クッションカバー

【課題】既存のクッション素材に装着してもマッサージを受けることができる他、使用者の首や腰部等に巻き付けたり、椅子の背もたれ等に引っ掛けたり巻き付けたりしてマッサージを受けることができる等、種々の使用態様に適用することのできるマッサージ装置付のクッションカバーを提供する。
【解決手段】袋状に形成してファスナー等の開閉手段で開閉可能なカバー本体２と、当該カバー本体２の内側に袋状で形成してファスナー等の開閉手段で開閉可能な装填部３と、当該装填部３に装填したマッサージ装置４とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、種々の使用態様に適用することのできるマッサージ装置付のクッションカバーに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、首や肩のマッサージをするための施療子を、膨張と収縮とを反復するエアーバッグによって動作させるエアーマッサージ機において、施療子を取り付けたエアーバッグが載置されたマット本体全体を枕カバーで覆ってなるエアーマッサージ機が提供されている（特許文献１）。
【０００３】
また、中央に施療部位を嵌入し得る凹部を形成した基台と、該基台に保持された駆動機構と、該駆動機構に連動して回転するよう基台中央部位に架設された回転施療部材とで構成したことにより、径の異なる施療部位や比較的脂肪の少ない施療部位への施療をも可能にし、広範囲の施療箇所に適応できるようにし、また、ベルトを取付けることにより身体に巻き付け可能な多機能型携帯美容機が開示されている（特許文献２）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００１−３４６８４３号公報
【特許文献２】特開２００２−１３６５６４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、特許文献１に記載の技術では、マッサージを施療する施療子とエアーバッグとがマット本体の取付け面に固定されているため、当該施療子とエアーバッグとを上記構成のエアーマッサージ機以外で使用することは困難であり、使用態様が限定されるという問題があった。
【０００６】
また、特許文献２に記載の技術では、広範囲の施療箇所を施療できるものの、上記構成の範囲内で使用態様が限定されるという問題があり、また、身体に巻き付けて使用する際には、別途ベルトを取り付けなければならないという問題があった。
【０００７】
そこで、本発明は、種々の使用態様に適用することのできるマッサージ装置付のクッションカバーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記課題を解決するために、本発明は次のように構成した。すなわち、本発明に係る請求項１に記載のクッションカバーは、カバー本体と、当該カバー本体の内側に形成した装填部と、当該装填部に装填したマッサージ装置とからなることを特徴としている。
【０００９】
また、請求項２に記載のクッションカバーは、椅子の背もたれ等の対象物に係止して引っ掛けるため、又は、前記クッションカバーを輪状にするために、前記カバー本体に少なくとも１つ以上の係止具を取り付けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【００１０】
本発明に係る請求項１に記載のクッションカバーによれば、クッション素材に被覆して装着するという機能のみならず、装填部にマッサージ装置を装填したことにより、首、腰部や脚部等の使用者の身体部位に巻き付ければ、当該身体部位のマッサージを受けることができ、他にも様々な使用態様でマッサージを受けることができる。また、前記装填部を開閉して揉み玉の異なる動きのマッサージ装置に交換すれば、種々のマッサージを受けることができる。また、既存のクッション素材に装着することによっても種々のマッサージを受けることができる。
【００１１】
また、請求項２に記載のクッションカバーによれば、係止具を取付けたことにより、首、腰部や脚部等の使用者の身体部位への巻き付けをより容易に且つ強固にすることができ、さらに、椅子の背もたれ等に引っ掛けたり巻き付けたりすることによって、さらに様々な使用態様でマッサージを受けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【００１２】
【図１】本発明に係るクッションカバーの構成を示す斜視図である。
【図２】本発明に係るマッサージ装置の構成を示す斜視図である。
【図３】本発明に係るクッションの構成を示す斜視図である。
【図４】本発明に係る係止具を取付けたクッションカバーの構成を示す斜視図である。
【図５】当該クッションの使用状態を示す斜視図である。
【図６】当該クッションの使用状態を示す斜視図である。
【図７】当該クッションカバーの使用状態を示す斜視図である。
【図８】当該クッションカバーの使用状態を示す斜視図である。
【図９】当該クッションカバーの使用状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００１３】
以下、図面に基づいて本発明を具体的に説明する。まず、図１は、本発明に係るクッションカバー１の構成を示す斜視図である。クッションカバー１は、袋状であって、ファスナーで開閉可能なカバー本体２と、当該カバー本体２の内側に設けられた袋状でファスナーにより開閉可能な装填部３と、当該装填部３内に装填されたマッサージ装置４とから構成されている。なお、当該カバー本体２及び装填部３において、開閉可能にする手段はファスナーに限られず、釦や面ファスナー等により開閉可能な構成であれば何でもよい。
【００１４】
図２は、前記マッサージ装置４の構成を示す斜視図である。当該マッサージ装置４は、具体的には図示しないが、ハウジング４ａに内蔵された電動モーターを駆動させ、運動伝達機構を介してハウジング４ａ外の揉み玉４ｂを回転させることにより、当該揉み玉４ｂをマッサージ装置４の使用者の身体に当接させてマッサージを行うものである。なお、図示はしないが、当該マッサージ装置４は、家庭用コンセント等から電源コードを介して電源供給を受け、直流電源に変換して前記電動モーターを動作させる。また、電池を装填することによって、或いは、充電式のバッテリーを内蔵することによって、当該電動モーターを動作させてもよい。
【００１５】
このように構成されるマッサージ装置４以外にも、前記袋状の装填部３に装填可能なサイズのマッサージ装置４であれば何でもよく、揉み玉４ｂが回転するマッサージ装置４の他に、揉み玉４ｂが上下運動したり、揉み玉４ｂ前後に直線状の運動を行ったりするマッサージ装置４等の種々のマッサージ装置４であってもよい。そして、当該種々のマッサージ装置４は、袋状の装填部３に出し入れすることで交換することができる。
【００１６】
図３は、当該クッションカバー１を装着して形成するクッション５の構成を示す斜視図である。クッション素材６は、クッションカバー１によって被覆される平面視矩形のクッション素材６であって、当該クッション素材６の表面ほぼ中央には、上記クッションカバー１に装着したマッサージ装置４に対応する位置及び大きさの陥没部７が開口して設けられている。前記クッションカバー１を当該クッション素材６に装着するには、カバー本体２の袋状の開口部分からクッション素材６を挿入し、袋状の装填部３に覆われたマッサージ装置４を前記陥没部７に嵌め入れながら、クッション素材６にクッションカバー１を被覆させる。そして、当該カバー本体２のファスナー等の開閉手段によって袋状のクッションカバー１を閉じることにより、クッション５が構成される。このようにクッション素材６に陥没部７を設けたことにより、外観的及び触覚的に何らの違和感もなくクッション５として使用することができるとともに、嵌入られたマッサージ装置４によってマッサージを受けることができるように構成されている。
【００１７】
次に、上記カバー本体２の端部に係止具８を取付けたクッションカバー１の構成について説明する。図４は、カバー本体２に係止具８を取付けた状態を示す斜視図である。係止具８は、カバー本体２に一対で取り付けられ、面ファスナー等の一対で係止できるものであれば何でもよい。また、カバー本体２の表面にフック等の係止具８を少なくとも１つ以上取付けて、対象物に引っ掛けることによって係止するように構成してもよく、さらには、カバー本体２に係止具８を取付ける箇所も図示のものに限られず、使用態様によって適宜変更すればよい。また、当該係止具８を取付けたクッションカバー１をクッション素材６に被覆して装着し、クッション５を形成することもできる。
【００１８】
このように構成したクッションカバー１及びクッション５の種々の使用態様について、以下に図５乃至図９を用いて説明する。
【００１９】
図５は、前記クッション５の使用状態を示す斜視図である。図３で示したクッション素材６にクッションカバー１を被覆したクッション５は、揉み玉４ｂ側を手前に向け、ソファ９の背もたれに立て掛けるようにして座面に載置し、使用者の背中と背もたれとの間にクッション５を挟持することにより、所謂マッサージチェアのようにして使用することができる。また、その他、ベッドの上に載置して寝ながらマッサージをしたり、着座状態で太もも上に載置したりして、脚部のマッサージを行ってもよい。
【００２０】
また、上記の通り、当該クッション５は、マッサージ装置４の揉み玉４ｂを当接させる身体の部位やクッション５を載置する場所等に応じて、クッションカバー１に装填したマッサージ装置４を交換することができるため、使用者の嗜好に応じた種々のマッサージを適宜行うことができる。
【００２１】
図６は、前記係止具８を取付けたクッション５の使用態様を示す斜視図である。当該クッション５は、前記クッションカバー１にフック形状の係止具８を取付けたものであり、当該係止具８を椅子１０の背もたれ等に引っ掛けて使用する。使用者は、当該クッション５にもたれ掛かることによりマッサージを受けることができ、係止具８の長さや係止具８を引っ掛ける箇所を変えることによってマッサージを受ける身体部位を適宜変更することができる。また、前記と同様に、クッション５のマッサージ装置４を種々のマッサージ装置４と交換することにより、種々のマッサージを受けることもできる。
【００２２】
図７は、前記係止具８を取付けたクッションカバー１をスカーフのように肩に掛けて使用する状態を示す斜視図である。マッサージ装置４を装填した装填部３の位置が肩の部分に当接するようにクッションカバー１を首に巻きつけ、両端に設けた係止具８を身体の前で係止する。ここで、当該係止具８は、クッションカバー１の両端に取付けた布片に面ファスナーを設けたものであり、一方には雄の面ファスナー、もう一方には雌の面ファスナーを設ける。また、使用者の体型は夫々異なるため、図示の係止具８では長さが足りないこともある。その場合には、使用者の体型に対応した長さの係止具８を適宜用意し、クッションカバー１の両端に取付けて係止すればよい。なお、本発明に係る係止具８は、上記のフック状及び面ファスナーに限られるものではなく、所定の箇所に係止したり、クッションカバー１を輪状に形成するためにその両端を係止したりすることができればどのような態様のものであってもよい。
【００２３】
図示したように、上記マッサージカバー１によれば、身体の肩にマッサージ装置４の揉み玉４ｂが当接するように巻き付けることができるので、使用者は、家事やその他の用事を行いながら肩のマッサージを受けることができる。また、マッサージカバー１の装填部３に装填したマッサージ装置４を交換することにより、上記の通り、種々のマッサージを受けることができる。
【００２４】
図８は、前記係止具８を取付けたクッションカバー１を使用者の腰部に巻き付けて使用する状態を示す斜視図であって、図８（ａ）は身体前方、図８（ｂ）は身体後方を示すものである。使用者は、立位の状態で係止具８が取付けられたクッションカバー１の両端を把持し、マッサージ装置４の揉み玉４ｂが腰部の所望の箇所に当接するように、クッションカバー１を腰部に巻き付け、身体の前方で係止具８を係止する。
【００２５】
当該使用態様での係止具８も上記と同様に面ファスナーで示したが、一方には雄の面ファスナー、もう一方には雌の面ファスナーを設け、上記と同様に、使用者の体型に対応した長さの係止具８を適宜用意し、クッションカバー１の両端に取付けて係止すればよい。なお、図示はしないが、当該クッションカバー１は、使用者の太ももに巻き付けて脚部のマッサージを行うことも可能である。
【００２６】
図９は、前記係止具８を取付けたクッションカバー１を自動車やバス又は新幹線等のシート１１のような所謂クロスシートの背もたれに巻き付けた使用状態を示す斜視図である。クッションカバー１の両端に取付けた係止具８を係止してクッションカバー１を輪状にした後、マッサージ装置４が前記背もたれの前方に配置されるようにして輪状のクッションカバー１を背もたれの上部から取付ける。或いは、クッションカバー１の両端を把持し、前記背もたれに巻き付けた後、当該背もたれの後方で係止具８を係止してもよく、また、上記のように輪状にしたクッションカバー１を前記背もたれの上部角に引っ掛けるようにして取付けてもよい。
【００２７】
また、当該係止具８を取付けたクッションカバー１は、上記ソファ９や椅子１０に巻き付けることも可能であり、また、マッサージ装置４を交換することも可能であるので、上記と同様に種々のマッサージを行うことができる。なお、ソファ９、椅子１０及びシート１１の背もたれの幅が大きい場合には、係止具８の長さを延長すればよい。
【００２８】
以上のようなクッションカバー１によれば、クッション素材６に装着して単にクッションカバー１として使用できるのみならず、装填部３にマッサージ装置４を装填することによって、クッション素材６に装着すればマッサージクッションとして使用することができ、また、装填するマッサージ装置４を交換することで種々のマッサージを受けることができる。
【００２９】
さらに、クッションカバー１をクッション素材６に装着せずとも、クッションカバー１を首や腰部に巻き付けることによってもマッサージを受けることができるとともに、クッションカバー１を折り畳めばクッション５に比べて持ち運びが容易であるため、旅行等の際に新幹線やバス等のシートに引っ掛けて使用したり、旅先のホテル等の枕に装着して使用したりする等、非常にバリエーションに富んだ使用態様で種々のマッサージを受けることができる。
【００３０】
また、本件クッションカバー１は、同一のマッサージ装置４で、同程度で形状の異なる多種類のクッション素材６であっても装着することができるため、コストを削減することができる。
【産業上の利用可能性】
【００３１】
上記実施例以外にも、係止具８によってクッションカバー１又はクッション５を日常の様々な箇所に引っ掛けたり巻き付けたりすることにより、種々のマッサージを様々な場所で行うことができる。
【００３２】
また、上記実施例では、当該係止具８をカバー本体２に取付けて様々な箇所に巻き付けたりしたが、係止具８を設けずとも、カバー本体２の両端で結び目を作って締めることにより、同様に様々な箇所に巻き付けたり等することができる。
【００３３】
さらに、夫々別のデザインを施した複数のカバー本体２を形成し、複数のデザインのカバー本体２のうちから使用者の嗜好に合致したカバー本体２を選択することにより、部屋のインテリア等に合わせてクッション素材６に装着するクッションカバー１をコーディネートすることができるとともに、種々のマッサージを行うことができる。
【００３４】
また、上記実施例では、クッション素材６にマッサージ装置４を嵌め入れるための陥没部７を予め形成したが、クッション素材６を押圧することによりマッサージ装置４を嵌め入れできる程度に凹むというようにクッション性に富んだクッション素材６であれば、予めクッション素材６に陥没部７を形成する必要はなく、クッション素材６を押圧することで凹ませながらクッション素材６にクッションカバー１を被覆して装着すればよい。すなわち、既存の市販されているような種々の形状のクッション素材６であっても、本発明のクッションカバー１を装着することにより、種々のマッサージを受けることのできるクッション５とすることができる。
【符号の説明】
【００３５】
１クッションカバー
２カバー本体
３装填部
４マッサージ装置
４ａハウジング
４ｂ揉み玉
５クッション
６クッション素材
７陥没部
８係止具
９ソファ
１０椅子
１１シート

【特許請求の範囲】
【請求項１】
カバー本体と、当該カバー本体の内側に形成した装填部と、当該装填部に装填したマッサージ装置とからなることを特徴とするクッションカバー。
【請求項２】
椅子の背もたれ等の対象物に係止して引っ掛けるため、又は、前記クッションカバーを輪状にするために、前記カバー本体に少なくとも１つ以上の係止具を取り付けたことを特徴とする請求項１に記載のクッションカバー。

【図１】