説明

キーシート

【課題】 キーシートについてプリント基板における回路配置の自由度拡大に寄与することができる接地接続を実現する。
【解決手段】 金属フレーム14の裏面には弾性シート15が設けられる。弾性シート15には、金属フレーム14におけるベースシート13の面内位置に開口部19を有する。開口部19には金属フレーム14の露出面部20が露出する。その露出面部20にプリント基板11の接地端子21を接触させる。これによりキーシート12をプリント基板11の基板回路に対して接地接続することができる。このようにキーシート12は、ベースシート13の面内の任意の位置に露出面部20を形成することができる。このためプリント基板11側における接地端子21の配置を任意の位置に設計できるようになり、回路配置の自由度拡大に寄与することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯電話機、PDA、リモコンなど電子機器における押釦スイッチ用のキーシートに関し、特にその帯電防止技術に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの電子機器では機能性優位だけでは必ずしも十分ではなく、デザイン性優位へと市場の価値観がシフトしてきている。キーシートにおけるその一つの現れが、タイル模様のようにキートップどうしを離間させずに狭間で配置するキーシートである。図13〜図17のキーシート1はその一例で、ベースシート2を構成するゴム状弾性体でなる弾性シート3に多数のキートップ4を狭間で配置したものである。その取付形態は独特で、図13で示すように、例えば携帯電話機5の筐体6に形成された操作開口7から多数のキートップ4を一括して露出させるように取付けられる。つまり携帯電話機5の筐体6には、一般的な従来の携帯電話機のように隣接するキートップ4どうしを仕切る仕切り桟が筐体6に無い、という特徴がある。このため柔軟なゴム状弾性体でなるベースシート2の剛性を強化し歪みの発生防止を目的として、ベースシート2には金属薄板でなる金属フレーム8を備えるものとして構成される(特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−190849
【0003】
ところで、キーシート1は静電気によって帯電し、この静電気によってプリント基板に実装されたデバイスを誤動作させるおそれがあることから、その対策が要請されている。そこで本発明者は、例えば図16で拡大して示すように、金属フレーム8にベースシート2の外縁まで延在する延長部9を形成し、その先端側をベースシート2の外縁から下向きに折り曲げてアース接続片10を形成し、これを図17で示すようにプリント基板11の端面に延在する接地パッド(図示略)と導電接続させることで静電気を除去することを検討してきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ベースシート2の外縁にアース接続片10を形成する場合には、接地パッドをプリント基板11の端面にまで延在させるように設計しなければならず、回路配置の自由度が損なわれるという不都合がある。またプリント基板11の端面の接地パッドと接触させるため、接続信頼性についても改善の余地があり、特に振動や衝撃の作用により接触不良を生じるおそれがある。さらに例えば図17で示すように、キーシート1は携帯電話機5の筐体6の裏面とプリント基板11とで押圧挟持することで保持される。ところがこれでは、延長部9と筐体6との保持部分での水密性を確保することが難しい。なお、これらの不都合や難点は例示したキートップを狭間で配置するキーシートだけでなく、金属フレームを有し、キートップどうしが離間して配置されており筐体に設けた仕切桟によって仕切られるキーシートにおいても当てはまる。
【0005】
以上のような検討を経て得られたのが本発明である。すなわち本発明のキーシートの目的は、プリント基板における回路配置の自由度拡大に寄与することができる接地接続を実現することにある。また本発明の目的は、プリント基板との信頼性の高い接地接続を実現することにある。さらに本発明の目的は、筐体とプリント基板との押圧保持部における水密性を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そして、前記課題を解決し、この目的を達成する本発明は以下のとおり構成される。
【0007】
本発明は、表面にキートップが設けられ、裏面をプリント基板に載置するベースシートを備えるキーシートについて、ベースシートに薄厚の金属フレームを設け、金属フレームにおけるベースシートの面内位置に前記プリント基板に対して接地接続するアース接続部を設けたことを特徴とする。
【0008】
本発明は、金属フレームのアース接続部がベースシートの外縁ではなく面内位置にある。このため、プリント基板側の接地部、例えば接地パッドや接地端子をその端面ではなく面内位置に形成することができる。したがってプリント基板の端面まで接地線を配線しなければならない制約条件が無くなる。よって本発明のキーシートならば、プリント基板における回路配置の自由度を拡大することができる。
【0009】
また、アース接続部はプリント基板の端面ではなく面内位置で接触するため、信頼性のある接地接続を実現できる。
【0010】
さらに、ベースシートの外縁にアース接続部が無いことから、筐体とプリント基板とでキーシートを押圧挟持する押圧保持部分を、ベースシートの外縁領域に確保することができるようになる。したがってキーシートを確実に取付けることができる。
【0011】
以上のような本発明のキーシートに備えるベースシートは、第1に、ベースシートがゴム状弾性体や可撓性のある樹脂フィルムでなる弾性シートと弾性シートの表面に設けた前記金属フレームとを有する形態として構成できる。第2に、透孔を有する金属フレームと、透孔内でキートップを押圧変位可能に支持するゴム状弾性体でなる浮動支持部とを有する形態として構成できる。そしてこれらのベースシートに適用できるアース接続部は、以下のように構成できる。
【0012】
前記第1のベースシートのアース接続部は、弾性シートに設けた開口部から露出する前記金属フレームの露出面部として構成できる。前記第2のベースシートのアース接続部は、プリント基板と対向する金属フレームの露出面部として構成できる。これらによればプリント基板に突出するように実装した接地端子を露出面部と接触させることで確かな接地接続を実現することができる。
【0013】
前記第1及び第2のベースシートのアース接続部は、裏面側へ突出するように金属フレームに形成した接点突起として構成できる。これによれば前述の接地端子を用意してプリント基板に実装する必要が無い。つまり、金属フレームをベースシートの剛性補強とプリント基板に対する接地接続とに兼用できるようになる。よって、プリント基板への実装部品の削減と実装工程を簡略化できる。また、アース接続部が裏面側と突出する接点突起であることから、絞り加工など金属フレームを切断しない方法で接点突起を形成することが可能であり、金属フレームにおける水密性を確保することができる。さらにこうした接点突起はプレス加工等の簡易な加工技術によって形成することができる。
【0014】
前記第1及び第2のベースシートのアース接続部は、ベースシートの裏面から突出させて金属フレームに形成した曲折片として構成できる。これによれば前述の接点突起と同様に、金属フレームを剛性補強と接地接続とに兼用可能で、実装部品の削減と実装工程を簡略化できる。また、曲折片はプレス加工等の簡易な加工技術によって形成することができる。この曲折片については、より具体的には、第1に、金属フレームとプリント基板との間に形成される隙間の高さ方向でばね弾性を持つ弾性曲折片として構成できる。第2に、プリント基板に接地接続用スルーホールを形成し、そこに差し込ませて接続するものとして構成できる。そしてこれらによれば、振動や衝撃に強く信頼性の高い接地接続を実現することができる。また第1の弾性曲折片によれば、ばね弾性による押圧接触を常態として接地接続できるため、特に耐振動性や耐衝撃性に特に優れる高い接続信頼性を実現することができる。
【0015】
前記第1及び第2のベースシートのアース接続部は、一端が金属フレームに対して導電接触し、他端が前記プリント基板の接地端子に対して導電接触する導電性の弾性コネクタとして構成できる。これによれば、弾性コネクタが金属フレームとプリント基板に対してゴム状弾性をもって導電接触するので、振動や衝撃に強く信頼性の高い接地接続を実現できる。こうした弾性コネクタは、ベースシートとは別部品として構成し、これを金属薄板に固定するものとして構成することができる。またベースシートをゴム状弾性体にて形成し、該ベースシートの一部分となる一体の成形体として構成することもできる。
【0016】
前記第1及び第2のベースシートを筐体とプリント基板とで押圧挟持する取付構造とする場合、前記第1及び第2のベースシートについては、ゴム状弾性体でなる弾性外縁を設けるものとして構成できる。具体的には、前記第1のベースシートの場合、弾性シートの外縁に弾性外縁を設けることができる。または、金属フレームの外周を取り囲む弾性外縁を設けることができる。また、前記第2のベースシートにあっては、ゴム状弾性体の弾性外縁を金属フレームに一体形成したものとして、また金属フレームに弾性外縁を接着剤などを使用して取付けたものとして構成できる。これらによれば、筐体とプリント基板で押圧挟持部分での高い水密性とキーシートの確かな保持力を発揮することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のキーシートによれば、プリント基板の回路配置の自由度拡大に寄与することができ、それに適合するアース接続部を設けることができる。したがって本発明のキーシートであれば、電子機器の小型化に伴うプリント基板の高密度実装に適合するアース接続を実現することができる。
【0018】
本発明のキーシートによれば、プリント基板に対する信頼性のある接地接続を実現できることから、キーシートに帯電する静電気を確実に除去可能であり、プリント基板に実装したデバイスがキーシートの静電気により誤動作することを確実に回避できる。また静電気による塵埃の付着を防止して汚損を防止することができる。
【0019】
本発明のキーシートによれば、筐体とプリント基板との押圧保持部における高い水密性を実現できることから、雨水の浸入による電子機器の破損を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態の例について図面を参照しつつ説明する。
【0021】
第1実施形態〔図1,図2〕
本実施形態のキーシート12は、キートップ4とベースシート13とを備えている。ベースシート13は、金属フレーム14と弾性シート15とを備えている。
【0022】
金属フレーム14は、矩形状の金属薄板に複数の透孔16を穿設したものである。本実施形態の金属フレーム14には、薄く且つキーシート12の撓みを抑える剛性の高いものが使用される。この要求特性と更に加工性とを考慮すると、素材として良導電性のステンレス、アルミ、リン青銅、マグネシウム、金、白金、銅の単体又は合金が使用される。金属フレーム14の厚みは0.03mm〜0.3mmのものが使用される。0.03mmより薄いとキートップ4を狭間で配置するキーシート12に必要な剛性を発揮することができず、且つ第2実施形態以降で説明する「アース接続部」のプレス加工による成形が困難となる。他方、0.3mmを超えると十分な剛性を発揮することはできるものの、他のキーシートと比較した場合に市場訴求力のある薄型化による差別化を実現するのが難しくなる。例えば金属フレーム14を硬質樹脂の樹脂フレームで代替する場合、樹脂フレームでは0.5mm程度が成形上の薄型化限界である。しかしながら、このような薄肉の樹脂フレームでは狭間型のキーシートとして実用的に必要な剛性が得られず、少なくとも1mmを超える肉厚で成形する必要がある。ところがこれではキーシート12について市場訴求力のある薄型化を実現することはできない。これに対して本実施形態の金属フレーム14であれば、市場訴求力のある薄型化と面剛性とを両立するキーシート12を実現することができる。
【0023】
弾性シート15はゴム状弾性体の成形体である。このゴム状弾性体は、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム等の合成ゴム、天然ゴム、及びウレタン系、オレフィン形、ポリエステル系等の熱可塑性エラストマーが使用される。その成形時には成形金型に金属フレーム14がインサートされて一体成形される。弾性シート15には金属フレーム14の透孔16を埋めて閉塞する浮動支持部17が形成され、そこにはキートップ4が接着層によって固定される。また弾性シート14には、矩形状の金属フレーム14の外周を取り囲むように、金属フレーム14の外縁の外方へ突出する弾性外縁18が形成される。弾性外縁18は図2のように筐体6の裏面とプリント基板11の表面によって押圧挟持され、これによってキーシート12が筐体6に取付けられることとなる。弾性外縁18は、筐体6の裏面とプリント基板11の表面の面形状に追従する反発弾性によって圧密に弾性接触する。このため、押圧挟持部分での高い水密性を発揮することができ、且つキーシート12は高い保持力で確実に取付けられている。
【0024】
そして弾性外縁18には、図2で示すような開口部19が形成されており、これによって金属フレーム14に「アース接続部」としての露出面部20が形成されることとなる。開口部19は開口端側から露出面部20にかけて開口面積が小さくなるテーパー面となっている。これは第1に、金属フレーム14との接触面積を出来るだけ多く残して弾性シート15の剥離を防止するためである。第2に、キーシート12をプリント基板11に載置する際に、開口部19の中へプリント基板11に実装した接地端子21がきちんと収まり、キーシート12がプリント基板11の所定位置に取付けられるようにガイドするためである。そして、開口部19を通じて接地端子21の先端が突き当たることで、キーシート12はプリント基板11に対して接地接続されることとなる。
【0025】
以上のようにキーシート12は、金属フレーム14の「アース接続部」としての露出面部20がベースシート2の外縁ではなく面内位置に存在する。このため、プリント基板11における接地端子21の実装位置をプリント基板11の面内に配置することができ、プリント基板11における回路配置の自由度を拡大することができる。背景技術では接地線をプリント基板11の外縁まで延在させて接地パッドをプリント基板11の端面に設けなければならない制約がある。しかし本実施形態のキーシート12ならば、そのような制約は解消される。また、ベースシート2とプリント基板11の面内位置で、接地端子21を金属フレーム14に突き当てて接触させる。このため信頼性のある接地接続を実現することができる。
【0026】
第2実施形態〔図3,図4〕
本実施形態のキーシート22の特徴は「アース接続部」の構成である。残余の構成とそれによる作用・効果は第1実施形態のキーシート12と同一である。
【0027】
本実施形態の「アース接続部」は、金属フレーム14の裏面側へ突出する半円形状の接点突起23として形成したものである。接点突起23はプレス加工等の簡易な加工技術によって形成することができる。他方、弾性シート15には半円形状の接点突起23を露出させる凹部24が形成されている。したがってキーシート22は、接点突起23が凹部24を通じてプリント基板11の接地パッド25に対して突き当たることで、プリント基板11と接地接続されることとなる。
【0028】
以上のようなキーシート22では、第1実施形態で示す接地端子21の使用を廃止することができる。つまり、金属フレーム14をベースシート2の剛性補強だけでなくプリント基板11に対する接地接続に兼用することができる。このためプリント基板11の実装部品の削減と実装工程を簡略化することができる。
【0029】
また、接点突起23は金属フレーム14を切断せずに形成できるため、金属フレーム14に水密性を確保することができる。したがってキーシート22は、弾性外縁18における圧密な押圧挟持と相俟って高い防水性を実現することができる。
【0030】
第3実施形態〔図5,図6〕
本実施形態のキーシート26の特徴は「アース接続部」の構成である。残余の構成とそれによる作用・効果は第1実施形態のキーシート12と同一である。
【0031】
本実施形態の「アース接続部」は、金属フレーム14の裏面側に突出するように屈曲してばね弾性を持たせた弾性曲折片27として形成したものである。弾性曲折片27はプレス加工等の簡易な加工技術によって形成することができる。他方、弾性シート15には弾性曲折片27における断面V字形の接点部28を露出させる凹部29が形成されている。したがってキーシート26は、弾性曲折片27の接点部28が凹部29を通じて接地パッド25に対して突き当たることで、プリント基板11と接地接続されることとなる。
【0032】
このような本実施形態の弾性曲折片27は、ばね弾性による押圧を常態として接地パッド25と接地接続できるため、特に耐振動性や耐衝撃性に優れる高い接続信頼性を実現することができる。
【0033】
また、第2実施形態と同様に、接地端子21の使用を廃止することができ、且つ金属フレーム14をベースシート2の剛性補強だけでなくプリント基板11に対する接地接続に兼用することができる。したがってプリント基板11の実装部品の削減と実装工程を簡略化することができる。
【0034】
弾性曲折片27には、断面V字形の接点部28と連続する平坦な基端部30が形成されている。基端部30の両側の溝には弾性シート15が充填し硬化している。弾性曲折片27の周辺にはこのようにして水密性が確保されている。したがってキーシート26は、弾性外縁18での圧密な押圧挟持と相俟って高い防水性を実現することができる。
【0035】
第4実施形態〔図7,図8〕
本実施形態のキーシート31の特徴は「アース接続部」の構成である。残余の構成と作用・効果は第3実施形態のキーシート26及び第1実施形態のキーシート12と同一である。
【0036】
本実施形態の「アース接続部」は、金属フレーム14の裏面側へ突出するように曲折され垂下する曲折片32である。この曲折片32はプレス加工等の簡易な加工技術によって形成することができる。曲折片32の先端は、プリント基板11に形成した接地接続用のスルーホール33に差し込まれて固定される。したがってキーシート31は、曲折片32の先端がスルーホール33によって拘束されるので、振動や衝撃に強く信頼性の高いプリント基板11との接地接続を実現することができる。
【0037】
なお、第3実施形態と同様に本実施形態のキーシート31においても、曲折片32の両脇の溝に弾性シート15が充填し硬化しているため、その周辺には水密性が確保されている。したがってキーシート31は、弾性外縁18での圧密な押圧挟持と相俟って高い防水性を実現することができる。
【0038】
第5実施形態〔図9,図10〕
本実施形態のキーシート34の特徴は、「アース接続部」として導電性の弾性コネクタ35を備えることである。残余の構成と作用・効果は第1実施形態のキーシート12と同一である。
【0039】
弾性コネクタ35は円柱形状であり、弾性シート15と一体の成形体となっている。即ち、弾性コネクタ35は予め導電性ゴムで成形されたものであり、弾性シート15の成形時に金属フレーム14とともに成形金型にインサートされて一体成形される。弾性コネクタ35の上端面は金属フレーム14に対して接触しており、その下端面を接地パッド25に接触させることで、キーシート34をプリント基板11に接地接続することができる。そして、弾性コネクタ35はゴム状弾性をもって金属フレーム14と接地パッド25に対して接触するので、振動や衝撃に強く信頼性の高い接地接続を実現することができる。
【0040】
なお、弾性シート15に予め収容孔を形成しておき、そこに予め成形した弾性コネクタ35を差し込んで接着等で固着してもよい。また、弾性シート15の成形材料に磁性導電媒体を混入しておき、弾性コネクタ35の形成位置に成形金型内で磁場をかけて磁性導電媒体を配向し硬化処理を行うことで、厚み方向で異方性のある導電性の弾性コネクタを一体の成形体として形成することも可能である。
【0041】
第6実施形態〔図11,図12〕
本実施形態によるキーシート36のベースシート37は、金属フレーム38を基体としている。金属フレーム38には複数の透孔16が形成されており、それらの透孔16を閉塞するようにキートップ4を弾性支持するゴム状弾性体でなる浮動支持部17が形成されている。そして、金属フレーム38の外縁の表面及び裏面にはゴム状弾性体でなる弾性外縁39が貼着されている。
【0042】
そして本実施形態における「アース接続部」は、弾性外縁39よりも内側の金属フレーム38の裏面となっている。このように本実施形態のキーシート36においても、弾性外縁39よりも内側の金属フレーム38の面内位置をプリント基板11の接地端子21のコンタクトポイントとすることができるので、プリント基板11における回路配置の自由度を拡大することができる利点がある。また、接地端子21を金属フレーム38に突き当てて接触させることから、信頼性のある接地接続を実現できる。さらに弾性外縁39を貼着しているため、筐体6とプリント基板11とでキーシート36を確実に保持することができる。
【0043】
なお、本実施形態では弾性外縁39を貼着しているが、金属フレーム38と一体成形してもよい。また、透孔16の孔壁に対して固着させているが、透孔16の孔縁周辺の金属フレーム38の表面や裏面をも被覆するように浮動支持部17を形成してもよい。
【0044】
実施形態の変形例
以上の実施形態ではすべて、隣接するキートップ4どうしを狭間で配置するキーシート12,22,26,31,34,36を例示している。しかしキートップ4どうを離間して配置するキーシートに適用することもできる。
【0045】
以上の実施形態ではすべて、「アース接続部」としての露出面部20、接点突起23、弾性曲折片27、曲折片32、弾性コネクタ35を金属フレーム14の1箇所に設ける例を示している。しかし複数箇所に設けることもでき、またその形成位置は金属フレーム14の面内であれば、プリント基板11側の接地接続箇所と対応するようにどこに形成してもよい。
【0046】
第1〜第5実施形態の金属フレーム14は、矩形環状の外枠部と、外枠部の内側を升目状に仕切る内枠部とを有するものを例示している。しかし外枠部が無く内枠部だけの金属フレームでもよい。また、複数の金属フレームを一つのベースシートの異なる位置に設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】第1実施形態によるキーシートの平面図。
【図2】図1のキーシートの取付状態を示す要部拡大断面図。
【図3】第2実施形態によるキーシートの要部拡大斜視図。
【図4】図3のキーシートの取付状態を示す要部拡大断面図。
【図5】第3実施形態によるキーシートの要部拡大斜視図。
【図6】図6のキーシートの取付状態を示す要部拡大断面図。
【図7】第4実施形態によるキーシートの要部拡大斜視図。
【図8】図7のキーシートの取付状態を示す要部拡大断面図。
【図9】第5実施形態によるキーシートの要部拡大斜視図。
【図10】図9のキーシートの取付状態を示す要部拡大断面図。
【図11】第6実施形態によるキーシートの平面図。
【図12】図11のキーシートの取付状態を示す要部拡大断面図。
【図13】一従来例によるキーシートを備える携帯電話機の外観斜視図。
【図14】一従来例によるキーシートの平面図。
【図15】図13のSA-SA線断面図。
【図16】図13のSB部の拡大斜視図。
【図17】図13で示すキーシートの使用状態を示す断面図。
【符号の説明】
【0048】
1 キーシート
2 ベースシート
3 弾性シート
4 キートップ
5 携帯電話機
6 筐体
7 操作開口
8 金属フレーム
9 延長部
10 アース接続片
11 プリント基板
12 キーシート(第1実施形態)
13 ベースシート
14 金属フレーム
15 弾性シート
16 透孔
17 浮動支持部
18 弾性外縁
19 開口部
20 露出面部(アース接続部)
21 接地端子
22 キーシート(第2実施形態)
23 接点突起(アース接続部)
24 凹部
25 接地パッド
26 キーシート(第3実施形態)
27 弾性曲折片(曲折片,アース接続部)
28 接点部
29 凹部
30 基端部
31 キーシート(第4実施形態)
32 曲折片(アース接続部)
33 スルーホール
34 キーシート(第5実施形態)
35 弾性コネクタ(アース接続部)
36 キーシート(第6実施形態)
37 ベースシート
38 金属フレーム
39 弾性外縁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面にキートップが設けられ、裏面をプリント基板に載置するベースシートを備えるキーシートにおいて、
ベースシートに金属フレームを設け、金属フレームにおけるベースシートの面内位置に前記プリント基板に対して接地接続するアース接続部を設けたことを特徴とするキーシート。
【請求項2】
ベースシートが弾性シートと弾性シートの表面に設けた前記金属フレームとを有するものであり、
アース接続部が弾性シートに設けた開口部から露出する前記金属フレームの露出面部である請求項1記載のキーシート。
【請求項3】
アース接続部がベースシートの裏面から突出するように金属フレームに形成した接点突起である請求項1記載のキーシート。
【請求項4】
アース接続部がベースシートの裏面から突出するように金属フレームに形成した曲折片である請求項1記載のキーシート。
【請求項5】
アース接続部は一端が金属フレームに対して導電接触し、他端が前記プリント基板の接地端子に対して導電接触する弾性コネクタである請求項1記載のキーシート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−80643(P2007−80643A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−266123(P2005−266123)
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【出願人】(000237020)ポリマテック株式会社 (234)
【Fターム(参考)】