説明

キャンペーンラベル

【課題】容器に小孔を開けるなどの悪戯をされ、その上からラベルを貼付されても、該ラベルを引き剥がさずに悪戯を容易に発見することができるキャンペーンラベルを提供する。
【解決手段】意匠表示2が施された基材3の裏面に、粘着部5が設けられたラベルであって、粘着部5が基材の一部範囲に設けられており、この範囲に於いて透視可能とされているキャンペーンラベルである。この基材3の一部範囲には、ラベルの表面から裏面に連通する小孔7が複数形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種包装体に貼付するキャンペーンラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
食品、飲料、化粧品などの商品は、紙箱製の容器、柔軟袋からなるパウチ容器、PETボトルなどの樹脂成形容器などの各種の容器に包装され、流通している。また、容器の周囲を外装フィルムで被覆した包装体や、複数の容器を纏めて包装した包装体(マルチパック)なども知られている。
従来、これら包装体に、キャンペーンラベルを貼付することが行われている。キャンペーンラベルは、主として商品販売促進目的で、包装体の目立つ箇所に剥離可能な粘着剤を介して包装体に貼付される。
【0003】
しかしながら、上記キャンペーンラベルは、悪戯に利用される可能性がある。すなわち、キャンペーンラベルを包装体から剥離し、該包装体に穴を開けたり、或いは穴を開けて包装体内へ異物を混入するなどした後、この穴を塞ぐように元のキャンペーンラベルを貼付するという悪戯が考えられる。特に、キャンペーンラベル自体が景品応募用シールになっている場合、引き剥がし易くなっているので、悪戯され易い。このような悪戯がなされると、ラベルを引き剥がさなくては、それを発見することができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、穴開けなどの悪戯をされても、ラベルを引き剥がさずに悪戯を容易に発見することができるキャンペーンラベルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための手段として、本発明は、意匠表示が施された基材の裏面に、粘着部が設けられたラベルであって、粘着部が基材の一部範囲に設けられており、この範囲に於いて透視可能とされているキャンペーンラベルを提供する。
【0006】
上記キャンペーンラベルは、粘着部を介して包装体に貼付できる。粘着部は剥離可能なので、例えば、使用者は、意匠表示に表されている内容に従い、キャンペーンラベルを包装体から引き剥がし、懸賞などに応募することができる。
かかるキャンペーンラベルは、粘着部が設けられた基材の一部範囲に於いてラベルが透視可能とされているので、悪意者が、包装体に穴を開け、この穴を塞ぐべく粘着部を介してラベルを再貼付しても、透視可能なラベルを通じて、穴の有無を外見上発見することができる。
また、悪意者が、粘着部で穴を塞がず、意匠表示が施された範囲で穴を隠蔽した場合でも、意匠表示が施された範囲は、粘着部が設けられていないので簡単に捲ることができる。従って、ラベルを引き剥がさなくても悪戯を発見することができる。
【0007】
さらに、本発明の好ましい態様では、上記基材の一部範囲に、ラベルの表面から裏面に連通する小孔が複数形成されている上記キャンペーンラベルを提供する。
かかるキャンペーンラベルは、飲料などの液体が充填された容器に適しており、悪意者が、液体充填容器に穴を開け、この穴を塞ぐように、粘着部を介してキャンペーンラベルを再貼付したとしても、悪戯された穴から漏れ出る液体が、小孔を通じてラベルの表面に滲み出すため、悪戯を極めて容易に発見することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るキャンペーンラベルは、ラベルを引き剥がさなくても、穴開けなどの悪戯を容易に発見することができる。
また、このように悪戯を発見し易いので、悪意者に対して抑止効果があり、本発明に係るキャンペーンラベルが貼付された包装体への悪戯を未然に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1に於いて、1は、意匠表示2が施された基材3の裏面の一部範囲に粘着部5が設けられたキャンペーンラベルを示す。
基材3は、被貼付体に重ねた際に該被貼付体の表面が透視可能なシート体であれば特に限定されず、例えば、無色透明又は有色透明な透光性のある合成樹脂製フィルムやグラシンペーパーなどの半透明紙などを用いることができる。
基材3は、図示したような略円形状のほか、略矩形状、略三角形状など、所望の形状に形成できる。
【0010】
この基材3の所定範囲(例えば、基材3の上側半分などのように基材3の縁を含む一部範囲)には、意匠表示2が施されている。この意匠表示2は、図示したように、基材3の表面に印刷によって施されているが、基材3の裏面側にも設けることもできる。
意匠表示2は、例えば、広告、キャンペーン応募説明、絵柄などの所定表示などの印刷と白色等のベタ印刷などが、グラビア印刷、フレキソ印刷、凸版輪転印刷などによって単色又は多色刷りにて設けられている。意匠表示2の表示内容や印刷方法によって異なるが、一般に、意匠印刷2が施された範囲全体は、不透明(透視不能)となっている。
【0011】
粘着部5は、基材3の裏面であって、上記意匠表示2が施されていない範囲(以下、非表示範囲4という)に設けられている。但し、粘着部5は、意匠表示2が施された範囲と非表示範囲4の境界線に厳密に沿って設けられているという意味ではなく、例えば、境界線を少し越えて粘着部5が設けられている態様なども含まれる。
粘着部5は、基材3の裏面全体に粘着剤を塗工し、意匠表示2が施された範囲に対応する粘着剤の裏面に非接着部6を設けることにより、非表示範囲4に於いて粘着剤を露出させて設けられている。
この粘着剤は、基材3と同様に、被貼付体に接着した際に該被貼付体の表面が透視可能で、且つ剥離可能な程度の粘着力の粘着剤であれば特に限定されず、無色透明又は有色透明な透光性のある粘着剤、例えば、透明性に優れたアクリル系粘着剤などが好ましく用いられる。
【0012】
非接着部6は、粘着剤の粘着力を隠蔽できれば特に限定されず、例えば、紫外線硬化型インキなどを塗工することにより設けられている。このインキを印刷する際に、絵柄などの所定表示を表すことにより、裏面側に意匠表示2を施すことができる。
また、非接着部6は、紫外線硬化型インキを塗布するなどの印刷による非接着処理に代えて、例えば、合成樹脂製フィルムなどのシート材を積層接着することにより設けることもできる。
さらに、粘着部5を設ける手段としては、上記のように裏面全体に粘着剤を設け、且つ所定範囲に非接着部6を設ける構成に限られず、例えば、図1(c)に示すように、基材3の裏面のうち、非表示範囲4に対応する基材2の裏面にのみ粘着剤を塗工して粘着部5を設けることもできる。
尚、ラベル3は、通常、離型紙に載せて提供されるが、その態様は図示しない。
【0013】
上記キャンペーンラベル1は、粘着部5を介して包装体の外面に貼付されて使用される。貼付する包装体としては、例えば、紙箱製の容器、柔軟袋からなるパウチ容器、PETボトルなどの樹脂成形容器、複数の容器を纏めて包装した包装体などの任意の包装体に貼付できる。また、キャンペーンラベル1の包装体への貼付箇所も、PETボトルのキャップに貼付するなどの任意の箇所に貼付できる。
かかるキャンペーンラベル1は、基材3の縁を含む一部範囲に粘着部5が設けられておらず、且つ粘着剤が剥離可能であるため、この縁から貼付されたキャンペーンラベル1を包装体から引き剥がすことができる。従って、使用者は、意匠表示2に表されている内容に従い、キャンペーンラベルを包装体から容易に引き剥がし、懸賞などに応募することができる。
【0014】
ところで、悪意者が、このキャンペーンラベル1を引き剥がし、包装体の貼付箇所に穴を開けた後、この穴を隠蔽すべく粘着部5を再貼付することが考えられるが、粘着部5が設けられた非表示範囲4は、基材3及び粘着剤が透視可能であるため、ラベル1の外見から悪戯を発見することができる。
また、飲料などの液体が充填された包装体に対して、悪意者が穴を開け、これを隠蔽する場合には、通常、該穴からの液漏れ塞ぐため、穴を塞ぐように粘着部5を再貼付するものと考えられるが、液漏れしない収納物が充填された包装体に対しては、(粘着部5で穴を覆わず)意匠表示2が施された範囲で穴を隠蔽するように再貼付することも考えられる。このような場合であっても、意匠表示2の範囲は、粘着剤が設けられていないので、簡単に捲ることができるから、悪戯を容易に発見することができる。
また、裏面側にも意匠表示2が設けられているキャンペーンラベル1にあっては、悪戯発見目的でラベルを捲る行為をしない使用者でも、裏面側の意匠表示2を見る目的でラベル1を捲ることが期待され、これによって悪戯を容易に発見できるので好ましい。
【0015】
尚、本発明は、上記実施形態に限られず、適宜設計変更することができる。以下、本発明の各変形例を説明するが、上記実施形態と同様の構成については、説明を省略し、用語及び図番を援用する場合がある。
図2は、粘着部5が、非表示範囲4全体に設けられておらず、非表示範囲4に部分的に設けられているキャンペーンラベル1を示す。
具体的には、図2(a)は、粘着部5が非表示範囲4の略中央部に設けられたキャンペーンラベル1を示し、図2(b)は、粘着部5が、非表示範囲4に多段帯状に設けられたキャンペーンラベル1を示す。尚、特に図示しないが、粘着部5は、多段帯状に設けられる態様の他、非表示範囲4に網状などに設けられていてもよい。該粘着部5は、上記と同様に、非粘着処理を施す手段でもよいし、所定部分に粘着剤を塗工する手段の何れでもよい。
【0016】
さらに、図3は、非表示範囲4に於いて、ラベルの表面から裏面に連通する小孔7が複数形成されているキャンペーンラベル1を示す。具体的には、本変形例に係るキャンペーンラベル1は、非表示範囲4に、基材3の表面から粘着部5の裏面にまで貫通する小孔7が複数形成されている。小孔7の大きさは、水が滲み出す程度の大きさで且つラベル外観を損なわない程度に形成され、例えば、直径0.05mm〜0.5mm程度の針状孔などが例示される。
かかる小孔7が形成されたキャンペーンラベル1は、飲料などの液体が充填された容器に貼付する用途に特に好適である。すなわち、悪意者が、液体充填容器に穴を開け、この穴を塞ぐように、粘着部5を介してキャンペーンラベル1を再貼付した場合、該悪戯された穴から液体が漏れ、この液体が、小孔7を通じてラベル1の表面に滲み出すため、悪戯を極めて容易に発見することができる。
【0017】
上記小孔7を有するキャンペーンラベル1に於いて、ラベル貼付時に粘着部5を包装体へと強く押圧すると、粘着剤が流動して粘着部5に形成された小孔7を塞ぐ虞があるため、例えば、図4に示すように、複数の小孔7が形成された非表示範囲4に、粘着部5を有しない部分を設けることが好ましい。例えば、図示したように、粘着剤を網状に塗工することによって非表示範囲4に部分的に非接着部6が設けられ、且つ該非表示範囲4に複数の小孔7が形成されたキャンペーンラベル1などが挙げられる。かかる非接着部6に対応する範囲に存在する小孔7は、目詰まりし難いので、確実に液の滲み出しに供することができる。
【0018】
さらに、液の滲み出しによって悪戯を発見できるキャンペーンラベル1として、上記非表示範囲4に小孔7を形成する手段に代えて又はこれと併用して、液体に接触することで変色するインキを用いることもできる。該液体に接触で変色しうる変色インキは、例えば、粘着剤に混合して用いられる。かかる変色インキ含有粘着剤を用いて粘着部5を構成すれば、悪戯によって穴が開けられ、そこから液漏れした際に、変色インキが変色する。従って、透視可能な基材3を介して粘着部5の色を視認することで、極めて容易に悪戯を発見することができる。
粘着剤に含有する変色インキとしては、水溶性染料と該水溶性染料を拡散するインキビヒクルを含むインキや、酸性の飲料などに反応して変色するものなどが挙げられる。具体的には、メチルオレンジ、メチルレッドなどのジアゾ系や、トリフェニルメタン系、ラクトン系、サルトン系などの指示薬などに使用可能な染料や色素などが例示される。
また、液の滲み出しによって悪戯を発見できるキャンペーンラベル1として、水溶性の粘着剤を用いることもできる。粘着剤として水溶性のものを用いることによって、悪戯によって穴が開けられ液漏れした際に、粘着剤が溶解してラベル1が剥がれることで、極めて容易に悪戯を発見することができる。
【0019】
図5は、基材3の裏面であって、意匠表示2が施された範囲の縁部に仮止用粘着部8が設けられているキャンペーンラベル1を示す。かかるキャンペーンラベル1は、意匠表示2の裏面の縁部に、部分的に仮止用粘着部8が設けられているので、ラベル1を包装体に貼付した際、意匠表示2が施された範囲の縁部を仮止めできる。従って、包装体の保管・運搬時、ラベル1の捲れ上がりによってラベルが不用意に剥離脱落することを防止できる。
【0020】
図6は、両面に意匠表示2が施された剥離ラベル9を、剥離可能な粘着剤9aを介して基材3に貼付することにより、意匠表示2が施されているキャンペーンラベル1を示す。上記実施形態では、意匠表示2は、基材3に所望の表示を印刷することによって直接設けられているが、同図に示すように、意匠表示2が施された別個のラベル9を基材3の所定範囲に貼付することによって、意匠表示2を施すこともできる。尚、かかる剥離ラベル9は、公知の用例に従い、これを剥離して懸賞応募用シールとして使用することもできる。
【0021】
さらに、キャンペーンラベル1は、上記各実施形態のように、ラベル1全体を、又は剥離ラベル9を引き剥がして懸賞に応募する態様に限られず、例えば、意匠表示2としてキャンペーン応募用IDやカメラ付き携帯電話などで機械的に読み取り可能な機械的読取記号(例えば、2次元コード)などを印刷表示し、この情報を元に電話やインターネットなどの通信方法で懸賞に応募する態様でもよい。このような態様の場合、キャンペーン応募用IDなどの応募情報を隠蔽するため、図7に示すように、基材3に印刷された応募情報を含む意匠表示2aの表面にシリコーンなどを塗布して剥離層10を設け、この表面に透視不能(意匠印刷2を設けて透視不能としたものなど)な隠蔽ラベル11を粘着剤9aを介して貼付したキャンペーンラベル1が好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】(a)は、キャンペーンラベルの一実施形態を示す平面図、(b)は、A−A線縦断面図、(c)は、キャンペーンラベルの変形例を示す縦断面図。尚、各平面図に於いて、便宜上、意匠表示が表された範囲を薄墨塗りで示し、粘着部が設けられた範囲を網掛けで示している。
【図2】(a)は、キャンペーンラベルの他の実施形態を示す平面図、(b)は、キャンペーンラベルの他の実施形態を示す平面図。
【図3】(a)は、キャンペーンラベルの他の実施形態を示す平面図、(b)は、B−B線縦断面図。
【図4】(a)は、キャンペーンラベルの他の実施形態を示す平面図、(b)は、C−C線縦断面図。
【図5】キャンペーンラベルの他の実施形態を示す縦断面図。
【図6】キャンペーンラベルの他の実施形態を示す縦断面図。
【図7】キャンペーンラベルの他の実施形態を示す縦断面図。
【符号の説明】
【0023】
1…キャンペーンラベル、2…意匠表示、3…基材、4…非表示範囲、5…粘着部、6…非接着部、7…小孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
意匠表示が施された基材の裏面に、粘着部が設けられたラベルであって、
前記粘着部が、基材の一部範囲に設けられており、この範囲に於いて透視可能とされていることを特徴とするキャンペーンラベル。
【請求項2】
前記一部範囲には、ラベルの表面から裏面に連通する小孔が複数形成されている請求項1記載のキャンペーンラベル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2006−301197(P2006−301197A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−121305(P2005−121305)
【出願日】平成17年4月19日(2005.4.19)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)