説明

キャリア及びブランク

【課題】高さの異なる収納物を一つのキャリアに収納する場合であっても,キャリアを上下に重なり合うように積み重ねたとき、山積みしたキャリアのバランスが悪くなることのないキャリアを提供する。
【解決手段】キャリア1のグリップパネル10a,bには,ノベルティ2bを収納する反対側にグリップパネル10a,bを倒したときに,ビール缶2aとノベルティ2bの高さの差を補う両端開放のスリーブ18を形成する加工が施されている。キャリアを上下に重なり合うように積み重ねるとき,ノベルティ2bを収納する反対側にグリップパネル10a,bを倒すことでスリーブ18が形成され,山積みしたキャリア1のバランスが悪くなることはなくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,複数の収納物(例えば,飲料水の缶)を互いに隔離した状態で持運び可能なキャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の商品(例えば,飲料水の缶)を互いに隔離した状態で収納し持運べるキャリアが従来から利用されている。キャリアに複数の商品を収納して販売することで,複数の商品が一度に売れるため,店舗側には売り上げ増加するメリットがあり,また,消費者には,好みの商品を一つずつ取らなくて済むメリットがある。
【0003】
商品のまとめ売りに利用されるキャリアには,消費者が容易に持運び可能なようにグリップパネルが備えられ,更に,キャリアの内部には,飲料水などの商品を隔離して収納するための複数の収納部が仕切りパネルなどによって設けられている。
【0004】
キャリアの材質はプラスチック素材の場合もあるが,古紙のリサイクルをも考慮して,飲料水の分野では、ダンボールなどの紙素材を利用したキャリアが増えている。ダンボールなどの紙素材で出来たキャリアは,特許文献1で記載されているように,ダンボールなどの紙素材を打ち抜き加工して一枚のブランクを製造した後,該ブランクを折り曲げ、所定位置を貼り合わせることで形成される。
【0005】
複数の商品を収納可能なキャリアは,商品のまとめ売りばかりでなく、商品のキャンペーンにも利用され,商品のキャンペーンにキャリアを利用する場合,商品の商品名や謳い文句が印刷されたキャリアが店舗内に山積みされ,キャリアに収納された商品が消費者にアピールされる。
【0006】
キャリアを商品のキャンペーンに利用する場合,商品ばかりではなく,商品の販促用のノベルティをキャリアに収納できることが望ましく、本出願人は、既に,商品と共に,コップなどのノベルティを収納できるキャリアを特許文献2で開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−128131号公報
【特許文献2】特開2005―162251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、商品のキャンペーンにキャリアを利用する場合、キャリアは上下に重なり合うように店舗内で山積みされるため、一つのキャリアに収納するノベルティと商品(例えば、飲料水の缶)の高さが同一でないと,ノベルティを収納する側とその反対側で隙間が生じてしまい,山積みしたキャリアのバランスが悪く,山積みしたキャリアが崩れ易くなってしまう問題があった。
【0009】
そこで,本発明は,商品とノベルティのように,高さの異なる収納物を一つのキャリアに収納する場合であっても,キャリアを上下に重なり合うように積み重ねたとき、山積みしたキャリアのバランスが悪くなることのないキャリア,及び,該キャリアを形成するためのブランクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決する第1の発明は,紙素材でできた一枚のブランクが折り畳み・糊付けして形成されるキャリアであって,前記キャリアは,グリップ穴を有する第1のグリップパネル及び第2のグリップパネルの一部が接着されることで中央が仕切られ,第1の収納物を収納する第1の収納部が前記第1のグリップパネル側に設けられ,前記第1の収納物よりも高さが高い第2の収納物を収納する第2の収納部が前記第2のグリップパネル側に設けられ,前記第1のグリップパネル及び前記第2のグリップパネルそれぞれと連結し,前記第2の収納物の高さに最大高さが合わせられた2つの第1の周壁パネルと,前記第1の周壁パネルと連結する2つの第2の周壁パネルが少なくとも設けられ,前記第1のグリップパネル及び前記第2のグリップパネルの一部を接着した状態で前記第2のグリップパネル側に倒したときに,前記第1の収納物と前記第2の収納物の高さの差を補う両端開放のスリーブを形成する加工が前記第1のグリップパネル及び前記第2のグリップパネルに施されていることを特徴とするキャリアである。
【0011】
更に,第2の発明は,第1の発明に記載のキャリアであって,前記第1のグリップパネルには,前記第1の周壁パネルの最大高さの箇所に,該位置から前記第1の収納物と前記第2の収納物の高さの差に応じて決定される位置まで下方向に斜めに伸びる一対の切線と,前記切線の下端を結ぶ第1の折線と,前記グリップ穴の下端の両側から水平に伸びる一対の第2の折線と,前記第2の折線の位置から該高さの差に応じて決定される上方向の箇所に,水平に伸びる一対の第3の折線とが設けられ,前記第2のグリップパネルには,前記第1のサイドパネルの最大高さの箇所に水平に伸びる第4の折線が設けられ,前記第1の折線の下側及び前記第3の折線の上側で,前記第1のグリップパネル及び前記第2のグリップパネルが接着されていることを特徴とするキャリアである。
【0012】
更に,第3の発明は,第2の発明に記載のキャリアであって,前記第1の折線及び前記第3の折線はミシン目付きで,前記第2の折線はハーフカット線であることを特徴とするキャリアである。
【0013】
更に,第4の発明は,第3の発明に記載のキャリアであって,前記第2のグリップパネル及び前記第2のグリップパネルに対向する前記周壁パネルと連結する仕切りパネルによって,前記第1の収納部と前記第2の収納部が前記第2のグリップパネル側に設けられ,該第2の周壁パネルの該第2の収納部の上側に,前記第1の収納物と前記第2の収納物の奥行きの差に応じて形状が決定される固定片が折線を介して折り曲げ可能に設けられていることを特徴とするキャリアである。
【0014】
更に,第5の発明は,第1の発明から第4の発明のいずれか一つに記載のキャリアであって,前記第1のグリップパネル及び前記第2のグリップパネルそれぞれには,前記グリップ穴の上側に,グリップ片が折線を利用して折り曲げ可能に設けられていることを特徴とするキャリアである。
【0015】
更に,第6の発明は,第1の発明から第5の発明のいずれか一つに記載のキャリアを形成するためのブランクである。
【0016】
上述した第1の発明のように,前記第1のグリップパネル及び前記第2のグリップパネルを,前記第2のグリップパネル側に倒したときに,すなわち,高さの高い前記第2の収納物を収納する反対側に倒したとき,前記第1の収納物と前記第2の収納物の高さの差を補う両端開放の前記スリーブを形成され,前記第2の収納物を収納する側とその反対側で隙間が埋まるため,キャリアを上下に重なり合うように積み重ねても、山積みしたキャリアのバランスが悪くなることはなくなる。
【0017】
上述した前記スリーブを形成する手法は様々あるが,第2の発明のような加工を前記キャリアに施すと,上述した前記スリーブを形成することができるようになる。また,第3の発明のように加工を施すと,上述した前記スリーブを形成したときに谷折りとなる折線がミシン目付き折線になり,更に,山折りとなる折線がハーフカット線になり,折れる側に折れやすくなるため,前記第1のグリップパネル及び前記第2のグリップパネルを倒すだけで前記スリーブを形成できるようになる。
【0018】
更に,第4の発明によれば,前記第1の収納物と前記第2の収納物の奥行きに差があっても,前記第2の収納物を収納する側に収納される前記第1の収納物が前記キャリア内で不安定なるのを防止できる。
【0019】
更に,第5の発明によれば,前記グリップ片を前記キャリアに設けることで,倒された状態の前記第1のグリップパネル及び前記第2のグリップパネルを起こしやすくできる効果が得られる。
【発明の効果】
【0020】
上述した本発明によれば,商品とノベルティのように,高さの異なる収納物を一つのキャリアに収納する場合であっても,キャリアを上下に重なり合うように積み重ねたとき、山積みしたキャリアのバランスが悪くなることのないキャリア,及び,該キャリアを形成するためのブランクを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】収納前のキャリアを説明する図。
【図2】収納後のキャリアを説明する図。
【図3】スリーブが形成された状態のキャリアを説明する図。
【図4】キャリアを2段重ねしたときの状態を説明する図。
【図5】固定片の機能を説明する図。
【図6】ブランクを説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ここから、本発明のキャリア1及びブランクについて、図を参照しながら詳細に説明する。図1は、収納前のキャリア1を説明する図で,図2は,収納後のキャリア1を説明する図である。
【0023】
図1で図示したように,本実施形態のキャリア1は,グリップ穴15を有するグリップパネル10a,b,4つの周壁パネル11a〜d,二つの仕切りパネル12a,b及び4つの底パネル13a〜dなどから構成され,これらのパネルによって,キャリア1には,4つの収納部17a〜dが備えられ,グリップパネル10a,bは,網線で囲った円形の領域が裏側で糊付けされて接着されている。
【0024】
図2に図示したように,本実施形態において,キャリア1に備えられる収納部17a〜cそれぞれには収納物としてビール缶2aが収納され,キャリア1に備えられる収納部17dには,ビールメーカがキャンペーンで消費者に渡すノベルティ2b(例えば,グラスコップを入れた箱)が収納され,図1及び図2で図示したように,キャリア1を持ち運ぶとき,グリップパネル10a,bは立てた状態で使用される。
【0025】
キャリア1にノベルティ2bを収納するのは,消費者が量販店や大型スーパーでビールを購入するケースが増えて,ノベルティ2bの渡し忘れが多くなるからである。従来のように,消費者が小売りでビールを購入する場合,消費者が購入するビールのノベルティ2bを消費者に手渡しすることは可能であるが,大型スーパーのレジではアルバイト店員が働いているため,所定のビールにノベルティ2bがあることを該アルバイト店員に周知させることは難しい。
【0026】
消費者に渡すノベルティ2bには様々な物があり,ストラップやハンカチーフのようなかさばらない物であれば,収納物を入れたときに生じる隙間にノベルティ2bを入れることが可能であるが,グラスコップなどかさばる物の場合,キャリア1に収納するノベルティ2bと収納物(ここでは,ビール缶2a)の大きさが異なると,様々な問題が生じてしまう。
【0027】
例えば,ビール缶2aよりもノベルティ2bの高さが高いと,キャリア1を積み重ねたときに,ビール缶2aよりもノベルティ2bの高さによる隙間が生じ,積み重ねたキャリア1のバランスが不安定な状態になり,積み重ねたキャリア1が倒れ易くなってしまう。
【0028】
また,ビール缶2aよりもノベルティ2bの奥行きが長いと,キャリア1の収納部17cに収納されるビール缶2aが不安定な状態になり,キャリア1を持ち歩くことでビール缶2aが揺れ,ビール缶2aを開缶したときに内容物(ここでは,ビール)が噴出してしまう可能性がある。
【0029】
そこで,これらの問題を解決するため,本実施形態のキャリア1には,キャリア1に収納するビール缶2aとノベルティ2bの大きさの差を吸収するための工夫が施されている。
【0030】
本実施形態において,ノベルティ2bを収納する反対側にキャリア1のグリップパネル10a,bを倒したときに,ビール缶2aとノベルティ2bにおける高さの差によって生じる隙間を吸収するためのスリーブが形成される加工がグリップパネル10a,bに施され,積み重ねたキャリア1のバランスが不安定な状態になることを防止している。
【0031】
また,キャリア1の周壁パネル11dには,収納部17cにビール缶2aを収納したときに,ビール缶2aとノベルティ2bにおける奥行きの差によって生じる隙間を吸収するための固定片14を設ける加工が施され,収納部17cに収納したビール缶2aが不安定な状態になるのを防止している。
【0032】
まず,スリーブを形成するためにキャリア1に施された加工について説明する。
【0033】
図1に図示したように,キャリア1のグリップパネル10a,bと連結している周壁パネル11a,bの最大高さは,高さの高い収納物(ここでは,ノベルティ2b)の高さに合わせられ,グリップパネル10aには,ビール缶2aとノベルティ2bにおける高さの差によって生じる隙間を吸収するためのスリーブを形成するための加工として,切線100a,b,ミシン目付き折線101,ハーフカット線102a,b及びミシン目付き折線103a,bが施され,図1では裏面となり見えないが,グリップパネル10bには折線104が施され,更に,ミシン目付き折線101の下側2カ所とミシン目付き折線103a,bの上側2カ所が裏側で糊付けされ,グリップパネル10a,bは接着し
ている。
【0034】
切線100aはグリップパネル10aの両側に設けられ,それぞれの切線100a,bは,グリップパネル10aと連結している周壁パネル11a,bの最大高さの位置から,本実施形態では,ビール缶2aとノベルティ2bにおける高さの差に応じた位置まで下方向に斜めに伸びている。
【0035】
本実施形態で,キャリア1の高さ方向に対して切線100a,bを斜めにしているのは,グリップパネル10a,bを折り曲げてスリーブを形成したときに,切線100a,bの上端近傍のグリップパネル10aの断面でグリップパネル10bが支えられる効果が得られるからである。
【0036】
また,グリップパネル10aに施されたミシン目付き折線101の両端は切線100a,bの下端で,ミシン目付き折線101は水平に伸びている。更に,グリップパネル10に施されたハーフカット線102a,bは,グリップ穴1の下端と同じ高さの位置に設けられ,グリップ穴15の下端の角からグリップパネル10aの端まで水平方向に伸びている。加えて,グリップパネル10aに施されたミシン目付き折線103a,bは,グリップ穴15の下端から,ビール缶2aとノベルティ2bにおける高さの差に応じた上方向の位置に設けられ,グリップ穴15の端からグリップパネル10aの端まで水平方向に伸びている。
【0037】
図3は,スリーブが形成された状態のキャリア1を説明する図である。キャリア1を積み上げるとき,グリップパネル10a,bが90度近傍に折られることで,グリップパネル10aに設けられたミシン目付き折線101,103a,bが谷方向に,そして,グリップパネル10aに設けられたハーフカット線102a,bとグリップパネル10bに設けられた折線104が山方向にそれぞれ90度近傍に折り曲げられ,ノベルティ2bとビール缶2aの高低差を吸収するための両端開放のスリーブ18がキャリア1に形成される。
【0038】
図3に図示したように,グリップパネル10bの折り曲げられた部分がスリーブ18の上面になり,また,切線100a,b,ミシン目付き折線101及びハーフカット線102a,bで囲まれたグリップパネル10aの部分がスリーブ18の底面になる。
【0039】
加えて,ハーフカット線102a,b及びミシン目付き折線103a,bで囲まれたグリップパネル10aの部分がスリーブ18の側面になり,更に,切線100a,b,ミシン目付き折線101及びハーフカット線102a,bで囲まれたグリップパネル10aの部分が折られることで露出するグリップパネル10bの部分がスリーブ18の側面になる。
【0040】
これまで説明したように,スリーブ18を形成したときに内側に折れるグリップパネル18aにおいて,山折りとなる折線をハーフカット線102a,bとし,スリーブ18を形成したときに谷折りとなる折線をミシン目付き折線101,103a,bとすることで,スリーブ18を形成するときに折れる方向に折られ易くなり,ノベルティ2bを収納する反対側方向にグリップパネル10a,bを押す動作を行うだけで,キャリア1にスリーブ18が形成できるようになる。
【0041】
図4は,キャリア1を2段重ねしたときの状態を説明する図である。図5に図示したように,キャリア1を2段重ねしたとき,収納物の高さの低い側,ここでは,ノベルティ2bを収納する反対側に形成されたスリーブ18によって,収納物の高さの差によって生じる隙間が埋まるため,キャリア1を2段重ねしてもバランスが不安定な状態になることはなくなる。
【0042】
次に,固定片14を形成するためにキャリア1に施された加工について説明する。
【0043】
図1に図示したように,キャリア1の収納部を形成する周壁パネル11dは,ビール缶2aとノベルティ2bにおける奥行きの差によって生じる隙間を吸収するための固定片14を設けるために折線105が設けられ,折線105より上の部分が固定片14として利用され,固定片14の奥行き及び形状は,ビール缶2aとノベルティ2bにおける奥行きの差及びビール缶2aの形状によって決定される。
【0044】
図5は,固定片14の機能を説明する図である。キャリア1の収納部17cにビール缶2aを収納する前は,固定片14は垂直の状態にあり,キャリア1の収納部17cにビール缶2aを収納した後に,固定片14はキャリア1の内側に折線105に沿って折り曲げられ,収納部17cに収納したビール缶2aがキャリア1に固定される。
【0045】
また,キャリア1のグリップパネル10a,bに設けられたグリップ穴15に指を入れ,図3のような状態のキャリア1からグリップパネル10a,bを垂直方向に引き起こし,キャリア1を持ち上げ易くするために,キャリア1のグリップパネル10a,bにはグリップ片16が折線106を介して設けられている。
【0046】
キャリア1のグリップパネル10a,bに設けられたグリップ穴15に指を入れることで,グリップ片16が折線106に沿って90度近傍に折れ,キャリア1の荷重が線ではなくグリップ片16の面で受けられるため,図3のような状態からキャリア1が持ち上げ易くすることができる。
【0047】
ここから,キャリア1を形成するためのブランク3について説明する。図6は,キャリア1を形成するためのブランク3を説明する図で,図6において,切線は実線で,谷折り/山折りを問わず折線は点線で,ハーフカット線は二重線で,ミシン目付き折線は太線付きの点線で図示している。
【0048】
これまで説明したキャリア1は,特許文献1や特許文献2で開示されている発明と同様ように,印刷された用紙が打ち抜き加工機を用いて打ち抜き加工されて製造される一枚のブランク3が折り曲げられ,ブランク3の一部が糊付けされて形成される。
【0049】
なお,図3で図示したように,本発明のキャリア1には,キャリア1を積み重ねたときに荷重が加わるスリーブ18が形成されるため,通常の用紙よりも厚目(例えば,1ミリ程度のダンボール)をブランク3の用紙として用いるとよい。
【0050】
図6に図示したように,ブランク3において,キャリア1のグリップパネル10aに該当する箇所には,スリーブ18を形成するために,切線100a,b,ミシン目付き折線101,ハーフカット線102a,b及びミシン目付き折線103a,bが加工され,図1では見えなかったが,グリップパネル10bには,スリーブ18を形成するために,折線104が加工されている。
【0051】
更に,ブランク3には,これまで説明したパネル以外に,周壁パネル11bと周壁パネル11cを接着して連結するための2つの糊付けパネル19a,bと,更に,底パネル10aと底パネル10c並びに底パネル10bと底パネル10dをそれぞれ接着するための糊付けパネル19c,dが設けられ,所定の折線が所定の方向に折られ,それぞれの糊付けパネル19a〜dが熱可塑性接着剤などを用いて接着される。
【0052】
なお,図6で図示したブランク3の組み立て方の詳細は記載しないが,当業者ならば,図6で図示した折線等を参照することで,図1などで図示したキャリア1の組み立て方は容易にわかるはずである。
【0053】
また,本発明は、これまで説明した実施の形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
【0054】
キャリアに設けられる収納部の数やキャリアの形状には限定されず,例えば,特許文献1で開示されているキャリアの形状にすることもできる。
【0055】
また,本発明は,一つのキャリアに高低差のある収納物を収納するときに有用であり,本実施形態では収納物をノベルティ2bとビール缶2aにしているが,本発明は収納物に限定されず,例えば,350mmの缶と500mmの缶を一つのキャリアに収納するときにも
利用できる。
【符号の説明】
【0056】
1 キャリア
10a,b グリップパネル
11a〜d 周壁パネル
12a,b 仕切りパネル
13a〜d 底パネル
14 固定片
15 グリップ穴
16 グリップ片
17a〜d 収納部
18 スリーブ
19a〜d 糊付けパネル
100a,b 切線
101 ミシン目付き折線
102a,b ハーフカット線
103a,b ミシン目付き折線
104 折線
105 固定片の折線
106 グリップ片の折線


【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙素材でできた一枚のブランクが折り畳み・糊付けして形成されるキャリアであって,
前記キャリアは,グリップ穴を有する第1のグリップパネル及び第2のグリップパネルの一部が接着されることで中央が仕切られ,第1の収納物を収納する第1の収納部が前記第1のグリップパネル側に設けられ,前記第1の収納物よりも高さが高い第2の収納物を収納する第2の収納部が前記第2のグリップパネル側に設けられ,前記第1のグリップパネル及び前記第2のグリップパネルそれぞれと連結し,前記第2の収納物の高さに最大高さが合わせられた2つの第1の周壁パネルと,前記第1の周壁パネルと連結する2つの第2の周壁パネルが少なくとも設けられ,
前記第1のグリップパネル及び前記第2のグリップパネルの一部を接着した状態で前記第2のグリップパネル側に倒したときに,前記第1の収納物と前記第2の収納物の高さの差を補う両端開放のスリーブを形成する加工が前記第1のグリップパネル及び前記第2のグリップパネルに施されていることを特徴とするキャリア。
【請求項2】
請求項1に記載のキャリアであって,
前記第1のグリップパネルには,前記第1の周壁パネルの最大高さの箇所に,該位置から前記第1の収納物と前記第2の収納物の高さの差に応じて決定される位置まで下方向に斜めに伸びる一対の切線と,前記切線の下端を結ぶ第1の折線と,前記グリップ穴の下端の両側から水平に伸びる一対の第2の折線と,前記第2の折線の位置から該高さの差に応じて決定される上方向の箇所に,水平に伸びる一対の第3の折線とが設けられ,前記第2のグリップパネルには,前記第1のサイドパネルの最大高さの箇所に水平に伸びる第4の折線が設けられ,
前記第1の折線の下側及び前記第3の折線の上側で,前記第1のグリップパネル及び前記第2のグリップパネルが接着されていることを特徴とするキャリア。
【請求項3】
請求項2に記載のキャリアであって,前記第1の折線及び前記第3の折線はミシン目付きで,前記第2の折線はハーフカット線であることを特徴とするキャリア。
【請求項4】
請求項3に記載のキャリアであって,前記第2のグリップパネル及び前記第2のグリップパネルに対向する前記周壁パネルと連結する仕切りパネルによって,前記第1の収納部と前記第2の収納部が前記第2のグリップパネル側に設けられ,該第2の周壁パネルの該第2の収納部の上側に,前記第1の収納物と前記第2の収納物の奥行きの差に応じて形状が決定される固定片が折線を介して折り曲げ可能に設けられていることを特徴とするキャリア。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一つに記載のキャリアであって,前記第1のグリップパネル及び前記第2のグリップパネルそれぞれには,前記グリップ穴の上側に,グリップ片が折線を利用して折り曲げ可能に設けられていることを特徴とするキャリア。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一つに記載のキャリアを形成するためのブランク。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−265027(P2010−265027A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−120397(P2009−120397)
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】