説明

キャンドル装置

【課題】マッチやライター等の火で、安全確実に突き合わせ状に保持されている複数本のローソクの燃焼芯に一斉点火させることができ、燃焼芯への一斉点火が行われるまでは、前座的に花火が発生してこの花火を見て楽しむようにして会場の雰囲気を盛り上げるキャンドル装置を提供する。
【解決手段】支持台7に支持した支柱1周りに、複数個の花びら状片2を上下方向に開閉動自在に支持し、各花びら状片2が閉じ位置を採る時に、各花びら状片2先端部に取着したローソク5が伏倒して燃焼芯5aを支柱上方で突き合わせ状に保持され、燃焼芯5への一斉点火で各花びら状片2が展開し、開き位置で点火されたローソク5を各花びら状片2上に直立させるキャンドル装置において、支柱1上に、花火成分を含む導火薬層14を心線13a周りに形成した導火用棒13を立設し、該導火用棒13の基部寄りの導火薬層14周りに各ローソク5の燃焼芯5aを突き合わせ状に臨ませた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誕生パーティ、誕生会などにおけるキャンドルサービスを、より楽しく盛り上げることができるキャンドル装置に関するものであり、更に詳しくは、一般家庭に備えるマッチやライター等の火で複数本のローソクに同時点火をすることができるキャンドル装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、誕生会などで行われているキャンドルサービスでは、ケーキ上に複数本のローソクを分散的に立て、これらのローソクに点火して、しばらくしてこれら全部のローソクの火を吹き消し、この後でケーキに入刀するようなことが広く行われている。ここで使用されるローソクは、ケーキ上に直接に立てられるので、ケーキ用のローソクの場合は、ローソク下部にプラスチック製のピンが取り付けてあったり、アルミ箔等で包んだようなものが多い。
【0003】
前記するように、誕生会などで行われているケーキにローソクを立てて行われているキャンドルサービスでは、ケーキ上に立てたローソクに点火して、この火が吹き消されるまでのローソクの炎による雰囲気を楽しむものであるために、時間的には、ごく短時間で終わってしまうので、会場の盛り上がりは、さほど期待できないものである。
【0004】
そこで、本発明の出願人は、先に、支柱周りに、複数個の花びら状片の基端を上下方向に開閉動自在に支持し、各花びら状片の先端部にローソクを取着し、各花びら状片が起立して閉じ位置を採る時に、各花びら状片のローソクが伏倒して燃焼芯が突き合わせられてこの状態に保持され、燃焼芯への一斉点火で、この保持が解消されて各花びら状片が展開し、開き位置に落ち着いて点火されたローソクを各花びら状片上に直立させるようにしたキャンドル装置を提案している。
【0005】
このキャンドル装置によれば、ケーキ上に複数本のローソクを分散状に立てるのではなく、複数本のローソクを一括して取り扱い、ケーキ上には花びらが一斉に開くような動きを伴って点火された複数本のローソクを拡散配置するようにしたことによって、外観上の体裁も良く、装飾性が高く、誕生会などの会場を華やかな雰囲気に盛り上げることができるものである。(特許文献1参照)。
【0006】
ところが、前記するキャンドル装置では、各花びら状片が起立して閉じ位置を採る状態、つまり、常態においては、各ローソクは伏倒して水平で放射方向の拡がりを見せ、その中心部に各ローソクの燃焼芯は先端部を寄せ合う形で突き合わせ状に保持され、これら各ローソク周りを、起立して閉じ位置を採る各花びら状片の先端部が上向きに突出して取り囲む形になっている。
【0007】
そこで、身近にあるマッチやライター等を使用して直接に、突き合わせ状にある複数本の燃焼芯に同時点火するとなれば、火の点いたマッチ棒やライターを持つ手を、伏倒するローソクの上方から燃焼芯に近づけてマッチ棒やライターの火を燃焼芯に当てなければならないので、これには各ローソク周り取り囲む各花びら状片の先端部が邪魔になり、また、同時点火で複数本の燃焼芯から立ち上がる炎は予想も付かず、このような点火にはかなり困難な面がある。
【0008】
そこで、前記するキャンドル装置には、各花びら状片が閉じ位置を採って伏倒する各ローソクの燃焼芯の突き合わせ部位下方に、予め、着火剤が配装してあり、また、この着火剤へ点火するために、別途、通常のマッチ棒の2〜3倍程度の長さを有する専用の点火用棒が用意されていて、燃焼芯への点火には、マッチやライター等の火を、一旦、点火用棒の先に移してこの点火棒の先の火で着火剤に点火し、着火剤の発熱量の大きな点火力で全燃焼芯への一斉点火が瞬時に確実に行われるようにしている。
【0009】
しかし、前記するキャンドル装置においては、予め、用意された点火用棒を使用することで、身近にあるマッチやライター等が発生する火を、伏倒するローソク上から突き合わせ状に保持されている複数本の燃焼芯に安全確実に移して一斉点火させる本来の役目は十分に達成されるが、この場合の点火用棒は、複数本の燃焼芯に対して安全確実に一斉点火させるためだけに使用されるので、点火用棒による燃焼芯に対する火移し行為そのものには何の変哲もなく、面白味もないものと言える。従って、キャンドル装置としては、複数本の燃焼芯に一斉点火した後の各花びら状片の展開する動きや、各花びら状片上に灯るローソクの動きを見て楽しむようになっている。
【特許文献1】特開2004−200136号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであって、マッチやライター等の火で直接的に、安全確実に突き合わせ状に保持されている複数本のローソクの燃焼芯に一斉点火させることができるとともに、燃焼芯への一斉点火が行われるまでは、前座的にキャンドル装置上に花火が発生してこの花火を見て楽しむようにして会場の雰囲気を盛り上げることができるキャンドル装置を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の目的を達成するために、本発明に係るキャンドル装置は、下部を支持台に上下動自在に支持した支柱周りに、複数個の花びら状片の基端を上下方向に開閉動自在に支持し、各花びら状片の先端部にローソクを取着し、各花びら状片が起立して閉じ位置を採る時に、各花びら状片のローソクが伏倒して燃焼芯を支柱上方で突き合わせてこの状態に保持され、燃焼芯への一斉点火で、この保持が解消されて各花びら状片が展開し、開き位置に落ち着いて点火されたローソクを各花びら状片上に直立させるキャンドル装置において、支柱上に、花火成分を含む導火薬層を心線周りに形成した導火用棒を立設し、該導火用棒の基部寄りの導火薬層周りに各ローソクの燃焼芯を突き合わせ状に臨ませたことを特徴とする。
【0012】
ここで、各ローソクの燃焼芯を突き合わせ状に保持するに当たっては、燃焼芯相互を直接的に可燃性の接着剤等を用いて結合することができる。
【0013】
このように構成された本発明に係るキャンドル装置によれば、キャンドル装置を、例えば、ケーキ上適所にセットする(立てる)などしておき、キャンドル装置上方に突出する導火用棒の上端で導火薬層にマッチやライター等の火で点火すると、導火薬層が燃焼を開始してこの燃焼により導火薬層内の花火発生成分が反応して導火用棒周りに飛び散る火花がきれいな花火になる。こうして導火薬層の燃焼が進み、その燃焼点(火もと)が各ローソクの燃焼芯の突き合わせ部位に近づくにつれて、燃焼点から発生直後の火花が導火薬層周りに伏倒状態にある各ローソクの燃焼芯上に降り掛かってこれら燃焼芯の予熱が行われ、燃焼点が燃焼芯の突き合わせ部位に差し掛かると、燃焼点の外周部で発生直後の火花の中に、各ローソクの高温化された燃焼芯先端部を取り込む形で全燃焼芯が一斉点火される。同時に燃焼芯相互の保持関係が解かれて分離し、各花びら状片が一斉に閉じ位置から展開して開き位置に落ち着く。こうして各花びら状片の先端部では、点火された各ローソクがそれぞれに直立姿勢を採って灯るようになる。
【0014】
従って、本発明によれば、複数本のローソクへの点火は、キャンドル装置に組み付けた導火用棒を介して行われ、導火用棒の導火薬層が燃焼している間は、導火用棒周りにきれいな花火が見られるので、これが人目を惹き、装置の視覚的な華やかさを増して前座的に楽しい雰囲気を盛り上げる。そして、各ローソクの燃焼芯への一斉点火は、導火薬層の燃焼が進んでその燃焼点から発生直後の火花で伏倒状態にある燃焼芯を予熱してから燃焼点が燃焼芯に最接近して発生する火花で点火するので、各ローソクの燃焼芯への一斉点火が安全確実に行われる。
【0015】
こうして、燃焼芯相互の保持関係が解かれた後で、各花びら状片が一斉に展開する動きの中に見るローソクの炎の動きは、別の形の花火への点火から花火の美しい拡散を思わせるような動的な動きに似たものがあり、興趣に富んだ雰囲気をかもし出すもので、装飾性が高く、誕生会などの会場を華やかな雰囲気に盛り上げることができる。
【0016】
前記構成において、各ローソクの燃焼芯の突き合わせ部位に対応して導火用棒に、高燃焼性チューブを緩挿状に被装し、該チューブ基部を遮熱手段を介して支柱上端に支持した構成にすると、各ローソクの燃焼芯への一斉点火に当たって、導火薬層の燃焼が進み、その燃焼点が高燃焼性チューブに近づいて発生する火花でこれが着火すると、該チューブは瞬時に燃え尽きて導火用棒周りに火炎を発生し、この火炎で各ローソクの燃焼芯は一斉点火する。従って、この場合は、高燃焼性チューブが瞬時に燃え尽きる時に発生する火炎が見られる意外性があって興味をそそるものとなる。
【0017】
また、チューブ基部の遮熱手段は、高燃焼性チューブが燃え尽きる間に発生する火炎や高熱によって、例えば、プラスチック製支柱のチューブ支持部が焼き焦げるような異常を軽減する。
【0018】
前記構成において、実用的な遮熱手段としては、遮熱手段が、高燃焼性チューブ基部に挿入される筒部と、該筒部下端に形成したフランジを有する受け座と、受け座上にあって高燃焼性チューブに被装される遮熱環からなる構成にするのが好ましく、また、これらを支柱上端に支持するには、導火用棒下部に心線を露出させ、該心線露出部を支柱中心に設けた支持孔に着脱自在に挿着して導火用棒を支柱に支持し、また、支柱上に筒部を延設し、該筒部内に支持孔を位置させて筒部内に導火薬層基部を緩挿状に挿入し、筒部開口端に遮熱手段を構成する受け座と遮熱環を同心状に支持した構成にすると、導火用棒と高燃焼性チューブの位置関係が正しく保たれて導火薬層からの高燃焼性チューブに対する伝火がトラブルなく確実に行われる。また、導火用棒を着脱自在にしたことにより、取り扱いを便利にする。
【0019】
前記構成において、支柱を支持する支持台に、花びら状片基部に対応して受け部を設け、該受け部内にあって支持台と支柱間に、支柱を押上げ方向に付勢するばねを配装し、ばねに抗して支柱を支持台に対して下降させて花びら状片が閉じ位置を採る時に、花びら状片基部を受け部内に引き入れ、この状態で、支持台と支柱上の筒部開口端とを可燃性の固縛紐で連結し、該固縛紐を導火用棒の導火薬層に添接させ、導火薬層の燃焼時に熱で焼き切って支柱と支持台間の固縛を解くようにした構成にすると、常態においては、各花びら状片は閉じ位置に確実に保持される。そして、各ローソクの燃焼芯への一斉点火直後に支持台に対する各花びら状片を含む可動部の固縛関係が解消されて各花びら状片は展開するので、各花びら状片が動作不良を生じることはない。
【0020】
前記構成において、支柱を、導火用棒を立設した上部支柱と、支持台に支持した下部支柱に分断し、両支柱間にカップ状容体を挿設し、該カップ状容体内にメロディ発声回路ICとスピーカーからなるメロディ発声装置を配置し、該メロディ発声装置を電源に接続するリード線の内、片方のリード線に、2本の導線を絶縁状態で捻り合わせた捻り線を用い、該捻り線基端で一方の導線をメロディ発声装置に、他方の導線を電源に接続し、捻り線遊端部を上部支柱沿いに燃焼芯突き合わせ部位まで導いて導火用棒に巻き付け状に保持させておき、導火薬層の燃焼時の熱で2本の導線間の絶縁が解消されて線間短絡を生じて電源をON作動するように構成すると、各ローソクの燃焼芯への一斉点火と同時的にメロディ発声装置の電源がON作動してスピーカーからはその場所に相応しい音楽を流すことができるので、この音楽が動きを伴うローソクの炎及び各花びら状片の動作に相乗的に加味されて楽しい雰囲気を盛り上げる。また、電源をON作動する上でスイッチを必要としないので、構造の簡素化と生産コストの低減が図られる。
【0021】
また、下部を支持台に上下動自在に支持した支柱周りに、複数個の花びら状片の基端を上下方向に開閉動自在に支持し、各花びら状片の先端部にローソクを取着し、各花びら状片が起立して閉じ位置を採る時に、各花びら状片のローソクが伏倒して燃焼芯を支柱上方で突き合わせてこの状態に保持され、燃焼芯への一斉点火で、この保持が解消されて各花びら状片が展開し、開き位置に落ち着いて点火されたローソクを各花びら状片上に直立させるキャンドル装置において、メロディ発声回路ICとスピーカーからなるメロディ発声装置をカップ状容体内またはカップ状容体下部に配置し、前記メロディ発生装置には複数組のリード線が設けられ、前記リード線の少なくとも1組のリード線は前記ローソクの燃焼芯近傍に延設されており、ローソクの火によってリード線が短絡することにより前記メロディ発声装置が通電するように構成されており、前記リード線の少なくとも1組のリード線は前記支持台の外部に延設されており、該リード線を短絡させることにより前記メロディ発声装置が通電するように構成されていることにより、このキャンドル装置に点火しなくても容易に検査することができる。
【0022】
前記構成において、前記メロディ発声装置は通電後所定の回数だけメロディを発声させるよう構成されていることにより、パーティを更に盛り上げることができる。
【0023】
前記構成において、前記花びら状片が展開することにより前記支持台の外部に延設された前記リード線の絶縁が解消され、前記メロディ発声装置が通電するよう構成されていることにより、火によってローソク近傍のリード線の絶縁が解消されない場合でも。花びら状片が開くことにより、リード線の絶縁が解消され、メロディ発生装置が作動することができる。
【0024】
また、前記構成において、ローソクの少なくとも1本の燃焼芯が複数本に分かれて形成されたことにより、燃焼芯を容易に取着管に取付けることができると共に、燃焼芯への点火ミスを低減することができる。
【0025】
また、前記構成において、ローソクの燃焼芯が少なくとも1本のローソクの燃焼芯を共有していることにより、少なくとも1本の燃焼芯に火が移っただけで複数本のローソクに点火することができる。
【0026】
また、前記構成において、ローソクの少なくとも1本の燃焼芯が環状に形成されたことにより、燃焼芯への点火ミスを低減することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、本発明によれば、複数本のローソクの燃焼芯への点火は、装置中央に立設した導火用棒を介して行われ、この導火用棒に対する点火は、マッチやライター等を使用して安全確実にでき、この後は、導火用棒の導火薬層が燃焼して飛び散る火花で、装置上に発生するきれいな花火を見て楽しんだ後、伏倒位置を採る各ローソクの燃焼芯への同時点火から、各ローソクと一体に各花びら状片が展開して各花びら状片が開き位置に落ち着いて各花びら状片上で点火されたローソクが燃えるのが順番に見られるので、キャンドル装置の装飾性を一段に高めることができて興趣に富み、誕生会などの会場を華やかな雰囲気に盛り上げるのに有効なものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例に係るキャンドル装置について具体的に説明する。
【0029】
図1は本発明に係るキャンドル装置の花びら状片が開き位置を採る時のキャンドル装置の概略縦断面図、図2は要部の分解斜視図、図3は花びら状片が開き位置を採る時のキャンドル装置の斜視図、図4は花びら状片が閉じ位置を採る時のキャンドル装置の側面図、図5は花びら状片が閉じ位置を採る時のキャンドル装置の平面図である。
【0030】
なお、本発明に係るキャンドル装置において、導火用棒の心線周りに形成する導火薬層は、燃焼によってその形態が大きく変化するので、図面では図面を理解し易くするために、導火薬層の燃焼後の形態は示さず、燃焼前のままで図示している。また、導火用棒に被装する高燃焼性チューブについても、燃焼によりほとんど原形をとどめず消滅するので、図面では図面を理解し易くするために、これも燃焼前のままで図示している。
【0031】
各図において、1は支柱を示す。実施例1の支柱1は、下部支柱1a及び上部支柱1bからなる。
【0032】
下部支柱1a周りに、複数個の花びら状片2の基端2aを上下方向に開閉動自在に支持している。下部支柱1aに対する花びら状片2の支持のために、下部支柱1a上に、周部沿いに空洞を形成した円盤状の支持盤3を設け、この支持盤3周壁に設けた長孔4から空洞内に、T字状に抜け止め突起を設けた花びら状片2の基端2aを挿入して支持し、各花びら状片2は基端2aを支点にして閉じ位置を採る時は支持盤3周りに起立し、開き位置を採る時は支持盤3周りに放射方向に張り出すようにしている。
【0033】
各花びら状片2の先端部にローソク5を取着している。このローソク5は、各花びら状片2に設けた取着管6に挿着され、その長さは、各花びら状片2が閉じ位置を採る時に、ローソク5は伏倒してその燃焼芯5aを突き合わせ状になるように設定している。また、花びら状片2が展開して開き位置を採る時は、各花びら状片2上でローソク5は直立状になるようにしている。
【0034】
下部支柱1aは支持台7に上下動自在に支持されており、支持台7の上部には、支持盤3に対応して皿状に窪ませた受け部8を設け、この受け部8内にあって支持台7と支持盤3間に、下部支柱1aを押上げ方向に付勢するばね9を配装し、このばね9に抗して下部支柱1aを支持台7に対して下降させて花びら状片2が閉じ位置を採る時に、花びら状片2の基部を支持盤3と共に受け部8内に引き入れるようにしている。
【0035】
支持台7は、自立のために3本の支脚10aを有する台座10に着脱自在に支持されおり、このために支持台7下部には、下部支柱1aを上下動自在に覆い、下端11aを尖端状に形成した中空刺脚11を設け、この中空刺脚11を台座10に設けた支持孔10bに着脱自在に挿着している。
【0036】
下部支柱1aと上部支柱1b間に、カップ状容体12を挿設している。このカップ状容体12は、前記支持盤3の上面を底面にして支持盤3上に周壁を立ち上げて形成し、容体12に被せた蓋体12aの中央部に上部支柱1bを突設している。実施例1の上部支柱1bは、蓋体12aの中央部に突設した支持突起に固定されている。
【0037】
上部支柱1bには、心線13a周りに花火発生成分を含む導火薬層14を形成した導火用棒13を立設している。この導火用棒13は、その下部に心線13aを露出させ、この心線露出部を上部支柱1bの中心に設けた支持孔15に着脱自在に挿着して導火用棒13を上部支柱1b上に突設している。
【0038】
また、上部支柱1b上に筒部16を延設しており、この筒部16内に支持孔15を位置させて、筒部16内に導火用棒13の導火薬層14基部を緩挿状に挿入し、上部支柱1b上において、導火用棒13の基部寄りの導火薬層14周りに各ローソク5の燃焼芯5aを突き合わせ状に臨ませ、常態では、各ローソク5の燃焼芯5aを突き合わせ状に保持している。
【0039】
ここで、導火薬層14周りに各ローソク5の燃焼芯5aを直接的に突き合わせ状に臨ませた構成でもよい。
【0040】
この場合の各ローソク5の燃焼芯5aに対する一斉点火は、導火用棒13の上端で導火薬層14にマッチやライター等の火で点火すると、導火薬層14が燃焼を開始して導火用棒13周りに飛び散る火花がきれいな花火になり、導火薬層14の燃焼点(火もと)が各ローソク5の燃焼芯5aの突き合わせ部位に近づくと、燃焼点から発生直後の火花が導火薬層14周りに伏倒状態にある各ローソク5の燃焼芯5a上に降り掛かって燃焼芯5aの予熱が行われ、燃焼点が燃焼芯5aの突き合わせ部位に差し掛かると、燃焼点の外周部で発生直後の火花の中に、各ローソク5の高温化された燃焼芯先端部を取り込む形で全燃焼芯5aが一斉点火される。
【0041】
前記する各ローソク5の燃焼芯5aに一斉点火する時を、面白く演出するために、図に示す実施例1では、導火薬層14周りに各ローソク5の燃焼芯5aを間接的に突き合わせ状に臨ませる構成を採用している。
【0042】
すなわち、上部支柱1bの筒部開口端上で、導火用棒13に高燃焼性チューブ17を被装し、この高燃焼性チューブ17の基部を遮熱手段を介して支柱上端に筒部開口端に支持し、高燃焼性チューブ17周りに各ローソク5の燃焼芯5aを突き合わせ状に臨ませている。この実施例1の遮熱手段は、高燃焼性チューブ17の基部に挿入される筒体と、筒体下端に形成したフランジを有する金属製の受け座18と、この受け座18上で高燃焼性チューブ17に被装される金属製の遮熱環19からなり、これらを支持するために、上部支柱1bの筒部開口端に、受け座18のフランジが着座する段部18aと、この段部18aの上部に、遮熱環19が着座する段部19aを段階状に周設し、先に受け座18付きの高燃焼性チューブ17を導火用棒13に緩挿して受け座18のフランジを筒部開口端の段部18aに着座させ、この上に遮熱環19を挿入してこれを筒部開口端の段部19aに着座させ、チューブ17基部を受け座18間に挟む形にして同心状に支持し、高燃焼性チューブ17と導火薬層14間には全周的に僅かな隙間を形成している。
【0043】
この場合の各ローソク5の燃焼芯5aに対する一斉点火は、導火用棒13の上端で導火薬層14にマッチやライター等の火で点火すると、導火薬層14が燃焼を開始して導火用棒13周りに飛び散る火花がきれいな花火になり、導火薬層14の燃焼点(火もと)が導火薬層14周りに被装した高燃焼性チューブ17の所まで到達すると、導火用棒13周りに飛び散る火花で高燃焼性チューブ17が着火して強力な火炎を発生して瞬時に燃え尽きる。この時に発生する火炎に各ローソク5の燃焼芯5aが曝されて一斉点火される。また、筒部16の上部は遮熱環19が設けられているため、導火用棒13に着火した火が遮熱環19の下側の筒部16内にきたときには、空間が部分的に閉ざされているので、火の回りの温度が高温になる。これにより、高燃焼性チューブ17を用いなくても、後述するように、リート線24を遮熱環19の下側の筒部16内に設けることにより、この高温になった熱でリード線24の絶縁層を溶かすことができる。
【0044】
また、図に示す実施例1では、常態、すなわち、ばね9に抗して下部支柱1aを支持台7に対して下降させて、花びら状片2を閉じ位置に保持するために、支持台7と上部支柱1bの筒部開口端とを可燃性の固縛紐20で連結している。この固縛紐20は、その下端を支持台7に固定し、上端は上部支柱1bに向けて可及的近道で邪魔にならないようにして適所に設けた通孔等に通して上部支柱1bの筒部開口端のところまで導き、筒部開口端に切欠き状に設けた係止溝21に引っ掛け状に固定し、筒部16内で導火用棒13の導火薬層14に添接させて導火薬層14の燃焼熱で焼き切れるようにしている。この固縛紐20は一般的に可燃性の材質である綿、ナイロン等が用いられるがこの限りではない。
【0045】
ここで、固縛紐20が焼き切れた後の各花びら状片2の展開は、ばね9の反発力により支持台7に対して下部支柱1aに支持した各花びら状片2等を含む可動部を押し上げて各花びら状片2は受け部8上に展開する。この時に受け部8上では、各花びら状片2の基部が上向きに動くのに連れて、ローソク5が取着された先端部は下向きに動く興味をそそる動きをして各花びら状片2は受け部8上に一様に支持される。
【0046】
また、各花びら状片2が展開を開始して受け部8上に落ち着くまでの時間が早すぎないようにするために、支持台7に対する下部支柱1aの摺動部には粘着剤等が塗布されて時間調整が行われるので、各花びら状片2の展開時の動作速度からしても人目を惹くようになり、華やかな雰囲気を盛り上げるのに効果がある。
【0047】
また、図に示す実施例1では、カップ状容体12内にメロディ発声回路ICとスピーカーからなるメロディ発声装置22を配置している。このメロディ発声装置22の電源23をON・OFFするために、メロディ発声装置22と電源23とを接続する片方のリード線24に、簡単に焼失するような熱に弱い薄い絶縁層を形成した2本の導線を絶縁状態で捻り合わせた捻り線を用い、この捻り線基端で一方の導線をメロディ発声装置22に、他方の導線を電源23に接続し、捻り線遊端部を上部支柱1b沿いに筒部開口端のところまで導いて導火用棒13に緩く巻き付け状に保持させておき、導火薬層14が燃焼する時の燃焼熱で2本の導線間の絶縁層が焼失して線間短絡を生じて電源23をON作動するようにしている。また、導火用棒13とリード線24との摩擦により絶縁層が剥がれて短絡し、メロディ発生装置22が誤作動を起こさないようにするために、導火用棒13にリード線24を巻き付け状に保持させる代わりに、係止溝21の近傍または筒部16の内部にリード線24を導火用棒13と接触しないように通過させて設けてもよい。
【0048】
なお、図中25は、前記花びら状片2の上側に位置して支持盤3周りに基端25aを上下方向に開閉動自在に支持した小型の花びら状片で、この小型の花びら状片25は、華やかさを増すためのもので、前記花びら状片2同様に、T字状に抜け止め突起を設けた基端25aを支持盤3周壁に設けた空洞内に挿入して支持させており、花びら状片2に連られる形で開閉動される。
【0049】
以上のように構成された実施例1に示されたキャンドル装置においては、先ずは、キャンドル装置を、例えば、ケーキ上適所にセットする(立てる)などしておき、身近にあるマッチやライターを使用して導火用棒13の上端で導火薬層14に点火すると、導火薬層14が燃焼を開始して燃焼点が、導火用棒13基部に向けて進行する過程で、導火用棒13周りに飛び散る火花によるきれいな花火が装置上に見られ、後に続く複数本のローソク5の燃焼芯5aへの同時点火の前座的な楽しみとして会場の雰囲気を盛り上げる。
【0050】
導火薬層14の燃焼が進行して燃焼点が高燃焼性チューブ17の所まで到達すると、この高燃焼性チューブ17が強力な火炎を発生して瞬時に燃え尽き、この時の火炎に各ローソク5の燃焼芯5aが曝されて一斉点火される。この時にチューブ17が短時間に燃え尽きて見られる強力な火炎の発生は、意外性があって興味をそそり、各ローソク5の燃焼芯5aへの一斉点火を面白く演出する。
【0051】
また、燃焼芯5aへの点火と同時的に、支持台7と上部支柱1bの筒部開口端とを連結している固縛紐20が焼き切れて、各花びら状片2の展開が始まり、ここでの各花びら状片2の展開は、ばね9が下部支柱1aに支持した各花びら状片2等を含む可動部を押し上げて各花びら状片2は受け部8上に展開するが、ここで見られる各花びら状片2が一斉に展開する動きの中に見るローソク5の炎の動きは、別の形での花火への点火から花火の美しい拡散を思わせるような動的な動きに似たものがあって、興趣に富んだ華やかな雰囲気をかもし出す。
【0052】
更に、燃焼芯5aへの点火と同時的に、導火用棒13に緩く巻き付け状に保持させてある2本の導線からなる捻り線が、線間短絡を生じてメロディ発声装置22の電源23をON作動し、スピーカーからはその場所に相応しい音楽を流すので、この音楽が誕生会などの会場を楽しい雰囲気に盛り上げるのに効果がある。
【0053】
次に、他の実施形態について説明する。
【0054】
図6は、図4に検査用スイッチをつけた斜視図である。図7は、図6の一部断面図である。図8は、図7の花びら状片が開いたときの状態の図である。図9は、図6の検査用スイッチの構成を変えた斜視図である。図10は図9の一部断面図である。図11は図10の花びら状片が開いたときの状態の図である。
【0055】
図6に示すように、支持台7の外側の花びら状の部分に検査用スイッチ28が設けられており、図7に示されているように、ニクロム線(リード線)29は、検査用スイッチ28から支持台7の外側の花びら状の部分に沿って、メロディ発生装置26に収容された電源に至るように接続されている。またニクロム線24はメロディ発生装置26と導火用棒13とをつなぐように設けられ、前記ニクロム線29と電気的に並列に配線されている。このような構成にすることにより、ローソク等に実際に点火しなくても、検査用スイッチ28を押すだけで、メロディ発生装置26の機能検査(音声または楽曲発生有無等の確認)ができ、商品の販売前またはお客様の商品購入前に商品の機能確認ができ、販売後または購入後に不良品がでまわることを低減させることができる。そして、キャンドル装置内の蓋体12a上にはマスコット70を設置することもできる。また、図9、図10に示すように、他の実施形態の検査用スイッチ31では、検査用スイッチ31を外側に突出させ、その中央近傍に絶縁体33が挿入されている。そして、この検査用スイッチ31は+極と−極とが外側近傍で露出しており、検査時には予め用意された通電用の通電具32をこの露出部に当てて機能確認を行う。また、検査時以外では、図11に示すように、ローソクの火により花びら状片を支えていた固縛紐20が焼き切られ、花びら状片の開く動きに連動して前記スイッチ31が上昇し、検査用スイッチ31が通電するようになる。これにより、ローソク近傍のニクロム線24の絶縁が解消されない場合でも、点火されたローソクが装着された花びら状片の開く動作と共に、メロディ発生装置30から音声または楽曲が出力され、パーティを盛り上げることができる。
【0056】
図12は、キャンドル装置の図であり、(a)は上方から見た図、(b)は(a)に使われている連結型ローソクの図である。
【0057】
図12(b)に示すように、一つの芯34bを共有してその両端にロウ34aが取り付けてある連結型ローソク34を、図12(a)に示すように、取着管6に取り付ける際、導火用棒13を中心軸として対角線上に取着管6に取り付け、これを複数本の連結型ローソク34に対して行う。取着管6に取り付けられた連結型ローソクは、芯34bの部分が導火用棒13と接するように設けられているので、点火された導火用棒13の火が芯34bと接する部分に達したときに、効率よく芯34bに火が燃え移ることができる。
【0058】
図13は、キャンドル装置の図であり、(a)は上方から見た図、(b)は(a)に使われている環状芯ローソクの図である。
【0059】
図13(b)に示すように、芯36bの部分が環状になっている環状芯ローソク36は、芯36bを環状に形成後、その先端を再びロウ36aの中に挿入して固められた構成になっている。そして、芯36bを環状に形成された環状芯ローソク36は、図13(a)に示すように、芯36bの環状部が導火用棒13に通され、導火用棒13を中心に放射線上に配置されている。また、芯36bが環状になっているため、万一導火用棒13の火がすぐに芯36bに移らなかった場合、環状芯ローソク36が装着されている花びら状片は開くことができないので、完全に火が移るまで、芯は導火用棒13に接していることになり、ローソクへの点火ミスを低減することができる。
【0060】
図14は、キャンドル装置の図であり、(a)は上方から見た図、(b)は(a)に使われている長芯ローソクの図である。
【0061】
図14(b)に示すように、ロウ38aに芯38bが取付けられ、芯38bの部分が長くなっている長芯ローソク38は、一般のローソクに比べて芯の部分が極端に長く形成されている。この長芯ローソク38は、図14(a)に示すように、取着管6に少なくとも一つ取り付けられ、取着管6に同様に取り付けられた他のローソクの芯と接するように構成されており、またこの芯38bは導火用棒13を囲むように配置されている。このように形成することで、容易にローソクを設置でき、点火ミスを低減することができる。
【0062】
図15は、キャンドル装置の図であり、(a)は上方から見た図、(b)は(a)に使われているV形芯ローソクの図、(c)は(b)のローソクの芯の部分を複数本にした複数芯ローソクの図である。
【0063】
図15(b)に示すように、ロウ40aから二股に分かれて芯40bが取付けられ、芯40bの部分がV形になっているV形芯ローソク40は、取着管6に取り付けられ、その芯40bの部分は、図15(a)に示すように、導火用棒13を挟む形で配置されている。このように形成することで、導火用棒13の火がローソクに伝わる際、火が芯に移りやすくなり、ローソクへの点火ミスを低減することができる。また、図15(c)に示すように、ロウ41aから複数本の芯41bに分かれた複数芯ローソク41を用いることにより、更に火が芯に移りやすくすることもできる。
【0064】
図16は、導火用棒がない場合のローソクの束ね方を模式的に示した図であり、(a)は束ねる前の状態を示した図、(b)は(a)の状態から芯を捻った後の図、(c)は(a)の状態から芯を合わせてロウ等で固定した後の図である。
【0065】
図16(a)に示すように、導火用棒13を使わずに、ローソクのみで点火部分を形成させる場合、ローソクの芯を長めにして束ねる必要がある。このとき、取着管6に取り付けられたローソクを3本束ねる場合、まず、芯の先端部分を互いに寄せ合わせ、その後、図16(b)に示すように、芯の先端部分を捻り合わせる方法と、図16(c)に示すように、寄せ合わせた先端部分をロウ37等で固定する方法とがある。図16(b)に示すような捻り合わせる方法では、3本の芯を手で捻り合わせるだけであるため特別な工具を必要としないが、捻り合わせるのに手間がかかる。一方、図16(c)に示すような先端部分をロウで固定する方法では、捻り合わせるのに手間はかからないが、所定の位置にロウを固定させるための工具等が必要となり、設備投資コストがかかる。
【0066】
図17は、図16のローソクを取着管に取り付け、花びら状片が閉じたときの図であり、一つの上部支柱によって支持されたときのキャンドル装置の断面図である。
【0067】
図17に示すように、複数本のローソクの芯39は、花びら状片2が閉じた状態でキャンドル装置の略中心で束ねられており、その束ねられたローソクの芯39は、花びら状片2の上部支柱80の上端部80aと接している。また、この上部支柱80の上端部80aの近傍には固縛紐20をかけることが出来るように孔または切欠が形成され、この固縛紐20は花びら状片2を開かないように支持台7と連結している。そして、上部支柱80にかけられた固縛紐20は、ローソクの芯39と接するように取り付けられているので、ローソクの芯39が点火されて芯の上端からロウの部分に燃え移る間に、この固縛紐20にも燃え移り、その後この固縛紐20が燃え切られて花びら状片2が開くように構成されている。
【0068】
図18は、図17の上部支柱を2本用いた場合のキャンドル装置の断面図である。
【0069】
図18に示すように、2本の上部支柱81は、キャンドル装置の略中心軸近傍に形成されており、2本の上部支柱81には支持台7に連結するための固縛紐20が束ねられた芯39と接するようにかけられている。こうすることにより、芯39の上端で点火されて燃え移ってきた火が固縛紐20の部分にきた際、固縛紐20と火との接する範囲が広くなるため、図17の1本の上部支柱80にかけられた固縛紐20よりも、容易に固縛紐20を焼き切ることができ、花びら状片2を速やかに開かせることができる。これにより、パーティをスムーズに進行させて盛り上げていくことができる。
【0070】
図19は、3つの形態例の上部支柱の正面図であり、(a)は固縛紐がかかる部分に孔を設けた上部支柱、(b)は固縛紐がかかる部分を略半円状に切欠いた上部支柱、(c)は固縛紐がかかる部分を略長方形状に切欠いた上部支柱である。
【0071】
図19(a)に示すように、上部支柱82の上端部に孔82aを設けた場合、固縛紐20を通すのに手間がかるが、上下左右から固縛紐20が外れることがないので、予想に反して花びら状片2が開くことを防止することができる(図17参照)。図19(b)に示すように、上部支柱83の上端部を略半円状83aに切欠いた場合、固縛紐20を容易にかけることができるが、意に反して上方から糸が外れて花びら状片2が開く恐れがある(図17参照)。また、図19(c)に示すように、上部支柱84の上端部を略長方形状84aに切欠いた場合、固縛紐20を容易にかけることができるが、上方からの糸の外れは、図19(b)に比べると図19(c)は、上端部が略長方形状84aに切欠いているので、切欠を滑って上方から糸が外れることを低減することできる。
【0072】
図20−1は、花びら状片にローソクを取り付けるときの図であり、(a)は分解図であり、(b)は取り付け後の一部断面図である。図20−2は、他の取着管の拡大図であり、(a)は平面図、(b)は側面からみたときの一部断面図。
【0073】
図20−1(a)に示すように、花びら状片2にローソクを取り付けるときに必要な構成は、花びら状片2に直接取り付ける筒状の鍔部86aを有するクリップ86と、クリップ86に挿入する消火剤85とが必要になる。このクリップ86は鍔部86aを有しているので、取着管6の所定位置に取付けることができる。組付ける手順としては、図20−1(b)に示すように、取着管6にローソクを固定させるためのクリップ86を鍔部86aが取着管6に接するまで挿入し、このクリップ86の中に筒状の消火剤85を入れ、ローソクをこの筒状の消火剤85の中に挿入する。こうすることで、火が燃え移って取着管6の近傍までくると、取着管6に挿入された消火剤85により火はそれ以上燃え移らないようになっている。
【0074】
図20−2は、他の取着管の図であり、(a)は平面図、(b)は正面からみた一部断面図である。
【0075】
図20−2に示すように、この取着管87は略円筒状をしており、取着管の内壁には等間隔で突起88が形成されている。また、取着管87のローソク5挿入側には傾斜部89が形成され、ローソク5が挿入し易いようになっている。そして、突起88の取着管87の中心軸側には湾曲部91が形成され、この湾曲部91がローソク5のロウの部分に噛み込んでローソク5を固定することができるようになっている。また、等間隔に並んだ突起88の間には消火剤90が充填されている。この消火剤90は取着管87の中心軸側に突起88を乗り越えない程度に充填されており、ローソク5と突起88との間に消火剤90が入り、ローソクが滑ることにより生じるローソク5の取着管87からの抜け落ちを防止することができる。
【0076】
図21は、一つの花びら状片の閉状態の図であり、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は側面から見た一部断面図である。
【0077】
図21(a)(b)(c)に示すように、花びら状片2はしゃもじ状に形成されており、図21(b)に示すように、花びら状片の中央部近傍には取着管6が取り付けられており、この取着管6の下側には、ロウの垂れ防止用のストッパー42が取り付けられている。このストッパー42は略半筒形に形成されており、ローソクが燃えて溶け出した場合、ロウが花びら状片2を伝ってテーブルやケーキなどの上に落ちることを防止することができる。
【0078】
図22は、メロディ発生装置の回路を示した概略図であり、(a)は表側を示した図、(b)は裏側を示した図である。図23は、基部に基盤を挿入するときの模式図である。
【0079】
図22に示すように、メロディ発生装置の回路は、電池43、ICチップ44、コンデンサー46、ダイオード45、ニクロム線49、50、を基盤48の表側に配置し、スピーカー47を基盤48の裏側に配置するように構成されている。ニクロム線49、50には、燃焼スイッチ用ニクロム線49と検査スイッチ用ニクロム線50とがあり、それぞれ並列に基盤に取付けられている。また、ICチップ44は電気的に電池43、コンデンサー46、ダイオード45、スピーカー47、ニクロム線49、50に接合している。この回路により、燃焼スイッチ用ニクロム線49または検査スイッチ用ニクロム線50が短絡されると、スピーカー47から音声が流れるようになっている。そして、この回路は所定の回数音声が流れると自動的に音声が止まるようになっており、室内を暗くして楽しむパーティにおいては、スイッチを切る手間が省け、気分を継続して盛り上げることができる。また、図23に示すように、基盤48は下向きの略台形状をしており、カップ状容体12に基盤48を収容できるように、基盤48の左右両端及び下端のカップ状容体12と対向する位置にリブ53、54、55が突設されている。このリブ53、54、55は鉛直方向に設けられており、基盤48と対向する側にはそれぞれ溝53a、54a、55aが形成されている。基盤48はカップ状容体12の鉛直上方から溝53a、54aに沿って挿入され、溝55aに嵌合することにより基盤48はカップ状容体12に固定されるようになる。また、基盤28はカップ状容体12に取付ける際、カップ状容体12に干渉しないように、基盤28の下側の両端に傾斜部48a、48bを有している。
【0080】
図24は、キャンドル装置の分解図である。
【0081】
図24に示すように、キャンドル装置は中空刺脚11を有する部分と、台座10と、固定皿92とを有しており、キャンドル装置の中空刺脚11を台座に挿入し、この組付けられた状態で、固定皿92の取付孔92aに支脚10aを挿入して固定するようになっている。この固定皿92を設けることにより、花びら状片2が開いたときの安定性を増すことができる。
【0082】
図25は、更に他の一つの実施形態のメロディ発生装置の回路を有する円形状基盤を示した図である。
【0083】
図25に示すように、円形状基盤60は中央部に開口60aを有するように形成されており、この円形状基盤60には中心Oを挟んだ位置に略半円状の切欠き63、64が形成されており、円形基盤60の半径方向の略中央部近傍には孔65、66が形成されている。また、支持台7にはキャンドル装置の下方から上方にわたって突部67、68が形成されており、支持台7の下側には突起69、70が形成されている。円形基盤60の取付け方法は、まず円形基盤60の開口60aを支持台7に通し、切欠き63、64が突部67、68及び孔65、66が突起69、70と嵌合することにより、円形状基盤60が支持台7に固定される。まが、突起69、70は嵌合自在に形成されている。このようにすることにより、円形状基盤60が容易に着脱され、円形状基盤60に取り付けられた電池等の交換を容易に行うことができる。
【0084】
図26は、円形状基盤を有するキャンドル装置の台座が組み付く前の一部断面図である。図27は、円形状基盤を有するキャンドル装置の台座が組み付いた後の一部断面図である。
【0085】
図26に示すように、支持台7に円形状基盤60が取り付けられた状態で、台座93をキャンドル装置の下方から挿入し、支持台7のところで嵌合され固定される。支持台7には円筒状の嵌合部7aを有している。また、台座93には円形状基盤60を収容するための鍋状の基盤収容部93aが設けられている。この基盤収容部93aの直径はわずかに嵌合部7aの直径より大きく形成されており、基盤収容部93aが嵌合部7aに外嵌するように形成されている。そして、図27に示すように、円形状基盤60及び台座93が組み付けられた状態のキャンドル装置は、台座93と支持台7で円形状基盤60をキャンドル装置内に収容しているため、円形状基盤60が容易にキャンドル装置から外れることはない。一方、電池の交換などのメンテナンス時においては、台座93をキャンドル装置の下方へ取り外すだけですむので、簡単に取り外すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、キャンドル装置を構成する複数本の動きを伴うローソクの燃焼芯に対する一斉点火は、装置に立設した導火用棒に、身近にあるマッチやライター等を使用して安全確実に行われ、導火用棒自体も装置上で花火を発生して前座的に花火が楽しめるので、一般家庭における家族の誕生会や結婚式場等で、会場を華やかな雰囲気に盛り上げるのに、多方面で手軽に使用できる。また、導火用棒を用いない場合でも、燃焼芯の束ね方を工夫することにより、ローソクの点火ミスを減らし、花火がなくてもローソクの一斉点火を楽しむような誕生会や結婚式場等で使うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明に係るキャンドル装置の花びら状片が開き位置を採る時のキャンドル装置の概略縦断面図である。
【図2】本発明に係るキャンドル装置要部の分解斜視図である。
【図3】花びら状片が開き位置を採る時のキャンドル装置の斜視図である。
【図4】花びら状片が閉じ位置を採る時のキャンドル装置の側面図である。
【図5】花びら状片が閉じ位置を採る時のキャンドル装置の平面図である。
【図6】図4に検査用スイッチをつけた斜視図である。
【図7】図6の断面図である。
【図8】図7の花びら状片が開いたときの断面図である。
【図9】図6の検査用スイッチの構成を変えた斜視図である。
【図10】図9の断面図である。
【図11】図10の花びら状片が開いたときの断面図である。
【図12】キャンドル装置の図であり、(a)は上方から見た図、(b)は(a)に使われている連結型ローソクの図である。
【図13】キャンドル装置の図であり、(a)は上方から見た図、(b)は(a)に使われている環状芯ローソクの図である。
【図14】キャンドル装置の図であり、(a)は上方から見た図、(b)は(a)に使われている長芯ローソクの図である。
【図15】キャンドル装置の図であり、(a)は上方から見た図、(b)は(a)に使われているV状芯ローソクの図である。
【図16】導火用棒がない場合のローソクの束ね方を模式的に示した図であり、(a)は束ねる前の状態を示した図、(b)は(a)の状態から芯を捻った後の図、(c)は(a)の状態から芯を合わせてロウ等で固定した後の図である。
【図17】図16のローソクをキャンドル装置に取り付け、花びら状片が閉じたときの図であり、一つの上部支柱によって支持されたときのキャンドル装置の断面図である。
【図18】図17の上部支柱を2本用いた場合のキャンドル装置の断面図である。
【図19】3つの形態例の上部支柱の正面図であり、(a)は糸がかかる部分に孔を設けた上部支柱、(b)は糸がかかる部分を略半円状に切欠いた上部支柱、(c)は糸がかかる部分を略長方形状に切欠いた上部支柱である。
【図20−1】花びら状片にローソクを取り付けるとき図であり、(a)は分解図であり、(b)は取り付け後の一部断面図である。
【図20−2】他の取着管の拡大図であり、(a)は平面図、(b)は側面からみたときの一部断面図。
【図21】一つの花びら状片の閉状態の図であり、(a)は正面図、(b)は背面図、(c)は側面から見た一部断面図である。
【図22】メロディ発生装置の回路を示した概略図である。図23は、基部に基盤を挿入するときの模式図である。
【図23】基部に基盤を挿入するときの模式図である。
【図24】キャンドル装置の分解図である。
【図25】メロディ発生装置の回路を有する円形状基盤を示した図である。
【図26】円形状基盤を有するキャンドル装置の台座が組み付く前の一部断面図である。
【図27】円形状基盤を有するキャンドル装置の台座が組み付いた後の一部断面図である。
【符号の説明】
【0088】
1 支柱
1a 下部支柱
1b 上部支柱
2 花びら状片
2a 花びら状片基端
3 支持盤
4 長孔
5 ローソク
5a 燃焼芯
6 取着管
7 支持台
8 受け部
9 ばね
10、93 台座
10a 支脚
10b 支持孔
11 中空刺脚
11a中空刺脚下端
12 カップ状容体
12a 蓋体
13 導火用棒
13a 心線
14 導火薬層
15 支持孔
16 筒部
17 高燃焼性チューブ
18 受け座
18a 段部
19 遮熱環
19a 段部
20 固縛紐
21 係止溝
22、26、30 メロディ発声装置
23 電源
24 リード線
25 花びら状片(小型)
25a 花びら状片基端
28、31 検査用スイッチ
33 絶縁体
34 連結型ローソク
36 環状芯ローソク
38 長芯ローソク
40 V形芯ローソク
42 ストッパー
70 マスコット
60 円形状基盤
92 固定皿

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部を支持台に上下動自在に支持した支柱周りに、複数個の花びら状片の基端を上下方向に開閉動自在に支持し、各花びら状片の先端部にローソクを取着し、各花びら状片が起立して閉じ位置を採る時に、各花びら状片のローソクが伏倒して燃焼芯を支柱上方で突き合わせてこの状態に保持され、燃焼芯への一斉点火で、この保持が解消されて各花びら状片が展開し、開き位置に落ち着いて点火されたローソクを各花びら状片上に直立させるキャンドル装置において、支柱上に、花火成分を含む導火薬層を心線周りに形成した導火用棒を立設し、該導火用棒の基部寄りの導火薬層周りに各ローソクの燃焼芯を突き合わせ状に臨ませたことを特徴とするキャンドル装置。
【請求項2】
各ローソクの燃焼芯の突き合わせ部位に対応して導火用棒に、高燃焼性チューブを緩挿状に被装し、該チューブ基部を遮熱手段を介して支柱上端に支持したことを特徴とする請求項1記載のキャンドル装置。
【請求項3】
遮熱手段が、高燃焼性チューブ基部に挿入される筒部と、該筒部下端に形成したフランジを有する受け座と、受け座上にあって高燃焼性チューブに被装される遮熱環からなることを特徴とする請求項2記載のキャンドル装置。
【請求項4】
導火用棒下部に心線を露出させ、該心線露出部を支柱中心に設けた支持孔に着脱自在に挿着して導火用棒を支柱に支持し、また、支柱上に筒部を延設し、該筒部内に支持孔を位置させて筒部内に導火薬層基部を緩挿状に挿入し、筒部開口端に遮熱手段を構成する受け座と遮熱環を同心状に支持したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のキャンドル装置。
【請求項5】
支柱を支持する支持台に、花びら状片基部に対応して受け部を設け、該受け部内にあって支持台と支柱間に、支柱を押上げ方向に付勢するばねを配装し、ばねに抗して支柱を支持台に対して下降させて花びら状片が閉じ位置を採る時に、花びら状片基部を受け部内に引き入れ、この状態で、支持台と支柱上の筒部開口端とを可燃性の固縛紐で連結し、該固縛紐を導火用棒の導火薬層に添接させ、導火薬層の燃焼時に熱で焼き切って支柱と支持台間の固縛を解くようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のキャンドル装置。
【請求項6】
支柱を、導火用棒を立設した上部支柱と、支持台に支持した下部支柱に分断し、両支柱間にカップ状容体を挿設し、該カップ状容体内にメロディ発声回路ICとスピーカーからなるメロディ発声装置を配置し、該メロディ発声装置を電源に接続するリード線の内、片方のリード線に、2本の導線を絶縁状態で捻り合わせた捻り線を用い、該捻り線基端で一方の導線をメロディ発声装置に、他方の導線を電源に接続し、捻り線遊端部を上部支柱沿いに燃焼芯突き合わせ部位まで導いて導火用棒に巻き付け状に保持させておき、導火薬層の燃焼時の熱で2本の導線間の絶縁が解消されて線間短絡を生じて電源をON作動するようにしたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のキャンドル装置。
【請求項7】
下部を支持台に上下動自在に支持した支柱周りに、複数個の花びら状片の基端を上下方向に開閉動自在に支持し、各花びら状片の先端部にローソクを取着し、各花びら状片が起立して閉じ位置を採る時に、各花びら状片のローソクが伏倒して燃焼芯を支柱上方で突き合わせてこの状態に保持され、燃焼芯への一斉点火で、この保持が解消されて各花びら状片が展開し、開き位置に落ち着いて点火されたローソクを各花びら状片上に直立させるキャンドル装置において、
メロディ発声回路ICとスピーカーからなるメロディ発声装置をカップ状容体内またはカップ状容体下部に配置し、
前記メロディ発生装置には複数組のリード線が設けられ、
前記リード線の少なくとも1組のリード線は前記ローソクの燃焼芯近傍に延設されており、ローソクの火によってリード線が短絡することにより前記メロディ発声装置が通電するように構成されており、
前記リード線の少なくとも1組のリード線は前記支持台の外部に延設されており、該リード線を短絡させることにより前記メロディ発声装置が通電するように構成されていることを特徴とするキャンドル装置。
【請求項8】
前記メロディ発声装置は通電後所定の回数だけメロディを発声させるよう構成されていることを特徴とする請求項7記載のキャンドル装置。
【請求項9】
前記花びら状片が展開することにより前記支持台の外部に延設された前記リード線の絶縁が解消され、前記メロディ発声装置が通電するよう構成されていることを特徴とする請求項7または8に記載のキャンドル装置。
【請求項10】
前記ローソクの少なくとも1本の燃焼芯が複数本に分かれて形成されたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一つに記載のキャンドル装置。
【請求項11】
前記ローソクの燃焼芯が少なくとも1本のローソクの燃焼芯を共有していることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一つに記載のキャンドル装置。
【請求項12】
前記ローソクの少なくとも1本の燃焼芯が環状に形成されたことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一つに記載のキャンドル装置。







【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20−1】
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【図20−2】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2006−202736(P2006−202736A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−366002(P2005−366002)
【出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【出願人】(503219824)株式会社田中務補商事 (4)
【Fターム(参考)】