説明

クラウドコンピューティングシステムおよびアプリケーション提供方法

【課題】クラウドコンピューティングシステム上で実行するアプリケーションを通じてユーザの間でコミュニケーションを促進させる技術を提供する。
【解決手段】ネットワークを介して接続された複数の計算リソースを持つクラウドコンピューティングシステムにおいて、一覧表示部132は、クラウドコンピューティングシステムを利用するユーザが任意の日時に提供を受けることが可能なアプリケーションの実行画面のサムネイル動画を、指定された日時に割り当てて一覧表示した表を、前記ユーザの利用する端末に表示させる。動画選択受付部140は、前記表内に表示されたサムネイル動画に対する、前記ユーザからの選択を取得する。アプリケーション提供部116は、前記ユーザに、前記ユーザが選択したサムネイル動画に対応するアプリケーションを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、クラウドコンピューティングシステム、およびそのクラウドコンピューティングシステムを利用したアプリケーション提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットをはじめとするネットワークの通信技術が急速に発達し、ユーザがネットワークを経由して様々なアプリケーションの提供を受ける、いわゆるクラウドサービスが提供されるようになってきた。クラウドサービスを利用することにより、ユーザ自身がアプリケーションプログラムを所持していなくても、そのアプリケーションを利用することが可能となる。
【0003】
また、近年のコンピュータ技術の進化は著しいものがある。例えばゲームアプリケーションのような計算コストのかかるアプリケーションは、過去においては実行のために専用のハードウェアを必要としたが、近年ではソフトウェアでそのハードウェアを模倣してゲームアプリケーションを実行する、いわゆるゲームエミュレータであっても実用に耐えるようになってきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の発明者は、過去において専用のハードウェアを前提とした開発された膨大なアプリケーションを、複数のユーザが同時に接続できるクラウドコンピューティングシステムの計算リソースを用いて提供することにより、アプリケーションを通じて多くのユーザの間でコミュニケーションを促進させる可能性について認識するに至った。
【0005】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、クラウドコンピューティングシステムが提供するアプリケーションを通じてユーザの間でコミュニケーションを促進させる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様はネットワークを介して接続された複数の計算リソースを持つクラウドコンピューティングシステムである。このクラウドコンピューティングシステムは、クラウドコンピューティングシステムを利用するユーザが任意の日時に提供を受けることが可能なアプリケーションの実行画面のサムネイル動画を、指定された日時に割り当てて一覧表示した表を、前記ユーザの利用する端末に表示させる一覧表示部と、前記表内に表示されたサムネイル動画に対する、前記ユーザからの選択を取得する動画選択受付部と、前記ユーザに、前記ユーザが選択したサムネイル動画に対応するアプリケーションを提供するアプリケーション提供部とを含む。
【0007】
本発明の別の態様は、ネットワークを介して接続された複数の計算リソースを持つクラウドコンピューティングシステムにおけるアプリケーション提供方法である。この方法は、前記クラウドコンピューティングシステムを利用するユーザが任意の日時に実行可能なアプリケーションの実行画面のサムネイル動画を、指定された日時に割り当てて一覧表示した表を、前記ユーザの利用する端末に表示させるステップと、サムネイル動画に対するユーザからの選択を取得するステップと、サムネイル動画を選択したユーザに、当該サムネイル動画に対応するアプリケーションを提供するステップとを前記クラウドコンピューティングシステムの計算リソースに実行させる。
【0008】
本発明の別の態様は、複数のユーザにネットワークを介してゲームアプリケーションを提供するアプリケーション提供サーバである。このアプリケーションサーバは、アプリケーション提供サーバと接続するクライアントを利用する第1のユーザから、ゲームアプリケーションの選択、そのゲームアプリケーションで達成すべき目標、およびそのゲームアプリケーションの対戦相手とする第2のユーザの指定を受け付ける受付部と、第1のユーザが指定したゲームアプリケーションを第1のユーザに提供するアプリケーション提供部と、第1のユーザによるゲームアプリケーションの終了後、前記目標に対する達成度を第1のユーザから取得する達成度取得部とを含む。ここで前記アプリケーション提供部は、第1のユーザによるゲームアプリケーションの終了後、第1のユーザに提供したゲームアプリケーションを、前記目標とともに第2のユーザに提供し、前記達成度取得部は、第2のユーザによるゲームアプリケーションの終了後、前記目標に対する第2のユーザの達成度を第2のユーザから取得する。またアプリケーション提供サーバはさらに、前記達成度取得部が取得した第1のユーザの達成度と第2のユーザの達成度とを比較して、達成度の優劣を第1のユーザおよび第2のユーザに通知する通知部を含む。
【0009】
本発明の別の態様は、複数のユーザにネットワークを介してゲームアプリケーションを提供するクライアント・サーバ型システムにおけるアプリケーション提供方法である。このアプリケーション提供方法は、前記アプリケーション提供サーバと接続するクライアント端末を利用する第1のユーザが選択したゲームアプリケーションを第1のユーザに提供するステップと、第1のユーザによるゲームアプリケーションの終了後、第1のユーザが指定した第2のユーザに、第1のユーザに提供したゲームアプリケーションを提供するステップと、第2のユーザによるゲームアプリケーションの終了後、第1のユーザのゲームの達成度と第2のユーザのゲームの達成度とを第1のユーザおよび第2のユーザのクライアント端末に通知するステップとを、前記アプリケーション提供サーバの計算リソースに実行させる。
【0010】
本発明の別の態様は、ゲームアプリケーションを提供するサーバとネットワークを介して接続し、当該サーバからアプリケーションの提供を受けるクライアント端末である。このクライアント端末は、ゲームアプリケーションの選択、そのゲームアプリケーションで達成すべき目標、およびそのゲームアプリケーションの対戦相手とするユーザの指定を前記サーバに指示する指示部と、指定したゲームアプリケーションの実行画面を表示する表示部とを含む。ここで前記表示部はさらに、対戦相手として指定したユーザが前記ゲームアプリケーションを終了した後に前記サーバから取得した、当該ユーザの前記目標に対する達成度と、本クライアント端末を利用するユーザの前記目標に対する達成度とを表示する。
【0011】
本発明の別の態様は、複数のユーザにネットワークを介してゲームアプリケーションを提供するクライアント・サーバ型システムである。このシステムにおいて、前記システムと接続するクライアント端末は、ゲームアプリケーションの選択、そのゲームアプリケーションで達成すべき目標、およびそのゲームアプリケーションの対戦相手とするユーザの指定を前記サーバに指示する指示部と、指定したゲームアプリケーションの実行画面を表示する表示部と、ゲームアプリケーションの終了後、前記目標に対する達成度を前記アプリケーション提供サーバに送信する達成度送信部とを含む。前記システムのサーバは、前記クライアント端末を利用する第1のユーザから、ゲームアプリケーションの選択、そのゲームアプリケーションで達成すべき目標、およびそのゲームアプリケーションの対戦相手とする第2のユーザの指定を受け付ける受付部と、第1のユーザが指定したゲームアプリケーションを第1のユーザの利用するクライアント端末に提供するアプリケーション提供部と、第1のユーザによるゲームアプリケーションの終了後、前記目標に対する達成度を第1のユーザから取得する達成度取得部とを含む。ここで前記アプリケーション提供部は、第1のユーザによるゲームアプリケーションの終了後、第1のユーザに提供したゲームアプリケーションを、前記目標とともに第2のユーザに提供し、前記達成度取得部は、第2のユーザによるゲームアプリケーションの終了後、前記目標に対する第2のユーザの達成度を第2のユーザから取得する。また、本システムはさらに、第1のユーザの達成度と第2のユーザの達成度とを比較する比較部を、前記クライアント端末と前記サーバとの少なくとも一方に含み、前記表示部は、前記比較部が比較した結果をさらに表示する。
【0012】
本発明の別の態様は、第1ユーザが利用する第1クライアント端末と第2ユーザが利用する第2クライアント端末との少なくともふたつのクライアント端末と、当該クライアント端末にネットワークを介して接続するサーバとを含むシステムにおけるゲームアプリケーション提供方法である。この方法は、第1クライアント端末を介して第1ユーザから、ゲームアプリケーションの選択、そのゲームアプリケーションで達成すべき目標、およびそのゲームアプリケーションの対戦相手とする第2ユーザの指定を受け付ける受付ステップと、第1ユーザの指定したゲームアプリケーションを、第1クライアント端末に提供する第1アプリケーション提供ステップと、第1ユーザによるゲームアプリケーションの終了後、前記目標に対する達成度を第1クライアント端末から取得する第1達成度取得ステップと、第1ユーザによるゲームアプリケーションの終了後、第1ユーザに提供したゲームアプリケーションを、前記目標とともに第2ユーザに提供する第2アプリケーション提供ステップと、第2ユーザによるゲームアプリケーションの終了後、前記目標に対する第2ユーザの達成度を第2クライアント端末から取得する第2達成度取得ステップと、第1ユーザの達成度と第2ユーザの達成度との比較結果を表示する表示ステップとを含む。ここで前記サーバのプロセッサは、前記受付ステップ、第1達成度取得ステップ、および第2達成度取得ステップを実行する。前記第1クライアント端末のプロセッサと前記第2クライアント端末のプロセッサとはともに、前記表示ステップを実行する。前記第1アプリケーション提供ステップは、前記第1クライアント端末のプロセッサと前記サーバのプロセッサとの少なくとも一方によって実行される。前記第2アプリケーション提供ステップは、前記第2クライアント端末のプロセッサと前記サーバのプロセッサとの少なくとも一方によって実行される。
【0013】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、データ構造、記録媒体などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、クラウドコンピューティングシステムが提供するアプリケーションを通じてユーザの間でコミュニケーションを促進させる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】クラウドコンピューティングシステムの概観を説明する図である。
【図2】実施の形態1に係るクラウドコンピューティングシステムを模式的に示す図である。
【図3】実施の形態1に係るアプリケーション選択画面の一例を示す図である。
【図4】アプリケーション選択画面を提供するための機能構成を模式的に示す図である。
【図5】実施の形態2に係るアプリケーション提供画面の一例を示す図である。
【図6】挑戦状におけるフレンド選択インタフェースの一例を示す図である。
【図7】挑戦状における目標設定インタフェースの一例を示す図である。
【図8】挑戦状受信インタフェースの一例を示す図である。
【図9】挑戦状によるユーザ間の連携を提供するための機能構成を模式的に示す図である。
【図10】実施の形態2に係る挑戦状の処理の流れを示すフローチャートの前半部である。
【図11】実施の形態2に係る挑戦状の処理の流れを示すフローチャートの後半部である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[実施の形態1]
実施の形態1の概要を述べる。実施の形態1に係るクラウドコンピューティングシステム100は、ユーザが任意の時間に実行可能な複数のアプリケーションの中から、あえて少数のアプリケーションを選択してユーザに提示する。多くのユーザの注目を少数の特定のアプリケーションに集めることにより、アプリケーションを通じたユーザ同士のマッチングを促進する。
【0017】
図1は、クラウドコンピューティングシステム100の概観を説明する図である。図1においては、クライアント端末200と総称する複数のクライアント端末200のうち、クライアント端末200aと200bとが図示されている。クライアント端末200はインターネット等のネットワーク300を介して、複数のサーバ10やデータベース12と接続している。図1においては、複数のサーバ10のうち、サーバ10aと10bとが図示されている。また、複数のデータベース12のうち、データベース12aと12bとが図示されている。
【0018】
図1は、ネットワーク300を介してクライアント端末200とサーバ10等が接続している様子を図示しており、現実のシステム構成を模式的に図示するものである。しかしながら、クライアント端末200を利用するユーザは、ネットワーク300を含め、サーバ10、データベース12等のシステム構成を認識することはあまりない。
【0019】
図2は、実施の形態1に係るクラウドコンピューティングシステム100を模式的に示す図であり、クライアント端末200を利用するユーザの立場から見た場合の図1に示すクラウドコンピューティングシステム100の一例を模式的に示す図である。
【0020】
クライアント端末200は、例えば一般的なPC(Personal Computer)である。クライアント端末200は、モニタやスピーカ等の出力部210と、キーボード、マウス、タッチパッド等の入力部214と、ネットワーク300と通信するためのネットワークインタフェース212とを含む。
【0021】
クラウドコンピューティングシステム100は、ネットワークを介してアプリケーションやストレージの提供等の各種サービスをオンデマンドで提供する。クラウドコンピューティングシステム100からサービスの提供を受けているクライアント端末200を利用するユーザは、出力部210に表示されているサービス提供のためのインタフェースを、入力部214を介して操作する。ユーザの立場から見ると、サービスの提供を受ける上でクラウドコンピューティングシステム100の物理構成やソフトウェア構成等を理解する必要はなく、あたかもネットワークの雲(Cloud;クラウド)の中から出てきたサービスを利用するかのような印象を受ける。
【0022】
クライアント端末200は、ほとんどの場合CPU(Central Processing Unit)等の計算リソースを持っており、アプリケーションの少なくとも一部をクライアント端末200のローカルな環境で実行することも可能である。しかしながら、クライアント端末200を利用するユーザにとっては、アプリケーションがローカルな計算リソースで実行されるか、あるいはネットワーク上のクラウドコンピューティングシステム100の計算リソースで実行されるかは重要な問題ではなく、サービスを利用できるという点では同じである。したがって、本明細書において、「クラウドコンピューティングシステムの計算リソース」あるいは単に「計算リソース」という場合、クライアント端末200の計算リソースとクラウドコンピューティングシステム100のサーバ等の計算リソースとの少なくともいずれか一方を意味することとする。
【0023】
実施の形態1に係るクラウドコンピューティングシステム100は、ユーザ登録されたユーザに複数のアプリケーションを提供するシステムである。クラウドコンピューティングシステム100は、少なくとも、ユーザ登録110、ユーザ認証112、アプリケーション選択114、アプリケーション提供116、入力変換118、表示画面提供120、進行状況保存122、データベース124、ユーザ間の連携126、他サービスとの連携128、および計算リソース130の機能やリソースをユーザに提供する。
【0024】
ユーザ登録110は、クラウドコンピューティングシステム100の利用を希望するユーザを登録する機能である。ユーザ登録をすることにより、クラウドコンピューティングシステム100はユーザの識別が可能となり、例えばユーザがオンライン上にいる別のユーザを探したり、後述するユーザ同士のマッチングを支援したりすることが可能となる。また、ユーザ登録情報を記録しておけば、ユーザは、異なるクライアント端末200を用いても、クラウドコンピューティングシステム100から同じサービスを受けることができる。クラウドコンピューティングシステム100の運用管理者にとっては、ユーザに課金したり、ユーザ個別に通知したりする等、きめ細かな運用が可能となる。登録したユーザの情報は、データベース124に格納される。
【0025】
ユーザ登録110は、あるユーザがフレンド(friend;友人)として他のユーザを登録する機能も有する。以下、あるユーザがフレンドとして登録した他のユーザを、単に「フレンドユーザ」という。
【0026】
ユーザ認証112は、クラウドコンピューティングシステム100に接続を試みるユーザからユーザ情報を取得し、データベース124に格納されているユーザ情報と比較する機能である。ユーザ認証112は、比較の結果が一致すれば認証成功とし、ユーザがサービスを利用できるようにする。
【0027】
アプリケーション選択114は、クラウドコンピューティングシステム100が提供可能なアプリケーションの中から、ユーザに所望のアプリケーションを選択させる機能である。これは例えば提供可能なアプリケーションの名前をリスト形式で提示したり、アプリケーションの実行画面のスクリーンショットや、サムネイル動画を表形式で提示したりして、ユーザに選択させる。アプリケーション選択114の詳細は後述する。
【0028】
アプリケーション提供116は、ユーザが選択したアプリケーションをそのユーザに提供する。具体的には、アプリケーション提供116は、ユーザの選択したアプリケーションを実現するプログラムをデータベース124から取得し、そのプログラムを計算リソース130に実行させることで実現する。したがって、本明細書において「アプリケーションを提供する」とは、ネットワーク上に存在するサーバ等の計算リソースがプログラムを実行し、その実行結果を表示する画面をネットワーク300を介してクライアント端末200に提供する場合と、アプリケーションを実現するプログラムをネットワーク300を介してクライアント端末200に提供し、クライアント端末200の計算リソースがそのプログラムを実行する場合との、少なくともいずれか一方を意味する。
【0029】
入力変換118は、クライアント端末200の入力部214から得られた入力信号を、別の入力信号に変換する機能である。具体的に、例えばユーザが提供を受けているアプリケーションが専用のハードウェアで実行されることを前提として開発されたゲームアプリケーションである場合、アプリケーションの操作も、ゲームコントローラ等の専用の入力デバイスが前提とされていることがある。一方、入力部214はキーボードやマウス等の汎用的な入力デバイスである場合が多い。そこで、入力変換118は、例えばマウスの入力信号を、ゲームコントローラの入力信号に変換する。これはマウスカーソルの動きベクトルを検出し、ベクトルの方向をアナログコントローラの入力方向、ベクトルの大きさをアナログコントローラの傾斜角と対応づける等の方法で実現できる。
【0030】
表示画面提供部120は、ユーザ認証画面やアプリケーション選択画面、アプリケーションの実行画面等の、クライアント端末200に提供するGUI(Graphical User Interface)を生成する機能である。進行状況保存122は、アプリケーションの進行状況をデータベース124に保存する機能である。例えばアプリケーションがワードプロセッサのアプリケーションである場合、進行状況保存122は作成中の文書をデータベース124に保存する。またアプリケーションがRPG(Role-Playing Game)のアプリケーションである場合、進行状況保存122は、操作対象のキャラクタの成長度合いやストーリーの進行状況等、ゲームの進行に応じて更新されるステータス情報であるセーブデータをデータベース124に保存する。
【0031】
データベース124は、上述したように、ユーザの登録情報、アプリケーションプログラム、セーブデータ等、サービスの提供に必要な各種の情報を格納する。アプリケーションプログラムを格納するデータベースとユーザ登録情報を格納するデータベースとは、実際には物理的に異なるデータベースとして実現される場合も考えられるが、本明細書においては単にデータベース124と称する。
【0032】
ユーザ間の連携126は、クラウドコンピューティングシステム100にユーザ登録をしているユーザ同士が連携してアプリケーションを実行するための仕組みを提供する機能である。ユーザ間の連携126の詳細は後述する。
【0033】
他サービスとの連携128は、例えばSNS(Social Network Service;ソーシャルネットワークサービス)等、クラウドコンピューティングシステム100が提供するサービスとは異なるサービスとの連携を実現するための機能である。
【0034】
計算リソース130は、上述したとおり、クラウドコンピューティングシステム100を構成するサーバ等の計算リソースと、クライアント端末200の計算リソースとの少なくともいずれか一方を意味し、アプリケーションを実現するためのプログラムを実行してサービスの実現に寄与する。
【0035】
クラウドコンピューティングシステム100は、実際には図1に示すように複数のサーバ10やデータベース12によって実現される。しかしながら、ユーザの立場からするとクラウドコンピューティングシステム100の現実の構成よりも、クラウドコンピューティングシステム100が提供する機能の方が重要である。図2は、クラウドコンピューティングシステム100が提供する各種機能があたかもクラウドの中に浮遊しており、それらの機能をクライアント端末200から利用するかのような様子を模式的に示している。図2に示すように、クライアント端末200を利用するユーザからは、各機能がどのように接続されてサービスが実現されているのかは見えない。しかし、そのことはサービスを利用する上で重要ではない。
【0036】
以下、図3および図4を参照しながら、実施の形態1に係るクラウドコンピューティングシステム100のアプリケーション選択114について説明する。以下、クラウドコンピューティングシステム100が提供するアプリケーションとして、専用のハードウェアで実行されることを前提に開発されたゲームアプリケーションを、エミュレータを用いて提供することを例に説明する。しなしながら、提供するアプリケーションはこのようなゲームアプリケーションには限らない。例えばビジネス用のアプリケーション等の別の種類のアプリケーションについても、実施の形態1に係るクラウドコンピューティングシステム100を適用できることは当業者には理解されることである。
【0037】
図3は、実施の形態1に係るアプリケーション選択画面400の一例を示す図である。図3に示すように、アプリケーション選択画面400は表形式であり、縦軸を時間帯、横軸をジャンルとして区分けされた欄内に、アプリケーションの実行画面のサムネイル動画を一覧表示する。各サムネイル動画の下部には、サムネイル動画に対応するアプリケーションのタイトル名が表示されている。図3は現在時刻が16時台であることを前提とし、「本日」の時間帯についてサムネイル動画が表示されている例を示している。現在時刻に区分けされた欄に表示されているサムネイル動画の上部には、そのサムネイル動画が現在提供中であることを示すアイコンである「LIVEアイコン」が表示されている。
【0038】
現在時刻に区分けされた欄に表示されているサムネイル動画の上部には、そのサムネイル画像に対応するアプリケーションの提供を受けている他のユーザの実行画面を閲覧するための「観戦アイコン」も表示されている。さらに、現在提供中であるアプリケーションを実行するための「実行アイコン」、および後述する「挑戦状」を他のユーザに送るための「挑戦状アイコン」も表示されている。図3に示す例では、LIVEアイコンは、画面中に「LIVE」の文字が表示されているテレビのアイコンで示されている。「観戦アイコン」は、画面中にめがねの絵が表示されているテレビのアイコンで示されている。「実行アイコン」は、一般的なゲーム機で用いられるゲームコントローラのアイコンであり、「挑戦状アイコン」は、横長の封書のアイコンで示されている。
【0039】
現在時刻に区分けされた欄に表示されているサムネイル動画の下部には、そのサムネイル動画に対応するアプリケーションの提供を受けているフレンドユーザの総数も表示されている。アプリケーションの提供を現在受けているフレンドユーザの総数は、フレンドの間で人気の高いアプリケーションを判断するための指標となる。ユーザは、多くのフレンドユーザによって利用されているアプリケーションを選択することが可能となり、より大きな母集団の中でゲームスコアの競争や対戦等を楽しむことができるようになる。
【0040】
アプリケーション選択画面400の現在時刻を含む欄よりも未来の時刻に区分けされた欄には、その時刻に提供予定のアプリケーションのサムネイル動画が表示される。提供予定のアプリケーションのサムネイル動画の下部には、そのサムネイル動画に対応するアプリケーションを実行する意志のあることを示すアイコンである「お気に入りアイコン」が表示されている。お気に入りアイコンの下部には、そのアプリケーションを「お気に入り」としているフレンドユーザの総数が表示される。
【0041】
あるユーザが「お気に入りアイコン」を選択すると、フレンドユーザに「お気に入りアイコン」を選択したことが通知される。これは例えばユーザ間の連携126がフレンドユーザにメールを送信したり、他サービスとの連携128が他のSNSと連携してフレンドユーザのSNS上のホームページに通知を書き込んだりすることで実現できる。これにより、アプリケーションを通じたユーザ同士のマッチングを促進することができる。また、クラウドコンピューティングシステム100の運営管理者は、「お気に入り」としているユーザの総数から将来的なサーバの負荷を見積もることができ、運用計画に反映することができる。
【0042】
図3は、「本日」の時間帯についてサムネイル動画が表示されている例を示しているが、前の週の一覧表や、次の週の一覧表を表示させるためのアイコンも表示されている。また、本日を起点として1週間分の日付が表示されており、ユーザは各日付を選択することでその日付に提供されるアプリケーションの一覧を閲覧することも可能である。また各日付において、時間帯を自由に変更するためのインタフェースも設けられている。
【0043】
アプリケーション選択画面400の上部には、クラウドコンピューティングシステム100の運営管理者がユーザに情報を通知するための欄が設けられている。また、各種商品等の広告を表示する広告欄も設けられている。
【0044】
図3は、アプリケーション選択画面400の一例を図示したものである。各表示の配置の位置関係、表示内容等は様々なバリエーションがあり、それらも本発明の実施の形態として含まれることは当業者には理解されることである。
【0045】
ところで、クラウドコンピューティングシステム100にユーザ登録をしたユーザは、クラウドコンピューティングシステム100が提供可能な全てのアプリケーションを、任意の日時において提供を受けることができる。図示はしないが、クラウドコンピューティングシステム100は、提供可能なアプリケーションを検索するためのインタフェースを提供している。ユーザは、ゲームのタイトル名、発売元の名称、発売年月日、ジャンル等を検索キーとしてアプリケーションを検索し、提供を受けることができる。
【0046】
前述したように、クラウドコンピューティングシステム100が提供するアプリケーションは過去に開発されたゲームアプリケーションであるため、その数は膨大な数となる。そのような膨大な数のアプリケーションの中から所望のアプリケーションを探すことは、例えばちょっとした空き時間を利用して気軽にゲームを楽しもうとするユーザにとって、煩雑な作業となり得る。ゲームを始める前に繁雑な作業を強いられると、ユーザはゲームをしようとする意欲が減退しかねない。
【0047】
また、提供されるアプリケーションの数が多くなると、ひとつひとつのアプリケーションを利用するユーザの数が少なくなる傾向にある。あるアプリケーションの利用者が少ないと、例えばそのアプリケーションでスコアを競い合うようなイベントを開催したとしても盛り上がりに欠けてしまう。クラウドコンピューティングシステム100の運営管理者の立場から見ると、提供すべきアプリケーションの数が多くなると稼働すべきサーバ10やデータベース12が増大し、運用コストが増加する。
【0048】
そこでクラウドコンピューティングシステム100中の表示画面提供120は、図3に例示するアプリケーション選択画面400をユーザに提供する。アプリケーション選択画面400に表示されるサムネイル動画は、ユーザが任意の日時に提供を受けることができるアプリケーションの中から選択された少数のアプリケーションのサムネイル動画である。このように、多くのアプリケーションの中からあえて選択肢を絞ってユーザに提示することで、特定の少数のアプリケーションにユーザを集中させることができる。ユーザにとっては、ゲームの対戦相手や協働しながらゲームをする仲間を見つけやすくなり、ユーザ同士のマッチングが促進される利点がある。クラウドコンピューティングシステム100の運営管理者にとっては、提供するべきアプリケーションの数が減るため、サーバ10等の運用コストを抑制することが可能となる。
【0049】
ユーザがクラウドコンピューティングシステム100にユーザ登録をすると、クラウドコンピューティングシステム100は、ユーザにアプリケーションを利用するための「チケット」を発行する。チケットは、いわばクラウドコンピューティングシステム100でアプリケーションを利用するための通貨である。ユーザはアプリケーション毎に定められた所定枚数のチケットを消費することで、アプリケーションの提供を受ける。
【0050】
ユーザは所定の対価を払ってクラウドコンピューティングシステム100からチケットを購入することができる。クラウドコンピューティングシステム100は、毎月所定の枚数をユーザに無料で提供するようにしてもよい。あるいは、毎月所定の金額を支払うユーザにはチケットを無制限で発行する等、チケットの提供方法には様々なバリエーションが考えられる。いずれのバリエーションを採用しても本発明の実施の形態として含まれることは当業者には理解されることである。
【0051】
前述したとおり、アプリケーション選択画面400に現在提供中のアプリケーションとして表示されていないアプリケーションであっても、ユーザは提供を受けることができる。このとき、アプリケーション選択画面400に現在提供中のアプリケーションとして表示されているアプリケーションの方が、表示されていないアプリケーションよりも、提供を受ける際に必要なチケットの数を少なく設定してもよい。このような設定をすることにより、ユーザに現在提供中のアプリケーションの提供を受けるためのインセンティブを与えることができる。これは、特定の少数のアプリケーションにユーザを集中させる効果がある。
【0052】
アプリケーション選択画面400は、指定された日時にアプリケーションが割り当てられている点で、指定された日時に番組が割り当てられているテレビ番組表と類似する。しかしながら、テレビ番組表の場合、指定された日時に割り当てられている番組のみが視聴できるのに対し、アプリケーション選択画面400の場合、表に割り当てられていないアプリケーションであっても、ユーザが提供を受けることができる点で異なる。
【0053】
図4は、アプリケーション選択画面400を提供するための機能構成を模式的に示す図である。アプリケーション選択画面400を提供するための表示画面提供120の機能は、表示画面提供部120として実現される。表示画面提供部120は、一覧表示部132、予約操作部134、ユーザ選択受付部136、観戦画面提供部138、および動画選択受付部140を含む。
【0054】
図4は、アプリケーション選択画面400を提供するための機能構成を示しており、その他の構成は省略している。図4において、さまざまな処理を行う機能ブロックとして記載される各要素は、ハードウェア的には、クラウドコンピューティングシステム100を構成するサーバ10やクライアント端末200のCPU、メインメモリ、その他のLSI(Large Scale Integration)で構成することができ、ソフトウェア的には、メインメモリにロードされたプログラム等によって実現される。したがってこれらの機能ブロックが、クラウドコンピューティングシステム100の計算リソースによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。
【0055】
アプリケーション選択画面400は、クラウドコンピューティングシステム100を利用するユーザが任意の日時に提供を受けることが可能な複数のアプリケーションの中から選択された少数のアプリケーションの実行画面のサムネイル動画を、指定された日時に割り当てて一覧表示した表である。一覧表示部132は、アプリケーション選択画面400を、ユーザの利用するクライアント端末200に表示させる。ここでアプリケーション選択画面400のテンプレートやサムネイル動画はデータベース124に格納されており、一覧表示部132はデータベース124を参照してこれらのデータを取得する。
【0056】
一覧表示部132はさらに、アプリケーション選択画面400内に一覧表示されたサムネイル動画と対応づけて、現在そのサムネイル動画に対応するプリケーションの提供を受けているユーザの数を表示させる。
【0057】
一覧表示部132はまた、アプリケーション選択画面400内において、現在時刻を含む欄よりも未来の時刻に区分けされた欄に表示されたサムネイル動画と対応づけて、未来の時刻となった際にサムネイル動画に対応するアプリケーションを実行する意思表示をユーザから受け付けるための予約操作部も表示させる。ここで予約操作部は、上述したお気に入りアイコンである。
【0058】
動画選択受付部140は、アプリケーション選択画面400内に表示されたサムネイル動画に対するユーザからの選択を取得する。アプリケーション提供部116は、動画選択受付部140からユーザの選択を取得して、ユーザが選択したサムネイル動画に対応するアプリケーションをユーザに提供する。
【0059】
ここでアプリケーション提供部116は、ユーザが選択したアプリケーションを実現するプログラムを、クラウドコンピューティングシステム100内のサーバ10等の計算リソースが実行しその実行結果をユーザが利用するクライアント端末200に送信することで、アプリケーションの提供を実現する。あるいは、アプリケーション提供部116は、ユーザが選択したアプリケーションを実現するプログラムをユーザが利用するクライアント端末に送信することでアプリケーションの提供を実現してもよい。一般にプログラムの実行結果の方がプログラム自体よりも情報量が小さいため、前者の場合、ネットワークの負荷を軽減できる点で有利である。後者の場合、プログラムの実行主体を分散することができるので、クラウドコンピューティングシステム100内のサーバ10等の負荷を軽減できる点で有利である。
【0060】
ユーザ選択受付部136は、アプリケーション選択画面400内に一覧表示されたサムネイル動画に対応するプリケーションの提供を受けているフレンドユーザの中から、あるユーザが選択したフレンドユーザを特定する情報を受け付ける。図示はしないが、ユーザがアプリケーション選択画面400中の「観戦アイコン」を選択すると、その観戦アイコンに対応するアプリケーションを実行しているフレンドユーザが一覧表示される。ユーザが一覧表示されたユーザの中からあるフレンドユーザを選択すると、そのユーザを一意に特定する情報がユーザ選択受付部136に送信される。ここで「ユーザを一意に特定する情報」とは、例えばクラウドコンピューティングシステム100に登録したユーザ名や、登録時に付与されたユーザID(IDentification)である。
【0061】
観戦画面提供部138は、ユーザが選択したフレンドユーザが実行中のアプリケーションの実行画面を、ユーザの端末に表示させる。アプリケーションの実行画面を観戦するユーザは、そのアプリケーションを実際に実行することはできないものの、それがどのような内容であるかを把握することができる。また、既知のチャット等のインタフェースを用いてフレンドユーザと場を共有することもできる。
【0062】
以上の構成による動作は以下のとおりである。実施の形態1に係るクラウドコンピューティングシステム100にユーザ登録をしたユーザが、クライアント端末200の出力部210に表示されたアプリケーション選択画面400に表示されたサムネイル動画を選択する。アプリケーション提供部116は、ユーザ選択したサムネイル動画に対応するアプリケーションをユーザに提供する。
【0063】
ここでアプリケーション選択画面400に表示されたサムネイル動画は、ユーザが任意の日時に提供を受けることができるアプリケーションの中から選択された少数のアプリケーションのサムネイル動画である。本発明の実施形態1によれば、多くのアプリケーションの中からあえて選択肢を絞ってユーザに提示することで、特定の少数のアプリケーションに利用するユーザを集中させることができる。
【0064】
以上説明したように、本発明の実施形態1によれば、クラウドコンピューティングシステム100が提供するアプリケーションを通じてユーザの間でコミュニケーションを促進させる技術を提供することができる。
【0065】
[実施の形態2]
実施の形態2の概要を述べる。実施の形態2に係るクラウドコンピューティングシステム100は、もともとのゲームが対戦型ゲームか否かにかかわらず、同一のゲームを同一の条件の下、異なるユーザにネットワークを介して提供する。これにより、ユーザ同士が空間的に離れた場所に位置していても、非同期で、様々なゲームで対戦することが可能となる。アプリケーションを通じたユーザ同士のマッチングを促進し、ひいてはユーザの間でコミュニケーションを促進させる。
【0066】
実施の形態2は実施の形態1と併存することができる。以下、実施の形態1に係るクラウドコンピューティングシステム100と重複する説明は、適宜省略または簡略化して記載する。実施の形態1と同様に、クラウドコンピューティングシステム100が提供するアプリケーションとして、専用のハードウェアで実行されることを前提に開発されたゲームアプリケーションをエミュレータを用いて提供することを例に説明する。
【0067】
図5は、実施の形態2に係るアプリケーション提供画面500の一例を示す図である。図5に示すように、アプリケーション提供画面500は、アプリケーション実行画面514をはじめとして、様々なユーザインタフェースをユーザに提供する。
【0068】
操作エリア516は、ユーザがクライアント端末200における入力部214のひとつであるマウスで、アプリケーション実行画面514に表示されているゲームをコントロールするためのインタフェースである。前述したとおり、アプリケーション実行画面514に表示されているアプリケーションは、専用のゲームコントローラでコントロールすることを前提に開発されたゲームアプリケーションである。そこで、入力変換118が、操作エリア516内におけるカーソル530の動きをゲームコントローラの入力信号に変換する。
【0069】
ライブエリア522と総称する符号522a〜522dを付したエリアには、アプリケーション選択画面400において現在時刻を含む欄に表示されているサムネイル動画と同じサムネイル動画が表示される。ライブエリア522には、フレンドユーザが現在提供を受けているアプリケーションのサムネイル動画も表示される。ライブエリア522に表示しきれないサムネイル動画が存在する場合、ユーザはスライダーバー528を操作することで、そのようなサムネイル動画を表示させることができる。
【0070】
操作説明アイコン510は、アプリケーション実行画面514に提供されているアプリケーションの遊び方を表示するためのアイコンである。図示はしないが、ユーザが操作説明アイコン510を選択すると、現在提供されているアプリケーションのいわゆるヘルプファイルが表示される。ヘルプファイルには、操作対象のキャラクタの操作方法等が記載されている。
【0071】
ユーザ情報エリア518には、ユーザの所持するチケットの数をはじめとして、ユーザ固有の情報が表示される。ユーザ情報エリア518には、ユーザのホームページや他のSNS、マイクロブログへのリンク、ユーザが所持するメダルの枚数も表示される。ここで「メダル」とは、いわばクラウドコンピューティングシステム100内の勲章であり、例えば他のユーザとの対戦で勝利した場合に、他のユーザから取得することによって増やすことができる。ユーザ情報エリア518には、メダル所持数の多さで並べたときの順位も表示されている。
【0072】
全チャネル表示アイコン524は、クラウドコンピューティングシステム100が提供可能なアプリケーションのサムネイル動画を一覧形式で表示するためのアイコンである。図示はしないが、ユーザが全チャネル表示アイコン524を選択すると、アプリケーションのサムネイル動画が一覧表示される。
【0073】
イベントチャネル表示アイコン526は、クラウドコンピューティングシステム100の運営管理者が開催するイベントを表示するためのアイコンである。運営管理者が開催するイベントとは、例えばひとつのアプリケーションを指定して、ユーザ間でゲームの得点を競い合い、優勝者にメダルを付与するといったイベントである。あるいは、ひとつの対戦型ゲームアプリケーションを指定してトーナメント戦を開催し、優勝者にメダルを付与するといったイベントである。このように、イベントを通じて多くのユーザの注目を特定のアプリケーションに集めることにより、アプリケーションを通じたユーザ同士のマッチングを促進することができる。
【0074】
広告欄520は、各種商品等の広告を表示するエリアである。図3に示すアプリケーション選択画面400の場合と同様に、アプリケーション提供画面500内にクラウドコンピューティングシステム100の運営管理者からの告知欄(図5には図示せず)を設けることもできる。
【0075】
挑戦状アイコン512は、ユーザがフレンドユーザに「挑戦状」を送付するためのアイコンである。ここで「挑戦状」とは、例えばあるユーザがひとつのゲームアプリケーションとそのゲームで達成すべき目標とを指定してフレンドユーザに通知するメッセージのことをいう。挑戦状を受け取ったフレンドユーザは、その挑戦を受けるか否かを自由に選択できる。挑戦を受ける場合、フレンドユーザは指定されたゲームをプレイする。挑戦状を送付したユーザの目標に対する達成度と、フレンドユーザの目標に対する達成度とを比較して、より達成度の高い方のユーザがメダルを獲得することができる。なお、ユーザがアプリケーション提供画面500内の挑戦状アイコン512を選択した場合、アプリケーション実行画面514で実行中のゲームアプリケーションが指定される。
【0076】
図5は、アプリケーション提供画面500の一例を図示したものである。各表示の配置の位置関係、表示内容等は様々なバリエーションがあり、それらも本発明の実施の形態として含まれることは当業者には理解されることである。
【0077】
以下、挑戦状を用いたユーザ同士のマッチングの仕組みについて説明する。
【0078】
図6は、挑戦状におけるフレンド選択インタフェース600の一例を示す図である。図6に示すように、フレンド選択インタフェース600にはフレンドユーザが一覧表示されており、ユーザは一覧表示されたフレンドユーザの中から一人のフレンドユーザを選択する。なお、ユーザが挑戦状アイコン512を選択すると、ユーザ間の連携126がデータベース124を参照してフレンドユーザを取得し、表示画面提供120がフレンド選択インタフェース600をユーザの利用するクライアント端末200の出力部210に表示させる。
【0079】
図7は、挑戦状における目標設定インタフェース700の一例を示す図である。ユーザがフレンド選択インタフェース600で一人のフレンドを選択すると、表示画面提供120は目標設定インタフェース700をユーザの利用するクライアント端末200の出力部210に表示させる。図7に示すように、目標設定インタフェース700にはゲームアプリケーションで達成すべき目標が一覧表示されており、ユーザは一覧表示された目標の中からひとつの目標を選択する。目標設定インタフェース700には挑戦する際に賭けるメダルの数も表示される。設定した目標に対する達成度の高い方のユーザが、賭けたメダルを獲得することができる。なお、賭けるメダルの数は、設定する目標の難易度に応じて変更される。目標達成が難しいほど、メダルの数は多くなる。また、達成すべき目標は、ゲームアプリケーションに適した目標があらかじめクラウドコンピューティングシステム100の運営管理者によって設定されている。
【0080】
ユーザが目標を設定した後に、目標設定インタフェース700内の挑戦ボタン710を押下すると、表示画面提供120は出力部210にアプリケーション提供画面500を表示させる。ユーザはアプリケーション提供画面500内のアプリケーション実行画面514でゲームを実行する。ユーザが設定した目標が、例えば「スコアのよい方が勝ち」である場合、ゲーム終了後にゲームで獲得したスコアが達成度となる。また、ユーザが設定した目標が「パンチだけでクリア」のように、何らかの制約条件を付すものである場合、その条件を達成できたか否かが達成度となる。
【0081】
図8は、挑戦状における挑戦状受信インタフェース800の一例を示す図である。ユーザが挑戦状で指定したゲームアプリケーションを終了すると、ユーザ間の連携126の制御の下、表示画面提供120は挑戦状受信インタフェース800をフレンドユーザの利用するクライアント端末200の出力部210に表示させる。図8に示すように、挑戦状受信インタフェース800内には、挑戦状を出したユーザの名前、指定されたゲームアプリケーションのタイトル名、およびそのゲームアプリケーションで達成すべき目標が記載されている。
【0082】
挑戦状を受信したフレンドユーザは、その挑戦を受けるか否かを自由に選択することができる。挑戦を断る場合、フレンドユーザは、挑戦状受信インタフェース800内の断るボタン810を押下する。図示はしないが、フレンドユーザが断るボタン810を押下すると、挑戦状を出したユーザの利用するクライアント端末200の出力部210に、フレンドユーザが挑戦を断った旨のメッセージが表示される。
【0083】
フレンドユーザが挑戦を受ける前にそのゲームアプリケーションを実行して練習することを希望する場合、フレンドユーザは練習ボタン812を押下する。フレンドユーザが練習ボタン812を押下すると、アプリケーション提供画面500が出力部210に表示され、フレンドユーザはゲームを練習することができる。
【0084】
フレンドユーザが挑戦を受けるか否かを留保することを希望する場合、挑戦状受信インタフェース800内のやめるボタン816を押下する。フレンドユーザが挑戦状を留保したまま所定の期間が経過すると、フレンドユーザはその挑戦を断ったとみなされる。ここで「所定の期間」とは、フレンドユーザが挑戦状を受け入れるか否かを決定するために定められた受入決定期間である。受入決定期間の長さは、挑戦状を維持管理するためのコストや、ユーザのモチベーションの持続期間等を考慮しながら実験により定めればよいが、例えば3日間である。受入決定期間中にフレンドユーザが挑戦を受けない場合、その挑戦状はクラウドコンピューティングシステム100から削除される。受入決定期間を定めることにより、挑戦を受ける意思のないフレンドユーザに送信された挑戦状がクラウドコンピューティングシステム100に残存することを防止できる。
【0085】
フレンドユーザが挑戦を受ける場合、挑戦状受信インタフェース800内の受けるボタン814を押下する。フレンドユーザが受けるボタン814を押下すると、アプリケーション提供画面500が出力部210に表示され、フレンドユーザは指定されたゲームアプリケーションを実行する。フレンドユーザによるゲームアプリケーションの実行が終了すると、ユーザ間の連携126は、フレンドユーザの目標に対する達成度を取得する。
【0086】
ユーザ間の連携126は、挑戦状を送付したユーザの達成度と、フレンドユーザの達成度とを比較し、いずれのユーザが勝ったか、あるいは引き分けかを判断する。表示画面提供120は、ユーザ間の連携126の判断結果を、挑戦状を送付したユーザが利用するクライアント端末200とフレンドユーザが利用するクライアント端末200との両方に表示させて通知する。
【0087】
フレンドユーザは、ユーザからの挑戦に負けた場合、ユーザに挑戦状を送り返して再度ゲームをプレイすることもできる。挑戦状を送り返すことの詳細は後述する。
【0088】
以上より、ユーザとそのフレンドユーザとが、ひとつのゲームアプリケーションを通じて対戦することができる。ユーザとフレンドユーザとはクラウドコンピューティングシステム100を介して通信するため、互いに離れた場所に存在している場合であっても、対戦を実現することができる。また、ユーザが「お題」として掲げた目標に対する達成度を競い合うため、ユーザとそのフレンドユーザとが同時にゲームをプレイする必要がない。このため、ユーザとそのフレンドユーザとの間で非同期の対戦を実現することができる。
【0089】
上述したように、ユーザとそのフレンドユーザとは掲げられた目標に対する達成度を競い合う。この目標は、指定したゲームアプリケーションの目標として適切な条件が、クラウドコンピューティングシステム100の運営管理者によってあらかじめ設定されている。したがって、例えば格闘ゲームのように、ユーザ同士が対戦することを前提として開発されたゲームアプリケーションのみならず、例えばクロスワードパズルゲームのように非対戦型のゲームアプリケーションであっても、ユーザ同士の対戦を可能にしている。これにより、ユーザ同士が非同期で、様々なゲームで対戦することができ、アプリケーションを通じたユーザ同士のマッチングが促進される。
【0090】
図9は、挑戦状によるユーザ間の連携を提供するための機能構成を模式的に示す図である。挑戦状によるユーザ間の連携を提供するための仕組みは、ネットワーク300を介して互いに接続するクライアント端末200とアプリケーション提供サーバ10とを含むクライアント・サーバ型のクラウドコンピューティングシステム100によって実現される。
【0091】
クラウドコンピューティングシステム100は、ユーザの利用するクライアント端末200aと、フレンドユーザが利用するクライアント端末200bとが、ネットワーク300を介してアプリケーション提供サーバ10と接続する。
【0092】
クライアント端末200は、キーボードやマウス、タッチパット等の入力インタフェースである指示部220、モニタ等の表示部222、および達成度送信部224を含む。指示部220は、上述の入力部214と対応し、表示部222は上述の出力部210と対応する。達成度送信部224については後述する。
【0093】
アプリケーション提供サーバ10は、受付部22、アプリケーション提供部14、達成度取得部16、通知部18、および実行促進部20を含む。
【0094】
クライアント端末200aの指示部220は、クライアント端末200aを利用するユーザによるゲームアプリケーションの選択、そのゲームアプリケーションで達成すべき目標、およびそのゲームアプリケーションの対戦相手とするフレンドユーザの指定を、アプリケーション提供サーバ10に指示する。
【0095】
アプリケーション提供サーバ10の受付部22は、クライアント端末200aの指示部220から、ゲームアプリケーションの選択、そのゲームアプリケーションで達成すべき目標、およびそのゲームアプリケーションの対戦相手とするフレンドユーザの指定を受け付ける。アプリケーション提供部14は、ユーザが指定したゲームアプリケーションを、ユーザが利用するクライアント端末200aに提供する。クライアント端末200aの表示部222は、アプリケーション提供画面500を表示する。
【0096】
クライアント端末200aの達成度送信部224は、ユーザによるゲームアプリケーションの終了後、目標に対する達成度をアプリケーション提供サーバ10に送信する。アプリケーション提供サーバ10の達成度取得部16は、達成度送信部224から、ユーザの目標に対する達成度を取得する。実行促進部20は、ユーザによるゲームアプリケーションの終了後、ユーザが実行したゲームアプリケーションの実行を促すメッセージとユーザが設定した目標とを含む挑戦状を、フレンドユーザが利用するクライアント端末200bに通知する。
【0097】
受入決定期間内にフレンドユーザが挑戦を受け入れずゲームアプリケーションを実行しない場合、アプリケーション提供サーバ10の通知部18は、フレンドユーザがゲームアプリケーションを実行しない旨を、ユーザの利用するクライアント端末200aに通知する。
【0098】
フレンドユーザが受入決定期間内にユーザからの挑戦を受ける場合、アプリケーション提供部14は、ユーザに提供したゲームアプリケーションをフレンドユーザにも提供する。クライアント端末200bの達成度送信部224は、フレンドユーザによるゲームアプリケーションの終了後、フレンドユーザの目標に対する達成度をアプリケーション提供サーバ10に送信する。アプリケーション提供サーバ10の達成度取得部16は、クライアント端末200bの達成度送信部224から、フレンドユーザの達成度を取得する。通知部18は、達成度取得部16が取得したユーザの達成度とフレンドユーザの達成度とを比較して得られた達成度の優劣を、ユーザおよびフレンドユーザそれぞれが利用するクライアント端末200の表示部222に表示させて通知する。
【0099】
ここで、クラウドコンピューティングシステム100に、ユーザの達成度とフレンドユーザの達成度とを比較する比較部を設けてもよい。比較部は、クラウドコンピューティングシステム100の計算リソースが実行する。したがって、クライアント端末200とアプリケーション提供サーバ10との少なくとも一方に含まれる。
【0100】
上述した指示部220や表示部222は、各クライアント端末200に帰属するものである。これらが、サーバ10に帰属していてはユーザが利用することができず意味がない。一方で、例えばアプリケーション提供部14、実行促進部20、比較部等は、クライアント端末200に帰属していても、あるいはサーバ10に帰属していても、本発明の実施の形態として成立する。このように、クラウドコンピューティングシステム100には各部の構成や処理の主体に自由度がある。全ての場合分けを記載することは重複が多く煩雑となり、かえって本発明のポイントが不明りょうとなるため省略するが、いずれの場合も本実施の形態に含まれることは当業者には理解されるところである。
【0101】
クライアント端末200およびアプリケーション提供サーバ10は、クラウドコンピューティングシステム100の一部である。アプリケーション提供サーバ10は、物理的にひとつのサーバである必要はなく、上述した各部の機能を集約してアプリケーション提供サーバ10と称している。アプリケーション提供サーバ10内の各部は、ハードウェア的には、クラウドコンピューティングシステム100を構成するサーバ10またはクライアント端末200のCPU、メインメモリ、その他のLSIで構成することができ、ソフトウェア的には、メインメモリにロードされたプログラム等によって実現される。したがってこれらが、クラウドコンピューティングシステム100の計算リソースによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。
【0102】
図10は、実施の形態2に係る挑戦状の処理の流れを示すフローチャートの前半部である。本フローチャートにおける処理は、例えばユーザがクラウドコンピューティングシステム100にログインしたときに開始する。
【0103】
ユーザが挑戦状アイコン512を選択すると(S10)、表示画面提供120は、ユーザにフレンド選択インタフェース600を提供する。ユーザが挑戦状を送る相手であるフレンドを選択すると(S12)、表示画面提供120は、ユーザに目標設定インタフェース700を提供する。ユーザが「お題」となる目標を選択すると(S14)、アプリケーション提供部14は、ユーザが指定したゲームアプリケーションをユーザに提供する。ユーザが提供されたゲームアプリケーションで「お題」をプレイして(S16)、ゲームを終了すると(S18)、通知部18はフレンドユーザに挑戦状を送付する(S20)。
【0104】
フレンドユーザが利用するクライアント端末200bにユーザから挑戦状が届いた後(S22)、受入決定期間である3日以内にフレンドユーザが挑戦を受けると(S24のY)、アプリケーション提供部14は、ユーザが指定したゲームアプリケーションをフレンドユーザに提供する。フレンドユーザが提供されたゲームアプリケーションで「お題」をプレイして(S26)、ゲームを終了すると(S28)、比較部は両者の達成度を比較する。
【0105】
比較の結果フレンドユーザが勝利すると(S30のY)、フレンドユーザは賭けられていたメダルを取得する(S32)。フレンドユーザが敗北すると(S30のN)、フレンドユーザは負けを認めてメダルを失うか、あるいはユーザに挑戦状を送り返して再度勝負を挑むかのいずれかを選択する(S34)。フレンドユーザがメダルを失うことを選択すると、ユーザは賭けられていたメダルを取得する(S36)。また、フレンドユーザが勝利してメダルを取得した場合、ユーザはフレンドユーザが取得したメダルの数と同数のメダルを失う(S38)。
【0106】
受入決定期間である3日以内にフレンドユーザが挑戦を受け入れなかった場合、あるいはフレンドユーザが挑戦を断った場合(S24のN)、挑戦状はその効力を失い(S40)、通知部18はユーザに挑戦が成立しなかったことを通知する(S42)。
【0107】
図11は、実施の形態2に係る挑戦状の処理の流れを示すフローチャートの後半部であり、ユーザからの挑戦に負けたフレンドユーザが、ユーザに挑戦状を送り返した場合の処理の流れを示す。
【0108】
フレンドユーザが勝負に負けると、フレンドユーザの利用するクライアント端末200bの表示部222には、ユーザに挑戦状を送り返すためのアイコン(図示せず)が表示される。フレンドユーザが挑戦状を送り返すためのアイコンを選択すると(S44)、アプリケーション提供部14は、ユーザが指定したゲームアプリケーションをフレンドユーザに提供する。フレンドユーザが提供されたゲームアプリケーションで、ユーザが指定した「お題」をプレイして(S46)、ゲームを終了すると(S48)、通知部18はユーザに挑戦状を送付する(S50)。
【0109】
ユーザが利用するクライアント端末200aにフレンドユーザから挑戦状が届いた後(S52)、受入決定期間である3日以内にユーザが挑戦を受けると(S54のY)、アプリケーション提供部14は、ユーザが指定したゲームアプリケーションをユーザに提供する。ユーザが提供されたゲームアプリケーションで「お題」をプレイして(S56)、ゲームを終了すると(S58)、比較部は両者の達成度を比較する。
【0110】
比較の結果ユーザが勝利すると(S60のY)、ユーザは賭けられていたメダルを取得する(S62)。ユーザが敗北すると(S60のN)、ユーザは賭けられていたメダルを失う(S64)。フレンドユーザはユーザが失ったメダルの数と同数のメダルを取得する(S66)。また、ユーザが勝利してメダルを取得した場合、フレンドユーザはユーザが取得したメダルの数と同数のメダルを失う(S68)。
【0111】
受入決定期間である3日以内にユーザが挑戦を受け入れなかった場合、あるいはユーザが挑戦を断った場合(S54のN)、挑戦状はその効力を失い(S70)、通知部18はフレンドユーザに挑戦が成立しなかったことを通知する(S72)。
【0112】
以上の構成による動作は以下のとおりである。実施の形態2に係るクラウドコンピューティングシステム100にユーザ登録をしたユーザが、フレンドユーザを指定して挑戦状を送付すると、クラウドコンピューティングシステム100は、挑戦状に指定された同一のゲームを同一の条件でユーザおよびそのフレンドユーザに提供する。
【0113】
以上説明したように、本発明の実施形態2によれば、ユーザ同士が空間的に離れた場所に位置していても、非同期で、様々なゲームで対戦させることが可能となる。これにより、アプリケーションを通じたユーザ同士のマッチングを促進し、ひいてはアプリケーションを通じてユーザの間でコミュニケーションを促進することができる。
【0114】
以上、実施の形態1および実施の形態2を説明した。これらの実施の形態の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。実施の形態1と2との組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態それぞれの効果を合わせ持つ。
【0115】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0116】
[変形例1]
上記で説明した実施の形態1では、アプリケーション選択画面400中にサムネイル動画に対応するアプリケーションの提供を受けているフレンドユーザの総数が表示される場合について説明した。フレンドユーザの総数と代えて、あるいはそれに加えて、クラウドコンピューティングシステム100に登録しているユーザのうちサムネイル動画に対応するアプリケーションの提供を受けているユーザの総数を表示してもよい。ユーザは、より大きな母集団の中におけるアプリケーションの人気の高さを知ることができる。より人気の高いアプリケーションを好むユーザにとって、そのアプリケーションを選択するインセンティブとなるため、特定の少数のアプリケーションに利用するユーザを集中させる効果がある。
【0117】
[変形例2]
上記で説明した実施の形態2では、ユーザはアプリケーション提供画面500内の挑戦状アイコン512を押下することでフレンドユーザに挑戦状を送付する場合について説明した。上述したとおり、挑戦状アイコンはアプリケーション選択画面400内にも存在する。したがって、ユーザはアプリケーション選択画面400内の挑戦状アイコンを押下することでフレンドユーザに挑戦状を送付することもできる。ユーザがアプリケーション選択画面400内の挑戦状アイコンを押下した後のクラウドコンピューティングシステム100の動作は、アプリケーション提供画面500内の挑戦状アイコン512を押下した後の動作と同様である。ユーザ同士のマッチングの仕掛けを多く設けることにより、ユーザ同士のマッチングをより活性化することができる。
【0118】
[変形例3]
上記で説明した実施の形態1および2では、クラウドコンピューティングシステム100が提供するアプリケーションとして、専用のハードウェアで実行されることを前提に開発されたゲームアプリケーションをエミュレータを用いて提供することを例に説明した。ここで、アプリケーションの提供の単位は、アプリケーションを丸ごと全てではなく、アプリケーションを分割してできる小さな単位としてもよい。例えば、ゲーム中に単位となるステージが存在するのであれば、そのステージを単位とする。あるいは、ゲーム中にいわゆる「ボス戦」が存在するのであれば、ボス戦のみを単位とする。
【0119】
近年のマイクロプロセッサおよび携帯情報端末の発達により、場所と時間とを気にせず手軽にゲームを楽しむ環境が実現し、ちょっとした空き時間にゲームを楽しむユーザも増えてきた。これにより、小さな単位で短時間だけ楽しむというゲームの利用形態の需要も増加している。そこで、前述のように小さな単位で短時間で終了するアプリケーションを提供することにより、本クラウドコンピューティングシステム100が提供するサービスを利用して、ちょっとした空き時間を利用して気軽にゲームを楽しもうとするユーザの需要に応えることができる。クラウドコンピューティング技術を利用して、過去に開発したゲームプログラムを再活用するという新たなビジネスを生み出すことも可能となる。
【0120】
[変形例4]
上記で説明した実施の形態2では、ユーザがアプリケーション提供サーバ22を介してフレンドユーザに挑戦状を送付する場合について説明した。ユーザ同士が空間的に離れた場所に位置していても、非同期で、様々なゲームで対戦することを達成するためには、サーバ・クライアント型のシステム構成は必須ではない。例えば、ユーザの利用するクライアント端末200aとフレンドユーザの利用するクライアント端末200bとがP2P(Peer to Peer;ピアツーピア)で接続してもよい。以下、この場合について説明する。
【0121】
ユーザの利用するクライアント端末200aとフレンドユーザの利用するクライアント端末200bとがP2Pで接続する場合、上述したアプリケーション提供サーバ10の機能は、クライアント端末200aとクライアント端末200bとの少なくとも一方が実行することになる。
【0122】
ユーザの利用するクライアント装置200aのプロセッサは、ユーザが指定したゲームアプリケーションを実現するためのプログラムを、クライアント装置200a内の記録部から選択する。クライアント装置200aのプロセッサは、選択したゲームアプリケーションで達成すべき目標をユーザから取得し、設定する。クライアント装置200aのプロセッサはまた、選択したゲームアプリケーションの対戦相手とするフレンドユーザをユーザから取得し、対戦相手として指定する。
【0123】
クライアント装置200aのプロセッサは、ユーザの指定したゲームアプリケーションを実現するためのプログラムを実行する。ユーザがゲームアプリケーションをプレイして終了した後、クライアント装置200aのプロセッサは、ユーザが指定した目標に対するユーザの達成度を取得する。
【0124】
ユーザによるゲームアプリケーションの終了後、クライアント装置200aのプロセッサは、ユーザが実行したゲームアプリケーションを、ユーザが指定した目標とともにフレンドユーザに提供する。ここで、クライアント装置200aのプロセッサがゲームアプリケーションを実現するためのプログラムを実行し、その実行結果の表示画面をネットワークを介してクライアント装置200bに提供することで実現できる。あるいは、クライアント装置200aのプロセッサがゲームアプリケーションを実現するためのプログラムをネットワークを介してクライアント装置200bに提供し、クライアント装置200bのプロセッサがプログラムを実行してもよい。いずれにしても、クライアント装置200aが、クライアント装置200bのサーバとして機能する。
【0125】
フレンドユーザがゲームアプリケーションをプレイして終了した後、クライアント装置200bのプロセッサは、ユーザが指定した目標に対するフレンドユーザの達成度を取得する。
【0126】
クライアント装置200aのプロセッサは、ネットワークを介してクライアント装置200bからフレンドユーザの達成度を取得し、ユーザの達成度とフレンドユーザの達成度とを比較する。クライアント装置200aのプロセッサは、比較結果をクライアント装置200bに送信するとともに、比較結果をクライアント装置200aの表示部に表示する。クライアント装置200bのプロセッサは、クライアント装置200aのプロセッサから比較結果を取得し、クライアント装置200bの表示部に表示する。
【0127】
あるいは、クライアント装置200bのプロセッサが、ネットワークを介してクライアント装置200aからユーザの達成度を取得し、ユーザの達成度とフレンドユーザの達成度とを比較してもよい。その場合、クライアント装置200bのプロセッサが、比較結果をクライアント装置200aに送信するとともに、比較結果をクライアント装置200bの表示部に表示する。クライアント装置200aのプロセッサは、クライアント装置200bのプロセッサから比較結果を取得し、クライアント装置200aの表示部に表示する。
【0128】
以上まとめると、変形例4に係る実施の形態は、第1ユーザが利用する第1クライアント端末と第2ユーザが利用する第2クライアント端末との少なくともふたつのクライアント端末を含むピアツーピアの対戦システムである。このシステムは、第1ユーザの指定したゲームアプリケーションを選択するゲーム選択ステップと、前記ゲームアプリケーションで達成すべき目標を設定する目標設定ステップと、前記ゲームアプリケーションの対戦相手とするユーザを指定する対戦相手指定ステップと、第1ユーザの指定したゲームアプリケーションを実行する実行ステップと、第1ユーザによるゲームアプリケーションの終了後、前記目標に対する第1ユーザの達成度を取得する第1達成度取得ステップと、第1ユーザによるゲームアプリケーションの終了後、第1ユーザが実行したゲームアプリケーションを、前記目標とともに第2ユーザに提供するアプリケーション提供ステップと、第2ユーザによるゲームアプリケーションの終了後、前記目標に対する第2ユーザの達成度を取得する第2達成度取得ステップと、第1ユーザの達成度と第2ユーザの達成度とを比較する比較ステップと、第1ユーザの達成度と第2ユーザの達成度との比較結果を表示する表示ステップとを含む。
【0129】
ここで前記第1クライアント端末のプロセッサは、前記ゲーム選択ステップ、前記目標ステップ、前記対戦相手指定ステップ、前記実行ステップ、前記第1達成度取得ステップ、および前記表示ステップを実行する。また前記第2クライアント端末のプロセッサは、前記第2達成度取得ステップおよび前記表示ステップを実行する。前記アプリケーション提供ステップと前記比較ステップとは、前記第1クライアント端末のプロセッサと前記第2クライアント端末のプロセッサとの少なくとも一方によって実行される。
【0130】
以上説明したように、上述したアプリケーション提供サーバ10の機能を、クライアント端末200aとクライアント端末200bとの少なくとも一方が受け持つことによって、ユーザ同士がP2P接続する場合であっても、非同期で、様々なゲームで対戦することを達成することができる。上述した実施の形態2と比較すると、専用のアプリケーション提供サーバ10が不要となるので、簡便な構成でユーザ同士の非同期な対戦を実現できる点で有利である。
【符号の説明】
【0131】
10 アプリケーション提供サーバ、 14 アプリケーション提供部、 16 達成度取得部、 18 通知部、 20 実行促進部、 22 受付部、 100 クラウドコンピューティングシステム、 116 アプリケーション提供部、 132 一覧表示部、 134 予約操作部、 136 ユーザ選択受付部、 138 観戦画面提供部、 140 動画選択受付部、 200 クライアント端末、 210 出力部、 212 ネットワークインタフェース、 214 入力部、 220 指示部、 222 表示部、 224 達成度送信部、 300 ネットワーク、 400 アプリケーション選択画面、 500 アプリケーション提供画面、 510 操作説明アイコン、 512 挑戦状アイコン、 514 アプリケーション実行画面、 516 操作エリア、 518 ユーザ情報エリア、 520 広告欄、 522 ライブエリア、 524 全チャネル表示アイコン、 526 イベントチャネル表示アイコン、 528 スライダーバー、 530 カーソル、 600 フレンド選択インタフェース、 700 目標設定インタフェース、 800 挑戦状受信インタフェース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続された複数の計算リソースを持つクラウドコンピューティングシステムであって、
前記クラウドコンピューティングシステムを利用するユーザが任意の日時に提供を受けることが可能なアプリケーションの実行画面のサムネイル動画を、指定された日時に割り当てて一覧表示した表を、前記ユーザの利用する端末に表示させる一覧表示部と、
前記表内に表示されたサムネイル動画に対する、前記ユーザからの選択を取得する動画選択受付部と、
前記ユーザに、前記ユーザが選択したサムネイル動画に対応するアプリケーションを提供するアプリケーション提供部とを含むことを特徴とするクラウドコンピューティングシステム。
【請求項2】
前記一覧表示部は、前記表内に一覧表示されたサムネイル動画と対応づけて、当該サムネイル動画に対応するプリケーションの提供を受けているユーザの数をさらに表示させることを特徴とする請求項1に記載のクラウドコンピューティングシステム。
【請求項3】
前記表内に一覧表示されたサムネイル動画に対応するプリケーションの提供を受けているユーザの中から、前記ユーザが選択したユーザを特定する情報を受け付けるユーザ選択受付部と、
前記ユーザが選択したユーザが実行中のアプリケーションの実行画面を、前記ユーザの端末に表示させる観戦画面提供部とをさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載のクラウドコンピューティングシステム。
【請求項4】
前記一覧表示部は、現在時刻を含む欄よりも未来の時刻に区分けされた欄に表示されたサムネイル動画と対応づけて、当該未来の時刻となった際にサムネイル動画に対応するアプリケーションを実行する意思表示を前記ユーザから受け付けるための予約操作部をさらに表示させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のクラウドコンピューティングシステム。
【請求項5】
前記アプリケーション提供部が提供したアプリケーションを実現するプログラムは、前記クラウドコンピューティングシステムのサーバの計算リソースが実行することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のクラウドコンピューティングシステム。
【請求項6】
前記アプリケーション提供部は、アプリケーションを実現するプログラムを前記ユーザの端末に送信し、
前記プログラムは、前記ユーザの端末において実行されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のクラウドコンピューティングシステム。
【請求項7】
ネットワークを介して接続された複数の計算リソースを持つクラウドコンピューティングシステムにおけるアプリケーション提供方法であって、
前記クラウドコンピューティングシステムを利用するユーザが任意の日時に実行可能なアプリケーションの実行画面のサムネイル動画を、指定された日時に割り当てて一覧表示した表を、前記ユーザの利用する端末に表示させるステップと、
サムネイル動画に対するユーザからの選択を取得するステップと、
サムネイル動画を選択したユーザに、当該サムネイル動画に対応するアプリケーションを提供するステップとを前記クラウドコンピューティングシステムの計算リソースに実行させることを特徴とするアプリケーション提供方法。
【請求項8】
ネットワークを介して接続された複数の計算リソースを持つクラウドコンピューティングシステムにアプリケーションの提供を実現させるためのプログラムであって、
前記クラウドコンピューティングシステムを利用するユーザが任意の日時に実行可能なアプリケーションの実行画面のサムネイル動画を、指定された日時に割り当てて一覧表示した表を、前記ユーザの利用する端末に表示させる機能と、
サムネイル動画に対するユーザからの選択を取得する機能と、
サムネイル動画を選択したユーザに、当該サムネイル動画に対応するアプリケーションを提供する機能とを前記クラウドコンピューティングシステムの計算リソースに実現させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−54680(P2013−54680A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194141(P2011−194141)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(310021766)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (417)
【Fターム(参考)】