説明

キャリア・ガス混合を伴う前駆ガス搬送

搬送されるガス混合物のモル分率を正確に測定することによって、プロセス・チャンバに搬送される前駆体の量を制御するシステム及び方法が記載されている。ガス搬送システムは、搬送チャンバと、前駆体入口弁と、キャリア入口弁と、出口弁と、コントローラとを含む。コントローラは、前駆体入口弁とキャリア入口弁と出口弁との開閉を制御することにより、所望の量の前駆ガスとキャリア・ガスとを搬送チャンバに導き、所望のモル分率の前駆ガスを有するガス混合物を発生し、所望のモル分率の前駆ガスを有するガス混合物をプロセス・チャンバに搬送する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
この特許出願は、2004年4月12日に出願された同時継続中の米国特許出願第10/822,358(代理人ドケット番号:MKS−143であり、「’358出願」と称する)と、2004年12月17日に出願された同時継続中の米国特許出願第11/015,465(代理人ドケット番号:MKS−147であり、「’465出願」と称する)と、2005年3月18日に出願された同時継続中の米国特許出願第11/083,586(代理人ドケット番号:MKS−156であり、「’586出願」と称する)との一部継続出願であり、これらの米国出願に基づく優先権をい主張している。
【0002】
これらの同時継続中の特許出願は、すべて、この出願の出願人に譲渡されている。これらの特許出願の内容は、すべて、この出願において援用する。
【技術分野及び背景技術】
【0003】
半導体製作には、注意深く同期され正確に測定された反応性ガスを半導体プロセス・チャンバに搬送することが必要となる。従って、高度に反復可能かつ正確な量の気相の物質を搬送するシステム及び方法が多くの半導体製造プロセスにおいては有用である。これには、限定を意味しないが、原子層堆積(ALD)プロセスが含まれる。
【0004】
一般に、前駆ガスがプロセス・チャンバに搬送されているときには、圧力が駆動力である。いくつかの前駆ガスについては、飽和蒸気圧が低すぎて、当該ガスの有効な搬送が困難である。この場合、当該プロセス化学物質に不活発なキャリア・ガスを導入して、人為的に圧力を上昇させることがある。この前駆ガスは、この前駆ガスの分圧がその飽和蒸気圧未満でありキャリア・ガスが前駆物質と一様に混合する限り、凝縮しない。
【0005】
低い蒸気圧を有する前駆体を搬送するための従来の技術には、気泡生成(bubbling)システムを用いるものがあった。気泡生成システムでは、キャリア・ガスは、液体前駆体を通ってそれを気泡化することによって導入される。このプロセスの間に、液体前駆体のいくつかの分子が、キャリア・ガスに吸収される可能性がある。結果的に生じる混合物は、前駆体の分圧と単独で比較すると、はるかに高い圧力を有することになり、このようにプロセス・チャンバへの搬送を促進する。
【0006】
しかし、気泡生成システムからの混合物での前駆体の濃度は不明であり、正確な測定が難しい。混合物における前駆体の濃度が不明であるので、搬送チャンバに搬送された前駆体の量も不明である。
【0007】
このような理由から、低い蒸気圧の前駆体を含む前駆体の正確な量を正確かつ反復可能に搬送できる方法及びシステムが望まれている。
【発明の概要】
【0008】
ガス搬送システムは、搬送チャンバと、前駆体入口弁と、キャリア入口弁と、出口弁と、コントローラとを含む。前駆体入口弁は、搬送チャンバの中への前駆ガスの流れを規制するように構成されている。キャリア入口弁は、搬送チャンバの中へのキャリア・ガスの流れを規制するように構成されている。出口弁は、搬送チャンバからプロセス・チャンバへの前駆ガスとキャリア・ガスとの流れを規制するように構成されている。
【0009】
コントローラは、前駆体入口弁とキャリア入口弁との開閉を制御して、所望の量の前駆ガスとキャリア・ガスとを搬送チャンバの中に導入し、キャリア・ガスに対して前駆ガスが所定の比率であるガス混合物を発生する。コントローラは、更に、出口弁の開閉を制御して、搬送チャンバからプロセス・チャンバの中へ所定の比率を有する前記ガス混合物を搬送するように構成されている。
【0010】
前駆ガスを搬送する方法が記載されている。所望のモル数の前駆ガスが、搬送チャンバの中に導かれる。次に、所望のモル数のキャリア・ガスが搬送チャンバの中に導かれる。ガス混合物がこのようにして発生され、搬送チャンバからプロセス・チャンバの中に搬送される。ガス混合物は、キャリア・ガスに対して所定の比率の前駆ガスを有している。所望のモル分率の前駆ガスが、このようにして、プロセス・チャンバに搬送される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
搬送されるガス混合物のモル分率を正確に測定することにより、プロセス・チャンバに搬送される前駆体(precursor)の量を制御するシステム及び方法について説明する。下記に述べられるテクニックは、限定を意味しないが、1)非常に低い蒸気圧を有する前駆体の搬送と、2)より高い精度での非常に少量の前駆体のを搬送と、を含む応用例において有用である。
【0012】
図1は、本発明の1つの実施例に従って構築されたガス搬送システム100の概要図である。ガス搬送システム100は、既知の体積の中へ前駆体を気化させ、出力チャンバの中に前駆体を搬送するように構成されている。例えば、出力チャンバは、半導体プロセス・チャンバでありうる。ガス搬送システム100は、このシステムがプロセス・チャンバにプロセス・チャンバに搬送する前駆ガスの分子の数を正確に測定し制御するために、モデルベースのアルゴリズムを実装している。
【0013】
概観すると、ガス搬送システム100は、搬送チャンバ110と、前駆体入口弁120と、キャリヤ入口弁130と、出口弁140と、コントローラ150と、圧力センサ160と、温度センサ170と、気化器180と、真空入口弁190と、真空ポンプ195とを含む。搬送チャンバ110は、搬送されつつあるガス対して、較正(キャリブレート)された保持体積(holding volume)を与える。前駆体入口弁120は、搬送チャンバ110の中への1又は複数の前駆ガスのフローを規制するように構成される。図解されている実施例では、気化器180は、液体前駆体(液体前駆体源(図示せず)によって供給されうる)を気化して、前駆蒸気を発生する。
【0014】
キャリヤ入口弁130は、搬送チャンバ110の中への1つ又は複数のキャリア・ガスのフローを規制するように構成される。出口弁140は、搬送チャンバ110からプロセス・チャンバ(図示せず)への前駆ガスとキャリア・ガスとの混合物のフローを規制するように構成される。搬送されるガス混合物は、キャリア・ガスに対して前駆ガスの既知で所定の比率を有する。圧力センサ160は搬送チャンバ110内の圧力を測定するように構成され、温度センサ170は搬送チャンバ110における温度を測定するように構成される。
【0015】
コントローラ150は、前駆体入口弁120とキャリヤ入口弁130と出口弁140との開閉を制御して、搬送チャンバ110からプロセス・チャンバへのガス混合物を搬送するようにプログラムされている。搬送されるガス混合物は、キャリア・ガスに対して正確な既知のモル分率の前駆ガスを有する。
【0016】
コントローラ150は、コンピュータ・ソフトウェアを用いて、この出願において記載されている方法とシステムとアルゴリズムとを実装している。本発明における方法及びシステムは、どのような特別のプログラミング言語を参照して説明されていない。本発明の教示するところを実装するには、様々なプログラミング言語が使用できることが理解できるはずである。コントローラ150は、コンピュータに格納されたコンピュータ・プログラムによって、選択的に環境設定及び/又は付勢可能である。
【0017】
コントローラ150は、まず、前駆体入口弁120の開閉を制御することにより、搬送チャンバ110へ所望の量の前駆ガスを導入する。次に、コントローラ150は、キャリア入口弁130の開閉を制御することにより、搬送チャンバ110へ正確に所望の量のキャリア・ガスを導入する。最後に、コントローラ150は、出口弁140の開閉を制御して、搬送チャンバ110における拡散によってガス混合物(前駆ガスの既知のモル分率を有する)が形成されるようにして、ガス混合物が搬送チャンバ110からプロセス・チャンバへ搬送されるようにする。
【0018】
コントローラ150は、プロセス・チャンバに放出する間に搬送チャンバ110を去る前駆ガスのモル数をカウントするように構成される。特に、コントローラ150は、圧力センサ160による圧力測定値と温度センサ170による温度測定値とをモニタし、理想気体法則を用いて、所望のモル数を導くようにプログラムされる。
【0019】
典型的には、搬送システム100は、搬送パルスのシーケンスとして前駆ガスを搬送するように構成されたパルス搬送システムである。概観すると、搬送システム100は、以下のサイクルに従った離散的なパルスとして前駆体を搬送する。
【0020】
1.チャージ:
前駆体入口弁120を開き、前駆体を搬送チャンバ体積の中に気化し、それに目標圧力を課す。圧力が安定するように、短い期間だけ待機する。
【0021】
2.搬送:
プロセス・チャンバに接続されている出口弁140を開く。搬送された前駆体の量を測定し、正確な量の前駆体が搬送チャンバ110を去ったときに、出口弁140を閉じる。
【0022】
3.圧力が安定するのを待機する。
4.次のサイクルに進み、そこで、上記のステップ1、2及び3が反復される。
ガス搬送システム100のコントローラ150は、モデル・ベースのアルゴリズムを用いて、上記のステップ1において搬送チャンバ110の保持体積の中へ気化される前駆体のモル数を測定し制御する。コントローラ150は、これらのアルゴリズムを用いて、搬送チャンバ110によって提供される保持体積に以後に追加されるキャリア・ガスのモル数を測定し制御する。
【0023】
キャリア・ガスが、前駆ガスとキャリア・ガスとのそれぞれの量を知らずに導入されるガス搬送システムとは異なり、コントローラ150によって実装されるアルゴリズムは、それぞれの核種のモル数がカウントされることを可能にする。従って、上記のガス搬送システム100では、搬送チャンバ110において結果的に生じる混合物におけるそれぞれの核種(前駆体またはキャリヤ)のモル分率は、プロセス・チャンバの中へ搬送チャンバ110が放出する前に知ることができる。
【0024】
次に、それぞれのサイクルの間の搬送プロセスを、図2を参照して、より詳細に説明する。図2は、図1に図解されているガス搬送システムによる1回の搬送サイクルの間における搬送チャンバ110の中の圧力を時間の関数として表したグラフである。図2で示されるように、1回の搬送サイクル200は、本発明のある実施例では、210、220、230、240、250及び260という段階を含む。図2に示されるように、それぞれの段階は、サイクル時間200の合計のそれぞれの部分から構成される時間間隔を占めている。
【0025】
段階210では、コントローラ150は、前駆体入口弁120を開いて、搬送チャンバ110へ前駆ガスを導入する。その時点で、前駆ガスは、急速気化(flash vaporized)され、図2でP1と示されている第1の目標圧力にチャージされる。次に、コントローラ150は、搬送チャンバ110の保持体積の中に入る前駆ガスの量を測定し、目標モル数が保持体積の中に存在するようになった時点で前駆体入口弁120を閉じる。この段階の間に搬送チャンバ110に搬送されるモル数は、Δn=(V/R)Δ(P/T)によって与えられる(これを方程式(1)とする)。
【0026】
方程式(1)では、Δnは搬送チャンバ110の中に搬送されたモル数であり、Vは搬送チャンバ110の体積であり、Rは標準気体定数(8.3144(Joules/mol/Kの値を有する)であり、Δ(P/T)はサイクル200の始期から終期までの間の圧力をガス温度で除算した値の変化率である。方程式(1)は、ある所望の時点において圧力センサ160と温度センサ170とによって測定されたP及びTの値をモニタすることによって、任意の与えられた時間期間の間に搬送チャンバ110に搬送されるモル数をモニタできるということを示している。搬送チャンバ110の中の温度変化は、例えば、’358特許に記載があるが、その内容は全体をこの出願において援用する。
【0027】
搬送チャンバ110において目標圧力P1に到達した後で、コントローラ150は、システム100に、段階220の間は、圧力が安定するのをしばらく待機させる。
次の段階である230の間には、キャリア・ガスが導入され、結果的に生じる混合物が図2ではP2として示される別の目標圧力までチャージされる。特に、コントローラ150は、キャリア・ガスを中へ流れさせるために搬送チャンバ110にキャリヤ入口弁130を開き、次に、搬送チャンバ110へのキャリア入口弁130を開き、キャリア・ガスを流れ込ませ、そして、搬送チャンバ110の保持体積に入り込むキャリア・ガスのモルの数を測定する。第2の目標圧力P2が得られたら、コントローラ150は、キャリヤ入口弁130を閉じる。
【0028】
段階240では、システム100は、混合物が平衡状態になるのを待機する。特に、コントローラ150は、前駆ガスとキャリア・ガスとが拡散によって混合し、ガス混合物が平衡状態に到達するのに十分な時間期間だけ、システム100を待機させる。段階240の最後の時点で平衡状態にあるガス混合物は、所望のモル分率の前駆ガスを有している。
【0029】
段階240の最後においては、搬送チャンバ110において生じるガス混合物は、ユーザが指定した圧力P2における前駆ガスとキャリア・ガスとの混合物である。それぞれの物質のモル数が測定されるので、それぞれの物質が搬送チャンバ110の保持体積の中に運ばれる際には、搬送チャンバ110におけるそれぞれのガス核種(前駆体又はキャリヤ)のモル分率は既知である。単純な例を挙げると、10マイクロモルの前駆ガスと90マイクロモルのキャリア・ガスがコントローラ150によってカウントされる場合には、搬送チャンバ110におけるガス混合物は、1/10の前駆ガスと、9/10のキャリア・ガスというモル分率を有することになる。この時点での前駆体の分圧は、依然として、動作温度における前駆体の蒸気圧未満である。また、搬送チャンバ110とプロセス・チャンバとの間には、迅速な搬送を保証するのに十分な圧力勾配が存在する。
【0030】
次に、システム100は、搬送段階250に移動し、平衡状態に保たれたガス混合物がプロセス・チャンバに搬送される。コントローラ150は、プロセス・チャンバに至る出口弁140を開く。コントローラ150は、搬送チャンバ110を去るガス混合物の量を測定して、前駆ガスの正確な所望量が搬送チャンバ110から出たら、出口弁140を閉じる。ガスが連続体である限り、混合物のモル分率は搬送の間は一定のままである。
【0031】
最終段階である次の260では、コントローラ150は、真空入口弁190を開き、搬送チャンバ110内の圧力が快適に動作温度における前駆体の蒸気圧(vapor pressure)未満となるまで、搬送チャンバ110を真空にする。
【0032】
いったん搬送サイクル200の全体が終了すると、コントローラ150は、システム100を段階210に戻し、搬送サイクルの全体を所望の回数だけ反復させる。それぞれの搬送サイクルの間は、システム100は、上述した技術を用いて、前駆ガスとキャリア・ガスとを特定のモル分率になるように直接に混合する。段階260の最後の時点では搬送チャンバ110の中に残されたどのような残余の混合物も、同じモル分率を有する。従って、プロセス・チャンバに搬送された前駆体のモル数の合計は、Δn=ω(V/R)Δ(P/T)(方程式(3)とする)によって与えられる。ここで、それぞれの変数は方程式(1)において定義したものであり、ωは前駆ガスのモル分率を示す。
【0033】
以上で、(MDDなどの)ガス搬送システムが高精度で低い蒸気圧の前駆体を搬送することを可能にするシステム及び方法について説明した。これは、ガス混合物のモル分率を直接測定し制御することにより、可能になった。
【0034】
以上では、パルス配置モニタリング及び制御のための装置及び方法についていくつかの実施例を説明したが、これらの実施例に内在する概念は他の実施例でも同様に用いることができることを理解すべきである。この出願の保護は、特許請求の範囲の記載によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明のある実施例に従って構築されたガス搬送システムの概略図である。
【図2】図1に図解されたガス搬送システムの1つの搬送サイクルの間の、気体を保持している搬送チャンバの中の圧力を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス搬送システムであって、
搬送チャンバと、
前記搬送チャンバの中への前駆ガスの流れを規制するように構成された前駆体入口弁と、
前記搬送チャンバの中へのキャリア・ガスの流れを規制するように構成されたキャリア入口弁と、
前記搬送チャンバから出力チャンバへの前記前駆ガスと前記キャリア・ガスとの流れを規制するように構成された出口弁と、
前記前駆体入口弁と前記キャリア入口弁と前記出口弁との開閉を制御して、所望の量の前記前駆ガスと前記キャリア・ガスとを前記搬送チャンバの中に導入し、前記キャリア・ガスに対して前記前駆ガスが所定の比率であるガス混合物を発生し、前記搬送チャンバから前記出力チャンバの中へ前記所定の比率を有する前記ガス混合物を搬送するように構成されたコントローラと、
を備えていることを特徴とするガス搬送システム。
【請求項2】
請求項1記載のガス搬送システムにおいて、
前記搬送チャンバ内部の圧力を測定するように構成された圧力トランスデューサと、
前記前駆ガスと前記キャリア・ガスと前記ガス混合物との温度を測定するように構成された温度センサと、
を更に備えていることを特徴とするガス搬送システム。
【請求項3】
請求項2記載のガス搬送システムにおいて、
前記所定の比率は、前記ガス混合物の中の前記前駆ガスのモル数と前記ガス混合物の中のモル数との間の比率を含み、
前記ガス混合物は、所望のモル分率の前記前駆ガスと所望のモル分率の前記キャリア・ガスとを有することを特徴とするガス搬送システム。
【請求項4】
請求項3記載のガス搬送システムにおいて、前記コントローラは、更に、前記圧力トランスデューサの圧力測定値と前記温度センサの温度測定値とをモニタすることによって、ある時間期間の間に前記搬送チャンバの中に流れ込む前記前駆ガスのモル数を測定するように構成されており、
前記時間間隔の間に前記搬送チャンバの中に搬送され前記搬送チャンバの中の体積Vを占める前記前駆ガスのモル数は、Δnは前記時間期間の間に前記搬送チャンバの中に搬送された前記前駆ガスのモル数であり、ωは前記前駆ガスのモル分率であり、Rはボルツマン定数とアボガドロ数との積であり約8.3144(Joules)(mol−1)(K−1)の値を有する標準気体定数であり、Pは前記体積Vを占める前記前駆ガスの圧力であり、Tは前記体積Vを占める前記前駆ガスの温度であり、Δ(P/T)は前記時間期間の始期から終期までの間のPとTとの間の変化率とすると、Δn=ω(V/R)Δ(P/T)によって与えられることを特徴とするガス搬送システム。
【請求項5】
請求項4記載のガス搬送システムにおいて、前記コントローラは、更に、
前記前駆体入口弁を開いて、前記前駆ガスが前記搬送チャンバの中に流れることを可能にし、
前記圧力トランスデューサの圧力測定値と前記温度センサの温度測定値とをモニタすることによって、前記前駆体入口弁を通過して前記搬送チャンバの中に流れる前記前駆ガスのモル数を測定し、
前記前駆ガスの所望のモル数が前記搬送チャンバの中に入ったときに前記前駆体入口弁を閉じるように構成されていることを特徴とするガス搬送システム。
【請求項6】
請求項5記載のガス搬送システムにおいて、前記コントローラは、更に、
前記前駆体入口弁を閉じた後に前記キャリア入口弁を開いて、前記前駆ガスの前記所望のモル数が前記搬送チャンバの中に入った後に前記キャリア・ガスが前記搬送チャンバの中に流れることを可能にし、
前記圧力トランスデューサの圧力測定値と前記温度センサの温度測定値とをモニタすることによって、前記キャリア入口弁を通過して前記搬送チャンバの中に流れる前記キャリア・ガスのモル数を測定し、
前記キャリア・ガスの所望のモル数が前記搬送チャンバの中に入ったことを前記圧力測定値と前記温度測定値とが示すときに前記キャリア入口弁を閉じるように構成されていることを特徴とするガス搬送システム。
【請求項7】
請求項6記載のガス搬送システムにおいて、前記コントローラは、更に、
前記キャリア入口弁を閉じた後であり前記出口弁を開く前に、前記前駆ガスと前記キャリア・ガスとを拡散により混合させるのに十分な時間期間の間だけ待機し、前記キャリア・ガスに対して前記所定の比率の前記前駆ガスを有する前記ガス混合物を発生して、前記ガス混合物を平衡状態に導くように構成されており、
前記平衡状態にあるガス混合物は前記所望のモル分率を含むことを特徴とするガス搬送システム。
【請求項8】
請求項7記載のガス搬送システムにおいて、前記コントローラは、更に、
前記ガス混合物が平衡状態に至った後で前記出口弁を開き、前記平衡状態にあるガス混合物が前記搬送チャンバから前記出力チャンバの中に流れるようにし、
前記搬送チャンバから出る前記ガス混合物のモル数を測定し、
前記所望のモル数の前記ガス混合物が前記搬送チャンバから出て前記出力チャンバの中に搬送されたときに前記出口弁を閉じるように構成されていることを特徴とするガス搬送システム。
【請求項9】
請求項7記載のガス搬送システムにおいて、前記が平衡状態に至った後では、前記搬送チャンバと前記出力チャンバとの間の圧力勾配は、前記搬送チャンバから前記出力チャンバの中へ前記ガス混合物の比較的高速な搬送が許容されるのに十分であることを特徴とするガス搬送システム。
【請求項10】
請求項7記載のガス搬送システムにおいて、
このガス搬送システムの動作温度において、前記前駆ガスは前駆体気化圧力において気相平衡に到達し、
前記前駆ガスの所望の分圧は前記前駆体気化圧力よりも低いことを特徴とするガス搬送システム。
【請求項11】
請求項7記載のガス搬送システムにおいて、前記前駆ガスの前記所望のモル分率はユーザによって特定されることを特徴とするガス搬送システム。
【請求項12】
請求項9記載のガス搬送システムにおいて、前記搬送チャンバの中を真空にするように構成された真空サブシステムに前記搬送チャンバを接続する真空入口弁を更に備えていることを特徴とするガス搬送システム。
【請求項13】
請求項12記載のガス搬送システムにおいて、前記コントローラは、更に、
前記出口弁を閉じた後に前記真空入口弁を開き、前記真空サブシステムに前記搬送チャンバの中を真空にさせ、
前記搬送チャンバの中の圧力が前記前駆体気化圧力よりも実質的に低い値に到達したら前記真空入口弁を閉じるように構成されていることを特徴とするガス搬送システム。
【請求項14】
請求項13記載のガス搬送システムにおいて、液体前駆体を気化して前記前駆ガスを発生するように構成された気化器を更に備えていることを特徴とするガス搬送システム。
【請求項15】
請求項14記載のガス搬送システムにおいて、前記コントローラは、更に、
前記前駆体入口弁を開いて、前記液体前駆体が前記搬送チャンバの中に流れ込むことを許容し、
前記気化器を付勢し、前記液体前駆体を気化して前記前駆ガスを発生し、
前記前駆体入口弁を開いたままにすることにより、前記気化された前駆体の圧力が前記所望の前駆体圧力に到達し前記搬送チャンバの中の前記前駆ガスの量が前記所望のモル数に到達するまで、前記液体前駆体が前記搬送チャンバの中に流れ込み続けるようにし、
前記前駆ガスの前記所望のモル数に到達したら前記前駆体入口弁を閉じるように構成されていることを特徴とするガス搬送システム。
【請求項16】
請求項14記載のガス搬送システムにおいて、前記液体前駆体を前記入口弁を通過して前記搬送チャンバに提供するように構成された液体前駆体源を更に備えていることを特徴とするガス搬送システム。
【請求項17】
請求項1記載のガス搬送システムにおいて、前記出力チャンバは半導体プロセス・チャンバを含むことを特徴とするガス搬送システム。
【請求項18】
請求項1記載のガス搬送システムにおいて、前記コントローラは、更に、
複数の搬送サイクルのそれぞれの間に、前記前駆体入口弁と前記キャリア入口弁と前記出力弁との開閉を制御する動作を反復することにより、所望の量の前記前駆ガスと前記キャリア・ガスとを前記搬送チャンバの中に導き、前記キャリア・ガスに対して所望の比率の前記前駆ガスを有するガス混合物を発生し、前記搬送チャンバから前記半導体プロセス・チャンバの中へ前記所定の比率を有する前記ガス混合物を搬送するように構成されていることを特徴とするガス搬送システム。
【請求項19】
前駆ガスを搬送する方法であって、
所望のモル数の前記前駆ガスを搬送チャンバの中に導くステップと、
前記所望のモル数の前記前駆ガスが前記搬送チャンバの中に入った後で所望のモル数のキャリア・ガスを前記搬送チャンバの中に導き、前記キャリア・ガスに対して所定の比率の前記前駆ガスを有するガス混合物を発生するステップと、
所望のモル分率の前記前駆ガスを有する前記ガス混合物を前記搬送チャンバから出力チャンバに搬送するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項19記載の方法において、前記所望のモル数の前記前駆ガスを導くステップは、
前記搬送チャンバの中への前記前駆ガスの流れを規制する前駆体入口弁を開くステップと、
前記前駆体入口弁が開いている間に圧力トランスデューサによる圧力測定値をモニタして、前記前駆体入口弁を通過して前記搬送チャンバの中に搬送される前記前駆ガスのモル数を測定するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項20記載の方法において、前記所望のモル数の前記キャリア・ガスを導くステップは、
前記搬送チャンバの中への前記キャリア・ガスの流れを規制するキャリア入口弁を開くステップと、
前記キャリア入口弁が開いている間に圧力トランスデューサによる圧力測定値をモニタして、前記キャリア入口弁を通過して前記搬送チャンバの中に搬送される前記キャリア・ガスのモル数を測定するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項19記載の方法において、前記前駆ガスを発生するために液体前駆体を気化するステップを更に含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−508332(P2009−508332A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529992(P2008−529992)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/029921
【国際公開番号】WO2007/032826
【国際公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(592053963)エム ケー エス インストルメンツ インコーポレーテッド (114)
【氏名又は名称原語表記】MKS INSTRUMENTS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】