説明

クレジットカードシステム及びクレジットカードの利用方法

【課題】利用者が自ら、加盟店または加盟店業種毎に設定した利用限度額の範囲内でクレジットカードの利用が可能となるクレジットカードシステム及びクレジットカードの利用方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るクレジットカードシステムは、利用者によって入力された加盟店コードまたは加盟店業種コードと、加盟店または加盟店業種毎の利用限度額とを記憶する手段と、店員によって入力された今回の利用金額と、加盟店または加盟店業種における特定期間内の利用金額とを加算した第1の加算結果が、前記記憶された利用限度額以下であるかどうかを判定する第1の判定手段と、前記第1の加算結果が前記記憶された利用限度額以下である場合に、前記今回の利用金額とクレジットカードの特定期間内の利用金額とを加算した第2の加算結果が、クレジットカード会社が設定した利用限度額以下であるかどうかを判定する第2の判定手段とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、クレジットカードシステム及びクレジットカードの利用方法に関し、より詳細には、クレジットカードの利用者が、クレジットカード会社の設定金額範囲内において、自らクレジットカードの利用限度額を設定することができるクレジットカードシステム及びクレジットカードの利用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、国内の店舗での買物はもとより、海外での買物、インターネットショッピング、また、公共料金の引き落としなど、クレジットカードを利用する機会がますます増えている。
【0003】
クレジットカードの会員になるためには、最初に、クレジットカード会社の審査を受けなければならない。クレジットカード会社は、クレジットカードの入会の申請を受け付けると、申請された内容を元に申請者の審査を行う。審査は例えば、申請者の職業や年収、信用情報等を参考にして行われる。そしてクレジットカード会社の審査を通ると、クレジットカードが発行される。
【0004】
発行されたクレジットカードには、特定期間内(通常は一月)の利用限度額が定められており、クレジットカードの利用限度額は、利用者の信用度合いに応じてクレジットカード会社が設定する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、クレジットカード会社が設定したクレジットカードの利用限度額は、必ずしも、常に利用者が支払うことのできる金額に応じたものであるとは限らない。例えば、設定された利用限度額は、利用者の収入が減少した場合でも、そのまま維持されることがある。このため、クレジットカードの利用者は、クレジットカード会社に支払うことのできる金額を超えてクレジットカードを使用してしまい、定められた期日に利用金額を支払えなくなってしまうという問題がある。さらに、クレジットカード会社へ支払うことのできる金額を超えてのクレジットカードの使用が度重なれば、多重債務や自己破産の一因となる可能性がある。
【0006】
本発明は、このような問題を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、利用者が自ら、加盟店または加盟店業種毎に設定した利用限度額の範囲内でクレジットカードの利用が可能となるクレジットカードシステム及びクレジットカードの利用方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、クレジットカードシステムであって、利用者によって入力された加盟店コードまたは加盟店業種コードと、加盟店または加盟店業種毎の利用限度額とをクライアント端末から受信する手段と、前記受信した加盟店コードまたは加盟店業種コード、及び前記利用限度額、並びに加盟店または加盟店業種毎の特定期間内の利用金額を記憶する手段と、店員によって入力された今回の利用金額と、加盟店コードまたは加盟店業種コードとを受信する手段と、前記受信した今回の利用金額と、前記加盟店または加盟店業種における特定期間内の利用金額とを加算した第1の加算結果が、前記記憶された利用限度額以下であるかどうかを判定する第1の判定手段と、前記第1の加算結果が、前記記憶された利用限度額以下である場合に、前記今回の利用金額と、クレジットカードの特定期間内の利用金額とを加算した第2の加算結果が、クレジットカード会社が設定した利用限度額以下であるかどうかを判定する第2の判定手段とを備え、前記第2の加算結果が、前記クレジットカード会社が設定した利用限度額以下である場合にクレジットカードの利用を許可し、前記第2の加算結果が、前記クレジットカード会社が設定した利用限度額より大きい場合にクレジットカードの利用を拒否することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のクレジットカードシステムであって、前記記憶された加盟店コードまたは加盟店業種コードと、前記利用限度額とをホストコンピュータから受信する手段と、前記受信した加盟店コードまたは加盟店業種コードと、前記利用限度額とを表示する手段とをさらに備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、クレジットカードシステムであって、利用者によって入力された加盟店コードまたは加盟店業種コードと、加盟店または加盟店業種毎の利用限度額とをクレジットカードに設定する手段と、加盟店または加盟店業種毎の特定期間内の利用金額を記憶する手段と、店員によって入力された今回の利用金額と、前記加盟店または加盟店業種における特定期間内の利用金額とを加算した第1の加算結果が、前記クレジットカードに設定された利用限度額以下であるかどうかを判定する第1の判定手段と、前記第1の加算結果が、前記クレジットカードに設定された利用限度額以下である場合に、前記今回の利用金額をクライアント端末から受信する手段と、前記受信した今回の利用金額と、クレジットカードの特定期間内の利用金額とを加算した第2の加算結果が、クレジットカード会社が設定した利用限度額以下であるかどうかを判定する第2の判定手段とを備え、前記第2の加算結果が、前記クレジットカード会社が設定した利用限度額以下である場合にクレジットカードの利用を許可し、前記第2の加算結果が、前記クレジットカード会社が設定した利用限度額より大きい場合にクレジットカードの利用を拒否することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のクレジットカードシステムであって、前記クレジットカードに設定された加盟店コードまたは加盟店業種コードと、利用限度額とを表示する手段をさらに備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、クレジットカードの利用方法であって、利用者によって入力された加盟店コードまたは加盟店業種コードと、加盟店または加盟店業種毎の利用限度額とをクライアント端末から受信するステップと、前記受信した加盟店コードまたは加盟店業種コード、及び前記利用限度額、並びに加盟店または加盟店業種毎の特定期間内の利用金額を記憶するステップと、店員によって入力された今回の利用金額と、加盟店コードまたは加盟店業種コードとを受信するステップと、前記受信した今回の利用金額と、前期加盟店または加盟店業種における特定期間内の利用金額とを加算した第1の結果が、前記記憶された利用限度額以下であるかどうかを判定する第1の判定ステップと、前記第1の加算結果が、前記記憶された利用限度額以下である場合に、前記今回の利用金額と、クレジットカードの特定期間内の利用金額とを加算した第2の加算結果が、クレジットカード会社が設定した利用限度額以下であるかどうかを判定する第2の判定ステップとを備え、前記第2の加算結果が、前記クレジットカード会社が設定した利用限度額以下である場合にクレジットカードの利用を許可し、前記第2の加算結果が、前記クレジットカード会社が設定した利用限度額より大きい場合にクレジットカードの利用を拒否することを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のクレジットカードの利用方法であって、前記記憶された加盟店コードまたは加盟店業種コードと、前記利用限度額とをホストコンピュータから受信するステップと、前記受信した加盟店コードまたは加盟店業種コードと、前記利用限度額とを表示するステップとをさらに備えることを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に記載の発明は、クレジットカードの利用方法であって、利用者によって入力された加盟店コードまたは加盟店業種コードと、加盟店または加盟店業種毎の利用限度額とをクレジットカードに設定するステップと、加盟店または加盟店業種毎の特定期間内の利用金額を記憶するステップと、店員によって入力された今回の利用金額と、前記加盟店または加盟店業種における特定期間内の利用金額とを加算した第1の加算結果が、前記クレジットカードに設定された利用限度額以下であるかどうかを判定する第1の判定ステップと、前記第1の加算結果が、前記クレジットカードに設定された利用限度額以下である場合に、前記今回の利用金額をクライアント端末から受信するステップと、前記受信した今回の利用金額と、クレジットカードの特定期間内の利用金額と加算した第2の加算結果が、クレジットカード会社が設定した利用限度額以下であるかどうかを判定する第2の判定ステップとを備え、前記第2の加算結果が、前記クレジットカード会社が設定した利用限度額以下である場合にクレジットカードの利用を許可し、前記第2の加算結果が、前記クレジットカード会社が設定した利用限度額より大きい場合にクレジットカードの利用を拒否することを特徴とする。
【0014】
さらに、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のクレジットカードの利用方法であって、前記クレジットカードに設定された加盟店コードまたは加盟店業種コードと、利用限度額とを表示するステップをさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、利用者が自ら、加盟店または加盟店業種毎に設定した利用限度額の範囲内でクレジットカードの利用が可能となるクレジットカードシステム及びクレジットカードの利用方法を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、複数の図面において同一の符号は同一物を示し、重複した説明は省略する。
【0017】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係る、クレジットカードシステムの例示的なコンピュータ環境を示す図である。カードリーダライタ103を備えるクライアント端末101、及びカードリーダライタ107を備える店舗端末105は、インターネットなどのネットワーク111を介して、クレジットカード会社のホストコンピュータ109と接続される。
【0018】
クライアント端末101は、インターネットなどのネットワークに接続することができるパーソナルコンピュータ、または、PDAなどの携帯情報端末機器などとすることができる。また、クライアント端末101は、ウェブブラウザ等を備え、そのウェブブラウザ等を介して、ホストコンピュータ109に接続することができる。また、クライアント端末101は、カードリーダライタ103を介して、ICチップを内蔵するICカードまたは磁気記憶領域を有する磁気カードであるクレジットカードに記憶された会員番号など識別情報や、クレジットカードの有効年月日などを読み込むことができる。さらに、クライアント端末101は、利用者によってクライアント端末101に入力された情報を、カードリーダライタ103を介してクレジットカードに書込むことができる。
【0019】
店舗端末105は、クレジットカード加盟店に設置されている端末であり、インターネットなどのネットワークに接続することができるパーソナルコンピュータ、または、PDAなどの携帯情報端末機器などとすることができる。店舗端末105も、クライアント端末101と同様に、インターネットなどのネットワーク111を介して、クレジットカード会社のホストコンピュータ109に接続することができ、カードリーダライタ107を介して、クレジットカードに記憶された情報を読み込むこと、及び加盟店の店員によって入力された情報を書き込むことができる。さらに、店舗端末105は、利用者が店舗にてクレジットカードを利用する際に、クレジットカード会社のホストコンピュータ109が行ったクレジットカードの利用可否の判定の結果を受信し、表示することができる。
【0020】
クレジットカード会社のホストコンピュータ109はデータベースを備え、そのデータベースには、クレジットカードの利用限度額や、特定期間内の利用金額などを記憶することができる。ホストコンピュータ109は、データベースに記憶しているそれらの情報を用いて、店舗端末105からの要求に応じて、クレジットカードの利用可否を判定し、その判定結果を送信することができる。
【0021】
図2は、本発明の一実施形態に係る、クライアント端末101、店舗端末105、及びホストコンピュータ109に実装される機能を示すブロック図であり、図3は、本発明の一実施形態に係る、ホストコンピュータ109が備えるデータベース213に格納されている、テーブル301、303、305、307を示す図である。
【0022】
クライアント端末101は、入出力部201、データ処理部203、及びデータ送受信部205を備える。クライアント端末101は、入出力部201を介して利用者が入力した情報を、データ処理部203にて処理し、データ送受信部205を介して、ホストコンピュータ109のデータ送受信部207に送信することができる。また、ホストコンピュータ109のデータ送受信部207からの情報を、データ送受信部203を介して受信し、データ処理部203にて処理し、入出力部201を介して利用者に対して表示することができる。
【0023】
店舗端末105が備える機能は、クライアント端末101と同様であるため、その説明は省略する。
【0024】
クレジットカード会社のホストコンピュータ109は、データ送受信部207、利用限度額設定部209、利用可否判定部211、及びデータベース213を備える。また、データベース213は、カード会社設定利用限度額テーブル301、加盟店業種テーブル303、加盟店テーブル305、及び、会員設定利用限度額テーブル307を備える。
【0025】
データ送受信部207は、クライアント端末101のデータ送受信部205及び店舗端末105のデータ送受信部205と、データの送受信を行う。また、利用限度額設定部209は、データ送受信部207において受信した利用限度額等を、データベース213の会員設定利用限度額テーブル307に設定することができる。また、利用可否判定部211は、データ送受信部207において受信した利用金額を用いて、クレジットカードの利用可否を判定することができる。これらの機能を用いた処理の流れは、図4及び図5を用いて後述する。
【0026】
カード会社設定利用限度額テーブル301には、クレジットカード会員番号、クレジットカード会員毎の特定期間内のカード会社設定利用限度額、及び特定期間内の利用金額が記憶される(以下、特定期間を一月とし、例えば、その間の利用限度額を当月利用限度額と呼ぶ。)。当月利用限度額は、クレジットカード会社が、クレジットカード利用者の信用度合いに応じて設定し、クレジットカード利用者は、一月の間にその金額内においてクレジットカードを利用することができる。
【0027】
加盟店業種テーブル303には、クレジットカード加盟店が属する業種の、加盟店業種コード、及び、加盟店業種名が記憶される。
【0028】
加盟店テーブル305には、クレジットカード加盟店の加盟店コード、当該加盟店が属する業種を表す加盟店業種コード、及び、加盟店名が記憶される。加盟店業種コードは、加盟店業種テーブル303に記憶されている加盟店業種コードに対応する。
【0029】
会員設定利用限度額テーブル307には、クレジットカード会員番号、加盟店コードまたは加盟店業種コード、クレジットカードの利用者が自ら設定することができる会員設定利用限度額、及び加盟店または加盟店業種毎の当月利用金額が記憶される。クライアント端末101は、クレジットカードの利用者によって入力された、所望の加盟店または加盟店業種の加盟店コードまたは加盟店業種コード、及び、当該加盟店または加盟店業種における所望のクレジットカードの利用限度額をホストコンピュータ109に送信し、それらを受信したホストコンピュータ109は、データベース213内の会員設定利用限度額テーブル307に記憶することができる。
【0030】
図4は、本発明の一実施形態に係る、クレジットカード利用者が所望する会員設定利用限度額を設定する処理の流れ図である。
【0031】
まず、ステップ401において処理を開始する。次いでステップ403において、ホストコンピュータ109は、クライアント端末101に読み込んだクレジットカードの識別情報と、利用者が入力したパスワードとをクライアント端末101から受信する。
【0032】
次いでステップ405において、ホストコンピュータ109は、利用者の認証を行う。ホストコンピュータ109は、受信したクレジットカードの識別情報及びパスワードを、データベース213に記憶されている不図示の会員識別情報と照合し、正当な利用者であるかどうかを判定する。ステップ407において、ホストコンピュータ109が、クレジットカードの利用者を正当な利用者であると判定した場合、処理はステップ409に進む。一方、正当な利用者ではないと判定した場合、処理はステップ419に進み、終了する。
【0033】
ステップ409において、ホストコンピュータ109は、利用者の会員番号に対応する、カード会社設定利用限度額、加盟店及び加盟店業種について現在設定されている会員設定利用限度額を、データベース213から取得し、クライアント端末101に送信する。ステップ411では、受信したカード会社設定利用限度額、並びに、加盟店及び加盟店業種について現在設定されている会員設定利用限度額が、クライアント端末に表示される。ここで、ステップ409において、データベース213から加盟店及び加盟店業種について現在設定されている会員設定利用限度額が取得されなかった場合には、クライアント端末にはカード会社設定利用限度額のみが表示され、加盟店及び加盟店業種について現在設定されている会員設定利用限度額は表示されない。
【0034】
このように、クレジットカードの利用者は、まず、現在設定されているカード会社設定利用限度額、及び会員設定利用限度額を確認することができる。
【0035】
次いでステップ413において、クライアント端末101は、利用者が入力した加盟店コードまたは加盟店業種コード、及び、会員設定利用限度額を、ホストコンピュータ109に送信する。次いで、ステップ415において、ホストコンピュータ109は、クライアント端末101から加盟店コードまたは加盟店業種コード、及び会員設定利用限度額を受信する。
【0036】
ステップ417において、ホストコンピュータ109は、データベース213内の会員設定利用限度額テーブル307に記憶されている、加盟店コードまたは加盟店業種コードに対応する会員設定利用限度額を、受信した会員設定利用限度額で更新し、ステップ419において処理を終了する。なお、ホストコンピュータ109が受信した加盟店コードまたは加盟店業種コードに対応するデータが、データベース213内の会員設定利用限度額テーブル307に存在しない場合、当該加盟店コードまたは加盟店業種コードについてのデータは、新規に追加される。
【0037】
ここで、例えば、会員設定利用限度額を「0」とした場合、所望の加盟店または加盟店業種において、クレジットカードの利用を禁止することができる。
【0038】
このように、クレジットカードの利用者は、加盟店または加盟店業種毎に、所望の会員設定利用限度額を設定することができる。
【0039】
図5は、本発明の一実施形態に係る、クレジットカードシステムにおける処理の流れ図である。本実施形態では、利用者は店舗にてクレジットカードを利用し、品物の代金を決済することとする。
【0040】
まず、ステップ501において処理を開始する。次いでステップ503にて、ホストコンピュータ109は、店員がクレジットカードをカードリーダライタに読み取らせ、店舗端末105に読み込んだクレジットカードの識別情報と、店員が入力した今回の利用金額とを店舗端末105から受信する。
【0041】
次いでステップ505にて、ホストコンピュータ109は、利用者の認証を行う。ホストコンピュータ109は、受信したクレジットカードの識別情報を、データベース213に記憶されている不図示の会員識別情報と照合し、正当な利用者であるかどうかを判定する。
【0042】
ステップ507において、クレジットカードの利用者が正当な利用者であると判定された場合、処理はステップ509に進む。一方、クレジットカードの利用者が正当な利用者ではないと判定された場合、処理はステップ515に進み、クレジットカードの利用が拒否され、次いでステップ519において終了する。
【0043】
ステップ509では、今回の利用金額と、会員設定利用限度額テーブル307の当月利用金額とを加算した結果が、会員設定利用限度額以下であるかどうかが判定される。加算した結果が会員設定利用限度額以下である場合、処理はステップ511に進む。一方、加算した結果が会員設定利用限度額より大きい場合、処理はステップ515に進み、クレジットカードの利用が拒否され、次いでステップ519において終了する。
【0044】
ステップ511では、今回の利用金額と、カード会社設定利用限度額テーブル301の当月利用金額とを加算した結果が、カード会社設定利用限度額以下であるかどうかが判定される。加算した結果がカード会社設定利用限度額以下である場合、処理はステップ513に進み、クレジットカードの利用が許可される。一方、加算した結果がカード会社設定利用限度額より大きい場合、処理はステップ515に進み、クレジットカードの利用が拒否され、次いでステップ519において終了する。
【0045】
ステップ513においてクレジットカードの利用が許可された後、処理はステップ517に進む。ステップ517では、ホストコンピュータ109は、今回の利用金額と、会員設定利用限度額テーブル307の当月利用金額とを加算し、また、今回の利用金額とカード会社設定利用限度額テーブル301の当月利用金額とを加算した結果で、それぞれのテーブルの当月利用金額を更新し、ステップ519にて処理を終了する。
【0046】
このように、クレジットカードの利用者は、加盟店または加盟店業種毎に自らが設定した利用限度額内で、クレジットカードを利用することができる。
【0047】
(第2の実施形態)
本実施形態では、クレジットカードとして、ICチップを内蔵するICカードを用いる。また、ICチップには、図3で示される会員設定利用限度額テーブル307が記憶されている。
【0048】
図6は、本発明の一実施形態に係る、クライアント端末101、店舗端末105、及びホストコンピュータ109に実装される機能を示すブロック図である。
【0049】
クライアント端末101は、図2に示される同様の機能を有し、さらに、利用限度額設定部601を備える。また、店舗端末105は、図2示される同様の機能を有し、さらに、利用可否判定部605を備える。
【0050】
本実施形態では、クライアント端末101の利用限度額設定部601は、カードリーダライタ103を介してクレジットカードに、会員設定利用限度額を設定することができる。また、店舗端末105の利用可否判定部605は、カードリーダライタ107を介して読み込んだクレジットカードの会員設定利用限度額を参照して、クレジットカードの利用可否を判定することができる。
【0051】
図7は、本発明の一実施形態に係る、クレジットカード利用者が所望する会員設定利用限度額を設定する処理の流れ図である。
【0052】
まず、ステップ701において処理を開始する。次いでステップ703において、クライアント端末101は、利用者の認証を行う。クライアント端末101は、カードリーダライタ103を介してクレジットカードの識別情報を読み込み、利用者が入力したパスワードを、クレジットカードに記憶されているパスワードと照合し、正当な利用者であるかどうかを判定する。ステップ705において、クライアント端末101が、クレジットカードの利用者を正当な利用者であると判定した場合、処理はステップ707に進む。一方、正当な利用者ではないと判定した場合、処理はステップ713に進み、終了する。
【0053】
ステップ707において、クライアント端末101は、クレジットカードから、記憶されている会員設定利用限度額を取得する。次いでステップ709において、クライアント端末101は、取得した会員設定利用限度額を表示する。ここで、クレジットカードに会員設定利用限度額が設定されていない場合、クライアント端末101には、クレジットカードに会員設定利用限度額が設定されていない旨のメッセージが表示される。
【0054】
このように、クレジットカードの利用者は、まず、現在設定されている会員設定利用限度額を確認することができる。
【0055】
次いでステップ711おいて、クライアント端末101は、利用者によって入力された加盟店コードまたは加盟店業種コード、及び会員設定利用限度額で、クレジットカードに記憶されている、対応する会員設定利用限度額を更新し、ステップ713において処理を終了する。なお、利用者によって入力された加盟店コードまたは加盟店業種コードに対応するデータが、クレジットカードに記憶されている会員設定利用限度額テーブルに存在しない場合、当該加盟店コードまたは加盟店業種コードについてのデータは、新規に追加される。
【0056】
ここで、例えば、会員設定利用限度額を「0」とした場合、所望の加盟店または加盟店業種において、クレジットカードの利用を禁止することができる。
【0057】
このように、クレジットカードの利用者は、加盟店または加盟店業種毎に、所望の会員設定利用限度額を設定することができる。
【0058】
図8は、本発明の一実施形態に係る、クレジットカードシステムにおける処理の流れ図である。本実施形態では、利用者は店舗にてクレジットカードを利用し、品物の代金を決済することとする。
【0059】
まず、ステップ801において処理を開始する。次いでステップ803にて、店舗端末105に、店員によって今回の利用金額が入力され、店舗端末105は、カードリーダライタ107を介して読み込んだクレジットカードの識別情報を用いて、利用者の認証を行う。
【0060】
ステップ805において、クレジットカードの利用者が正当な利用者であると判定された場合、処理はステップ807に進む。一方、クレジットカードの利用者が正当な利用者ではないと判定された場合、処理はステップ815に進み、クレジットカードの利用が拒否され、次いでステップ819において終了する。
【0061】
ステップ807では、今回の利用金額と、クレジットカードに記憶されている会員設定利用限度額テーブルの当月利用金額とを加算した結果が、会員設定利用限度額以下であるかどうかが判定される。加算した結果が会員設定利用限度額以下である場合、処理はステップ809に進む。一方、加算した結果が会員設定利用限度額より大きい場合、処理はステップ815に進み、クレジットカードの利用が拒否され、次いでステップ819において終了する。
【0062】
ステップ809において、ホストコンピュータ109は、クレジットカードの識別情報と、今回の利用金額とを、店舗端末105から受信する。
【0063】
ステップ811では、今回の利用金額と、カード会社設定利用限度額テーブル301の当月利用金額とを加算した結果が、カード会社設定利用限度額以下であるかどうかが判定される。加算した結果がカード会社設定利用限度額以下である場合、処理はステップ813に進み、クレジットカードの利用が許可される。一方、加算した結果がカード会社設定利用限度額より大きい場合、処理はステップ815に進み、クレジットカードの利用が拒否され、次いでステップ819において終了する。
【0064】
ステップ813においてクレジットカードの利用が許可された後、処理はステップ817に進む。ステップ817では、ホストコンピュータ109は、今回の利用金額と、会員設定利用限度額テーブル307の当月利用金額とを加算し、当月利用金額を更新する。また、利用が許可されたことは店舗端末105に通知され、店舗端末105は、今回の利用金額と、クレジットカードに記憶されている会員設定利用限度額テーブルの当月利用金額とを加算し、当月利用金額を更新する。次いで、ステップ819にて処理を終了する。
【0065】
このように、クレジットカードの利用者は、加盟店または加盟店業種毎に自らが設定した利用限度額内で、クレジットカードを利用することができる。
【0066】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形を加えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一実施形態に係る、クレジットカードシステムの例示的なコンピュータ環境を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る、クライアント端末101、店舗端末105、及びホストコンピュータ109に実装される機能を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る、ホストコンピュータ109が備えるデータベース213に格納されている、テーブル301、303、305、307を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る、会員設定利用限度額を設定する処理の流れ図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る、クレジットカードシステムにおける処理の流れ図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る、クライアント端末101、店舗端末105、及びホストコンピュータ109に実装される機能を示すブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る、会員設定利用限度額を設定する処理の流れ図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る、クレジットカードシステムにおける処理の流れ図である。
【符号の説明】
【0068】
101 クライアント端末
103、107 カードリーダライタ
105 店舗端末
109 ホストコンピュータ
111 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者によって入力された加盟店コードまたは加盟店業種コードと、加盟店または加盟店業種毎の利用限度額とをクライアント端末から受信する手段と、
前記受信した加盟店コードまたは加盟店業種コード、及び前記利用限度額、並びに加盟店または加盟店業種毎の特定期間内の利用金額を記憶する手段と、
店員によって入力された今回の利用金額と、加盟店コードまたは加盟店業種コードとを受信する手段と、
前記受信した今回の利用金額と、前記加盟店または加盟店業種における特定期間内の利用金額とを加算した第1の加算結果が、前記記憶された利用限度額以下であるかどうかを判定する第1の判定手段と、
前記第1の加算結果が、前記記憶された利用限度額以下である場合に、前記今回の利用金額と、クレジットカードの特定期間内の利用金額とを加算した第2の加算結果が、クレジットカード会社が設定した利用限度額以下であるかどうかを判定する第2の判定手段とを備え、
前記第2の加算結果が、前記クレジットカード会社が設定した利用限度額以下である場合にクレジットカードの利用を許可し、前記第2の加算結果が、前記クレジットカード会社が設定した利用限度額より大きい場合にクレジットカードの利用を拒否することを特徴とするクレジットカードシステム。
【請求項2】
前記記憶された加盟店コードまたは加盟店業種コードと、前記利用限度額とをホストコンピュータから受信する手段と、
前記受信した加盟店コードまたは加盟店業種コードと、前記利用限度額とを表示する手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のクレジットカードシステム。
【請求項3】
利用者によって入力された加盟店コードまたは加盟店業種コードと、加盟店または加盟店業種毎の利用限度額とをクレジットカードに設定する手段と、
加盟店または加盟店業種毎の特定期間内の利用金額を記憶する手段と、
店員によって入力された今回の利用金額と、前記加盟店または加盟店業種における特定期間内の利用金額とを加算した第1の加算結果が、前記クレジットカードに設定された利用限度額以下であるかどうかを判定する第1の判定手段と、
前記第1の加算結果が、前記クレジットカードに設定された利用限度額以下である場合に、前記今回の利用金額をクライアント端末から受信する手段と、
前記受信した今回の利用金額と、クレジットカードの特定期間内の利用金額とを加算した第2の加算結果が、クレジットカード会社が設定した利用限度額以下であるかどうかを判定する第2の判定手段とを備え、
前記第2の加算結果が、前記クレジットカード会社が設定した利用限度額以下である場合にクレジットカードの利用を許可し、前記第2の加算結果が、前記クレジットカード会社が設定した利用限度額より大きい場合にクレジットカードの利用を拒否することを特徴とするクレジットカードシステム。
【請求項4】
前記クレジットカードに設定された加盟店コードまたは加盟店業種コードと、利用限度額とを表示する手段をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載のクレジットカードシステム。
【請求項5】
利用者によって入力された加盟店コードまたは加盟店業種コードと、加盟店または加盟店業種毎の利用限度額とをクライアント端末から受信するステップと、
前記受信した加盟店コードまたは加盟店業種コード、及び前記利用限度額、並びに加盟店または加盟店業種毎の特定期間内の利用金額を記憶するステップと、
店員によって入力された今回の利用金額と、加盟店コードまたは加盟店業種コードとを受信するステップと、
前記受信した今回の利用金額と、前期加盟店または加盟店業種における特定期間内の利用金額とを加算した第1の結果が、前記記憶された利用限度額以下であるかどうかを判定する第1の判定ステップと、
前記第1の加算結果が、前記記憶された利用限度額以下である場合に、前記今回の利用金額と、クレジットカードの特定期間内の利用金額とを加算した第2の加算結果が、クレジットカード会社が設定した利用限度額以下であるかどうかを判定する第2の判定ステップとを備え、
前記第2の加算結果が、前記クレジットカード会社が設定した利用限度額以下である場合にクレジットカードの利用を許可し、前記第2の加算結果が、前記クレジットカード会社が設定した利用限度額より大きい場合にクレジットカードの利用を拒否することを特徴とするクレジットカードの利用方法。
【請求項6】
前記記憶された加盟店コードまたは加盟店業種コードと、前記利用限度額とをホストコンピュータから受信するステップと、
前記受信した加盟店コードまたは加盟店業種コードと、前記利用限度額とを表示するステップと
をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載のクレジットカードの利用方法。
【請求項7】
利用者によって入力された加盟店コードまたは加盟店業種コードと、加盟店または加盟店業種毎の利用限度額とをクレジットカードに設定するステップと、
加盟店または加盟店業種毎の特定期間内の利用金額を記憶するステップと、
店員によって入力された今回の利用金額と、前記加盟店または加盟店業種における特定期間内の利用金額とを加算した第1の加算結果が、前記クレジットカードに設定された利用限度額以下であるかどうかを判定する第1の判定ステップと、
前記第1の加算結果が、前記クレジットカードに設定された利用限度額以下である場合に、前記今回の利用金額をクライアント端末から受信するステップと、
前記受信した今回の利用金額と、クレジットカードの特定期間内の利用金額と加算した第2の加算結果が、クレジットカード会社が設定した利用限度額以下であるかどうかを判定する第2の判定ステップとを備え、
前記第2の加算結果が、前記クレジットカード会社が設定した利用限度額以下である場合にクレジットカードの利用を許可し、前記第2の加算結果が、前記クレジットカード会社が設定した利用限度額より大きい場合にクレジットカードの利用を拒否することを特徴とするクレジットカードの利用方法。
【請求項8】
前記クレジットカードに設定された加盟店コードまたは加盟店業種コードと、利用限度額とを表示するステップをさらに備えることを特徴とする請求項7に記載のクレジットカードの利用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−165350(P2008−165350A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−352012(P2006−352012)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(594103301)三井住友カード株式会社 (39)
【Fターム(参考)】