説明

クリーニングカード

【課題】カードを搬送する複数本の駆動ローラが内部に配置されたカード処理装置の駆動ローラを清掃するクリーニングカードにおいて、駆動ローラの清掃効果を高めることが可能なクリーニングカードを提供する。
【解決手段】カードを搬送する複数本の駆動ローラ2〜4が内部に配置されたカード処理装置5の駆動ローラ4を清掃するクリーニングカード1Aは、カードを搬送する際の駆動ローラ2〜4の、カードに当接する部分を当接部2a〜4aとすると、カード処理装置5へ挿入されているときに駆動ローラ4の当接部4aに接触するように形成されている。このクリーニングカード1Aには、カード処理装置5へクリーニングカード1Aが挿入されているときに駆動ローラ2、3の配置位置に配置され、駆動ローラ2、3の当接部2a、3aに接触しないように当接部2a、3aから逃げる逃げ部1bが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード処理装置の内部に配置される駆動ローラを清掃するためのクリーニングカードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カードを搬送する駆動ローラが内部に配置された情報記録再生装置に挿入されて駆動ローラを清掃するクリーニングカードが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のクリーニングカードが挿入される情報記録再生装置の内部には、2本の駆動ローラと、駆動ローラに対向配置されるとともに駆動ローラに向かって付勢される2本の押圧ローラとが配置されており、情報記録再生装置に挿入されたカードは、駆動ローラと押圧ローラとの間に挟まれた状態で搬送される。
【0003】
また、特許文献1に記載のクリーニングカードには、クリーニングカードの幅方向へ突出する突出部が形成されており、情報記録再生装置に挿入されたクリーニングカードは、カードの挿入口に突出部が当接するまで、駆動ローラおよび押圧ローラによって搬送される。カードの挿入口に突出部が当接するまでクリーニングカードが搬送された状態では、クリーニングカードは、2本の駆動ローラと押圧ローラとの間に挟まれている。また、カードの挿入口に突出部が当接した状態でさらに駆動ローラが回転すると、2本の駆動ローラがクリーニングカードに接触した状態で空回りして、クリーニングカードによって、2本の駆動ローラの汚れが除去される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−349268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のクリーニングカードによる駆動ローラの清掃効果を高めるためには、クリーニングカードの厚さを厚くしたり、クリーニングカードの、駆動ローラとの接触面の摩擦係数を高くしたりして、クリーニングカードと駆動ローラとの間の摩擦力を高めれば良い。しかしながら、内部に複数本の駆動ローラが配置されている情報記録再生装置において、クリーニングカードと駆動ローラとの間の摩擦力が大きくなると、複数本の駆動ローラによるクリーニングカードの搬送力が大きくなるため、クリーニングカードに接触している複数本の駆動ローラが空回りせずに、この駆動ローラがロックするおそれがある。クリーニングカードと駆動ローラとの間の摩擦力を大きくしても、駆動ローラがロックしてしまえば、駆動ローラの清掃ができないため、駆動ローラの清掃効果を高めることはできない。
【0006】
そこで、本発明の課題は、カードを搬送する複数本の駆動ローラが内部に配置されたカード処理装置の駆動ローラを清掃するクリーニングカードにおいて、駆動ローラの清掃効果を高めることが可能なクリーニングカードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明は、カードに当接してカードを搬送する複数本の駆動ローラが内部に配置されたカード処理装置の駆動ローラを清掃するクリーニングカードにおいて、カードを搬送する際の駆動ローラの、カードに当接する部分を当接部とすると、クリーニングカードは、カード処理装置へ挿入されているときに、複数本の駆動ローラのうちの少なくとも1本の駆動ローラの当接部には接触するが、複数本の駆動ローラのうちの少なくとも1本の駆動ローラの当接部には接触しないように形成され、クリーニングカードがカード処理装置へ挿入されているときに当接部がクリーニングカードに接触する駆動ローラを第1駆動ローラとすると、クリーニングカードには、クリーニングカードがカード処理装置へ挿入されているときに第1駆動ローラ以外の駆動ローラの配置位置に配置され、第1駆動ローラ以外の駆動ローラの当接部に接触しないように第1駆動ローラ以外の駆動ローラの当接部から逃げる逃げ部が形成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明のクリーニングカードは、カードを搬送する際の駆動ローラの、カードに当接する部分を当接部とすると、カード処理装置へ挿入されているときに、複数本の駆動ローラのうちの少なくとも1本の駆動ローラの当接部には接触するが、複数本の駆動ローラのうちの少なくとも1本の駆動ローラの当接部には接触しないように形成されている。また、クリーニングカードがカード処理装置へ挿入されているときに当接部がクリーニングカードに接触する駆動ローラを第1駆動ローラとすると、本発明のクリーニングカードには、クリーニングカードがカード処理装置へ挿入されているときに第1駆動ローラ以外の駆動ローラの配置位置に配置され、第1駆動ローラ以外の駆動ローラの当接部に接触しないように第1駆動ローラ以外の駆動ローラの当接部から逃げる逃げ部が形成されている。
【0009】
そのため、クリーニングカードの厚さを厚くしたり、駆動ローラとの接触面の摩擦係数を高くしたりして、クリーニングカードと駆動ローラとの間の摩擦力を高めても、駆動ローラを清掃する際にクリーニングカードに接触する駆動ローラの本数を減らして、駆動ローラを清掃する際の、カード処理装置の内部に配置される駆動ローラによるクリーニングカードの搬送力を低減することが可能になる。したがって、本発明では、クリーニングカードと駆動ローラとの間の摩擦力を高めても、駆動ローラを清掃する際に、駆動ローラがロックするのを防止することが可能になり、その結果、駆動ローラの清掃効果を高めることが可能になる。
【0010】
本発明において、クリーニングカードは、カード処理装置へ挿入されているときに1本の駆動ローラの当接部に接触するように形成されていることが好ましい。このように構成すると、駆動ローラを清掃する際にクリーニングカードに接触する駆動ローラの本数を最小にして、カード処理装置の内部に配置される駆動ローラによるクリーニングカードの搬送力をより低減することが可能になる。したがって、クリーニングカードと駆動ローラとの間の摩擦力を高めても、駆動ローラを清掃する際に、駆動ローラがロックするのを効果的に防止することが可能になり、その結果、駆動ローラの清掃効果を効果的に高めることが可能になる。
【0011】
本発明において、逃げ部は、第1駆動ローラ以外の駆動ローラの当接部に接触しないように開口する開口部であることが好ましい。このように構成すると、たとえば、駆動ローラに向かって付勢されるパッドローラが駆動ローラに対向配置されても、逃げ部において、第1駆動ローラ以外の駆動ローラの当接部とクリーニングカードとが接触するのを防止することが可能になる。
【0012】
本発明において、開口部の開口端と、第1駆動ローラ以外の駆動ローラの当接部以外の部分とが接触していることが好ましい。また、この場合には、クリーニングカードには、複数個の開口部が形成され、複数個の開口部の開口端と、複数本の第1駆動ローラ以外の駆動ローラの当接部以外の部分とのそれぞれが接触していることが好ましい。このように構成すると、開口部の開口端を利用して、当接部がクリーニングカードに接触していない駆動ローラ(すなわち、第1駆動ローラ以外の駆動ローラ)の表面を清掃することが可能になる。なお、開口部の開口端が駆動ローラの当接部以外の部分と接触しても、開口端が接触する駆動ローラによるクリーニングカードの搬送力が大幅に増加することはない。
【0013】
本発明において、逃げ部は、カード処理装置へのクリーニングカードの挿入量に応じて、異なる駆動ローラの当接部にクリーニングカードが接触するように、複数個、形成されていることが好ましい。このように構成すると、駆動ローラの清掃効果を高めつつ、クリーニングカードの挿入量を変えることで、1枚のクリーニングカードで複数本の駆動ローラを清掃することが可能になる。
【0014】
本発明において、クリーニングカードには、クリーニングカードがカード処理装置へ挿入されているときに、カード処理装置のカード挿入部に当接してクリーニングカードの挿入方向におけるクリーニングカードの位置を決める位置決め部が形成されていることが好ましい。このように構成すると、クリーニングカードの挿入方向において、クリーニングカードの逃げ部と第1駆動ローラ以外の駆動ローラとの相対位置精度を高めることが可能になる。したがって、逃げ部において、第1駆動ローラ以外の駆動ローラの当接部とクリーニングカードとが接触するのを確実に防止することが可能になる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明では、複数本の駆動ローラが内部に配置されたカード処理装置の駆動ローラを清掃するクリーニングカードを用いて駆動ローラを清掃する場合の、駆動ローラの清掃効果を高めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態にかかるクリーニングカードの構成を説明するための平面図である。
【図2】図1(A)のV−V断面の断面図である。
【図3】図1(A)のW−W断面の断面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態にかかるクリーニングカードの構成を説明するための断面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態にかかるクリーニングカードの構成を説明するための平面図である。
【図6】本発明の他の実施の形態にかかるクリーニングカードの構成を説明するための平面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態にかかるクリーニングカードの構成を説明するための平面図である。
【図8】本発明の他の実施の形態にかかるクリーニングカードの構成を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
(クリーニングカードの構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるクリーニングカード1の構成を説明するための平面図である。図2は、図1(A)のV−V断面の断面図である。図3は、図1(A)のW−W断面の断面図である。
【0019】
本形態のクリーニングカード1は、カードを搬送する複数本の駆動ローラ2〜4が内部に配置されるカード処理装置5の駆動ローラ3、4を清掃するためのカードである。本形態のカード処理装置5は、3本の駆動ローラ2〜4を備えている。また、カード処理装置5は、たとえば、駆動ローラ2〜4によってカードを搬送しながら、カードに記録された磁気データの読取りを行うカードリーダ等のカードの搬送機構を備える装置である。
【0020】
本形態では、カード処理装置5で処理されるカードは、図1等に示すX方向で搬送される。具体的には、X1方向にカードが挿入され、X2方向にカードが排出される。また、クリーニングカード1もX1方向に挿入され、X2方向に排出される。X1方向は、クリーニングカード1の挿入方向であり、X2方向は、クリーニングカード1の排出方向である。また、X方向に略直交する図1のZ方向は、カード処理装置5で処理されるカードおよびクリーニングカード1の厚さ方向であり、X方向とZ方向とに略直交する図1のY方向は、カード処理装置5で処理されるカードおよびクリーニングカード1の幅方向である。なお、以下の説明では、X方向を「前後方向」、Y方向側を「左右方向」、Z方向を「上下方向」とする。
【0021】
カード処理装置5は、カードが挿入、排出されるカード挿入口が形成されるカード挿入部6を備えている。また、カード処理装置5の内部には、カードが搬送されるカード搬送路7が形成されている。駆動ローラ2〜4は、上下方向の一方側からカード搬送路7に臨むように配置されている。また、カード搬送路7には、駆動ローラ2〜4のそれぞれに対向配置されるとともに駆動ローラ2〜4に向かって付勢されるパッドローラ8が配置されている。パッドローラ8は、上下方向の他方側からカード搬送路7に臨むように配置されている。なお、図1では、パッドローラ8の図示を省略している。
【0022】
駆動ローラ2〜4は、たとえば、その表面にゴム層が形成されるゴムローラである。駆動ローラ2〜4には、プーリやベルト等の動力伝達機構を介して駆動用のモータが連結されている。本形態では、駆動用のモータが回転すると、駆動ローラ2〜4が一緒に回転する。駆動ローラ2〜4は、カード挿入口からカード処理装置5の奥側(X1方向側)に向かってこの順番に、かつ、所定の間隔で配置されている。また、駆動ローラ2〜4は、左右方向において、略同じ位置に配置されている。駆動ローラ2〜4は、カードに当接してカードを搬送する。具体的には、パッドローラ8との間にカードを挟んだ状態で、駆動ローラ2〜4はカードを搬送する。
【0023】
本形態では、クリーニングカード1として、図1(A)に示すように、駆動ローラ4を清掃するためのクリーニングカード1Aと、図1(B)に示すように、駆動ローラ3を清掃するためのクリーニングカード1Bとが準備されている。また、本形態では、図1(C)に示すように、駆動ローラ2を清掃するためのクリーニングカードとして、クリーニングカード1とは異なるクリーニングカード11が準備されている。クリーニングカード1、11の、駆動ローラ2〜4に接触する側の面には、駆動ローラ2〜4の表面に付着した塵埃や油等を除去するためのフェルト等の清掃用部材が貼り付けられている。なお、この清掃用部材に、無水エタノール等の有機溶剤を染み込ませても良い。この場合には、駆動ローラ2〜4の清掃効果を高めることが可能になる。
【0024】
クリーニングカード1には、クリーニングカード1がカード処理装置5へ挿入されているときに、カード挿入部6に当接して前後方向におけるクリーニングカード1の位置を決める位置決め部1aが形成されている。位置決め部1aは、クリーニングカード1の排出方向(X2方向)側端に形成されるとともに、左右方向の両側へ広がるように形成されており、クリーニングカード1は、その厚さ方向から見たときの形状が略T形状となるように形成されている。
【0025】
同様に、クリーニングカード11には、クリーニングカード11がカード処理装置5へ挿入されているときに、カード挿入部6に当接して前後方向におけるクリーニングカード11の位置を決める位置決め部11aが形成されている。位置決め部11aは、クリーニングカード11の排出方向側端に形成されるとともに、左右方向の両側へ広がるように形成されており、クリーニングカード11は、その厚さ方向から見たときの形状が略T形状となるように形成されている。
【0026】
カードを搬送する際の駆動ローラ2〜4の、カードに当接する部分を当接部2a〜4aとすると、図1(A)に示すように、クリーニングカード1Aは、位置決め部1aがカード挿入部6に当接するようにクリーニングカード1Aがカード処理装置5へ挿入されているときに、駆動ローラ4の当接部4aに接触するように形成されている。また、クリーニングカード1Aには、このときに、駆動ローラ2、3の当接部2a、3aに接触しないように開口する2個の開口部1bが形成されている。すなわち、クリーニングカード1Aは、位置決め部1aがカード挿入部6に当接するようにカード処理装置5へ挿入されているときに、1本の駆動ローラ4の当接部4aに接触するように形成されている。なお、図1(A)では、便宜上、前後方向において、位置決め部1aとカード挿入部6との間に隙間が形成されている。
【0027】
開口部1bは、位置決め部1aがカード挿入部6に当接するようにクリーニングカード1Aがカード処理装置5へ挿入されているときに、駆動ローラ2、3の配置位置に配置されるように形成されるとともに、駆動ローラ2、3に接触しないように形成されている。この開口部1bは、上下方向でクリーニングカード1Aを貫通するように形成され、また、上下方向から見たときの形状が矩形状となるように形成されている。駆動ローラ4が清掃される際には、駆動ローラ4は、その当接部4aがクリーニングカード1Aに接触する第1駆動ローラである。また、本形態の開口部1bは、クリーニングカード1Aがカード処理装置5へ挿入されているときに、第1駆動ローラである駆動ローラ4以外の駆動ローラ2、3の当接部2a、3aに接触しないように当接部2a、3aから逃げる逃げ部である。
【0028】
クリーニングカード1Bは、図1(B)に示すように、位置決め部1aがカード挿入部6に当接するようにクリーニングカード1Bがカード処理装置5へ挿入されているときに、前後方向において、挿入方向側(X1方向側)の端部が駆動ローラ3と駆動ローラ4との間に配置されるように形成されている。また、クリーニングカード1Bは、このときに、駆動ローラ3の当接部3aに接触するように形成されている。また、クリーニングカード1Bには、このときに、駆動ローラ2の当接部2aに接触しないように開口する1個の開口部1cが形成されている。すなわち、クリーニングカード1Bは、位置決め部1aがカード挿入部6に当接するようにカード処理装置5へ挿入されているときに、1本の駆動ローラ3の当接部3aに接触するように形成されている。なお、図1(B)では、便宜上、前後方向において、位置決め部1aとカード挿入部6との間に隙間が形成されている。
【0029】
開口部1cは、位置決め部1aがカード挿入部6に当接するようにクリーニングカード1Bがカード処理装置5へ挿入されているときに、駆動ローラ2の配置位置に配置されるように形成されるとともに、駆動ローラ2に接触しないように形成されている。この開口部1cは、上下方向でクリーニングカード1Bを貫通するように形成され、また、上下方向から見たときの形状が矩形状となるように形成されている。駆動ローラ3が清掃される際には、駆動ローラ3は、その当接部3aがクリーニングカード1Bに接触する第1駆動ローラである。また、本形態の開口部1cは、クリーニングカード1Bがカード処理装置5へ挿入されているときに、第1駆動ローラである駆動ローラ3以外の駆動ローラ2の当接部2aに接触しないように当接部2aから逃げる逃げ部である。
【0030】
クリーニングカード11は、位置決め部11aがカード挿入部6に当接するようにクリーニングカード11がカード処理装置5へ挿入されているときに、前後方向において、挿入方向側(X1方向側)の端部が駆動ローラ2と駆動ローラ3との間に配置されるように形成されている。また、クリーニングカード11は、このときに、駆動ローラ2の当接部2aに接触するように形成されている。なお、図1(C)では、便宜上、前後方向において、位置決め部11aとカード挿入部6との間に隙間が形成されている。
【0031】
本形態では、駆動ローラ4を清掃する際に、クリーニングカード1Aをカード挿入口からカード処理装置5の中へ挿入する。挿入されたクリーニングカード1Aは、位置決め部1aがカード挿入部6に当接するまで、駆動ローラ2〜4によって搬送される。位置決め部1aがカード挿入部6に当接するまでクリーニングカード1Aが搬送されて、カード処理装置5へ挿入されている状態では、クリーニングカード1Aは、駆動ローラ4の当接部4aに接触しているが、駆動ローラ2、3には接触していない。この状態で、駆動ローラ2〜4がさらに回転すると、駆動ローラ4は、クリーニングカード1Aの表面(図3の下面)に接触しながら回転する。そのため、駆動ローラ4の表面に付着した塵埃や油等がクリーニングカード1Aによって除去される。一方、位置決め部1aがカード挿入部6に当接するまでカード処理装置5へクリーニングカード1Aが挿入されている状態で、駆動ローラ2〜4がさらに回転すると、駆動ローラ2、3は、パッドローラ8に接触した状態で、パッドローラ8とともに回転する。
【0032】
また、駆動ローラ3を清掃する際には、クリーニングカード1Bをカード挿入口からカード処理装置5の中へ挿入する。挿入されたクリーニングカード1Bは、位置決め部1aがカード挿入部6に当接するまで、駆動ローラ2、3によって搬送される。位置決め部1aがカード挿入部6に当接するまでクリーニングカード1Bが搬送されて、カード処理装置5へ挿入されている状態では、クリーニングカード1Bは、駆動ローラ3の当接部3aに接触しているが、駆動ローラ2、4には接触していない。この状態で、駆動ローラ2〜4がさらに回転すると、駆動ローラ3は、クリーニングカード1Bの表面に接触しながら回転する。そのため、駆動ローラ3の表面に付着した塵埃や油等がクリーニングカード1Bによって除去される。一方、位置決め部1aがカード挿入部6に当接するまでカード処理装置5へクリーニングカード1Bが挿入されている状態で、駆動ローラ2〜4がさらに回転すると、駆動ローラ2、4は、パッドローラ8に接触した状態で、パッドローラ8とともに回転する。
【0033】
さらに、駆動ローラ2を清掃する際には、クリーニングカード11をカード挿入口からカード処理装置5の中へ挿入する。挿入されたクリーニングカード11は、位置決め部11aがカード挿入部6に当接するまで、駆動ローラ2によって搬送される。位置決め部11aがカード挿入部6に当接するまでクリーニングカード11が搬送されて、カード処理装置5へ挿入されている状態では、クリーニングカード11は、駆動ローラ2の当接部2aに接触しているが、駆動ローラ3、4には接触していない。この状態で、駆動ローラ2〜4がさらに回転すると、駆動ローラ2は、クリーニングカード11の表面に接触しながら回転する。そのため、駆動ローラ2の表面に付着した塵埃や油等がクリーニングカード11によって除去される。一方、位置決め部11aがカード挿入部6に当接するまでカード処理装置5へクリーニングカード11が挿入されている状態で、駆動ローラ2〜4がさらに回転すると、駆動ローラ3、4は、パッドローラ8に接触した状態で、パッドローラ8とともに回転する。
【0034】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、クリーニングカード1Aに2個の開口部1bが形成されており、位置決め部1aがカード挿入部6に当接するようにクリーニングカード1Aがカード処理装置5へ挿入されているときに、クリーニングカード1Aは、駆動ローラ4の当接部4aに接触しているが、駆動ローラ2、3には接触していない。また、本形態では、クリーニングカード1Bに1個の開口部1cが形成されており、位置決め部1aがカード挿入部6に当接するようにクリーニングカード1Bがカード処理装置5へ挿入されているときに、クリーニングカード1Bは、駆動ローラ3の当接部3aに接触しているが、駆動ローラ2には接触していない。すなわち、クリーニングカード1(1A、1B)は、位置決め部1aがカード挿入部6に当接するようにカード処理装置5へ挿入されているときに、1本の駆動ローラ4の当接部4a(または駆動ローラ3の当接部3a)のみに接触している。
【0035】
そのため、クリーニングカード1の厚さを厚くしたり、クリーニングカード1の、駆動ローラ4(または駆動ローラ3)との接触面の摩擦係数を高くしたりして、クリーニングカード1と駆動ローラ4(または駆動ローラ3)との間の摩擦力を高めても、駆動ローラ3、4を清掃する際の駆動ローラ2〜4によるクリーニングカード1の搬送力を低減することが可能になる。したがって、本形態では、クリーニングカード1と駆動ローラ4(または駆動ローラ3)との間の摩擦力を高めても、駆動ローラ3、4を清掃する際に、駆動ローラ4(または駆動ローラ3)がロックするのを防止することが可能になり、その結果、駆動ローラ4(または駆動ローラ3)の清掃効果を高めることが可能になる。
【0036】
また、本形態では、クリーニングカード11は、位置決め部11aがカード挿入部6に当接するようにカード処理装置5へ挿入されているときに、1本の駆動ローラ2の当接部2aのみに接触している。そのため、クリーニングカード11と駆動ローラ2との間の摩擦力を高めても、駆動ローラ2を清掃する際に、駆動ローラ2がロックするのを防止することが可能になり、その結果、駆動ローラ2の清掃効果を高めることが可能になる。
【0037】
特に本形態では、クリーニングカード1(1A、1B)は、位置決め部1aがカード挿入部6に当接するようにカード処理装置5へ挿入されているときに、1本の駆動ローラ4の当接部4a(または駆動ローラ3の当接部3a)のみに当接し、クリーニングカード11は、位置決め部11aがカード挿入部6に当接するようにカード処理装置5へ挿入されているときに、1本の駆動ローラ2の当接部2aのみに当接している。そのため、駆動ローラ2〜4を清掃する際に、クリーニングカード1、11に接触する駆動ローラ2〜4の本数を最小にして、駆動ローラ2〜4によるクリーニングカード1、11の搬送力を効果的に低減することが可能になる。したがって、本形態では、クリーニングカード1と駆動ローラ4(または駆動ローラ3)との間の摩擦力を高めても、駆動ローラ3、4を清掃する際に、駆動ローラ4(または駆動ローラ3)がロックするのを効果的に防止することが可能になり、その結果、駆動ローラ4(または駆動ローラ3)の清掃効果を効果的に高めることが可能になる。また、本形態では、クリーニングカード11と駆動ローラ2との間の摩擦力を高めても、駆動ローラ2を清掃する際に、駆動ローラ2がロックするのを効果的に防止することが可能になり、その結果、駆動ローラ2の清掃効果を効果的に高めることが可能になる。
【0038】
本形態では、クリーニングカード1に形成される開口部1b、1cは、上下方向でクリーニングカード1を貫通するように形成されている。そのため、駆動ローラ2、3にパッドローラ8が対向配置されていても、開口部1b、1cにおいて、駆動ローラ2、3の当接部2a、3aとクリーニングカード1とが接触するのを防止することができる。
【0039】
本形態では、クリーニングカード1に、前後方向におけるクリーニングカード1の位置を決める位置決め部1aが形成されている。そのため、前後方向において、クリーニングカード1の逃げ部1b、1cと駆動ローラ2、3との相対位置精度を高めることが可能になる。したがって、本形態では、駆動ローラ2、3の当接部2a、3aとクリーニングカード1とが接触するのを確実に防止することが可能になる。
【0040】
(クリーニングカードの変形例1)
図4は、本発明の他の実施の形態にかかるクリーニングカード1の構成を説明するための断面図である。
【0041】
上述した形態では、クリーニングカード1Aの開口部1bは、位置決め部1aがカード挿入部6に当接するようにクリーニングカード1Aがカード処理装置5へ挿入されているときに、駆動ローラ2、3に接触しないように形成されている。この他にもたとえば、図4に示すように、位置決め部1aがカード挿入部6に当接するようにクリーニングカード1Aがカード処理装置5へ挿入されているときに、開口部1bの開口端1uが駆動ローラ2、3にぎりぎり接触する位置に配置されるように、開口部1bが形成されても良い。すなわち、開口部1bの開口端1uと、駆動ローラ2、3の当接部2a、3a以外の部分とが接触していても良い。
【0042】
この場合には、開口端1uは、開口部1bの、挿入方向側(X1方向側)に形成される開口端であっても良いし、排出方向側(X2方向側)に形成される開口端であっても良い。この場合には、開口部1bの開口端1uを利用して、駆動ローラ2、3の表面を清掃することが可能になる。なお、開口部1bの開口端1uが駆動ローラ2、3の当接部2a、3a以外の部分と接触しても、駆動ローラ2、3によるクリーニングカード1Aの搬送力が大幅に増加することはない。また、開口部1bの、挿入方向側に形成される開口端と、排出方向側に形成される開口端との両者が駆動ローラ2、3の当接部2a、3a以外の部分とが接触していても良い。
【0043】
また、上述した形態では、開口部1cは、位置決め部1aがカード挿入部6に当接するようにクリーニングカード1Bがカード処理装置5へ挿入されているときに、駆動ローラ2に接触しないように形成されているが、開口部1cの開口端が駆動ローラ2にぎりぎり接触する位置に配置されるように、開口部1cが形成され、開口部1cの開口端と、駆動ローラ2の当接部2a以外の部分とが接触していても良い。
【0044】
(クリーニングカードの変形例2)
図5は、本発明の他の実施の形態にかかるクリーニングカード1(1C、1D)の構成を説明するための平面図である。
【0045】
上述した形態では、クリーニングカード1A、1B、11の前後方向の長さが異なっている。この他にもたとえば、図5に示すように、駆動ローラ4を清掃するための上述のクリーニングカード1Aと、駆動ローラ3を清掃するためのクリーニングカード1としてのクリーニングカード1Cと、駆動ローラ2を清掃するためのクリーニングカード1としてのクリーニングカード1Dとの前後方向の長さが同じであっても良い。
【0046】
この場合には、クリーニングカード1Cは、位置決め部1aがカード挿入部6に当接するようにカード処理装置5へ挿入されているときに、駆動ローラ3の当接部3aに接触するように形成されている。また、クリーニングカード1Cには、このときに、駆動ローラ2、4の当接部2a、4aに接触しないように開口する矩形状の2個の開口部1dが形成されている。
【0047】
なお、この場合には、開口部1dは、位置決め部1aがカード挿入部6に当接するようにクリーニングカード1Cがカード処理装置5へ挿入されているときに、駆動ローラ2、4に接触しないように形成されても良いし、開口部1dの開口端が駆動ローラ2、4の当接部2a、4a以外の部分と接触するように形成されても良い。また、この場合には、駆動ローラ3は、その当接部3aがクリーニングカード1Cに接触する第1駆動ローラであり、開口部1dは、第1駆動ローラである駆動ローラ3以外の駆動ローラ2、4の当接部2a、4aに接触しないように当接部2a、4aから逃げる逃げ部である。
【0048】
また、クリーニングカード1Dは、位置決め部1aがカード挿入部6に当接するようにカード処理装置5へ挿入されているときに、駆動ローラ2の当接部2aに接触するように形成されている。また、クリーニングカード1Dには、このときに、駆動ローラ3、4の当接部3a、4aに接触しないように開口する矩形状の2個の開口部1eが形成されている。
【0049】
なお、この場合には、開口部1eは、位置決め部1aがカード挿入部6に当接するようにクリーニングカード1Dがカード処理装置5へ挿入されているときに、駆動ローラ3、4に接触しないように形成されても良いし、開口部1eの開口端が駆動ローラ3、4の当接部3a、4a以外の部分と接触するように形成されても良い。また、この場合には、駆動ローラ2は、その当接部2aがクリーニングカード1Dに接触する第1駆動ローラであり、開口部1eは、第1駆動ローラである駆動ローラ2以外の駆動ローラ3、4の当接部3a、4aに接触しないように当接部3a、4aから逃げる逃げ部である。
【0050】
この場合であっても、上述した形態と同様の効果を得ることができる。なお、図5では、上述した形態と同一の構成については、同一の符号を付している。
【0051】
(クリーニングカードの変形例3)
図6は、本発明の他の実施の形態にかかるクリーニングカード1(1E〜1G)の構成を説明するための平面図である。
【0052】
上述した形態では、クリーニングカード1(1A、1B)は、位置決め部1aがカード挿入部6に当接するようにカード処理装置5へ挿入されているときに、1本の駆動ローラ4の当接部4a(または駆動ローラ3の当接部3a)のみに接触している。この他にもたとえば、図6(A)に示すように、クリーニングカード1(1E)は、位置決め部1aがカード挿入部6に当接するようにカード処理装置5へ挿入されているときに、2本の駆動ローラ3、4の当接部3a、4aに接触しても良い。この場合には、位置決め部1aがカード挿入部6に当接するようにクリーニングカード1Eがカード処理装置5へ挿入されているときに、駆動ローラ2の当接部2aに接触しないように開口する矩形状の開口部1fがクリーニングカード1Eに形成されている。
【0053】
なお、この場合には、開口部1fは、位置決め部1aがカード挿入部6に当接するようにクリーニングカード1Eがカード処理装置5へ挿入されているときに、駆動ローラ2に接触しないように形成されても良いし、開口部1fの開口端が駆動ローラ2の当接部2a以外の部分と接触するように形成されても良い。また、この場合には、駆動ローラ3、4は、その当接部3a、4aがクリーニングカード1Eに接触する第1駆動ローラであり、開口部1fは、第1駆動ローラである駆動ローラ3、4以外の駆動ローラ2の当接部2aに接触しないように当接部2aから逃げる逃げ部である。
【0054】
また、図6(B)に示すように、クリーニングカード1(1F)は、位置決め部1aがカード挿入部6に当接するようにカード処理装置5へ挿入されているときに、2本の駆動ローラ2、4の当接部2a、4aに当接しても良い。この場合には、位置決め部1aがカード挿入部6に当接するようにクリーニングカード1Fがカード処理装置5へ挿入されているときに、駆動ローラ3の当接部3aに接触しないように開口する矩形状の開口部1gがクリーニングカード1Fに形成されている。
【0055】
なお、この場合には、開口部1gは、位置決め部1aがカード挿入部6に当接するようにクリーニングカード1Fがカード処理装置5へ挿入されているときに、駆動ローラ3に接触しないように形成されても良いし、開口部1gの開口端が駆動ローラ3の当接部3a以外の部分と接触するように形成されても良い。また、この場合には、駆動ローラ2、4は、その当接部2a、4aがクリーニングカード1Fに接触する第1駆動ローラであり、開口部1gは、第1駆動ローラである駆動ローラ2、4以外の駆動ローラ3の当接部3aに接触しないように当接部3aから逃げる逃げ部である。
【0056】
さらに、図6(C)に示すように、クリーニングカード1(1G)は、位置決め部1aがカード挿入部6に当接するようにカード処理装置5へ挿入されているときに、2本の駆動ローラ2、3の当接部2a、3aに当接しても良い。この場合には、位置決め部1aがカード挿入部6に当接するようにクリーニングカード1Gがカード処理装置5へ挿入されているときに、駆動ローラ4の当接部4aに接触しないように開口する矩形状の開口部1hがクリーニングカード1Gに形成されている。
【0057】
なお、この場合には、開口部1hは、位置決め部1aがカード挿入部6に当接するようにクリーニングカード1Gがカード処理装置5へ挿入されているときに、駆動ローラ4に接触しないように形成されても良いし、開口部1hの開口端が駆動ローラ4の当接部4a以外の部分と接触するように形成されても良い。また、この場合には、駆動ローラ2、3は、その当接部2a、3aがクリーニングカード1Gに接触する第1駆動ローラであり、開口部1hは、第1駆動ローラである駆動ローラ2、3以外の駆動ローラ4の当接部4aに接触しないように当接部4aから逃げる逃げ部である。
【0058】
図6に示す場合であっても、クリーニングカード1の厚さを厚くしたり、クリーニングカード1の、駆動ローラ2〜4との接触面の摩擦係数を高くしたりして、クリーニングカード1と駆動ローラ2〜4との間の摩擦力を高めても、駆動ローラ2〜4を清掃する際にクリーニングカード1に接触する駆動ローラ2〜4の本数を減らして、駆動ローラ2〜4を清掃する際の、駆動ローラ2〜4によるクリーニングカード1の搬送力を低減することが可能になる。そのため、上述した形態と同様の効果を得ることができる。なお、図6では、上述した形態と同一の構成については、同一の符号を付している。
【0059】
(クリーニングカードの変形例4)
図7は、本発明の他の実施の形態にかかるクリーニングカード1(1H)の構成を説明するための平面図である。
【0060】
上述した形態では、クリーニングカード1Aによって駆動ローラ4が清掃され、クリーニングカード1Bによって駆動ローラ3が清掃され、クリーニングカード11によって駆動ローラ2が清掃されている。この他にもたとえば、図7に示すように、1枚のクリーニングカード1(1H)によって、3本の駆動ローラ2〜4が順番に清掃されても良い。
【0061】
クリーニングカード1Hは、クリーニングカード1Hがカード処理装置5へ挿入されているときに、カード挿入部6に当接して前後方向におけるクリーニングカード1Hの位置を決める位置決め部1jが形成されている。位置決め部1jは、クリーニングカード1の排出方向(X2方向)側端に形成されるとともに、左右方向の両側へ広がるように形成されている。初期状態のクリーニングカード1Hでは、位置決め部1jの挿入方向(X1方向)端側に、かつ、左右方向(Y方向)の両端側のそれぞれに、前後方向(X方向)に平行なミシン目1kと、左右方向に平行な2本のミシン目1m、1nが形成されている。ミシン目1m、1nは、クリーニングカード1Hの挿入方向端側から排出方向端側に向かってこの順番に形成されている。クリーニングカード1Hでは、ミシン目1m、1nに沿って位置決め部1jの挿入方向端側の一部を切り取ることで、カード処理装置5へのクリーニングカード1Hの挿入量を変えることが可能となっている。
【0062】
また、クリーニングカード1Hには、4個の開口部1p、1q、1r、1tが、クリーニングカード1Hの挿入方向端側から排出方向端側に向かってこの順番に形成されている。開口部1p、1q、1r、1tは、上下方向でクリーニングカード1Hを貫通するように形成されている。また、開口部1p、1q、1r、1tは、上下方向から見たときの形状が矩形状となるように形成されている。また、開口部1pは、クリーニングカード1Hの挿入方向端から排出方向に向かって窪むように形成されている。
【0063】
位置決め部1jがミシン目1m、1nに沿って切り取られていない状態では、クリーニングカード1Hは、位置決め部1jがカード挿入部6に当接するようにカード処理装置5へ挿入されているときに、図7(A)に示すように、駆動ローラ2の当接部2aに接触している。また、このときには、開口部1qが駆動ローラ3の配置位置に配置され、かつ、開口部1pが駆動ローラ4の配置位置に配置されており、クリーニングカード1Hは、駆動ローラ3、4の接触部3a、4aに接触していない。そのため、このときには、クリーニングカード1Hによって、駆動ローラ2が清掃される。
【0064】
なお、このときには、開口部1qは、駆動ローラ3に接触しないように形成されても良いし、開口部1qの開口端が駆動ローラ3の当接部3a以外の部分と接触するように形成されても良い。一方、このときには、開口部1pは、駆動ローラ4に接触しないように形成されている。また、このときには、駆動ローラ2は、その当接部2aがクリーニングカード1Hに接触する第1駆動ローラであり、開口部1q、1pは、第1駆動ローラである駆動ローラ2以外の駆動ローラ3、4の当接部3a、4aに接触しないように当接部3a、4aから逃げる逃げ部である。
【0065】
位置決め部1jの挿入方向端側がミシン目1mに沿って切り取られた状態では、クリーニングカード1Hは、位置決め部1jがカード挿入部6に当接するようにカード処理装置5へ挿入されているときに、図7(B)に示すように、駆動ローラ3の当接部3aに接触している。また、このときには、開口部1tが駆動ローラ2の配置位置に配置され、かつ、開口部1pが駆動ローラ4の配置位置に配置されており、クリーニングカード1Hは、駆動ローラ2、4の接触部2a、4aに接触していない。そのため、このときには、クリーニングカード1Hによって、駆動ローラ3が清掃される。
【0066】
なお、このときには、開口部1tは、駆動ローラ2に接触しないように形成されても良いし、開口部1tの挿入方向側(X1方向側)の開口端が駆動ローラ2の当接部2a以外の部分と接触するように形成されても良い。また、開口部1pは、駆動ローラ4に接触しないように形成されても良いし、開口部1pの排出方向側(X2方向側)の開口端が駆動ローラ4の当接部4a以外の部分と接触するように形成されても良い。また、このときには、駆動ローラ3は、その当接部3aがクリーニングカード1Hに接触する第1駆動ローラであり、開口部1t、1pは、第1駆動ローラである駆動ローラ3以外の駆動ローラ2、4の当接部2a、4aに接触しないように当接部2a、4aから逃げる逃げ部である。
【0067】
位置決め部1jの挿入方向端側がミシン目1nに沿って切り取られた状態では、クリーニングカード1Hは、位置決め部1jがカード挿入部6に当接するようにカード処理装置5へ挿入されているときに、図7(C)に示すように、駆動ローラ4の当接部4aに接触している。また、このときには、開口部1tが駆動ローラ2の配置位置に配置され、かつ、開口部1rが駆動ローラ3の配置位置に配置されており、クリーニングカード1Hは、駆動ローラ2、3の接触部2a、3aに接触していない。そのため、このときには、クリーニングカード1Hによって、駆動ローラ4が清掃される。
【0068】
なお、このときには、開口部1tは、駆動ローラ2に接触しないように形成されても良いし、開口部1tの排出方向側の開口端が駆動ローラ2の当接部2a以外の部分と接触するように形成されても良い。また、開口部1rは、駆動ローラ3に接触しないように形成されても良いし、開口部1rの開口端が駆動ローラ3の当接部3a以外の部分と接触するように形成されても良い。また、このときには、駆動ローラ4は、その当接部4aがクリーニングカード1Hに接触する第1駆動ローラであり、開口部1t、1rは、第1駆動ローラである駆動ローラ4以外の駆動ローラ2、3の当接部2a、3aに接触しないように当接部2a、3aから逃げる逃げ部である。
【0069】
このように、カード処理装置5へのクリーニングカード1Hの挿入量に応じて、異なる駆動ローラ2〜4の当接部2a〜4aにクリーニングカード1Hが接触するように、複数の開口部1p、1q、1r、1tが形成されている場合には、駆動ローラ2〜4の清掃効果を高めつつ、クリーニングカード1Hの挿入量を変えることで、1枚のクリーニングカード1Hで3本の駆動ローラ2〜4を清掃することができる。なお、ミシン目1m、1nに沿って位置決め部1jの挿入方向端側の一部を折り曲げることで、カード処理装置5へのクリーニングカード1Hの挿入量を変えても良い。
【0070】
(他の実施の形態)
上述した形態および変形例は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0071】
上述した形態では、クリーニングカード1Aがカード処理装置5へ挿入されているときに、クリーニングカード1Aの開口部1bが、駆動ローラ2、3の当接部2a、3aに接触しないように当接部2a、3aから逃げる逃げ部となっている。この他にもたとえば、駆動ローラ2、3にパッドローラ8が対向配置されないのであれば、図8に示すように、駆動ローラ2、3の当接部2a、3aから離れるように窪む(湾曲する)凹部1wが、クリーニングカード1Aがカード処理装置5へ挿入されているときに、駆動ローラ2、3の当接部2a、3aに接触しないように当接部2a、3aから逃げる逃げ部となっていても良い。
【0072】
同様に、上述した形態では、クリーニングカード1Bがカード処理装置5へ挿入されているときに、クリーニングカード1Bの開口部1cが、駆動ローラ2の当接部2aに接触しないように当接部2aから逃げる逃げ部となっているが、駆動ローラ2の当接部2aから離れるように窪む凹部が、クリーニングカード1Bがカード処理装置5へ挿入されているときに、駆動ローラ2の当接部2aに接触しないように当接部2aから逃げる逃げ部となっていても良い。
【0073】
上述した形態では、開口部1b、1cは、上下方向から見たときの形状が矩形状となるように形成されている。この他にもたとえば、開口部1b、1cは、上下方向から見たときの形状が四角形以外の多角形状、楕円形状あるいは円形状となるように形成されても良い。また、上述した形態では、駆動ローラ2〜4は、左右方向において、略同じ位置に配置されているが、駆動ローラ2〜4は、左右方向において、異なる位置に配置されても良い。また、上述した形態では、クリーニングカード1A、1Bは、3本の駆動ローラ2〜4を備えるカード処理装置5を清掃するためのカードであるが、本発明が適用されるクリーニングカードは、4本以上の駆動ローラを備えるカード処理装置5を清掃するためのカードであっても良い。
【符号の説明】
【0074】
1(1A〜1H) クリーニングカード
1a、1j 位置決め部
1b〜1h、1p〜1r、1t 開口部(逃げ部)
1u 開口端
1w 凹部(逃げ部)
2〜4 駆動ローラ(第1駆動ローラ)
2a〜4a 当接部
5 カード処理装置
6 カード挿入部
X1 クリーニングカードの挿入方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードに当接して前記カードを搬送する複数本の駆動ローラが内部に配置されたカード処理装置の前記駆動ローラを清掃するクリーニングカードにおいて、
前記カードを搬送する際の前記駆動ローラの、前記カードに当接する部分を当接部とすると、
前記クリーニングカードは、前記カード処理装置へ挿入されているときに、複数本の前記駆動ローラのうちの少なくとも1本の前記駆動ローラの前記当接部には接触するが、複数本の前記駆動ローラのうちの少なくとも1本の前記駆動ローラの前記当接部には接触しないように形成され、
前記クリーニングカードが前記カード処理装置へ挿入されているときに前記当接部が前記クリーニングカードに接触する前記駆動ローラを第1駆動ローラとすると、
前記クリーニングカードには、前記クリーニングカードが前記カード処理装置へ挿入されているときに前記第1駆動ローラ以外の前記駆動ローラの配置位置に配置され、前記第1駆動ローラ以外の前記駆動ローラの前記当接部に接触しないように前記第1駆動ローラ以外の前記駆動ローラの前記当接部から逃げる逃げ部が形成されていることを特徴とするクリーニングカード。
【請求項2】
前記クリーニングカードは、前記カード処理装置へ挿入されているときに1本の前記駆動ローラの前記当接部に接触するように形成されていることを特徴とする請求項1記載のクリーニングカード。
【請求項3】
前記逃げ部は、前記第1駆動ローラ以外の前記駆動ローラの前記当接部に接触しないように開口する開口部であることを特徴とする請求項1または2記載のクリーニングカード。
【請求項4】
前記開口部の開口端と、前記第1駆動ローラ以外の前記駆動ローラの前記当接部以外の部分とが接触していることを特徴とする請求項3記載のクリーニングカード。
【請求項5】
複数個の前記開口部が形成され、
複数個の前記開口部の前記開口端と、複数本の前記第1駆動ローラ以外の前記駆動ローラの前記当接部以外の部分とのそれぞれが接触していることを特徴とする請求項4記載のクリーニングカード。
【請求項6】
前記逃げ部は、前記カード処理装置への前記クリーニングカードの挿入量に応じて、異なる前記駆動ローラの前記当接部に前記クリーニングカードが接触するように、複数個、形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のクリーニングカード。
【請求項7】
前記カード処理装置へ挿入されているときに、前記カード処理装置のカード挿入部に当接して前記クリーニングカードの挿入方向における前記クリーニングカードの位置を決める位置決め部が形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のクリーニングカード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−20572(P2013−20572A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155491(P2011−155491)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(000002233)日本電産サンキョー株式会社 (1,337)
【Fターム(参考)】