キーキャップ構造を製造する方法およびキーキャップ構造を備えるキーボードを製造する方法
【課題】キーキャップ構造を製造する方法および当該キーキャップ構造を備えるキーボードを製造する方法を提供する。
【解決手段】フィルムに、まず上側彩色層を、その後に下側彩色層を印刷する。フィルムをホットプレスして薄型シェルを形成し、プラスチック射出成形プロセスによって下側彩色層上にプラスチック射出成形層を形成する。最後に、プラスチック射出成形層を含むフィルムを切断またはパンチングして、複数のキーキャップ構造を形成する。さらに、キーキャップ構造と一連のキーボード部材とを組み合わせることによって、キーキャップ構造を備えるキーボードをさらに形成するとしてよい。
【解決手段】フィルムに、まず上側彩色層を、その後に下側彩色層を印刷する。フィルムをホットプレスして薄型シェルを形成し、プラスチック射出成形プロセスによって下側彩色層上にプラスチック射出成形層を形成する。最後に、プラスチック射出成形層を含むフィルムを切断またはパンチングして、複数のキーキャップ構造を形成する。さらに、キーキャップ構造と一連のキーボード部材とを組み合わせることによって、キーキャップ構造を備えるキーボードをさらに形成するとしてよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キーキャップ構造を製造する方法および当該キーキャップ構造を備えるキーボードを製造する方法に関する。特に、表面印刷キーキャップ構造を製造する方法に関し、当該製造方法には、キーキャップ構造に対する印刷が容易であり、印刷されたパターンは耐磨耗性を持つといった利点および効果がある。
【背景技術】
【0002】
キーボードは、コンピュータを利用する上で重要なツールである。キーボードを用いることで、ユーザは、データまたは命令を素早く入力することができる。
【0003】
しかし、従来のキーボードのキーキャップの製造方法および利用に関して、2つの欠点が挙げられることが多い。問題の1つは、印刷が難しい点である。キーキャップの表面は通常、触り心地および押し心地を良くするべく、わずかに湾曲した面になっている。表面が平坦ではないので、転写印刷プロセスを実施することがより難しくなっている。印刷部分が所望の位置からずれてしまうことが多いので、製品が欠陥を持つ可能性が高くなり得る。別の問題は、パターンが剥がれてしまうことが多い点である。文字、記号、または図形といったパターンは通常、転写印刷プロセスによってキーキャップ表面に直接印刷される。キーキャップが使用されて一定期間が経過すると、パターンは絶えず摩擦を受けているので簡単に剥がれてしまい、キーを認識できなくなる。
【0004】
このため、上述した問題を解決するべく、新たな製造プロセスが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、キーキャップ構造を製造する方法および当該キーキャップ構造を備えるキーボードを製造する方法を提供することを目的の1つとする。当該製造方法には、キーキャップ構造に対する印刷が容易であり、文字、図形または記号等の印刷されたパターンは耐磨耗性を持つといった利点および効果がある。このため、転写印刷が困難であること、パターンが磨耗により容易に取れてしまうこと等、従来技術が抱える問題を解決することができる。
【0006】
本明細書において、「パターン」は、文字(または漢字)、記号、または図形等を意味する用語として用いる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するべく、本発明に係るキーキャップ構造を製造する方法は、複数の非印刷領域を含む上側彩色層を、光透過性のフィルム上に印刷して、上側彩色層およびフィルムを焼成する上側彩色印刷工程と、上側彩色層上に下側彩色層を印刷して、下側彩色層を焼成する下側彩色印刷工程と、フィルムを成形デバイス上に載置して、フィルムをホットプレスして、薄型シェル形状を形成するフィルムホットプレス形成工程と、薄型シェル形状を持つホットプレスされたフィルムをプラスチック成形デバイス上に載置して、プラスチック射出成形を行うことで下側彩色層上にプラスチック射出成形層を形成するプラスチック射出成形工程と、フィルムおよびプラスチック射出成形層を所定の箇所で切断して、複数のキーキャップ構造を形成する切断工程とを備える。
【0008】
また、本発明に係るキーキャップ構造を備えるキーボードを製造する方法は、複数の非印刷領域を含む上側彩色層を、光透過性のフィルム上に印刷して、上側彩色層およびフィルムを焼成する上側彩色印刷工程と、上側彩色層上に下側彩色層を印刷して、下側彩色層を焼成する下側彩色印刷工程と、フィルムを成形デバイス上に載置して、フィルムをホットプレスして、薄型シェル形状を形成するフィルムホットプレス形成工程と、薄型シェル形状を持つホットプレスされたフィルムをプラスチック成形デバイス上に載置して、プラスチック射出成形を行うことによって下側彩色層上にプラスチック射出成形層を形成するプラスチック射出成形工程と、フィルムおよびプラスチック射出成形層を所定の箇所で切断して、複数のキーキャップ構造を形成する切断工程と、複数のキーキャップ構造と一連のキーボード部材とを組み合わせて、キーキャップ構造を備えるキーボードを形成する組み立て工程とを備える。
【0009】
以下ではさまざまな図面に図示されている好ましい実施形態を詳細に説明しているが、上記およびその他の本発明の目的は、以下の説明を参照することによって、当業者には明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係るキーキャップ構造を製造する方法の第1の実施形態を示すフローチャートである。
【図2】本発明において印刷される上側彩色層を示す概略図である。
【図3】図2のラインIII−IIIに沿った概略断面図である。
【図4】本発明における、上側彩色層を印刷した後の焼成工程を示す概略図である。
【図5】本発明において印刷される下側彩色層を示す概略図である。
【図6】本発明において下側彩色層が印刷された後の焼成工程を示す概略図である。
【図7A】本発明における第1のホットプレス方法による形成前の状態を示す概略図である。
【図7B】本発明における第1のホットプレス方法による形成後の状態を示す概略図である。
【図8】本発明における第2のホットプレス方法を示す概略図である。
【図9】本発明におけるプラスチック射出成形前の様子を示す概略図である。
【図10】本発明におけるプラスチック射出成形後の様子を示す概略図である。
【図11A】本発明における第1の切断方法を示す概略図である。
【図11B】本発明における第2の切断方法を示す概略図である。
【図12】切断工程後のキーキャップ構造を示す概略図である。
【図13】本発明に係るキーキャップ構造の一部分を示す断面図である。
【図14】本発明に係るキーキャップ構造を製造する方法の第2の実施形態を示すフローチャートである。
【図15】本発明に係るキーキャップ構造を製造する方法の第2の実施形態を説明するための概略図である。
【図16】本発明に係るキーキャップ構造を製造する方法の第3の実施形態を示すフローチャートである。
【図17】本発明に係るキーキャップ構造を製造する方法の第3の実施形態を説明するための概略図である。
【図18】本発明に係るキーキャップ構造の表面を説明するための概略図である。
【図19】本発明に係るキーキャップ構造を備えるキーボードを製造する方法の第1の実施形態を示すフローチャートである。
【図20】本発明に係る組立体を示す概略図である。
【図21】本発明に係るキーキャップ構造を備えるキーボードを製造する方法の第2の実施形態を示すフローチャートである。
【図22】本発明に係るキーキャップ構造を備えるキーボードを製造する方法の第3の実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に示すように、キーキャップ構造を製造する方法は以下の工程を備える。
【0012】
<上側彩色印刷工程51>
図2、図3および図4に示すように、フィルム10に上側彩色層20を印刷する(例えば、スクリーン印刷する)。上側彩色層20およびフィルム10を、オーブンデバイス71で焼成する。上側彩色層20は、複数の非印刷領域21を含む。非印刷領域21は、中空である。中空部分は、所定の文字、図形、または記号の形状を表すパターンである。フィルム10は、光透過性のフィルムで、例えば、ポリカーボネート(PC)フィルムまたはポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムであってよい。
【0013】
<下側彩色印刷工程52>
図5および図6に示すように、上側彩色印刷工程51の後、下側彩色層30を上側彩色層20上に印刷してオーブンデバイス71で焼成する。非印刷領域21は中空であるので、下側彩色層30が上側彩色層20上に印刷されると、下側彩色層30が非印刷領域21を充填する。上側彩色層20および下側彩色層30はそれぞれ、所定の色で、互いに異なる色である。
【0014】
<フィルムホットプレス形成工程53>
上側彩色層および下側彩色層が印刷されたフィルム10を、成形デバイス72上に載置して、ホットプレス加工を行って薄型シェル形状とする。図7Aおよび図7Bに示すホットプレス法では、(図7Aに矢印で示す)ガス圧を成形デバイス72に向けて加えて、加熱により軟化したフィルム10を成形デバイス72に接着させ、キーキャップ構造の形状と同様に、凹凸面を持つ形状を形成する。他の実施形態では、オス金型およびメス金型を用いてフィルム10に対してホットプレス法を実行して、特定の形状を形成するとしてよい。図8に示すように、成形デバイス72は、オス金型721およびメス金型722を有する。オス金型721およびメス金型722を、加熱して、閉じることによって、フィルム10を押圧して特定の形状を形成する。図7Aに示すように、ホットプレス形成において、下側層30は成形デバイス72に接触している。成形デバイス72の設計が異なる場合、相対的な位置が逆になるとしてもよい。例えば、成形デバイス72がフィルム10の下方に配設されて、ガス圧が下方向に加えられるとしてもよく、つまり、フィルムホットプレス形成工程53において、成形デバイス72に接触している面は、フィルム10側であってもよいし、または、下側彩色層30側であってもよい
【0015】
<プラスチック射出成形工程54>
図9および図10に示すように、ホットプレスされて薄型シェル形状を持つフィルム10を、成形デバイス72から外して、プラスチック成形デバイス73上に載置して、プラスチック射出成形を行って薄型シェルを形成することによって、下側彩色層30上にプラスチック射出成形層40を形成する。プラスチック射出成形工程54は、フィルム10の任意の表面上に薄型シェルを形成するという主な目的のほかに、フィルムホットプレス形成工程53で実行されたフィルム10の形成時の欠陥を補償するという目的を実現するために実行されるとしてよい。例えば、フィルムホットプレス形成工程53を実行することによってフィルム10に特定の形状を与えることができるが、この形状は温度または材料自体の弾性によって縮む場合がある。工程54を実行すると、射出成形時の充填圧によって、フィルム10の成形度合が改善し得る。
【0016】
<切断工程55>
プラスチック射出成形層40を持つフィルム10をプラスチック射出成形金型73から取り外して、所定の箇所で切断工程を行う。つまり、複数のキーキャップ構造60を形成する。図11Aに示すように、切断は、パンチダイ91を用いて実行するとしてよい。これに代えて、図11Bに示すように、レーザビーム92を用いて、2つのキーキャップ構造60の間の結合部分(つまり、プラスチック射出成形によって薄型シェルが形成されていない部分)を直接切断して、図12および図13に示すように、後続の製造工程で利用するべく、複数の別個の素子であるキーキャップ構造60を得る。図13に示すように、フィルム10は光透過性のフィルムであるので、ユーザはキーキャップ構造60の外側から上側彩色層20を直接視認し得る。上側彩色層20のうち中空の非印刷領域21によって、ユーザは、キーキャップ構造60が表すパターン(文字、図形、または記号)を明瞭に認識し得る。
【0017】
図14および図15に示すように、上側彩色印刷工程51はさらに、文字/記号彩色印刷工程511を含む。上側彩色層20を印刷した後、非印刷領域21のうち少なくとも1つに第1の彩色層81を印刷して、焼成を行う。図16および図17に示すように、特定の非印刷領域21に第1の彩色層81を印刷した後、文字/記号多色印刷工程512をさらに含むとしてもよい。工程512では、第1の彩色層81以外の色の第2の彩色層82を、非印刷領域21のうち、第1の彩色層81が印刷されていない少なくとも1つの非印刷領域21に印刷した後、焼成を行う。従って、複数の非印刷領域が2つの異なる色を持つとしてもよい。
【0018】
コンピュータ用キーボードで用いられるキーキャップ構造は、複数の文字または記号を含む。本実施形態において、文字/記号彩色印刷工程511および文字/記号多色印刷工程512を実行すれば、下側彩色層30の色に加えて、少なくとも2つの非印刷領域21がさらに異なる2色で表され得る。従って、製造されたキーキャップ構造60では、多くの色で文字または記号が表され得る。図18に示すように、文字/記号彩色印刷工程511および文字/記号多色印刷工程512を実行すれば、キーキャップ構造60の文字は、第1の彩色層81の色、第2の彩色層82の色、および、下側彩色層30の色で示され得る。それぞれの色は、網掛けの種類を変えて示している。「Z」という文字および中国語で「Zhong」と発音する漢字(「重」)はそれぞれ、第1の彩色層81および第2の彩色層82の色で表されている。
【0019】
第2の彩色層82を形成した後、文字/記号多色印刷工程512を繰り返し実行して、非印刷領域21のうち、第2の彩色層82が印刷されていない少なくとも1つの非印刷領域21に、別の色の第3の彩色層を印刷して、その後に焼成を行うとしてもよい。このため、それぞれの非印刷領域21が3つの異なる色で表されるとしてよい。従って、文字/記号多色印刷工程512を繰り返し実行すると、それぞれの非印刷領域21の色を変えることができる。
【0020】
上述した説明を鑑みると、本実施形態では、印刷工程はフィルム10の平坦な表面に対して実行されているので、印刷部分が簡単に所望の位置からずれてしまうことはない。キーキャップ構造60が完成すると、フィルム10は上側彩色層20を保護する最外層として機能する。このため、キーキャップ構造60では、上述した印刷剥がれの問題がない。
【0021】
さらに、図19に示すように、本実施形態に係るキーキャップ構造を備えるキーボードを製造する方法も提供される。当該方法は、以下の工程を備える。
【0022】
<上側彩色印刷工程51>
図2、図3および図4に示すように、フィルム10に上側彩色層20を印刷する。上側彩色層20およびフィルム10は、オーブンデバイス71で焼成される。上側彩色層20は、複数の非印刷領域21を含む。
【0023】
<下側彩色印刷工程52>
図5および図6に示すように、下側彩色層30を上側彩色層20上に印刷してオーブンデバイス71で焼成する。
【0024】
<フィルムホットプレス形成工程53>
フィルム10を、成形デバイス72上に載置して、ホットプレス加工を行って薄型シェル形状とする。
【0025】
<プラスチック射出成形工程54>
図9および図10に示すように、ホットプレスされて薄型シェル形状を持つフィルム10を、成形デバイス72から外して、プラスチック成形デバイス73上に載置して、プラスチック射出成形を行うことによって薄型シェルを形成すると、プラスチック射出成形層40が下側彩色層30上に形成される。
【0026】
<切断工程55>
図11A、図11B、および図12に示すように、プラスチック射出成形層40を持つフィルム10をプラスチック射出成形金型73から取り外して、所定の箇所で切断工程を行う。そして、複数のキーキャップ構造60を形成する。
【0027】
<組み立て工程56>
複数のキーキャップ構造60およびキーボード部材74一式を組み合わせて、キーキャップ構造60を備えるキーボードを形成する。図20に示すように、キーボード部材74一式は、導光板741と、複数の組のキーパッド部材742とを備える。一組のキーパッド部材742が、1つのキーキャップ構造60と組み合わせられる。一組のキーパッド部材742は、支持機構742A、弾性部材742B、薄膜印刷回路基板742C、および基板742Dを含む。当該実施形態において、図20に示すように、仮想線で分割されている導光板741の各領域において、一組のキーパッド部材742を1つのキーキャップ構造60と組み合わせることができる。図20は、1つの領域に配設されている1つの組立体を概略的に示しているに過ぎない。
【0028】
上述した説明を鑑みると、キーキャップ構造60を備えるキーボードを製造する方法のフロントエンドプロセスは、キーキャップ構造を製造する方法と同じである。キーキャップ構造60を製造した後、組み立て工程56を追加することで、キーキャップ構造60を備えるキーボードを実現することができる。キーキャップ構造を備えるキーボードを製造する方法でも、図21に示すように、工程51がさらに文字/記号彩色印刷工程511を含み、文字または図形を多色展開するとしてよい。色の数を増やすことが所望される場合、図22に示すように、文字/記号多色印刷工程512を追加して、さらに多色展開するとしてよい。
【0029】
要約すると、本実施形態の利点および効果は以下のようにまとめられる。
【0030】
印刷が容易である。従来のキーキャップの表面は通常、わずかに湾曲した面であるので、転写印刷プロセスの実行が難しくなっている。したがって、印刷部分がずれてしまいがちで、製品に欠陥が発生する可能性が高くなっている。本実施形態では、印刷工程が実行されるのはフィルム10の平坦な表面に対してであり、その後で、シェル形状のキーキャップ構造60を形成している。したがって、印刷部分が簡単に所望の箇所からずれることはない。
【0031】
文字が摩擦によって剥がれることがない。文字、記号、または図形といったパターンは従来、転写印刷プロセスによってキーキャップの表面に直接印刷されていることが多い。キーキャップが使用されて一定期間が経過すると、パターンは絶えず摩擦を受けているので簡単に剥がれてしまい、キーを認識できなくなる。本発明では、フィルム10が上側彩色層20を保護する最外層として機能する。このため、キーキャップ構造60を利用する際に、文字剥がれの問題が発生することがない。
【0032】
本発明の教示内容から逸脱することなく、上述したデバイスおよび方法を数多くの点で変形および変更し得ることは、当業者であれば容易に想到する。
【技術分野】
【0001】
本発明は、キーキャップ構造を製造する方法および当該キーキャップ構造を備えるキーボードを製造する方法に関する。特に、表面印刷キーキャップ構造を製造する方法に関し、当該製造方法には、キーキャップ構造に対する印刷が容易であり、印刷されたパターンは耐磨耗性を持つといった利点および効果がある。
【背景技術】
【0002】
キーボードは、コンピュータを利用する上で重要なツールである。キーボードを用いることで、ユーザは、データまたは命令を素早く入力することができる。
【0003】
しかし、従来のキーボードのキーキャップの製造方法および利用に関して、2つの欠点が挙げられることが多い。問題の1つは、印刷が難しい点である。キーキャップの表面は通常、触り心地および押し心地を良くするべく、わずかに湾曲した面になっている。表面が平坦ではないので、転写印刷プロセスを実施することがより難しくなっている。印刷部分が所望の位置からずれてしまうことが多いので、製品が欠陥を持つ可能性が高くなり得る。別の問題は、パターンが剥がれてしまうことが多い点である。文字、記号、または図形といったパターンは通常、転写印刷プロセスによってキーキャップ表面に直接印刷される。キーキャップが使用されて一定期間が経過すると、パターンは絶えず摩擦を受けているので簡単に剥がれてしまい、キーを認識できなくなる。
【0004】
このため、上述した問題を解決するべく、新たな製造プロセスが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、キーキャップ構造を製造する方法および当該キーキャップ構造を備えるキーボードを製造する方法を提供することを目的の1つとする。当該製造方法には、キーキャップ構造に対する印刷が容易であり、文字、図形または記号等の印刷されたパターンは耐磨耗性を持つといった利点および効果がある。このため、転写印刷が困難であること、パターンが磨耗により容易に取れてしまうこと等、従来技術が抱える問題を解決することができる。
【0006】
本明細書において、「パターン」は、文字(または漢字)、記号、または図形等を意味する用語として用いる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するべく、本発明に係るキーキャップ構造を製造する方法は、複数の非印刷領域を含む上側彩色層を、光透過性のフィルム上に印刷して、上側彩色層およびフィルムを焼成する上側彩色印刷工程と、上側彩色層上に下側彩色層を印刷して、下側彩色層を焼成する下側彩色印刷工程と、フィルムを成形デバイス上に載置して、フィルムをホットプレスして、薄型シェル形状を形成するフィルムホットプレス形成工程と、薄型シェル形状を持つホットプレスされたフィルムをプラスチック成形デバイス上に載置して、プラスチック射出成形を行うことで下側彩色層上にプラスチック射出成形層を形成するプラスチック射出成形工程と、フィルムおよびプラスチック射出成形層を所定の箇所で切断して、複数のキーキャップ構造を形成する切断工程とを備える。
【0008】
また、本発明に係るキーキャップ構造を備えるキーボードを製造する方法は、複数の非印刷領域を含む上側彩色層を、光透過性のフィルム上に印刷して、上側彩色層およびフィルムを焼成する上側彩色印刷工程と、上側彩色層上に下側彩色層を印刷して、下側彩色層を焼成する下側彩色印刷工程と、フィルムを成形デバイス上に載置して、フィルムをホットプレスして、薄型シェル形状を形成するフィルムホットプレス形成工程と、薄型シェル形状を持つホットプレスされたフィルムをプラスチック成形デバイス上に載置して、プラスチック射出成形を行うことによって下側彩色層上にプラスチック射出成形層を形成するプラスチック射出成形工程と、フィルムおよびプラスチック射出成形層を所定の箇所で切断して、複数のキーキャップ構造を形成する切断工程と、複数のキーキャップ構造と一連のキーボード部材とを組み合わせて、キーキャップ構造を備えるキーボードを形成する組み立て工程とを備える。
【0009】
以下ではさまざまな図面に図示されている好ましい実施形態を詳細に説明しているが、上記およびその他の本発明の目的は、以下の説明を参照することによって、当業者には明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係るキーキャップ構造を製造する方法の第1の実施形態を示すフローチャートである。
【図2】本発明において印刷される上側彩色層を示す概略図である。
【図3】図2のラインIII−IIIに沿った概略断面図である。
【図4】本発明における、上側彩色層を印刷した後の焼成工程を示す概略図である。
【図5】本発明において印刷される下側彩色層を示す概略図である。
【図6】本発明において下側彩色層が印刷された後の焼成工程を示す概略図である。
【図7A】本発明における第1のホットプレス方法による形成前の状態を示す概略図である。
【図7B】本発明における第1のホットプレス方法による形成後の状態を示す概略図である。
【図8】本発明における第2のホットプレス方法を示す概略図である。
【図9】本発明におけるプラスチック射出成形前の様子を示す概略図である。
【図10】本発明におけるプラスチック射出成形後の様子を示す概略図である。
【図11A】本発明における第1の切断方法を示す概略図である。
【図11B】本発明における第2の切断方法を示す概略図である。
【図12】切断工程後のキーキャップ構造を示す概略図である。
【図13】本発明に係るキーキャップ構造の一部分を示す断面図である。
【図14】本発明に係るキーキャップ構造を製造する方法の第2の実施形態を示すフローチャートである。
【図15】本発明に係るキーキャップ構造を製造する方法の第2の実施形態を説明するための概略図である。
【図16】本発明に係るキーキャップ構造を製造する方法の第3の実施形態を示すフローチャートである。
【図17】本発明に係るキーキャップ構造を製造する方法の第3の実施形態を説明するための概略図である。
【図18】本発明に係るキーキャップ構造の表面を説明するための概略図である。
【図19】本発明に係るキーキャップ構造を備えるキーボードを製造する方法の第1の実施形態を示すフローチャートである。
【図20】本発明に係る組立体を示す概略図である。
【図21】本発明に係るキーキャップ構造を備えるキーボードを製造する方法の第2の実施形態を示すフローチャートである。
【図22】本発明に係るキーキャップ構造を備えるキーボードを製造する方法の第3の実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に示すように、キーキャップ構造を製造する方法は以下の工程を備える。
【0012】
<上側彩色印刷工程51>
図2、図3および図4に示すように、フィルム10に上側彩色層20を印刷する(例えば、スクリーン印刷する)。上側彩色層20およびフィルム10を、オーブンデバイス71で焼成する。上側彩色層20は、複数の非印刷領域21を含む。非印刷領域21は、中空である。中空部分は、所定の文字、図形、または記号の形状を表すパターンである。フィルム10は、光透過性のフィルムで、例えば、ポリカーボネート(PC)フィルムまたはポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムであってよい。
【0013】
<下側彩色印刷工程52>
図5および図6に示すように、上側彩色印刷工程51の後、下側彩色層30を上側彩色層20上に印刷してオーブンデバイス71で焼成する。非印刷領域21は中空であるので、下側彩色層30が上側彩色層20上に印刷されると、下側彩色層30が非印刷領域21を充填する。上側彩色層20および下側彩色層30はそれぞれ、所定の色で、互いに異なる色である。
【0014】
<フィルムホットプレス形成工程53>
上側彩色層および下側彩色層が印刷されたフィルム10を、成形デバイス72上に載置して、ホットプレス加工を行って薄型シェル形状とする。図7Aおよび図7Bに示すホットプレス法では、(図7Aに矢印で示す)ガス圧を成形デバイス72に向けて加えて、加熱により軟化したフィルム10を成形デバイス72に接着させ、キーキャップ構造の形状と同様に、凹凸面を持つ形状を形成する。他の実施形態では、オス金型およびメス金型を用いてフィルム10に対してホットプレス法を実行して、特定の形状を形成するとしてよい。図8に示すように、成形デバイス72は、オス金型721およびメス金型722を有する。オス金型721およびメス金型722を、加熱して、閉じることによって、フィルム10を押圧して特定の形状を形成する。図7Aに示すように、ホットプレス形成において、下側層30は成形デバイス72に接触している。成形デバイス72の設計が異なる場合、相対的な位置が逆になるとしてもよい。例えば、成形デバイス72がフィルム10の下方に配設されて、ガス圧が下方向に加えられるとしてもよく、つまり、フィルムホットプレス形成工程53において、成形デバイス72に接触している面は、フィルム10側であってもよいし、または、下側彩色層30側であってもよい
【0015】
<プラスチック射出成形工程54>
図9および図10に示すように、ホットプレスされて薄型シェル形状を持つフィルム10を、成形デバイス72から外して、プラスチック成形デバイス73上に載置して、プラスチック射出成形を行って薄型シェルを形成することによって、下側彩色層30上にプラスチック射出成形層40を形成する。プラスチック射出成形工程54は、フィルム10の任意の表面上に薄型シェルを形成するという主な目的のほかに、フィルムホットプレス形成工程53で実行されたフィルム10の形成時の欠陥を補償するという目的を実現するために実行されるとしてよい。例えば、フィルムホットプレス形成工程53を実行することによってフィルム10に特定の形状を与えることができるが、この形状は温度または材料自体の弾性によって縮む場合がある。工程54を実行すると、射出成形時の充填圧によって、フィルム10の成形度合が改善し得る。
【0016】
<切断工程55>
プラスチック射出成形層40を持つフィルム10をプラスチック射出成形金型73から取り外して、所定の箇所で切断工程を行う。つまり、複数のキーキャップ構造60を形成する。図11Aに示すように、切断は、パンチダイ91を用いて実行するとしてよい。これに代えて、図11Bに示すように、レーザビーム92を用いて、2つのキーキャップ構造60の間の結合部分(つまり、プラスチック射出成形によって薄型シェルが形成されていない部分)を直接切断して、図12および図13に示すように、後続の製造工程で利用するべく、複数の別個の素子であるキーキャップ構造60を得る。図13に示すように、フィルム10は光透過性のフィルムであるので、ユーザはキーキャップ構造60の外側から上側彩色層20を直接視認し得る。上側彩色層20のうち中空の非印刷領域21によって、ユーザは、キーキャップ構造60が表すパターン(文字、図形、または記号)を明瞭に認識し得る。
【0017】
図14および図15に示すように、上側彩色印刷工程51はさらに、文字/記号彩色印刷工程511を含む。上側彩色層20を印刷した後、非印刷領域21のうち少なくとも1つに第1の彩色層81を印刷して、焼成を行う。図16および図17に示すように、特定の非印刷領域21に第1の彩色層81を印刷した後、文字/記号多色印刷工程512をさらに含むとしてもよい。工程512では、第1の彩色層81以外の色の第2の彩色層82を、非印刷領域21のうち、第1の彩色層81が印刷されていない少なくとも1つの非印刷領域21に印刷した後、焼成を行う。従って、複数の非印刷領域が2つの異なる色を持つとしてもよい。
【0018】
コンピュータ用キーボードで用いられるキーキャップ構造は、複数の文字または記号を含む。本実施形態において、文字/記号彩色印刷工程511および文字/記号多色印刷工程512を実行すれば、下側彩色層30の色に加えて、少なくとも2つの非印刷領域21がさらに異なる2色で表され得る。従って、製造されたキーキャップ構造60では、多くの色で文字または記号が表され得る。図18に示すように、文字/記号彩色印刷工程511および文字/記号多色印刷工程512を実行すれば、キーキャップ構造60の文字は、第1の彩色層81の色、第2の彩色層82の色、および、下側彩色層30の色で示され得る。それぞれの色は、網掛けの種類を変えて示している。「Z」という文字および中国語で「Zhong」と発音する漢字(「重」)はそれぞれ、第1の彩色層81および第2の彩色層82の色で表されている。
【0019】
第2の彩色層82を形成した後、文字/記号多色印刷工程512を繰り返し実行して、非印刷領域21のうち、第2の彩色層82が印刷されていない少なくとも1つの非印刷領域21に、別の色の第3の彩色層を印刷して、その後に焼成を行うとしてもよい。このため、それぞれの非印刷領域21が3つの異なる色で表されるとしてよい。従って、文字/記号多色印刷工程512を繰り返し実行すると、それぞれの非印刷領域21の色を変えることができる。
【0020】
上述した説明を鑑みると、本実施形態では、印刷工程はフィルム10の平坦な表面に対して実行されているので、印刷部分が簡単に所望の位置からずれてしまうことはない。キーキャップ構造60が完成すると、フィルム10は上側彩色層20を保護する最外層として機能する。このため、キーキャップ構造60では、上述した印刷剥がれの問題がない。
【0021】
さらに、図19に示すように、本実施形態に係るキーキャップ構造を備えるキーボードを製造する方法も提供される。当該方法は、以下の工程を備える。
【0022】
<上側彩色印刷工程51>
図2、図3および図4に示すように、フィルム10に上側彩色層20を印刷する。上側彩色層20およびフィルム10は、オーブンデバイス71で焼成される。上側彩色層20は、複数の非印刷領域21を含む。
【0023】
<下側彩色印刷工程52>
図5および図6に示すように、下側彩色層30を上側彩色層20上に印刷してオーブンデバイス71で焼成する。
【0024】
<フィルムホットプレス形成工程53>
フィルム10を、成形デバイス72上に載置して、ホットプレス加工を行って薄型シェル形状とする。
【0025】
<プラスチック射出成形工程54>
図9および図10に示すように、ホットプレスされて薄型シェル形状を持つフィルム10を、成形デバイス72から外して、プラスチック成形デバイス73上に載置して、プラスチック射出成形を行うことによって薄型シェルを形成すると、プラスチック射出成形層40が下側彩色層30上に形成される。
【0026】
<切断工程55>
図11A、図11B、および図12に示すように、プラスチック射出成形層40を持つフィルム10をプラスチック射出成形金型73から取り外して、所定の箇所で切断工程を行う。そして、複数のキーキャップ構造60を形成する。
【0027】
<組み立て工程56>
複数のキーキャップ構造60およびキーボード部材74一式を組み合わせて、キーキャップ構造60を備えるキーボードを形成する。図20に示すように、キーボード部材74一式は、導光板741と、複数の組のキーパッド部材742とを備える。一組のキーパッド部材742が、1つのキーキャップ構造60と組み合わせられる。一組のキーパッド部材742は、支持機構742A、弾性部材742B、薄膜印刷回路基板742C、および基板742Dを含む。当該実施形態において、図20に示すように、仮想線で分割されている導光板741の各領域において、一組のキーパッド部材742を1つのキーキャップ構造60と組み合わせることができる。図20は、1つの領域に配設されている1つの組立体を概略的に示しているに過ぎない。
【0028】
上述した説明を鑑みると、キーキャップ構造60を備えるキーボードを製造する方法のフロントエンドプロセスは、キーキャップ構造を製造する方法と同じである。キーキャップ構造60を製造した後、組み立て工程56を追加することで、キーキャップ構造60を備えるキーボードを実現することができる。キーキャップ構造を備えるキーボードを製造する方法でも、図21に示すように、工程51がさらに文字/記号彩色印刷工程511を含み、文字または図形を多色展開するとしてよい。色の数を増やすことが所望される場合、図22に示すように、文字/記号多色印刷工程512を追加して、さらに多色展開するとしてよい。
【0029】
要約すると、本実施形態の利点および効果は以下のようにまとめられる。
【0030】
印刷が容易である。従来のキーキャップの表面は通常、わずかに湾曲した面であるので、転写印刷プロセスの実行が難しくなっている。したがって、印刷部分がずれてしまいがちで、製品に欠陥が発生する可能性が高くなっている。本実施形態では、印刷工程が実行されるのはフィルム10の平坦な表面に対してであり、その後で、シェル形状のキーキャップ構造60を形成している。したがって、印刷部分が簡単に所望の箇所からずれることはない。
【0031】
文字が摩擦によって剥がれることがない。文字、記号、または図形といったパターンは従来、転写印刷プロセスによってキーキャップの表面に直接印刷されていることが多い。キーキャップが使用されて一定期間が経過すると、パターンは絶えず摩擦を受けているので簡単に剥がれてしまい、キーを認識できなくなる。本発明では、フィルム10が上側彩色層20を保護する最外層として機能する。このため、キーキャップ構造60を利用する際に、文字剥がれの問題が発生することがない。
【0032】
本発明の教示内容から逸脱することなく、上述したデバイスおよび方法を数多くの点で変形および変更し得ることは、当業者であれば容易に想到する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーキャップ構造を製造する方法であって、
複数の非印刷領域を含む上側彩色層を、光透過性のフィルム上に印刷して、前記上側彩色層および前記フィルムを焼成する上側彩色印刷工程と、
前記上側彩色層上に下側彩色層を印刷して、前記下側彩色層を焼成する下側彩色印刷工程と、
前記フィルムを成形デバイス上に載置して、前記フィルムをホットプレスして、薄型シェル形状を形成するフィルムホットプレス形成工程と、
前記薄型シェル形状を持つホットプレスされた前記フィルムをプラスチック成形デバイス上に載置して、プラスチック射出成形を行うことによって、前記下側彩色層上にプラスチック射出成形層を形成するプラスチック射出成形工程と、
前記フィルムおよび前記プラスチック射出成形層を所定の箇所で切断して、複数のキーキャップ構造を形成する切断工程と
を備える方法。
【請求項2】
前記切断工程の後に、前記複数のキーキャップ構造と一連のキーボード部材とを組み合わせて、前記キーキャップ構造を備えるキーボードを形成する組み立て工程をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フィルムホットプレス形成工程は、前記フィルムを加熱して軟化させ、加熱されて軟化した前記フィルムを、前記成形デバイスに向けて加えられるガス圧で押圧して、前記成形デバイスに接着させる請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記成形デバイスは、オス金型およびメス金型を含み、前記フィルムホットプレス形成工程は、前記オス金型および前記メス金型を加熱して、前記オス金型および前記メス金型を閉じて、前記フィルムを押圧して前記成形デバイスに接着させる請求項1から3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記切断工程は、前記フィルムおよび前記プラスチック射出成形層を、パンチダイを用いてパンチングする請求項1から4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記切断工程は、前記フィルムおよび前記プラスチック射出成形層を、レーザ切断法を用いて、切断する請求項1から5の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記上側彩色印刷工程はさらに、前記上側彩色層を印刷した後で、前記非印刷領域のうち少なくとも1つに第1の彩色層を印刷して、前記第1の彩色層を焼成する文字/記号彩色印刷工程を有する請求項1から6の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記上側彩色印刷工程はさらに、前記非印刷領域のうち、前記第1の彩色層が印刷されていない少なくとも1つの前記非印刷領域に、前記第1の彩色層とは異なる色の第2の彩色層を印刷して、前記第2の彩色層を焼成する文字/記号多色印刷工程を有する請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記文字/記号多色印刷工程は、少なくとも1回繰り返される請求項8に記載の方法。
【請求項1】
キーキャップ構造を製造する方法であって、
複数の非印刷領域を含む上側彩色層を、光透過性のフィルム上に印刷して、前記上側彩色層および前記フィルムを焼成する上側彩色印刷工程と、
前記上側彩色層上に下側彩色層を印刷して、前記下側彩色層を焼成する下側彩色印刷工程と、
前記フィルムを成形デバイス上に載置して、前記フィルムをホットプレスして、薄型シェル形状を形成するフィルムホットプレス形成工程と、
前記薄型シェル形状を持つホットプレスされた前記フィルムをプラスチック成形デバイス上に載置して、プラスチック射出成形を行うことによって、前記下側彩色層上にプラスチック射出成形層を形成するプラスチック射出成形工程と、
前記フィルムおよび前記プラスチック射出成形層を所定の箇所で切断して、複数のキーキャップ構造を形成する切断工程と
を備える方法。
【請求項2】
前記切断工程の後に、前記複数のキーキャップ構造と一連のキーボード部材とを組み合わせて、前記キーキャップ構造を備えるキーボードを形成する組み立て工程をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フィルムホットプレス形成工程は、前記フィルムを加熱して軟化させ、加熱されて軟化した前記フィルムを、前記成形デバイスに向けて加えられるガス圧で押圧して、前記成形デバイスに接着させる請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記成形デバイスは、オス金型およびメス金型を含み、前記フィルムホットプレス形成工程は、前記オス金型および前記メス金型を加熱して、前記オス金型および前記メス金型を閉じて、前記フィルムを押圧して前記成形デバイスに接着させる請求項1から3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記切断工程は、前記フィルムおよび前記プラスチック射出成形層を、パンチダイを用いてパンチングする請求項1から4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記切断工程は、前記フィルムおよび前記プラスチック射出成形層を、レーザ切断法を用いて、切断する請求項1から5の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記上側彩色印刷工程はさらに、前記上側彩色層を印刷した後で、前記非印刷領域のうち少なくとも1つに第1の彩色層を印刷して、前記第1の彩色層を焼成する文字/記号彩色印刷工程を有する請求項1から6の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記上側彩色印刷工程はさらに、前記非印刷領域のうち、前記第1の彩色層が印刷されていない少なくとも1つの前記非印刷領域に、前記第1の彩色層とは異なる色の第2の彩色層を印刷して、前記第2の彩色層を焼成する文字/記号多色印刷工程を有する請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記文字/記号多色印刷工程は、少なくとも1回繰り返される請求項8に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2011−192624(P2011−192624A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181575(P2010−181575)
【出願日】平成22年8月16日(2010.8.16)
【出願人】(510222442)毅嘉科技股▲ふん▼有限公司 (16)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月16日(2010.8.16)
【出願人】(510222442)毅嘉科技股▲ふん▼有限公司 (16)
【Fターム(参考)】
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