説明

キャリアテープ

【課題】テープキャリアパッケージの製造工程の過程において、帯電された電荷の放電等により集積回路素子が静電破壊するのを低減するとともに、入力端子または出力端子にプローブピンを当てて信号の入出力検査を行う等の集積回路素子の性能試験を行うことができるキャリアテープを提供すること。
【解決手段】本発明に係るキャリアテープ1は、絶縁テープ100上に設けられたテープキャリアパッケージ200と、テープキャリアパッケージ200に設けられた第一および第二の集積回路素子201、202とを備えている。また、接続配線500は、第一の集積回路素子201のいずれか一つの端子と、第二の集積回路素子202のいずれか一つの端子とを電気的に接続している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、キャリアテープに関し、長尺の絶縁テープ上に一定間隔で設けられた複数のテープキャリアパッケージ(Tape Carrier Package)と、複数のテープキャリアパッケージの各々に搭載された複数の集積回路素子とを備えたキャリアテープに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、集積回路素子の実装方式として、テープキャリアパッケージに実装する方法が広く使用されるようになった。現在、テープキャリアパッケージはフレキシブル性、狭ピッチ対応能力を有するために、例えば、液晶表示(LCD:Liquid Crystal Display)パネルの駆動信号を供給する集積回路素子の実装方式の主流となっている。
【0003】
このようなテープキャリアパッケージの各々は、長尺のキャリアテープに一列に作り込まれて出荷され、利用者により自動実装装置に装着されて用いられる。自動実装装置はキャリアテープからテープキャリアパッケージを1個ずつプレス抜きし、プレス抜き後のテープキャリアパッケージを液晶表示パネルに実装する構成となっている。
【0004】
パターン配線された絶縁テープ上に集積回路素子を実装し、テープキャリアパッケージをキャリアテープからプレス抜きするまでの過程において、各部材間の摩擦等による帯電により隣接配置された集積回路素子間に電位差が生じ、帯電された電荷の放電等により集積回路素子が静電破壊してしまう場合があった。
【0005】
従来、帯電された電荷の放電等により集積回路素子が静電破壊するのを低減するため、例えば、各テープキャリアパッケージ上に形成された複数の入力端子の全てを同電位配線により互いに電気的に短絡するとともに、各テープキャリアパッケージ上に形成された複数の出力端子の全てを同電位配線により互いに電気的に短絡したキャリアテープが提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2003−318232号公報(図1、段落0027)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、複数の入力端子および出力端子の全てがそれぞれ同電位配線に短絡されていることから、テープキャリアパッケージをキャリアテープからプレス抜きするまでは、例えば、入力端子または出力端子にプローブピンを当てて信号の入出力検査を行う等の集積回路素子の性能試験を行うことができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るキャリアテープは、絶縁テープ上に設けられ、少なくとも1以上のテープキャリアパッケージと、テープキャリアパッケージに設けられた第一および第二の集積回路素子と、第一および第二の集積回路素子のそれぞれに設けられた複数の端子とを備え、第一の集積回路素子の第一の端子と、第二の集積回路素子の第一の端子とが電気的に接続され、第一の集積回路素子の第二の端子と、第二の集積回路素子の第二の端子とが電気的に接続されていないことを特徴とするものである。
【0008】
このような構成により、テープキャリアパッケージの製造工程の過程において、帯電された電荷の放電等により集積回路素子が静電破壊するのを低減するとともに、端子間にプローブピンを当てて信号の入出力検査を行う等の集積回路素子の性能試験を行うことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、テープキャリアパッケージの製造工程の過程において、集積回路素子が静電破壊するのを低減するとともに、集積回路素子の性能試験を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
発明の実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係るキャリアテープの構成について、図に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係るキャリアテープの構成を示す平面図である。
図1に示されるように、キャリアテープ1は、長尺の絶縁テープ100上に、複数のテープキャリアパッケージ200が一定間隔で設けられて構成されている。
【0011】
図1に示されるように、絶縁テープ100の両端部には、複数のスプロケットホール101が絶縁テープ100の延在方向に沿って一定間隔で形成されている。絶縁テープ100は、ポリイミド等の可撓性材料により形成されている。
複数のスプロケットホール101は、例えば、キャリアテープ1からテープキャリアパッケージ200を1個ずつプレス抜きする際に、キャリアテープ100を間欠送りするために用いられる。
【0012】
図1に示されるように、テープキャリアパッケージ200の各々には、第一の集積回路素子201および第二の集積回路素子202が搭載されている。第一および第二の集積回路素子201、202は、例えばTAB手法(Tape Automated Bonding)により、テープキャリアパッケージ200の各々に搭載される。なお、図1では、便宜上、集積回路素子は2つとしているが、3つ以上であってもよい。
【0013】
また、図1に示されるように、テープキャリアパッケージ200には、複数の入力端子203および複数の出力端子204がそれぞれ並列に一定間隔で配列されて形成されている。図1では、複数の入力端子203および複数の出力端子204は、絶縁テープ100の延在方向に沿って一定間隔で配列されているが、絶縁テープ100の延在方向と垂直方向に沿って配列されてもよい。
【0014】
第一および第二の半導体素子201、202は、図1に示されるように直方体状に形成され、長辺に沿って、直方体の両側に、入力ピンおよび出力ピンが設けられている。
また、図1に示されるように、複数の入力端子203側に、当該第一および第二の半導体素子201、202の入力ピンを配置し、複数の出力端子204側に、当該第一および第二の半導体素子201、202の出力ピンを配置している。各入力ピンは、各入力端子203に接続され、各出力ピンは、各出力端子204に接続されている。
【0015】
また、図1に示されるように、テープキャリアパッケージ200には、第一および第二の集積回路素子201、202および複数の入力端子203の間を電気的に接続する配線205と、集積回路素子201、202および複数の出力端子204の間を電気的に接続する配線206とが、形成されている。
【0016】
複数の入力端子203、複数の出力端子204、配線205、206は、銅箔や金箔等の導電性部材を用いて、絶縁テープ100上にパターニングして形成されている。
集積回路素子201、202、配線205、206は、絶縁膜(不図示)により被覆されている。入力端子202および出力端子203は絶縁膜(不図示)により被覆されず、当該入力端子202および出力端子203を形成する導電性部材が露出されている。
【0017】
ここで、一般に、複数の出力端子204は、第一および第二の集積回路素子201、202内の比較的サイズの大きいMOSトランジスタ(不図示)のドレインまたはソースに接続されている。また、このMOSトランジスタのドレインまたはソースは、基板上のnウェル上のp拡散領域に接続されている。このpnにおける接合容量により、トランジスタは静電に対する耐圧が高いため、一般的に出力端子に対しては、静電破壊対策が施されている。
また、一般に、複数の入力端子203に対しても、入力保護回路等が設けられているため、一般的に入力端子に対しても、静電破壊対策が施されている。
【0018】
しかし、図1に示されるように、第一および第二の半導体素子201、202が互いに隣接する場合、一方の半導体素子(例えば201)が+1000Vに、他方の半導体素子(例えば202)が−1000Vに帯電されるときがある。このような状態でテープキャリアパッケージ200をプレス抜きした場合、隣接する半導体素子201、202の間を、金型のプレス刃が電気的に接続して放電経路が形成され、隣接する半導体素子201、202間に大きな電流が流れてしまう。
【0019】
このときの放電は、複数の出力端子204や複数の入力端子203に施された一般的な静電破壊対策では、保護できない大放電であり、隣接する半導体素子201、202が静電破壊されてしまう。
なお、大電流用の保護素子を設けることも考えられるが、半導体素子の実装面積の増大を招き、現実的な対策ではない。
【0020】
そこで、図1に示されるように、第一の集積回路素子201のいずれか一つの端子と、第一の集積回路201と隣接する第二の集積回路素子202のいずれか一つの端子との間のみを電気的に短絡する接続配線500を設けた。図1に示されるように、特に、入力端子203側に接続配線500を設けたのは、電源電圧やグランド電圧は入力端子203側にしか、印加されないためである。一方、出力端子204は一般に全てが信号端子であるため、接続配線500を出力端子203側に設けるのは、入力端子203側に設けるのと比較して、好ましくない。
接続配線500は、複数の入力端子203、複数の出力端子204、配線205、206を、銅箔や金箔等の導電性部材を用いて、絶縁テープ100上にパターニングして形成する際に、同時に形成されている。
【0021】
このようにキャリアテープ1を構成したことにより、第一および第二の集積回路素子201、202は接続配線500により電気的に接続され、第一および第二の集積回路素子201、202の間の電位が常時、同電位となる。
従って、テープキャリアパッケージの製造工程の過程において、帯電された電荷の放電等により集積回路素子201、202が静電破壊するのを低減することができる。
【0022】
また、複数の入力端子203および出力端子204の全てがそれぞれ短絡されていない。
従って、入力端子203や出力端子204にプローブピンを当てて信号の入出力検査を行う等の集積回路素子の性能試験を行うことができる。すなわち、入力端子203間を短絡しても、テスト信号の入力は可能である。
よって、本発明の実施の形態1に係るキャリアテープ1を用いることにより、テープキャリアパッケージの製造工程の過程において、帯電された電荷の放電等により集積回路素子201、202が静電破壊するのを低減するとともに、入力端子203や出力端子204にプローブピンを当てて信号の入出力検査を行う等の集積回路素子の性能試験を行うことができる。
【0023】
また、好ましくは、第一の集積回路素子201のいずれか1つの端子と、第一の集積回路201と隣接する第二の集積回路素子202のいずれか1つの端子は、それぞれ電源端子または接地電位に接続されたグランド端子とする。
この場合、より安定的に、第一および第二の集積回路素子201、202の間の電位を常時、同電位にすることができる。
なお、集積回路素子201、202の性能試験の内容に応じて、接続配線500で接続する第一および第二の集積回路素子201、202それぞれの端子を選択してもよい。
【0024】
なお、3つ以上の集積回路素子がテープキャリアパッケージ200の各々に搭載された場合、それぞれの集積回路素子のいずれか一つの端子が、隣接する集積回路素子のいずれか一つの端子との間のみで接続されるように、接続配線が形成してもよい。
図1に示されるように、接続配線500は、絶縁テープ100上であって、テープキャリアパッケージ200の外形線400の外側に設けられている。
また、図1に示されるように、テープキャリアパッケージ200の各々は、切断線300に沿って、キャリアテープ1から1個ずつプレス抜きされる。
【0025】
図1に示されるように、切断線300は、テープキャリアパッケージ200の外形線400に沿って設けられている。すなわち、切断線300とテープキャリアパッケージ200の外形線400は、キャリアテープ1の平面図上において、重なり合うように配置されている。
テープキャリアパッケージ200は、切断線300に沿って、キャリアテープ1から切断後、コネクタ接続や熱圧着等により、液晶表示パネル等の他の電気部品に接続される。
【0026】
次に、テープキャリアパッケージ200をキャリアテープ1から切断する工程について、図に基づいて、説明する。
図2は、キャリアテープからテープキャリアパッケージを切断分離する場合のテープ経路を示す図である。
図2に示されるように、矢印方向に回転する巻き出し側リール601にスペーサテープ700と重ねて巻かれているキャリアテープ1は、A部(点線表示)においてスペーサテープ700から離されてロール602Aを経由して、打ち抜き部であるB部(点線表示)において金型603によりテープキャリアパッケージ200を切断分離する。
【0027】
一方、矢印方向に回転する巻き取り側リール604において、ロール602Bを経由して送られて来たテープキャリアパッケージ200を切断分離した後のキャリアテープ1000は、ロール602C、602Dを経由して送られてきたスペーサテープ700と重ねて巻き取られる。
点線で示すB部の打ち抜き部は、プレス金型603とプレス用シリンダ(不図示)とを備えている。この打ち抜き部(B部)において、プレス用シリンダによりプレス金型603を上下させ、スプロケットにより間欠送りされ、位置決め機構により位置決めされたキャリアテープ1のテープキャリアパッケージ200を、切断線300に沿って切断する。
【0028】
このとき、図1に示されるように、接続配線500は絶縁テープ100上であって、テープキャリアパッケージ200の外形線400の外側に設けられているので、テープキャリアパッケージ200を切断分離した後は、テープキャリアパッケージ200において、第一および第二の集積回路素子201、202の間の電気的な接続が切断された回路構成を得ることができる。
そして、切断分離して取り出されたテープキャリアパッケージ200は、プレス金型603の下方に設けられたトレー(不図示)に収納される。
【0029】
図3は、キャリアテープとスペーサテープとの関係を示す斜視図である。
図3に示されるように、エンボス加工により形成された凸部701を両側に配列したスペーサテープ700は、キャリアテープ1上の集積回路素子201、202を保護するために、キャリアテープ1と重ねて巻かれている。
【0030】
以上のように、本発明によれば、第一の集積回路素子201のいずれか一つの端子と、第二の集積回路素子202のいずれか一つの端子との間のみを電気的に短絡することにより、第一および第二の集積回路素子201、202の間を同電位に保つことができる。
従って、図2に示されたような巻き出し側リール601の巻き出し時にキャリアテープ1とスペーサテープ700が剥離されるA部およびキャリアテープ1からテープキャリアパッケージ200が切断分離されるB部において、発生する静電気の影響を受け難く集積回路素子201、202の破壊を防止することができる。
【0031】
また、これに加えて更に、本発明によれば、第一の集積回路素子201のいずれか一つの端子と、第二の集積回路素子202のいずれか一つの端子との間のみを電気的に短絡しているため、複数の入力端子203または出力端子204の全てがそれぞれ同電位とならない。
従って、入力端子203および出力端子204にプローブピンを当てて信号の入出力検査を行う等の集積回路素子の性能試験を行うことができる。
【0032】
よって、本発明の実施の形態1に係るキャリアテープ1を用いることにより、テープキャリアパッケージの製造工程の過程において、帯電された電荷の放電等により集積回路素子201、202が静電破壊するのを低減するとともに、入力端子203や出力端子204にプローブピンを当てて信号の入出力検査を行う等の集積回路素子の性能試験を行うことができる。
【0033】
次に、本発明の実施の形態1に係るキャリアテープ1の入力端子203の接続関係を具体的に説明する。図4は、本発明の実施の形態1に係るキャリアテープの構成を示す平面図であって、特に入力端子の接続関係を説明するための図である。
図4に示されるように、本発明の実施の形態2に係るキャリアテープ1の入力端子203には、電源端子203a、203bやグランド端子203c、203dや信号端子203e、203fが含まれている。また、電源端子203a、グランド端子203cおよび信号端子203eは第一の集積回路素子201に接続されており、電源端子203b、グランド端子203dおよび信号端子203fは第二の集積回路素子202に接続されている。
【0034】
なお、一般的には、図4に示されるように、電源端子203a、203bやグランド端子203c、203dに接続される配線幅は、信号端子203e、203fに接続される配線幅よりも広くなるように形成されている。なぜなら、電源端子やグランド端子は、信号端子よりも大きな電流を流さなければならないからである。
【0035】
ここで、接続配線500により接続される入力端子は、同種の入力端子でなければならない。すなわち、第一および第二の集積回路素子201、202の入力端子間を接続配線500により接続するには、電源端子203aおよび電源端子203bの間を接続するか、グランド端子203cおよびグランド端子203dの間を接続するか、信号端子203eおよび信号端子203fの間を接続する必要がある。なお、図4では、電源端子203aおよび電源端子203bの間が接続配線500により接続されている例を示している。この理由について、図5を用いて説明する。
【0036】
図5は、電源端子と信号端子のタイミングチャートの一例を示す図である。図5に示されるように、電源端子203a、203bは常時、一定レベルであるのに対し、信号端子203e、203fは一定レベルではない。このため、例えば、電源端子203aおよび信号端子203fの間を接続するなど、タイミングパターンの異なる入力端子間を接続しても、第一および第二の集積回路素子201、202を動作させることができず、信号の入出力検査も行えない。従って、上述の通り、第一および第二の集積回路素子201、202間の入力端子間を接続配線500により接続するには、電源端子203aおよび電源端子203bの間を接続するか、グランド端子203cおよびグランド端子203dの間を接続するか、信号端子203eおよび信号端子203fの間を接続する必要がある。
【0037】
発明の実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係るキャリアテープの構成について、図に基づいて説明する。
図6は、本発明の実施の形態2に係るキャリアテープの構成を示す平面図である。
本発明の実施の形態1に係るキャリアテープ1では、接続配線500は、絶縁テープ100上であって、テープキャリアパッケージ200の外形線400の外側に設けられているのに対し、図4に示されるように、本発明の実施の形態2に係るキャリアテープ1aでは、接続配線500aは、絶縁テープ100上であって、テープキャリアパッケージ200の外形線400の内側に設けられている点で、相違する。
【0038】
本発明の実施の形態2に係るキャリアテープ1aの切断工程では、図2に示される打ち抜き部(B部)において、プレス用シリンダによりプレス金型603を上下させ、スプロケットにより間欠送りされ、位置決め機構により位置決めされたキャリアテープ1のテープキャリアパッケージ200を、切断線300に沿って切断する。
このとき、図6に示されるように、接続配線500は絶縁テープ100上であって、テープキャリアパッケージ200の外形線400の内側に設けられている。このため、テープキャリアパッケージ200を切断分離した後も、テープキャリアパッケージ200において、第一および第二の集積回路素子201、202の間が電気的に接続された回路構成を得ることができる。
【0039】
また、本発明の実施の形態2に係るキャリアテープ1aを用いることにより、本発明の実施の形態1に係るキャリアテープ1を用いるのと同様の効果を得ることができる。すなわち、テープキャリアパッケージの製造工程の過程において、帯電された電荷の放電等により集積回路素子が静電破壊するのを低減するとともに、入力端子や出力端子にプローブピンを当てて信号の入出力検査を行う等の集積回路素子の性能試験を行うことができる。
【0040】
次に、本発明の実施の形態2に係るキャリアテープ1aの入力端子203の接続関係を具体的に説明する。図7は、本発明の実施の形態2に係るキャリアテープの構成を示す平面図であって、特に入力端子の接続関係を説明するための図である。
図7に示されるように、本発明の実施の形態2に係るキャリアテープ1aの入力端子203には、電源端子203a、203bやグランド端子203c、203dや信号端子203e、203fが含まれている。また、電源端子203a、グランド端子203cおよび信号端子203eは第一の集積回路素子201に接続されており、電源端子203b、グランド端子203dおよび信号端子203fは第二の集積回路素子202に接続されている。
【0041】
なお、一般的には、図7に示されるように、電源端子203a、203bやグランド端子203c、203dの端子幅は、信号端子203e、203fの端子幅よりも広くなるように形成されている。
ここで、接続配線500aにより接続される入力端子は、同種の入力端子でなければならない。すなわち、第一および第二の集積回路素子201、202の入力端子間を接続配線500aにより接続するには、電源端子203aおよび電源端子203bの間を接続するか、グランド端子203cおよびグランド端子203dの間を接続するか、信号端子203eおよび信号端子203fの間を接続する必要がある。この理由については、図5で説明した通りである。なお、図7では、電源端子203aおよび電源端子203bの間が接続配線500aにより接続されている例を示している。
【0042】
以上の説明は、本発明を実施の形態を説明するものであり、本発明が以上の実施の形態に限定されるものではない。また、当業者であれば、以上の実施の形態の各要素を、本発明の範囲において、容易に変更、追加、変換することが可能である。
上記実施態様では、第一の集積回路素子201のいずれか一つの端子と、第二の集積回路素子202のいずれか一つの端子との間のみを、接続配線500、500aにより電気的に短絡すると説明したが、第一および第二の集積回路素子201、202の入力端子203の全てが接続されない限り、第一の集積回路素子201の複数端子と第二の集積回路素子202の複数端子との間を複数の接続配線によりそれぞれ接続してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の形態1に係るキャリアテープの構成を示す平面図である。
【図2】キャリアテープ からテープキャリアパッケージを切断分離する場合のテープ経路を示す図である。
【図3】キャリアテープとスペーサテープとの関係を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係るキャリアテープの構成を示す平面図であって、特に入力端子の接続関係を説明するための図である。
【図5】電源端子と信号端子のタイミングチャートの一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係るキャリアテープの構成を示す平面図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係るキャリアテープの構成を示す平面図であって、特に入力端子の接続関係を説明するための図である。
【符号の説明】
【0044】
1、1a キャリアテープ
100 絶縁テープ
101 スプロケットホール
200 テープキャリアパッケージ
201 第一の集積回路素子
202 第二の集積回路素子
203 入力端子
203a、203b 電源端子
203c、203d グランド端子
203e、203f 信号端子
204 出力端子
205、206 配線
300 切断線
400 外形線
500、500a 接続配線
601 巻き出し側リール
602A、602B、602C、602D ロール
603 金型
604 巻き取り側リール
700 スペーサテープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁テープ上に設けられ、少なくとも1以上のテープキャリアパッケージと、上記テープキャリアパッケージに設けられた第一および第二の集積回路素子と、上記第一および第二の集積回路素子のそれぞれに設けられた複数の端子とを備え、
上記第一の集積回路素子の第一の端子と、上記第二の集積回路素子の第一の端子とが電気的に接続され、上記第一の集積回路素子の第二の端子と、上記第二の集積回路素子の第二の端子とが電気的に接続されていないことを特徴とするキャリアテープ。
【請求項2】
上記第一および第二の集積回路素子の上記第一の端子は、同電位である請求項1に記載のキャリアテープ。
【請求項3】
上記第一および第二の集積回路素子の上記第一の端子は、電源端子である請求項2に記載のキャリアテープ。
【請求項4】
上記第一および第二の集積回路素子の上記第一の端子は、接地電位に接続された端子である請求項2に記載のキャリアテープ。
【請求項5】
上記第一および第二の集積回路素子の上記第一の端子は、同一機能を有する端子である請求項2に記載のキャリアテープ。
【請求項6】
上記第一および第二の集積回路素子の上記第一の端子に接続される配線幅は、上記第一および第二の集積回路素子の上記第二の端子に接続される配線幅より大きい請求項2に記載のキャリアテープ。
【請求項7】
上記第一の集積回路素子の第一の端子と、上記第二の集積回路素子の第一の端子とを電気的に接続する接続配線を備え、
上記テープキャリアパッケージを、上記テープキャリアパッケージの外形に沿って、切断分離するための切断線が設けられ、
上記接続配線は、上記絶縁テープ上であって、上記テープキャリアパッケージの外形の外側に設けられている請求項1に記載のキャリアテープ。
【請求項8】
上記第一の集積回路素子の第一の端子と、上記第二の集積回路素子の第一の端子とを電気的に接続する接続配線を備え、
上記テープキャリアパッケージを、上記テープキャリアパッケージの外形に沿って、切断分離するための切断線が設けられ、
上記接続配線は、上記絶縁テープ上であって、上記テープキャリアパッケージの外形の内側に設けられている請求項1に記載のキャリアテープ。
【請求項9】
上記絶縁テープは、ポリイミドにより形成されている請求項1に記載のキャリアテープ。
【請求項10】
上記テープキャリアパッケージには更に第三の集積回路素子が搭載され、
上記第三の集積回路素子の第一の端子が、上記第一および二の集積回路素子の第一の端子に結合されている請求項1に記載のキャリアテープ。
【請求項11】
絶縁テープ上に設けられ、少なくとも1以上のテープキャリアパッケージと、上記テープキャリアパッケージに搭載された第一および第二の集積回路素子と、上記第一および第二の集積回路素子のそれぞれに設けられた複数の入力端子および出力端子とを備え、
上記第一の集積回路素子の入力端子のうち、少なくとも1以上の入力端子と、上記第二の集積回路素子のうち、少なくとも1以上の入力端子とが電気的に接続され、上記第一の集積回路素子の出力端子と、上記第二の集積回路素子の出力端子との間がいずれも電気的に接続されていないことを特徴とするキャリアテープ。
【請求項12】
上記第一の集積回路素子の第二の端子には、第一の電位が供給され、上記第二の集積回路素子の第二の端子には、上記第一の電位と異なる第二の電位が供給されている請求項1に記載のキャリアテープ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−5773(P2007−5773A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−137255(P2006−137255)
【出願日】平成18年5月17日(2006.5.17)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】