説明

キャンバ角調整装置

【課題】簡単な構造で、バネ下重量を軽減し、乗り心地や運動性能を向上するキャンバ角調整装置を提供する。
【解決手段】懸架装置を介して車体に懸架される車輪40のキャンバ角を変更するキャンバ角調整装置1において、懸架装置に対してバネ下に支持されるベース部材2と、バネ上の車体に設置され、駆動力を発生する駆動部材3と、駆動部材3の発生する駆動力を伝達するケーブル部材4と、バネ下に配置され、ケーブル部材4と連結された揺動レバー5と、バネ下に配置され、揺動レバー5の回転により回転するクランク部材9と、バネ下に配置され、クランク部材9の回転運動を変換して直進運動する移動部材10と、車輪40を支持し、移動部材10の移動に伴いベース部材2に対してキャンバ軸を中心に回動可能に支持される回動部材12と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輪のキャンバ角を簡単な構造で変更できるようにしたキャンバ角調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車体に対する車輪のキャンバ角を変更するキャンバ角調整装置において、簡単な構造で、アクチュエータへの負荷を軽減し、且つ、強度を確保したものがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−132377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された発明では、アクチュエータがバネ下に設置されているので、バネ下重量が増加し、乗り心地や運動性能に影響を及ぼす可能性があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するものであって、簡単な構造で、バネ下重量を軽減し、乗り心地や運動性能を向上するキャンバ角調整装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのために本発明は、懸架装置を介して車体に懸架される車輪のキャンバ角を変更するキャンバ角調整装置において、懸架装置に対してバネ下に支持されるベース部材と、バネ上の前記車体に設置され、駆動力を発生する駆動部材と、前記駆動部材の発生する駆動力を伝達するケーブル部材と、バネ下に配置され、前記ケーブル部材と連結された揺動レバーと、バネ下に配置され、前記揺動レバーの回転により回転するクランク部材と、バネ下に配置され、前記クランク部材の回転運動を変換して直進運動する移動部材と、前記車輪を支持し、前記移動部材の移動に伴い前記ベース部材に対してキャンバ軸を中心に回動可能に支持される回動部材と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、前記揺動レバーの回転を増速し、前記クランク部材を回転する増速部をさらに備えることを特徴とする。
【0008】
また、前記駆動部材は、モータ、前記モータの回転を減速する減速部、及びねじ山が台形ネジからなり、前記減速部が減速した回転運動を直進運動に変換する送りネジを有することを特徴とする。
【0009】
また、バネ下において、前記クランク部材の位置を検出する角度センサをさらに有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、懸架装置を介して車体に懸架される車輪のキャンバ角を変更するキャンバ角調整装置において、懸架装置に対してバネ下に支持されるベース部材と、バネ上の前記車体に設置され、駆動力を発生する駆動部材と、前記駆動部材の発生する駆動力を伝達するケーブル部材と、バネ下に配置され、前記ケーブル部材と連結された揺動レバーと、バネ下に配置され、前記揺動レバーの回転により回転するクランク部材と、バネ下に配置され、前記クランク部材の回転運動を変換して直進運動する移動部材と、前記車輪を支持し、前記移動部材の移動に伴い前記ベース部材に対してキャンバ軸を中心に回動可能に支持される回動部材と、を備えるので、簡単な構造で、バネ下重量を軽減し、乗り心地や運動性能を向上することが可能となる。
【0011】
また、請求項2記載の発明によれば、前記揺動レバーの回転を増速し、前記クランク部材を回転する増速部をさらに備えるので、ケーブルの移動距離が少なくてもクランク部材の回転角を多くすることができ、駆動力を効率的に伝達することが可能となる。
【0012】
また、請求項3記載の発明によれば、前記駆動部材は、モータ、前記モータの回転を減速する減速部、及びねじ山が台形ネジからなり、前記減速部が減速した回転運動を直進運動に変換する送りネジを有するので、セルフロック時の信頼性を高めることが可能となる。
【0013】
また、バネ下において、前記クランク部材の位置を検出する角度センサをさらに有するので、クランク位置の検出をバネ下側で行うことで、ワイヤの伸縮の影響なしで正確な位置を検出することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態のキャンバ角調整装置を車両前方から見た図である。
【図2】本実施形態のキャンバ角調整装置を車幅方向の車体側から見た図である。
【図3】本実施形態の駆動部材を示す図である。
【図4】本実施形態の作動前のキャンバ角調整装置の断面図である。
【図5】本実施形態の作動前のキャンバ角調整装置の拡大斜視図である。
【図6】本実施形態の作動中のキャンバ角調整装置の拡大斜視図である。
【図7】本実施形態の作動後のキャンバ角調整装置の拡大斜視図である。
【図8】本実施形態の作動後のキャンバ角調整装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は実施形態のキャンバ角調整装置1を車両前方から見た図、図2は実施形態のキャンバ角調整装置1を車幅方向の車体側から見た図、図3は本実施形態の駆動部材3を示す図、図4は本実施形態の作動前のキャンバ角調整装置1の断面図、図5は本実施形態の作動前のキャンバ角調整装置1の拡大斜視図を示す。ただし、図1では車輪30を断面で示し、図2では車輪30の前方半分を省略している。
【0017】
なお、本実施形態では右後輪について説明するが、左後輪についても同様の構成である。また、前後方とは、車両の前後方向に対応する。また、車幅方向とは、車両の前後方向及び鉛直方向に直交する方向である(以下同じ。)。
【0018】
図1において、1はキャンバ角調整装置、2はベース部材、3は駆動部材、4はケーブル、5は揺動レバー、6はケーブル取付部材、7は揺動軸、8は増速部、9はクランク部材、10は移動部材、11は連結部材、12は回動部材としてのキャンバプレート、13は回動部材支持部としてのキャンバプレート支持部、21は懸架装置としてのトーションビーム、31はハブ、40は車輪、41はホイール、42はタイヤである。
【0019】
本実施形態のキャンバ角調整装置1は、図示しない車体に揺動可能に取り付けられたトーションビーム21に支持されたベース部材2と、トーションビーム21等の懸架装置に対してバネ上にあたるフレーム等の車体に配置された駆動部材3と、一端を駆動部材3に連結され駆動力を伝達するケーブル部材4と、バネ下に配置され、ケーブル部材4の他端に連結された揺動レバー5と、バネ下に配置され、ケーブル部材4を揺動レバー5に取り付けるケーブル取付部材6と、バネ下に配置され、揺動レバー5の揺動中心となる揺動軸7と、バネ下に配置され、揺動レバー5の揺動角を増速する増速部8と、バネ下に配置され、増速部8により増速され回動するクランク軸9aを有するクランク部材9と、バネ下に配置され、一方をクランク部材9のクランクピン9bに取り付けられクランク9軸の回転により直進又は略直進方向に往復移動する移動部材10と、バネ下に配置され、移動部材10の他方に取り付けられた連結部材11と、連結部材11により移動部材10に連結されたキャンバプレート12と、ベース部材2に対してキャンバプレート12を回動可能に支持するキャンバプレート支持部13と、を備える。
【0020】
ベース部材2は、車体と車輪30とを連結するトーションビーム21に設けられ、駆動部材3を除く大部分のキャンバ角調整装置1をバネ下で支持する部材である。また、ベース部材2は、ケーブル部材4を支持するケーブル支持部材2aを有する。ケーブル支持部材2aは、後述するケーブル部材4のチューブ4bを固定し、ケーブル4aはその内部を移動可能に支持する。そのため、ケーブル部材4のケーブル4aはケーブル支持部材2aより揺動レバー5側で伸縮且つ揺動可能であり、チューブ4bはケーブル支持部材2aより揺動レバー5側で揺動可能である。
【0021】
駆動部材3は、図3に示すように、DCモータ等からなるモータ3a、モータの駆動力を減速する減速部3b、及び減速部3bから伝達された回転駆動力を直進運動に変換する送りネジ3c等からなる。減速部3bは、歯数の異なるギヤを組み合わせることで減速する。また、送りネジ3cは、ねじ山が台形からなる台形ネジを使用することで、セルフロックが可能となる。駆動部材3は、トーションビーム21等の懸架装置に対してバネ上にあたるフレーム等の車体に配置される。このように、駆動部材3をバネ上に設置することにより、バネ下の軽量化が実現でき、乗り心地及び車両の運動性能が向上する。
【0022】
ケーブル部材4は、一端を駆動モータ3の送りネジ3cに連結され他端の揺動レバー5に駆動力を伝達するケーブル4aと、ケーブル4aの周囲に被覆されるチューブ4bとを有する。チューブ4bは、ベース部材2のチューブ支持部2aに支持される。動力の伝達にケーブル部材4を用いることにより、バネ上に設置した駆動部材3とバネ下に設置した揺動レバー5とをフレキシブルに連結することができ、サスペンションの特性を損ねることが低減される。また、ケーブル部材4は、プッシュプル機能を有するので、1本でよく、部品点数が少なくなり、低コストを実現することが可能となる。
【0023】
揺動レバー5は、一端側にケーブル取付部材6によりケーブルが取り付けられ、他端側を揺動軸7により支持されている。そのため、揺動レバー5は、ケーブル4aの移動に伴い一端側が押し引きされて揺動軸7を中心に揺動する。
【0024】
揺動軸7は、揺動レバー5の他端側に一体に取り付けられ、揺動レバー5の揺動と共に回転する。揺動軸7の回転は、増速部8に伝達される。
【0025】
増速部8は、図5に示すように、揺動軸7と共に回転するように接続され略扇形に並んだ歯を有する第1ギヤ8aと、第1ギヤ8aの扇形よりも径が小さい円形であり円周に並んだ歯が第1ギヤ8aの歯に噛み合い、第1ギヤ8aの回転によって伝達された駆動力を中心軸に接続されたクランク部材9に回転によって伝達する第2ギヤ8bと、第1ギヤ8a及び第2ギヤ8bを覆うケース8cと、を有する。なお、本実施形態のケース8cは、クランク部材9の第2ギヤ8bと反対側の軸端部を支持する図示しない軸受け等も被覆している。増速部8を設けることにより、ケーブル4aの移動距離が少なくてもクランク部材9の回転角を多くすることができ、駆動力を効率的に伝達することが可能となる。
【0026】
クランク部材9は、クランク軸9aと、クランク軸9aに対して軸と直交する方向のずれた位置に配置されたクランクピン9bとからなる。クランクピン9bは、増速部8の第2ギヤ8bの回転によりクランク軸9aが回転し、クランク軸9aの回転に伴いクランク軸9aを中心に円弧状に回転運動をする。なお、クランク部材9は角度センサ15を有することが好ましい。バネ下のクランク軸9aにキャンバ角を制御するポジションセンサを設置することで、経年劣化等によるケーブル4aの伸縮の影響なしで正確な位置を検出することが可能である。また、図3に示した送りネジ3cはセルフロックが可能となる。
【0027】
移動部材10は、一端をクランクピン9bに対して回動可能に取り付けられ、他端に連結部材11を連結される。移動部材10は、クランクピン9bの回転運動を直進運動に変換し、往復移動する。本実施形態では、ゴムブッシュ等を用いている。
【0028】
連結部材11は、移動部材10とキャンバプレート12を連結する部材である。なお、連結部材11を設けず、移動部材10とキャンバプレート12を直接連結してもよい。
【0029】
キャンバプレート12は、ハブ31のケース31aを支持し、一端側を連結部材11により移動部材10に連結され、他端側をキャンバプレート支持部13によりベース部材2に対して回動可能に支持されている。キャンバプレート12は、移動部材10の移動によりベース部材2に対して回動する。キャンバプレート12が回動することにより、ハブ31が回動し、結果的に、車輪40のキャンバ角を調整することが可能となる。
【0030】
キャンバプレート支持部13は、第1支持部13aと、第1支持部13aよりも後方に配置された第2支持部13bと、を有する。第1支持部13aは、ベース部材2とキャンバプレート12とをキャンバ軸に軸支する軸部材からなる。また、第2支持部13bは、ゴムブッシュ等からなる。なお、第1支持部13aと第2支持部13bとは車両前後方向の一直線上に配置する必要はない。したがって、キャンバ角調整装置1を作動した場合、キャンバ角だけでなく、トウ角も変化するように設定可能である。なお、第2支持部13bは設けなくてもよく、図1、図5〜7では、第2支持部13bは省略している。
【0031】
トーションビーム21は、車体に対して揺動し、振動を吸収するサスペンションである。本実施形態では、ベース部材2がトーションビーム21に設置されている。
【0032】
ハブ31は、キャンバプレート12に支持されるケース31aと、図示しないドライブシャフトに連結されエンジンやモータ等の駆動力により回転する回転部31bを有する。
【0033】
車輪40は、ハブ31の回転部31bにボルト等により締着され、回転部31bと共に回転するホイール41と、ホイール41の外周に組み付けられるタイヤと、を有する。
【0034】
次に、本実施形態のキャンバ角調整装置1の作動について説明する。
【0035】
図6は本実施形態の作動中のキャンバ角調整装置1の拡大斜視図、図7は本実施形態の作動後のキャンバ角調整装置1の拡大斜視図、図8は本実施形態の作動後のキャンバ角調整装置1の断面図、である。
【0036】
図4に示すように、本実施形態では、キャンバ角調整装置1の調整前にアライメント調整をして車輪40にはあらかじめキャンバ角が付与されている。なお、キャンバ角調整装置1の調整前のキャンバ角は0°としてもよい。
【0037】
この時、クランク軸9a、クランクピン9b、及び移動部材10とキャンバプレート12との連結部分である連結部材11を結ぶ線は、一直線となることが望ましい。一直線となることでセルフロックがかかり、外力に対して移動するおそれが低減する。
【0038】
図5に示すように、キャンバ角調整装置1の調整前は、ケーブル4aが引かれておらず、揺動レバー5が揺動軸7よりも上方に配置されている。
【0039】
次に、モータ3aが駆動を開始し、キャンバ角調整装置1が調整中となった場合について説明する。まず、図示しない制御装置等によりキャンバ角を調整するよう指示があると、駆動部材3のモータ3aが駆動する。
【0040】
モータ3aの駆動力は、減速部3bで減速され、送りネジ3cを移動させる。送りネジ3cによりモータ3aの回転運動は、直進運動に変換される。この直進運動により、ケーブル部材4のケーブル4aは引かれる。なお、チューブ4bはベース部材2に取り付けられているので、ケーブル4aはチューブ4bに対して摺動して移動する。
【0041】
ケーブル4aは、ケーブル取付部材6によって揺動レバー5の一端側に取り付けられているので、ケーブル4aが引かれることによって、図6に示すように、揺動レバー5は他端側の揺動軸7を中心に揺動する。
【0042】
揺動軸7は揺動レバー5と一体に回転する。揺動軸7の回転は、一体に回転する増速部8の第1ギヤ8aに伝達される。第1ギヤ8aの回転は、第1ギヤ8aと噛み合う第2ギヤ8bに伝達される。ここで、第1ギヤ8aと第2ギヤ8bの歯数の比により増速される。
【0043】
第2ギヤ8bとクランク部材9のクランク軸9aは、一体に回転するので、第2ギヤ8bの回転により、クランク部材9が回転する。クランク部材9の回転により、一端側をクランクピン9bに取り付けられた移動部材10の他端側は、略直進方向に移動する。移動部材10の移動により、連結部材11も、略直進方向に移動する。そして、一端側を連結部材11に取り付けられたキャンバプレート12は、他端側を支持したキャンバプレート支持部13を中心にベース部材2に対して回動する。
【0044】
その後、さらに、モータ3aは駆動し、ケーブル4aが引かれ、図7に示すように、揺動レバー5は他端側の揺動軸7を中心にさらに揺動する。すると、キャンバプレート12がさらに回動し、キャンバ角がさらに付与される。
【0045】
モータ3aの回転する角度は、減速部3b及び増速部8での増減速を考慮した上でクランク部材9が約180°回転する角度となるようにあらかじめ設定されていることが好ましい。具体的には、図7及び図8に示すように、クランク部材9が約180°回転すると、キャンバ角があらかじめ設定した所定の角度となるように設定されており、この角度にあわせてモータ3aの回転角度が設定されている。
【0046】
この時、キャンバ角調整装置1の調整前と同様に、クランクピン9b、クランク軸9a、及び移動部材10とキャンバプレート12との連結部分である連結部材11を結ぶ線は、一直線となることが望ましい。一直線となることでセルフロックがかかり、外力に対して移動するおそれが低減する。
【0047】
図8に示すように、キャンバ角調整装置1によりキャンバ角を調整前と比較してネガティブに調整された車輪40は、モータ3aを正逆回転可能な構成とし、モータ3aを逆回転することにより、図4に示した調整前のキャンバ角に戻ることが可能である。なお、駆動部材3のモータ3aをさらに回転させる調整前のキャンバ角に戻る構成としてもよい。
【0048】
このように、本実施形態によれば、トーションビーム21を介して車体に懸架される車輪40のキャンバ角を変更するキャンバ角調整装置1において、懸架装置に対してバネ下に支持されるベース部材2と、バネ上の車体に設置され、駆動力を発生する駆動部材3と、駆動部材3の発生する駆動力を伝達するケーブル部材4と、ケーブル部材4と連結された揺動レバー5と、揺動レバー5の回転により回転するクランク部材9と、クランク部材9の回転運動を変換して直進運動する移動部材10と、車輪40を支持し、移動部材10の移動に伴いベース部材2に対してキャンバ軸を中心に回動可能に支持されるキャンバプレート12と、を備えるので、簡単な構造で、バネ下重量を軽減し、乗り心地や運動性能を向上することが可能となる。
【0049】
また、揺動レバー5の回転を増速し、クランク部材9を回転する増速部8をさらに備えるので、ケーブル4aの移動距離が少なくてもクランク部材9の回転角を多くすることができ、駆動力を効率的に伝達することが可能となる。
【0050】
また、駆動部材3は、モータ3a、モータ3aの回転を減速する減速部3b、及びねじ山が台形ネジからなり、減速部3bが減速した回転運動を直進運動に変換する送りネジ3cを有するので、セルフロック時の信頼性を高めることが可能となる。
【0051】
また、バネ下において、前記クランク部材の位置を検出する角度センサをさらに有するので、クランク位置の検出をバネ下側で行うことで、ワイヤの伸縮の影響なしで正確な位置を検出することが可能である。
【符号の説明】
【0052】
1…キャンバ角調整装置、2…ベース部材、3…駆動部材、4…ケーブル部材、5…揺動レバー、6…ケーブル取付部材、7…揺動軸、8…増速部、9…クランク部材、10…移動部材、11…連結部材、12…キャンバプレート(回動部材)、13…キャンバプレート支持部(回動部材支持部)、21…トーションビーム(懸架装置)、31……ハブ、40…車輪、41…ホイール、42…タイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
懸架装置を介して車体に懸架される車輪のキャンバ角を変更するキャンバ角調整装置において、
懸架装置に対してバネ下に支持されるベース部材と、
バネ上の前記車体に設置され、駆動力を発生する駆動部材と、
前記駆動部材の発生する駆動力を伝達するケーブル部材と、
バネ下に配置され、前記ケーブル部材と連結された揺動レバーと、
バネ下に配置され、前記揺動レバーの回転により回転するクランク部材と、
バネ下に配置され、前記クランク部材の回転運動を変換して直進運動する移動部材と、
前記車輪を支持し、前記移動部材の移動に伴い前記ベース部材に対してキャンバ軸を中心に回動可能に支持される回動部材と、
を備えることを特徴とするキャンバ角調整装置。
【請求項2】
前記揺動レバーの回転を増速し、前記クランク部材を回転する増速部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載のキャンバ角調整機構。
【請求項3】
前記駆動部材は、モータ、前記モータの回転を減速する減速部、及びねじ山が台形ネジからなり、前記減速部が減速した回転運動を直進運動に変換する送りネジを有する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のキャンバ角調整機構。
【請求項4】
バネ下において、前記クランク部材の位置を検出する角度センサをさらに有する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載のキャンバ角調整機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−207331(P2011−207331A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−76704(P2010−76704)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(591261509)株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【Fターム(参考)】