説明

クリアファイル加工処理装置

【課題】操作性の向上を図ること。
【解決手段】レバー50の操作によって上下ローラー18、20間に間隙を形成し、ストッパー46をハンドル54に近接させて、ハンドル54に対するロックを解除した状態で、ハンドル54を回転させると、挿入対象物70を載せたクリアファイル12と粘着フィルム25が上下ローラー18、20に挿入され、このとき、レバー50を押し下げると、上下ローラー18、20により、挿入対象物70を含むクリアファイル12と粘着フィルム25が圧着される。この後、ハンドル54を回転させると、挿入対象物70を含むクリアファイル12と粘着フィルム25が順次排出され、クリアファイル12が排出された後、ストッパー46はハンドル54から離れる方向に移動させると、ストッパー46内のカッター48によって粘着フィルム25が切断される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリアファイルに粘着フィルムを圧着して、クリアファイルに各種の処理を施すことができるクリアファイル加工処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
クリアファイルに各種の処理を施すに玩具として、例えば、クリアファイルに好みの色の粘着フィルムを貼り附けたり、クリアファイルと粘着フィルムとの間に各種のキャラクタなどで構成された挿入物を挿入し、クリアファイルと粘着フィルムとを挿入物を間にして貼り合わせるようにしたりするものが提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
クリアファイルと粘着フィルムとを挿入物を間にして貼り合わせるに際して、従来の玩具では、クリアファイルに各種の処理を施すのに手間を要するので、より操作が簡単なものが望まれていた。
【0004】
本発明は、前記従来技術の課題に鑑みて為されたものであり、その目的は、クリアファイルに処理を施すための操作をより簡単にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本発明は、クリアファイルを搬送するための搬送路を有する筐体と、前記搬送路を間に相対向して前記筐体に回転自在に配置された一対のローラーと、前記筐体の搬送路に隣接して配置されて前記クリアファイルを収納するトレーと、前記筐体に回転自在に配置されてロール状に巻かれた粘着フィルムを回転自在に支持するフィルムロールと、前記筐体のうち前記各ローラーよりも前記搬送路の排出側において前記搬送路と交差する方向に摺動自在に配置されたストッパーと、前記一対のローラーのうち一方のローラーの軸方向一端側に固定されて、圧着操作または離間操作に応じた回転力を前記一方のローラーに付与するレバーと、前記一方のローラーの軸方向他端側に固定されて、前記レバーの圧着操作により前記一方のローラーと他方のローラーとを互いに圧着させ、前記レバーの離間操作により前記一方のローラーと前記他方のローラーを互いに離間させるカム機構と、前記他方のローラーの軸方向一端側に固定されて搬送操作に応じた回転力を前記他方のローラーに付与するハンドルと、前記ストッパーの摺動領域近傍に配置されて前記ストッパーとの当接により前記ハンドルの回転を阻止し、前記ストッパーが離間したときには前記ハンドルに対する回転阻止を解除するハンドル規制部材とを備え、前記ストッパーは、前記搬送路の途中に配置されたときに、前記各ローラー間から排出されたクリアファイルと粘着フィルムの移動を阻止してなるクリアファイル加工処理装置を構成したものである。
【0006】
前記クリアファイル加工処理装置を構成するに際しては、前記ストッパーには、前記粘着フィルムを切断するためのカッターが固定され、前記ストッパーの前記搬送路と交差する方向への摺動により、前記カッターで前記粘着フィルムを切断してなる機能を付加することができ、また、前記一対のローラーは、前記トレーから前記クリアファイルとともに、前記クリアファイル上に配置された挿入対象物が搬送されたときには、前記レバーの圧着操作により、前記挿入対象物を間にして前記粘着フィルムと前記クリアファイルとを互いに圧着してなる機能を付加することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、操作性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を実施例に従って説明する。図1は、本発明の一実施例を示すクリアファイル加工処理装置の平面図、図2は、クリアファイル加工処理装置の正面図、図3は、クリアファイル加工処理装置の右側面断面図、図4は、クリアファイル加工処理装置の左側面断面図、図5は、レバーの押し上げ操作を説明するための要部側面図、図6は、レバーの押し下げ操作を説明するための要部側面図、図7は、ハンドルに対するロック状態を説明するための要部斜視図、図8は、ハンドルに対するロック解除状態を説明するための要部斜視図、図9は、クリアファイルと粘着フィルムの搬送状態を説明するための要部断面図、図10は、加工処理前の状態を示すクリアファイル加工処理装置の斜視図、図11は、加工処理後の状態を示すクリアファイル加工処理装置の斜視図である。
【0009】
これらの図において、クリアファイル加工処理装置10は、例えば、クリアファイル12に各種の処理を施すための玩具として、筐体の一要素となるベース14を備えており、ベース14の略中間部にはクリアファイル12を搬送するための搬送路16が平板状に形成されている。搬送路16の近傍には、上ローラー18と下ローラー20が搬送路16を間にして相対向した配置されており、上ローラー18はシャフト22を介してベース14に回転自在に支持され、下ローラー20はシャフト24を介してベース14に回転自在に支持されている。上ローラー18の斜め上方には、ロール状に巻かれた粘着フィルム25が挿着されたフィルムロール26が配置されており、フィルムロール26はシャフト28を介してベース14に回転自在に支持されている。上ローラー18、下ローラー20、フィルムロール26の軸方向両端側はサイドカバー30、32によって覆われており、各サイドカバー30、32にはベース14に着脱自在に挿着されている。ベース14の搬入側には、搬送路16の延長線上に、クリアファイル12を収納するためのトレー34がシャフト36を介して回動自在に連結されており、トレー34には補助用トレー38が摺動自在に連結されている。トレー38の端部には、シャフト40を介してトレー支え42が回動自在に連結されている。各トレー34、38上にはクリアファイル12が配置されている。
【0010】
一方、ベース14の搬出側には、搬送路16と交差する方向、すなわち、搬送路16と直交する方向に、凹部44が直線状に形成されており、この凹部44には、ストッパー46が摺動自在に配置されている。このストッパー46は、凹部44を摺動路として、摺動路に沿って移動可能に配置され、凹部44のうち搬送路16を含む領域に配置されたときには、搬入側から搬送路16上に挿入されたクラアファイル12や粘着フィルム25の排出側への移動を阻止するようになっている。また、ストッパー46には、粘着フィルム25を切断するためのカッター48が内蔵されている。
【0011】
サイドカバー30に隣接してレバー50が配置されており、このレバー50は、上ローラー18のシャフト22の軸方向一端側に固定されている。シャフト22の軸方向他端側にはカム52が固定されている。カム52は、図5に示すように、カム機構の一要素として、レバー52が上方に押し上げられる離間操作されたときには、その一端側が下ローラー20に当接して、上ローラー18と下ローラー20とを互いに離間させて、上ローラー18と下ローラー20との間に間隙を形成し、一方、図6に示すように、レバー52が下方向に押し下げられる圧着操作されたときには、その一端側が下ローラー20から離れ、上ローラー18と下ローラー20を互いに密着させるようになっている。
【0012】
一方、サイドカバー32に隣接してハンドル54が配置されており、このハンドル54は下ローラー20のシャフト24に固定されている。ハンドル54を矢印方向に沿って搬送操作すると、搬送操作に応じた回転力をシャフト24を介して下ローラー20に付与するようになっている。この場合、ストッパー46がハンドル54近傍に配置されて、ハンドル54に対するロックが解除されていることを条件に、ハンドル54を搬送操作すると、下ローラー20が回転し、下ローラー20上のクリアファイル12を搬出側に送り出せるようになっている。
【0013】
ハンドル54の近傍には、ストッパー46と連動して、ハンドル54のロックまたはロック解除を行うハンドル規制部材として、ラチェット56とハンドルロックアーム58が配置されている(図7、図8参照)。ラチェット56は、円板60の外周に複数の刃62を有し、円板60がシャフト64を介してベース14に回転自在に支持されている。ハンドルロックアーム58は、シャフト66を介してベース14に回転自在に支持されており、一端側がラチェット56の回転領域内またはストッパー46の摺動領域内に配置されている。ハンドルロックアーム58の他端側の回転領域内には補助ストッパー68が配置されている。すなわち、ハンドルロックアーム58は、ストッパー46がハンドルロックアーム58から離れているときには、ハンドルロックアーム58の一端側がラチェット56の刃62と噛み合って、ハンドル54の回転を阻止するロック状態となり、ストッパー46がハンドルロックアーム58の一端側に当接したときにのみ他端側が補助ストッパー68から離れ、ラチェット56の刃62との噛み合いが解除され、ハンドル54に対するロックを解除するようになっている。
【0014】
上記構成によるクリアファイル加工処理装置10を用いてクリアファイル12に各種の加工を施すに際しては、まず、フィルムロール26に粘着フィルム25を挿着するとともに、トレー34、38上のクリアファイル12を配置する。次に、クリアファイル12上に、キャラクタなどの挿入対象物70を配置する。この後、ストッパー46を搬送路16の中ほどに配置するとともに、レバー50を上方に押し上げる離間操作を行う。これにより、上ローラー18と下ローラー20との間に間隙が形成され、この間隙内に、搬送側からクリアファイル12と粘着フィルム25をストッパー46と当接するまで挿入する(図9、図10参照)。クリアファイル12と粘着フィルム25の先端側がストッパー46に当接したときには、クリアファイル12と粘着フィルム25に関する位置決めを終了する。
【0015】
次に、ストッパー46をハンドル54近傍まで摺動させて、ストッパー46をハンドルロックアーム58の一端側に当接させ、ハンドル54に対するロックを解除するとともに、レバー50を下方に押し下げる圧着操作を行い、上ローラー18と下ローラー20とをクリアファイル12および粘着フィルム25の先端側を間にした互いに圧着させる。この後、ハンドル54を搬送操作すると、クリアファイル12および粘着フィルム25が互いに圧着された状態で搬出側から順次搬出される。このとき、挿入対象物70は、ファイル12と粘着フィルム25との間に挿入された状態で、かつクリアファイル12および粘着フィルム25に圧着された状態で搬出される。挿入対象物70がキャラクタであれば、クリアファイル12にキャラクタが写し出せるようになる。
【0016】
ハンドル54の搬送操作に伴って、クリアファイル12の後端側が排出されたときには、図11に示すように、ストッパー46をハンドルロックアーム58の一端側から離して、凹部44に沿ってハンドル54から離れる方向に移動すると、ストッパー46内おカッター48によって粘着フィルム25を切断することができる。
【0017】
なお、粘着フィルム25の幅は、クリアファイル12の幅よりも狭いため、クリアファイル12の幅方向両端側には粘着フィルム25が挿着されない余白が形成される。
【0018】
一枚のクリアファイル12に対する処理が終了した後、次のクリアファイル12をトレー34、38上にセットし、同様の操作を行うことで、次のクリアファイル12にも粘着フィルム25で挿入対象物70を挿着することができる。
【0019】
本実施例によれば、レバー50の操作によって上下ローラー18、20の位置を調整し、ストッパー46に位置に応じてハンドル54に対するロック・アンロックを行い、ストッパー46に内蔵されたカッター48で粘着フィルム25を切断するようにしたため、クリアファイル12に処理を施すための操作が容易となり、操作性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施例を示すクリアファイル加工処理装置の平面図である。
【図2】クリアファイル加工処理装置の正面図である。
【図3】クリアファイル加工処理装置の右側面断面図である。
【図4】クリアファイル加工処理装置の左側面断面図である。
【図5】レバーの押し上げ操作を説明するための要部側面図である。
【図6】レバーの押し下げ操作を説明するための要部側面図である。
【図7】ハンドルに対するロック状態を説明するための要部斜視図である。
【図8】ハンドルに対するロック解除状態を説明するための要部斜視図である。
【図9】クリアファイルと粘着フィルムの搬送状態を説明するための要部断面図である。
【図10】加工処理前の状態を示すクリアファイル加工処理装置の斜視図である。
【図11】加工処理後の状態を示すクリアファイル加工処理装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0021】
10 クリアファイル加工処理装置
12 クリアファイル
14 ベース
16 搬送路
18 上ローラー
20 下ローラー
25 粘着フィルム
26 フィルムロール
34、38 トレー
44 凹部
46 ストッパー
48 カッター刃
50 レバー
54 ハンドル
56 ラチェット
58 ハンドルロックアーム
70 挿入対象物


【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリアファイルを搬送するための搬送路を有する筐体と、前記搬送路を間に相対向して前記筐体に回転自在に配置された一対のローラーと、前記筐体の搬送路に隣接して配置されて前記クリアファイルを収納するトレーと、前記筐体に回転自在に配置されてロール状に巻かれた粘着フィルムを回転自在に支持するフィルムロールと、前記筐体のうち前記各ローラーよりも前記搬送路の排出側において前記搬送路と交差する方向に摺動自在に配置されたストッパーと、前記一対のローラーのうち一方のローラーの軸方向一端側に固定されて、圧着操作または離間操作に応じた回転力を前記一方のローラーに付与するレバーと、前記一方のローラーの軸方向他端側に固定されて、前記レバーの圧着操作により前記一方のローラーと他方のローラーとを互いに圧着させ、前記レバーの離間操作により前記一方のローラーと前記他方のローラーを互いに離間させるカム機構と、前記他方のローラーの軸方向一端側に固定されて搬送操作に応じた回転力を前記他方のローラーに付与するハンドルと、前記ストッパーの摺動領域近傍に配置されて前記ストッパーとの当接により前記ハンドルの回転を阻止し、前記ストッパーが離間したときには前記ハンドルに対する回転阻止を解除するハンドル規制部材とを備え、前記ストッパーは、前記搬送路の途中に配置されたときに、前記各ローラー間から排出されたクリアファイルと粘着フィルムの移動を阻止してなるクリアファイル加工処理装置。
【請求項2】
前記ストッパーには、前記粘着フィルムを切断するためのカッターが固定され、前記ストッパーの前記搬送路と交差する方向への摺動により、前記カッターで前記粘着フィルムを切断してなることを特徴とする請求項1に記載のクリアファイル加工処理装置。
【請求項3】
前記一対のローラーは、前記トレーから前記クリアファイルとともに、前記クリアファイル上に配置された挿入対象物が搬送されたときには、前記レバーの圧着操作により、前記挿入対象物を間にして前記粘着フィルムと前記クリアファイルとを互いに圧着してなることを特徴とする請求項1または2に記載のクリアファイル加工処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−190836(P2007−190836A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−11856(P2006−11856)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【出願人】(599064214)株式会社セガ トイズ (32)
【Fターム(参考)】