クリップ
【課題】
取り付け、取り外しが容易で固定がしっかりしたクリップを提供する。
【解決手段】
クリップ1は,回転支持部5と先端部に患者の着衣を把持する第1の把持部3a,3bが設けられ、前期回転支持部5を介して該回転支持部5の軸回りに、それぞれ回転するように連結された一対の挟持部2a,2bと、前記第1の把持部3a,3bと前記回転支持部5との間に、チューブを把持する第2の把持部8a,8bを備える。
取り付け、取り外しが容易で固定がしっかりしたクリップを提供する。
【解決手段】
クリップ1は,回転支持部5と先端部に患者の着衣を把持する第1の把持部3a,3bが設けられ、前期回転支持部5を介して該回転支持部5の軸回りに、それぞれ回転するように連結された一対の挟持部2a,2bと、前記第1の把持部3a,3bと前記回転支持部5との間に、チューブを把持する第2の把持部8a,8bを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はクリップに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、チューブ及びコード類の保持具が記載されている。このチューブ及びコード類の保持具は、治療、処置等に使用する液体及び気体等を流通させるチューブ及び若しくはコード類の2本以上を、内側にスポンジ等のような緩衝材を使用してなる対向する板状物の間に通し、該板状物を止め具又はテープで止めてチューブ及び若しくはコード類を保持している。
ところで、従来、透析チューブを患者の手に持たせておくと、透析中に、透析チューブがベッドの横に垂れ下がってしまう。
しかし、看護士が血圧を測るため、透析中の患者に近づく際に、透析チューブが垂れ下がっていると作業の邪魔になったり、看護士が透析チューブにひかかってしまったりすることがある。
そこで、現在は、図8に示すように透析チューブは患者の肩口にテープで固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−219181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、テープ固定では、例えば、衣服の生地がシルク等であると滑りやすいため、簡単にはがれてしまう欠点を有していた。また、テープののり(粘着材)により衣服が汚れてしまう欠点も有していた。
本発明は、簡単に取り付け、取り外しができるクリップを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の構成は、回転支持部と先端に患者の着衣を把持する第1の把持部が設けられ、前期回転支持部を介して該回転支持部の軸回りに、それぞれ回転するように連結された一対の挟持部材と、前記第1の把持部が閉じる力を発生するばね部材とを備えたクリップにおいて、前記第1の把持部と前記回転支持部との間に、チューブを把持する第2の把持部を備えたことを特徴とするものである。
【0006】
本発明の第2の構成は、前記第2の把持部は、前記一対の挟持部材のリブの内側凹み部に貼り付けことを特徴とするものである。
【0007】
本発明の第3の構成は、前記チューブの材質は塩化ビニルであり、前記第2の把持部の材質はEPDMの発泡体であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1〜3記載のクリップによれば、簡単に取り付け、取り外しができる。
【0009】
特に、請求項2記載のクリップによれば、第2の把持部が、一対の挟持部材のリブの内側凹み部に貼り付けられているので、第2の把持部の位置ずれが抑制される。
【0010】
請求項3記載のクリップによれば、チューブの材質が塩化ビニルであり、第2の把持部の材質がEPDMの発泡体であるので、透析中に患者が無意識に透析回路(透析チューブ)を引っ張ったとき、透析チューブと第2の把持部との間に摩擦力が発生し抵抗力を感じ得るので、透析チューブを引っ張ってはいけないと、悟らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係るクリップが透析チューブを把持した状態を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】図1のC−C断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係るクリップが透析チューブを把持したときの状態を後方から見た斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に係るクリップの先端部を開いた状態の斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係るクリップを患者の肩口の着衣に把持したときの状態を示す写真である。
【図8】従来の患者の肩口に透析チューブをテープ固定したときの状態を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係るクリップ1は、一対の挟持部材2a,2b、回転支持部材5、及びばね部材12を備えている。
【0013】
一対の挟持部材2a,2bは同一形状であり、その材質はポリプロピレン樹脂で成形されている。ポリプロピレン樹脂は、耐アルコールにすぐれているので、病院内でのアルコール消毒をしても劣化が抑えられる。
【0014】
挟持部材2a,2bの先端部には、患者の着衣を把持する第1の把持部3a,3bが設けられている。
第1の把持部3a,3bは、それぞれ同一形状であり、その材質はエラストマー樹脂である。エラストマー樹脂は、ポリピロプレン樹脂より軟らかいため、患者の着衣が傷みにくい。
又、第1の把持部3a、3bの生地と接触する部分(第1の把持部3aと第1の把持部3bが対抗する面)には、突起6a,6bを設けられており、滑り止め作用を奏する。
第1の把持部3a,3bには、図2に示す突起部7a,7bが設けられている。一方、挟持部材2a、2bの先端部には、開口した部分が狭くなった凹み部4a,4bが形成されている。第1の把持部3a,3bは、それぞれ、突起部7a、7bが凹み部4a、4bに嵌ることによって、挟持部材2a,2bに取り付けられている。
【0015】
挟持部材2a,2bの、第1の把持部3a,3bと回転支持部5との間には、例えば2本の透析チューブ(チューブの一例)9を把持する第2の把持部8a,8bが設けられている。詳細には、挟持部材2a、2bの第1の把持部3a、3bが設けられた側の面の外周にそれぞれリブ13a、13bが設けられており、このリブ13a、13bによって形成された凹み部20a、20bの底面に、それぞれ第2の把持部8a、8bが貼り付けられている。
なお、日本国内においては、透析チューブ9の外径は、細い方でφ5.5mm、太い方でφ6.8mmであるが、本発明のクリップは全て対応可能である。
第2の把持部8a、8bが把持できるチューブは、2本に限定されるものではなく、1本だけであっても良い。更に、第2の把持部8a、8bが把持する2本のチューブのうち、一方のチューブを例えば外径がφ4.0〜φ10.0mmの鋼管とすることもできる。このパイプは、例えば、点滴スタンドの鋼管である。
チューブは、例えば外径が、φ4.0〜φ5.0mmの点滴用又は酸素吸入用チューブとすることができる。
第2の把持部8a,8bの材質は、EPDMの発泡体である。EPDMの発泡体は汎用ゴムの中で耐久性、耐候性、耐寒性、耐熱性、耐薬品性(酸、アルカリ)、及び耐アルコール性に優れている。EPDMの発泡体は、柔軟な素材のため、圧縮しやすく、復元力も優れている。第2の把持部8a、8bは、それぞれ、例えば、日東電工株式会社製のエプトシーラー(商標登録)である。EPDMの発泡体は、表面が適度の肌荒れ状態のため、表面が平滑な塩化ビニル製の透析チューブ9との摩擦係数が比較的大きな値となる。そのため、EPDMの発泡体の撓みによる押え付け力は小さいが、透析チューブ9を引っ張ったときの摩擦力(患者が受ける抵抗感となる)は大きな値となる。ここで、この摩擦力は、600〜900gとなることが好ましく、750〜850gとなることが更に好ましい。ちなみに、この摩擦力は、第2の把持部8a,8bが把持した2本の透析チューブ9を、第2の把持部8a、8bから、5cm離れた位置を紐で縛り、この紐をばねばかりを用いて、透析チューブを引きぬく方向に引っ張って測定した値である。
従って、透析中に患者が無意識に透析チューブ9を引っ張ったときは、抵抗感を受けるので、患者は透析チューブ9を引っ張ってはいけないことを悟ることができる。
【0016】
回転支持部5は、両端に抜け止め用フランジ11が形成された、所定の長さのパイプのである。抜け止め用フランジ11は、熱溶着により折り曲げて形成されている。回転支持部5の材質は、ポリエチレン樹脂である。ポリエチレン樹脂も耐アルコールに優れている。
ばね部材12は、図2に示すように、長手方向の中央部にて曲げられ、先端部に内側に折り曲げられたV字形状部16a、16bが形成されている。
ばね部材12は、例えば、ばね鋼板をプレスで折り曲げた後に、ニッケルメッキ処理された部材である。
ばね部材12は、曲げられた中央部の内側が回転支持部5のパイプの外周に接して配置され、V字形状部16a、16bが、それぞれ、挟持部材2a,2bの外側に形成された凹み部17a、17bに嵌る。
【0017】
次に、クリップ1の使用方法について説明する。
まず、看護士が例えば左手で2本の透析チューブ9を水平にして、平行に掴み、右手の親指と人指し指でクリップ1の指当て部10a,10bを摘めば、クリップ1の先端部(第1の把持部3a、3b及び第2の把持部8a、8b)が開く。
次に、2本の透析チューブ9を第2の把持部3a,3bに軽く押し込む。
最後に、図7に示すように、クリップ1の第1の把持部3a,3bを患者肩口の着衣に挟めば簡単に取り付けできる。
なお、第2の把持部3a、3bに把持された透析チューブ9は、大きくつぶれたり、大きく変形したりすることが無い。
【0018】
次に、クリップ1の組み立て方法について説明する。
第2の把持部8a、8bとなるEPDMの発泡体は、あらかじめ、抜き型でハーフカットされた状態の直方体状になっており、裏側(透析チューブ9を把持する面とは反対側)には、アクリル系粘着剤がついている。
まず、剥離ライナーから直方体状のEPDMの発泡体を剥し取り、このEPDMの発泡体を第1の把持部3a、3bと回転支持部5との間のリブ13a、13bの内側凹み部20a、20bに貼り付けることによって、挟持部材2a、2bが完成する。
【0019】
なお、EPDMの発泡体を貼り付ける際、リブ13a、13bを位置決めの基準とすることによって、貼り付けずれ(位置ずれ)が抑制され、作業性が向上する。
【0020】
次に、第1の把持部材3a、3bの取り付け方向を確認して、挟持部材2a、2bの凹み部4a,4bに位置合わせして押し込めば組み立てが出来る。
【0021】
最後に、第1の把持部3a、3bと第2の把持部材8a、8bとを一対の挟持部材2a、2bに取り付け、回転支持部5を挟み込み、ばね部材12の先端部のV字形状部16a、16bを挟持部材2a、2bの凹み部17a、17bに専用治具でP方向(図2)に押し込めば、抜け止めとなりクリップ1の組み立てが完成する。
【符号の説明】
【0022】
1:クランプ
2a,2b:挟持部材
3a,3b:第1の把持部
4a,4b:凹み部
5:回転支持部
6a,6b:突起
7a,7b:突起部
8a,8b:第2の把持部
9:透析チューブ
10a,10b:指当て部
11:抜け止め用フランジ
12:ばね部材
13a、13b:リブ
14:テープ
16a、16b:V字形状部
17a、17b:凹み部
20a、20b:凹み部
【技術分野】
【0001】
本発明はクリップに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、チューブ及びコード類の保持具が記載されている。このチューブ及びコード類の保持具は、治療、処置等に使用する液体及び気体等を流通させるチューブ及び若しくはコード類の2本以上を、内側にスポンジ等のような緩衝材を使用してなる対向する板状物の間に通し、該板状物を止め具又はテープで止めてチューブ及び若しくはコード類を保持している。
ところで、従来、透析チューブを患者の手に持たせておくと、透析中に、透析チューブがベッドの横に垂れ下がってしまう。
しかし、看護士が血圧を測るため、透析中の患者に近づく際に、透析チューブが垂れ下がっていると作業の邪魔になったり、看護士が透析チューブにひかかってしまったりすることがある。
そこで、現在は、図8に示すように透析チューブは患者の肩口にテープで固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−219181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、テープ固定では、例えば、衣服の生地がシルク等であると滑りやすいため、簡単にはがれてしまう欠点を有していた。また、テープののり(粘着材)により衣服が汚れてしまう欠点も有していた。
本発明は、簡単に取り付け、取り外しができるクリップを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の構成は、回転支持部と先端に患者の着衣を把持する第1の把持部が設けられ、前期回転支持部を介して該回転支持部の軸回りに、それぞれ回転するように連結された一対の挟持部材と、前記第1の把持部が閉じる力を発生するばね部材とを備えたクリップにおいて、前記第1の把持部と前記回転支持部との間に、チューブを把持する第2の把持部を備えたことを特徴とするものである。
【0006】
本発明の第2の構成は、前記第2の把持部は、前記一対の挟持部材のリブの内側凹み部に貼り付けことを特徴とするものである。
【0007】
本発明の第3の構成は、前記チューブの材質は塩化ビニルであり、前記第2の把持部の材質はEPDMの発泡体であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1〜3記載のクリップによれば、簡単に取り付け、取り外しができる。
【0009】
特に、請求項2記載のクリップによれば、第2の把持部が、一対の挟持部材のリブの内側凹み部に貼り付けられているので、第2の把持部の位置ずれが抑制される。
【0010】
請求項3記載のクリップによれば、チューブの材質が塩化ビニルであり、第2の把持部の材質がEPDMの発泡体であるので、透析中に患者が無意識に透析回路(透析チューブ)を引っ張ったとき、透析チューブと第2の把持部との間に摩擦力が発生し抵抗力を感じ得るので、透析チューブを引っ張ってはいけないと、悟らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係るクリップが透析チューブを把持した状態を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B断面図である。
【図4】図1のC−C断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係るクリップが透析チューブを把持したときの状態を後方から見た斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に係るクリップの先端部を開いた状態の斜視図である。
【図7】本発明の実施形態に係るクリップを患者の肩口の着衣に把持したときの状態を示す写真である。
【図8】従来の患者の肩口に透析チューブをテープ固定したときの状態を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態に係るクリップ1は、一対の挟持部材2a,2b、回転支持部材5、及びばね部材12を備えている。
【0013】
一対の挟持部材2a,2bは同一形状であり、その材質はポリプロピレン樹脂で成形されている。ポリプロピレン樹脂は、耐アルコールにすぐれているので、病院内でのアルコール消毒をしても劣化が抑えられる。
【0014】
挟持部材2a,2bの先端部には、患者の着衣を把持する第1の把持部3a,3bが設けられている。
第1の把持部3a,3bは、それぞれ同一形状であり、その材質はエラストマー樹脂である。エラストマー樹脂は、ポリピロプレン樹脂より軟らかいため、患者の着衣が傷みにくい。
又、第1の把持部3a、3bの生地と接触する部分(第1の把持部3aと第1の把持部3bが対抗する面)には、突起6a,6bを設けられており、滑り止め作用を奏する。
第1の把持部3a,3bには、図2に示す突起部7a,7bが設けられている。一方、挟持部材2a、2bの先端部には、開口した部分が狭くなった凹み部4a,4bが形成されている。第1の把持部3a,3bは、それぞれ、突起部7a、7bが凹み部4a、4bに嵌ることによって、挟持部材2a,2bに取り付けられている。
【0015】
挟持部材2a,2bの、第1の把持部3a,3bと回転支持部5との間には、例えば2本の透析チューブ(チューブの一例)9を把持する第2の把持部8a,8bが設けられている。詳細には、挟持部材2a、2bの第1の把持部3a、3bが設けられた側の面の外周にそれぞれリブ13a、13bが設けられており、このリブ13a、13bによって形成された凹み部20a、20bの底面に、それぞれ第2の把持部8a、8bが貼り付けられている。
なお、日本国内においては、透析チューブ9の外径は、細い方でφ5.5mm、太い方でφ6.8mmであるが、本発明のクリップは全て対応可能である。
第2の把持部8a、8bが把持できるチューブは、2本に限定されるものではなく、1本だけであっても良い。更に、第2の把持部8a、8bが把持する2本のチューブのうち、一方のチューブを例えば外径がφ4.0〜φ10.0mmの鋼管とすることもできる。このパイプは、例えば、点滴スタンドの鋼管である。
チューブは、例えば外径が、φ4.0〜φ5.0mmの点滴用又は酸素吸入用チューブとすることができる。
第2の把持部8a,8bの材質は、EPDMの発泡体である。EPDMの発泡体は汎用ゴムの中で耐久性、耐候性、耐寒性、耐熱性、耐薬品性(酸、アルカリ)、及び耐アルコール性に優れている。EPDMの発泡体は、柔軟な素材のため、圧縮しやすく、復元力も優れている。第2の把持部8a、8bは、それぞれ、例えば、日東電工株式会社製のエプトシーラー(商標登録)である。EPDMの発泡体は、表面が適度の肌荒れ状態のため、表面が平滑な塩化ビニル製の透析チューブ9との摩擦係数が比較的大きな値となる。そのため、EPDMの発泡体の撓みによる押え付け力は小さいが、透析チューブ9を引っ張ったときの摩擦力(患者が受ける抵抗感となる)は大きな値となる。ここで、この摩擦力は、600〜900gとなることが好ましく、750〜850gとなることが更に好ましい。ちなみに、この摩擦力は、第2の把持部8a,8bが把持した2本の透析チューブ9を、第2の把持部8a、8bから、5cm離れた位置を紐で縛り、この紐をばねばかりを用いて、透析チューブを引きぬく方向に引っ張って測定した値である。
従って、透析中に患者が無意識に透析チューブ9を引っ張ったときは、抵抗感を受けるので、患者は透析チューブ9を引っ張ってはいけないことを悟ることができる。
【0016】
回転支持部5は、両端に抜け止め用フランジ11が形成された、所定の長さのパイプのである。抜け止め用フランジ11は、熱溶着により折り曲げて形成されている。回転支持部5の材質は、ポリエチレン樹脂である。ポリエチレン樹脂も耐アルコールに優れている。
ばね部材12は、図2に示すように、長手方向の中央部にて曲げられ、先端部に内側に折り曲げられたV字形状部16a、16bが形成されている。
ばね部材12は、例えば、ばね鋼板をプレスで折り曲げた後に、ニッケルメッキ処理された部材である。
ばね部材12は、曲げられた中央部の内側が回転支持部5のパイプの外周に接して配置され、V字形状部16a、16bが、それぞれ、挟持部材2a,2bの外側に形成された凹み部17a、17bに嵌る。
【0017】
次に、クリップ1の使用方法について説明する。
まず、看護士が例えば左手で2本の透析チューブ9を水平にして、平行に掴み、右手の親指と人指し指でクリップ1の指当て部10a,10bを摘めば、クリップ1の先端部(第1の把持部3a、3b及び第2の把持部8a、8b)が開く。
次に、2本の透析チューブ9を第2の把持部3a,3bに軽く押し込む。
最後に、図7に示すように、クリップ1の第1の把持部3a,3bを患者肩口の着衣に挟めば簡単に取り付けできる。
なお、第2の把持部3a、3bに把持された透析チューブ9は、大きくつぶれたり、大きく変形したりすることが無い。
【0018】
次に、クリップ1の組み立て方法について説明する。
第2の把持部8a、8bとなるEPDMの発泡体は、あらかじめ、抜き型でハーフカットされた状態の直方体状になっており、裏側(透析チューブ9を把持する面とは反対側)には、アクリル系粘着剤がついている。
まず、剥離ライナーから直方体状のEPDMの発泡体を剥し取り、このEPDMの発泡体を第1の把持部3a、3bと回転支持部5との間のリブ13a、13bの内側凹み部20a、20bに貼り付けることによって、挟持部材2a、2bが完成する。
【0019】
なお、EPDMの発泡体を貼り付ける際、リブ13a、13bを位置決めの基準とすることによって、貼り付けずれ(位置ずれ)が抑制され、作業性が向上する。
【0020】
次に、第1の把持部材3a、3bの取り付け方向を確認して、挟持部材2a、2bの凹み部4a,4bに位置合わせして押し込めば組み立てが出来る。
【0021】
最後に、第1の把持部3a、3bと第2の把持部材8a、8bとを一対の挟持部材2a、2bに取り付け、回転支持部5を挟み込み、ばね部材12の先端部のV字形状部16a、16bを挟持部材2a、2bの凹み部17a、17bに専用治具でP方向(図2)に押し込めば、抜け止めとなりクリップ1の組み立てが完成する。
【符号の説明】
【0022】
1:クランプ
2a,2b:挟持部材
3a,3b:第1の把持部
4a,4b:凹み部
5:回転支持部
6a,6b:突起
7a,7b:突起部
8a,8b:第2の把持部
9:透析チューブ
10a,10b:指当て部
11:抜け止め用フランジ
12:ばね部材
13a、13b:リブ
14:テープ
16a、16b:V字形状部
17a、17b:凹み部
20a、20b:凹み部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転支持部と、
先端部に患者の着衣を把持する第1の把持部が設けられ、前記回転支持部を介して該回転支持部の軸回りに、それぞれ回転するように連結された一対の挟持部材と、
前記第1の把持部が閉じる力を発生するばね部材と、
を備えたクリップにおいて、
前記第1の把持部と回転支持部との間に、チューブを把持する第2の把持部を備えた
ことを特徴とするクリップ。
【請求項2】
請求項1記載のクリップにおいて、
前記第2の把持部は、前記一対の挟持部材のリブの内側凹み部に貼り付けられたことを特徴とするクリップ。
【請求項3】
請求項1又は2記載のクリップにおいて、
前記チューブの材質は塩化ビニルであり、
前記第2の把持部の材質はEDPMの発泡体であることを特徴とするクリップ。
【請求項1】
回転支持部と、
先端部に患者の着衣を把持する第1の把持部が設けられ、前記回転支持部を介して該回転支持部の軸回りに、それぞれ回転するように連結された一対の挟持部材と、
前記第1の把持部が閉じる力を発生するばね部材と、
を備えたクリップにおいて、
前記第1の把持部と回転支持部との間に、チューブを把持する第2の把持部を備えた
ことを特徴とするクリップ。
【請求項2】
請求項1記載のクリップにおいて、
前記第2の把持部は、前記一対の挟持部材のリブの内側凹み部に貼り付けられたことを特徴とするクリップ。
【請求項3】
請求項1又は2記載のクリップにおいて、
前記チューブの材質は塩化ビニルであり、
前記第2の把持部の材質はEDPMの発泡体であることを特徴とするクリップ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2013−56114(P2013−56114A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197481(P2011−197481)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【特許番号】特許第4961536号(P4961536)
【特許公報発行日】平成24年6月27日(2012.6.27)
【出願人】(507313663)
【出願人】(507313674)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【特許番号】特許第4961536号(P4961536)
【特許公報発行日】平成24年6月27日(2012.6.27)
【出願人】(507313663)
【出願人】(507313674)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]