説明

キャリブレーション方法および基板検査装置

【課題】撮像装置とキャリブレーションマークとの位置関係に係わらず、撮像装置をキャリブレーションするに十分な、キャリブレーションマークの撮像画像を取得する。
【解決手段】単一のキャリブレーションマークを複数回撮像することによって、複数の基準マークが配置されたキャリブレーションを撮像したときと同様の画像マークを取得し、この画像マークに基づいて撮像装置について中心位置、取り付け角度、分解能等のキャリブレーションを行う。単一のキャリブレーションマークを異なる撮像位置で複数回撮像して画像マークを取得する撮像工程と、複数回の撮像で取得したキャリブレーションマークの各画像マークを用いて、複数個の画像マークを有した撮像画像を形成する撮像画像形成工程と、撮像画像の画像マークの位置と撮像画像上の基準位置とに基づいて、撮像装置のキャリブレーション情報を算出するキャリブレーション情報算出工程とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶基板等のTFTアレイ基板の検査に関し、特に、基板を撮像する撮像装置のキャリブレーションに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶アレイ検査装置等の基板検査装置において、液晶基板等のTFTアレイ基板上を撮像して得られる撮像画像として、光学的に撮像して得られる光学撮像画像、電子ビームやイオンビーム等の荷電ビームを基板上で二次元的に走査して得られる走査画像が知られている。
【0003】
基板の光学撮像画像によって基板の不良箇所を検出する装置として、例えば特許文献1が知られている。また、基板上に設けたアライメントマークを撮像することによって基板の位置決めを行う装置として、例えば特許文献2が知られている。
【0004】
基板を撮像して得られる光学撮像画像を用いた基板検査、あるいは、アライメントマークを撮像して得られる光学撮像画像を用いた基板の位置決めでは、検査装置に対してカメラ等の撮像装置が正確に位置合わせされていることが求められる。撮像装置の取り付け位置に位置ずれがある場合や、取り付け角度に角度ずれがある場合には、光学撮像画像上のピクセル位置やアライメントマークに位置誤差が含まれることになり、光学撮像画像に基づいて検出された欠陥位置が位置ずれしたり、アライメントマークに基づいて位置決めされた基板が位置ずれすることになる。
【0005】
このような欠陥位置や基板の位置ずれを回避するために、撮像装置の取り付け位置や取り付け角度をキャリブレーションすることが行われる。
【0006】
撮像装置をキャリブレーションする装置において、複数のキャリブレーションマークを一台の撮像装置で撮像し、複数の撮像マークに基づいて撮像装置をキャリブレーションする技術が知られている(特許文献3,4)。
【0007】
図12は、従来の撮像装置のキャリブレーションを説明するための図である。複数の基準マークからなるキャリブレーションマーク301を撮像装置4aで撮像する(図12(a))。一回の撮像によって取得された撮像画像400中の画像マーク401は、キャリブレーションマーク301に対応している(図12(b))。
【0008】
図12(c)は、撮像装置4aの中心位置がΔxだけ位置ずれしている場合を示している。この場合に取得される撮像画像400中の画像マーク401の中心位置は、位置ずれがないときの画像マーク401の中心位置からΔxに相当する分だけ位置ずれしている(図12(d))。
【0009】
図12(e)は、撮像装置4aの取り付け角度がΔθだけ角度ずれしている場合を示している。この場合に取得される撮像画像400中の画像マーク401の角度は、角度ずれがないときの画像マーク401からΔθだけ角度がずれている(図12(f))。
【0010】
図12(d),(f)に示される撮像画像400の画像マークに基づいて撮像装置の位置ずれおよび角度ずれを求め、この位置ずれおよび角度ずれに基づいて撮像装置4aの中心位置および取り付け角度をキャリブレーションする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2000−206480号公報
【特許文献2】特開2004−325097号公報
【特許文献3】特開昭63−311485号公報
【特許文献4】特開平6−325154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
キャリブレーションを行うための基準マークをステージ等の駆動機構上に設ける構成では、基準マークが移動するため、複数の基準マークが撮像装置の撮像範囲から外れる場合がある。また、複数の基準マークが広い範囲に分布している構成においても、位置ずれ等によって、複数の基準マークが撮像装置の撮像範囲から外れる場合がある。
【0013】
図13は、複数の基準マークが撮像装置の撮像範囲から外れる場合を説明するための図である。
【0014】
図13(a),(b)は複数の基準マークを全て撮像する場合を示している。撮像装置4aの撮像範囲はキャリブレーションマークの全ての基準マーク302を含むため(図13(a))、撮像画像40の画像マーク401は全ての基準マーク302を撮像している(図13(b))。
【0015】
一方、図13(c),(d)は複数の基準マークの一部が撮像されない場合を示している。撮像装置4aの位置ずれ等によって、撮像装置4aの撮像範囲がキャリブレーションマークの一部の基準マーク302を含まない場合には(図13(c))、撮像画像400の画像マーク401は、基準マーク302の内の一部のみを撮像することになり、基準マーク302の一部は撮像されないことになる(図13(d))。
【0016】
このように複数の基準マークが撮像装置の撮像範囲から外れる場合には、撮像画像中に撮像されない基準マークが生じ、取得される位置ずれ情報の精度低下によってキャリブレーション精度が低下するという問題が発生したり、位置ずれ情報を取得するに十分な個数の基準マークが撮像されない場合にはキャリブレーションが困難となるという問題が発生する。
【0017】
そこで、本発明は上記した、撮像装置とキャリブレーションマークとの位置関係のずれ等によって、撮像装置による一回の撮像でキャリブレーションマークの撮像が不十分となり、撮像装置のキャリブレーションに支障が生じるという課題を解決し、撮像装置とキャリブレーションマークとの位置関係に係わらず、撮像装置をキャリブレーションするに十分な、キャリブレーションマークの撮像画像を取得することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本願発明は、単一のキャリブレーションマークを複数回撮像することによって、複数の基準マークが配置されたキャリブレーションを撮像したときと同様の画像マークを取得し、この画像マークに基づいて撮像装置について中心位置、取り付け角度、分解能等のキャリブレーションを行う。
【0019】
本願発明は基板検査装置の態様、およびキャリブレーション方法の態様を備える。
本願発明の基板検査装置の態様は、単一のキャリブレーションマークを有したステージと、単一のキャリブレーションマークを異なる撮像位置で複数回撮像して画像マークを取得する撮像装置と、複数回の撮像で取得したキャリブレーションマークの各画像マークを用いて、複数個の画像マークを有した撮像画像を形成する撮像画像形成部と、撮像画像の画像マークの位置と撮像画像上の基準位置とに基づいて、撮像装置のキャリブレーション情報を算出するキャリブレーション情報算出部とを備える。
【0020】
キャリブレーション情報算出部で算出したキャリブレーション情報に基づいて撮像装置をキャリブレーションする。
【0021】
撮像装置は、単一のキャリブレーションマークを異なる撮像位置で複数回撮像して画像マークを取得することによって、複数の基準マークが設けられたキャリブレーションと撮像装置との位置ずれ等によって、一回の撮像で得られる撮像画像に撮像されない基準マークが発生するという課題を解決する。
【0022】
本願発明は、複数個の画像マークの撮像画像を形成するために、撮像装置又はステージの少なくとも何れか一方を移動する。撮像装置は、この移動による移動位置において単一のキャリブレーションマークを撮像することによって、単一のキャリブレーションマークを異なる撮像位置で撮像する。
【0023】
撮像装置又はステージの移動は、撮像装置又はステージの少なくとも何れか一方の直線移動又は回転移動によって行う。
【0024】
直線移動の態様は、撮像装置又はステージの少なくとも何れか一方をx方向およびy方向の2方向を含む直線移動することによって二次的に移動する。このx方向およびy方向の直線移動による二次元的移動によって、二次元分布した撮像マークを取得する。
【0025】
直線移動の別の態様は、撮像装置又はステージの少なくとも何れか一方をx方向およびy方向の2方向を含む直線移動によって直線的に移動する。このx方向およびy方向の直線移動によって直線上に分布した撮像マークを取得する。
【0026】
回転移動の態様は、撮像装置の中心位置を回転中心として、撮像装置を回転移動させることによって二次元分布した撮像マークを取得する。回転角度は任意に定めた角度とすることができる。例えば、360°を撮像回数で除算した角度とすることで、等角の回転角度で分布した撮像マークを得ることができる。
【0027】
キャリブレーション情報は、撮像装置の中心位置の基準中心位置に対する位置校正量、撮像装置の基準取り付け角度に対する角度校正量、撮像装置の基準分解能に対する分解能校正量の少なくとも何れか一つとすることができる。
【0028】
撮像装置のキャリブレーションは、撮像装置又はステージをキャリブレーション情報に基づいて校正する。
【0029】
本願発明のキャリブレーション方法の態様は、撮像装置と、単一のキャリブレーションマークを有したステージとを備え、ステージ上に載置された基板を検査する基板検査装置において、単一のキャリブレーションマークを異なる撮像位置で複数回撮像して画像マークを取得する撮像工程と、複数回の撮像で取得したキャリブレーションマークの各画像マークを用いて、複数個の画像マークを有した撮像画像を形成する撮像画像形成工程と、撮像画像の画像マークの位置と撮像画像上の基準位置とに基づいて、撮像装置のキャリブレーション情報を算出するキャリブレーション情報算出工程とを備える。キャリブレーション情報算出工程で算出したキャリブレーション情報に基づいて撮像装置をキャリブレーションする。
【0030】
撮像工程は、撮像装置又はステージの少なくとも何れか一方を移動させ、各移動位置において単一のキャリブレーションマークを撮像することによって、単一のキャリブレーションマークを異なる撮像位置で複数回撮像する。撮像装置又はステージの少なくとも何れか一方を直線移動又は回転移動させる。
【0031】
直線移動の一態様は、撮像装置又はステージの少なくとも何れか一方をx方向およびy方向の2方向を含む直線移動によって二次的に移動させる。撮像工程は、x方向およびy方向の直線移動によって二次元分布した撮像マークを取得する。
【0032】
直線移動の別の態様は、撮像装置又はステージの少なくとも何れか一方をx方向およびy方向の2方向を含む直線移動によって直線的に移動させる。撮像工程は、x方向およびy方向の直線移動によって直線上に分布した撮像マークを取得する。
【0033】
回転移動の態様は、撮像装置の中心位置を回転中心として撮像装置を回転させる。撮像工程は、回転移動した各移動位置において単一のキャリブレーションマークを撮像することによって二次元分布した撮像マークを取得する。
【0034】
キャリブレーション情報は、撮像装置の中心位置の基準中心位置に対する位置校正量、撮像装置の基準取り付け角度に対する角度校正量、撮像装置の基準分解能に対する分解能校正量の少なくとも何れか一つである。
【0035】
キャリブレーション情報算出工程で算出したキャリブレーション情報に基づいて撮像装置をキャリブレーションする。
【0036】
撮像装置又はステージの直線移動において、x方向およびy方向の2方向を含む直線移動する態様によれば、斜め方向の一方向の移動によって複数の画像マークを含む撮像マークを取得することができる。
【0037】
撮像装置の回転移動による態様によれば、撮像装置を取り付ける台座に回転駆動機構を設けることによって、撮像マークの取得とキャリブレーション動作とを一つの回転駆動機構によって行うことができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、撮像装置とキャリブレーションマークとの位置関係に係わらず、撮像装置をキャリブレーションするに十分な、キャリブレーションマークの撮像画像を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本願発明の基板検査装置におけるキャリブレーションの第1の例を説明するためのフローチャートである。
【図2】本願発明の基板検査装置におけるキャリブレーションの第1の例の撮像動作例を説明するための図である。
【図3】本願発明の基板検査装置におけるキャリブレーションの第1の例のx方向移動に伴う撮像による画像マークの取得例を説明するための図である。
【図4】本願発明の基板検査装置におけるキャリブレーションの第1の例のy方向移動に伴う撮像による画像マークの取得例を説明するための図である。
【図5】本願発明の基板検査装置におけるキャリブレーションの第1の例の位置ずれおよび角度ずれを説明するための図である。
【図6】本願発明の基板検査装置におけるキャリブレーションの第1の例の分解能を説明するための図である。
【図7】本願発明の基板検査装置の構成例を説明するための図である。
【図8】本願発明の基板検査装置におけるキャリブレーションの第2の例を説明するための図である。
【図9】本願発明の基板検査装置におけるキャリブレーションの第3の例を説明するための図である。
【図10】本願発明の基板検査装置におけるキャリブレーションの第3の例を説明するための図である。
【図11】本願発明の基板検査装置におけるキャリブレーションの第3の例を説明するためのフローチャートである。
【図12】従来の撮像装置のキャリブレーションを説明するための図である。
【図13】複数の基準マークが撮像装置の撮像範囲から外れる場合を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら詳細に説明する。以下では、図1〜6を用いて本願発明の基板検査装置におけるキャリブレーションの第1の例について説明し、図7を用いて本願発明の基板検査装置の構成例について説明し、図8を用いて本願発明の基板検査装置におけるキャリブレーションの第2の例を説明し、図9〜図11を用いて本願発明の基板検査装置におけるキャリブレーションの第3の例を説明する。
【0041】
[キャリブレーションの第1の例]
はじめに、本願発明の基板検査装置におけるキャリブレーションの第1の例について、図1のフローチャート、図2の撮像動作例を説明する図、図3のx方向移動に伴う撮像による画像マークの取得例を説明する図、図4のy方向移動に伴って行う撮像による画像マークの取得例を説明する図、図5、6のx方向およびy方向の移動に伴う撮像による撮像画像、およびキャリブレーション情報を説明する図を用いて説明する。
【0042】
はじめに、撮像工程において、撮像装置によって単一のキャリブレーションマークを撮像して画像マークを取得する動作を、撮像位置を異ならせながら複数回繰り返すことによって、二次元的に分布した複数の画像マークを取得する。
【0043】
図2(a),(b)は、ステージ2上に設けられた単一のキャリブレーションマーク101と撮像装置4aとの位置関係を示し、撮像装置4aは単一のキャリブレーションマーク101について異なる撮像位置で複数回撮像する。図では9点の撮像位置でキャリブレーションマーク101を撮像する例を示している。
【0044】
図2(a)は、撮像装置4aをキャリブレーションマーク101に対してx方向およびy方向に移動することによって撮像位置を異ならせる態様を示している。図2(b)は、キャリブレーションマーク101が設けられたステージ2を撮像装置4aに対してx方向およびy方向に移動することによって撮像位置を異ならせる態様を示している。
【0045】
図3,図4は、撮像装置を移動させて撮像移動を異ならせ、これによって複数の画像マークを取得する例を示し、図3はx方向に移動する例を示し、図4はy方向に移動する例を示している。
【0046】
図3(a)は、撮像装置をx方向の所定距離だけ移動させ、各移動位置においてキャリブレーション101を撮像する状態を示している。ここでは、3点の撮像位置A,B,Cについて、各撮像位置A,B,Cに対応する撮像範囲を202A,202B,202Cで示している。
【0047】
図3(b)は各撮像位置で撮像される撮像画像200A,200B,200Cを示している。撮像位置Aでは、キャリブレーションマーク101は撮像範囲202Aの左方上方に位置しているため、画像マーク201Aは撮像画像200Aの左方上方位置に撮像される。撮像位置Bでは、キャリブレーションマーク101は撮像範囲202Bの中央上方に位置しているため、画像マーク201Bは撮像画像200Bの中央上方位置に撮像される。また、撮像位置Cでは、キャリブレーションマーク101は撮像範囲202Cの右方上方に位置しているため、画像マーク201Cは撮像画像200Cの中央上方位置に撮像される。
【0048】
図4(a)は、撮像装置をy方向の所定距離だけ移動させ、各移動位置においてキャリブレーションマーク101を撮像する状態を示している。ここでは、3点の撮像位置D,E,Fについて、各撮像位置D,E,Fに対応する撮像範囲を202D,202E,202Fで示している。
【0049】
図4(b)は各撮像位置で撮像される撮像画像200D、200E,200Fを示している。撮像位置Dでは、キャリブレーションマーク101は撮像範囲202Dの左方上方に位置しているため、画像マーク201Dは撮像画像200Dの左方上方位置に撮像される。撮像位置Eでは、キャリブレーションマーク101は撮像範囲202Eの左方中央に位置しているため、画像マーク201Eは撮像画像200Eの左方中央位置に撮像される。また、撮像位置Fでは、キャリブレーションマーク101は撮像範囲202Fの左方下方に位置しているため、画像マーク201Fは撮像画像200Cの左方下方位置に撮像される。
【0050】
図3,4では、x方向の一列、y方向の一行のみを示しているが、それぞれy方向およびx方向に移動させた位置において、同様にx方向およびy方向に移動させることで、画像マークを二次元的に撮像することができる。
【0051】
なお、撮像位置の変更は、撮像装置のみの移動やステージのみの移動の他、撮像装置とステージの両方の移動によっても行うことができる。例えば、x方向については撮像装置を移動させ、y方向についてはステージを移動させることで二次元的に移動させてもよい(S1,S2)。
【0052】
次に、撮像画像形成工程において、撮像工程の複数回の撮像で取得したキャリブレーションマークの各画像マークを用いて複数個の画像マークを有した撮像画像を形成する。図2(c)は、撮像工程において各撮像位置で撮像した複数の画像マーク201を、キャリブレーション前の位置にある撮像装置4aが撮像する撮像範囲内に配置した撮像画像200を示している。
【0053】
また、図3(c)はx方向の各移動位置で撮像した画像マーク201A,201B,201Cをキャリブレーション前の位置にある撮像装置が撮像する撮像範囲内に配置した撮像画像200を示し、図4(c)はy方向の各移動位置で撮像した画像マーク201D,201E,201Fをキャリブレーション前の位置にある撮像装置が撮像する撮像範囲内に配置した撮像画像200を示している(S3)。
【0054】
次に、キャリブレーション情報算出工程において、撮像画像の画像マークの位置と撮像画像上の基準位置とに基づいて、撮像装置のキャリブレーション情報を算出する。ここでは、キャリブレーション情報として、撮像装置の中心位置の位置ずれ量(Δx,Δy)、取り付け角度の角度ずれ量(Δθ)、撮像装置の分解能について示す。
【0055】
図5(a)は、中心位置が基準位置から位置ずれし、取り付け角度が基準角度から角度ずれした状態の撮像装置において、単一のキャリブレーションを異なる撮像位置で撮像して得られる撮像画像例を示している。ここでは、撮像画像200内に9点の画像マーク201が形成される例を示している。
【0056】
ここでは、撮像装置の中心位置の位置ずれ量(Δx,Δy)、および取り付け角度の角度ずれ量(Δθ)を算出するために、各画像マーク201の中心位置を求め、9点の画像マークの内の中央の画像マークで交差する2本の画像ライン206を求める。図5(b),(c)において、撮像装置の位置を表す基準ライン205を濃い実線で示し、基準ライン205が交差する交点を基準中心位置203で示している。また、画像マーク201から求められる、キャリブレーション前の撮像装置の位置を表す画像ライン206を薄い実線で示し、画像ライン206が交差する交点を中心位置204で示している。なお、図5(c)は図5(b)の一部を拡大した図である。
【0057】
基準ライン205および基準中心位置203は、撮像画像200の撮像範囲202において、位置ずれや角度ずれが無い状態において予め定めることができる。
【0058】
撮像装置の中心位置の位置ずれ量(Δx,Δy)は、基準中心位置203と中心位置204とのx方向の位置ずれ量およびy方向の位置ずれ量から求めることができる。また、撮像装置の取り付け角度の角度ずれ量(Δθ)は、基準ライン205に対する画像ライン206の角度から求めることができる。
【0059】
図6は撮像装置の分解能を説明するための図である。ここで、撮像装置の分解能は、撮像装置の一画素に対応する長さとし、x方向の分解能をδxとし、y方向の分解能をδyとする。この分解能によれば、撮像画像上に2点において2点間のx方向の画素数がNxである場合には、2点間のx方向の距離はNx・δxで表され、2点間のy方向の距離はNy・δyで表される。したがって、分解能δx,δyが小さいほど2点間の距離を高い精度で求めることができる。
【0060】
図6において、撮像点[X1,Y1]に対してx方向に移動距離Lx離れた位置にある撮像点[X2,Y2]と、撮像点[X1,Y1]に対してy方向に移動距離Ly離れた位置にある撮像点[X3,Y3]に基づいて分解能δx,δyを算出する。
【0061】
分解能δxは、
δx=Lx・cosΔθx/Nx
で表すことができる。
なお、Lxは、撮像点[X1,Y1]と撮像点[X2,Y2]との間において、x方向の移動距離であり、撮像装置あるいはステージの移動量から求めることができる。Δθxはx方向の基準ラインに対する画像ラインの角度ずれ量であり、Nxは撮像点[X1,Y1]と撮像点[X2,Y2]との間のx方向の画素数である。
【0062】
また、分解能δyは、
δy=Ly・cosΔθy/Ny
で表すことができる。
なお、Lyは、撮像点[X1,Y1]と撮像点[X3,Y3]との間において、y方向の移動距離であり、撮像装置あるいはステージの移動量から求めることができる。Δθyはy方向の基準ラインに対する画像ラインの角度ずれ量であり、Nyは撮像点[X1,Y1]と撮像点[X3,Y3]との間のy方向の画素数である(S4)。
【0063】
キャリブレーション情報算出工程で算出したキャリブレーション情報に基づいて撮像装置をキャリブレーションする(S5)。
【0064】
[基板検査装置の構成例]
次に、本願発明の基板検査装置の構成例について図7を用いて説明する。基板検査装置1は、液晶基板等のTFTアレイ基板上を撮像して得られる撮像画像に基づいて、基板上に形成されたTFTアレイの欠陥を検出する。撮像画像は、光学的に撮像して得られる光学撮像画像を用いる他に、電子ビームやイオンビーム等の荷電ビームを基板上で二次元的に走査して得られる走査画像を用いることができる。
【0065】
図7に示す構成例では、主にキャリブレーションを行うための構成を示し、TFTアレイ検査を行うための構成については省略するが、このTFTアレイ検査のための構成は、TFT基板を撮像装置で光学的に撮像して得られる光学撮像画像に基づいて欠陥検出を行う他に、液晶基板等のTFT基板に電子線を照射し、TFT基板から放出される二次電子を検出し、二次電子の検出信号から信号画像を形成し、この信号画像に基づいて欠陥検出を行う構成とすることができる。また、検査対象の基板は液晶基板に限らず、また、基板走査は電子線に限らずイオンビーム等の荷電ビームとすることができる。また、検出信号は照射する荷電ビームに依存し、二次電子に限られるものではない。
【0066】
図7において、基板検査装置1は、液晶基板等のTFT基板100を載置しXY方向に搬送自在とするステージ2と、ステージ2を駆動するステージ駆動部3と、ステージ2の上方位置に設けられた撮像部4と、撮像装置4aの撮像に基づいて撮像画像を形成する撮像画像形成部5と、撮像画像に基づいて撮像装置4aをキャリブレーションするためのキャリブレーション情報を算出するキャリブレーション情報算出部6と、基板検査を行うための検査画像を取得する検査画像取得部7と、検査画像に基づいて基板の欠陥検出を行う欠陥検出部8とを備える。
【0067】
ステージ2には、単一のキャリブレーションマーク101が設けられ、撮像部4が備えるカメラ等の撮像装置4aはこのキャリブレーションマーク101を撮像し、撮像信号を撮像画像形成部5に送る。
【0068】
ステージ駆動部3は、ステージ2をx方向およびy方向に移動するステージ駆動機構3a、およびステージ2の位置を校正するステージ位置校正機構3bを備える。ステージ位置校正機構3bは、キャリブレーション情報算出部6で算出した中心位置の校正量に基づいてステージ2の位置を校正する。
【0069】
ステージ位置校正機構3bによるステージ2の位置校正は、ステージ駆動機構3aを制御してステージ2の位置を基準位置に戻すことで行う他、ステージ2自体を移動させる移動機構(図示していない)を位置調整することで行うことができる。
【0070】
撮像部4は、キャリブレーション101を光学的に撮像するカメラ等の撮像装置4a、単一のキャリブレーションマーク101を異なる撮像位置で撮像するために、撮像装置4aをx方向およびy方向に移動する撮像駆動機構4b、撮像装置4aの位置および取り付け角度を校正するために、撮像装置4aの位置を校正する撮像位置校正機構4cを備える。撮像位置校正機構4cは、キャリブレーション情報算出部6で算出した中心位置の校正量や取り付け角度の校正量に基づいて撮像装置4aの位置や取り付け角度を校正する。
【0071】
撮像位置校正機構4cによる撮像装置4aの位置および取り付け角度の校正は、撮像駆動機構4bを制御して撮像装置4aの位置を基準位置に戻すことで行う他、撮像装置4a自体を移動させる移動機構(図示していない)を位置調整することで行うことができる。
【0072】
撮像画像形成部5は、撮像装置4aが各撮像位置で撮像して得られる撮像信号を入力して撮像位置と共に記憶し、各撮像位置で取得した画像マークを、撮像装置の撮像範囲内に配置することによって撮像画像を形成する。
【0073】
キャリブレーション情報算出部6は、中心位置算出部6A、取り付け角度算出部6B、分解能算出部6Cを備える。中心位置算出部6Aは、撮像画像中の画像マークから中心位置を求め、基準中心位置との位置ずれを算出する。取り付け角度算出部6Bは、撮像画像中の画像マークからx方向又はy方向の画像ラインを求め、基準ラインに対する角度を算出することによって取り付け角度の角度ずれを求める。
【0074】
また、分解能算出部6Cは、撮像画像中の画像マーク間の移動距離および画素数から撮像装置の各画素に対応する距離を求める。
【0075】
検査画像取得部7は、光学的に撮像して得られる光学撮像画像を取得する構成の他に、電子ビームやイオンビーム等の荷電ビームを基板上で二次元的に走査して走査画像を取得する構成とすることができる。
【0076】
欠陥検出部8は、検査画像取得部7から送られた画像信号の信号強度に基づいてピクセルの欠陥を検出し、検出位置によって欠陥ピクセルおよび対応する欠陥アレイを検出する。
【0077】
ステージ駆動部3,撮像部4,撮像画像形成部5、キャリブレーション情報算出部6,検査画像取得部7,および欠陥検出部8の各部の駆動動作は図示しない制御部によって制御することができる。また、制御部は、基板検査装置1の全体の動作を含む制御を行う機能を有し、これらの制御を行うCPUおよびCPUを制御するプログラム記憶するメモリ等によって構成することができる。
【0078】
[キャリブレーションの第2の例]
次に、本願発明の基板検査装置におけるキャリブレーションの第2の例について、図8を用いて説明する。
【0079】
キャリブレーションの第2の例は、撮像装置又はステージの少なくとも何れか一方をx方向およびy方向の2方向を含む直線移動によって直線的に移動し、このx方向およびy方向の斜め方向の直線移動によって直線上に分布した撮像マークを取得する。
【0080】
図8(a)〜図8(d)は、撮像装置の位置ずれおよび取り付け角度の角度ずれが無い場合を示している。ここでは、撮像装置を右方下方に向かって移動させる例を示し、図8(a)において撮像範囲202Aの右方下方位置においてキャリブレーションマーク101を撮像し、図8(b)において撮像範囲202Bの中央位置においてキャリブレーションマーク101を撮像し、図8(c)において撮像範囲202Cの中央位置においてキャリブレーションマーク101を撮像する。各撮像位置でキャリブレーションマーク101を撮像することによって、撮像画像200は斜めの対角線の直線上に3つの画像マーク201A〜201Cが形成される(図8(d))。
【0081】
図8(d)に示すように、撮像装置の位置ずれおよび取り付け角度の角度ずれが無い場合には、形成された3つの画像マーク201A〜201Cの中心位置は、撮像画像200の中心位置に一致し、3つの画像マーク201A〜201Cを結ぶ直線は撮像装置の移動方向の直線に対して同方向となる。中心位置および直線の方向が一致することで、撮像装置は、位置ずれおよび取り付け角度の角度ずれなく所定位置に取り付けられていることが確認される。
【0082】
図8(e)〜図8(h)は、撮像装置の位置ずれおよび取り付け角度の角度ずれが有る場合を示している。図8(e)〜図8(g)は、図8(a)〜図8(c)と同様に撮像装置を右方下方に向かって移動させる例を示し、図8(e)は撮像範囲202Aの右方下方位置におけるキャリブレーションマーク101の撮像を示し、図8(g)は撮像範囲202Bの中央位置におけるキャリブレーションマーク101の撮像を示し、図8(h)において撮像範囲202Cの中央位置におけるキャリブレーションマーク101の撮像を示している。各撮像位置でキャリブレーションマーク101を撮像することによって、撮像画像200は斜めの対角線の直線上に3つの画像マーク201A〜201Cが形成される(図8(h))。
【0083】
図8(h)に示すように、撮像装置の位置ずれおよび取り付け角度の角度ずれが有る場合には、形成された3つの画像マーク201A〜201Cの中心位置は、撮像画像200の中心位置から位置ずれし、3つの画像マーク201A〜201Cを結ぶ直線は撮像装置の移動方向の直線に対して角度ずれを有する。
【0084】
中心位置の位置ずれから、撮像装置のx方向の位置ずれΔxとy方向の位置ずれΔyを求めることができ、直線の角度ずれから撮像装置の取り付け角度の角度ずれを求めることができる。
【0085】
[キャリブレーションの第3の例]
次に、本願発明の基板検査装置におけるキャリブレーションの第3の例について、図9〜図11を用いて説明する。
【0086】
キャリブレーションの第3の例は、撮像装置の中心位置を回転中心として、撮像装置を回転移動させ、この回転移動によって二次元的に分布した撮像マークを取得する。
【0087】
図9(a)〜図9(e)は、撮像装置の位置ずれおよび取り付け角度の角度ずれが無い場合を示している。ここでは、撮像装置を90°毎に右回転させる例を示し、図9(a)〜図9(d)の撮像範囲202Aのいずれも左方上方位置においてキャリブレーションマーク101を撮像する。撮像装置は各90°だけ回転した位置で撮像を行うことによって、図中において、撮像範囲202のa〜dで示される各領域においてキャリブレーションマーク101を撮像することになる。
【0088】
各回転位置でキャリブレーションマーク101を撮像することによって、撮像画像200は撮像範囲202のa〜dで示される各領域について計4つの画像マーク201a〜201dが形成される(図9(e))。
【0089】
図9(e)に示すように、撮像装置の位置ずれおよび取り付け角度の角度ずれが無い場合には、形成された4つの画像マーク201a〜201dの中心位置は、撮像画像200の中心位置に一致する。中心位置が一致することで、撮像装置は、位置ずれおよび取り付け角度の角度ずれなく所定位置に取り付けられていることが確認される。
【0090】
図9(f)〜図9(j)は、撮像装置の位置ずれが有る場合を示している。図9(f)〜図9(i)は、図9(a)〜図9(d)と同様に撮像装置を90°毎に右回転させる例を示し、図9(f)〜図9(i)の撮像範囲202Aのいずれも左方上方位置においてキャリブレーションマーク101を撮像する。撮像装置は各90°だけ回転した位置で撮像を行うことによって、図中において、撮像範囲202のa〜dで示される各領域においてキャリブレーションマーク101を撮像することになる。
【0091】
各回転位置でキャリブレーションマーク101を撮像することによって、撮像画像200は撮像範囲202のa〜dで示される各領域について計4つの画像マーク201a〜201dが形成される(図9(j))。
【0092】
図9(j)に示すように、撮像装置の位置ずれが有る場合には、形成された4つの画像マーク201a〜201dの位置は、各画像マークの基準位置から位置ずれする。この位置ずれ量(Δx,Δy)は撮像装置の位置ずれ量(Δx,Δy)と一致する。この画像マークの位置ずれから、撮像装置のx方向の位置ずれΔxとy方向の位置ずれΔyを求めることができる。
【0093】
図10(a)〜図10(d)は、撮像装置の取り付け角度に角度ずれが有る場合を示している。図10(a)〜図10(d)は、図9(a)〜図9(d)と同様に撮像装置を90°毎に右回転させる例を示し、図10(a)〜図10(d)の撮像範囲202Aのいずれも左方上方位置においてキャリブレーションマーク101を撮像する。撮像装置は各90°だけ回転した位置で撮像を行うことによって、図中において、撮像範囲202のa〜dで示される各領域においてキャリブレーションマーク101を撮像することになる。
【0094】
各回転位置でキャリブレーションマーク101を撮像することによって、撮像画像200は撮像範囲202のa〜dで示される各領域について計4つの画像マーク201a〜201dが形成される(図10(e))。
【0095】
図10(e)に示すように、撮像装置の取り付け角度の角度ずれが有る場合には、形成された4つの画像マーク201a〜201dによって形成される中心位置を通る直線は、各画像マークの基準位置が形成する直線から角度ずれする。この角度ずれ量(Δθ)は撮像装置の取り付け角度の角度ずれ量(Δθ)と一致する。この画像マークの位置ずれから、撮像装置の取り付け角度の角度ずれ量(Δθ)を求めることができる。
【0096】
図11は、キャリブレーションの第3の例において、位置ずれと角度ずれを校正する手順を説明するフローチャートである。
【0097】
はじめに、撮像装置を回転位置を変更し、キャリブレーションマークを撮像する(S11)。キャリブレーションマークの撮像で得られた画像マークと、キャリブレーションマークの基準位置とのx方向およびy方向の位置ずれに基づいて位置ずれ量Δx,Δyを求める(S12)。
【0098】
求めた位置ずれ量Δx,Δyに基づいて、撮像装置のx方向およびy方向の位置ずれを校正する(S13)。
【0099】
位置ずれ量を校正した後、再度、撮像装置を回転位置を変更してキャリブレーションマークを撮像する(S14)。キャリブレーションマークの撮像で得られた画像マークに基づいて、撮像装置の取り付け角度の角度ずれ量Δθを求める(S15)。
【0100】
求めた角度ずれ量Δθに基づいて、撮像装置の取り付け角度の角度ずれを校正する(S16)。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、TFT基板は液晶基板や有機ELとすることができ、液晶基板や有機ELを形成する成膜装置の他、種々の半導体基板を形成する成膜装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0102】
1 基板検査装置
2 ステージ
3 ステージ駆動部
3a ステージ駆動機構
3b ステージ位置校正機構
4 撮像部
4a 撮像装置
4b 撮像駆動機構
4c 撮像位置校正機構
5 撮像画像形成部
6 キャリブレーション情報算出部
6A 中心位置算出部
6B 角度算出部
6C 分解能算出部
7 検査画像取得部
8 欠陥検出部
100 基板
101 キャリブレーションマーク
200 撮像画像
200A〜200E 撮像画像
201 画像マーク
201A〜201F 画像マーク
201a-201d 画像マーク
202 撮像範囲
202A〜202F 撮像範囲
203 基準中心位置
204 中心位置
205 基準ライン
206 画像ライン
301 キャリブレーションマーク
302 基準マーク
400 撮像画像
401 画像マーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一のキャリブレーションマークを有したステージと、
前記単一のキャリブレーションマークを異なる撮像位置で複数回撮像して画像マークを取得する撮像装置と、
前記複数回の撮像で取得したキャリブレーションマークの各画像マークを用いて複数個の画像マークを有した撮像画像を形成する撮像画像形成部と、
前記撮像画像の画像マークの位置と撮像画像上の基準位置とに基づいて、撮像装置のキャリブレーション情報を算出するキャリブレーション情報算出部とを備え、
前記キャリブレーション情報算出部で算出したキャリブレーション情報に基づいて前記撮像装置をキャリブレーションすることを特徴とする、基板検査装置。
【請求項2】
前記撮像装置又は前記ステージの少なくとも何れか一方が移動することによって、単一のキャリブレーションマークを異なる撮像位置で複数回撮像することを特徴とする、請求項1に記載の基板検査装置。
【請求項3】
前記撮像装置又は前記ステージの少なくとも何れか一方は直線移動又は回転移動することを特徴とする、請求項2に記載の基板検査装置。
【請求項4】
前記撮像装置又は前記ステージの少なくとも何れか一方はx方向およびy方向の2方向を含む直線移動によって二次的に移動し、当該x方向およびy方向の直線移動によって二次元分布した撮像マークを取得することを特徴とする、請求項3に記載の基板検査装置。
【請求項5】
前記撮像装置又は前記ステージの少なくとも何れか一方はx方向およびy方向の2方向を含む直線移動によって直線的に移動し、x方向およびy方向の直線移動によって直線上に分布した撮像マークを取得することを特徴とする、請求項3に記載の基板検査装置。
【請求項6】
前記撮像装置は回転移動し、当該回転移動によって二次元分布した撮像マークを取得することを特徴とする、請求項3に記載の基板検査装置。
【請求項7】
前記キャリブレーション情報は、撮像装置の中心位置の基準中心位置に対する位置校正量、撮像装置の基準取り付け角度に対する角度校正量、撮像装置の基準分解能に対する分解能校正量の少なくとも何れか一つであることを特徴とする、請求項1から5の何れか一つであることを特徴とする基板検査装置。
【請求項8】
撮像装置と、単一のキャリブレーションマークを有したステージとを備え、ステージ上に載置された基板を検査する基板検査装置において、
前記単一のキャリブレーションマークを異なる撮像位置で複数回撮像して画像マークを取得する撮像工程と、
前記複数回の撮像で取得したキャリブレーションマークの各画像マークを用いて複数個の画像マークを有した撮像画像を形成する撮像画像形成工程と、
前記撮像画像の画像マークの位置と撮像画像上の基準位置とに基づいて、撮像装置のキャリブレーション情報を算出するキャリブレーション情報算出工程とを備え、
前記キャリブレーション情報算出工程で算出したキャリブレーション情報に基づいて前記撮像装置をキャリブレーションすることを特徴とする、基板検査装置のキャリブレーション方法。
【請求項9】
前記撮像工程は、前記撮像装置又は前記ステージの少なくとも何れか一方を移動させることによって、単一のキャリブレーションマークを異なる撮像位置で複数回撮像することを特徴とする、請求項8に記載の基板検査装置のキャリブレーション方法。
【請求項10】
前記撮像装置又は前記ステージの少なくとも何れか一方を直線移動又は回転移動させることを特徴とする、請求項9に記載の基板検査装置のキャリブレーション方法。
【請求項11】
前記撮像装置又は前記ステージの少なくとも何れか一方をx方向およびy方向の2方向を含む直線移動によって二次的に移動させ、
前記撮像工程は、x方向およびy方向の直線移動によって二次元分布した撮像マークを取得することを特徴とする、請求項10に記載の基板検査装置のキャリブレーション方法。
【請求項12】
前記撮像装置又は前記ステージの少なくとも何れか一方をx方向およびy方向の2方向を含む直線移動によって直線的に移動させ、
前記撮像工程は、x方向およびy方向の直線移動によって直線上に分布した撮像マークを取得することを特徴とする、請求項10に記載の基板検査装置のキャリブレーション方法。
【請求項13】
前記撮像装置を回転移動させ、
前記撮像工程は、前記回転移動によって二次元分布した撮像マークを取得することを特徴とする、請求項10に記載の基板検査装置のキャリブレーション方法。
【請求項14】
前記キャリブレーション情報は、撮像装置の中心位置の基準中心位置に対する位置校正量、撮像装置の基準取り付け角度に対する角度校正量、撮像装置の基準分解能に対する分解能校正量の少なくとも何れか一つであることを特徴とする、請求項8から13の何れか一つであることを特徴とする基板検査装置のキャリブレーション方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−96863(P2013−96863A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240448(P2011−240448)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】