説明

キーボード

【課題】ユーザが容易にテキスト入力でき、また必要なときにはゲーム操作を可能とする新たな入力インタフェースを提供する。
【解決手段】キーボード100は、ゲームコントローラの操作ボタンの機能を割り当てられた割当キー(F1〜F12キー、カーソルキーなど)と、ポインティングスティック110と、Fnキー112を含む。Fnキー112が操作された状態で、ポインティングスティック110が操作されると、キーボード100は、ゲームコントローラのアナログスティックの操作信号を出力する。またFnキー112が操作された状態で、割当キーが操作されると、キーボード100は、ゲームコントローラの操作ボタンの操作信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームコントローラの機能を備えたキーボードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲーム装置とゲームコントローラはケーブルにより接続されるのが一般的であったが、最近ではゲーム装置とコントローラとを無線接続するゲームシステムが実用化されるようになった。無線ゲームコントローラを使用することで、ユーザは比較的自由な姿勢でゲームのキャラクタやオブジェクトを操作することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007−2817687号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、インターネットを介して、複数ユーザのゲーム装置同士がオンライン接続できる環境が整えられている。これにより複数のユーザは、一緒にゲームをプレイしながらチャットやメールをして、互いにコミュニケーションをとることができる。チャットやメールは、ユーザによるテキスト入力を必要とするため、従来のゲームコントローラでは操作が難しい。特に、ユーザ同士のチャットをメインとするゲームにおいては、ユーザがテキスト入力する機会が多いため、新たな入力デバイスの登場が望まれる。
【0005】
そこで本発明は、キーボードにゲームコントローラの機能を組み込むことで、ユーザが容易にテキスト入力でき、また必要なときにはゲーム操作を可能とする新たな入力インタフェースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のキーボードは、ゲームコントローラが有する操作ボタンおよびアナログスティックの機能を備えたキーボードであって、操作部材と、操作部材の操作に応じた信号を出力する出力部とを備える。操作部材は、ゲームコントローラの操作ボタンの機能を割り当てられた割当キーを含む複数のキーと、当該キーボードに配置されるポインティングスティックと、修飾キーとを含む。修飾キーが操作された状態で、ポインティングスティックが操作されると、出力部が、ゲームコントローラのアナログスティックの操作信号を出力する。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、ゲーム操作を可能とする新規なキーボードを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】従来より使用されているゲームコントローラの上面側の外観構成を示す図である。
【図2】従来より使用されているゲームコントローラの背面側の外観構成を示す図である。
【図3】本発明の実施例に係るキーボードの上面側斜視図である。
【図4】本発明の実施例に係るキーボードの裏面側斜視図である。
【図5】キーボードレイアウトを示す図である。
【図6】キー名称とゲームコントローラの機能の割当表を示す図である。
【図7】キーボードの機能ブロックを示す図である。
【図8】(a)は蓋の上面図であり、(b)は蓋の裏面図である。
【図9】図8(a)のA−A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施例のキーボードは、所定の順序で配列した文字キーを備えて文字入力装置として利用されるとともに、ゲーム装置に対する操作入力装置としても利用される。具体的に本実施例のキーボードは、ゲームコントローラの操作ボタンやアナログスティックの機能を割り当てられた操作部材をもち、ユーザが、所定の修飾キー(たとえば、Fnキー)を操作した状態で、操作部材を操作すると、キーボードは、ゲームコントローラの操作信号を出力する。以下、本実施例のキーボードを説明する前に、ゲームコントローラが備える操作ボタンおよびアナログスティックについて説明する。
【0011】
図1は、従来より使用されているゲームコントローラの上面側の外観構成を示す。ゲームコントローラ20の筐体上面30には、十字キー21、右側のアナログスティック27a、左側のアナログスティック27bと、操作キー26が設けられている。これらの操作部材は、ユーザがゲームのキャラクタやオブジェクトを操作するために用いられる。
【0012】
十字キー21は、上下左右の方向および4つの斜め方向を指示するための4つの操作ボタンから構成され、操作キー26は、ゲームによってそれぞれ異なる機能が割り当てられる4種の操作ボタン22〜25から構成される。4種の操作ボタン22〜25には、それぞれを区別するために、異なる色で異なる図形が記されている。たとえば○ボタン22には赤色の丸、×ボタン23には青色のバツ、□ボタン24には紫色の四角形、△ボタン25には緑色の三角形が記されている。この4種の操作ボタン22〜25のうち、○ボタン22および×ボタン23は「決定キー」とも呼ばれ、多くのアプリケーション(ゲーム)において、ユーザが決定指示を入力するために用いられる。決定キーは、多くの場合、提示された選択肢を選ぶ際に用いられ、たとえばユーザにYes,Noを選択させたり、ゲーム中で次のステップに進むか選択させるために用いられる。
【0013】
また、ゲームコントローラ20の筐体上面30には、ユーザがゲーム装置を操作をする際に用いられるメニューボタン31、STARTボタン32、SELECTボタン33も設けられている。たとえばメニューボタン31は、ディスプレイにメニュー画面を表示させるためのボタンとして利用される。
【0014】
図2は、従来より使用されているゲームコントローラの背面側の外観構成を示す。ゲームコントローラ20の筐体背面29には、コントローラ番号を表現するインジケータとして利用されるLEDが設けられ、背面中央にはUSBコネクタ46が設けられる。
【0015】
また筐体背面29側には、上側操作ボタン(以下、「R1ボタン」とよぶ)34a、上側操作ボタン(以下、「L1ボタン」とよぶ)34b、下側操作ボタン(以下、「R2ボタン」とよぶ)35a、下側操作ボタン(以下、「L2ボタン」とよぶ)35bが筐体背面長手方向の右左対称な位置にそれぞれ設けられる。R1ボタン34aおよびL1ボタン34bは、ユーザが右側把持部28a、左側把持部28bを把持した状態で、筐体上面30の操作ボタンやアナログスティック27を右手および左手の親指で操作しながら、右手および左手の人差指または中指の先端で操作できる位置に形成され、R2ボタン35aおよびL2ボタン35bは、それぞれ右手および左手の中指または薬指の先端で操作できる位置に形成される。
【0016】
なお、ゲームコントローラ20において、アナログスティック27a、27bは、直立状態から傾倒したときに、傾倒方向および傾倒量による入力操作を行わせる操作部材であるが、アナログスティック27a、27bを筐体上面30に対して下方向に押し込むことでも、傾倒量とは異なる別の入力操作を可能とする。すなわち、アナログスティック27aは、押し込まれることで別の操作ボタン(以下、「R3ボタン」とよぶ)として動作し、またアナログスティック27bは、押し込まれることで別の操作ボタン(以下、「L3ボタン」とよぶ)として動作する。
【0017】
以上、説明したように、ゲームコントローラ20は、筐体上面30において、4つの操作ボタンからなる十字キー21、4つの操作ボタンからなる操作キー26、メニューボタン31、STARTボタン32、SELECTボタン33、右左のアナログスティック27a、27b(およびR3ボタン、L3ボタン)を備え、筐体背面29において、R1ボタン34a、L1ボタン34b、R2ボタン35a、L2ボタン35bを備えている。ユーザが右側把持部28a、左側把持部28bを把持した状態で、R1ボタン34a、R2ボタン35a、R3ボタンは、それぞれ右手の指で操作され、またL1ボタン34b、L2ボタン35b、L3ボタンは、それぞれ左手の指で操作されるものであり、ゲームコントローラ20の中心線に対して右左対称な位置に設けられている。
【0018】
本実施例のキーボードは、図1、図2に示したゲームコントローラ20が有する操作ボタンおよびアナログスティックの機能を備えて構成される。
図3は、本発明の実施例に係るキーボードの上面側斜視図を示す。キーボード100は、複数の操作部材と、操作部材の操作に応じた信号を出力する出力部とを備えている。キーボード100の操作部材は、文字キーやファンクションキーなどの複数のキーと、文字キーやファンクションキーなどの入力文字や機能を変更するために用いられる修飾キーと、ポインティングスティックとを少なくとも含んでいる。
【0019】
キーボード100は、通常のキー配列(キーボードレイアウト)を有して構成されており、その詳細は図5に示す。図3では、ゲームコントローラ20の各種操作ボタンの割当を説明するために、キートップに、割り当てたゲームコントローラ20の操作ボタンを特定するためのマークを示している。
【0020】
図示されるように、キーボード100は、ゲームコントローラ20の操作ボタンの機能を割り当てられた割当キーを含む複数のキーを備える。図5および図6に関して詳述するが、図3において割当キーは、ゲームコントローラ20の操作ボタンのマークが付されたキーである。マークは刻印により表現されてもよいが、印刷により表現されてもよい。
【0021】
またキーボード100は、ポインティングスティック110を備えている。ポインティングスティック110は、ユーザが画面上のポインタを移動させることのできるポインティングデバイスであり、ここではキーボード略中央の複数キーの間のスペースにおいて傾動可能に配設されている。ユーザは、ポインティングスティック110に指先で入力指示を与えて、画面上のマウスポインタなどを操作する。本実施例のキーボード100において、ポインティングスティック110には、左側のアナログスティック27bの機能が割り当てられる。
【0022】
キーボード100は、他のキーの入力文字や機能を変更するために用いられる修飾キーと呼ばれるキー112を備えている。本実施例のキーボード100では、キー112が操作された状態で、ポインティングスティック110が操作されると、ゲームコントローラのアナログスティック27bの操作信号が出力される。またキー112が操作された状態で、割当キーが操作されると、ゲームコントローラの操作ボタンの操作信号が出力される。なお、キー112が操作されなければ、キーボード100は、通常のキーボードと同じく文字入力装置として動作する。なお、キーボード100において、ポインティングスティック110の操作とは、ポインティングスティック110にある方向の力を加えることを意味し、キーの操作とは、キーを押下することを意味する。
【0023】
図4は、本発明の実施例に係るキーボードの裏面側斜視図を示す。キーボード裏面の奥側には盛り上がった脚部40が形成され、キーボード100を机の上に載置したときに、脚部40により手前側よりも奥側が高くなって、ユーザがキー操作しやすい姿勢が形成される。この脚部40には、電池を収容するための電池ボックス42が設けられ、電池ボックス42は蓋44で覆われている。
【0024】
蓋44は長手方向に延びるスリット45を形成されて、短手方向に弾性を有している。電池の交換時には、ユーザが指差口48に指を入れて蓋44を短手方向に押すと、スリット45の弾性により、蓋44と電池ボックス42との係合が外れて、蓋44が電池ボックス42から外せるようになっている。
【0025】
図5は、キーボードレイアウトを示す。キーボード100は、「109日本語キーボード」のレイアウトを有して構成されているが、他のレイアウトを有してもよい。キーボード100は、文字キーや数字キーを含む標準タイプキー120、キーボード最上段に配置されるファンクションキー130、カーソルを動かすためのカーソルキー140を有し、またFnキー112、Altキー113、Ctrlキー114、Escキー115、Deleteキー116などの各種キーを有する。キーボード100において、Fnキー112、Altキー113、Ctrlキー114およびShiftキーなどは、修飾キー(または特殊キー)と呼ばれ、修飾キーを押しながら別のキーを押すと、キーボード100は、その組み合わせに応じたコードを出力する。
【0026】
図3に関して説明したように、ゲームコントローラ20の操作ボタンの機能を割り当てられたキー(割当キー)のキートップには、割り当てられた操作ボタンを特定するためのマークが付されている。
【0027】
図6は、キー名称とゲームコントローラ20の機能の割当表を示す。図1および図2も参照して、ファンクションキー130のうち、F1キー201に△ボタン25、F2キー202に□ボタン24、F3キー203にSELECTボタン33、F4キー204にSTARTボタン32、F5キー205にL3ボタン、F6キー206にL2ボタン35b、F7キー207にL1ボタン34b、F8キー208にR1ボタン34a、F9キー209にR2ボタン35a、F10キー210にR3ボタン、F11キー211に×ボタン23、F12キー212に○ボタン22が、それぞれ割り当てられている。
【0028】
またカーソルキー140に、十字キー21が割り当てられており、Insertキー213に、PAIRINGボタンが割り当てられている。PARINGボタンは、キーボード100をゲーム装置に認識させる際に用いられる。本実施例では、図6の左欄に示したキーを、ゲームコントローラ20の操作ボタンが割り当てられた「割当キー」と呼んでいる。
【0029】
図7は、キーボード100の機能ブロックを示す。キーボード100は、入力受付部80、処理部82、保持部84および出力部90を備える。入力受付部80は、ユーザによるキーおよび/またはポインティングスティック110の入力操作を受け付ける。たとえば、キー下方には一対の固定接点が設けられ、キーが押下されると、一対の固定接点が導通する。入力受付部80は一対の固定接点の導通を検出することで、押下されたキーを特定し、押下されたキーを特定する情報(入力キー情報)を、処理部82に伝達する。また入力受付部80は、ポインティングスティック110が傾倒されると、その傾倒方向および傾倒量を特定する情報(傾倒情報)を、処理部82に伝達する。以下、説明の便宜上、入力キー情報および傾倒情報をまとめて、「入力情報」と呼ぶ。
【0030】
保持部84は、キーコード保持部86と操作コード保持部88を有する。キーコード保持部86は、109日本語キーボードにおいて、各キーに割り当てられているキーコードを保持する。なおキーコード保持部86は、Shiftキーなどの修飾キーと、文字キーとの組み合わせ(コンビネーションキー)に割り当てられるキーコードも保持している。
【0031】
操作コード保持部88は、Fnキー112が押されながら、ポインティングスティック110または割当キーが操作されたときの操作コードを保持する。操作コードは、ゲームコントローラ20のアナログスティックおよび操作ボタンに割り当てられている操作コードと同じである。
【0032】
処理部82は、入力受付部80から入力情報を受け取ると、保持部84から、対応するコードを読み出し、出力部90に供給する。このとき、入力情報が、Fnキー112を特定する情報でなければ、処理部82は、キーコード保持部86を参照して、対応するキーコードを読み出し、出力部90に供給する。また処理部82は、入力受付部80からポインティングスティック110の傾倒情報を受け取ると、出力部90に、画面に表示されるポインタの移動信号を供給する。一方で、入力情報がFnキー112を特定する情報であり、Fnキー112が押し続けられている間に、入力受付部80から入力情報を受け取ると、処理部82は、操作コード保持部88を参照して、対応する操作コードを読み出し、出力部90に供給する。
【0033】
出力部90は、たとえばブルートゥース(登録商標)通信プロトコルにより、キーボード100の操作部材の操作に応じた信号をゲーム装置に出力する。具体的に出力部90は、処理部82からキーコードを受け取ると、キー出力信号をゲーム装置に送信する。ゲーム装置は、キー出力信号を受信すると、対応するテキストを画面に表示する。また出力部90は、処理部82からポインタの移動信号を受け取ると、その移動信号をゲーム装置に送信する。ゲーム装置は、移動信号を受信すると、受信した移動信号に応じて画面上のポインタを動かす。
【0034】
一方、出力部90は、処理部82からゲームコントローラ20の操作コードを受け取ると、ゲームコントローラ20の操作信号をゲーム装置に送信する。キーボード100の使用場面において、Fnキー112が操作された状態で、ポインティングスティック110が操作されると、出力部90が、ゲームコントローラ20のアナログスティック27bの操作信号を出力する。また、Fnキー112が操作された状態で、割当キーが操作されると、出力部90が、ゲームコントローラ20の操作ボタンの操作信号を出力する。ゲーム装置は、ゲームコントローラ20の操作信号を受信すると、ゲーム進行に、受信した操作信号を反映する。
【0035】
ポインティングスティック110は、アナログスティック27bと同じく傾倒方向および傾倒量による入力を可能とする。ポインティングスティック110に、ゲームコントローラ20のアナログスティック27bの機能を割り当てたことで、ユーザは、アナログスティック27bと同じ操作感で、ポインティングスティック110の傾動操作を、ゲーム装置に対するアナログ量の入力に利用することができる。
【0036】
また、キーボード100をゲームコントローラ20として動作させるためのFnキー112とポインティングスティック110との距離は、ユーザが片手で操作できるように設定されることが好ましい。具体的に、Fnキー112とポインティングスティック110との距離は、10cm以内に設定される。これにより、ユーザは、Fnキー112とポインティングスティック110とを片手で同時に押しながら、他方の手で、割当キーを操作することが可能となり、ゲームコントローラ20で、アナログスティック27と同時操作される操作ボタンの操作信号を、出力部90が出力することができる。
【0037】
キーボード100において、Fnキー112は、キーボード100の角部近傍、具体的には左下角部近傍に設けられている。Fnキー112がキーボード100の角部近傍に配置されることで、中央付近に配置される場合と比べて、ユーザはFnキー112を操作しやすくなるため、誤操作の頻度を低減できる。また、Fnキー112がキーボード100の左下角部近傍に配置されることで、ユーザは、左手でFnキー112とポインティングスティック110とを操作しつつ、同時に右手でファンクションキー130における割当キーを操作することが容易となる。
【0038】
ゲームコントローラ20の操作キー26において、○ボタン22および×ボタン23は、ユーザが決定指示を入力するための決定キーとして利用され、□ボタン24および△ボタン25と比較すると、操作される機会は多い。そのため、○ボタン22および×ボタン23が割り当てられるキーは、キーボード100を縦方向のセンターラインで分けたときに、Fnキー112が位置する側と反対側に配置して、○ボタン22または×ボタン23を操作する手が、Fnキー112を操作する手と異なるように設計することが好ましい。ここでは、F11キー211およびF12キー212に、それぞれ×ボタン23および○ボタン22の機能が割り当てられており、したがってユーザは、Fnキー112を左手で操作しつつ、F11キー211またはF12キー212を右手で操作できるようになっている。
【0039】
なお、キーボード100において、ポインティングスティック110の右側または左側に位置するキーに、ゲームコントローラ20において右側または左側に配置されている操作ボタンの機能が割り当てられることが好ましい。ゲームコントローラ20において、R1ボタン34a、R2ボタン35a、R3ボタンは右側に配置されている操作ボタンであるが、図5を参照すると、ファンクションキー130のうち、ポインティングスティック110の右側に位置するF8キー208にR1ボタン34a、F9キー209にR2ボタン35a、F10キー210にR3ボタンの機能がそれぞれ割り当てられている。なお、上記した○ボタン22および×ボタン23も、ゲームコントローラ20において右側に配置されており、したがってポインティングスティック110の右側に位置するF11キー211およびF12キー212に、それぞれ×ボタン23および○ボタン22の機能が割り当てられている。これにより、キーボード100においても、ゲームコントローラ20と同じように、R1ボタン34a、R2ボタン35a、R3ボタン、×ボタン23および○ボタン22を、ユーザは右手で操作することが可能となる。
【0040】
このことをFnキー112の位置を基準に説明すると、キーボード100において、Fnキー112がポインティングスティック110の左側または右側に位置する場合に、Fnキー112と反対側に位置するキーに、ゲームコントローラ20において、そのキーと同じ側に配置されている操作ボタンの機能が割り当てられている。ここでは、Fnキー112がポインティングスティック110の左側に位置する場合を示しているが、Fnキー112と反対側(つまり右側)に位置するキー(F8キー208〜F12キー212)に、ゲームコントローラ20において、そのキーと同じ側(つまり右側)に配置されている操作ボタンの機能が割り当てられている。これにより、Fnキー112およびポインティングスティック110を左手で同時操作しながら、右手で、ゲームコントローラ20の右側に配置された操作ボタンの機能が割当られたキーを操作することが容易となり、ゲームコントローラ20の操作感をキーボード100においても得られるようになる。
【0041】
また、ゲームコントローラ20において、R1ボタン34a、R2ボタン35a、R3ボタンと、L1ボタン34b、L2ボタン35b、L3ボタンは、ゲームコントローラ20のセンターラインに対して右左対称な位置に設けられている。
【0042】
この位置関係を踏襲して、キーボード100においても、F7キー207とF8キー208の境界を基準ラインとして、基準ラインの左方に、L1ボタン34b、L2ボタン35b、L3ボタンをこの順に割り当て、また基準ラインの右方に、R1ボタン34a、R2ボタン35a、R3ボタンをこの順に割り当てている。
【0043】
たとえば、F5キー205〜F10キー210において、左から順に、R1ボタン34a、L1ボタン34b、R2ボタン35a、L2ボタン35b、R3ボタン、L3ボタンを割り当てることも可能である。しかしながら、この場合は、RボタンおよびLボタンの右左対称な関係を維持できていないため、ユーザが直観的に割当配置を把握することは容易でない。
【0044】
また上記したように、ゲームコントローラ20において、L1ボタン34b、L2ボタン35bは左手の人差指、中指の組み合わせ(または中指、薬指の組み合わせ)で操作され、R1ボタン34a、R2ボタン35aは右手の人差指、中指の組み合わせ(または中指、薬指の組み合わせ)で操作される。つまり、L1ボタン34b、L2ボタン35bは、左手の隣り合う2本の指で操作され、またR1ボタン34a、R2ボタン35aは、右手の隣り合う2本の指で操作される。そのため、基準ラインの左方のF7キー207、F6キー206に、L1ボタン34b、L2ボタン35bをこの順に割り当てることで、ユーザは、右手でFnキー112を操作しながら、左手の隣り合う指でF7キー207、F6キー206をそれぞれ操作でき、また基準ラインの右方のF8キー208、F9キー209に、R1ボタン34a、R2ボタン35aをこの順に割り当てることで、ユーザは、左手でFnキー112を操作しながら、右手の隣り合う指でF8キー208、F9キー209をそれぞれ操作できる。
【0045】
このように、F7キー207とF8キー208の境界を基準ラインとして、左方にL1ボタン34b、L2ボタン35b、L3ボタン、右方にR1ボタン34a、R2ボタン35a、R3ボタンを配置することで、ユーザの直観的な操作が可能となり、操作性の優れたキー配置を実現できる。また、キーボード100のセンターラインは、実質的にポインティングスティック110を通るラインであるが、そのセンターラインと、F7キー207とF8キー208の境界ラインを近づける(実施例では、キー幅より短い距離)ことで、RボタンおよびLボタンの操作性を高めることが可能となる。
【0046】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。実施例において、ポインティングスティック110は1つのみ設けられているが、2つのポインティングスティック110が設けられて、ゲームコントローラ20のアナログスティック27a、27bの機能がそれぞれ割り当てられてもよい。この場合、図5に示すポインティングスティック110の位置から、それぞれ左右に所定距離だけ離れた位置にポインティングスティックが設けられてもよい。たとえば1つのポインティングスティックはアルファベットD,F,Cで囲まれたスペースに設けられ、もう1つのポインティングスティックはアルファベットJ,K,Mで囲まれたスペースに設けられてもよい。
【0047】
図4において、スリット45を形成された電池ボックス42の蓋44を示したが、スリット45の幅を大きくすると、蓋44を短手方向に撓みやすくする反面、電池ボックス42に収容されている電池がスリット45から見えることになり、キーボード100の美観を損ねることにもなる。そこで、蓋44の弾性を維持しつつ、スリット45から電池ボックス42内の電池を見えにくくする工夫を施すことが好ましい。
【0048】
図8(a)は、蓋44の上面図である。蓋44は、一側面に3つの爪51、52、53を有し、対向する側面に爪50を有する。蓋44には、長手方向に延びるスリット45が形成され、蓋44が爪50付近で弾性をもつようにされる。蓋44の取付時、まず爪51、52、53が電池ボックス42の3つの爪穴にそれぞれ差し込まれる。その後、蓋44をキーボード100裏面に対して押し込むと、スリット45がつぶれる方向に変形して、爪50が電池ボックス42の爪穴に差し込まれ、蓋44が電池ボックス42に取り付けられる。なお、蓋44の取り外し時には、ユーザが指差口48に指を入れて蓋44を短手方向に押すと、スリット45の弾性によりスリット45がつぶれる方向に変形して、爪50と電池ボックス42の爪穴との係合が外れて、蓋44が電池ボックス42から取り外される。
【0049】
図8(a)において、スリット45から、蓋44裏面に設けられた張出部55が見える。張出部55は、いわゆる目隠しの役割を担っており、スリット45から、電池ボックス42に収容されている電池の一部を見えなくしている。
【0050】
図8(b)は、蓋44の裏面図である。張出部55は、蓋44の裏面に形成された立設部に設けられ、スリット45の少なくとも一部を覆うように張り出している。なお張出部55は、スリット45の全体を覆うように張り出して形成されてもよい。なお、張出部55の張り出し方向には、蓋44の厚みを薄くした薄肉部56が形成され、蓋44に短手方向の力が印加されて、スリット45の幅が狭まる際に、張出部55がスリット45の壁に当たらないようにしている。
【0051】
図9は、図8(a)のA−A断面図である。図示されるように、張出部55は、蓋44裏面の立設部57に設けられ、スリット45の少なくとも一部を覆うように、スリット45の下方において張り出している。これにより、蓋44裏面側に収容される電池を、外部から見えにくくし、キーボード100全体の美観を高めている。また上記したように、張出部55の張り出した方向に位置する、スリット壁部58に隣接した蓋44の厚みを薄くして、薄肉部56を形成することで、蓋44の短手方向収縮時に、スリット45の壁部58と、張出部55の先端とが衝突しないようにしている。
【符号の説明】
【0052】
20・・・ゲームコントローラ、21・・・十字キー、22・・・○ボタン、23・・・×ボタン、24・・・□ボタン、25・・・△ボタン、26・・・操作キー、27・・・アナログスティック、31・・・メニューボタン、32・・・STARTボタン、33・・・SELECTボタン、34a・・・R1ボタン、34b・・・L1ボタン、35a・・・R2ボタン、35b・・・L2ボタン、40・・・脚部、42・・・電池ボックス、44・・・蓋、45・・・スリット、80・・・入力受付部、82・・・処理部、84・・・保持部、86・・・キーコード保持部、88・・・操作コード保持部、90・・・出力部、100・・・キーボード、110・・・ポインティングスティック、112・・・Fnキー、120・・・標準タイプキー、130・・・ファンクションキー、140・・・カーソルキー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームコントローラが有する操作ボタンおよびアナログスティックの機能を備えたキーボードであって、操作部材と、操作部材の操作に応じた信号を出力する出力部とを備え、
操作部材は、
ゲームコントローラの操作ボタンの機能を割り当てられた割当キーを含む複数のキーと、
当該キーボードに配置されるポインティングスティックと、
修飾キーとを含み、
修飾キーが操作された状態で、ポインティングスティックが操作されると、出力部が、ゲームコントローラのアナログスティックの操作信号を出力することを特徴とするキーボード。
【請求項2】
修飾キーが操作されていない状態で、ポインティングスティックが操作されると、出力部が、画面に表示されるポインタの移動信号を出力することを特徴とする請求項1に記載のキーボード。
【請求項3】
修飾キーが操作された状態で、割当キーが操作されると、出力部が、ゲームコントローラの操作ボタンの操作信号を出力することを特徴とする請求項1または2に記載のキーボード。
【請求項4】
ポインティングスティックは、当該キーボードの略中央に配置されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のキーボード。
【請求項5】
修飾キーは、当該キーボードの角部近傍に設けられることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のキーボード。
【請求項6】
修飾キーとポインティングスティックとの距離は、ユーザが片手で操作できるように10cm以内に設定されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のキーボード。
【請求項7】
ポインティングスティックの右側または左側に位置するキーに、ゲームコントローラにおいて右側または左側に配置されている操作ボタンの機能が割り当てられていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のキーボード。
【請求項8】
修飾キーが、ポインティングスティックの左側または右側に位置する場合に、修飾キーと反対側に位置するキーに、ゲームコントローラにおいて、そのキーと同じ側に配置されている操作ボタンの機能が割り当てられていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のキーボード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−238045(P2012−238045A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104780(P2011−104780)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(310021766)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (417)
【Fターム(参考)】