説明

クリーニング機能付き集塵装置および電子機器筐体

【課題】 扉のない小型の電子機器にも実装することのできるクリーニング機能付き集塵装置および電子機器筐体を提供すること。
【解決手段】 エアダクト8から突出した防塵フィルタ14の把持部14aを把持してエアダクト8から離間させる方向に引くことによってエアダクト8内で防塵フィルタ14をスライドさせ、エアダクト8内のブラシ19の先端を防塵フィルタ14に摺接させて防塵フィルタ14の塵や埃を払い落とす。モータ等を始めとする格別の駆動手段やリンク機構を筐体2に設けなくても防塵フィルタ14を容易にクリーニングすることができ、同時に、筐体2内の空間を電子部品の設置スペースとして有効に利用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器筐体に併設されるクリーニング機能付き集塵装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
CPUやLSIは高性能/高密度になると発熱量が非常に高くなる。コンピュータやワークステーション等の小型の電子機器では、発熱量の多いチップに対して冷却用の空気を供給するエアダクトを設け、外部の新鮮な空気を取り込んで直にチップを冷却する必要がある。
設置環境によってはエアダクトに防塵フィルタを設けるが、定期的にクリーニングする必要があり、防塵フィルタを取り出すときにネジや装置カバーを取り外すなど構造的にメンテナンスが面倒であった。
また、定期的なメンテナンスを怠っていると防塵フィルタに埃が詰まって冷却効率が悪化し、電子機器の信頼性を確保することが難しいという問題があった。
【0003】
防塵フィルタのメンテナンスを容易化するための技術手段としては、例えば、特許文献1に開示されるようなノーメンテナンスフィルタや特許文献2に開示されるような冷却筐体構造が公知である。
【0004】
特許文献1に開示されるノーメンテナンスフィルタは、装置の使用時間が所定時間に達する度に無端ベルト状の防塵フィルタに送りを掛けて移動させ、この移動過程でモータ駆動式の回転ブラシを作動させて防塵フィルタの表面から塵や埃を取り除くように構成したものである。しかし、このものは、基本的に、空調機等の防塵フィルタのセルフクリーニングを目的として開発されたものであり、構成が大掛かりなためコンピュータやワークステーション等の小型の電子機器に転用することは難しい。
【0005】
一方、特許文献2に開示される冷却筐体構造は、筐体に設けられた扉の開閉動作と連動させて防塵フィルタをスライドさせ、防塵フィルタの両側に固定配備されたブラシに防塵フィルタを摺接させることによって防塵フィルタの表面から塵や埃を取り除くように構成したものである。従って、コンピュータやワークステーション等の電子機器筐体に併設することが可能であるが、扉の開閉動作と防塵フィルタのスライド動作を連動させるリンク機構が複雑となる点、および、リンク機構を配置するスペースが必要となるために電子部品の設置スペースが制限される点で問題があり、当然、扉を備えていない電子機器筐体に実装することはできない。
また、防塵フィルタをエアダクトの外気取り込み口と平行な面内でスライドさせる構造であるため、スライドする防塵フィルタとの干渉を防止する必要上、エアダクトの外気取り込み口の周辺のかなり広い範囲に亘って機能部品を配置することが困難となる弊害が生じる。
【0006】
【特許文献1】特開平10−2604号公報
【特許文献2】特開2000−49481号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の課題は、前記従来技術の不都合を改善し、扉のない小型の電子機器にも実装することができ、より望ましくは、エアダクトの外気取り込み口の周辺にも機能部品を容易に配置することのできるクリーニング機能付き集塵装置および電子機器筐体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、冷却用の外気を取り込むエアダクトに設けられる集塵装置であり、前記課題を達成するため、特に、前記エアダクト内の空間を上流側と下流側に仕切る位置に設けられたシート状の防塵フィルタと、前記エアダクト内に設けられ前記防塵フィルタの一端を前記エアダクトから突出させた状態で前記防塵フィルタの面の接線の方向に沿って前記防塵フィルタをスライド可能に保持するフィルタガイドと、前記防塵フィルタで仕切られた上流側の空間に配備され前記防塵フィルタの前記一端寄りの部分で前記防塵フィルタの面に当接するブラシとを備えたことを特徴とする構成を有する。
【0009】
以上の構成により、集塵装置の通常の使用に際しては、エアダクトに取り込まれる冷却用の外気に含まれる塵や埃がシート状の防塵フィルタによって除去され、この塵や埃がエアダクト内の空間を上流側と下流側に仕切る位置に設けられた当該防塵フィルタの上流側の面に付着する。
また、防塵フィルタのクリーニングを行う場合は、エアダクトから突出した防塵フィルタの一端を把持し、エアダクトから離間させる方向に引くことにより、エアダクト内のフィルタガイドに沿って防塵フィルタをスライドさせる。この際、防塵フィルタで仕切られた上流側の空間において防塵フィルタの前記一端寄りの部分に配備されているブラシの先端が防塵フィルタの面と摺接することで、防塵フィルタの上流側の面に付着している塵や埃を払い落とす。
このように、エアダクトから突出した防塵フィルタの一端を把持して引き出す操作によって防塵フィルタをクリーニングする簡便な構成であるから、モータ等を始めとする格別の駆動手段やリンク機構を必要とせず、扉のない小型の電子機器にも容易に実装することができる。
【0010】
更に、フィルタガイドの少なくとも一部がエアダクト内の空間を上流側と下流側に仕切る傾斜面に沿って形成され、前記防塵フィルタの前記一端(把持部)が前記エアダクトの外気取り込み口の側から突出している構成とすることが望ましい。
【0011】
エアダクト内の空間を仕切る傾斜面に沿って形成されたフィルタガイドで防塵フィルタを保持し冷却用の外気の流れに対して防塵フィルタの面を斜交させることで、防塵フィルタの実質的な有効面積を増大させることができ、冷却用の外気の取り込み効率が向上する。
また、防塵フィルタを傾斜させて防塵フィルタの把持部となる前記一端をエアダクトの外気取り込み口の側から突出させることで、クリーニング操作に必要とされる把持部を含め、集塵装置の構成要素の全てをエアダクトにおける外気取り込み口の投影面積内に納めることができる。これにより、エアダクトの外気取り込み口の周辺にも機能部品(例えば、スイッチ類,アクセスランプ,表示器等)を容易に配置することが可能となった。同時に、集塵装置のコンパクト化も可能である。
【0012】
また、防塵フィルタを湾曲可能な素材で形成することにより、前記傾斜面を下流側に凸の円弧面とすることができる。
【0013】
冷却用の外気の流れに対して防塵フィルタの姿勢を傾斜させ且つ其の形状を湾曲させることにより防塵フィルタの実質的な有効面積の更なる増大が可能となり、冷却用の外気の取り込み効率が向上する。
【0014】
防塵フィルタを湾曲可能な素材で形成した場合には、更に、外気取り込み口の近傍でエアダクトの壁面に沿ってフィルタガイドを形成し、それ以外の部分では前記傾斜面に沿ってフィルタガイドを形成することができる。
【0015】
このような構成を適用した場合、防塵フィルタのクリーニングを行う際に引き出された防塵フィルタの突出部分を含め、集塵装置の構成要素の全てをエアダクトにおける外気取り込み口の投影面積内に納めることができる。
【0016】
更に、防塵フィルタで仕切られた上流側の空間と連絡する集塵スペースをエアダクトの下部に併設し、この集塵スペース内に、上面を開口した容器型の集塵ボックスを着脱可能に装着するように構成してもよい。
【0017】
防塵フィルタから払い落とされた塵や埃を集塵ボックスに集めて簡単に回収することができる。
【0018】
本発明の電子機器筐体は、前述のクリーニング機能付き集塵装置を備えた電子機器筐体である。
【0019】
従って、防塵フィルタのクリーニングのための格別の駆動手段やリンク機構を必要とせず、電子部品の設置スペースを容易に確保することができる。
また、集塵装置の構成要素の全てをエアダクトにおける外気取り込み口の投影面積内に納め、エアダクトの外気取り込み口の周辺に機能部品(例えば、スイッチ類,アクセスランプ,表示器等)を容易に配置することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のクリーニング機能付き集塵装置および電子機器筐体は、エアダクトから突出した防塵フィルタの一端を把持してエアダクトから離間させる方向に引くことによってエアダクト内で防塵フィルタをスライドさせ、エアダクト内のブラシの先端を防塵フィルタに摺接させて防塵フィルタの塵や埃を払い落とすようにしているので、モータ等を始めとする格別の駆動手段やリンク機構を筐体に設けなくても防塵フィルタを容易にクリーニングすることができ、同時に、筐体内の空間を電子部品の設置スペースとして有効に利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明を適用した一実施形態のクリーニング機能付き集塵装置1および電子機器筐体としてのパーソナルコンピュータのケーシング2の一例を示した斜視図である。
【0022】
図1ではパーソナルコンピュータにおけるケーシング2の外形とコンパクトディスク挿入口3,フロッピーディスク挿入口4,起動スイッチ5,コンパクトディス用アクセスランプ6,フロッピーディスク用アクセスランプ7の配置について示すにとどめ、パーソナルコンピュータ自体の内部構造に関しては記載を省略している。
【0023】
図1に示されるように、クリーニング機能付き集塵装置1を併設したエアダクト8は、ケーシング2の一面を形成する側板2a上に実質的に一体に固設されている。
【0024】
エアダクト8は、ケーシング2内に冷却用の外気を取り込んでプリント基板上のCPU9を冷却するためのもので、ケーシング2の前面パネルに開口した外気取り込み口10と吸引用のファン11およびCPU9に外気を吹き付けるための空気送出口12を備え、空気送出口12から送り出されてCPU9を冷却した空気は、ケーシング2の背面に穿設された換気口13を介してケーシング2の外部に排出されるようになっている。図1ではCPU9の配設位置について簡略化して示しているが、実際には、CPU9はケーシング2内のメインボード上に設置されている。
【0025】
図2は図1の断面A−Aに沿ってクリーニング機能付き集塵装置1の内部構造を示した断面図、図3(a)および図3(b)は、各々、図2の断面B−Bおよび断面C−Cに沿ってクリーニング機能付き集塵装置1における防塵フィルタ14の取付構造を具体的に示した断面図である。
【0026】
矩形管状に形成されたエアダクト8の左右の側壁8a,8bの内側には、図2に示されるように、湾曲可能な素材から形成されたシート状(フィルム状を含む)の防塵フィルタ14を保持するための突条からなるフィルタガイド15,16が側壁8a,8bと一体に形成され、フィルタガイド15,16間に保持された防塵フィルタ14によって、エアダクト8内の空間が上流側の空間17と下流側の空間18とに仕切られている。
【0027】
フィルタガイド15,16は防塵フィルタ14の面の接線の方向に沿って防塵フィルタ14を全体として図2中の左右方向にスライド可能に保持しており、防塵フィルタ14の一端14aは、エアダクト8の外気取り込み口10からエアダクト8の外側、更には、ケーシング2の外側に突出している。以下、防塵フィルタ14の一端14aを把持部14aと称する。
【0028】
突条からなるフィルタガイド15,16のうち外気取り込み口10の近傍に位置する部分、つまり、図2中の区間Xに含まれる部分は、フィルタガイド15,16が、矩形管状のエアダクト8の上面を形成する壁面8cに沿って形成されている。また、それよりも下流側の部分では、フィルタガイド15,16が、エアダクト8内の空間を上流側の空間17と下流側の空間18に仕切る仮想傾斜面に沿って形成されている。この仮想傾斜面は下流側に凸の円弧面を備えた傾斜面であり、図2中で円弧状に湾曲された防塵フィルタ14が存在する部分である。
【0029】
図3(b)に示されるように、仮想傾斜面に沿って形成された下流側の部分においては突条のフィルタガイド15,16と壁面8cとの明確な区別があるが、外気取り込み口10の近傍に位置する上流側の部分では、図3(a)に示されるように、フィルタガイド15と壁面8cとの区別はなく、壁面8c自体がフィルタガイド15を兼ねている。
【0030】
また、防塵フィルタ14で仕切られた上流側の空間17には、防塵フィルタ14の把持部14a寄りの位置で防塵フィルタ14の面に当接するブラシ19が、側壁8a,8b間に掛け渡されるようにして固着配備されている。
【0031】
この実施形態では、突条からなるフィルタガイド15,16によって矩形状の防塵フィルタ14の両端部のみを表裏から挟んで保持するようにしているが、通気を妨げない限り、フィルタガイド15,16の構造は問わない。例えば、矩形状の防塵フィルタ14の全面を表裏から挟むメッシュ構造であってもよい。
【0032】
更に、エアダクト8の下部には、防塵フィルタ14で仕切られた上流側の空間17と連絡する集塵スペース20が併設され、この集塵スペース20内に、上面を開口した容器型の集塵ボックス21が着脱可能に装着されている。
【0033】
以上の構成において、CPU9を冷却させるためにファン11を作動させると、ケーシング2の外部の空気が外気取り込み口10を介してダクト8に吸い込まれ、更に、この冷却用の空気がダクト8および空気送出口12を介してCPU9に吹き付けられる。ファン11はパーソナルコンピュータの動作中に定常的に作動するものであってもよいし、あるいは、CPU9の温度上昇を検知して作動するようなものであっても構わない。
【0034】
エアダクト8に取り込まれる冷却用の外気に含まれる塵や埃は、図4に示されるように、この送風過程でシート状の防塵フィルタ14によって除去され、この塵や埃が防塵フィルタ14の上流側の面、つまり、図2で言えば防塵フィルタ14の右側の面に付着する。
【0035】
そして、防塵フィルタ14のクリーニングを行う場合には、ファン11の作動を停止させた状態でエアダクト8の外気取り込み口10から外側に突出した防塵フィルタ14の把持部14aを把持し、エアダクト8から離間させる方向、つまり、図1中で手前側に引くことで、エアダクト8内のフィルタガイド15,16に沿って防塵フィルタ14をスライドさせる。
【0036】
この際、防塵フィルタ14の把持部14a寄りの位置に配備されているブラシ19の先端が防塵フィルタ14の面と摺接することで、防塵フィルタ14の上流側の面、つまり、図2で言えば防塵フィルタ14の右側の面に付着している塵や埃が払い落とされて自重で落下し、図4に示されるように、集塵ボックス21内に回収される。
【0037】
このように、防塵フィルタ14の把持部14aを把持して引き出す操作によって防塵フィルタ14をクリーニングする簡便な構成であるから、モータ等を始めとする格別の駆動手段やリンク機構を必要とせず、扉のない小型の電子機器、例えば、図1に示されるようなパーソナルコンピュータのケーシング2にもクリーニング機能付き集塵装置1を容易に実装することができる。
【0038】
特に、この実施形態では、エアダクト8内の空間を仕切る円弧状の仮想傾斜面に沿って形成されたフィルタガイド15,16で防塵フィルタ14を保持し、冷却用の外気の流れに対して防塵フィルタ14の姿勢を傾斜させ且つ其の形状を湾曲させることで防塵フィルタ14の実質的な有効面積を大きくしているので、冷却用の外気の取り込み効率を向上させることができる。
【0039】
また、防塵フィルタ14を傾斜および湾曲させて配置することで防塵フィルタ14の把持部14aをエアダクト8の外気取り込み口10の側から突出させるようにしているので、クリーニング操作に必要とされる把持部14aを含め、集塵ボックス21を除くクリーニング機能付き集塵装置1の構成要素の全てをエアダクト8における外気取り込み口10の投影面積内に納めることができ、外気取り込み口10の直近にもアクセスランプ6,7等を始めとする各種の機能部品を容易に配置することが可能となった。
外気取り込み口と平行な面内で防塵フィルタをスライドさせる従来のクリーニング機能付き集塵装置では、スライド移動する防塵フィルタとパーソナルコンピュータの機能部品あるいは其の配線との干渉を防止する必要上、外気取り込み口の直近に機能部品を配置することは困難であり、外気取り込み口10の直近への機能部品の配置を許容する効果は、防塵フィルタ14を傾斜あるいは湾曲させた状態で配置した実施形態に固有の効果である。同時に、クリーニング機能付き集塵装置1自体のコンパクト化も可能である。
【0040】
同様の効果は、図2に示す点P−点Q間を結ぶ直線に沿って防塵フィルタ14をスライド自在に配置することによっても達成され得るが、その場合、防塵フィルタ14の傾斜に合うようにブラシ19を図2中で反時計方向に回転させた状態で設置してブラシ19の先端を防塵フィルタ14の面に当接させなければならないので、ブラシ19の左右方向の長さを大きくすると、外気取り込み口10の上部がブラシ19で遮られて空気の取り込みが阻害されるといった弊害がある。
本実施形態では、外気取り込み口10の近傍に位置する部分、つまり、図2中の区間Xに含まれる部分で防塵フィルタ14がエアダクト8の天面を形成する壁面8cに沿って水平となる構成を採用しているので、ブラシ19を傾斜させて取り付ける必要はなく、ブラシ19の左右方向の長さを大きくとった場合でも、外気取り込み口10からの空気の取り込みが阻害されることはなく、ブラシ19に十分な左右方向の長さを与えて防塵フィルタ14から確実に塵や埃を払い落とすことができる。
また、外気取り込み口10の近傍で防塵フィルタ14が水平となるので、防塵フィルタ14の把持部14aを引き出した状態下においても、把持部14aや引き出し操作によって外気取り込み口10から突出した防塵フィルタ14の部分を外気取り込み口10の投影面積内に納めることができる。従って、外気取り込み口10に直近する位置に各種のコネクタ類を実装し、これらのコネクタにプラグが突出して接続されているような場合であっても、プラグ類を外さずに把持部14aを操作して防塵フィルタ14をクリーニングすることが可能である。
【0041】
なお、図2に示す点P−点Q間を結ぶ直線に沿って防塵フィルタ14をスライド自在に配置する構成を適用する場合においては、シート状の防塵フィルタ14が湾曲可能である必要はない。
【0042】
防塵フィルタ14から払い落とされた塵や埃は自重によって集塵ボックス21内に落下するので、集塵ボックス21内に或る程度の塵や埃が溜まった段階でケーシング2の前面パネル側から集塵ボックス21を引き抜いて内部の塵や埃を処分すればよい。
【0043】
防塵フィルタ14のクリーニングのための格別の駆動手段やリンク機構はケーシング2の内部には設けられていないので、ケーシング2の内部空間を電子部品の設置スペースとして有効に利用することができる。
【0044】
以上、一例として、クリーニング機能付き集塵装置1をパーソナルコンピュータのケーシング2に配備したものについて説明したが、同様の技術思想を他の電子機器筐体、例えば、ワークステーションやディスクアレイシステム等の筐体に転用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明を適用した一実施形態のクリーニング機能付き集塵装置および電子機器筐体としてのパーソナルコンピュータのケーシングの一例を示した斜視図である。
【図2】同実施形態のクリーニング機能付き集塵装置の内部構造を示した断面図である。
【図3】同実施形態のクリーニング機能付き集塵装置における防塵フィルタの取付構造を具体的に示した断面図で、図3(a)は図2の断面B−B、また、図3(b)は図2の断面C−Cに相当する。
【図4】外気の取り入れと塵や埃の除去過程について簡単に示した概念図である。
【符号の説明】
【0046】
1 クリーニング機能付き集塵装置
2 ケーシング(電子機器筐体)
2a 側板
3 コンパクトディスク挿入口
4 フロッピーディスク挿入口
5 起動スイッチ
6 コンパクトディス用アクセスランプ
7 フロッピーディスク用アクセスランプ
8 エアダクト
8a,8b 側壁
9 CPU(マイクロプロセッサ)
10 外気取り込み口
11 ファン
12 空気送出口
13 換気口
14 防塵フィルタ
14a 防塵フィルタの一端(把持部)
15,16 フィルタガイド
17 上流側の空間
18 下流側の空間
19 ブラシ
20 集塵スペース
21 集塵ボックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却用の外気を取り込むエアダクトに設けられた集塵装置であって、前記エアダクト内の空間を上流側と下流側に仕切る位置に設けられたシート状の防塵フィルタと、前記エアダクト内に設けられ前記防塵フィルタの一端を前記エアダクトから突出させた状態で前記防塵フィルタの面の接線の方向に沿って前記防塵フィルタをスライド可能に保持するフィルタガイドと、前記防塵フィルタで仕切られた上流側の空間に配備され前記防塵フィルタの前記一端寄りの部分で前記防塵フィルタの面に当接するブラシとを備えたことを特徴とするクリーニング機能付き集塵装置。
【請求項2】
前記フィルタガイドの少なくとも一部が、前記エアダクト内の空間を上流側と下流側に仕切る傾斜面に沿って形成され、前記防塵フィルタの前記一端が前記エアダクトの外気取り込み口の側から突出していることを特徴とする請求項1記載のクリーニング機能付き集塵装置。
【請求項3】
前記防塵フィルタが湾曲可能な素材で形成されると共に、前記傾斜面が、下流側に凸の円弧面であることを特徴とする請求項2記載のクリーニング機能付き集塵装置。
【請求項4】
前記防塵フィルタが湾曲可能な素材で形成されると共に、前記フィルタガイドが、前記外気取り込み口の近傍では前記エアダクトの壁面に沿って形成される一方、それ以外の部分では前記傾斜面に沿って形成されていることを特徴とする請求項2または請求項3記載のクリーニング機能付き集塵装置。
【請求項5】
前記防塵フィルタで仕切られた上流側の空間と連絡する集塵スペースが前記エアダクトの下部に併設され、この集塵スペース内に、上面を開口した容器型の集塵ボックスが着脱可能に装着されていることを特徴とする請求項1,請求項2,請求項3または請求項4記載のクリーニング機能付き集塵装置。
【請求項6】
請求項1,請求項2,請求項3,請求項4または請求項5記載のクリーニング機能付き集塵装置を備えた電子機器筐体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−239509(P2006−239509A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−56339(P2005−56339)
【出願日】平成17年3月1日(2005.3.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(000168285)エヌイーシーコンピュータテクノ株式会社 (572)
【Fターム(参考)】