説明

クランプ取付けツール

【課題】 従来問題を解消する改良されたクランプ取付けツールを提供することである。
【解決手段】 ツール100がハンドル110、アングルセクション120、ポケット130を含み、ポケット130が、ノッチ132、2つのタブ134及び136を含む。ポケット130は取付けプロセス中にクランプのフランジをその比較的閉じた位置に保持し、クランプ取付け中のツール100及びまたは取付け機構の滑りを減少させ、かくしてパイプ及びまたはワイヤ及びまたは取付け面への損傷の恐れを有益に低減させ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件出願は2011年5月11日付けて提出された米国仮出願特許第61/484、877号の利益を主張するものである。当該仮出願により教示される全事項はここでの参照により本明細書の一部とするものとする。
本発明は米国国防総省による認可第F33657−91−C−0006をその全体または部分的裏付けとするものである。米国政府は本発明における特定の権利を有するものである。
【背景技術】
【0002】
クランプは商用オフザシェル(COTS)パーツであり及びまたは特殊パーツである。クランプは一般に、軍用及び商用の配管及びまたは配線(例えば、ビル配線、航空機配線等)作業で使用される。クランプ(例えばループクランプ、ホースクランプ、バネクランプ等)は、ケーブル及びまたはパイプを保持させる際にきつくグリップする必要があるため、一般に閉じる上で問題がある。言い換えると、過酷な環境下(例えば、高振動、高運動下等)での配線及びまたは配管に際し、所要のきついグリップを生じさせるには一般に大きな力を要する。クランプは、クランプ取付け上の問題が大きくなる壊れ易い及びまたはアクセス困難な環境下(例えば、処理表面上、狭隘空間等の環境下)に取付けされる場合がある。かくして、改良されたクランプ取付けツールに対する需要が斯界に存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来問題を解消する改良されたクランプ取付けツール(以下、単にツールとも称する)を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
取付け面上にクランプを固定するある方法ではクランプ取付けツールを使用する。当該ツールは、ループクランプの係合端をその閉鎖位置において捕捉し且つ取付け面にループクランプを係合させる取付け機構を捕捉するようになっているノッチを含む。前記ツールは、当該ノッチセクションにある角度で連接され、閉じたループクランプを取付け面上に保持するようになっているハンドルセクションを更に含む。
【0005】
取付け面上にクランプを固定する別の方法ではクランプ取付けツールを使用する。当該ツールはノッチセクションを含む。ノッチセクションは対向する2つのタブを含む。各タブは3つの壁を含み、当該3つの壁が、ループクランプにおける閉鎖位置のフランジと係合し、各タブは第1距離において離間する。ノッチセクションは開口を有するノッチを更に含み、この開口は前記第1距離に対して寸法付けされると共に、ループクランプを取付け機構に固定するようにした連結機構を受けるようになっている。ツールはノッチセクションに連接したハンドルセクションを更に含み、当該ハンドルセクションはノッチセクションから遠方に直線的に伸延するシャフトを含む。
【0006】
取付け面上にクランプを取付ける他の方法には、ループクランプにおける閉鎖位置のフランジを覆ってクランプ取付けツールを配置し、ループクランプをクランプ取付けツールを介して取付け面上に位置決めし、ループクランプを連結機構を介して取付け面に取付け、クランプ取付けツールをループクランプから取り外す各ステップが含まれる。
その他の例として、上記何れの方法には以下の特徴の1つ以上が含まれ得る。
ある実施例ではツールが、ハンドルセクションをある角度でノッチセクションに連接し且つループクランプを取付け機構と整列させるようにしたアングルセクションを更に含む。
他の例ではノッチセクションが、ループクランプにおける閉鎖位置の係合端を捕捉する際、ループクランプの上側のフランジが当該ループクランプの底部側のフランジと接触する。
【0007】
ある実施例では、ノッチセクションがループクランプと係合する際、当該ノッチセクションがループクランプの上側の孔及びループクランプの底部側の孔と軸方向に略整列する。
他の例では、ツールが単独の一体部片として構成される。
ある実施例では、ツールが、対向する2つのタブに連結した調節自在機構を更に含み、当該調節自在機構が、前記対向する2つのタブの1つ以上を移動させることにより前記第1距離を変更させるようになっている。
【0008】
他の例では、前記対向する2つのタブが、ループクランプを取付け面上に且つ当該取付け面と係合する状態に固定的に維持することで、連結機構が締め付けられ、かくしてループクランプが取付け面に固定され得る。
ある実施例では、前記対向する2つのタブがループクランプのフランジを受けることで、ノッチセクションが取付け面との接面状態下に該取付け面上に座着され得る。
他の実施例ではツールが単一の一体部片として構成される。
ある実施例では前記方法が、ループクランプの各フランジを覆ってクランプ取付けツールを配置し、各フランジを、ループクランプを取付け面上に且つ且つ当該取付け面に係合する状態に固定的に維持するべく相互に固定的に維持することで、連結機構が締め付けられ、かくしてループクランプが取付け面に固定され得るステップを更に含む。
【0009】
他の実施例では前記方法は、連結機構を取付け面上に締め付け、かくしてループクランプを取付け面に固定するステップを更に含む。
ここに記載するクランプ取付けツールによれば、以下に述べる利益の1つ以上が提供され得る。テクノロジー上の利益は、当該ツールがクランプの有効用途(例えば、狭小空間、損傷しやすいコンポーネント等への)を増大させ、かくしてツールの有効利用性が高まると共にクランプ取付けコストが低減され得ることである。テクノロジー上の他の利益は、ツールによりケーブル及びまたはワイヤの損傷が低下され、かくしてツールの有効利用性が高まり且つクランプ取付けコストが低減されることである。テクノロジー上のその他利益は、ツールにより、取付けプロセス中にクランプが固定的に保持されることで取付け面及びまたはケーブル及びまたはパイプの傷、打痕等が防止され、かくして取付け固定失敗に関わるコストが低減され得ることである。
本発明のその他の様相及び利益は、本発明の原理を例示目的のみにおいて示す付随する図面を参照しての以下の詳細な説明から明らかとなろう。
【発明の効果】
【0010】
従来問題を解消する改良されたクランプ取付けツールが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】1実施例におけるクランプ取付けツールの斜視図である。
【図2】図1のクランプ取付けツールの他の斜視図である。
【図3A】クランプ取付けツールを用いて取付け面上にケーブルクランプを取付けるプロセスの例示図である。
【図3B】クランプ取付けツールを用いて取付け面上にケーブルクランプを取付けるプロセスの例示図である。
【図3C】クランプ取付けツールを用いて取付け面上にケーブルクランプを取付けるプロセスの例示図である。
【図3D】クランプ取付けツールを用いて取付け面上にケーブルクランプを取付けるプロセスの例示図である。
【図3E】クランプ取付けツールを用いて取付け面上にケーブルクランプを取付けるプロセスの例示図である。
【図4A】クランプ取付けツールを用いて取付け面上にケーブルクランプを取付けるプロセスの例示図である。
【図4B】クランプ取付けツールを用いて取付け面上にケーブルクランプを取付けるプロセスの例示図である。
【図4C】クランプ取付けツールを用いて取付け面上にケーブルクランプを取付けるプロセスの例示図である。
【図5】クランプ取付けツールの他の実施例の側面図である。
【図6】別の実施例におけるクランプ取付けツールの平面図である。
【図7A】調節自在性のクランプ取付けツール実施例の平面図である。
【図7B】調節自在性のクランプ取付けツール実施例の平面図である。
【図8】ハサミタイプのクランプ取付けツール実施例の側面図である
【図9A】クランプ取付けツールを用いてケーブル上にクランプを取付けるプロセスの例示図である。
【図9B】クランプ取付けツールを用いてケーブル上にクランプを取付けるプロセスの例示図である。
【図9C】クランプ取付けツールを用いてケーブル上にクランプを取付けるプロセスの例示図である。
【図9D】クランプ取付けツールを用いてケーブル上にクランプを取付けるプロセスの例示図である。
【図9E】クランプ取付けツールを用いてケーブル上にクランプを取付けるプロセスの例示図である。
【図9F】クランプ取付けツールを用いてケーブル上にクランプを取付けるプロセスの例示図である。
【図9G】クランプ取付けツールを用いてケーブル上にクランプを取付けるプロセスの例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
クランプ取付けツールは一般にクランプ(例えばループクランプ、ワイヤクランプ等)を取付け用の閉鎖位置に保持し、かくしてクランプを取付けプロセス用に圧縮及びまたは整列させる。ツール(デバイスとも称する)は、取付けプロセス(例えばネジ締め付け、ナット締め付け等の)中にクランプを取付け面(例えば、航空機壁面、船舶床面、エレクトロニクス制御ボード等の)上に保持するために使用し得る。ツールは、問題のある取付け環境(例えば、空間、視界、移動が制限される、破損しやすい部品に近い、場所が狭隘、等の)での位置決め及び取付けに際してクランプを保持し得る。
【0013】
ツールはクランプ(例えば、狭隘な場所のループクランプ)の取付けプロセスを支援し、かくして作業人員を2人から1人に減らすことで、取付けプロセスコストを有益に低減させ得る。ツールは必要なクランプ閉鎖力を有益に減少させ、かくしてクランプを有効取付けできる場所を増大させ得る。ツールは狭小空間での操作性を有益に向上させ、かくして1人で取付け(例えば、ツールと取付けデバイスとを夫々片手で持っての)可能となることで、クランプの有効取付け場所を増大させ且つ取付けエラーを減少させ得る。ツールは、クランプの有効用途を有益に増大させる一方、ケーブル及びまたはワイヤ損傷の恐れを低減させ、かくしてツールの有効利用性を増大させると共に、クランプの取付けコストを低減させ得る。ツールは、取付けプロセス中にクランプを固定的に保持することで、取付け面及びまたはケーブル及びまたはパイプの傷、打痕等を有益に防止し得、かくして、取付け固定失敗(例えば、ねじ回しが滑って処理済みの取付け面を傷つける、プライヤが滑って電線を傷つける等の)に関わるコストを低減させ得る。
【0014】
ある実施例ではツールは、クランプ取付け前にケーブル及びまたはパイプの上方でクランプを閉鎖させる。他の例では他の機械的ツール(例えば、プライヤ、圧着工具等の)でケーブル及びまたはパイプの上方でクランプを閉鎖させる。
図1には、クランプ取付けツール100の斜視図が示される。ツール100はハンドル110、アングルセクション120、ポケット130(ノッチセクションとも称する)を含む。ポケット130は、ノッチ132、2つのタブ134及び136を含む。ポケット130は取付けプロセス中にクランプのフランジをその比較的閉じた位置に保持する。ポケット130は、クランプ取付け中のツール100及びまたは取付け機構の滑りを減少させ、かくしてパイプ及びまたはワイヤ及びまたは取付け面への損傷の恐れを有益に低減させ得る。例えばツールは、その取付けエリア全体に損傷し易いコンポーネント(例えばデータケーブル、大電力ケーブル、エレクトロニクス等の)が密集し且つその取付け面全体が保護材(例えば、ゴム、防錆コーティング等の)でコーティングされていることから、航空機または宇宙船でのクランプ取付けプロセス中に使用され得る。
【0015】
2つのタブ134及び136は取付けプロセス中にクランプを相互に固定的に保持する(即ち、閉じる)よう寸法付けされ得る。例えば、フランジ高さが2mmであれば前記タブは高さ約2mm(例えば2.001mm、2.1mm等)とされる。他の例では、フランジ高さが3mmであればタブ高さは4mmとされる。2つのタブ134及び136はループクランプのフランジを受け、かくしてツール100の底部(即ち、ポケット130)を取付け面との接面状態下に該取付け面上に座着させ得る。ツール100の底部を取付け面との接面状態下に該取付け面上に配置することで、ツール100を有益には狭小空間で使用可能となり、かくしてツール100の有効利用性及び設置エリアが増大され得る。
【0016】
ノッチ132により、取付け機構(例えば、ボルト、ネジ、ファスナ、バネファスナ、ピンファスナ等の)を介して取付け面上にフランジを取付け可能となる。ノッチ132は2つのタブ134及び136間に取付け機構を配置し得るよう寸法付けされ得る。ノッチ132により、クランプがケーブル及びまたはパイプ周囲に閉じた状態下に保持される間、当該クランプに関して取付け機構を利用可能である。ノッチ132により、クランプがケーブル及びまたはパイプ周囲に閉じた状態下に保持される間、取付け機構を取付け面に係合させ得る。ノッチ132により、クランプが取付け機構が取付け面と部分的または完全に係合した状態下に然るべく保持される間、クランプからツール100を取り外し得る。例えば取付け機構が10mmであれば、ノッチ132は幅11mmである。他の例では、取付け機構が8mmであればノッチ132は幅20mmである。図1ではツール100は種々の寸法変更例に関して記載されるが、ツール100はクランプ及びまたは取付け機構に基づいて寸法付けされ得る。
【0017】
ある実施例では2つのタブ134及び136は対向する2つのタブであって、有益にはクランプの各フランジを、当該クランプを取付け面上に取付けるために相互固定する。各タブ134または136は、ループクランプのフランジをその閉鎖位置に係合させるようになっているキャビティを画定する3つの壁(図1に例示する如き)を有し得る。2つのタブ134及び136はある距離離間している。他の例ではノッチ132が開口を有し、当該開口が前記距離に対して寸法付けされると共に、ループクランプを取付け機構に固定するようにした連結機構を受けるようになっている。ある実施例では対向する2つのタブ134及び136は、ループクランプのフランジを保持して当該ループクランプを取付け面上に固定的に維持すると共にループクランプを該取付け面に係合させることで連結機構を締め付け、かくしてループクランプを取付け面に固定させ得る。
【0018】
他の例ではツール100が、対向する2つのタブ134及び136に連結下調節自在機構(図示せず)を含む。調節自在機構は対向する2つのタブ134及びまたは136の1つ以上を移動させることでタブ間の距離を変更する。タブ134及びまたは136間の距離を調節することで、ツール100は異なるサイズのクランプに嵌合可能となり、かくしてツール100の有効利用性が向上する。
ある実施例ではハンドル110(ハンドルセクションとも称する)がノッチ132(ノッチセクションとも称する)に連結され且つ当該ノッチ132から遠方に直線状に伸延するシャフトを含んでいる。他の例ではハンドル110はノッチ132から曲線上に伸延するシャフトである。ある実施例ではツール100が単独の一体部片(例えば金属、プラスチック等の)として構成される。ツール100が単独の一体部片として構成されることで、ツール100の製造コストが有益に低下され且つその全体サイズが減少する。
【0019】
図2には図1のクランプ取付けツール100の実施例の別の斜視図が例示される。図2ではツールはクランプ200と係合(260)している。ポケット130がクランプ200のフランジ210を覆って嵌合し、クランプ200のフランジ210が、取付け面230上でボルト220(連結機構の形式の)を覆って配置される。ある実施例では、ツール100の底部は平坦である。ツール100の当該平坦な底部により、ツール100は平坦な取付け面に接して配置し得及びまたはタイトな場所に配置し得る。他の例ではツール100の底面はクランプ200のフランジ210に基いて角度付けされる。
【0020】
ある実施例ではツール100のハンドル110がクランプ200の高さより短く(例えば、45mm、200mm等)及びまたは前記高さの数倍(例えば1.5×クランプ高さ、2×クランプ高さ等)において短い。ツール100のハンドルが短いことで、ツール100は狭隘空間環境内で有益に使用可能となり、しかも尚、クランプ200を固定状態下に取り扱い得る。他の例ではツール100のハンドルはツール100を手の届かない環境で使用可能とするべく長く(例えば100cm、80cm等)される。
ある実施例ではツール100はクランプ200のサイズに基づくサイズを有する。クランプ200はケーブル及びまたはパイプサイズ(例えば、パイプ束サイズ、管径等の)に基づくサイズを有し得る。他の例ではツール100は金属、複合材料、プラスチック、及びまたはその他タイプの材料製である。例えば、ツール100は取付け面230を損傷する恐れを低下させるためにプラスチック製とされる。ある実施例ではツール100はある材料でコーティング(例えば、金属ベース上にプラスチックコーティング、複合材料ベース上のラバーコーティング等の)される。材料コーティングにより静電気が減少し、ツール100と取付け面230との間の摩擦係数が減少し、取付け面230の及びまたはその他タイプの保護メカニズムにおける傷が減少する。
【0021】
図3A〜図3Eには、クランプ取付けツール300を使用しての取付け面350上へのケーブルクランプ360の取付けプロセス例が例示される。ツール300はノッチセクション310、アングルセクション320、ハンドルセクション330を含む。ノッチセクション310はポケットを含み、当該ポケットは2つのタブとノッチとを含む。取付けプロセスは、図3Bに示す如く、ケーブルクランプの各フランジ362をノッチセクション310内で閉じ、図3Cに示す如く、ツール300を介して雄コネクタ352上にケーブルクランプ360を配置し、図3Dに示す如く、ツール300を介してケーブルクランプ360を取付け面350上に保持しつつ雄コネクタ352上にナット354を締め付け、図3Eに示す如く、ナット354を雄コネクタ352上に締め付けてツール300を取り外す各ステップを含む。
【0022】
ツール300は、取付け面350上にケーブルクランプ360を取付ける間、ケーブルクランプ360を閉じた状態に保持し得るため、有益には、雄コネクタ352を短く(例えば、クランプのフランジ高さとナット高さを合わせた高さより2mm長い、クランプのフランジ高さとナット高さとを合わせた高さより10%長い、等の)できる。雄コネクタ352が短いと、有益には、ケーブル356及びまたはその他の接近するコンポーネントを損傷させる恐れが減少する。雄コネクタ352が短いと、有益には、取付け環境におけるケーブル356及びまたはその他コンポーネントの砕片(例えば、金属やプラスチックの削り屑等の)による汚染(例えば、電気接点の短絡、機械的メカニズムとの干渉等の)の恐れが減少する。
【0023】
ある実施例ではツールのノッチセクション310及びハンドルセクション330はアングルセクション320を介して連結される。アングルセクション320は、取付け環境に関わる空間的制限に基づき、ノッチセクション310とハンドルセクション330とをある角度(例えば、45度、85度等の)で連結し得る。ある実施例ではアングルセクション320が、種々の角度とし得るよう可撓性を有する(例えば、40〜65°、20〜85°等の可撓性)。例えば、もし雄コネクタ352に他のデバイスが隣接している場合は、アングルセクション320を90度近くに角度付けして当該隣接デバイスから回避させる。ある実施例ではノッチセクション310が、雄コネクタに基づいて(例えば、寸法、位置等の)寸法付け及びまたは位置決めされる。他の例ではハンドルセクション330が、取付け環境(例えば、高温/高湿度の取付け環境下における、ハンドルセクションの滑り低減用の粘性材料、空間的制限のある取付け環境下における短いハンドルセクション等の)に基づいて寸法付け及びまたは位置決めされる。
【0024】
図4A〜図4Cには、クランプ取付けツール400を使用しての取付け面450上へのケーブルクランプ460の取付けプロセス例が示される。この取付け方法は、図4Aに示す如く、ノッチセクション内でケーブルクランプの各フランジを閉じ、当該ケーブルクランプを取付け面上に配置し、図4Bに示す如く、取付け面450の雌コネクタ(図示せず)に雄コネクタ452を締め付けてケーブルクランプを取付け面上に保持し、図4Cに示す如く、雌コネクタに雄コネクタ452を締め付けてツール400を取り外す各ステップを含む。
【0025】
図5には他の例としてのクランプ取付けツール500が示される。ツール500は、2つのノッチセクション532、534、2つのアングルセクション522、524、ハンドルセクション510を含む。2つのノッチセクション532及び534は同一サイズ及びまたは異なるサイズ(例えば、サイズの異なるクランプ用の)を有し得る。2つのアングルセクション522及び524は同一角度及びまたは異なる角度(例えば、異なる取付け環境用等の)を有し得る。例えば、第1のノッチセクション534が10mmのループクランプ用のサイズを有し、第2のノッチセクション534が20mmのループクランプ用のサイズを有し得る。他の例では第1のアングルセクション522の角度が45度であり、第2のアングルセクション524の角度が63度である。
【0026】
図6には他の例としてのクランプ取付けツール600の平面図が示される。ツール600は、ノッチセクション630、アングルセクション620、ハンドルセクション610、を含む。ノッチセクション630はポケットを含み、このポケットは2つのタブ632及び634及びノッチ636を含む。ポケットはクランプのフランジと係合する寸法形状を有する。ノッチ636は、取付け機構(例えば、雌コネクタ、雄コネクタ等の)にアクセスし得る寸法形状を有する。ノッチ636の開口はクランプの幅より狭く、タブ632及び634の各開口はクランプの2つのフランジを接面させた場合(即ち、閉鎖位置での)のフランジ高さより若干高くし得る。タブ632及び634の開口は、クランプの各フランジの長さと少なくとも同程度の深さを有し得る。タブ632及び634及びまたはノッチ636は、クランプを閉じた場合にクランプの各フランジをツール600内にぴったり嵌入させ得るよう寸法付けし得る。
【0027】
図7A〜図7Bには調節自在のクランプ取付けツール700の平面図が示される。ツール700は、ハンドルセクション710、アングルセクション720、ノッチセクション730、を含む。ノッチセクション730は、タブ732及び734と、調節自在のノッチA736a及びB736bとを含む。ツール700は、サイズ調節機構740(例えば、ウォームギヤ機構、調節チャネル機構等の)を含む。サイズ調節機構740によれば、ツール700はノッチA736a及びB736bのサイズを変更可能となる。言い換えると、ツール700は幅10mmのクランプ(例えば、図7Aに示すA736aのサイズのノッチ)に、また幅20mmのクランプ(例えば図7Bに示すB736bのサイズのノッチ)に対して使用し得る。
【0028】
図8にはハサミタイプのクランプ取付けツール800の側面図が例示される。ツール800は、ノッチセクション830、アングル/ハサミセクション820、ハンドルセクション810、を含む。ノッチセクション830は、閉じるとポケットを形成する上部(即ち、ポケットの上部)及び底部(即ち、ポケットの底部)を含む。アングル/ハサミセクション820は、ノッチセクション830とハンドルセクション810とを相互連結し且つノッチセクション830とハンドルセクション810とをピボット動作(例えば、ハンドルセクション810を閉じるとノッチセクション830が閉じ、ハンドルセクション810を開くとノッチセクション830が開く等の)させる連結機構(例えば、ピン、レバー装置等の)を含む。ハンドルセクション810は、クランプのフランジ上でノッチセクションの上部及び底部を閉じるレバーを提供する上部及び底部を含む。ハサミタイプのクランプ取付けツール800によれば、パイプ及びまたはケーブルの周囲にクランプをクランプし(即ち閉じ)、閉じたクランプを取付け面上に取付け可能となる。
【0029】
図9A〜図9Gにはクランプ取付けツール960を使用してのケーブルへのクランプ取付けプロセス例が示される。この取付けプロセスは以下のステップの1つ以上を含む。
1.図9Aに示す如く、ケーブルまたはケーブル束910の長さ方向に沿って当該ケーブルまたはケーブル束の適宜の位置上にクランプ900を位置付けるステップ(990a)。
2.図9Bに示す如く、プライヤ及びまたは任意のその他ツールであり得るツール950を使用してクランプ900をケーブル910上に締めて閉じるステップ(990b)。
3.図9Cに示す如く、閉じたクランプ900のフランジ920(タブとも称する)を覆ってツール960を配置するステップ(990c)。
4.図9Dに示す如く、ツール960を使用してクランプ900を適宜のネジ930上で且つ取付け面940上に位置決めするステップ(990d)。
5.図9Eに示す如く、取付け用ナット980をネジ930に部分取付けするステップ(990e)。
【0030】
6.図9Fに示す如く、ツール960を摺動させてクランプ900から外し、バネ作用によるクランプ900の開放をナット980の力で押さえるステップ(990f)。
7.図9Gに示す如く、ナット締め付け装置(例えば、レンチ、プライヤ等の)を利用してナット80を適宜のトルク値で締めるステップ(990g)。
ある実施例では、ループクランプの各フランジを覆って配置したツールが各フランジを相互に固定的に維持することでループクランプが取付け面上に位置決めされ且つ当該取付け面と係合され、かくして連結機構が締め付けられ、ループクランプが取付け面に固定され得る。
他の例ではナット80のトルク締めステップ(990g)により、クランプ900が取付け面940に固定され得る。言い換えると、取付け面上に連結機構を締め付けることで、ループクランプが取付け面に固定される。
【0031】
ここに記載するクランプ900はシングルサイド型フランジクランプとして例示されるが、ツール960は任意タイプのクランプ(例えば、ダブルサイド型クランプ、ホースクランプ等の)の取付けプロセス中に使用可能である。ここではクランプ900はケーブル及びまたはパイプ装着用として記載されるが、当該クランプは固定する必要のある任意タイプのメカニズム(例えば、糸、ロープ、ワイヤ、バンドル等の)に装着可能である。
他の例ではクランプ取付けツールはポケットを含み、このポケットがノッチ及び2つのタブ、ポケットに連接するアングルセクション、アングルセクションに連接するハンドルセクション、を含む。
他の例ではクランプ取付けツールはノッチセクションを含み、このノッチセクションが、ノッチ及び2つのタブ、ノッチセクションに連接するアングルセクション、アングルセクションに連接するハンドルセクション、を含む。
他の例では2つのタブがクランプのフランジに係合する。
他の例ではノッチが取付け機構の取付けを可能とする。
他の例ではアングルセクションが可撓性を有する。
【0032】
ある実施例ではクランプ取付け装置が、クランプの閉鎖位置のフランジと係合する手段(例えば、装置上のタブ)と、取付け機構を取付ける間に取付け面上にツールを保持する手段(例えば、装置のハンドル)とを含む。
他の例ではクランプが以下の方法を介して取付けられ、当該方法は、クランプの各フランジを覆ってクランプ取付けツールを配置し、クランプ取付けツールを介してクランプを取付け機構を覆って位置決めし、取付け機構を介してクランプを取付け面に取付け、クランプからクランプ取付けツールを取り外す各ステップを含む。
以上、本発明を実施例を参照して説明したが、本発明の内で種々の変更をなし得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0033】
80 ナット
100 ツール
110 ハンドル
120 アングルセクション
130 ポケット
132 ノッチ
134 タブ
200 クランプ
210 フランジ
220 ボルト
230 取付け面
300 ツール
310 ノッチセクション
320 アングルセクション
330 ハンドルセクション
352 雄コネクタ
354 ナット
356 ケーブル
360 ケーブルクランプ
362 フランジ
400 ツール
450 取付け面
452 雄コネクタ
460 ケーブルクランプ
500 ツール
510 ハンドルセクション
522 アングルセクション
524 アングルセクション
532 ノッチセクション
534 ノッチセクション
600 ツール
610 ハンドルセクション
620 アングルセクション
630 ノッチセクション
632 タブ
636 ノッチ
700 ツール
710 ハンドルセクション
720 アングルセクション
730 ノッチセクション
732 タブ
740 サイズ調節機構
800 ツール
810 ハンドルセクション
820 アングル/ハサミセクション
830 ノッチセクション
900 クランプ
910 ケーブル束
920 フランジ
930 ネジ
940 面
950 ツール
960 ツール
980 ナット
A736a ノッチ
B736b ノッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランプ取付けツールであって、
ループクランプの係合端をその閉鎖位置において捕捉し且つ該ループクランプを取付け面に係合させる取付け機構を捕捉するようになっているノッチセクションと、
前記ノッチセクションにある角度で連接し且つ前記取付け面上でループクランプを保持するようになっているハンドルセクションと、
を含むクランプ取付けツール。
【請求項2】
前記ハンドルセクションをある角度でノッチセクションに連接し且つループクランプを取付け機構と整列させるようになっているアングルセクションを更に含む請求項1のクランプ取付けツール。
【請求項3】
前記ノッチセクションがループクランプの係合端をその閉鎖位置で捕捉する際、前記ループクランプの上側のフランジがループクランプの底部側のフランジと接触する請求項1のクランプ取付けツール。
【請求項4】
前記ノッチセクションがループクランプと接触する際、該ノッチセクションがループクランプの上側の孔及びループクランプの底部側の孔と軸方向に略整列する請求項1のクランプ取付けツール。
【請求項5】
前記クランプ取付けツールが単独の一体部片として構成される請求項1のクランプ取付けツール。
【請求項6】
クランプ取付けツールであって、
対向する2つのタブを含み、各タブがループクランプにおける閉鎖位置の1つのフランジと係合するようになっているキャビティを画定する3つの壁を有し且つ各タブが第1距離において離間する前記ノッチセクションと、
前記第1距離に対して寸法付けした開口を有し、且つ、前記ループクランプを取付け機構に固定するようになっている連結機構を受けるようになっているノッチと、
該ノッチセクションに連接し且つ該ノッチセクションから遠方に直線状に伸延するシャフトを含むハンドルセクションと、
を含むクランプ取付けツール。
【請求項7】
前記対向する2つのタブに連結した調節自在機構にして、該対向する2つのタブの1つ以上を移動させて前記第1距離を変更するようになっている調節自在機構を更に含む請求項6のクランプ取付けツール。
【請求項8】
前記対向する2つのタブがループクランプのフランジを保持することによりループクランプが取付け面上で該取付け面との係合状態に固定的に維持されることで、前記連結機構が締め付けられ、かくしてループクランプが取付け面に固定され得る請求項6のクランプ取付けツール。
【請求項9】
前記対向する2つのタブがループクランプのフランジを受けることでノッチセクションが取付け面との接面状態下に該取付け面に座着され得る請求項6のクランプ取付けツール。
【請求項10】
前記クランプ取付けツールが単独の一体部片として構成される請求項6のクランプ取付けツール。
【請求項11】
ループクランプの取付け方法であって、
ループクランプにおける閉鎖位置の各フランジを覆ってクランプ取付けツールを配置し、
前記クランプ取付けツールを介して取付け面上にループクランプを位置決めし、
連結機構を介して前記取付け面にループクランプを取付け、
ループクランプから前記クランプ取付けツールを取り外す各ステップを含む方法。
【請求項12】
前記ループクランプにおける閉鎖位置の各フランジを覆ってクランプ取付けツールを配置するステップにより、前記各フランジがループクランプを取付け面上に位置決めし且つ該取付け面と係合する状態に相互に固定的に維持されることで、前記連結機構が締め付けられ、かくしてループクランプが取付け面に固定され得る請求項11の方法。
【請求項13】
前記取付け面上に連結機構を締め付けることによりループクランプを前記取付け面に固定するステップを更に含む請求項11の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図9G】
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【公開番号】特開2012−236274(P2012−236274A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−50410(P2012−50410)
【出願日】平成24年3月7日(2012.3.7)
【出願人】(503455363)レイセオン カンパニー (244)
【Fターム(参考)】