説明

キーレスエントリーシステム、施解錠制御方法、施解錠制御プログラム

【課題】携帯型送信機の誤作動を防ぎ、適切に車両の施錠、解錠操作が可能となるキーレスエントリーシステムを提供すること。
【解決手段】携帯型送信機に備えられた加速度センサで、加速度を検出する。また、車両のドアの施錠および解錠を指示する操作に対応する加速度のパターンを予め携帯型送信機に記憶しておく。更に、加速度の所定のパターンを誤作動要因パターンとして予め記憶しておく。そして、加速度センサが検出した加速度のパターンが誤作動要因パターンに一致するか否かを判定する。誤動作要因パターンに一致しないときは、加速度センサが検出した加速度と施錠および解錠を指示する操作に対応する加速度のパターンとを比較して、施錠解錠の操作を検出する。一方、誤作動要因パターンに一致すると判定したときは、当該誤動作要因パターンに基づいて施解錠操作のパターンを変更してから、施錠の指示操作または解錠の指示操作を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キー操作をすることなく車両のドアロック操作が可能となるキーレスエントリーシステムに関し、より特定的には、送信機を携帯したユーザが車両に近づき、この送信機を叩くことによりドアロック操作が可能となるキーレスエントリーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両のドアを開閉する際に、キーに代えて送信機を用いて無線信号によりドアロック操作を行うキーレスエントリー装置が実用化されている。これらの装置では、一般的に、使用者が携帯する送信機に例えば押しボタン式の送信スイッチが設けられ、この送信スイッチが使用者により操作されることにより、解錠を指令する無線信号が送信機より出力され、これに応じて車両のドアロック駆動機構が動作して解錠が行われる。
【0003】
しかし、使用者が両手に荷物を持っていたり、雨が降って傘をさしているなどの場合、ポケットなどに入った送信機をわざわざ取り出して送信スイッチを押すことは不便である。そこで、このような場合を想定して、送信機を叩くことにより解錠を行う錠操作装置が開示されている(例えば、特許文献1)。当該錠操作装置では、バネ板と磁石を用いた衝撃検出手段を用いて衝撃の発生(叩き操作)を検出し、衝撃が検出されれば、車両の施錠を制御する信号を送信機から車両側に出力している。
【0004】
また、送信機に衝撃を検出する手段を用いた技術として、上記の技術の他、送信機に衝撃センサを搭載し、一定値以上の衝撃が検出されたとき、送信機からの電波の出力を禁止するような携帯機が開示されている(例えば、特許文献2)。特許文献2に開示されている携帯機では、携帯機(送信機)を紛失したときの不正使用を防止する観点から、携帯機を落としたときの衝撃を検出し、このような衝撃が検出されたときに、携帯機からの電波の送信を禁止している。
【特許文献1】特開平10-273984号公報
【特許文献2】特開2004-324227号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したような上記特許文献に開示された装置においては、以下に示す問題点があった。まず、特許文献1に開示されている装置では、例えば、所定レベル以上の衝撃が2回検出されれば解錠のための信号を送信すると仮定する。この場合、例えば送信機を落とした場合や、ポケットに送信機を入れたまま何かにぶつかった場合などに、当該所定レベル以上の衝撃が検出されることがある。その結果、ユーザが気付かないうちに解錠信号が出力される等、誤動作を発生することが考えられる。
【0006】
また、特許文献2の技術は、不正使用防止の観点から、衝撃が検出されたときに送信機能を禁止するものであり、施錠や解錠に用いるものではなかった。
【0007】
それ故に、本発明の目的は、携帯型送信機の誤作動を防ぎ、適切に車両の施錠、解錠操作が可能となるキーレスエントリーシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、本発明の理解を助けるために後述する実施形態との対応関係の一例を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0009】
第1の発明は、ユーザーが携帯可能な携帯型送信機と車両に取り付けられた車両側装置とを備え、当該車両のドアの施錠および解錠を無線通信ネットワークを介して行うキーレスエントリーシステムであって、携帯型送信機は、加速度センサ(11)と、施解錠操作パターン記憶部(14)と、誤作動パターン記憶部(14)と、誤作動要因判定部(13)と、施解錠操作検出部(13)と、施解錠信号送信部(15)とを備える。加速度センサは、少なくとも1軸方向の加速度を検出する。施解錠操作パターン記憶部は、車両のドアの施錠および解錠を指示する操作に対応する加速度の変動パターンである施解錠操作パターンを予め記憶する。誤作動パターン記憶部は、加速度の所定の変動パターンを誤作動要因パターンとして予め記憶する。誤作動要因判定部は、加速度センサが検出した加速度に基づく加速度の変動パターンが誤作動要因パターンに一致するか否かを判定する。施解錠操作検出部は、加速度センサが検出した加速度に基づく加速度の変動パターンと施解錠操作パターンとに基づいて施錠の指示操作または解錠の指示操作を検出する。施解錠信号送信部は、施解錠操作検出部の検出結果に応じて施錠または解錠信号を無線で送信する。また、車両側装置は、受信部(21)と、施解錠制御部(22)とを備える。受信部は、施解錠信号送信部から送信された施解錠信号を受信する。施解錠制御部は、受信部が受信した施解錠信号に基づいて車両のドアの施錠または解錠の制御を行う。更に、施解錠操作検出部は、誤作動要因判定部が加速度センサが検出した加速度に基づく加速度の変動パターンが誤作動要因パターンに一致すると判定したときは、当該誤動作要因パターンに基づいて施解錠操作パターンを変更し、当該変更後の施解錠操作パターンと当該加速度センサが検出した加速度に基づく加速度の変動パターンとに基づいて施錠の指示操作または解錠の指示操作を検出する。
【0010】
第1の発明によれば、ユーザが携帯型送信機を落下したときや、ユーザの歩行中における携帯型送信機の操作等による誤作動を防止することができ、ユーザの利便性を高めることが可能となる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、施解錠操作検出部は、加速度センサが検出した加速度に基づく加速度の変動パターンが誤作動要因パターンに一致すると誤作動要因判定部が判定したときは、施錠または解錠の指示操作の検出感度が鈍くなるように施解錠操作パターンを変更する。
【0012】
第2の発明によれば、検出感度を鈍くさせることで、より適切に誤作動を防止することができる。
【0013】
第3の発明は、第1の発明において、施解錠操作パターン記憶部は、所定の閾値以上の加速度が所定の時間間隔で所定回数検出されるような加速度の変動パターンを施解錠操作パターンとして記憶する。
【0014】
第3の発明によれば、閾値や時間間隔、検出回数に基づいて施解錠のパターンを判定するため、検出にかかる処理を簡便なものとすることができる。
【0015】
第4の発明は、第3の発明において、施解錠操作検出部は、加速度センサが検出した加速度に基づく加速度の変動パターンが誤作動要因パターンに一致すると誤作動要因判定部が判定したときは、施錠または解錠の操作指示が検出される所定の閾値が高くなるように変更する。
【0016】
第4の発明によれば、施錠、解錠の検出感度を鈍くすることによって誤作動を防止することが可能となる。
【0017】
第5の発明は、加速度センサを含み、ユーザーが携帯可能な携帯型送信機と車両に取り付けられた車両側装置とを備え、当該車両のドアの施錠および解錠を無線通信ネットワークを介して行うキーレスエントリーシステムに用いられる施解錠制御方法であって、加速度検出ステップと、施解錠操作パターン記憶ステップと、誤作動パターン記憶ステップと、誤作動要因判定ステップと、施解錠操作検出ステップと、施解錠信号送信ステップと、受信ステップと、施解錠制御ステップとを備える。加速度検出ステップでは、少なくとも1軸方向の加速度を検出する。施解錠操作パターン記憶ステップでは、車両のドアの施錠および解錠を指示する操作に対応する加速度の変動パターンである施解錠操作パターンを予め記憶する。誤作動パターン記憶ステップでは、加速度の所定の変動パターンを誤作動要因パターンとして予め記憶する。誤作動要因判定ステップでは、加速度検出ステップにおいて検出した加速度に基づく加速度の変動パターンが誤作動要因パターンに一致するか否かを判定する。施解錠操作検出ステップでは、加速度検出ステップにおいて検出した加速度に基づく加速度の変動パターンと施解錠操作パターンとに基づいて施錠の指示操作または解錠の指示操作を検出する。施解錠信号送信ステップでは、施解錠操作検出部の検出結果に応じて施錠または解錠信号を無線で送信する。受信ステップでは、施解錠信号送信ステップにおいて送信された施解錠信号を受信する。施解錠制御ステップでは、受信ステップで受信した施解錠信号に基づいて車両のドアの施錠または解錠の制御を行う。更に、施解錠操作検出ステップでは、加速度検出ステップで検出された加速度に基づく加速度の変動パターンが誤作動要因パターンに一致すると誤作動要因判定ステップにおいて判定されたときは、当該誤動作要因パターンに基づいて施解錠操作パターンを変更し、当該変更後の施解錠操作パターンと当該加速度センサが検出した加速度に基づく加速度の変動パターンとに基づいて施錠の指示操作または解錠の指示操作を検出する。
【0018】
第5の発明によれば、第1の発明と同様の効果を得ることができる。
【0019】
第6の発明は、車両のドアの施錠および解錠を無線通信ネットワークを介して行うキーレスエントリーシステムに用いられ、加速度センサを備える携帯型送信機のコンピュータに実行させる施解錠制御プログラムであって、携帯型送信機のコンピュータを、加速度検出手段と、施解錠操作パターン記憶手段と、誤作動パターン記憶手段と、誤作動要因判定手段と、施解錠操作検出手段と、施解錠信号送信手段として機能させる。加速度検出手段は、少なくとも1軸方向の加速度を検出する。施解錠操作パターン記憶手段は、車両のドアの施錠および解錠を指示する操作に対応する加速度の変動パターンである施解錠操作パターンを予め記憶する。誤作動パターン記憶手段は、加速度の所定の変動パターンを誤作動要因パターンとして予め記憶する。誤作動要因判定手段は、加速度センサが検出した加速度に基づく加速度の変動パターンが前記誤作動要因パターンに一致するか否かを判定する。施解錠操作検出手段は、加速度センサが検出した加速度に基づく加速度の変動パターンと施解錠操作パターンとに基づいて施錠の指示操作または解錠の指示操作を検出する。施解錠信号送信手段は、施解錠操作検出部の検出結果に応じて施錠または解錠信号を無線で送信する。更に、施解錠操作検出手段は、誤作動要因判定手段が加速度検出手段が検出した加速度に基づく加速度の変動パターンが誤作動要因パターンに一致すると判定したときは、当該誤動作要因パターンに基づいて施解錠操作パターンを変更し、当該変更後の施解錠操作パターンと当該加速度センサが検出した加速度に基づく加速度の変動パターンとに基づいて施錠の指示操作または解錠の指示操作を検出する。
【0020】
第6の発明によれば、第1の発明と同様の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、携帯型送信機の落下や、歩行中における操作等による誤作動を防止でき、ユーザの利便性を高めることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。尚、この実施例により本発明が限定されるものではない。
【0023】
図1は、本発明の実施形態に係るキーレスエントリーシステム3の全体構成を示した図である。図1において、キーレスエントリーシステム3は、ユーザが携帯可能な携帯型送信機1(以下、単に携帯機と呼ぶ)と車両に設けられる車両側機器2で構成される。
【0024】
携帯機1は、3軸(x、y、z軸)の加速度センサ11と、バッファメモリ12と、送信制御部13と、閾値記憶部14と、送信部15とを備える。また、その他、図示は省略するが、これらの構成部を動作させるための電源やバッテリを備えている。
【0025】
加速度センサ11は、XYZ三次元直交座標系において、上下方向、左右方向、および前後方向で直線加速度を検知する。また、検知した加速度を示す加速度データをバッファメモリ12に出力する。
【0026】
バッファメモリ12は、加速度センサから出力される加速度データを所定時間分、記憶しておくためのメモリである。また、バッファメモリ12は、リングバッファ方式で構成されている。
【0027】
送信制御部13は、例えばマイクロコンピュータを含む回路であり、上記バッファメモリ12から加速度データを取得する。そして、送信制御部13は、後述する図5〜図6のフローチャートに示す処理を行って送信制御を実行し、施錠解錠のための信号を送信部15に出力する。
【0028】
閾値記憶部14は、送信制御部13で送信制御が実行される際に用いられる各種閾値(後述するような、叩き判定閾値等)が記憶されている。
【0029】
送信部15は、送信制御部13から出力される信号を図示しないアンテナから電磁波として送信できるように所定の変調等を行い、受信部21に送信する。
【0030】
車両側機器2は、受信部21と施解錠制御部22とから構成される。受信部21は、携帯機1の送信部15から送信された信号を受信する。また、受信部21は、所定の復調等を行って、受信した信号を施解錠制御部22で読み取れる形式に変換して出力する。
【0031】
施解錠制御部22は、例えばマイクロコンピュータを含む回路であり、後述する図7のフローチャートに示す処理を行って、上記受信した信号に基づいて車両のドアの施錠および解錠の制御を行う。
【0032】
次に、本実施形態が想定している処理の概要について説明する。まず、本実施形態では、ユーザは、携帯機1を叩く操作を行うことで、車両のドアのロック/アンロック操作が可能である。より具体的には、ユーザが携帯機1を1回叩いた場合は、ドアをロックするための信号が携帯機1から車両側機器2に送信され、車両のドアがロックされる。ユーザが携帯機1を2回続けて叩いた場合は、ドアをアンロックするための信号が携帯機1から車両側機器2に送信され、車両のドアがアンロックされる。そして、本実施形態では、ユーザが携帯機1を叩いたか否かを、加速度に基づいて判定する。つまり、ユーザが携帯機1を叩いた際には携帯機1に所定の値以上の加速度が発生する。そこで、この加速度の変動のパターンを随時判定し、携帯機1を叩いたときの加速度の変動パターンが発生したか否かを判定することでロック操作やアンロック操作を検出する。そのため、携帯機1には、上記のような叩き操作に該当する加速度の変動パターンを示すデータが予め記憶される。
【0033】
更に、本実施形態では、誤作動要因となるような動作(以下、誤作動要因と呼ぶ)の加速度の変動パターン等についても予め携帯機1に記憶させておく。当該誤作動要因としては、本実施形態では、「歩行中」「落下」「ぶつかり」「ポケットに手を入れている」の4つの場合を想定している。これら4つの誤作動要因が発生した際の加速度の変動パターン等を予め実験あるいはシミュレーション等して算出し、携帯機1に記憶させておく。そして、上記ロック/アンロック判定の際に、これら誤作動要因に該当するか否かの判定も行うようにする。
【0034】
ここで、上述した、ロック/アンロック操作、および、誤作動要因についての加速度の変動パターンについて、図2を用いて説明する。図2は、重力方向の加速度の変動(加速度データの波形)の一例を示したグラフである。図2(a)は、ユーザが携帯機1を一回叩いたとき(ロック操作)の重力方向についての加速度の変動の一例を示している。図2(a)では、叩いた際の加速度が負の領域から正の領域に向けて大きく変動したあと、その反動で負の領域に向けて変動している。つまり、負の領域→正の領域→負の領域と変動する山(振動)が一つあるような波形となっている。また、図2(b)は、ユーザが携帯機1を2回叩いたとき(アンロック操作)の重力方向の加速度の変動の一例を示している。図2(b)では、負の領域→正の領域→負の領域と変動する山が続けて2つ発生しているような波形となっている。
【0035】
図2(c)は、「歩行中」の場合の重力方向の加速度の変動の一例を示すグラフである。図2(c)で示される加速度データの波形では、ほぼ同じような周期で負の領域から正の領域へと変動し、また負の領域に向けて変動していくというパターンが出現するような波形となっている。換言すれば、同じような大きさの振動が連続して出現しているようなグラフとなっている。
【0036】
図2(d)は、「落下」の場合の重力方向の加速度の変動の一例を示すグラフである。図2(d)では、加速度が正の領域方向(以下、正方向と呼ぶ)に急激に変化した後(落下中)、地面等に激突した反動で負の領域方向(以下、負方向と呼ぶ)に大きく変化する。その後、正方向〜負方向間の変化が繰り返し発生するが、段々とその変化の幅が小さくなっていく。
【0037】
図2(e)は、「ぶつかり」の場合の重力方向の加速度の変動の一例を示すグラフである。「ぶつかり」は、例えばポケット等に入れた携帯機1が、ポケットに入ったまま何かにぶつかったような状況(つまり、ポケットに携帯機1を入れたユーザ自身が何かにぶつかったような状況)を想定したものである。加速度の変化パターンは、基本的には「落下」と同じような変化となるが、「落下」のときほど大きな変化は発生しない。
【0038】
図2(f)は、「ポケットに手を入れている」の場合の重力方向の加速度の変動の一例を示すグラフである。この状態は、携帯機1がポケットに入っている状態において、ユーザがポケットに手を入れて携帯機1をごそごそと動かしているような状況を想定している。そのため、携帯機1には小さな加速度の変動(小さな振動)が連続的に発生する状態となっている。
【0039】
本実施形態では、上記のような加速度の変動パターンを想定している。そして、各パターンを判定するために、各パターンについて所定の閾値をそれぞれ設定し、閾値記憶部14に記憶させておく。そして、当該閾値と携帯機1で検出される加速度に基づいて、上記のパターンを判定できるようにする。例えば、ロック/アンロック操作については、図3(a)および(b)に示すように、大きな変化の山にかかるような閾値101(以下、叩き判定閾値と呼ぶ)を設定し、上記のように閾値記憶部14に予め記憶させておく(なお、図3(a)において、叩き判定閾値101aは正の領域における閾値を示し、101bは、負の領域における閾値を示している)。そして、携帯機1において、過去の所定の時間内(例えば直前の5秒間)における加速度の変化を検出して、この叩き判定閾値を越えた回数を算出する。また、叩き判定閾値を超える直前の加速度に基づいて加速度の変化方向(負の領域から正の領域へ向けた変化であるか、その逆方向の変化であるか)等を算出する。そして、これら算出した結果に基づいて、ロック/アンロック操作が行われたか否かを判定する。
【0040】
各誤作動要因については、図3(c)〜(f)に示すように閾値が設定される。「歩行中」については、図3(c)に示すような歩行閾値102を設定して閾値記憶部14に記憶させておく。同様に、「落下」については、図3(d)に示すような落下閾値103を設定する。「ぶつかり」については、図3(e)に示すようなぶつかり閾値104を設定する。「ポケットに手を入れている」については、図3(f)に示すようなポケット閾値105を設定する。
【0041】
ここで、仮に、誤作動要因を無視してロック/アンロックの判定だけ行われるものとすると、例えば、ユーザが携帯機1を落としてしまった場合(上記誤作動要因の「落下」に該当)、上記の叩き判定閾値101を越えるような加速度が検出され得る。そのため、もし誤作動要因の判定を行わない場合は、携帯機1を一回叩いたものと判定され、ロックの指示と認識されてしまい、結果的にユーザの意図に反する誤動作が発生してしまう。そこで、本実施形態では、上記のように、誤作動要因に該当する加速度の変動パターンについて予め記憶させておく。そして、上記ロック/アンロック操作の判定の前に、上記落下閾値等を用いて、検出された加速度の変動が上記のような誤作動要因に該当するか否かを判定する。そして、誤作動要因に該当すると判定されたときは、上記ロック/アンロックの判定用に設定した叩き閾値を、携帯機1の感度が鈍くなるように変更する。つまり、叩く操作に対して携帯機1が鈍感になるようにする。そして、変更後の閾値を越えたか否かで、ロック、アンロック操作が行われたか否かを判定するようにする。
【0042】
図4に、叩き判定閾値の変更例を示す。図4(a)は、「歩行中」の場合の叩き判定閾値の変更例を示す。また、図4(b)は「落下」の場合、図4(c)は「ぶつかり」、図4(d)は「ポケット」の場合の叩き判定閾値の変更例をそれぞれ示している。いずれの場合も、変更前の閾値は、図3(a)(b)の閾値101に相当する。そして、叩き判定閾値は正方向に向けて変更され、検出の感度が鈍くなるように変更している。
【0043】
このように、ロック/アンロック操作の判定の際に誤作動要因の有無を判定することで、落下等による携帯機1のロック/アンロックの誤作動を防止することができ、ユーザの利便性を高めることが可能となる。
【0044】
以下、図5〜図7を用いて、本実施形態における錠操作処理の詳細を説明する。まず、携帯機1側の処理について説明する。図5および図6は、携帯機1で実行される制御処理の詳細を示すフローチャートである。なお、図5および図6に示すステップS1〜ステップ15の処理ループは、1/60秒毎に繰り返し実行される。
【0045】
図5において、まず、加速度センサ11は加速度データをバッファメモリ12に出力する(ステップS1)。そして、送信制御部13は、当該バッファメモリ12を参照して、所定時間分、例えば過去5秒分の重力方向についての加速度データの変化パターンを算出する(ステップS2)。なお、重力方向の加速度の算出方法については、当業者には公知であるため、ここでは説明は省略する。
【0046】
次に、送信制御部13は、上記算出した加速度の変動パターンが「歩行中」を示すような内容であるか否かを判定する(ステップS3)。つまり、ユーザが現在歩行中であるか否かを判定する。すなわち、送信制御部13は、過去5秒分の加速度の変動パターンが図3(c)に示したような変動パターンであるか否かを判定する。例えば、歩行閾値102を超えるような加速度の振幅とが連続して発生しているか否か等で判定する。
【0047】
当該判定の結果、「歩行中」であれば(ステップS3でYES)、送信制御部13は、叩き判定閾値を変更する(ステップS4)。すなわち、送信制御部13は、叩き判定閾値に所定の値を加算することによって、図4(a)に示したように、叩き操作の検出が鈍感になるように叩き判定閾値を変更する。
【0048】
ステップS3の判定の結果、「歩行中」でないときは(ステップS3でNO)、次に、送信制御部13は、ステップS2で算出した変動パターンが「落下」を示すか否かを判定する(ステップS5)。すなわち、送信制御部13は、過去5秒分の加速度の変動パターンが図3(d)に示したような変動パターンであるか否かを判定する。(例えば、落下閾値103を超えるような大きな振幅が発生したか否か等で判定する)。当該判定の結果、「落下」であれば(ステップS5でYES)、送信制御部13は、図4(b)に示したように、叩き操作の検出が鈍感になるように叩き判定閾値を高い値に変更する(ステップS6)。
【0049】
一方、「落下」ではないときは(ステップS5でNO)、次に、送信制御部13は、ステップS2で算出した変化パターンが「ぶつかり」を示すか否かを判定する(ステップS7)。すなわち、送信制御部13は、過去5秒分の加速度の変動パターンが図3(e)に示したような変動パターンであるか否かを判定する。当該判定の結果、「ぶつかり」であるときは(ステップS7でYES)、送信制御部13は、図4(c)に示したように、叩き操作の検出が鈍感になるように叩き判定閾値を変更する(ステップS8)。
【0050】
一方、ステップS7の判定の結果、変動パターンが「ぶつかり」ではないときは(ステップS7でNO)、次に、送信制御部13は、ステップS2で算出した変動パターンが「ポケットに手を入れた」を示すか否かを判定する(ステップS9)。すなわち、送信制御部13は、過去5秒分の加速度の変化パターンが図3(f)に示したような、小さな変動の波が連続して発生しているようなパターンであるか否かを判定する。当該判定の結果、「ポケットに手を入れた」であれば(ステップS9でYES)、送信制御部13は、図4(d)に示したように、叩き操作の検出が鈍感になるように叩き判定閾値を変更する(ステップS11)。一方、「ポケットに手を入れた」ではないときは(ステップS9でNO)、送信制御部13は、叩き判定閾値を初期値(図3(a)や(b)に示す叩き判定閾値101に相当)に設定する(ステップS10)。
【0051】
次に、送信制御部13は、上述したようなパターン判定用閾値を用いて、ステップS2で算出した変化パターンがロック操作のパターンであるか否かを判定する(ステップS12)。例えば、送信制御部13は、過去5秒の間に叩き判定閾値を超えるような加速度の振動が発生した回数を検出し、その回数が一回であればロック操作のパターンであると判定する。当該判定の結果、ロック操作のパターンであると判定したときは(ステップS12でYES)、送信制御部13は、ロック指示を示す信号を生成する。そして、当該ロック指示の信号を送信部15を介して車両側機器2に送信する(ステップS13)。
【0052】
一方、ロック操作のパターンではないときは(ステップS12でNO)。算出した変動パターンがアンロック操作のパターンであるか否かを判定する(ステップS14)。例えば、送信制御部13は、過去5秒の間に叩き判定閾値を超えるような加速度の振動が発生した回数を検出し、その回数が2回であればアンロック操作のパターンであると判定する。当該判定の結果、アンロック操作のパターンであると判定したときは(ステップS14でYES)、送信制御部13は、アンロック指示を示す信号を生成する。そして、当該アンロック指示の信号を送信部15を介して車両側機器2に送信する(ステップS15)。そして、送信制御部13は、上記ステップS1に戻り、処理を繰り返す。以上で、携帯機1側における制御処理の説明を終了する。
【0053】
次に、車両側機器2の処理について説明する。図7は、車両側機器2で実行される制御処理の詳細を示すフローチャートである。なお、図7に示すステップS31〜ステップ35の処理ループは、1/60秒毎に繰り返し実行される。図7において、まず、受信部21は、送信部15から信号が送信されてくるのを待ち受ける。そして、信号が送信されてくれば、その受信を行う。そして、受信部21は、受信した信号を施解錠制御部22に出力する(ステップS31)。
【0054】
次に、施解錠制御部22は、受信した信号がロック指示を示す内容であるか否かを判定する(ステップS32)。当該判定の結果、ロック指示であれば(ステップS32でYES)、施解錠制御部22は、車両のドアをロックするためのロック信号を出力する(ステップ33)。
【0055】
一方、ロック指示でないときは(ステップS32でNO)、次に、施解錠制御部22は、受信した信号がアンロック指示を示す内容であるか否かを判定する(ステップS34)。当該判定の結果、アンロック指示であれば(ステップS34でYES)、施解錠制御部22は、車両のドアをアンロックするためのアンロック信号を出力する(ステップS35)。
【0056】
ステップS34の判定の結果、アンロック指示でもないときは(ステップS34でNO)、ステップS31に戻り、処理を繰り返す。以上で、車両側の制御処理の説明を終了する。
【0057】
このように、本実施形態では、加速度の変化パターンに基づいてロック/アンロック操作の判定を行う際に、誤作動要因の判定も行う。そして、加速度の変動パターンが誤作動要因に該当するようなときは、叩き操作の検出が鈍感になるような調整を行っている。これにより、ユーザが携帯機1を落としたとき等に、携帯機1が誤動作してしまい、ユーザの意に反して車両のドアがロックあるいはアンロックされてしまうことを防ぐことができる。
【0058】
なお、上記実施形態では、誤作動要因の判定の基礎とする加速度データについて、一律に過去5秒分を用いる場合を例とした。これに限らず、誤作動要因毎に異なる時間を用いるようにしても良い。例えば、「歩行中」の判定については過去5秒分の加速度データを用い、「落下」や「ぶつかり」については過去3秒分の加速度の変化で判定するようにしてもよい。また、「ポケットに手を入れた」については、過去10秒分の加速度データを用いて判定するようにしても良い。
【0059】
また、上記実施形態では、ユーザが携帯可能な携帯機に加速度センサを搭載するようにしていたが、これに限らず、車両のドアに加速度センサを内蔵するようにしてもよい。つまり、携帯機ではなく、ユーザが車両のドアを直接叩くことでロック/アンロック操作が可能となるようにしてもよい。この場合は、図1で示した携帯機1の構成のうち、送信部15を除いた構成部を車両側に搭載するようにすればよい。そして、送信制御部13から送信部15への出力の代わりに、送信制御部13から施解錠制御部22に出力されるように接続した構成にすればよい。
【0060】
また、加速度センサ11を車両のドアに内蔵した場合における誤作動要因としては、上記実施形態の場合とは異なり、例えば、駐車した車両の側を大型トラックやバス、電車等の大型車両が通過したことによって発生する振動を想定したものが考えられる。そのため、このような大型車両の通過による振動での加速度の変動パターンを予め実験、シミュレート等で算出し、その変動パターンを判定できるようなデータを閾値記憶部14に記憶させておく。そして、図5および図6を用いて説明した上記ステップS3〜S11にかかる誤作動要因の判定の処理の代わりに、このような大型車両の通過時の振動に該当するか否かを判定するようにすればよい。これにより、ユーザの利便性を高めることが可能となる。
【0061】
また、加速度センサ11を車両のドアに内蔵する場合は、更に、本人認証システムと連携させてもよい。つまり、車両の正当な所有者がドアを叩いたときにのみロック/アンロック操作が行われるようにしてもよい。この場合は、例えば、本人認証を行うためのIDコードを携帯機と車両に登録しておく。そして、車両側で、車両のドアが叩かれたことが検出されたときに、このIDコードが登録されている携帯機がドアの側に存在するか否かや、車両に登録されているIDコードが携帯機から送信されてきたか否か等を判定する。つまり、ロック/アンロック操作の検出に合わせて、本人認証のための処理を実行するようにする。これにより、正当な所有者でない者がドアを叩いても、車両のドアのロック/アンロックが行われないようにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明にかかるキーレスエントリーシステムおよび施解錠制御方法、施解錠制御プログラムは、携帯型送信機の誤作動を防止することができ、車両のリモートキーエントリーシステムやスマートエントリーシステム等の錠操作装置に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施形態に係るキーレスエントリーシステム3の全体構成を示した図
【図2】重力方向の加速度の変化の一例を示したグラフ
【図3】各誤作動要因についての閾値の設定例
【図4】叩き判定閾値の変更例
【図5】携帯機1で実行される制御処理の詳細を示すフローチャート
【図6】携帯機1で実行される制御処理の詳細を示すフローチャート
【図7】車両側機器2で実行される制御処理の詳細を示すフローチャート
【符号の説明】
【0064】
1 携帯型送信機
2 車両側機器
11 加速度センサ
12 バッファメモリ
13 送信制御部
14 閾値記憶部
15 送信部
21 受信部
22 施解錠制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーが携帯可能な携帯型送信機と車両に取り付けられた車両側装置とを備え、当該車両のドアの施錠および解錠を無線通信ネットワークを介して行うキーレスエントリーシステムであって、
前記携帯型送信機は、
少なくとも1軸方向の加速度を検出する加速度センサと、
前記車両のドアの施錠および解錠を指示する操作に対応する加速度の変動パターンである施解錠操作パターンを予め記憶する施解錠操作パターン記憶部と、
加速度の所定の変動パターンを誤作動要因パターンとして予め記憶する誤作動パターン記憶部と、
前記加速度センサが検出した加速度に基づく加速度の変動パターンが前記誤作動要因パターンに一致するか否かを判定する誤作動要因判定部と、
前記加速度センサが検出した加速度に基づく加速度の変動パターンと前記施解錠操作パターンとに基づいて前記施錠の指示操作または解錠の指示操作を検出する施解錠操作検出部と、
前記施解錠操作検出部の検出結果に応じて施錠または解錠信号を無線で送信する施解錠信号送信部とを備え、
前記車両側装置は、
前記施解錠信号送信部から送信された前記施解錠信号を受信する受信部と、
前記受信部が受信した施解錠信号に基づいて前記車両のドアの施錠または解錠の制御を行う施解錠制御部とを備え、
前記施解錠操作検出部は、前記誤作動要因判定部が前記加速度センサが検出した加速度に基づく加速度の変動パターンが前記誤作動要因パターンに一致すると判定したときは、当該誤動作要因パターンに基づいて前記施解錠操作パターンを変更し、当該変更後の施解錠操作パターンと当該加速度センサが検出した加速度に基づく加速度の変動パターンとに基づいて前記施錠の指示操作または解錠の指示操作を検出する、キーレスエントリーシステム。
【請求項2】
前記施解錠操作検出部は、前記誤作動要因判定部が前記加速度センサが検出した加速度に基づく加速度の変動パターンが前記誤作動要因パターンに一致すると判定したときは、前記施錠または解錠の指示操作の検出感度が鈍くなるように前記施解錠操作パターンを変更する、請求項1に記載のキーレスエントリーシステム。
【請求項3】
前記施解錠操作パターン記憶部は、所定の閾値以上の加速度が所定の時間間隔で所定回数検出されるような加速度の変動パターンを前記施解錠操作パターンとして記憶する、請求項1に記載のキーレスエントリーシステム。
【請求項4】
前記施解錠操作検出部は、前記加速度センサが検出した加速度に基づく加速度の変動パターンが前記誤作動要因パターンに一致すると前記誤作動要因判定部が判定したときは、前記施錠または解錠の操作指示が検出される前記所定の閾値が高くなるように変更する、請求項3に記載のキーレスエントリーシステム。
【請求項5】
加速度センサを含み、ユーザーが携帯可能な携帯型送信機と車両に取り付けられた車両側装置とを備え、当該車両のドアの施錠および解錠を無線通信ネットワークを介して行うキーレスエントリーシステムに用いられる施解錠制御方法であって、
少なくとも1軸方向の加速度を検出する加速度検出ステップと、
前記車両のドアの施錠および解錠を指示する操作に対応する加速度の変動パターンである施解錠操作パターンを予め記憶する施解錠操作パターン記憶ステップと、
加速度の所定の変動パターンを誤作動要因パターンとして予め記憶する誤作動パターン記憶ステップと、
前記加速度検出ステップにおいて検出した加速度に基づく加速度の変動パターンが前記誤作動要因パターンに一致するか否かを判定する誤作動要因判定ステップと、
前記加速度検出ステップにおいて検出した加速度に基づく加速度の変動パターンと前記施解錠操作パターンとに基づいて前記施錠の指示操作または解錠の指示操作を検出する施解錠操作検出ステップと、
前記施解錠操作検出部の検出結果に応じて施錠または解錠信号を無線で送信する施解錠信号送信ステップと、
前記施解錠信号送信ステップにおいて送信された前記施解錠信号を受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信した施解錠信号に基づいて前記車両のドアの施錠または解錠の制御を行う施解錠制御ステップとを備え、
前記施解錠操作検出ステップは、前記加速度検出ステップで検出された加速度に基づく加速度の変動パターンが前記誤作動要因パターンに一致すると前記誤作動要因判定ステップにおいて判定されたときは、当該誤動作要因パターンに基づいて前記施解錠操作パターンを変更し、当該変更後の施解錠操作パターンと当該加速度センサが検出した加速度に基づく加速度の変動パターンとに基づいて前記施錠の指示操作または解錠の指示操作を検出する、施解錠制御方法。
【請求項6】
車両のドアの施錠および解錠を無線通信ネットワークを介して行うキーレスエントリーシステムに用いられ、加速度センサを備える携帯型送信機のコンピュータに実行させる施解錠制御プログラムであって、
前記コンピュータを、
少なくとも1軸方向の加速度を検出する加速度検出手段と、
前記車両のドアの施錠および解錠を指示する操作に対応する加速度の変動パターンである施解錠操作パターンを予め記憶する施解錠操作パターン記憶手段と、
加速度の所定の変動パターンを誤作動要因パターンとして予め記憶する誤作動パターン記憶手段と、
前記加速度センサが検出した加速度に基づく加速度の変動パターンが前記誤作動要因パターンに一致するか否かを判定する誤作動要因判定手段と、
前記加速度センサが検出した加速度に基づく加速度の変動パターンと前記施解錠操作パターンとに基づいて前記施錠の指示操作または解錠の指示操作を検出する施解錠操作検出手段と、
前記施解錠操作検出部の検出結果に応じて施錠または解錠信号を無線で送信する施解錠信号送信手段として機能させ、
前記施解錠操作検出手段は、前記加速度検出手段が検出した加速度に基づく加速度の変動パターンが前記誤作動要因パターンに一致すると前記誤作動要因判定手段が判定したときは、当該誤動作要因パターンに基づいて前記施解錠操作パターンを変更し、当該変更後の施解錠操作パターンと当該加速度センサが検出した加速度に基づく加速度の変動パターンとに基づいて前記施錠の指示操作または解錠の指示操作を検出する、施解錠制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−127244(P2009−127244A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−301780(P2007−301780)
【出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】