説明

クエン酸二水素銀組成物

クエン酸二水素銀を含むパーソナルケア組成物及びホームケア組成物が開示される。本発明の組成物は、有利には、懸濁物、ペースト、液体、及びゲルの形態をとる。本発明の組成物は、場合により付加的な成分を含むこともでき、従って、多様なパーソナルケア、ホームケア、及びインダストリアルケアの目的に適している。本発明は、生理学的に許容される媒体中にクエン酸二水素銀を含有しているパーソナルケア組成物を提供する。そのようなクエン酸二水素銀含有組成物は、他の抗微生物薬のような、可溶性又は非可溶性いずれかの付加的な成分を含んでいてもよく、また、洗浄剤又はアルコールを含んでいてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、抗微生物組成物を含有しているパーソナルケア製品及びホームケア製品、より具体的には、クエン酸二水素銀を含有している抗微生物組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
消費者は、健康及び容姿の増強又は維持のため、多様なパーソナルケア製品を使用している。そのような製品には、例えば、スキンケアにおける;制汗剤及び脱臭剤としての;パーソナルクレンザーとしての;ヘアケアにおける;オーラルケア製品としての;そして装飾用化粧品としての用途がある。そのような製品は、しばしば、細菌、真菌、及びウイルスのような望ましくない微生物を死滅させるか又はそれらの増殖を抑制するよう機能する抗微生物剤を含む。抗微生物剤は、ほんの数例を挙げると、脱臭スプレー、フットトリートメント、及び練り歯磨きのような、多岐にわたる製品においてしばしば利用されている。抗微生物剤は、例えば、皮膚と接触した際の、脱臭剤又は化粧品を汚染しているかもしれない細菌の増殖を防止するための防腐剤として、使用され得る。又は、そのような組成物の抗微生物効果は、それらの最終用途における利益を提供するかもしれない。例えば、フットケア製品における抗微生物剤は、皮膚糸状菌感染を処置するためにしばしば使用される。ツースケア製品において、抗微生物薬は、抗う食剤、抗歯肉炎剤、及び抗歯周炎剤として使用されている。
【0003】
ホームケア製品は、家庭、病院、ホテル、モーテル、及びオフィス、並びにヒトが生活しているか、仕事をしているか、又はその他の生活を営んでいるその他の場所において、洗浄又は消毒するために使用される。一般に、ホームケア製品は、家庭であれ、仕事場であれ、又は公衆便所の場所であれ、消費者の環境に対して作用することにより、消費者に何らかの利益を付与する。抗微生物薬は、微生物を死滅させるか又はそれらの増殖を抑制するため、洗浄剤、セッケン、漂白剤、防腐剤、脱臭剤、及びその他のクレンジング剤のようなホームケア製品において利用されている。微生物には、細菌、真菌、及びウイルスが含まれる。いくつかの場合において、抗微生物剤は、ホームケア製品のための防腐剤として機能し得る。さらに、製造業者は、しばしば、製品の意図された使用を通して抗微生物利益を付与するために、製品に抗微生物薬を含める。例えば、製造業者は、衣類から有害な微生物、例えば、細菌、ウイルス、及び真菌を除去するため、洗濯用洗浄剤に抗微生物剤を含めることがある。製造業者は、使用者の環境中の多様な表面における微生物の生存率又は数を低下させるため、表面を洗浄する洗浄剤に抗微生物剤を含めることがある。実際、製造業者は、抗微生物薬が、極めて多様なホームケア製品において有用であることを見出している。
【0004】
パーソナルケア製品においてもホームケア製品においても、抗微生物薬は、製品の耐用期間を延長するための防腐剤としての明瞭な利点を提供する。そのような製品のための価格競争は激しく、従って、製造業者は、製造及び破損両方のコストの低下を絶えず要求されている。破損した製品のコストを低下させるため、製造業者は、製品が、供給チェーンの全体を通して防御されることを保証しなければならない。製品は、製造された後、包装され、発送され、ある場合には長期間保管された後、消費者によって購入される。消費者が製品を買った後ですら、製品は未使用のまま、もしかすると開封され、微生物の汚染に曝されたまま、放置されるかもしれない。
【0005】
製造業者は、これらの考慮を計算に入れなければならず、そして製造及び包装;卸売及び小売り;並びに購入及び最終的な使用を含む製品のライフサイクルの全ての段階を通して安定しているよう製品を設計しなければならない。製品のライフサイクルの途中、それは、細菌、ウイルス、及び真菌を含む多様な微生物に接触する。微生物による製品の品質下落を防止する取組みにおいて、製造業者は、抗微生物剤を製品に添加することがある。実際、製造業者は、そのような抗微生物薬を添加することにより、製品の品質を大いに増強することに成功している。
【0006】
パーソナルケア製品及びホームケア製品において使用するための多数の抗微生物薬が開発されているが、微生物の多様性及び耐性変異体を生じる傾向のため、製造業者は改良された抗微生物薬を作製するよう常に迫られている。理想的には、そのような抗微生物薬は、低コスト及び多様な微生物に対抗する能力という特性を兼ね備えているであろう。抗微生物剤のコストを考慮する際には、最初の製造のコストのみならず、それが有効である濃度の範囲も、重要である。改良された抗微生物薬は、製造費用が比較的低くなければならず、かつ所望の製品への包含が経済的であるような濃度の範囲において活性であるべきである。さらに、そのような抗微生物剤は、多様な微生物に対して有効であるよう、広い活性スペクトルを有することが望ましいであろう。ますます費用効率が高く広スペクトルの抗微生物薬の必要性は、継続しており、見たところでは終わりがない。
【0007】
水を処理するための銀イオン組成物が、当技術分野において既知であるが、一般に、銀イオン種は、水に溶解した後は、短命である。従って、従来、銀イオン種を含有している溶液を使用時に調製することが必要であった。銀イオンを含む水性溶液の再構成は、大規模な作業の可能性を制限しているかもしれず、消費者が、即座に使用し得る組成物、又は水で希釈して使用し得る液体組成物を好む、ホームケアの領域においては便利でない。銀イオンが代替的な抗微生物防腐剤に相当し得る適用(例えば、シャンプー及びその他の水含有組成物)において、銀イオンは、一部にはこの相対的な不安定性のため、従来、活用されていない。
【0008】
銀クエン酸塩のような銀塩も、抗微生物散布剤として提唱されている。しかしながら、これらの散布剤は、乾燥状態で維持されなければならず、一般に、消費者製品に保存的価値を付与するため、又は最終使用者もしくは最終使用者の環境に抗微生物効果を送達するためには便利でない。
【0009】
最近、クエン酸との錯体としての銀イオンを含む銀イオン含有組成物が、提供された。例えば、特許文献1を参照のこと。しかしながら、これらの組成物を利用したパーソナルケア製品又はホームケア製品は、従来、記載されていない。
【特許文献1】米国特許第6,583,176号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上のことから、広範な抗微生物特性を有するパーソナルケア製品及びホームケア製品が必要とされていることは、明白である。そのような製品は、ヒトの使用において非毒性でありかつ非刺激性である必要がある。理想的には、そのような製品は、長い貯蔵寿命を有し、低コストであるべきである。本発明は、これらの必要を満たし、関連する利点をも提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(発明の要旨)
本発明は、生理学的に許容される媒体中にクエン酸二水素銀を含有しているパーソナルケア組成物を提供する。そのようなクエン酸二水素銀含有組成物は、他の抗微生物薬のような、可溶性又は非可溶性いずれかの付加的な成分を含んでいてもよく、また、洗浄剤又はアルコールを含んでいてもよい。クエン酸二水素銀を含有しているパーソナルケア組成物は、多様な方式で製剤化され得、水相、及び場合により乳化剤を含んでいてもよい非水相又は油相の両方を含み得る。さらに、組成物はゲル化剤又は濃化剤を含むことができる。
【0012】
本発明は、さらに、水相、油相、及び乳化剤を含有しているパーソナルケア組成物を提供する。水相は、水及びクエン酸二水素銀を含有している。組成物は、以下の型のエマルジョンである:油中水型、水中油型、水中油中水型、油中水中油型、転相温度、又はマイクロエマルジョン。
【0013】
本発明は、さらに、本発明のパーソナルケア組成物を使用する方法を提供する。その方法は、本発明のパーソナルケア組成物をヒト身体の一部と接触させることを含む。
【0014】
本発明は、さらに、ホームケア組成物を提供する。ホームケア組成物は、クエン酸二水素銀、水、及び洗浄剤又はアルコール以外の少なくとも1つの成分を含有している。そのようなクエン酸二水素銀含有ホームケア組成物は、他の抗微生物薬、酵素、漂白剤、美白剤、カラーケア剤、ファブリック柔軟剤、消泡剤、分散剤、色素転移阻害剤、キレート剤、及びエアロゾル推進剤のような、可溶性又は非可溶性いずれかの付加的な成分を含むことができ、洗浄剤又はアルコールも含むこともできる。クエン酸二水素銀を含有しているホームケア組成物は、多様な方式で製剤化され得、水相、及び場合により乳化剤を含んでいてもよい非水相又は油相の両方を含み得る。さらに、組成物は、ゲル化剤又は濃化剤を含み得る。適当な物理的形態には、液体、半固体、ペースト、ゲル、棒状物、錠剤、スプレー、フォーム、粉末、又は顆粒が含まれる。
【0015】
本発明は、さらに、適切な物品又は表面に適用することにより、ホームケア組成物を使用する方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(発明の詳細な説明)
本明細書に記載された本発明は、細菌、真菌、及びウイルスに対する活性を含む抗微生物特性を有するパーソナルケア製品及びホームケア製品を提供する。本発明の消費者製品は、抗微生物的に有効な量のクエン酸二水素銀を含有している。そのような抗微生物的に有効な量とは、微生物による製品の分解に対して本発明の製品を保存するか、又はヒト、物品、もしくは環境的な空間もしくは表面に対する有益な効果を付与するのに十分なものである。そのような有益な効果には、製品が適用された物品における微生物の死滅又は増殖の防止が含まれる。
【0017】
本明細書において使用されるように、「クエン酸二水素銀」という用語は、化学式AgCを有する分子をさす。より少量の関連組成物の存在は排除されないが、その化学構造は、主として、
【0018】
【化1】

である。
【0019】
一般に、クエン酸二水素銀は、銀電極を、クエン酸を含有している水性電解質溶液に浸すことにより作成され得る。次いで、電解電位が、電極に適用され、それによって銀イオンが溶液中に生成する。このように組み合わせられた場合、銀イオン及びクエン酸は、水性溶液中で安定なクエン酸二水素銀を形成する。本発明のいくつかの実施形態において、電解質は、約5%超、特に約10%超のクエン酸(%wt/体積)を含有している。次いで、クエン酸二水素銀は、製剤化されるか、又は本明細書にさらに記載されるような他の成分と組み合わせられ得る。本発明は、クエン酸二水素銀及び生理学的に許容される媒体を含有しているパーソナルケア組成物を提供する。クエン酸二水素銀は、上記のようにして調製される。
【0020】
クエン酸二水素銀は、細菌、真菌、及びウイルスを含む多様な微生物に対する抗微生物作用を有することが示された。効力が証明された特定の微生物には、シュードモナス・アエルギノサ(Pseudomonas aeruginosa)(特に、ATCC15442)、サルモネラ・コレレスイス(Salmonella choleraesuis)(特に、ATCC10708)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)(特に、ATCC65328及びATCC700698)、E.コリ(coli)(特に、O157:H7、ATCC43888、及びATCC11229)、リステリア・モノシトゲン(Listeria monocytogene)(特に、ATCC11543及び19111)、エンテロコッカス・ファエシウム(Enterococcus faecium)(特に、ATCC6569及びATCC700221)、ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV1)、単純ヘルペスウイルス1型(HSV1)、ポリオウイルス2型、インフルエンザA型、リノウイルス、プロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes)(特に、ATCC6921)、トリコフィトン・メンタグロフィテス(Trichophyton mentagrophytes)(特に、ATCC9533)が含まれる。本発明のパーソナルケア組成物及びホームケア組成物は、これらの微生物及びその他の微生物に対する保存抗微生物活性を保有している。
【0021】
本発明は、生理学的に許容される媒体中にクエン酸二水素銀を含有しているパーソナルケア組成物を提供する。本明細書において使用されるように「生理学的に許容される媒体」とは、ヒト又はその他の脊椎動物の身体の表面と接触させるための、非毒性であり、非刺激性であり、その他の点においても適当である組成物を意味する。そのような表面には、毛髪、皮膚、口、肛門、尿道、及び膣の表面が含まれる。組成物が生理学的に許容されるか否かは、当業者に周知の試験によって決定され得る。
【0022】
本発明のいくつかの適切なパーソナルケア組成物には、脱臭剤、制汗剤、顔、足、手、及び全身に使用するためのスキンケア製品、サンプロテクション製品、パーソナルクリーニング製品、ヘアケア製品、婦人衛生用品、オーラルケア製品、並びにリップスティック、マスカラ、フェイシャルメーキャップクリーム、及びルージュのような装飾用化粧品が含まれる。従って、製品は、本明細書に記載されるような、保湿剤湿潤剤、軟化剤、油、脂質型材料、安定剤、研磨剤、抗ざ瘡剤、抗酸化剤、着色剤、収斂剤、フィルム形成剤、芳香成分、不透明化剤、推進剤、還元剤、皮膚漂白剤、日焼け止め剤、オーラルケア剤のようなその他の適切な薬剤を含み得る。アルコール及び洗浄剤が、さらに、添加され得る。
【0023】
水相中にクエン酸二水素銀を含有している本発明のパーソナルケア組成物が、提供され得る。暗示されるように、水相は、水を含有しており、場合により、本明細書に記載されるような他の成分を含有している。又は、組成物は、水相及び油相の両方を含有していてもよい。後者の場合、それらは、分散相が乳化剤によって安定化されている、ある液体のもう1つの液体への分散物であるエマルジョンを作出するため、乳化剤を含み得る。エマルジョンとは、一般に、第1の液体の、第2の非混和性の液体への安定な分散物である。乳化剤は、分散した液体が癒合するのを防止する両性の物質である。本発明は、油中水型エマルジョン、水中油型エマルジョン、油中水中油型分散物、水中油中水型エマルジョン、転相温度エマルジョン、及びマイクロエマルジョンを提供する。エマルジョンの例は、さらに詳細に本明細書に記載される。
【0024】
本発明は、さらに、水相中にクエン酸二水素銀及び非水溶性固体を含有しているパーソナルケア組成物を提供する。いくつかの実施形態において、非水溶性固体は、水相に分散し、水性コロイド性懸濁物を形成している。いくつかの実施形態において、そのような水性コロイド性懸濁物は、水相中の懸濁物として固体を安定化することができる薬剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、非水溶性固体は、エマルジョン、又は水に基づくゲルに分散している。いくつかのさらなる組成物において、非水溶性固体成分は、水相と共にペーストを形成している。
【0025】
「非水溶性成分」という用語は、組成物中の濃度が、そのような成分の水への溶解度を越えている成分を意味する。「非水溶性成分」という用語は、組成物中の成分の濃度に関連しているため、ペーストにおいて使用される水可溶性成分は、大過剰の水には溶解し得るが、ペーストにおいて使用される量の水には完全に溶解し得ないかもしれない。他方、水性溶液、又はコロイド性組成物の水相において使用される「非水溶性成分」は、極わずかに水に可溶性でなければならない。当業者はこれらの要件を承知しており、当技術分野における通常の技術に基づき適切な選択をするであろう。
【0026】
本発明は、さらに、クエン酸二水素銀、水、並びにゲル化剤、濃化剤、及びそれらの混合物からなる群の少なくとも1つのメンバーを含有しているパーソナルケア組成物を提供する。
【0027】
本発明は、さらに、パーソナルケア組成物を使用する方法を提供する。一般に、その方法は、パーソナルケア組成物を、処理すべき身体表面又は部分に適用することを含む。「適用すること」という用語は、パーソナルケア組成物を身体部分に接触させるための、使用者の部分に対する適切な行為を含む。適用には、いくつかの実施形態において、塗り広げること、噴霧すること、噴き付けること、ワイプで塗ること、及びブラシで塗ることが含まれる。適用の特定の型は、パーソナルケア組成物が適用される身体部分に依る。
【0028】
「身体部分」とは、口及びその他の身体の上皮表面を含む身体部分を意味する。従って、身体部分という用語には、毛髪、皮膚、及び口、肛門、尿道、及び膣が含まれる。皮膚の場合、身体部分は、しばしば、より限定される。例えば、いくつかの実施形態において、身体部分は、顔、手、又は足の皮膚である。その他の実施形態において、身体部分は全身である。その他の実施形態において、例えば、パーソナルケア組成物が脱臭剤又は制汗剤である場合、身体部分は腋の下であり得る。
【0029】
本発明は、クエン酸二水素銀、水、及び洗浄剤、アルコール、又はその両方以外の少なくとも1つの成分を含むホームケア組成物も提供する。
【0030】
「ホームケア組成物」という用語は、ヒトの一般的な環境において使用するための組成物を意味し、さらに本明細書に記載される。ホームケア組成物は、一般に、ヒトの近傍、例えば、ヒトが使用するファブリック及びその他のアイテムに適用された場合、ヒトが使用する表面、もしくはヒトの近傍の表面に適用された場合、又はヒトが住む空間に適用された場合、非毒性である。
【0031】
本発明は、クエン酸二水素銀、水、油相、及び乳化剤を含むホームケア組成物も提供する。そのような組成物は、乳化剤が第1の相の第2の相への分散を安定化している、第2の非混和性の液相への第1の液相の分散物であるエマルジョンである。
【0032】
本発明は、水及びクエン酸二水素銀を含む水相中に非水溶性成分の混合物を含有しているホームケア組成物も提供する。そのような混合物には、本明細書にさらに記載されるようなコロイド及びペーストが含まれる。
【0033】
本発明は、クエン酸二水素銀、水、並びにゲル化剤及び濃化剤からなる群の少なくとも1つのメンバーを含有しているホームケア組成物も提供する。そのような組成物は、より詳細に本明細書に記載されるようなゲルである。
【0034】
本発明は、液体、半固体、又は固体の形態の、クエン酸二水素銀及び水を含有しているホームケア組成物も提供する。
【0035】
本発明は、クエン酸二水素銀を含み、各々さらに詳細に本明細書に記載されるような、ビルダー、酵素、漂白剤、美白剤、カラーケア剤、ファブリック柔軟剤、消泡剤、分散剤、色素転移阻害剤、キレート剤、及びエアロゾル推進剤からなる群より選択される1つ以上の付加的な成分をさらに含むホームケア組成物も提供する。
【0036】
本発明は、各々より詳細に本明細書に記載されるような、液体、ペースト、ゲル、棒状物、錠剤、スプレー、フォーム、粉末、又は顆粒の形態の抗微生物ランドリーケア組成物も提供する。
【0037】
本発明は、ホームケア組成物を、物品、表面、又は空間に適用することを含む、ホームケア方法も提供する。例示的な物品、表面、及び空間には、衣服、家具ファブリック、ラグ及びカーペット、カーテン、食器及び調理器具、グリル、オーブン、並びにヒトが使用するその他のアイテムが含まれる。
【0038】
「表面」という用語には、床、(ガラス窓、ドア、及び調理台のような)ガラス表面、その他のカウンター表面、浴槽、便器、シンク、並びにその他の浴室表面のような、ヒトの環境中の硬表面が含まれる。
【0039】
「空間」という用語には、そこに含有されている空気を含む、ヒトが住む建物の内部が含まれる。
【0040】
本発明は、微生物に対して組成物を保存するのに有効な濃度で存在するクエン酸二水素銀を含有しているパーソナルケア組成物を提供する。本発明は、さらに、それが適用されるヒトに対する抗微生物効果を付与するために十分なクエン酸二水素銀を含有しているパーソナルケア組成物を提供する。そのようなパーソナルケア組成物は、非毒性であり、費用効率が高く、かつ長期にわたる貯蔵安定性を有する。そのようなパーソナルケア組成物には、以下のものが含まれる:腋の下用脱臭スプレー、ロールオン、スティック、及びゲル;腋の下用制汗スプレー、ロールオン、スティック、及びゲル;腋の下用制汗/脱臭スプレー、ロールオン、スティック、及びゲル;スキントリートメントクリーム、ローション、ゲル、トニック、スプレー、及びオイル;サンプロテクタントクリーム、ローション、ゲル、スプレー、及びオイル;パーソナルクレンジング(ハンド及び/又はボディ)ソープ、シャンプー、バスオイル、及びビーズ;毛髪用シャンプー、リンス、コンディショナー、ゲル、オイル、及び/又はダイ;練り歯磨き、トゥースゲル、オーラルリンス、ホワイトニング組成物、及びデンタルフロスのようなオーラルケア製品(歯磨剤(dentrifices));並びに化粧用ローション、スティック、クリーム、オイル、及び軟膏。
【0041】
本発明は、さらに、ヒトの環境中の物品、表面、又は空間を処理するためのホームケア組成物又はインダストリアルケア組成物を提供する。いくつかの実施形態において、そのようなホームケア組成物又はインダストリアルケア組成物は、有効な抗微生物保存特性を保有している。その他の実施形態において、そのようなホームケア組成物又はインダストリアルケア組成物は、それらが適用される物品、表面、又は空間に対する抗微生物効果を付与する。本発明により提供されるホームケア組成物及びインダストリアルケア組成物には、以下のものが含まれる:表面清掃組成物(例えば、ガラス、床、カウンター、浴槽、便器、シンク、電気機具、及び家具を清掃する組成物);脱臭剤(例えば、固体、液体、及びスプレーの脱臭剤、空気及び/又は表面の脱臭剤);消毒剤(例えば、スプレー及び固体(ゲルを含む)の空気消毒剤;並びにスプレー、固体、液体、及びペーストの表面消毒剤);ワックス及びその他の表面防御及び/又はつや出し組成物;ランドリー組成物(例えば、洗浄剤、ファブリック柔軟剤、及び美白剤);並びにラグシャンプー。
【0042】
一般に、水性クエン酸二水素銀の調製は、以下のようにして達成され得る。まず、電解質溶液が形成されるよう、クエン酸を適切な量の水と混合することにより、適切な濃度のクエン酸を含む水性電解質溶液を調製する。電解質溶液は、本明細書において「水性クエン酸」又は「水性クエン酸溶液」とも呼ばれる。次いで、電解質溶液を銀電極対に曝す。いくつかの実施形態において、正極は少なくとも約99.9%純粋なAgである。いくつかの実施形態において、正極及び負極の両方が、少なくとも約99.9%純粋なAgである。いくつかの実施形態において、純粋なAgとは、約99.99%純粋なAg、99.999%純粋なAg、又は99.9999%純粋なAgをさす。いくつかの実施形態において、正極は負極より高純度の元素銀(Ag)で作成されているかもしれない。約12〜50ボルトの電位差が、正極と負極との間に適用され、それによって、2つの電極間に電流が流れ、銀イオン(Ag)が水性クエン酸へと放出される。
【0043】
銀イオン(Ag)は、水性クエン酸中で安定化される。いくつかの実施形態において、約0.1%銀イオンという水性銀イオンの濃度を得るために必要とされるクエン酸の濃度は、約10体積%酸である。電解質中のクエン酸の濃度の有利な範囲は、約10%〜およそクエン酸の水への溶解限界(即ち、20℃で水100g当たり約52gのクエン酸)である。
【0044】
一般に、溶液中のクエン酸の濃度が大きいほど、その溶液において入手可能な銀イオンの濃度は大きくなることが見出されている。例えば、10%水性クエン酸溶液においては、約0.1%Agという銀イオン濃度を入手することが可能であることが示されているが、より低いAgイオンの濃度が、より低いクエン酸の濃度を使用して入手され得、より高い濃度が、より高いクエン酸の濃度を使用して入手可能である。従って、例えば、クエン酸の水への最大溶解度まで、電解質溶液中のクエン酸の量を変動させることにより、水性クエン酸中の銀イオン濃度の上限を調整することが可能である。同様に、電極間の電位差及び/又は電流、並びに電解質に曝されている間の電極に電圧が適用される時間の長さを変動させることにより、水性クエン酸中の最終銀イオン濃度を、そのような上限まで調整することが可能である。
【0045】
いくつかの実施形態において、水性クエン酸二水素銀は、より詳細に本明細書に記載されるような1つ以上の付加的な成分と組み合わせられる。本発明は、液体、コロイド、リポソーム、ゲル、ゾル、ペースト、ローション、軟膏、オイル、及びその他の物理的形態の、クエン酸二水素銀組成物を提供する。本発明のクエン酸二水素銀溶液の利点は、比較的長い期間、例えば、数日、数ヶ月、又は数年にわたり、抗微生物的に有効な濃度で安定化された銀イオンを提供するという点である。従って、そのようなクエン酸二水素銀を含む本発明の組成物は、抗微生物保存特徴を保有している。さらに、いくつかの実施形態において、クエン酸二水素銀は、使用者又はその環境(例えば、空気、表面、又は衣類)に対する抗微生物効果を付与するのに有効な濃度で本発明の組成物中に存在する。従って、いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、従来入手可能であったよりも増強された、改良された、又は定性的に異なる抗微生物効果を、使用者又は使用者の環境に付与するという利点を保有している。
【0046】
本発明は、少なくとも約50十億分率(ppb)、具体的には少なくとも約100ppb、より具体的には少なくとも約1百万分率(ppm)の濃度で銀イオンを含む抗微生物的に有効なクエン酸二水素銀組成物を提供する。例示的な抗微生物的に有効な銀イオン濃度の範囲は、約50ppb〜約10,000ppm、具体的には約100ppb〜約2,400ppm、より具体的には約1ppm〜約1,000ppmである。これらの濃度は、最終組成物の単位体積当たり(液体の場合)、又は最終組成物の単位重量当たり(固体の場合)の銀イオンの重量に基づく。
【0047】
本明細書において使用されるような「クエン酸二水素銀」という用語は、いくつかの実施形態において本発明の組成物に添加され得る他の抗微生物剤と区別される。
【0048】
本発明のクエン酸二水素銀は、単独で使用されるか、又は、いくつかの実施形態において、1つ以上の他の抗微生物薬及び/又は殺生物薬と組み合わせて、例えば、微生物感受性の水含有製品(化粧用製品及び薬学的製品のための原料のような、パーソナルケア製品、化粧用製品、洗面用品、オーラルケア製品、薬学的製品、表面クリーナー、柔軟剤、及び洗浄剤のような家庭用品、産業用及び事業用の製品の保存のための)、並びに微生物による腐敗を回避するために保存される必要のある、水を含有しているその他の製品のためのin−can防腐剤として、使用される。
【0049】
いくつかの本発明の実施形態において、本発明に係るクエン酸二水素銀1つ以上を含有している化粧用製剤又は薬学的組成物は、後に挙げられるような1つ以上のさらなる抗微生物剤をさらに含有していてもよい。
【0050】
いくつかの実施形態において、抗微生物調製物は、常法を使用して、本発明のクエン酸二水素銀(及び場合によりその他の抗微生物剤)をもう1つの活性又は不活性の物質と物理的に混合することにより、例えば、単純に個々の成分を共に攪拌することにより、特に、既知の抗微生物剤の溶解特性を活用することにより、調製される。
【0051】
いくつかの実施形態において、本発明の化粧用又は薬学的調製物は、0.05〜95%(体積/体積)の本発明に係るクエン酸二水素銀含有クエン酸二水素銀を含有している。いくつかの本発明の化粧用組成物は、クエン酸二水素銀クエン酸二水素銀に加え、他の抗微生物剤又は抗微生物剤の混合物も含有している。
【0052】
「抗微生物剤」とは、抗微生物効果を誘発することができる薬剤である。本発明は、静菌的、殺菌的、殺ウイルス的、静ウイルス的、殺真菌的、又は静真菌的な活性を有する抗微生物剤を提供する。「アルコール以外の抗微生物剤」とは、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、及びフェノールのようなアルコールとして従来既知のモノヒドロキシ化合物のうちの1つ以外の抗微生物剤である。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態において利用される「付加的な抗微生物剤」の例には、以下のものが含まれる:ピリチオン、特に、亜鉛錯体(ZPT);オクトピロックス(Octopirox)(登録商標);ジメチルジメチロールヒダントイン(グライダント(Glydant)(登録商標));メチルクロロイソチアゾリノン/メチルイソチアゾリノン(ケイソン(Kathon)CG(登録商標));亜硫酸ナトリウム;重亜硫酸ナトリウム;イミダゾリジニルウレア(ゲルモール(Germall)115(登録商標)、ジアゾリジニルウレア(ゲルメイル(Germaill)II(登録商標));ベンジルアルコール;2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール(ブロノポール(Bronopol)(登録商標));ホルマリン(ホルムアルデヒド);ヨードプロペニルブチルカルバメート(ポリフェイズ(Polyphase)P100(登録商標));クロロアセトアミド;メタンアミン;メチルジブロモニトリルグルタロニトリル(1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン又はテクタマー(Tektamer)(登録商標));グルタルアルデヒド;5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン(ブロニドクス(Bronidox)(登録商標));フェネチルアルコール;o−フェニルフェノール/ナトリウムo−フェニルフェノール;ナトリウムヒドロキシメチルグリシネート(スットサイド(Suttocide)A(登録商標));ポリメトキシ二環式オキサゾリジン(ヌオセプト(Nuosept)C(登録商標));ジメトキサン;チメルサール(Thimersal);ジクロロベンジルアルコール;キャプタン;クロルフェネシン;ジクロロフェン;クロルブタノール;グリセリルラウレート;ハロゲン化ジフェニルエーテル;2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシ−ジフェニルエーテル(トリクロサン(Triclosan)(登録商標)又はTCS);2,2’−ジヒドロキシ−5,5’−ジブロモ−ジフェニルエーテル;フェノール化合物;フェノール;2−メチルフェノール;3−メチルフェノール;4−メチルフェノール;4−エチルフェノール;2,4−ジメチルフェノール;2,5−ジメチルフェノール;3,4−ジメチルフェノール;2,6−ジメチルフェノール;4−n−プロピルフェノール;4−n−ブチルフェノール;4−n−アミルフェノール;4−tert−アミルフェノール;4−n−ヘキシルフェノール;4−n−ヘプチルフェノール;モノ−及びポリ−アルキル並びに芳香族ハロフェノール;p−クロロフェノール;メチルp−クロロフェノール;エチルp−クロロフェノール;n−プロピルp−クロロフェノール;n−ブチルp−クロロフェノール;n−アミルp−クロロフェノール;sec−アミルp−クロロフェノール;シクロヘキシルp−クロロフェノール;n−ヘプチルp−クロロフェノール;n−オクチルp−クロロフェノール;o−クロロフェノール;メチルo−クロロフェノール;エチルo−クロロフェノール;n−プロピルo−クロロフェノール;n−ブチルo−クロロフェノール;n−アミルo−クロロフェノール;tert−アミルo−クロロフェノール;n−ヘキシルo−クロロフェノール;n−ヘプチルo−クロロフェノール;o−ベンジルp−クロロフェノール;o−ベンキシル(Benxyl)−m−メチルp−クロロフェノール;o−ベンジル−m;m−ジメチルp−クロロフェノール;o−フェニルエチルp−クロロフェノール;o−フェニルエチル−m−メチルp−クロロフェノール;3−メチルp−クロロフェノール;3,5−ジメチルp−クロロフェノール;6−エチル−3−メチルp−クロロフェノール;6−n−プロピル−3−メチルp−クロロフェノール;6−イソ−プロピル−3−メチルp−クロロフェノール;2−エチル−3,5−ジメチルp−クロロフェノール;6−sec−ブチル−3−メチルp−クロロフェノール;2−イソ−プロピル−3,5−ジメチルp−クロロフェノール;6−ジエチルメチル−3−メチルp−クロロフェノール;2−イソ−プロピル−3,5−ジメチルp−クロロフェノール;6−ジエチルメチル−3−メチルp−クロロフェノール;6−イソ−プロピル−2−エチル−3−メチルp−クロロフェノール;2−sec−アミル−3,5−ジメチルp−クロロフェノール;2−ジエチルメチル−3,5−ジメチルp−クロロフェノール;6−sec−オクチル−3−メチルp−クロロフェノール;p−クロロ−m−クレゾール:p−ブロモフェノール;メチルp−ブロモフェノール;エチルp−ブロモフェノール;n−プロピルp−ブロモフェノール;n−ブチルp−ブロモフェノール;n−アミルp−ブロモフェノール;sec−アミルp−ブロモフェノール;n−ヘキシルp−ブロモフェノール;シクロヘキシルp−ブロモフェノール;o−ブロモフェノール;tert−アミルo−ブロモフェノール;n−ヘキシルo−ブロモフェノール;n−プロピル−m,m−ジメチルo−ブロモフェノール;2−フェニルフェノール;4−クロロ−2−メチルフェノール;4−クロロ−3−メチルフェノール;4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール;2,4−ジクロロ−3,5−ジメチルフェノール;3,4,5,6−テトラブロモ−2−メチルフェノール;5−メチル−2−ペンチルフェノール;4−イソプロピル−3−メチルフェノール;パラ−クロロ−メタ−キシレノール(PCMX);クロロチモール;フェノキシエタノール;フェノキシイソプロパノール;5−クロロ−2−ヒドロキシジフェニルメタン;レゾルシノール及びその誘導体;レゾルシノール;メチルレゾルシノール;エチルレゾルシノール;n−プロピルレゾルシノール;n−ブチルレゾルシノール;n−アミルレゾルシノール;n−ヘキシルレゾルシノール;n−ヘプチルレゾルシノール;n−オクチルレゾルシノール;n−ノニルレゾルシノール;フェニルレゾルシノール;ベンジルレゾルシノール;フェニルエチルレゾルシノール;フェニルプロピルレゾルシノール;p−クロロベンジルレゾルシノール;5−クロロ2,4−ジヒドロキシジフェニルメタン;4’−クロロ2,4−ジヒドロキシジフェニルメタン;5−ブロモ2,4−ジヒドロキシジフェニルメタン;4’−ブロモ2,4−ジヒドロキシジフェニルメタン;ビスフェノール化合物;2,2’−メチレンビス−(4−クロロフェノール);2,2’−メチレンビス−(3,4,6−トリクロロフェノール);2,2’−メチレンビス(4−クロロ−6−ブロモフェノール);ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)スルフィド;ビス(2−ヒドロキシ−5−クロロベンジル)スルフィド;安息香酸エステル(パラベン);メチルパラベン;プロピルパラベン;ブチルパラベン;エチルパラベン;イソプロピルパラベン;イソブチルパラベン;ベンジルパラベン;ナトリウムメチルパラベン;ナトリウムプロピルパラベン;ハロゲン化カルバニリド;3,4,4’−トリクロロカルバニリド;(トリクロカルバン(Triclocarban)(登録商標)又はTCC);3−トリフルオロメチル−4,4’−ジクロロカルバニリド;3,3’,4−トリクロロカルバニリド;クロロヘキシジン及びそのジグルコネート;ジアセテート及びジヒドロクロリド;ウンデセン酸;チアベンダゾール、ヘキセチジン(Hexetidine);ポリ(ヘキサメチレンビグアニド)ヒドロクロリド(コスモシル(Cosmocil)(登録商標));JMアクチケア(Acticare)及び微粒子化銀粒子のようなそれらの製剤を含む、塩化銀のようなクエン酸二水素銀以外の他の銀化合物。
【0054】
化粧用の、薬学的な、家庭用の、及び技術的な製品の保存の目的のため、本発明のクエン酸二水素銀含有クエン酸二水素銀の、(以下に挙げられる)ヨーロピアンコスメティックディレクティブ(European Cosmetic Directive)の付録(Annex)VIのもののような「他の抗微生物防腐剤」との組み合わせは、増加した保存効力を示す:ホルムアルデヒド;パラホルムアルデヒド;ヒドロキシビフェニル及びオルト−フェニルフェノールのようなその塩;亜鉛ピリチオン;クロロブタノール;ヒドロキシ安息香酸並びにメチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベンのようなその塩及びエステル;ジブロモヘキサミジン並びにイセチオネート(4,4’−ヘキサメチレンジオキシ−ビス(3−ブロモ−ベンズアミジン)及び4,4’−ヘキサメチレンジオキシ−ビス(3−ブロモ−ベンズアミジニウム2−ヒドロキシエタンスルホネート)を含むその塩;水銀,(アセト−O)フェニル(即ち、酢酸フェニル水銀)及びマーキュレート(Mercurate)(2−),(オルトボエート(orthoboate)(3−)−O)フェニル,二水素(即ち、ホウ酸フェニル水銀);1,3−ビス(2−エチルヘキシル)−ヘキサヒドロ−5−メチル−5−ピリミジン(ヘキセチジン(Hexetidin));5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサン;2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール;2,4−ジクロロベンジルアルコール;3,4,4’トリクロロカルバニリド(トリクロルカルバン(Trichlorcarban));p−クロロ−m−クレゾール;2,4,4’−トリクロロ2−ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン);4,4’−ジクロロ2−ヒドロキシジフェニルエーテル;4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール(クロロキシレノール);イミダゾリジニルウレア;ポリ−(ヘキサメチレンビグアニド)ヒドロクロリド;2−フェノキシエタノール(フェノキシエタノール);ヘキサメチレンテトラミン(メテナミン(Methenamine));1−(3−クロロアリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニア−アダマンタンクロリド(クオタニウム(Quaternium)15);1−(4−クロロフェニオキシ(chlorophenyoxy))−1−(1−イミダゾリル)3,3−ジメチル−2−ブタノン(クリンバゾール(Climbazole));1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5−ジメチル−2,4−イミダゾリジンジオン(DMDMヒダントイン);ベンジルアルコール;1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタン;2,2’メチレン−ビス(6−ブロモ−4−クロロフェノール)(ブロモクロロフェン);メチルクロロイソチアゾロン、メチルイソチアゾロン、オクチルイソチアゾロン、ベンジルイソチアゾロン;2−ベンジル−4−クロロフェノール(クロロフェノン(Chlorophenone));クロルアセトアミド;クロルヘキシジン、クロルヘキシジンアセテート、クロルヘキシジングルコネート、クロルヘキシジンヒドロクロリド;1−フェノキシ−プロパン−2−オール(フェノキシイソプロパノール);4,4−ジメチル−1,3−オキサゾリジン(ジメチルオキサゾリジン);ジアゾリジニルウレア;4,4’−ヘキサメチレンジオキシビスベンズアミジン及び4,4’−ヘキサメチレンジオキシビス(ベンズアミジニウム−2−ヒドロキシエタンスルホネート);グルタルアルデヒド(1,5−ペンタンジアール);7−エチルビシクロオキサゾリジン;3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール(クロロフェネシン(chlorophenesin));フェニルメトキシメタノール及び((フェニルメトキシ)(メトキシ)−メタノール(ベンジルヘミホルマール);N−アルキル(C12−C22)トリメチルアンモニウムブロミド及び−クロリド(臭化セトリモニウム、塩化セトリモニウム);ベンジル−ジメチル−(4−(2−(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノキシ)−エトキシ)−エチル)−アンモニウムクロリド(塩化ベンゼトニウム);アルキル−(C8−C18)−ジメチル−ジンベルアンモニウムクロリド、−ブロミド、及びサッカリネート(saccharinate);(塩化ベンザルコニウム、臭化ベンザルコニウム、ベンザルコニウムサッカリネート);安息香酸並びにその塩及びエステル;プロピオン酸及びその塩;サリチル酸及びその塩;ソルビン酸及びその塩;ヨウ化ナトリウム(sodium iodinate);亜硫酸ナトリウムのような無機の亜硫酸塩及び重亜硫酸塩;デヒドロ酢酸;ギ酸;マーキュレート(1−エチル)2−メルカプトベンゾエート(2−)−O,S−,水素(チオメルサール(Thiomersal)又はチオメロサール(Thiomerosal));10−ウンデシレン酸及びその塩;オクトピロックス(ピロクトンオラミン(piroctone olamine));ナトリウムヒドロキシメチル−アミノアセテート(ナトリウムヒドロキシメチルグリシネート);JMアクチケアのような銀化合物;並びに3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート。
【0055】
本発明は、さらに、天然精油又はそれらの誘導体である天然抗微生物活性物質を含む他の抗微生物剤を含有している組成物を提供する。これらの薬剤の名称は、植物、微生物、又は動物に天然に存在することに由来する。抗菌特性を有するいくつかの天然精油には、アニス、レモン、オレンジ、ローズマリー、ヒメコウジ、タイム、ラベンダー、チョウジノキ、ホップ、チャノキ、コウスイガヤ、小麦、大麦、レモングラス、シーダー葉、シーダー材、シナモン、フリーグラス(fleagrass)、ゼラニウム、ビャクダン、スミレ、ツルコケモモ、ユーカリノキ、クマツヅラ、ハッカ、ブルーサイプレス(blue cypress)、ベンゾイン、メボウキ、ウイキョウ、モミ、バルサム、メントール、オクメア・オリガヌム(ocmea origanum)、ヒダスチス・カナデンシス(Hydastis canadensis)、バーベリダソー・ダソー(Berberidaceae daceae)、ラタンヒエ(Ratanhiae)、及びクルクマ・ロンガ(Curcuma longa)の油が含まれる。天然精油のこのクラスには、抗微生物利益を提供することが見出されている植物、微生物、又は動物に由来する油の中心的な化学成分も含まれる。これらの化学物質には、アネトール、カテコール(catechole)、カンフェン、カルバコール(carvacol)、オイゲノール、ユーカリプトール、フェルラ酸、ファルネソール、ヒノキチオール、トロポロン、リモネン、メントール、サリチル酸メチル、チモール、テルピネオール、ベルベノン(verbenone)、ベルベリン、ラタニア(ratanhiae)抽出物、カリオフェレン(caryophellene)酸化物、シトロネル酸、クルクミン、ネロリドール及びゲラニオール、キトサン又はそれらの誘導体が含まれるが、これらに制限はされない。
【0056】
家庭内適用(例えば、表面クリーナー、食器用洗剤、洗濯用洗浄剤、ファブリックケアのためのアフターリンス)及びパーソナルケア(例えば、セッケン、脱臭剤/制汗剤のようなリーブオン(leave on)製品、油中水型、水中油型のローション及びクリーム、並びにゲル、練り歯磨き、及び洗口剤)のための製品の製造業者のための、より広い抗微生物活性のスペクトル、より容易な取り込み、及びより高い便利さを達成するため、(微生物による腐敗からの最終的な家庭用品もしくはパーソナルケア製品の防御のための)防腐剤として、又は生物もしくは非生物の表面において最終製品の特別な抗微生物活性を提供する抗微生物剤として使用される抗微生物剤のブレンドが提示される。
【0057】
そのような濃縮ブレンドを達成するためには、「付加的な抗微生物剤」及び/又は「他の抗微生物防腐剤」として本明細書に挙げられた殺生物質が、パーソナルケア製品及び家庭用品の製剤化のために使用され得る原料を入手するため、ある比率で混合される。以下の表1に、そのようなブレンドの代表例が挙げられる。全ての殺生物質が、「付加的な抗微生物剤」及び/又は「他の抗微生物防腐剤」として本明細書に開示されたものより選択される。ブレンド中のこれらの殺生物質の濃度は、1%〜99%、好ましくは10%〜90%である。家庭用品及びパーソナルケア製品におけるこれらのブレンドの使用濃度は、典型的には、0.1%〜5%、好ましくは0.2%〜2%の範囲内である。
【0058】
【表1−1】

【0059】
【表1−2】

【0060】
【表1−3】


【0061】
本発明は、さらに、非銀抗菌性金属塩を含有している組成物を提供する。このクラスには、一般に、3b〜7b族、8族、及び3a〜5a族の金属の塩が含まれる。本発明のいくつかの実施形態において特に有用であるのは、アルミニウム、ジルコニウム、亜鉛、金、銅、ランタン、スズ、水銀、ビスマス、セレン、ストロンチウム、スカンジウム、イットリウム、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムの塩、及びそれらの混合物である。
【0062】
本発明は、さらに、1つ以上のキレート剤を含む組成物を提供する。例示的なキレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ベータ−アラニン二酢酸(EDETA))、ホスホノメチルキトサン、カルボキシメチルキトサン、ヒドロキシエチレンジアミノ四酢酸、ニトリロ三酢酸(NTA)、及びエチレンジアミン二コハク酸(S,S−EDDS、R,R−EDDS、又はS,R−EDDS)である。いくつかの実施形態において、そのようなキレート剤は、本発明のクエン酸二水素銀クエン酸二水素銀と組み合わせられて、付加的な効果を提供するか、又は相乗的な効果すら提供する。
【0063】
本発明は、さらに、1つ以上の芳香剤を含むパーソナルケア組成物及びホームケア組成物を提供する。特定の組成物において、クエン酸二水素銀クエン酸二水素銀と、1つ以上の香料、特に、植物由来油を含有しているものとの組み合わせは、改良された、又は定性的に異なる抗微生物効力をもたらす。
【0064】
本発明は、特に、クエン酸二水素銀クエン酸二水素銀を、亜鉛ピリチオン、オクトピロックス、クリンバゾール、硫黄、ケトコナゾール及びイトラコナゾールのようなイミダゾール誘導体、又はサリチル酸のような他の抗微生物薬と組み合わせることにより、抗フケ効果を付与するヘアケア組成物及び方法も提供する。
【0065】
本発明は、腋の下用脱臭剤、腋の下用制汗/脱臭組成物、エアロゾルルームデオドライザー、固体ルームデオドライザー等のような、脱臭のためのパーソナルケア組成物及びホームケア組成物を提供する。特に、本発明は、以下の群の1つ以上のメンバーを含むパーソナルケア及びホームケアの脱臭組成物を提供する:ファルネソール、香料、フェノキシエタノール、第四級化合物、トリクロサン、トリクロカルバン、安息香酸もしくはソルビン酸のような有機酸、ポリ−(ヘキサメチレンビグアニド)ヒドロクロリドのようなビグアニド、又はその他の上に挙げられたクエン酸二水素銀。本発明は、さらに、脱臭剤及び1つ以上の制汗剤(例えば、クロルヒドロキシアルミニウム(aluminum chlorhydrate)、クロルヒドロキシジルコニウム、並びにアルミニウム、亜鉛、及びジルコニウムのその他の塩)、アルコール、キレート剤、又は抗酸化剤を含むパーソナルケア組成物を提供する。いくつかの実施形態において、そのような成分も、本発明のクエン酸二水素銀の増強された又は定性的に異なる抗微生物活性をもたらす。
【0066】
本発明は、さらに、皮膚糸状菌に対して有効なパーソナルケア組成物及び方法を提供する。皮膚糸状菌は、皮膚、毛髪、又は爪に感染する寄生性の真菌である。例えば、本発明のクエン酸二水素銀クエン酸二水素銀の、10−ウンデシレン酸、ソルビン酸、安息香酸、サリチル酸、又はケトコナゾール及び/もしくはイトラコナゾールのようなイミダゾール誘導体との組み合わせは、いくつかの実施形態において、増強された皮膚糸状菌に(dermatophytically)有効な組成物を与えるであろう。そのような組成物の皮膚糸状菌寄生部位への適用は、皮膚糸状菌の増殖の阻止、感染の重度の減少、又はその両方をもたらすであろう。
【0067】
本発明は、さらに、ざ瘡に対して有効なパーソナルケア組成物及び方法を提供する。例えば、本発明のクエン酸二水素銀の、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、塩化ベンザルコニウム、臭化セトリモニウム、又は塩化ベンゼトニウム、硫黄、又はサリチル酸のような他の抗微生物薬との組み合わせは、抗ざ瘡組成物を与えるであろう。ざ瘡により影響を受けた区域に適用された場合、その組成物は、抗ざ瘡効果を与えるであろう。
【0068】
本発明は、さらに、陰イオン性界面活性剤を含むクレンジング組成物を提供する。いくつかの実施形態において、陰イオン性界面活性剤は、重量でクレンジング組成物の約0.05%〜約10%、好ましくは約0.1%〜約2%、より好ましくは約0.2%〜約1%を構成した。
【0069】
本発明の組成物の実施形態において有用な陰イオン性発泡性界面活性剤の非制限的な例は、The Manufacturing Confectioner Publishing Co.出版のMcCutcheon’s,Detergents and Emulsifiers,North American edition(1990);McCutcheon’s,Functional Materials,North American Edition(1992);及び1975年12月30日発行のLaughlinらの米国特許第3,929,678号(これらは全て参照により本明細書に組み入れられる)に開示されている。
【0070】
多様な陰イオン性界面活性剤が、本発明の実施形態において有用であろう。陰イオン性発泡性界面活性剤の非制限的な例には、アルキル及びアルキルエーテルスルフェート;硫酸化モノグリセリド;スルホン化オレフィン;アルキルアリールスルホネート;第1級又は第2級のアルカンスルホネート;アルキルスルホスクシネート;アシルタウレート;アシルイセチオネート;アルキルグリセリルエーテルスルホネート;スルホン化メチルエステル;スルホン化脂肪酸;アルキルホスフェート;アシルグルタメート;アシルサルコシネート(sarcosinate);アルキルスルホアセテート;アシル化ペプチド;アルキルエーテルカルボキシレート;アシルラクチレート(lactylates);陰イオン性フルオロ界面活性剤(fluorosurfactants);並びにそれらの混合物からなる群より選択されるものが含まれる。陰イオン性界面活性剤の混合物は、本発明のいくつかの実施形態において有効に使用され得る。
【0071】
本発明のクレンジング組成物において使用するための陰イオン性界面活性剤には、アルキル及びアルキルエーテルスルフェートが含まれる。これらの材料は、それぞれ、R11−O−SO−M及びR11−(CH−O)x−O−SO−M[式中、R11は、炭素原子約8〜約24個の飽和又は不飽和の分岐型又は非分岐型のアルキル基であり、xは1〜10であり、かつMは、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びモノエタノールアミンのような水溶性陽イオンである]という式を有する。アルキルスルフェートは、典型的には、三酸化硫黄又はその他の既知の硫酸化技術を使用した(炭素原子約8〜約24個を有する)一価アルコールの硫酸化により作成される。アルキルエーテルスルフェートは、典型的には、エチレンオキシド及び(炭素原子約8〜約24個を有する)一価アルコールの縮合生成物として作成され、次いで硫酸化される。これらのアルコールは、脂肪、例えば、ココヤシ油もしくは牛脂に由来してもよいし、又は合成であってもよい。本発明のクレンザー組成物のいくつかの実施形態において有用なアルキルスルフェートの具体例は、ラウリルスルフェート又はミリスチルスルフェートのナトリウム塩、アンモニウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、又はTEA塩である。アルキルエーテルスルフェートの例には、ラウレス−3硫酸アンモニウム、ナトリウム、マグネシウム、又はTEAが含まれる。
【0072】
陰イオン性界面活性剤のもう1つの適当なクラスは、式R12−CO−O−CH−C(OH)H−CH−O−SOM(式中、R12は、炭素原子約8〜約24個の飽和又は不飽和の分岐型又は非分岐型のアルキル基であり、かつMは、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びモノエタノールアミンのような水溶性陽イオンである)の硫酸化モノグリセリドである。これらは、典型的には、グリセリンを(炭素原子約8〜約24個を有する)脂肪酸と反応させてモノグリセリドを形成させ、その後、このモノグリセリドを三酸化硫黄により硫酸化することにより作成される。硫酸化モノグリセリドの例は、ココモノグリセリド(cocomonoglyceride)硫酸ナトリウムである。
【0073】
その他の適当な陰イオン性界面活性剤には、式R13SO−M(式中、R13は、炭素原子約12〜約24個を有するモノ−オレフィンであり、かつMは、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びモノエタノールアミンのような水溶性陽イオンである)のオレフィンスルホネートが含まれる。これらの化合物は、非錯体三酸化硫黄によりα−オレフィンをスルホン化し、続いて、反応中に形成されたスルホンが加水分解され、対応するヒドロキシアルカンスルホネートが得られるような条件で、酸性反応混合物を中和することにより、作製され得る。スルホン化オレフィンの例は、C14/C16α−オレフィンスルホン酸ナトリウムである。
【0074】
その他の適当な陰イオン性界面活性剤は、式R14−C−SO−M(式中、R14は、炭素原子約8〜約24個を有する飽和又は不飽和の分岐型又は非分岐型のアルキル基であり、かつMは、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びモノエタノールアミンのような水溶性陽イオンである)の直鎖型アルキルベンゼンスルホネートである。これらは、直鎖型アルキルベンゼンの三酸化硫黄によるスルホン化により形成される。この陰イオン性界面活性剤の例は、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムである。
【0075】
本発明のクレンジング組成物の実施形態に適したさらにその他の陰イオン性界面活性剤には、式R15−SO−M(式中、R15は、炭素原子約8〜約24個を有する飽和又は不飽和の分岐型又は非分岐型のアルキル鎖であり、かつMは、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びモノエタノールアミンのような水溶性陽イオンである)の第一級又は第二級のアルカンスルホネートが含まれる。これらは、一般的には、塩素及び紫外光の存在下での二酸化硫黄を使用したパラフィンのスルホン化、又はもう1つの既知のスルホン化法により形成される。スルホン化は、アルキル鎖の第二級又は第一級の位置において起こり得る。本発明において有用なアルカンスルホネートの例は、C13−C17パラフィンスルホン酸アルカリ金属又はアンモニウムである。
【0076】
さらにその他の適当な陰イオン性界面活性剤は、N−オクタデシルスルホスクシナメート(sulfosuccinamate)二ナトリウム;ラウリルスルホスクシネート二アンモニウム;N−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オクタデシルスルホスクシネート四ナトリウム;スルホコハク酸ナトリウムのジアミルエステル;スルホコハク酸ナトリウムのジヘキシルエステル;並びにスルホコハク酸ナトリウムのジオクチルエステルを含むアルキルスルホスクシネートである。
【0077】
2−アミノエタンスルホン酸としても既知であるタウリンに基づくタウレートも、有用である。タウレートの例には、参照により完全に本明細書に組み入れられる米国特許第2,658,072号の教示に従い、ドデシルアミンをイセチオン酸ナトリウムと反応させることにより調製されるもののような、N−アルキルタウリンが含まれる。本発明の実施形態において有用なタウリン誘導体のその他の例には、n−メチルタウリンの(炭素原子約8〜約24個を有する)脂肪酸との反応により形成されるアシルタウリンが含まれる。
【0078】
本発明のクレンジング組成物のいくつかの実施形態において使用するのに適した陰イオン性界面活性剤のもう1つのクラスは、アシルイセチオネートである。アシルイセチオネートは、典型的には、式R16−CO−O−CH−CHSO−M(式中、R16は、炭素原子約10〜約30個を有する飽和又は不飽和の分岐型又は非分岐型のアルキル基であり、かつMは陽イオンである)を有する。これらは、典型的には、(炭素原子約8〜約30個を有する)脂肪酸のイセチオン酸アルカリ金属との反応により形成される。これらのアシルイセチオネートの非制限的な例には、ココイル(cocoyl)イセチオネートアンモニウム、ココイルイセチオネートナトリウム、ラウロイルイセチオネートナトリウム、及びそれらの混合物が含まれる。
【0079】
さらにその他の適当な陰イオン性界面活性剤は、式R17−OCH−C(OH)H−CH−SO−M(式中、R17は、炭素原子約8〜約24個の飽和又は不飽和の分岐型又は非分岐型のアルキル基であり、かつMは、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びモノエタノールアミンのような水溶性陽イオンである)のアルキルグリセリルエーテルスルホネートである。これらは、エピクロロヒドリン及び重亜硫酸ナトリウムの(炭素原子約8〜約24個を有する)脂肪アルコールとの反応、又はその他の既知の方法により、形成され得る。一例は、ココグリセリル(cocoglyceryl)エーテルスルホン酸ナトリウムである。
【0080】
その他の適当な陰イオン性界面活性剤には、式R18−CH(SO)−COOHのスルホン化脂肪酸及び式R18−CH(SO)−CO−O−−CHのスルホン化メチルエステルが含まれる(式中、R18は、炭素原子約8〜約24個の飽和又は不飽和の分岐型又は非分岐型のアルキル基である)。これらの界面活性剤は、一般に、(炭素原子約8〜約24個を有する)脂肪酸もしくはアルキルメチルエステルの三酸化硫黄によるスルホン化、又はその他の既知のスルホン化技術により形成される。例には、アルファスルホン化ココヤシ脂肪酸及びラウリルメチルエステルが含まれる。
【0081】
その他の適当な陰イオン性材料には、五酸化リンの、炭素原子約8〜約24個を有する分岐型又は非分岐型の1価アルコールとの反応により形成されるモノアルキル−、ジアルキル−、トリアルキル硫酸塩のようなホスフェートが含まれる。いくつかの実施形態において、これらの陰イオン性材料は、その他の既知のリン酸化(phosphation)法によっても形成される。このクラスの界面活性剤の例は、モノ又はジラウリル硫酸ナトリウムである。
【0082】
その他の適当な陰イオン性材料には、式R19−CO−N(COOH)−CHCH−CO−M(式中、R19は、炭素原子約8〜約24個の飽和又は不飽和の分岐型又は非分岐型のアルキル又はアルケニル基であり、かつMは水溶性陽イオンである)に相当するアシルグルタメートが含まれる。その非制限的な例には、ラウロイルグルタメートナトリウム及びココイルグルタメートナトリウムが含まれる。
【0083】
その他の陰イオン性材料には、式R20−CON(CH)−CHCH−CO−M(式中、R20は、炭素原子約10〜約20個の飽和又は不飽和の分岐型又は非分岐型のアルキル又はアルケニル基であり、かつMは水溶性陽イオンである)に相当するアルカノイルサルコシネートが含まれる。その非制限的な例には、ラウロイルサルコシネートナトリウム、ココイルサルコシネートナトリウム、及びラウロイルサルコシネートアンモニウムが含まれる。
【0084】
その他の陰イオン性材料には、式R21−(OCHCH)x−OCH−CO−M(式中、R21は、炭素原子約8〜約24個の飽和又は不飽和の分岐型又は非分岐型のアルキル又はアルケニル基であり、xは1〜10であり、かつMは水溶性陽イオンである)に相当するアルキルエーテルカルボキシレートが含まれる。その非制限的な例には、ラウレスカルボン酸ナトリウムが含まれる。
【0085】
その他の陰イオン性材料には、式R22−CO−[O−CH(CH)−CO]x−CO−M(式中、R22は、炭素原子約8〜約24個の飽和又は不飽和の分岐型又は非分岐型のアルキル又はアルケニル基であり、xは3であり、かつMは水溶性陽イオンである)に相当するアシルラクチレートが含まれ、その非制限的な例には、ココイルラクチレートナトリウムが含まれる。
【0086】
その他の陰イオン性材料には、カルボキシレートが含まれ、その非制限的な例には、ラウロイルカルボン酸ナトリウム、ココイルカルボン酸ナトリウム、及びラウロイルカルボン酸アンモニウムが含まれる。陰イオン性フルオロ界面活性剤も使用され得る。
【0087】
対陽イオン(M)は、陰イオン性界面活性剤の負の電荷と平衡する。いくつかの特に適当な対陽イオンは、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンである。特に適当な対陽イオンは、アンモニウムである。
【0088】
本発明は、さらに、1つ以上の非イオン性界面活性剤を含むパーソナルケア組成物及びホームケア組成物を提供する。いくつかの非イオン性界面活性剤は、脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪アミド、多価アルコール(例えば、ソルビタンモノステアレート)、及びポリプロピレンオキシド(例えば、プルロニック(Pluronic)(登録商標)材料)とのポリ(エチレンオキシド)の縮合生成物のような、エチレンオキシドの、長い疎水性鎖(例えば、炭素原子約12〜20個の脂肪族鎖)を有する、それと反応性の様々な反応性水素含有化合物との縮合生成物であり、その縮合生成物(「エトキサマー(ethoxamers)」)は、親水性ポリオキシエチレンモエティを含有している。ポリオキサマー(Polyoxamers)には、例えば、約3000〜5000の平均分子量及び約3500〜4000の好ましい平均分子量を有し、重量でブロックコポリマーの10〜80%の親水性ポリオキシエチレン基を含有している、ポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プルロニックF127)が含まれる。
【0089】
本発明は、さらに、1つ以上の両性界面活性剤を含むパーソナルケア組成物及びホームケア組成物を提供する。いくつかの両性界面活性剤は、C−C18−ベタイン、C−C18−スルホベタイン、C−C24−アルキルアミド−C−C−アルキレンベタイン、イミダゾリンカルボキシレート、アルキルアンホ(ampho)カルボキシカルボン酸、アルキルアンホカルボン酸(例えば、ラウロアンホグリシネート)、及びN−アルキル−β−アミノプロピオネート又は−イミノジプロピオネートである。特定の実施形態において、両性界面活性剤には、C10−C20−アルキルアミドC−C−アルキレンベタイン及び/又はココ(coco)脂肪酸アミドプロピルベタインが含まれる。
【0090】
本発明は、さらに、陰イオン性、非イオン性、及び両性の界面活性剤の組み合わせを含むパーソナルケア組成物及びホームケア組成物を提供する。陰イオン性、非イオン性、及び両性の界面活性剤は、上に示されている。
【0091】
本発明は、さらに、(それ自体、プロトン供与剤と見なされ得るクエン酸とは別の)付加的なプロトン供与剤、好ましくは(組成物の重量に基づき)約0.1%〜約10%、より好ましくは約0.5%〜約8%、最も好ましくは約1%〜約5%のプロトン供与剤を含む抗微生物組成物を提供する。この情況において、「プロトン供与剤」とは、使用後に皮膚上に非解離の酸をもたらす(クエン酸とは別の)酸性化合物又はそれらの混合物を意味する。プロトン供与剤は、ポリマー酸、鉱酸、又はそれらの混合物を含む有機酸であり得る。これらの付加的な有機プロトン供与剤は、酸の形態で組成物に直接添加されてもよいし、又は所望の酸の共役塩基、及びその共役塩基から非解離の酸を形成するために十分に強い(即ち、十分に低いpKaを有する)、十分な量の別の酸(例えば、上記の有機酸)を添加することにより形成されてもよい。いくつかの実施形態において、プロトン供与剤には、未希釈の組成物中で、かつ/又は組成物が洗浄及び濯ぎの間に希釈された場合に、非解離のまま維持されるであろう鉱酸が含まれる。これらのプロトン供与剤は、酸の形態で組成物に直接添加される。
【0092】
本発明は、さらに、約2〜約7の範囲内のpHを有するパーソナルケア組成物及びホームケア組成物を提供する。本発明のクエン酸二水素銀は、パーソナルケア製品及び家庭用品において典型的に使用される広いpH範囲内で活性である。本発明のクエン酸二水素銀を含有している製剤のpH範囲は、一般に、pH8未満である。(スキントリートメント及びクレンザーを含む)本発明のいくつかの実施形態において、本発明の抗微生物組成物のpHは、皮膚上で実質的に非解離の酸が形成されるか又は沈着するよう十分に低いレベルに調整される。そのような実施形態において、本発明の組成物のpHは、約3.0〜約6.0、好ましくは約3.0〜約5.0、より好ましくは約3.5〜約4.5の範囲に調整され、好ましくは緩衝されるであろう。必要であれば、強酸(例えば、HCl、HSO、HPO、HBr、HI、HSO、HPO等のような鉱酸)が、pHを所望の範囲へと低下させるために使用され得る。
【0093】
本発明のいくつかの実施形態において、プロトン供与剤として機能する有機酸の例の非排他的なリストは、アジピン酸;酒石酸;クエン酸;マレイン酸;乳酸;リンゴ酸;コハク酸;グリコール酸;グルタル酸;安息香酸;マロン酸;サリチル酸;グルコン酸;グルコノラクトン(特に、グルコノ−デルタ−ラクトン);2−ピロリドン−5カルボン酸;ポリアクリル酸;それらの塩;及び(場合により、1つ以上の鉱酸を含む)それらの混合物である。鉱酸の例の非排他的なリストには、以下のものが含まれる:塩酸;リン酸;硫酸及びそれらの混合物。付加的なプロトン供与剤の特定の例には、以下のものが含まれる:2−ピロリドン−5カルボン酸;グルコノラクトン;それらの異性体;及びそれらの混合物。
【0094】
本発明は、さらに、「低刺激性増強剤」が添加されたパーソナルケア組成物及びホームケア組成物を提供する。これらの「低刺激性増強成分」には、陽イオン性及び非イオン性のポリマー、コ界面活性剤、保湿剤、並びにそれらの混合物が含まれる。いくつかの実施形態において使用されるポリマーには、以下のものが含まれる:ポリエチレングリコール;ポリプロピレングリコール;加水分解された絹タンパク質;加水分解された乳タンパク質;加水分解されたケラチンタンパク質;グアールヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド;ポリクアット(polyquats);シリコンポリマー、及びそれらの混合物。いくつかの実施形態において、低刺激性増強ポリマーは、重量で抗微生物組成物の約0.1%〜約1%、好ましくは約0.2%〜約1.0%、より好ましくは約0.2%〜約0.6%を構成する。いくつかの実施形態において使用されるコ界面活性剤には、以下のものが含まれる:エトキシル化アルコールのゲナポール(Genapol)24(登録商標)シリーズ;POE(20)ソルビタンモノオレエート(Tween(Tween)(登録商標)80);ポリエチレングリコールココエート(cocoate)、及びプルロニック(Pluronic)(登録商標)プロピレンオキシド/エチレンオキシドブロックポリマーのような非イオン性界面活性剤;並びにアルキルベタイン;アルキルスルテイン(sultaines);アルキルアンホアセテート;アルキルアンホジアセテート;アルキルアンホプロピオネート;及びアルキルアンホジプロピオネートのような両性界面活性剤。いくつかの実施形態において、低刺激性増強コ界面活性剤は、重量でクレンジング組成物の約20%〜約70%、好ましくは約20%〜約50%の陰イオン性界面活性剤を含む。
【0095】
本発明は、さらに、使用者の皮膚に沈着した場合に、使用者に保湿利益を提供する1つ以上の脂質皮膚保湿剤を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態において、親油性皮膚保湿剤は、重量で組成物の約0.1%〜約30%、好ましくは約0.2%〜約10%、最も好ましくは約0.5%〜約5%を構成する。いくつかの実施形態において、親油性皮膚保湿剤は、(参照により明白に本明細書に組み入れられる)Vaughan in Cosmetics and Toiletries,Vol.103,p.47−69,October 1988により定義されるような溶解度パラメーターにより特徴づけられる。5〜10、好ましくは5.5〜9のヴォーン溶解度パラメーター(Vaughan solubility Parameter)(VSP)を有する親油性皮膚保湿剤が、本発明の抗微生物組成物の抗微生物クレンジング実施形態において使用するのに適している。
【0096】
多様な「脂質型材料」及び材料の混合物が、本発明の抗微生物組成物の実施形態において使用するのに適しているであろう。「脂質型材料」とは、親油性化合物を意味し、親油性スキンコンディショニング剤を含む。いくつかのそのようなスキンコンディショニング剤は、以下の通りである:炭化水素油及びワックス;シリコン;脂肪酸誘導体;コレステロール;コレステロール誘導体;ジ−及びトリ−グリセリド;植物油;植物油誘導体;全て参照により本明細書に組み入れられる(1971年8月17日発行のMattsonの米国特許第3,600,186号、並びに1977年1月25日発行のJandacekらの米国特許第4,005,195号及び第4,005,196号に記載されたもののような)の液体非消化可能油;又は(全て参照により本明細書に組み入れられる1989年1月10日発行のJandacekの米国特許第4,797,300号;1994年4月26日発行のLettonの米国特許第5,306,514号、第5,306,516号、及び第5,306,515号に記載されたもののような)固体ポリオールポリエステルとの液体の消化可能又は非消化可能な油のブレンド;並びにアセトグリセリドエステル;アルキルエステル;アルケニルエステル;ラノリン及びその誘導体;乳トリグリセリド;ワックスエステル;ミツロウ誘導体;ステロール;リン脂質;並びにこれらの任意の又は全ての混合物。脂肪酸、脂肪酸セッケン、及び水溶性ポリオールは、親油性皮膚保湿剤のこの定義から特別に排除される。
【0097】
脂質型材料のいくつかの例は、以下の通りである:ワセリン;鉱油微晶質ワックス;ポリアルケン(例えば、水素化及び非水素化ポリブテン及びポリデセン);パラフィン;セラシン(cerasin);オゾケライト;ポリエチレン;並びにペルヒドロスクアレン。ワセリンとポリブテンとの比率が約90:10から約40:60の範囲である、ワセリンと水素化及び非水素化高分子量ポリブテンとのブレンドも、本発明の組成物における脂質皮膚保湿剤として、いくつかの実施形態において使用するのに適している。
【0098】
脂質型材料のいくつかの付加的な例は、以下の通りである:ジメチコンコポリオール;ジメチルポリシロキサン;ジエチルポリシロキサン;高分子量ジメチコン;混合C−C30アルキルポリシロキサン;フェニルジメチコン;ジメチコノール、及びこれらの2つ以上の混合物。いくつかの実施形態においてより好ましいのは、ジメチコン;ジメチコノール;混合C−C30アルキルポリシロキサン;及びこれらの2つ以上の混合物より選択される不揮発性シリコンである。いくつかの実施形態において有用なシリコンの非制限的な例は、参照により組み入れられる1991年4月30日発行のCiottiらの米国特許第5,011,681号に記載されている。
【0099】
脂質型材料のいくつかの付加的な例は、以下の通りである:ヒマシ油;大豆油;マレイン酸化(maleated)大豆油のような誘導体化された大豆油;ベニバナ油;綿実油;トウモロコシ油;クルミ油;落花生油;オリーブ油;タラ肝油;アーモンド油;アボカド油;パーム油及びゴマ油;植物油及び植物油誘導体;ココヤシ油及び誘導体化されたココヤシ油;綿実油及び誘導体化された綿実油;ホホバ油;カカオ脂;等、並びにこれらの2つ以上の混合物。アセトグリセリドエステルは、いくつかの実施形態において有用であり;一例はアセチル化モノグリセリドである。ラノリン及びその誘導体は、いくつかの実施形態において好ましく;いくつかの例は、以下の通りである:ラノリン、ラノリン油、ラノリンワックス、ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸、イソプロピルラノレート(lanolate)、アセチル化ラノリン、アセチル化ラノリンアルコール、ラノリンアルコールリノレエート、及びラノリンアルコールリコノレエート(riconoleate)。
【0100】
いくつかの実施形態において、親油性スキンコンディショニング剤の少なくとも75%は、以下のものからなる群より選択される脂質からなることが最も好ましい:ワセリン;ワセリンと高分子量ポリブテンとのブレンド;鉱油;液体非消化可能油(例えば、液体綿実ショ糖オクタエステル);又は液体の消化可能もしくは非消化可能な油と固体ポリオールポリエステルとの比率が約96:4〜約80:20の範囲である、液体の消化可能又は非消化可能な油と、固体ポリオールポリエステル(例えば、C22脂肪酸から調製されたショ糖オクタエステル)とのブレンド;水素化又は非水素化ポリブテン;微晶質ワックス;ポリアルケン;パラフィン;セラシン;オゾケライト;ポリエチレン;ペルヒドロスクアレン;ジメチコン;アルキルシロキサン;ポリメチルシロキサン;メチルフェニルポリシロキサン;及びそれらの2つ以上の混合物。ワセリンと他の脂質とのブレンドを含む実施形態において、ワセリンと、他の選択された脂質(水素化もしくは非水素化ポリブテンもしくはポリデセン又は鉱油)との比率は、好ましくは約10:1〜約1:2、より好ましくは約5:1〜約1:1である。
【0101】
親油性皮膚保湿剤が、本発明の抗微生物組成物において低刺激性増強剤として利用されるいくつかの実施形態においては、安定剤が、重量で抗微生物組成物の約0.1%〜約10%、好ましくは約0.1%〜約8%、より好ましくは約0.1%〜約5%の範囲のレベルで含まれるであろう。「安定剤」とは、製品中の親油性皮膚保湿剤の液滴の癒合及び相分離を防止する結晶安定化ネットワークを液体組成物中に形成する化合物又は混合物である。ネットワークは、剪断加工後に、粘性の時間依存的な回復を示す(例えば、チキソトロピー)。
【0102】
上に開示された安定剤には、界面活性剤は含まれない。安定剤は、改良された貯蔵安定性及びストレス安定性を提供する。いくつかの実施形態において、好ましいヒドロキシル含有安定剤には、12−ヒドロキシステアリン酸、9,10−ジヒドロキシステアリン酸、トリ−9,10−ジヒドロキシステアリン、トリ−12−ヒドロキシステアリン(水素化ヒマシ油は主としてトリ−12−ヒドロキシステアリンである)が含まれる。トリ−12−ヒドロキシステアリンが、本発明の組成物のいくつかの実施形態において最も好ましい。これらの結晶性のヒドロキシル含有安定剤が、本発明の抗微生物組成物(例えば、特に、クレンジング組成物)の実施形態において利用される場合、それらは、典型的には、抗微生物組成物の約0.1%〜10%、好ましくは0.1%〜8%、より好ましくは0.1%〜約5%で存在する。安定剤は、外界条件〜ほぼ外界条件において、純水に不溶性である。
【0103】
いくつかの実施形態において、本発明の抗微生物組成物において利用される安定剤には、ポリマー性濃化剤が含まれる。「濃化剤」とは、液体組成物の粘性を増加させ得るが、必ずしも上記の架橋マトリックスを形成しない化合物である。特定の濃化剤は、より詳細に本明細書に記載される。ポリマー性濃化剤が本発明の抗微生物組成物の実施形態において安定剤として使用される場合、それらは、典型的には、重量で組成物の約0.01%〜約5%、好ましくは約0.3%〜約3%の範囲の量で含まれる。いくつかの実施形態において、ポリマー性濃化剤は、好ましくは、以下のものからなる群より選択される陰イオン性の、非イオン性の、陽イオン性の、又は疎水的に修飾されたポリマーである:1,000〜3,000,000の分子量を有する陽イオン性グアールゴムクラスの陽イオン性多糖;アクリル酸及び/又はメタクリル酸に由来する陰イオン性、陽イオン性、及び非イオン性のホモポリマー;陰イオン性、陽イオン性、及び非イオン性のセルロース樹脂;ジメチルジアルキルアンモニウムクロリド及びアクリル酸の陽イオン性コポリマー;ジメチルアルキルアンモニウムクロリドの陽イオン性ホモポリマー;陽イオン性ポリアルクレン(alklene)及びエトキシポリアルキレンイミン;100,000〜4,000,000の分子量のポリエチレングリコール;並びにそれらの2つ以上の混合物。いくつかの実施形態において、ポリマーは、好ましくは、ナトリウムポリアクリレート、ヒドロキシエチルセルロース、セチルヒドロキシエチルセルロース、及びポリクオタニウム(polyquaternium)10からなる群より選択される。
【0104】
いくつかの実施形態において、クレンジング組成物において利用される安定剤は、C10−C22エチレングリコール脂肪酸エステルを含むであろう。いくつかの実施形態において、C10−C22エチレングリコール脂肪酸エステルは、望ましくは、(上記の)ポリマー性濃化剤と組み合わせられる。いくつかの実施形態において、エステルは、好ましくはジエステル、より好ましくはC14−C18ジエステル、最も好ましくはエチレングリコールジステアレートである。C10−C22エチレングリコール脂肪酸エステルが安定剤として利用される実施形態において、それらは、以下の濃度範囲で存在するであろう:パーソナルクレンジング組成物の約3%〜約10%、好ましくは約5%〜約8%、より好ましくは約6%〜約8%。
【0105】
本発明の抗微生物組成物のいくつかの実施形態において利用されるであろう安定剤のもう1つのクラスには、分散非晶質シリカ:即ち、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、及びそれらの混合物が含まれる。本明細書において使用されるように、「分散非晶質シリカ」という用語は、約100ミクロン未満の平均凝集粒子サイズを有する小さい微粉砕された非晶質シリカをさす。
【0106】
非晶質シリカが安定剤として使用されるいくつかの実施形態において、それらは、約0.1%〜約10%、好ましくは約0.25%〜約8%、より好ましく約0.5%〜約5%の範囲のレベルでクレンジング組成物中に含まれるであろう。
【0107】
本発明の抗微生物組成物の実施形態において利用されるであろう安定剤のもう1つのクラスは、ベントナイト及びヘクトライト及びそれらの混合物からなる群より選択される、分散スメクタイト粘土を含む。ベントナイトとは、コロイド性硫酸アルミニウム粘土(aluminum clay sulfate)である。(参照により組み入れられるMerck Index,Eleventh Edition,1989,entry 1062,p.164を参照のこと。)ヘクトライトとは、ナトリウム、マグネシウム、リチウム、シリコン、酸素、水素、及びフッ素(flourine)を含有している粘土である。(参照により本明細書に組み入れられるMerck Index,eleventh Edition,1989,entry 4538,p.729を参照のこと。)スメクタイト粘土が本発明のクレンジング組成物のいくつかの実施形態において安定剤として利用される場合、それは、組成物の約0.1%〜約10%に、好ましくは約0.25%〜約8%、より好ましくは約0.5%〜約5%を構成するであろう。
【0108】
脂肪酸及び脂肪アルコールのようなその他の既知の安定剤も、本発明の組成物のいくつかの実施形態において利用される。いくつかの実施形態において、パルミチン酸及びラウリン酸は特に好ましい。
【0109】
本発明の抗微生物組成物のいくつかの実施形態は、広範囲の任意成分を含む。参照により完全に本明細書に組み入れられるThe CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary,Sixth Edition,1995は、本発明の組成物の様々な実施形態において使用するのに適している、スキンケア産業において一般的に使用されている多様な非制限的な化粧用及び薬学的な成分を記載している。成分の機能的なクラスの非制限的な例は、参照により明白に本明細書に組み入れられるこの参照の537頁に記載されている。
【0110】
本発明の様々な実施形態において利用される機能的なクラスの例には、以下のものが含まれる:研磨剤、抗ざ瘡剤、抗ケーキング剤、抗酸化剤、結合剤、生物学的添加剤、充填剤、キレート剤、化学的添加剤、着色剤、化粧用収斂剤、化粧用殺生物剤、変性剤、薬物収斂剤、乳化剤、軟化剤、外用鎮痛薬、フィルム形成剤、芳香成分、湿潤剤、不透明化剤、可塑剤、防腐剤、推進剤、還元剤、皮膚漂白剤、スキンコンディショニング剤(軟化剤、湿潤剤、ミゼラニアス(miscellaneous)、及びオクルーシブ(occlusive))、皮膚防御剤、溶媒、発泡増進剤、ヒドロトロープ、可溶化剤、懸濁化剤(非界面活性剤)、日焼け止め剤、紫外線吸収剤、並びに粘性増加剤(水性及び非水性)。本発明の実施形態において有用な材料のその他の機能的なクラスの例には、可溶化剤、金属イオン封鎖薬、角質溶解薬等が含まれる。
【0111】
「着色剤」とは、組成物に色を付与し得る化合物又は混合物である。
【0112】
「軟化剤」とは、皮膚をより軟質に又は柔軟にし得る化合物又は混合物である。
【0113】
いくつかの実施形態には、1つ以上の抗酸化剤が含まれ、その例は、以下の通りである:アミノ酸又はアミノ酸誘導体;イミダゾール及びそれらの誘導体;D,L−カルノシンのようなペプチド;カロチノイド;カロチン及びそれらの誘導体;リポ(liponic)酸;(アルファ−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン(phytinic)酸、ラクトフェリン(lactoferrine)のような)金属キレート剤;アルファ−ヒドロキシ酸(例えば、乳酸、マレイン酸);フミン酸;ガレート;EDTA、EGTA、及びそれらの誘導体;不飽和脂肪酸及びそれらの誘導体;ビタミンC(アスコルビン酸)及びその(アセチル化誘導体のような)誘導体;ルチン(rutinic)酸及びその誘導体;アルファ−グリコシルルチン、フェルラ酸、ブチルヒドロキシトルオール、ブチルヒドロキシアニソール及び適当な誘導体;並びに/又はこれらの物質の2つ以上の混合物。
【0114】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、以下のもののうちの1つ以上のような1つ以上のUV吸収剤を含む:
・p−アミノ安息香酸及び/又はその誘導体、例えば、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシルエステル;
・サリチル酸及び/又はその誘導体、例えば、サリチル酸2−エチルヘキシルエステル;
・ベンゾフェノン誘導体、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン及びその5−スルホン酸誘導体;
・ジベンゾイルメタン誘導体、例えば、1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン;ジフェニルアクリレート、例えば、2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート及び3−(ベンゾフラニル)2−シアノアクリレート;3−イミダゾール−4−イルアクリル酸及びエステル;
・ベンゾフラン誘導体、特に、EPA−582 189、US−A−5 338 539、US−A−5 518 713、及びEP−A−613 893に記載されている2−(p−アミノフェニル)ベンゾフラン誘導体;
・ポリマー性UV吸収剤、例えば、EPA−709 080に記載されているベンジリデンマロネート誘導体;
・ケイ皮酸誘導体、例えば、4−メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルエステル及びイソアミルエステル、又はUS−A−5 601 811及びWO97/00851に記載されているケイ皮酸誘導体;
・ショウノウ誘導体、例えば、3−(4’−メチル)ベンジリデン−ボルナン−2−オン、3−ベンジリデンボルナン−2−オン、N−[2(及び4)−2−オキシボルン−3−イリデン−メチル−)ベンジル]アクリルアミドポリマー、3−(4’−トリメチルアンモニウム)−ベンジリデン−ボルナン−2−オンメチルスルフェート、3,3’−(1,4−フェニレンジメチン(dimethine))−ビス(7,7−ジメチル−2−オキソ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−メタンスルホン酸)及び塩、3−(4’−スルホ)ベンジリデン−ボルナン−2−オン及び塩;ショウノウベンザルコニウムメトスルフェート;
・ヒドロキシフェニルトリアジン化合物、例えば、2−(4’−メトキシフェニル)−4,6−ビス(2’−ヒドロキシ−4’−n−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン;2,4−ビス{[4−(3−(2−プロピルオキシ)−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)−2−ヒドロキシ]−フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン;2,4−ビス{[4−(2−エチル−ヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]−フェニル}−6−[4−(2−メトキシエチル−カルボキシル)−フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン;2,4−ビス{[4−(トリス(トリメチルシリルオキシ−シリルプロピルオキシ)−2−ヒドロキシ]−フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン;2,4−ビス{[4−(2”−メチルプロペニルオキシ)−2−ヒドロキシ]−フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン;2,4−ビス{[4−(1’,1’,1’,3’,5’,5’,5’−ヘプタメチルトリシリル−2’’−メチル−プロピルオキシ)−2−ヒドロキシ]−フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン;2,4−ビス{[4−(3−(2−プロピルオキシ)−2−ヒドロキシ−プロピルオキシ)−2−ヒドロキシ]−フェニル}−6−[4−エチルカルボキシ)−フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン;
・ベンゾトリアゾール化合物、例えば、2,2’−メチレン−ビス(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノール;
・トリアニリノ−s−トリアジン誘導体、例えば、2,4,6−トリアニリン−(p−カルボ−2’−エチル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン、並びにUS−A−5 332 568、EP−A−517 104、EP−A−507 691、WO93/17002、及びEP−A−570 838に開示されているUV吸収剤;
・2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸及びその塩;
・メンチル(menthyl)o−アミノベンゾエート
・二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、雲母、MnO、Fe、Ce、Al、ZrOのようなコーティングされた又はコーティングされていない物理的日焼け止め剤(表面コーティング:ポリメチルメタクリレート、メチコン(methicone)(CAS9004−73−3に記載されたようなメチル水素ポリシロキサン)、ジメチコン、(CAS61417−49−0に記載されたような)イソプロピルチタントリイソステアレート、(CAS4086−70−8に記載されたような)ステアリン酸マグネシウムのような金属セッケン、(CAS74499−44−8;JP5−86984、JP4−330007に記載されたような)C9−15フルオロアルコールホスフェートのようなペルフルオロアルコールホスフェート)。主要粒子サイズは平均15nm〜35nmであり、分散物中の粒子サイズは100nm〜300nmの範囲内にある;
・DE10011317、EP1133980、及びEP1046391に開示されたアミノヒドロキシ−ベンゾフェノン誘導体;
・EP1167358に開示されたようなフェニル−ベンゾイミダゾール誘導体;
・”Sunscreen agents”,Eds.N.J.Lowe,N.A.Shaath,Marcel Dekker,Inc.,New York and Basle又はCosmetics&Toiletries(107),50ff(1992)に記載されたUV吸収剤も、付加的なUV防御物質として使用され得る。
【0115】
本発明の組成物の例示的な実施形態には、以下のものが含まれる:スキンケア調製物;バス調製物;フェイシャルケア調製物及びスキン調製物のような化粧用パーソナルケア調製物;婦人衛生用品及びインティメート(intimate)ケア製品;フット−ケア調製物;サンプロテクション調製物;アフターサンケア調製物;スキンタニング調製物;脱色調製物;駆虫剤;脱臭剤;制汗剤;にきびのある(blemished)皮膚のクレンジング及びケアのための調製物;化学的形態の除毛調製物(脱毛);シェービング調製物;オーラルケア調製物;芳香調製物、及び化粧用ヘアトリートメント調製物。
【0116】
様々な実施形態において、本発明の組成物の最終的な製剤は、多様な調製形態、例えば、油中水型(W/O)、水中油型(O/W)、油中水中油型(0/W/O)、水中油中水型(W/O/W)、又は転相転移(PIT)エマルジョン、及びあらゆる種類のマイクロエマルジョンのような液体調製物の形態、ゲル、オイル、クリーム、ミルク又はローション、粉末、ラッカー、錠剤又は化粧品、スティック、スプレー又はエアロゾル、フォーム、トニック、界面活性剤、液体セッケン調製物、棒状セッケン調製物又はペーストの形態をとる。本発明の実施形態には、本発明の銀イオン含有水性酸(本発明のクエン酸二水素銀;クエン酸二水素銀)を含有している多様な化粧用調製物及び薬学的調製物が含まれる。
【0117】
本発明の組成物の様々な実施形態において、組成物は、エマルジョンの形態をしている。そのような本発明の実施形態においては、以下のような乳化剤が使用されるであろう:(パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸等のような)カルボン酸及びそれらの塩;(ジエタノールアミンセチルホスフェート、カリウムセチルホスフェート等のような)アルキルホスフェート又はリン酸エステル;アルキルアミン;アルキルイミダゾリン;エトキシル化アミン;第四級乳化剤;ソルビトール及びソルビタン(ポリソルベート、ソルビタンエステル);(ソルビタンステアレート、ショ糖ココエート、メチルグルコース−セスキステアレート、メチルグルコースジオレエート、及びメチルグルコースイソステアレートのような)ショ糖及びグルコースの誘導体;(PEG−nアシルアミド(n=1〜50)のような)アルカノールアミド及びエトキシル化アミド;脂肪アルコールのような、エトキシル化カルボン酸又はポリエチレングリコールエステル(n=1〜200のPEG−nアシレート);ポリグリコールエーテル;ラウレス−n(n=1〜200);セテアレス(ceteareth)−n(n=1〜200);ステアレス(steareth)−n(n=1〜100);オレス(oleth)−n(n=1〜200)及びPEG−nステアレート(n=1〜200);PEG−nオレレート(n=1〜200);PEG−nココエート(n=2〜150);ポリグリセリルエステル及び脂肪酸エステル;シリコンポリエチレンオキシドコポリマーのようなジメチコンコポリオール;シリコングリコールコポリマー;プロポキシル化又はポリオキシエチレンエーテル;ポロキサマー;(アクリレートコポリマー又はクロスポリマー(crosspolymers)及びアクリルアミド又はポリアクリルアミドのような)ポリマー性乳化剤;並びに上記の乳化剤の2つ以上の混合物又は組み合わせ。
【0118】
本発明の乳化された実施形態において、脂質相は、有利には、鉱油;鉱蝋;(カプリリック及びカプリックトリグリセリドのような)油;(ヒマシ油のような)天然油;脂肪;ワックス及びその他の天然及び合成の脂肪(例えば、イソプロパノール、プロピレングリコール、もしくはグリセリンのような短鎖アルコールとの脂肪酸のエステル)もしくは少数の炭素原子を有する脂肪酸もしくはカルボン酸との脂肪アルコールのエステル;アルキルベンゾエート;(ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサンのような)シリコン油;並びに/又はそれらの2つ以上の混合物より選択されるであろう。
【0119】
本発明の様々な実施形態において、エマルジョン、オレオゲル(oleogel)、ヒドロディスパーション(hydrodispersion)、又はリポディスパーション(lipodispersion)の油相は、有利には、C原子3〜30個という鎖長を有する飽和及び/又は不飽和の分岐型及び/又は直鎖型のアルカン炭酸;C原子3〜30個という鎖長を有する飽和及び/又は不飽和の分岐型又は直鎖型のアルコール;C原子3〜30個という鎖長を有する芳香族炭酸並びに飽和及び/又は不飽和の分岐型及び/又は直鎖型のアルコールのエステル;並びに/又はそれらの2つ以上の混合物より選択される。
【0120】
いくつかの実施形態において、例示的なエステル油は、以下の通りである:イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルステアレート、イソプロピルオレエート、n−ブチルステアレート、n−ヘキシルラウレート、n−デシルオレエート、イソオクチルステアレート、イソ−ノニルステアレート、イソノニルイソノナノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、2−ヘキシルラウレート、2−ヘキシルデシルステアレート、2−オクチルドデシルパルミテート、オレイルオレエート、オレイルエルケート(erucate)、エルキル(erucyl)オレエート、及びエルキルエルケート、並びにホホバ油のような、そのようなエステルの合成、半合成、及び天然の混合物。
【0121】
脂肪酸トリグリセリドを含むいくつかの実施形態において、それらは、以下のもののような、合成、半合成、及び天然の油より選択されるであろう:オリーブ油、ヒマワリ油、大豆油、落花生油、ナタネ油、パーム油、アーモンド油、ココヤシ油、及び類似の油。
【0122】
そのような油及びワックス成分又はセチルパルミテートのようなワックスの混合物は、いくつかの実施形態において、唯一の油相として使用されるであろう。
【0123】
いくつかの実施形態において、油相は、以下のもののようなその他の好ましい成分を含む:2−エチルヘキシルイソステアレート;オクチルドデカノール;イソトリデシルイソノナノエート;イソエイコサン;2−エチルヘキシルココエート;C12−C15アルキルベンゾエート;カプリリック−カプリック−トリグリセリド及びジカプリン酸エーテル、又は(2−エチルヘキシルイソステアレートとC12−C15アルキルベンゾエートとの混合物のような)これらの成分の混合物;C12−C15アルキルベンゾエートとイソトリデシルイソノナノエートとの混合物、並びにC12−C15アルキルベンゾエートと2−エチルヘキシルイソステアレート及びイソトリデシルイソノナノエートとの混合物。さらに、環式又は直鎖型のシリコン油が使用され得、ある場合には、油相中の唯一の成分である。特定の実施形態において、好ましいシリコン油には、以下のものが含まれる:シクロメチコン(オクタメチルシクロテトラシロキサン)、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、及びポリ(メチルフェニルシロキサン)。
【0124】
いくつかの実施形態において、好ましい炭化水素には、以下のものが含まれる:パラフィン油、スクアラン、及びスクアレン。
【0125】
いくつかの実施形態において、水相は、例えば、以下のもののような成分を含有している:少数のC原子を有するアルコール、ジオール、もしくはポリオール、又はそれらのエーテル(例えば、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル;ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、及び類似の生成物);(エタノール、イソプロパノール、1,2−ジプロパンジオール、及びグリセリンのような)アルコールの低級ホモログ、並びに1つ以上の濃化剤、例えば:二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、多糖又はそれらの誘導体(例えば、ヒアルロン酸、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース);ポリアクリレート{例えば、カーボポール(Carbopol)系(例えば、カーボポール980型、981型、ETD2001もしくは2020、アクア(Aqua)SF−1、ウルトレツ(Ultrez)1)、サルケア(Salcare)系(サルケアSC80、サルケアSC81、サルケアSC91、サルケアAST、サルケアSC92、サルケアSC95、サルケアSC96、サルケアスーパー(Super)7)からの物質、もしくはノベマー(Novemer)(商標)EC−1};コスメディア(Cosmedia)(登録商標)SP;アリストフレックス(Aristoflex)AVC;又は(ストラクチャー(Structure)(登録商標)ソラナス(Solanace)もしくはストラクチャー(登録商標)XLのような)修飾型デンプン。
【0126】
本発明は、さらに、口腔的に許容される形態のクエン酸二水素銀及び水を含むオーラルケア組成物であるパーソナルケア組成物を提供する。「口腔的に許容される形態」とは、オーラルケア組成物が、クエン酸二水素銀、アルコール、洗浄剤、又はそれらの組み合わせ以外の少なくとも1つの成分を含み、その成分が、歯、並びに歯肉及び内頬のような頬組織により容認される型のものであることを意味する。そのような口腔的に許容される組成物は、(大部分のフッ化物含有練り歯磨きがフッ化物内容のために摂取可能と見なされないように)摂取可能である必要はなく、口に適用され、次いで、口から除去された場合に、非毒性である。特に、本発明は、より詳細に本明細書に記載される、マウスリンス、洗口剤、練り歯磨き、トゥースゲル、義歯ペースト、義歯ゲル、チューインガム、固体ロゼンジ、及びオーラルスプレーであるオーラルケア組成物を提供する。
【0127】
いくつかの実施形態において、オーラルケア組成物は、歯、歯肉、舌、又は頬皮膚表面を含む口を処置するための1つ以上の付加的なオーラルケア成分を含有している。そのような付加的な成分には、清掃剤、研磨剤、フッ素処理剤、悪臭処理剤、歯美白剤、抗う食剤、ゲル化剤、(本発明の抗微生物剤以外の)抗菌剤、香料、着色剤、及びそれらの2つ以上の組み合わせが含まれる。そのようなオーラル組成物は、液体、ペースト、半固体、又は固体であり得る組成物の物理的形態に相応した通常の様式で使用され得る。例えば、組成物はペースト又はゲルであるいくつかの実施形態において、それらは、ブラッシングにより口表面(例えば、歯及び/又は歯肉)に適用される。組成物が液体であるその他の実施形態において、それらは、含嗽(gargling)又はうがい(swishing)により口表面に適用される。それらは、吐き出し、場合によっては水又はマウスリンスで濯ぐことにより、口から除去され得る。
【0128】
本発明は、口内細菌に対する抗微生物活性を保有し、従って、オーラルケア適用において抗菌効果を示す抗微生物組成物を提供する。特定の実施形態において、本発明の組成物は、プラークを駆除し;歯肉炎を減少させるか、その進行を遅くするか、もしくは防止し;歯周炎を減少させるか、その進行を遅くするか、もしくは防止し、かつ/又は口臭を減少させる。そのような口内抗微生物活性は、いくつかの本発明の実施形態において、クロルヘキシジン塩、(臭化セトリモニウム、塩化ベンザルコニウム、及び塩化セチルピリジニウムのような)第四級化合物、並びに/又は{2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル;4,4’−ジクロロ−2−ヒドロキシジフェニルエーテル、チモール、及び以下の一般式:
【0129】
【化2】

を有するその他のフェノール系化合物(式中、R22、R23、及びR24は、相互に独立に、アルキル(分岐型、シクロ、又は直鎖型)、アリール、O−アリール、o−アルキル(直鎖型、シクロ、又は分岐型)である)のような}フェノール系物質のような、他の抗微生物剤、抗プラーク剤、抗歯肉炎剤、及び/又は抗歯周炎剤と、クエン酸二水素銀を組み合わせることにより、増強される。
【0130】
本発明は、さらに、例えば、チモール;2−t−ブチル−5−(4−t−ブチルフェニル)−フェノール;2,4−ジ−t−ブチルフェノール;2−シクロヘキシルメチル−4−t−ブチルフェノール;2−t−オクチル−5−シクロヘキシルメチルフェノール;2−t−ブチル−4−(1,1−ジメチルプロピル)フェノール;2−t−ブチル−4−(1,1−ジメチルブチル)フェノール;2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェノール;2−t−ブチル−4−(1,1,2,2−テトラメチルプロピル)−5−メチルフェノール;2−t−ブチル−4−(1,1,2,2−テトラメチルプロピル)フェノール;2−t−ブチル−5−シクロヘキシルメチルフェノール;2−t−ブチル−4−n−ヘプチルフェノール;2−イソプロピル−5−シクロヘキシルメチルフェノール;2−イソプロピル−4−シクロヘキシルメチルフェノール;及び2−シクロヘキシル−4−n−ヘプチルフェノールである抗プラーク剤、抗歯肉炎剤、及び/又は抗歯周炎剤を提供する。
【0131】
いくつかの実施形態において、本発明は、例えば、マウスリンス、練り歯磨きもしくはゲル歯磨剤のような半固体、チューインガム、又は固体ロゼンジ等である、単独で、又は上記の抗微生物剤及び/もしくは抗プラーク剤の1つ以上と組み合わせて、クエン酸二水素銀を含有しているオーラルケア組成物を提供する。
【0132】
本発明のオーラル組成物のさらなる実施形態は、例えば、以下のものを含有している:
・(シリカゲル、コロイド性シリカ、又は複雑な非晶質アルカリ金属アルミノケイ酸塩、重炭酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、リン酸三カルシウム、リン酸二カルシウム脱水和物、無水リン酸二カルシウム、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、アルミニウム水和物、シリカ、ベントナイト、及びそれらの2つ以上の混合物のような)つや出し剤;
・(グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコールもしくはプロピレングリコールのようなアルキレングリコール、及び/又はそれらの2つ以上の混合物のような)湿潤剤;
・(例えば、前記のような)水;
・(トチャカ、イオタ−カラゲナン(carragenan)、カッパ−カラギーナン(carrageenan)、トラガカントゴム、デンプン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルプロピルセルロース、ヒドロキシ(hdroxy)ブチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びナトリウムカルボキシメチルセルロースのような)天然又は合成の濃化剤又はゲル化剤;
・(エタノール又はイソプロパノールのような)アルコール;
・(陽イオン性、陰イオン性、又は非イオン性である)有機表面活性剤;
・(チモール、メントール、サリチル酸メチル(冬緑油)、オイカリプトール、カルバクロール、ショウノウ、アネトール、カルボン、オイゲノール、イソオイゲノール、リモネン、ロシメン(losimen)、n−デシルアルコール、シトロネル(citronel)、a−サルピネオール(salpineol)、酢酸メチル、シトロネリル(citronellyl)アセテート、メチルオイゲノール、シネオール、リナロオール、エチルリナラオール(linalaol)、サフロラ(safrola)バニリン、スペアミント油、ハッカ油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、ケイ皮油、ピメント油、ローレル油、シーダー葉油、ゲリアノール(gerianol)、バーベノン(verbenone)、アニス油、ベイ油、ベンズアルデヒド、ベルガモット油、苦扁桃、クロロチモール、ケイ皮アルデヒド、シトロネラ油、丁子油、コールタール、ユーカリ油、グアラコール(gualacol)、ラベンダー油、芥子油、フェノール、サリチル酸フェニル、松油、松葉油、サッサフラス油、スパイクラベンダー油、蘇合香、タイム油、トルーバルサム、テルペンチン(terpentine)油、丁子油、及びそれらの2つ以上の組み合わせのような;いくつかの好ましい香油は、以下の通りである:例えば、スペアミント、ハッカ、ヒメコウジ、サッサフラス、丁字、セージ、ユーカリノキ、シナモン、レモン、オレンジの油、及びサリチル酸メチル)香油;
・(ショ糖、乳糖、マルトース、キシリトール、シクラミン酸ナトリウム、ペリラルチン(perillartine)、アスパルチルフェニルアラニンメチルエステル、サッカリン等のような)甘味剤;
・(塩化ストロンチウム、硝酸カリウム、及びクエン酸カリウムのような)歯の感受性を減じるために使用される薬剤;
・美白剤(例えば、過酸化尿素、過酸化カルバミド、及び/又は過酸化水素のような過酸化物);
・(安息香酸ナトリウムのような)防腐剤;
・(無機フッ化物塩、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、もしくはフッ化カルシウム、又はフッ化アミンのような有機フッ化物のような)う食から防御するためのフッ化物イオンを放出する物質;
・(クロロフィル化合物のような)その他の薬剤及び/又は(尿素、リン酸二アンモニウムのような)アンモニア化材料、並びに/又はそれらの混合物。
【0133】
本発明は、さらに、抗菌性増強剤を含むオーラルのケア組成物を提供する。そのような「抗菌性増強剤」は、抗菌剤及び/又は抗プラーク剤と共に、抗菌性増強剤を、口(例えば、歯及び歯肉)表面に、接着させるか、又は実質的に、粘着的に、付着的に、もしくはその他の様式で結合させる送達増強基、並びに抗微生物剤及び/又は抗プラーク剤を抗菌性増強剤に接着させるか、又はその他の様式で結合させる保持増強基(一般的に、疎水性基)を含有している。従って、これらの物質は、抗微生物剤及び/又は抗プラーク剤を歯及び/又は歯肉の表面に送達し、表面における活性物質の保持を促進し、それによって、口表面におけるプラーク増殖の遅延が改良される。
【0134】
いくつかの実施形態において、抗菌性増強剤は、好ましくは、少なくとも1個の炭素原子、並びに鎖内の原子、好ましくは炭素と、ジェミナルに、ビシナルに、又はそれほど好ましくないその他の様式で結合した、好ましくは少なくとも1つの直接的又は間接的にかかる1価の送達増強基及び少なくとも1つの直接的又は間接的にかかる1価の保持増強基を各々含有している反復単位を含有している鎖又は骨格を含む陰イオン性ポリマーである。
【0135】
いくつかの実施形態において、抗菌性増強剤は、以下のもののような、単純化合物、好ましくは重合可能モノマー、より好ましくはポリマー又は2つ以上のポリマーの混合物であり得る:オリゴマー、ホモポリマー、2つ以上のモノマーのコポリマー、イオノマー、ブロックコポリマー、グラフトポリマー、架橋ポリマー、及びコポリマー等。抗菌性増強剤は、以下の通りであり得る:天然又は合成;水溶性(例えば、唾液)可溶性又は膨張可能(水和可能、ヒドロゲル形成性);約100〜約5,000,000、好ましくは1,000〜約1,000,000、より好ましくは約25,000〜500,000の(重量)平均分子量を有する。
【0136】
ポリマー性の抗菌性増強剤を含むいくつかの実施形態においては、抗微生物剤及び/又は抗プラーク剤の口表面への送達及び保持を最大限にするため、酸性送達増強基を含有しているポリマー鎖又は骨格内の反復単位が、重量でポリマーの少なくとも約10%、好ましくは少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約80%〜95%又は100%を構成することが望ましい。
【0137】
いくつかの実施形態において、抗菌性増強剤は、好ましくは(スルホン酸基、ホスフィン酸基、又は好ましくはホスホン酸基もしくはカルボン酸基を含むような)酸性又はそれらの塩(例えば、アルカリ金属、アンモニウム)である、少なくとも1つの送達増強基;並びに(典型的には、−(X)−R23(式中、Xは、O、N、S、SO、SO、P、PO、又はSi等であり、R23は、疎水性のアルキル、アルケニル、アシル、アリール、アルカリル(alkaryl)、アラルキル、複素環式、又はそれらの不活性置換誘導体であり、かつnは0もしくは1又はそれ以上である)を有する基のような)少なくとも1つの有機保持増強基を含有しているであろう。
【0138】
いくつかの実施形態において、前述の「不活性置換誘導体」は、ハロ、例えば、Cl、Br、I、及びカルボシクリル等のような、非親水性であり、かつ抗微生物剤及び/又は抗プラーク剤の口表面への送達及びそれらの保持の増強のような抗菌性増強剤の所望の機能に有意に干渉しない置換基をR23上に含む。いくつかの実施形態において、抗菌性増強剤は、好ましくは、約1,000〜約5,000,000、好ましくは約30,000〜約500,000の分子量を有する天然又は合成の陰イオン性ポリマー性カルボキシレートである。
【0139】
本発明は、さらに、洗濯用洗浄剤及び/又はファブリックケア組成物におけるクエン酸二水素銀を含むホームケア組成物を提供する。本発明のそのような実施形態において、本発明の洗濯用洗浄剤及び/又はファブリックケア組成物は、好ましくは、陽イオン性、陰イオン性、及び/もしくは非イオン性の界面活性剤より選択される界面活性成分、並びに/又は漂白剤をさらに含む。
【0140】
いくつかの実施形態において、本発明に係る抗微生物洗濯用洗浄剤及び/又はファブリックケア組成物は、液体、ペースト、ゲル、棒状物、錠剤、スプレー、フォーム、粉末、顆粒の形態であり得る。顆粒状の組成物は、「圧縮された」形態であってもよく、液体の組成物は「濃縮された」形態であってもよい。
【0141】
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、例えば、洗濯用添加剤組成物、並びに汚れのあるファブリックの浸け置き及び/又は前処理において使用するのに適した組成物、リンスが添加されたファブリック柔軟剤組成物を含む、手動式及び機械式の洗濯用洗浄剤組成物として製剤化され得る。 ファブリックの前処理剤又は後処理剤には、ゲル、スプレー、及び液体のファブリックケア組成物が含まれる。柔軟剤の存在下又は非存在下での濯ぎサイクルも企図される。
【0142】
洗濯機での洗浄法において使用するのに適した組成物として製剤化される場合、本発明の組成物の実施形態は、好ましくは、界面活性剤及びビルダー化合物の両方を含有しており;さらに、以下のもののような1つ以上の界面活性成分を含有している:有機ポリマー性化合物;漂白剤;付加的な酵素;消泡剤;分散剤;石灰セッケン分散剤;汚れ浮遊剤(soil suspension)及び抗再沈着剤;並びに腐食阻害剤。本発明の洗濯用組成物のいくつかの実施形態は、付加的な界面活性成分として柔軟剤も含有している。
【0143】
洗濯用洗浄剤及び/又はファブリックケア組成物である、本発明のいくつかの実施形態は、以下のものを含む陽イオン性ファブリック柔軟成分を、場合によりさらに含有している:非水溶性第四級アンモニウムファブリック柔軟活性物質(又は対応するアミン前駆物質)(最も一般的に使用されているのは、ジ長アルキル鎖アンモニウムクロリド又はメチルスルフェートである)。
【0144】
例示的な実施形態において、好ましい陽イオン性柔軟剤は、ジタロー(ditallow)ジメチルアンモニウムクロリド(DTDMAC);二水素化タロー(tallow)ジメチルアンモニウムクロリド;二水素化タロージメチルアンモニウムメチルスルフェート;ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド;ジオレイルジメチルアンモニウムクロリド;ジパルミチルヒドロキシエチルメチルアンモニウムクロリド;ステアリルベンジルジメチルアンモニウムクロリド;タロートリメチルアンモニウムクロリド;水素化タロートリメチルアンモニウムクロリド;C12−14アルキルヒドロキシエチルジメチルアンモニウムクロリド;C12−18アルキルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムクロリド;ジ−(ステアロイルオキシエチル)ジメチルアンモニウムクロリド(DSOEDMAC);ジ−(タロー−オキシ−エチル)ジメチルアンモニウムクロリド;ジタローイミダゾリニウムメチルスルフェート;1−(2−タロイル(tallowyl)アミドエチル)−2−タロイルイミダゾリニウムメチルスルフェート;及び/又はそれらの混合物もしくは組み合わせである。
【0145】
本発明のいくつかの洗濯用洗浄剤及び/又はファブリックケア実施形態は、両性電解質性(ampholytic)(即ち、両性)、双性、及び半極性の界面活性剤を含有していてもよい。
【0146】
いくつかの実施形態において、本発明の洗濯用洗浄剤及び/又はファブリックケア組成物は、清掃力、ファブリックケア、及び/又は衛生化利益を提供する1つ以上の酵素を含有しているであろう。そのような酵素の例には、以下のものが含まれる:セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、グルコ−アミラーゼ、アミラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ(malanases)、−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及び/又はそれらの2つ以上の組み合わせもしくは混合物。
【0147】
本発明は、さらに、ビルダー系を含むクエン酸二水素銀洗濯用洗浄剤組成物を提供する。従来のビルダー系が、本発明の組成物において使用するのに適している。適当なビルダー系には、以下のものが含まれる:アルミノケイ酸塩材料シリケート;ポリカルボキシレート;アルキル−又はアルケニル−コハク酸、及び脂肪酸;(エチレンジアミン四酢酸塩及びジエチレントリアミンペンタメチレン酢酸塩のような)キレート化材料;(アミノポリホスホネート、特に、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸及びジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸のような)金属イオン封鎖剤;並びにそれらの2つ以上の混合物及び組み合わせ。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、単独で、又はその他のビルダーと組み合わせて、1つ以上のリン酸ビルダーを含む。
【0148】
いくつかの実施形態において、本発明の抗微生物洗濯用洗浄剤及び/又はファブリックケア組成物は、場合により、1つ以上の鉄及び/又はマンガンのキレート剤を含有していてもよい。そのようなキレート剤は、以下のものから一般に選択されるであろう:アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、多官能基置換芳香族キレート剤、及び/又はそれらの2つ以上の混合物。
【0149】
いくつかの実施形態において、組成物は、例えば、ゼオライト、多層シリケート等のような不溶性ビルダーと共に有用なキレート剤又はコビルダーとして水溶性のメチルグリシン二酢酸(MGDA)塩(又は酸型)を含有している。
【0150】
本発明のいくつかの実施形態におけるもう1つの任意成分は、シリコン及びシリカ−シリコン混合物により例示される消泡剤である。
【0151】
本発明のいくつかの実施形態は、以下のもののような、その他の成分を含む:汚れ浮遊剤、汚れ放出剤、蛍光増白剤、研磨剤、殺菌薬、変色阻害剤、着色剤、及び/又はカプセル化もしくは非カプセル化香料が利用され得る。
【0152】
「研磨剤」とは、機械の作動を通して、表面から残留物を剪断することができる固体の微粒子状の化合物又は混合物である。研磨剤は、(練り歯磨きのような)オーラル組成物、フェイシャルクレンザー、及び硬表面クレンザーに一般的に見出される。
【0153】
洗濯用洗浄剤及び/又はファブリックケア組成物である本発明のいくつかの実施形態は、水溶性の有機塩(例えば、ポリカルボン酸が高々2個の炭素原子により相互に隔離された少なくとも2つのカルボキシルラジカルを含むホモポリマー性もしくはコポリマー性の酸又はそれらの塩)のような分散剤も含有している。
【0154】
いくつかの実施形態において、本発明の洗濯用洗浄剤及び/又はファブリックケア組成物は、色付きファブリックを含むファブリックの洗濯作業中に遭遇した可溶化され浮遊した色素のファブリック間の色素転移を阻害するための化合物を含む。
【0155】
いくつかの実施形態において、本発明に係る組成物は、便利には、流体として調製される。いくつかの実施形態において、流体は、本明細書に記載されるような付加的な水溶性添加剤と共に、クエン酸二水素銀、水、及びクエン酸を含む水性の液体である。本発明に係る例示的な水性液体組成物には、以下のものが含まれる:液体のセッケン及び/又は洗浄剤;界面活性剤、硬水軟化剤、及び/又は抗菌剤(例えば、精油、アルコール、及び本明細書において言及されたようなその他のもの)のような1つ以上の付加的な水溶性添加剤を含む液体清浄剤;液体オーラル組成物(例えば、1つ以上の付加的な抗微生物剤及び/又は香味剤、フッ素処理剤、歯美白剤、抗歯肉炎剤、及び/又は抗歯周炎剤を場合により含む洗口剤)、液体の眼鏡又はコンタクトレンズの清浄剤、液体の制汗剤、脱臭剤、又は複合制汗/脱臭組成物(場合により、エアロゾル又はロールオンとして包装される)。
【0156】
いくつかの実施形態において、本発明に係る組成物は、エマルジョン(液−液分散物)、コロイド性懸濁物(固−液分散物)、フォーム(気−流懸濁物)、及びエアロゾル(液−気分散物)等のような分散物である。エマルジョンには、ローション、クリーム、ミルク等が含まれる。いくつかの実施形態において、クエン酸二水素銀(即ち、水性有機酸中の銀イオン)は、流体分散物の連続相を形成する。例えば、いくつかの実施形態において、本発明の本発明のクエン酸二水素銀は、水中油型エマルジョン(O/W)の連続水相を形成し、分散油相は1つ以上の非水混和性の成分を含む。そのような実施形態においては、一般に、連続水相中に安定的に懸濁した分散油相の液滴を保持するため、より詳細に本明細書に記載されるような少なくとも1つの乳化剤を、組成物が含んでいることが必要である。この型の組成物には、ローション、クリーム、ミルク、及びマイクロエマルジョン等が含まれる。
【0157】
その他の流体懸濁物実施形態において、クエン酸二水素銀は、コロイド性懸濁物の液相を形成するか、又はその中の成分である。分散相は、連続液相に懸濁した固体粒子を含む。懸濁物中に固体粒子を維持するために分散剤を使用することは常法である。
【0158】
その他の流体懸濁物実施形態において、クエン酸二水素銀は、エマルジョンの分散相を形成するか、又はその中の成分である。例えば、いくつかの実施形態において、組成物は、本発明のクエン酸二水素銀が分散(水)相である油中水型エマルジョン(W/O)である。そのような実施形態においては、一般に、懸濁物中に分散水相を維持するため乳化剤を利用することが必要である。本明細書において使用されるように、「油相」という用語は、水相に非混和性の比較的無極性の相を意味する。適当な油相成分は、油自体に制限されず、さらに詳細に本明細書に記述される。そのような油中水型懸濁物の例示的な実施形態には、薬用の油及びワセリン(特に、1つ以上の精油、特に、ショウノウ、メントール、又はそれらの混合物を含有しているもの)、クリーム、サーブ(salves)等が含まれる。
【0159】
本発明は、さらに、クエン酸二水素銀を含む「転相温度」(「PIT」)エマルジョンを提供する。「転相温度エマルジョン」という用語は、転相温度(PIT)法により作成されたエマルジョンをさす。水性クエン酸二水素銀は、転相温度(PIT)型エマルジョンの連続相を形成する。そのような実施形態においては、油相及び水相が、相転移温度より高い温度で組み合わせられるか、又は組み合わせられ、次いで、相転移温度より高い温度に加熱される。相転移温度とは、溶液が、水中油型(O/W)から油中水型(W/O)型のエマルジョンに転移する温度である。O/WからW/Oへの転移は、2つの異なる物理的状態に関連している1つ以上の物理的特徴を観察することにより検出され得る。例えば、W/O組成物は比較的乏しいコンダクタンスを有し、O/W組成物は比較的高いコンダクタンスを有するであろう。また、W/O組成物は、油によって容易に希釈されるが、水によっては希釈されず、O/W組成物は、水によって容易に希釈されるが、油によっては希釈されないであろう。さらに、W/O組成物は、油溶性色素によって均一に染色されるが、水溶性色素によっては染色されず;O/W組成物は、同様に、水溶性色素によって均一に染色されるが、油溶性色素によっては染色されないであろう。
【0160】
組成物が高温W/Oエマルジョンを形成した後、エマルジョンは冷却される。相転移温度未満の温度で、懸濁物は、一般に、撹拌することなく、W/Oから安定なO/Wエマルジョンに転移するであろう。一般に、PITエマルジョン組成物においては、乳化剤又は2つ以上のコエマルシファイアー(co−emulsifiers)を使用することが必要である。PITエマルジョンの形成は、当技術分野において既知の適切な乳化剤又は2つ以上のコエマルシファイアーの組み合わせの使用を必要とする。
【0161】
本発明は、マイクロエマルジョンの形態のクエン酸二水素銀組成物を提供する。「マイクロエマルジョン」という用語は、エマルジョンが実質的に可視光線を回折しないよう十分に有効に小さい液滴を分散(油)相が形成しており、エマルジョンが一般に透明であるエマルジョンに適用される。
【0162】
いくつかの実施形態において、本発明のクエン酸二水素銀は、エマルジョンの連続相、及び分散相の層の両方を形成する。そのようなW/O/W実施形態において、分散相は、水相層を包む油相を含み、分散相は連続相に懸濁している。そのような実施形態においては、乳化剤又は2つ以上のコエマルシファイアーの組み合わせを使用することが必要である。適当な乳化剤は、当技術分野において一般に既知であり、ある程度詳細に本明細書に記載される。
【0163】
いくつかの実施形態において、連続油相及び分散相の油層の両方が、油を含み;不連続相のもう1つの層(外層)は、本発明のクエン酸二水素銀により形成される。そのような実施形態においては、乳化剤又は乳化剤の組み合わせを使用することが必要である。適当な乳化剤は、当技術分野において一般に既知であり、ある程度詳細に本明細書に記載される。
【0164】
いくつかの実施形態において、本発明の抗菌活性物質は、リポソーム組成物の水相である。リポソームは、水層を封入している脂質層の小球である。いくつかの実施形態において、リポソームは、水コアを封入している単一の脂質二重層からなる。その他の実施形態において、リポソームは、複数の水層を封入している複数の脂質二重層からなる。一般に、様々な数の脂質二重層及び水層を交互に有しているリポソームの分布は、一般に、脂質層を形成するであろう(1つ以上の脂質を含む)脂質組成物を乾燥させ、次いで、撹拌しながら乾燥脂質組成物に水相を添加することを含む、一般的なリポソーム作成手順において形成されるであろう。リポソームを作成するその他の方法は既知であり、本発明のリポソーム組成物は、そのようなその他の手順により作成され得る。
【0165】
いくつかの実施形態において、本発明の抗菌活性物質は、リポソームが本発明の抗菌活性物質中に懸濁しているリポソーム組成物の連続相を形成する。(リポソーム懸濁物)。その他の実施形態において、本発明の抗菌活性物質は、リポソームを含むペースト又はクリームのための流体媒体を提供する。特定の実施形態において、リポソームの極性の層は、場合により、本発明の抗菌活性物質を含む。本発明のいくつかの実施形態において、リポソームは、抗菌薬、抗真菌薬、及び/又は抗ウイルス薬のような皮膚処置用の組成物において使用される。
【0166】
本発明に係るその他の流体組成物において、本発明のクエン酸二水素銀は、ペーストの液相を形成する。そのような実施形態において、ペーストは、本発明のクエン酸二水素銀に不溶性の少なくとも1つの固体成分を含む不連続固相を含む。本発明に係るペーストの例示的な実施形態には、以下のものが含まれる:抗菌薬用ペースト;練り歯磨き(場合により、以下のうちの1つ以上を含む:フッ素処理剤、香味剤、研磨剤、美白剤、又はそれらの2つ以上の組み合わせ)、(金属ポリッシュ、特に、銀ポリッシュのような)表面ポリッシュ;等。
【0167】
いくつかの実施形態において、クエン酸二水素銀は、ゲルが形成されるよう、水溶性ポリマー、架橋ポリマー、ブロックコポリマー、又はポリマーの混合物のような1つ以上のゲル化剤と組み合わせられる。「ゲル化剤」とは、水溶媒内に架橋されたマトリックスを形成することができる化合物である。クエン酸二水素銀及び水が、マトリックスの隙間を充填する。架橋の程度、及びゲル化剤の量に対する水溶媒の使用量に依って、得られるゲル組成物は、流動性であるが粘性の液体から、粘性の流体、半固体、様々な硬度の固体までのコンシステンシーを有するであろう。そのような組成物は、パーソナルケア組成物(例えば、粘性流体スキンケアゲル;半固体スキンケアゲル;粘性流体ヘアトリートメント;デンタルゲル(1つ以上のフッ素処理剤、美白剤、研磨剤、及びそれらの2つ以上の混合物を場合により含む);ロールオン、グライドオン、又はスティックの制汗剤、脱臭剤、又は複合制汗/脱臭剤;ゲル又は半固体の表皮トリートメント;等において使用され得る。本発明のその他の実施形態において、クエン酸二水素銀は、防腐剤として、それが適用される者を処置するための活性物質として、又はその両方として機能し得る。特に、本発明は、不透明化剤が添加されたゲル、特に、脱臭及び制汗ゲルを提供する。
【0168】
いくつかの実施形態において、本発明に係るクエン酸二水素銀を含むゲルは、様々な製造品において使用される。そのような実施形態において、ゲルは、物品の用途に依って、固体、半固体、又は粘性流体の形態で便利に調製される。例えば、本発明に係るいくつかの実施形態において、抗微生物組成物は、既知のポリマー、コポリマー、ブロックコポリマー、又はそれらの混合物と組み合わせられ、場合により分散した1つ以上の固体成分を含み、かつ/又は場合により香気増強剤として1つ以上の香気剤、香料、又は精油を含む固体を形成し得る。そのような物品は、いくつかの実施形態において、ルームデオドライザーへと成形される。
【0169】
ゲル相が粘性流体である実施形態において、本発明の組成物は、以下のものにおいて使用され得る:リップバーム;プロテクティブコーティング(例えば、防水及び抗乾燥コーティング);スキントリートメント(特に、創傷処置において使用するための薬品を含む);バッカルトリートメント(特に、歯増白剤及び抗菌歯磨(dentrifice)ゲル);スキンプロテクタント(抗摩擦剤及びサンブロックを含む);ファブリックトリートメント(例えば、スポットクレンザー);並びに表面クリーナー(例えば、金属クリーナー)。
【0170】
ゲル相が半固体である実施形態において、本発明の組成物は、以下のものへと便利に成形される:スティックの制汗剤、脱臭剤、又は制汗/脱臭剤;半固体のルームデオドライザー、リップスティック、駆虫剤、虫刺傷トリートメント、創傷トリートメント(例えば、抗生物質性トリートメント);ファブリックトリートメント(例えば、スポットクレンザー)。
【0171】
多くの実施形態において、本発明の抗微生物組成物は、意図された使用に適した形態へと便利に包装される。本発明の組成物が液体である実施形態は、以下のように便利に包装される:(一般に、圧力下の通常の推進剤を含む容器で)エアロゾルスプレーとして;(例えば、ポンプスプレイヤーを含む容器で)ポンプスプレーとして;噴射可能又は注入可能な液体として;灌注器として等。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、場合によりディスペンサーに包装されるか又は密封ポーチに個々に包装される、予め湿らされた物品(例えば、濡れナプキン、スポンジ、又は研磨パッド)に適用される。いくつかの実施形態において、そのような物品は、以下のような表面を拭くために、便利に使用される:ガラス;器具;セラミック製の浴室備品;等。いくつかの実施形態において、そのような物品は、皮膚、特に、創傷のある皮膚及び/又は他の抗微生物剤に対して感受性の者の皮膚を清浄化するために便利に使用される。
【0172】
本発明の組成物が粘性流体である実施形態は、チューブ、圧搾可能なボトル、ジャー,又はポットに便利に包装される。いくつかの実施形態において、粘性流体は、上記の液体実施形態に関して記述されたような、表面への適用を支援する物品に便利に組み込まれる。
【0173】
本発明の組成物が半固体である実施形態は、スティックアプリケータ(例えば、脱臭剤、スポットクリーニング、創傷処置、虫刺傷処置、及びリップスティック等)、棒状物(例えば、セッケンもしくは洗浄剤)に、又は作用モードが空気への曝露による場合には、穴のあるパッケージ、キャンドルホルダーのような、組成物を空気に曝す形態に、便利に包装される。特定の実施形態において、半固体の空気処理組成物は、可逆的に開閉可能な容器に包装され、特定の実施形態において、様々な割合の組成物の表面積を空気に曝すため徐々に開くことができる容器に包装される。
【0174】
本発明の組成物が固体である実施形態は、スティックアプリケータに、又は作用モードが空気への曝露による場合には、穴のあるパッケージ、キャンドルホルダーのような、組成物を空気に曝す形態に、便利に包装される。特定の実施形態において、固体の空気処理組成物は、可逆的に開閉可能な容器に包装され、特定の実施形態において、様々な割合の組成物の表面積を空気に曝すため徐々に開くことができる容器に包装される。
【0175】
以下の非制限的かつ例示的な実施例には、本発明の特定の実施形態を例示する製剤が示される。当業者であれば、本発明のその他の実施形態が、本明細書中の説明を使用して入手可能であり、本発明の範囲内に含まれるものとして企図されることを認識するであろう。
【0176】
以下の表中のパーソナルケア組成物は、本発明の具体的な実施形態である。各組成物において、「クエン酸二水素銀ストック溶液」とは、本明細書に記載されたような、クエン酸二水素銀及び水の溶液である。いくつかの実施形態において、クエン酸二水素銀ストック溶液は、少なくとも約100ppm、特に少なくとも約1,000ppm、特に少なくとも約2,000ppmの銀イオンを含む。
【0177】
いくつかのパーソナルケア製品は、ヒトの身体に適用され、ヒトの身体に残される。(そのような製品は、最終的には身体から侵食されるか、又は身体を清潔に保つための通常の経過において洗浄除去されるであろうと予想される。)例えば、本発明に係る組成物が、創傷治癒剤(例えば、抗菌);スキントリートメント(例えば、保湿、防御等);抗ざ瘡剤、抗腟炎剤、抗皮膚炎剤、駆虫剤;及び化粧用組成物として調製される場合、それらは、一般的に、適切な身体表面に適用され、所望の機能を果たすために残される。
【0178】
従って、本発明は、有益な効果を達成するため、パーソナルケア製品を身体部分の処置のために使用する方法を提供する。そのような有益な効果には、身体部分の清浄化、身体部分の上皮表面の様々な状態の処置が含まれる。従って、方法は、以下のものの処置を提供する:毛髪及び頭皮(例えば、毛髪を浄化するため、フケのような頭皮の疾病を処置するため等);表皮(例えば、皮膚の乾燥を改善するか又は防止するため、ざ瘡を処置するため、皮膚を防御するため、皮膚を浄化するため等);創傷(例えば、クレンザーとして、創傷治癒を促進するため);膣組織(例えば、婦人衛生を促進するため、腟炎を軽減するため等);直腸組織(例えば、クレンザーとして、炎症を軽減するため、刺激を低下させるため等);頬組織(例えば、歯のう食を処置又は防止するため、口腔内潰瘍を処置するため、口内の細菌寄生を低下させるため等)。
【0179】
クレンジング機能を果たすホームケア組成物は、一般的に、浄化すべき対象(例えば、ファブリック又は硬表面)に適用され、次いで、例えば、濯ぎ、拭き取り、又はこすり取りにより除去される。例えば、ファブリックトリートメント(例えば、ファブリック洗浄剤)は、一般的に、(例えば、固体ゲルをファブリックに直接こすり付けるか、液体をファブリックにスプレーするか、又は水組成物に液体を添加し、その中でファブリックを撹拌することにより)ファブリックに適用され、次いで、例えば、水で濯ぐことにより除去される。表面トリートメントは、一般的に、処理すべき表面(例えば、ガラス、金属、タイル、又はポリマーの表面)に適用され、場合により(例えば、モップ又はワイプにより)撹拌され、次いで(例えば、拭き取るか、又は水で濯ぐことにより)除去される。いくつかの実施形態において、表面トリートメントは、所望の表面に表面トリートメントを適用するためのみならず、それを拭き取るためにも使用される適用手段、例えば、布又はパッドへ組み込まれ得る。特定の実施形態において、表面トリートメントは、場合により使い捨てパッケージに個々に包装されてもよいし、又は再密閉可能なバッグ、ボックス、もしくはポップアップディスペンサーのような再密閉可能なパッケージに包装されてもよい、予め湿らされたワイプ又はパッドに適用される。
【0180】
その他のホームケア組成物は、適切に使用され得る。例えば、エアデオドライザーとして使用されるホームケア組成物は、適当なスプレイヤー(便利には、一般に1つ以上の推進剤を含有しているであろうエアロゾルスプレー缶)からスプレーされるか;又は次第に蒸発して、それにより外界空気中に脱臭剤を放出するよう、(例えば、固体もしくは半固体のゲルデオドライザーとして)環境へと単に開かれる。もう1つの例として、表面トリートメントとして使用されるホームケア組成物は、適当な表面へワイプで塗られ、蒸発するよう残されてもよい。しかしながら、本発明のいくつかの好ましい実施形態は、塗料を排除する。
【0181】
上記の説明において、「剤」という用語を修飾するために使用された形容詞は、修飾語の特性を有するか又は修飾語が暗示する機能を果たし得る化合物又は混合物を意味する。そのような用語は、そのような化合物及び混合物について当業者が従来認識している意味を有する。
【実施例】
【0182】
(実施例1)
クエン酸二水素銀の調製
不純物を除去し、脱イオン水を作製するため、水を逆浸透ユニットに導入し、半透膜に通した。無水の99%純粋なクエン酸を水と混合し、200ガロンの20%(wt/vol)(水1ガロン当たりクエン酸796g)溶液を作製した。200ガロンの20%クエン酸を、各々200金衡オンスの999純銀からなる正極及び負極を含有しているイオンチャンバーに入れた。正極及び負極は、クエン酸溶液が2つの電極間を通過し得るよう、少なくとも2.0mm隔てて置かれていた。正及び負のコンダクターを含むイオンジェネレーションコントローラー(ion generation controller)(IGC)パワーサプライを、正極及び負極に取り付けた。IGCは、1分間隔で極性を変化させながら、9秒ごとのパルスで、17ボルトで5アンペアの電流を適用した。過程の全体を通して、電極間隙は、5アンペア−17ボルト出力を維持するために調整された。電流は、正極と負極との間にイオン流を流れさせ、希釈されたクエン酸溶液中に遊離銀イオンを生成させた。銀イオンが、クエン酸溶液中でクエン酸と反応し、クエン酸二水素銀溶液が生じた。所望の銀イオン濃度が入手されるまで、144時間、毎分50ガロンで、20%クエン酸溶液をイオンチャンバーの中に再循環させた。次いで、その手順において形成された固体を沈殿させるため、クエン酸二水素銀溶液を安定させた。得られた生成物は、2410ppmという銀イオン濃度を有するクエン酸二水素銀溶液であった。
【0183】
二水素銀(silver dihydrogen)溶液は保存されてもよいし、又は以下の実施例により直ちに使用されてもよい。
【0184】
電極のサイズ及び/又は間隔の多数の変動、並びにピーク電圧の多数の変動、並びに断続的な電圧極性のタイミング配列の多数の変動が、本発明において使用するためのクエン酸二水素銀を入手するために、容易に使用され得ることが、当業者によって理解されるべきである。
【0185】
上記の方法により、2410ppmという銀イオン濃度を有する溶液が調製された。2410ppm銀イオン溶液を、5%水性クエン酸(pH7.0)で希釈し、100ppm銀という銀イオン濃度を有するクエン酸二水素銀ストック溶液(ストック溶液)を作製した。製剤の製造においては、クエン酸二水素(dihydrigen)銀のその他の希釈率を使用するか、又は2410ppm銀という濃度を有する未希釈の銀溶液を直接使用することも可能である。
【0186】
(実施例2)
パーソナルケア製剤
クエン酸二水素銀の様々な製剤が、以下の表1〜8に提示される。以下の表の各々において、Xとは、別々に番号が付けられた本発明の実施形態において示された成分が示された割合で包含されていることを示す。また、表中、パーセント(%)記号が後続する数字は百分率を示し、パーセント記号が後続しない数字は部を示す。特記しない限り、液体の割合は、体積百分率(vol/vol)として計算され、固体の割合は、重量/体積百分率(wt/vol)により計算される。各ケースにおいて、q.s.とは、組成物の残りの体積を補うために、水が添加されることを示す。
【0187】
ストッククエン酸二水素銀溶液は、上記実施例1に記載されたようにして調製される。以下の表において、クエン酸二水素銀ストック溶液(ストック溶液)とは、100ppmの銀イオン濃度を有するクエン酸二水素銀溶液である。従って、表中に示されたストッククエン酸二水素銀溶液の割合は、形成される最終生成物の体積に対する使用されるストック溶液の体積として表されている。実施例において、得られる溶液中の銀イオンの濃度は、約100ppb〜約20ppmの範囲内にあるであろう。しかしながら、当業者であれば、より高い銀イオン濃度を有するストック溶液を選ぶことにより、より高い銀イオン濃度を有するパーソナルケア組成物が調製され得ることを認識するであろう。例えば、下に示された処方集に従うことにより、1,000ppm銀イオンのストック溶液を使用して、約200ppmまでの銀イオン濃度が、本発明のパーソナルケア組成物において入手され得る。一般に、ストック溶液は、約50〜約10,000ppmの濃度を有し得る。2410ppmという銀濃度を有する未希釈の銀溶液を、製剤の製造において使用することも可能である。
【0188】
以下の表には、クエン酸二水素銀の適用の例として異なる型の製剤が示される。クエン酸二水素銀は、微生物による腐敗からの製剤の防御をもたらす保存活性を提供し、皮膚及びその他の生物表面並びに無生物表面における抗微生物活性を達成するために使用され得る使用状況においては、製剤の抗微生物効果も提供する。製剤中の保存活性を増加させるためには、クエン酸二水素銀は、本明細書に開示されるような「他の抗微生物防腐剤」と組み合わせられ得る。より広いスペクトル活性、又はより強い生物表面及び無生物表面における抗微生物効力を達成するためには、クエン酸二水素銀は、本明細書に開示されたような「付加的な抗微生物剤」又は本明細書に開示されたような「天然抗微生物活性物質」と組み合わせられ得る。
【0189】
表2には、本発明に係るO/W系(連続「水」相が本発明のクエン酸二水素銀を含み、不連続「油」相が1つ以上の非水溶性成分を含む水中油型コロイド性懸濁物)のいくつかの実施形態が示される。
【0190】
【表2−1】

【0191】
【表2−2】


【0192】
他の抗微生物防腐剤として、製剤は、好ましくは、1%Phenonip(Phenonip)(登録商標)(即ち、2−フェノキシエタノールと、パラヒドロキシ安息香酸エステルの混合物との組み合わせ)を含有する。
【0193】
好ましい付加的な抗微生物剤として、製剤は0.15%トリクロサンを含有し得る。
【0194】
好ましい天然抗微生物活性物質として、製剤は0.3%ファルネソールを含有し得る。
【0195】
表3には、本発明に係るW/O系(即ち、不連続「水」相が本発明のクエン酸二水素銀を含み、連続「油」相が1つ以上の非水溶性成分を含む組成物)のいくつかの実施形態が示される。
【0196】
【表3−1】

【0197】
【表3−2】


【0198】
他の抗微生物防腐剤として、製剤は、好ましくは、0.01%メチルイソチアゾリノンを含有している。好ましい付加的な抗微生物剤として、製剤は0.5% 2−フェノキシエタノールを含有し得る。
【0199】
スキンケア製剤のもう1つのカテゴリーは、シリコン中水型系(w/シリコンエマルジョン)である。
【0200】
そのような種類のエマルジョンに特に適しているW/シリコン乳化剤は、オキシアルキレン化オルガノ修飾シリコンを表す以下の式(1)に相当するものである。使用される他のものは、乳化に必要な良好な表面活性特性を示すPEG/PPGジメチコン(ジメチコンコポリオール)又はシリコンポリエーテルである。
【0201】
【化3】

m:1〜20
n:0〜500
p:0〜50
R1:直鎖型又は分岐型のC1−C30アルキルラジカル又はフェニルラジカル
R2:−CH2(−0−C2H4)−(O−C3H6)−(−O−C4H8)−R3
a:0〜100 c:0〜5
b:0〜50 d:0〜10
R3:−H、−OH
− 直鎖型又は分岐型のアルキルC1−C12、直鎖型又は分岐型のアルコキシC1−C6、直鎖型又は分岐型のアシルオキシC2−C12
− NHCH2CH2COOM、アミン官能基上で場合により置換されていてもよいアミノアルキルラジカル
− NHCO(CH2)−COOM、C1−C30カルボキシアシルラジカル
ここで、M:H、Na、K、Li、NH4、又は有機アミン
− 場合により置換されていてもよいホスホノ基
− NHCO(CH2)OH
− NH3Y[Y:Cl、Br、スルフェート、カルボキシレート(アセテート、ラクテート、シトレート)のような1価の有機又は無機の陰イオン]。
【0202】
式2のような好ましいシリコン乳化剤が、特に推奨される:
【0203】
【化4】

n:1〜500
R:直鎖型又は分岐型のC1−C30アルキルラジカル又はフェニルラジカル
R2:−CH2(−O−C2H4)−(−O−C3H6)−O(−C4H8)−R3
a、b、c&d:前記と同一の範囲
R3:前記と同一
安定なエマルジョンを開発するためには、エマルジョンの全重量に対して0.1%〜20%、特に0.5%〜10%の範囲のこれらシリコン乳化剤の濃度が推奨される。
【0204】
W/Si乳化剤の非網羅的なリストが、下記表4に与えられる:
【0205】
【表4−1】

【0206】
【表4−2】


【0207】
w/シリコン型の典型的な製剤は、以下の表5に与えられる:
【0208】
【表5】


【0209】
他の抗微生物防腐剤として、製剤は、好ましくは、0.1%ベンズイソチアゾリノンを含有する。好ましい付加的な抗微生物剤として、製剤は、0.15%安息香酸を含有し得る。好ましい天然抗微生物剤として、製剤は、0.2%地衣抽出物を含有する。
【0210】
表6に、本発明に係る複合エマルジョン系のいくつかの実施形態が示される。
【0211】
【表6−1】

【0212】
【表6−2】


【0213】
他の抗微生物防腐剤として、製剤は、好ましくは、0.1%2,4−ジクロロベンジルアルコールを含有する。好ましい付加的な抗微生物剤として、製剤は、0.1%10−ウンデシレン酸を含有する。
【0214】
【表7−1】

【0215】
【表7−2】


【0216】
他の抗微生物防腐剤として、製剤は、好ましくは、0.3%DMDMヒダントインを含有する。好ましい付加的な抗微生物剤として、製剤は、0.05%ジョド(Jodo)プロピニルブチルカルバメートを含有する。好ましい天然抗微生物活性物質として、製剤は、0.1%ファルネソールを含有する。
【0217】
表8には、本発明に係る油中水中油型エマルジョンのいくつかの実施形態が示される。いくつかの実施形態において、「水」相は、本発明のクエン酸二水素銀を含む。
【0218】
【表8−1】

【0219】
【表8−2】


【0220】
他の抗微生物防腐剤として、製剤は、好ましくは、0.25%イミダゾリジニルウレアを含有する。好ましい付加的な抗微生物剤として、製剤は、0.3%ジアゾリジニルウレアを含有し得る。好ましい天然抗微生物活性物質として、製剤は、0.1%オレンジ油を含有する。
【0221】
表9には、本発明に係るマイクロエマルジョン系のいくつかの実施形態が示される。
【0222】
【表9】


【0223】
他の抗微生物防腐剤として、製剤は、好ましくは、0.2%メチルパラベンを含有する。好ましい付加的な抗微生物剤として、製剤は、0.075%2−ブロム−2−ニトロ1,3−プロパンジオール(ブロノポール)を含有し得る。
【0224】
表10には、本発明に係る水中油型スプレーエマルジョン系のいくつかの実施形態が示される。
【0225】
【表10】


【0226】
他の抗微生物防腐剤として、製剤は、好ましくは、0.08%1,2−ジブロモ−2,4−ジシアノブタンを含有する。好ましい付加的な抗微生物剤として、製剤は、0.1%トリクロサンを含有し得る。
【0227】
表11には、本発明に係る水性ゲルのいくつかの実施形態が示される。
【0228】
【表11−1】

【0229】
【表11−2】


【0230】
他の抗微生物防腐剤として、製剤は、好ましくは、0.1%1−(3−クロルアリル)−3,5,7−トリアザ−1−アゾニア−アダマンタンクロリド(chlorid)を含有する。好ましい付加的な抗微生物剤として、製剤は、0.05%5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキサンを含有し得る。
【0231】
表12には、本発明に係るオレオゲルのいくつかの実施形態が示される。
【0232】
【表12−1】

【0233】
【表12−2】


【0234】
他の抗微生物防腐剤として、製剤は、好ましくは、1%ベンジルアルコールを含有する。好ましい付加的な抗微生物剤として、製剤は、0.3%フェノキシイソプロパノールを含有し得る。好ましい天然抗微生物活性物質として、製剤は、0.05%チャノキ油を含有する。
【0235】
表13には、本発明に係るライト(light)/ドライ(dry)化粧用オイルのいくつかの実施形態が示される。
【0236】
【表13】


【0237】
表14には、本発明に係るフォーミング(foaming)/ムースのいくつかの実施形態が示される。
【0238】
【表14】


【0239】
他の抗微生物防腐剤として、製剤は、好ましくは、0.2%ポリ(1−ヘキサメチレンビグアニドヒドロクロリド)を含有する。好ましい付加的な抗微生物剤として、製剤は、0.05%チアベンダゾールを含有し得る。
【0240】
表15には、本発明に係るスティック製品のいくつかの実施形態が示される。
【0241】
【表15】


【0242】
他の抗微生物防腐剤として、製剤は、好ましくは、0.05%3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートを含有する。好ましい付加的な抗微生物剤として、製剤は、0.3%ソルビン酸及び/又はその塩を含有し得る。
【0243】
表16には、本発明に係る液体及びコンパクトのいくつかの実施形態が示される。
【0244】
【表16】


【0245】
他の抗微生物防腐剤として、製剤は、好ましくは、0.005%5−クロロ−2メチル3(2H)−イソチアゾリノンを含有する。好ましい付加的な抗微生物剤として、製剤は、0.2%デヒドロ酢酸(3−アセチル−6メチル−2,4−(3H)ピランジオン(pyrandion))を含有し得る。好ましい天然抗微生物活性物質として、製剤は、0.3%ファルネソールを含有する。
【0246】
SDCのための欠けている製剤(Missing Formulations for SDC)
【0247】
【表17】


【0248】
好ましい他の抗微生物防腐剤は、0.15%ポリ(ヘキサメチレンビグアニド)である。
【0249】
【表18】


【0250】
好ましい他の抗微生物防腐剤は、1%Phenonip(登録商標)である。
【0251】
【表19】


【0252】
好ましい他の抗微生物防腐剤は、0.1%アルキル−(C8−C18)−ジメチルベンジルアンモニウムクロリド(又はブロミド、又はサッカリネート)である。
【0253】
【表20】


【0254】
好ましい他の抗微生物防腐剤は、0.1%ベンジルアルコールである。
【0255】
【表21】

【0256】
【表22】

【0257】
【表23】


【0258】
典型的な保湿剤としては、グリセリン、ブチロエン(butyloene)グリコール、又はβ−グルカンのような天然の保湿剤(例えば、オート麦由来、又は真菌スクレロチウム・ロルフシー(Sclerotium rolfsii)由来)が使用される。
【0259】
【表24a】


【0260】
他の抗微生物防腐剤として、製剤は、好ましくは、0.15%クロルヘキシジン及び/又はその塩を含有する。好ましい付加的な抗微生物剤として、製剤は、0.25%サリチル酸又はその塩を含有し得る。
【0261】
【表24b】


【0262】
他の抗微生物防腐剤として、製剤は、好ましくは、0.1%チオメロサールを含有する。
【0263】
改良されたサンプロテクション及びアンチエージング特性のためのUVフィルターを含む典型的なメーキャップ組成物は、例えば、最終製品製剤の全重量に基づき重量で0,05%〜40%、特に0,5%〜20%の、この文書の26〜28(108)頁に挙げられた1つ以上のUVフィルターを含有しているべきである。そのようなメーキャップ組成物は、以下のような種々の製剤型のものであり得る:
(化粧用粉末)
主な成分は、以下の通りである:タルク、TiO、ZnO、雲母(ケイ酸アルミニウムカリウム二水和物)のような真珠箔(高い屈折率)、セリサイト、TiO、又はZnOでコーティングされた有色酸化物(Fe、Cr、Ni、Co、Sb、Al、Si、Sn、Bi)及びそれらの混合物、例えば:
− マット効果のためのカオリン(自然のケイ酸アルミニウム水和物)
− 吸収力のための炭酸マグネシウム及び炭酸カルシウム
− 金属ステアレート;付着性、滑り、及び撥水性の改良
− 皮膚におけるモモ色様ブルーム効果(peach−like bloom effect)のためのデンプン
− きめ増強剤としてのポリマー;ナイロン、窒化ホウ素、ポリビニリデンコポリマー、及びアクリレート等
− シリカ及びヒュームドシリカ;球状シリカ、シリコン粉末、ボロシリケート等。
【0264】
【表25−1】

【0265】
【表25−2】


【0266】
表26には、本発明に係るコンディションシャンプーのいくつかの実施形態が示される。
【0267】
【表26−1】

【0268】
【表26−2】


【0269】
他の抗微生物防腐剤として、製剤は、好ましくは、0.25%安息香酸及び/又はその塩を含有する。好ましい付加的な抗微生物剤として、製剤は、0.3%ソルビン酸及び/又はその塩を含有し得る。好ましい天然抗微生物活性物質として、製剤は、0.05%アニス油を含有する。
【0270】
【表27】


【0271】
他の抗微生物防腐剤として、製剤は、好ましくは、0.002%塩化銀(例えば、JMアクチケア、塩化銀担持二酸化チタン)を含有している。好ましい付加的な抗微生物剤として、製剤は、0.1%N−アルキル(C12−C22)トリメチルアンモニウムブロミド(又はクロリド)を含有し得る。
【0272】
【表28−1】

【0273】
【表28−2】


【0274】
他の抗微生物防腐剤として、製剤は、好ましくは、0.25%ヒドロキシメチルアミノ酢酸ナトリウムを含有する。好ましい付加的な抗微生物剤として、製剤は、0.15%クロロフェネシンを含有し得る。好ましい天然の抗微生物活性物質として、製剤は、0.05%レモン油を含有する。
【0275】
表29には、本発明に係る抗微生物クレンジング組成物のいくつかの実施形態が示される。
【0276】
【表29−1】

【0277】
【表29−2】


【0278】
表30には、本発明に係る抗微生物クレンジング組成物のいくつかの実施形態が示される。
【0279】
【表30−1】

【0280】
【表30−2】


【0281】
(B.ホームケア製剤及びファブリックケア製剤)
表31には、本発明に係る製剤のいくつかの実施形態が示される。
【0282】
【表31−1】

【0283】
【表31−2】


【0284】
表32には、本発明の実施形態に係るいくつかのホームケア製剤及びファブリックケア製剤が示される。
【0285】
【表32−1】

【0286】
【表32−2】

【0287】
【表32−3】


【0288】
表33には、本発明に係るホームケア組成物及びファブリックケア組成物のさらなる実施形態が示される。
【0289】
【表33】


【0290】
表34及び35には、本発明の液体洗浄製剤の実施形態が示される。
【0291】
【表34】

【0292】
【表35−1】

【0293】
【表35−2】


【0294】
表36には、本発明に係るさらなる液体洗浄製剤が示される。
【0295】
【表36】

【0296】
【表37】


【0297】
好ましい天然抗微生物活性物質は、0.1〜2%オレンジテルペンである。
【0298】
【表38−1】

【0299】
【表38−2】

【0300】
【表39−1】

【0301】
【表39−2】

【0302】
【表40】

【0303】
【表41】

【0304】
【表42】

【0305】
【表43】

【0306】
【表44】

【0307】
【表45】

【0308】
【表46】

【0309】
【表47】

【0310】
【表48】

【0311】
【表49】

【0312】
【表50】

【0313】
【表51】

【0314】
【表52−1】

【0315】
【表52−2】

【0316】
【表53−1】

【0317】
【表53−2】

【0318】
【表54−1】

【0319】
【表54−2】

【0320】
【表55】

【0321】
【表56】


【0322】
(実施例3)
クエン酸二水素銀の殺微生物効果
クエン酸二水素銀が、いくつかの種類の細菌に対して試験され、静菌性であることが見出された。以下の表に示されるように要約されるように、銀の最少阻害濃度(μg/ml)が、各細菌株について決定された。
【0323】
表57において、試験溶液は、(NaOHにより調整された)pH7.0の5%クエン酸溶液中に100ppmのAgを含有していた。
【0324】
【表57】


【0325】
表58において、試験溶液は、(NaOHにより調整された)pH7.0の水中に100ppmのAgを含有していた。
【0326】
【表58−1】

【0327】
【表58−2】


【0328】
表59において、本発明に係る様々な製剤が、示された濃度で試験された。表中、2410ppm銀とは、銀の割合が重量で2410百万分率であるクエン酸二水素銀溶液のストック溶液をさす。
【0329】
【表59−1】

【0330】
【表59−2】


【0331】
(実施例4)
界面活性剤における安定性評価
クエン酸二水素銀の抗微生物活性の経時的な安定性が測定された。組成物は、界面活性剤を含まないか、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又は界面活性剤の組み合わせを含んでいた。陰イオン性、非イオン、及び両性の界面活性剤の混合物は、安定しており、クエン酸二水素銀による良好な保存を示すことが見出された。
【0332】
(実施例5)
保存活性
試験法:
クエン酸二水素銀組成物の抗微生物効力を証明するため、実施例1のクエン酸二水素銀組成物を保存チャレンジ試験(Preservative Challenge Tests)に供した。保存チャレンジ試験は、カテゴリー2生成物(水性の基剤又は媒体により作成された局所的に使用される生成物、非無菌の鼻用生成物、粘膜に適用されるものを含むエマルジョン)のための欧州薬局方(European Pharmacopoeia)試験法4.04/5.01.03.00に従い実施された。
【0333】
細菌試験生物及びビースト(veasts)は、カゼインソイミール(Soymeal)ペプトン寒天上で、真菌試験生物は、サブロー(Sabouraud)4%グルコース寒天上で、35℃で18〜24時間(細菌)、25℃で48時間(カンジダ)、又は25℃で1週間(アスペルギルス)、培養された。
【0334】
インキュベーション後、0.9%塩化ナトリウムにより寒天プレートの表面から洗浄することにより、細菌及びビーストを採集した。アスペルギルスは、0.9%塩化ナトリウム/0.01%Tween80により寒天プレート表面から洗浄することにより、採集された。
【0335】
試験微生物の懸濁物を、およそ10コロニー形成単位の密度を有する最終試験生物懸濁物へと、0.9%塩化ナトリウムにより希釈した。
【0336】
各試験生物について、20gの試験生成物をガラスジャー(ショット(Schott)/ドイツ製のスクリューカップを有する250mlのジャー)で計量し、試験生物懸濁物0.2mlで汚染した。ガラススパチュラで攪拌することにより、微生物を試験生成物中に慎重に分布させた。
【0337】
そのように汚染された試験生成物を、暗所で20〜25℃で保存した。
【0338】
試験生成物の汚染直後、並びに汚染後2日目、7日目、14日目、及び28日目に、材料1gの試料を採取した。
【0339】
試料を0.9%塩化ナトリウムで希釈し、希釈物の一定分量0.1mlを、ドリガルスキー(Drigalsky)スパチュラによって寒天プレートに広げた。特定の抗微生物薬の適切な不活化剤(中和剤)を、生成物希釈の調製のために使用された希釈剤、及び生存可能細胞の総数の評価のために使用された寒天プレートに組み込んだ。
【0340】
寒天プレートを、35℃で24時間(細菌及びビースト)又は25℃で3日間(アスペルギルス)、インキュベートし、増殖したコロニーをインキュベーション期間後に計数した。コロニーを計数し、試験生成物1g当たりの生存可能細胞の数(コロニー形成単位)を計算した。次いで、生成物における微生物のlog減少を計算した(保存チャレンジ試験の結果を含む下記の表を参照のこと)。
【0341】
試験株:
シュードモナス・アエルギノサ ATCC9027;NCIMB8626;CIP82.118
スタフィロコッカス・アウレウス ATCC6538;NCTC10788;NCIMB9518;CIP4.83
カンジダ・アルビカンス ATCC10231;NCPF3179;IP48.72
アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)ATCC16404;IMI149007;IP1431.83
クエン酸二水素銀を、抗微生物効果に関して多様な製剤において試験した。以下の表60〜62は、これらの試験の結果を示す:
【0342】
【表60】

【0343】
【表61】

【0344】
【表62】


【0345】
本発明が上記の実施例に関して記載されたが、当業者であれば、他の実施形態が調製され得、本発明の範囲内にあることを認識するであろうことが、理解されるべきである。
【0346】
本明細書中に引用された全ての米国特許文献を含む参照は、参照により本明細書に組み入れられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クエン酸二水素銀及び生理学的に許容される媒体を含むパーソナルケア組成物。
【請求項2】
脱臭剤、制汗剤、アルコール以外の抗微生物剤、プロトン供与剤、低刺激性増強剤、皮膚保湿剤、湿潤剤、軟化剤、油、脂質型材料、安定剤、研磨剤、抗ざ瘡剤、抗酸化剤、着色剤、収斂剤、フィルム形成剤、芳香成分、不透明化剤、推進剤、還元剤、皮膚漂白剤もしくは日焼け止め剤、及びオーラルケア剤からなる群より選択される少なくとも1つの付加的な成分、又はそれらの2つ以上の組み合わせをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
アルコール又は洗浄剤の一方又は両方をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
クエン酸二水素銀、水、及び洗浄剤又はアルコール以外の少なくとも1つの成分を含む、パーソナルケア組成物。
【請求項5】
前記アルコール又は洗浄剤以外の成分が、脱臭剤、制汗剤、アルコール以外の付加的な抗微生物剤、付加的なプロトン供与剤、低刺激性増強剤、皮膚保湿剤、湿潤剤、軟化剤、油、脂質型材料、安定剤、研磨剤、抗ざ瘡剤、抗酸化剤、着色剤、収斂剤、フィルム形成剤、芳香成分、不透明化剤、推進剤、還元剤、皮膚漂白剤、日焼け止め剤、又はそれらの2つ以上の組み合わせのうちの少なくとも1つである、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
クエン酸二水素銀、水、油相、及び少なくとも1つの乳化剤を含むパーソナルケア組成物。
【請求項7】
油中水型エマルジョン、水中油型エマルジョン、油中水中油型エマルジョン、又は水中油中水型エマルジョンである、請求項6に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項8】
マイクロエマルジョン、マクロエマルジョン、又は転相温度エマルジョンである、請求項6に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項9】
クエン酸二水素銀及び水を含む水相中に非水溶性固体成分の混合物を含む、パーソナルケア組成物。
【請求項10】
ペースト又はコロイド性懸濁物である、請求項9に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項11】
クエン酸二水素銀、水、並びにゲル化剤、濃化剤、及びそれらの混合物からなる群の少なくとも1つのメンバーを含む、パーソナルケア組成物。
【請求項12】
クエン酸二水素銀、水、及びゲル化剤を含む、請求項11に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項13】
液体、半固体、又は固体の形態の、請求項12に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項14】
脱臭剤、制汗剤、及び芳香剤からなる群の1つ以上のメンバーをさらに含む、請求項12に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項15】
1つ以上のオーラルケア成分をさらに含む、請求項12に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項16】
オーラルケア成分が、清掃剤、つや出し剤、フッ素処理剤、悪臭処理剤、歯美白剤、抗う食剤、ゲル化剤、クエン酸二水素銀以外の抗菌剤、香料、着色剤、及びこれらの2つ以上の組み合わせを含む、請求項15に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項17】
クエン酸二水素銀及び水を含有している水相、油相、並びに乳化剤を有するエマルジョンを含むパーソナルケア組成物であって、該エマルジョンが、油中水型エマルジョン、水中油型エマルジョン、油中水中油型エマルジョン、水中油中水型エマルジョン、転相温度エマルジョン、又はマイクロエマルジョンからなる群より選択される形態である、パーソナルケア組成物。
【請求項18】
マウスリンス、洗口剤、練り歯磨き、トゥースゲル、義歯ペースト、義歯ゲル、チューインガム、固体ロゼンジ、又はオーラルスプレーからなる群より選択される経口的に許容される形態の、クエン酸二水素銀及び水を含むパーソナルケア組成物。
【請求項19】
クエン酸二水素銀、水、及び洗浄剤又はアルコール以外の少なくとも1つの成分を含むホームケア組成物。
【請求項20】
前記洗浄剤又はアルコール以外の成分が、乳化剤、ゲル化剤、濃化剤、精油、芳香剤、研磨剤、漂白剤、美白剤、デオドライザー、酵素、又は安定剤である、請求項19に記載のホームケア組成物。
【請求項21】
クエン酸二水素銀、水、油相、及び少なくとも1つの乳化剤を含むホームケア組成物。
【請求項22】
水及びクエン酸二水素銀を含む水相中に非水溶性固体成分の混合物を含むホームケア組成物。
【請求項23】
クエン酸二水素銀、水、及びゲル化剤又は濃化剤を含むホームケア組成物。
【請求項24】
液体、半固体、及び固体より選択される適当な形態の、クエン酸二水素銀及び水を含むホームケア組成物。
【請求項25】
クエン酸二水素銀を含み、ビルダー、酵素、漂白剤、美白剤、カラーケア剤、ファブリック柔軟剤、消泡剤、分散剤及び色素転移阻害剤、キレート剤、並びにエアロゾル推進剤からなる群より選択される1つ以上の付加的な成分をさらに含むホームケア組成物。
【請求項26】
液体、ペースト、ゲル、棒状物、錠剤、スプレー、フォーム、粉末、顆粒の形態の、水及びクエン酸二水素銀を含む抗微生物ランドリーケア組成物。
【請求項27】
抗微生物的に有効な量のパーソナルケア組成物をヒト身体表面又は部分に適用することを含む、請求項1、4、6、9、11、17、19、21、22、23に記載のパーソナルケア組成物を使用する方法。
【請求項28】
抗微生物的に有効な量のホームケア組成物を物品又は表面と接触させることを含む、請求項24、25、又は26に記載のホームケア組成物を使用する方法。
【請求項29】
脱臭剤、制汗剤、スキンケア製品、日焼け止め製品、パーソナルクレンジング製品、ヘアケア製品、オーラルケア製品、又は装飾用化粧品として製剤化されている、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。

【公表番号】特表2008−512387(P2008−512387A)
【公表日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−530483(P2007−530483)
【出願日】平成17年9月6日(2005.9.6)
【国際出願番号】PCT/US2005/031876
【国際公開番号】WO2006/029213
【国際公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(506068449)ピュア バイオサイエンス (10)
【Fターム(参考)】