説明

クメンヒドロペルオキシドを製造するための高せん断方法

混合器/反応器装置としてクメンヒドロペルオキシドを製造するために工程に組み込まれた高せん断機械式装置の使用は、物質移動の制限を減少させることができるため、クメンヒドロペルオキシドの製造工程を促進させる。クメンを酸化してクメンヒドロペルオキシドを製造するためのシステムであって、システムは反応器及び高せん断混合器を含み、高せん断混合器の出口は反応器の入口に流体連結されており、高せん断混合器は液体中に空気の気泡の分散体を形成することが可能であり、気泡の平均気泡直径は約100μm未満である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
連邦政府に支援された研究又は開発に関する記述
適用されない。
【0002】
本発明は概してクメンの酸化によるクメンヒドロペルオキシド(cumene hydroperoxide)の製造に関し、より詳細にはクメンを空気酸化させることでクメンヒドロペルオキシドを製造するための装置及び方法に関する。より具体的には、本開示はクメンヒドロペルオキシドを形成するためにクメンを酸化させる装置及び方法において、物質移動の制限を減少させることに関する。
【背景技術】
【0003】
クメン法にはベンゼン及びプロピレンから工業的に重要な製品であるアセトン及びフェノールを製造することが含まれる。クメン法に必要とされる反応物質には気体酸素及び少量の開始剤、クメンヒドロペルオキシドが含まれる。クメンヒドロペルオキシド(以下、CHP)はクメン法においてフェノールを製造するための前駆体である。
【0004】
クメンはプロピレンによりベンゼンを気相フリーデルクラフツアルキル化させることで形成される。クメンは液相酸化反応によってクメンヒドロペルオキシドを形成するために使用される。クメンヒドロペルオキシドを分解することによって、1モルのフェノール当たり1モルのアセトンが得られる。CHPは高選択的にクメンヒドロペルオキシドを生成するラジカルの開始剤などのその他の商業用途を有する。これらの応用において、高選択性によってラジカル開始剤としてのその使用を妨げる副生成物の形成を最小限とする。
【0005】
フリーラジカルクメン酸化反応は従来「不均一湿式酸化」法によって水相の存在下で行われてきた。或いは、ラジカルクメン酸化は「乾式酸化」法によって無水条件で行われてきた。米国特許出願公開第2006/0014985号には、例えば反応環境においてピリジン樹脂などの不溶性の塩基性媒体の存在下で、酸素でクメンを酸化させてクメンヒドロペルオキシドを合成する無水法が記載されている。水が存在することによって発熱反応の安全性及び制御性が改善され、且つ資本投資を減少させることができる。
【0006】
従来は、商業的利用における不均一湿式酸化法は、可変温度性を有する少なくとも2つの連続したガス分散反応器を使用する連続工程である。主要な酸化反応生成物はCHP、ジメチルベンジルアルコール及びアセトフェノンである。ギ酸、酢酸、及びフェノールなどの微量の酸性副生成物は酸化反応を妨げ、その結果、速度、収量の両方を減少させて且つCHPの選択性に悪影響を及ぼす。米国特許第3,187,055号;3,523,977号;3,687,055号;6,043,399号;及び3,907,901号には、水酸化ナトリウム(NaOH)などのアルカリ金属塩、及び炭酸ナトリウム(Na2CO3)などのアルカリ金属の重炭酸塩を微量の酸性不純物を取り除くために添加物として使用できることが示されている。
【0007】
クメンヒドロペルオキシドを調製するための方法が米国特許第6,043,399号に記載されており、そこにはアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の水酸化物又は炭酸塩から選択される少なくとも1つの物質の存在下において、クメンを液相酸化させることが開示されている。
【0008】
従って、産業界においてクメンヒドロペルオキシドの製造方法を改良する必要性があり、そうすることで生産速度は上昇し、反応率は向上して、低い温度及び圧力などの反応条件が商業的に実現可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0014985号明細書
【特許文献2】米国特許第3,187,055号明細書
【特許文献3】米国特許第3,523,977号明細書
【特許文献4】米国特許第3,687,055号明細書
【特許文献5】米国特許第6,043,399号明細書
【特許文献6】米国特許第3,907,901号明細書
【発明の概要】
【0010】
クメンヒドロペルオキシドの生産性を向上させるための高せん断システム及び方法が開示されている。高せん断方法は物質移動の制限を減少させるため、接触時間が減少及び/又は生産収量が増加することと共に実効反応速度を上昇させて且つ低下した温度及び圧力での操作が可能となる。本開示のある実施形態に基づいて、従来使用されているよりも更に最適な時間、温度及び圧力条件を提供することで、クメンヒドロペルオキシドの液相生産率を上昇させることができる方法を提供する。
【0011】
本開示において説明されている実施形態において、本方法は改善された時間、温度及び圧力反応条件を提供するよう高せん断装置を使用する結果、多相反応物間の化学反応を加速させる。更に、本明細書に記載された実施形態において開示された方法は、不均一湿式酸化反応器を必要とせずにCHPの製造をもたらす高せん断装置の使用を含む。
【0012】
これら及びその他の実施形態、特徴、及び利点は以下の詳細な説明及び図面によって明らかとなろう。
【0013】
本発明の好ましい実施形態のより詳細な説明のために、添付の図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】クメンヒドロペルオキシドを生産するための高せん断装置の断面図である。
【図2】クメンヒドロペルオキシドを生産するための高せん断方法を含む本開示の実施形態に基づくプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
概説
クメンヒドロペルオキシドを生産するための改良された方法及びシステムでは、外部又は直列に配置された高せん断装置を使用する。高せん断装置は装置内の制御された環境において化学反応物質を迅速に接触及び混合させるための機械式反応器、混合器又はミルである。高せん断装置は反応における物質移動の制限を減少させ、結果的に全体的な反応速度を上昇させる。
【0016】
液体、気体、固体及び触媒を含む化学反応は、反応速度を規定するために、時間、温度及び圧力を含む速度法則に依存する。例えば固体と液体;液体と気体;固体、液体及び気体などの2つ又はそれ以上の異なる相における原料の反応が望まれる場合において、反応速度を制御する1つの律速因子に反応物質の接触時間が含まれる。不均一触媒反応の場合において、触媒が更なる反応を触媒できるように触媒の表面から反応生成物を取り除くといった更なる律速因子がある。
【0017】
従来の反応器において、反応物質及び/又は触媒のための接触時間は多くの場合、化学反応に含まれる2つ又はそれ以上の反応物質間の接触をもたらす混合によって制御される。高せん断装置を備える反応器アセンブリは物質移動の制限を減少させるため、反応を固有の反応速度により近づけることができる。有効反応速度が加速されるとき、滞留時間は減少するため、システムにおいて得られる処理能力は上昇する。或いは、現在の収量が許容範囲であれば、必要な滞留時間を減少させることで、従来の方法と比較してそれほど厳しくない温度及び/又は圧力を使用することができる。若しくは又は更に、生産物の収量は高せん断システム及び方法を介して増加するであろう。
【0018】
高せん断装置
高せん断混合器、又は高せん断ミルなどの高せん断装置(HSD)は一般的にそれらの流体を混合させる能力に基づいて分類される。混合は流体中の不均一な種又は粒子のサイズを減少させる方法である。混合の程度又は完全さの1つの測定基準は、流体粒子を分散させるために混合装置が生み出す単位体積当たりのエネルギー密度である。種類は伝達されるエネルギー密度に応じて区別される。0から50μmの範囲のサイズの粒子、小球、又は気泡の混合物又はエマルションを一貫して生産するために十分なエネルギー密度を有する3種類の工業用混合器がある。
【0019】
均質化弁システムは一般的に高エネルギー装置として分類される。処理される流体は非常に高い圧力の下で狭い隙間の弁を通過して低圧環境に送り出される。弁を介した圧力勾配及び結果的に生じる乱流及びキャビテーションは、流体中のあらゆる粒子を細分化するよう作用する。これらの弁システムは一般的に牛乳の均質化において最もよく使用されており、且つ得られる平均粒子サイズは約0.01μmから約1μmの範囲である。その反対側に、低エネルギー装置として分類される高せん断混合器システムがある。これらのシステムは通常、処理される流体の容器において高速で回転するパドル又は流体回転子を有しており、それのより一般的な多くの利用は食品においてなされている。これらのシステムは通常、処理された流体における平均粒子、又は気泡サイズは20μmより大きいことが許容されるときに使用される。
【0020】
流体に伝わる混合エネルギー密度に関して、低エネルギー型の高せん断混合器と均質化弁システムとの中間に位置するのはコロイドミルであり、それは中間エネルギー装置として分類される。典型的なコロイドミル構成は円錐又は円盤回転子を備えており、それは約0.025mmから10.0mmの間で厳密に制御された回転子−固定子ギャップによって液冷式の相補的な固定子から離れている。回転子は通常、直接駆動又はベルト機構を介して電動機によって駆動される。適切な調節器を備えた多数のコロイドミルによって、処理される流体を約0.01μmから約25μmの平均サイズである粒子、又は気泡とすることができる。これらの能力により、コロイドミルは化粧品、マヨネーズ、又はシリコン/銀アマルガム形成、又は屋根用タールの混合に必要なコロイド及び水中油エマルション処理を含む様々な応用に適している。
【0021】
流体へのエネルギー導入量(kW/L/min)の概算は、モーターエネルギー(kW)及び流体処理量(L/min)を測定することによって見積もることができる。ある実施形態において、高せん断装置のエネルギー消費量は1000W/m3より多い。ある実施形態において、エネルギー消費量は約3000W/m3から約7500W/m3の範囲である。高せん断装置において発生するせん断速度は20,000s-1より大きくてもよい。ある実施形態において、発生するせん断速度は20,000s-1から100,000s-1の範囲である。
【0022】
先端速度はエネルギーを反応物質に伝達する1つ又は複数の回転要素の先端と関連する速度(m/sec)である。回転要素に対する先端速度は単位時間当たりの回転子の先端が移動する円周距離であり、一般的には方程式V(m/sec)=π・D・nによって定義され、そこでVは先端速度、Dはメートル単位の回転子の直径であり、nは1秒当たりの回転数である回転子の回転速度である。したがって先端速度は回転子の直径及び回転速度の関数である。また、先端速度は回転子の先端が移動する円周距離2πRに回転数(例えば分当たりの回転数、rpm)を乗じることによって算出可能であり、Rは回転子の半径(例えばメートル)である。
【0023】
コロイドミルにおいて、一般的な先端速度は23m/sec(4500ft/min)より速く、且つ40m/sec(7900ft/min)より速くてもよい。本開示の目的のために、用語「高せん断」はミル又は混合器などの機械式の固定子−回転子装置を指し、それらの先端速度は5m/sec(1000ft/min)より速くてもよく、エネルギーを反応生産物のストリームに注ぐために外部の機械駆動式発電装置を必要とする。高せん断装置は処理される材料に対するかなりの摩擦を発生させるために、高速の先端速度と非常に小さいせん断ギャップが組み合わされる。従って、操作の間に、約1000MPa(約145,000psi)から約1050MPa(152,300psi)の範囲の局所圧力を作り出し、且つせん断混合器の先端における温度を上昇させる。ある実施形態において、局所圧力は少なくとも1034MPaである。
【0024】
局所圧力は更に操作中の先端速度、流体粘度、及び回転子−固定子の間隙に依存する。
【0025】
図1を参照すると、高せん断装置200の図が示されている。高せん断装置200は少なくとも1つの回転子−固定子の組み合わせを備えている。また、回転子−固定子の組み合わせは発生器220、230、240、又は制限のないステージとして知られている。高せん断装置200は少なくとも2つの発生器を備えており、最も好ましくは高せん断装置は少なくとも3つの発生器を備える。
【0026】
第1発生器220は回転子222及び固定子227を備えている。第2発生器230は回転子223及び固定子228を備えている。第3発生器は回転子224及び固定子229を備えている。それぞれの発生器220、230、240に対して、回転子は動力250によって回転自在に駆動される。発生器220、230、240は回転方向265において軸260周りに回転する。固定子227は高せん断装置の壁部255に固定するよう連結されている。
【0027】
発生器は回転子及び固定子との間に隙間を有している。第1発生器220は第1ギャップ225を有し;第2発生器230は第2ギャップ235を有し;及び第3発生器240は第3ギャップ245を有している。ギャップ225、235、245は約0.025mm(0.01インチ)から10.0mm(0.4インチ)の間の幅である。或いは、方法には高せん断装置200の利用が含まれ、ギャップ225、235、245は約0.5mm(0.02インチ)から2.5mm(0.1インチ)の間である。ある実施例において、隙間は約1.5mm(0.06インチ)に維持されている。或いは、ギャップ225、235、245は発生器220、230、240の間で異なる。ある実施例において、第1発生器220のギャップ225は第2発生器230のギャップ235よりも大きく、ギャップ235は第3発生器240のギャップ245よりも大きい。
【0028】
更に、ギャップ225、235及び245の幅は粗い、中間、細かい、非常に細かいという特性を備えることができる。回転子222、223及び224、並びに固定子227、228及び229は歯状構造であってもよい。それぞれの発生器は当業者に周知のように2つ又はそれ以上の回転子−固定子歯のセットを備えている。回転子222、223及び224はそれぞれの回転子の外周近くに円周方向に離間した多数の回転子歯を備えることができる。固定子227、228及び229は、それぞれの固定子の外周近くに円周方向に離間した多数の固定子歯を備えることができる。ある実施形態において、回転子の内径は約11.8cmである。ある実施形態において、固定子の外径は約15.4cmである。更にある実施形態において、回転子及び固定子において、回転子は約60mm、固定子は約64mmの外径を有する。或いは回転子及び固定子は先端速度及びせん断圧力を変更するために、代わりの直径を有していてもよい。ある実施形態において、それぞれの3つのステージは、約0.025mmから約3mmの隙間を有する非常に細かい発生器を備えた状態で操作される。固形粒子を含む供給ストリーム205が高せん断装置200を通過して送られるとき、適切なギャップ幅は適切に粒子サイズを減少させて且つ粒子の表面積を増加させるために最初に選択される。ある実施形態において、このことは粒子をせん断及び分散することよって触媒の表面積を増加させるために有益である。
【0029】
高せん断装置200には供給ストリーム205を含む反応混合物が供給される。供給ストリーム205は分散相及び連続相のエマルションから成る。エマルションは互いが容易に混合及び溶解することのない2つの区別できる物質(又は相)を含む液体混合物を指す。大部分のエマルションは連続相(又はマトリックス)を有しており、連続相はその他の相又は物質の不連続な液滴、気泡、及び/又は粒子をそこへ保持する。エマルションはスラリー又はペーストなどのように高粘性であるか、又は液体中に細かい気泡を有する泡であろう。本明細書で使用されているように、用語「エマルション」は気泡を含む連続相、(例えば固形触媒などの)粒子を含む連続相、連続相にほぼ溶解しない流体の液滴を含む連続相、及びそれらの組み合わせを包括する。
【0030】
供給ストリーム205は粒子状の固体触媒成分を含んでいてもよい。供給ストリーム205は生成物分散体210が形成されるように発生器220、230、240を通過して送り出される。それぞれの発生器において、回転子222、223、224は固定された固定子227、228、229に対して高速で回転する。回転子の回転は、回転子222の外側と固定子227の内側との間に供給ストリーム205などの流体を送り込むことによって、局所的な高せん断条件を作り出す。ギャップ225、235、245は供給ストリーム205を処理する高せん断力を発生させる。回転子と固定子との間の高せん断力は生成物分散体210を形成するように供給ストリーム205を処理するよう機能する。高せん断装置200のそれぞれの発生器220、230、240は、供給ストリーム205が気体を含んでいる場合には所望の気泡サイズ、又は供給ストリーム205が液体を含んでいる場合には所望の小球サイズである狭い分散を生成物分散体210中に形成するために、取替え可能な回転子−固定子の組み合わせを有する。
【0031】
液体中の気体粒子又は気泡を有する生成物分散体210はエマルションを含む。ある実施形態において、生成物分散体210は従来は混ざらなかった又は溶解しなかった気体、液体又は固体の連続相への分散体を含んでいる。生成物分散体210は平均サイズが約1.5μm未満の気体粒子、又は気泡を有する;好ましくは気泡の直径はサブミクロンである。ある実施形態において、平均気泡サイズは約1.0μmから約0.1μmの範囲にある。或いは、平均気泡サイズは約400nm(0.4μm)未満であり、最も好ましくは約100nm(0.1μm)未満である。
【0032】
高せん断装置200は少なくとも約15分間大気圧において分散を維持できる気体エマルションを形成する。本開示の目的のために、生成物分散体210の分散相において直径が1.5μm未満の気体粒子、又は気泡を有するエマルションは微細な泡(micro-foam)を含む。
【0033】
特定の理論に制限されることなく、乳化化学において液体中に分散されるサブ−ミクロンサイズの粒子又は気泡は、主としてブラウン運動効果を通じて運動することが知られている。高せん断装置200によって作り出される生成物分散体210におけるエマルション中の気泡は、固体触媒粒子の境界層を通過する優れた運動性を有しているため、反応物質の高められた運動性によって触媒反応を促進及び加速させることができる。
【0034】
回転子は上述したように回転子の直径と所望の先端速度に見合う速度で回転するように設定される。輸送抵抗は反応速度が少なくとも約5%上昇するよう高せん断装置200を組み込むことによって減少される。或いは、高せん断装置200は加速速度反応器(ARR)として働く高せん断コロイドミルを備えることができる。加速速度反応器は少なくとも2つのステージを有する複数ステージ直列分散器を備えている。
【0035】
高せん断装置200の選択は必要な処理量及び排出分散体210における所望の粒子又は気泡のサイズに依存する。ある実施例において、高せん断装置200はノースカロライナ州ウィルミントン(Wilmington,NC)のIKA(登録商標)ワークス,インコーポレーテッド(IKA(R)Works Inc.)及びマサチューセッツ州ウィルミントン(Wilmington,MA)のAPV ノース アメリカ,インコーポレーテッド(APV North America,Inc.)のディスパックス リアクター(登録商標)(Dispax Reactor(R))を備えている。例えば、モデルDR2000/4はベルト駆動、4M発生器、PTFEシーリングリング、1インチの導入口フランジ用衛生クランプ、3/4インチの排出口フランジ用衛生クランプ、2馬力の出力、7900rpmの出力速度、(発生器に依存する)約300−700l/hの(水の)流動能力、9.4−41m/s(約1850ft/minから約8070ft/min)の先端速度を有する。様々な導入口/排出口接続、馬力、公称先端速度、出力rpm、及び公称流速を有するいくつかの代替モデルが利用可能である。
【0036】
特定の理論に制限されることは望まないが、高せん断混合のレベル又は程度は、物質移動の速度を増加させるのに十分であり、また、その他の場合ではギブスの自由エネルギー予測を基にして起こる事が予測されない反応を起こすことが可能な局所的な非理想条件を作り出すことができると考えられている。局所的な非理想条件は高せん断装置内で起こり、その結果、最も大きな増加は局所的圧力であると想定される温度及び圧力の上昇をもたらすと考えられる。高せん断装置内での圧力及び温度の上昇は、瞬時及び局所的であり、一旦高せん断装置を出ると即座に残り大部分の又は平均のシステム状態に戻る。いくつかの場合において、高せん断混合装置は1つ又は複数の反応物をフリーラジカルに解離させるために十分な強度のキャビテーションを誘発させ、フリーラジカルは化学反応を増大させるか又はその他の場合に要求されるよりも緩和された条件で反応を起こすことを可能にする。また、キャビテーションは局所乱流及び液体マイクロ循環(音響ストリーム)を形成することによって移動工程の速度を上昇できる。化学的/物理的工程の利用におけるキャビテーション現象の応用の概要はゴゲート(Gogate)他、「キャビテーション:技術の展望」、カレント サイエンス 91(No.1):35−46(2006)(「Cavitation:A technology on the horizon」Current Science 91(No.1):35-46(2006))によって提供されている。本システム及び方法において、ある実施形態における高せん断混合装置は、クメンヒドロペルオキシド生産物を形成するためにクメンを酸素にさらしフリーラジカルへと分解するのに効果的なキャビテーション条件であると考えられている条件の下で実行される。
【0037】
クメンヒドロペルオキシドを高せん断製造するための方法及びシステム
本開示における高せん断クメンヒドロペルオキシド製造方法及びシステムは、図2に示されるプロセスフロー図に関連して説明される。図2はクメンヒドロペルオキシド(CHP)を製造するための代表的な高せん断システム(HSS)100の基礎的な構成要素を示している。これらの構成要素は高せん断装置(HSD)40、反応器10、及びポンプ5を備えている。図2における点線の使用は、追加の段階が反応器10、高せん断装置40、及びポンプ5の間に組み込み可能であることを示すために使用されている。ある実施形態において、点線の段階は自由に選択される。
【0038】
HSS100は1つ以上の高せん断装置40及び1つ以上の反応器10を備えている。例えば、HSSはそれぞれの反応器10の上流に少なくとも1つの高せん断装置40を備えている。クメンは複数の反応器10において酸化可能である。反応器10は並列に、又は直列に配置される。ある構成のHSS100は約2つから約8つの反応器10を備えている。
【0039】
ポンプ5は高せん断システム100全体に制御されたフローを提供するために使用される。ポンプ5は圧力を形成して高せん断装置40へと供給する。ポンプ5はポンプ入口液体ストリーム21の圧力を約203kPaを超えるまで上昇させ、若しくは圧力は約2025kPaより大きい。ポンプ入口ストリーム21は以下に説明されるように、新たなクメン25及び再循環クメン20、9を含む。ある実施形態において、新たなクメン25は当業者に周知なようにベンゼンとプロピレンの反応によって製造される。新たなクメンストリーム25を製造するための適切な方法の説明は、例えば、全ての目的のために本明細書に参照することにより援用される米国特許出願公開第2006/0281958号に記載されている。
【0040】
加圧されたストリーム12はポンプ5を出る。圧力の増加によって反応を加速させることができる。加圧ストリーム12に対する制限要素はポンプ5及び高せん断装置40の圧力限界であろう。好ましくは、ポンプ5の全ての接触部分はステンレス鋼から成る。ポンプ5は任意の適したポンプであり、例えば、ローパー ポンプ カンパニー(Roper Pump Company)(ジョージア州コマース(Commerce Georgia))のローパー タイプ 1 歯車ポンプ(Roper Type 1 gear pump)、又はデイトン エレクトリック カンパニー(Dayton Electric Co)(イリノイ州ナイルズ(Niles,IL))のデイトン圧力増圧ポンプモデル2P372E(Dayton Pressure Booster Pump Model 2P372E)である。加圧ストリーム12は高せん断装置入口ストリーム13に入る。
【0041】
分散性ガスストリーム22はCHPを製造するために加圧ストリーム12に注入される。クメンの酸化は酸素を含む気体の存在下において実行される。この目的のために、選択的に酸素が豊富な空気などのあらゆる純粋又は希薄な酸素源を使用することが可能である。ある実施形態において、分散性ガスストリーム22は空気を含んでいる。或いは、分散性ガスストリーム22は酸素を含んでいる。ある実施例において、分散性ガスストリーム22は酸素が豊富な空気を含んでいる。分散性ガスストリーム22及び加圧ストリーム12は、別々に導入される又は高せん断装置40の入口供給ストリーム13を形成するために混合される。分散性ガスストリーム22は入口供給ストリーム13を形成するために連続して加圧ストリーム12に供給することができる。
【0042】
詳細に上述されたように、高せん断装置(HSD)40は、例えば固定子と回転子との間に隙間を有する回転子−固定子混合ヘッドを利用する機械式装置である。ある実施形態には、直列で使用されるいくつかの高せん断装置40がある。HSD40において、分散性ガスストリーム22及び加圧ストリーム12は平均直径が約1.5μm未満の気体粒子、又は気泡を含むエマルションを形成するために高分散される。好ましくは気泡の直径はおよそサブミクロンである。ある実施例において、平均の気泡直径は約1.0μmから約0.1μmの範囲である。或いは、平均の気泡直径は約400nm(0.4μm)未満であり、最も好ましくは約100nm(0.1μm)未満である。
【0043】
ある実施形態において、高せん断装置40が既存の方法に組み込まれることで、生産量を増加(すなわち処理量を増加)させることができる。特定の理論に制限されることは望まないが、高せん断混合のレベル又は程度は、物質移動の速度を上昇させるのに十分であり、また、高せん断混合がなされない場合ではギブスの自由エネルギー予測を基にして起こる事が予測されない反応を起こすことが可能な局所的非理想条件を作り出すと考えられている。局所的な非理想条件は高せん断装置内で起こり、その結果、最も大きな増加は局所的圧力であると想定される温度及び圧力の上昇をもたらすと考えられる。高せん断装置内での圧力及び温度の増加は、瞬時及び局所的であり、一旦高せん断装置を出ると即座に平均的なシステム状態に戻る。
【0044】
エマルションは出口ストリーム18によりHSD40を出る。出口ストリーム18は反応器入口ストリーム19に導入される。反応器入口ストリーム19は効果的な反応温度を維持するために加熱又は冷却可能である。反応器入口ストリーム19はCHPを製造するために反応器10に入る。ある実施形態において、CHPの製造は反応器10内で継続される。反応器10は、例えば固定層反応器などの当業者に周知なクメンを酸化するために構成される任意のタイプの反応器である。ある実施形態において、クメンの酸化は無水状態で行われ、反応器10は例えばピリジン樹脂などの不溶性の塩基性媒体を含む。
【0045】
反応器10はほぼ大気温度より高く維持されるように構成される。ある実施例において、反応器の圧力は約100kPaから約300kPaの間である。また、反応器10は約70℃から約120℃の間の反応温度を維持するように構成されている。いくつかの実施形態において、温度は約75℃から約90℃の間である。反応温度は反応器10内で変化可能であることが留意されなければならず、ある実施例において、クメンヒドロペルオキシドの濃度が上昇すると温度は下降する。反応器10における反応温度を維持するための代替手段として、反応器10の周囲に保温被覆又はコイルを配置することを含んでいてもよい。
【0046】
好ましい反応温度を維持するために、HSS100は熱交換器を備えていてもよい。適した熱交換器は制限されることなく、プレート、コイル、シェル及び管状の構造を含む。熱交換器のために適した場所は、反応器10とポンプ5との間、ポンプ5とHSD40との間;HSD40と反応器10との間を含むが、これらに制限されない。
【0047】
ある実施例において、HSS100は水溶液を含む第2入口ストリーム15を備えている。第2入口ストリーム15は反応器10に直接注入又は供給可能である。更なる実施例において、第2入口ストリーム15は別の場所においてHSS100内に注入され得る。第2入口ストリーム15はアルカリ及び/又はアルカリ土類金属の水酸化物又は炭酸塩から成る群より選択される中和剤を含む。好ましくは中和剤は制限されることなく水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムなどのアルカリ金属から選択される。第2入口ストリーム15における中和剤の量は約1ppbから約20ppbの間であり、好ましくは約2ppbから約10ppbの間である。例えば、中和剤が水酸化ナトリウムから成るとき、導入されるクメンの量に対して約10ppb未満である。ある実施形態において、pH調整剤は反応混合物のpHが約pH2から約pH7の間、好ましくは約pH3から約pH5の間で維持されるように注入される。
【0048】
例えば、全ての目的のために本明細書においてその全体が参照することにより援用される米国特許第6,043,399号にて説明されるように、中和剤は第2入口ストリーム15を介して加えることができる。或いは第2入口ストリーム15は、例えばそれの全体が本明細書において援用される米国特許第6,620,974号において開示されているように、アンモニアを含むことができる。
【0049】
反応器10は更に酸素を含む気体を導入するためのガス入口14を備えている。そのため、酸素ガスは非混和性相の混合を促進させることができる。一般的に、相の混合を最適化するために、ガス入口は反応器10の底部またはその周辺に設置される。更に反応器10はガス出口17を備えており、反応器10からガスを取り除くように構成されている。ガス出口17を介して反応器から排出されるガスは約10%未満の酸素量、好ましくは2%から6.5%の間の酸素量、及び最も好ましくは4.5%から6.5%の間の酸素量に維持される。ガス出口17は未反応の酸素を含むガス、その他の反応ガス及び/又は圧力を取り除くために反応器10に接続されている。ガス出口17は反応器10のヘッドスペースに設けられる。ガス出口17は反応器10から取り除かれるガスを圧縮するためにコンプレッサ、又は当業者に周知のその他の装置を備えることができる。更に、ガス出口17はガスを高せん断装置40へと再循環させる。反応器10からの未反応ガスの再利用は反応を更に加速させるように作用するであろう。
【0050】
反応器10からの生成物ストリーム16は分離器30に入る。分離器30は生成物ストリーム16から塩を分離させるためのろ過ユニットを備えている。分離器30は、第2入口ストリーム15において反応器10に以前に導入された微量のアルカリ金属塩を取り除く。アルカリ塩は洗浄ストリーム33を介して分離器30から取り除かれて、残った生成物は酸化物ストリーム32を包含する。第2入口ストリーム15がアンモニアを含む実施形態において、分離ユニット30は、洗浄ストリーム33を構成する水性化合物が酸化物32を含む有機化合物から分離される貯蔵タンクを備える。酸化物32はクメンヒドロペルオキシドから未反応のクメンを分離するために、もし必要であれば約80から約85%の生成物ストリームの含有量が得られるまでクメンペルオキシドを濃縮するために、更に処理可能である。酸化物32は少なくとも1つの蒸留塔50で蒸留されるよう気化器35に注入される。未反応のクメンは蒸留塔50から回収されて、且つ回収されたクメンは再循環ストリーム20によってHSS100内を通過して再利用され得る。あらゆる不純物を取り除くために、特に酸性不純物を取り除くために、再循環の前に未反応及び回収クメン20を処理することが必要であってもよい。
【0051】
CHP生成物ストリーム60は約85%の濃度のCHPを含む。濃縮されたCHP生成物ストリーム60は当業者に周知なように利用することができる。例えば、ある実施形態において、CHP生成物ストリーム60は当業者に周知なようにフェノール及びアセトンの製造のために分解される。CHP生成物ストリーム60に含まれるCHPは、例えば米国特許第4,978,799号及び第4,970,346号に記載されているように、遷移金属ポルフィリン触媒の存在下において洗浄用のアルコール及び/又はケトンを形成するためにCHPのアルカンとの反応に使用可能である。或いは、遷移金属触媒の存在下で洗浄用のアルコール及び/又はケトンを形成するためにアルカンによってCHPを転換させることが、米国特許出願公開第2006/0094905号において記載されている。それぞれの特許は全ての目的のためにその全体が本明細書において援用される。
【0052】
ある実施形態において、反応器10に導入される全てのクメンがCHPに転換されるわけではない。一般的に、クメンの転換の程度は形成されたCHPの分解が最小限となるように、20wt%から40wt%の間である。ガス出口におけるコンデンサ70は未反応のクメンを回収するために構成されており、それによって回収されるクメンは再循環ストリーム20によってHSS100内を通過して再利用できる。或いは、未反応クメンはHSS100から取り除くために酸素を含む廃棄ガスストリーム11に注入され得る。
【0053】
ある実施形態において、高せん断装置40を介した反応物の混合を含む開示された方法を使用することによって、クメンの酸化を介して迅速にCHPを製造することができる。ある実施形態において、本方法は高せん断装置40を既存の工程に組み込むことを含み、それによって高せん断装置40なしで行われる方法と比較して、より多い処理量によって生産量を増加させることができる。高せん断混合によってもたらされる優れた分散によって、反応速度を維持又は更に上昇させながら稼働圧力を減少させることができる。
【0054】
ある実施形態において、本開示の方法及びシステムは、以前に高せん断装置40が組み込まれずに可能であったものよりも、より小さい構造及び/又は少ない資本投資を可能とする。ある実施形態において、開示された方法によって既存の方法から運転費用は減少し/生産量は増加する。或いは、開示された方法によって新たな工程を設計するための資本コストは減少するであろう。
【0055】
高せん断装置40による反応物質の混合を促進させる応用によって、本方法のいくつかの実施形態においてクメンをクメンヒドロペルオキシドへより多く転換させることができる。更に反応物の混合を促進させることで、高せん断システム100の処理ストリームの処理量が増加する可能性がある。ある実施例において、高せん断装置40は既存の工程に組み込まれることによって、生産量を増加(すなわちより多くの処理量)を実現することができる。
【0056】
発明における好ましい実施形態が示されて説明される一方で、それらの修正は発明の精神及び教示を逸脱することなく当業者によって行うことができる。本明細書で説明された実施形態は単なる例示であり、制限されるものではない。本明細書に開示された発明の多数の変更及び修正は可能であり、発明の範囲内である。数値の範囲又は限定が明示的に定められているところでは、そのような明示された範囲又は限定は明示的に定められた範囲又は限定の範囲内で同等の値の反復範囲又は限定を含むと解されるべきである(例えば、約1から約10は2、3、4等を含む;0.10より大きいは0.11、0.12、0.13等を含む)。特許請求の範囲のあらゆる要素に対する用語「選択的(optionally)」の使用は、対象の要素は必要であるか、若しくは必要でないと意味することを意図する。両方の選択肢は請求項の範囲内であると考えられる。含む(comprises、includes)、有する(having)などの広い用語の使用は、から成る(consisting of)、基本的に・・から成る(consisting essentially of)、実質的に・・・を含む(comprised substantially of)及びそれと同等の狭い用語を補助すると解されるべきである。
【0057】
従って、保護の範囲は上記に示した説明によって制限されず、以下の請求項によってのみ制限され、範囲は請求項の対象と同等なもの全てを含む。それぞれ及び全ての請求項は本発明の実施形態として明細書に組み込まれている。従って、請求項は更なる説明であり、本発明の好ましい実施形態への追加である。関連発明の説明における参考文献の説明は、それが本発明の先行技術、特に本出願の優先日よりも後の出願日を有する参考文献であることを認めるものではない。本明細書中に引用される全ての特許、特許出願、及び刊行物の開示内容は、それらが実施例、手順又はその他の詳細を補足的に本明細書において説明されたものに提供する範囲内で、参照することによって本明細書において援用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クメンヒドロペルオキシドを製造するための方法であって、
少なくとも5m/sの先端速度を生じるために構成された少なくとも1つの回転子/固定子のセットを有する高せん断装置を採用すること;
クメン及び空気のエマルションを形成すること、ここで前記空気は平均直径が5μm未満である気泡を含み;及び
前記エマルションをクメンヒドロペルオキシドが製造される反応器へ導入することを含む方法。
【請求項2】
請求項1の方法であって、エマルションの形成は空気及びクメンを高せん断装置へ導入することを含む方法。
【請求項3】
請求項1の方法であって、前記エマルションは平均直径が1.5μm未満である気泡を含む方法。
【請求項4】
請求項3の方法であって、気泡の平均直径は100nm未満である方法。
【請求項5】
請求項1の方法であって、高せん断装置の公称先端速度は23m/sより速くなるように構成される方法。
【請求項6】
請求項1の方法であって、前記高せん断装置は先端において少なくとも1000MPaの局所圧力を生じるように構成される方法。
【請求項7】
請求項1の方法であって、前記クメン及び気泡に20,000s-1より大きいせん断速度を課す方法。
【請求項8】
請求項1の方法であって、前記高せん断装置は少なくとも1000W/m3のエネルギーを消費するよう構成される方法。
【請求項9】
請求項1の方法であって、水相をエマルションを含む反応器へ導入することを含む方法。
【請求項10】
請求項9の方法であって、水相は副生成物中和剤を含む方法。
【請求項11】
請求項10の方法であって、副生成物中和剤はアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物及び炭酸塩を含む群から選択される方法。
【請求項12】
請求項10の方法であって、中和剤はpHをpH2からpH7の間に維持する方法。
【請求項13】
請求項10の方法であって、水相はアンモニアを含む方法。
【請求項14】
請求項1の方法であって、反応器を少なくとも75℃の温度に維持することを含む方法。
【請求項15】
クメンの空気酸化によってクメンヒドロペルオキシドを製造するための装置であって、
高せん断装置の上流に配置されるポンプ、
クメン中に空気のエマルションを形成する高せん断装置、及び
少なくとも75℃の温度でクメンを酸化して且つクメンヒドロペルオキシドを製造するために構成された反応器
を有し、ポンプは高せん断装置の入口と流体連結されており、エマルションの平均気泡直径は1.5μm未満であり、反応器は高せん断装置の出口と流体連結されている装置。
【請求項16】
請求項15の装置であって、高せん断装置は公称先端速度が5m/sより速い高せん断ミルを備える装置。
【請求項17】
請求項15の装置であって、高せん断混合器は公称先端速度が23m/sより速い装置。
【請求項18】
請求項15の装置であって、前記高せん断装置は先端において少なくとも1000MPaの局所圧力を生じるように構成された装置。
【請求項19】
請求項16の装置であって、前記高せん断装置は約20,000s-1より大きいせん断速度を生じるように構成された装置。
【請求項20】
請求項16の装置であって、前記高せん断装置は少なくとも1000W/m3のエネルギーを消費するよう構成された装置。
【請求項21】
請求項16の装置であって、反応器は副生成物中和剤を反応させるように構成された装置。
【請求項22】
請求項21の装置であって、副生成物中和剤はアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物及び炭酸塩を含む群から選択される装置。
【請求項23】
請求項16の装置であって、反応器はpHをpH2からpH7の間に維持するように構成された装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−528116(P2010−528116A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510562(P2010−510562)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【国際出願番号】PCT/US2008/066911
【国際公開番号】WO2009/002735
【国際公開日】平成20年12月31日(2008.12.31)
【出願人】(509218652)エイチ アール ディー コーポレーション (17)
【Fターム(参考)】