説明

クリップ

【課題】 付勢手段としてシート状のゴムバンドを使用したクリップであって、クリップ本体に対してゴムバンドの取り付けが簡単で、かつ必要な弾発力が容易に得られ、外観上も美しいクリップを提供する。
【解決手段】 先端に挟持部2、2を有し中間に支持部3を介して互いに開閉自在な1対のアーム5、5と上記挟持部2、2が互いに閉じる方向に弾発する付勢手段8を備えているクリップ1において、上記1対のアーム5、5の内面に筒状の係止部6、6を設け、該係止部6、6には中央部の長手方向にスリット7、7を形成する。又、上記挟持部2、2が互いに近接する方向に常にバネ付勢する手段としてシート状のゴムバンド9の両端に棒状の固定部10、10を形成して、該固定部10、10を上記筒状の係止部6、6に嵌合したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は紙、シート、布やその他種々の用途に使用できる汎用クリップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のクリップのほとんどは、バネ付勢手段として金属ばねを使用しており、シート状のゴムバンドを使用したクリップは見当たらない。ただし、被服用ハンガーに使用しているクリップと書類等を挟みこむ用途に、ゴムバンドを使用したクリップが文献上知られている。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
上記特許文献1のようにバネ付勢手段としてゴムバンドを使用したクリップについては、ゴムバンドがアームの表面に表出しているものが有り(特許文献1の図5)、汎用品として使用するには外観上、あるいは見た目が良くないという問題点がある。
【0004】
また、上記特許文献1の図6のようにリング状のゴムバンドがアームの内面に取り付けられているクリップもあるが、構造上ゴムバンドを取り付けにくいのと、ゴムバンドの弾発力が働きにくい方向に取り付けられているので、必要な弾発力が得られにくいという欠点がある。
【先行技術文献】
【0005】
【特許文献1】実登第3013242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、従来のゴムバンドを使用した公知のものは、バネの弾発力や取付け上の問題及び外観上の問題点があった。
【0007】
本発明は、従来のゴムバンドを使用したクリップの問題点を解決し、金属バネを使ったクリップと同様に市場に広く提供することを目的としている。
【課題を解決しようとする手段】
【0008】
そして本発明は上記目的を達成するために、先端に対象物を挟持する挟持部を有し、中間に支持部を介して互いに開閉自在に組み合わされた1対のアームと、上記挟持部が互いに閉じる方向に弾発する付勢手段を備えているクリップにおいて、上記1対のアームの内面に筒状の係止部を設け、該係止部には中央部の長手方向にスリットを形成する。また、上記挟持部が互いに閉じる方向に常にバネ付勢する付勢手段としてシート状のゴムバンドを使用し、該ゴムバンドの両端に棒状の固定部を形成して、該固定部を上記筒状の係止部に嵌合したものである。
【0009】
このように構成することによって、付勢手段としてのゴムバンドをきわめて簡単に上記1対のアームに取付けることが出来る。また、ゴムバンドの取外しも容易に行うことが出来る。
【0010】
又、ゴムバンドの巾と厚みを変えることにより、必要な弾発力を得ることが出来ると共に、ゴムバンドがアームの表面に表出しないので、外観上もきれいなクリップを提供することが出来る。
【発明の効果】
【0011】
上述したように本発明のクリップは、構造が簡単でゴムバンドを容易にアームに取付けることが出来る。又、簡単に取外しも出来る。
【0012】
又、アームの表面にゴムバンドが表出しないので、外観上もきれいに仕上げることが出来る。
【0013】
さらには,全てのバーツを非金属で構成してあるので、電界、磁界の環境でも何ら影響を受けないと共に、廃棄するときに金属を外すなどして分別する必要もない。
【0014】
そして、本発明のクリップはバネ付勢手段としてゴムバンドを使用しているので、発錆の問題もない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例を示す斜視図であり、(A)はクリップ本体部、(B)はゴムバンドを使用した付勢手段である。
【図2】同実施例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図2に基づいて説明する。
本発明は先端に対象物を挟持する挟持部2、2を有し、その中間にプラスチックの薄肉ヒンジを使用した支持部3を介して、他端側に操作部4、4を設けた1対のアーム5、5を互いに開閉自在に組み合わせ、該アーム5、5の内面に筒状の係止部6、6を設けると共に、該係止部6、6のそれぞれ中央部の長手方向にスリット7、7を形成する。
【0017】
又、上記挟持部2、2が互いに閉じる方向に常にバネ付勢する付勢手段8として、シート状のゴムバンド9の両端に棒状の固定部10、10を形成し、該固定部10、10を上記筒状の係止部6、6に嵌合する。
【0018】
このように構成することによって、上記付勢手段8をきわめて簡単に上記筒状の係止部6、6に嵌合することが出来る。又、上記付勢手段8の取外しも容易に行うことが出来る。
【0019】
以下にクリップの動作を説明する。操作部4、4を指で押圧すると、アーム5、5は支持部3を介して回動し挟持部2、2がゴムバンド9の弾発力に、逆らって互いに遠ざかる方向に開く。
【0020】
この開いた状態で対象物を挟みこんだ後、指を離すと上記ゴムバンドの弾発力によって、挟持部2、2が互いに近接する方向にばね付勢して対象物を挟み止めることが出来る。
【0021】
このように1対のアーム5、5の内面にスリット7、7を形成した筒状の係止部6、6を設ければ、簡単にゴムバンド9をアーム5、5に取付けることが出来る。
【符号の説明】
【0022】
1 クリップ
2 挟持部
3 支持部
4 操作部
5 アーム
6 係止部
7 スリット
8 付勢手段
9 ゴムバンド
10 固定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端に挟持部を有し、その中間支持部を介して開閉自在な1対のアームと、上記挟持部が閉じる方向に弾発する付勢手段を備えたクリップにおいて、上記両アームの内面に筒状の係止部を設け、該係止部にスリットを形成すると共に、上記付勢手段はシート状のゴムバンドからなり、該ゴムバンドの両端に棒状の固定部を形成し、該固定部を上記筒状の係止部に嵌合したことを特徴とするクリップ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−184839(P2012−184839A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66687(P2011−66687)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(509303992)
【Fターム(参考)】