説明

クランプ機構およびディスク装置

【課題】HDDの耐衝撃性能およびモータ剛性を確保することの可能な、クランプ機構を提供する。
【解決手段】クランプ機構は、ディスクの回転軸となるシャフト140と、シャフト140が挿通される貫通孔が中心部に形成された略円盤状の部材であって、外周部に載置されたディスクを支持するハブ120と、ハブ120と回転軸方向に対向して設けられ、ディスクを押圧するクランプ130と、シャフト140の中心部に形成された挿入孔144に螺合され、クランプ130を固定するスクリュー150と、を備え、スクリュー150の締結時に、ハブ120の貫通孔の内周面とシャフト140の外周側面141とが固定される固定部分の上端位置が、ハブ120の上面と当接するクランプ130の最下面131よりも回転軸方向上方に位置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クランプ機構およびディスク装置に関し、より詳細には、ディスクをディスク駆動モータに固定するクランプ機構およびこれを用いたディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯情報端末や、携帯型オーディオ機器、デジタルビデオカメラ、ノートブック型コンピュータ等の小型化に伴い、これらの機器に搭載されるハードディスクドライブ(以下、「HDD」とする。)の小型化・薄型化も進められてきた。また、HDDの用途が多様化するにつれ、HDDに要求される耐衝撃性や精度も高くなっている。
【0003】
HDDは、略矩形上のハウジング内に、データ記録媒体であるディスクと、ディスクを回転するスピンドルモータと、ディスクにデータを記録および/または再生するヘッドを備えたアクチュエータと、を備える。ディスクは、例えば図4に示すようなクランプ機構によりスピンドルモータに固定されている。HDD1のディスク10を回転させるスピンドルモータは、図4に示すように、モータベース60上に支持されたディスク10の回転中心となるシャフト40に、ディスク10の内周部が載置されるハブ20が固定され、ベース60に固定されるスリーブ80において動圧を発生することにより回転している。ハブ20とモータベース60との間の空間には、コイル74が巻回されたステータ72とマグネット76とがディスク10の径方向に対向して配置されており、モータベース60上にヨーク78が設けられている。
【0004】
スピンドルモータのハブ20に載置されたディスク10は、上方からハブ20側に向かってディスク10を押圧するクランプ30を、スクリュー50によってシャフト40に固定することで、スピンドルモータに固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−158029号公報
【特許文献2】国際公開第06/075639号
【特許文献3】特許第4043849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、薄型のHDDの設計において、スピンドルモータにディスクを固定するためのクランピング領域を確保すると、HDDに要求される耐衝撃性能とモータの剛性とをともに維持することは困難であった。耐衝撃性能に関しては、例えば、図5に示すように、ディスク10の回転中心となるシャフト40の外周側面とハブ20の内周面との締結部分(以下、「ハブシャフト締結部」とする。)Afasの長さがクランピング領域を確保するために小さくなり、十分な耐衝撃性能を保持することができなくなる。また、モータの剛性に関しても、クランピング領域を確保すると、図4に示す、設計上許容されるスペース内にスピンドルモータのスリーブ80に設けられるラジアルベアリングのベアリングスパンH0を大きくすることができなくなっていた。
【0007】
このような問題に対して、耐衝撃性能を高めるためにハブシャフト締結部Afasの長さを考慮して、クランプの位置決めをする方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3)。しかし、上記特許文献1〜3の方法では、モータの剛性に関係するベアリングスパンについては考慮されておらず、耐衝撃性能は十分であってもモータの剛性を維持することは困難である。
【0008】
また、ハブシャフト締結部とモータの剛性とをともに確保するために、クランピング領域をセンターからアウトサイドで確保することで、上記問題を解決することも可能である。しかし、薄型のHDDにおいて、アウトサイドでのディスクのクランプは磁気回路領域を失うため、消費電力が大きくなり、モータ性能を悪化させることになる。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、HDDの耐衝撃性能およびモータ剛性を確保することの可能な、新規かつ改良されたクランプ機構およびHDDを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、ディスクの回転軸となるシャフトと、シャフトが挿通される貫通孔が中心部に形成された略円盤状の部材であって、外周部に載置されたディスクを支持するハブと、ハブと回転軸方向に対向して設けられ、ディスクを押圧するクランプと、シャフトの中心部に形成された挿入孔に螺合され、クランプを固定するスクリューと、を備え、スクリューの締結時に、ハブの貫通孔の内周面とシャフトの外周側面とが固定される固定部分の上端位置が、ハブの上面と当接するクランプの最下面よりも回転軸方向上方に位置することを特徴とする、クランプ機構が提供される。
【0011】
本発明によれば、ハブの貫通孔の内周面とシャフトの外周側面とが固定される固定部分を回転軸方向上方に延ばし、固定部分の上端位置がハブの上面と当接するクランプの最下面よりも上方に位置するようにして、固定部分の長さを大きくする。これにより、耐衝撃性能を向上させることができるとともに、モータの動圧を大きくするラジアルベアリングのベアリングスパンを長くしてモータの剛性も高めることができる。
【0012】
ここで、ハブは、貫通孔の周に沿って、当該ハブの上面から回転軸方向上方に突出する突起部を備え、シャフトの上端位置は、ハブの突起部の上端位置よりも低くしてもよい。これにより、シャフトがスクリューの押圧力を受けて、衝撃を受けてしまうのを防止することができる。
【0013】
また、ハブの径方向における突起部の長さは、スクリュー締結時にスクリューからの衝撃に耐え得る長さに形成するのがよい。
【0014】
スクリューは、クランプの内周部を押圧する頭部と、シャフトの挿入孔に螺合するねじ部と、頭部とねじ部とを接続する首部と、を有する構成としてもよい。このとき、スクリューの首部は、シャフトの挿入孔に埋設されるようにクランプ機構を構成する。これにより、回転軸方向上方にハブの貫通孔の内周面とシャフトの外周側面とが固定される固定部分を延ばして耐衝撃性能を高めることができ、かつベアリングスパンの長さも大きくしてモータの剛性も高めることもできる。
【0015】
スクリューの頭部の回転軸方向における高さは、スクリューの頭部に形成された、当該スクリューを締結させる締結器具が装着されるリセスの回転軸方向における深さと略同一とすることもできる。これにより、スクリューによってクランプを固定させるために必要な押圧力を生じさせることができる。
【0016】
例えば、スクリューのねじ部をM1.6とし、頭部の直径を4.2mmとすることもできる。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ディスクと、ディスクを回転させるディスク駆動モータと、スピンドルモータを支持するベース板と、ディスクに対してデータを記録および/または再生するヘッドを回転移動させるアクチュエータと、を備え、ディスク駆動モータにより回転されるディスクは、上記のクランプ機構により固定されるディスク装置が提供される。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明によれば、HDDの耐衝撃性能およびモータ剛性を確保することの可能なクランプ機構およびHDDを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係るクランプ機構を備えるHDDの構成を示す断面図である。
【図2】同実施形態に係るクランプ機構の構成を説明するための図であって、図1の部分拡大図である。
【図3】同実施形態に係るクランプ機構の構成を説明するための図であって、図1の部分拡大図である。
【図4】従来のクランプ機構を備えるHDDの構成を示す断面図である。
【図5】従来のクランプ機構の構成を説明するための図であって、図4の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0021】
<HDDの構成>
まず、図1に基づいて、本発明の実施形態に係るクランプ機構を備えるHDD100の構成について説明する。なお、図1は、本実施形態に係るクランプ機構を備えるHDD100の構成を示す断面図である。
【0022】
本実施形態に係るHDD100は、データ記録媒体であるディスク110と、ディスク110を回転するスピンドルモータと、ディスク110にデータを記録および/または再生するヘッドを備えたアクチュエータ(図示せず。)と、を備える。HDD100は、データの記録や再生に応じて、スピンドルモータによりディスク110を回転させ、アクチュエータを駆動してディスク110の書き込み位置または読み取り位置にヘッドを移動させる。
【0023】
このようなHDD100のスピンドルモータは、図1に示すように、ディスク110を保持するハブ120と、ディスク110の回転中心となるシャフト140と、シャフト140を支持するモータベース160とを備える。また、スピンドルモータには、モータベース160に対してスリーブ180を固定し、ハブ120およびシャフト140を回転させるための動力を発生させる、コイル174が巻回されたステータ172とマグネット176とが、ディスク110の径方向に対向して設けられており、モータベース160上にヨーク178が設けられている。また、図示していないが、シャフト140は軸方向(z軸方向)に配置される2つのラジアルベアリングによって回転可能に支持されている。
【0024】
ハブ120は、シャフト140に挿通される貫通孔121が形成された略円盤状の部材である。貫通孔121の内周面は、シャフト140の外周側面141と接着剤等により固定されている。したがって、ハブ120とシャフト140とは一体となって回転する。ハブ120の上面の外周部は内周部より段状に低くなっており、段差部分の壁部と上面外周部でディスク110を支持している。また、ハブ120の内周部には、貫通孔121の内周面を上方に延ばすように突起部122が形成されている。突起部122は、クランプ130の位置決めのために設けられる。
【0025】
シャフト140は、ディスク110の回転中心となる回転軸であって、その中心部には、上方から挿入されるスクリュー150が挿入される挿入孔144が形成されている。挿入孔144には、スクリュー150のねじ部(図2の符号151)が螺合する溝が形成されている。シャフト140の上端付近は、挿入孔144に挿入されたスクリュー150の首部(図2の符号152)の径と接触しないように、挿入孔144の内径が、ねじ部が挿入される部分よりも広くなっている。
【0026】
ハブ120に載置されたディスク110は、クランプ130によって上方からハブ120側に向かって押圧される。そして、スクリュー150によってクランプ130を上方から押圧し、スクリュー150をシャフト140に固定させることにより、ディスク110がスピンドルモータに固定される。
【0027】
本実施形態の、ディスク110をスピンドルモータに固定するためのクランプ機構は、適用可能なディスクサイズに制限はないが、特に、2.5インチ以下の薄型のHDD100の構成において、HDD100の耐衝撃性能およびモータの剛性を維持するために有利な構成である。すなわち、HDD100の高さ方向において、ディスク110の固定に必要なクランピング領域を確保しつつ、耐衝撃性能に関係するハブシャフト締結部を十分に確保することができ、さらに、モータの剛性に関係するベアリングスパンを十分に確保することができる構成となっている。以下、図2および図3に基づいて、本実施形態に係るクランプ機構の構成について詳細に説明する。なお、図2および図3は、本実施形態に係るクランプ機構の構成を説明するための、図1の部分拡大図である。
【0028】
<クランプ機構の構成>
クランプ機構の構成を見ると、上述したように、ディスク110は、スピンドルモータのハブ120に載置されたディスク110を押圧する略円盤状のクランプ130と、クランプ130を押圧してディスク110をスピンドルモータに固定するスクリュー150と用いて、スピンドルモータに固定される。
【0029】
クランプ130は、略円盤状の部材であって、ディスク110をハブ120側へ押圧するように、下向き(z軸負方向)に突出する突出部を外周部に備えている。このとき、クランプ130の内周部はハブ120の上面に当接している。なお、本実施形態では、このハブ120の上面に当接するクランプ130の下面を最下面131と称している。クランプ130の中央部には、貫通孔132が形成されている。貫通孔132はハブ120の突起部122に嵌め込まれる。また、ハブ120の突起部122の高さとクランプ130の厚みとは、略同一の長さとなっている。これにより、スクリュー150の頭部153の押圧力が、クランプ130に加わるようになる。
【0030】
スクリュー150は、図2に示すように、シャフト140の挿入孔144に挿入されるねじ部151と、クランプ130を抑える頭部153と、ねじ部151と頭部153との間に設けられる首部152とからなる。ねじ部151、首部152および頭部153の径の大きさは、この順に大きくなっている。
【0031】
例えば、2.5インチのHDD100の構築においてM1.6のスクリュー150を用いたとき、首部152の径r2は1.8mm、頭部153の径Rは4.2mmとすることができる。なお、2.5インチのHDD100の構築においては、このようにねじ部151の径r2が1.6mmだけでなく2.0mm以下のスクリュー150を使用することが可能である。また、頭部153の径Rを大きくし過ぎると、ディスク110を固定する際スクリュー150に反りが生じてしまい、ディスク110を平坦に支持することができなくなる。このため、頭部153の径Rはスクリュー150の反りが生じないように、クランプ130を固定することができ、かつスクリュー150に反りの生じない長さとする必要がある。上記の例では、スクリュー150の頭部153の径Rを4.2mm以下とするのが望ましい。
【0032】
このような構成のクランプ機構には、耐衝撃性能およびモータの剛性を維持するために、以下のような構成上の特徴がある。
【0033】
(ハブシャフト締結部の構成)
まず、本実施形態に係るクランプ機構では、ハブシャフト締結部Afasの高さを従来と比較して大きくすることができる。ハブシャフト締結部Afasは、図2に示すように、ハブ120の内周面とシャフト140の外周側面141との固定部分であって、この高さ方向(z軸方向)の長さが大きいほどハブ120とシャフト140との固定部分が大きくなるため、HDD100の耐衝撃性能を向上させることができる。本実施形態では、スクリュー150の首部152の径r1を小さくして、シャフト140の挿入孔144の内部に埋め込ませることにより、シャフト140の外周側部141との接触部分を増大させている。
【0034】
従来のクランプ機構では、図5に示すように、スクリュー50の首部52の径r0がシャフト40の挿入孔44の径よりも大きく、首部52がシャフト40と接触と接触しないように、シャフト40の上端位置を低くする必要があった。このため、ハブ20の内周面とシャフトの外周側面との固定部分であるハブシャフト締結部Afasの上端位置は、クランプ30の最下面31よりも低い位置となる。このため、ハブシャフト締結部Afasの高さが十分に確保されず、HDD1の耐衝撃性能は低くなってしまっていた。
【0035】
これに対して、本実施形態に係るクランプ機構では、図2に示すように、スクリュー150の首部152の径r1がシャフト140の挿入孔144に埋め込まれるように小さく形成されている。すなわち、スクリュー150の首部152がシャフト140の挿入孔144に埋め込まれるようにその径r1を小さくすることで、外周側面を面一となったままシャフト140の上端位置を高くすることができる。シャフト140の上端位置が高くなった分、ハブ120の貫通孔121の内周面を面一に高さ方向に延ばすと、ハブシャフト締結部Afasが大きくなる。
【0036】
これにより、シャフト140を上方に長くとることができ、ハブ120の内周面とシャフト140の外周側部141との固定部分が増大する。このとき、クランプ140の最下面131よりもハブシャフト締結部Afasの上端位置が上方に位置するようになる。このように、クランプ130の最下面131よりもハブシャフト締結部Afasの上端位置となるようにクランプ機構を構成することで、耐衝撃性能が確保されたHDD100を提供することができる。
【0037】
ここで、シャフト140の高さは、ハブ120の突起部122の高さよりも僅かに低くするのが望ましい。図3に示すように、クランプ130の最下面131から、シャフト140の上端位置および突起部122の上端位置までの高さ(z軸方向への長さ)をそれぞれh1、h2としたとき、h1<h2となるようにシャフト140が形成される。これは、スクリュー150の頭部153がクランプ130をハブ120側に押圧する際に、シャフト140にその押圧力がかかり、シャフト140に衝撃を与えないようにするためである。
【0038】
また、上述したように、クランプ130の厚みとハブ120の突起部122の高さを略同一とするため、スクリュー150の頭部153がクランプ130を押圧する力は、ハブ120の突起部122にも加わる場合もある。このため、突起部122の径方向の長さwは、この押圧力による衝撃に耐え得る長さが必要である。例えば、2.5インチのHDD100の構築においては、約0.3mm以上とするのが望ましい。
【0039】
なお、スクリュー150の頭部153は、クランプ130を押圧してディスク110を確実に固定するために必要な押圧力を加えることが可能な厚さに形成される。この頭部153の厚さd1は、スクリュー150をシャフト140に固定する際に、スクリュー150を回す締結器具が装着されるリセス154の深さd2と略同一となるように決定される。例えば、2.5インチのHDD100の構築においては、頭部153の厚さd1は、約0.4mm〜0.60mmとすることができる。
【0040】
(ベアリングスパンの拡張)
シャフト140をハブ120の突起部122の部分まで延ばして、シャフト140の上方でハブシャフト締結部Afasを大きくとることにより、モータベース160の上面とハブ120の下面との間に形成される空間部に設けられるスリーブ180のラジアルベアリングのベアリングスパンH1を大きくすることができる。すなわち、従来の構成では、図4に示すように、スクリュー50がハブ20やシャフト40と接触する可能性があるため、シャフト40の上方でハブシャフト締結部Afasを確保することはできない。したがって、ハブシャフト締結部Afasを増大させるにはシャフト40の下方側に延ばすことになる。しかし、ハブシャフト締結部Afasを下方側に増大させると、スリーブ80のベアリングスパンH0が短くなり、モータの剛性が低下してしまう。
【0041】
一方、本実施形態に係るクランプ機構では、図1に示すように、ハブシャフト締結部Afasをシャフト140の上方に増大させることができる。このため、クランピング領域およびハブシャフト締結部Afasを十分に確保することができ、さらにスリーブ180のベアリングスパンH1を大きくとることができる。これにより、モータの剛性も上昇させることができる。
【0042】
このように、本実施形態に係るクランプ機構は、クランプ130の最下面131よりも上方にハブシャフト締結部Afasの上端位置が位置するように構成される。これによりHDD100の耐衝撃性能に関係するハブシャフト締結部Afasを十分に確保することができるとともに、モータの剛性に関係するベアリングスパンも大きくすることができる。したがって、薄型のHDD100のように高さ方向(z軸方向)に制限のある場合にも、その制限内でクランピング領域、ハブシャフト締結部Afasおよびベアリングスパンを確保することができる。また、かかるクランプ機構の構成により、高精度回転体のぶれにも有利な頭部153の小さいスクリューや、完成の小さいスクリューの設定も可能となる。
【0043】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0044】
例えば、上記実施形態では、スクリュー150の形状は、ねじ部151、首部152および頭部153を有するものとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、皿ねじ等の他の形状のスクリューを用いてもよい。
【符号の説明】
【0045】
100 ハードディスクドライブ(HDD)
110 ディスク
120 ハブ
121 貫通孔
122 突起部
130 クランプ
132 貫通孔
140 シャフト
141 外周側部
144 挿入孔
150 スクリュー
151 ねじ部
152 首部
153 頭部
154 リセス
160 モータベース


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクの回転軸となるシャフトと、
前記シャフトが挿通される貫通孔が中心部に形成された略円盤状の部材であって、外周部に載置された前記ディスクを支持するハブと、
前記ハブと回転軸方向に対向して設けられ、前記ディスクを押圧するクランプと、
前記シャフトの中心部に形成された挿入孔に螺合され、前記クランプを固定するスクリューと、
を備え、
前記スクリューの締結時に、前記ハブの貫通孔の内周面と前記シャフトの外周側面とが固定される固定部分の上端位置が、前記ハブの上面と当接する前記クランプの最下面よりも回転軸方向上方に位置することを特徴とする、クランプ機構。
【請求項2】
前記ハブは、前記貫通孔の周に沿って、当該ハブの上面から回転軸方向上方に突出する突起部を備え、
前記シャフトの上端位置は、前記ハブの突起部の上端位置よりも低いことを特徴とする、請求項1に記載のクランプ機構。
【請求項3】
前記ハブの径方向における前記突起部の長さは、前記スクリュー締結時に前記スクリューからの衝撃に耐え得る長さに形成されることを特徴とする、請求項2に記載のクランプ機構。
【請求項4】
前記スクリューは、
前記クランプの内周部を押圧する頭部と、
前記シャフトの挿入孔に螺合するねじ部と、
前記頭部と前記ねじ部とを接続する首部と、
を有し、
前記スクリューの首部は、前記シャフトの挿入孔に埋設されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のクランプ機構。
【請求項5】
前記スクリューの頭部の回転軸方向における高さは、前記スクリューの頭部に形成された、当該スクリューを締結させる締結器具が装着されるリセスの回転軸方向における深さと略同一であることを特徴とする、請求項4に記載のクランプ機構。
【請求項6】
前記スクリューのねじ部の直径は1.6mmであり、前記頭部の直径は4.2mmであることを特徴とする、請求項4または5に記載のクランプ機構。
【請求項7】
ディスクと、
前記ディスクを回転させるディスク駆動モータと、
前記スピンドルモータを支持するベース板と、
前記ディスクに対してデータを記録および/または再生するヘッドを回転移動させるアクチュエータと、
を備え、
前記ディスク駆動モータにより回転される前記ディスクは、前記請求項1〜6のいずれか1項に記載のクランプ機構により固定されることを特徴とする、ディスク装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−138561(P2011−138561A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−295933(P2009−295933)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】