説明

キャリパブレーキ装置

【課題】仕様が異なる制輪子の誤組み付けを防止するキャリパブレーキ装置を提供すること。
【解決手段】制輪子170と、この制輪子170を支持するレール100と、を備えるキャリパブレーキ装置であって、レール100は、制輪子170を所定位置に案内するレール部103、104と、このレール部103、104によって案内される制輪子170の移動を規制する規制手段(スペーサ190)と、を備え、制輪子170は、ライニング裏板76に設けられ、レール部103、104に沿って摺動する摺動部121、122と、この摺動部121に設けられ、規制手段による当該制輪子170の移動規制を解除する規制解除部(切欠部150)と、を備える構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制輪子が交換されるキャリパブレーキ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両用のキャリパブレーキ装置は、対の制輪子が車輪のディスクロータを挟持して制動を掛けるが、この制動に伴い制輪子のライニング部材が摩耗していくため、摩耗量が一定に達すると、制輪子は新しいものと交換される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−226469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、鉄道車両の高速化に伴ってライニング部材の摩擦係数、耐熱性等の性能を高める必要があり、車種に応じて摩擦係数、耐熱性等の仕様が異なる制輪子が用意される傾向にある。
【0005】
しかしながら、従来のキャリパブレーキ装置にあっては、車種に応じて摩擦係数、耐熱性等の仕様が異なる制輪子が用意される場合にも、制輪子及び制輪子を支持するレールは、それぞれの寸法、形状が同じものが用いられるため、ヒューマンエラーにより異なる仕様の制輪子が組み付けられる、誤組み付けを起こす可能性がある。
【0006】
例えば走行速度が高い高速車両に、低速車両用の制輪子が誤って組み付けられた場合に、要求される制動力が得られない可能性があるため、性能の低い制輪子の誤組み付けを防止する必要がある。
【0007】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、仕様が異なる制輪子の誤組み付けを防止するキャリパブレーキ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、対象物を制動する制輪子と、この制輪子を支持するレールと、を備えるキャリパブレーキ装置であって、レールは、制輪子を所定位置に案内するレール部と、このレール部によって案内される制輪子の移動を規制する規制手段と、を備え、制輪子は、対象物に当接する制動面を有し、対象物に制動力を付与するライニング部材と、このライニング部材の制動面と反対側に設けられ、レールに取り付けられるライニング裏板と、このライニング裏板に設けられ、レール部に沿って摺動する摺動部と、この摺動部に設けられ、規制手段による当該制輪子の移動規制を解除する規制解除部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、レールにライニング裏板が取り付けられる際に、レール部に沿ってライニング裏板の摺動部が摺動する。このとき、規制解除部は、ライニング裏板の移動を規制する移動規制を解除し、ライニング裏板がレールの所定位置に取り付けられる。
【0010】
また、規制解除部を有さないライニング裏板をレールに取り付けようとする場合には、規制手段によってライニング裏板の移動が規制され、このライニング裏板をレールに取り付けられない。こうして、仕様が異なる制輪子が誤って組み付けられることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すキャリパブレーキ装置の左右側面図である。
【図2】キャリパブレーキ装置の平面図である。
【図3】制輪子の平面図と側面図である。
【図4】レール及び制輪子を示す平面図と側面図である。
【図5】レールの平面図と側面図である。
【図6】仕様が異なる制輪子の誤組み付けが防止される様子を示すレール及び制輪子の平面図と側面図である。
【図7】上下逆方向の誤組み付けが防止される様子を示すレール及び制輪子の平面図と側面図である。
【図8】仕様が異なる制輪子に対応してスペーサが設けられる構成を示す平面図である。
【図9】仕様が異なる制輪子がスペーサに規制される関係を示す図表である。
【図10】第2の実施形態を示すレールの平面図である。
【図11】第2の実施形態において、仕様が異なる制輪子に対応してスペーサが設けられる構成を示す平面図である。
【図12】第2の実施形態において、仕様が異なる制輪子がスペーサに規制される関係を示す図表である。
【図13】第3の実施形態を示すレールの平面図と側面図である。
【図14】第4の実施形態を示すレールの平面図と側面図である。
【図15】第5の実施形態を示す第2のアームの断面図と側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1の(A)は、鉄道車両用のキャリパブレーキ装置の右側面図であり、(B)は、同じくキャリパブレーキ装置の左側面図、図2は同じく平面図である。車輪5の左右側面には、ディスクロータ(対象物)6が設けられる。キャリパブレーキ装置は、このディスクロータ6の両側に位置して対の制輪子170が設けられる。
【0014】
キャリパブレーキ装置は、鉄道車両の台車上に支持枠20が溝22を介して固定される。この支持枠20に対してキャリパ本体10が2本の支持ピン30、32を介してフローティング支持される。
【0015】
キャリパ本体10は、車輪5を挟むようにして延びる第1、第2のアーム12、14を有する。第1のアーム12には、2個の油圧シリンダ40と2個の隙間調整装置50が設けられる。
【0016】
制動時に、キャリパ本体10に内蔵した油圧シリンダ40により一方の制輪子170が押圧され、他方の制輪子170との間でディスクロータ6を挟持する。非制動時における制輪子170とディスクロータ6との間の隙間は、隙間調整装置50によって自動的に調整される。
【0017】
図1の(A)に示すように、第1のアーム12は、その上下端にアンカブロック60、80がアンカボルト62、82を介して締結され、これらの間に制輪子170を支持する。上部のアンカブロック60は、アンカピン64を介して制輪子170の上端部を受ける。下部のアンカブロック80は、アンカピン84を介して制輪子170の下端部を受ける。
【0018】
図1の(B)に示すように、第2のアーム14は、その上下端にアンカブロック160、185がアンカボルト162、182を介して締結され、これらの間に制輪子170を支持する。上部のアンカブロック160は、制輪子170の上端部を受ける。下部のアンカブロック185は、制輪子170の下端部を受ける。
【0019】
ライニング裏板76は、制輪子170をキャリパ本体10の第1、第2のアーム12、14に取り付けるためのものである。
【0020】
ライニング裏板76の上下端部には、アンカピン64、84が係合するための係合凹部77がそれぞれ形成される。
【0021】
図2に示すように、キャリパ本体10の第1のアーム12には、油圧シリンダ40のピストンにより駆動されるレール100が設けられる。このレール100は、アリ溝94(図4の(A)参照)を有し、このアリ溝94に対して制輪子170のライニング裏板76を嵌合することによって、制輪子170が第1のアーム12に取り付けられる。
【0022】
第1のアーム12に制輪子170を取り付ける場合に、制輪子170のライニング裏板76をレール100のアリ溝94に嵌合させ、ライニング裏板76の上端部の係合凹部77が上部のアンカピン64に当接するまで押し上げた状態で、アンカブロック80のアンカピン84をライニング裏板76の下部の係合凹部77に当接させ、アンカボルト82によってアンカブロック80を第1のアーム12に締結する。
【0023】
第1のアーム12に設けられるアンカピン84は、アンカブロック80を介して摺動自在に支持され、制輪子170のディスクロータ6側への移動に追従する。
【0024】
第1のアーム12では、下部のアンカブロック80を取り外すことにより、制輪子170の交換が行われる。第1のアーム12から制輪子170を取り外す場合に、アンカボルト82を抜き、アンカブロック80を第1のアーム12から離し、アンカピン84を制輪子170の係合凹部77から外すことによって、制輪子170が下方へ抜き出される。
【0025】
キャリパ本体10の第2のアーム14には、制輪子170を支持するレールとしてアリ溝97(図15の(A)参照)が形成される部位を有する。このアリ溝97に対して制輪子170のライニング裏板76を嵌合することによって制輪子170が第2のアーム14に支持される。
【0026】
第2のアーム14には、制輪子170を押圧するための油圧シリンダが設けられず、制輪子170が固定して設けられる。第2のアーム14では、下部のアンカブロック185を取り外すことにより、制輪子170の交換が行われる。
【0027】
図3の(A)は、制輪子170の平面図であり、図3の(B)は、同じく制輪子170の側面図である。制輪子170は、ライニング背板72上に4個のセグメントからなるライニング部材74がリベット75により固着される。ライニング背板72のライニング部材74とは反対側には、ライニング裏板76が取り付けられる。
【0028】
キャリパブレーキ装置は、以上のように構成され、対の制輪子170は、各ライニング部材74の制動面74Aがディスクロータ6の左右側面に押圧され、この制動面74Aがディスクロータ6に付与する制動力(摩擦力)によってディスクロータ6を制動するが、この制動に伴いライニング部材74が摩耗していくため、摩耗量が一定に達すると、制輪子170は新しいものと交換される。
【0029】
ところで、このようなキャリパブレーキ装置にあっては、車種に応じて摩擦係数、耐熱性等の仕様が異なる制輪子70,170、270が用意される(図8参照)。この場合に、レール100及び制輪子70,170、270の寸法、形状が同じであると、レール100に誤って異なる仕様の制輪子を組み付ける、誤組み付けを起こす可能性がある。
【0030】
これに対処して、本発明は、仕様が異なる制輪子70,170、270の誤組み付けを防止するキャリパブレーキ装置を提供することを目的とする。
【0031】
以下、仕様が異なる制輪子70,170、270の誤組み付けを防止するキャリパブレーキ装置の具体的な構成を説明する。
【0032】
図4の(A)は、レール100及び制輪子170を示す平面図であり、図4の(B)は、同じく側面図であり、便宜上、制輪子170を2点鎖線で示している。レール100は、油圧シリンダ40により押圧され、上下方向(長手方向)に延びるレール部103、104を有する。制輪子170は、レール部103、104に案内されて所定位置に支持されるライニング裏板76を有し、レール100に着脱可能に支持される。
【0033】
図5の(A)は、レール100の平面図であり、図5の(B)は、同じく側面図である。レール100は、両レール部103、104をそれぞれ有する両レール前部101、102と、このレール前部101、102との間にライニング裏板76を介在させるレール後部105と、レール前部101、102とレール後部105を結ぶレール側部126、127と、が一体形成される。
【0034】
レール100のアリ溝94は、レール後部105に設けられるレール背面116と、このレール背面116に対向する向きに傾斜する平面状の両レール部103、104とによって構成される。両レール部103、104は、アリ溝94の溝側面を構成するものであり、互いに傾斜して対向するとともに、レール後部105に対向する向きに傾斜する。これにより、アリ溝94に差し込まれたライニング裏板76が、レール背面116から離れる方向に外れないように支持される。
【0035】
両レール部103、104の間には、ライニング裏板76を受け入れるレール開口部118が形成される。このレール開口部118と、レール前部101、102は、ライニング部材74の制動面74A及びライニング裏板76と略平行に延びている。
【0036】
レール後部105には、その上端部にアンカピン64に係合する穴106が形成され、その下端部にアンカピン84に係合する凹部109が形成され、その中央部に隙間調整装置50に係合する穴107、108が形成される。レール100は、金属板をプレス成型して一体形成される。
【0037】
前述した図3、図4に示すように、ライニング裏板76の両端には、両レール部103、104に係合する両摺動部(テーパ面)121、122が形成される。この摺動部121、122は、レール100の両レール部103、104と略同じ角度で傾斜した平面状に形成される。ライニング裏板76は、両摺動部121、122がレール100の両レール部103、104にそれぞれ係合することにより、レール100から外れないように支持される。
【0038】
仕様が異なる制輪子170の誤組み付けを防止するために、レール100には、レール部103の上端部近傍(ライニング裏板76の差し込み方向(図4の(B)に矢印Aで示す方向)について奥側隅部)に規制手段収容部125が設けられ、この規制手段収容部125にスペーサ(規制手段)190が収容される。一方、図4に示すように、ライニング裏板76の摺動部121には、スペーサ190に干渉することなく係合する切欠部(規制解除部)150が形成され、この切欠部150がスペーサ190に係合することによって、制輪子170が所定の組み付け位置に収まるようになっている。
【0039】
規制手段収容部125は、レール部103を有するレール前部101とレール後部105とレール側部126とに囲まれる空間である。
【0040】
規制手段収容部125にスペーサ190を固定する手段として、レール前部101とスペーサ190とレール後部105を貫通するボルト140と、このボルト140に螺合するナット141とが設けられる。スペーサ190は、レール前部101とレール後部105の間に介装され、ボルト140及びナット141を介してレール100に締結される。
【0041】
スペーサ190は、金属板をプレス成型して、略矩形の板状に形成される。スペーサ190は、ライニング裏板76の切欠部150に対峙する規制面191と、レール側部126に対峙するテーパ状の端部192と、レール後部105に当接する端面193と、レール前部101に当接する端面194と、ボルト140を螺合させるネジ穴195と、を有する。スペーサ190は、端部192がレール側部126に当接することによってボルト140まわりに回動することが係止され、規制面191がライニング裏板76の摺動部121と平行に配置される。
【0042】
このように、スペーサ190がレール100の規制手段収容部125に収容される構成のため、後述するようにスペーサ190を形状の異なるものに換えることにより、共通のレール100に仕様の異なる制輪子70、270を組み付けることが可能になる(図8参照)。
【0043】
スペーサ190の規制面191及びライニング裏板76の切欠部150は、レール100に制輪子170が差し込まれる上下方向に延び、かつライニング裏板76及びレール開口部118に略直交する平面状に形成される。
【0044】
制輪子170は、レール100に組み付けられた状態で、その切欠部(第一の規制解除部)150が規制面191に対峙する対峙面(第一の対峙面)150Aを有する。この対峙面150Aは、規制面191に沿って延びる平面状に形成される。
【0045】
これにより、制輪子170がレール100に差し込まれるときに、ライニング裏板76の切欠部150の対峙面150Aが規制面191に平行に対峙して規制面191に干渉することなく、所定の組み付け位置に収まる。
【0046】
ライニング裏板76は、リベット75の頭部を収容する凹部120を有する。摺動部121は、凹部120を挟んで並ぶ先端摺動部121Aと基端摺動部121Bを有する。先端摺動部121Aは、その先端に切欠部150が形成される。これにより、先端摺動部121Aは、その突出幅が、基端摺動部121Bの突出幅より小さく形成され、スペーサ190に干渉することなくレール部103に係合し、ライニング裏板76をレール100に支持するレール機能を果たす。なお、これに限らず、摺動部121は、先端摺動部121Aを廃止し、基端摺動部121Bのみを有する構成としてもよい。
【0047】
図6の(A)は、正規の制輪子170とは仕様が異なる制輪子70の誤組み付けが防止される様子を示す平面図であり、図6の(B)は、同じく側面図である。この制輪子70の摺動部119は、先端摺動部119Aと基端摺動部119Bを有し、先端摺動部119Aに切欠部が形成されることがなく、先端摺動部119Aと基端摺動部119Bの突出幅が等しくなるように形成されている。レール100に制輪子70が図中矢印Aで示すように差し込まれるときに、摺動部119の先端摺動部119Aがスペーサ190に当接し、それ以上に差し込まれない。こうして、仕様が異なる制輪子70がレール100に誤って組み付けられることを確実に防止できる。
【0048】
図7の(A)は、上下逆方向(前後逆方向)の誤組み付けが防止される様子を示す平面図であり、図7の(B)は、同じく側面図である。正規の制輪子170が上下逆方向になった状態でレール100に図中矢印Aで示すように差し込まれるときに、制輪子170のライニング背板72の上端72Aがボルト140の頭部に当接し、それ以上に差し込まれない。こうして、異なる制輪子170が上下逆方向に誤って組み付けられることを防止できる。
【0049】
ボルト140は、レール100にスペーサ190を締結する機能と、上下逆方向の誤組み付けを防止する機能と、を果たす。なお、上下逆方向の誤組み付けを防止するためのボルト140を備えるキャリパブレーキ装置は、従来から存在したが、このキャリパブレーキ装置にスペーサ190を設けることによって、仕様が異なる制輪子70の誤組み付けも防止できる。
【0050】
なお、これに限らず、ボルト140を廃止し、スペーサ190をレール100に溶接等によって固着してもよい。この場合にも、制輪子170が上下逆方向になった状態でレール100に図中矢印Aで示すように差し込まれるときに、突出幅の広い摺動部122の上端がスペーサ190に当接し、それ以上に差し込まれず、上下逆方向の誤組み付けを防止できる。
【0051】
図8は、仕様が異なる3つの制輪子70、170、270に対応するスペーサ90、190、290が設けられる構成を示す平面図である。
【0052】
制輪子70、170、270は、それぞれのライニング部材74の摩擦係数が順に高くなるとともに、ライニング部材74の耐熱性が順に高くなるように設定される。キャリパブレーキ装置は、所定の同一条件で作動するときに生じる制動力は、制輪子70、170、270の順に高くなる。
【0053】
スペーサ90、190、290は、例えば要求される制動力が異なる車両のキャリパブレーキ装置に設けられるものである。スペーサ90、190、290は、例えば低速車両、中速車両、高速車両のキャリパブレーキ装置にそれぞれ設けられる。
【0054】
図8の(1)に示すように、最も低い制動力を生じる制輪子70を支持するレール100には、スペーサ90が介装される。このスペーサ90は、ライニング裏板76の摺動部121に対峙するレール延長面91を有する。このレール延長面91は、レール後部105に対向する向きに傾斜する平面状に形成され、レール100のレール部103の延長上に延びる。
【0055】
制輪子70は、レール100に組み付けられた状態で、ライニング裏板76の摺動部121がレール部103及びレール延長面91に対峙し、レール100に支持される。
【0056】
図8の(2)に示すように、中間の制動力を生じる制輪子170を支持するレール100には、スペーサ190が介装される。このスペーサ190は、前述したように、ライニング裏板76及びレール開口部118に直交する規制面(第一の規制面)191を有する。
【0057】
制輪子170は、レール100に組み付けられた状態で、その切欠部(第一の規制解除部)150が規制面(第一の規制面)191に対峙する。
【0058】
図8の(1)に示す最も低い制動力を生じる制輪子70は、ライニング裏板76の摺動部121が図8の(2)に示すスペーサ190に当接することにより、レール100への組み付けが規制される。
【0059】
図8の(3)に示すように、最も高い制動力を生じる制輪子270を支持するレール100には、スペーサ290が介装される。このスペーサ290は、レール部103に対向する向きに傾斜する規制面(第二の規制面)291を有する。スペーサ290は、規制面(第二の規制面)291によってスペーサ190の規制面(第一の規制面)191に対して突出した部位を有する。
【0060】
制輪子270は、レール100に組み付けられた状態で、ライニング裏板76の切欠部(第二の規制解除部)159の対峙面(第二の対峙面)159Aが規制面291に対峙する。この対峙面159Aは、規制面291に沿って延びる平面状に形成される。
【0061】
図8の(1)(2)に示す制輪子70、170は、ライニング裏板76の摺動部121、切欠部150がそれぞれ図8の(3)に示すスペーサ290の規制面(第一の規制面)291によって突出した部位に当接することにより、レール100への組み付けが規制される。
【0062】
図9に示す表には、制輪子70、170、270がスペーサ90、190、290によって組み付けが許容されるものには○を付け、組み付けが規制されるものには×を付けている。この表に示すように、制輪子70は、スペーサ90のみによって組み付けが許容され、スペーサ190、290によって組み付けが規制される。制輪子170は、スペーサ90、190によって組み付けが許容され、スペーサ290によって組み付けが規制される。制輪子270は、全てのスペーサ90、190、290によって組み付けが許容される。これにより、例えば高速車両に、低、中速車両の制輪子70、170が誤って組み付けられることが防止され、要求される制動力が得られないという不具合を回避できる。また、低速車両に中、高速車両の制輪子70、270が組み付けられても、要求される制動力以上の制動力が得られるため、不具合は生じない。このように、制輪子170、270は、それより制動力が低いものが組み付けられるレール100への組み付けが許容されるため、制輪子70、170、270の互換性が確保され、部品点数の削減がはかれる。
【0063】
(第2の実施形態)
次に図10、図11、図12に示す第2の実施形態を説明する。
【0064】
図10は、制輪子271を支持するレール100の一部を示す平面図である。制輪子271のライニング裏板76には、切欠部151が形成される。レール100には、レール機能を持つスペーサ180が介装される。このスペーサ180は、切欠部151の対峙面151Aに対峙する規制面181を有し、この規制面181と対峙面151Aとが、レール後部105に対向する向きに傾斜する平面状に形成される。規制面181と対峙面151Aとは、レール部103に対して略平行に延びている。
【0065】
レール100に制輪子271が差し込まれるときに、ライニング裏板76の切欠部151の対峙面151Aがスペーサ180の規制面181に干渉しないように対峙し、レール100に制輪子271が組み付けられる。
【0066】
レール100に制輪子271が組み付けられた状態では、スペーサ180は、その規制面181が切欠部151の対峙面151Aに対峙して、ライニング裏板76をレール100に支持するレール機能を果たす。これにより、ライニング裏板76がレール100に支持される長さが拡大され、ライニング裏板76のガタツキを抑えられる。そして、スペーサ180は、制輪子271の組み付けを許容し、制輪子70、170の組み付けをを規制する、規制手段の機能も果たす。
【0067】
図11は、仕様が異なる3つの制輪子71、170、271に対応するスペーサ99、190、180が設けられる構成を示す平面図である。
【0068】
図11の(1)に示すように、最も低い制動力を生じる制輪子71を支持するレール100には、低速車両用のスペーサ99が介装される。このスペーサ99は、レール部103の延長上に延びる平面状のレール延長面92と、レール開口部118に対向する向きに傾斜する平面状の規制面93とを有する。
【0069】
制輪子71は、ライニング裏板76の摺動部121に切欠部が形成されず、摺動部121の先端に角部123を有する。制輪子71は、ライニング裏板76の角部123がレール延長面92及び規制面93に対峙してレール100に組み付けられる。
【0070】
図11の(2)に示すように、中間の制動力を生じる制輪子170を支持するレール100には、中速車両用のスペーサ190が介装される。このスペーサ190は、前述した図4等に示すように、ライニング裏板76及びレール開口部118に直交する規制面191を有する。制輪子170は、ライニング裏板76の切欠部150が規制面191に対峙してレール100に組み付けられる。
【0071】
図11の(3)に示すように、最も高い制動力を生じる制輪子271を支持するレール100には、高速車両用のスペーサ180が介装される。このスペーサ180は、前述した図10に示すように、レール部103に対して略平行に傾斜する規制面181を有する。制輪子271は、ライニング裏板76の切欠部151が規制面181に対峙してレール100に組み付けられる。
【0072】
図12に示す表に示すように、制輪子71、170、271とスペーサ99、190、180とは、一対一の関係で組み付けが許容される。
【0073】
図11の(1)に示すスペーサ99は、制輪子71の組み付けのみを許容し、他の制輪子170、271の組み付けを規制する。制輪子170、271は、ライニング裏板76の切欠部150、切欠部151がそれぞれスペーサ99の規制面93によって突出した部位に当接することにより、レール100への組み付けが規制される。
【0074】
図11の(2)に示すスペーサ190は、制輪子170の組み付けのみを許容し、他の制輪子71、271の組み付けを規制する。制輪子71、271は、ライニング裏板76の角部123、切欠部151がそれぞれスペーサ190の規制面191によって突出した部位に当接することにより、レール100への組み付けが規制される。
【0075】
図11の(3)に示すスペーサ180は、制輪子271の組み付けのみを許容し、他の制輪子71、170の組み付けを規制する。制輪子71、170は、ライニング裏板76の角部123、切欠部150がそれぞれスペーサ180の規制面181によって突出した部位に当接することによって、レール100への組み付けが規制される。
【0076】
(第3の実施形態)
次に図13に示す第3の実施形態を説明する。図13の(A)は、レール100の平面図であり、(B)は同じく側面図である。
【0077】
本実施形態では、誤組み付けを防止する規制手段として、レール100にワッシャ210が締結される。
【0078】
レール100は、レール前部101の上端部が削除される。ワッシャ210は、レール前部101の上端部が削除された部位に配置される。円盤状のワッシャ210は、レール後部105にボルト211及びナット212を介して締結される。
【0079】
レール100に図3に示す制輪子170が差し込まれるときに、ライニング裏板76の切欠部150がワッシャ210に干渉することなく係合することによって、制輪子170が所定の組み付け位置に収まる。
【0080】
レール100に正規の制輪子170とは仕様が異なる制輪子70が差し込まれるときに、ライニング裏板76の摺動部119(図6参照)がワッシャ210に当接し、それ以上に差し込まれない。こうして、仕様が異なる制輪子70がレール100に誤って組み付けられることを確実に防止できる。
【0081】
なお、誤組み付けを防止する規制手段は、ワッシャ210に限らず、例えばボルト211の頭部またはナット212等によって構成してもよい。
【0082】
(第4の実施形態)
次に図14に示す第4の実施形態を説明する。図14の(A)は、レール100の平面図であり、(B)は同じく側面図である。
【0083】
本実施形態では、誤組み付けを防止する規制手段として、レール100のレール前部101の上端部をレール後部105に近づけるように折り曲げたレール曲折部220が形成される。
【0084】
レール100に図3に示す制輪子170が差し込まれるときに、ライニング裏板76の切欠部150がレール曲折部220に干渉することなく係合することによって、制輪子170が所定の組み付け位置に収まる。
【0085】
レール100に正規の制輪子170とは仕様が異なる制輪子70が差し込まれるときに、ライニング裏板76の摺動部119(図6参照)がレール曲折部220に当接し、それ以上に差し込まれない。こうして、仕様が異なる制輪子70がレール100に誤って組み付けられることを確実に防止できる。
【0086】
なお、以上説明した各実施形態は、レール100に設けられる2つのレール前部101、102のうち、レール前部101に誤組み付けを防止する規制手段を設ける構成としたが、これに限らず、レール前部102に誤組み付けを防止する規制手段を設ける構成してもよい。
【0087】
(第5の実施形態)
次に図15に示す第5の実施形態を説明する。図15の(B)は、第2のアーム14の側面図であり、(A)は、(B)のC−C線に沿う断面図である。キャリパ本体の第2のアーム14には、制輪子170を支持するレールとしてアリ溝97が形成される部位を有する。このアリ溝97に対して制輪子170のライニング裏板76を嵌合することによって制輪子170は支持される。第2のアーム14には、制輪子170を押圧するための油圧シリンダが設けられず、制輪子170が固定して設けられる。
【0088】
本実施形態では、誤組み付けを防止する規制手段として、アリ溝97に突出するピン230が第2のアーム14に取り付けられる。このピン230は、アリ溝97の図15の(B)において右側上方に位置する奥側隅部に配置される。円柱状のピン230は、第2のアーム14の穴231に嵌合して取り付けられる。
【0089】
アリ溝97に図3に示す制輪子170が差し込まれるときに、ライニング裏板76の切欠部150がピン230に干渉することなく係合することによって、制輪子170が所定の組み付け位置に収まる。
【0090】
アリ溝97に正規の制輪子170とは仕様が異なる制輪子70が差し込まれるときに、ライニング裏板76の摺動部119(図6参照)がピン230に当接し、それ以上に差し込まれない。こうして、誤って仕様が異なる制輪子70がアリ溝97に組み付けられることを確実に防止できる。
【0091】
前記各キャリパブレーキ装置によれば、以下の作用、効果が得られる。
【0092】
(ア)対象物(ディスクロータ6)を制動する制輪子170と、この制輪子170を支持するレール100と、を備えるキャリパブレーキ装置であって、レール100は、制輪子170を所定位置に案内するレール部103、104と、このレール部103、104によって案内される制輪子170の移動を規制する規制手段(スペーサ190)と、を備え、制輪子170は、対象物に当接する制動面74Aを有し、対象物に制動力を付与するライニング部材74と、このライニング部材74の制動面74Aと反対側に設けられ、レール100に取り付けられるライニング裏板76と、このライニング裏板76に設けられ、レール部103、104に沿って摺動する摺動部121、122と、この摺動部121に設けられ、規制手段による当該制輪子170の移動規制を解除する規制解除部(切欠部150)と、を備える構成とした(図1〜図15参照)。
【0093】
上記構成に基づき、レール100にライニング裏板76が取り付けられる際に、レール100のレール部103、104に沿ってライニング裏板76の摺動部が摺動する。このとき、規制解除部は、ライニング裏板76の移動を規制する移動規制を解除し、ライニング裏板76がレール100の所定位置に案内され、レール100に取り付けられる。
【0094】
また、規制解除部を有さないライニング裏板76をレール100に取り付けようとする場合には、レール100に設けられる規制手段によってライニング裏板76の移動が規制される。これにより、規制解除部を有さない制輪子は、レール100に取り付けられない。
【0095】
例えば、摩擦係数や耐熱性能等が高い制輪子(高仕様の制輪子)には、規制解除部が設けられていて、摩擦係数や耐熱性能等が低い制輪子(低仕様の制輪子)には、規制解除部が設けられないように設定すると、低仕様の制輪子は、規制手段を有するレール100に取り付けられない。こうして本発明のキャリパブレーキ装置によれば、低仕様の制輪子が誤って取り付けられることを防止できる。
【0096】
(イ)レール100は、規制手段(スペーサ190)を収容する規制手段収容部125を備え、この規制手段収容部125は、レール部103を有するレール前部101と、このレール前部101との間にライニング裏板76を介在させるレール後部105と、レール前部101とレール後部105を結ぶレール側部126とに囲まれる構成とした(図4〜図11参照)。
【0097】
(ウ)規制手段は、レール後部105及びレール前部101の間に介装されるスペーサ190を含み、規制解除部は、摺動部121の一部がスペーサ190の形状に対応して切り欠かれた切欠部150を含む構成とした。
【0098】
上記構成に基づき、レール100にライニング裏板76が取り付けられる際に、切欠部150は、スペーサ190に対峙し、ライニング裏板76の移動を規制する移動規制を解除し、ライニング裏板76がレール100の所定位置に案内され、レール100に取り付けられる。
【0099】
これに対して、切欠部150を有さないライニング裏板76は、レール100に設けられるスペーサ190によってライニング裏板76の移動が規制され、レール100に取り付けられない。
【0100】
スペーサ190を形状の異なるものに換えることにより、共通のレール100に仕様の異なる制輪子70、71、72を組み付けることが可能になり(図8参照)、レール100の形状を変えることなく実施されるため、製品のコストアップを抑えられる。
【0101】
(エ)スペーサ190は、ライニング裏板76に対して略直交する第一の規制面191を有し、切欠部150は第一の規制面191に略平行に対峙する第一の対峙面150Aを有する構成とした(図4〜図5参照)。
【0102】
上記構成に基づき、レール100にライニング裏板76が取り付けられる際に、切欠部150の第一の対峙面150Aは、スペーサ190の規制面191に略平行に対峙し、ライニング裏板76の移動を規制する移動規制を解除し、ライニング裏板76がレール100の所定位置に案内され、レール100に取り付けられる。
【0103】
スペーサ190の規制面191及び切欠部150の形状が簡素化され、製品のコストアップを抑えられる。
【0104】
スペーサ180は、切欠部151に対峙する規制面181を有し、この規制面181は、レール後部105に対して傾斜する平面状に形成される構成した(図10参照)。
【0105】
上記構成に基づき、規制面181が切欠部151に対峙して、ライニング裏板76をレール100に支持するレール機能を果たし、ライニング裏板76のガタツキを抑えられる。
【0106】
(オ)スペーサ290は、第一の規制面191に対して突出する第二の規制面291を有し、切欠部159は、第二の規制面291の形状に対応した形状に形成される第二の対峙面159Aを有する構成とした(図8参照)。
【0107】
上記構成に基づき、第一の対峙面150Aを有するライニング裏板76は、第一の規制面191を有するレール100に取り付けられるが、第二の規制面291を有するスペーサ190を介してレール100に取り付けられない。一方、第二の対峙面159Aを有するライニング裏板76は、第二の規制面291を有するスペーサ290を介してレール100に取り付けられるともに、第一の規制面191を有するスペーサ190を介してレール100に取り付けられる。これにより、発生する制動力が設定値より高い制輪子を仕様が異なるレール100に取り付けられることが許容されるため、制輪子の互換性が確保され、部品点数の削減がはかれる。
【0108】
(カ)規制手段は、レール100に取り付けられるボルト211、ワッシャ210、ナット212、ピン230のいずれかを含む構成とした(図13、図15参照)。
【0109】
上記構成に基づき、レール100にボルト211、ワッシャ210、ナット212、ピン230のいずれかを取り付けることにより、レール100の形状を変えることなく実施される。
【0110】
(キ)レール100は、レール部103を有するレール前部101と、このレール前部101との間にライニング裏板76を介在させるレール後部105と、レール前部101とレール後部105を結ぶレール側部126と、を有し、規制手段は、レール前部101の一部をレール後部105に近づけるように折り曲げたレール曲折部220を含む構成とした(図14参照)。
【0111】
上記構成に基づき、レール100の形状を変えることによって実施されるため、量産化により製品のコストダウンがはかれる。
【0112】
本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【符号の説明】
【0113】
6 ディスクロータ(対象物)
70、170、270 制輪子
74A 制動面
76 ライニング裏板
90、180、190、290 スペーサ(規制手段)
100 レール
101、102 レール前部
103、104 レール部
105 レール後部
121、122 摺動部
125 規制手段収容部
126 レール側部
150、151、159 切欠部(規制解除部)
150A、151A、159A 対峙面
181、191、291 規制面
210 ワッシャ(規制手段)
220 レール曲折部(規制手段)
230 ピン(規制手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を制動する制輪子と、
前記制輪子を支持するレールと、を備えるキャリパブレーキ装置であって、
前記レールは、
前記制輪子を所定位置に案内するレール部と、
前記レール部によって案内される前記制輪子の移動を規制する規制手段と、を備え、
前記制輪子は、
前記対象物に当接する制動面を有し、前記対象物に制動力を付与するライニング部材と、
前記ライニング部材の前記制動面と反対側に設けられ、前記レールに取り付けられるライニング裏板と、
前記ライニング裏板に設けられ、前記レール部に沿って摺動する摺動部と、
前記摺動部に設けられ、前記規制手段による当該制輪子の移動規制を解除する規制解除部と、を備えることを特徴とするキャリパブレーキ装置。
【請求項2】
前記レールは、前記規制手段を収容する規制手段収容部を備え、
前記規制手段収容部は、
前記レール部を有するレール前部と、
前記レール前部との間に前記ライニング裏板を介在させるレール後部と、
前記レール前部と前記レール後部を結ぶレール側部と、に囲まれることを特徴とする請求項1に記載のキャリパブレーキ装置。
【請求項3】
前記規制手段は、前記レール後部及び前記レール前部の間に介装されるスペーサを含み、
前記規制解除部は、前記摺動部の一部が前記スペーサの形状に対応して切り欠かれた切欠部を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のキャリパブレーキ装置。
【請求項4】
前記スペーサは、前記ライニング裏板に対して略直交する第一の規制面を有し、
前記切欠部は、前記第一の規制面に略平行に対峙する第一の対峙面を有することを特徴とする請求項3に記載のキャリパブレーキ装置。
【請求項5】
前記スペーサは、前記第一の規制面に対して突出する第二の規制面を有し、
前記切欠部は、前記第二の規制面の形状に対応した形状に形成される第二の対峙面を有することを特徴とする請求項4に記載のキャリパブレーキ装置。
【請求項6】
前記規制手段は、前記レールに取り付けられるボルト、ワッシャ、ナット、ピンのいずれかを含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載のキャリパブレーキ装置。
【請求項7】
前記レールは、
前記レール部を有するレール前部と、
前記レール前部との間に前記ライニング裏板を介在させるレール後部と、
前記レール前部と前記レール後部を結ぶレール側部と、を有し、
前記規制手段は、前記レール前部の一部を前記レール後部に近づけるように折り曲げたレール曲折部を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載のキャリパブレーキ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2013−87927(P2013−87927A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231858(P2011−231858)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【Fターム(参考)】