説明

クリーニングワイプおよび製造方法

繊維ウェブと粘着性材料とを含むクリーニングワイプ。繊維ウェブは対向面と該対向面間の中間領域とを画定する。この関連で、対向面の少なくとも1つはクリーニングワイプの作業面として機能する。粘着性材料は、粘着性材料のレベルが作業面でよりも中間領域中で大きいようにウェブに塗布される。一実施形態では、ウェブ材料の面積当たりの粘着性材料の量は、対向面のどちらでよりも中間領域中で大きい。別の実施形態では、繊維ウェブは不織繊維ウェブである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は繊維ウェブ・ベースのワイピング構築物に関する。より具体的には、それは、粘着性材料を組み入れた、最小表面ドラッグ(drag)特性を示す繊維ウェブ材料クリーニングワイプ構築物に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な形のクリーニングワイピング製品(すなわちワイプまたはシート)が居住および商業環境で表面から破片をきれいにするために長い間使用されてきた。ほとんどの入手可能なクリーニングワイプ製品は、ユーザー取扱いを高めるために少なくとも幾分は柔軟である繊維状材料(またはウェブ)よりなる比較的薄いベースを含む、同じ基本的な形を有する。この目的のために、それぞれが特定の最終用途を少なくとも部分的に満足させるように適合されたある種の特性を有する、多数の異なる材料および製造技術が開発されてきた(例えば、天然および/または合成繊維よりなる織、不織、または編ベース構造)。さらに、具体的な用途のニーズにより良く対処するために繊維ウェブ中へある種の添加剤を組み入れるための努力も行われてきた。
【0003】
例えば、居住または家庭消費者は一般に、家庭周りの様々な表面から破片を除去するためにクリーニングワイプまたはクロスを使用する。いわゆる「ダストクロス」は、これらの用途に使用される例示的な品目である。これらのおよび類似のクロス材料は、表面からダストおよび他の微小粒子を除去するために非常に有用であるが、より大きなおよび/またはより重い破片(例えば、砂、食品くず、など)はクロスに付着しない、またはクロスによって保持されないので、これらの粒子を容易に除去することができない。この問題に対処するために必ずしも開発されたわけではないが、ワックスまたはオイルのような、一般クロス処理材料は、添加剤の固有の「湿潤性」のために、幾つかのより大きい破片粒子を保持するクロスの能力を高めるかもしれない。処理ダストクロスは、ある種の用途(例えば、家具艶出し)にとっては望ましいが、ほとんどの家庭クリーニング活動(例えば、カウンターまたは床表面のクリーニング)にとっては望ましくない残渣を接触面上に残す。さらに、一般クリーニング目的のために使用される時、処理クロスはそれらの外面で粒子によって速く飽和されるようになり、それによって短いクリーニング操作に用途を限定し、かつ、ワイプそれ自体の頻繁なクリーニング(すなわち、蓄積粒子の除去)を必要とする。
【0004】
家庭クリーニング用に市販されている他のワイプ製品は、理論的には、さもなければ「ドライ」ワイプに破片粒子を引き付ける静電気特性を含むように適合される。再び、しかしながら、これらのドライワイプはしばしば、長期間の使用にわたって比較的大きいおよび/または重い粒子を一貫して保持することができない。換言すると、比較的大きいおよび/または比較的重い粒子は、ドライ静電気タイプのワイプおよび他のドライワイプに容易には付着しない。さらに、これらの製品の表面は、粒子で速く「詰まって」しまい、その結果、集められた破片はワイプの表面から繰り返し除去されなければならない。
【0005】
勿論、表面からの破片の除去は家庭クリーニング用途に限定されない。多くの工業的用途はクリーニングワイプの使用を必要とする。例えば、車両塗装/修理工業および木材仕上げ工業は一般に、塗装または着色されるべき表面から破片を除去するために「タッククロス」を使用する。一般に、タックワイプまたはタッククロスはオープン構造を有し、かつ、粘つき(sticky)または粘着(tacky)特性をタッククロスに与えるために感圧接着剤またはある他の粘着性ポリマーで処理されているある形のテキスタイル材料を含む。かかるワイプが表面一面に擦られる時、表面上に存在する異物はワイプに付着し、除去されるであろう。これらの工業的用途に有用であるが、入手可能なタックワイプは、ダストおよび他の細粒の完全な除去を確実にするために比較的高いレベルの粘着性材料を意図的に含有する。公知のタックワイプ製造技術は粘着性材料をワイプの外面で意図的にコートする。このコーティングは、順繰りに、接着性または粘つき「感触」をワイプに与え、タックワイプがきれいにされつつある表面に沿って動かされる時にかなりのドラッグを生み出す。かかるタックワイプは自動車塗装/修理および木材仕上げ工業で使用されてきたが、入手可能なタックワイプの負の特性は、ある種の商業または居住用途(例えば、家庭または一般工業クリーニング)についてそれらの実施可能性を妨げてきた。
【0006】
参照のつもりで、粘着性特性をタッククロスに与えるために使用される典型的な感圧接着剤(PSA)は、100%固形分ホットメルトPSA、放射線硬化性PSA、有機溶剤に溶解されたPSA、およびラテックス−ベースPSAである。それにもかかわらず、いったんタッククロスのベースウェブ構築物が形成されたら、次にPSA(または他の粘着性添加剤)が塗布される。公知の技術には、吹き付け塗り、浸漬コーティング、ロールコーティングなどが含まれる。さらに大まかに言えば、PSA(または他の粘着性材料)はウェブの外面に塗布され、ほとんどの場合に、ウェブ材料の全体厚さはPSAで飽和される。いずれにしても、結果として生じるタッククロスの外面は、上記のドラッグの問題につながる最高濃度のPSAを含有する。
【0007】
幾つかの努力が、上記のタッククロス構築物を変更して、減少した接着性「感触」および表面ドラッグと共に粘着特性を有するクリーニングワイプを提供するために行われてきた。かかる努力は一般に、添加材料のタイプおよび量、および/またはきれいにされつつある表面の全域で滑るクリーニングシートの能力を維持しながら粒子ピックアップを改善するようにドラッグを減らすための手段としての接着剤の塗布パターンの注意深い選択に焦点を合わせてきた。例えば、幾つかのアプローチでは、比較的小さいレベル(10g/m2以下、より好ましくは2g/m2以下)のポリマー添加物、通常は感圧接着剤がクリーニングワイプ表面に沿って不連続ゾーンで塗布される。かかる構築物では、ポリマー添加物レベルが高すぎる場合、クリーニングシートはきれいにされつつある表面の全域で容易に滑らないであろうおよび/または表面上に残渣を残す傾向があるかもしれない。かかるワイプで使用されるポリマー添加物およびパターンは典型的なタッククロス構造とは異なるが、ベースウェブの外面へのポリマー添加物の塗布の通常技術は依然として従われる。結果として、接着剤レベルの低下およびゾーン分布は取扱いを改善するかもしれないが、上記の同じ問題は残りそうであり、他の問題が提起されるかもしれない。換言すると、ポリマー添加物が塗布されているゾーンは依然として粘つくと「感じる」かもしれず、クリーニングワイプが表面に沿って動かされる時に許容できないレベルのドラッグを生み出すかもしれない。さらに、ポリマー添加物のレベルおよび場所(すなわち、クリーニングワイプ外面の全体未満に沿って提供される)を減らすことによって、結果として生じるクリーニングワイプは十分な量の粒子を保持する能力が少ないかもしれない。また、ポリマー添加物はベースウェブの表面に塗布されるので、ウェブが比較的オープンの構造を有する場合でさえ、クリーニングワイプ表面は再び粒子で比較的速く詰まってしまうであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
クリーニングワイプは非常に好評であり続ける。大量の比較的かなり大きいおよび/または重い粒子を集める能力は、ほとんどのユーザーに許容される製品で十分には満たされてこなかった。それ故、その作業面に沿って最小粘着性の粘着特性を有するクリーニングワイプの製造方法に加えて、かかるクリーニングワイプに対するニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、繊維ウェブと粘着性材料とを含むクリーニングワイプに関する。繊維ウェブは対向面と対向面間の中間領域とを画定する。この関連で、対向面の少なくとも1つはクリーニングワイプの作業面として機能する。粘着性材料は、粘着性材料のレベルが作業面でよりも中間領域中で大きいように繊維ウェブに適用される。一実施形態では、粘着性材料のレベルは対向面のどちらでよりも中間領域中でより大きい。別の実施形態では、粘着性材料には感圧接着剤が含まれる。別の実施形態では、繊維ウェブは不織繊維ウェブである。
【0010】
本発明の別の態様は、繊維ウェブと粘着性材料とを含むクリーニングワイプに関する。繊維ウェブは対向面によって画定され、対向面の少なくとも1つがクリーニングワイプのための作業面として機能する。粘着性材料は、10g/m2以下のレベルで繊維ウェブ中へ含浸される。この構造を念頭に置いて、作業面は5ポンド以下のドラッグ値によって特徴づけられる。
【0011】
本発明のさらに別の態様はクリーニングワイプの製造方法に関する。本方法は、第1および第2繊維ウェブ層と、第1および第2繊維ウェブ層の間に配置され、これらの層を接合する粘着性材料の層とを含むウェブ構築物を提供する工程を含む。そのようなものとして、ウェブ構築物は対向面とそれらの間に配置された中間領域とを画定する。ウェブ構築物は、粘着性材料が中間領域から対向面の方へ流れるように横に圧縮される。ウェブ構築物の圧縮後に、粘着性材料のレベルは対向面のどちらでよりも中間領域で大きい。一実施形態では、粘着性材料はホットメルト感圧接着剤であり、ウェブ構築物は、ウェブ構築物の圧縮工程の間ずっと感圧接着剤を軟化させるために熱にさらされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に従ったクリーニングワイプ10の一実施形態は図1に提供される。大まかに言えば、クリーニングワイプ10は繊維ウェブ12と粘着性材料(図1では番号が付けられていない)とを含む。繊維ウェブ12および粘着性材料は下により詳細に記載される。しかしながら、大まかに言えば、繊維ウェブ12は対向する外面14、16を画定する(外面16は図1の図では概して隠れた状態で)。中間領域18(図1で概して参照される)は、外面14、16の間に画定される。これらの記号を念頭に置いて、粘着性材料は繊維ウェブ12を構成する個々の繊維をコートし、クリーニングワイプ10に粘着性を提供する。この関連で、粘着性材料コーティングレベルは、外面14、16の1つまたは両方でよりも中間領域18で大きい。例示の容易さのために、外面14、16は、実質的に平坦であるように図1では示されており、この表現が本発明の実施形態で提供される空隙容量を反映していないことは理解されるであろう。さらに、クリーニングワイプ10は、実質的に平面形をとるとして図1に示されているが、他の形状も許容される。例えば、クリーニングワイプ10は、巻くまたはそれ自体の上へ折り重ねてロールを形成することができる。
【0013】
図2Aは、繊維ウェブ12を構成する個々の繊維22(図2Aで概して参照される)にコートされた粘着性材料20を含む、クリーニングワイプ10の大きく拡大されたセクションを概略的に例示する。再度、外面14、16は平坦であるものとして図2Aで概略的に示され、本発明の実施形態では、繊維22は、外面14、16が実質的に平坦な構造に限定されず、かつ、代わりにその中に破片(今示されている)が集められる別個の空隙容量を提供するであろうように、対応する外面14または16に対して様々な場所にランダムに分配されるであろう。さらに、粘着性材料20は、その厚さが繊維22のそれぞれに対して例示の目的のために拡大されている状態で、図2Aに点描することによって表されている。さらなる参照の目的で、図2Aに示される繊維ウェブ12は、その中で繊維22が絡まっている不織ウェブであるが、下で明らかにされるように、これは繊維ウェブ12のほんの1つの許容される形であり、他の代わりの実施形態では繊維は、例えば、織られていてもよい。同様に、ウェブ12はその厚さにわたって比較的連続である単層であるとして概略的に例示されるが、ウェブ12(下により詳細に記載される)を形成するために互いに付着した異なる特性を有する例えば2繊維ウェブ層のような、代わりの構築物が同等に許容される。それにもかかわらず、繊維22のそれぞれはウェブ12内で様々な方向に伸びている。ウェブ12の中心24に関連して、繊維22のそれぞれのセクションは中心24により近いが、他のセクションは外面14または16の1つにより近いであろう。
【0014】
繊維22の様々な配向についてのより良い理解を提供するために、説明の容易さのために比較的離れているとして図2Aにさもなければ示される例示的繊維22a〜22cについて具体的に言及される。このことを念頭に置いて、繊維22aは第1セクション26および第2セクション28を画定する。第1セクション26は中心24により近接し、一方、第2セクション28は外面14により近接する。同様に、繊維22bは第1、第2、および第3セクション30〜34を画定する。第2セクション32は中心24により近接し、一方、第1および第3セクション30、34はそれぞれ、外面14、16により近接する。最後に、繊維22cは第1から第3セクション36〜40を画定する。繊維22cの延長は、第2セクション38が外面16に近接し、一方、第1および第3セクション36、40が中心24により近接するようにである。勿論、多種多様な他の繊維配向もまたあり得るし、さらに、図2Aに示される繊維22は図2Aの平面にだけ広がっているとして例示される。繊維22の他のものは、図2Aの平面中へまたは平面から完全にまたは部分的に伸びることができる。
【0015】
上の記号を念頭に置いて、粘着性材料20は、中心24により近接する繊維セクションが、外面14または16により近接するセクションよりも高いレベルの粘着性材料20を有するように繊維22のそれぞれにコートされる。用語コーティング「レベル」は、コーティング材料を画定するのに一般に用いられる1つもしくはそれ以上のパラメーターに関する。従って、コーティング「レベル」は質量、容量、表面積、量、および/または厚さに関することができる。例えば、図2Aは、繊維22のそれぞれの延長に関連して粘着性材料20コーティングの厚さの変化を拡大された形で概略的に例示する。第1繊維22aについて、粘着性材料20コーティング厚さは第2セクション28と比べて第1セクション26に沿ってより大きい。同様に、第2繊維22bに関連して、第2セクション32は、第1および第3セクション30、34と比べて粘着性材料20のより厚いコーティングを有する。最後に、第3繊維22cに関して、第2セクション38は、第1および第3セクション36、40と比べて粘着性材料20のより厚いコーティングを有する。上記の繊維セクションのそれぞれに関連して、粘着性材料20コーティング厚さの比較的漸進的な減少は、繊維セクションが中心24から外面14または16の1つの方へ伸びるにつれて提供される。あるいはまた、繊維22に関連して粘着性材料20のそれほど一様でない分配を提供することができる。例えば、粘着性材料20レベルは、外面14および/または16でまたはその近くで大幅に減少して、中心24で比較的一定であり得る。同様に、粘着性材料20レベルは中心24の反対側で異なり得る(すなわち、中心24に対して非対称の接着剤レベル)が、再び、外面14および/または16でまたはその近くで著しく少ないであろう。例として、図2Bはクリーニングワイプ10の例示的な実施形態のクローズアップ断面写真であり、個々の繊維22(図2Bに概して参照される、図2Bの図の繊維22は粘着性材料20でコートされていることが注目される)上に粘着性材料20(図2Bに概して参照される)を示す。注目すべきことに、図2Bの写真はクリーニングワイプ10の内部からのものであり、その結果、本発明の粘着性材料勾配は物理的に見られないし、また外面14、16(図2A)も見られない。
【0016】
図2Aに戻ると、個々の繊維22の観点から様々な粘着性材料レベルを説明することに加えて、全体として繊維ウェブ12について言及することができる。この関連で、外面14、16は一実施形態では、そのように画定された平面が実質的に互いに平行で、(空隙容量が図2Aの略図では反映されないで)概して平面である。外面14、16の平面に平行な一連の中間面はまた、中間領域18内の繊維ウェブ12の厚さによって画定することもできる。例えば、中心面は中心24で画定され、それはさもなければ外面14、16によって画定される平面に対して概して平行である。これらの画定を念頭に置いて、粘着性材料20コーティングの様々なレベルは、外面14、16のどちらかにより近接する部分平面と比べて高い容量または質量の粘着性材料20を有する中心24により近接する中間面によって説明することができる。例えば、中心面上の粘着性材料20の単位面積当たりの質量または容量は、外面14または16のどちらかによって画定される平面セグメント上のそれよりも大きい。
【0017】
さらなる例として、繊維ウェブ12の厚さ(さもなければ図2Aに示されるような)は、第1部分50、第2部分52、および第3部分54のような部分へ仮定分割することができる。部分50〜54のそれぞれは繊維ウェブ12厚さのおおよそ3分の1である。第2すなわち中央部分52は、外部分50、54と比べてより大きい質量および/または容量の粘着性材料20を有する。
【0018】
実際には、粘着性材料勾配は繊維ウェブ12の厚さにわたって画定される。図3Aにグラフで例示されるように、一実施形態では、粘着性材料勾配はウェブ12の中心24から外面14、16へ低下する。評価の基準として、図3A(ならびに図3B〜3D)でのY−軸は、外面16から外面14へのウェブ12の増分断面を概略的に表し、具体的な寸法を反映しようとするものではない。本発明に従った代わりの例示的な粘着性材料勾配は図3B(外面14、16での粘着性材料レベルの著しい低下)、図3C(概して一様でない粘着性材料レベル)、および図3D(中心24から、さもなければ作業面として機能する外面14への粘着性材料レベルの徐々の低下、およびさもなければ非作業面として機能し、別個のフィルム、フォイル、または紙材料でカバーされてもよい外面16での比較的高い粘着性材料レベル)に提供される。
【0019】
図1に戻ると、外面14、16が粘着性材料20から比較的フリーであるように(図2A)クリーニングワイプ10を形成し、中心24に近接して高レベルの粘着性材料20を提供する(図2A)ことによって、クリーニングワイプ10は、使用中の非粘着性または非粘つき「感触」および低下したドラッグに対する消費者の好みを満足させる。この関連で、および使用中に、クリーニングワイプ10は、外面14または16の1つでユーザー(示されていない)によって保持される。対向する外面14または16は次に、きれいにされるべき表面(示されていない)に沿って拭き取り風に操作される。表面をきれいにするためにさもなければ使用される外面14または16は、クリーニングワイプ10の「作業面」と定義される。従って、例えば、ユーザーの手が外面14を握っている場合、外面16が作業面として機能し、逆もまた同様である。粘着性材料20のレベルは、外面14、16で大きく低下し、一実施形態では外面14、16には全くないので、外面14か16かのどちらかへのユーザー接触は、粘つきまたは粘着性のような感触を容易に認識しないであろうし、ほとんどまたは何の粘着性材料残渣も拭き取られつつある表面上に沈積しないであろう。注目すべきことに、クリーニングワイプ10はまた、その端がクリーニングワイプ10を保持するように適合されている短いまたは長い取っ手のような保持装置(示されていない)と併せて使用することもできる。クリーニングワイプ10のこれらの用途とおよび/または独立した使用と併せて、フィルム、フォイル、または紙層(示されていない)を非作業面14または16一面に付着することができる。
【0020】
同様に、クリーニング操作中にさもなければ作業面として機能する外面14または16は、外面14または16がきれいにされつつある表面の全域で動かされる時に限られたドラッグを示すであろう。換言すると、外面14または16での粘着性材料20の低下したレベルのために、クリーニングワイプ10がきれいにされるべき表面の全域で動かされる時にさもなければドラッグを与えるかもしれない粘着性材料20はほとんどまたは何も存在しない。下により詳細に記載されるように、粘着性材料20の全体的なレベルは、所望の限られたドラッグ特性を依然として維持しながら、このように比較的高いものであることができる(こうして比較的大きいおよび/または重い粒子を保持するクリーニングワイプ10の能力を高める)。一実施形態では、粘着性材料の全体的なレベル(繊維ウェブ12の全体に対する)は、外面14または16の少なくとも1つが5ポンド以下のドラッグ値(語句「ドラッグ値」は下に詳細に定義される)を有して、10〜200g/m2の範囲にある。別の実施形態では、粘着性材料の全体的なレベルは10g/m2より大きく、別の実施形態では15g/m2以上であり、別の実施形態では20g/m2以上である。それぞれの粘着性材料レベルの実施形態で、外面14または16の少なくとも1つのドラッグ値は5ポンド以下であり、別の実施形態では2ポンド以下である。注目すべきことに、本発明の粘着性材料レベルは、ドラッグおよび接着性「感触」を最小にするように適合された他の提案されたクリーニングワイプ構築物より著しく大きい。例えば、米国特許出願公開第2002/00050016号明細書は、約10g/m2以下(最も好ましくは約2g/m2以下)のポリマー添加物レベルを記載している。従って、本発明のクリーニングワイプ10は、著しく優れた粒子保持特性を示し、ユーザーによって示される粘つき「感触」およびドラッグ懸念にもさらに十分に対処するであろう。一実施形態では、この改善されたドラッグ値は、粘着性除去剤の使用なしに成し遂げられるが、あるいはまた、粘着性除去剤を外面14、16の1つまたは両方に塗布することができる。
【0021】
本発明のクリーニングワイプ10によって提供される追加の便益は、大きいおよび/または重い粒子を保持するだけでなく、大容量の任意のサイズの粒子も保持する能力に関する。図4Aに関連して、例えば、クリーニングワイプ10の略断面はクリーニング操作後に示されている(外面14、16は例示の容易さのために実質的に平坦であるとして図4Aに示されることが再び思い起こされる)。図4Aの例示的な一実施形態で、繊維ウェブ12はオープン構造(すなわち、個々の繊維22間に比較的大きい間隔)を提供する。この例示的な一構築物で、比較的大きい粒子60(図4Aで概略的に示される)は、他のより小さいサイズの破片(示されていない)がそうできるように、個々の繊維22の間に「巣を作る」ことができる。図4Aの表現で、外面14が作業面として使用され、きれいにされるべき表面(示されていない)一面を拭き取った。クリーニング動きの間ずっと、粒子60は、粘着性材料コーティングがそのように接触した粒子60を繊維22の1つもしくはそれ以上に部分的に付着させた状態で(他のより小さい粒子をそうするように)、繊維22の間に差し挟まれている。外面14での粘着性材料コーティングレベルは、中心24により近接するものと比べて大きく低下しているので、粒子60は外面14に沿って蓄積しないであろう。代わりに、粒子60はクリーニングワイプ10の厚さ内に容易に沈積される。こうして、外面または作業面14は粒子で「詰まって」しまわず、クリーニングワイプ10によって集められる粒子の増加した数または容量をもたらす。図4Bのクローズアップ断面写真はさらに、クリーニングワイプ10の例示的な一実施形態の厚さ内に保持されている粒子60(図4Bに概して参照される)を示す。
【0022】
上記の制約内でおよび図1に戻って、繊維ウェブ12および粘着性材料20は様々な形をとることができる。繊維ウェブ12またはその個々の繊維ウェブ層は、編まれた、織られた、または好ましくは不織の繊維状材料であることができる。繊維ウェブ12が不織繊維状構造である一実施形態で、繊維ウェブ12は所望のやり方で互いに絡み合った(そして場合により接合された)個々の繊維を含んでなる。繊維は好ましくは合成または人造繊維であるが、天然繊維を含んでもよい。本明細書で用いるところでは、用語「繊維」には、無限の長さの繊維(例えば、フィラメント)および不連続長さの繊維(例えば、ステープルファイバー)が含まれる。繊維ウェブ12に関連して使用される繊維は多成分繊維であってもよい。用語「多成分繊維」は、領域が分散されている、ランダムである、または構造化されていない傾向があるブレンドとは対照的に、繊維断面に少なくとも2つの異なった縦方向に同延の構造化ポリマー領域を有する繊維を意味する。それにもかかわらず、有用な繊維材料には、例えば、任意の適切な繊維長さおよびデニールのポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、ならびにそれらの混合物が含まれる。さらに、幾つかまたはすべての繊維は、静電的性質を示すように選択および/または加工することができる。また、着色剤を粘着性材料20中へ組み入れることもできる。
【0023】
小さいデニールサイズ・ステープルファイバー(例えば、3d〜15d)は、より大きい孔径およびより小さい表面積の繊維ウェブ12をさもなければ提供するより大きいデニール繊維(例えば、50d〜200d)で製造された繊維ウェブと比べて、より小さい孔径およびより大きい表面積の繊維ウェブ12を提供する。小さいデニール繊維ウェブは、微細ダストおよびごみ粒子で汚染された表面をきれいにするのに最適であるが、大きいデニール繊維ウェブは、砂、食品くず、芝生くずなどのようなより大きいごみ粒子で汚染された表面をきれいにするのに最適である。上記のように、より大きいデニール・ステープルファイバーのより大きい孔径は、より大きい汚染物質粒子を繊維ウェブのマトリックスに入り、マトリックスによって保持されるのを可能にする。本発明の繊維ウェブ12は、ステープルファイバーであってもなくてもよい小さいおよび/または大きいデニール繊維の1つまたは両方を含むことができる。一実施形態では、繊維ウェブ12は、捲縮した高熱変形繊維を含む。
【0024】
さらに、下により詳細に記載されるように、本発明に従ったクリーニングワイプ10の一形成方法は、後で粘着性材料によって接合される2つの別個の繊維ウェブ層の提供する工程を伴う。このことを念頭に置いて、2つの繊維ウェブ層は様々な構造および/または上記の特性を有することができる(例えば、一繊維ウェブ層は小さいデニールサイズ・ステープルファイバーを含み、第2繊維ウェブ層は大きいデニールサイズ・ステープルファイバーを含み、一繊維ウェブ層は通常の吸収能力を示し、第2繊維ウェブ層は優れた吸収剤である、など)。
【0025】
一実施形態不織繊維ウェブ12に有用な多種多様な異なるタイプの繊維の入手可能性に加えて、繊維を互いに接合する技術もまた広範囲に及ぶ。大まかに言えば、本発明に関連して用いられてもよい、一実施形態不織繊維ウェブ12の好適な製造方法には、カーディング、エアレイング、ウェットレイング、スパンボンディングなどが含まれるが、それらに限定されない。接合方法には、熱接合、樹脂接合、カレンダー接合、超音波接合などが含まれるが、それらに限定されない。
【0026】
クリーニングワイプ10の粘着性材料20は、特有の性質がクリーニングワイプの使用に依存して、様々な形をとることができる。一実施形態では、粘着性材料20には、感圧接着剤が含まれる。感圧接着剤は通常室温で粘着性であり、軽い指圧の適用によって様々な表面に付着することができる。接着接合は、第2表面(または、例えば、ダスト、ごみ、パンくず、もしくは他の破片のような第2材料の個々の粒子)を感圧接着剤コートされた材料に向けてプレスすることによって発現する。有用な感圧接着剤組成物の概要は、「ポリマー科学およびエンジニアリング百科辞典(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering)」、第13巻、ウィリー−インターサイエンス・パブリッシャーズ(Wiley−Interscience Publishers)(ニューヨーク、1988年)に見いだすことができる。感圧接着剤組成物の追加記載は、「ポリマー科学および技術百科辞典(Encyclopedia of Polymer Science and Technology)」、第1巻、インターサイエンス・パブリッシャーズ(Interscience Publishers)(ニューヨーク、1964年)に見いだすことができる。
【0027】
感圧接着剤組成物には、例えば、ゴム弾性ブロック共重合体、天然ゴム、ブチルゴムおよびポリイソブチレン、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリイソプレン、ポリアルファオレフィン、ならびにポリアクリレートが含まれ得る。有用な熱可塑性ゴム弾性ブロック共重合体の例には、スチレン−イソプレン(SI)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、エチレン−プロピレン−ジエン、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン(SEBS)、およびスチレン−エチレン/プロピレン−スチレン(SEPS)が挙げられる。他の有用な接着組成物には、例えば、ポリビニルエーテル、例えば、エチレン酢酸ビニル、アクリル酸エチル、およびメタクリル酸エチルのようなエチレン含有共重合体、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエポキシド、ポリビニルピロリドンおよびその共重合体、ポリビニルアルコールおよびその共重合体、ポリエステル、ならびにそれらの組み合わせが含まれてもよい。
【0028】
好ましいゴム弾性ブロック共重合体ベース感圧接着剤組成物には、例えば、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)およびスチレン−エチレン/ブチレン−スチレン(SEBS)のようなブロック共重合体が含まれる。粘着性材料20の接着組成物に好適な商業的に入手可能なゴム弾性ブロック共重合体の代表的な例には、両方ともクレイトン・ポリマーズ、テキサス州ヒューストン(Kraton Polymers,Houston,TX)から入手可能な、スチレン−イソプレン−スチレン・エラストマー「クレイトン(Kraton)1107」およびスチレン−エチレン/ブチレン−スチレン・エラストマー「クレイトン1657」が挙げられる。
【0029】
接着組成物のゴム弾性ブロック共重合体は、接着性を改善し、粘着性材料20として一実施形態で有用な感圧接着剤中へ粘着性を導入するための粘着性付与樹脂(粘着性付与剤)と共に調合されてもよい。好適な粘着性付与樹脂は、D.セイタス(D.Satas)著、「感圧接着剤技術ハンドブック(Handbook of Pressure−Sensitive Adhesive Technology)」、527−544ページ(第2版、1989年)に記載されている。
【0030】
好適な粘着性付与樹脂には、例えば、ロジンエステル、テルペン、フェノール類、および脂肪族、芳香族、または脂肪族および芳香族合成炭化水素モノマー樹脂の混合物が含まれる。ブロック共重合体接着組成物で有用な粘着性付与剤成分は、固体、液体、またはそれらのブレンドであることができる。好適な固体粘着性付与剤には、ロジン、ロジン誘導体、炭化水素樹脂、ポリテルペン、クマロンインデン、およびそれらの組み合わせが含まれる。好適な液体粘着性付与剤には、液体炭化水素樹脂、水素化液体ポリスチレン樹脂、液体ポリテルペン、液体ロジンエステル、およびそれらの組み合わせが含まれる。多くの粘着性付与剤は商業的に入手可能であり、その最適選択は、接着剤配合技術における当業者によって成し遂げられ得る。
【0031】
好適な接着組成物には、例えば、ホットメルトコート可能な、転写コート可能な、溶剤コート可能な、およびラテックス接着組成物が含まれる。より具体的には、および一実施形態では、粘着性材料20はホットメルトコート可能な感圧接着剤である。好適なホットメルトコート可能な感圧接着剤には、H.B.フラー・カンパニー、ミネソタ州セントポール(H.B.Fuller Company,St.Paul,MN)から入手可能な、HL−1902およびHL−2168が含まれる。
【0032】
さらに、粘着性材料20は、上記のような、粘着性ポリマーだけまたは1つもしくはそれ以上の感圧接着剤と組み合わせてのようなポリマー添加物を含むことができる。好適な粘着性ポリマーには、メタクリル酸n−デシルポリマー、ポリイソブチレンポリマー、メタクリル酸アルキルポリマー、ポリイソブチレンポリマー、ポリアクリル酸アルキル、およびそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。
【0033】
粘着性材料20組成物はまた、例えば、可塑剤、希釈剤、フィラー、酸化防止剤、安定剤、顔料、架橋剤などのような添加剤を含むこともできる。
【0034】
上の材料を念頭に置いて、本発明に従ったクリーニングワイプ10の一製造方法は、図5に図式的に例示される。第1および第2繊維ウェブ70、72は最初に提供され、第1繊維ウェブ層70が第1および第2の対向する外面74、76を画定し、第2繊維ウェブ層72が第1および第2の対向する外面78、80を画定する。繊維ウェブ層70、72は同一であることができ、または前記のような様々な構造および/または性能特性を有することができる。それにもかかわらず、粘着性材料84(図5の図では拡大された)は、繊維ウェブ層70または72の少なくとも1つの第2外面76または80に塗布される。一実施形態では、粘着性材料84は、図5に示されるような、繊維ウェブ層70および72の両方の第2外面76および80に塗布される。例えば、粘着性材料84は、繊維ウェブ層70、72の間に吹き付け塗りすることができ、こうして第1ウェブ層70、72のそれぞれの第2外面76、80に塗布することができる。
【0035】
あるいはまた、転写コートされる接着剤を使用して粘着性材料84を繊維ウェブ層70および/または72の1つまたは両方に塗布することができる。例えば、単面または両面テープ(示されていない)を先ず第1繊維ウェブ層70に付着し、第2繊維ウェブ層72の付着を促進するために剥離ライナーおよび/またはバッキング(示されていない)を除去することができる。別の実施形態では、第1タイプの粘着性材料84が第1繊維ウェブ層70に塗布され、第2タイプの粘着性材料84が第2繊維ウェブ層72に塗布される。このアプローチでは、第1および第2粘着性材料の異なる特性(例えば、粘着性)は、結果として生じるクリーニングワイプの反対側(下記)を使用中に異なって機能させることができる。それにもかかわらず、繊維ウェブ層70、72は、例えば低圧圧縮装置90などで、粘着性材料を抱えた表面(例えば、表面76、80)に沿って接合されてウェブ構築物92を画定する。低圧圧縮装置90は、比較的小さい圧縮力(例えば、おおよそ5PLI)を繊維ウェブ層70、72上へ加えるために配置された一対のローラーのような、様々な形をとることができる。あるいはまた、低圧圧縮装置90は、下記のように、排除することができる。
【0036】
図6に示されるように、図5の一技法で、ウェブ構築物92は、繊維ウェブ層70、72および粘着性材料84を含む、3層によって画定される。第1繊維ウェブ層70の露出した第1外面74および第2繊維ウェブ層72の露出した第1外面78は、ウェブ構築物92の対向面を画定する。あるいはまた、粘着性材料84の塗布後に、それ自体の上に折り重ねられて、ウェブ構築物をもたらす単一繊維ウェブを提供することができる。
【0037】
図5に戻ると、ウェブ構築物92は次に、ウェブ構築物92上へ横の圧縮力をかける高圧圧縮装置94によって加工される。一実施形態では、圧縮装置94は、それを通してウェブ構築物92が供給されるニップを形成するカレンダーであり、比較的高い圧縮力(例えば、100PLIのオーダーで)を与えるように適合される。あるいはまた、2棒または2ベルト制限装置などのような他の圧縮装置を用いることができる。さらにもっと、ウェブ構築物92は手動で圧縮することができる。それにもかかわらず、圧縮装置94は、粘着性材料84を露出した外面74、78(図6)の方へ外向きに強制的に流れさせる。一実施形態では、圧縮装置94は、圧縮力を与えることに加えてウェブ構築物92を加熱するように適合され、熱は粘着性材料84(特にホットメルト感圧接着剤)を軟化させ、こうして繊維ウェブ層70、72のそれぞれの中を(すなわち、各繊維ウェブ層70、72を構成する様々な繊維の周りを)より容易に流れさせる。
【0038】
圧縮装置94による加工を受けて、粘着性材料84は繊維ウェブ層70、72を互いに接合させ、クリーニングワイプ96をもたらす。さらに、粘着性材料84は、繊維ウェブ層70、72のそれぞれ内で個々の繊維の少なくとも一部をコートする。特に、粘着性材料84がクリーニングワイプウェブ96の内部から第1外面74、78の方へ流れたので、様々な粘着性材料コーティングレベルは、全体としてのクリーニングワイプ96ウェブに関してだけでなく繊維のそれぞれに関しても達成される。一実施形態では、繊維ウェブ層70、72が圧縮装置94を出る時、それらは、繊維(無数の)を互いにきつく接合させる粘着性材料84のために圧縮されたままである。望まれる場合、クリーニングワイプウェブ96は、繊維ウェブ層70、72の嵩高いオープン構造を回復するために、圧縮装置94による加工後に再び嵩高くすることができる(例えば、クリーニングワイプウェブ96を熱にかけて)。あるいはまた、繊維ウェブ層70、72の構築物は、圧縮装置94の適切な運転条件下で再嵩高化または再バルキー化を自発的に起こさせることができる。さらに、クリーニングワイプウェブ96は、クリーニングワイプウェブ96表面に追加の開口部を生み出すためにおよび/または所望の美観を生み出すために成形またはエンボス工程にかけることができる。
【0039】
図5に関連した製造方法は、本発明に従ったクリーニングワイプ10(図1)を形成するためのほんの1つの許容される実施形態である。例えば、図7に示されるように、粘着性材料84は、高圧圧縮装置94による加工の直前に、または加工と同時に塗布することができる。同様に、ウェブ構築物92は、高圧塗布操作の一環としてカレンダリング装置の回りに巻き付けることができる。あるいはまた、および図8に示されるように、第1繊維ウェブ70のような単繊維ウェブは連続の材料シートとして最初に提供することができる。粘着性材料84は外面74または76の1つに塗布される(図8は第1外面74に塗布されつつある粘着性材料84を描写する)。この目的のために、粘着性材料84は、選択された外面74もしくは76の全体に、またはそれらの一部のみに塗布することができる。それにもかかわらず、繊維ウェブ70は、第1および第2繊維ウェブ層を画定するようにそれ自体の上へ(ダウンウェブかクロスウェブかのどちらかで)折り重ねられ、より具体的には、粘着性材料84が塗布された外面74または76(例えば、図8の図では第1外面74)がそれ自体の上へ折り重ねられる。生じるウェブ構築物100は次に高圧圧縮装置94(図5)によって加工され、前述のようなクリーニングワイプウェブを生み出す。
【0040】
上記の方法の任意のもので、粘着性材料タイプおよび/または基本重量、繊維デニールおよび/または基本重量、圧縮力、温度、ライン速度などの1つもしくはそれ以上を変えることによって、結果として生じるクリーニングワイプは、ある種の所望の特性を提供するために形成することができる。さらに、そのように形成されたクリーニングワイプウェブ96の多数のものは、(例えば適切な接着剤または他の粘着性材料によってなど)背合わせのやり方で剥離可能なように互いに固定することができる。この構造では、個々のクリーニングワイプは、クリーニングでの使用前、使用中、または使用後に多層アセンブリから引き続いてはぎ取ることができる。
【0041】
次の実施例および比較例は、本発明のクリーニングワイプ、クリーニングワイプの形成方法、およびクリーニングワイプの様々な特性を測定するために行われる試験をさらに記載する。実施例は、本発明の理解を容易にするための例示的な目的のために提供され、本発明を実施例に限定すると解釈されるべきではない。
【実施例】
【0042】
試験方法
砂除去試験A
砂除去を、2グラム(W1と称される)の砂(200μm平均直径以下)を60cm×243cmビニル床の表面上に分配することによって測定した。クリーニングワイプのサンプルを、スコッチブライト(ScotchBrite)TM高性能スウィーパー(High Performance Sweeper)モップ(3Mカンパニー、ミネソタ州セントポール(3M Company,St.Paul,Minnesota)から入手可能)のヘッド(クリーニングワイプがヘッドから面をそむけて)に取り付けた。取り付けたクリーニングワイプ付きスウィーパーヘッドを秤量し、W2として記録した。スウィーパーヘッドをスウィーパー棒に取り付け、試験サンプルを、スウィーパー・モップのハンドルに最低限の圧力をかけて全体床区域一面に1度(すなわち、その上に砂を有する床のあらゆる区域一面にワンパスで)押し付けた。ヘッドを棒から再び取り外し、その重量を測定した(W3と称される)。クリーニングワイプ試験サンプルによって表面から除去された砂の重量パーセントを次の通り計算した。
除去された%砂=[(W3−W2)/W1]×100
【0043】
砂除去試験B
砂除去を、700〜1000μmのより大きい平均直径を有する砂を試験に用いたことを除いて砂除去試験Aに従って測定した。
【0044】
米フレーク除去試験C
米フレーク除去を、乾燥米フレークを試験に用いたことを除いて砂除去試験Aに従って測定した。
【0045】
砂および米フレーク除去試験のすべてについて、報告するデータは少なくとも2つの試験の平均値である。
【0046】
ドラッグ測定およびドラッグ値
モデル100フォース・ゲージ(Model 100 Force Gauge)(チャチロン・アメテック・カンパニー、ニューヨーク州ブルックリン(Chatillon Ametek Company,Brooklyn,New York)から入手可能)を、標準スコッチブライトTM高性能スウィーパーモップ(3Mカンパニー、ミネソタ州セントポールから入手可能)に取り付けた。モデル100フォース・ゲージを、固定デバイスを用いて3Mモップおよびハンドル上へ取り付けた。固定デバイスは、標準機械スクリューでモップ・ハンドルを取り付けるために製造し、試験床に沿ってモップを押し付けるために必要とされる力を記録できるようなやり方で取り付けた。試験床表面はビニルフローリング材の60cm×243cm試験片であった。試験床を各試験の間に標準ほうきできれいにし、ドードルダスター(Dooddleduster)TMクロス(3Mカンパニー、ミネソタ州セントポールから入手可能)でほこりを取った。クリーニングワイプ材料の12.7cm×35.6cmサンプルをカットし、13.5インチ(35cm)の長さおよび3.75インチ(9.5cm)の幅を有する試験モップヘッド上へ取り付けた。モップを次に床に沿って押し付けた。この目的のために、モップヘッドを、ハンドルをモップヘッドに対して旋回させることができるように構築した。押し付け中に、モップヘッド(そして従って試験床)の平面に対するハンドルの角度を80°未満に維持した。モップを押し付けるための最大力(ポンド単位)をチャチロン・モデル100フォース・ゲージで記録した。そのように記録した最大力は、クリーニングワイプ試験サンプルのドラッグ値(Drag Value)と称される。報告するデータは少なくとも2つの試験の平均値である。
【0047】
用語解説
繊維材料
実施例で使用する繊維材料を表1に記載する。
【0048】
【表1】

【0049】
粘着性材料
実施例で使用する粘着性材料を表2に記載する。
【0050】
【表2】

【0051】
実施例1
エアレイド不織ウェブを、ランド−ウェーバー(Rando−Webber)エアレイド機(モデル12−BS、カーレイター社、ニューヨーク州イースト・ロチェスター(Curlator Corp.,East Rochester,NY)から入手可能)を用いて32デニール・ポリエステル・ステープルファイバーと12デニールの溶けかかった複合繊維とから作成した。32デニール繊維対12デニール繊維の重量比はおおよそ4:1であった。ウェブの基本重量はおおよそ40g/m2であった。
【0052】
ウェブを次に、コンベアベルトを用いてランド−ウェーバーから12フィート長さのオーブン中へ移した。オーブンはトップおよびボトム両空気激突を有し、350°Fの温度および20フィート毎分のライン速度にセットし、それは12デニールの溶けかかった複合繊維のシースを溶融させて密着ステープルファイバー・ウェブを生み出した。ウェブを次にロール形に巻き取った。これらのウェブの2つを次に、ホットメルト感圧接着剤(タイプHL−1902、H.B.フラー・カンパニー、ミネソタ州セントポールから入手可能)を用いて互いに積層した。接着剤を、4インチ単軸スクリュー押出機(ボンノット・カンパニー、オハイオ州ユニオンタウン(Bonnot Company,Uniontown,OH)から入手可能)を用いてギアポンプに供給し、ギアポンプは接着剤メルトブローイング・ダイ中への接着剤の流れを制御した。溶融した接着繊維を不織ウェブの1つ上へブローし、それを次に、おおよそ7pliのニップ力の非加熱積層機ニップを用いて第2の同一ウェブに積層した。接着剤コーティング幅はおおよそ10インチ幅であった。押出機およびメルトブローイング・ダイを165℃の温度にセットした。繊維微細化空気を約155℃にセットした。接着剤流量はおおよそ6.0ポンド毎時であり、積層機ライン速度はおおよそ26フィート毎分であり、おおよそ23グラム/m2の接着剤コーティング重量をもたらした。
【0053】
積層ウェブを次に2つのシリコーン・コートされた紙ライナーの間に入れ、加熱カレンダリング・ニップを通過させた。カレンダーは2つの10インチ直径スチール・ロールよりなった。ロールの表面温度は280°Fであり、ライン速度は5フィート毎分であり、ニップ圧力は約95pliであった。これは、接着剤を軟化させ、不織ウェブの露出面の方へ外向きに流れさせた。この時点で、積層ウェブは非常に圧縮されていた。シリコーン紙ライナーを取り除き、それをオーブン中180℃でおおよそ30秒間加熱することは、その時この圧縮ウェブを再び嵩高くした。再嵩高化ウェブの厚さはおおよそ0.25インチ(6.3mm)であった。
【0054】
実施例2
エアレイド不織ウェブを、ランド−ウェーバー・エアレイド機(モデル12−BS、カーレイター社、ニューヨーク州イースト・ロチェスターから入手可能)を用いて100デニール・ポリエステル・ステープルファイバーと12デニールの溶けかかった複合繊維とから作成した。100デニール繊維対12デニール繊維の重量比はおおよそ4:1であった。ウェブの基本重量はおおよそ70g/m2であった。
【0055】
ウェブを次に、コンベアベルトを用いてランド−ウェーバーから12フィート長さのオーブン中へ移した。オーブンはトップおよびボトム両空気激突を有し、350°Fの温度および20フィート毎分のライン速度にセットし、それは12デニールの溶けかかった複合繊維のシースを溶融させて密着ステープルファイバー・ウェブを生み出した。ウェブを次にロール形に巻き取った。これらのウェブの2つを次に、ホットメルト感圧接着剤(タイプH5007−01、ボスティック・フィンドリー、ウィスコンシン州ワウワトサ(Bostik Findley,Wauwatosa,WI)から入手可能)を用いて互いに積層した。接着剤を、4インチ単軸スクリュー押出機(ボンノット・カンパニー、オハイオ州ユニオンタウンから入手可能)を用いてギアポンプに供給し、ギアポンプは接着剤メルトブローイング・ダイ中への接着剤の流れを制御した。溶融した接着繊維を不織ウェブの1つ上へブローし、それを次に、おおよそ7pliのニップ力の非加熱積層機ニップを用いて第2の同一ウェブに積層した。接着剤コーティング幅はおおよそ10インチ幅であった。押出機およびメルトブローイング・ダイを165℃の温度にセットした。繊維微細化空気を約155℃にセットした。接着剤流量はおおよそ6.0ポンド毎時であり、積層機ライン速度はおおよそ12フィート毎分であり、おおよそ50グラム/m2の接着剤コーティング重量をもたらした。
【0056】
積層ウェブを次に2つのシリコーン・コートされた紙ライナーの間に入れ、加熱カレンダリング・ニップを通過させた。カレンダーは2つの10インチ直径スチール・ロールよりなった。ロールの表面温度は280°Fであり、ライン速度は5フィート毎分であり、ニップ圧力は約95pliであった。これは、接着剤を軟化させ、不織ウェブの露出面の方へ外向きに流れさせた。この時点で、積層ウェブは非常に圧縮されていた。シリコーン紙ライナーを取り除き、それをオーブン中180℃でおおよそ30秒間加熱することは、その時この圧縮ウェブを再び嵩高くした。再嵩高化ウェブの厚さはおおよそ0.25インチ(6.3mm)であった。
【0057】
実施例3
カード不織ウェブを、カード機(モデルM.C.、ヘルゲス・ホリングスワース、西独国(Hergeth Hollingsworth,West Germany)から入手可能)を用いて32デニール・ポリエステル・ステープルファイバーと12デニールの溶けかかった複合繊維とから作成した。32デニール繊維対12デニール繊維の重量比はおおよそ4:1であった。ウェブの基本重量はおおよそ65g/m2であった。
【0058】
ウェブを次に、コンベアベルトを用いてカード機から12フィート長さのオーブン中へ移した。オーブンはトップおよびボトム両空気激突を有し、350°Fの温度および20フィート毎分のライン速度にセットし、それは12デニールの溶けかかった複合繊維のシースを溶融させて密着ステープルファイバー・ウェブを生み出した。ウェブを次にロール形に巻き取った。これらのウェブの2つを次に、ホットメルト感圧接着剤(タイプHL−2168、H.B.フラー・カンパニー、ミネソタ州セントポールから入手可能)を用いて互いに積層した。接着剤を、4インチ単軸スクリュー押出機(ボンノット・カンパニー、オハイオ州ユニオンタウンから入手可能)を用いてギアポンプに供給し、ギアポンプは接着剤メルトブローイング・ダイ中への接着剤の流れを制御した。溶融した接着繊維を不織ウェブの1つ上へブローし、それを次に、おおよそ7pliのニップ力の非加熱積層機ニップを用いて第2の同一ウェブに積層した。接着剤コーティング幅はおおよそ10インチ幅であった。押出機およびメルトブローイング・ダイを165℃の温度にセットした。繊維微細化空気を約155℃にセットした。接着剤流量はおおよそ6.0ポンド毎時であり、積層機ライン速度はおおよそ8フィート毎分であり、おおよそ75グラム/m2の接着剤コーティング重量をもたらした。
【0059】
積層ウェブを次に2つのシリコーン・コートされた紙ライナーの間に入れ、加熱カレンダリング・ニップを通過させた。カレンダーは2つの10インチ直径スチール・ロールよりなった。ロールの表面温度は280°Fであり、ライン速度は5フィート毎分であり、ニップ圧力は約95pliであった。これは、接着剤を軟化させ、不織ウェブの表面の方へ外向きに流れさせた。この時点で、積層ウェブは非常に圧縮されていた。シリコーン紙ライナーを取り除き、それをオーブン中180℃でおおよそ30秒間加熱することは、その時この圧縮ウェブを再び嵩高くした。再嵩高化ウェブの厚さはおおよそ0.36インチ(9.1mm)であった。
【0060】
実施例4
エアレイド不織ウェブを、ランド−ウェーバー・エアレイド機(モデル12−BS、カーレイター社、ニューヨーク州イースト・ロチェスターから入手可能)を用いて32デニール・ポリエステル・ステープルファイバーと12デニールの溶けかかった複合繊維とから作成した。32デニール繊維対12デニール繊維の重量比はおおよそ4:1であった。ウェブの基本重量はおおよそ65g/m2であった。
【0061】
ウェブを次に、コンベアベルトを用いてランド−ウェーバーから12フィート長さのオーブン中へ移した。オーブンはトップおよびボトム両空気激突を有し、350°Fの温度および20フィート毎分のライン速度にセットし、それは12デニールの溶けかかった複合繊維のシースを溶融させて密着ステープルファイバー・ウェブを生み出した。ウェブを次にロール形に巻き取った。これらのウェブの2つを次に、ホットメルト感圧接着剤(タイプHL−1902、H.B.フラー・カンパニー、ミネソタ州セントポールから入手可能)を用いて互いに積層した。蛍光染料をこの接着剤中へブレンドした(HL−1902接着剤の元の量を基準にして0.075重量%)。接着剤を、4インチ単軸スクリュー押出機(ボンノット・カンパニー、オハイオ州ユニオンタウンから入手可能)を用いてギアポンプに供給し、ギアポンプは接着剤メルトブローイング・ダイ中への接着剤の流れを制御した。溶融した接着繊維を不織ウェブの1つ上へブローし、それを次に、おおよそ7ポンド/インチのニップ力の非加熱積層機ニップを用いて第2の同一ウェブに積層した。接着剤コーティング幅はおおよそ10インチ幅であった。押出機およびメルトブローイング・ダイを165℃の温度にセットした。繊維微細化空気を約155℃にセットした。接着剤流量はおおよそ6.0ポンド毎時であり、積層機ライン速度はおおよそ16フィート毎分であり、おおよそ38グラム/m2の接着剤コーティング重量をもたらした。
【0062】
積層ウェブを次に2つのシリコーン・コートされた紙ライナーの間に入れ、加熱カレンダリング・ニップを通過させた。カレンダーは2つの10インチ直径スチール・ロールよりなった。ロールの表面温度は280°Fであり、ライン速度は5フィート毎分であり、ニップ圧力は約95pliであった。これは、接着剤を軟化させ、不織ウェブの表面の方へ外向きに流れさせた。この時点で、積層ウェブは非常に圧縮されていた。シリコーン紙ライナーを取り除き、それをオーブン中180℃でおおよそ30秒間加熱することは、その時この圧縮ウェブを再び嵩高くした。再嵩高化ウェブの厚さはおおよそ0.31インチ(7.9mm)であった。
【0063】
接着剤中への蛍光染料のブレンディングは、ウェブのサンプル中の接着剤勾配を検査するのに蛍光画像技術の使用を可能にした。ウェブのセクションを除去して縁部の1つを調べた。サンプルをガラス顕微鏡スライド上に載せ、おおよそ2cm×2cm区域を画像形成する共焦点マクロスコープ(Confocal Macroscope)(バイオメディカル・フォトメトリックス社、カナダ国オンタリオ州ウォータールー(Biomedical Photometrics Inc.,Waterloo,Ontario,Canada))を用いて検査した。縁部の共焦点明視野(CRB)および共焦点蛍光(CFL)x、y画像が画像のy方向に配向したサンプルで得られた。サンプルにわたって平均ライン・プロフィールが得られた。CFLライン・プロフィールはサンプルにわたって蛍光染料の密度を示した。CRBライン・プロフィールはサンプルの幅を示した。CFLライン・プロフィールは、サンプルの縁部位置がサンプルにマークされて、サンプルについてプロットされた。CFLライン・プロフィールは、蛍光染料の密度がウェブサンプルの外面でよりもウェブサンプルの中心で大きいことを示した。これは、より多い量の接着剤がウェブの外面でよりもウェブの中心に存在することと相関するであろう。
【0064】
実施例5
カード不織ウェブを、カード機(モデルM.C.、ヘルゲス・ホリングスワース、西独国から入手可能)を用いて32デニール・ポリエステル・ステープルファイバーと12デニールの溶けかかった複合繊維とから作成した。32デニール繊維対12デニール繊維の重量比はおおよそ4:1であった。ウェブの基本重量はおおよそ65g/m2であった。
【0065】
ウェブを次に、コンベアベルトを用いてカード機から12フィート長さのオーブン中へ移した。オーブンはトップおよびボトム両空気激突を有し、350°Fの温度および20フィート毎分のライン速度にセットし、それは12デニールの溶けかかった複合繊維のシースを溶融させて密着ステープルファイバー・ウェブを生み出した。ウェブを次にロール形に巻き取った。このウェブを次に、ホットメルト感圧接着剤(タイプHL−1902、H.B.フラー・カンパニー、ミネソタ州セントポールから入手可能)を用いて0.71g/m2、ポリエステルフィルムに積層した。接着剤を、4インチ単軸スクリュー押出機(ボンノット・カンパニー、オハイオ州ユニオンタウンから入手可能)を用いてギアポンプに供給し、ギアポンプは接着剤メルトブローイング・ダイ中への接着剤の流れを制御した。溶融した接着繊維をポリエステルフィルム上へブローし、それを次に、おおよそ7pliのニップ力の非加熱積層機ニップを用いてカード不織ウェブに積層した。接着剤コーティング幅はおおよそ10インチ幅であった。押出機およびメルトブローイング・ダイを165℃の温度にセットした。繊維微細化空気を約155℃にセットした。接着剤流量はおおよそ6.0ポンド毎時であり、積層機ライン速度はおおよそ33フィート毎分であり、おおよそ18g/m2の接着剤コーティング重量をもたらした。
【0066】
積層ウェブの不織面を次にシリコーン・コートされた紙ライナーの上に置き、加熱カレンダリング・ニップを通過させた。カレンダーは2つの10インチ直径スチール・ロールよりなった。ロールの表面温度は280°Fであり、ライン速度は5フィート毎分であり、ニップ圧力は約95pliであった。これは、接着剤を軟化させ、不織ウェブの表面の方へ外向きに流れさせた。この時点で、積層ウェブは非常に圧縮されていた。シリコーン紙ライナーを不織表面から取り除き、それをオーブン中180℃でおおよそ30秒間加熱することは、その時この圧縮ウェブを再び嵩高くした。再嵩高化ウェブの厚さはおおよそ0.085インチ(2.2mm)であった。
【0067】
実施例1〜5をそれぞれ、上記の砂および米フレーク除去試験方法ならびにドラッグ測定試験方法を用いて評価した。結果を表3に示す。
【0068】
【表3】

【0069】
比較の目的で、商品名「3M 07910」で3Mカンパニー、ミネソタ州セントポールから入手可能なタッククロス・サンプルを上記のドラッグ測定試験にかけた。モップを動かすことは本質的に不可能であり、その結果何の読みもチャチロン・モデル100フォース・ゲージから採取できなかった(タッククロス・サンプルが少なくとも10ポンドを十分に超えるドラッグ値を有することを意味する)。
【0070】
本発明は好ましい実施形態に関して記載されてきたが、当業者は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく形および詳細の点で変更を行い得ることを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明に従ったクリーニングワイプの略斜視図である。
【図2A】ライン2A−2Aに沿った図1のクリーニングワイプの部分の拡大断面図である。
【図2B】本発明に従った本発明クリーニングワイプの内部のクローズアップ断面写真である。
【図3A】本発明のクリーニングワイプの実施形態に関連した粘着性材料勾配を例示するグラフである。
【図3B】本発明のクリーニングワイプの実施形態に関連した粘着性材料勾配を例示するグラフである。
【図3C】本発明のクリーニングワイプの実施形態に関連した粘着性材料勾配を例示するグラフである。
【図3D】本発明のクリーニングワイプの実施形態に関連した粘着性材料勾配を例示するグラフである。
【図4A】例示的なクリーニング操作後の図1のクリーニングワイプのある部分の拡大断面図である。
【図4B】例示的なクリーニング操作後の本発明に従った本発明クリーニングワイプの内部のクローズアップ断面写真である。
【図5】本発明に従ったクリーニングワイプの形成方法の概略図である。
【図6】図5のライン6−6に沿って見られるような、図5の製造技術の初期段階中のクリーニングワイプ構築物の断面図である。
【図7】本発明に従ったクリーニングワイプの代替形成方法の概略図である。
【図8】本発明に従ったクリーニングワイプの別の代替形成法に従って処理されつつある材料のウェブの斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向面と該対向面間の中間領域とを画定する繊維ウェブであって、該対向面の少なくとも1つがクリーニングワイプの作業面として機能する繊維ウェブと、
粘着性材料のレベルが該作業面でよりも該中間領域中で大きいように該繊維ウェブに適用された粘着性材料と、
を含むクリーニングワイプ。
【請求項2】
前記対向面の両方とも作業面であり、そしてさらに前記粘着性材料のレベルが該作業面のどちらでよりも前記中間領域中で大きい、請求項1に記載のクリーニングワイプ。
【請求項3】
繊維ウェブ材料の面積当たりの粘着性材料の量が前記作業面でよりも前記中間領域中で大きい、請求項1に記載のクリーニングワイプ。
【請求項4】
前記繊維ウェブが前記対向面によって画定される平面間の中間で、および前記平面と平行に中心平面を画定し、そしてさらに粘着性材料:ウェブ材料の比が前記作業面でよりも該中心平面中で大きい、請求項1に記載のクリーニングワイプ。
【請求項5】
前記繊維ウェブが前記対向面間の中間で中心領域を画定し、かつ、第1および第2セクションを画定する少なくとも1種の繊維であって、該第1セクションが該中心領域に近接し、かつ、該第2セクションが前記作業面に近接するように配置された繊維を含み、そしてさらに該第1セクションでの前記粘着性材料のコーティング厚さが該第2セクションでの該粘着性材料のコーティング厚さより大きい、請求項1に記載のクリーニングワイプ。
【請求項6】
前記繊維ウェブが前記対向面間の中間で中心領域を画定し、そして該中心領域により近接し、かつ、前記作業面にそれほど近接しない第1セクションと、該作業面により近接し、かつ、該中心領域にそれほど近接しない第2セクションとによってそれぞれ画定された複数のランダムに分配された繊維を含み、そしてさらに該繊維のそれぞれが、各繊維の該第1セクションでの前記粘着性材料のコートされた容量が該第2セクションでのコートされた容量より大きいように該粘着性材料でコートされる、請求項1に記載のクリーニングワイプ。
【請求項7】
前記繊維ウェブが中心を含み、かつ、前記対向面間に伸びるウェブ厚さを画定し、そしてさらに前記適用された粘着性材料が該ウェブ厚さにわたって粘着性材料勾配を画定する、請求項1に記載のクリーニングワイプ。
【請求項8】
前記粘着性材料勾配が前記中心と比べて前記対向面で粘着性材料の減少したレベルによって特徴づけられる、請求項7に記載のクリーニングワイプ。
【請求項9】
前記粘着性材料勾配が前記対向面と比べて前記中心で粘着性材料の高い量によって特徴づけられる、請求項7に記載のクリーニングワイプ。
【請求項10】
前記粘着性材料勾配が前記中心から前記対向面への粘着性材料の量の漸進的減少によって特徴づけられる、請求項7に記載のクリーニングワイプ。
【請求項11】
前記作業面での粘着防止剤の欠如によって特徴づけられる、請求項1に記載のクリーニングワイプ。
【請求項12】
前記作業面が5ポンド以下のドラッグ値を示す、請求項1に記載のクリーニングワイプ。
【請求項13】
前記作業面が2ポンド以下のドラッグ値を示す、請求項12に記載のクリーニングワイプ。
【請求項14】
前記対向面のそれぞれが5ポンド以下のドラッグ値を示す、請求項12に記載のクリーニングワイプ。
【請求項15】
前記粘着性材料が10g/m2より大きいレベルで適用される、請求項12に記載のクリーニングワイプ。
【請求項16】
前記粘着性材料が15g/m2以上のレベルで適用される、請求項15に記載のクリーニングワイプ。
【請求項17】
前記繊維ウェブが不織繊維ウェブである、請求項1に記載のクリーニングワイプ。
【請求項18】
前記繊維ウェブが織繊維ウェブである、請求項1に記載のクリーニングワイプ。
【請求項19】
前記繊維ウェブがポリエステルおよびポリプロピレン繊維よりなる群から選択された繊維を含む、請求項1に記載のクリーニングワイプ。
【請求項20】
前記繊維ウェブが第1および第2繊維ウェブ層を含む、請求項1に記載のクリーニングワイプ。
【請求項21】
前記第1繊維ウェブ層が前記対向面の第1の面を画定し、かつ、前記第2繊維ウェブ層が前記対向面の第2の面を画定する、請求項20に記載のクリーニングワイプ。
【請求項22】
前記粘着性材料が感圧接着剤である、請求項1に記載のクリーニングワイプ。
【請求項23】
前記感圧接着剤がホットメルト感圧接着剤である、請求項22に記載のクリーニングワイプ。
【請求項24】
前記感圧接着剤がポリアクリレートおよび合成ブロック共重合体よりなる群から選択された材料を含む、請求項22に記載のクリーニングワイプ。
【請求項25】
対向面と該対向面間の中間領域とを画定する繊維ウェブであって、該対向面の少なくとも1つがクリーニングワイプの作業面として機能する繊維ウェブと、
10g/m2より大きいレベルで該繊維ウェブ中へ含浸された粘着性材料と、
を含むクリーニングワイプであって、
該作業面が5ポンド以下のドラッグ値を示すクリーニングワイプ。
【請求項26】
前記粘着性材料が15g/m2以上のレベルで前記繊維ウェブ中へ含浸される、請求項25に記載のクリーニングワイプ。
【請求項27】
前記粘着性材料が15〜100g/m2の範囲のレベルで前記繊維ウェブ中へ含浸される、請求項25に記載のクリーニングワイプ。
【請求項28】
前記粘着性材料が20g/m2以上のレベルで前記繊維ウェブ中へ含浸される、請求項25に記載のクリーニングワイプ。
【請求項29】
前記作業面が2ポンド以下のドラッグ値を示す、請求項25に記載のクリーニングワイプ。
【請求項30】
前記対向面のそれぞれが5ポンド以下のドラッグ値を示す、請求項25に記載のクリーニングワイプ。
【請求項31】
前記対向面のそれぞれが2ポンド以下のドラッグ値を示す、請求項30に記載のクリーニングワイプ。
【請求項32】
前記粘着性材料が前記繊維ウェブの厚さにわたって粘着性材料勾配を画定し、該粘着性材料勾配が前記作業面と比べて前記中間領域で粘着性材料の増加したレベルによって特徴づけられる、請求項25に記載のクリーニングワイプ。
【請求項33】
前記粘着性材料レベルが繊維ウェブ材料の単位面積当たりの粘着性材料の体積である、請求項32に記載のクリーニングワイプ。
【請求項34】
前記粘着性材料レベルが繊維ウェブ材料の単位面積当たりの粘着性材料の重量である、請求項32に記載のクリーニングワイプ。
【請求項35】
前記繊維ウェブが第1および第2繊維ウェブ層を含む、請求項25に記載のクリーニングワイプ。
【請求項36】
前記第1および第2繊維ウェブ層が少なくとも1つの異なる特性を有する、請求項35に記載のクリーニングワイプ。
【請求項37】
第1繊維ウェブ層、
第2繊維ウェブ層、
ウェブ構築物が対向面とそれらの間に配置された中間領域とを画定するように該第1および第2繊維ウェブ層の間に配置され、これらの層を接合する粘着性材料の層
を含むウェブ構築物を提供する工程と、
該粘着性材料が該中間領域から該対向面の方へ流れるように該ウェブ構築物を横に圧縮する工程と、
を含むクリーニングワイプの製造方法であって、
該ウェブ構築物の圧縮後に該粘着性材料のレベルが外面のどちらでよりも該中間領域で大きい方法。
【請求項38】
前記粘着性材料がホットメルト感圧接着剤を含み、そしてさらに前記ウェブ構築物が該ウェブ構築物を圧縮する工程中に該ホットメルト感圧接着剤を軟化させるために熱にさらされる、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
ウェブ構築物を提供する工程が
前記第1繊維ウェブ層を提供する工程と、
前記粘着性材料を該第1繊維ウェブ層の面に適用する工程と、
前記第2繊維ウェブを該第1繊維ウェブ層の該粘着性材料でコートされた面上へ置く工程と、
を含む請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記第1および第2繊維ウェブ層が別々に形成される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記第1および第2繊維ウェブ層が対向する主面を有する一体の連続材料シートとして形成され、そしてさらにウェブ構築物を提供する工程が、
前記粘着性材料を該材料シートの該対向する主面の1つに適用する工程と、
該材料シートのコートされた主面を、それらの間に配置された該粘着性材料の該第1および第2繊維ウェブ層を画定するようにそれ自体の上へ折り重ねる工程と、
を含む請求項37に記載の方法。
【請求項42】
前記粘着性材料を適用する工程が前記材料シートの前記主面の1つの全体を前記粘着性材料でコートすることを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記粘着性材料を適用する工程が前記材料シートの前記対向する主面の1つの全体未満を前記粘着性材料でコートすることを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記材料シートを折り重ねる工程がクロスウェブ折り目を形成することを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記材料シートを折り重ねる工程がダウンウェブ折り目を形成することを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
圧縮の工程の後に前記ウェブ構築物を再バルキー化する工程をさらに含む、請求項37に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−528024(P2006−528024A)
【公表日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521079(P2006−521079)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/020094
【国際公開番号】WO2005/010264
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】