説明

クリーニング装置及び画像形成装置

【課題】従来のクリーニング部材で掻き取るタイプのクリーニング装置では除去しきれない付着物を、粉体トナーからなるトナー像を担持するトナー像担持体上から除去することが可能となるクリーニング装置、及びこのクリーニング装置を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナー像担持体である中間転写ベルト5のトナー像を転写した後の表面上の付着物を除去するベルトクリーニング装置2は、中間転写ベルト5の表面上に液状の洗浄液である水29を付与する洗浄液付与手段である水塗布用ウェブ24と、水塗布用ウェブ24によって付与された水29を中間転写ベルト5の表面上から回収する洗浄液回収手段である水回収用ウェブ27とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に用いられるクリーニング装置、並びに、これを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリ及び複写装置のような画像形成装置は、紙、布、及びOHP用シートのような記録媒体に、画像情報に基づいて文字や記号を含む画像を形成する装置である。画像形成装置には種々の方式があるが、電子写真方式の画像形成装置が普通紙に高精細な画像を高速で形成することができる点から広くオフィスで使用されている。この電子写真方式の画像形成装置では、定着速度、定着画像品質等の点から記録媒体上のトナーを加熱して軟化あるいは溶融させ、軟化等させたトナーを加圧することによって、トナーを記録媒体上に定着させる熱定着方式が広く普及している。これはハロゲンヒーターやセラミックヒータ等の発熱体でローラやフィルム等を熱し、未定着トナーが乗った記録紙を加圧ローラで挟んで加熱・加圧してトナーを軟化あるいは溶融、変形させ、記録紙の繊維中にアンカリングすることで定着させる。この方式は均一性、安定性に優れているため広く普及しているが、一方で発熱体を用いて加熱するために多くのエネルギーを要し、消費エネルギーが大きい定着装置であるという欠点がある。
熱定着方式の定着装置に比べて省エネルギー化を実現できる定着方式として、トナーを定着するために加熱を行わない湿式定着方式が知られている(例えば、特許文献1〜特許文献3に記載の定着装置で用いる定着方式)。湿式定着方式は、トナーの樹脂成分の少なくとも一部を溶解または膨潤させることでトナーを軟化させる軟化剤を含有する定着液を記録紙表面上のトナー像に付与してトナー像を定着させるものであるため、熱定着方式よりも省エネルギー化を実現できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
最近の複写機やプリンタは、両面印刷機能が付いている物が多い。これは貴重な資源である記録紙の有効利用という面で非常に有用な機能である。しかしながら前述した定着液を利用した定着装置を搭載した画像形成装置で両面印刷を行うと次のような問題が生じる可能性がある。
【0004】
この種の画像形成装置では、中間転写ベルトや感光体等の表面移動するトナー像担持体上に形成されたトナー像を転写位置で記録紙に転写し、トナー像が転写された記録紙に定着装置で定着液を付与することでトナー像が記録紙に定着される。片面印刷の場合は、定着装置で定着液が付与された記録紙は装置外に排出されるため、定着液がトナー像担持体に付着することはほとんどない。一方、両面印刷の場合は、記録紙の片面に通常プロセスでトナー像を形成し定着装置で定着液を付与して定着させた後、記録紙を記録紙反転装置に搬送する。記録紙反転装置で記録紙の裏表を反転した後、転写位置に記録紙を搬送し、記録紙の裏面にトナー像を転写して、再び、定着装置で定着を行うことになる。このような両面印刷の場合、裏面にトナー像を転写するときに片面にトナー像を定着させるときに付与されて記録紙に残留する定着液がトナー像担持体に付着し、トナー像担持体の表面移動により作像部に進入するおそれがある。定着液はトナーを溶解または膨潤させるだけではなく、ある種のゴムやプラスチックス等の樹脂製の部材も溶解または膨潤させるため、定着液が作像部に進入すると作像を行う機能に弊害を与える可能性がある。また、作像部を構成する現像装置に定着液が進入すると、現像装置内のトナーが溶解または膨潤した後、再度、固まることで、現像装置が使用不能になるおそれがある。
【0005】
一般的に、画像形成装置は、転写位置を通過したトナー担持体の表面上の転写トナーをクリーニングブラシやクリーニングブレードなどのクリーニング部材で掻き取るクリーニング装置を備えている。しかし、この種のクリーニング装置では、粉体状の転写残トナーは十分に除去することができるが、液状の定着液は十分に除去することができなかった。このため、定着液を利用した定着装置を搭載した画像形成装置では、クリーニング部材で掻き取る構成では除去しきれない液状の定着液をトナー像担持体から除去することができるクリーニング装置が望まれる。
なお、クリーニング部材で掻き取る構成では除去しきれない付着物としては、定着液に限るものではない。転写残トナーや紙粉等の異物も、その粒径が小さい場合などクリーニング部材で掻き取る構成では除去しきれず、クリーニング部材の掻き取り位置を通過することがある。よって、定着液を利用した定着装置を搭載した画像形成装置に限らず、クリーニング部材で掻き取る構成では除去しきれない付着物をトナー像担持体から除去することができるクリーニング装置が望まれる。
【0006】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、従来のクリーニング部材で掻き取るタイプのクリーニング装置では除去しきれない付着物を、粉体トナーからなるトナー像を担持するトナー像担持体上から除去することが可能となるクリーニング装置、及びこのクリーニング装置を備えた画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、粉体トナーからなるトナー像を担持し、担持したトナー像を記録媒体または他のトナー像担持体に転写するトナー像担持体のトナー像を転写した後の表面上の付着物を除去するクリーニング装置において、上記トナー像担持体の表面上に液状の洗浄液を付与する洗浄液付与手段と、該洗浄液付与手段によって該トナー像担持体の表面上に付与された該洗浄液を該トナー像担持体の表面上から回収する洗浄液回収手段とを有することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のクリーニング装置において、上記洗浄液付与手段は、巻き取り可能あるいは無端移動可能に張架されて表面移動する帯状部材と、該帯状部材に上記洗浄液を供給する洗浄液供給手段とを備え、該洗浄液が供給された該帯状部材を上記トナー像担持体の表面に当接させることで、該トナー像担持体の表面上に該洗浄液を付与することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1のクリーニング装置において、上記洗浄液付与手段は、表面移動するローラ状部材と、該ローラ状部材に上記洗浄液を供給する洗浄液供給手段とを備え、該洗浄液が供給された該ローラ状部材を上記トナー像担持体の表面に当接させることで、該トナー像担持体の表面上に該洗浄液を付与することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1のクリーニング装置において、上記洗浄液付与手段は、上記洗浄液を霧状にして噴霧する噴霧手段を備え、該噴霧手段が該洗浄液を上記トナー像担持体の表面に噴霧することで、該トナー像担持体の表面上に該洗浄液を付与することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のクリーニング装置において、上記洗浄液回収手段は、巻き取り可能あるいは無端移動可能に張架され表面移動する帯状部材を備え、該帯状部材を上記トナー像担持体の表面に当接させることで、該トナー像担持体の表面上の該洗浄液を回収することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項2のクリーニング装置において、上記洗浄液回収手段は、巻き取り可能あるいは無端移動可能に張架され表面移動する帯状部材を備え、該帯状部材を上記トナー像担持体の表面に当接させることで、該トナー像担持体の表面上の該洗浄液を回収する構成であり、上記洗浄液付与手段と上記洗浄液回収手段とが上記帯状部材を共有し、一つの該帯状部材を上記トナー像担持体の表面に二度当接させることで、該トナー像担持体の表面への上記洗浄液の付与と、該トナー像担持体の表面からの該洗浄液の回収とを行うことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項2のクリーニング装置において、上記洗浄液回収手段は、巻き取り可能あるいは無端移動可能に張架した帯状部材を備え、該帯状部材を上記トナー像担持体の表面に当接させることで、該トナー像担持体の表面上の該洗浄液を回収する構成であり、上記洗浄液付与手段と上記洗浄液回収手段とが上記帯状部材を共有し、一つの該帯状部材の上記トナー像担持体の表面に対する一度の当接で、該トナー像担持体の表面への上記洗浄液の付与と、該トナー像担持体の表面からの該洗浄液の回収とを行うことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のクリーニング装置において、上記洗浄液回収手段は、上記トナー像担持体に対して線速差をもって当接する表面移動体を備え、該トナー像担持体と該表面移動体との線速差によって互いに擦り合わせることで、該トナー像担持体の表面上の上記洗浄液を拭き取ることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のクリーニング装置において、上記洗浄液回収手段によって上記洗浄液が回収された上記トナー像担持体の表面上を乾燥させる乾燥手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のクリーニング装置において、表面移動する上記トナー像担持体の表面上の上記洗浄液付与手段が上記洗浄液を付与する位置に対して表面移動方向上流側で、該トナー像担持体の表面上の付着物を掻き取る掻き取り手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のクリーニング装置において、上記洗浄液が水を含有する液体であることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、粉体トナーからなるトナー像を担持するトナー像担持体と、該トナー像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、該トナー像担持体上のトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、トナー像を転写した後の該トナー像担持体の表面上の残留トナーを除去するクリーニング手段とを備えた画像形成装置において、上記クリーニング手段として、請求項1乃至11のいずれか1項に記載のクリーニング装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項12の画像形成装置において、上記転写手段によってトナー像が転写された上記記録媒体にトナー像を定着させる定着手段が、該記録媒体に転写するトナー像を担持するトナー像担持体の表面、または、トナー像を担持する記録媒体の表面である定着液付与対象の表面に、トナーの少なくとも一部を溶解または膨潤させることでトナー粒子を軟化させる軟化剤を含有した定着液を付与し、該記録媒体上にトナー像を定着せしめる定着手段であり、上記クリーニング装置が上記トナー像担持体に付与する上記洗浄液が該定着液を希釈する定着液希釈液であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、洗浄液付与手段によってトナー像担持体の表面に洗浄液を付与することで付着物を洗浄液に含有させ、洗浄液回収手段によって洗浄液とともに付着物をトナー像担持体の表面から回収するため、従来のクリーニング部材で掻き取るタイプのクリーニング装置では除去しきれない付着物を、トナー担持体上から除去することが可能となるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1のベルトクリーニング装置の概略説明図。
【図2】実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。
【図3】拭き取り後乾燥装置を配置したベルトクリーニング装置の説明図。
【図4】実施例2のベルトクリーニング装置の概略説明図。
【図5】実施例3のベルトクリーニング装置の概略説明図。
【図6】実施例4のベルトクリーニング装置の概略説明図。
【図7】実施例5のベルトクリーニング装置の概略説明図。
【図8】洗浄液回収手段として水回収用ローラを備えるベルトクリーニング装置の概略説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を画像形成装置であるフルカラープリンタ(以下、プリンタ100という)に適用した場合の実施形態について説明する。
図2は、プリンタ100の概略構成を示す構成図である。
プリンタ100は、図2に示すように、像形成手段としての各構成部材を収納する位置固定された装置本体の中央部に、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、黒(K)の各色のトナー像を形成するための四つの作像部6(Y,C,M,K)を備えている。以下、各符号の添字Y、C、M、Kは、それぞれイエロー、シアン、マゼンダ、黒用の部材であることを示す。
プリンタ100は、四つの作像部6(Y,C,M,K)の上方には中間転写ベルト5が配置されており、四つの作像部6の下方には、転写紙Pを収納し、装置本体に対して引き出し可能な給紙カセット8を備えている。
【0011】
ここで、四つの作像部6(Y,C,M,K)のうちの一つについて説明するが、四つの作像部6(Y,C,M,K)は、使用するトナーの色が異なる点以外は、ほぼ同一の構成であるため、各符号の色を示す添え字Y,C,M,Kは省略して説明する。
【0012】
図2に示すように、作像部6は、図2中の時計回り方向に回転するドラム状の感光体61を備えている。感光体61は、アルミニウム製の円筒状基体と、その表面を覆う、例えばOPC(有機光半導体)感光層とから構成されている。作像部6は、感光体61の周囲に、帯電装置64、露光装置63、現像装置62、及び、感光体クリーニング装置65等を備える。帯電装置64は、感光体61の表面を一様帯電し、露光装置63は一様帯電された感光体61の表面にレーザー光を照射して感光体61の表面に静電潜像を形成する。現像装置62は、感光体61の表面に形成された静電潜像を現像し、感光体61の表面上にトナー像を形成する。トナー像が形成された感光体61の表面は、中間転写ベルト5との対向部である一次転写ニップで、トナー像を中間転写ベルト5に転写し、一次転写ニップを通過した後の表面に残留する一次転写残トナーは感光体クリーニング装置65によって除去される。
【0013】
中間転写ベルト5は、二次転写対向ローラ20やクリーニング対向ローラ17等の複数の張架ローラによって張架され、張架ローラのうちの一つが駆動ローラとして回転駆動することによって図2中の矢印A方向に表面移動する。
プリンタ100は、中間転写ベルト5の図2中右側に二次転写ローラ10を備え、二次転写対向ローラ20との間に中間転写ベルト5を挟み、中間転写ベルト5上のトナー像を転写紙Pに転写する二次転写ニップを形成する。二次転写ニップの上方には、二次転写ニップを通過した転写紙Pにトナー像を定着させる定着装置11を備えている。また、中間転写ベルト5の図2中の左側には、二次転写ニップを通過した中間転写ベルト5の表面上に残留する二次転写残トナーを除去するベルトクリーニング装置2を備えている。
また、ベルトクリーニング装置2の下方には、4つの感光体クリーニング装置65(Y,C,M,K)が回収した一次転写残トナーやベルトクリーニング装置2が回収した二次転写残トナーを回収し、収容する廃トナーボトル7を備える。4つの感光体クリーニング装置65(Y,C,M,K)で回収された一次転写残トナーは、それぞれの一次転写残トナー搬送パイプ67(Y,C,M,K)によって廃トナーボトル7に搬送される。また、ベルトクリーニング装置2で回収された二次転写残トナーは、二次転写残トナー搬送パイプ16によって廃トナーボトル7に搬送される。
【0014】
定着装置11は、トナー像が転写された転写紙Pの表面に定着液12を付与して、トナー像を転写紙Pに定着させる湿式定着方式の定着装置である。定着液12には、トナーの少なくとも一部を溶解または膨潤させる軟化剤が溶媒に溶解または分散されている。定着液12は定着液収容器12aに収容されており、定着液収容器12aから塗布ヘッド13によって塗布ローラ14の表面に塗布され、その後、塗布ローラ14と塗布対向ローラ15とによって形成される塗布ニップで塗布ローラ14上の定着液12が転写紙Pに塗布される。このとき、転写紙P上の未定着トナーは、定着液12により軟化・膨潤しトナー同士結着し、また軟化したトナーが転写紙Pの紙の繊維の内部に入り込み、直後に乾燥、硬化することで、トナー像の転写紙Pへの定着が行われる。
【0015】
本実施形態のプリンタ100が備える定着装置11では、定着液収容器12a内では液体状の定着液12を、塗布ヘッド13によって塗布ローラ14に塗布されるまでの間に液中に気泡が分散した泡状の定着液12とする。そして、この泡状の定着液12を塗布ローラ14によって転写紙Pに塗布する構成である。
【0016】
本発明を適用可能な画像形成装置が備える定着装置としては、泡状の定着液を塗布する定着装置に限らず、液状の定着液や蒸気とした定着液を記録媒体上の未定着トナーに付与する定着装置であってもよい。また、湿式定着方式の定着装置に限らず、記録媒体上の未定着トナーを加熱して溶融させて定着する定着させる熱定着方式の定着装置であってもよい。
【0017】
なお、定着装置としては、熱定着方式が均一性、安定性に優れているため広く普及しているが、一方でエネルギーを使いすぎる欠点がある。この点に関し上記特許文献1に示されるように古くから定着方式には熱方式と蒸気定着方式が考えられていた。蒸気定着法式はトナーを溶かす溶媒蒸気中に未定着トナーが乗った記録紙を挿入するもので、確かにこの方式は熱定着方式に比べてエネルギーの消費は少ない。しかし定着液に臭気があり、広く普及しなかった。近来、無臭でトナーを膨潤・溶解させ定着可能な定着液が開発されてきたことで、再び定着液による定着方式が見直されてきている。定着液を記録紙上の未定着トナーに付与する方法として、上記特許文献2のように液状の定着液が塗られた塗布ローラを未定着トナーが乗った記録紙に押し付ける方法がある。しかし、この方法を実際に行うと記録紙上の未定着トナーの一部が塗布ローラ側に移行し、画像が著しく劣化する不具合が発生する場合があった。これは、未定着トナーは静電力だけで記録紙に付いているために液体が触れると静電力が無くなり定着液内に拡散してしまうからである。そこで上記特許文献3のように定着液を泡状にしてから同様の工程を行うとトナーの移行が著しく少なくなり良好な画像が得られるという技術が提案されている。これは泡内に空気が大量に存在するため定着液内に拡散する力が働かないのでトナーは記録紙上から動かずにその場で定着液の作用で定着されることによる。
このため、本実施形態の定着装置11も上記特許文献3と同様に定着液を泡状にして転写紙P上の未定着トナーに塗布する構成である。
なお、四つの作像部6(Y,C,M,K)の配列順は図2に示す例に限らず、どのような順番であってもよい。
【0018】
次に、プリンタ100において、カラー画像を得る行程について説明する。
まず、4つの作像部6(Y,C,M,K)において、各感光体61(Y,C,M,K)がそれぞれの帯電装置64(Y,C,M,K)によって一様に帯電される。その後、各露光装置63(Y,C,M,K)により画像情報に基づきレーザー光が走査露光されて感光体61(Y,C,M,K)の表面に静電潜像が形成される。感光体61(Y,C,M,K)上に形成された静電潜像は、現像装置62(Y,C,M,K)の現像ローラ上に担持された各色のトナーによって現像されてトナー像として可視像化される。感光体61(Y,C,M,K)上のトナー像は、それぞれの一次転写ニップで中間転写ベルト5上に順次重ねて転写される。このときの各作像部6(Y,C,M,K)の作像動作は、各トナー像が中間転写ベルト5上の同じ位置に重ねて転写されるように、中間転写ベルト5の表面移動方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。これにより、中間転写ベルト5上に4色カラーのトナー像が形成される。
一次転写終了後の感光体61(Y,C,M,K)は、感光体クリーニング装置65(Y,C,M,K)のクリーニングブレードによってその表面がクリーニングされ、次の画像形成に備えられる。不図示のトナーボトルに充填されている各色のトナーは、不図示のトナー補給装置によって必要に応じて不図示の搬送経路を介して各作像部6(Y,C,M,K)の現像装置62(Y,C,M,K)に所定量補給される。
【0019】
一方、転写紙Pは給紙カセット8内から一枚ずつ上方に向かって搬送され、その先端がレジストローラ対35に突き当たって一旦停止する。ここで、上述の中間転写ベルト5上のトナー像と転写紙Pとが、中間転写ベルト5を挟んで二次転写対向ローラ20と二次転写ローラ10との間で形成される二次転写ニップで重なるタイミングでレジストローラ対35を駆動する。そして、二次転写ニップで二次転写対向ローラ20と二次転写ローラ10との間で形成される二次転写電界とニップ圧とによって中間転写ベルト5上のトナー像が電気的に転写紙Pに転写される。
【0020】
上述したプロセスによってトナー像は転写紙Pに移るが、二次転写ニップを通過したときにはトナー像は転写紙Pに定着しておらず、静電気力で着いているだけなので、触ると取れてしまう状態である。このような状態の転写紙Pが定着装置11に搬送され、定着装置11でトナー像が転写紙Pに定着される。
【0021】
片面印刷の場合は、定着装置11でトナー像が定着された転写紙Pは不図示の分岐手段によって排紙ローラ41に向かうように案内され、図2中の矢印αで示すように、排紙ローラ41によって排紙トレイ42に排出される。感光体61と同様に、二次転写ニップを通過した中間転写ベルト5の表面上に残留する二次転写残トナーは、中間転写ベルト5に対向するベルトクリーニング装置2によってクリーニングされる。
【0022】
次に、両面印刷の場合の転写紙Pの経路について説明する。
両面印刷の場合は、定着装置11で定着液12によって片面にトナー像が定着されるまでのプロセスは片面印刷の場合と同じであるが、定着装置11でトナー像が定着された転写紙Pは不図示の分岐手段によって転写紙反転装置40に向かうように案内される。詳しくは、定着装置11を通過した転写紙Pは通常の排出方向とは反対方向(図2中の右方向)に配置された反転装置側排出ローラ18によって転写紙反転装置40内のスイッチバック経路36に向かって排出される。転写紙Pはスイッチバック経路36で反転し、図2中の矢印βで示すように反転装置側入口ローラ19によってプリンタ100の本体内部に入る。この時、転写紙Pは転写紙反転装置40で反転しているため、反転装置側入口ローラ19では先に定着された定着画像は上側にある。この後、再度、レジストローラ対35及び二次転写ニップを通過して、転写紙Pの裏側の面に未定着トナーが付着し、この転写紙Pの裏側の面にトナー像が定着することとなる。裏側の面にもトナー像が定着された転写紙Pは、不図示の分岐手段によって排紙ローラ41に向かうように案内され、図2中の矢印αで示すように、排紙ローラ41によって排紙トレイ42に排出される。
【0023】
ここで、片面にトナー像が定着された転写紙Pが転写ニップを通過するとき、トナー像が定着された面は二次転写ローラ10と対向するが、このトナー像が定着された面に定着液12が残留していると、転写紙Pから二次転写ローラ10に若干の定着液12が付着する。転写紙Pが通過した後の二次転写ニップでは、二次転写ローラ10と中間転写ベルト5とは接触しているため、二次転写ローラ10に付着した定着液12が中間転写ベルト5に付着する。中間転写ベルト5に付着した定着液12は、中間転写ベルト5の表面移動とともに移動して、ベルトクリーニング装置2が対向する位置に到達する。
ベルトクリーニング装置2は、クリーニングブラシ4やクリーニングブレード3で中間転写ベルト5上の二次転写残トナーを掻き落とす機能を有する。しかし、実験的にはこのような中間転写ベルト5上の付着物を掻き落とすクリーニング機構では定着液12を除去しきれず、定着液12が一次転写ニップまで到達し、感光体61に付着して作像部6内に定着液12が入り込むことがあった。
作像部6内に定着液12が入り込むと現像装置62内のトナーが変質し、画像が作れなくなる可能性がある。また、感光体61に定着液12が付着すると、一次転写残トナーとともに感光体クリーニング装置65に回収される定着液12も存在する。定着液12が一次転写残トナーとともに感光体クリーニング装置65に回収されると、一次転写残トナー搬送パイプ67内で定着液12によって一次転写残トナーが変質し、一次転写残トナー搬送パイプ67内をトナーが送れなくなり、一次転写残トナー搬送パイプ67内のトナー搬送機構が固着したトナーに起因して破壊されることもある。また、定着液12が感光体61の表面に付着することで、感光体61の表面が変質し、レーザー光によって潜像を形成する特性が変化し、所望の静電潜像が形成されなくなるおそれがある。このように定着液12を使用する定着装置11を備えるプリンタ100は、両面印刷時に中間転写ベルト5に定着液12が付着して、定着装置11以外の装置内部に定着液12が進入し、非常に甚大な故障に繋がる可能性がある。
【0024】
このように、定着液12が作像部6に進入することに起因する画像異常やトナー固着による装置の故障を防止するために、本実施形態のプリンタ100が有するベルトクリーニング装置2は、定着液クリーニング機構1を備える。
基本的に定着液12としては水ベースで作られていることが多い。これは近年は揮発量制限(VCCI)が厳しく、当然揮発するような軟化剤は使用できない。また軟化剤を希釈する希釈剤としても同様で蒸発して良いのは水位であるため、必然的に水ベースで作られることになる。
実験的に、従来のベルトクリーニング装置が備えるクリーニングブラシ4やクリーニングブレード3では、二次転写残トナーは掻き落とせるが、定着液12は取りきれず通過してしまうことが判っている。
そこで前述のように定着液12は希釈剤として水を用いた水ベースであり、定着液12は水に可溶であるため、定着液12が付着した中間転写ベルト5に一旦水を付与し、定着液12を水に溶かしてから、定着液12とともに水を拭き取ることが定着液12の除去には大変効果的である。
【0025】
[実施例1]
次に、本発明の特徴部を有するクリーニング装置であるベルトクリーニング装置2の一つ目の実施例(以下、実施例1と呼ぶ)について説明する。
図1は、本実施形態のプリンタ100に適用可能な実施例1のベルトクリーニング装置2の拡大説明図である。
図1に示すように実施例1のベルトクリーニング装置2は、水ボトル30に入った水29を中間転写ベルト5の表面上に塗布する水塗布用ウェブ24と、中間転写ベルト5の表面上に塗布された水29を回収する水回収用ウェブ27とを備える。水29としては、純粋な水に限るものではなく、若干の浸透性促進剤や界面活性剤を含んでいても良い。
【0026】
水塗布用ウェブ24の一端は回転可能な塗布繰り出し軸21の周面に固定され、塗布繰り出し軸21に水塗布用ウェブ24を何重にも巻き付けて、塗布繰り出しロール21rを形成する。帯状の水塗布用ウェブ24の他端は、回転可能な塗布巻き取り軸23の周面に固定されている。塗布巻き取り軸23が図1中の時計回り方向に回転駆動することで、塗布巻き取り軸23が水塗布用ウェブ24を巻き取るとともに、その分だけ塗布繰り出し軸21の塗布繰り出しロール21rから水塗布用ウェブ24が図1中の矢印Bで示すように送り出される。また、塗布巻き取り軸23に水塗布用ウェブ24が巻き付くことで塗布巻き取りロール23rが形成される。また、定着液クリーニング機構1は、塗布繰り出しロール21rと塗布巻き取りロール23rとの間の水塗布用ウェブ24を中間転写ベルト5に押し付けて当接させる塗布押し付けローラ22を備える。
【0027】
水回収用ウェブ27の一端は回転可能な回収繰り出し軸25の周面に固定され、回収繰り出し軸25に水回収用ウェブ27を何重にも巻き付けて、回収繰り出しロール25rを形成する。帯状の水回収用ウェブ27の他端は、回転可能な回収巻き取り軸28の周面に固定されている。回収巻き取り軸28が図1中の反時計回り方向に回転駆動することで、回収巻き取り軸28が水回収用ウェブ27を巻き取るとともに、その分だけ回収繰り出し軸25の回収繰り出しロール25rから水回収用ウェブ27が図1中の矢印Cで示すように送り出される。また、回収巻き取り軸28に水回収用ウェブ27が巻き付くことで回収巻き取りロール28rが形成される。また、定着液クリーニング機構1は、回収繰り出しロール25rと回収巻き取りロール28rとの間の水回収用ウェブ27を中間転写ベルト5に押し付けて当接させる回収押し付けローラ26を備える。
【0028】
水塗布用ウェブ24は塗布繰り出しロール21rの状態で、水ボトル30から継続的に適量の水29の供給を受ける。そして、水塗布用ウェブ24は湿った状態で、塗布押し付けローラ22が水塗布用ウェブ24及び中間転写ベルト5を挟んでクリーニング対向ローラ17に当接する塗布ニップに進入する。これにより、湿った状態の水塗布用ウェブ24から水29が染み出し、中間転写ベルト5の表面上に水29が供給され、中間転写ベルト5上の定着液12と水29とが混合する。塗布ニップで中間転写ベルト5上に付与され、定着液12と混合した状態となった水29は、回収押し付けローラ26が水回収用ウェブ27及び中間転写ベルト5を挟んでクリーニング対向ローラ17に当接する回収ニップに進入する。回収ニップでは、中間転写ベルト5の表面移動方向に対して、水回収用ウェブ27が逆方向に表面移動している。そして、この線速差によって中間転写ベルト5と水回収用ウェブ27とを互いに擦り合わせることで、中間転写ベルト5上に付与された水29を混合した定着液12とともに、水回収用ウェブ27で拭き取ることが出来る。定着液12とともに水29を拭き取った水回収用ウェブ27は、回収巻き取り軸28に巻き付いて回収巻き取りロール28rを形成する。
このように実施例1のベルトクリーニング装置2では、洗浄液付与手段である水塗布用ウェブ24によって中間転写ベルト5の表面に洗浄液である水29を塗布することで付着物である定着液12を水29に含有させる。その後、洗浄液回収手段である水回収用ウェブ27によって水29とともに定着液12を中間転写ベルト5の表面から回収する。このため、クリーニングブラシ4やクリーニングブレード3のように掻き取るタイプのクリーニング部材では除去しきれない定着液12を中間転写ベルト5の表面から除去することが可能となる。さらに、定着液12に限らず、紙粉等の異物や二次転写残トナーがクリーニングブラシ4やクリーニングブレード3で除去しきれず、クリーニングブレード3の当接位置を通過した場合であっても、水29とともに水回収用ウェブ27で拭き取ることで除去することが可能である。
【0029】
また、中間転写ベルト5は感光体61と対向する一次転写ニップでは乾燥している必要があるため、図3で示すように、回収ニップに対して中間転写ベルト5の表面移動方向下流側に拭き取り後乾燥装置34を配置してもよい。このように、拭き取り後乾燥装置34を配置することで、回収ニップで水29を完全に除去し切れなくても、多少の水分は一次転写ニップに到達する前に乾燥してしまうので水分が感光体61に付着したり、現像装置62に進入したりすることに起因する問題を防止することができる。
このように、本発明のクリーニング装置が備える定着液クリーニング機構1は、水29を用いて定着液12を中間転写ベルト5の表面から除去するが、多少の水分は一次転写ニップに到達する前に乾燥してしまう。このため、定着液クリーニング機構1は、クリーニングブラシ4やクリーニングブレード3のように掻き取るタイプのクリーニング部材に対して、中間転写ベルト5の表面移動方向下流側で、一次転写ニップに対して表面移動方向上流側となる位置に配置することが望ましい。
【0030】
[実施例2]
次に、本発明の特徴部を有するクリーニング装置であるベルトクリーニング装置2の二つ目の実施例(以下、実施例2と呼ぶ)について説明する。
図4は、本実施形態のプリンタ100に適用可能な実施例2のベルトクリーニング装置2の拡大説明図である。
上述した実施例1では洗浄液付与手段の機能と洗浄液回収手段の機能とを水塗布用ウェブ24と水回収用ウェブ27との2つのウェブに分けていた。これに対して、実施例2のベルトクリーニング装置2は、図4に示すように、洗浄液付与手段の機能と洗浄液回収手段の機能とを一つのウェブである水塗布回収ウェブ50で行う構成である。他の構成は実施例1のベルトクリーニング装置2と共通するため、相違点について説明する。
【0031】
図4に示すように、水塗布回収ウェブ50の一端は回転可能な繰り出し軸51の周面に固定され、繰り出し軸51に水塗布回収ウェブ50を何重にも巻き付けて、繰り出しロール51rを形成する。帯状の水塗布回収ウェブ50の他端は、回転可能な巻き取り軸52の周面に固定されている。巻き取り軸52が図4中の反時計回り方向に回転駆動することで、巻き取り軸52が水塗布回収ウェブ50を巻き取るとともに、その分だけ繰り出し軸51の繰り出しロール51rから水塗布回収ウェブ50が図4中の矢印Dで示すように送り出される。また、巻き取り軸52に水塗布回収ウェブ50が巻き付くことで巻き取りロール52rが形成される。
【0032】
水塗布回収ウェブ50は繰り出しロール51rの状態で、水ボトル30から継続的に適量の水29の供給を受ける。そして、水塗布回収ウェブ50は湿った状態で、塗布押し付けローラ22が水塗布回収ウェブ50及び中間転写ベルト5を挟んでクリーニング対向ローラ17に当接する塗布ニップに進入する。これにより、湿った状態の水塗布回収ウェブ50から水29が染み出し、中間転写ベルト5の表面上に水29が供給され、中間転写ベルト5上の定着液12と水29とが混合する。
塗布ニップを通過した水塗布回収ウェブ50は第一張架ローラ55の張架位置、及び、第二張架ローラ56の張架位置を通過して、回収押し付けローラ26が水塗布回収ウェブ50及び中間転写ベルト5を挟んでクリーニング対向ローラ17に当接する回収ニップに進入する。一方、塗布ニップで中間転写ベルト5上に付与され、定着液12と混合した状態となった水29も、中間転写ベルト5の移動に伴い、回収ニップに進入する。このような構成により、実施例2の構成で、中間転写ベルト5上に付与された水29を混合した定着液12とともに、水塗布回収ウェブ50で拭き取ることが出来る。定着液12とともに水29を拭き取った水塗布回収ウェブ50は、巻き取り軸52に巻き付いて巻き取りロール52rを形成する。なお、水塗布回収ウェブ50は回収ニップでは乾燥している必要があるが、塗布押し付けローラ22が接触する塗布ニップから回収押し付けローラ26が接触する回収ニップまでの水塗布回収ウェブ50が移動する距離が長いため、水塗布回収ウェブ50に供給された水29は自然に乾燥する。ここで、より確実に水塗布回収ウェブ50が回収ニップで乾燥した状態とするために、図4に示すブロア54のように塗布ニップと回収ニップとの間に乾燥工程を設けても良い。
[実施例3]
次に、本発明の特徴部を有するクリーニング装置であるベルトクリーニング装置2の三つ目の実施例(以下、実施例3と呼ぶ)について説明する。
図5は、本実施形態のプリンタ100に適用可能な実施例3のベルトクリーニング装置2の拡大説明図である。
上述した実施例1では洗浄液付与手段として水塗布用ウェブ24を用いる構成であるが、実施例3のベルトクリーニング装置2は、図5に示すように、洗浄液付与手段として水塗布用ローラ31を用いる構成である。他の構成は実施例1のベルトクリーニング装置2と共通するため、相違点について説明する。
【0033】
水塗布用ローラ31は外周面には洗浄液である水を染み込ませることができるスポンジ層31aを備え、図5中の矢印F方向に回転する。スポンジ層31aは水ボトル30から継続的に適量の水29の供給を受けて湿った状態で、水塗布用ローラ31が中間転写ベルト5を挟んでクリーニング対向ローラ17に当接する塗布ニップに進入する。これにより、湿った状態のスポンジ層31aから水29が染み出し、中間転写ベルト5の表面上に水29が供給され、中間転写ベルト5上の定着液12と水29とが混合する。塗布ニップで中間転写ベルト5上に付与され、定着液12と混合した状態となった水29は、実施例1と同様に水回収用ウェブ27によって回収される。
実施例3では水塗布用ローラ31の表面層の材料としてスポンジを用いる構成であるが、洗浄液付与手段としてのローラ部材の表面層の材料としてはスポンジに限るものではない。洗浄液を含浸させることができ、トナー像担持体に押し当てることで、洗浄液が染み出てくるローラとなる材料であればよい。
【0034】
[実施例4]
次に、本発明の特徴部を有するクリーニング装置であるベルトクリーニング装置2の四つ目の実施例(以下、実施例4と呼ぶ)について説明する。
図6は、本実施形態のプリンタ100に適用可能な実施例4のベルトクリーニング装置2の拡大説明図である。
上述した実施例1では洗浄液付与手段として水塗布用ウェブ24を用いる構成であるが、実施例4のベルトクリーニング装置2は、図6に示すように、洗浄液付与手段としてミスト発生装置32を用いる構成である。他の構成は実施例1のベルトクリーニング装置2と共通するため、相違点について説明する。
【0035】
ミスト発生装置32は、水ボトル30内の水29を汲み上げて霧状のミスト29aとして中間転写ベルト5に付与する。これにより、中間転写ベルト5の表面上に水29が供給され、中間転写ベルト5上の定着液12と水29とが混合する。ミスト発生装置32によって中間転写ベルト5上に付与され、定着液12と混合した状態となった水29は、実施例1と同様に水回収用ウェブ27によって回収される。
ミスト発生装置32としては、詳細は記述しないが、既存の技術、例えば超音波振動を利用するものや圧縮エアーを利用することができる。
[実施例5]
次に、本発明の特徴部を有するクリーニング装置であるベルトクリーニング装置2の五つ目の実施例(以下、実施例5と呼ぶ)について説明する。
図7は、本実施形態のプリンタ100に適用可能な実施例5のベルトクリーニング装置2の拡大説明図である。
上述した実施例2では洗浄液付与手段の機能と洗浄液回収手段の機能とを一つのウェブである水塗布回収ウェブ50で行い、水塗布回収ウェブ50と中間転写ベルト5とを二箇所で接触させ、それぞれの接触箇所で洗浄液の付与と洗浄液の回収とを行う構成である。これに対して、実施例5のベルトクリーニング装置2は、洗浄液付与手段の機能と洗浄液回収手段の機能とを一つのウェブである水塗布回収ウェブ50で行い、水塗布回収ウェブ50と中間転写ベルト5との接触箇所が一箇所の構成である。他の構成は実施例2のベルトクリーニング装置2と共通するため、相違点について説明する。
【0036】
図7に示すように、水塗布回収ウェブ50の一端は回転可能な繰り出し軸51の周面に固定され、繰り出し軸51に水塗布回収ウェブ50を何重にも巻き付けて、繰り出しロール51rを形成する。帯状の水塗布回収ウェブ50の他端は、回転可能な巻き取り軸52の周面に固定されている。巻き取り軸52が図7中の時計回り方向に回転駆動することで、巻き取り軸52が水塗布回収ウェブ50を巻き取るとともに、その分だけ繰り出し軸51の繰り出しロール51rから水塗布回収ウェブ50が図7中の矢印Gで示すように送り出される。また、巻き取り軸52に水塗布回収ウェブ50が巻き付くことで巻き取りロール52rが形成される。
【0037】
水塗布回収ウェブ50は繰り出しロール51rの状態で、水ボトル30から継続的に適量の水29の供給を受ける。そして、水塗布回収ウェブ50は湿った状態で、押し付けローラ58が水塗布回収ウェブ50及び中間転写ベルト5を挟んでクリーニング対向ローラ17に当接する塗布回収ニップに進入する。これにより、塗布回収ニップにおいて、水29によって湿った状態の水塗布回収ウェブ50によって、水拭きのように、水29の付与と拭き取り(回収)とが同時に行われる。
なお、図7に示す実施例5のベルトクリーニング装置2では、実験的には水ボトル30から水塗布回収ウェブ50に対する水29の付与量を微妙にコントロールする必要があった。これは、中間転写ベルト5は感光体61との対向部では乾燥している必要があり、独立した拭き取り手段(洗浄液回収手段)が無い実施例5の構成だと水塗布回収ウェブ50に供給する水29の量を極力少なくする必要があるためである。一方、水塗布回収ウェブ50に供給する水29の量が少な過ぎると定着液12を拭き取る効果がなくなるため水分のコントロールが難しい。しかしウェブ一枚で済み、簡単な構成となるためコスト削減のメリットがある。
【0038】
実施例1〜実施例5のベルトクリーニング装置2では、洗浄液回収手段として、洗浄液を吸収する部材である水回収用ウェブ27や水塗布回収ウェブ50というウェブを用いた構成であるが、洗浄液回収手段としてはウェブを用いる構成に限るものではない。本発明のクリーニング装置の洗浄液回収手段としては、トナー像担持体上の洗浄液を回収することが出来るものであれば、どのような構成であってもよい。以下、ウェブを用いない洗浄液回収手段として、ローラ状の部材を備えた構成について説明する。
図8は、洗浄液回収手段としてローラ状の水回収用ローラ59を備える構成の説明図である。洗浄液回収手段以外の構成は実施例1のベルトクリーニング装置2と共通するため、相違点について説明する。
【0039】
水回収用ローラ59は外周面には洗浄液である水を染み込ませることができる回収スポンジ層59aを備える。水回収用ローラ59が図8中の矢印H方向に回転することで、回収スポンジ層59aが中間転写ベルト5との当接部である回収ニップと絞りローラ59bとの対向部である絞りニップとを通過する。回収ニップでは、中間転写ベルト5の表面移動方向に対して、水回収用ローラ59が逆方向に表面移動している。そして、この線速差によって中間転写ベルト5と水回収用ローラ59とを互いに擦り合わせることで、中間転写ベルト5上に付与された水29を混合した定着液12とともに、水回収用ローラ59の回収スポンジ層59aで拭き取ることが出来る。定着液12とともに水29を拭き取った回収スポンジ層59aは、絞りニップで圧縮されて吸収した定着液12を含有する水29を排出し、再び、回収ニップに向けて移動し、水29を回収する動作を繰り返す。
【0040】
なお、実施例1〜5の構成、及び、図8に示す構成では、洗浄液回収手段の水29を回収する部材と、中間転写ベルト5との間に速度差を設けて擦り合わせて中間転写ベルト5上の水29を回収する構成である。洗浄液回収手段の水29を回収する部材と、中間転写ベルト5との間に必ずしも速度差を設ける必要はなく、中間転写ベルト5上の水29を回収できれば良い。しかし、回収する部材と、中間転写ベルト5との間に速度差を設けることで、速度差を設けない構成に比べて、より確実に水29を回収することができる。
【0041】
また、実施例1〜5の構成、及び、図8に示す構成では、クリーニングブラシ4やクリーニングブレード3のようにトナーを掻き取るタイプのクリーニング部材に対して、中間転写ベルト5の表面移動方向下流側に洗浄液を付与して回収するする定着液クリーニング機構1を配置している。しかし、中間転写ベルト5の表面上に洗浄液を付与して回収するする定着液クリーニング機構1の配置としては、トナーを掻き取るタイプのクリーニング部材に対して、中間転写ベルト5の表面移動方向上流側に配置してもよい。
さらに、ベルトクリーニング装置2としては、トナーを掻き取るタイプのクリーニング部材を備えず、二次転写残トナーを定着液12とともに定着液クリーニング機構1で回収する構成としてもよい。
【0042】
また、本実施形態のプリンタ100では、洗浄液として水29を中間転写ベルト5に付与し、その後、水29を回収する構成について説明したが、洗浄液としては水29に限るものではない。本実施形態のプリンタ100の定着装置11が用いる定着液12が軟化剤を溶解または分散する溶媒として水を用いているため、洗浄液として水29を付与することで、中間転写ベルト5上の定着液12を希釈することができ、水29と共に定着液12を回収することが容易となる。このため、水以外の溶媒からなる定着液を用いる定着装置を備える画像形成装置の場合は、その定着液を希釈することが出来る液体を洗浄液として用いることが望ましい。
【0043】
また、本実施形態のプリンタ100が備えるベルトクリーニング装置2のように洗浄液をクリーニング対象に付与し、その後、洗浄液を回収するクリーニング装置のクリーニング対象としては中間転写ベルトに限るものではない。感光体61などの定着液12が付着し得るトナー像担持体のクリーニング装置であれば、本発明の洗浄液を用いるクリーニング装置は適用可能である。
さらに、定着液を用いる画像形成装置に限らず、トナー像担持体であれば、トナーを掻き取るタイプのクリーニング部材ではトナー像担持体の付着物を除去しきれないことがある。このような場合、洗浄液をトナー像担持体に付与して、付着物を洗浄液に含有させた状態で洗浄液を除去することで、掻き取るタイプのクリーニング部材では除去し切れなかった付着物を除去することが出来る。このため、本発明の特徴部である洗浄液をクリーニング対象に付与し、その後、洗浄液を回収するクリーニング装置は、定着液を用いる画像形成装置に限らず適用することができる。
【0044】
以上、本実施形態のベルトクリーニング装置2は、粉体トナーからなるトナー像を担持し、担持したトナー像を記録媒体である転写紙Pに転写するトナー像担持体である中間転写ベルト5のトナー像を転写した後の表面上の付着物を除去するクリーニング装置であり、中間転写ベルト5の表面上に液状の洗浄液である水29を付与する洗浄液付与手段と、洗浄液付与手段によって付与された水29を中間転写ベルト5の表面上から回収する洗浄液回収手段とを有し、洗浄液付与手段で水29を付与することで中間転写ベルト5の表面上の付着物を水29に含有させ、付着物と共に水29を洗浄液回収手段で拭き取って回収する。これにより、掻き取るタイプのクリーニング部材ではクリーニングできなかった中間転写ベルト5上の付着物をもクリーニングできるようになる。
【0045】
また、実施例1、2及び5のベルトクリーニング装置2は、洗浄液付与手段が、巻き取り可能に張架されて表面移動する帯状部材である塗布ウェブ(水塗布用ウェブ24、水塗布回収ウェブ50)と、この塗布ウェブに洗浄液である水29を供給する洗浄液供給手段である水ボトル30とを備え、水29が供給された塗布ウェブを中間転写ベルト5の表面に当接させることで、中間転写ベルト5の表面上に水29を付与する。このように、洗浄液付与手段に、塗布ウェブを使用することで、低コストで水29の付与機能を実現することができる。
【0046】
また、実施例3のベルトクリーニング装置2は、洗浄液付与手段が、表面移動するローラ状部材である水塗布用ローラ31と、水塗布用ローラ31に洗浄液である水29を供給する洗浄液供給手段である水ボトル30とを備え、水29が供給された水塗布用ローラ31を中間転写ベルト5の表面に当接させることで、中間転写ベルト5の表面上に水29を付与する。このように、洗浄液付与手段に、水塗布用ローラ31を使用することで、低コストで水29の付与機能を実現することができる。
【0047】
また、実施例4のベルトクリーニング装置2は、洗浄液付与手段が、洗浄液である水29を霧状にして噴霧する噴霧手段であるミスト発生装置32を備え、ミスト発生装置32が水29を中間転写ベルト5の表面に噴霧することで、中間転写ベルト5の表面上に水29を付与する。このように、洗浄液付与手段に、ミスト発生装置32を使用することで、均一性に優れた水29の付与機能を実現することができる。
【0048】
また、実施例1〜5のベルトクリーニング装置2は、洗浄液回収手段が、巻き取り可能に張架され表面移動する帯状部材である回収ウェブ(水回収用ウェブ27、水塗布回収ウェブ50)を備え、回収ウェブを中間転写ベルト5の表面に当接させることで、中間転写ベルト5の表面上の洗浄液である水29を回収する。このように、洗浄液回収手段に、回収ウェブを使用することで、低コストで水29の回収機能を実現することができる。
【0049】
また、実施例2のベルトクリーニング装置2は、洗浄液回収手段が、巻き取り可能に張架され表面移動する帯状部材である水塗布回収ウェブ50を備え、水塗布回収ウェブ50を中間転写ベルト5の表面に当接させることで、中間転写ベルト5の表面上の洗浄液である水29を回収する構成であり、洗浄液付与手段と洗浄液回収手段とが水塗布回収ウェブ50を共有し、一つのウェブである水塗布回収ウェブ50を中間転写ベルト5の表面に二度当接させることで、中間転写ベルト5の表面への水29の付与と、回収とを行う。このように、洗浄液付与手段と洗浄液回収手段とが水塗布回収ウェブ50を共有し、一枚のウエブを使用することで低コスト化が実現できる。
【0050】
また、実施例5のベルトクリーニング装置2は、洗浄液回収手段が、巻き取り可能に張架され表面移動する帯状部材である水塗布回収ウェブ50を備え、水塗布回収ウェブ50を中間転写ベルト5の表面に当接させることで、中間転写ベルト5の表面上の洗浄液である水29を回収する構成であり、洗浄液付与手段と洗浄液回収手段とが水塗布回収ウェブ50を共有し、一つのウェブである水塗布回収ウェブ50の中間転写ベルト5の表面に対する一度の当接で、中間転写ベルト5の表面への水29の付与と、回収とを行う。この構成では、水塗布回収ウェブ50に供給する水29の量をコントロールして、水塗布回収ウェブ50で水29を付与して、中間転写ベルト5上の定着液12を微量の水29で溶かす工程と、水塗布回収ウェブ50で定着液12が溶けた水29を拭き取る工程とを同時に行う。このように、水29を含ませた水塗布回収ウェブ50で一回拭くことで、中間転写ベルト5に対する水29の付与と拭き取りを同時に行うことで、さらに構成が簡素化され低コスト化に繋がる。
【0051】
また、実施例1〜実施例5のベルトクリーニング装置2は、洗浄液回収手段が中間転写ベルト5に対して線速差をもって当接する表面移動体である回収ウェブ(水回収用ウェブ27、水塗布回収ウェブ50)、を備え、中間転写ベルト5と回収ウェブとの線速差によって互いに擦り合わせることで、中間転写ベルト5の表面上の洗浄液である水29を拭き取る。中間転写ベルト5と回収ウェブとの間に線速差があることにより、回収ウェブが中間転写ベルト5上の水29を吸収するだけでなく、拭き取る作用が生じ、線速差が無いものに比べて、中間転写ベルト5上の水29をより確実に除去することが出来る。
【0052】
また、図3に示す構成のように、洗浄液回収手段を構成するに水回収用ウェブ27よって洗浄液である水29が回収された中間転写ベルト5の表面上を乾燥させる乾燥手段である拭き取り後乾燥装置34を配置してもよい。このように、拭き取り後乾燥装置34を備えることで、液状成分が作像部6に進入することに起因する異常画像等の不具合発生を防ぐことができる。
【0053】
また、実施例1〜実施例5のベルトクリーニング装置2は、表面移動する中間転写ベルト5の表面上の洗浄液付与手段が洗浄液である水29を付与する位置に対して表面移動方向上流側で、中間転写ベルト5の表面上の付着物を掻き取る掻き取り手段であるクリーニングブラシ4及びクリーニングブレード3を有する。これにより、掻き取るタイプのクリーニング部材では除去し切れなかった定着液12等の付着物を、定着液クリーニング機構1で除去することが出来る。また、定着液12が作像部6との対向部に到達する手前で定着液12を除去することができるため、異常画像等の不具合を防ぐことができる。
【0054】
また、実施例1〜実施例5のベルトクリーニング装置2は、塗布する洗浄液が水を含有する液体であるため、安価で環境への影響が少ない洗浄液を用いてクリーニングを行うことが出来る。
【0055】
本実施形態のプリンタ100は、粉体トナーからなるトナー像を担持するトナー像担持体である中間転写ベルト5と、中間転写ベルト5上にトナー像を形成するトナー像形成手段である作像部6と、中間転写ベルト5のトナー像を記録媒体である転写紙Pに転写する転写手段である二次転写ローラ10と、トナー像を転写した後の中間転写ベルト5上の残留トナーを除去するクリーニング手段とを備えた画像形成装置であり、クリーニング手段として、実施例1〜実施例5で説明したベルトクリーニング装置2を用いる。洗浄液を付与して、付着物を洗浄液に含有させてから付着物とともに洗浄液を除去するため、従来の掻き取るタイプのクリーニング部材ではクリーニングできなかった中間転写ベルト5上の付着物をもクリーニングできるようになり、異常画像等の発生を抑えることができるようになる。
【0056】
また、本実施形態のプリンタ100は、二次転写ローラ10によってトナー像が転写された転写紙Pにトナー像を定着させる定着装置11が、転写紙Pに転写するトナー像を担持する転写紙Pの表面である定着液付与対象の表面に、トナーの少なくとも一部を溶解または膨潤させることでトナー粒子を軟化させる軟化剤を含有した定着液12を付与し、転写紙P上にトナー像を定着せしめる定着手段であり、ベルトクリーニング装置2が中間転写ベルト5に付与する洗浄液が定着液12を希釈する定着液希釈液として機能する水29である。このように、定着液12を使った定着装置を使用した画像形成装置に本発明のベルトクリーニング装置2を適用することで、今までクリーニングできなかった中間転写ベルト5上の定着液12をクリーニングできるようになる。このため、異常画像等の発生を抑えることができるようになり、またトナーが定着液12によって軟化した後に硬化することで、装置内に固着することに起因する不具合を防ぐことができる。
【符号の説明】
【0057】
1 定着液クリーニング機構
2 ベルトクリーニング装置
3 クリーニングブレード
4 クリーニングブラシ
5 中間転写ベルト
6 作像部
7 廃トナーボトル
8 給紙カセット
10 二次転写ローラ
11 定着装置
12 定着液
12a 定着液収容器
13 塗布ヘッド
14 塗布ローラ
15 塗布対向ローラ
16 二次転写残トナー搬送パイプ
17 クリーニング対向ローラ
18 反転装置側排出ローラ
19 反転装置側入口ローラ
20 二次転写対向ローラ
21 塗布繰り出し軸
21r 塗布繰り出しロール
22 塗布押し付けローラ
23 塗布巻き取り軸
23r 塗布巻き取りロール
24 水塗布用ウェブ
25 回収繰り出し軸
25r 回収繰り出しロール
26 回収押し付けローラ
27 水回収用ウェブ
28 回収巻き取り軸
28r 回収巻き取りロール
29 水
29a ミスト
30 水ボトル
31 水塗布用ローラ
32 ミスト発生装置
34 拭き取り後乾燥装置
35 レジストローラ対
36 スイッチバック経路
40 転写紙反転装置
41 排紙ローラ
42 排紙トレイ
50 水塗布回収ウェブ
51 繰り出し軸
51r 繰り出しロール
52 巻き取り軸
52r 巻き取りロール
54 ブロア
55 第一張架ローラ
56 第二張架ローラ
58 押し付けローラ
59 水回収用ローラ
59a 回収スポンジ層
59b 絞りローラ
61 感光体
62 現像装置
63 露光装置
64 帯電装置
65 感光体クリーニング装置
67 一次転写残トナー搬送パイプ
100 プリンタ
P 転写紙
【先行技術文献】
【特許文献】
【0058】
【特許文献1】特公昭40−10867号公報
【特許文献2】特開2006−78573号公報
【特許文献3】特開2007−219105号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体トナーからなるトナー像を担持し、担持したトナー像を記録媒体または他のトナー像担持体に転写するトナー像担持体のトナー像を転写した後の表面上の付着物を除去するクリーニング装置において、
上記トナー像担持体の表面上に液状の洗浄液を付与する洗浄液付与手段と、
該洗浄液付与手段によって該トナー像担持体の表面上に付与された該洗浄液を該トナー像担持体の表面上から回収する洗浄液回収手段とを有することを特徴とするクリーニング装置。
【請求項2】
請求項1のクリーニング装置において、
上記洗浄液付与手段は、巻き取り可能あるいは無端移動可能に張架されて表面移動する帯状部材と、該帯状部材に上記洗浄液を供給する洗浄液供給手段とを備え、
該洗浄液が供給された該帯状部材を上記トナー像担持体の表面に当接させることで、該トナー像担持体の表面上に該洗浄液を付与することを特徴とするクリーニング装置。
【請求項3】
請求項1のクリーニング装置において、
上記洗浄液付与手段は、表面移動するローラ状部材と、該ローラ状部材に上記洗浄液を供給する洗浄液供給手段とを備え、
該洗浄液が供給された該ローラ状部材を上記トナー像担持体の表面に当接させることで、該トナー像担持体の表面上に該洗浄液を付与することを特徴とするクリーニング装置。
【請求項4】
請求項1のクリーニング装置において、
上記洗浄液付与手段は、上記洗浄液を霧状にして噴霧する噴霧手段を備え、
該噴霧手段が該洗浄液を上記トナー像担持体の表面に噴霧することで、該トナー像担持体の表面上に該洗浄液を付与することを特徴とするクリーニング装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のクリーニング装置において、
上記洗浄液回収手段は、巻き取り可能あるいは無端移動可能に張架され表面移動する帯状部材を備え、
該帯状部材を上記トナー像担持体の表面に当接させることで、該トナー像担持体の表面上の該洗浄液を回収することを特徴とするクリーニング装置。
【請求項6】
請求項2のクリーニング装置において、
上記洗浄液回収手段は、巻き取り可能あるいは無端移動可能に張架され表面移動する帯状部材を備え、
該帯状部材を上記トナー像担持体の表面に当接させることで、該トナー像担持体の表面上の該洗浄液を回収する構成であり、
上記洗浄液付与手段と上記洗浄液回収手段とが上記帯状部材を共有し、
一つの該帯状部材を上記トナー像担持体の表面に二度当接させることで、該トナー像担持体の表面への上記洗浄液の付与と、該トナー像担持体の表面からの該洗浄液の回収とを行うことを特徴とするクリーニング装置。
【請求項7】
請求項2のクリーニング装置において、
上記洗浄液回収手段は、巻き取り可能あるいは無端移動可能に張架した帯状部材を備え、
該帯状部材を上記トナー像担持体の表面に当接させることで、該トナー像担持体の表面上の該洗浄液を回収する構成であり、
上記洗浄液付与手段と上記洗浄液回収手段とが上記帯状部材を共有し、
一つの該帯状部材の上記トナー像担持体の表面に対する一度の当接で、該トナー像担持体の表面への上記洗浄液の付与と、該トナー像担持体の表面からの該洗浄液の回収とを行うことを特徴とするクリーニング装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のクリーニング装置において、
上記洗浄液回収手段は、上記トナー像担持体に対して線速差をもって当接する表面移動体を備え、
該トナー像担持体と該表面移動体との線速差によって互いに擦り合わせることで、該トナー像担持体の表面上の上記洗浄液を拭き取ることを特徴とするクリーニング装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載のクリーニング装置において、
上記洗浄液回収手段によって上記洗浄液が回収された上記トナー像担持体の表面上を乾燥させる乾燥手段を有することを特徴とするクリーニング装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載のクリーニング装置において、
表面移動する上記トナー像担持体の表面上の上記洗浄液付与手段が上記洗浄液を付与する位置に対して表面移動方向上流側で、該トナー像担持体の表面上の付着物を掻き取る掻き取り手段を有することを特徴とするクリーニング装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載のクリーニング装置において、
上記洗浄液が水を含有する液体であることを特徴とするクリーニング装置。
【請求項12】
粉体トナーからなるトナー像を担持するトナー像担持体と、該トナー像担持体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、該トナー像担持体上のトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、トナー像を転写した後の該トナー像担持体の表面上の残留トナーを除去するクリーニング手段とを備えた画像形成装置において、
上記クリーニング手段として、請求項1乃至11のいずれか1項に記載のクリーニング装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項12の画像形成装置において、
上記転写手段によってトナー像が転写された上記記録媒体にトナー像を定着させる定着手段が、該記録媒体に転写するトナー像を担持するトナー像担持体の表面、または、トナー像を担持する記録媒体の表面である定着液付与対象の表面に、トナーの少なくとも一部を溶解または膨潤させることでトナー粒子を軟化させる軟化剤を含有した定着液を付与し、該記録媒体上にトナー像を定着せしめる定着手段であり、
上記クリーニング装置が上記トナー像担持体に付与する上記洗浄液が該定着液を希釈する定着液希釈液であることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−75976(P2011−75976A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−229374(P2009−229374)
【出願日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】