クリアファイルとクリアファイルの製造方法
【課題】紙材で形成されたシートを用いて、プリンタ内の加圧の影響で接着剤領域の付近に、しわが寄ってしまうことを防止したクリアファイル及びその製造方法の提供。
【解決手段】プリンタトナーの画像形成と定着とが可能な印字適性と、印刷用インキの定着が可能な印刷適性とを有する第1の紙基材2と、第1の基材の下側に重ね合わされ、第1の基材と略同じ大きさを有する第2の紙基材とからなり、第1の紙基材と第2の紙基材とが、少なくとも略四角形状を有し、第1の紙基材と第2の紙基材は、その左右側の一方の側縁部に設けられた接着剤4と、その底縁部に設けられた接着剤5とにより接着され、少なくとも第1の紙基材が、透明もしくは半透明性の紙基材であり、第1の紙基材は、透過濃度0.09以下であって坪量75g/m2以上の条件を満たし、第2の紙基材の厚さは、第1の紙基材の厚さと略同じかまたは、前記第1の紙基材よりも厚いことを特徴とする。
【解決手段】プリンタトナーの画像形成と定着とが可能な印字適性と、印刷用インキの定着が可能な印刷適性とを有する第1の紙基材2と、第1の基材の下側に重ね合わされ、第1の基材と略同じ大きさを有する第2の紙基材とからなり、第1の紙基材と第2の紙基材とが、少なくとも略四角形状を有し、第1の紙基材と第2の紙基材は、その左右側の一方の側縁部に設けられた接着剤4と、その底縁部に設けられた接着剤5とにより接着され、少なくとも第1の紙基材が、透明もしくは半透明性の紙基材であり、第1の紙基材は、透過濃度0.09以下であって坪量75g/m2以上の条件を満たし、第2の紙基材の厚さは、第1の紙基材の厚さと略同じかまたは、前記第1の紙基材よりも厚いことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明又は半透明な2枚以上のシートが重ね合わされ、開口部を設けて所定部分で接着され、その開口部から書類などを収納できるように構成されたクリアファイルとクリアファイルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クリアファイルは、一般的に収納物が外部から見えるようにするために透明性又は半透明性を有するプラスチックシートなどの樹脂をシート状に加工したものが使用されている。(例えば、特許文献1〜4、参照)
これらの樹脂性のクリアファイルは、使用後にゴミとして廃棄して燃やされた場合に、化学物質を発生させて人体に悪影響を与える危険性があり自然環境上の問題がある。
【0003】
また、紙材で形成されたシートを用いたクリアファイルも既に公知となっているが、(例えば、特許文献5、参照)2枚の紙材のシートを重ね合わせて一側縁部や底縁部を接着剤で接着させた場合には、収納させた書類を確実に挟み込んで安定させた状態で保持させると共に、収納させた書類を外部から透視可能とさせるという条件を満たすことが難しく、単に透明性を有する紙材のシートを用いればよいというものではないという問題がある。
また、2枚の紙材のシートを重ね合わせて接着剤で接着させたクリアファイルでは、収納させた書類の先端部分がその接着部に挟み込まれてしまい、抜き取る際に簡単に抜けにくくなり、樹脂性のシートを用いた場合に比べて作業性の点で不便になるという問題もある。
【0004】
更に、販売促進用のカタログ・キャンペーン資料、提案書、企画書、見積書、などを消費者や顧客に渡す場合には、体裁を整えるためにそれらの書類をクリアファイルに入れて渡すことがあるが、その場合には、そのクリアファイルの表面にクリアファイルを利用する企業側が所望するデザインや文字を印刷するなどしている。
この場合、クリアファイルの表面に画一的なデザインや文字を印刷するよりも、それらの書類を渡す相手が特定している場合には、クリアファイルの表面に書類を渡す相手に応じて個々の異なるデザインや文字をプリンタでプリントできるようにしたクリアファイルを利用したいという要望がある。
【0005】
しかしながら、紙材で形成されたシートを用いたクリアファイルをプリンタでプリントする場合、プリンタ内でクリアファイルを搬送ローラで搬送させる際に、クリアファイルに圧がかかり、その加圧の影響でクリアファイルの搬送方向と平行に塗布されている接着剤領域の付近にしわが寄ってしまい体裁が悪くなるという問題がある。
特に、販売促進用に用いるクリアファイルでは、しわの寄った部分があるクリアファイルでは顧客に対してイメージが悪くなるという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−25778号公報
【特許文献2】特開2003−25779号公報
【特許文献3】特開2009−262516号公報
【特許文献4】実用新案登録第3153236号公報
【特許文献5】実用新案登録第3146046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、自然環境にやさしい紙材で形成されたシートを用いたクリアファイルであって、収納させた書類を確実に挟み込んで安定させた状態で保持させると共に、収納させた書類を外部から透視可能とさせるという条件を満たし、更に収納させた書類の先端部分がシートの接着部に挟み込まれてしまうことを防止したクリアファイルを提供する。
更に、紙材で形成されたシートを用いたクリアファイルをプリンタでプリントする場合でも、プリンタ内の搬送ローラによる加圧の影響でクリアファイルの搬送方向と平行に塗布されている接着剤領域の付近に、しわが寄ってしまうことを防止したクリアファイルを提供する。
また、紙材で形成されたシートを用いたクリアファイルを効率的に製造することができるクリアファイルの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のクリアファイルは、プリンタトナーの画像形成と定着とが可能な印字適性と、印刷用インキの定着が可能な印刷適性とを有する第1の紙基材と、前記第1の基材の下側に重ね合わされ、前記第1の基材と略同じ大きさを有する第2の紙基材とからなり、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材とが、少なくとも略四角形状を有し、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材は、その左右側の一方の側縁部に設けられた接着剤と、その底縁部に設けられた接着剤とにより接着され、少なくとも前記第1の紙基材が、透明もしくは半透明性の紙基材であり、前記第1の紙基材は、透過濃度0.09以下であって坪量75g/m2以上の条件を満たし、前記第2の紙基材の厚さは、第1の紙基材の厚さと略同じかまたは、前記第1の紙基材よりも厚いことを特徴とする。
【0009】
また、本発明のクリアファイルは、プリンタトナーの画像形成と定着とが可能な印字適性と、印刷用インキの定着が可能な印刷適性とを有する第1の紙基材と、前記第1の基材の下側に重ね合わされ、前記第1の基材と略同じ大きさを有する第2の紙基材とからなり、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材とが、少なくとも略四角形状を有し、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材は、その底縁部に設けられた接着剤により接着され、前記第1の紙基材の左右側の一方の側縁部の裏面又は前記第2の紙基材の左右側の一方の側縁部の表面に、プリンタ熱定着部のトナー定着用加熱および加圧ロール部で前記第1の紙基材と前記第2の紙基材とが接着するように加熱により接着性を有する熱接着性接着剤又は加熱と加圧により接着する熱圧接着性接着剤が塗布され、少なくとも前記第1の紙基材が、透明もしくは半透明性の紙基材であることを特徴とする。
【0010】
更に、本発明のクリアファイルは、前記熱接着性接着剤又は前記圧接着性接着剤が、前記クリアファイルにプリンタで印字をする際に、前記クリアファイルの搬送方向と平行となる方向に設けられていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明のクリアファイルは、前記第1の紙基材は、透過濃度0.09以下であって坪量75g/m2以上の条件を満たし、前記第2の紙基材の厚さは、第1の紙基材の厚さと略同じかまたは、前記第1の紙基材よりも厚いことを特徴とする。
【0012】
更に、本発明のクリアファイルは、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材とを接着する接着剤の塗布パターンが、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材との間に用紙を挟みこんだ際に、前記用紙と接触する側に凹部又は凸部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明のクリアファイルは、前記第1の基材の表面の少なくとも印字領域部に、インクジェットインクの受容層が塗布されていることを特徴とする。
【0014】
更に、本発明のクリアファイルの製造方法は、連続状態の第1の紙基材と連続状態の第2の紙基材とを重ね合わせて、所定部分で接着する接着工程と、前記第1の紙基材の一方の側縁部に対して、指抜き部と直線部とを連続状態となるように切り込みを形成する半抜き工程と、前記半抜き工程で切り込みが形成された第1の紙基材の部分から外側部分を連続的に分離させるカス取り工程と、を有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明のクリアファイルの製造方法は、プリンタトナーの画像形成と定着とが可能な印字適性と、印刷用インキの定着が可能な印刷適性とを有する第1の紙基材と、前記第1の基材の下側に重ね合わされ、前記第1の基材と略同じ大きさを有する第2の紙基材とからなり、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材とが、少なくとも略四角形状を有し、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材は、その底縁部に設けられた接着剤により接着され、前記第1の紙基材の左右側の一方の側縁部の裏面又は前記第2の紙基材の左右側の一方の側縁部の表面に、プリンタ熱定着部のトナー定着用加熱および加圧ロール部で前記第1の紙基材と前記第2の紙基材とが接着するように加熱により接着性を有する熱接着性接着剤又は加熱と加圧により接着する熱圧接着性接着剤が塗布され、プリンタで前記第1の紙基材の表面上にプリントする際に、プリンタ熱定着部のトナー定着用加熱および加圧ロール部の加圧により、前記熱接着性接着剤又は前記熱圧接着性接着剤により前記第1の紙基材と前記第2の紙基材とを接着することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
したがって、本発明のクリアファイルは、第1の紙基材は、透過濃度0.09以下であって坪量75g/m2以上の条件を満たす紙基材を使用しているので、収納させた書類を確実に挟み込んで安定させた状態で保持させると共に、収納させた書類を外部から透視可能とさせることができるという効果がある。
【0017】
また、本発明のクリアファイルは、第1の紙基材の左右側の一方の側縁部の裏面又は前記第2の紙基材の左右側の一方の側縁部の表面に、熱接着性接着剤又は熱圧接着性接着剤が塗布されているので、クリアファイルにプリンタでプリントする際にそれらの塗布されている接着剤により接着されるので、プリンタ内の搬送ローラによる加圧の影響でクリアファイルの搬送方向と平行に塗布されている接着剤領域の付近に、しわが寄ってしまうことを防止することができるという効果がある。
【0018】
また、本発明のクリアファイルは、前記熱接着性接着剤又は前記圧接着性接着剤が、クリアファイルの搬送方向と平行となる方向に設けられていることで、特にしわがよることを防止することができるという効果がある。
【0019】
また、本発明のクリアファイルは、第1の紙基材と第2の紙基材とを接着する接着剤の塗布パターンが、収納する用紙と接触する側に凹部又は凸部が設けられているので、収納させた書類の先端部分がシートの接着部に挟み込まれてしまうことを防止することができるという効果がある。
【0020】
また、本発明のクリアファイルは、第1の基材の表面の少なくとも印字領域部に、インクジェットインクの受容層が塗布されているので、プリンタでプリントする際に安定した画像形成を行うことができ、乾燥性にも優れているという効果がある。
【0021】
また、本発明のクリアファイルの製造方法は、接着工程、半抜き工程、カス取り工程、により、紙材で形成されたシートを用いたクリアファイルを効率的に製造することができるという効果がある。
【0022】
また、本発明のクリアファイルの製造方法は、クリアファイルにプリンタでプリントする際に、熱接着性接着剤又は熱圧接着性接着剤が塗布されている箇所を接着させるので、プリンタ内の搬送ローラによる加圧の影響で接着剤領域の付近にしわが寄ってしまうことを防止できるクリアファイルを製造できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係るクリアファイルの平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1のB−B線断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るクリアファイルの第1の基材と第2の紙基材とを分離させた状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係るクリアファイルの製造段階において、その途中の第1の基材と第2の紙基材を示す斜視図である。
【図6】本発明のクリアファイルの製造方法の製造工程を示す図である。
【図7】本発明のクリアファイルの製造方法において、製造前段階で連続状態の第1の基材と第2の紙基材とを示す平面図であって、(a)は第1の基材、(b)は第2の基材、の平面図である。
【図8】本発明のクリアファイルの製造方法において、製造途中で連続状態のクリアファイル内を接着させるための接着剤を塗布させた状態を示す平面図であって、(a)は第1の基材、(b)は第2の基材、の平面図である。
【図9】本発明のクリアファイルの製造方法において、製造途中で連続状態のクリアファイル外を接着させるための接着剤を塗布させた状態を示す平面図であって、(a)は第1の基材、(b)は第2の基材、の平面図である。
【図10】本発明のクリアファイルの製造方法において、製造途中で連続状態の第1の基材と第2の基材とを重ね合わせた状態を示す平面図である。
【図11】本発明のクリアファイルの製造方法において、製造途中で重ね合わせた連続状態の第1の基材と第2の基材の両端部分を切り取った状態を示す平面図である。
【図12】本発明のクリアファイルの製造方法において、製造途中で重ね合わせた連続状態の第1の基材と第2の基材を所定間隔で分離させた状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態に係るクリアファイルを図面に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の実施形態に係るクリアファイル1について説明する。
本発明の実施形態に係るクリアファイル1は、図1乃至図4に示すように、プリンタトナーの画像形成と定着とが可能な印字適性と、印刷用インキの定着が可能な印刷適性とを有する第1の紙基材2と、前記第1の基材2の下側に重ね合わされ、前記第1の基材2と略同じ大きさを有する第2の紙基材3とからなる。
そして、第1の紙基材2と第2の紙基材3とが、少なくとも略四角形状を有しており、第1の紙基材2と第2の紙基材3は、その左右側の一方の側縁部に設けられた接着剤4と、その底縁部に設けられた接着剤5とにより接着されている。
図示した場合には、左側の側縁部に接着剤4が設けられている。
第1の紙基材2の右側辺の一部には、クリアファイル1を開く際に指を入れて開けられるように湾曲した形状の切り欠き部8が形成されている。
【0025】
第1の紙基材2は、透明もしくは半透明性の紙基材であり、第1の紙基材2は、透過濃度0.09以下であって坪量75g/m2以上の条件を満たしている紙基材が用いられる。
また、第2の紙基材3の厚さは、第1の紙基材2の厚さと略同じかまたは、第1の紙基材2よりも厚い基材から構成されている。
これは、クリアファイル1に入れる用紙として、坪量60〜70g/m2のPPC用紙を入れる場合が一般的であることと、透過濃度測定の結果で透過濃度0.09以下が、透明性が良好となることから、第1の紙基材2を、透過濃度0.09以下であって坪量75g/m2以上の条件を満たしている基材を用いることが、紙基材を用いたクリアファイルとして最適であるからである。
【0026】
また、図4に示すように、クリアファイル1の第1の紙基材2と第2の紙基材3とを接着する接着剤4,5の塗布パターンとして、第1の紙基材2と第2の紙基材3との間に用紙を挟みこんだ際に、前記用紙と接触する側に凹部6a又は凸部6bからなる凹凸が複数設けられている。
この凹部6a又は凸部6bからなる凹凸が複数設けられていることで、クリアファイル1内に収納する用紙を押し込んだ際でも、接着剤4,5にその用紙がくい込んで取り出しにくくなることを防止することができる。
尚、凹部6a又は凸部6bからなる凹凸の形状については、三角、四角、円形、ジグザグ状態、など様々な形状を用いることができる。
【0027】
また、クリアファイル1の第1の基材2の表面の少なくとも印字領域部には、インクジェットインクの受容層7が塗布されている。
この受容層7が第1の基材2の表面に設けられているので、第1の基材2の表面にプリンタでプリントする際に安定した画像形成を行うことができ、乾燥性にも優れている。
【0028】
上記に説明した本発明の実施形態に係るクリアファイル1は、クリアファイル1の完成品とした場合の説明であるが、次に本発明の実施形態に係るクリアファイル1において、第1の紙基材2と第2の紙基材3とを接着する接着剤4,5の内、接着剤4の部分を接着させない状態として製造し、その後、クリアファイル1の使用者などが所望の内容の文字や絵柄をプリントする際に適する半製品のクリアファイル1aについても、以下に説明する。
この半製品のクリアファイル1aは、この状態で販売することができ、販売後にその購入者が文字や絵柄をプリントする場合もあるので、販売時に最終製品になる場合もある。
【0029】
この場合には、第1の紙基材2と第2の紙基材3とを接着する接着剤4,5の内、第1の紙基材2の左右側の一方の側縁部の裏面又は第2の紙基材3の左右側の一方の側縁部の表面に、プリンタ熱定着部のトナー定着用加熱および加圧ロール部で第1の紙基材2と第2の紙基材3とが接着するように加熱により接着性を有する熱接着性接着剤又は加熱と加圧により接着する熱圧接着性接着剤が塗布されている。
図示した場合には、左側の側縁部に接着剤4が設けられている。
そして、クリアファイル1の底縁部に設けられた接着剤5の塗布部分だけが接着状態となっていて、熱接着性接着剤又は熱圧接着性接着剤が塗布されている接着剤4の部分は、第1の紙基材2と第2の紙基材3とが接着されていない状態となっている。
【0030】
つまり、クリアファイル1の第1の紙基材2の表面上にプリンタでプリントする際に、予め第1の紙基材2と第2の紙基材3とを縦方向の接着剤4の部分で接着状態となっていると、プリンタ内で搬送して加熱、加圧ローラで加熱、加圧する際に、接着部分の周辺でしわが寄ってしまう場合がある。
これに対して、縦方向の接着剤4の部分を接着させない状態にしておいて、プリンタにかける際に、プリンタ内で加熱、加圧ローラによる加熱、加圧を利用して、予め塗布されている接着剤4の熱接着性接着剤又は熱圧接着性接着剤の部分を接着するようにすることで、第1の紙基材2にしわが寄りにくくできるという効果がある。
【0031】
また、クリアファイル1をプリンタにかける際に、第1の紙基材2にしわがよらないようにするために、接着剤4の熱接着性接着剤又は圧接着性接着剤は、クリアファイル1に対してプリンタで搬送する搬送方向と平行となる方向に設けられていることが好ましい。
【0032】
次に、本発明のクリアファイル1の製造方法について説明する。
図5及び図6に示すように、クリアファイル1を構成する第1の紙基材2と第2の紙基材3とは、ロール状態からなる連続用紙を搬送させて重ね合わせ、接着させて製造する。
図5には、連続状態にある第1の紙基材2及び第2の紙基材3の一部分が示されているが、連続状態にある第1の紙基材2及び第2の紙基材3の左右側には、それぞれ搬送用の送り穴が所定間隔で形成されているマージナルパンチ部9a,9b,10a,10bが設けられている。
また、図5において、マージナルパンチ部9a,9b,10a,10bの内側に縦方向に示されている一点鎖線の部分は、クリアファイル1を製造する際に、連続状態にある第1の紙基材2及び第2の紙基材3に対して、スリットを入れてマージナルパンチ部9a,9b,10a,10bを後で切り離す位置となるスリット予定線11a,11b,12a,12bである。
図7には、(a)に連続状態にある第1の紙基材2が示され、また、(b)に連続状態にある第2の紙基材3が示されており、それぞれロール状に巻かれている。
【0033】
図6に基づいて、連続状態にある第1の紙基材2及び第2の紙基材3からクリアファイル1を製造する工程を説明する。
まず、連続状態の第2の紙基材3を搬送させて、3ヵ所に設けられている接着剤塗布部13,14,15で、第2の紙基材3に接着剤4,5,16を塗布させる。
図8には、(a)に連続状態にある第1の紙基材2が示され、また、(b)に連続状態にある第2の紙基材3に接着剤4,5を塗布させた後の状態が示されており、接着剤4,5として、加熱により接着性を有する熱接着性接着剤又は加熱と加圧により接着する熱圧接着性接着剤を塗布する。
この際に、接着剤4は、第2の紙基材3の左側の側縁部に縦方向に塗布し、接着剤5は、第2の紙基材3の底部分に横方向に塗布し、更に、接着剤16は、第2の紙基材3の右側の側縁部であって、スリット予定線12bに沿ってその外側に塗布する。
【0034】
また、図5に示すように、第2の紙基材3の長手方向に塗布する接着剤16は、その長手方向に連続して塗布するのではなく、所定の領域で接着剤16を塗布しない領域16aを有している。
この接着剤16を塗布しない領域16aは、第1の紙基材2に形成する切込みの直線部19に対して、指抜き部8として紙基材の内側方向に歪曲させて形成した切込みが形成されている間の領域である。
尚、図9には、(a)に連続状態にある第1の紙基材2が示され、また、(b)に連続状態にある第2の紙基材3に接着剤16を塗布させた後の状態が示されている。
そして、接着剤塗布部13,14,15を通過させた連続状態の第2の紙基材3は、連続状態にある第1の紙基材2と重ね合わせられて、加熱・加圧ローラ17により加熱・加圧をして接着剤塗布部分を接着状態にする接着工程を有している。
【0035】
この加熱・加圧ローラ17により加熱・加圧をして接着剤塗布部分を接着状態にする接着工程において、第2の紙基材3に塗布させた全ての接着剤4,5,16の塗布部分を加熱・加圧させる場合と、また一方、第2の紙基材3に塗布された接着剤4の部分を除く接着剤5,16の部分を加熱・加圧ローラ17により加熱・加圧をして接着状態にする方法とがある。
前者の場合には、特に完成させたクリアファイルに対してプリンタでプリントする必要がないクリアファイルに適する。
また、後者の場合には、クリアファイルを使用する用途に応じて、後から所望の内容の文字や絵柄などプリンタでプリントする場合に適する。
いずれにしても、上記の接着工程を有している。
【0036】
次に、図10に示すように、第1の紙基材2の右側の側縁部に対して、指抜き部8と直線部19とを連続状態となるように切り込みを形成するためのハーフカット用のローラ18により、図5に示すように第1の紙基材2だけに対して半抜きする半抜き工程を有しており、図5及び図10に示すように、このハーフカット用のローラ18により第1の紙基材2に形成された指抜き部8と直線部19の切込みから、右側の部分2aを分離させて、第1の紙基材2の右端部分を先にカス取りする。
次に、図6に示すように、第1の紙基材2及び第2の紙基材3のスリット予定線11a,11b,12a,12bに切込みを入れる切込み刃ローラ20から、マージナルパンチ部9a,9b,10a,10bに連続的に切込みを入れて、マージナルパンチ部9a,9b,10a,10bを分離させてカス取りを行うカス取り工程を有している。
【0037】
また、その後、図12に示すように、連続状態にある第1の紙基材2及び第2の紙基材3を単位毎のクリアファイル1に断裁する断裁刃21で、1枚毎のクリアファイル1又は半製品のクリアファイル1aを作成させる。
ここで、クリアファイル1は、接着剤4,5で接着された状態のものであり、半製品のクリアファイル1aは、接着剤4の塗布部分がまだ接着されていない状態のものをいう。
【0038】
そして、半製品のクリアファイル1aの場合には、プリンタで第1の紙基材2の表面上にプリントする際に、プリンタ熱定着部のトナー定着用加熱および加圧ロール部の加圧により、接着剤4の熱接着性接着剤又は熱圧接着性接着剤の部分を接着させることによりクリアファイル1を完成させる。
したがって、半製品のクリアファイル1aは、プリンタで第1の紙基材2の表面上にプリントする際に、縦方向に帯状に設けられた接着剤4の部分については、熱接着性接着剤又は熱圧接着性接着剤が塗布されているだけで接着されていないことから、予め接着剤4の部分が接着されている従来のクリアファイルにプリントする場合に比べて、プリントの際にしわがよりにくく、体裁のよいクリアファイルをプリンタ熱定着部により作成できるように構成されている。
【符号の説明】
【0039】
1 クリアファイル
1a 半製品のクリアファイル
2 第1の紙基材
3 第2の紙基材
4,5,16 接着剤
6a 凹部
6b 凸部
7 受容層
8 切り欠き部
9a,9b,10a,10b マージナルパンチ部
11a,11b,12a,12b スリット予定線
13,14,15 接着剤塗布部
16 接着剤
16a 接着剤を塗布しない領域
17 加熱・加圧ローラ
20 切込み刃ローラ
21 断裁刃
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明又は半透明な2枚以上のシートが重ね合わされ、開口部を設けて所定部分で接着され、その開口部から書類などを収納できるように構成されたクリアファイルとクリアファイルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クリアファイルは、一般的に収納物が外部から見えるようにするために透明性又は半透明性を有するプラスチックシートなどの樹脂をシート状に加工したものが使用されている。(例えば、特許文献1〜4、参照)
これらの樹脂性のクリアファイルは、使用後にゴミとして廃棄して燃やされた場合に、化学物質を発生させて人体に悪影響を与える危険性があり自然環境上の問題がある。
【0003】
また、紙材で形成されたシートを用いたクリアファイルも既に公知となっているが、(例えば、特許文献5、参照)2枚の紙材のシートを重ね合わせて一側縁部や底縁部を接着剤で接着させた場合には、収納させた書類を確実に挟み込んで安定させた状態で保持させると共に、収納させた書類を外部から透視可能とさせるという条件を満たすことが難しく、単に透明性を有する紙材のシートを用いればよいというものではないという問題がある。
また、2枚の紙材のシートを重ね合わせて接着剤で接着させたクリアファイルでは、収納させた書類の先端部分がその接着部に挟み込まれてしまい、抜き取る際に簡単に抜けにくくなり、樹脂性のシートを用いた場合に比べて作業性の点で不便になるという問題もある。
【0004】
更に、販売促進用のカタログ・キャンペーン資料、提案書、企画書、見積書、などを消費者や顧客に渡す場合には、体裁を整えるためにそれらの書類をクリアファイルに入れて渡すことがあるが、その場合には、そのクリアファイルの表面にクリアファイルを利用する企業側が所望するデザインや文字を印刷するなどしている。
この場合、クリアファイルの表面に画一的なデザインや文字を印刷するよりも、それらの書類を渡す相手が特定している場合には、クリアファイルの表面に書類を渡す相手に応じて個々の異なるデザインや文字をプリンタでプリントできるようにしたクリアファイルを利用したいという要望がある。
【0005】
しかしながら、紙材で形成されたシートを用いたクリアファイルをプリンタでプリントする場合、プリンタ内でクリアファイルを搬送ローラで搬送させる際に、クリアファイルに圧がかかり、その加圧の影響でクリアファイルの搬送方向と平行に塗布されている接着剤領域の付近にしわが寄ってしまい体裁が悪くなるという問題がある。
特に、販売促進用に用いるクリアファイルでは、しわの寄った部分があるクリアファイルでは顧客に対してイメージが悪くなるという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−25778号公報
【特許文献2】特開2003−25779号公報
【特許文献3】特開2009−262516号公報
【特許文献4】実用新案登録第3153236号公報
【特許文献5】実用新案登録第3146046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、自然環境にやさしい紙材で形成されたシートを用いたクリアファイルであって、収納させた書類を確実に挟み込んで安定させた状態で保持させると共に、収納させた書類を外部から透視可能とさせるという条件を満たし、更に収納させた書類の先端部分がシートの接着部に挟み込まれてしまうことを防止したクリアファイルを提供する。
更に、紙材で形成されたシートを用いたクリアファイルをプリンタでプリントする場合でも、プリンタ内の搬送ローラによる加圧の影響でクリアファイルの搬送方向と平行に塗布されている接着剤領域の付近に、しわが寄ってしまうことを防止したクリアファイルを提供する。
また、紙材で形成されたシートを用いたクリアファイルを効率的に製造することができるクリアファイルの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のクリアファイルは、プリンタトナーの画像形成と定着とが可能な印字適性と、印刷用インキの定着が可能な印刷適性とを有する第1の紙基材と、前記第1の基材の下側に重ね合わされ、前記第1の基材と略同じ大きさを有する第2の紙基材とからなり、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材とが、少なくとも略四角形状を有し、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材は、その左右側の一方の側縁部に設けられた接着剤と、その底縁部に設けられた接着剤とにより接着され、少なくとも前記第1の紙基材が、透明もしくは半透明性の紙基材であり、前記第1の紙基材は、透過濃度0.09以下であって坪量75g/m2以上の条件を満たし、前記第2の紙基材の厚さは、第1の紙基材の厚さと略同じかまたは、前記第1の紙基材よりも厚いことを特徴とする。
【0009】
また、本発明のクリアファイルは、プリンタトナーの画像形成と定着とが可能な印字適性と、印刷用インキの定着が可能な印刷適性とを有する第1の紙基材と、前記第1の基材の下側に重ね合わされ、前記第1の基材と略同じ大きさを有する第2の紙基材とからなり、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材とが、少なくとも略四角形状を有し、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材は、その底縁部に設けられた接着剤により接着され、前記第1の紙基材の左右側の一方の側縁部の裏面又は前記第2の紙基材の左右側の一方の側縁部の表面に、プリンタ熱定着部のトナー定着用加熱および加圧ロール部で前記第1の紙基材と前記第2の紙基材とが接着するように加熱により接着性を有する熱接着性接着剤又は加熱と加圧により接着する熱圧接着性接着剤が塗布され、少なくとも前記第1の紙基材が、透明もしくは半透明性の紙基材であることを特徴とする。
【0010】
更に、本発明のクリアファイルは、前記熱接着性接着剤又は前記圧接着性接着剤が、前記クリアファイルにプリンタで印字をする際に、前記クリアファイルの搬送方向と平行となる方向に設けられていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明のクリアファイルは、前記第1の紙基材は、透過濃度0.09以下であって坪量75g/m2以上の条件を満たし、前記第2の紙基材の厚さは、第1の紙基材の厚さと略同じかまたは、前記第1の紙基材よりも厚いことを特徴とする。
【0012】
更に、本発明のクリアファイルは、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材とを接着する接着剤の塗布パターンが、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材との間に用紙を挟みこんだ際に、前記用紙と接触する側に凹部又は凸部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明のクリアファイルは、前記第1の基材の表面の少なくとも印字領域部に、インクジェットインクの受容層が塗布されていることを特徴とする。
【0014】
更に、本発明のクリアファイルの製造方法は、連続状態の第1の紙基材と連続状態の第2の紙基材とを重ね合わせて、所定部分で接着する接着工程と、前記第1の紙基材の一方の側縁部に対して、指抜き部と直線部とを連続状態となるように切り込みを形成する半抜き工程と、前記半抜き工程で切り込みが形成された第1の紙基材の部分から外側部分を連続的に分離させるカス取り工程と、を有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明のクリアファイルの製造方法は、プリンタトナーの画像形成と定着とが可能な印字適性と、印刷用インキの定着が可能な印刷適性とを有する第1の紙基材と、前記第1の基材の下側に重ね合わされ、前記第1の基材と略同じ大きさを有する第2の紙基材とからなり、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材とが、少なくとも略四角形状を有し、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材は、その底縁部に設けられた接着剤により接着され、前記第1の紙基材の左右側の一方の側縁部の裏面又は前記第2の紙基材の左右側の一方の側縁部の表面に、プリンタ熱定着部のトナー定着用加熱および加圧ロール部で前記第1の紙基材と前記第2の紙基材とが接着するように加熱により接着性を有する熱接着性接着剤又は加熱と加圧により接着する熱圧接着性接着剤が塗布され、プリンタで前記第1の紙基材の表面上にプリントする際に、プリンタ熱定着部のトナー定着用加熱および加圧ロール部の加圧により、前記熱接着性接着剤又は前記熱圧接着性接着剤により前記第1の紙基材と前記第2の紙基材とを接着することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
したがって、本発明のクリアファイルは、第1の紙基材は、透過濃度0.09以下であって坪量75g/m2以上の条件を満たす紙基材を使用しているので、収納させた書類を確実に挟み込んで安定させた状態で保持させると共に、収納させた書類を外部から透視可能とさせることができるという効果がある。
【0017】
また、本発明のクリアファイルは、第1の紙基材の左右側の一方の側縁部の裏面又は前記第2の紙基材の左右側の一方の側縁部の表面に、熱接着性接着剤又は熱圧接着性接着剤が塗布されているので、クリアファイルにプリンタでプリントする際にそれらの塗布されている接着剤により接着されるので、プリンタ内の搬送ローラによる加圧の影響でクリアファイルの搬送方向と平行に塗布されている接着剤領域の付近に、しわが寄ってしまうことを防止することができるという効果がある。
【0018】
また、本発明のクリアファイルは、前記熱接着性接着剤又は前記圧接着性接着剤が、クリアファイルの搬送方向と平行となる方向に設けられていることで、特にしわがよることを防止することができるという効果がある。
【0019】
また、本発明のクリアファイルは、第1の紙基材と第2の紙基材とを接着する接着剤の塗布パターンが、収納する用紙と接触する側に凹部又は凸部が設けられているので、収納させた書類の先端部分がシートの接着部に挟み込まれてしまうことを防止することができるという効果がある。
【0020】
また、本発明のクリアファイルは、第1の基材の表面の少なくとも印字領域部に、インクジェットインクの受容層が塗布されているので、プリンタでプリントする際に安定した画像形成を行うことができ、乾燥性にも優れているという効果がある。
【0021】
また、本発明のクリアファイルの製造方法は、接着工程、半抜き工程、カス取り工程、により、紙材で形成されたシートを用いたクリアファイルを効率的に製造することができるという効果がある。
【0022】
また、本発明のクリアファイルの製造方法は、クリアファイルにプリンタでプリントする際に、熱接着性接着剤又は熱圧接着性接着剤が塗布されている箇所を接着させるので、プリンタ内の搬送ローラによる加圧の影響で接着剤領域の付近にしわが寄ってしまうことを防止できるクリアファイルを製造できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態に係るクリアファイルの平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1のB−B線断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るクリアファイルの第1の基材と第2の紙基材とを分離させた状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係るクリアファイルの製造段階において、その途中の第1の基材と第2の紙基材を示す斜視図である。
【図6】本発明のクリアファイルの製造方法の製造工程を示す図である。
【図7】本発明のクリアファイルの製造方法において、製造前段階で連続状態の第1の基材と第2の紙基材とを示す平面図であって、(a)は第1の基材、(b)は第2の基材、の平面図である。
【図8】本発明のクリアファイルの製造方法において、製造途中で連続状態のクリアファイル内を接着させるための接着剤を塗布させた状態を示す平面図であって、(a)は第1の基材、(b)は第2の基材、の平面図である。
【図9】本発明のクリアファイルの製造方法において、製造途中で連続状態のクリアファイル外を接着させるための接着剤を塗布させた状態を示す平面図であって、(a)は第1の基材、(b)は第2の基材、の平面図である。
【図10】本発明のクリアファイルの製造方法において、製造途中で連続状態の第1の基材と第2の基材とを重ね合わせた状態を示す平面図である。
【図11】本発明のクリアファイルの製造方法において、製造途中で重ね合わせた連続状態の第1の基材と第2の基材の両端部分を切り取った状態を示す平面図である。
【図12】本発明のクリアファイルの製造方法において、製造途中で重ね合わせた連続状態の第1の基材と第2の基材を所定間隔で分離させた状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態に係るクリアファイルを図面に基づいて詳細に説明する。
まず、本発明の実施形態に係るクリアファイル1について説明する。
本発明の実施形態に係るクリアファイル1は、図1乃至図4に示すように、プリンタトナーの画像形成と定着とが可能な印字適性と、印刷用インキの定着が可能な印刷適性とを有する第1の紙基材2と、前記第1の基材2の下側に重ね合わされ、前記第1の基材2と略同じ大きさを有する第2の紙基材3とからなる。
そして、第1の紙基材2と第2の紙基材3とが、少なくとも略四角形状を有しており、第1の紙基材2と第2の紙基材3は、その左右側の一方の側縁部に設けられた接着剤4と、その底縁部に設けられた接着剤5とにより接着されている。
図示した場合には、左側の側縁部に接着剤4が設けられている。
第1の紙基材2の右側辺の一部には、クリアファイル1を開く際に指を入れて開けられるように湾曲した形状の切り欠き部8が形成されている。
【0025】
第1の紙基材2は、透明もしくは半透明性の紙基材であり、第1の紙基材2は、透過濃度0.09以下であって坪量75g/m2以上の条件を満たしている紙基材が用いられる。
また、第2の紙基材3の厚さは、第1の紙基材2の厚さと略同じかまたは、第1の紙基材2よりも厚い基材から構成されている。
これは、クリアファイル1に入れる用紙として、坪量60〜70g/m2のPPC用紙を入れる場合が一般的であることと、透過濃度測定の結果で透過濃度0.09以下が、透明性が良好となることから、第1の紙基材2を、透過濃度0.09以下であって坪量75g/m2以上の条件を満たしている基材を用いることが、紙基材を用いたクリアファイルとして最適であるからである。
【0026】
また、図4に示すように、クリアファイル1の第1の紙基材2と第2の紙基材3とを接着する接着剤4,5の塗布パターンとして、第1の紙基材2と第2の紙基材3との間に用紙を挟みこんだ際に、前記用紙と接触する側に凹部6a又は凸部6bからなる凹凸が複数設けられている。
この凹部6a又は凸部6bからなる凹凸が複数設けられていることで、クリアファイル1内に収納する用紙を押し込んだ際でも、接着剤4,5にその用紙がくい込んで取り出しにくくなることを防止することができる。
尚、凹部6a又は凸部6bからなる凹凸の形状については、三角、四角、円形、ジグザグ状態、など様々な形状を用いることができる。
【0027】
また、クリアファイル1の第1の基材2の表面の少なくとも印字領域部には、インクジェットインクの受容層7が塗布されている。
この受容層7が第1の基材2の表面に設けられているので、第1の基材2の表面にプリンタでプリントする際に安定した画像形成を行うことができ、乾燥性にも優れている。
【0028】
上記に説明した本発明の実施形態に係るクリアファイル1は、クリアファイル1の完成品とした場合の説明であるが、次に本発明の実施形態に係るクリアファイル1において、第1の紙基材2と第2の紙基材3とを接着する接着剤4,5の内、接着剤4の部分を接着させない状態として製造し、その後、クリアファイル1の使用者などが所望の内容の文字や絵柄をプリントする際に適する半製品のクリアファイル1aについても、以下に説明する。
この半製品のクリアファイル1aは、この状態で販売することができ、販売後にその購入者が文字や絵柄をプリントする場合もあるので、販売時に最終製品になる場合もある。
【0029】
この場合には、第1の紙基材2と第2の紙基材3とを接着する接着剤4,5の内、第1の紙基材2の左右側の一方の側縁部の裏面又は第2の紙基材3の左右側の一方の側縁部の表面に、プリンタ熱定着部のトナー定着用加熱および加圧ロール部で第1の紙基材2と第2の紙基材3とが接着するように加熱により接着性を有する熱接着性接着剤又は加熱と加圧により接着する熱圧接着性接着剤が塗布されている。
図示した場合には、左側の側縁部に接着剤4が設けられている。
そして、クリアファイル1の底縁部に設けられた接着剤5の塗布部分だけが接着状態となっていて、熱接着性接着剤又は熱圧接着性接着剤が塗布されている接着剤4の部分は、第1の紙基材2と第2の紙基材3とが接着されていない状態となっている。
【0030】
つまり、クリアファイル1の第1の紙基材2の表面上にプリンタでプリントする際に、予め第1の紙基材2と第2の紙基材3とを縦方向の接着剤4の部分で接着状態となっていると、プリンタ内で搬送して加熱、加圧ローラで加熱、加圧する際に、接着部分の周辺でしわが寄ってしまう場合がある。
これに対して、縦方向の接着剤4の部分を接着させない状態にしておいて、プリンタにかける際に、プリンタ内で加熱、加圧ローラによる加熱、加圧を利用して、予め塗布されている接着剤4の熱接着性接着剤又は熱圧接着性接着剤の部分を接着するようにすることで、第1の紙基材2にしわが寄りにくくできるという効果がある。
【0031】
また、クリアファイル1をプリンタにかける際に、第1の紙基材2にしわがよらないようにするために、接着剤4の熱接着性接着剤又は圧接着性接着剤は、クリアファイル1に対してプリンタで搬送する搬送方向と平行となる方向に設けられていることが好ましい。
【0032】
次に、本発明のクリアファイル1の製造方法について説明する。
図5及び図6に示すように、クリアファイル1を構成する第1の紙基材2と第2の紙基材3とは、ロール状態からなる連続用紙を搬送させて重ね合わせ、接着させて製造する。
図5には、連続状態にある第1の紙基材2及び第2の紙基材3の一部分が示されているが、連続状態にある第1の紙基材2及び第2の紙基材3の左右側には、それぞれ搬送用の送り穴が所定間隔で形成されているマージナルパンチ部9a,9b,10a,10bが設けられている。
また、図5において、マージナルパンチ部9a,9b,10a,10bの内側に縦方向に示されている一点鎖線の部分は、クリアファイル1を製造する際に、連続状態にある第1の紙基材2及び第2の紙基材3に対して、スリットを入れてマージナルパンチ部9a,9b,10a,10bを後で切り離す位置となるスリット予定線11a,11b,12a,12bである。
図7には、(a)に連続状態にある第1の紙基材2が示され、また、(b)に連続状態にある第2の紙基材3が示されており、それぞれロール状に巻かれている。
【0033】
図6に基づいて、連続状態にある第1の紙基材2及び第2の紙基材3からクリアファイル1を製造する工程を説明する。
まず、連続状態の第2の紙基材3を搬送させて、3ヵ所に設けられている接着剤塗布部13,14,15で、第2の紙基材3に接着剤4,5,16を塗布させる。
図8には、(a)に連続状態にある第1の紙基材2が示され、また、(b)に連続状態にある第2の紙基材3に接着剤4,5を塗布させた後の状態が示されており、接着剤4,5として、加熱により接着性を有する熱接着性接着剤又は加熱と加圧により接着する熱圧接着性接着剤を塗布する。
この際に、接着剤4は、第2の紙基材3の左側の側縁部に縦方向に塗布し、接着剤5は、第2の紙基材3の底部分に横方向に塗布し、更に、接着剤16は、第2の紙基材3の右側の側縁部であって、スリット予定線12bに沿ってその外側に塗布する。
【0034】
また、図5に示すように、第2の紙基材3の長手方向に塗布する接着剤16は、その長手方向に連続して塗布するのではなく、所定の領域で接着剤16を塗布しない領域16aを有している。
この接着剤16を塗布しない領域16aは、第1の紙基材2に形成する切込みの直線部19に対して、指抜き部8として紙基材の内側方向に歪曲させて形成した切込みが形成されている間の領域である。
尚、図9には、(a)に連続状態にある第1の紙基材2が示され、また、(b)に連続状態にある第2の紙基材3に接着剤16を塗布させた後の状態が示されている。
そして、接着剤塗布部13,14,15を通過させた連続状態の第2の紙基材3は、連続状態にある第1の紙基材2と重ね合わせられて、加熱・加圧ローラ17により加熱・加圧をして接着剤塗布部分を接着状態にする接着工程を有している。
【0035】
この加熱・加圧ローラ17により加熱・加圧をして接着剤塗布部分を接着状態にする接着工程において、第2の紙基材3に塗布させた全ての接着剤4,5,16の塗布部分を加熱・加圧させる場合と、また一方、第2の紙基材3に塗布された接着剤4の部分を除く接着剤5,16の部分を加熱・加圧ローラ17により加熱・加圧をして接着状態にする方法とがある。
前者の場合には、特に完成させたクリアファイルに対してプリンタでプリントする必要がないクリアファイルに適する。
また、後者の場合には、クリアファイルを使用する用途に応じて、後から所望の内容の文字や絵柄などプリンタでプリントする場合に適する。
いずれにしても、上記の接着工程を有している。
【0036】
次に、図10に示すように、第1の紙基材2の右側の側縁部に対して、指抜き部8と直線部19とを連続状態となるように切り込みを形成するためのハーフカット用のローラ18により、図5に示すように第1の紙基材2だけに対して半抜きする半抜き工程を有しており、図5及び図10に示すように、このハーフカット用のローラ18により第1の紙基材2に形成された指抜き部8と直線部19の切込みから、右側の部分2aを分離させて、第1の紙基材2の右端部分を先にカス取りする。
次に、図6に示すように、第1の紙基材2及び第2の紙基材3のスリット予定線11a,11b,12a,12bに切込みを入れる切込み刃ローラ20から、マージナルパンチ部9a,9b,10a,10bに連続的に切込みを入れて、マージナルパンチ部9a,9b,10a,10bを分離させてカス取りを行うカス取り工程を有している。
【0037】
また、その後、図12に示すように、連続状態にある第1の紙基材2及び第2の紙基材3を単位毎のクリアファイル1に断裁する断裁刃21で、1枚毎のクリアファイル1又は半製品のクリアファイル1aを作成させる。
ここで、クリアファイル1は、接着剤4,5で接着された状態のものであり、半製品のクリアファイル1aは、接着剤4の塗布部分がまだ接着されていない状態のものをいう。
【0038】
そして、半製品のクリアファイル1aの場合には、プリンタで第1の紙基材2の表面上にプリントする際に、プリンタ熱定着部のトナー定着用加熱および加圧ロール部の加圧により、接着剤4の熱接着性接着剤又は熱圧接着性接着剤の部分を接着させることによりクリアファイル1を完成させる。
したがって、半製品のクリアファイル1aは、プリンタで第1の紙基材2の表面上にプリントする際に、縦方向に帯状に設けられた接着剤4の部分については、熱接着性接着剤又は熱圧接着性接着剤が塗布されているだけで接着されていないことから、予め接着剤4の部分が接着されている従来のクリアファイルにプリントする場合に比べて、プリントの際にしわがよりにくく、体裁のよいクリアファイルをプリンタ熱定着部により作成できるように構成されている。
【符号の説明】
【0039】
1 クリアファイル
1a 半製品のクリアファイル
2 第1の紙基材
3 第2の紙基材
4,5,16 接着剤
6a 凹部
6b 凸部
7 受容層
8 切り欠き部
9a,9b,10a,10b マージナルパンチ部
11a,11b,12a,12b スリット予定線
13,14,15 接着剤塗布部
16 接着剤
16a 接着剤を塗布しない領域
17 加熱・加圧ローラ
20 切込み刃ローラ
21 断裁刃
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタトナーの画像形成と定着とが可能な印字適性と、印刷用インキの定着が可能な印刷適性とを有する第1の紙基材と、前記第1の基材の下側に重ね合わされ、前記第1の基材と略同じ大きさを有する第2の紙基材とからなり、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材とが、少なくとも略四角形状を有し、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材は、その左右側の一方の側縁部に設けられた接着剤と、その底縁部に設けられた接着剤とにより接着され、少なくとも前記第1の紙基材が、透明もしくは半透明性の紙基材であり、前記第1の紙基材は、透過濃度0.09以下であって坪量75g/m2以上の条件を満たし、前記第2の紙基材の厚さは、第1の紙基材の厚さと略同じかまたは、前記第1の紙基材よりも厚いことを特徴とするクリアファイル。
【請求項2】
プリンタトナーの画像形成と定着とが可能な印字適性と、印刷用インキの定着が可能な印刷適性とを有する第1の紙基材と、前記第1の基材の下側に重ね合わされ、前記第1の基材と略同じ大きさを有する第2の紙基材とからなり、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材とが、少なくとも略四角形状を有し、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材は、その底縁部に設けられた接着剤により接着され、前記第1の紙基材の左右側の一方の側縁部の裏面又は前記第2の紙基材の左右側の一方の側縁部の表面に、プリンタ熱定着部のトナー定着用加熱および加圧ロール部で前記第1の紙基材と前記第2の紙基材とが接着するように加熱により接着性を有する熱接着性接着剤又は加熱と加圧により接着する熱圧接着性接着剤が塗布され、少なくとも前記第1の紙基材が、透明もしくは半透明性の紙基材であることを特徴とするクリアファイル。
【請求項3】
前記熱接着性接着剤又は前記圧接着性接着剤が、前記クリアファイルにプリンタで印字をする際に、前記クリアファイルの搬送方向と平行となる方向に設けられていることを特徴とする請求項2記載のクリアファイル。
【請求項4】
前記第1の紙基材は、透過濃度0.09以下であって坪量75g/m2以上の条件を満たし、前記第2の紙基材の厚さは、第1の紙基材の厚さと略同じかまたは、前記第1の紙基材よりも厚いことを特徴とする請求項2記載のクリアファイル。
【請求項5】
前記第1の紙基材と前記第2の紙基材とを接着する接着剤の塗布パターンが、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材との間に用紙を挟みこんだ際に、前記用紙と接触する側に凹部又は凸部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のクリアファイル。
【請求項6】
前記第1の基材の表面の少なくとも印字領域部に、インクジェットインクの受容層が塗布されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のクリアファイル。
【請求項7】
連続状態の第1の紙基材と連続状態の第2の紙基材とを重ね合わせて、所定部分で接着する接着工程と、前記第1の紙基材の一方の側縁部に対して、指抜き部と直線部とを連続状態となるように切り込みを形成する半抜き工程と、前記半抜き工程で切り込みが形成された第1の紙基材の部分から外側部分を連続的に分離させるカス取り工程と、を有することを特徴とするクリアファイルの製造方法。
【請求項8】
プリンタトナーの画像形成と定着とが可能な印字適性と、印刷用インキの定着が可能な印刷適性とを有する第1の紙基材と、前記第1の基材の下側に重ね合わされ、前記第1の基材と略同じ大きさを有する第2の紙基材とからなり、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材とが、少なくとも略四角形状を有し、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材は、その底縁部に設けられた接着剤により接着され、前記第1の紙基材の左右側の一方の側縁部の裏面又は前記第2の紙基材の左右側の一方の側縁部の表面に、プリンタ熱定着部のトナー定着用加熱および加圧ロール部で前記第1の紙基材と前記第2の紙基材とが接着するように加熱により接着性を有する熱接着性接着剤又は加熱と加圧により接着する熱圧接着性接着剤が塗布され、プリンタで前記第1の紙基材の表面上にプリントする際に、プリンタ熱定着部のトナー定着用加熱および加圧ロール部の加圧により、前記熱接着性接着剤又は前記熱圧接着性接着剤により前記第1の紙基材と前記第2の紙基材とを接着することを特徴とするクリアファイルの製造方法。
【請求項1】
プリンタトナーの画像形成と定着とが可能な印字適性と、印刷用インキの定着が可能な印刷適性とを有する第1の紙基材と、前記第1の基材の下側に重ね合わされ、前記第1の基材と略同じ大きさを有する第2の紙基材とからなり、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材とが、少なくとも略四角形状を有し、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材は、その左右側の一方の側縁部に設けられた接着剤と、その底縁部に設けられた接着剤とにより接着され、少なくとも前記第1の紙基材が、透明もしくは半透明性の紙基材であり、前記第1の紙基材は、透過濃度0.09以下であって坪量75g/m2以上の条件を満たし、前記第2の紙基材の厚さは、第1の紙基材の厚さと略同じかまたは、前記第1の紙基材よりも厚いことを特徴とするクリアファイル。
【請求項2】
プリンタトナーの画像形成と定着とが可能な印字適性と、印刷用インキの定着が可能な印刷適性とを有する第1の紙基材と、前記第1の基材の下側に重ね合わされ、前記第1の基材と略同じ大きさを有する第2の紙基材とからなり、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材とが、少なくとも略四角形状を有し、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材は、その底縁部に設けられた接着剤により接着され、前記第1の紙基材の左右側の一方の側縁部の裏面又は前記第2の紙基材の左右側の一方の側縁部の表面に、プリンタ熱定着部のトナー定着用加熱および加圧ロール部で前記第1の紙基材と前記第2の紙基材とが接着するように加熱により接着性を有する熱接着性接着剤又は加熱と加圧により接着する熱圧接着性接着剤が塗布され、少なくとも前記第1の紙基材が、透明もしくは半透明性の紙基材であることを特徴とするクリアファイル。
【請求項3】
前記熱接着性接着剤又は前記圧接着性接着剤が、前記クリアファイルにプリンタで印字をする際に、前記クリアファイルの搬送方向と平行となる方向に設けられていることを特徴とする請求項2記載のクリアファイル。
【請求項4】
前記第1の紙基材は、透過濃度0.09以下であって坪量75g/m2以上の条件を満たし、前記第2の紙基材の厚さは、第1の紙基材の厚さと略同じかまたは、前記第1の紙基材よりも厚いことを特徴とする請求項2記載のクリアファイル。
【請求項5】
前記第1の紙基材と前記第2の紙基材とを接着する接着剤の塗布パターンが、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材との間に用紙を挟みこんだ際に、前記用紙と接触する側に凹部又は凸部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のクリアファイル。
【請求項6】
前記第1の基材の表面の少なくとも印字領域部に、インクジェットインクの受容層が塗布されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のクリアファイル。
【請求項7】
連続状態の第1の紙基材と連続状態の第2の紙基材とを重ね合わせて、所定部分で接着する接着工程と、前記第1の紙基材の一方の側縁部に対して、指抜き部と直線部とを連続状態となるように切り込みを形成する半抜き工程と、前記半抜き工程で切り込みが形成された第1の紙基材の部分から外側部分を連続的に分離させるカス取り工程と、を有することを特徴とするクリアファイルの製造方法。
【請求項8】
プリンタトナーの画像形成と定着とが可能な印字適性と、印刷用インキの定着が可能な印刷適性とを有する第1の紙基材と、前記第1の基材の下側に重ね合わされ、前記第1の基材と略同じ大きさを有する第2の紙基材とからなり、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材とが、少なくとも略四角形状を有し、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材は、その底縁部に設けられた接着剤により接着され、前記第1の紙基材の左右側の一方の側縁部の裏面又は前記第2の紙基材の左右側の一方の側縁部の表面に、プリンタ熱定着部のトナー定着用加熱および加圧ロール部で前記第1の紙基材と前記第2の紙基材とが接着するように加熱により接着性を有する熱接着性接着剤又は加熱と加圧により接着する熱圧接着性接着剤が塗布され、プリンタで前記第1の紙基材の表面上にプリントする際に、プリンタ熱定着部のトナー定着用加熱および加圧ロール部の加圧により、前記熱接着性接着剤又は前記熱圧接着性接着剤により前記第1の紙基材と前記第2の紙基材とを接着することを特徴とするクリアファイルの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−121216(P2011−121216A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−279104(P2009−279104)
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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