締結されるボルトとを用いて形成される一方、前記ボルトの下方に位置する旋回フレームの左側縁部に、ボルト締結具を旋回フレームの下方側から挿入して前記ボルトの締結作業を行なうための切欠き部を形成したことを特徴とするキャブを備えた建設機械である。
請求項2の発明は、請求項1において、ボルト締結具は、ボルトの頭部に係合するソケットと、該ソケットを回転せしめるレンチとを備えたソケットレンチであると共に、旋回フレームの左側縁部に形成される切欠き部は、前記ソケットを少なくとも90度回転させるレンチの揺動を許容するべく、旋回フレームの左側端ほど拡開した扇形状に形成されることを特徴とするキャブを備えた建設機械である。
請求項3の発明は、請求項1または2において、ストッパ受部が設けられるマウント支持フレームは、旋回フレーム上面部に固設される補強プレートを介して旋回フレームに固定されると共に、前記補強プレートに、平面視において旋回フレームの切欠き部と同部位に同形状の切欠き部を形成したことを特徴とするキャブを備えた建設機械である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明とすることにより、規制部材を構成するストッパをキャブに固定するべくボルトを締結する場合には、ボルト締結具を旋回フレームの下方側から挿入してボルト締結作業を行なえることになり、而して、ストッパ受部がマウント支持フレームに設けられていて規制部材の周辺部にスペースの余裕がない場合や、ボルトと旋回フレームの上面部との間のスペースが狭い場合であっても、ボルト締結作業を容易に行なうことができる。さらに、切欠き部は旋回フレームの縁部に形成されるものであるから、既存の旋回フレームにも、構造や強度、コストに殆ど影響することなく実施することができ、汎用性に優れる。
請求項2の発明とすることにより、ボルトの締結作業中に側面視においてレンチが旋回フレームにオーバーラップしても、ソケットを少なくとも90度回転させてボルト締結作業を行うことができることになり、ボルト締結作業の作業性が向上する。
請求項3の発明とすることにより、補強のために旋回フレームの上面部とマウント支持フレームとの間に補強プレートが介装されていても、ボルト締結具を旋回フレームの下方側から挿入してボルト締結作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】油圧ショベルの側面図である。
【図2】旋回フレームの平面図である。
【図3】図3(A)は防振マウント及び規制部材が取付けられた第一マウント支持フレーム部分の平面図、図3(B)は図3(A)のX矢視図である。
【図4】図4(A)は図3(B)のX−X断面図、図4(B)は図3(B)のY−Y断面図である。
【図5】図5(A)は図3(B)のZ矢視図、図5(B)は防振マウントを省略した図3(B)の斜視図である。
【図6】ボルト締結作業中のソケットレンチの位置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図において、1は建設機械の一例である小旋回型の油圧ショベルであって、該油圧ショベル1は、クローラ式の下部走行体2、該下部走行体2に旋回自在に支持される上部旋回体3、該上部旋回体3に装着されるフロント作業機4等の各部から構成されており、さらに、上部旋回体3には、オペレータの運転室になるキャブ5が搭載されている。
【0009】
また、6は上部旋回体3の基台となる平板状の旋回フレームであって、該旋回フレーム6の前側左部には、キャブ5が配設されるキャブ配設部6Aが設けられている。さらに、該キャブ配設部6Aの右側には、前記フロント作業機4の基端部が取付けられる作業部取付部6Bが設けられる一方、該作業機取付部6Bの右方や後方、前記キャブ配設部6Aの後方には、図示しない燃料タンクや作動油タンク、エンジン、油圧ポンプ、ラジエータ等の各種機器装置が配設されるようになっている。
【0010】
前記キャブ配設部6Aには、キャブ5の四隅部を防振された状態で支持する四個の防振マウント8をそれぞれ取付支持するための第一〜第四マウント支持フレーム9A〜9Dが配置されている。これら第一〜第四マウント支持フレーム9A〜9Dのうち、キャブ5の左側後部を支持する防振マウント8を取付支持するための第一マウント支持フレーム9A(本発明のマウント支持フレームに相当する)は、旋回フレーム6の上面部に溶接等によって固設される補強プレート10を介して、旋回フレーム6の上面部左側に固定されている。尚、本実施の形態において、前記第一マウント支持フレーム9A及び補強プレート10の左側縁部は、旋回フレーム6の左側縁部よりも少し外方に突出している。また、本実施の形態では、防振マウント8として液体封入型ビスカスマウントが用いられているが、該液体封入型ビスカスマウントの構造は周知のものであるため、その説明は省略する。
【0011】
前記第一マウント支持フレーム9Aは、旋回フレーム6及び補強プレート10の上面部に対して平行な水平面部9aと、この水平面部9aの外周部から垂下して下端部が補強プレート10に溶接等により固定される脚辺部9bとから形成されるが、該脚辺部9bは、平面視において左側が開口した略コ字形状をしていて、旋回フレーム6の左方から補強プレート10の上面部と水平面部9aとの間を臨むことができるようになっている。一方、水平面部9aには、防振マウント8が取付けられるマウント取付部11が設けられると共に、後述する規制部材12を構成するストッパ受部13が設けられているが、該ストッパ受部13は、水平面部9aの左側端部に設けられている。
【0012】
前記規制部材12は、キャブ5が旋回フレーム6に対して離間する方向に予め設定される許容範囲を越えて変位することを規制するためのものであって、該規制部材12は、後述するストッパ部材14と、前記第一マウント支持フレーム9Aの水平面部9aに設けられたストッパ受部13とを用いて構成されるが、該ストッパ受部13の中心部には、貫通孔13aが開設されている。
【0013】
一方、前記ストッパ部材14は、キャブ側支持部材15(キャブ5の下枠材やキャブフロア等)を介してキャブ5の底部左側に固定されるものであって、該ストッパ部材14は、ストッパ16、スリーブ17、ボルト18等を用いて形成されている。上記ストッパ16は、ストッパ受部13の貫通孔13aよりも大径の円板状をしており、その中心部にはボルト18が挿入されるボルト挿入孔16aが形成されている。また、スリーブ17は、ストッパ受部13の貫通孔13aを遊嵌状に貫通して、前記キャブ側支持部材15とストッパ16との間に介装されるようになっている。さらにボルト18は、前記ストッパ16の下方側から挿入孔16aに挿入されてスリーブ17の筒内部17aを貫通し、前記キャブ側支持部材15に螺入締結されるようになっている。そして、ストッパ部材14をキャブ5に固定する場合には、スリーブ17をストッパ受部13の貫通孔13aに貫通させ、該スリーブ17の下端部にストッパ16を当てがった状態で、ストッパ16の下側から挿入孔16aに挿入したボルト18を、スリーブ17の筒内部17aを貫通させてキャブ側支持部材15に螺入し、スリーブ17の上端部がキャブ側支持部材15に突当たるまでボルト18を締結する。これによりストッパ16は、旋回フレーム6の上面部とストッパ受部13との中間部に位置する状態でキャブ5に固定されるようになっているが、この状態で、ストッパ受部13とストッパ16との間には、前記許容範囲に相当する間隙Sが形成されるように設定されている(図3(B)、図4(A)参照)。該許容範囲は、通常時における振動状態では防振マウント8の防振機能を損なうことなく、且つ、機体転倒時等の非常時においてキャブ5が旋回フレーム6に対して離間する方向に変位した場合に、防振マウント8の弾性限界を越えることのないキャブ5の変位範囲として予め設定されている。而して、機体転倒時等においてキャブ5が旋回フレーム6に対して離間する方向に変位した場合、該変位が前記許容範囲を越えようとすると、該キャブ5の変位に伴いストッパ16が第一マウント支持フレーム9Aの水平面部9aに設けられたストッパ受部13に当接して受止められ、これにより許容範囲を越えてのキャブ5の変位が規制されると共に、該キャブ5の変位の規制は、防振マウント8の弾性限界を越える前の段階でなされるように構成されている。この場合、キャブ5が許容範囲以上に変位しようとする負荷は、第一マウント支持フレーム9Aと共に補強プレート10によって受け止められることになり、これにより、機体転倒時等の負荷に耐えうる頑強な補強構造になっている。
【0014】
ここで、ストッパ16は、前述したように、ストッパ16の下方側から挿入されるボルト18によりキャブ5に固定されるが、該ボルト18の締結は、ボルト18の頭部18aに係合するソケット19aと、該ソケット19aを回転せしめるトルクレンチ19bとを備えたソケットレンチ19を用いて行なわれる。尚、上記ソケットレンチ19は本発明のボルト締結具に相当し、トルクレンチ19bは本発明のレンチに相当する。
【0015】
一方、ボルト18の下方に位置する旋回フレーム6の左側縁部には、前記ソケットレンチ19を旋回フレーム6の下方から挿入してボルト締結作業を行うことができるように、ソケットレンチ19挿入用の切欠き部6aが形成されている。さらに、旋回フレーム6の上面部に固定される補強プレート10にも、前記旋回フレーム6の切欠き部6aと同部位に同形状の切欠き部10aが形成されている。
【0016】
前記旋回フレーム6及び補強プレート10の左側縁部に形成される切欠き部6a、10aは、トルクレンチ19bにソケット19aを装着したままの状態でソケットレンチ19を旋回フレーム6の下方から挿入してボルト18の頭部18aに係合させることができる寸法に形成されると共に、ボルト18の頭部18aにソケット19aを係合させた状態で、該ソケット19aを少なくとも90度回転させるトルクレンチ19bの揺動を許容するべく、旋回フレーム6の左側端ほど拡開した扇形状に形成されている(図5(A)参照)。これにより、ボルト18の締結作業中に側面視においてトルクレンチ19bが旋回フレーム6や補強プレート10にオーバーラップしても、ソケット19aを少なくとも90度回転させてボルト締結作業を行うことができるようになっている。
【0017】
叙述の如く構成された本形態において、油圧ショベル1には、キャブ5が旋回フレーム6に対して離間する方向に予め設定される許容範囲を越えて変位することを規制するための規制部材12が設けられているが、該規制部材12は、キャブ5の底部左側に固定されるストッパ部材14と、旋回フレーム6の上面部左側に固定されるストッパ受部13とを用いて構成されると共に、該ストッパ受部13は、キャブ5の左側後部を支持する防振マウント8を取付支持するべく旋回フレーム6の上面部に固定される第一マウント支持フレーム9Aに設けられている。一方、ストッパ部材14は、前記ストッパ受部13の中心部に形成される貫通孔13aよりも大径で、且つ、旋回フレーム6の上面部とストッパ受部13との中間部に位置するストッパ16と、該ストッパ16をキャブ5に固定するべくストッパ16の下方側から挿入され前記ストッパ受部13の貫通孔13aを貫通してキャブ5の底部に締結されるボルト18とを用いて形成されるが、該ボルト18の下方に位置する旋回フレーム6の左側縁部には、ソケットレンチ19を旋回フレーム6の下方側から挿入してボルト18の締結作業を行なうための切欠き部6aが形成されている。
【0018】
この結果、ストッパ16をキャブ5に固定するべくボルト18を締結する場合には、ソケットレンチ19を旋回フレーム6の下方側から挿入してボルト締結作業を行なえることになり、而して、ストッパ受部13が第一マウント支持フレーム9Aに設けられていて規制部材12の周辺部にスペースの余裕がない場合や、ボルト18と旋回フレーム6の上面部との間のスペースが狭い場合であっても、ボルト18の締結作業を容易に行なえることになる。
【0019】
しかも、前記旋回フレーム6の左側縁部に形成される切欠き部6aは、ソケット19aを少なくとも90度回転させるレンチ19bの揺動を許容するべく、旋回フレーム6の左側端ほど拡開した扇形状に形成されている。而して、ボルト18の締結作業中に側面視においてトルクレンチ19bが旋回フレーム6にオーバーラップしても、ソケット19aを少なくとも90度回転させてボルト締結作業を行うことができることになり、ボルト締結作業の作業性を向上させることができる。
【0020】
さらに、前記切欠き部6aは旋回フレーム6の縁部に形成されるものであるから、既存の旋回フレームにも、構造や強度、コストに殆ど影響することなく実施できることになり、汎用性に優れる。
【0021】
そのうえ、機体完成後に、定期点検時等においてボルト18の締付けトルクの確認を行なうような場合においても、前記切欠き部6aによって、トルク計測器具を旋回フレーム6の下方側からボルト18に容易にアクセスさせることができる。また、キャブ5を取外す必要が生じたような場合には、ストッパ16をキャブ5から取外さなければならないが、この様な場合にも、前記切欠き部6aによって、ソケットレンチ19を旋回フレーム6の下方側からボルト18に容易にアクセスさせることができて、メンテナンス作業の向上にも寄与できる。
【0022】
さらにこのものにおいて、ストッパ受部13は、キャブ5の左側後部を支持する防振マウント8を取付支持するための第一マウント支持フレーム9Aに設けられているが、該第一マウント支持フレーム9Aは、旋回フレーム6の上面部に固設される補強プレート10を介して旋回フレーム6に固定されると共に、補強プレート10には、平面視において旋回フレーム6の切欠き部6aと同部位に同形状の切欠き部10aが形成されている。而して、補強のために旋回フレーム6の上面部と第一マウント支持フレーム9Aとの間に補強プレート10が介装されていても、ソケットレンチ19を旋回フレーム6の下方側から挿入してボルト締結作業を容易に行うことができる。
【0023】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されないことは勿論であって、例えば、上記実施の形態においてストッパ受部は、キャブの左側後部を支持するマウント支持フレームに設けられているが、ストッパ受部がキャブの左側前部を支持するマウント支持フレームに設けられていても、本発明を実施できる。また、上記実施の形態において、ストッパ受部が設けられるマウント支持フレームは、補強プレートを介して旋回フレームに固定されているが、この様な補強プレートが設けられていない場合にも、本発明を実施できる。さらに本発明は、油圧ショベルだけでなく、クレーン等の建設機械にも実施できることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は、キャブの変位を規制するための規制部材を設けるあたり、該規制部材の構成部品であるストッパを、ボルトを用いてキャブの底部に固定するように構成された建設機械に適用することができる。
【符号の説明】
【0025】
3 上部旋回体
5 キャブ
6 旋回フレーム
6a 切欠き部
8 防振マウント
9A 第一マウント支持フレーム
10 補強プレート
10a 切欠き部
12 規制部材
13 ストッパ受部
13a 貫通孔
14 ストッパ部材
16 ストッパ
18 ボルト
19 ソケットレンチ
19a ソケット
19b トルクレンチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部旋回体の基台となる平板状の旋回フレームに、防振マウントを介してキャブを支持してなる建設機械において、キャブが旋回フレームに対して離間する方向に予め設定される許容範囲を越えて変位することを規制するための規制部材を、キャブの底部左側に固定されるストッパ部材と、旋回フレームの上面部左側に固定されるストッパ受部とを用いて構成するにあたり、ストッパ受部は、キャブの左側を支持する防振マウントを取付支持するべく旋回フレームの上面部に固定されるマウント支持フレームに設けられると共に、ストッパ部材は、前記ストッパ受部に形成される貫通孔よりも大径で、且つ、旋回フレームの上面部とストッパ受部との中間部に位置するストッパと、該ストッパをキャブに固定するべくストッパの下方側から挿入され前記ストッパ受部の貫通孔を貫通してキャブの底部に締結されるボルトとを用いて形成される一方、前記ボルトの下方に位置する旋回フレームの左側縁部に、ボルト締結具を旋回フレームの下方側から挿入して前記ボルトの締結作業を行なうための切欠き部を形成したことを特徴とするキャブを備えた建設機械。
【請求項2】
請求項1において、ボルト締結具は、ボルトの頭部に係合するソケットと、該ソケットを回転せしめるレンチとを備えたソケットレンチであると共に、旋回フレームの左側縁部に形成される切欠き部は、前記ソケットを少なくとも90度回転させるレンチの揺動を許容するべく、旋回フレームの左側端ほど拡開した扇形状に形成されることを特徴とするキャブを備えた建設機械。
【請求項3】
請求項1または2において、ストッパ受部が設けられるマウント支持フレームは、旋回フレーム上面部に固設される補強プレートを介して旋回フレームに固定されると共に、前記補強プレートに、平面視において旋回フレームの切欠き部と同部位に同形状の切欠き部を形成したことを特徴とするキャブを備えた建設機械。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−121454(P2011−121454A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−280029(P2009−280029)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(505236469)キャタピラー エス エー アール エル (144)
【Fターム(参考)】